【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.12】
私も…あなたという新スレに乙を抱きはじめているのかも…
あなたみたいな
>>1と一緒なら、私はむしろ楽しみよ…
そこで…私達に何が出来るのか…
前スレ埋まったか
とりあえず
>>999は補習行きな
しかし12スレ目か
よくぞここまで来たもんだ
前スレ終わりの埋め見て改めて思ったが
そろそろ公式の燃料が恋しくなってくるな
改めて新スレ乙
>>12 総選挙の結果次第であるいは…?
ということで投票がまだの人は明日までに頼むべ
むしろ公式からの燃料の少なさにも関わらずここまで続いてきたことに感心するべ
これからもお前たちの妄想力に期待させてもらうべ
「私たちに何が出来るのか」に燃料が沢山あるのではないでしょうか(ゲス顔
ここまで来れたのはSS職人諸氏の力に拠るところが大きい
今スレでも良SSが読めますように
コロシアイ学園生活中
ジェノサイダー「は〜い今から〜アンタら全員の貞操チェックしま〜す」
霧切「何のために?」
ジェノ「決まってんだろ!十神様の貞操が奪われてないか調べるためだよ!」
霧切「男子の貞操なんて調べられないじゃない」
ジェ「ん〜それもそうね〜んじゃ、女の中で処女じゃないやつがいるかどうか調べようじゃないの!」
霧切「それもなんのため?」
ジェ「なんでもいいんだよ!とにかくまずはあんたからだ!」
霧切「ちょ、やめなさ、、っん!!」
ジェ「これは!膜がない・・・」
みたいなの大浴場でやって苗木クンとヤってしまった霧切さんをみたい
コロシアイの時に霧切さんがそんなことするわけないだろ
アナザーエンドで前科もちのやつらはともかく
記憶が消されるその前の学園生活中のときのことなんだが
やっぱキツイか
いやアリだな
なしで
まあ苦手な人もいるだろうし、エロパロ版推奨だ
個人的にはだな、どこまで本気かわからない霧切さんが
霧「…苗木君。子供はコウノトリが運んでくるのよ、知らなかったのかしら?」
苗「……、えっ?」
霧「……冗談よ」
苗(分かりにくいよ…)
霧「ジョークの相手にするには、つまらない人ね、貴方は。気の利いた返しの一つや二つ、できないの?」
苗「そんなこと言われても…」
霧「常識で考えなさい。私が本当に、そんな子供だましを信じていると思う?」
苗「い、いや、それは…」
霧「知らないわけがないでしょう。子供はキャベツ畑から生まれてくるってことくらい」
苗「……、えっ?」
霧「……貴方には失望したわ」
苗「…じゃあもうはっきり言うけど、霧切さんの冗談、分かりにくいんだって…」
霧「それにしても、二度目よ? 一度目のフリを受けた上で…」
苗「……」
苗「…じゃあ聞くけど、本当は子供はどうやって生まれてくるの?」
霧「決まっているでしょう、それは、……、…」
苗「……」
霧「……セクハラよ、苗木君」
苗「気の利いた返しってやつだよ」
霧「…生意気ね」
とかやってるといいな うん なんかスマン
変な時間に目ぇ覚ますもんじゃないな、永眠するわ
問題ない
続けてくれたまえ
悪意のないセクハラ言葉責めを繰り出す無自覚天然ドS苗木君に翻弄される潜在ドM霧切さんください
補習の時のように赤面しつつセクハラに耐える霧切さん
いいですよね
怪談話を聞かされて、青ざめながら平静を装おうとするものの
恐怖を隠しきれない霧切さんが見たい
こんな寒い日は霧切さんと一緒にコタツに入って過ごしたい
ポーカーフェイスのまま炬燵の下で苗木君にちょっかいをかける霧切さんが見える
外から見えないのをいいことに、
澄まし顔のまま苗木君の足に自分の足を絡める霧切さんとな
猫タイプであるところの霧切さんはきっとコタツで丸くなったら離れなくなる
俺の占いは三割当たる
炬燵に入ってミカンを食べる霧切さんと苗木君を想像すると和む
たぶん霧切さんはミカンの白い筋を綺麗に取ってから食べるタイプ
白い筋を取ったミカンを苗木君の方に差し出して「あーん」
…するかと思いきや自分の口に運ぶ霧切さん
そして謎のドヤ顔
まで幻視した
なにそれかわいい
苗「蜜柑の白い筋ってさ、綺麗に剥がさないとなんか気が済まないんだよね」
霧「待って、苗木君」
苗「え? どうかした?」
霧「その白い繊維にはペクチンやヘスペリジンといった栄養素が豊富に含まれているのよ。
わざわざ剥がすなんてもったいないわ」
苗「へぇ…そうなんだ」
と、蘊蓄披露してくれそうな気もする
「私は手袋をしているからミカンの皮を上手く剥けないわ。ここまで言えば分かるわね?」
つまり苗木君が皮を剥いて霧切さんに食べさせてあげる
そうかわかったぞ!
コタツで眠ってしまって苗木君にベッドまで運んでもらう霧切さん
>>37 苗木くんの皮を剥いて霧切さんが食べるだって?(難聴)
苗木君被ってるのか…
下ネタはほどほどにね、苗木君
ご、ごめんよ霧切さん
(言えない…『それは違う!僕が被ってないことは霧切さんが証言してくれるよ!』と書き込もうとしたなんて言えない…)
霧切さん…もとい日笠がまたラジオのゲストに来てくれるらしいな
新スレ移行記念SS投下。
今スレでも皆さんの妄想を可能な限り汲み取っていきますのでどうぞよろしく。
例によって2ネタバレ含みます。
霧切さんと一緒に夕暮れの砂浜にやってきた――。
しかしお互い何もしゃべらず、砂の上に腰掛けて波の行く末を眺めていたら5分以上が経過していた。
そんな沈黙を打ち破るかのように霧切さんがポツリと問いかけてきた。
『苗木君、あなたは私に何をしたの……?』
『何って……どのことを指すのかな?』
『惚けても無駄よ。あやふやな意識だったけど、あなたが私にしたことは今でもはっきり覚えているわ』
ドクン、と心臓が大きく跳ねた音がした。
思い当たる節が出てきたのを悟られないよう霧切さんの顔を見ずに視線は海をキープする。
『あれは……霧切さんがうなされていたし、薬を渡しても飲めなそうだったから飲ませたまでだよ』
『だったら口移しで薬と水が流れ込んだ後もしばらく唇を離さなかった理由も聞かせてもらおうかしら?』
『あ、あれは……!』
あの時は何としても薬を飲ませようと必死で、咄嗟に思いついた口移しに邪な気持ちはこれっぽっちもなかったんだ。
薬を飲み込ませても唇を離さなかったのは祈ることしかできなかったから――。
神様、どうかお願いです。
僕はこのまま絶望病で倒れてもいい。
けれどこの人だけは、彼女だけは助けてください。
彼女が僕に希望を託したように、今度は僕から彼女に希望を託せるように――。
そんな風に祈ることしか僕にはできなかったんだ。
『これ見よがしに無抵抗の女性を蹂躙するなんて、苗木君も邪な『それは違うっ!!』……っ!?』
つい反論してしまう。
無抵抗の女の子にキスをしたという否定できない事実。
それでもあの時は必死でああするしかないと思えなかった自分に非があるのは確かだ。
けれど、不純な目的で唇を貪ったわけじゃないことを伝えたいがために叫んでしまった。
視線を海から隣の霧切さんへ。
すると霧切さんは僕の方を向いたままビックリして硬直していた。
てっきり軽蔑の眼差しを向けているかと思いきや、僕の予想に反してポーカーフェイスを保ちながらも頬を赤く染めているのであった――。
―――――
呼び鈴もなく玄関のドアが開いた音がした。
空き巣や強盗、モノクマ暴徒の襲撃などの物騒な話かと思うけど僕の住んでいるマンションは未来機関に宛がわれているだけにセキュリティレベルは高い。
難なく僕の部屋に侵入できるとすれば、僕の家の鍵を所有している人物となる。
「お邪魔するわ」
「ん、いらっしゃい」
自ずと合鍵を渡している響子さんに絞られてくる話だ。
アウターのコートとスーツの上着をクローゼットに掛け、スーツから部屋着に着替えているのか衣擦れの音が聞こえる。
生憎と僕の目は彼女ではなく手元の携帯ゲーム機の画面を見ているからだ。
「コーヒー淹れるけど、あなたも飲む?」
「うん、いただこうかな」
「それと一つ聞きたいけど誠君……。あなた、まさか今日一日ずっとゲームばかりしていたの?」
「……そのまさかです」
「……呆れた。非番だからって時間の費やし方を間違えているわ。あの娘の真似事をして体を壊しても知らないわよ?」
「実はこれ、アルターエゴが作ってくれたゲームなんだ。恋愛シミュレーションゲーム」
「恋愛シミュレーション?」
「うん。あの娘、恋愛ゲームが苦手なもんだから少しでも克服できるように……って作ったんだ」
インスタントだけど、香ばしい匂いを放つミルクと砂糖の入ったブレンドコーヒーのマグカップが炬燵の上に置かれた。
「それで、彼女のために作ったゲームを何故あなたが遊んでいるの?」
「僕はそのテストプレイヤーってわけだよ」
「そう……」
「僕ら七十八期生のメンバーでジャバウォック島50日間サバイバル生活するって内容なんだ」
「何だか新世界プログラムと似通ったところがあるわね」
「そこに恋愛要素を盛り込んでみて特定のキャラと親交を深めていくって狙い」
「どんなものか少し隣で見ていていいかしら?」
「どうぞどうぞ」
僕の座っている箇所の炬燵布団を捲って彼女を招きあげる。
肩と肩がくっつくぐらいピッタリと寄り添った状態になったら手元の携帯ゲーム機を少し右側に寄せて画面を一緒に見やすいようにする。
46 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/30(金) 20:19:16.53 ID:AOt9whDs
そして僕は中断していたゲームを再開させた――。
―――――
『……ごめん、急に怒鳴っちゃったりして』
『いいの、気にしてないわ。それよりも今までのことを振り返り苗木君との関係は果たして何だったのかを確認したかったの』
『僕と、霧切さんの関係……?』
『えぇ、気づけば常に隣には苗木君がいたんですもの。不思議よね、私も断る理由が浮かばなくて断る気持ちにもなれない……』
浜の風になびく髪をかき上げる霧切さんの顔はまだ赤かった。
でも高熱でうなされていた反動で基礎体温が高くなっているという身体的な理由ではなさそうだ。
もっと、精神的な何かから来るものかもしれない――。
『確かにみんなが次々と原因不明の病で倒れていく中、僕と霧切さんで原因を調査するようになってからは常に一緒だったな……』
『絶望病という治療法が確立されてない状況下で、島の素材から治療薬を処方するための材料採集もあなたとコンビを組むのは必然的だったのかも』
『いつ感染するかわからない状況で不安でたまらなかったけど、霧切さんと一緒にいる時は不思議とそんな不安も和らいでいたよ』
奇遇ね、私もよ――。
彼女が相槌を打つと同時に僕らは苦笑してしまう。
お互い心の中で思っていたことを一つ一つ吐露していると、思い出話をしているみたいでおかしくなってしまう。
数日前までは僕らは助かる見込みのない絶望的な状況下にいたっていうのに。
『そうなると苗木君、私達のこの関係を表現するとしたら何て言えばいいのかしらね……?』
『それは……』
→ 超高校級のバカップル
超高校級の相棒
超高校級の夫婦
―――――
「ちょっと待って」
「ふぇ? どうしたのさ?」
僕が選択肢の項目を決めようとしている最中、隣で見ていた響子さんから"待った"の合図が入る。
「状況が上手く把握できないわ。経緯を掻い摘んで説明して」
「……ですよねー」
いきなりクライマックスの場面を見ても感情移入なんてできないわけだよね。
右頬をポリポリ掻きながら僕は響子さんにシナリオの経緯を簡単に説明した。
「日数の半分を過ぎた頃から絶望病っていう不治の病が蔓延し始めて、僕と響子さんが一緒に原因と薬の素材集めをしていたんだ」
「それはさっきの会話を見ていたら察しが着くわ。危機的状況下だって言うのにじゃれ合うなんて見上げた根性ね」
「……うん、そ、そうだね。その後はあと一個の素材を採集するだけの段階になった時に響子さんが絶望病に感染して床に着くんだよね」
「その後は誠君が一人で最後の素材を集めて治療薬の完成……そういう筋書きね」
「そういうこと。……そうだ! ちょっと待ってね」
メニュー画面を開きシステムの項目を開く。
僕は今の場面をクイックセーブして、保存していたデータをロードした。
「少し話が遡るけど、印象的なシーンだったからこれを見れば感情移入しやすい……と、思うよ?」
「そこは断言しなさいよ」
"データのロードが完了しました"という一文が開くとシーンが切り替わるのであった。
―――――
霧切さんの額に乗せていたタオルを洗面器の氷水に浸して絞る。
気休め程度にしかならないけど、絞ったタオルを再び乗せると僕の方に視線を向けてくる。
高熱でうなされながらも彼女は僕に語りかけてきたのだった。
『ハァ、ハァ……。ねぇ、苗木君……?』
『何……?』
『私はもう、ここまでみたい……』
『バ、バカ言わないで! これが最後みたいなこと言わないでよ!』
『絶望病に冒された以上、助かる術はないわ……。せめて最後は家族のような人に看取ってほしいの』
『家族のような人って……まだ僕をからかうつもりなの?』
『……わかったわ。それじゃあもう少し建設的な話をしましょう』
『私が病に倒れた後の話だけど『霧切さん何を言っているだよぉ!? それじゃまるで……!』……そう、遺言よ』
『嫌だ……霧切さんからそんな言葉、聞きたくない!』
『いいえ、聞きなさい。あなたが"超高校級の希望"ならば……ゴホッゴホッ! もう私は苗木君と共にいられないんだから……』
『なんで? なんでなの、霧切さん? どうして僕をそこまで……?』
『いいから耳を貸して。黄金のマカンゴの弱点は……』
霧切さんのかぼそい声を少しでも聞こえるよう、彼女の口元に左耳を寄せる。
左わき腹に見える古傷よ、きっと――。
睦言を囁くように彼女は僕に希望を託したのだった。
48 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/30(金) 20:20:35.58 ID:AOt9whDs
深い森の奥、人が決して踏み込んだことのない領域で目撃した黄金色に輝くマカンゴ。
その神秘さに僕は呆然としていたけど、彼女は持ち前の観察眼で弱点になりそうなところを分析していたのだった。
そして次の瞬間、僕の右頬に手が添えられて左頬に柔らかな感触が押し付けられる。
『私を治したら続きをしましょう……。いってらっしゃい』
そのまま彼女は瞳を閉じて意識を手放すのだった――。
いってきます、霧切さん。
僕は必ず君を――――助けてみせる。
―――――
「……解せないわね」
「な、何がさ?」
「あの時だって発熱してうなされていたのは誠君の方だったのに。なぜ私が病人の醜態を晒さなければいけないのかしら?」
「それは……普段弱みを見せない人の弱々しい姿を見せて庇護欲をかきたてる狙いじゃないかな? ほら、山田君が"ギャップ萌え"って言ってたみたいな」
「むしろ私はこんなに軟弱じゃないわ。たとえ病を患っていてもあなたと一緒に前線に出るわ」
Woman――。(女ってヤツは――)
どうしてこう僕の周りにいる女性達はこんなにも勇ましいのだろう。
思わずどこかの大統領直轄エージェントみたいにぼやくところだった。
僕はそっと画面を切り替え、先ほど中断させた場面をクイックロードした。
―――――
『私たち、この関係を表現するとしたら何て言えばいいのかしらね……?』
『それは……』
超高校級のバカップル
超高校級の相棒
→ 超高校級の夫婦
『僕達は"超高校級の夫婦"って言った方がしっくり来るよ……』
『超高校級の、夫婦……』
僕の言葉を噛み締めるように霧切さんが復唱する。
『それに図書館の資料で見たマカンゴって、本来生息しているノヴォセリック王国の文化では恋人同士でマカンゴを見せ合うのは結婚の証って言うし』
『でも私達の場合、結婚の証より前の過程が抜けているわ。苗木君、ここまで言えばわかるわね?』
『もちろんだよ霧切さん。だからこそ僕から先に言わせてほしい』
コホン、とわざとらしく咳払いして精神を集中させる。
一世一代の告白なんだ。噛むんじゃないぞ、苗木誠――!
『すべては君のために。大好きな霧切さんのおかげで僕はここまで頑張れたんだ』
『苗木君……』
『霧切さん、こんな僕ですがお付き合いよろしくお願いします……!』
右手を差し出し、頭を伏せて彼女の返答を待つ。
何とも"普通"の僕らしいシンプルな告白だ。
『……苗木君のクセに生意気ね』
『えっ?』
霧切さんの予想外の返答。
そして僕の右手に触れるガサガサした感触。
二重の意味で戸惑い、僕は伏せていた顔を上げた。
『こういうのは私の方から告白するつもりだったのに……。苗木君に先を越されるのはあまりいい気分ではないわ』
『霧切さん……!』
今度は二重の意味でビックリした。
霧切さんは手袋を外し、火傷痕の生々しい地肌の手でしっかりと僕の手を握っているからだ。
そして――。
『自分でも信じられないけど、在り来りに言えば"一目惚れ"かしら……?』
『えっ……?』
『最後まで諦めずに立ち向かい、"絶望病"を打ち破ろうとするあなたに私は心を奪われた……。そして、そんな苗木君の隣に立っていたいと思ってしまった……。それだけよ』
『霧切さん……ありがとう』
僕と同じ気持ちだったことに歓喜する。
握手していた右手を包み込むように左手を被せてぶんぶんと振り喜びを伝える。
そして左手で彼女の右手の甲を見せるようにしたら僕自身の唇を寄せる。
『……っ!』
『やっぱり手にキスするのは嫌だったりするかな?』
『……平気よ。あなたの好きなようにして』
『では、お言葉に甘えて……』
手の甲に唇を寄せる。
海外で暮らしていた霧切さんには"尊敬"の意味を込めたキスだとご存知だろう。
そして――。
『苗木君、掌の上にキスをする意味をわかってしているの?』
『……もちろん。"懇願"って意味でしょ? ここまで言えばわかるよね、霧切さん?』
『わからないわ。あなた自身の言葉ではっきり伝えて』
『いいよ。僕は、君の、家族になりたい……!』
一語一語力強く区切って、言葉の重みを実感する。
"懇願"。今すぐとかじゃなくていい。だけど約束してほしいという意味を込めて――。
『この修学旅行が終わったらお父さんの学園長、当主のお爺さんにもきちんと挨拶をしよう。娘さんを僕にくださいって』
『……そう。どちらも中々意見を曲げないから気をつけて、と先にアドバイスだけはしておくわ』
『アドバイスだけ?』
『もちろん、私もあなたの隣にいて認めてもらうよう最善は尽くすわ』
霧切さんは左手で僕のおとがいを上に向けさせる。
そして彼女が瞳を閉じて自分の顔を僕の顔に近づけてくる。
僕も慌てて瞳を閉じて待ち受ける展開に心を躍らせた。
唇へのキス、その意味は――。
―――――
僕と響子さんがキスする一歩手前のグラフィック画面がセピアカラーに変色する。
そのすぐ後に主題歌らしいBGMが流れてくる。
どうやらシナリオはこれで終わりらしい。
スタッフロールが画面をスクロールしてきた。
えろい人
シナリオ:腐川 冬子
シナリオサポート:アルターエゴ
プログラムリード:アルターエゴ
スクリプト:アルターエゴ
サウンド:アルターエゴ
キャラクターデザイン:アルターエゴ
背景:アルターエゴ
ディレクター:アルターエゴ
ムービー:アルターエゴ
演出:アルターエゴ
デバッグ:アルターエゴ
スペシャルサンクス
テストプレイヤー:苗木 誠
えらい人
プロデューサー:十神 百夜
製作:未来機関第十四支部
「ふぅー、楽しかったー。次は舞園さんのシナリオで遊んでみよ」
「待ちなさい」
「ん? どうかした?」
「そのゲーム私に貸しなさい。あなただけが遊ぶなんて卑怯よ」
「卑怯って……。僕は十神君に頼まれてやっていただけなんだけど」
「目的はあくまであの娘の学習能力の向上よ。同じ組織の者同士なら協力するのが鉄則じゃない?」
「そうだけどさ、まだ響子さんのシナリオしかクリアして「いいから私に貸すこと、いいわね?」……どうぞ」
スススッ隣に座る響子さんの手元に携帯ゲーム機を移動させる。
そしてちょっとぬるくなったコーヒーを啜って喉を潤す。
「それで、効率よく攻略するためには何からすればいいのかしら?」
「それはね、まず採集レベルの高いキャラを……」
結局僕は彼女のアドバイザーとして隣でフォローする役目と化していた。
そして後日、修正されたスタッフロールのテストプレイヤーの項目には"霧切 響子"の名前が含まれていたとさ。
〜 シナリオA 君は愛という名の希望に微笑む 〜
END
2のVFBにマカンゴのデザインが描かれていなかったのが悔やまれます。
皆さんの想像力でどの部位を材料にしたのか補ってください。
GJ!
で、このゲームはいくら出せば売ってくれるのかね
GJ!
なにやってんの十神w
GJ
やっぱりSSはいいものだ
今スレでも楽しませてもらうよ
GJ
そのゲーム5万…いや10万で買おう
霧切アイランドの発売が待たれるな…
霧切さんの助手になって、真剣に捜査する霧切さんの横顔をじっと見つめたり
犯人に襲われて危ないところを霧切さんに助けられたり、
事件が終わってくつろぐ霧切さんにコーヒーを淹れてあげたりするゲームをやりたい
(それはダンガンロンパ本編なのでは…?)
霧切さんをココロンパしたい
(私って、どうしてこう人を頼るのが下手なのかしら…)
(苗木君に嫌われたらどうしよう…)
(もっと素直になれればいいのに…)
(いつもごめんなさい、苗木君)
(それにしても苗木君って小さくカワイイわね…)
とかそんな感じか
うむ…確かに霧切さんの頭の中は覗いてみたいな
>>60 軽く悶えたじゃないか
…で、どこをロンパすればいいんだ
スペース入れても方向性が変わっただけで多田野畜生だった
>>63 >(苗木君に嫌われたらどうしよう…)
を否定(嫌ってなんかいないよ!)
もしくは、
>(もっと素直になれればいいのに…)
を否定(むしろその不器用さがかわいいよ!)
だな
つまり脱衣場で苗木君の脱いだ衣服をクンカクンカしているところを苗木君その人に見つかってしまって
「まさか霧切さんがそんな人だったなんて…」と侮蔑の視線を向けられてしまい内心ゾクゾクしている霧切さんか
…うん、これ霧切さんに捕まえられる側の人だ
いいなそれ
なんとも霧切さんっぽい
霧切さんが隠れMだったりすると非常に良い
こう、昼と夜で主従が入れ替わるとか、いいよね
霧切さんみたいなタイプは意外と押しに弱いという朝日奈の証言もあることだ
霧切さんが隠れMである可能性は決して否定できまい
二人きりの時はしおらしくなる霧切さん…
うむ、実にロマンがある
苗「霧切さん、ウミガメの産卵の真似してよ」
そして押し倒される苗木君
苗木君に押し倒された霧切さんの反応がみたい
表情には出さないものの内心大混乱、わけの分からないうちに苗木君にビンタ
↓
無表情でビンタされた苗木君、「拒絶された」と思い霧切さんを避けるように
↓
霧切さん周章狼狽
という展開が見たいです
これはギリギリエロパロ板でなくてもいけそう
そんなssが読みたい(他力本願)
もちろん最後はちゃんと仲直りだよな!?
そしてエロパロ展開へ
突然のことに驚きながらも、やがてそっと目を閉じ苗木君を待つ霧切さん
↓
勢いで押し倒したはいいものの、その後どうしたものか尻込みする苗木君
↓
いつまで経っても苗木君が動かないものだから霧切さんジリジリ
みたいな展開を提案します
そして痺れを切らした霧切さんがマウントを取り返すわけですね
どちらの展開もアリだがあえて選ぶなら
>>79の展開を推したい
来来週のラジオが日笠ゲストだそうだが
何話すんだろう
苗木と霧切さんでまたミニドラマやってくれたら嬉しいのだが
通信簿ラストのイベントを声つきでやってくれたら嬉しいけど、さすがに難しいか
2のラジオだし
まあ、あまり多くは望めないだろうな
それでも霧切さんの声で一言でも喋ってくれるなら有り難い
2で喋れる事が少なそうなら、苗木君と霧切さんの掛け合いをしてくれる可能性が上がるじゃないか!
さあメールを送るんだ! 自分は送ろうと思うけど内容が思い浮かばない
1のドラマCDの、可愛いと言われて狼狽える霧切さん(声付き)はとても良かった
あんな感じで声の無かった台詞に声入れてくれると嬉しいのう
ここにきて日笠がラジオのゲストに呼ばれたということは、だ
今後2のドラマCD的な何かが出たとして、そこに霧切さんが出られる可能性がなきにしもあらずということ…!
という希望的観測
>>88 ストレートに「折角1の声優が二人揃うことですし、どうですか?」と特攻してみるのは如何か
>>90 それはやってほしいなあ
ドラマCDが出るかどうか知らないけど
この機に霧切さん絡みの新展開が発表される…
この予想に葉隠の命を賭けよう
なんだか外れてもいいやくらいの気分で賭けられてる気がするべ!
黙って命かけられてろ
(俺達の)本望だろ
そういやフィギュアの続報も年末予定だったっけ
これはフラグ……!(確信)
カップGOKUBUTO商品化かもしれん
何かの機会にまた小松崎氏に霧切さんを描いてほしい
設定資料集はがっかりだったべ
設定資料集で一番残念だったのは胸囲比較について霧切さんのコメントがなかったこと
>>99 霧「私に一体何をコメントしろと言うのかしら…? 意味が分からないわね。
苗木君、あなたもそう思うでしょう?」
苗木「おっぱいで大事なのは大きさだけじゃないよ!その点霧切さんのおっぱいは形、揉み心地、感度、先っぽの色どれをとっても最高だよ!」
この苗木なんだか親父臭い!?
※現在苗木君が霧切さんに鉄拳制裁を受けています。しばらくお待ちください。
霧切さんの血液型/好きなもの/嫌いなもの/出身校が公開される日はこないものか
霧切さんはたぶんAB型だな
B型な気がする
ハッキリ思ってることを言うところとか、スネるところとかそれっぽい
好きなものは勿論苗木君だな
苗木くんはAかな
性格だけならOっぽいけどやっぱり日本人といえばA型、みたいな生まれからして普通な感じ
ミステリアスな女子といえばAB型(偏見)
「血液型で性格がわかるなんて科学的な根拠のない迷信よ…くだらないわね」
と言いつつ自分と苗木君の血液型の相性占いが気になって仕方ない霧切さん
ボージョボー人形が好きな霧切さんは意外とそういうの気にしそう
好きなもの:コーヒー、推理小説
嫌いなもの:無責任な人(というか父親)
ってなところか
好きなものに「小動物っぽい男子をからかうこと」を追加だ
113 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/05(水) 20:36:28.84 ID:b8g58NL6
A型ギリさんは几帳面で冷静、不測の事態にちょっぴり弱い
些細なことに落ち込んで、慰められると心を許してしまう
B型ギリさんは天衣無縫、マイペースな自由人だけど意外と寂しがり屋
懐く人にはとことん懐く、猫切さんに近いものがあれば俺得
O型ギリさんは人情派、細かいことは気にしない姉御肌
意外と私生活だらしない、このスレ的に言う『ぐでギリさん』かも
AB型ギリさんは天才肌、周囲に理解されにくいミステリアスガール
理解を示してくれる男の子相手には、気付かれない程度のデレも見せたり
さあ、好きなのを選んでくれ
サゲ忘れとかマジすまん
これでいくとB型っぽい気がするな
猫ギリさんは正義
なんかプレステアワード2012なるもので賞もらったらしいな
スパチュンがこのままシリーズ終わらせるなんてありえんよね?
ということで次回作は霧切響子の事件簿でお願いします
>>115 だがO型ギリさんも捨てがたい
ここはBO型でどうか
やはりABギリさんこそ王道
そこにBギリさんの要素が入るとなおよし
血液型については興味深いね
出身校についてだけど海外である可能性が高いことと
校章やバッチよりbtsとよめる文字があることくらいしかわからないね
2の十神みたいに後から出身校がわかる可能性もあるけど公式に公表されるときは来るのかな
霧切さんの校章はちょっと悪の秘密結社っぽい
「希望ヶ峰に来る前には外国にいた」「海外暮らしが長かった」という台詞からして、
たぶん学校も海外だったんだろうね
それにしてもあの制服は実にかっこいい
霧切さん以外に着こなせるんだろうか
ダブルのジャケットの制服って実際にあるんだろうか
なんか各制服にはモデルがあるとかいう話を聞いたが
あの制服もいいが特典イラストのセーラー服もとても良い
ペコの制服を着てほしい
特典イラストの半袖セーラーはなんだか知らんが妙に色っぽく見える
たぶん黒手袋のせい
>>121 ボンデージ風衣装に身を包んだ悪の組織の女幹部的な霧切さんを想像してしまったではないか
どうしてくれる
バタフライマスクも是非
薔薇の鞭も追加しよう
ゼロの挿絵の霧切さんの二の腕のムッチリ具合もいいな!
あの絵はちょっとムチムチしすぎな気もする
パースのせいかもしれんが
だがそれがいい
スレンダーだが太腿はむちっとしている
これが希望ってやつか
やはり2の黒スーツだろう
タイトミニは正義
半袖の夏服もいいが冬服姿も見てみたい
厚着している女の子にもそれはそれでまた違った可愛さがあることを俺は主張したい
ロングのトレンチコートでかっこよく決めた霧切さん
ダッフルコートにふかふかしたマフラーを巻いたちょっと可愛らしい霧切さん
どっちだ
俺としてはやはり前者で
かっこいい霧切さんが好き
アニメ化だとさ
ついに動く霧切さんが見れるのか
アニメきたああああ
動く霧切さんがみれるよおおおお
アニメで動く霧切さんが見れるとか胸熱
動く霧切さんが見れるとか胸熱
死なないでくれよマジで
アニメ化かー
正直いろいろと不安だが…これを機に霧切さんの新たな魅力を見られるならまあ良しか
良い改変なら良いが変に改変されないといいな
まあなんにせよめでたいことだべ!
お風呂シーンはあるんですよね!?
ぬるぬる動くポニテでムチムチなお風呂霧切さんが観れるとな……!
あれだけネタバレを嫌ってたスパイクだからな…
同じ設定同じキャラクターで全く違うシナリオということもあり得る
霧切さんの部屋に入ったとき、匂いについての言及があるかないかだけしか気にしてない
>>147 漫画も最後までやるっぽいしアンソロもネタバレありだったし
公式のメディアミックスでやる分にはネタバレ上等だと思うよ
モノクマだけだして残りは完全オリキャラとかもあり得なくはないかも
まあ順当に考えると1だよね
サブタイが1そのままだからまず間違いなく1だろう
でも原作が原作だしサプライズ狙いでストーリーは変えてきそう
アポが殺される側に回るのか・・・
原作ファンは安心してくれとのことだからあまり無茶な改変は無いだろう
霧切さんはストーリーにも必要不可欠だし
動いて喋る霧切さんが見れるとかやべえ…
アニメではデレ2割増し位でお願いします
「私も…ちょっと怒り過ぎたし…」が声付きで聴けるのか
胸熱
お風呂シーンのお尻もハイクオリティでお願いします
待てよ、風呂シーンがハイクオリティで流れるということはオシオキや2章のサウナの件もハイクオリティに・・・?
