【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.9】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@お腹いっぱい。
超高校級の“???”である「霧切響子」(CV:日笠陽子)について語るスレです(キリギリッ)
◆ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生(※音量注意)
http://danganronpa.com/

◆キャラ総合スレ
【論破】ダンガンロンパキャラ総合【7回目】
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1312334728/

◆前スレ
【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.8】
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1330840331/

◆ダンガンロンパSSまとめwiki
http://www43.atwiki.jp/dgrpss/

次スレは>>950ぐらいでスレ立て宣言してから立ててください。
sage進行推奨でお願いします。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/26(土) 15:44:04.65 ID:aGrBgeKE
>>1乙
3名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/28(月) 11:21:32.94 ID:g4tswEGK
もう9か。早いもんだ。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/29(火) 16:34:12.55 ID:BDbsa+cx
>>1乙。
このペースだと、2出る前にFILE.10いくんじゃないかw
5名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 15:07:38.18 ID:JN+HtvP8
> ゲーマー……土海千秋(CV花澤香菜)

うーん、外見的要因は一番臭いと思うんだが、アナグラム的なものはないか?
まあ直球に苗木性と霧切性を使うとは思わなかったけど。
6名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 17:55:44.64 ID:iNp/PpSp
2が楽しみすぎて眠れねーw
7名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 19:00:12.79 ID:OSKM22of
>>5
内面的なら狛枝が引き継ぎまくってるよね。仲間を信じる、どこか不思議な雰囲気、アドバイスにサラッと毒舌。怪しすぎるが。
七海千秋はすぐ眠くなるなしいけど…そういうのはないな、二人とも。
8名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 19:07:07.28 ID:cBnI0pg5
狛枝「最後には希望が勝つ、僕はそう確信してる」

・・・苗木くんの希望論?とはなんかベクトルが違うような気がするんだがな。
当初のサポート要因は狛枝だとは思うが。
9名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 19:47:31.83 ID:Ryq2rgC2
でも十神がふつうに出てるんだから
そんなに時間が経ってないんじゃ無かろうか
おそらく狛枝は全国放送で苗木の言葉に感銘を受けて
苗木に憧れて偽名を名乗っているとか

まぁここは霧切さんのスレだし霧切さんの話題で盛り上がろうぜ
10名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 19:48:49.48 ID:UDDPYONW
リュックの子は七海千秋っていうのか
まあ胸のサイズはゲフンゲンフンだけど、あれだけ似せてるんだから何かしら霧切さんと関係はあるんだろうな
11名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 19:51:56.25 ID:cBnI0pg5
「何をいうの、そっくりじゃない!」
12名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 20:04:12.85 ID:OSKM22of
>>9
並べて見ると結構違う…あと初期の性格に戻ってるからまだ別人と思ってる。
>>10
新しいスクショはそこまで似てない気もしてきた。あとあくび画像見て霧切さんのあくびが見たくなった。
13名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 21:10:10.73 ID:Ryq2rgC2
あくびをする霧切さんだと……!?
何か受信しそうだ

普段は隙を見せない霧切さん
ところが今日はやけに眠そう
珍しい事にあくびまでしてる
疑問に思った苗木君
理由を尋ねると……
14名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 22:01:47.21 ID:mH1TA10B
「スロー過ぎてあくびが出るわ」
「……はい?」
「『スロー過ぎてあくびが出る』と言っているのよ」
「あの、意味がよくわからないんだけど」
「……苗木君、私達が付き合いだしてから、もうどれくらい経つか覚えてる?」
「う、うん……七年、だよね」
「そう。つまりはそういうことよ」
「え? そういうこと……って……?」
「……はぁ……あなたって本当……」
「ごめん……響子さん、お願いだから僕にもわかるように……」
「……人間関係を醸成するには相応の時間が必要というのも一つの真理かもれないわ。
 でもね。それにしたって限度というものがあるの……特に女には。ここまで言えばわかるわね?」
「え、えぇっと……?」

みたいなのは斜め上ですか
斜め上ですね
15名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 22:06:00.65 ID:oqBTJMfK
うんちょっと分からない
16名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 22:49:59.03 ID:tH+3o1ax
ゼロ読んでて気になったんだが、

音無を詰問しようとして結果的に彼女を傷つけるはめになるかもしれないが仕方ない。
何故なら彼女は探偵でしかないからだ。

みたいな文章があったが、十神に「人の心を軽んじてるとしっぺ返しを食らう」って
言った人とは思えないな。思慮分別は十二分に持ち合わせていると思ってたんだが
17名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 23:14:47.78 ID:PnM9BV8k
>>14
早く私にプロポーズしなさいってことでいいのかな
まあ苗木君から切り出さなかったらずっとそんな感じになりそうな気はするな
18名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 23:23:31.69 ID:OSKM22of
>>16
ゼロは読めてないが、探偵だし相手をまったく傷つけないのは無理だろう。事件の真実って誰かを傷つけるものだし。十神みたいに無意味に傷つけてるわけじゃなくてさ。なんというか軽んじてるわけじゃ無いと思う。
相手を傷つけてしまったことで自分が恨まれたりするのは承知してるというかみんなが傷つこうが知ったことか!というわけじゃないわけだし。
すまん、うまく説明できん。
19名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 23:28:25.30 ID:mH1TA10B
少なくとも本編の霧切さんは人の心の機微をまったく顧みないような人ではないよね
Chap1の裁判後に苗木を気遣ったり
だから>>16の場面には俺も若干違和感があった

>>17
うい
分かりにくくて申し訳ない
やっぱり推敲もせずに書き散らすとダメだな
20名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 23:30:12.46 ID:OSKM22of
そのときの霧切さんってアフターケアとか全く考えずに詰問してたのか
21名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/30(水) 23:52:19.17 ID:msuUMCYS
いや既に何人も人死にが出ていて、早急に情報を得る必要がある状況だったんだから
むしろ思慮分別があればこそ、諸々の状況を勘案して最善の行動を選択したんじゃないか?
霧切さんの言うところの中立ってのは多分そういう意味なんじゃね
それが人の気持ちを軽んじているとかそういうこととはイコールにはならんと思う

>>20
詰問途中にアクシデントが起こって、会話相手とはそれっきりなのでなんとも
一応その会話相手をそのアクシデントから助けたりはしている
22名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 00:26:37.75 ID:Mfv0R781
よくよく考えると、超能力に目覚めた(と勘違いした)音無も霧切さん殺そうとしてたなw
23名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 08:32:46.23 ID:Bcs2gmby
ゲーム中でも山田と石丸の死体を発見した時に一瞬だけ沈痛な顔を見せたり、決して情の薄い人間ではない
そういう個人的な感情と自分がその場でなすべきことをきっちり分けて行動できる人なんだと思う

そしてそんな霧切さんが唯一感情を暴走させたのがスネギリ事件と
24名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 12:37:22.20 ID:ZFYPp7Qe
そう考えるとまたグッとくるものがあるのう
どんだけ苗木に心を寄せてたんだよっていう
十分深入りしちゃってるじゃないですか霧切さん!
2513だが遅くなりました:2012/05/31(木) 13:41:22.00 ID:7PHrQWMZ
携帯から&長文失礼
「んっーー」
腕を突き上げて伸びをする、背中の筋が伸びた。それと同時に少しだけ眠気が覚める。

「どうしたの霧切さん?腕を伸ばしたりして、なんだか眠そうだね」
まだ教室には私達しかいないようで、私の隣に座る苗木君が話しかけてきた。

「寝不足なのよ。――最近どうしても解けない謎があって、ね」
「霧切さんでも解けない謎があるんだ?」

「えぇ、その謎について知れば知るほど謎が深まっていくのよ」
何せ今まで経験したことの無い問題なのだから

「……すごく難しい問題みたいだね。僕で良かったら少しは手伝うよ」
「霧切さんの助手だし、役に立ちたいんだ」

「……助手、ね……。結構よ」
そんな義務感で手伝うなんて、言わないでほしい

「――あなたに手伝ってもらう方が余計にややこしくなるもの」
「そんなー」
「気持ちだけ受け取っておくわ、ありがとう苗木君」
私の悩み事の原因が分かってて言ってるのかしら


――翌日――
「おはよう霧切さん」
「……おはよう、苗木君…」
また教室には私達しかいないようだ
「ふぁ〜……ごめんなさい…だめね…全然寝付けないわ」
「霧切さんがあくびしてるところ初めて見たよ」
そりゃ私だって人間だ、あくびくらいするわ

「ふぁ〜〜ごめんなさい…どうしても眠くて」
「やっぱり、例の謎が解けないの?」
「……そうなの、本当にごめんなさいね」
「こんな恥ずかしい事、普通ならしないのだけれど」
こんなだらしない姿は人には見せられない。
でも苗木君の前では不思議と落ち着く

「そんなこと気にしなくていいよ。…だって僕と霧切さんの仲じゃないか」

「!……あなたはよっぽど私の事を睡眠不足にしたいようね……」
「え?どういうこと?」
「苗木君のクセに生意気ね」
私がアナタの事で悩んでるって、知ってるのかしら……今日も眠れそうにないわね…。
26名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 13:43:08.08 ID:7PHrQWMZ
―さらに翌日―
「おはよ…!霧切さん…目の下のクマが」
「………あぁ、苗木君…おはよう」
今日は教室に入る前に苗木君に出会った……

「もう諦めなよ……どんなに大切な謎なのかは僕にはわからないけど」
「それで霧切さんが体調崩したら意味がないよ」

「いいえ……この程度の…謎を解け…なくて…何が探偵よ…必ず…解いて……みせるわ」
「もう限界じゃないの!?」
確かに限界が近い……
「苗木君…ごめんなさい、15分だけ仮眠を取らせてもらうわ」
「いい…?きっちり15分よ……」
「分かったよ」


霧切さんは空き教室に机に伏せっている。
…何でも仮眠をとるには寝転ばない方がいいらしい

…15分じゃどう考えても少ないな、もうちょっと寝かせてあげよう


それにしても霧切さんの寝顔
「カワイイな……」
つぶやいた途端、急に悪戯したい気にかられた。
……ダメだ、霧切さんは僕を信用してくれてるんだから
……でも本当にカワイイな。――多分僕しか知らない霧切さんの寝顔。

見てたらどんどん引き寄せられる。
キレイな白い肌、艶やかなまつ毛、目鼻立ちが整った顔。
いつもは感情を押し殺して、たまに険しくなる顔も、今は穏やかになっている。

さっきから時計の針の音と霧切さんのわずかな寝息しか聞こえない。
……僕の激しく高なる心音を除けば。
約束の15分はとうに過ぎた。
ダメだ、ダメだ。待て、早まるな、落ち着け苗木誠。
寝ている霧切さんに今から行おうとすることは、酷い裏切りになるんじゃないだろうか

構わない。
どうせグッスリ眠っているんだ。起きやしないさ。
いつも助手をやっている正当な報酬だって。
これくらいの役得があっても別に罰は当たらないよ。

僕の中の陳腐な天使と悪魔が争っている。
普段の僕なら天使が勝つはずだった。
けれど、今回勝利したのは……
27名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 13:44:59.10 ID:7PHrQWMZ
「ごめんね、霧切さん。……でもアメとムチって言うでしょ?たまにはご褒美も必要だと思うんだ」
自分に都合のいい解釈をして……
霧切さんの唇に、あたかも誘蛾灯に吸い寄せられる哀れな蛾の様に
フラフラと吸い寄せられていった……

後30cm……もう自分の心音しか聞こえない。
20p……耳がキーンとする。視界を占めるのは霧切さんの唇だけ。
10p……頭がクラクラする、血が頭に集まりすぎているのだろう。
興奮しているのに冷静だ。僕も目を閉じた。もう一秒もしない内に僕は霧切さんの唇を奪う。
言いようのない優越感の様なものが体を駆け巡った――その時だった。

「…なえ…ぎ……くん」
まさか目を覚ましたんじゃ!?恐る恐る目を開いた……
が、霧切さんの目は閉じられたままだった……。
冷や汗をだらだらかきながら、少し距離を取った。


……危ないところだった。僕は危うく犯罪者になるところだった。
――それも霧切さんを傷付ける最低の……。

思い止まれて本当に良かった。――そう安堵した瞬間!
「…なえ…くん……あなた…わた…のこと…どう…おも……」
「わたし……あな……こと………すき……」
一部聞き取れなかった所はあった。
が……もしかして、霧切さんは僕のこと………

そう思った途端、まともに霧切さんの顔が見れなくなった。
照れや気恥ずかしさではない。――激しい罪悪感だ。
僕は何てことをしようとしたのだろう。
それに仮に霧切さんが僕のことを好きであろうと無かろうと
僕を信頼してくれていた霧切さんを裏切った。

霧切さんを裏切った。――その罪悪感だけで胸が張り裂けそうだ。
さっきとはベクトルの違う胸の痛み。
ごめんなさい、ごめんなさい霧切さん。

僕は霧切さんを起こして、一目散に空き教室から逃げ出した。


――――――
「15分って言ったのに」
「ごめんなさい、ごめんなさい霧切さん」

「……そんなに謝らなくても平気よ…お陰で少しは体が楽になったもの」
「ごめんね。僕ちょっと体調崩したみたいで、今日は早退するよ」
「私のせいかしら?なら私も早退しようかしら」

「いや、霧切さんは授業受けなよ」
「でも苗木君は……」
「一人で大丈夫だし…とにかくごめんね」
「苗木君!……私が寝てる間に何かあったのかしら」
28名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 13:46:13.84 ID:7PHrQWMZ
「霧切さん、それは私が教えてあげます!」
「舞園さん!?……あなた何か知ってるの?」
突然、開いたままの扉から級友の舞園さんが入ってきた。