謎の光線で肝心な所が見えません
アニメ化であれこれ盛り上がるといいな
霧切さんのファンアートとか、霧切さんのファンアート(R-18)とか
動く霧切さんが見れるのはいいがその分
にわかやアンチが沸くと思うと素直に喜べない
まあそれは今言っても詮無いことだろう
それよりポジティブな方向に考えようぜ
アニメが上手くいけば霧切さんまわりにも新しい展開が生まれてくるかもしれんし
スピンオフとか
アニメ化以外にも小松崎さんによる書き下ろしイラストとして
1や2とゼロのメンバーの学園生活のポスターも発売されるみたいだし楽しみだね
アンチなんていくら湧いてもいいよ
正直ロンパシリーズはこれから下降線を辿るだけだと思ってたから嬉しい
ネットにたくさんエサが増えそうだし、霧切さんのグッズとか出るんじゃね
描き下ろしイラストのポスターなんて出るのか
そいつは楽しみだ
>>160 それもそうだな スマン
アニメ化と聞くと期待よりも不安の方が大きいから
ネガティブに考えてた
来週のラジオのゲストが霧切さんなのはこの伏線だったか
ギリギリ霧切さんなどというタイトルを思いついた
尻頭は直るんでしょうか…
本来ならダンガンロンパはその設定からしてクリア後の世界の続編なんてどうやって作るんだってゲームでしたからね
前スレのss、保管庫に反映されないな
自分でやりたいんだがWikiは勝手がわからん どなたか頼む
>>166 薄い本のタイトルみたいだなおい
…すでにありそうな気もするが
>>169 とりあえず前スレ分はあげといた
抜けは無い…と思うけどあったら誰か頼む
乙乙
アニメをきっかけにSSがもっと増えるといいな
アニメで霧切さんの髪の色が立ち絵の銀色寄りで描かれるか、
イベントCGの紫寄りで描かれるかが気になる
個人的には銀色寄りの方が好き
アニメのキャラデザで気になると言えば、あのふぁさっと広がったロングヘアがどう表現されるかだな
オシオキの時の霧切さんの髪はふわっとした感じだった
多分あんな感じになるんでないか
常時たなびいてるわけにもいかんだろうし
アニメで霧切さんのパンツの謎が解明される可能性が微レ存?
霧切さんフィギュアが出る確率も
グッスマがスポンサーになるっぽいしね
出来の良いフィギュアが出るなら絶対予約する
日笠さんがソロデビューするらしいからダンガンロンパED歌う可能性があるな
EDは苗木の中の人じゃないとダンガンロンパ的にダメだろ
霧切さん好きでもそこは譲れん
毎週Rebuild流されてもありがたみがないし・・・
最終回限定とかでいいんじゃね
>>171 遅ればせながら乙
そしてSSを供給してくれる方々にも乙
うぉおおおおお!動く霧切さんかよ!!!出遅れたーー!!
深夜の電車の中で「よっしゃぁ・・・」って呟いちまったじゃんかよ!!
ところでアニメに霧切さんのオシオキシーンはあるんだろうか。。
※円盤の特典映像です
霧切さんのオシオキの為にアニメ見るよ
俺としては通信簿イベントをやってくれるのかどうかが気になる
終盤の手袋の件の前振りとして、霧切さんの通信簿イベントは入れてくるんでないかな
騙されたフリは是非映像で見たいです
ドラマCDでもやってたけどさ
(フリだけど)狼狽えながら照れる霧切さんは可愛かった
アニメでもぜひとも
アレははたして本当にフリだったのだろうか…
苗木君が音楽にハマる
↓
イヤホンしてて話し聞いてくれない
↓
スネギリさん発動
↓
仲直りしてイヤホン共有で音楽を聞く
という電波を受信した
>>190 実は本気で照れてたのを必死に誤魔化してた説も根強いな
俺はそっちを支持したい
>>191 舞園さんの歌をヘッドホンで聞いてる苗木君を見て微スネする霧切さんを頼む
「かわいいなんて言葉…あなたが言うには無理のありすぎるセリフよ。私が気付かない訳ないでしょう?(ドキドキ)」
というわけか…
うむ
苗木君がどんな音楽を聴いているのか気になってイヤホンを奪う霧切さん
↓
自分の耳に差してみると舞園さんの歌
↓
ジト目になる霧切さん、なんで睨まれてるのか分からなくて困惑する朴念仁苗木
まで見えた
霧切さんはどんな音楽を聴くのだろう
苗木君はランキング一位の曲だろうけど
ジャズとかクラシックとか、そんなイメージ
流行歌には疎そうだ
シャーロック・ホームズに憧れてヴァイオリンを嗜む霧切さん
アニメ化にあたって声変わる可能性ある?
声変わると霧切さんじゃなくて霧七刀さんだよ
声は変えて欲しくない…致命的なんじゃないかと
名前も声も姿も性格もどこか微妙に違うメンバーたちが活躍する
事件後の世界であの中継を見ていたクリエイターによって作られたアニメが放送されるって?
今度のラジオのゲストが日笠なのに声変えるなんてこたないだろ
それ以前に端役ならともかくメインヒロインの声変えるなんて無茶もいいとこだし
エロゲ以外のゲームがアニメ化で声優変更された例ってあるのかしら?
まぁ中堅だらけのうえにのぶ代までいるから声優変更を危惧する気持ちはわからなくはないけど
スパイクは原作のアピールポイントの一つが豪華声優陣ってのをちゃんとわかってるから大丈夫だと思うよ
205 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/10(月) 13:09:47.01 ID:Zv/mGC5t
アニメ化うれしいけど、霧切さんが序盤であっさりデレ始めたりしないか不安
デレてると言うなら一章裁判後の会話の時点でもう相当デレてると思うけどな
簡単に顔赤らめたりするようなのはマジ勘弁
本格的に信頼し始めたのって4章の仲直りしてからじゃないの?
なんかその後の捜査時間の時強引になったような気がするって思われてたような記憶がある
それまではなんかパシリっぽかったし
そうだね ラノベのヒロインみたいに
そう簡単にデレられても困る
滅多ににデレないからこそ数少ないデレがより一層際立つ
監督や脚本の人がそのあたりキチンと理解してくれていればいいんだが…
心配せずとも基本ラインは原作に忠実にやるでしょ
>>204 よかったあああああああああああああああああ
ただし原作の赤面シーンを削るのは無しな
「私も…あなたという人間に興味を抱き始めているのかも…」は必須
五章の疑われるシーンや苗木を見捨てることになってしまったシーンなんかの表情が気になります
というか霧切さんが心揺らすシーン全体が気になります
むしろ霧切さんが気になります
親父さんの遺骨を前に涙を零す霧切さんは見られるだろうか
想像するだけで猛ってくるよフヒヒ
「・・・私もちょっと怒りすぎたから」
>>214 アニメなら苗木視点に拘らなくていいし、
そういうゲームでは描けなかったシーンも入れてくれると嬉しいな
泣き顔霧切さん…フヒヒ
あそこは霧切さんがどんな表情で何を思ってるのか分からないからいいと思うんだがなぁ
タイミングを測って自由時間のイベント盛り込むのは難しいだろうね
特に桑田や江ノ島はキャラの見方が変わるレベルだから難易度高いけど頑張ってアニメに入れて欲しい
1クールなら尺かつかつで無理だろうけど2クールなら通信簿まで拾えると思う
少しでも長く動いてる霧切さん見たいし2クールだと良いなあ
アニメのキャラデザどうなるのか激しく気になる
変わらずに美少女でいてくれよ、霧切さん
勿論男のロマンは有るんですよね?
そりゃ外せないだろう
ちゃんと霧切さんだけ気付いてる素振りを見せてくれるとよし
霧切さんは正統派美少女というよりも悪魔的可愛さ
2で声忘れてたとか一部で言われているけど<中の人
演技が1の頃に戻っていると嬉しい
2の優しい感じの声は忘れていたのではなく、
苗木君が霧切さんをそういう声にしたんです(意味深
あの神BGMの中霧切さんの名台詞がアニメで見れるなんて生きててよかった
苗木くんに色々してもらって丸くなったのかな
今更なんだがか2にも出てるからそっちのデータに全身立ち絵あるんだな
1ってやり方わかんなくて、データ抽出できないからあるのかわからんけど
データ上は2にも1の立ち絵は全部入ってるよ
照れ顔とかカップ麺とかも含めて
>>224 そうか?
裁判中は1と変わらない演技だったと思うけどな
裁判中は1と同じ演技、エピローグでは1より柔らかい演技と
意識して演じ分けてるように思ったな
今週のラジオに質問送ろうとしたらもう締め切られてた
絶望的だね
エピローグの霧切さんは柔らかかったよね
記憶を取り戻して仁さんの事その他諸々吹っ切れたのかなと思わせる穏やかさを感じた
柔らかい霧切さん(意味深)
ああ、お胸のあたりも柔らかそうになってたな
…おや、誰か来たようだ
ばっかおめえ、霧切さんは最初からマシュマロのような柔らかさに決まってるだろ!
とりあえずアニメでもむちっとした太腿と安産型のお尻が再現されることを祈っておく
霧切さんの入浴シーンがあったら即射しそうでヤバイ
霧切さんの通信簿イベントはたぶんやってくれるんでないか
なぜか自分の過去を語るときに疑問形になるとか、手袋の件とか本編に関わってくる伏線だし
なぜ正面向きの立ち方はかっこいいのか
髪の毛荒ぶりすぎんよ〜
ttp://i.imgur.com/2ZJb0.jpg 最後のってVFB持ってる人ならわかるけど、キャラ原案であってるよな?
いつ消すかもわからないし保存するならお早めに
本スレとかに転載しないでくれると助かる
あと主人公のも欲しいと思ってたらキャラスレ見るといいことあるかもね!
おおGJ
後ろ姿の立ち絵全身は初めて見た
最後のはキャラ原案つーか開発中のスクショとかで確認できる旧バージョンの立ち絵だな
こんなのまでデータに入ってるのか
旧立ち絵だとリボンが無いんだな
気付かなんだ
ゴミ捨て場から帰ってきて、体育館に行くまで霧切さんと一緒に行動できるじゃん?
その時に女子トイレに入ろうとするのってやっぱ常識?
やはり霧切さんのドヤ顔は至高…
やっぱ背高いなあ
2ででてきた時あのどや顔での同意が見たかった
252 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/12(水) 22:09:17.47 ID:+bLjhjdY
どうしても尻頭が気になってしまう
アニメでは修正されてるといいが
カムクラ・・・じゃなくてかまくらに苗木君と霧切さん二人っきりにして放置したらどうなるのっと
雪山で遭難した二人はたまたま山小屋を見つけ、そこで助けを待つことにする。
服が雪で湿ったので体温の低下を防ぐため脱いで乾かすわけだ。
少しでも暖を取る為に…
というストーリーなら思い浮かんだ。
よし
後はSS化するだけだな!(他力本願)
かまくらに持ち込んだ炬燵のなかでぐでーっとしてる霧切さん下さい
霧切「苗木君、蜜柑がもう無いわ。とってきて頂戴」
かまくらでまったりもいいが
雪遊びする霧切さんも見てみたい
首の後ろから雪の塊を服の中に入れられて
「ひゃっ!?」とかわいい悲鳴を漏らしてしまう霧切さんください
そんなことしたら下着が濡れちゃうじゃないか(ゲス顔)
??「僕の雪像を建ててくれ…」
狛枝帰れや!
霧切さんは多分最初は「雪合戦…?小学生じゃあるまいし」なんて言ってるけど
いざ始まると意外にマジになるタイプ
最初は澄ましてるけど苗木君に雪玉をぶつけられて、
ムキになって追い掛け回す霧切さんだなんてそんな
なにそれかわいい
「苗木君のお陰で濡れちゃったわ」
そして誤解する同級生多数
「私が嫌がってるのも構わずに、苗木君があんなに滅茶苦茶に打ち込んでくるなんて…人は見かけによらないものね」
苗「…あの、霧切さん」
霧「……何?」
苗「……、…今着けてる下着の色を教えて下さい」
霧「……」
苗「……」
霧「…泣きそうな顔で、何を尋ねているのよ、貴方は…」
苗「いっそ思いっきり罵倒してください…」
霧「…疲れているの?」
苗「ごめん…セクハラだよね、いや、分かってて聞いたっていうか、あの」
霧「……いいわ、気にしていないもの」
苗「え?」
霧「どうせ大方、葉隠君あたりに罰ゲームで指示されたんでしょう?」
苗「いや、あの、……」
霧「ああ、庇わなくていいのよ。というか、貴方の反応で裏は取れたわ」
苗(葉隠君、南無……)
霧「下心があるワケじゃないのは分かってるから。『貴方には』怒ったり呆れたりしないわ」
苗「……うん、でも…その、やっぱりごめん」
霧「それにしても…相変わらず、病的なまでに隠し事が下手なのね。馬鹿正直の、苗木君?」
苗「う…そんなに分かりやすいの?」
霧「とりあえず、犯人役になるのはお勧めしないくらいには。すぐにバレてしまうんだもの、向いていないと思う」
苗「そ、そんなの、なるわけないじゃないか…って、口でならなんとでも言えるんだけど」
霧「ふふ……それもそうね」
苗「……信用してくれるの?」
霧「…そうね。苗木君に、私の目を欺けるほどの緻密な証拠隠滅なんて、出来ると思えないもの」
苗「う…馬鹿にしてるでしょ」
霧「いいえ? 信用しているのよ」
苗「…もう」
霧「……犯人役、よ」
苗「…?」
霧「あ、いえ、その……私が」
苗「霧切さんが、何?」
霧「……なんでもない」
苗「…じゃ、僕、帰るから」
霧「ええ。葉隠君には、何て報告するのかしら?」
苗「いや、だって…知らないモノは教えられないでしょう。『聞けませんでした』って、素直に答えるよ」
霧「…そう」
苗「何?」
霧「いえ…気付いていないのなら、別にいいわ」
苗(…どうして霧切さん、少しだけ頬を染めてたんだろう…?)
こんな時間に寒さで目が覚めてしまったので、燃料投下
クロか…!
これは良い燃料だな
SS投下します。
2ネタバレ+他作品とのクロスです。
「あら鈴木さん。お仕事ならきてますよ。ええっとねぇ……」
今日も永洲タクシーの事務員・平川さんに紹介された送迎先まで車を走らせた。
―――――
「お待たせしました、永州タクシーです」
「あ、待ってましたよ。空港までお願いします」
(二人とも黒いスーツ姿……。葬式帰りか何かだろうか?)
〜 アナザードラマEX ミステリアスな男女 〜
「はぁ、疲れた……」
「そうね。手がかりすら見つからずとんだ無駄足だったようね」
「本部も都市伝説みたいな情報で僕らを派遣するのは勘弁してほしいよ」
「でも本当に生き残りが実在するなら、そのような噂話の一つや二つ浮き出てもおかしくないわ」
「あーあ、せっかく九州・永州に来たんだから本場のとんこつラーメンや水炊きを食べてみたかったんだけどなぁ……」
「私たちは観光に来たわけじゃないのよ、苗木君」
(葬式じゃなく仕事で来たのか……)
「わかってるって霧切さん。でもお土産くらい買ってもいいと思うよ?」
「そうね……。飛行機の時間までまだ時間もあるし、多少寄り道をしても問題はないわ」
「えっ、本当? だったら運転手さん、この辺でいいお店とかご存知ないですか?」
(俺が知っている店で紹介できるとすれば……)
いのり薬局
→ 鶴屋
Mストア
「お客様、でしたら鶴屋はいかがでしょうか?」
「鶴屋……ですか?」
「はい。明太子創業メーカーである"ふくや"の品々も取り扱っております。それに明太子は永州のお土産や贈り物の定番です」
「それが良さそうですね。運転手さん、そのお店までお願いします」
「畏まりました」
(お客さんは良い印象を持ってくれたようだ……)
―――――
「後はこの高速をひとっ走りで空港か。ん……?」
「どうしたの、苗木君?」
「なんか隣を走る車がさっきからパッシングして煽っているみたいなんだ……」
「……そのようね。運転手さん、何か心当たりがあるんじゃないかしら?」
「あれは"永州デビルキラー"と呼ばれる走り屋集団の一味でしょう」
「永州デビルキラー……?」
「はい。最近は一般ドライバーにまでレースを挑ませ金品を巻き上げるという性質の悪い集団でして」
「それは面倒な相手に絡まれちゃったな……」
「運転手さん。そのレース、受けてもらえないかしら?」
「っ!? ですがお客様の安全に支障をきたす恐れがあるのでさすがにそれは……」
「降りかかる火の粉は払うまで……。あなたも私と同じ考えの筈です、"鈴木"さん」
「……いいでしょう。お客様、身の安全のためシートベルトはしっかりお締めください」
「えっ、ちょっと! 本気ですか運転手さんっ!?」
「これから御二方を"男の世界"にご招待します」
(こうなったらやるしかねぇ……!)
「タクシードライバー舐めてると怪我するぜ?」
―――――
その一言と共に運転手の鈴木さんは無線機を切り、カーオーディオのスイッチを入れた。
男らしいビートロック・ナンバーが車内に響く。
ルームミラー越しから見える彼の目は鋭く、人の姿をしたバケモノを見ている感じだ。
例えるなら――龍。
時速100kmを走っていたタクシーがさらに加速する。
120km、140km、160km――。ついに速度メーター最後の目盛りを示す時速180kmの領域に到達した。
前を走る車を縫うように追い越す。一度でもハンドル操作を誤れば大事故間違いなし。
「神様、仏様、鈴木様……どうか無事に辿り着けるように……!」
僕はただ座って祈ることしかできなかった。
あの"補習"を思い出させるような恐怖から膝に付いた両手を震わせていると、スッと僕の手に何かが被さった。
「霧切さん……?」
「私も怖くないと言えば嘘になるけれど、今は鈴木さんの腕を信じましょう」
「……そうだね」
僕の手を包み込むように握っていた霧切さんの手を取り、指を絡めて握り返す。
「それにこの速度で衝突すれば原型をとどめないくらいの大惨事で、痛みを感じることもなく即死するはずよ」
「それ全然励ましてないよ! ……あっ、前!!」
トンネル内を走っていると、どの車線にも車は走っていて追い越すことができない。
今から減速したところで間に合わずぶつかってしまう――!
絶体絶命のピンチだ!
「楽しくドライブと行こうぜ?」
そんな絶望的な状況下だというのに運転手の鈴木さんだけは不敵な笑みを浮かべていた。
それどころか減速せずに右から左に急ハンドルを切り出した。
「秘技、漢気ドライブ……!」
「ぎにゃああああぁぁぁぁっ!!!!!」
左に急ハンドルを取ると徐々に浮く僕の体。
体だけでなく車体ごと浮き上がり、しまいには左側のタイヤのみで走行するじゃないか!
その片輪走行でトラックとトラックの隙間を走るタクシー。まさにクレイジータクシー!
トラックを完全に追い越したところで徐々に下がる重心。
二輪走行から四輪走行へ。
S級カースタントを体験した僕は幸運と呼ぶべきか、不運と呼ぶべきか――。
「デビルキラーってのはその程度か?」
鈴木さんの挑発を聞いたかのように後ろから鳴り響くクラクション。
自ら追突するようなあぶない動きに警戒して、車一台分の隙間を強引に作らせてそこを突っ切るデビルキラーの車輌。
ニトロを点火させたような蒼白い炎を巻き上げながら僕らの乗るタクシーを追い抜いていった。
「まずいですよ! このままじゃレースに負けてしまいます!」
「……安心しな。奥の手があるぜ」
丁寧語ではなく、頼りになるような男らしい口調で鈴木さんは答える。
カーブを抜けた先はストレートの道が続いていた。
鈴木さんはアクセルペダルを踏み潰すくらいの勢いでベタ踏みする。
そして同時にハンドルの近くに設置している赤いボタンを押した。
「秘技、爆裂アクセル! んんんんんっ!!」
体が接着剤でも付けられたかのようにシートの背もたれから離れられない。
音速の領域にまで踏み込んでいるんじゃないかと思うくらいの速度で次々と前の車を追い抜く。
そして――。
「お先に失礼」
ぶっちぎりでデビルキラーの車輌を抜き去り空港までの道のりを走っていったのだった。
後ろを振り返り、これ以上追って来られないだろうと確認すると僕らは同時に溜め息を吐いて一安心する。
―――――
「お客様ご到着です。それと……お体の調子は大丈夫ですか?」
「ありがとう、ご心配なく。それと、これはチップ代わりよ。受け取って」
" 1万円 を手にいれた "
「ほら、苗木君。あなたも支払いましょう?」
「でも霧切さん、僕さっきのお土産代でこれ以上の持ち合わせとかないんだけど……」
「チップだけが誠意ではない。あなたの大切なものを差し出すだけでも十分な誠意になるわ」
「わかったよ。鈴木さん、これ受け取ってください」
" 普通のパンツ を手にいれた "
(最近の若者は自分の下着を渡すことが流行になっているのか……?)
" 経験値 600 を手にいれた "
「素敵な送迎、ありがとうございました」
「次は是非プライベートで利用させてもらおうかしら、"桐生"さん」
「っ!?」
「"探偵の世界"ではあなたの正体はお見通しでした」
「……くれぐれも他言無用でお願いします」
「もちろんです。それに……今は"元・探偵"ですし」
「おっと、そろそろ手続きしないと不味そうだ。それでは!」
「さよなら」
「またのご利用、お待ちして申し上げております」
(ミステリアスな雰囲気を纏っていたが、探偵だったとはな……)
―――――
搭乗手続きを済ませ、案内が来るまでの時間を僕らはベンチに座って待っていた。
「それで、霧切さん。あの運転手さんの素性は何時わかったのさ?」
「挨拶をした時にすぐわかったわ。それくらいシノギの世界では有名人でしたもの」
「ふーん……。身分証の写真でもサングラスとマスクをして怪しいと思ったけどねぇ……」
「名前を偽り、身分を隠すくらいだから余程の事情があるのよ」
「なるほど……」
人の数だけドラマがあるってことだろう。
「それにしても、さっきの運転でお土産の明太子も形が崩れているだろうなぁ……」
「その時は私達の方で使い切るようにしましょう」
「そうしよう。帰ったら早速この明太子を使ったたらこスパゲティにしようか?」
「……晩御飯が楽しみね」
そんな会話をしていたらスピーカーから僕らの乗る飛行機の搭乗案内を告げてきた。
「その前に本部への報告が先ね。支部に戻ったら速やかに報告書を作成しましょう」
「そうだね。帰ろう、僕らの居場所へ。いっちおく、におくひゃくおくのキスを浴びせてやる〜ベイベー……」
「何、その鼻歌?」
「さっきタクシーの中で流れていた歌だよ。男らしくて憧れるなぁ……」
あの運転手さんらしいビート・ロックが印象的だったなぁ――。
今度オンラインストアで探してみるとしよう。
「……苗木君」
「ん? どうしたのさ、そんな神妙な顔をして」
「あなたがあの人の真似事をしても、九頭龍君みたいなちびっ子ギャングにしか見えないわ」
「ぐふっ……!」
僕の心臓をグングニルの槍が貫くような言葉だった。
「あなたはあなたのままでいる方が私は好きよ? ここまで言えばわかるわね、苗木君?」
「うん。僕も片輪走行している時にギューっと手を握ってくれる女の子らしい霧切さんがだいす……ぁ痛っ!」
「あれは忘れなさい、いいわね?」
完
ゲームしながらSSのネタを考えると中々クリアできません。
次回はクリスマスに間に合うよう早めにネタを練っておきます。
乙乙!
なにやってんだ霧切さんw
>>268 なにこのかわいい
2828させてもらったよ
>>274 乙乙
クリスマスを楽しみにしておくぜ
今日のラジオで久々に霧切さんの声を聞けるな
正直ダンガンラジオは声優さんがキャラの声でしゃべってくれないから期待しないほうがいい
キャラでのセリフがちょっとあるじゃん
>>268 なるほど、黒だったのか…これはいいことを聞いた
漫画2巻の表紙でも苗木君の隣を陣取るとは流石霧切さん
それにしても日笠さん、霧切さんの声と全然違うなw
小泉の人に次ぐくらいギャップあるんだが
普段のほうがアニメ声なぐらいだからなw
中の人も霧切さんのことを人気含めて認知してくれているようで嬉しい
しかし一言台詞はもうちょっと他になんか無かったのかw
「カップラーメンは好きですか?」という質問を送った奴は…この中にいる!
意味わかってなかった
ずっとゲームしているわけじゃないからな
覚えていなくても仕方がない
緒方さんもわかってなかったなw
多分ネットよく見る人とかじゃないと
カップラーメンネタが話題になってること知らないと思うぞ
せっかく声優にネタふってんだからハガキ選ぶ人は補足説明くらいいれろと
しかしミニドラマが無いと若干物足りんな
俺も分からなかった
霧切好き失格や
失格じゃないだろ
霧切さんのことを心から好きかどうかが重要なんじゃないか?
しかし、あの状態ですらスタイリッシュに見える霧切さんは流石だ
日笠陽子の内面になった霧切さん、通称日笠切さん。
アニメが始まってもスレはここのまま?
かわいいってかかっこいい
日笠をカラオケに誘う緒方さんを
脳内で霧切さんをカラオケに誘う苗木君に置き換えてニヤニヤしてる俺マジキモい
その妄想…アリだな!
じゃあラジオで緒方さんが「ねえ、陽子ちゃん」って言ったのを
苗木君が「ねえ、響子ちゃん」って言ったと妄想するのもありだよな
名前呼び…だと…?
霧切「あちゃー手袋うっかり忘れてもーたー、てへぺろっ!」
>>297 苗「霧切さんってさ、すごく歌が上手なんだって聞いたんだけど」
霧「…誰がそんなことを?」
苗「腐川さんとかさ。他のみんなも言ってたよ」
霧「そう…別に上手いなんて言うほどのこともないと思うけれど」
苗「ねえ、カラオケ行かない? 僕も聞いてみたいな、霧切さんの歌」
霧「えっ…」
苗「ダメかな?」
霧「…構わない、わよ。私は」
苗「本当? よかった!」
霧「ただし…あなたの歌も聞かせてもらうわよ。いいわね?」
とかそんな感じか
モノクマがねんどろいど化決定…
アニメ化するし霧切さんもちょっと期待してもいいかな
霧切さん、スケールでフィギュア化して欲しい
モノクマかー…あいつは塩ビか何かでもう出てなかったっけか?
モノクマには悪いけどこのオチはちょっと残念だ
>>302 苗木君と二人きりと内心喜び勇んでカラオケボックス行きに同意する霧切さん
しかし苗木君が他の連中も連れてきてちょっとしょんぼり
となるところまで見えてしまった
霧切さんはフィギュア映えしそう
同じく!霧切さんはきっと、フィギュア映えするだろう!!!
改めて、フィギュア映えしそうな要素だらけだと思った
おいお前ら
霧切さんがフィギュア化されるということはスカートの中身の謎も解明されてしまうということだぞ?
それでいいのか?
俺はいい
俺は黒がいいな
男のロマンのシーンでも思ったが
髪の毛がイカ娘みたいよね
霧切さんが意外と可愛いパンツ履いてたら萌える
この前みた夢では白だった
舞園さやかがシロで霧切さんがクロだろ
そのほうがシニカルだろ
舞園さんは2のミニゲームで確定してるからね
しょうがないね
もし霧切さんのフィギュアが出るならば
パーツ交換でカップ麺装備形態の再現は必須といえよう
カップ麺も重要だがポニテも忘れてはいけない
私はその点を強く主張したい
・ポニテ+スク水
・ポニテ+体操服
・ポニテ+バスタオル
どれだ
いっそ全部出しちゃえよ!
ポニテ+黒スーツ+眼鏡の霧切さんを所望する
スク水にスーツはどうか
バニースーツ+燕尾服+シルクハットの組み合わせも悪くはないと思うんだが
バニー霧切さんとな
バニーガールの衣装にどういう意味が込められてるかは霧切さん知ってるんですかね(ゲス顔)
ええいウェディングドレスの霧切さんはないのか!?
膝丈か丈短めのメイド服も捨てがたい!!!
アニメ終わる頃には苗木霧切あたりはフィギュア化決定してるだろうな
2クールか
じゃあ葉隠十神あたりもかな
先生、霧切さん抱き枕はありますか!?
まあしかしなんだ、やはり1の制服姿が一番よの
話題ぶった切ってスマン
ちょっと滾ったので、数レス借ります
壁ドン、と呼ばれるシチュエーションがあるらしい。
意中の異性を壁に押し付けて、腕で横への退路を塞ぎ、自分と壁とでサンドイッチにするような構図だ。
挟まれる方が、基本的には言い寄られる方。
押し付ける方は、所謂『俺様系』と呼ばれる主人公か、パニックになったヒロインと相場が決まっているらしい。
山田君の言だ。
一歩間違えば脅迫にも見えてしまう、それを。
なぜか今、僕と霧切さんがちょうど実践している。
「……」
「……」
怖いのに見惚れるという経験をしたことがある人は、あまりいないのではないだろうか。
綺麗な女の人の幽霊とか、雪山の頂上から断崖絶壁を覗き見るのに、それは似ていた。
ぞくり、と背筋を這う冷たい感覚。
それでも僕は、霧切さんから目を逸らせない。
壁の隅に追い詰められた僕に、身長差が悲しいかな、覆いかぶさるようにして、彼女は追い詰めてくる。
瞬き一つせず、その両目が僕を見下ろしている。
見上げる此方側からは陰になっているはずなのに、その奥が深く深く、すみれ色に光っているように見える。
じとり。
粘っこさは感じない。むしろ、重苦しさ。
すみれ色の燐光が、すらりとした鼻立ちが、色素の薄い唇が、圧し掛かってくる。
人形のように整った顔立ちが、表情一つ変えず。
お気に入りらしい男物の香水に紛れて、煮詰めた鼻のような、濃い彼女の匂いを感じる。
どくん、と、心臓が跳ねる。
声を出そうとも掠れる喉に代わって、煩いくらいに跳ねている。
「……、苗木君」
霧切さんは、下着姿だ。
「…心拍数が上がっているわ」
霧切さんの素の腕が、手のひらが、指が、僕の手首を握った。
驚くほど冷たくて、更に心臓が跳ねる。
色気よりも、いや失礼な話だけど、先に来たのは不安だった。
そりゃあ僕も男だし、下着姿の女性に迫られて何も感じないわけが無い。
今までずっと側にいて、今でもよく分からないところはあるけれど、それでも彼女のことを真剣に想っている。
その人の、一糸纏わぬ、とまではいかなくとも。
絹のような素肌、せいぜい暗がりか、共に潜った修羅場でしか見たことのなかった、柔肌を。
それでも、目の当たりにして平常心でいることが出来るのは、彼女といることで幾分か精神的に鍛えられたからだろう。
けれど。
理性を保つことはできても、不安を消すことはできなかった。
「私を見て……何を、考えているの…?」
僕の知っている霧切さんは、こんなことをする人じゃないからだ。
何かの罠か、目の前にいる霧切さんが偽物か、と勘繰って、止める。
目の前にいるのは確かに霧切さんで、どこからどう見ても正気を保っているし、彼女の意思で僕を壁に追い詰めているのだ。
その程度が分からないほど、短い付き合いじゃない。
「そんなことをするような人じゃない」とはいっても、奇行に走るのはこれが初めてじゃない。
だからある意味、これは通常運転と言える。
そして、だからこそ不安なのだ。
こうして僕に迫ってくる霧切さんの行為は、異常ではなく、正常。
つまり、彼女が俺様系になったわけでも、何かしらに混乱しているわけでもない。
それ以外の理由がある、ということだ。
「……ねえ」
僕の手首をつかんだ彼女の指が、それをゆっくりと持ち上げる。
警戒心の割に、自然かつ緩慢な動きに、抵抗する気は不思議と起きないものだった。
視線を微塵も動かさず、僕の腕を空中で固定する。
そしてそのまま、同じ緩慢な動きで、彼女は一歩此方に踏み出した。
ふ、と、指の先に生地が触れる。
「―――…っ」
「私は、尋ねているのよ…苗木君?」
指先に、全神経が集まった。
ぐっ、と、更に彼女は僕との距離を詰める。
唇が額の先にある。生温かい声音と吐息が、溶かすように降ってくる。
その、鼻先三寸にある彼女の柔らかそうな唇よりも。
僕の意識は、自分の指の先に向かっていた。
「きり、霧切さん、胸…当たっ……」
どうにか掠れながらも出した、どうしようもない、ただの状況説明の言葉。
息を吸おうとして、ひぃ、と、情けない音が鳴った。
顔が熱い。きっと、真っ赤で、真っ青だ。
余程滑稽だったのか、ようやく霧切さんが表情を崩した。
時折見せる笑みの、それをほんの少しだけ、妖艶にして、また僕を覗き込む。
「当てているのよ…って、言ったらどうする…?」
どうするも、こうするも。
「あの……そろそろ、その…状況というか、意図を説明して、欲しいんだけど…」
「…悪い男ね、苗木君」
月並みな言葉を零した僕に、また霧切さんが笑った。
今日の彼女は、よく笑う。
きっと機嫌が悪いのだろう。
目の前にあった柔らかそうな唇が、ずるりと動く。
顔を舐めるような距離で、それはそのまま、僕の左耳に。
はぁ、と、生温かい風が、耳穴の中で木霊。
「女の口から、そういうことを言わせたいのかしら…?」
ぶるり、と、生理的に震えた。
わざと吐息を多くした囁き。
乗り出した分、彼女の身体はいっそう近くに這い寄ってくる。
ぐ、と、両足の間に、力強く膝を挟んでくる。
「……こうして妄りに、男の人の前で服をはだけて…迫ってきている女が」
這い寄ってきた分、その肢体が。
「何を意図しているか、だなんて……言わなくても、分かっているのでしょう?」
柔らかな、
生地との隙間の、
触れる寸前、
彼女の体温、
「ねえ、苗木君…?」
少しだけ強く、胸に押し込まれる指。
ふわり、と、マシュマロに這わせているような心地。
反発は全くない。
これを思うままに揉みしだくことが出来れば、どれほど快感だろうか。
大きくはない、けれどけっして小さくもない、彼女が女性であるということをこれ以上無しに伝えてくる、その膨らみ。
掴まれていない方の手が、勝手に持ちあがった。
「霧切さん、」
その、細すぎる方に、少し曲げた指を添える。
「……ホントに僕が襲いかかったらどうするつもりなの?」
言って、その肩を軽く押して、僕との距離を開かせた。
「…合格ね」
彼女の笑みの中から、妖艶なものが消える。
いつもの笑みだ。
僕を小馬鹿にするような、少しだけ口端を上げるだけの。
「……まあ、どうせそういう類のことだろうと思ってたけど」
「前もって教えてしまっては、テストにならないでしょう」
なんのてらいもなく、下着姿のまま腕を組む。いつもの所作の霧切さんだ。
とりあえず手近なタオルケットをひっつかんで、僕はその肩に掛けた。
「…紳士ね、相変わらず」
彼女流の御礼の言葉、らしい。
「…根性無し、って言われてる気がする」
「あら、それは邪推よ」
「紳士って言うか…女の子は身体冷やしちゃダメでしょ。それにもう冬だし」
「それもあるけど、それだけじゃなくて」
タオルケットを羽織りながら、それでも見えるものは見えるのに、少しも恥ずかしそうな素振りを見せない。
いっそすがすがしい、こっちの方が気恥ずかしくなってしまうほどだ。
「……それとも、私じゃやっぱり役者不足だったかしら」
少しだけ目を伏せた彼女の表情は読み取れず、どんな言葉を待っているのかも分からない。
「…何の役だか知らないけど、これ以上ない名演技だったと思うよ」
「あら、そう? なら、単純に貴方が、据え膳に手を付けないような人ってことね」
「武士の恥ってことですか」
「そこまでいくと、時代錯誤よ」
「…否定はしてくれないんだ」
ハニートラップ。
彼女の言葉を借りるとするなら、僕がそれにかかるかどうかのテスト、ということなのだろう。
情報が根幹を為す職業で、そういう弱みを持っているということは致命的だ。
「ただでさえ貴方、普段から女の子相手には弱いでしょう。舞園さん然り、セレスさん然り、江ノ島さん、朝日奈さん、」
「ベ、別に弱いってことはないと思うけど」
「頼み事をされたら二つ返事で返しているじゃない、いつも」
少しだけ、声が張る。ご機嫌斜めの合図だ。
別にそれで彼女に迷惑をかけたことなんて、…ないはずだ、あまり。
「さすがに…仕事と私事の区別はするよ、いくらなんでも」
「…どうかしら」
「……信じてくれないんだ」
「探偵の仕事は『疑う』ことよ」
「…さっき僕が尋ねたことには、答えてくれないの?」
「……なんのこと?」
「本当に僕が、霧切さんに手を出したら。どうするつもりだったの、って」
「……、…」
言葉を厭うようにして、彼女はそのまま僕に背を向けた。
相手を言葉で追い詰めるのはお手の物。
けれど、自分が責められるのはビックリするほど苦手。
両刃の刃だ。
とても危うくて、そんな彼女を放っておくことが出来なかったから、そういえば。
あの学園を出た後も、こうして彼女の隣にいる決断をしたんだっけ。
不器用な人だ、本当に。
これが彼女の平常運転なのだ。
ハニートラップだなんて、きっと建前に過ぎないのだろう。
鈍いと言われている僕でも、流石にずっと隣にいる人の考えていることは分かる。
「頭良いのに、この手のことは僕よりも下手なんだもんなぁ」
「…何のことかしら」
「攻めに見せかけた守りなんでしょ、っていう話」
「貴方が何のことを言っているのか、分からないわ」
きゅ、と、羽織っているタオルケットの裾を掴む。
やはり布一枚では寒いのか。
とりあえず、部屋の隅から身体を脱出させる。
それから僕の着ていたパーカーを、そのままタオルケットの上に被せた。
「……苗木君、」
とん、と。
視線を逸らしながら何かを言いかけた彼女の、その肩をおもむろに押す。
不意を突かれたのか、それほど力を込めたわけじゃないのに、簡単に壁に背をつけた。
彼女にされたように、両腕で退路を塞ぐと、珍しくうろたえる。
あの、霧切さんが。
胸の奥の辺りがくすぐったくなる。
好きな女の子を虐めたい心理が、まさかこの年齢になってようやく理解できるとは。
「…こんなことして繋ぎとめなくても、霧切さんの側を離れたりしないよ」
「あの、」
「他の女の人にたなびいたりしない。僕には霧切さんがいるからね」
「待って、分かったわ…だから、その、近、」
わざと吐息を多くして、耳元で囁く。
ふるり、と震えた肩は、たぶん寒さのせいじゃない。
犬が飼い主に似るという話は、聞いたことがある。
長い時間を共に過ごすと、趣味思考がどんどん似通ってくるという。
例に漏れず、僕と霧切さんも。
どちらもやられっぱなしは嫌で、そして、責められると弱い。
「…ねえ、苗木君…勝手にテストしたことを」
「怒ってないよ」
「だったら、その……なぜ、私を追い詰めるのかしら」
「怒ってないけど、悲しいんだ。テストが必要なくらい、僕は信用されてないってことでしょ」
言いながらも歯が浮く心地がする。
普段の僕ならけっして言えない、思いつきもしない、気障ったらしい台詞だけど。
それでも彼女の顔色を見る限り、効果は抜群のようだ。
「……謝るわ、誤解させてしまったこと…貴方を信用していないわけじゃなくて、でも、」
「ううん、いいよ。謝って欲しいわけじゃないし」
「それなら、」
「僕はただ、分かって欲しいだけだから。僕がどれだけ、霧切さんを、大切に思っているかを」
ぐ、と、両足の間に膝を滑り込ませる。
強い言葉で拒まれたら、きっと踏みとどまれたのだろうけれど。
彼女はただ、恥ずかしそうに目を伏せるだけだった。
下着姿で迫られて、そろそろ理性の方も限界だったんだ。
建前はこのくらいにして、今夜くらいは草食動物を止めても、罰は当たらないはず。
「―――ねえ、霧切さん…壁ドンって、知ってる?」
わっふるわっふる!
GJ!
超ニヤニヤした
GJGJ!
つ、続きは!?
続きはまだですか!?
エロパロ板で続きを聞かせてもらおうか
すみません、連投規制でした…以上になります お粗末でした
色んな無茶無謀な仕打ちを苗木君に仕掛けるのは、実は苗木君の気持ちをそうやって確かめているという
うまく言葉じゃ言えないから、こういう不器用な方法で確認しないと安心できないという
そんな霧切さんが見たかっただけなんや… 誰か(チラッ
ちくしょう萌え滾ったじゃねえか…
押してたはずがいざ自分が押されると弱い霧切さんとかもうね、たまらんね
超GJ!
ふぅ…ご馳走さまというしかねぇ…
これで今週も頑張れる
GJ!
くあぁ…これは2828せざるをえない
超GJ!!
さて、続きをエロパロ板で引き継ごうという猛者はおらぬか
この場面を物影からデバガメしたい
この展開で苗木君が即野獣と化していたら霧切さんはどうしただろうか
二人は幸せなキスをして終了
苗木君に強引に唇を奪われてふにゃふにゃになってしまう霧切さんください
ねんどろってモノクマで打ち止めなのかね
他のキャラもほしいとこなんだが
具体的には霧切さん
生徒が出るなら霧切さんと苗木は確定
出してほしいもんだな
アニメまでの繋ぎに
前にここに貼られてた改造ねんぷちの霧切さんはすげえいい出来だったなあ
あれそのまま売ってほしいくらいだ
霧切さんのおっぱいマウスパッド……いやなんでもない
そこはお尻マウスパッドで
お前ら霧切さんにヨゴレ仕事をさせる気か!
…いやまあ、買うけどね! 本当に出たら買うけどね!
また小松崎氏の描く霧切さんが見たい
アニメ化関係のなんかでまた描いてくれないものか
コミックマーケット83で小松崎さんによる描き下ろしイラストとして
1と2とゼロのメンバーの学園生活を描いているポスターが先行発売されるらしいね
霧切さんと苗木くんは毎回離れた位置にいるような気がするけど、今回はどうなるかな
霧切さんの外伝小説出んかな
ちっさ!苗木君ちっさ!
二人並んで…というわけではないが限定ボックスのパケ絵もいい感じだった
二人並んでといえばやはりVFBの例の集合写真だろう
ツーショットではないけどな!
アニメ化すれば、こう、あれだ
なんかいろいろピンナップとか書き下ろしてもらえるんでないか
よく知らないけど
そういや購買部の人の例のアイコン、
ありゃ結局なんだったんだろうな
コミケで1と2の学園生活の書き下ろしポスターが出るとか何とか購買部ブログにあったよ
あとゼロのメンバーもね
そういえば、ファミ通のダンガンロンパの漫画の2巻出たから
霧切さんの主役回が見れなくなってるね
あのアイコンが件の描き下ろしポスターとやらの一部なのかね
ファミ通漫画の表紙の2人が距離近くてついニヤついてしまった
隅っこの方だけど
>>367 アニメの放送時期が夏に重なればアニメ誌やらに霧切さんの水着ピンナップなぞが掲載される可能性も出てくる、と
ふむ、希望が湧いてくるな
>>372 小さい画像だと手を繋いでるように見えてちょっとドキッとした
苗木君と霧切さんの恋人繋ぎがみたい
アニメと言えばダンガンロンパよりお先に来週の某アニメで
緒方さん主人公、日笠さんヒロイン(?)の話が見られるね
>>375 この二人が手を繋ぐ時はどちらから切り出すのだろう
苗木君が繋ごうとするが中々踏み切れない
↓
焦れったくなった霧切さんが強引に繋ぐ
あれ?一般的なカップルってこれの男女逆じゃね?
だがそれがいい
俺としては逆がいいです
苗木君に手を握られてしばし驚いたような気恥しいような顔をした後、ぎゅっと握り返す霧切さんがいいです
多分霧切さんは繋ぎたいとしても自分からは言い出さない/言い出せない
つまり苗木君が男をみせるべき場面
ここまで言えばわかるわね?
苗木「聞いてよ霧切さん、ダンガンロンパがアニメ化だって!」
霧切「……」
苗木「あれ?余り嬉しく無さそうだね?」
霧切「……よく考えてみて、苗木君。推理物をアニメ化するのだから、当然改変が入るわ」
苗木「それはそうだろうね。ゲームのシナリオそのままじゃ、初めからネタバレしてるような物だしね」
霧切「主人公である貴方と真犯人以外は、誰がクロや被害者にされてもおかしくないの」
苗木「……」
霧切「ストーリー改変だけじゃない、例えば私が協調性皆無なキャラに改変されてしまったり……」
十神「俺がナルシストにキャラ改変される……なんて信じがたい事も無くはないだろうな」
腐川「私の清楚なイメージは崩れないかしら?」
葉隠「オレの数々の活躍シーンがカットされる……つーことは無いべ?」
苗木「ひょっとして、僕の身長も変更される可能性は……」
全員「無い無い」
たぶん改変はしないんじゃないかね
普通に元に忠実にやると思うよ
協調性皆無って元からあんまり一緒に捜査してなかったような・・・
なにこの謎の微笑ましさww
アニメでは霧切さんの胸が一回り大きく改変されます
風呂イベントで霧切さんの貧乳疑惑が払拭される
俺の占いは当たる
大事なのは胸より尻だ
ここは譲れない
つまり、より女の子らしいラインの体になって、表には出さないようにしてるけど得意げな霧切さんと
原作よりも霧切さんの仕種や表情やスタイルの良さが目立つせいで、意識してしまう苗木君と
そんな二人の背後から忍び寄る、よりグラマラスになった舞園さん朝日奈さんが(ry
アニメピンナップなどで増量される霧切さん
取り敢えず霧切さんの作画が崩れないことを祈っておこう
これは欲しいな
ツッコミどころ多いなw
霧切さんが5位か
女性キャラだとトップだね
>>393 苗木君の隣、かつ親父さんの向かい側か
いい位置だ
この面子だと親父さんが間違いなく飛んじゃうよな・・・
学園長「トリプル論は流局の決めだ!この局はノーカン!ノーカン!」
霧切さん5位かー
もっと上に行って欲しかったが、まあ女子1位ということでよしとするか
七海を抑えたのか
流石霧切さんだ
こんなに人気あるのになぜ商品化しないんだよ…
ガンダムのプラモが発売されます
なぁにこれからよ
むしろアニメ化前に女子キャラ全一を獲ったのは今後を考えれば大きいべ
霧切さん女子一位おめ
正直七海に勝てるとは思わなんだ
>>393 いいなこれ
多分霧切さんがあれこれアドバイスしてるんだろうな
霧切さんと脱衣麻雀したいです
手袋と下着だけの状態になって
先に下着を脱ぎだしたら
ちょっと罪悪感おぼえるな・・・
うわあああって感じだな
購買部の人のアイコンって結局なにに使われてるんよ
いまだに判明しないの?
>>403 そういや、霧切さんVer.のノーベルガンダムあったなw
>>408 その前に果たして勝たせてもらえるのだろうか
裸手袋…ゴクリ
どこぞのフェイ・イェンを思い出した
ネクタイとかジャケットのボタンとか凝ってるなあ
霧切さんなのにガンダムとはこれいかに
これに全身ぴっちりスーツを着た霧切さんが乗っているわけか
…アリだな
石破ラブラブなんちゃら拳ですねわかります
霧切さんにはガンダムよりキュベレイが似合う
霧切 さんはあれだな
MSよりもMHとかのイメージだな
霧切さんパッと見冷たく見えるけど舞園さんを事件後フォローしたり
大和田がちーたんを女子更衣室に運んだ理由を推測する辺りの気遣いが好き
さりげない優しさが見えるのがいいよね
戦刃の死体を片付けるのを何だかんだ言いつつ手伝ってくれるシーンが好き
アルターエゴも「霧切さんって優しいよね」と言っていたな
よくわかってる子だ
優しさ目にわかるくらい全開だったのって苗木とアルターエゴだけだけどな
たぶん悪意なくて考えてることすぐわかるからだろうけど
今頃霧切さんは明日に向けて靴下を用意していることだろう
「苗木君、明日の晩私のベッドの脇に靴下を吊るしておくわ。
ここまで言えばわかるわね?」
は、履かせればいいのかな…
履かせようとしてシーツをめくった瞬間!
シーツの中には自らの身体をリボンで包んだ霧切さんが!
「…メリークリスマス、苗木君」
という夢が見られることを期待して一人寂しく寝る
おやすみお前ら
うむ
さて、誰かプレゼント代わりにSS化してくれんものか
苗木君の枕元に立つサンタ霧切さんの方が
どうにも想像しやすくて困る
まあ、実際本編でも枕元に立ってたからなw
枕元に霧切サンタが立ってるだなんて幸せ過ぎて心停止しちゃう!
霧切さんが喜ぶクリスマスプレゼントといったら何だろう
苗木君
>>438 アニメ放送すれば、深刻な男性向け薄い本不足がやっと解消されそうだよね
胸と下半身が熱くなるな…
その絵の人の薄い本は良かったのう
>>436 クリスマスだからと奮発して高級ホテルのレストランを予約してみるも、
今までそんな所に行ったことないもんだからガチガチに緊張している苗木君と
そんな苗木君を余裕の笑みで見つめている霧切さんが見たいです
惜しむべくはアニメ1クールほぼ確定なんだよな・・・
通信簿ネタもどこまで拾えるか微妙だし
BDの特典映像か変則分割放送にして話数増えないとキツそう
緒方ラジオでポロッと1クール的な事を言ってた
まだ正式発表無いし確定したわけじゃないとはいえ制作会社的にも体力無さそうだから
1クールだと思ってた方が気楽だと思う
1クールでもBDの特典映像とかで通信簿ネタはやってほしいよね
でないと6章の裁判の手袋の下の手を見せた重要性が伝わらないし
そういえば霧切さんは記憶が戻って自分が探偵であることを思い出してから
苗木くん以外には伝えたっけ
俺が初めてアニメのBDを買うことになりそうだな
>>440 ホテルで食事した後はどうなるんだ
詳しく聞かせてもらおうか
霧切さんって1の2章で千尋くんのちんこ平気で触ったじゃん?
ああいうの恥じらいないのかな
448 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/25(火) 02:16:38.33 ID:XetEajbN
パンツ<靴下な子に何をいまさら…
霧切さんは命の懸かった状況で恥じらいがどうこう言いだすようなアホの子じゃありません
必要なことならやる、それだけだ
クリスマスSS投下。
※2ネタバレ含みます
変わらぬモノなどありはしない――。
今日も隣のデスクから張り詰めた空気を感じる。
その出所を確認しようにもジェリコの壁のように書類やファイルの山が机にそびえ立って確認しようがない。
――けれど、該当する人物には心当たりがある。
「……チッ」
重苦しい雰囲気に耐えられないかのように、向かいのデスクに座る十神君が舌打ちをする。
朝日奈さんや腐川さんに至っては無言で僕を睨んでいる。
共通して言えることは"苗木、お前が何とかしろ"と目で訴えていることだ。
僕は両手をクロスさせて×印のサインを出す。"ごめん、無理"って意味を込めて。
「あなた達、自分の仕事に集中しなさい」
絶対零度に匹敵するくらいの威圧感。
ただの忠告の筈なのに室温が3℃下がったような気がした。
同僚兼交際相手である霧切さんをここまで変えたのは他でもない、この僕だから。
―――――
きっかけは本部に出向した時――。
用件を済ませて支部に戻ろうとした矢先のことだった。
「ンフフ、君が"超高校級の探偵"って呼ばれた霧切響子さんだね?」
「そうだけど、なにかしら?」
「あはっ! そのツンツンっぷり最っ高だね!」
「……用件を早く言ってもらえる?」
「是非ともベッドの上でデレデレの姿を見てみたいよ! どうだい、今度僕と一発してみない?」
「邪魔よ。どいて」
「パードゥン? 君から"Yes"の言葉を聞かない限りどくわけないじゃない?」
「三度は言わないわ、どきなさい」
口で言ってもわかりそうにないようなので、霧切さんは言い寄ってきた男性所員を押しのける。
しかし押しのけられても彼女の手首を掴んでは離さなかった。
「そこの背もナニも小さそうなおチビさんより僕の方が君を満足させられるけど?」
「なっ……!」
「おまけに僕の方が男前! "超高校級のホスト"であるこの僕がこんな普通代表に劣るなんてナンセンスなのさっ!!」
「この……っ!」
言わせておけば――!
自分の彼女に色目をつけられて黙っているほど僕も聖人君子ではない。
衝動のままに拳を振り上げ、ホストの商売道具であろう"顔"目掛けて渾身のストレートをお見舞いしようと――!
「待ちなさい」
「あたっ!」
出来なかった。
寸前で霧切さんに足を引っ掛けられて華麗なヘッドスライディングを披露していた。
「ンフフ、おチビちゃん自ら地べたに這ってくれるなんてサービス精神旺盛だね!」
「黙れ! それ以上汚い手で彼女に触るなっ!」
「二人ともやめなさい。周りの迷惑になるでしょう?」
霧切さんが僕らの間に割って入り仲裁に入る。
――確かに、本部の正面玄関前で大声を出していれば注目の的だった。
ムクリと起き上がりスーツに付いた埃を軽く叩く。
「……ごめん。ついカッとなって視野が狭くなってたよ」
「へぇ、さすが"超高校級の探偵"さんだ。愛犬の躾も完璧じゃないか」
「こいつ!「苗木君」……ごめん」
「あなたもあまり彼を刺激しないでちょうだい。"チビ"や"かわいい"って言われるのを気にしているから」
「き、霧切さん……!」
ちょっとどころか、かなりショックな話である。
霧切さんが僕をそんな風に見ていただなんて――。
「とにかく私達はまだ仕事があるの。早く支部に戻りましょう」
「次は僕の方から支部に足を運ぶよ。その時はじっくりお話しようね! ンフフ……」
最後に投げキッスをして僕らに背を向けて"超高校級のホスト"と呼ばれた男は去っていく。
その後姿を見て僕の中では嫌悪感しか残らなかった。
―――――
「それで、結局彼は何者なのさ?」
「先日保護されたばかりの才能持ちの生徒ですって。花村君の弟さんで、学園が存続していたら七十九期生の生徒になっていた人よ」
「花村君の……。そういえば弟と妹がいるって話していたけど本部は保護したんだ」
「そのようね」
仕事も終わり帰宅の途についても本部で起こったイライラは収まろうとしなかった。
気持ちを落ち着かせるためにコーヒーを淹れようとしても、肝心の薬缶のお湯が沸騰しなければ話にならない。
それまでの時間がもどかしく、炬燵に頬杖をついて人差し指で天板を何度も叩き時間を潰す。
「……何をそんなに苛立っているの?」
「本部での一件でモヤモヤしているだけさ」
「また日向君の保護観察が却下されたこと?」
「それもあるけど、その後の玄関であったアレがね……」
「アレって?」
「その花村君の弟が響子さんに言い寄ってきたこと」
「あぁ、アレが……」
首を傾げる響子さんの様子から、彼女にとっては記憶にも残らない瑣末な出来事だったらしい。
「人をおチビとか普通代表とか散々こき下ろすわ、君をくどくわって腸が煮えくり返るくらいだよ」
「誠君は誠君よ。ムキになる必要はどこにもないわ」
「ちょっと待って。それって君も僕を"チビ"や"かわいい"って目でずっと見ていたの?」
「えっ……?」
僕の反論が予想外だったのか、響子さんが呆然とする。
「だってそうじゃないか。あの頃から僕を雑用か手駒か何かと思って色々パシらせたよね?」
「あなた、さっきから何を言っているの?」
「ほら、その目。飼い犬に手を噛まれたような顔をして僕を上から見下ろしているじゃないか」
これは只の八つ当たりだってその時の僕は気づけなかった――。
それくらい僕は頭に血が昇っていて、やり場のなかった怒りを目の前の相手にぶつけていたんだから。
薬缶の沸騰を告げる笛の音が響くけど知ったこっちゃない。
「バカみたい。響子さんとこういう関係になって対等なパートナーになれたと思ったら只の勘違いだったなんて」
「それは誤解よ。私もあなたのことを……」
「だったら! どうしてあの時殴らせてくれなかったの? 彼氏面もできないほど僕って頼りないのかな……?」
ジリジリと詰め寄り彼女の両手首を掴んで押し倒す。
唇同士が合わさる寸前のところまで顔を近づけるが、響子さんは一向に目を閉じず冷たい眼差しで僕を見ていた。
「……誠君。"愛しているから"っていう理由を掲げれば全て許されるものなの?」
頭を鈍器で殴られたような衝撃だった。
"愛してる"という言葉を免罪符にして僕は理不尽なことをしようとしていたんだと今頃になって気づいたことに。
その隙を突いて響子さんは僕の拘束から逃れる。
おもむろに立ち上がりクローゼットに納めていたコートを羽織る。
僕を一瞥することもなく玄関で靴を履き、ドアノブに手を掛けたままポツリとしゃべる。
「あなたも私も、距離を置いて頭を冷やしたほうが良さそうね……」
「ちょっと待って! 待ってよ響子さんってば!」
「……サヨナラ」
僕の声に耳を貸さず部屋から出て行く響子さん。
ドアが閉まる直前に聞こえた"バカ――"とつぶやいた声が今でも耳から離れなかった。
453 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/25(火) 09:36:02.97 ID:ZC3yzCIc
――と、まぁこんなことがあって以来、支部で仕事をしようにも僕を無視するようになった。
連絡も十神君や朝日奈さんを通して僕に業務連絡をするようになり、徹底的に距離を置くスタンス。
いつかの"あっち行って――"状態。
謝罪する機会すら僕には与えられなかったのだった。
―――――
「苗木君との関係はすべてもう終わったことなの」
一番聞きたくない言葉を彼女の口から言わせてしまい絶望する。
耳を塞いだところで何度も再生され僕の精神を蝕む。
跪いて絶望に打ちひしがれる僕に目をくれず響子さんは離れていく。
僕には彼女を引き止める言弾も実行力もなく、その背中を見送ることしかできなかった。
そして彼女が向かう先には――。
「ンフフ、早く帰ろうよ。僕らの愛の巣へ!」
「そうしましょう」
"超高校級のホスト"と呼ばれた男がいた。
響子さんの腰に腕を回し、二人は寄り添いながら僕から離れていった。
本当に大切なものは失ってからわかるもの。
そのことを嫌というほど実感した僕は――。
「うわあああああああああっ!! ……ゆ、夢?」
自分の悲鳴で目が覚めた。
乱れた呼吸を整えながら状況を確認する。
見慣れた天井、寝相が悪く床に転げ落ちた掛け布団、セットしたアラームより3時間早い時刻を告げる目覚まし時計。
ここが自分の部屋で、悪夢にうなされていたとわかるまで数分かかった。
「酷い夢だったな……」
床に落ちた掛け布団を拾って体に覆う。
ふと、布団に包まったところで気づく。
――ベッドってこんなに広かったっけ?
一人で眠っているにも関わらず体は自然と壁際に預けていた。
左半分に眠る人はいないのに。
「今日も仕事なんだから早く寝ないと……」
再び瞼を閉じたところで夢に見た光景が浮かぶ。
眠れるわけもなかった。
―――――
「ふわぁ……おはようございます」
「おはようだべ、苗木っち」
「遅いぞ苗木」
「……どうしたの、みんな? 深刻な顔してさ」
十四支部に出勤すると僕以外のメンバーが神妙な面持ちで一つの封筒を睨めっこしていた。
十神君が封を開け中味を調べるとデータチップが一つ出てきた。
「それ、なに……?」
「本部から送られてきたヤツでさ、アルターエゴのデータだって」
「アルターエゴの?」
「本部の連中は大至急ジャバウォック島にあるそれにアップデートをしてくるよう要請をしてきた」
こいつを使ってな、と親指と人差し指で挟んだチップを振る。
「急だね……」
「だからこそ俺達も手をこまねいている状況だ。それぞれの手持ちで手一杯だからな」
「ア、アタシは無理……。だって、白夜様と予約した1ヶ月前からディナーをキャンセルするなんて真っ平ゴメンよ……」
「私だってクリスマス限定のドーナツ販売を諦めるなんて絶対イヤ!」
まったく、この人たちは――。
葉隠君はどうかと見ると手を合わせて頭を下げている。
さすがに当直でクタクタの身にジャバウォック島まで直行は体が持たないだろう。
まだ出勤していない霧切さんを待つほど悠長な時間もなさそうだし。
と、なると――。
「僕が行ってこようか……?」
「本当か? ならばお前の仕事は俺が引き継いでやる。未消化のファイルを寄越せ」
「わかった……。これとこれ。あ、ついでにこれもお願いするね」
「……フン、この程度なら俺に掛かれば造作もないな。早く行って来い」
「ん、わかった。じゃ、2〜3日抜けるけど後はよろしくね」
チップの入った封筒をスーツのポケットに収めて逆戻りする。
エレベーターの開閉スイッチを押して乗り込む。
「そういえば今日、クリスマスだったんだ……」
閉まった扉に寄りかかりながらふと思い出す。
本来なら僕も響子さんにプレゼントなり用意して夕食用のターキーを冷蔵庫に入れていただろうに――。
クリスマスも仕事とは何とも僕らしい巡り合わせだ。
そんな自嘲めいた笑いを浮かべたら体がグラリと傾いた。
「おっと」
「キャッ」
ボーッとしてたらいつの間にか扉が開いており、体重を横にかけっぱなしだった。
しかし体は転倒することはなく、扉の前に立っていた人がクッション代わりになってくれた。
「す、すいません! って、霧切さん……!」
「それよりも早くどいてもらえる?」
「ご、ごめん……!」
慌てて彼女の胸に当てていた頭を離す。
バツが悪くなり、進路を譲るように扉の前に立ち塞がった体をどける。
霧切さんは僕の行為を咎めることなくエレベーターに乗り込み、スイッチを押す。
扉越しに目が合った。
「次からは気をつけなさい」
「……ごめん」
ぶつかって。
それと今までのことを含めて。
一言のお詫びで済ませて。
「……バカ」
「えっ?」
背中越しから聞こえた声に慌てて振り返る。
閉まる扉の隙間から見えた霧切さんの顔はいつも通りのポーカーフェイス。
けれど瞳だけはどこか寂しそうで。
バカ、と咎める声も"もっと踏み込んでみなさいよ"って聞こえたのは気のせいだろうか――。
後ろ髪を引かれるような思いを残して僕は十四支部を後にした。
外に出て、タクシーを呼び止める。
乗車して窓から空模様をじっくり眺めてみるがどんよりとした曇り空。
「夜にはみぞれ混じりの雪になるって予報ですよ」
「……そうですか」
行きの飛行機に支障はなさそうだ。
帰りは足止めされないことを今からでも祈っておこうかな。
雨が叩く窓を見ながら一路空港を目指すのだった――。
続く
前編投下終了。
久しぶりにシリアスな話を書いていると欝っぽい話になってしまいました。
お約束で仲直りする後編は年末あたりに。
乙乙
後編期待してるべ
クリスマスSSキター
続き待ってるぜ
乙!
やはり夫婦喧嘩からの仲直りは鉄板だな
ナエギリでクリスマスというと、
どうもサンタ霧切さんとトナカイ苗木みたいな絵が浮かんでしまう
>>455 おーつおーつ
しかしこのスレのSSは尽きないな
>>446 そりゃおめえ、食事が終わったら苗木君がおずおずとホテルのキーを差し出すんだろ?
ほほう…エロパロ板で詳しく聞かせてもらおう
>>459 むしろ霧切さんにトナカイの着ぐるみ着せて辱めたい
中は全裸で
トナカイ角付きのカチューシャと首輪装備の霧切さん
そしてその首輪を苗木君が持っているわけか
うむ
年末の霧切さんはやっぱり実家に帰省するのだろうか
実家が残ってるかわからんが
霧切さんの血族ならどうにかして生き残っていてもおかしくない…はず
当然苗木君を連れて帰省するんですよね?
そしてお祖父様に紹介される、と
ちょっと待て苗木君が自分の実家に帰省できないじゃないか!
実家では別人のように大人しくておしとやかなお嬢様になる霧切さん
逆パターンで
苗木君の実家にお呼ばれして、借りてきた猫のように大人しくなる霧切さんはありませんか
もう彼の実家ないっぽいんだよなあ・・・
「なら…私があなたの実家になるわ…」
とか言っちゃうんですねわかります
>>471 どんなイメージ持ってんだか知らんが霧切さんはどこでも普通に大人しいし上品
まあ真面目な話、十神家があの有様だし他の皆の家族も無事ではないんだろうな
でもだからこそ、生き残った者同士肩を寄せ合って生きていかねば…
苗木君、ここまで言えばわかるわね?