「えぇ、私エスパーですから。実は……………ということでして」
「……えっ!苗木君が私に……?それは本当なの?」
「はい!だって私、一部始終…じゃなかった。エスパーですから」
何か不穏な言葉が聞こえた気がしたけれど、完全に覚めていない頭では処理できなかった。

苗木君が私に………。それってつまり……いや、確証がもてない内は断定できない。

どうやら寝不足はまだまだ解決しそうにない。
――こうなったら直接苗木君に問いたださないと。


――――――
どこをどう走ったか覚えてはいないけれど、僕は自室にいる。
何てことをしてしまったんだ……
無防備な霧切さんの寝顔を見ていたらつい――なんて言い訳にもなりはしない。

今なら衝動的に罪を犯してしまった人の気持ちがよくわかる。
さっきの光景が脳裏をよぎる。……カワイイな
……って、反省しろ!この馬鹿!!
何とか踏み止まれたから良かったものの、明日からあわせる顔が無いよ……。

「ごめん霧切さん……」
思わず口をついた相手のいない謝罪
すると同時に霧切さんの顔がフラッシュバックする。
最初に会ったときは、無表情だった霧切さん。
……次第にクラスにとけ込んでいって色んな表情を見せてくれるようになった。
――もっとも僕にしかその違いは分からないらしいが。
罪を憎んで人を憎まず。
よほど悪意をもって犯行を行った者は別として。……霧切さんは犯人には寛容だ。
けれど僕を許してくれるだろうか。――万が一許してもらえても自分を許せそうにないが。

そんな風に、霧切さんと過ごしてきた色んな思い出達が、頭の中を縦横無尽に駆けめぐる。
……そして今日の出来事を思い出す。――胸が苦しい、ズキズキ痛む。

「ごめんね霧切さん……ごめんなさい」
自業自得とはいえ、明日からまともに霧切さんの顔が見れないだろう。
……辛い、今までの僕はどれほどの幸運の持ち主だったか…ようやく理解できた。

今までずっと霧切さんの傍にいれたんだ。その幸運を全て自分で台無しにしてしまった。
できる事なら、さっきの邪な考えを持った自分を殴り飛ばしたい。


オイ、よく考えろよ。霧切さんは眠っていて気付いてなかったろ?
明日からも今まで通り普通にしてれば、何も問題ないだろう。

大体あれは脈アリだって、寝言は無意識下で思ってることが――

ゴンっ……鈍い音が室内に響いた。
「っっっ!!」
今度はちゃんと殴れた。
本当は大和田クン…いや大神さんにやってもらいたいくらいだ。

結局その日は一睡もできなかった。
霧切さんに対する謝罪と罪悪感、それに自分を戒めていたら……。
29名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 13:49:27.96 ID:7PHrQWMZ
ピンポーン
誰だろこんな早朝に
「はい……っ!霧切さん!」ダメだ、まともに顔が見れない。
「おはよう苗木君、体調はどう?」
「うん?……あぁバッチリだよ」
自分で言ったことを忘れてた……それに昨日一睡もしていないからバッチリとは言えない。

「そう……。ね、部屋に入れてもらってもいいかしら?」
「えっ、ちょっ、ちょっと霧切さん!?」
僕の返事を待たずにズカズカと部屋に入る霧切さん
「ねぇ苗木君、どうしてあんなことしたの?」
「!!あ…あんなことって……?」
霧切さんに見えないように手を後ろにやりながら、その手をつねった。

「……とぼけたって無駄よ」
いつだって真実を見抜く霧切さんの目
――だけどいつも頼りになるその目を今日は見ることができない。
それでもプレッシャーは伝わってくる。観念しよう。
霧切さんに嫌われても仕方ない。
「……ごめんなさい…つい出来心で…」
気の弱い犯人が言うような弁解
「つい?」
絶対怒ってるよ。…いや仕方ない。
怒られて当然、下手すれば二度と口を聞いてくれないかも。
――それならせめて、僕の気持ちだけでも

「本当にごめんなさい。許してもらえるとは思えないけど、これだけは言わせてほしい」
「……霧切さんがカワイイから、あの無防備な寝顔がとても素敵だったから」
「だからつい……」

「………あなたは可愛い女の子が寝顔を晒していたら、キスしようとするのかしら?」
「それは違うよ!…キス、しようとしたのは霧切さんだから……」
「……好きな女の子だからだよ!!」

昨日一晩寝ずに考えて出た結論だ……。
どうして自分でも驚くような蛮行に出たのか……理由はシンプルだ。
好きだから……霧切さんのことが好きだからだ!
「!!好きだから……そう。苗木君…目をつむって……つむりなさい!」

「……はいっっ」
おそらく平手打ちがとんでくるのだろう…歯も食いしばった。
これで許してくれたら嬉しい、そんなはず無いのに。
あぁ目の前に霧切さんの気配を感じる。
ぶたれるっ――けれど僕が予想していた衝撃は一向に訪れず。
「私もよ」

代わりに唇に柔らかい感触を覚えた。
「!?○☆△!!?」
「これでやっと、グッスリ眠れるわ……」
そのまま僕を下敷きに、ベッドへ倒れ込む霧切さん

今日初めて見た霧切さんの顔は赤く染まっていて……目の下のクマも酷くなっていた。
「あなたが私の睡眠不足の原因よ…お休みなさい」
「それと、いくら好きでも眠っている時にするのは感心しないわね」

そう言って僕に覆い被さっりながら、寝息をたて始めた霧切さん。

一方僕の方も顔を真っ赤にしてはいるが、霧切さんのようには眠れなかった。
確かに僕も寝不足だが、この状況で眠れるはずもない。
文字通り目と鼻の先に霧切さんの唇があるが、正にいま釘を刺されたところだ。
30名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 13:51:55.11 ID:7PHrQWMZ
僕は生き地獄というやつを体験している。
霧切さんの柔らかい体、温かい体温、とてもいい香り、予想外に軽い体、そして鼻をくすぐる吐息
理性が限界を迎えそうだ。
何とか葉隠クンのスクール水着で気を紛らわせようとするが
その度に霧切さんが身をよじったり、「…なえぎくん…」と僕に囁いたり……。
もう無理、…もう無理。
僕のちっぽけな理性が今まさに敗れようとした時
「苗木くん大丈夫ですか?いくら寮内でも戸締まりくらは…」
この声は……舞園さん!

「ご、ごめんなさい!いつまで経っても部屋から出てこないんで!」
「いや、あの!」
「すいません、急いで出ますね!本当にごめんなさい」
「皆には風邪をひいて休むって伝えておきます。…お大事に」
状況を説明することなく舞園さんは出て行ってしまった。


「行っちゃった…。どうしよう、誤解…でもないのか、いやそういう問題じゃ……」
「う〜ん……どうかしたの苗木君?」
「い、いや……その」
「?…まだ眠り足りないわ、おやすみなさい」
ぎゅっと僕を抱きしめた霧切さん。
む、胸が……
「えっ!霧切さん、ちょっと…それはまずいよ……」

随分とすり減ってしまった理性の糸は、ぷちんと断ち切れてしまったのだった。

ごめんね霧切さん。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 16:17:28.05 ID:hHKbp1Rd
GGGJ!!!

俺も今日は寝れそうにないぜ・・・
32名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 19:43:00.19 ID:ZFYPp7Qe

今夜はいい夢見れそうだ
33名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 21:17:22.81 ID:u8zVDpj0
>>24
通信簿イベントラストの「これで終わりにしましょう」も、きっとこれ以上深入りしたら冷静でいられなくと思ってのことなんだろうな
まあその後にスネギリ事件が待っているわけですが
34名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 21:44:22.48 ID:p9q+pzzw
思えば霧切さんが平常心を失うのは、父親か苗木君が関わる時だけだったな
あれ? これってつまり霧切さんの中で苗木君は既に父親と並ぶくらい大きな存在になってるってことじゃね?
35名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 23:12:24.26 ID:FpxUj1g5
なるほど…
もう「家族になるような人」に内定していたわけだな
36名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 23:34:18.48 ID:V77EhtoX
霧切さんがやけに苗木のことを気にかけていたのは
消されたはずの記憶がどこかで作用していたからでは、という気がしてならない
37名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 23:43:50.37 ID:9mBsujMO
おそらく苗木君の尽力で霧切さんは父親と和解していて
その時に苗木君に特別な気持ちを抱いて……
そんな感じでお願いします。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 08:26:13.67 ID:2coNzOi3
「探偵の生き方に縛られるな」という親父さんの言葉もどこかで影響してたんじゃないかなあという気がしたり
39名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 11:01:02.59 ID:3TklE5Lq
「探偵を卒業して普通の女の子になるわ。そして…苗木君のお嫁さんになります」

って思い浮かんだ。
40名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 11:16:21.92 ID:uwz6JtXS
VFBの運動会で、苗木の隣に座っていつも見せないような笑顔をしてるんだから・・
41名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 14:15:07.29 ID:ufq4UohM
あの笑顔は本当に最高すぎる
探偵の職務を離れた時はああいう表情も意外と頻繁に見られるのか
それとも「あの位置取り」だからこそなのか…
42名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 14:55:34.33 ID:5ISwS3X3
ナエギリ好きなのは良いけどキャラ消すなよ・・・
43名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 16:55:30.16 ID:20PO7Uxt
>>41
そりゃお前、特別なポジションにいる時だからこその笑顔に決まっておろう
本編でもあんな笑顔を見てみたかったぜ
「ふっ」って感じの微笑も素敵だけど
44名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 19:58:11.86 ID:2coNzOi3
笑顔ももちろんだがあの写真最大のポイントは霧切さんの体が苗木君の方へ微妙に傾いていることだと思うんだ
45名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 20:10:57.28 ID:A/PGbCLp
絶対ただの級友以上の関係だよな
46名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 22:21:23.52 ID:VybQi9m2
苗木って「超高校級の普通」とか卑下してるが、フラグ立てはラノベ主人公並だよね
47名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 22:42:17.76 ID:/qK6BZy0
裏切られたとはいえ苗木を意識してた舞園さんと言うまでもなく霧切さんがツートップで
他は通信簿で仲良くなっても恋愛フラグ的なものとは微妙に違う感じはしたけどなあ
だからこそ霧切さんと苗木の関係が特別に感じるわけだけど
48名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 22:44:49.64 ID:VybQi9m2
朝比奈さんは一歩手前っぽいが。
まあ霧切さんルートには敵いませんがね!
49名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 22:46:53.74 ID:aKPBhmdy
>>47
ちゃっかり自分を売り込む残姉もその下くらいに…スタッフ曰く意識してたらしいし
でもやっぱ霧切さんが素敵です…いいよな、苗木とのコンビ。
50名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 23:28:12.34 ID:o6ITU3TT
そういやさ、苗木が「霧切さんの笑った顔すごくかわいいよ」って言ってたけど
本編中では霧切さん微笑み顔くらいしか見せてないよな
これもあるいは消えた過去の記憶の残滓が口にさせた言葉では…というのは考え過ぎか
51名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 23:33:12.13 ID:uyoViSDX
ところで、SSwikiへの補完状況とか今どうなってる?前のスレもう落ちちゃってるけど・・・
52名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/01(金) 23:51:42.48 ID:3TklE5Lq
>>50
その発想はなかったw 記憶はなくとも体が覚えてるとかよく言うし
その可能性は高いな
53名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/02(土) 02:54:24.86 ID:VfErh6w3
>>50
素晴らしい発想だ…俺は支持するぜ