肩を寄せ合う(意味深)
あれだな
霧切さんの代で霧切家の歴史を終わらせるわけにはいかないからな
苗木君、ここまで言えばわかるわね…?
そうか分かったぞ!
世界から絶望を払拭するためには僕らが希望の種(意味深)を育んでいかなくちゃいけないんだ!
こうなんていうか
霧切さんが苗木君以外とベッドの上でデレデレとか想像しただけでちょっと胸が苦しくなる程度にはナエギリを愛してる
しかし放送を通じて世間に顔を知られてしまった霧切さんは、今後探偵に戻れるんだろうか
当面は未来機関で頑張るんだろうが
ありえないことだとは思うが
アニメで霧切さんが手袋の下を見せるのが苗木君だけだったりしたら悶える
っていうかアニメでどこまで手を晒されるんだろうか
アニメではそういう描写なしで頼むわ
ケロイドとか言われそう
ゲームでも具体的に描写せず想像に任せる方向なんだからそこは変わらんだろ
まあどんなに酷い傷だろうが霧切さんの魅力は一片も翳らないけど
むしろ深い傷痕が一層霧切さんの魅力を際立たせるね
>>483 あそこは議論のために全員に見せる必要があるからなあ
そこは変えられないだろうな
とりあえず伏線として「立候補する?」の会話は入れてほしいですハイ
霧切さんの通信簿のイベントをアニメでやるなら、どのタイミングでするか興味があるね
二章で記憶の話、三章で手袋の話
そして四章でスネギリ事変
手袋の下よりスカートの下を(ry
裁判中に突然スカートをたくしあげる霧切さんだなんてそんな
傷物ではないことを証明するのか
Web漫画の5章は十神視点なんだな
霧切さん視点で見てみたかった
まぁ霧切さん視点じゃ初見の人には何が何だかわからんからね
十神視点というのも情報少なすぎて何が起きてるのかわからない気が
霧切さん視点ではそもそも死体発見アナウンスにすら気づかないぜ
二階から戻ってきたら突然裁判のアナウンスが!
そして状況を把握しきれないまま裁判へ…
でも展開としてはアリだと思うけどね
まあ、あの漫画これまで十神視点無かったから十神でもいいけど
いっそ最初から最後まで霧切さん視点のスピンオフをだね
アニメ次第であるいは…
備えよう
やっぱりスピンオフをするなら、手袋についての話がいいな
手編みの手袋をプレゼントしたい
2のドラマCDも出るみたいだが、ボーナストラックで苗木霧切の会話とか無いかな…
無いんだろうな…
アニメ終了→結局俺の好きな○○全然活躍しなかったな…→希望は前に進むんだ!→ダンガンロンパギャルゲ化決定発表
までは脳内確定事項
霧切さんの助けをかりながら、2のシステムで裁判がしたい
アクション下手なんで1と2の間くらいの難易度だと嬉しい
2で七海の代わりに霧切さんが2メンバーを導けばよかったんや・・・
むしろ霧切さんとアイランドしたいです
ぱんつとか貰いたいです
超高校級のパンツハンター日向くんなら、霧切さんのミステリィクルゥズもゲットされてしまうん?
既に苗木君に奪われています
ないものはゲットできません
こうして2人でこの景色を見るのも今日で最後か…
色々と無茶苦茶なサバイバル生活だったけど改めて振り返ってみると…楽しかったな。
なんだかんだ言っても、人が死ぬような事態にはならなかったし。
霧切:ここでの生活も、これでもう終わりなのね…
霧切:初めはくだらない催し物だと思っていたけれど、いざ終わるとなると寂しいものね・・・
日向:ああ、そうだな。
霧切:あなたたちと暮らした 日々は今まで私が経験した事のない事の連続だったわ。
霧切:でも、もうそれも終わり・・・もう会う事もないでしょう・・・
霧切:あなたと私では、住む世界が違うもの・・・
霧切:でも、もし・・・もし・・・私が・・・
霧切:・・・やめておきましょう。こんな仮定に意味があるわけないもの・・・
日向:なんだよ、はっきり言ってくれよ。
日向:俺なんかじゃ、霧切の役には立てないかもしれないけど、
それでもお前の悩みくらいなら聞けるからさ。
霧切:フフ・・・日向くんは優しいのね・・・でも、無理よ・・・
日向:(霧切は諦めきっているようだ・・・)
日向:(いったいどう言えばいいだろうか・・・)
選択:俺は今日から霧切の助手になる。
好きだ!
・・・・・・
>>509 つまり霧切さんははいてない可能性が…?
ゲームでは正面しか映らなかったからかわいく見えたけど
アニメになってもかわいく描いてくれるのだろうか
なぜだろう
苗木君から無理矢理靴下を脱がせて奪い取る霧切さんが見えた
苗木君から無理矢理靴下を剥ぎ取って足をぺろぺろする霧切さんだって!?(幻聴)
面白くないから消えていいよ
そんな感じの二次創作絵をどこかで見た覚えが
素晴らしい
これ苗木君の視点からだと見えてるよね?
ナニがとは言わないけど
靴下といえばたしかイラストで一枚だけ制服ニーハイで絶対領域形成している霧切さんがいたな
普段下はジーンズやハイソックスで済ませてそうな女の子がそうなるとびっくりしっこりする
漫画のおまけのジャージ姿も何かいいなって思ったな
普段の服からして霧切さんかなりのオシャレなんだろうな
>>519 これ霧切さん的には相当エロいことしてるつもりなんだろうね
実際エロい感じだけど
エロス
おっぱいの差ががが
アイドルと比べるんなよ!
ところでこの人の絵には太ももに魂がこもってるのが非常にgood
太股の絶対領域も勿論だが、足の甲のあたりにもなんとも言えない色っぽさを感じる
一切妥協のないすばらしい美脚だ
>>510 霧切さんが何言おうとしてるか気になってモヤっとする
ひんぬーぺろぺろ
>>533 ファミ通漫画2巻のカバー下4コマのネタだね
1コマだけで小さいけれど確かにジャージ姿だったよ
ほう、そんなのあったのか
霧切さんっていつもビシッとした服装だから、
ジャージ姿というのもなかなかギャップがあって良さそうだのう
ジャージの下がパンツなのかスパッツなのか、はたまたブルマなのか
それが問題だ
こう、林間学校の夜とかにジャージで過ごす霧切さんが見たい
テントの中で始まるガールズトークに参加する(させられる)姿を見たい
ああ…普通に学園生活を送る霧切さんは見てみたい
たとえバッドエンドが待っているのが確定しているとしてもだ
ファミ通コミック2巻のカバー裏4コマの方じゃなくて
巻末で霧切さんが朝比奈のジャージを着てる方なんじゃね
ホットパンツからはみ出るふとももが美しい...
ホットパンツの霧切さんだと!?
ちょっと本屋行ってくる
カバー裏4コマにも一応いるよ上下ジャージ姿のが
あとムキムキな苗木くんと霧切さんも
霧切の手ってかなり醜いけどそれでも付き合いたいって思う?
わざわざこのスレに来てまでそんなことを聞くのなんてアホとしか言い様がないな
握りしめてあげたいよ
上はジャケットにネクタイのままで下はホットパンツの霧切さんが見たい
霧切さんに七海のおっぱいがくっ付けばなぁ
ばっかおめえ、主張し過ぎないサイズなのがいいんだろうが!
ケロイド探偵
女は尻だよ
そうはいってもボイン切さんに少し興味あるんだろ?
ない。
あのくらいが丁度良い。
種々のイベントCGから察するに
霧切さんは丁度掌に収まるくらいの理想的で美しいサイズであると言えよう
であるからして、これ以上手を入れる必要はないのだ
いいね?
無表情でおもちをうにょーんと伸ばしつつ噛みきれず静かに焦る霧切さん
可愛いッ!霧切さん可愛過ぎッ!!
>>554 横から苗木君が箸を出して餅を切ってあげるわけですね
日本食に慣れてなくてお餅を上手く食べられない霧切さんか…
アリだな
年納SS投下じゃー ナエギリ注意じゃー
>>455の方とネタ被ってしまったので、気にしないって人は読んでやってくれ
「えー、霧切さんも来ないの?」
「あの人、去年も来なかったでしょ…や、別に強制とかじゃないけどさぁ」
「相っ変わらず、後輩のクセにノリ悪いな。仕事中も無愛想で、やたら睨んでくるし」
「超高校級って、皆そんな感じか? …ま、苗木とか朝日奈は別だけど」
仲間の悪口を言われても口答えをしなかったのは、別に冷静だったとか、そういうんじゃない。
出来なかっただけ。
ただ衝動的な憤激を、言葉や行動に移すほどの意気地が、僕に無かっただけだ。
ポニーテールが直毛になるほど怒り心頭な朝日奈さんを、なんとか視線で宥めて、僕は先輩たちに頭を下げる。
僕たちが未来機関に所属してから数年。
彼女も思ったことをそのまま口に出さずに留まれるくらいには、余裕のある大人に成長した。
「すみません、ちょっと…その、上手く誘えなくて」
「ああ、うん、いいよ。気にすんな」
課の先輩の中でも比較的温厚な人が、頭を下げる僕の肩を軽く叩く。
「苗木が誘って来ないってことは、誰が誘っても来ないんだろ」
「ったく、使えねえな…幹事役だろ、お前ら」
「人集めもまともにできないんじゃ、この仕事辛いよ?」
後ろからヤジを飛ばす他の先輩に愛想笑いを向けて、ちょうどそこで、空気が凍った。
気まずい間。
先輩たちの視線がみんな、僕の後ろの方へ。
僕は振り返らずとも分かる、この極寒のような雰囲気には慣れている。
「…霧切、ちゃん」
「…お早う、朝日奈さん。…お早うございます、先輩方」
果たしてどこから聞かれていたのか、それとも素知らぬ仏か。
こちらの気まずさなど知ったことかと言わんばかりに、いつもの調子で挨拶をする。
すっと後ろで束ねた髪に、折目整ったスーツ姿。キャリアウーマン、という言葉が相応しいだろう。
「……」
僕にだけ挨拶を交わさず、彼女はそのまま通り過ぎて、自分のデスクへと足を運ぶ。
通り過ぎる瞬間、まるで北風が通り過ぎたかのように、冷やりとする。
一瞥。
一瞬だけ視線を感じるけれど、僕がそれに応じる頃には、彼女はもう僕の方を見ていない。
先輩のうち一人が、勝ち誇るような憐れむような、何とも言えない笑みを僕に向ける。
それから席を立ち、霧切さんの背中を追って行く。
汚い言葉は使いたくないけれど、胸糞が悪い。
誰の、せいだと、
いや、違う。誰かのせいなんかじゃない。
あの人が苦手だからって、何でもかんでもの非や責任を、あの人に押し付けていいわけじゃない。
彼女が僕に怒っているのは、他の誰でもない僕のせいなのだから。
「ねえ、霧切ちゃん、」
「お早うございます」
何か言いたげな猫撫で声を、叩き伏せるようにして霧切さんが返した。
めげていないのか、それとも鈍いのか、男の先輩は構わず霧切さんの背に付き纏う。
霧切さんが嫌がっているのが分かる。
普段は丁寧で落ちついた諸々の所作が、ほんの少しだけ乱暴になるのだ。
彼女から先輩を遠ざけるなんて権利は、僕にはない。
ほんの先程だって、友人を庇うための言葉さえ、それを発する勇気さえ、持ち合わせていなかったんだ。
「何、苗木と喧嘩してんの?」
「……は?」
「いつもは苗木の方が、コバンザメみたいにくっついてくじゃん」
「…それが、先輩に何か関係があるのですか?」
愛想のない台詞はいつも通りだ。
それよりも、声音。
どんな時でも凛とした調子を崩さないはずの霧切さんが、苛立っている。
もともと自分の領域に踏み込まれることを、極端に嫌う人だ。秘密主義というやつだろうか。
僕も、嫌いだ。
僕が悪く言われていることは良い、慣れっこだし、何より正しい評価だ。
けど。
彼女の領域に土足で踏み込んでいくような、その先輩の言動が、嫌いだ。
それは、僕がけっして踏み込まないように保ってきた一線だ。
大切に育てている花壇を踏み荒らされるような、理不尽への苛立ち。
「ねえ、霧切ちゃんは忘年会来ないんだって?」
「…そんな気分になれなかったので」
「なんで? いいじゃん、座って酒飲んでるだけでいいんだぜ」
「……大勢で騒ぐのは苦手で」
「あ、そうなの? じゃ、二人っきりとかのが良いんだ? 意外と大胆だねぇ…」
先輩たちは、もちろん止めることなどしない。いつもの同僚の悪ふざけだ。
せいぜい、また始まったよ、と顔をしかめる程度。
この手の誘いに真っ先に爆発しそうな人物、すなわち朝日奈さんは、以外にも大人しく踏みとどまっていた。
その顔は、怒りよりも不安によって歪められている。
彼女がそんな顔をしているのは、とても、似合わない。良くも悪くも、太陽のような人だ。
笑うか、怒るか、どちらにせよ、元気でいて欲しい。
何がそんな顔をさせているのだろう、と思い至り、その不安げな瞳が僕を見ていることに気付く。
「いっつも苗木のお守ばっかで疲れるっしょ?」
「……」
「たまには霧切ちゃんのが甘えたいんじゃない?」
「……」
「どんだけ酔っても、俺が介抱してあげるけど? なんなら、ベッドの上まで―――」
限界、だった。
今、自分がどんな顔をしているのか分からない。
ただ、視界の端の朝日奈さんの顔が青ざめているのが見えた。
「なえ、」
彼女が呼ぶより早く、僕は足を踏み出していた。
朝日奈さんの言葉に反応して、他の先輩方も僕を見る。
二歩目、三歩目。早くなる足、大きくなる歩幅。
霧切さんのデスクと真逆、扉へと向けて、急ぐでもなく、けれども逃げるように。
彼女に背を向けて、僕は部屋を後にする。
もう、聞いていたくなかった。
言葉を聞くだけで、場面を想像してしまうのが嫌だった。
僕のお目付け役のような存在から解放されて、どこか楽になったような表情の霧切さん。
見たこともないような朗らかな笑みで、談笑とともに酒を飲み。
とろり、と眼が潤み、眠気を訴えるように表情が解け、ベッドに体を預ける、無防備なその姿を。
意識も疎らなうちに、薄皮を剥くようにして衣服を剥ぎ取られ、慣れない刺激に身を捩じらせ、あの凛と響く声で―――
そういうことをする、と、あの先輩は言っていたのだ。
僕がそれを阻む権利なんて、どこにもない。
選ぶのは霧切さんの意思。
彼女はきっと、拒むだろう。
けれど、それは絶対じゃない。
そして、いつまでも拒むわけじゃない。
あの先輩を霧切さんが今は苦手としているだけで、きっと彼女が心を許せるような存在が現れた日には。
僕の「そんなことしないでほしい」なんて願望が、彼女を止める権利になるわけじゃない。
理性を、自分を制御するためにフル動員していた。
ので、自分が今どこを歩いているのかにも気付くことが出来なかった。
片腕が何かに引っかかり、ガクン、と体がつんのめる。
「苗木ってば!」
朝日奈さんの声。
やっぱり、元だけれどアスリートなだけある。
同じくらいの体格なのに、その腕を引かれるだけの力で立ち止まってしまった。
「…あ、…朝日奈さん」
「ずっと、呼んでたんだよ…聞こえてなかった?」
それでも息切れしているのは、本当にずっと僕を呼んでくれていたんだろう。
声も少しだけ掠れている。
引きとめたは良いけれど、何を言うために追ってきたのかは忘れてしまったらしい。
あの頃から変わらない、彼女らしい直情さに、思わず頬が緩んでしまう。
とりあえず侘びとして、近くにあった自販機から適当にスポーツ飲料を買って手渡した。
「その、…まずは、ゴメン」
ペットボトルの蓋を開けて、数口だけ飲んで、それから落ちつくまで待って。
深呼吸を挟んだら、もう落ちついていた。
その辺りのリラックス法や精神力も、やっぱりアスリートのうちに鍛えたものなのだろうか。
僕にも、それくらいの心の強さがあればいいのに。
「苗木が抑えてくれなかったら、私また、先輩たちに殴りかかってたかも…」
「そ、そんなことないよ。朝日奈さんは」
「いいよ、庇わなくて。…苗木、そういう面倒な役回り、全部自分でひっかぶってんじゃん」
「いや、ホントに、そんなことないってば」
「あるよ。だから最近疲れてて、ちょっとテンション低いじゃん。何度も溜息吐いてるのとか、全部知ってるんだから」
私のブレーキ役でしょ、先輩たちとみんなのクッション役でしょ、それに、と朝日奈さんは続ける。
そこから先を口籠ったので、彼女が誰のことを言おうとしているかは分かった。
「……私、許せない。…許せないよ」
「何を?」
「苗木だって、許せないでしょ?」
表情は暗く、声は重い。
昔の彼女なら怒りのままに、顔を赤くして怒鳴り散らしていることだろう。
やっぱり朝日奈さんは、大人になったと思う。
その、色んな意味で。
「霧切ちゃんを無理に口説こうとして、苗木まで引き合いに出して、本人の目の前で悪く言って…」
「……うん、僕は、…大丈夫だから」
「アンタが大丈夫でも!」
ぐわし、と、肩を力強く掴まれる。
「霧切ちゃんは、大丈夫じゃないの! 分かる!?」
「うわ、っと、朝日奈さ、危なっ…」
「霧切ちゃん、自分と比べて苗木のことを悪く言われるのが、一番嫌なんだよ! 釣り合ってないとか、お守役だとか!」
「…だって、」
「『私のせいで苗木君が貶められてる』って、それが一番傷ついてるんだよ!」
「だって、……事実、でしょ」
揺さぶるようにしていた朝日奈さんの腕が止まる。
声も、表情も。
初めての光景を目にする、子どものような表情に戻る。
「僕とずっとコンビみたいに扱われて、他でもない霧切さんが…一番迷惑してるはずだ」
「…本気で言ってんの、苗木?」
「僕だってそんな…霧切さんを縛る枷みたいには、なりたくないんだ。だから、」
だから、それに、だって。
言い訳を繋ぐための言葉は、驚くほどするすると口から零れる。
だから、彼女が誰に狙われようが、口説かれようが、僕が干渉しちゃいけないんだ。
守ってあげなきゃ、なんて自惚れはする余地もないし、第一彼女自身が守られるような弱い人じゃない。
「…一昨日、苗木が霧切ちゃんを、誘いに行ってからだよ。二人がおかしいの」
「……」
「何が、あったの?」
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
『なんだったら、ホラ、お代は僕が持つからーっ!!』
『…必死ね、貴方』
両手をかざして懇願する僕を、相変わらずの涼しい目で霧切さんは見据える。
『それより、ホラ…手が空いているなら、こっちの書類もお願い』
『……はい』
いっそ潔いくらいに流されて、やっぱり今回もか、と撃沈した僕は、逆らう気力もないので書類を受け取った。
特に誰に命令されたわけでもないけれど、書類の抜けや不備の整理を、彼女は自ら買って出ている。
彼女が推敲するお陰で、特に朝日奈さんや葉隠君が誤字脱字でどやされることは格段に減った。
それだけなら、喜ばしいことなんだけど。
『助かるわ、苗木君』
『あ、そう…あの、僕、明日朝早いから、もう帰って良い?』
『そこの書類が終わったら、コーヒーを淹れて来てもらえるかしら?』
『はい……』
こんな感じで、延々と有無を言わせず僕に手伝わせている僕としては、もう少し仕事に不熱心でもいいんじゃないかと。
というか、こうまで誘いを断り続けられると、なんか、もう、何のために僕は手伝っているのか。
もう少し手伝わせていることに負い目とか、ないんですか。
『ないわ』
『さいですか…』
一刀両断、切捨て御免、快刀苗木を断つ。
『逆に聞くけれど、じゃあ貴方は私を誘う口実だけのために、親切にも手伝ってくれているの?』
『いや、そうじゃないけどさ…』
『なら、いいでしょう』
書類の山に阻まれて、表情は見えないけれど。
なんとなく、霧切さんが満足げに笑っているのが分かった。
想像して、僕も思わず頬を緩めてしまう。
ここで憤慨したり不貞腐れるならともかく、笑ってしまうのだから、もう手伝う以外に他の道はない。
『何度も言っているでしょう。大勢で騒ぐ、なんていう柄じゃないの』
『いや、それは分かってるんだけど…』
『私がいると、空気も重くなるわ。気も遣わせてしまうし。お互い疲れるだけでしょう?』
『いてくれるだけで、いいんだけど…』
『……』
何故か、間になる。
答えに窮するようなことを、何か言っただろうか。
『いっ、痛いっ!』
机の下で、ヒールに蹴られてしまった。割と容赦のない威力で。
『……しつこいわ、苗木君』
言う割に、珍しく上機嫌で霧切さんは笑った。
書類の向こう側から、楽しげに。
仕事の恐ろしく早い彼女は、先程まで壁のようにそびえていた書類を、もう肩の高さにまで減らしてしまった。
僕が手伝っている意味はあるのだろうか。
いや、そりゃ朝日奈さんや葉隠君よりはまだ出来るけれど。
僕以外にも彼女を手伝おうとする人は何人もいるだろうに。
『そんなに、私とお酒が飲みたいのかしら…?』
『え? あ、や、うん…まぁ』
『…煮え切らないわね。私を酔わせて、何をするつもりなのかは知らないけれど』
『いや、僕じゃなくて、あの先輩がね』
『え?』
ひぃん、と、空気が音を立てて凍った。
『……あの、今年は絶対に連れて来い、って』
書類越しに、目が合った。
『……、そう』
『いや、あの、みんな! 霧切さん、普段出ないからさ、楽しみに…』
見たことのない、表情だった。
いつもの知性を感じさせる落ちついた笑みや、時折見せる思索に耽る物憂げではなく。
本当の、無。
目を見開き、唇を少し震わせた、本当の無表情。それが、少しだけ怖く見えて、咄嗟にわけもわからず言い訳を募らせた。
『……その、霧切さんがあの人のこと苦手だっていうのは、知ってるんだけど』
『…知ってて、誘おうとしたの?』
『いや、それは、』
『……』
『…あの、先輩が、その……霧切さんのこと、好きみたいで』
ガタ、と、何かが机に当たった音がした。
震えていたのは、僕だったのか、それとも霧切さんだったのか。
『…何でそれを、貴方が…取り持つような事…』
『と、取り持つって、僕は別に、何も…』
『あんな下心丸出しの、下半身で物事を考えているような、見え透いた、女を口説くことしか能が無い男に…!』
『霧切さん、色々本音漏れてるって! 先輩だよ、一応…』
どうでもいい、とばかりに、彼女は頭を振って、椅子から立ち上がった。
どさ、と、書類が音を立てて崩れ、机の下にバラバラに散らばる。
反射で拾おうとして、がし、と襟首を掴まれ、体が宙ぶらりんの状態で止まる。
どういう力が働いているのか、僕よりも細い彼女の腕は、そのまま僕の体を後ろの戸棚に叩きつけるようにして押し付けた。
『貴方は、私を差し出そうとしたの…!?』
縋るような、瞳だった。
てな感じの年越し忘年会ネタでした
続きは年が明けてからお気に来るぜ オマエラよいお年を
ここで・・・だと・・・
くそぅ!くそぅ!
ぐごご、なんという焦らし術…!
いやしかしこれで新年の楽しみが一つ増えたべ
続きを待ってるべ
年明け?つまり五時間後ですね!
569 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/31(月) 20:07:32.98 ID:QdeHPlhg
あと4時間かー楽しみですね
先輩にすごい胸糞を感じるぜ..
続き楽しみにしてます
やっぱ霧切さんは苗木くんと幸せになってもらいたいもんだ
おい続きが気になるじゃないか…
楽しみに待たせてもらうべ
>>455氏も待ってるべ
現実にも他人を引き合いに出して笑いをとって女と寝ることしか考えない下半身に脳がついてるようなやつはいるからなぁ
俺の職場の先輩はそれで男連中に誰にも相手にされなくなって辞めたが
続きは三時間後かー
取り合えずこの先輩はタンスの角に小指をぶつけるべき
いやそれでは生ぬるい
トイレでジッパーに色々巻き込んで悶絶すべき
響子、今年もよろしくな
576 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/01(火) 00:12:28.36 ID:/9oXwaHL
霧切さん今年もよろしくお願いします
あけおめ
今年も霧切さんに幸あらんことを
オマエラ明けましておめでとうございます
さて、それでは霧切さんの初夢を見られることを願いつつ寝るとするか
慣れない刺激(意味深)
昔より一富士二鷹三茄子と申しまして、これらを初夢に見るとたいへん縁起が良いとされています。
ところで霧切さんですが、
一富士=頭の先が銀色
二鷹=鋭い目つき
三茄子=紫色
と、このように縁起の良いものの要素を全て備えております。
初夢に霧切さんを見ることはすこぶる縁起が良いと言えましょう。
あけおめ霧切さん
今年が霧切さんにとって更なる飛躍の年となりますように
まずはアニメからだね。
中途半端な出来は勘弁です。
デレ切さんが、どのように描かれるかが凄く大事だ。
あまり露骨だと許さぬ。
とりあえず霧切さんにお年玉をあげよう
霧切さんに「…けちんぼ」と言われたい
そしてちょっとスネたような顔されたい
なにそれグッとくるじゃないか
オマエラあけおめ
今年も霧切さんにとって素晴らしい一年でありますように
ちょっと赤面しつつ俯き加減に「…けちんぼ」でお願いします
なんだその意味深な感じは
詳しく聞かせたまえ
霧切さんの部屋くまなく調べる苗木と十神
そこで彼らが見たものは
お年玉文化に馴染みなく、
必死に苗木君にお年玉ちょうだいアピールする霧切さんが見たいです。
あ、下ネタじゃないですよ。。
お父さんからもらったら…あ、いえ何でもないです
だからそんなに睨まないで
むしろ苗木君にドヤ顔で熨斗付きのお年玉袋を差し出す霧切さんはどうか
初詣に訪れた神社前の露店のジャンクフードに目を輝かせる霧切さんはありませんか
綿飴とかを珍しげにはむはむしている霧切さん
…うむ!
フランクフルトをはむはむする霧切さんを希望します
なお私はやましいことは何も考えておりませんのでご安心ください
既に俺のチョコバナナしゃぶっているよ
俺のはキノコの山だけど霧切さん気に入ってくれてるよ
おいお前ら背後に氷のような眼をした霧切さんが…
和装を着込んで初詣に出かける霧切さんが見たい
霧切さんは意外と和装が似合いそう
それでもって髪をアップに結ってくれたりするとなおよし
着たはいいが着付けがわからず臭くなる訳だな
無理やり脱いで裸で過ごしそうな感じだけど
あれだろ?
舞園さんかさくらちゃんあたりなら着付けできそうだしやってもらうんだろ?
そしてお風呂タイムへ
霧切さんが臭くなるわけないだろ!いい加減にしろ!
においしなさそう
カップラーメン切さんのとき臭くなってなかったか?
あの手袋って夏でもつけてんのかな
ブーツは夏どうしてんのかな
霧切さんは柑橘系のさっぱりしたいい匂いがするよ
さっきくんかくんかしてきたから分かる
霧切さんの股間に顔を埋めたい
霧切さんの顔を股間に埋めたい
お前ら新年早々…
臭いキャラは他に役割あてられてる奴がいるだろうが!
いい匂いしそう代表の霧切さんまで巻き込むんじゃねえ!
霧切さんの手にキスをしたい
おかしい…
年が明けてからこのスレの変態度が上がっている…
>>616 こう、あれだな
椅子に腰かけた霧切さんの前に苗木君が片膝をついて、
霧切さんの手の甲にキスするわけだな
俺は足な
取り合えず三が日のうちに去年分のSSをまとめに載せてきたべ
漏れは無いはずだけど気づいた点があったらフォロー頼むべ
乙乙
今年もSSが豊作であることを願うべ
霧切さんスレ住人に聞きたいんだが、2メンバーで好きなのって誰?
やっぱりナナミン?
そういや発売前はナエギリ娘だとか予想されてたっけな(遠い目)
>>623 七海は容姿と人格データの一部に絶対kirigiri.datが混入しているな
>そういや発売前はナエギリ娘だとか予想されてたっけな(遠い目)
ヤ・メ・ろ
まあ、ある意味間違っちゃいなかったな
七海に推理を叩きこんだのは多分霧切さんの仕業
霧切さんと真昼は意気投合しそう
そして真昼の影響で霧切さんも紐パン穿けばいいと思う
だがちょっと待ってほしい
霧切さんが既に紐パン愛好家であるという可能性もあるのではないか
なかなかの霧切カラー
そういえば何かのアンケートで男性が好きな下着の色トップ3は黒、紫、ピンク、素材はサテン、シフォン、レースという結果が出たとか
つまり苗木くんは黒サテンの下着が好きということになるな!
>>633 綿密なリサーチと推理により苗木好みの下着を割り出し、着用する霧切さんが見えた
(ただし見せてくれるわけではない)
推理を元に導きだした苗木好みの勝負下着を穿いてみる霧切さん
普段は着けないような大胆な下着のために内心どうにも落ち着かない感じに
霧切さんがいつもより少しだけソワソワしていることを何となく感じとるも、その理由はわからない苗木君
そこに悪戯な風が吹いてきて…
というところまで妄想した
そうか…ミステリィクルゥズは黒サテンなのか…
これでまた一つ賢くなったな!
その謎は我輩の舌の上だ
霧切さんからもパンツを貰いたかったものだ
もしアイランドモードで霧切さんを攻略できるとしても
攻略できるのが苗木以外だと嫌だな
頼むよぉ〜霧切っち〜
内臓売ってくれ〜
霧切さんはわりと素でパンツを渡してくれそうな気がする
もちろん相手が家族になるような人であることが前提だが
パンツを要求→ちょっと不審な顔しつつ渡してくれる
靴下を要求→断固拒否
そう言われると靴下が欲しくなるな
アイランドでみんながパンツを渡す中、一人だけ「霧切響子のソックス」を渡すのが
霧切さんクオリティ
もしかしたら霧切さんの足はものすごく臭いんじゃないかな
俺の占いは三割当たる
ただでさえ日常的に手袋付けてる子が匂いに敏感じゃないわけがないだろうjk
女の子は大変なんだよ
むしろ霧切さんになって苗木のパンツを集めるゲームを
あれだけお洒落さんな霧切さんが自分の身体のお手入れに気を遣わぬわけがない
しかしその一方でゴミの山にも平然と突っ込んでいけるのが霧切さんのいいところ
数十メートル落下したはずなのによく死ななかったな
足がスゴい敏感とか・・・
霧切さんに足裏マッサージやってあげたいです(^q^)
おい!足が敏感なんて誰が言った!日本語ちゃんと勉強しやがれ!
俺は贅沢に太ももをもらう
超高校級の探偵ならバリツくらい習得していてもおかしくないな、うん
猫は高い所から落ちても平気
よって霧切さんも高い所から落ちても平気
当然の論理的帰結と言えよう
頭から落ちたであろう苗木くんが無事だしな
あれってわざわざゴミ袋に入る必要あったの?
マスターキー持ってるならゴミ処理場に入れるのに
罪悪感あったから同じ入り方したんじゃないの?
霧切さんはキツネっぽい
それかトカゲ
地下の構造まで知らなかったんだよ
トラッシュルームからはしごを下っていったら下に苗木君がいてパンツ見られちゃうかもしれないだろ
乙女なんだよ
単純にモノクマに気付かれにくい手段を選んだんだろう
助けに行く途中でモノクマに気付かれたら、梯子を降りてる途中で出口の南京錠をかけ直される恐れだって考えられる
だから南京錠だけ密かに解除して、モノクマに気付かれにくいどこか別の場所から落ちてきたんだろう
霧切さんはロシアンブルー
苗木君は柴犬
霧切さんがネコで苗木君がタチ…!?
霧切さんがネコ、舞園さんがタチでお願いします
霧切×舞園はないけど舞園×霧切はわりとアリ
霧切さんのトイズは何がいいだろうか。
苗木くん限定でパンツが見えるトイズとかいいですねえうぷぷ・・・
霧切さんと舞園さんのバストサイズは1cmしか変わらないのに
霧切さん=貧乳 舞園さん=巨乳 ってなっちゃうのは何でだ?
たかが1cmだが、そこには超えられない壁が存在すると言うのか…
2の終盤で「(未来機関による抹殺)そんな事は絶対にさせない!」なんて言ってたけど、
1で冷凍庫の残姉ちゃんとの反応見るとすごい差があるな。
事情聴取はしているだろうから、2メンバーの背景を理解した上で言ってるのだろうか。
まあ残姉ちゃんはIfで株あげたところで残念な裏切り者のシスコンなのは変わりないしな
胸囲と乳は違うからな…と一応
トップとアンダーの差だよ
なんかこの流れデジャヴだけど
霧切さんの胸は割と絵によってサイズにバラつきがあるのでなんとも
つまり各人好みのサイズを選ぶことができるというお得な仕様
ここのスレ住人的には罪木ちゃんみたいな出るとこ出っ張りまくりの
言わばパーフェクト霧切さんがいいわけね。
誰もそんなことは言ってないが?
むしろ貧乳大歓迎だ!
何度でも言おう
霧切さんは丁度手のひらに収まる理想的サイズ
そして綺麗なスジまんこ
いや生えているべきだろ
紫之陰毛
, -‐‐‐- 、
, ''"´´ 丶
.. , ヽ
/ \ \ ヽ
.. ′ 丶 ハ
. ! | |ヽ |i Y `ヽ i |
. : .| 丶 |__|_八_|ヽ ト、 | _
i__ト、_У^,.ノハ ̄八 i |,ハ .|/ο))
. '.イ f_、 弋ツ ′ヘ レノトニニトリ<\
Y Vソ i .|' ,乂.人′ `ヽ\
. l 圦 丶 | .|ヽ 尨 ヽ. ¨´
l .i i 、 ‐- /.::ル: | \乂_ 人
i | |l,_> , 。o゚_ イ .i iニ=- 、尨 ヽ
|_| |二二i |}{|マ .| |二ニニ>、_ 人
.リ,| |-=ニr' |}{| マ .| |ニ<´=-- 、 ヽ
.__イ-| |二ニiー∧_∧ー‐i| :,二ニ\/'二ハノ
/二/| |二ニ| {:::::::::} ,/| |二二/ニニ∧ヽ
iニム\| |二ニ| ,〉⌒イ ∧| |二/ニ/ニニニ{人
/l,ニ∧ | |ニニ∧ i:::::::::|∧.:| |/ニニ,小二ニニ|尨ヽ
. / ,},ニ∧| ト、二∧'::::::::∧,ニ| |二二iニニニニ|乂_人
「…下ネタは程々にしてもらいたいものね」
霧切さんのAAできたのか
いやだいぶ昔からあるぞ
10種類以上あるよね、霧切さんのAA
2のキャラは知らないけど1のキャラでは一番多い
>>669 少なくともあの時点では、戦刃は既に自分達を地獄に陥れて殺し合わせた明確な敵だし、
ついでに言えば霧切さんにとっては父親の仇の片割れでもある
2の連中は自分達同様江ノ島の被害者でもあり、また一歩間違えば自分達がそうなっていたかもしれない姿でもある
あるいは蘇った学園生活の記憶の中で、あるいは彼らと面識があった可能性もある
救おうと思うのはそう不思議な話でもなかろう
朝起きると、胸が大きくなっていた。
何を言っているのか分からないかもしれないけれど、実際そうなのだから仕方ない。
いつもなら下を向けば私の足元が見えるのが普通だが、今の私の視界には大きく膨らんだ脂肪の塊がある。
ためしにジャンプしてみると私の動きに合わせて胸が弾む弾む。朝日奈さんや江ノ島循子はこのバウンドとともに
研鑽を積んでいたのかと思うとあの身体能力の高さにも納得がいく。
面白いのでいろいろ試していたのだが、いつのまにかなんだか肩が凝ってきた。そういえば巨乳女子は肩が凝りやすいというのを舞園さんから
聞いたことがある。今後は探偵稼業に差支えのないよう訓練しなければならないだろう。
さしあたり私の助手の背中に当てて、この胸の重さを半分ほど持ってもらうことにしようか。
ふむ、悪くない考え。そうと決まれば善は急げ。さあこの新しい私を見てもらおう。
ううむ、困ったことにブラジャー類が一切装着できない。新しいのは今日買うとして、今は何もつけないで行くしかないか。
・・・これはこれで開放的で気持ちがいいわね。
さあ準備万端整ったわ。待っていなさい、苗木君。ニュー霧切の新しい魅力を伝えに今行くわ!
「・・・・・なんて夢を見たとは言えないわね」
霧切さんは今のままが一番だよ
小松崎絵のスーツ霧切さんが見たい
前々から言われてるが霧切さんのスピンオフがでればなあ
まあ次に動きがあるとすればアニメが終わってからか
アニメもいつになるかまだわからんからなぁ
その前にこう、何か欲しいもんだ
>>455の続き、後編。
大変遅くなりました。申し訳ございません。
―――――
所持品のPDAから指定した回線にアクセスする。
一分も待たずして、手のひらサイズの小さなモニターには知人の姿が映し出された。
『どうしたんだ、こんな時間に?』
「あ、ごめん。そっちの時間では夜だったね、起こしちゃった?」
『いや。俺も明日のクリスマスパーティーの準備で忙しくてな。……それで、いったいどうしたんだ?』
「実は僕もそのクリスマスパーティーに混ぜてもらえないかな……って相談なんだ」
『えっ?』
「アルターエゴのアップデートを頼まれてね。今からジャバウォック島に向かうところ」
『そういうことか。別に構わないぞ』
「ありがとう。これから船が出航するから明日の朝には着くよ」
『そうか。ところでだ、苗木……』
「? どうしたの日向君?」
『いやな、いつもならメールで済ませるような話をわざわざ直接連絡してきたんだ。そっちで何かあったのか?』
「へ? そんなことないよ?」
『どことなくお前の顔が浮かないと思ったが気のせいだったようだな、すまない』
「いいよ。それじゃ、またあとで」
『あぁ、またな』
さすが超高校級のパンツハンター、――じゃなくて相談窓口の日向君。
僕が無意識に出していた行動や表情から何かあったと察していたとは。
まだまだ自分がバカ正直で隠し事ができないようだ。
これも霧切さんが言っていた子供らしい部分なのだろう。
汽笛の合図と共に船が出航する。
クリスマスを返上して空路、陸路を乗り継いで明日の朝には目的地のジャバウォック島に着く。
そこからアルターエゴのアップデートを含めたメンテナンスもあるから帰るのは年末になりそうだ。
「まぁ、あんなに殺伐とした職場にいるよりは気持ちは楽かもね……」
手摺りに体を預けながら夜の海を眺める。
もちろん、暗い海を覗いたところで魚が見えるわけもなかった。
仕方がないのでスーツの上着に入れていたものをゴソゴソと取り出す。
何気なく売店で見かけて試しに買ったタバコ――。
フィルムを開封し一本取り出して口に咥えてみる。
一説によると男性がタバコを吸う背景には女性の乳房が恋しいからという雑学を聞いたことがある。
これを吸ったら僕も葉隠君と同じ穴のムジナなんだな――なんて自嘲しながらライターを探る。
ん、胸ポケットにないぞ? 左のポケットか? はたまたズボンのポケットに入れたっけ?
「あなたの探し物ってこれかしら?」
「そうそう、これこれ…………えっ?」
後ろから声をかけられ振り返ると目の前にライターが差し出されていた。
そしてそれを受け取った視界には僕の知っている人がいて絶句してしまった。
「ついでにこれは没収よ」
口に咥えていたタバコを取り上げられてしまう。
「……思ったより元気がなさそうね」
今朝、エレベーターですれ違った同僚が何故目の前にいるのか僕にはチンプンカンプンだった。
「えっ、どうして? なんでここにいるの? ……っていうか何でライター持っているのさ?」
「一度に何度も質問されても答えにくいじゃない。それとあなたも落ち着いて」
「ごめん……」
気分を落ち着かせようともう一本タバコを取り出し、口に咥えたところでやっぱり霧切さんにタバコを没収される。
「……何するのさ」
「そんな大人びた真似事しても苗木君には似合わないわ」
「大人びたって……。僕はお子様だって言いたいがためにわざわざここまで来たの?」
気分は落ち着くどころか沸々と怒りが湧き上がってくる。
キッと睨み付けたところで霧切さんは意に介さず、僕を残念なものを見るような目で見つめている。
それが尚更癪に障ってしまう。
「その目、僕が反抗的な態度で生意気だって言いたそうだね? そっちだって気に食わないことがあると子供みたいに拗ねちゃうクセにさ」
こうやって面と向かって話ができるチャンスだというのに、マシンガンを撃ちだすように憎まれ口を叩いてばかりだった。
「わざわざ僕みたいなチビッ子を相手するんじゃなくて、あのホストとよろしくやってれば」
いいのに、という二の句を告げようとしたところで頬を張られた。
力で屈服させるようなことなんて一度もなかっただけに痛みを忘れて呆然とする。
「あなたの口からそんな悲しい言葉は聞きたくなかったわ」
「…………ごめん」
彼女の悲しい表情に耐え切れなくなり先に目を逸らす。
今更になって張られた頬が痛みを訴えてきてヒリヒリする。
「まず私がここまで来た理由を教えるわ。これ、忘れ物よ」
「えっ、これは……!」
手渡された物を受け取ってみてビックリする。
「これってアルターエゴのデータチップ? なんで霧切さんが!?」
「今朝あなたとすれ違った時に落としたんでしょう。エレベーターの床に落ちていたわ」
「そうだったのか……」
手荷物検査で封筒を確認したけど、中味までは確認しなかったから危なかった――。
そんな肝が冷える気分になったことで幾分か落ち着いた。
それと同時に沸きあがる一つの疑問。
「だったらさ、どうして呼び止めなかったの? 電話なり何なりで僕を途中で足止めさせればここまで来る必要もなかったのに」
「私も個人的な理由でジャバウォック島に訪れる理由があったからここまで来たの。十神君に仕事を押し付けてまで」
「……そうなんだ。仕事熱心なんだね、霧切さんは」
「苗木君……。あなた、ここまで言ってもまだわからないの?」
「それは……」
わからないよ、霧切さんのようにそこまで頭は良くないから――。
そんな言葉を言おうと彼女の顔を見ると今朝方見た寂しそうな瞳と目が合った。
まさかとは思うけど、霧切さんは――。
「僕と話がしたかった……なんて思っていいの?」
「正確にはあなたと今後のことを含めた話をするためよ」
"今後"というキーワード。
何だか別れ話を切り出すような口ぶりで緊張が走る。
普通に恋愛をして、普通にケンカして、普通に別れる――。
僕を"超高校級の絶望"を打ち破った希望の象徴とか言う人もいるけれど何のことはない、根本的には何の変哲もない普通の人なのだ。
「……そっか。そうだよね、しっかり線引きしておかないと仕事に悪影響及ぼしちゃうし」
「苗木君、あなた何を言っているの……?」
「いっそのこと僕の方から転属願いを出した方がいいかな? 僕ってやっぱ引きずりやすいタイプだし顔に出やすいから「苗木君」……霧切さんから要望あれば先に言ってね?」
「ちょっと、勝手に結論付けないでちょうだい」
「えっ?」
「私の意見を碌に聞かず自分一人で結論付けてばかりだと的外れな見解になりやすいわ」
「……うん、まぁ、そうだよね」
「そもそも、お互いが距離を置くようになったきっかけは何だったのか? 苗木君は本当にわかっているの?」
「そりゃあ僕がチビでかわいいっていわれるくらい子供っぽいところが「そこよ」……はい?」
「その着眼点から間違っていたせいで私達に溝が生じたのね……。距離を置いて冷静に考えることが逆効果だったようね」
「えっ、えっ?」
霧切さんは一人納得しているようで、僕は置いてけぼりを食らっている感じだ。
僕と目が合うと人差し指をピンと立ててくる。
「第一問。私は花村君の弟に言い寄られた時にどんな対応をしたかしら?」
「それは……」
あの当時のことを思い出す――。
「……そっけない感じ?」
「正解、相手をするつもりはなかった。続けて二問目よ、あの時に苗木君が暴れたところで結果的にどうなるかしら?」
「……処分は免れない」
「その通りよ。言ったところで留まってくれる可能性は低いから少々手荒な方法で阻止したの。この場を借りて謝るわ、ごめんなさい……」
確かに正面玄関であれだけ騒ぎ暴行なんてすれば目撃証言は多数、処分は免れない話だ。
今になってようやく霧切さんが僕を止めた真意に気づく辺り、僕も相当視野が狭くなっていたわけだ。
霧切さんに謝罪されるのが返って申し訳なく感じる。
「いいよ。何だか僕が独り相撲を取っていたみたいで恥ずかしいし。僕も彼氏面したかっただけなんだと今になってわかったくらいだし」
「……そう。それじゃあ最後の問題よ。それを踏まえて私が苗木君に望んでいるものは一体何でしょう?」
「霧切さんが、僕に望んでいるもの……?」
彼氏ではないのは確かだ。
もっとこう、深い絆で繋がっていたいような関係――。
「……あ」
「やっと気づいたようね」
思い当たる単語が脳裏をよぎると霧切さんがフワリと微笑む。
僕が言おうとする回答を表情から読み取ったのだろう。
それが正解だと肯定するような久しぶりに見る彼女の笑顔。
「一応確認するけど、あなたの答えは何かしら?」
「…………家族」
「フフッ、よくできました」
そういって嬉しそうに僕の頭を撫でてくる。
母が子に、姉が弟の成長を喜ぶような慈愛を込めた愛撫。
ちょっと前までの僕だったらその手を振り払っていただろうが、甘んじて受ける。
そのまま彼女の右肩に額を預けるように抱き寄せる。
腰に腕を回してしまったけど振り払われることはなかった。
「どうしたの? 何時になく甘えん坊ね」
「……こうして霧切さんを再び抱きしめることが出来て感無量なんだ」
「大袈裟ね」
「この数日、一人で眠るのが寂しくて仕方なかった。ケンカする前に一人で眠ることはあっても、そんなことは全然思わなかったのに……」
不思議な話だよね――。なんて呟いていたら彼女も僕の首に腕を回して抱きついてくる。
「それはきっと……気づいていたのよ。たとえ離れていても心はきちんと繋がっているって」
「そっか……。うん、そうだよね」
「それと、あなただけが寂しい思いをしたわけじゃないんだから……」
「霧切さんもなの?」
「あなたのためを思って決断したけれど……後一歩判断を間違えれば手遅れになっていたかもしれないわ」
「……ごめん。彼氏とかパートナーにこだわり過ぎて大切なことを見失っていたんだね、僕は」
安心した途端ぐぅ〜、と鳴り響く僕のお腹。
二人して苦笑してしまう。
「船室で休みましょう、食事も兼ねて」
「僕としてはもう少しこのままでいたいんだけどな……」
「空腹だと船酔いしやすいわ。今は我慢して」
「ん、わかった」
名残惜しいけど霧切さんの体から離れる。
でも"今は"という言質を取った以上、食事が終わればまた抱きしめていいという淡い期待が湧く。
―――――
「それって……」
「これ? 手ぶらでいくのも心許ないからお土産を用意したのよ」
ビジネスバッグの隣に手提げタイプの保冷バッグが置かれていた。
一緒に中を覗いてみるとホールケーキの箱、その上に1パック2切れのショートケーキが入っていた。
蓋を開けケーキの側面に包まれたフィルムを剥がし、その蓋を逆さにして即席のゴミ箱にする。
さぁ、食べよう――。と思いきや、霧切さんはケーキに一本の蝋燭を挿して照明を消してくる。
「苗木君、さっきのライターあるでしょう?」
「うん」
「火をつけてもらえるかしら?」
左ポケットに入れていたライターを取り出し点火する。
そのまま蝋燭に火を移すと、その明かりを頼りに霧切さんが近くに寄ってきた。
「それじゃあ"せーの"の合図で消しましょう」
「オッケー」
「せーの……」
その合図と共に蝋燭に息を吹きかけて火を消す。
「メリークリスマス、霧切さん」
「えぇ、メリークリスマス」
真っ暗な室内で二人してクスクスと笑う。
霧切さんが立ち上がろうとしたのでやんわりと静止させる。
手持ちのPDAにある画面の照明をライト代わりに僕が室内の照明を点灯する。
蛍光灯の光で少々目が眩む中、霧切さんは鼻歌交じりに蝋燭を外してフォークを取り出した。
ケーキの先端部分に切れ目を入れ、軽く突き刺したら僕の方に向けてくる。
「ほら、口を開けて……」
「あ、いや、いいよ。自分で食べれるし」
「生憎だけどフォークはこれ一つだけなの。無駄な抵抗はやめなさい」
「ん、わかったよ……」
観念して口を開けたまま待ち構える。
ほどなくして一口サイズのケーキが僕の口の中に収まった。
しっとりしたスポンジ生地と生クリーム。
口の中で広がる甘みにどこか癒される。
「苺も食べるでしょう?」
「うん。けれど最後に食べたいな」
「最後に?」
「なんだか苺って贅沢なモノってイメージがあってさ……」
「そう……」
「そういえば妹は先に苺を食べる派だったなぁ」
最後の苺を巡ってよくケンカしていたっけ――。
そんな思い出に浸りながら食べ続け、苺も口に運ばれる。
口に広がる酸味が甘味で占拠された舌には新鮮に感じるものだ。
「……ふぅ、ごちそうさま」
「待って。クリームが付いているわ」
そういうと霧切さんは取り出したハンカチで僕の口元を軽く拭う。
「ん、ありがとう。それじゃ、今度は僕の番だね」
霧切さんの手からフォークを奪い、僕が食べさせることにする。
使い捨てのプラスチックフォークでケーキの先端部分を一口サイズに切り、そのまま刺す。
「はい、あーんして」
「あーん……」
念のためケーキが零れ落ちないよう左手を添えて、フォークを彼女の口へ伸ばす。
んくっ、という口に含みモグモグとケーキを味わう姿を見ると自然と顔が綻んでいく。
「苺も欲しいわ」
「オッケー」
「生クリームと絡めてくれる?」
「はいはい」
「"はい"は一回にしなさい」
「……はい、どうぞ」
そんな軽口を叩きながら半分にスライスされた苺をクリームの多い部分に絡める。
甘味と酸味のハーモニーが奏でるそれを口に運ばせると、右手を頬に添えてご満悦の表情を浮かべる。
最後はクリームの多い後ろの部分を三等分にして食べさせた。
「クリーム付いてるよ」
「あら、ごめんなさい……」
食べ終わった後に霧切さんの口元を見ると、クリームが残っていた。
普段見ることのない子供っぽい顔だと思いながら人差し指で残ったクリームを掬う。
拭うのも面倒なので自分の口に含ませる。
含ませてから彼女がじっとこちらを見ていることに気づく。
「……美味しい?」
「えぇ、まぁ、美味しいです……」
つい頬がカァッ――と赤くなるような気恥ずかしさ。
そんな中、割り込むように鳴り響く呼び出し音。
僕のPDAかと思い取り出してみると反応がない。
もしや、と霧切さんの方を見ると眉間に皺を寄せて自分のPDAを睨んでいる。
"出ないの?"と問いかけると渋々ながら受信してモニターを覗いてみると十神君の姿が映し出された。
「……取り込み中よ」
『まだ事には及んでいないだろ。"上"から見ているぞ』
「上……。衛星から覗き見とは悪趣味ね」
『探偵だった人間がどの口でほざく』
窓の外へと視線を移し、忌々しそうに舌打ちをする姿がちょっと怖い。
「それで、いったい何の用かしら? 手短にしてほしいわ」
『目的を済ませたら直帰してもいいと連絡を入れただけだ」
「えっ、それ本当なの十神君?」
『ただし……。お前ら、年明けは休めないと思え。二人分の仕事を俺に押し付けたんだ、相応の酬いを受けてもらうぞ』
「別に構わないわ」
「年明けは腐川さんとゆっくり過ごしなよ」
『フン、余計なお世話だ。今の内にせいぜい余暇を謳歌することだな』
言いたいことだけを言って早々と通信を切る十神君だった。
「その、今日はもう……休もうか?」
「そうしましょう。明日が忙しくなりそうだし」
上着をハンガーに掛け、ネクタイを緩める。
靴を脱ぎ簡易ベッドの上で横になる。
間髪置かず霧切さんが僕の隣に入り込み場所が狭くなる。
二段ベッドなんだから上のベッドを使いなよ、なんて野暮なことは言わない。
左腕を差し出すと僕の腕を枕代わりにして頭を預けてくる。
彼女が肩口までブランケットを引き寄せれば就寝準備完了となった。
「おやすみ、響子さん」
「おやすみなさい、誠君」
久しぶりに苗字ではなく名前で呼ぶと彼女も嬉しそうに挨拶してくれた。
軽く唇を啄ばむと安らぐように目を閉じて眠りに付く。
船の揺れ。
波の音。
それに混じって感じる彼女の温もり。
最初は冷たいと思う体温も、気づけば芯の中からポカポカと温めてくれるような温もり。
これを失わずにすむなんて僕はなんて幸せ者なんだろう――。
―――――
ジャバウォック島での仕事、日向君達とのクリスマスパーティー、そして移動。
クタクタになりながらも僕の住むマンションまで無事に帰ってくることが出来たのであった。
「あ、ちょっと待ってて」
「……どうしたの?」
「いいからいいから」
鍵を開け先に中に入る。
ドアを閉めたら三和土(たたき)の所で振り返る。
こちらからドアを開け――
「おかえりなさい」
改めて挨拶をする。
最初はキョトンとしていた響子さんもフワリと微笑み、すぐにその意図に気づく。
「ただいま」
両腕を広げた僕の胸に飛び込み、首に腕を回して抱きついてきた。
帰ってきたんだ、僕らは――。
失ったと思った日常から。
彼女の温もりから。
喜びから零れる涙も厭わず僕も抱きしめ返し、頬擦りした。
「後はふかふかのベッドで君を抱きたいな」
「……バカ」
か細い声で彼女は言った。
恥ずかしさが半分、もう半分は嬉しさを滲ませながら。
完
―――――
ぐっすり眠っていた矢先のこと、突如鳴り響く呼び出し音。
「……ん?」
寝ぼけ眼で音の出所を探っていると僕の携帯電話からだった。
腕を伸ばして着信して耳にあてる。
「……もしもしぃ?」
『なんだこれ? 画面が真っ暗じゃねぇか』
『おっかしいなぁ。時差を考えたら向こうは昼間の筈なんだが……』
よく見ると僕の手にしていたのは仕事用のPDAで、モニター通信だった。
耳から離して天井を見上げるようにPDAを持ち上げて画面越しに会話をする。
「ごめんごめん。九頭龍君に左右田君……どうしたの、こんな時間に?」
『年忘れ大忘年会の盛り上がりを少しだけでも味わって……って、おいっ!』
『なっ……! 苗木、テメェ……!?』
「ん? どうしたの二人とも?」
モニター越しの二人は石のように固まっている。
一体どうしたんだろうと寝惚けた頭で推理していると九頭龍君がプルプルと震えだした。
『こ、このド腐れ不健全ヤローがぁ!!』
耳にキーンと響く叫びだった。
「……ちょっと何よ。五月蝿いわね」
モゾリと動く隣の影。
僕の腕枕で眠っていた響子さんも起床したことでようやく事態が把握できた。
きっと彼らのモニターには僕と響子さんが同衾している姿を映し出しているんだろうなぁ。
せっかくパーティーの賑わいをライブ中継してくれた計らいが僕の失態でとんでもないことになってしまった。
『テメェら……今度俺の目の前でイチャついてみろ、半殺しじゃ済まねぇぞオラァァァ!!』
『あぶあぶあぶあぶあぶ……!』
激怒する九頭龍君と白目を剥いて泡を吹く左右田君の画面がブツリと途切れる。
僕らは通信の途絶えたPDAを呆然と見ていた。
向こうの通信設備、壊されてないといいけどなぁ――なんて考えていると響子さんが僕に抱きついてくる。
「ちょっと、響子さん? そんなにくっついたら起きられないんだけど……」
「暖房が効いてくるまでの辛抱じゃない。気にしたら負けよ」
「明日から仕事なんだし、大掃除する機会は今日ぐらいしかないんだけどな……」
そうやってゴロゴロと睦み合うのも僕らの日常だった――。
PDAがPADに見えた
霧切さんにお仕置きされてくる
>>690 GJ!
スマートにデレる霧切さんは天使だな
GJ!
ちょっとその中継映像をこっちに廻してもらえないか
GJ!
実にいい塩梅のイチャイチャ具合、ご馳走様でした
今年もよろしくお願いします
GJ!!
待った甲斐があったべ
口元のクリーム拭きっこいいよね…
GJ!
さて詳細な夜の模様は(ry
忘年会SSの続きも待ってるべ
俺も霧切さんになでなでしてもらいたいです
苗木君になでなでされる霧切さんでも可
上目遣いでこちらを見ながら無言でなでなでを催促する霧切さんだなんてそんな
苗木君になでなでされて、
「子供扱いだなんて…苗木君のクセに生意気ね」と憮然とした顔をするものの抵抗はしない霧切さん下さい
「ごめん、やっぱりイヤだよね?」と苗木君がなでなでする手を除けると、
何かを訴えるようなジト目で見つめてくる霧切さん下さい
うむ
言い出しっぺの法則というものがあってだな
いやしかし興味深い話ではないか
詳しく聞かせてもらおうか
アニメの続報はいつぐらいになるかな
早いところ動く霧切さんを見てみたい
もの凄い勢いで動く霧切さん
OPアニメでノリノリで踊る霧切さん
…うん、それはそれで
物凄い真顔でノリノリのダンスを踊る霧切さんを想像してみた
…これはこれで!
真顔でパラパラ・・・?うっ・・・頭が・・・
ファンディスクとかでならありだな
アニメで霧切さんの胸はどうなるか
話題ぶった切ってスマン、
>>565の続きで数レス借りるぜ
…ほとんど霧切さん出てこないので、それでもいいって人は読んでやってください
『違、うよ』
考えずに、反射で喋る。
助けを求めるような彼女の声に圧されて、勝手に口が動いてしまった。
それでも、ならば何故、と、縋るような瞳がさらに問うてくる。
本当に、差し出そうだなんて考えていたわけじゃない。
出来ることなら僕だって、あの人に霧切さんを近づけたくはない。
でも、あの先輩に頼まれたのも本当だ。どうにかして霧切さんを連れて来い、と。
苗木、お前は霧切ちゃんの何なんだ。
守るとか考えてんなら、お門違いだぞ。
恋人でもなんでもねえんだろ、たかだか数年俺らより付き合い長いだけで、彼氏面すんなって。
お邪魔だよ、俺らにとっても、彼女にとっても。
誰を選ぶかなんて、霧切ちゃんが決めることで、お前が指図する権利なんてないだろ。
分かったな、絶対連れてこいよ。
どこかで否定したかった、僕が彼女を縛ってしまっているという事実。
僕が隣にいるせいで、僕が壁になってしまっているから、霧切さんは他の人と関わり合えないんだ、と。
それを真正面から言われて、断ることが出来なくなってしまった。
『……よくそれを、『頼まれた』なんて言えるわね』
『……』
冷やかな彼女の瞳が、責めるような色を帯びて、僕を睨む。
『お人好しなのも、それで貴方が割を食うのも結構だけど…それに私を巻き込まないで』
その時。
ごめん、と、いつものように素直に、反射的に謝れれば良かったんだ。
フォローしようだなんて、どうして考えてしまったんだろう。
『で、でも、その……霧切さん、ほら、仕事も出来るし、頭も良いし、大人っぽいし、それに』
『……』
『……美人だから。ウチの課で、結構人気あるんだよ。自分のことだから、気付かないかもしれないけど…だから』
そんな人に、僕が金魚のフンのようにいつまでもくっついていては、迷惑なんだ。
あの先輩に差し出そうとは絶対に思えないけれど、それも選択肢の一つとしてあってしかるべきだ。
忘年会に参加して、それが何かのきっかけになればいい。
『……いいのね、苗木君は』
『いい、って…?』
ぞわり、と寒気に震える。
彼女の表情は、モノクマが親の仇だと知った時のそれに、限りなく近かった。
殺気、敵意、その類のものを僕に向けて放っている。
『…酔いどれた私が、誰とも知らない男に介抱されて、そのまま持ち帰られて、……抱かれても。構わないのね』
『き、霧切さんは、そんな、酔ってるからって…油断するような人じゃな』
『苗木君』
『っ…』
殴られる、と思った。
彼女が僕の襟首をつかむ力が、いっそう強くなったのだ。
すみれ色の瞳が、据わっている。
力に訴えるような人じゃないけれど、それでも、そんな彼女のこんな表情は初めて見た。
『質問に、答えて』
それが嘆願だと、その時気付くことは出来なかった。
いつもなら、そこで怯えて、『そんなことない』と否定出来たのだろう。
彼女がどういう言葉を望んでいるかなんて、落ちついて考えれば分かったはずだ。
けれど、その時の僕の心には、先輩に言われた言葉がつっかえていた。
だから、
『…僕には、関係ないことだろ』
そんな、突き放すような冷たい言葉しか、選べなかったのだ。
『……霧切さんが、誰を選んでも、誰に選ばれても。僕がそれに干渉する権利なんて、ないでしょ…』
だって、僕たちは、恋人でも何でもない。
友人という括りですら、怪しいかもしれないのだ。
あの学園で共に過ごして来ただけの、ただのクラスメイト。
『霧切さんが嫌なら、拒めばいいし……そうじゃなかったとしたら、……好きにすればいい、と思う』
殴ってくれ、と思った。
いっそ、思いっきり、鋲のついたそのグローブで、痕が残るくらいに殴って欲しかった。
そんなことしか言えない自分を、他でもない自分が嫌悪した。
きっと霧切さんだって。
けれど。
『……そうね』
襟首を握っていた彼女の手は、ずるり、と力なく離れた。
す、と一瞬名残を惜しむかのように、僕の胸を伝って、そのままだらん、と地面に落ちる。
霧切さんが俯くと、膨れ上がっていたように感じた彼女の銀髪が、それに倣って肩から流れ落ちる。
前髪に隠されて、表情は見えない。
ただ、僕の胸を伝った腕が、指が、微かに震えていた。
『……関係のない、ことよね。私がおかしかったわ。変な事を言ってごめんなさい』
『…どの道、参加はしないわ』
『…わかった』
『苦手だから。大勢で騒ぐのも、男の人に口説かれるのも…』
そのまま僕に表情を見せずに、彼女は床に散らばった書類を拾い始めた。
手伝おうと身をかがめて、彼女がそれを拒んでいるのが分かった。
顔を背けるために、かがんだのだ。
ワイシャツ姿、意外と細い素の肩が、ただ黙々と書類を拾い続ける。
そうすることでしか自分を保てないのだ、と言われているようだった。
『……長々と手伝わせて、ごめんなさい。…明日早いのよね。もう帰って良いから』
『…でも』
『コーヒーは、自分で淹れるから…帰りなさい』
僕の淹れたコーヒーを、彼女が褒めてくれたことがある。
彼女の好みなんて知らないまま、勢いでコーヒー豆を買いに行って。
素人なりに味を試行錯誤して、ブレンドの比率を考えて、手ずから淹れた一杯だった。
それまで自分のお気に入りのコーヒーメーカーを絶対に他人に触らせなかった霧切さんが。
それ以降は必ず僕にコーヒーを作らせるようになった。
こちらの都合なんてお構いなしで、何かと残業や用事を作っては付き合わせ、その度にコーヒーを淹れさせる。
逆に僕の仕事が溜まっていると、手伝いもせず、隣の机でただじっとそれを見て待っている。
美味しかったの、と尋ねると、普通じゃないかしら、と返された。
貴方らしい平凡な味ね、と、いつものからかうような笑みで。
ならばなぜ、僕が淹れたコーヒーばかり飲むのか。
どうして君は、僕にばかり構うのか。
他の人には聞かせないような笑い声や、無茶振りや、怒声や、
他の人には見せないような不敵な笑みや、呆れ顔や、無防備な姿を、
勘違いしたくなかった。
みんなに、霧切さんにさえ、僕は「普通」だと評価され続けてきて。
誰かにとっての「特別」になんて、なったことなんて無くて。
それを言い訳にして、傷つくことを恐れて、霧切さんから遠ざかって、
そして、彼女を傷つけたのか。
『霧切さん、僕は…』
『……帰って』
怒鳴ったわけでも、泣いていたわけでもない。
ただ、ほんのわずかに濡れていた。
普段他人に感情をさらけ出すことを厭っている彼女が、それでも抑えることの出来なかった感情。
それが、何よりもキツい。
一度だけ、扉の前で振り返った。
霧切さんはまだ、地面に散らばった書類を拾っていた。
ぺらり、ぺらり、と、緩慢な所作で、わざわざ一枚ずつ、時間をかけて、まるで僕が出ていくまでの時間を稼ぐように。
見ていられず、僕は逃げるようにしてその部屋を後にした。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
「……」
「……苗木さぁ」
深く溜息を吐いて、朝日奈さんが肩を落とす。
廊下の電灯は落ちて、非常灯と自販機の明かりだけが僕らを照らしている。
腕時計に目をやれば、就業時間はとっくに過ぎていた。
事務所から玄関まで直通の道で話しこんでいたにもかかわらず、話している間に誰一人ここを通らなかった。
きっとみんなが気を使って裏口から出たか、霧切さんのように残業をしているのだろう。
僕も朝日奈さんを促して、彼女が持ってきてくれたコートを受け取った。用が無いのなら、早々に出ないといけない。
寮へと戻る道程、雪こそ降らないけれど、染みいるような寒さ。
「あのね…そりゃ霧切ちゃんも怒るよ」
「…うん」
当然だ。
彼女の言葉を借りるなら、僕は霧切さんを、あの先輩に『差し出そうと』したのだから。
「ちっがうっての!」
「…いてっ」
と、空のペットボトルで、頭をぺこんと殴られる。
それをそのまま道端のゴミ箱に投げ入れると、いつものお説教顔で、僕をベンチに座らせた。
霧切さんといい、腐川さんといい、僕の周りの女の子はおっかない人ばっかりだ。
「…あのね、苗木。自分のことだから気付かないってのは、アンタにも言える台詞なんだからね」
「え、と…何の話?」
「アンタが、霧切ちゃんにとってどれほど大切で、特別な存在かって話」
ビシ、と此方に指を突きつけるポーズは、彼女を意識したものだろう。
いや、そりゃあ僕と霧切さんに限らず、あの高校を出た仲間たちは、みんな気のおけない仲ではあるとは思うけれど。
それでも彼女は高嶺の花で、僕はどこにでもいる一般人。
逆だったら、それは分かる。
けれど、高嶺の花が路傍の草を大事に想うだなんて、なんともおかしな構図じゃないか。
僕は「普通」。彼女は「特別」。希望ヶ峰学園を出てからも、それは変わらない。
「…苗木って、いっつも前向きなクセに、変なところでネガティブだよね」
「そうかな…普通の感性だと思うよ。一般的な」
「む。その『一般的』って単語、なんか棘を感じるんだけど」
「気のせいです」
「…って、はぐらかさないで。実は苗木も、心のどこかで気づいてるんじゃないの?」
僕にとっては、確かに大切な人だ。
あの窮地で、まあ、そりゃあ理不尽なことを言われたのは一度や二度や、うん、幾度か、いや、うん、止めておこう。
それでもあの窮地で、僕が僕のままでいることが出来たのは、彼女のお陰だ。
単に学級裁判での討論や推理においてだけではない。
仲間を失っていく辛さを、その引きずる思い出の重さを、いつも支えてくれたのは。
と、いったんここまで 深夜にまた載せに来ます
SSとかいっときながらだいぶ文章量長くなってしまいそうだ…
OK、全裸待機だ
乙乙
すれ違う二人…ううむ焦れったい
続き待ってます
おお、待ってたぜ
さて服を脱ぐか
その服を俺が着て
おそ松クンか!