>>52
記憶はなくとも体が覚えてるですって…? いやらしい!
きっと○○○とか×××に至った時に「あれ? 初めてのはずなのに、この感じどこかで…」とかそんな風になるのね!?
54名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/02(土) 08:46:18.98 ID:rcVg/8K9
アナザーストーリーCDのボーナストラックって、霧切さん出番ある?
55名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/02(土) 11:45:28.78 ID:TwzPMmB7
ボーナストラックは舞園さんの独白
霧切さんの出番は通信簿イベントの1回目+2回目のミックス(「バカ正直な苗木君〜」)と、
3回目(騙されたフリ)の2トラック分
後者の声付きでうろたえる(フリをする)霧切さんはなかなか味わい深いと思う
56名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/02(土) 14:45:28.77 ID:rcVg/8K9
深入りしないといいつつ、家族候補に立候補するとか聞くあたり内心寂しがってると見た。
まあ捕まえたのが苗木くんだし、寂しさを感じる余裕はないだろう。
57名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/02(土) 17:05:44.09 ID:ar71q6vP
>>55
あの騙されたフリは実に良かった
フリだったことをバラした後の「騙されるわけないじゃない」もなんかちょっと得意気でかわいい
声が付くとまた違った味わいがあるもんだ
58名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/02(土) 17:18:56.78 ID:rcVg/8K9
トン、2千円くらいお布施と思うべきか・・・
59名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/02(土) 20:27:49.44 ID:TwzPMmB7
一方BOX特典の方は霧切さんの出番少なくて残念じゃった
まあ他で目立っている分バランス的に仕方ないのか
60名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/02(土) 20:38:09.29 ID:rcVg/8K9
2の出番はセレスティアなんとかさんとかと比べれば希望はある方だよね。
61名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/02(土) 22:32:20.52 ID:TwzPMmB7
「手袋の下を見ることになるのは〜」のくだりでクシャナ殿下を連想してしまったのは俺だけだろうか
62名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/02(土) 23:30:24.73 ID:MOnQ/pTC
その発想はなかったw
まあ霧切さんはクシャナ殿下に劣らず男前だけども
63名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 01:02:29.18 ID:jd+56/rt
ルックスといいキャラといい話し方といい化物語のガハラさんが下敷きなんじゃね?と思うけどなあ
探偵という職業に持ってきた辺りが秀逸だった
同作品に出てるから選択肢としてはあったのに安易に中の人かぶらせなかったのもなお良し
64名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 01:17:19.56 ID:Hs8XN6sl
ガハラさんとは全然違うと思うのだが。感情をあまり表に出さないくらいでは性格とかは全然違うだろ。ガハラさんみたいに他人を拒絶してたわけでもないし他人に攻撃的でもないし。
それに見た目も表現としての髪の色が紫に近いくらいじゃないか。霧切さん銀髪だし。
あと胸の大きさが全然ちが…
65名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 01:21:30.80 ID:WSR3Shnx
>>64>>64!!
どうした、返事をしろ!
66名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 04:06:09.54 ID:7i3JjMiQ
ガハラさんの下敷きぃ?
他に近いキャラもっといるけどなぁ
67名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 10:02:37.91 ID:su5LEqfc
霧切さんの可愛さは唯一無二ですよ?
68名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 10:48:05.38 ID:ZbqyZv9Q
クーデレだからってなんにでも似てる似てるいうもんじゃないよ
69名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 11:23:58.53 ID:cwDUq/Q8
昨日クリアした。
プレイ中に最も絶望したのが、4話以降、霧切さんと自由行動出来なかった事なんだが、これは2周目をやれという事か・・
70名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 11:50:10.00 ID:WSR3Shnx
後半は全部霧切さんとの自由行動じゃないですかー
71名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 12:49:29.57 ID:uk+YBZlV
あれか、霧切さんの通信簿イベントを後の楽しみにとっておいたら終盤選択できなくなってぐえーってパターンか
そうして葉隠の通信簿が埋まることになったのが俺だ
72名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 16:21:33.99 ID:su5LEqfc
>>70の言う通り、後半は本筋が霧切さんの個人イベントみたいなもんだからな
途中から自由行動時間不可になるのはそれとの兼ね合いだろうから、まあ仕方ない
73名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 17:34:16.09 ID:WSR3Shnx
苗木本人の登場は狛枝でないと思うんだけど、霧切さんはパラシュートで
ジャバウォック島にダイブ!とかないだろうか。無論アダルト霧切さんね!
74名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 20:09:47.41 ID:tKcL4PO1
霧切さんの自由行動時間イベントはやっぱり一周目のうちに最後まで見ておきたいものだな
手袋を外すあのシーンで霧切さんの心情を想像してニヤニヤできる
いやニヤニヤしてる場合じゃないんだけど
75名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 22:15:46.07 ID:/PXGuhtk
そうしなければならない必要がある以上、あの場面で素手を晒すことに霧切さんには躊躇いはなかっただろう
しかしすべての決着がついた後になってから、苗木君に素手を見られたこと、そしてそれをどう思われたかが次第に気になったりして
そして学園を出る前に苗木君の部屋を訪れて「私の手を見て、あなたはどう思った…?」と内心僅かにびくつきながらも尋ねてみるとか
そんな通信簿のXページ目のイベントが画面に映らないところで起きていたはず
76名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/03(日) 23:08:09.97 ID:uk+YBZlV
そ、そのイベントはメダルを何枚積めば見られるのだね!?
77名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 08:31:15.52 ID:CCP6UbxZ
いますぐそのイベントをSS化するんだ
78名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 12:33:31.60 ID:3e+oJ4GD
だが待ってほしい
ずっと体を洗えなかった苗木君は裁判が終わってすぐ風呂に向かったはずだ
つまり>>75のようなイベントは苗木君の部屋ではなく浴場で発生するということにはならないだろうか
79名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 15:06:34.56 ID:TsI0kpxb
前のスレで勧められてた「隻眼の少女」、苗霧好きなら読んだ方がいいかも。
詳しい事は言えないけどいろんな意味であの二人を連想してうああ・・・ってなるから。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 19:12:40.78 ID:CCP6UbxZ
>>78
お風呂トークとな
貴様天才か…!
81名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 19:33:16.34 ID:9Ekj93nA
苗木「先にシャワー浴びてこいよ」
82名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 20:01:42.61 ID:TsI0kpxb
>>81
霧切「・・・」
苗木「ご、ごめんなさいっ!つい出来心で言っちゃっただけだよ・・・!」
83名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 20:03:39.62 ID:TsI0kpxb
霧切「勿論遠慮なくシャワーは浴びるわね。ただし、苗木くん?
その間に貴方が何をするか、よぉく考えて行動すること。い・い・わ・ね・?」
84名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 20:08:34.04 ID:wQYvmvNT
ナエギリが2でちゃんとくっついてるって示唆する描写来て欲しいし可能性は十分あるだろうから期待
85名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 20:28:05.91 ID:TsI0kpxb
ゼロとか読むと分かるけど捻くれた解答は出さないし、外見からの共通で
千秋が霧切さんの関係者だと睨んでる。

裏切ってくれるならそれでもいいけどね。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 21:35:18.35 ID:HOFKSEA6
公式のキャラ紹介みるに千秋ちゃんも推理のできる子っぽいね
ゆるい感じの雰囲気は霧切さんとは真逆だが、苗木側の血が濃く出たと思えばあるいは…
苗木妹も舌足らずな感じだったし
87名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 23:01:36.54 ID:3e+oJ4GD
「お母さんが『ゲームなんかやめて家業に専念なさい』って煩くて…」みたいな台詞が聞けて、ニヤリとできたらいいなぁ
…あんまり勝手な期待膨らませてたら裏切られてヘコみそうだけど
88名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 23:06:11.24 ID:TsI0kpxb
もし霧切さんの愛娘だったら、よく超高校級のゲーマー枠で入学とか許したもんだよな。
そりゃ探偵として目立たないかもしんないけど。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 23:17:02.03 ID:GL6isIU/
しかしいつでも眠くなってしまうとかナルコレプシー患ってるのかな
だとしたらまさに眠りの小五郎に!!
90名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 23:22:19.02 ID:TsI0kpxb
裏で探偵として動き回りつつも、趣味のゲームもやりたいチアキチャーン。
結果寝不足の毎日なのでした。
91名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 23:22:55.40 ID:4el7R4GM
妹様みたいに他の能力隠すためにあえて「ゲーマー」って名乗ってたりして
個人的妄想だと超高校級の”学習能力(ラーニング)”とか
んで霧切さんの観察眼とかのスキルは幼少時に既に苗木のようにラーニング済、と
92名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 23:26:07.52 ID:TsI0kpxb
霧切家は探偵としては影の存在でいなくちゃいけないわけだし、改姓はあり得ると思うんだよ
93名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 23:29:51.96 ID:4el7R4GM
いつでも眠くなってしまうのは高い”学習能力”がある反面、脳の働きが過剰になり過ぎるからとか・・・
いかんいかん、妄想が膨らみ過ぎてきた
94名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 23:35:32.67 ID:T9wbxl7U
成る程、自分の娘の優秀さと可能性を危惧して、安全の為にあえて"ゲーマー"と名乗らせてる訳だな、ママギリさんは
95名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 23:35:38.19 ID:GL6isIU/
もっと情報が上がらないことには判断できないな・・
96名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 23:37:54.95 ID:TsI0kpxb
娘の予想外の才能に頭を抱えるママギリさんとちょっと困った顔のパパ木さんとか予想。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/04(月) 23:50:25.28 ID:1U2B5dG2
娘にゲームでこてんぱんにされる霧切さんとか想像するに胸熱
98名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 08:20:58.64 ID:jGlCowHd
娘と夫がゲームをやっている横で
「またそんな下らないものを…」「あまり甘やかしてはダメよ、誠君」
とか言いつつ、仲間に入りたそうにチラチラ見ている霧切さんください
99名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 12:09:06.46 ID:e5uiMyxU
苗木君が娘にかかりきりで拗ねる霧切さんとな
100名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 13:02:25.69 ID:Jklg4ZEi
娘にかかりきりで拗ねる霧切さん……だと!
また受信しそう

だらしない娘の世話を焼くお父さん(苗木君)
娘ばっかり構う旦那に拗ねるお母さん(霧切さん)
「いつもあの子の事ばかり構って……」
「だってお母さんと違って手がかかって仕方なく……」
あえて自堕落になる霧切さん
呆れながらも世話を焼く苗木君

ってとこまで
後は頼む
101名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 18:03:06.35 ID:eaPVzEwl
ゲームばかりしてちっとも探偵修行をしない千秋に激怒したママギリさんがゲーム機を壊して
千秋が大泣き、パパ木さんオロオロとか。
102名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 18:42:14.14 ID:94RJF8A7
あとで大変な恥をかく可能性のあるレスがたんまり
103名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 19:03:40.02 ID:eaPVzEwl
もしかしたら大当たりだったりする可能性もあるもん!
104名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 19:30:30.83 ID:jGlCowHd
まあ妄想するなら今のうちだからな
踊れるうちに思うさま踊ろうぜ
105名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 21:33:42.95 ID:UTgbq3AJ
霧切さんも携帯ゲーム機を喜んでくれるんだ
案外ゲーム好きかもしれないぜ?
「軽い頭の体操にはちょうどいいのよ」みたいな
106名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 21:34:41.57 ID:6tuSWeGs
実は重度のフロム脳患者だった霧切さん
107名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 22:48:33.14 ID:e5uiMyxU
依頼のない日は家族総出でモン●ンに興じる探偵一家
そんな未来図
108名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 23:24:39.12 ID:r5uHcNaJ
霧切さん……モンハン派
娘……ゴッドイーター派
苗木……どっちでもいい(こっそりファンタシースターもやってる)

とかだったら面白い
109名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/05(火) 23:46:03.95 ID:aTXsQJID
なんとなく、霧切さんは表面上は興味なさげにしていてもそういう遊びに結構ムキになるタイプという気がする
110名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/06(水) 08:32:02.13 ID:SQNO4gb1
>>79
霧切さんに巫女の格好させればいいのか
111名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/06(水) 09:07:44.99 ID:FEvFKUKz
新ジャンル、巫女ギリさん!いやあの作品だと巫女じゃなくて探偵って事になってるんだけど。
112名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/06(水) 12:39:56.29 ID:ON+d/2FJ
「この世には不思議なことなど何もないのよ、苗木君」

…これは巫女じゃなかったな
113名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/06(水) 13:16:24.64 ID:cXND2qPQ
苗木君のくせに生意気よをきいて事後を想像したのはおれだけじゃないはず
114名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/06(水) 15:40:06.79 ID:XUkHAzif
「苗木君のくせに生意気ね(涙目)」ということか
115名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/06(水) 16:28:29.02 ID:FEvFKUKz
179 :枯れた名無しの水平思考:2012/06/06(水) 14:48:12.75 ID:QDWQQVoXO
>>175
生存キャラのうち霧切と腐川はあんまりおっぱいないぞ
むしろ巨乳率の高い2の女子の中では貴重な貧乳枠
これは生き残りあるで


おまいら、戦闘準備だ。
116名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/06(水) 19:25:13.81 ID:SQNO4gb1
おっぱいのことで争うなんて空しいぜ
そんなことは霧切さんのおっぱいだって望んじゃいないさ
住人の数だけ霧切さんのカップサイズもある…それでいいじゃないか
117名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/06(水) 19:34:36.73 ID:g/OCypZU
霧切さんのおっぱいの大きさは苗木君のみが知るわけだ
118名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/06(水) 22:06:32.99 ID:dI1SZ9/U
どういうことだ!? 説明しろ苗木!
119名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/06(水) 23:46:31.39 ID:XUkHAzif
それは言えないよ!
120名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/06(水) 23:50:48.28 ID:RtV4CegG
セクハラ星人!
121名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/07(木) 01:32:41.99 ID:OlS0vU+6
霧切さん死んでないといいなあ…
流石に死んでたら前作やった身としては気が重くなるわ
122名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/07(木) 01:38:49.58 ID:okd/k8hk
苗木っちのほうが生死に関してはグレーだと思う。
狛枝みたいのがいるとオリジナルは大抵殺されているってのがオチだからな。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/07(木) 08:25:00.42 ID:Y8QyaJ+Z
カムクラの存在がキーになるとしたら、カムクラに何かと因縁のある霧切さんも関わってきそうな気がするが…
どうなんだろう
124名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/07(木) 12:47:54.60 ID:CTur8jl7
OPで苗木君と二人並んで仲良くプレス機にかけられる霧切さん
……なんてことにはならないことを祈る
125名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/07(木) 18:47:46.12 ID:h/Xt9QS7
きっと豚神の中から霧切さんが出てくるんだべ
俺の占(ry
126名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/07(木) 21:14:07.06 ID:Y8QyaJ+Z
ノリノリで十神のモノマネをしている霧切さんを想像してちょっと萌えた
127名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/07(木) 22:27:57.31 ID:p1NlAKlP
霧「『十神の名にかけて、だ(キリッ)』……どう、似てるかしら?」
苗「プフッ…似てる、似てるよ霧切さん!」
霧「『愚民め…(キリギリッ)』」
苗「プッ……あはははは!」

十「……」
128名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/07(木) 23:32:28.84 ID:h/Xt9QS7
なんかかわいいなw
129名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/08(金) 02:33:49.35 ID:6O4qSfxI
>>121
>>122

この作品の作風だと有り得そうで怖いんだよな。前作キャラの衝撃的な末路ってやつは
驚かすってことも大事だがこういうところはキャラを大事にして欲しいと思うんだけどね
もしナエギリが明言されて喜んだの束の間例えば
ゲーマーちゃんが両親はもう死んでるとか言い出せばここに即座に該当するからな
130名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/08(金) 08:30:28.47 ID:UP7eEE8Z
>>114
「苗木君の癖に生意気ね(憮然)」
「苗木君の癖に生意気ね(怒)」
「苗木君の癖に生意気ね(微笑)」
「苗木君の癖に生意気ね(照れ)」
「苗木君の癖に生意気ね(涙目)」
「苗木君の癖に生意気ね(泣き)」

どれがいい?
131名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/08(金) 12:54:51.94 ID:36vf/Taq
マスター、(涙目)を頼む
132名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/08(金) 14:48:29.50 ID:mRXXPIOX
是非(照れ)で
133名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/08(金) 17:15:24.60 ID:tgLcJzrT
ならば俺は間をとって(嬉し涙を浮かべながら照れ)で
どんなシチュなのかはわからんが
134名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/08(金) 19:00:00.64 ID:sMazlpIy
(微笑)最強で!
135名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/08(金) 19:48:45.81 ID:36vf/Taq
>>133
苗木君がズバッと男らしくプロポーズすればあるいは…
136名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/08(金) 20:21:55.80 ID:mRXXPIOX
つまりそこに至るまでに様々な葛藤やすれ違いがあって……
「霧切さん!僕と結婚して下さい!」
「…苗木君のクセに(ここまで待たせるなんて)生意気ね」(嬉し泣き)
ってことですね。
137名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/08(金) 22:03:34.64 ID:UP7eEE8Z
こう、あれだ
何かのきっかけでこれ以上苗木君を探偵の世界には巻き込んではいけないと考えた霧切さんが自分から別れを切り出すんだけど、
「それでも僕は君と一緒にいたいんだ!」と苗木君に言弾を撃ち込み返されて霧切さんぼろぼろ嬉し泣きとか
そんな感じを希望しますです
138名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/08(金) 23:53:22.58 ID:4E2k72Co
なにそれ見たい
139名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 03:17:45.04 ID:4SgW5z1U
苗木は罪な男よの
140名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 10:56:50.91 ID:Ep/nfEBT
SSがみたいよ〜誰か↑ので書いてくれよ〜

ところで昨日久しぶりにプレイしたんだが…結局霧切さんの動機って何なんだろな?
141名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 13:58:30.22 ID:WvzSxGGP
1章は家族の映像だろうが2章はどうだろうな
パッと思いつくのは手袋の件だが、それが動機になるかっつーとアレだな
まぁ、江ノ島も動機提示ごときで霧切さんが動くなんて最初から思ってないだろうが
142名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 15:05:34.64 ID:fOr8zQgH
手袋より苗木君の写真見ながらオ○○○してたとかバラされたほうが精神的ダメージは大きい気がする
143名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 16:30:30.74 ID:ndCDfxjm
2章のは苗木くんとの嬉し恥ずかし初デート、ノーカット無修正版だな
144名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 18:59:11.45 ID:9eIcsGDe
いくらなんでもそれはないだろう そんな事したら記憶が消されてるのがわかってしまう
恐らく学園長が自分の父親で その父親と決別するためにわざわざ身分を明かして入学した
ってことだろう
145名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 19:02:15.49 ID:DTWrgdLM
146名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 20:25:47.36 ID:VcDmEN2b
>>143
それは流石の霧切さんも顔色を変えざるをえないなw
…で、その映像はどうすれば見られるんだ?
147名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 21:43:03.32 ID:16eKLKl2
LOLLIPOP CHAINSAWと言うゲームの主人公の声優が霧切さんと同じな件について
148名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 22:35:15.66 ID:4SgW5z1U
「霧切響子は小6までおねしょをしていた」
149名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 22:58:34.85 ID:WvzSxGGP
いやいやいや
それはさすがに……無いよな?
150名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 23:32:11.66 ID:YNAEL6qM
うん、まあ無いだろう
無いだろうけどしかし、おもらし霧切さんという言葉には実に甘美な響きがありますねハイ
151名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/09(土) 23:45:56.66 ID:qCjShJTs
なんで動機が苗木絡みになるの
152名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/10(日) 10:03:18.85 ID:9IlkSAkZ
2は南の島か…青い海、白い砂浜、輝く太陽…
霧切さんがいないのが悔やまれるぜ
153名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/10(日) 12:36:33.87 ID:mBKxDpcV
1の舞台にビーチがあれば、霧切さんも水着を着てくれたのだろうか
154名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/10(日) 15:10:51.14 ID:maD/72jX
水着に手袋……実に浪漫があるな
155名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/10(日) 18:20:39.82 ID:dg3QXhdB
その浪漫はよくわかるが現実的に考えて手袋の中に海水が入らないようにするんじゃないか

つーか海には行かないかと万一手袋が流されたりしたら……
あれ?水着流されるよりもそそられる?
156名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/10(日) 19:25:40.08 ID:3czYMyo/
手をかばうことに気を取られるあまり、実は水着も流されていることに気付いてない霧切さん
157名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/10(日) 21:24:39.02 ID:9IlkSAkZ
手袋をしていては自分で日焼け止めクリームを塗れないよな
苗木君、ここまで言えばわかるわね?
158名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/10(日) 23:09:37.54 ID:aD6MkcT8
水着といえばプールの集合写真があるじゃないか
…そういやあの写真でも手袋してたな
159名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/10(日) 23:36:55.50 ID:pRBY0S1Y
やっぱり家族になる人にしか見せないというわけですな
160名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/10(日) 23:55:19.37 ID:9IlkSAkZ
防水加工もばっちりというわけだな
流石オーダーメイド

あの写真もいいものだが俺としてはスクール水着よりもだな、こう、ヘソの見えるようなのを…
161名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/11(月) 08:25:11.59 ID:MFL20wc9
あの写真、舞園さんと二人並んで座っているが
一体二人で何を話していたのか気になるべ
162名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/11(月) 12:49:02.81 ID:UVv6L2VC
意外と仲良かったりしたのかな
163名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/11(月) 17:15:27.03 ID:vURMRQSV
F91で、ママンの人柄だけじゃなく仕事ぶりも愛していたパパンが主夫と土木作業に身をやつしていてな

何が言いたいかと言うと、苗木くんは
「僕は響子さんを愛している、だけどそれと同時に彼女の探偵としての姿も愛していたんだ・・」
とか言ってくれたら俺得
164名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/11(月) 19:13:35.25 ID:MFL20wc9
な、なぜ過去形!?
165名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/11(月) 21:48:39.36 ID:6HnjFcKl
バリバリ働く霧切さんとそれを支える主夫苗木君もいいが、
俺としては主婦業を頑張る霧切さんも見てみたい
166名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/11(月) 23:19:08.84 ID:UVv6L2VC
慣れない料理をしようとして、指先を包丁で切ってしまう霧切さん
横で見ていた苗木君が慌てて手袋を脱がせて指先の切り傷を舐めてあげる…
という展開になるのなら俺によし
167名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/11(月) 23:29:40.87 ID:EH0dREUZ
霧切さん将来はお嫁さん志望だから
意外に家事もバリバリ出来るかもね

料理の時は苗木君の好みの味を必死に推理する霧切さんとか。。
168名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/12(火) 00:40:19.25 ID:W/5RvE2Q
料理出来ない霧切さんが想像不可能
169名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/12(火) 02:56:33.38 ID:lGo0xdQX
今更かもしれんが集合写真で霧切さんが苗木君の左側にいるのは
やっぱり霧切さんとは親密な関係だからだろうな
写真を見るに苗木君は右利きだろうし、守るべき存在を左側に置くのは自然なことだと思う。
男が女を守る。そして女は男に守られる。
こんな言い方したら差別的かもしれないが……。

そして自然に苗木君の左側を陣取り、少し苗木君に身を寄せているのは意識の有無に関わらず好意の表れだと思うんだ。
つまりお互い惹かれあってるのは間違いないと思う
俺が深読みし過ぎてるだけかもしれんが……
170名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/12(火) 08:31:37.53 ID:8WjPpTgT
あそこまで距離が近いんだ
そりゃひとかたならぬ関係なのは間違いなかろうて
まあもう一方のサイドには舞園さんがいるわけだが…

なにが言いたいかというと学園生活中のこの三人の恋の鞘当がみたいです
171名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/12(火) 12:23:08.00 ID:3keM0V7w
霧切さんはきっと料理はできても教科書通りの無難なものしか作れない
長く両親のいなかった自分にはいわゆる「家庭の味」的なものは出せないんじゃないか?
苗木君の舌を満足させられる料理を作れないんじゃないか?
と、思い悩んで悪戦苦闘してほしい
172名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/12(火) 13:54:29.05 ID:P7AlHlmZ
そこで苗木家に花嫁修業をしに行く霧切さん
優しい姑―お義母さんだな、とは対照的にきつく当たってくる妹ちゃん
苦難の末苗木家の味をマスター。見事に苗木君の胃袋をがっちりキャッチ

さぁそんな展開をはやく頼む
173名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/12(火) 14:22:16.62 ID:W/5RvE2Q
>>169
右利きとかのくだりは完全にこじつけ
174名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/12(火) 20:02:12.23 ID:PMaVqdWq
>>169
なるほど…いい考察だ
あれだな、「僕が彼女を守るんだ!」な男前苗木と、
「苗木君のくせに生意気ね」なんて言いつつ内心嬉しくてたまらない霧切さんとか、実に胸熱だな

>>172
霧切さんvs苗木妹とな
なにそれ見たい
175名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/12(火) 21:20:00.40 ID:S04MjI6q
白鐘直斗と出会ったら意気投合するのか、それとも同族嫌悪で嫌い合うのか。
苗木くんはどっちにしろオロオロすると思うが。
176名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/12(火) 21:24:44.17 ID:8WjPpTgT
>>174
霧切さんの前で胸を強調して勝ち誇る妹ちゃんが見えた
177名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/12(火) 23:26:27.55 ID:3keM0V7w
一人っ子だったので義妹ができて嬉しい霧切さん
兄をとられたみたいで面白くない苗木妹
懐いてもらえなくてちょっとヘコむ霧切さん
でもまあ、いろいろあって最終的には仲良くなったりするといいなぁと思います
178名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/13(水) 08:58:26.62 ID:ZtCcD0e0
霧切さんと苗木君の娘はやはり妹ちゃん似になるのだろうか
179名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/13(水) 11:05:23.27 ID:NWwtMae6
>>170
でネットとかに[苗木]超高校級の修羅場[爆発しろ×43]スレとか
が立つんですね わかります
180名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/13(水) 14:22:22.26 ID:ZtCcD0e0
修羅場ってるのもいいんだが
苗木君の話題を肴にあーだこーだとガールズトークを繰り広げている図も見てみたかったり
181名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/13(水) 18:35:26.67 ID:MxqD74hs
むしろ霧×舞でも俺は一向に(ry
182名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/13(水) 21:52:27.94 ID:DkcKFeTk
なぜだろう
居酒屋で酌み交わしながら管を巻く二人が見えた
183名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/13(水) 23:00:50.86 ID:ZtCcD0e0
それもアリだな
二人ともいろいろ溜め込んでそうだし
お互い思いの丈を(某M・N氏に対するものも含めて)吐き出しあえばいいよ
184名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/13(水) 23:47:13.94 ID:MxqD74hs
そして酔いつぶれた二人を送り届けるために電話で呼び出される苗木君まで幻視できた
185名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/14(木) 08:31:22.73 ID:Q/4uBJqO
こう…酔った霧切さんがネクタイを緩めてブラウスの襟のボタンを外しているところとか
ぜひ見たいですねハイ
186名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/14(木) 13:38:38.55 ID:9LJDbMSW
2はついにパンチラ解禁らしいな
霧切さんがいないことが悔やまれるべ
187名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/14(木) 14:20:57.48 ID:KWao3y5g
まって、冷静に考えてみようよ。
生き残ってて尚且つ人気投票1位の霧切さんを出さないわけがない!!
希望を捨てちゃだめだ!!
188名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/14(木) 19:11:37.77 ID:Q/4uBJqO
ちくしょう1でもパンチラ解放してくれていれば
1章捜査パートのあのシーンとか!
梯子を昇るあのシーンとか!
189名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/14(木) 19:27:14.22 ID:LEdiLxzU
おまいらもちろんぺすぺ傾けて覗き見ようとしたことあるんだろうなっ!?
190名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/14(木) 19:48:20.52 ID:Q/4uBJqO
聞くまでもなかろうよ!(キリギリッ
191名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/14(木) 21:25:12.40 ID:zmuj2xLI
霧切さんがマヨナカテレビに写ったらどんな姿になるんだろう。
ロリータファッション着て「パパ大好き!」って言うのか、それとも下着姿で
苗木くんに「早く来て・・・」か。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/14(木) 21:26:18.77 ID:9LJDbMSW
誰だってそーする
俺もそーする
193名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/14(木) 23:15:41.39 ID:mLc33X4K
今週のファミ通に載ってたイラストを見て気づいたんだが、
狛枝だけじゃなく千秋ちゃんもフード付きのアウター着てるのね
霧切さんを思わせる髪と瞳の色に、誰かさんを思わせるフード…これはもしや
194名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/14(木) 23:41:58.09 ID:g9YPy9wG
本当だ
言われて気づいた

第一報の時はフード無かったよな?
後から書き足されたならそこに何がしかの意図を感じてしまうが…
外れてた時に凹みそうだから期待は程々にしとくべか
195名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/14(木) 23:56:15.74 ID:Q/4uBJqO
誰から死んでもおかしくない感じだからなあ
でも希望は捨てちゃダメだぜ?
196名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 08:34:54.55 ID:PvpSbWoN
こりゃ千秋ちゃん生き残り確定だな・・・ゲロブタちゃん頼む死なないでくれ!
197名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 11:37:50.66 ID:Lj9lwzJO
>>191
霧切さんが一番認めたくないものって無意識に父親に執着している自分だろうから
多分そっち方面じゃないか
198名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 14:18:24.85 ID:cUSLhV1+
久々にナエギリはまってきてみたら
未だに現役このスレワロタww

きっとオレみたいなスーパーダンガンロンパ派生で来るやつが
増えるんだろうなぁシミジミ
199名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 15:10:33.20 ID:28SD2ao1
霧切さんにプレゼント渡した時の台詞集みたいなものってどこかにないだろうか
200名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 15:33:45.30 ID:PvpSbWoN
>>195
ちょっと待ってほしい。
両親であるナエギリが死んでいたりすれば、娘であると仮定する千秋があんなゲーマーで
呑気そうな子に育つだろうか?
201名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 15:44:21.80 ID:I6JKlARu
なるほど、両親が甘いから呑気な子に育ったに違いない。
きっとお母さんが口うるさくしても、お父さんが娘に甘いんだな。
そして娘ばかり構うお父さんに嫉妬するお母さん………
……ごちそうさまです
202名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 16:00:06.42 ID:WjS5Apz3
キリギリッ

ならぬ
ギリギリッ
ですね、わかります
203名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 17:07:01.62 ID:29Rx4bOr
日向「七海のお母さんってどんな人?」
千秋「んー、KosーMosとセルベリアと足して二で割って白鐘直斗の要素を入れたカンジ?」
日向「じゃ、じゃあお父さんは?」
千秋「パパは各種ゲーム主人公の平均値に前向きのグラフだけMax的な人だよ」
204名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 18:44:58.19 ID:zoBW5i+G
霧「ゲームね…いいんじゃないかしら。私も子供の頃はよくやったものよ」
苗「え、そうなの? ちょっと意外だな…」
霧「探偵修行の一環としてね。『ポートピア』は私の探偵としての原点よ」

という可能性もあるのではないか
205名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 20:03:48.93 ID:Lj9lwzJO
ポートピアかよw
206名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 21:21:59.97 ID:PvpSbWoN
しかしパーカーの件はよく誤魔化してあるなあ
既存イラストでも判別は出来るのに今まで気づかなかったもん。
207名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 22:21:01.83 ID:P8fc/vl4
正面立ち絵だと普通の立て襟に見えるよね
まあ、まだ実際霧切さんや苗木君と関係あるかはわからんけど
208名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 23:03:32.08 ID:7Q+yFRy2
>>203
KOS-MOS:巨乳
セルベリア:巨乳
白鐘直斗:巨乳

どういうことだ!? 説明しろ苗木!
209名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/15(金) 23:56:50.03 ID:Lj9lwzJO
そうかわかったぞ!