ショックでしょげてる霧切さんも可愛いのう
733 :
>>725続き:2013/01/10(木) 00:28:36.66 ID:b+z15uz3
「…僕は、ほら。霧切さんのお陰で何度も救われてるしさ、その…霧切さんの事、大事だって思うけど」
「アンタだって、霧切ちゃんを助けたじゃない」
「え?」
なんだ、いつの話だ、と、数瞬本気で悩む。
別段、僕の方から彼女を助けようと何かしたことは、思い出せる限りではない。
…それもそれで情けない話だけれど。
「側にいるだけで〜」とか、精神論じみた話でも無さそうだし。
と、首をひねっていると、心底呆れた表情で、答えを述べられる。
「ほら…最後の方の学級裁判でさ」
「……あ」
思いを馳せる朝日奈さんの目が、少しだけ曇る。
「いや、でもアレは、結果的にそういう形になったっていうか」
「同じこと…ううん、もっとすごいことだよ、苗木がやったのは」
僕も同じだ、あの日々を思い出すのは、今でもまだ辛い。
「…霧切ちゃんを助けるために、死のうとしたんだよ。これって、ちょっとやそっとの情じゃ出来ないでしょ」
彼女がそのエピソードに、誰の影を重ねているのか。
気付いているけれど触れないように、僕は努めた。
「……それは、美化しすぎだ」
霧切さんのために死のうとしたわけじゃない。
ただ、彼女の不利になるようなことを言うべきかどうか迷って、それで。
結果論だ。
結果的に、彼女を庇ってオシオキされることになった、それだけ。
「結果論だとしても。つまりそれって、霧切ちゃんを庇って、苗木がオシオキされるっていうことでしょ」
「けど、僕はそれを意図してやったわけじゃない」
「…分かった。こう言い変えるね」
少しの間目を瞑って、それから言い淀む。
「……苗木は、霧切ちゃんのせいで死にかけたんだよ」
勢いよく立ち上がったので、ベンチが音を立てて倒れた。
「朝日奈さんっ…、そんな酷いこと、」
「霧切ちゃんは、そう思ってるんだってば!!」
強い語調で責めようとした僕の言葉を叩き伏せるように、水泳選手の肺活量で繰り出された大音声が響く。
キィン、と、耳の奥でシンバルが鳴ったような錯覚。
僕の方が気圧されて、一歩後ずさって、それでようやく沸騰した頭が治まった。
「……っ、ゴメン」
「……私も、ゴメン」
互いの吐く白い息が、空に溶ける。
お互いに口が上手い方じゃない。選べる言葉だって少ない。
ゆっくりと吐いた分の息を吸って、染みいる冷たい息をゆっくり体に入れた。
ダメだ、落ち付け。
朝日奈さんは、もともとそんな無神経な事を…言うこともあるけど、意図して言ったりはしない。
今の僕は、いや彼女も、冷静さを欠いている。
それこそ昔の朝日奈さんのように、直情だけで動こうとしている。
「……そう、思っちゃってるんだよ。自分のせいで、危うくアンタを…仲間を失う所だった、って」
「だって、そんなの…一度も、言われたこと、無いし…」
「苗木本人に、そんなこと言えるわけないじゃん!」
「…でも、僕はそんなの、気にしてない」
「だから、たぶん……アンタが気にしてないから、いっそう苦しいんだよ。いっそ責めてくれた方が楽な場合だって、あるんだから」
もしも。
「アンタが一番分かってるでしょ…? 弱みを見せるような子じゃないんだ、って」
もしも本当に、朝日奈さんの言うように、霧切さんが僕に対して罪悪感のようなものを感じているのなら。
もしも本当に、僕が彼女の命を救ったのだと、霧切さんが考えているのなら。
彼女が僕にだけ、例えば雑用を押し付けたり、扱いがぞんざいだったり、何かとからかいに来るのも、それは。
「言葉にできないけど、大切なんだよ、苗木のことが! アンタが霧切ちゃんを大切なのと同じくらいに!」
「……それは、朝日奈さんの勝手な想像だ。霧切さん本人がそんなことを、」
「…言ったよ」
「え?」
「あの後…苗木が出てった後ね。アイツがまた、苗木の事を馬鹿にしたの」
「それは…いつものことだし」
「ううん、その…今回は、霧切ちゃんが中々相手にしなかったから…たぶん苛ついてたんだ、酷かったよ」
ああ、うん。そういう手の人だ。
いったいどのような調子で、表情で、雰囲気で会話が続けられていったのか、容易に想像できる。
「苗木の事…『仲間の才能のおこぼれで助けられてる、何の取り柄もないクズ』だって」
「……」
「そうしたら、霧切ちゃんが立ち上がって…すごかったんだから。聞いたこともない低い声で、震えながら、『訂正しなさい』って」
それでも先輩は、当然のごとく訂正なんてしない。
むしろそれで霧切さんがようやく反応したことを喜んだだろう。
反応してしまうから、向こうも喜ぶ。虐めやからかいの基本構造だ。そうやって、繰り返される。
あの先輩は、繰り返したのだろう。霧切さんが反応することを期待して、僕をなじる言葉を。
「……顎に、右ストレート一発。殴りかかったんだよ、霧切ちゃんが」
「……うそ」
「嘘じゃない。そいつが目を回して倒れた後も、飛びかかろうとして…みんなで必死で抑えたんだから」
それでも、僕の知っている霧切さんは、理性で感情を殺すことが出来る人だったのに。
言葉を暴力で抑え込むような真似を、一番嫌うような人だったのに。
僕が、そうさせてしまったのか? 僕のために?
ぽろ、と、朝日奈さんの目から光る滴が零れた。
自分のことよりも何よりも、仲間のことに心を配り、それで喜び悲しめる人だ。
「ホントに…苗木にとって霧切ちゃんは、ただのクラスメイトなの?」
違う。
「苗木が、自分の目の前で思いっきり霧切ちゃんを馬鹿にされたら、黙っていられるの?」
そんなこと、出来ない。
「自分がクロになるまで、霧切ちゃんを庇っておいてさ…同じことでしょ!?」
「うん、そう…だけど」
「命をかけてくれた相手が、大切じゃないわけ、ないじゃん…そんな相手に、『関係ない』って…!?」
あ、やばい。
とっさに身構えるも、運動神経も一般人並の僕が、一流アスリートの瞬発力を越えられるワケもなく。
「え、あの、朝日奈さ」
「苗木の……馬鹿っ!!!」
ばちこーん、と、今度は水泳選手の鍛え上げられた膂力が、僕の顔をふっ飛ばした。
「……、…ぐふぇ…」
「ああっ、もう! 何が言いたいのかもう自分でも全っ然わっかんないっ!!
こうやって難しいことごちゃごちゃ考えるの、私の役目じゃないじゃん!!
アンタ、二人も悲しませたんだからね! 私と! 霧切ちゃんと! ホントもう、苗木の大馬鹿っ! テンネンジゴロっ!」
んな馬鹿な。
たぶん後の単語は本人もよく意味が分からないまま使っているんだろうな、と、ぐゎんぐゎん揺れる頭でぼんやり考える。
「……会ってあげなよ。それで、ちゃんと謝んな。関係ない、って言ったこと」
「…うん」
ああ、でも。
殴られて、ちょっとだけ気持ちよかった。別に変態的な意味じゃなくて。
彼女が僕を大切に想っているだなんて朝日奈さんは言うけれど、未だに実感が湧かない。
けれども、そうだ、それは二の次。
彼女がどう思っているかよりも、まずは自分がどう思っているか。
それすら、朝日奈さんに教えてもらえるまで気付けなかった。
自分可愛さに捨てることが出来ないくらいには、僕はあの頃から、霧切さんという存在を大切に思っていたんじゃないか。
あの時、オシオキを受けた時の勇気を振り絞れば。
もう一度、いや、何度だって踏み込める。
何を謝るべきか、どう切りだすべきか、だなんて、まだ一つもまとまってないのに。
それでも僕の足は勇みよく、一度は逃げた彼女の元へと向かっていた。
「……ホント、立ち直るのは早いのになぁ」
長くなってスレ占領しちゃって申し訳ない
仲直り編があるので、もうしばらく続くんじゃ(震え声)
まだじらしやがりますか・・・(歓喜)
ここまでやったならちょっとやそっとのいちゃいちゃじゃ許されませんぞ!(期待)
問題ない、こちらの待つ準備は万端だ(全裸)
続ききてたー
楽しみにしてるので頑張ってください
馬鹿野郎お前俺は待つぞお前(慢心)
乙っす
仲直り前だというのにもう既にニヤニヤしつつある俺がいる
やったぜ胸糞先輩に天誅が下った!
しかし霧切さんにぶん殴られるのはちょっとうらやましい
本当にSS職人に恵まれてるなぁこのスレ
続き楽しみにしてます
霧切さんにビンタされたい
もちろん手袋の鋲が付いてる側で、ですね?
流石、良く分かっていらっしゃるようですね
胸糞先輩にNTR妄想で抜いた
エロゲのやり過ぎで苗霧派でいつつもNTR妄想で抜けるようになってしまった
昔はNTRとか嫌いだったんだが
苗木君がNTRれる展開はないんですか?
霧切さんにはビンタよりもグーパンが似合う
気がする
霧切さんに馬乗りされてひたすらグーパンされるMADがあったな
霧切さんに…馬乗りされて…!?
苗木君に馬乗りになる霧切さんが見たいです
2でも付き合ってるとかはなかったけど、3でまた未来の話で
苗木の子孫と霧切の子孫が登場して、結果的に二人がくっつかなかった事が
確定しちゃうと嫌だね。
>>753 どういう状況なのか詳しく聞かせてもらおう
・苗木君に馬乗りになって指圧する霧切さん
・霧切さんを驚かせようと背後から忍び足で近づいてきた苗木君が反射的に投げ飛ばされる
→マウントポジションへ
・就寝中、体に妙な重みを感じて苗木君が目を覚ますと、そこには自分に馬乗りになった霧切さんが!
個人的には三番目でお願いしたいですハイ
二番目のマウントポジションから「私を驚かせようだなんて生意気ね…オシオキが必要だわ」的な展開を希望します
オシオキの内容につきましてはご想像にお任せします
オシオキ(意味深)
おいおいご褒美か
四つんばいになった苗木君に跨ってお馬さんごっこする霧切さんを幻視してしまった
>>758 苗木クンをロデオマシーンにするんですねわかります
苗木くんの上に舞園さんや苗木妹子が乗っているのを目撃
スネギリさん発動
そんなラブコメ展開
…妹子?
苗木妹に懐かれて困惑する霧切さんが見たい
766 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/12(土) 09:30:34.05 ID:yDeCx/gh
単純に甘いものが好きなだけじゃないのか?w
丹精込めた手作りチョコを目の前で苗木妹にむしゃむしゃ食われてぐぬぬとなる霧切さんか
しかし満面の笑みを見せる苗木妹に何も言えない霧切さん
十神の反応がw
この会話に霧切さんもまざってほしい
773 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/12(土) 18:06:53.65 ID:yDeCx/gh
霧切さん目当てなら
>>766だけで十分だと思う
これはオタ女向け雑誌だから男キャラ中心だけど
アニメ放送開始したら男オタ向け雑誌にピンナップとかも付くと思うと楽しみ
アニメが夏なら水着の霧切さんを拝むことも可能…!?
>>766の雑誌を見て
霧「……苗木君」
苗「あの…、霧切さん、その雑誌…」
霧「チョコレート…もらってるのね。それも毎年」
苗「いや、その…」
霧「それどころか、妹さんに“処分”させてる、と。…良い御身分ね?」
苗「そ、それは、あの、雑誌に載るってなって、ホラ、見栄を張りたかったと言いますか…」
霧「今年のバレンタイン、貴方にはいらないわね、チョコレート。どうせ作っても処分されてしまうのだから」
苗「……え?」
霧「…? 何よ、だってそうなのでしょう? あげても処分されるんじゃ…」
苗「いや、そうじゃなくて…くれる、予定だったの?」
霧「……! ……義理チョコよ…」
ってな感じで自爆しあってる夫婦が脳内再生されて辛い
うむ
辛いならここでもっと吐露しても…いいんだぜ?
霧切さんの恥ずかしいことってなんだろ
あ、二章の動機な
生足公開とか
秘密は手袋の件じゃねえかな
まあ「霧切響子は手に火傷跡がある」と言われたくらいじゃ霧切さんは動じないだろうけど
動機はどうもそれぞれピンポイント狙いだったみたいだから
苗木の秘密も割りとどうでもよかったし…
つまり霧切さんのは……靴下じゃないかな?(意味不)
「霧切響子は小六までおねしょしていた」
霧切さんのおもらし…ゴクリ
余裕で飲めます
まあ実際大部分がどうでもいいような秘密だったんだろうな
苗木くんだけがたいしたことない内容だったんじゃね
舞園さやかとか山田とかは周りがドン引きする内容かもよ
>>787 二章のときだっけ?
大和田は間違いなくアレだろうし、舞園、十神、藤咲なんかは本人の破滅に繋がりかねない内容だと思う
石丸も皆で教え合えばいいって言ってた辺り大したことなさそう
さくらちゃん朝日奈もヤバイ事してるイメージが沸かない
葉隠なら思い浮かぶけど
舞園は枕やってそうだもんな…
舞園→枕営業
十神→賄賂
まあなんだ、ここは霧切さんのスレなんで程々にな
霧切さんの秘密はあれだ、「寝る時はいつもクマのぬいぐるみを抱きしめて眠る」とかそんなんだきっと
「ファーストキスの相手は苗木誠である」
>>793 霧切さん、人形好きだし意外とありそうな気がするぞ
>>793 舞園「ファーストキスの相手は苗木誠である」
たしかに(霧切さん)には言えないな
腐川のことも思い出してあげて
「……朝日奈さんは、放っておいていいのかしら」
拝啓、未来機関同課所属の諸先輩様方及び朝日奈さん。
もしも今日僕が帰らぬ人となったら、僕のノートパソコンをけっして開けることなく処分してください。
「あの、霧切さん、僕は」
「…随分綺麗になったわね、彼女。精神的にも大人になったし。相談や愚痴の相手にはもってこいじゃない」
「……」
私とは違ってね、と、開いた扉のチェーンを外すことなく、隙間から睨みつけてくる霧切さん。
確実に、不機嫌だ。
いや、あれだけ怒らせて、話をしてくれるだけでもありがたいとは重々承知しているけれども。
けれども、これは。
どうして部屋の内側から吹きつけてくる風が、外気よりも寒々しいのか。
そして、どうして今まで楽しかった思い出が頭の中を駆け巡っているのか。
いやいや大袈裟な、そんな、謝りに来ただけで命を落とすことなんて、……
「……何の用?」
早く帰れと、容赦なく訴えてくるその視線を、正面から見ることすらできない。
詫びついでに持ってきた背中のプレゼントも、いっそのこと玄関前に置いておいて帰ってしまおうか。
ああそうだ、日を改めるべきかもしれない、もっとほとぼりが冷めてから。
「…ひ、非礼を詫びに」
「必要ないわ。貴方が謝るようなことなんてなかったんだし」
「……そのことだけじゃないよ。僕の為に、殴ってくれたんでしょ」
ぴく、と、冷たい色に染まっていた表情が、一瞬動いた。
「…自惚れないで」
僕を一直線に睨んでいた視線が、ふ、と気まずそうに逸れる。
「…朝日奈さんから聞いたの?」
「うん」
「……別に、貴方のために暴力を振るったわけじゃないわ。私が頭に来たから、私の意思で、私の都合で殴っただけ」
ああ、うん、少しだけホッとする。
怒っていても、冷たくても、霧切さんは霧切さんだ。
自分が暴力を振るったとしても、その理由を他人に押し付けたりはしない。
「貴方なんて全然関係ないわ。ただでさえあの男は、……ちょっと、何を笑っているの」
「あっ、いや…何でも」
「……貴方が、私が誰と結ばれようと関係ない、と言ったように。貴方には関係ない。…用はそれだけ?」
やはりまだ怒りは薄れていないのだろう、意趣返しでチクチクと責めてくる。
けれども、ポーカーフェイスが崩れた分だけ、幾分かやりやすい。
少しだけ拗ねたようにして、唇を尖らせている。
それがあまりにもいつもの霧切さんだったので、僕は少しだけ安心した。
「…その。手ぶらで謝るっていうのもなんだと思って、お詫びの品を」
「……いらないわ。モノで釣られると思っているなら、」
言う彼女を止めずに、僕は背に隠していた瓶を表に出した。
「……飲まない? 一緒に。その…大勢が苦手だって言ったから…二人だけで、今から」
とっておきのアイリッシュ・ウィスキーの酒瓶だ。
葉隠君が珍しく占いの方で大稼ぎをした時に、気前よく譲ってくれたもの。
翌日手のひらを返して、やっぱり勿体ないから返せ、なんて言われたけれど。
これが、精一杯の提案だ。
彼女の気持ちを考えずに、苦手な男の先輩の好きにさせて、大勢の元に引きずり込もうとして。
そして、彼女の気持ちを跳ねのけて、自分の気持ちに蓋をした。
その詫びにしては、きっと安っぽすぎるだろうけれど。
きっと通じる、と思って。
霧切さんは、酒瓶と、僕の顔を幾度か見比べて、
「……貴方らしい」
「平凡な考え?」
「いいえ……気の利いた、良い仲直りのきっかけだと思うわ」
少しだけ頬を緩ませて、扉のチェーンを解いた。
その首を微かに曲げて、解けたような笑みを見せてくれる。
「…入って。外は寒かったでしょう」
その、ドアノブを握ろう手を。
少しだけ、あの時彼女を庇ったように、踏み込んで。
彼女の右手を、僕は思い切って掴んだ。
「……苗木君?」
「…霧切さん、ゴメン」
その手を覆うグローブを、するり、と脱がせる。
「あっ…な、」
彼女のグローブの下は、以前にも見たことがある。
少し歪に膨れて、変色している、火傷の痕。彼女はそれを、自分の過去の汚点であり戒めというけれど。
ちょうど中指と薬指が、それとは別に真っ赤になっていた。
殴る方も痛い、だなんて、よく言うけれど。
「……貴方には関係ないわ」
「…それでも」
当然だ。
加減も無しに、顎だなんて尖がった固い部分を、感情のままに殴れば。
下手したら、指の骨にヒビくらいには入っているかもしれないのだから。
「ちゃんと、救急キットも持って来たんだ。中で、治療させてくれないかな」
「…嫌味なくらいに、用意が良いわね」
「……関係ないって言われるの、結構辛いね」
「あら、今更気付いたの?」
おじゃまします、と、靴を揃えて、ブーツを脱いで少し背の縮んだ彼女を追う。
考えてみれば、部屋に入るのは初めてだった。
靴を脱ぎ、コートを掛けて、暖房が働き始める間の手持無沙汰、それを意識せずにはいられない。
小綺麗な部屋だ。
全体としてはさっぱりと片付いて、掃除も行き届いている。
かといって殺風景なわけではなく、インテリアや小物が所々に置かれている。
壁紙に控えめな花柄がプリントされているところに、思わず彼女の女性らしさを見たりして。
ちょっと、ドキドキしてきた。
「……女性の独り暮らしの部屋が、そんなに珍しい?」
「あ、の…えっと…コーヒー淹れる、ね」
「どうも。コーヒーメーカーは、上の棚よ」
呆れ半分、からかい半分の声音。
視線の動きで気付かれてしまったのだろう。
慌ててキッチンに逃げ込んだ。
事務所に置きっぱなしの、彼女にプレゼントしたコーヒー豆を、実は持ちこんできている。
ポットのお湯を沸かす間、珍しく霧切さんは、何をするでもなく僕の後ろでぶらぶらとしている。
いつもなら僕にコーヒーを任せる間に、用事の一つや二つは済ませてしまうのに。
こうして待ってもらっているというのは、少しだけむず痒いというか、気恥ずかしい。
「…朝日奈さんの部屋なんかには、入ったことあるんじゃないかしら」
「な、なんでそういう話に…」
「……」
「…ないよ、ないです。一度も」
背中からぞわぞわと立ち上ってくる気配に、思わず条件反射で答える。
「……本当に?」
「う、うん…」
「……そう」
嘘だ。
何度か、彼女の部屋に入ったことはある。
酔いつぶれた朝日奈さんを運んだ時とか、彼女の部屋に大きい虫が現れた時とか。
同じ階の部屋で、かつ男でということで、何かと頼りにされることはあるけど。
でも、間違ってもやましいことには発展していないし。
あと、彼女の部屋は散らかっていて、筋トレ用品なんかもあって散らかっており、正直あんまり女の子の部屋らしくない。
「…ま、どちらにせよ。私には関係ないことだけれど」
言葉尻がすぼむ。どうやら、まだご機嫌は斜めらしい。
と、そこでヤカンが狙ったかのように、しゅんしゅんと音を立てる。
コーヒーメーカーにあらかじめセットしていたフィルター、挽いておいた豆を入れて、上からお湯を注ぐ。
ゆっくりと流し込めば、香ばしい匂いがキッチン中に立ち上った。
と、ふと、聞きたくて聞けなかった疑問が、頭の中でフラッシュする。
聞いても、いいだろうか。
「……あー」
「……何?」
霧切さんの機嫌は、斜めと言えば斜めだが、それでも思っていたほど悪くはない。
蒸し返すわけじゃないし、変な意味に捉えられることはないだろう。
意を決して、気付かれないように深呼吸。
「…コーヒー、さ。このブレンド、その…感想というか」
「? 前にも言った通りよ。平凡な味だと思うわ」
そうじゃなくて。
ずっと前から気になっていたけれど、聞けなかったこと。
大したことじゃ、ないんだけれど。
「別に、その…この味が特別好きってワケじゃないんでしょ?」
「…まあ、そうね」
「じゃあ、どうして飲むのかな…って、いや、意味なんてないのかな、とも思ったんだけど」
顔を見るのが怖くて、背を向けたまま話し続けていた。
はずなのに、ぐいっ、と、霧切さんが僕を押しのけて、上半身をキッチンに乗り出す。
コーヒーメーカーの具合を見て、その匂いを、まるで化学薬品のように手で煽いで嗅いでいる。
「…良い匂いね」
「あ、うん…」
「…別に、そのブレンドにこだわっているわけじゃないわ。他の豆でも、私は飲めれば構わないの」
がす、と、胸の中に抱いていた薄っぺらい希望に、簡単に穴が開いた。
他の豆でも、私は構わないの。
まるで、豆が僕自身のことを言われているように感じてしまって。
ああ、うん、まあ、そうですよね。
少女マンガの世界じゃないんだから、そんなぽんぽんと希望通りに展開が進むわけじゃない。
自分を慰めつつ、心の中で溜息を吐く。
と、コーヒーの匂いを嗅いでいた霧切さんが、上半身を乗り出したままこちらを振り返った。
「…どんな豆でも良いのよ。貴方が淹れてくれさえすれば」
そうして、少しだけ肩を寄せて、悪戯っぽく微笑んだ。
そう言ってほしかったのでしょう、と。
こちらの下ごころを全て見透かされているようで、顔が熱くなる。
「……あ、その」
目を逸らしても、霧切さんは追求するように迫ってくる。
壁の方にぐいぐいと追いやられれば、細身ながら彼女の方が体が大きいので、逃れることはできない。
「苗木君、顔が赤いわ」
「…霧切さん、分かってて言ってるでしょ」
「何のことかしら?」
「……仕返しのつもり?」
「根に持つタイプなのよ、こう見えて」
肩に顎を乗せられて、もどかしさに顔をよじると、ふわり、とアルコールの香りが鼻に届いた。
アイリッシュ・ウィスキーの瓶は、まだ空けていない。
「…霧切さん、ひょっとしてもう飲んでた?」
そう言えば、いつもよりも少し饒舌というか、喋り方が滑らかだ。
顔色がまだ変わってないから、それほどの量ではないと思うけど。
「…飲まずにいられなかったのよ、心労が多くて」
「…あの、ゴメン」
「だから、貴方には関係ないって言っているでしょう?」
今度は冗談めかして責めるように、首筋の辺りを顎でぐりぐりされる。
ああ、これは酔っている。
こういう接触を自分からする人じゃない。
事実、あの先輩からのボディタッチには酷く嫌な顔をしていた。
手早く準備を済ませてしまおう、変な気分になってきた。
二人分のグラスに沸騰させたお湯を注いで温める。
お湯を捨て、アイリッシュ・ウィスキーを半ばまで注ぎ、マッチでそっと火を灯す。
ぽ、と、アルコールが燃えて、ゆらゆらと立ち上る、淡い青色の炎。
ふ、と、霧切さんの体が離れた。
彼女の温もりに少しばかりの名残惜しさを覚えていると、つ、と彼女の手が伸びて、キッチンの明かりを消す。
居間から伸びる光だけが足元を照らす、薄暗い空間。
グラスの中の炎は灯となって、グラスの形と色をそのまま照明に仕立てる。
「…危ないよ、霧切さん」
「いいじゃない、綺麗なのだから」
「意外と、こういうロマンチックなの、好きなんだ?」
「……意外、ね」
あ、しまった。
「…そう。私がロマンチックが好きだと、意外なのね」
「いや、あの、…ぐぇ」
ぐい、と、腕を首元に絡められて、危うく体制を崩しそうになる。
彼女を背負うような姿勢、けれども身長が違うので、ひどくちぐはぐな構図だ。
控えめな柔らかい何かが、布越しに押し付けられて、慌てて拘束を解く。
「…貴方が普段私をどう思っているか、よく分かったわ」
霧切さんはどこ吹く風、相も変わらずのポーカーフェイス…なんだけど、少しだけほぐれているというか、なんというか。
これは、無理矢理にでも忘年会に呼ばなくてよかった。
「…霧切さんって、もしかして絡み酒…?」
「……」
けれど。
一度だけ、新人歓迎会で一緒に飲む機会があったはずだ。
あの時の霧切さんは、こんなに乱れていただろうか?
「……グラスの火、消えてるわよ」
あからさまに話題を逸らされる。
けれどもまあ言葉通り、茶番の間に、もう準備は整っていたようだ。
二つのグラスに、砂糖を溶かしたコーヒーを均等に注ぐ。
ティースプーンで軽くステアし、その上にゆっくりと生クリームを注いで層を作らせる。
アイリッシュ・コーヒー。
彼女と飲むということを考えた時に、一番僕たち二人に合うお酒は、と巡らせて、思い至ったものだ。
酒瓶を見せた時に、彼女にもその意図は伝わっていたようで。
「…『意外と』オシャレなのね、苗木君」
「それも意趣返しのつもり?」
「さあ、どうかしら…さて、お酒だけ、というのも口寂しいわ」
というか、こちらの意図なんて最初から全部お見通しらしく。
僕の鞄の中から迷いなく漁ってきたホールトマトの缶詰を、したり顔でこちらに押し付けてくる。
「パスタは、そこにあるのを好きなだけ使っていいわ。調味料は下の戸棚」
「……どうも」
「別に、償ってほしいとは思ってないけれど…そのつもりなら、美味しく作ってね?」
ふわりとした声音と、見惚れてしまうような悪戯っぽい笑みを残して、霧切さんはキッチンを後にした。
いや、そりゃ、そのつもりで持って来たんだけどさ。
「苗木君、救急キット借りるわよ?」
居間の方から声が響く。
「いいけど…自分でやるとやりにくくない? 後でよければ僕が…」
「嫌よ。貴方、急に脱がせるんだもの」
お酒が入っているからだろうか、何とも色っぽい響きに聞こえて、思わずパスタの入った袋を取り落としそうになった。
手袋のことに決まっているじゃないか、馬鹿。
ヤカンに残ったお湯を鍋に移して、再び火にかける。
沸騰するまでの間に作るのは、出来合いのトマトソース。
コンビニで買った割高のニンニクとベーコンをスライスして、オリーブオイルで炒めていく。
「…あれから貴方には、何度かこの手袋の下を見せることがあったけれど…」
しゅるり、と、衣擦れの音が、何とも背徳的に聞こえてしまって、思わずコンロの火を強くした。
ぱちぱち、とニンニクの弾ける音が、ちょうどよく居間の音を消してくれる。
落ち付け、僕。手袋を脱いでいるだけだ、イヤらしいことなんて一つもない。
「…勘違いは、しないで。何度も見せたからって、この傷を見せるのに慣れてきたわけじゃないわ」
「それは、その…ゴメン」
あの時はただ、必死で、勢いに任せて脱がせてしまったけれど。
確かに少し、霧切さんは身じろいでいた。
その手の下の傷は、彼女にとって戒めで、そして気軽に人の目に触れさせていいものではない。
軽率だった、と、恥じる。
深く考えずに行動してしまうことを、反省したばかりのはずなのに。
「……例え相手が貴方でも。…いえ、貴方だからこそ、見られたくないのかも…」
ちくり。
棘のようなものが、肺の奥に刺さる。
「…貴方は私が胸を怪我したら、そこで裸に剥くのかしら?」
「そ、それとこれとは…」
「同じ事よ、私にとっては…裸よりも、見られたくないものなの」
声が笑っていなかった。
僕を責めるような色は無かったけれど、それでもじんじんと、傷口のように痛みが胸に染みてくる。
彼女の過去に干渉出来るほど、僕は彼女を知らないし、彼女も僕を知らないだろう。
僕の方が彼女の領域に踏み入る覚悟が出来たとして。
だからと言って、それが踏み言っていい理由にはならないのだ。
「その、ゴメン…本当に」
「…謝ってばかりね、苗木君。そんな暗い雰囲気で居座られても、困るのだけれど」
「でも、」
「せっかく仲直りして、これから二人で飲むって時に…いえ、それを言うなら、話を振った私もね」
少しだけ、呂律が回っていない。
もう酔っているのだろうか。
先程は暗がりで、よく表情は見えなかったけれど、もしかしたらほんのり赤かったのかもしれない。
茹であがったパスタのお湯を切って、出来合いのトマトソースに絡めていく。
二人分を皿に盛り付けて、粉チーズを散らし、アイリッシュ・コーヒーと一緒にトレーに乗せる。
「…と、お待たせ」
「…貴方、いつもこういうことをやっているの? やけに手慣れているわね」
「まあ、自炊してるし。あ、いいよ、座ってて」
「そういうワケにも、」
いかないでしょう、と、続けたかったのかもしれない。
トレーを持とうとしてくれたのか、身をかがめた霧切さんの体が、そのままくらりと前へ倒れる。
危ない、と、反射的に腕を、彼女の体の下に潜らせた。
「あ、」
とす。
あまりに、軽い音。
僕より背が高いはずの彼女の体は、差し出した右腕一つで支えられるほど、細くて、軽かった。
SSでしたすみません、あと一回だけ続きます 何だコレ長え
>>805 なんというお預け状態!
ヒャアッ!もう我慢できねぇ!GJだ!
っしゃあきたあ!
ニヤニヤしっぱなしだったぜ…続きを楽しみに待ってます(全裸で)
>>793 とっておきのクマちゃん抱いて今夜もオヤスミ♪
とか歌ってそう
>>805 いい……実にいい……
お陰で暖まったよ
完結編待ってるべ
たまらんなぁ・・・霧切さんが実に霧切さんなデレ方で素晴らしい
これで連休明けとも戦える
GJ!!
>>805 どんなに長くてもいいんです
このスレのSS職人がボクらの希望なんだ…!
むしろ長いほどその分楽しめるべ
実際ニヤニヤが止まらんべ
ほろ酔い霧切さん可愛いよ霧切さん
続き待ってます
>>808 そしてその様子を誰かに見られてしまうわけだな
今日は雨と雪でクソ寒いけどナエギリSSがあれば乗り切れる
ありがとうございます!ありがとうございます!
俺も霧切さんにコーヒーを淹れて差し上げたい
コーヒーもウィスキーも似合う霧切さんマジ男前
着物着て升でくっとやってるのも似合う
正座して楚々とお猪口を傾けるより
襦袢姿で片膝立ててグイッとやってる姿が浮かんでしまって困る
飲酒している霧切さんにスペシャルなお仕置きを用意しました(ボロン
霧切さんはじめ1の生存メンバーって
2時点ではおそらく二十歳越えてるよな?(苗木君の身長を見ないようにしながら)
>>821 確実なのは葉隠だけだろうね
苗木くんが入学前に見てたスレが2010年8月20日だから
秋季入学として入学時に15歳以上で、その後2年だから1の時点で17歳以上なのはわかるけど
超高校級としてスカウトされたときの年齢と
2と1の間にどれぐらいの期間があるかによって変わると思う
入学時の年齢はバラバラだから霧切さんの方が苗木君より年下な可能性もあるんだよな
夢があるよな
霧切「…誠お兄ちゃん」
希望ヶ峰の入学条件は「現役の高校生であること」
そして幸運枠の抽選は「全国の平均的な高校生の中から」行われる
つまり苗木は前の高校にて「平均的な高校生」として認識されるに足る程度の期間を過ごしていた=二年生以上である可能性が高い
一方霧切さんは広く認知されている実績ではなく直接自分の能力を学園側にアピールすることで入学した
すなわち高校進学したばかりということも充分考えられる
よって霧切さんが苗木より年下である可能性はある程度存在するといえよう
まあ身長は霧切さんの方が上なんですがね!
年下に身長を7cmも越えられてるとか苗木くんが可哀想だろ!
お前らいい加減にしろ!
身長差でナエギリって一見おねショタに見えなくもない
な、苗木くんはショタじゃないけどさ(震え声)
スーツ姿で並んでると、こう…な…
まあそれがいいんだが
身長は既に妹に負けているので問題ありません
低木やったんや
スーツ姿の三人集のCGどっかに落ちてないもんかね?
なんかおかしな薬を飲んだ苗木君が、見た目は子供で頭脳は大人になってしまえばいいと思うよ
そしてその面倒を見る霧切さん
ゲームだと苗木くん視点だから、
霧切さんとの会話で二人が向き合うことが無かったけど、
アニメだと二人が向き合うことでより身長差が強調されるわけだ。
つまりどういうことかというと、身長差カップル萌え!
うむ
アニメで二人並んで捜査しているところを早く見たいものよ
そして身長差にニヤニヤしたい
IFであった苗木君に肩を貸すシーンを映像で見たい
5章の寝てるときに黒幕から助けるところ
ごみ処理場に行って説明するところか6章クライマックスのときに霧切さん視点でやってくんないかな
・苗木君に肩を貸す霧切さん
・苗木君をおんぶする霧切さん
・苗木君を姫抱きする霧切さん
仮に2メンバーが全員復活して14支部入りしても、霧切さんと
話の合いそうな人が一人もいなそうな件について。
・・・ソニアさん?あの人は死神でしょ!
>>837 ・苗木君にキン肉バスターをする霧切さん
・苗木君にメメタァする霧切さん
・苗木君をにゃんにゃんする霧切さん
小泉あたりとは気が合いそうだと思う
絵師のせいかシナリオのせいかわからんけど女子はSばっかやな
前にもあったネタだけど、田中は死神の足音のあれこれに食いついてきそう
霧切さんはパッと見Sっぽいけど実はM説を提唱していきたい
からかうのが好きっぽいし基本Sだけど
こう..苗木くんの前だけはM気質になる霧切さんとか良いと思います
ああ…いいな凄くいい
苗木君にいじめられてオシオキの時のように青くなったり赤くなったりする霧切さん下さい
黄色くなる霧切さんは?
最近ダンガンロンパ1クリアして霧切さん好きになりました
ゲーム本編ではナエギリしてたんだが なんかお預け状態なんだが
今スーパーダンガンロンパ2の第一話目です よろしくお願いします
アニメではもう少しナエギリ要素追加しないかな
あれだな、霧切さんはガードが堅い反面、実はグイグイ攻められることに慣れてないんだ
そして普段他人を頼ることに慣れていない分、心を許した相手にはついついガードが緩んでしまうんだ
つまり「家族になるような人」の前での霧切さんはM気質になる!
俺の占いは二割八分くらい当たる!
霧切さんの涙目…
ゴクリ…
なんとなく、霧切さんは気を許した相手には割と依存しちゃいそうなイメージがある
「お願い…私のことを捨てないで…」と涙目で縋り付いてくる霧切さんとな
苗木くんが初めて信頼した相手だったりするし
霧切さんって色々重そうだね
まあそこがいいんですが
ナエギリだけでご飯三杯はイケる(重症)
>>847 いえい!まずは全部やってから偉大なる職人たちの希望あふれるSSを見て
ニヤニヤだ!
依存しきってべったりな霧切さんもイイネ
ピクミンみたく常にとことこついてきてくれる霧切さんとか
なにそれかわいい
ピクミンっぽいのはどちらかといえば苗木君の方ではあるがw
澪田に無理やりバンドメンバーにさせられる霧切さん。
弐台の指圧マッサージでオワリみたいな顔をする霧切さん。
破壊神暗黒四天王に懐かれる霧切さん。
霧切さんがバンドやるならやはりベースだろうか
>>857 弍大マッサージで恍惚の顔をしてるとこを苗木君に目撃されてしまうssほしいです
フランスかどっかの社交ダンスで男女が取っ替えひっかえ踊るのは恋人の嫉妬を煽るという意味もあるらしい
苗木君は嫉妬した後に彼女は自分のもんだと再確認するわけですよ
ここまでいえば分かるわね?
霧切さんがそう容易くマッサージとはいえボディタッチを許容するとは思えないけどね
むしろ苗木くんが指圧マッサージをマスターする方向でオナシャス(他力本願)
指圧される度に切なげな吐息を漏らす霧切さんか
…アリだな!
このスレはいつも活気があって宜しい
最近苗木城ってトコ行ってきたけど名前が紛らわしいなw
苗木君をからかう目的で、声をかけてきたナンパ男に気のあるフリをする霧切さん
しかし苗木君の反応は「ボクと霧切さんじゃ釣り合わないし仕方ないよね…」といった様子で、
寂しそうな素振りは見せるものの引き留めようとはせず、霧切さんマジ焦り
みたいなのはアリですか
ふむ・・・アリナシを判定するには少々判断材料が不足しているな
ちょっとSS化してみてくれたまえ
つい最近ナエギリに目覚めた新参者が本日1のビジュアルファンブックなどを購入してまいりました
霧切さんのシャツすごかったんですね……
苗木くんが何かの拍子で転んで霧切さんのシャツのジッパーをピンポイントで掴んでしまう
勢いそのままこける苗木くん
おろされるジッパー
顔を上げた苗木くんがみたものは――羞恥にぷるぷる震えながら顔を真っ赤に見下す霧切さん
……ダメだ
SSにしようにもここからが浮かばない……
誰か引き継いでくれないものだろうか……
ビジュアルファンブックといえば
表紙の霧切さんは絶対はいてないよね
>>865 まあ悪意の無い不可抗力ならば霧切さんも許してくれることだろう
ただし暫くそのネタでからかわれることになる
ちょっとSSで数レス借ります
よくある卒業後→二人で探偵事務所ネタです
「苗木君、頼んでおいた飛行機のチケットは?」
「えっと…空港で受け取る形になるって」
「そう。今回の事件の詳細は、ちゃんと書類にしてくれた? 向こうに着くまでに目を通しておきたいわ」
「かさばっちゃうから印刷はしていないけど、データだけなら見られるよ。飛行機の中はパソコン使えるからさ」
「ありがとう。出るわよ、戸締まりはよろしくね」
僕が霧切さんの探偵事務所に住み込みで働くようになって、一年が経つ。
同窓生の好なのか、それとも本当に僕の平凡な能力を買ってくれたのか、申し出は霧切さんからだった。
もし僕が社会に出て、行く宛てを無くした時は、うちで働かせてあげる、と。
親の希望で、一応は大学に進学した。
心理学を専攻してみたり、教職の免許を取ってみたり、色々とやることはあったけれど。
同窓会で出会う度に、霧切さんは僕を誘ってくれた。
似たような提案は、他の同窓生からも受けていたけれど、僕は彼女の手を取らせてもらったわけだ。
どうせ平凡な大学を出て平凡な会社に就職するよりも、すごい人の側ですごい体験を、と、親も勧めてくれた。
期待が無かったわけじゃない。
霧切さんはクールで、知的で、わかりにくいけど優しくて、それにその、すごく美人で。
彼女に誘われて、浮足立っていた自分がいなかったと言えば、嘘になる。
そんなわけで、今は彼女と衣食住を共にする生活を送らせてもらっている、ワケなのだが。
「空港までは、タクシーを呼んであるから」
「…お昼はどうするの?」
「空港か、向こうに着いてからかな…今小腹が空いているなら、保存食がバッグの中に」
ただ彼女の仕事ぶりを見ていれば、浮ついた考えは到底表に出せなかったのだ。
探偵というのは僕が想像していたよりも遥かに重くて、辛い仕事だったから。
『疑う仕事』というのは、往々にして自分の方も、人から信用してもらえないことが多い。
的外れな推理で自分が犯人に仕立て上げられては敵わない、と、大抵は心を閉ざした容疑者たちを相手にする。
激昂した容疑者から暴力を振るわれたり、一方的に根拠もないことで罵られたり。
そして、人の死と悪意に触れる。
時によっては、誰も望まなかった真実を明るみに引きずり出して、恨みを買うことだってある。
それだけじゃない。
若い女性というだけで、彼女を探偵として扱わず、好奇の視線で見る輩も、もちろんいるのだ。
どんな仕事だってそうだ、子どもたちが憧れるのは、表に見えるほんの一面がカッコいいから。
裏でどれだけ汗や涙を流すのか、本当の意味で知ることが出来るのは、実際にその職に就いてからだ。
霧切さんは、強い。
そんな辛い仕事に、泣き言一つ洩らさない。
そういうものだと割り切っている、と、いつだか彼女は言っていた。
『…それでも、貴方にとっては辛い仕事だろうから…辞めたくなったら、遠慮せずにいつでも言いなさい』
僕が尋ねた時、彼女は僕に顔を見せずに、そう言い放った。
あの寂しそうな背中は、簡単には忘れられない。
「…連休?」
「ええ。今週末は事務所を休みにしようかと思っているの」
そんな仕事熱心な霧切さんからの提案は、当然僕を驚かせるものとなった。
「貴方もたまには御実家に帰って、顔を見せてあげなさい」
「でも…依頼とかは」
「私しか日本に探偵がいないわけじゃないわ。余程重要な事件なら、他の探偵が出るでしょう」
帰りの列車に揺られて、少しだけ眠たそうな霧切さんは、それでもコーヒーを啜りながら書類に目を通している。
今回の事件は少しだけ厄介で、僕も彼女も徹夜明けだった。
それでもいつも通りの霧切さんの名推理と、…なんというか、僕の幸運(笑)体質が功を奏して、どうにか解決に至ったわけだ。
「その間、霧切さんはどうするの?」
「別にどうもしないわ。自宅で羽を伸ばしつつ、これまでの事件の整理とか…」
「そういう雑用は僕がやるってば」
「たまには自分でやらないと…貴方がいなくなった時、独りでやっていけなくなるもの」
僕が、いなくなった時。
どうして霧切さんは、そうやって、寂しい仮定ばかり。
「……苗木君?」
「…寝てていいよ、疲れてるでしょ。着いたら起こすから」
「そう…? じゃあ、お言葉に……甘えようかしら…」
就寝。話しながらまどろんでいる霧切さんなんて、初めて見た。
余程疲れていたんだろう。
彼女の場合は、どちらかというと肉体よりも精神的な疲れの方が大きいと思う。
というか、証拠集めや証言を聞きに駆け回るのは僕の仕事。
でも、疲労はきっと彼女の方が大きい。
あの小さな背中を守るために、僕は彼女の助手を続けているのだ。
僕も眠い、では、流石に格好がつかない。
棚から自分のコートを取り出して、毛布代わりに掛けてみる。
少しだけもぞもぞと動き、彼女は僕のコートにくるまってしまった。
まだ睡眠と覚醒の間にいるのか、ぼんやりと薄目を空け、僕の方を見る。
「…苗木、君…」
「何?」
「肩…」
「ああ、はい」
シートの仕切りを外して、霧切さんの方に体を寄せる。
体を預けるものがあった方が寝やすいらしく、彼女はよく僕の肩を枕代わりにするのだ。
体重を感じる。彼女が良く好んで使うコロンの匂いも。耳元には、規則正しい寝息。
この時間が、彼女の仕事を手伝っていて一番報われる時だ。
頼ってくれとは言えないけれど、そんな彼女に肩を貸すことが出来る時間。
霧切さん本人には、口が裂けても言えないなぁ。
『…ちゃんと言葉にしないと、どこかに飛んでいっちゃいますよ?』
女子会という名の近況報告で、話題の五割はもっぱら色恋沙汰だ。
あの学園を卒業してからも、こうして互いの顔を見れるような関係であることは、貴重だとは思うけれど。
そういう話題はどうも苦手で、だから話がその手の方向に向かった時は、そっと気配を消して来たのだけれど。
女子会には、例えば朝日奈さんが大会で来れなかったり、なんだかんだで腐川さんが顔を見せたり。
つまりは、集まりを強制されることはないし、義務でもないし、好きな時に顔を出せばいい。
ただこの日は、たまたま舞園さんと私だけしかいなかったのだ。
彼女とは、特にその話をするのを避けていた。
彼女が苗木君に寄せていた思いを、私は知っている。
そして、『私が知っている』ということを、きっと彼女は知っているのだ。
『…まだ、言ってないんですよね、苗木君に』
『……何のことかしら』
『高校を卒業してから連絡を取り合って、二人で同じ事務所で暮らして…それで、どうしてまだ『お友達』なんですか?』
人の心が読めるとは、存外嘘でも見栄でもないらしい。
苗木君の言だったから、てっきり彼がお決まりの馬鹿正直を発揮して、それを見抜かれただけだと思っていたのだけれど。
『逃げないでください、霧切さん』
それを言われると、どうも弱い。
『…私の追求からも、自分の気持ちからも』
『……自分の気持ちは、よく分からないのよ』
『苗木君への気持ち、ってことですか?』
頷いて、コーヒーを啜る。
彼女のおススメのカフェテリアのはずだが、なぜか一口目より味が渋い。
「苗木君、頼んでおいた飛行機のチケットは?」
「えっと…空港で受け取る形になるって」
「そう。今回の事件の詳細は、ちゃんと書類にしてくれた? 向こうに着くまでに目を通しておきたいわ」
「かさばっちゃうから印刷はしていないけど、データだけなら見られるよ。飛行機の中はパソコン使えるからさ」
打てば響く、とは少し違うだろうか。
以心伝心、なんて言葉は恥ずかしすぎる。
私の意思を、言葉で伝えるよりも前に、彼が理解してくれている。
それが、嬉しくて、こそばゆいのだ。
だからこそ、言葉で縛ってしまいたくない。
心で通じあえている関係だからこそ。
『…具体的な言葉にしてしまうと、…今の気持ちが、安っぽくなってしまいそうで』
『……そう、ですか』
『離れてしまうなら、それでいいとも思っているの』
彼が自分の意思で、私の隣にいてくれる。
それが嬉しいのだ。
私は、自分勝手な女だろうか。
『……はあ、もう。勝者の余裕、ですね』
『ごめんなさい、そんなつもりじゃ…』
『苗木君、結構人気高かったんですよ。そして数ある選択肢の中から、霧切さんを選んだ』
憮然とした表情で、舞園さんもコーヒーに口を付ける。
試合終了の合図だった。
『霧切さんは、もっとそのことを自覚するべきです』
誰のことを言っているのか、分かりますよね、と、言外に言われていた。
肩を狭めて、もう一度コーヒーを啜る。
舞園さんは、優しい人だ。強い人だ。私とは違う。
もし私と彼女の立場が逆だったら、私はこんな風に、塩を送るような真似はできないだろう。
私は弱い。
きっと苗木君という支え棒が無ければ、すぐに自壊してしまうだろうくらいには。
離れないで、と言えば、お人好しな彼のことだ。
きっと余程でない限り、側にいてくれるのだろう。
それは、何か違う。
それは、依存だ。信頼じゃない。
私は探偵で、彼は助手。その在り方を崩したくはない。
私がその気持ちを言葉にしないで、それでも彼が自分の意思で、側にいてくれる。
その関係が、一番バランスが良い。
『……なんて言い訳をして。ホントは、こっちから踏みこむ勇気が無いだけなのに』
『え?』
『…何でもないわ』
車窓に映る景色に目を馳せていると、まどろみながら、そんな会話をしたことを思い出した。
かくん、と、顔が重力に引っ張られて、やや覚醒。
隣の席から、聞き慣れた柔らかな声音がする。
「……苗木君?」
「…寝てていいよ、疲れてるでしょ。着いたら起こすから」
「そう…? じゃあ、お言葉に……甘えようかしら…」
貴方の隣は居心地がいいから。
気を緩めると、つい依存してしまいそうになる。
「…苗木、君…」
「何?」
「肩…」
「ああ、はい」
それでも、このくらい寄りかかるのは、許してもらえるだろうか。
少しだけ低い枕に頬を擦りよせると、私の意識は穏やかな眠りの波に飲まれていった。
このくらいの、『お互いに好意を持っていて、踏み込まれれば拒むことは絶対にしないんだけど
自分から踏み込むのは相手の迷惑になるんじゃ、と足踏みしあってるナエギリ』こそ至高と言い張ってみる
お粗末さまでした
GJ!
寝る前にいいもの見れたぜ…
焦れったいけど、それがまたたまらんのう
875 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/18(金) 02:03:51.39 ID:DhWMBRCb
ここのSS読んだら胸がいっぱいになって幸せな気持ちになった(ホッコリ
>>873 かわいいおつです この先は脳内補完ですね
>>873 GJGJ!
いやぁ…いいなあ。2828が止まらない。
貴方とはいい酒が呑めそうだ。
ふぅ……これだからこのスレはやめられねぇ
二人とも可愛くて困るべ
GJ!
上でソニアさんと霧切さん合わない言ってるけど、物騒話に乗ってくるし
以外とノリは合うかもしれない。あと霧切さん海外暮らししてたし。
霧切さんならノヴォセリックの謎文化にも通暁しているかもしれない
霧切「このマカンゴは私がノヴォセリックでの市民権を得た時に手に入れたものよ」
苗木「そ、そうなんだ・・・」
霧切「さて、これからこの子の世話は苗木くん、あなたがするのよ」
苗木「え、僕が?なんで?」
霧切「うるさいわね、苗木くんの癖に生意気よ」
霧「式はノヴォセリックで挙げましょう」
さりげなく既成事実つくろうとする霧切さんさすが抜かりない
猟奇殺人事件の話題で盛り上がる霧切さんとソニアさん
そんなガールズトークがあってもいい
…かもしれない
>>867 「こんなことをしたからには…責任とってくれるんでしょうね?」的な展開でも可
霧切さんはグロには強いんだろうけど、ホラーには弱かったりするといいなあと思います
海外に間違って伝わってる日本文化で盛り上がる霧切さんとソニアさん
スプラッタホラーが苦手な苗木君とジャパニーズホラーが苦手な霧切さん
・・・という電波が飛んできたけどスルーしました
霧切さんを驚かそうと後ろからコンニャクを首元にあてる苗木くん
・・・うん、こんな度胸ないだろうな
>>888 スルーするんじゃない!
今からでもその電波を捕まえてくるんだ!
スプラッタ映画は平気な顔して観てるけど、
ジャパニーズホラーのじめっとした怖さには顔面蒼白でガクブルしてる霧切さん…
これもギャップ萌えってやつですね!(多分違う)
確かに霧切さんは「何かが証明できない物(存在)」ってのが苦手そうなイメージがあるな
もし学園に「超高校級の霊媒師」とか「超高校級のエクソシスト」とかいて近寄ってきたら
色々言い訳をしながら苗木の後ろとかに隠れるように避難する霧切さんまじ萌える
そして無意識に苗木の服の裾とか握ったりしたらもっといい
会談話を聞かされた後、
「幽霊だなんて…バカバカしいわ。非科学的よ…」
と口では言いつつも、苗木君にぴったりくっ付いて離れなくなる霧切さん下さい
夜中一人でトイレに行けなくなって苗木君を叩き起こす霧切さん
>>889 だが女の子らしい可愛い悲鳴をあげる霧切さんは見たい
是非見たい
肝試しネタのSSは以前にあったな
2828させてもらったものよ
苗木君イチオシ映画のロボコップは霧切さん的にはどういう評価になるのだろう
ヒーローものなんて子供騙しね、と切って捨てられそうな
そして一蹴されてヘコんでる苗木くんを見てちょっと罪悪感に襲われる
流れをきるようで悪いが今書いてるSS完成したら放縦しようと思う
ある画像みて受信したものだからあまり期待はしないでほしい
何とかできたけどSSと呼んでいいのかってくらい短いです
前提
二人は既にお付き合いしている
コロシアイ?ナニソレオイシイノ?な平穏な頃をイメージ
<ボクトケイヤクシテマホウショウジョニナッテホシインダ
画面に移る白いマスコットみたいなキャラが喋るとそのままエンディング曲が流れはじめた。
「あっ、第1話が終わったみたい」
「……苗木君もこういうアニメを見るのね」
「山田君が貸してくれたんだよ。暇なら苗木誠殿も見てはいかがかなって言われて」
ノートパソコンを不二咲くんから借りて僕が山田君から借りたDVDを見ていた。
そこに霧切さんが来て何も言わず隣に座り観賞してたんだけど……
「こんな得体の知れない存在にいきなり魔法少女になれ、だなんて言われてなる少女がいたら見てみたいわね。」
「ははは……」
どうも霧切さんには不評みたいだ。
ちなみに僕としては第1話を見た限り面白いとは思ったけどね。
<ボクハ、キミタチノネガイゴトヲナンデモヒトツカナエテアゲル
気がつけばそのまま第2話が始まって先ほどの白いマスコットがそんな台詞を喋っていた。
ふと僕は思った事を聞いてみる事にする。
「霧切さんはもし願い事が1つ叶うなら何を叶えてもらう?」
「そうね……教えてほしかったら苗木君が先に教えなさい」
そう言われ僕は少しだけ考えて口にする。
「そうだなぁ……この日常がいつまでも続くこと、かな?」
「ある意味苗木君らしい答えね」
微笑む霧切さん。
「褒め言葉だと思っておくよ。で、僕は答えたんだから霧切さんも教えてよ」
「ないわ」
即答。
それはひどいよ、と言おうとする前に霧切さんの言葉は続く
――だって私の叶えたい願いは
霧切さんが僕の肩に寄りかかりながら自分の腕と僕の腕を組み……
――もう叶ってるもの
そっと僕の指と彼女の指が絡み合った。
以上です
どっかでホムギリさんを見かけてつい浮かんだもの
拙い文章ですがお粗末さまでした(ペコリ
乙
まったく見せつけてくれやがるぜ…
末長く幸せに爆発しろ!
904 :
900の中の人:2013/01/20(日) 10:45:22.00 ID:Vh0nVIHX
いや、私がみたのはホムギリさんのみの画像だった
ホムギリさん「私は何度でも繰り返す」
これだとモノクマーターと契約したのか(笑)
苗木君に違和感がなくて困る
いや勿論霧切さんも可愛いんだが
霧切「それには及ばないわ」
苗木くんに褒められて自然と口がニヤけるのを手で押さえて
必死に無表情を装ってる霧切さんください!
こんなに細いマミさん初めてだ
910 :
900の中の人:2013/01/20(日) 18:48:27.79 ID:HP+l8OkF
>>903 個人的には舞園さんが名前繋がりでさやかちゃんでしたー
なイメージがあった
そして違和感なさ過ぎる苗木くん
>>908 たぶんそれくらいじゃあ霧切さんは表情を崩さないだろうな
なので代わりに心の中でガッツポーズをとる霧切さんください
こう・・・あれだ
表情には出るんだけど、それはパッと見ただけでは分からないくらいの些細な変化で
しかし苗木君だけが(あ・・・霧切さんもしかして喜んでる・・・?)と気づいてたりすると俺得
んでもって、苗木君に気付かれたことに気付いて、
そこでとうとう少しだけ赤面しちゃったりすると俺得
914 :
900の中の人:2013/01/21(月) 00:00:13.14 ID:uD/V4S2F
>>913 霧切「……苗木君の馬鹿っ」
ってかんじかな
因みに今また書いてる
投稿できるかは微妙だが……
>>913 うし、冬だから下脱いで待機しとくぜ!wktk
でもそんな「霧切マスター苗木誠」に恋愛感情は気付いてもらえず、
プライドと闘いながら頑張る霧切さんもいいと思います、ええ。
まあなんだ
余計なお世話かもしれんが、コテハン付けて無用に目立つのはあんまりお薦めしないぞ
というか小説は色々な理由からコテハン付けて欲しい
霧切ちゃんお休み
アニメ楽しみだね
一人きり、もしくは側に心を許した相手しかいない状況なら
霧切さんも意外と表情豊かになる可能性はないだろうか
自室の鏡の前で百面相する霧切さん
>>921 百面相ではないがこんな感じかな?
霧切「……」
親友である舞園さやかに霧切さんは絶対笑顔を見せたら可愛いですよ!と言われその時は気にしてもいなかった
霧切「……ニコッ」
かなりぎこちない笑顔
探偵をしているうちに自然な笑顔など忘れてしまったのだろうか
苗木「霧切さん、今日は探偵業おやす……霧切さん?」
霧切「っ!」
見られた!
よりにもよって苗木君に!
どうすればいいのよこんな状況!?
(つづきは浮かばなかった。次の人頼むm(_ _)m)
続きはWebでってやつだな
>>765 苗木妹のネタが盛り上がっていた時期を思い出してSS投下。
随分前にもそんなSSを投下しましたがそれはそれ、これはこれってことで。
「――起きて、ねぇ起きてってばぁ!」
「う、う〜ん……」
ぐっすり眠っていたところを体ごと揺らされる感覚。
いったい誰だよ、こっちは明け方にやっと帰って眠れたところなのに。
おまけに連休なんだから一日くらい寝て過ごしてもいいじゃないか。
「お兄ちゃん、起きてってば! 起きろーっ!!」
「……んあっ!?」
耳元で大声を出されてビックリするように起き上が――ろうとしたところでできなかった。
「やっと起きたぁ……。おはよ! お兄ちゃん!」
「あ、あぁ……おはよう」
目と鼻の先には妹の顔があった。
こんな手荒な起こし方をするのはこいつくらいしかいないので納得できた。
――あれ? そもそも何で学園の寄宿舎に妹がいるんだ?
「じゃ、おやすみ……」
「寝るなバカーーッ!!」
でも真相を追究するのはもう一眠りしてからにしよう。
大の字に寝転がる僕に妹が覆いかぶさるようにマウントポジションを取る。
ついにはボコスカと叩いて僕の二度寝を妨害してくるじゃないか。
――くそっ、このまま一方的にやられるのは何か嫌だな。
ここは一つ兄としての威厳を保つ絶好の機会だろう。
伸びた右手首を掴み反撃の狼煙を上げる。
「オーラァー!!」
「あぁん」
「人の眠りを妨げる悪い妹にはオシオキだっ、コチョコチョコチョコチョーーッ!!」
「ぶひゃひゃひゃ、やめて、お、おにぃ、ちゃん!」
左右のわき腹をくすぐり怯んだところをマウント返し。
上を取ったら一気に畳み掛けるようにわき腹から腰にかけてくすぐりポイントを拡大させる。
「オラオラオラオラァァ!!!」
「はっ、ぁあ、んっ、くっ、あああっ!!」
一際大きな悲鳴を上げたかと思えばコテンと脱力して、涎を垂らしながら惚けている妹の姿。
K.O!
勝った! エクストリーム勝利っ!!
兄より優れた妹などいない!