霧切さんは かくれ□ょにゅう
210名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 00:42:52.24 ID:MllwL7u5
オマエラ…
サイズからみると霧切さんちっさくないぞ
むしろ大きい方だろう
211名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 02:39:57.88 ID:YedAtuwk
霧切さんがゲームをするとしたら、
ポーカーとかチェスとかビリヤードとかのテーブルゲームが似合いそう
212名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 04:19:33.80 ID:NZ217agd
霧切さんはみんながわいわいビリヤードやってる傍ら
椅子に座って本読んでるイメージ
そこに苗木がやって来て
213名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 09:24:04.28 ID:/MU+PbKi
苗木「霧切さん、ロボトルしようよ!」
214名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 11:05:05.10 ID:ARYFEbMO
>>210
無理がある
215名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 11:14:00.24 ID:v3IymMcC
>>214
胸じゃなくてお尻の話という可能性が
安産型だよ!やったね苗木!
216名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 13:33:38.35 ID:/MU+PbKi
そういやメダロットでパイプブレインという探偵型メダロットがいたな・・・
「こんな幼稚なもの・・・」といいつつ、探偵家業に使えるように魔改造する霧切さん
217名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 16:11:52.56 ID:h7pbmspk
推理ゲーをプレイ中、横で見ていた霧切さんに
耳元でそっとネタバレを囁かれたい
218名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 17:00:55.52 ID:MllwL7u5
むしろ逆

霧切さんにネタバレして、
オシオキされたい…
219名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 18:00:39.67 ID:VA1bTE5+
三日は口を聞いてくれなくなるぞw

そこはわからないフリをしながら霧切さんに優しく教えてもらおう
220名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 20:17:24.83 ID:jQ6A3Owm
他愛もないことで拗ねてしまう霧切さんというのもそれはそれで…!

本編のスネギリ事件みたいに理由がある場合は、それを理解すれば許してくれるだろうけど
>>218みたいに完全にこちらに非がある場合はどうすれば許してくれるだろう
221名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 22:06:49.51 ID:h7pbmspk
苗木っちに対してなら、捨てられた子犬のような眼で誠心誠意ごめんなさいすれば
「仕方ないわね…」とため息つきつつ(3日目くらいで)許してくれるのではないか

という願望
222名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/16(土) 23:34:05.81 ID:Dd8eLbRb
拗ねた霧切さんのあまりにつっけんどんな態度に耐えかねた苗木君、臍を曲げて自分も拗ねてしまう
そんな苗木君の様子に(嫌われてしまった!?)と内心オロオロするもどうしていいか分からない霧切さんが見たい
223名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/17(日) 09:47:54.62 ID:qI7GU+62
スネギリさんといえば、漫画版の方で仲直りシーンがさらっと流されてしまったのはがっかりだったよ
まあ大神さん視点だから仕方ないんだが
224名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/17(日) 12:53:25.38 ID:QQZMVoUY
スネ中の霧切さんの心理描写があっただけでもあの漫画の価値はある
225名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/17(日) 14:13:15.12 ID:hTcwS907
新スレに移行してからまだ一本しかSSが投下されてないのは由々しき事態だ。
故に投下する。
べ、別に熱帯のランクマに嵌ってSSの製作を疎かにしたわけじゃないんだからね!

千秋ちゃんが娘だった場合のそんな一幕。

―――――

それは日曜日の昼下がりのことだった。

『ノックアウト!』

家族サービスと称して娘と一緒に遊べるゲーム。
今日は世代の壁を越えてリリースされている対戦格闘ゲームをしていた。
しかし、無常にも僕の使うキャラがゆっくりと崩れるように倒れていくばかりの非情な現実が待っていた――。

「パパ……弱すぎ」

僕との対戦に飽きたのか、欠伸をしながら今度は携帯ゲームのスイッチを入れる愛娘・千秋。
ソファに体育座りしながら最新作の狩猟型RPG・モノクマハンター、通称モノハンに興味がシフトしたのだった。

『10年早いんだよぉ!』

ゲームの中のキャラクターにまで僕を馬鹿にしているように聞こえた。
そんな負け犬の僕は一人寂しく据え置きのゲーム機とテレビの電源を落とす。
続いて二台のアーケードスティックを所定の箱に入れてテーブルを元の状態に戻す。

父親としての威厳まで<< BREAK!! >>されつつある昨今。
そんな僕に残された道はたった一つしかなかった。

「響子すわぁぁぁ〜ん!!」

妻に泣きついて、代わりに娘をギャフンと言わせてもらうことだった――。


〜 ゲーマーと遊ぼう! 〜

226名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/17(日) 16:45:37.54 ID:hfH4ltAI
だがちょっと待ってほしい
響子ママは娘に勝てるのだろうか・・・?
227名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/17(日) 16:47:00.42 ID:ixMoNXfw
つ、続きは!?
228名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/17(日) 17:13:30.22 ID:lSg/U/jV
推理ゲーなら戦えるのでは?
229名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/17(日) 19:08:01.20 ID:hfH4ltAI
>>228
対戦型推理ゲーなんてものがあるの?
霧切さんって外国住まいだったし「ダンガン」ロンパなんだから、
FPSに強いと予想。
230名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/17(日) 19:50:12.99 ID:QQZMVoUY
というか霧切さんが登場してないではないか
これはまだ続きがあるってことでいいんだよな…?
231名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/17(日) 22:55:42.70 ID:VxeOi3F8
霧切さんと野球拳したいです
232名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/17(日) 23:44:26.99 ID:QQZMVoUY
こっちが身ぐるみ引っ剥がされる絵しか浮かばないよ!
233名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 00:12:23.89 ID:UOVbmTR/
仕事の前に投下しようとしたら謎の連投規制喰らった。
お待たせして本当すいません。

>>225 続き

「そんな大声を出さなくても聞こえているわ」

隣の書斎にいる響子さんまで僕に目をくれず、過去に依頼された案件のファイリングをするのであった。
なんかもう、この家のヒエラルキーで僕が最下層にいるんじゃないかと確信めいたものができた。

「うぅ、今日も千秋にコテンパンにされたよぉー」
「いつものことでしょう?」
「このままだと僕の言うことを聞かなくなって、そのうち"パパが入った後のお風呂に入りたくなーい"とか"パパの下着と一緒に私の服を洗濯しないでー"言ってくるんだよ!?」
「大袈裟ね……」

何だか某ガキ大将にいじめられて狸型ロボットに泣きつく少年の構図とすごく似ているような気がするが、敢えて無視する。

「それにしてもあの娘の成長も目を見張るものがあるわね」
「えっ、ゲーマーとして日々進化していることに?」
「ゲーマー、というより頭の回転力って言った方がいいかしら?」
「頭の回転力?」

響子さんらしからぬ抽象的な例えに思わず聞き返してしまう。

「さっきまであなた達がやっていた対戦ゲームを例に挙げると、フレームという理論に基づいて成り立つじゃない?」
「うん、そうだね。技が出るまでの"発生"や動作が終わった後の"硬化"が当てはまるよ」
「あの娘の場合、攻略本などに書いてあるその手の膨大な情報とかを全て記憶しているんでしょうね」

なるほど。
たまに熱心に読書している姿を見たことはあるけど、あれって攻略本のフレーム一覧表の中味を覚えていたのか。

「その理論に基づいて勝てるように思考して行動する……。一見単純な話に聞こえるんでしょうけど、あの娘の頭の中は常に二手・三手先の行動を考えているはずよ」
「だから"頭の回転力"って言ったのか……」
「膨大な情報を調べて記憶する"調査"と、相手の行動を思考する"推理"は探偵としての素質には申し分ない能力なのでしょうけど……」
「なにか問題があるの?」
「頭を働かせすぎて平常時の思考力が鈍くならないか心配なのよ」

確かに。
ゲームをしていない時の千秋ってボーッとしているような眠たそうな状態だしね。

「私もゲームに向けるエネルギーをもっと別の方向に向けたいと思っていたのよね。だから……」
「千秋にギャフンと言わせてくれるの!?」
「あくまで打ち負かすのではなく、視野を広げてもらうためよ」
「ありがとう、響子さん……!」

嬉しさのあまり、両手で握手してブンブンと振ってしまう。

「でも、あなたの抱える問題は誠君、あなた自身で解決することね」
「ぐふっ、わかったよ……。でも何で勝負するのさ?」

家にあるテレビゲームって響子さんは僕の隣で鑑賞するだけだったから、一度も遊んだことがないはず。
果たして勝算はあるの?

「その心配は無用よ。テレビゲームだけが遊び道具ではないわ」

そういって物置の鍵を取り出す響子さんだった――。
234名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 00:14:32.02 ID:UOVbmTR/
――――――――――
MISSION 1
A crazy party

〜 狂宴への誘い 〜
娘をもてなせ

→ MISSION START
  CUSTMIZE
――――――――――

物騒なナレーションみたいだけど、こっから先はR指定のゲームじゃないからね!


「千秋、今度はママと遊ばない?」
「ママと? ……っていうか、ナニそれ?」

リビングのソファでゴロゴロとモノハンを続けている千秋も訝しげにこちらを見る。
チェス、将棋、花札、オセロ、トランプ、ダイヤモンドゲーム等……。
物置で埃を被っていたテーブルゲームの一式を全部持ってきたのであった。

「パパとママが高校生の頃、同じ寮の皆と一緒に遊んでいた時の遊び道具一式だよ」
「でも私、遊び方を知らないよ?」
「最初にパパとママがデモンストレーションで遊ぶから、そこからルールを覚えなさい」
「うん、わかった」
「それじゃあ誠君、まずはトランプの七並べから始めましょう」
「いいよ。久しぶりだからお手柔らかにね」
「甘いわね、久しぶりだからこそ全力で行かせてもらうわ」

内なる闘志を隠すことなく最初からクライマックス宣言とは。
実はこういうこと一度はやってみたかったんじゃないのかな、響子さんは?

そんなわけで七並べ、神経衰弱といったトランプ勝負。
花札のこいこい、オセロ・ダイヤモンドゲームを僕ら夫婦でルールを教えつつ対戦したのだった。
そして――。

「さて、オードブルは平らげたわ。……メインデッシュの方はどうかしらね?」
「いつでもいいよ!」
「あなたの無敗伝説に終止符を打ってあげるわ、千秋」
「ママの挑戦、受けてたつよ……!」

両者の目から火花がバチバチ炸裂している!

――――――――――
MISSION 2
The blood link

〜 血の邂逅 〜
無敗の娘に鉄槌を下せ

→ MISSION START
  CUSTMIZE
――――――――――

「誠君、コーヒーお願い。千秋には「パパ、オレンジジュース」……だ、そうよ?」
「はいはい」

前座の僕は給仕係と化したのであった。
やっぱり僕はこの家の大黒柱のはずなのに、ヒエラルキーは一番下のところにいるようだ。
今度、十神君あたりに父親の威厳を保つにはどうすればいいのか相談してみることにしよう――。
235名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 00:18:40.33 ID:UOVbmTR/
―――――

「……うにゅぅ」

それは3戦目のオセロをしている時のことだった。
千秋が次の一手を考えて俯いているのかと思ったら、鼻提灯を浮かべていた。
首もカクンカクンと揺れている。

「……どうやら活動限界のようね。ここまでにしましょう」
「やだぁ、もっとママと、あそびたぃ……」

会話の途中でフラリと前のめりになり、そのまま顔をオセロ盤に落下するものだったから寸での所で両肩を掴んだ。
その後の千秋に何の反応もなく、代わりに規則正しい寝息が聞こえる。

「しばらくは起きなさそうね、部屋に運びましょう」
「そうだね」

そのままお姫様抱っこをするような形で千秋を子供部屋まで運び、ベッドに寝かせる。
響子さんが掛け布団を掛け、千秋の頭を撫でながら独白するようにつぶやいた。

「現段階で持久戦は不向きのようね……」
「そうかもしれないね。それと、初めて遊んだというには飲み込みが早かったよね」
「それはこの娘のセンス……というより"才能"の領域ってところかしら」
「逆転までには至らなかったけど、徐々に食いついていたのは明らかだったし」
「……妙に千秋の肩を持つわね。あれだけ"娘をギャフンと言わせたい"と言っていた癖に」
「やっぱり我が子が頑張っている姿を見ると、ついつい応援したくなっちゃうんだよね」

親の性(さが)、と言うべきだろう。

「響子さんは千秋とこういう形で遊んでみてどうだった?」
「最初は"娘の癖に生意気よ"って思っていたけれど、真剣な姿を見ていると何時か私を追い越す日が来るんじゃないかと思ったりもしたわ」
「子が親を超えることって、親からすれば嬉しい話なんだね。さっきまで意固地になっていたけど、今日の二人を見てよくわかったよ」
「……父もそうだったのかしら?」
「えっ?」
「父も私の探偵の実力を見て嫉妬したりはしなかったのかしら? ……って、思ったの」
「それは……違うよ」

ゆるゆると首を横に振り、響子さんに諭すようにゆっくりと言う。

「"さすがは僕らの娘だ……!"って大喜びだよ。現に娘に超えられた父親の僕が言うんだから間違いない」
「フフッ……。経験者が言うのだから尚更説得力があるわね」

千秋の寝顔を二人で眺めながらそんなことを僕らは口にしていた。
236名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 00:20:58.83 ID:UOVbmTR/
「さて、と……。そろそろ夕飯の支度をしなくちゃ」
「その必要はないわよ」
「えっ、どうしてさ?」

夕飯の支度をしようと立ち上がろうとした僕に待ったをかける響子さん。
手首まで掴まれたけど、思い当たる節がなくて首をキョトンと傾げる。

「これから誠君は私の特訓に付き合ってもらうわ。だから夕飯の支度は不要よ」
「特訓だって? なんの?」
「さっきのテーブルゲームはあくまで私達の領域、ホームゲームだった。
 私も千秋の領域であるテレビゲームでも勝負をしなきゃフェアじゃない。……ここまで言えばわかるわね?」
「えっ、響子さんテレビゲームしたいの?」
「あくまで母と娘のコミュニケーションのためよ。そういうことだから夕飯はデリバリーにしましょう」
「せっかく豪勢にしようと材料揃えたんだけどな……」
「それはまた次の機会にしましょう。さぁさぁ、善は急げってことで」

片手で僕をグイグイと部屋から押し出す響子さん。
器用にもう片方の手で携帯電話を操作して宅配ピザの注文をするのだった――。

―――――

『えいっ、ファイヤー! アイスストーム! ダイアキュート! ブレインダムド!』

ゲーム初心者の響子さんのためにシンプルな操作で簡単に遊べる対戦パズルゲームをチョイスしたが、瞬く間にコツを覚えては連鎖を仕掛けてくるのであった。
もう僕の陣地には大量のお邪魔パズルがセットされ、なす術もなく撃沈するのであった。

「ほぁふぃひぃふわよ、ふぁふぉとぉふん」
「いや、ピザ食べながら喋ってもわからないから」
「……ん。弱すぎるわよ、誠君って言ったの。これでは特訓の意味にならないわ」
「グヌヌ……」
「千秋なら平気で私の8連鎖を10連鎖で返すようなことをしてくるはずよ。だから早く相殺して」
「それは無理だよ! 僕だって3、4連鎖するので精一杯なんだから」

ばたんきゅ〜、という文字が浮かぶテレビ画面を眺めながらドリンクのウーロン茶を流し込む。

「……一つ聞くけどさ、響子さん。この体勢って特訓の意味があるの?」
「愚問ね。これくらい近ければお互いの思考なんて手に取るくらいわかるものじゃないかしら?」

二人掛けのソファに僕が胡坐を掻き、僕を椅子代わりにチョコンと座る響子さん。
僕の操作に支障をきたさないよう、腕は腰に回し、顎を右肩に乗せてゲームをしているけれど。
おかげさまで僕の視界左半分は響子さんの髪で覆われている。
いくら体を密着させたところで思考までリンクしているわけないでしょうに――。

「ほら、続けましょう」
「はーい」

また二人して黙々とパズルを積み上げる作業に戻るが、ふと響子さんにイタズラしたくなった。
男の性(さが)、と言うべきだろう。
操作そっちのけで右手をコントローラーから響子さんの太腿へ。
ツツゥーと指を這わせてみる。

「……! プレイヤーへの直接攻撃は禁止よ。ま・こ・と君?」
「……ふぉめんなふぁい」

すぐさまポーズ画面に切り替え、頬っぺたを抓ってくるじゃないか。
えぇい、まだだ。 まだ終わらんよ!
237名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 00:27:32.66 ID:UOVbmTR/
「今度こそ真面目に……っ!」

言い切るより先に唇を奪い、舌の先で割り込むように口腔へ侵入する。
そのまま歯茎を軽くなぞり、前歯を軽くノックする。

「んぅ、うっ、う、うぅん」

響子さんは驚いて目を見開いているが、抵抗の素振りはない。
返事はOKと受け取り、舌同士で螺旋を描くように絡める。
マルゲリータを食べていたことでチーズ、トマトソース、オリーブオイル、そして響子さん。
味覚が4つの味を捉え、ハーモニーを奏でる。
それは極上の甘露へと精製されていた。

「うっ、う……ぅんんっ!」

じゅっ、と音がするほど唾液を強く吸い上げたのを最後に、ゆっくりと響子さんの唇から離す。
僕らを繋いでいた唾液の糸も力なく垂れ下がり、プツリと切れた。

「……ふぅ、ごちそうさま」
「TPOを弁えなさい、バカ……」

プイッと僕から顔を背けるが、耳まで真っ赤な様子を見ると満更でもなさそうだ。
……ちょっとだけ、我が家の大黒柱としての面目が戻ってきた気がした。
これに気をよくした僕はさらにオネダリしてみる。

「ねぇ、響子さん……」

おかわり、していいかな――。
耳元でそっと囁く。

「っ……! そういうのは私に勝ってから言いなさい」
「ホントにっ!?」

俄然、やる気が出てきたよ。
よーし、頑張って響子さんより早く8連鎖を組んで勝利してやろうじゃないか!


「……パパとママ、何してるの?」
「「あ」」

我が家の眠り姫もお目覚めになっていたとは。
まだ眠たそうに目をこすりながらも意識ははっきりしているようだ。
238名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 00:28:38.84 ID:UOVbmTR/
「こ、これは私と千秋がゲームするための特訓のためであってね……!」
「そ、そうだよ! ママがゲーム初心者だからパパが手取り足取り教えているんであってさ!」
「……だったら、なんでパパがママを抱っこしながらゲームする必要があるの?」
「これはそう、新しいフォーメーション"ユニゾン"よ」
「ユニゾン?」
「お互いの心と体を密着して意識を極限までシンクロさせる特訓なのよ。そうでしょ、誠君?」
「(僕に振らないでよ……!)そ、その通りだよ、こうすることでどんな強敵も62秒で倒せるんだから……!」

そんなドモる僕らを見て、千秋は溜め息を吐きながらピザの一切れを摘む。
そして最後に一言こう言った。


「パパとママが"アツアツ"だってわかった。……色んな意味でごちそうさま」 


その後の数日間、僕らを見る目が冷ややかなモノになったと補足しておく。
もしかして、もう反抗期が来たのか――!?




今スレでも皆様の熱き要望・妄想を幅広く取り入れネタにしていきたいと思います。
どうぞよろしく。
239名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 00:36:49.76 ID:pras1iL0
GJGJ
アツアツ夫婦サイコー
確かに超高校級のゲーマーならオセロとか将棋も強いはずだよな。

やっぱこう…SSを見ると生きる元気が湧いてきますね
そしてSSを書こうという情熱も
というわけでちょっち書いてくる。いつものように携帯クオリティだがご容赦の程
240名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 08:28:14.50 ID:SG6K0upK
GJ!
これは二人目誕生も近いな…
241名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 10:29:31.20 ID:++DMKjjb
>>240
千秋ちゃんが二人の娘だとすると、
狛枝が一人目で千秋ちゃんが二人目という可能性も・・・

将棋のルールを覚えた(元)超高校級のギャンブラーが苗木家へお邪魔するSSはよ
242名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 12:34:42.45 ID:VquWLAXQ
>>238
GJ!!
久々のSS、堪能させてもらったよ
食事しながらのキッスってこう…いいよね…
243名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 13:35:32.39 ID:pras1iL0
興が乗りすぎて若干キャラ崩壊 携帯から&長文失礼

私たちが希望ヶ峰を卒業して五年――今日は同窓会を楽しんでいた。
それぞれ事情はあるものの殆ど皆が揃っていた。

私も仕事の都合で毎年恒例のこの行事に参加できない時もあったけれど。
彼女―舞園さやかさんだけは今まで一度も参加できていなかった。
今や押しも押されぬトップアイドル。それに女優業やタレント業等テレビに映らない日は無い程だ。

そんな舞園さんに二次会に誘われた。二人だけで、と念を押されて……。

――――――――
一応身分を隠すためのメガネを付けた彼女だが、道を歩いているだけで通行人がこちらを見ているのが分かる。
そこで舞園さんに連れられて、業界人御用達の個室のあるお店に入った。

何やら相談事があるらしいが、おおよその見当が付いている……。
付いているからこそ憂鬱な気分になってきた。
いや、遅かれ早かれ分かることだ……はっきりさせておいた方がいい。――いいのだけれど……

「ゴクゴクッ……聞いて下さいよ霧切さん!」ドン
可愛らしい外見とは裏腹に、男らしい豪快な飲みっぷりだ。
「また苗木くんったら………」

――そう、この元超高校級のアイドルと私は、高校時代から同じ悩みを抱えていたのだ。
ある男性が好き―それも同じ男性が。
一部の才能に特化した超高校級ではなく、抽選で選ばれた幸運の持ち主をだ。

「グビグビッ……聞いてますか!?」
「え…えぇ……ちゃんと聞いてるわよ。また苗木君が、でしょ?」
「そうなんですよ!アイドルは恋愛禁止!なんて制度でメールのやり取りをするのも難しいのに」
「それでも休みを調整して、まずバレないようなお店も選んで、一緒に食事で
も。って私から誘ってるのに!」
「皆で行こう?なんて返すんですよ!……信じられません!!」

「…そうよね、あれは鈍感なんてレベルじゃ無いわ」
「……こんな事ならアイドルなんてならなきゃ良かった……グビグビッ」
「落ち着いて舞園さん。そんなに一気に飲んだら身体に毒よ」
「飲まなきゃやってられませんよ!……それに明日も休みにしてあるんで大丈夫です」
「そ、そう……」
舞園さんの目が据わっている。お酒も回って顔が赤い
完全に酔っ払っているようだ、でなければ彼女の口からアイドルを――なんて出るはずがない。


「…今日だって……もしかしたら、万が一があるかもって。そう思ったから明日も休みをとってあったのに」
「そんなに簡単に行くなら今まで苦労してないわ」
そうよ…そんなに簡単に行くなら………。それに聞き捨てならない発言が…。

「そうですよね。でも、久々に会えたんだから、何らかの進展があってもいいんじゃないですかね……」
「一応苗木くんって、私のファンですよね?」
「何を今更…」
何を今更言っているのだろう。自分がどれ程有利な立場からスタートしていたのか分かっていたのかしら。

「そうなんですよね、……それなのにおかしいじゃないですか!」
「私のファンの中には本気で私の為なら死ねる!なんて言う人がいるんですよ」
「そこまでは求めてないですけど、せめて好意を見せてほしいです。確かな好意を……」

「確かな形で見せてほしいわよね、思わせぶりな事ばかりしないで」
「そうですよ!苗木くんは優しいから。……その優しさが人を傷付けるってこと、知らないんですよ」
「あ〜あ……どうしてあんな残酷な人を好きになったんだろ」
244名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 13:37:24.44 ID:pras1iL0
「……同感ね。けれど彼が魅力的なのも事実よね」
段々胃が痛くなってきた……これから伝えなければいけない事実が重たすぎる。
けれど、さんざん引き延ばしてきたのは自分だ。
それでも――犯人を指摘するときよりも緊張しているのがわかる。


「そうなんですよね……頭では分かってるんですよ。諦めて違う男性を好きになった方が建設的だって」
「けど……やっぱり理屈じゃないんですよね」

「でも、その方が良いかもしれないわ。もし、万が一既に恋人が居た場合、虚しいだけでしょ?」
そうよ、諦めた方がいいわ。ここで諦めてくれたら……

「そんな事言って、ダメですよ霧切さん。そうやってライバルを減らそうとするなんて」
「あら、残念」
「私、エスパーですから」
本当にエスパーなら悟ってほしい……なんて柄にもなく愚痴りたくなる。罪悪感が募る一方だ。


「ところで霧切さん、ずっと私だけが喋ってないですか?それに、何だか余裕ですよね」
「霧切さんもどんどん飲んでください。私の奢りです。その代わりじゃんじゃん愚痴りましょう」

「余裕なんてそんな、第一大して飲めないのよ」
「まぁまぁ」


――――――――
「……それでね、苗木君たら私の部屋に物がなさすぎるって……」
「へぇ……」
霧切さんがお酒に弱いというのは本当みたいだ。

私たちの付き合いは長い、素面の時はめったに感情を表に出さない事も重々承知している。
けれど彼の事――苗木くんの事を話すときは分かり易い。
苗木くんの事を話すときは心なしか照れくさそうな、嬉しそうな……そんな表情になる。
お互い同じ人が好き、だからこそ私達は仲良くなれたのだ。