そんな勝利の余韻に浸っているところに誰かの視線を感じた。
しかも突き刺すように酷く冷徹な視線。
そう、部屋の入り口には一人の女性が佇んでいた――。
「き、霧切さん……。お、おはようございます」
「おはよう苗木君。朝からお盛んのようね?」
「そ、それは誤解だよ! いきなりこいつが僕を叩き起こすんだもん、反撃するしかないじゃないかっ!」
「それで性的暴行を加えて屈服させたの? 見損なったわ、苗木君……」
「それも違うよ! こいつ妹だから! ただの兄妹のスキンシップ! だからその携帯電話を閉まってくださいお願いします!」
僕の悲痛な叫びが届いたのか霧切さんは取り出した携帯電話をそっと懐に閉まったのだった。
きっと110番に通報しようとしていたんだろうなぁ――。
「それじゃあ苗木君、最後に言い残す言葉はあるかしら?」
「妹だけど、オシオキだから問題ないよねっ! ……なんちゃって」
「そう……。それがあなたの遺言ね」
「ちょっと待ってよきり……ごばぁ!!」
僕の制止に聞く耳を持たず霧切さんが一瞬で僕に詰め寄り跳躍した。
僕の目線に霧切さんの膝が重なる。
うん、綺麗な膝小僧だ。
――これが跳び膝蹴りだったと喰らってみてようやく気づいたのだった。
〜 妹だけど、愛さえあれば関係ないよねっ! 風雲編 〜
「うぅ、まだ鼻がジンジンするなぁ……」
「あら、反省が希薄ね。もっと強めのオシオキにしとけばよかったかしら?」
「滅相もございません! とっても反省してます!」
「……よろしい」
「ねぇ、お兄ちゃんお兄ちゃん」
「ん、どうした?」
「この人、お兄ちゃんの何なの……?」
僕の肩越しに霧切さんを睨んで警戒している妹だった。
そりゃあ目が覚めたら兄である僕に問答無用の一撃を決めていたんだからなぁ。
怖がるなっていうのも無理な話がある。
「あぁ紹介するよ。この人はクラスメイトの霧切響子さん。ほら、挨拶しなよ」
「は、はじめまして! 兄がお世話になっています!」
「はじめまして妹さん。……フフッ、そんなに畏まらないで」
「それで、響子さんはお兄ちゃんの彼氏なんですか?」
「ぶっ」
妹はオブラート抜きで直球の質問をしてくるじゃないか。
霧切さんが何か逡巡しているみたいだけど、何だかこっちもドキドキしてしまう。
「そうね……ステディというよりパートナーと言った方がしっくり来るわ」
「パートナー?」
「ビジネス・プライベート共に苗木君には支えになっているのは確かね」
「……やったねお兄ちゃん、これは脈ありだよ」
「う、うるさい。それより何でお前が学園にいるんだよ?」
そもそもよく学園に入れたなお前――。
守衛の人に摘み出されるのが関の山だと思っていたら妹がドヤ顔でネックストラップにあるソレを取り出した。
「じゃーん! 入校許可証! ちゃーんと前もって手続きしておいたから問題ないですよーだ」
「ふーん。だったら何で僕の部屋に入れたんだよ。ちゃんとドアの鍵は掛けたはずなんだけどな……」
「それはね……ジャジャジャジャッジャジャーン! マスタァキィー」
妹のドラ声に合わせてゴソゴソとポシェットから取り出したるは一つの鍵。
――っていうか、それ学園のマスターキーかよ!?
何でお前が持っているんだと訝しんでいると隣の霧切さんが口を開いた。
「一つ聞きたいけど、その鍵。"誰"から借りたのかしら……?」
「うーんと、学園内を歩いている時に偶然職員の人と会ったの。それで"お兄ちゃんの寄宿舎はどこですか?"って聞いたら場所とこの鍵を貸してくれたんだ」
「その人の特徴とか覚えている?」
「確か……ちょっとカッコいいおじ様だったかな。……あ! それと響子さんみたいに綺麗な瞳の人だったよ!」
霧切さんの方をちらっと見ると顔が少し引き攣っている。
これはやっぱり――妹が会った人って学園長なんだろうなぁ。
後でしっかり御礼を言わなきゃな。
「それにお兄ちゃん、冬休み一度も家に帰って来なかったじゃん……」
「あー、ごめん……。学園でのことが忙しくて帰る暇がなかったんだ」
「お父さんもお母さんも口には出さないけど寂しがっていたよ? だからお兄ちゃん、今から一緒にお家に帰ろ?」
「急に言われてもなぁ……」
「ついでに希望ヶ峰学園に来たんだから舞園さんやエノジュンのサインやツーショットの写真が撮りたいなぁ……なんて思ったり。ぁ痛っ!」
「お前の欲望も駄々漏れだってのはよくわかったよ!」
妹の頭を小突いて霧切さんの顔をそっと窺う。
きっと僕の部屋を訪ねた理由は昨夜の仕事の反省会だろう。
もし妹が来なければ、そのまま一緒にご飯を食べたり探偵講座の座学をしていただろうに――。
「一応聞くけど、霧切さんが僕の所に来た理由って……昨夜の反省会のため?」
「それもあるけど……苗木君に"アレ"をしてほしくて訪ねたんだけど、また今度にした方が良さそうね」
ポーカーフェイスを繕っているけど、どこか寂しそうな様子を感じる。
別に"アレ"ならそんなに時間も掛からないし問題ないはず。
「別にいいと思うよ? "アレ"をするとしないとでは随分違うんだからね」
「いいの? ご家族に会う時間が減ってしまうのよ?」
「大丈夫大丈夫。僕だったら霧切さんの方を優先するよ」
「……ねぇねぇお兄ちゃん、"アレ"って何なの?」
「それは……"アレ"は"アレ"だよ」
「そうね、"アレ"としか言いようがないわ」
「もったいぶってないで教えてよ!」
――って言ってもねぇ。
伝授してくれた弐大先輩からは"門外不出の秘技だから決して口外するべからず"って約束してるし。
「まぁ見ればわかる。……と思うよ? ほら、霧切さん。脱いで」
「えぇ」
そう言ってブラウスのジッパーを下ろし脱ぎ始める。
開かれた胸元の隙間から紫色の下着が見えたところで慌てて明後日の方向を向く。
躊躇なく服を脱ぐ辺り迷いがないっていうか、男気があるっていうべきなのか――。
ふと視界に妹の姿を捉えたけど、何やら様子がおかしい。
「嘘……」
「えっ?」
「嘘、うそ、ウソ、嘘……!」
「ど、どうしたんだよ一体……?」
「嘘だよね? 嘘でしょ! 嘘だよね!! お兄ちゃんが妹の目の前でエッチなことなんてする訳ないよねっ!」
こえぇぇぇ!!
瞳孔開きっぱなしで胸倉掴まないでよ妹さん!
「違う! お前は一体何と勘違いしてるんだよ!?」
「そうなったら別の板のお話になっちゃうんだから!」
「メタな話でわかんないよ!」
「……苗木君。こっちの準備はできたわ」
妹言い争っている内に霧切さんの方は準備オーケーになったようだ。
ベッドの上で上半身裸のままうつ伏せになっている。
よし、始めるとしますか。
僕もベッドに上がり、霧切さんの腰の辺りに馬乗りする。
ポニーテールの後ろ髪を右肩に寄せて背中周りをよく見えるように。
妹がギャーギャー騒いでいるけど無視して霧切さんの背中を凝視する。
正確には霧切さん直伝の"観察眼"で彼女の血流を捉える。
――ここだ!
その箇所に親指をそっと添える。
「霧切さん、いくよ……?」
「お願い、待ちきれないの。早くして……!」
霧切さんの口からそんな言葉を言わせるなんて――。
彼女も今じゃ立派な"アレ"の虜になってしまったんだね。
それじゃ、いっちょ気持ちよくなってもらおうか!
「墳っ!!」
「んくぅ、あぁっ、はぁあああああああっ!」
クールな彼女からとても想像できないような嬌声が僕の部屋に響く。
「ほらほらほらっ!」
「ん、んんっ……! いい、わっ……!」
全身のツボというツボを押しまくる。
アタタタタタタタ!
霧切さんに残っている疲労よ、吹き飛んでしまえ!
「これで……終わりっ!」
「ああっ、ぁあぁああっぁああぁぁぁぁーーー!!!」
最後は首筋にあるツボを押し込んでクライマックス。
霧切さんはこっちが聞いてうっとりするくらい気持ちよさそうな絶叫を上げて仰け反る。
「ん……ふぅ…はぁ…くふ……っん……はぁ……」
絶頂の余韻に浸るように肩で息をしている姿を見ると僕の"アレ"は効果があったようだ。
「なーんだ、ただのマッサ「それ以上言うな!」……ひぅ!?」
「口に出したら最後。僕らは口封じされてしまうんだから……!」
「ご、ごめんお兄ちゃん……」
瞬時に筋肉の緊張をほぐし血行を促進すると同時に、静脈内のあらゆる物質を滝のように押し流す。
これにより瞬時に疲労が回復するという"超高校級のマネージャー"弐大猫丸先輩直伝の"アレ"。
霧切さんの探偵助手もどきをしている僕だけど、少しでも彼女の役に立てればと先日弐大先輩に頼み込んで教えてもらったというわけだけど。
内側から支えるという点で助手もマネージャーも似通っている部分があるだけに彼も共感してくれたのだ。
余談だけど実際に教えてもらうために先輩のマッサージを体験してみたけど、すごかったの一言に尽きる。
「わ、私……もうこれなしじゃ……生きていけない体になってしまいそうね」
どこかうっとりした表情でブラウスのジッパーを閉めて霧切さんの着替えが終わったようだ。
「とても気持ちよかったわ。流石ね、苗木君」
「どういたしま「お兄ちゃんお兄ちゃん! 私にも"アレ"やって!」……駄目駄目。霧切さん限定でしかやらないって条件で教えてもらったんだし」
「そこを何とか! ……っていうか、私も昨日の部活頑張り過ぎちゃって少し筋肉痛だったりして?」
「そうかそうか。だったら自分で湿布でも貼ってるんだな」
「もう! お兄ちゃんのバカッ!」
くっ、痛い!
筋肉痛ならこんなに力強く殴れないってば!
どうやってわがままな妹を黙らせるかで頭を悩ませていると霧切さんが妹の両肩に手を添えたのだった。
「そんなに熱くならないで……。お兄さんはあなたのことを思って言っているの」
「えっ、どういう意味なんですか……?」
「血の巡りをよくする"アレ"も一つ押し間違えれば血の流れを止めてしまうわ。最悪、死に至る可能性だってあるの」
「そんなヤバそうなもの、どうして響子さんは平気な顔して受けているんですか……!?」
"アレ"が失敗しない要因は二つある。
一つは霧切さんの白くて綺麗な肌にある。
雪のように白い肌から血の流れを捉えるのは指圧初心者の僕でも容易にさせてくれる。
もう一つは先に述べた霧切さん直伝の"観察眼"のおかげだ。
これら二つの要因で"アレ"をやったことで霧切さんの調子が悪くなったケースは今のところ一度もない。
「……苗木君を信頼しているから」
「「えっ?」」
霧切さんの予想外の回答に僕もびっくりする。
「彼は私のためを思って労をねぎらうんですもの。信じて受ける以外に他の選択肢があると思う?」
「き、霧切さん……」
「苗木君の押す指には想いが込められているわ。"お仕事お疲れ様"、"いつもありがとう"って気持ちが一緒に伝わってくるの」
「まさに"背中を預ける"だね!」
「誰が上手いこと言えといった」
「痛っ! 照れ隠しにぶたないでよ、暴力はんたーい」
お前みたいに本気で叩いているわけじゃないからいいだろ。
そんな兄妹の遣り取りを見ていて霧切さんがクスクス笑う。
「あなた達兄妹ってとても仲がいいわね。私は一人っ子だったから羨ましく感じちゃう」
「羨ましいだなんてそんな……。響子さん。いえ、お義姉ちゃんと呼ばせてください!」
「「……えっ?」」
「ここまでお兄ちゃんのことを思ってくれる人がいるなんて……。いい、お兄ちゃん? こんな素敵な人に出会う確率は一生に一度あるかないかだよ、わかってる?」
「どうしたんだよ、いきなり……」
「私よりも身長が足りなくてちょっと頼りないかもしれませんけど、けどお人よしで前向きだから辛い時は何より支えになります!」
「お前は僕を褒めているのか? それとも貶めているのか?」
「おまけにバカ正直だから浮気なんてしようものなら一発で見破れるから心配なし!」
「相対的に貶めているのがよくわかったよ!」
「あら、苗木君も幸せ者じゃない。こんなにもお兄さん思いの妹さんが家族で」
「そうかな……。霧切さんみたいな気品さを少しでも分けてもらいたいところだよ」
「じゃ、そういうことで帰ろう、家に!」
そういって僕と霧切さんの腕を掴んでズルズルと引っ張り出す妹だった。
「ちょっと、どうして私の腕も掴んでいるのかしら?」
「お義姉ちゃんも家族候補生だから一緒に来るの! さぁしゅっぱーつ!」
「待って! せめて着替えさせてよ! 僕、裸足なんだから……!」
―――――
次回予告!
「はじめまして、おばさま」
「あらあら、誠君もこんなかわいいお嫁さんを連れてくるなんて隅に置けないわ……」
「ちょっと母さん……!」
「でもこうしてまた響子ちゃんがお家に来る日が訪れるなんて。……運命かしら?」
「えっ、それどういうことなの……?」
"今明かされる、衝撃の事実!"
「忘れたの? 小さい頃一度だけ遊んだことがあったじゃない?」
そう言って母さんは金庫から一枚の写真を持ってきた。
そこには――
僕の癖っ毛を鷲掴みにして頬っぺたにキスをしている薄紫色の髪をした少女が写っていた。
何とも嬉しそうな顔の少女が果たして隣に座る霧切さんと同一人物なのだろうか――?
「……どう見ても幼い頃の私ね。今の今まですっかり忘れていたわ」
「それだけじゃないのよ? ほら、これも見て?」
「なになに、誓約書……?」
差し出された一枚の紙にはこんなことが記されていた。
―――――
誓約書
ぼく、まことはきょうこちゃんをしょーらいおよめさんにします
わたし、きょうこはまこちゃんをしょうらいおむこさんにします
○○年 □□月 △△日
なえぎ まこと
きりぎり きょうこ
―――――
「な、なななななんだべ!?」
あまりの衝撃に葉隠君の口調になってしまった!
霧切さんに至っては顔が真っ赤になっている!
"この後、母親の口から思いもよらない言葉が!"
「それにあなた達、別れ際になると離れるのが嫌でずっとチュッチュってキスしてばかり。見ているこっちが恥ずかしかったわ……」
「もうやめて! 僕らのライフはゼロよ!」
"一体、どうなってしまうのか!?"
〜 妹だけど、愛さえあれば関係ないよねっ! 伏魔殿編 〜
つづかない
>>917 まとめる人からすればコテハンあれば便利かもしれません。
しかし、一年以上こちらでSS投下していますが名無しで一度も不憫に思ったことがありません。
少し早いかもしれませんが次スレに移行しても名無しで投下することをご容赦ください。
グッッッッッジョブッ!!
ニヤニヤほっこりさせていただきました!
苗木妹にも名前つけてあげてもいいんじゃないかなぁ、とちょっと思ったり
実は幼い頃に……とか王道ものも好きなんだ
あとコテハンはぶっちゃけ個人の考えじゃないかなぁ
スレ自体でルールあるならそっちに準ずるよ
GJGJ!
ああもうこれは家族になるしかないな、うん!
…で、つづきを読むにはどんな隠しコマンドを入力すればいいんだ?
GJ!!
なんというか、こう…エロいな!
いいぞもっとやれ
GJGJ! 続けどこまでも
躊躇なく苗木君の前で脱げるのは、本当に苗木君を信頼しているからか、それとも…
コテハンというかあれじゃね、メル欄にタイトルでも適当に入れとけば
SS苦手な人がNGしやすいようになるとか、そういうのもあると思うよ
900の中の人です
ちょっと前にすっげぇいいSS投下されたのに気が引けますが投下させていただきます
私、霧切響子にとってこの手袋の下の傷痕は誰にも見せたくないものだ。
あまりにも酷く醜いこの火傷を、何も知らない他人は目を背ける。
彼だけ――苗木君だけは違った。
――僕は霧切さんが好きなんだ!
あの人によって希望ヶ峰学園に入学させられて半年ほど……
季節が秋へと移ろうそんな時期に苗木君から受けた告白。
嬉しかった。
同時に悲しかった。
何も言わず静かに手袋を外して彼に右手を見せた。
一瞬、言葉を詰まらせた苗木君がそこにいた。
(これでいいの……)
この手は探偵という裏の世界の住人である私と何も知らない彼との境界線。
助手として色々と手伝ってもらっているとはいえ本格的に浸かるには苗木君は優しすぎるから。
その優しさを、その笑顔を曇らせたくなかった。
だけど苗木君は私の右手を握り締めていた。
――僕には霧切さんのこの傷の痛みや背負ってるものを完全に理解することはできない。
誰も彼もが目を背けてきたこの手を握り締めて彼が放った言弾は私を撃ち抜き……
――でも一緒に分け合うことはできると思う……だから泣かないで
私は久しく流さなかった涙を流し彼を受け入れた。
授業もない休みの日
私は探偵としての依頼もないので食堂でセレスさんと紅茶を飲んでいた。
ここにはテレビもあるため桑田君や大和田君がチャンネル争いをしている。
今日は珍しく石丸君も参加していた。
「むっ、桑田君。ちょっと今のニュースを見せてくれたまえ」
「はぁっ?ニュースなんていいだろ別に」
少しでいい、という条件で戻されたチャンネルでは火災のニュースがちょうど読み上げられていた。
――された少女を救助した希望ヶ峰学園の生徒である男子生徒が怪我をし――病院に運ばれました
その場にいた全員が息をのんだ。
今日出かけた生徒は一人だけ。
特定するのは簡単だった。
「っ!」
走る。
幸い近くの病院であり走って行ける距離だ。
駆け出した私の耳にもうクラスメートの声は入っていなかった。
病院に着いた私はすぐに受付を済ませ彼のいる病室へと向かう。
「あっ、霧切さん」
ベッドから体を起こす苗木君は多少の擦り傷あどはあるが軽傷であった――その両手以外は。
「ははっ、大した怪我じゃないんだけど検査が……」
彼が話している内容が耳に入らない。
私はその手だけしか目に入らない。
「霧切さん……?」
私の視線に気づいた苗木君はその先を追い気づく。
「……何があったの?」
「……買い物途中で火災に気づいたんだけど逃げる途中で家族とはぐれた女の子がいたんだ」
苗木君は超高校級の幸運と呼ばれている。
「助けなきゃ!って思ったらその子の手を握って、ただひたすら歩いてた」
しかしその裏でもうひとつ呼ばれている名前がある。
「何とか防火扉までたどり着いてこの子の為に早く開けようと」
今回のような事故などに巻き込まれやすい事から……
「真っ赤に焼けたドアを握って開けたんだ」
超高校級の不運、と
937 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/21(月) 23:27:59.46 ID:uqrNq9Y6
彼の包帯の巻かれた両手を握る。
この包帯の下には私と同じような火傷の傷痕。
「辛くないの……?」
思わず苗木君に聞いてしまっていた。
辛くないはずないのに……
「辛くないって言ったら嘘になるかな……でも後悔はしてないよ」
そう言った苗木君を直視できず握ったその手を撫でる。
「……どうして?」
「不謹慎かもしれないけどさ……霧切さんと同じになれたんだなって」
「苗木君……」
「僕たちだけにしか分かり合えない絆のカタチ、そんな風に考えたら悪い事でもない気がするんだ」
本当なら怒るべきところだと分かっている。
でも怒れなかった。
だって私はその言葉に安堵してしまっていたから。
「……なら手袋、選ばないといけないわ」
「そうだね。霧切さん、選ぶの手伝ってくれるよね?」
選ぶ、といってももう私たちの間でどんな手袋にするのか決まっていた。
それは目に見える新しい絆なのだから。
はい以上です
普段のクセで改行し過ぎてたorz
924の人のがうま過ぎて恐縮しつつも投下させていただきましたノシ
939 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/22(火) 00:25:04.65 ID:69D12TGk
二人ともありがとうございます
面白かったっす
久しぶりに舞苗霧の結論でないギャグタイプの修羅場が見たいなぁ
誰か書いてくれないかなぁ・・・(チラッ
よし、任せたぜ言い出しっぺ
霧切さんと舞園さんのキャットファイトだって!?(難聴)
wikiテキトーに更新したんだけど、
あとで纏めて読もうと思ってるから内容に2ネタバレ入ってるかどうか見てないんだ…
ネタバレあったら注釈欄の更新お願いします…
あと補完ミスあったらそっちもお願いします
次スレは
>>970か
乙乙
もう次スレが近いか…早いもんだ
修羅場(軽度)もいいけど、
俺としては普通のガールズトークしている霧舞も見たい
個人的に苗木くんと霧切さんの関係は友達以上恋人未満が好きだな
一歩踏み切れない二人には非常に萌える
1と2の間の未来機関に保護されるまでのエピソード観たいな
ただ単にいっしょについていった わけじゃないだろうし
霧「苗木君…ちょっといいかしら」
苗「ど、どうしたの? 深刻そうな顔で…」
霧「……この、ジャバウォック島でのサンプルテストデータのことなんだけど」
苗「う、うん。ダンガンアイランドの件だね、何?」
霧「…この、一定の信頼関係を結んだ相手に、自分のパンツを渡すという制度は…」
苗「ああ、うん…何か、バグではないんだけど…そうなっちゃって」
霧「……これには、どういう意味があるのかしら」
苗「そ、そんな深く考えるようなことじゃないと思うよ」
霧「靴下ならまだしも、パンツよ。…何かの暗喩かしら?」
苗(霧切さんにとって靴下って、一体…)
苗「…あー、まあ、その。男子同士だったら、貸し借りはする、かな」
霧「……そうなの?」
苗「家に遊びに行った時とかね。あとは旅行先で、着替え忘れちゃったら…うん。そんなに異常ではないと思うけど」
霧「…けれど、女の子も日向君に、自分のパンツを与えているわ」
苗「う、」
霧「……異常ではないの?」
苗「だ、だからそれは…その、そういうことだよ」
霧「…? そういうことって何よ、よくわからないわ」
苗「いや、えっと…」
霧「普通なのかしら? 男女で、下着を交換するというのは……なら苗木君、」
苗「い、いや、普通ではないかな!」
霧「……」チッ
苗(舌打ちした…)
苗「だから、その……し、信頼し合っている相手、というか…友達以上というか」
霧「友達、以上?」
苗「うん…そういう深い関係の相手となら…そこまで異常ではないかもしれない、というか」
苗(…って、何を説明しているんだろう、僕は…)
霧「……苗木君」
苗「うん?」
霧「私たちは、共に死線をくぐり抜けた…いわば、相棒同士とも言える仲だと思うのだけれど」
苗「な、何? 突然…」
霧「そうよね…?」
苗「…まあ、霧切さんがそう思ってくれてるなら、嬉しいけど」
霧「…つまり。私と苗木君は、友達以上の関係にあるわ」
苗「え、」
霧「……違う、かしら」
苗「ち、違うってことは、無い…かな」
霧「……それなら、互いの下着を与えあっても、その…不思議じゃない、ということよね?」
苗「霧切さん、それって…」
霧「……だから、ここまでいえば…分かるわね?」
苗「あ、あの…」
霧「……パンツ、を、」
霧「…貴方のパンツを、寄越しなさい」
苗「……」
霧「……」
苗「……いや、おかしいよね?」
霧「…何よ。友達以上なら、異常ではないのでしょう?」
苗「えーと…どこで何が間違ったのかな…」
霧「……そう。貴方とは友達以上の関係にあるのだと思っていたけれど、どうやら私の独りよがりだったようね」
苗「そ、そういうことじゃなくて」
霧「苗木君にとっては、私は友達以下の関係だと…」
苗「そんなこと言ってないってば!」
苗「そ、そうだ、霧切さん…ほら、テストデータ、見てよ」
霧「……?」
苗「日向君は、女の子からパンツを貰うことはあれど、自分のパンツをあげたりはしていないよね?」
霧「……そうね」
苗「つ、つまり、男子が女子にパンツをあげるのは、おかしいんじゃないかと…」
霧「……」
苗「…えっと」
霧「…つまり苗木君は、私のパンツが欲しいの…?」
苗「何で!?」
霧「……いらないの?」
苗「そ、そういうことじゃなくって…!」
苗「ほ、ほら! 第一、僕、今パンツ持ってないし!」
霧「…今履いているのがあるでしょう」
苗「……脱げ、とおっしゃる」
霧「何か問題があるかしら?」
苗「…て、ていうか、さ…もし、それ、僕がさ…」
霧「……苗木君? 顔が真っ赤よ」
苗「もし…僕が、霧切さんのパンツ欲しいって言ったら…霧切さんは、どうするの…?」
霧「……」
苗「……」
霧「…何言ってるのよ。ここで、貴方の目の前でパンツを脱いだりしたら、私は変態じゃない」
苗「ごめん、霧切さんが何言ってんの?」
霧「…それとも苗木君は、私に、今ここでパンツを脱げと…?」
苗「言ってない。言ってないから、そんな目で見ないで」
霧「とにかく苗木君、早くパンツを脱ぎなさい。そして寄越しなさい」
苗「何か主旨変わってない?」
霧「変わってないわ。それとも、…やっぱり貴方にとって、私は…」
苗「大切な仲間だよ! でも、それとこれとは…」
朝「…苗木と霧切ちゃんが、エッチなこと話してる…」
葉「いや、苗木っちがからかわれてるだけだべ…」
っていう、なんか風邪で寝込んでたら変な電波受信した
真顔で苗木君をセクハラ紛いにからかう、分かりにくい霧切さんを見たかったんや…
Wiki更新お疲れ様です
最近大量のナエギリを吸収出来て幸せに満ち溢れてる
作家さんマジ感謝
>>950 GJ!
苗木よ、そこは強引にでもパンツを貰っておくべき場面だぞ!
パンツを貰う事を放棄したことで靴下を貰う権利を得たと考えよう
900の1レスSS
935−937のSS
がwikiに入ってない
690からのクリスマスSS後編の冒頭部分が重複してました
所持品のPDA〜フィルムを開封し一本取り出して口に咥えてみる。
までが重複してるかと思われます。
修正方法分からないのでどなたかお願いします。
>>950 霧切さんは天然で聞いてあたふたしてる苗木君を見て首を傾げて?な疑問顔とゆうのが浮かんじゃった……
>>950GJ
苗木くん大好きな霧切さん..いいよね....
相変わらずこのスレには超高校級のSS職人が集ってるみたいですね(歓喜)
>>950 GJ!
ニヤニヤクスクスさせてもらったべ
父さん母さん今日も霧切さんスレは平和です
>>950 乙乙!
ああもう、二人とも可愛いなあ!
やはり名コンビよな
それで、この後のパンツ交換会の模様はまだかね
ある日の放課後
『ギイイィィィヤアアアアアァァァ!!!!!』
叫び声とともにTV画面がのほとんどが赤色の何かで埋め尽くされる。
眼を背けたくなる光景だが我慢する。正直一人で見てたらDVDの再生を停止してたかもしれない。
だけど隣にいる人物の存在がリモコンに手を伸ばそうとする感情をギリギリで踏みとどまらせる。
超高校級の探偵、霧切響子。
いつの頃からか彼女が暇な時、こうして放課後一緒に映画のを見る事が多くなっていた。
きっかけは他愛ない会話のその時やってた映画の内容について盛り上がったからかもしれない。
本日のジャンルはスプラッタホラー、正直画面が赤いのは苦手だ。血の色が違う色だったら平気なのに……。
などと考えながらなるべく画面を注視しないようにしながら(それでも過激なシーンでは反応してしまった)鑑賞が終わった。
「リアルな表現が売りらしいけどイマイチだったかしら?
私としてはもう少しストーリーの方に力も入れて欲しかった……なんていうのはこのジャンルにはお門違いかしらね?」
普段物静かな彼女だが映画の話になると多少饒舌になるようで心なしか声が弾んでいる。
普段ならそれが嬉しくもあるのだけれど今の僕にはそれに反応する余裕はなかった。
「……そうだね、まあ僕としてはスプラッタ描写が過激すぎてストーリーを追えなかったからトリックにはすっかり騙されたけど。」
「なるほど、そういう目の逸らせ方もあるのね」などと一人で頷いている。こういうのも職業病なんだろうか?
「それにしても、出ている俳優さんが結構豪華なのに聞いたことがないタイトルだったね。日本じゃまだやってないやつだったの?」
彼女がわざわざ持ち込んだデッキと映像に字幕もなかったので多分海外で発売された奴なんだろう。
トリックに騙されたのは会話がよく聞き取れなかったからもあるけどそれは黙っておこう。
「そもそも日本じゃ上映許可が降りないんじゃないかしら?スプラッタ描写が過激すぎて多分ソフト化もこちらじゃ無理ね。
向こうでの宣伝文句としてのNR(NotRated)ではなく正真正銘の無審査のやつだから」
「あー、やっぱりそうなんだ・・・。過激すぎて少し気持ち悪くなっちゃったよ、暫く肉料理は無理かもハハハッ」
それを聞いて安心して白状する。まあ彼女の観察眼なら隠しててもばれてるだろうし。
「・・・・・・!」
あれ、不味いこと言ったかな?
「……そう、じゃあ私はまとめなくちゃいけない書類もあるからこれで失礼するわ。」
「えっ、夕食は食べていかないの?」
普段はそうするのに……
「書類をまとめながら軽くすませるから、それじゃあね。」
そう言うとさっさと荷物をまとめてしまい止める暇もなく部屋を出ていってしまった。
「・・・はあっ、明らかに不機嫌になってたな。この程度のスプラッタで気持ち悪くなったとか言ったから情けない男とでも思われちゃったかな?」
彼女は探偵だ。それも警察から協力を求められるほど優秀な超高校級の探偵、あまり話してはもらえないけどきっと殺人現場とかにも
何度も出くわしているのだろう。本物の死体を見慣れていればあんなまがい物のスプラッタなどどうとでもないのかもしれない。
「彼女に見合う男になるなら強くならなきゃな。」
急に寂しくなった部屋で一人ごちた。
・
・
・
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ー希望ヶ峰寮廊下ー
彼の部屋を足早に退室したが少し後悔していたがしかし、その場に留まっている訳にもいかなかった。
彼が、ああいう過激描写が苦手なのは前から知っていたし、その反応を見るのが少し楽しかったのも事実。
今回とっておきのスプラッタ映画をチョイスしたのもそれが見たかったからだ。
思惑通り素直な彼らしい反応が見れたのはよかったが、彼はこの袋に気づいていただろうか。
持っているスーパーの袋を恨めしそうに見る。どうして私は見終わった後振る舞おうと思っていた夕食の献立を肉料理にしてしまったのだろう。
わかっている、久しぶりに彼と過ごせるので私は浮かれていたのだろう。
それにしてもちぐはぐ過ぎた。自分だってスプラッタはそんなに得意ではないしその後お肉を食べたいとは思わないのに
彼の好きなものとしか考えてなかった……。
「・・・はあっ」
大きくため息をつきながら未練たらしく彼の部屋のドアを見るがもう戻れるわけがない。置いてきてしまったデッキとソフトは今度取りに行こう。
誰もいない寂しい廊下を重い足取りで自分の部屋へ戻っていった。
あがが文字数制限確認のつもりが書き込んでしまった・・・
>>890に言われて再受信してみたものです。
一応ジャパニーズホラー鑑賞会に続く予定なのですが・・・
あんまりおもしろくないかも・・・スミマセン
>>961 GJ!
ジャパニーズホラー編も待ってるぜ!
今宵も霧切さんが夢枕に立ってくれることを願いつつ就寝
しかし衰えないなこのスレは
このままアニメまで突っ走りたいもんだべ
アニメでも頭にカップ麺をかぶってくれるのだろうか
頭にかかるカップめんの味が変わったりして
塩ラーメンとか カレーチーズ味とか
967 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/23(水) 11:56:01.90 ID:eWwgRYNw
霧切さんの潮味ですと!?
苗木「それは僕だけの専用だからあげないよ」