だけど、これほど酷い裏切りがあるだろうか……。
「それでね、誠君たら一緒に買いに行こうって……」
まただ、さっきから何度か苗木くんの事を誠君って…
…少なくとも今日の同窓会の時には「苗木君」と、確かにそう呼んでいたのに
私だって妄想でしか呼んだことがないのに
「この前なんかも、私の作った料理を美味しそうに……」

「ねぇ、霧切さん……昔した約束、覚えてますか?」
「『どちらが苗木君に選ばれようとも相手を祝福しよう』だったわよね?」
「えぇ……ちゃんと覚えているならいいんです」
「………舞園さん」
「…すいません。ちょっとお手洗いに」
頭の中がグラグラする…。

245名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 13:39:05.62 ID:pras1iL0
――――――――
「舞園さん……」
流石に感づかれてしまっただろうか、何て残酷な事をしているんだろう。
つい半年前までは私も舞園さんと同じようにヤキモキさせられていたのに。
最大の恋敵で、もっとも分かり合える同士。そんな彼女に苗木君と付き合っていることを秘密に

「……ごめんなさい」
舞園さんの背中に聞こえないように呟いた。
申し訳ない気持ちで一杯だった。でも僅かな優越感を覚えているのも事実だ。


私も精一杯の努力をした。鈍感な彼に正直、何度愛想を尽かしたか……でも、どうしても諦められなかった。
だから半年前に強硬手段にでた。――彼に薬を盛り、男女の仲にまで持ち込んだのだ。

手段は選んでいられなかった。その頃にはもうテレビや新聞で舞園さんを見ない日はなかったからだ。
このままでは彼は舞園さんの所へ行ってしまう……それだけは阻止したかった。
確かに学生時代の約束はあった。あったけれど抜け駆けは禁止されてない。

仮に彼が舞園さんを選んだら?
今や時の人――そんな舞園さんに恋人が発覚したらファンの数は減るかもしれない。
それでも彼女を好いてくれる人はたくさんいるだろう。
それに苗木君に愛されていれば、当初は辛いだろうけど乗り越えられるだろう。
それに、彼女の魅力でまた人気者になれるだろう。


じゃあ私は?私はどうなる?相手が舞園さんなら、本当に心苦しいけど祝福……できただろう。
でも気付いてしまったのだ。
私の元から苗木君が居なくなってしまえば独りになってしまう。独りに……

ある意味仕方の無い事とはいえ、それは辛すぎる。
私だって好きで独りでいるんじゃない、その気になれば相手はいくらでもいる。
でも駄目なのだ。お祖父さまのお顔を立てて何度かお見合いもした。
けれど、誰1人として私の琴線に触れるものは居なかった。

それに相手の方も、私が女だてらに探偵をしているのを嫌がっているのが分かった。
……上手くいくはずが無いのだ。


私に相応しいのは一見平凡だけど、私の事をよくわかってくれていて、普段は弱気なのに突然とても頼もしくなる
とても優しくて、正義感に溢れていて、何より私をサポートしてくれる。
……そんな人だけなのだ。

「それにしても遅いわね」
舞園さんが居ないにもかかわらず、居心地の悪さに耐えきれないで様子を見に行くことにした。

――――――――
「…舞園さん…?」
「……うぅ…ぐすっ……ひっく……うぅ」
扉の向こう側から何やら呻き声のようなものが聞こえてきて、ノックするのを躊躇していた。

「どうして……苗木…くん……うぅ……きり…ぎりさんだって……うぅぅ…」
………ごめんなさい舞園さん。今更ながら自分の考えの浅さに身をつまされる。
このまま個室の前に立ち尽くしていても不審がられる。
意を決してドアをノックした。
246名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 13:42:03.35 ID:pras1iL0
「舞園さん…大丈夫?」
少しの間が空いた後

「霧切さん?……大丈夫です。ちょっと飲み過ぎちゃったみたいで……先に戻ってて下さい」
「でも…」
「先に戻ってて下さい。ちょっとお化粧も崩れたんで直してから行きます」
「……わかったわ」

それから十分ほどで舞園さんが戻ってきた。
「ごめんなさい、ちょっと飲みすぎたみたいで…恥ずかしいです」
彼女の化粧の腕もあるのだろうけど、さすが女優。
さっきまで泣いていたとはとても信じられない笑顔を見せてくる。


「はいお冷やよ。温かいお茶も後から来るわ」
「ありがとうございます」
舞園さんを待っている間に頼んだ酔い醒ましを渡す。
「気をつけなさいよ。急性アルコール中毒になるかもしれないのだし」
「心配かけてすいません。…優しいんですね、霧切さんは」
優しいか……そんなわけないのに。本当に優しかったら……。

「何を言ってるの、友人の身を気遣うのは当然の事でしょ?」
「友人、ですか……ったら…」
「え?どうしたの舞園さん」
「だったら……だったら何故!苗木くんと付き合ってることを秘密にするんですか!」
「舞園さん……?」
「とぼけても無駄ですよ。私、エスパーなんです。何にも気付かないと本当に思ってたんですか?」

「それは誤解よ……」
「いいえ…大体、色々とおかしかったんです。半年前から霧切さんからのメールが減って」
「元々週に2〜3回はあった苗木くんからのメールも減って」
「今日の2人の態度もどこかおかしかった……それに霧切さん気付いてました?」
「…何かしら?」
「さっきから何度か苗木くんの事『誠君』って呼んでますよ……」
「!!……あら、そうだったかしら」
迂闊だった……アレほど誠君にお酒は控えるよう言われていたのに……

「酔うとつい気が緩んでしまうものなんですね」
「………」
「話の内容も親密なモノばかり…以前よりも明らかに親しげでしたよ」

247名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 13:44:58.78 ID:pras1iL0
グイッ
追い詰められた私は、自棄になって目の前の焼酎を一気に飲み干した。
「………よ……」
「…え?何て言ったんですか?」
「…そうよ!私と誠君は付き合ってるの!……何か問題あるの!!」
こうなりゃ自棄だ。お酒の力を借りて一気にぶちまけてしまえ

「何かって……」
「舞園さん…さっき話した約束に、抜け駆けは禁止なんて項目無かったわよね?」
「そうですけど…でも、それとこれとは!抜け駆けは禁止ではないですけど」
「私が苗木くんに会えないのを知っていて……なんて、フェアじゃないです!」

「何を言ってるのよ!フェア?そもそも誠君はあなたのファンで、中学も一緒」
「翻って、私は?私はあなたのようにアイドルでもなければ、高校以前のエピソードもない」
「スタートラインからして不利なのよ!…だから、その分色々と策を練ったり行動を起こす必要があったの」

「そんなの詭弁です!高校時代から私はアイドルの仕事で学校を休んだり、授業を抜けたり……」
「苗木くんと過ごす時間は少なかったんですよ!」
「それに、苗木くんは何度となく霧切さんの助手として一緒に過ごしてたじゃないですか」
「捜査が〜とか探偵の心得が〜とかお礼がどうとかでいつも一緒に居てましたよね」
「今までだってそう――急に苗木くんに連絡がつかなくなったと思ったら」
「霧切さんの捜査に協力していたとかで海外にいたり、2人きりで張り込みを何日もしていたとか」
「確かにスタートは私の方が有利だったかも知れません!」
「けど、そこから先は圧倒的に霧切さんの方が有利じゃないですか……なのに、なのに……」

酔ったせいでまともに思考が出来ない。考えるより先に口が動いている。「舞園さん……ごめんなさい……」
「謝られたって…」
「本当はすぐにあなたに知らせるべきだった…でも怖かったの……」
「…………」
「あなたと真っ向勝負しても私に勝ち目は無さそうだし、私の前から誠君が居なくなることに、耐えられなかったの」

「そんなの、私だって……」「アナタはアイドルという人気者――私は探偵という日陰者」
「私の前から彼が居なくなれば、私には何も残らないの」
「アナタには友達や仲間やファンがついているでしょ」
私にはそんな存在はほとんどいない――影に生きているのだから。

「……を、何を、言ってるんですか!」
「あなたに何が分かるんですか!!芸能界で生き残ることの厳しさ、その辛さが」
「親しくしていたと思ったら急に裏切られたり、友達や仲間でも頂点に立てるのは1人だけ」
「ファンといっても、男性の影が見えただけでアンチになる……その孤独が分かるんですか?」

「アナタにも私の孤独は…それに聞いてほしいの。私が怖かったのはそれだけじゃ無いの」
「友達を、失いたく無かった……常に孤独でいた私にできた、数少ない友人を……」
さっきから口が勝手に動いている。こんな風に心情を吐露したのは誠君以来だ。
「……なんですか、そのとってつけたような理由は」
「だったら何故!…何故私を裏切ったんですか?…私だって数少ない本当の友達だと思っていたのに」

「だって……あんな約束していたって素直に祝福できるわけないじゃない」
「自分の立場に置き換えたら、到底祝福できない」
「アナタと彼を天秤に掛けてしまった……アナタを失っても彼が居ればいい。本気でそう思ってしまったの」
「その事が怖かった。今まで自分を律して、様々な事態を乗り越えてきた」
「私にとって、自分を律することはそんなに難しい事じゃなかった」
「けれど、彼は……苗木誠君だけは特別だった。今まで容易かったはずの事が思うようにいかず」
「心を掻き乱されてばかり、挙げ句の果てに彼を欲して友人を裏切った」
「私はそんな人間ではなかったハズなのに」
「ごめんなさい……ごめんなさい舞園さん」
不意に頬を伝った温かい雫――涙だ。何て自分勝手な女なんだろう。
自分の都合で友人を失ったというのに、それが辛くて泣けてくるなんて……
248名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 13:46:22.52 ID:pras1iL0

「霧切さんにも涙腺ってあったんですね……はい、綺麗な顔が台無しですよ」
「……ありがとう」
「……許したわけではないですよ。目の前で泣いている友人が居れば、当然ハンカチくらい貸しますよ」
「舞園さん…」
「…だから、許したわけではないですよ。ただ、私も素直に祝福出来ないだろうな。と思っただけです」


「さ、霧切さんもお茶を飲んで」
「えぇ戴くわ」

「…さて、裏切り者の霧切さんには罰を受けてもらいます」
「罰?……分かったわ。一体何かしら?」


――――――――
僕は車を飛ばしている。――法定速度を少しばかり超過して
パシャ。また光が瞬いた……後で罰則金を支払えばいいんだろ!


何でも響子さんが飲みすぎて倒れたそうだ。
そう舞園さんから連絡が入って、猛スピードで向かっているというわけだ。
カーナビの指示通りに走って舞園さんに教えられたお店に着いた。

「響子さん!!」
「あら、苗木くん早かったんですね」
「舞園さん!響子さんは無事なの?大丈夫なの!?」
「大丈夫ですよ、ちょっと飲み過ぎて寝ているだけです。さっき全部もどして寝ているんです」
「良かった……全くお酒に弱いのに飲み過ぎるから」

「ふふ…妬けますね」
「え?あ、あぁ〜と……響子さんから聞いてる?」
「…えぇ全部聞きましたよ」
「ごめんね舞園さん。秘密にしてて」
「そうですよ。水臭いじゃないですか」
「何だか照れくさくって。ほら、僕と響子さんって学生時代から夫婦夫婦ってからかわれてたから」
「ずっと否定してたのに今更皆に言うのが恥ずかしくって」
「……えぇ知ってますよ。ところであれは誰が最初に言い出したんですかね?」
「確か……桑田クンと葉隠クンじゃなかったかな?」
「へぇ……あの2人が…」
「それがさぁ、最近響子さんに聞いたらアレ。響子さんが言わさせてたらしいんだ」
「何でも外堀がどうとか……ってあれ?舞園さん?何で響子さんを睨んでるの?」
「………ナンデモナイデスヨ」
「僕は響子さんに失礼だと思ったから否定してたのに。可笑しいよね」
「ウフフ……オモシロイデスネ」
「?それからさぁ響子さんてば……」
「苗木くん……ちょっといいですか?」
「…ごめん。折角久々に舞園さんに会えたのに響子さんの話ばかりしてたね」
「……(そもそも私に勝ち目は無かったのかな)……」
「何か言った?」
「いえ、まだ何も。…苗木くん、今更こんな事を言うのは迷惑だと分かっているんですが」

「私、苗木くんの事が好きなんです!」

―――エ?
イマナンテイッタノ?
249名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 13:48:00.13 ID:pras1iL0
「高校時代から…いえ、おそらく中学時代からずっと気になって、いつの間にか好きになっていたんです」
「今は霧切さんと付き合ってるって聞きましたけど、私の方が何倍も何十倍もあなたの事が好きです」

僕の憧れのスーパーアイドルが…中学の頃からずっとファンだった
――見ている人に笑顔を、元気を与えてきた舞園さんが僕の事を好き?
何の冗談だ――
「いへへ」
頬を抓ったけれどやっぱり痛い。
「苗木くん?」
舞園さんが不審そうな顔で見てくる。

「いや、夢じゃないか確かめたんだ」
「現実ですよ……(全部夢なら良かったのに)」
「…嬉しいよ。ずっとファンだった舞園さんに告白されるなんて」
ピクッと視界の端で響子さんが動いた気がした。

「苗木くん、じゃあ……」
「でも、ごめん、舞園さん。…僕が好きなのは響子さんだけなんだ」
「…そんな……大丈夫ですよ。今、霧切さんは寝てます。自分の気持ちに正直になって下さい」
正直か……それでも僕は

「ごめんね」
「な、なら、2号でも構いません。それくらい苗木くんの事が好きなんです」
とんでもないことを言ってくる。世の舞園さんのファンに刺されるレベルだ。それでも……

「ごめんね舞園さん。僕はキミの気持ちには応えられないよ」
「苗木くんは私のファンですよね?夢じゃないんですか?アイドルと付き合えるんですよ」

「僕はずっと舞園さんのファンだし……ずっと友達だよ」
「…………………一つだけ教えて下さい。……霧切さんのどこが好きなんですか?」
どこが好き……強いて言うなら

「そうだね…強いて言うなら、普段はクールで近寄りがたい雰囲気を出しているけど」
「実は意外と子供っぽいところかな?……こう見えて拗ねっぽいんだ」
「驚くよね?普段とのギャップに。他にも………」
「もういいです。よく、わかりました」

「そう?まだ魅力を全部語れて無いんだけど……」
「やっぱり残酷ですね。いくら何でもデリカシーが無さ過ぎです」
「何でこんな人好きになったんだろう……もう一つだけいいですか?」
「うん」

「いつから霧切さんの事を好きになったんですか?」
……いつからだろうか。気が付いたら目で追っていたんだ。
いつも1人でいて、どこか近寄りがたい雰囲気を纏わせていたけど
そのミステリアスな風貌が気になって、色々話している内に才能の事を聞いて……

「僕が助手を申し出て、一緒に過ごしてる内に……かな」
「それに、霧切さんの笑顔凄く可愛いんだ…たまにしか見れなかったけど」
「多分あの笑顔を初めて見たときにはもう……」
何を話していた時なのかはもう思い出せないけど、あの笑顔をもう一度見たいと思ったんだ。

250名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 13:49:42.81 ID:pras1iL0

「そう…ですか。なーんだ最初から勝負は着いていたんですね」
「勝負?」
「私と霧切さんの勝負ですよ。勝ち目は無かったんですね」
何の勝負かは聞かないでおこう……。

「でも、だったら何故苗木くんは霧切さんに告白しなかったんですか?」
「だって、僕なんて何の変哲もない一般人だよ。それなのに超高校級の探偵の響子さんと、なんて……」
「嫌われないだけで十分だったんだ。そばに居られるだけで」

「はぁ〜本当に罪な人達ですね……よくお似合いですよ」
舞園さんが呆れかえった様子で僕を見てくる。

「苗木くん……あなたは罪を犯しました。よって罰を与えます」
そう言って僕の顔を両手で挟み込んで……ってキスされる!?
「待ちなさい!!…舞園さん約束が違うわ」
「響子さん!?寝てたんじゃ?」
「舞園さんが告白して、アナタがどっちを選ぶか勝負してたの」
「舞園さん、アナタの負けのはずよ!早く離れなさい!」

「良いじゃないですか。減るもんじゃ無いですし…ね?」
「苗木くん。私の初めて貰ってくれますか?」
「え?えぇぇ!?」
「離れなさい!誠君も何にやけてるの!」
「にやけてなんかないよ、それに顔を抑えられてるから逃げられないよ」

「隙あり………ふふっご馳走さまでした」
「あっ………舞園さん……」
キスされてしまった……

「最低!…やっぱり私より舞園さんの方が……」
「待って響子さん」
去っていこうとする響子さんの腕を掴んで、引きずり寄せた。
「何よ…私の事が好きなら無理やり引き剥がすことだってできたじゃない」
「あれは突然の事で、僕が好きなのは」
「嫌、どうせ私の事なんて…んむぅ……」
とりあえず口を塞ぐことにした。イテて…そんなに背中を叩かないで。
響子さんの身体から力が抜けた頃に、ようやく口を離した。
「ば、ばかぁ…」
床にへたり込んで僕を詰る。
目尻には涙が浮かんでいる。
僕も屈んで目線を合わせてから
「響子さん……いや、響子。僕が好きなのはキミだけなんだ」
「だから泣かないで」
子どもをあやすように額にキスをした。

「誠君…………」
上目遣いで僕を見つめてくる。とても可愛い。
「響子………」

251名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 13:54:25.32 ID:pras1iL0
「ゴホンっ」
「「!!」」
僕らは慌てて距離を置いた。
「いちゃつくのは帰ってからにして下さい!」
「……苗木くん、私より霧切さんを選んだんですから絶対に幸せになって下さいよ」
「舞園さん……」

「霧切さん………おめでとう。今はそれしか言えないです」
「……ありがとう」
「でも、キチンとガードしておかないと大事な旦那様に悪い虫がついちゃいますからね」
「分かってるわ」


「それじゃあ2人ともお元気で。おやすみなさい」

舞園さんを家に送り届けた後、僕らは自宅に帰ってきた。
途端に―――

「ね、ねぇ響子さん?これは一体……」
「?どうかしたのかしら」
「どうしたもこうしたも、何で僕がベッドに押し倒されてるのさ?」
半年前とは逆に僕が押し倒されている。

「あら?さっきあんなに情熱的にキスしてきたのは誰かしら?」
「いやあれは……」
あの時とは全く逆だ。響子の方から告白してきて。
僕にクスリを持ったらしく理性が吹き飛んでいたのを覚えている。

「もう、我慢できないの……」
耳元でそう囁かれ僕のスイッチが入った。クスリなんか必要ない。

「今日は大丈夫な日だから」
僕を止めるものは何もなかった。


252名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 13:56:28.14 ID:pras1iL0
――数年後――
「さぁ、本日のお客様はこちら、アイドルとして活躍されながら見事に女優に転身された」
「女優の舞園さやかさんです」
「こんにちは舞園さやかです」
「何でも舞園さんは昼ドラの女王と呼ばれているそうですが……」
「えぇ………」

僕と響子さんが結婚してから数年後、お昼の人気長寿番組に舞園さんが出ていた。
それも女優として。あの日から舞園さんは一層仕事に打ち込み、あっという間に女優に転身した。
ただ、彼女が出ているドラマが平日のお昼頃やっている――いわゆる昼ドラがメインなのが驚きだが
今日もまた今度主演するドロドロの恋愛ドラマの番宣らしい。

本人に聞いたから間違いないけど修羅場が大好きになったらしい。………僕のせい?

「誠君?…あら舞園さんじゃない。……やっぱり私のせいかしら」
どうやら僕らの考える事は同じらしい。
「彼女には悪いけど、胎教に悪そうだからテレビを消しといてもらえる」

「うん。ごめんね舞園さん」
「……いまだに複雑な気持ちになるのは何でかしらね」
「舞園さんの事?…大丈夫だよ。僕はただのファンでしかないから」
「僕が一番好きなのは響子だけだよ」
「もう……信じてあげる」
「本当に信じてるの〜?」
「信じてるわよ」

「パパ〜私の事は?」
娘が聞いてきた。
「勿論好きだよ。お母さんと同じくらい」
「僕の事は?」
息子も聞いてきた。
「勿論好きさ。お母さんやお姉ちゃんと同じくらい」
「あら、私が一番じゃないの?」
響子が聞いてきた。
「勿論一番好きだよ」
「「パパ〜私(僕)は?」」
「勿論。…って僕をからかってるの?」
「ふふっ相変わらずね」
「「パパって面白いね〜」」

子どもが居てくれるのは嬉しいけど、もう少し2人の時間を楽しみたかったかな。
あの日大丈夫って言ってたのに。
「あら?アレはあなたの子どもを産む決意が決まったからそう言ったのよ」

「そんなの詐欺だよ。……って心を読んだの!?」
「私、エスパーですから」

長文失礼しました。ここまで読んでくれたなら感謝です。
上にあった愚痴りあう2人でかっとなって書いた。反省してない。
253名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 14:01:33.43 ID:EvK5RDFI
248の後に

舞園「一発だけ!一発だけでいいから!」

とレスしたかったけど我慢した
254名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 18:00:18.71 ID:++DMKjjb
GJ!
酔いどれ霧切さんかわいいです
255名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 19:47:25.06 ID:SG6K0upK
乙乙
いい修羅場だった
256名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 21:39:59.02 ID:n8dYsLtY
ふぅ…やはりSSはええのう
心が潤うわい
両人とも乙!
257名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 22:46:16.51 ID:pras1iL0
喜んでもらえて何よりです。もっと色んなSSを読みたいので是非書いて下さい。
そうすれば新たな着想が得られて相乗効果でもっと面白いSSが書ける気がします。
もっと色んな霧切さんが見たいよ〜
258名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 22:51:19.13 ID:94RmgW0X
259名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 23:21:55.39 ID:zDsMd4iI
>>258
なんだこれは?
260名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/18(月) 23:48:21.93 ID:SG6K0upK
WEB漫画の最新分だな
261名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/19(火) 08:25:13.38 ID:vB0cX62d
「二人きり…」という苗木君の呟きがなんかちょっといいな
262名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/19(火) 12:16:58.62 ID:0fnszwQE
これの前の回の、霧切さんの腕をガシッと掴んで「僕を信じて!」と苗木君がのたまうシーンは良かった
意外と積極的だな苗木!
263名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/19(火) 15:46:31.71 ID:KNlY6OJA
苗木君はやる時はやる男ですよ?

ということで苗木君の猛プッシュに「ちょ、ちょっと待っ……!?」と戸惑う霧切さんが見たい
264名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/19(火) 19:12:41.23 ID:vB0cX62d
俺も見たいです
265名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/19(火) 19:33:13.29 ID:mPM5KL/8
俺も見たいです!

とりあえず台風ですることがなくなったので前スレをwikiに転載してたら一時的に編集できないって言われた…
まぁ時間置いたら行けるかね
あ、前々スレはログ残ってないんでそっちは誰かお願いします
266名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/19(火) 22:36:25.05 ID:WPVKVy/o
時間じゃなくて、同一IPから同一ページを複数回連続して編集するとブロックされる
間に1回でも別IPによる編集が挟まれば解除される…はず
だからインデックスページの編集は最後に回すのがいいべ
267名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/19(火) 22:53:10.55 ID:WPVKVy/o
ということで編集しといたべ
礼として霧切さんの靴下を要求するべ
268名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/19(火) 23:08:01.17 ID:gghaviGN
苗「十神クン、霧切さんの部屋の鍵を貸してくれないかな」
269名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 00:30:19.96 ID:9z7W4gi8
>>265
>>266
乙だべ。
お礼に>>130>>137を含ませたSSに挑戦してみるべ。
苗木っちに主人公らしいことさせてみるべ。
シリアスになるか保障はできんべ。

しかし前々スレの書いた話見て懐かしくもあり恥ずかしいべ。
誤字・脱字しまくりの温泉話とか羞恥心で氏ねるべ。
……修正してくれて本当にありがとうございました。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 01:59:45.71 ID:4FprrsA2
>>267
激しく乙!

僕はパンツが欲しいかな
271名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 07:52:10.00 ID:jRD/9IPH
>>266
葉隠さんはやっぱり物知りだべ
>>267
俺の不備をフォローしてくれてありがとうだべ
それにしてもこのスレには葉隠さんしかいないべ 苗木っちと霧切はどこ行ったんだべ?
>>269
がんばってほしいべ
272263氏へ:2012/06/20(水) 11:03:29.02 ID:rfe36ae4
こうですかわかりません度々携帯から失礼

いつから目で追いかけるようになったのだろう……
いつからこんなに胸が痛くなるようになったのだろう……
いつから彼女のことを好きになったのだろう………。
それは彼女を初めて見た時からなのだろうか
いつもの様に何気ない会話をしていた最中なのだろうか
めったに表に出さない素の感情を見れた時なのだろうか
……いつからなのかは分からない。けれどこの気持ちだけは確かに分かる。


――僕は霧切さんが好きだ。

きっかけも理由も分からない。
気が付けばいつも霧切さんのことを考えている。

朝から霧切さんと会話できたらその日1日はずっと幸せな気持ちになるし。
霧切さんが探偵の仕事で会えなかったらその日1日はずっと寂しい。

だから休みの日は何かと理由を付けて一緒に過ごせるようにしてるし
探偵の助手を名乗って常に側にいられる様にしている
おかげで僕はいつも幸せな気持ちになれる。

でも、時々不安になる。
霧切さんは僕のことをどう思ってるんだろうか。
いつも一緒にいて鬱陶しく思われてないかな……。


――――――
「そうね。…確かに、最初は物好きな人もいるのねと思ったわ」
「あるいは、何かウラがあるんじゃないか?と、思って、身辺調査もしたわ」

「…クラスメートだったのにって?…ただのクラスメートならそうでもなかったのたけれど」
「生憎私たちの母校は、皆、何がしかの超高校級の才能の持ち主が集まる処だったもの」
「特に『幸運』だなんて、あやふやな肩書きなら。私の『探偵』の才能が黙ってなかったのよ」
「勿論、身辺調査をしたところで何もでなかったわ」
「正真正銘、ただの高校生だったの」

「――だからこそ私の様な自分の才能を隠していた、怪しい人間と親しくしようとしていたのが理解できなかったの」

「毎日毎日他愛の無い話をしたり、一緒にお昼を食べたり……いつの間にか放課後も一緒に過ごすようになったり」
「休みの日も一緒に買い物に行ったり、遊びに出かけたり………」

「…そうよ。あの時は特に意識をしていなかったけど、あれは確かにデートね」
「そうしていつも一緒に過ごしていたの。――もっとも、私に探偵の依頼があった時は別よ」
「その時は1日会えない……なんて事もあったわね」
273名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 11:04:50.14 ID:rfe36ae4
「……その時から?えぇ、そうね。――確かにその時には既に好きになっていたのかも」
「でも、その時には分からなかったのよ。……仕方ないじゃない。そんな経験、生まれて初めてだったから」

「…モテてたんじゃないかって?どうかしら、自分の父親に捨てられたせいで一種の男性不信に陥ってたから」
「興味が無かったのよ。……だからあの時私が抱えていた気持ちを、上手に処理できなかったの」

「だから彼が私の助手になるって言い出したときは、凄く嬉しかった」
「そして、どうして嬉しいか悩んだものよ」

「そうして、何故彼がここまで私に執着しているのかずっと考えたの」
「何度も何度も……。でも考えれば考えるほど答えが絞り込めてしまうの」

「…そうよ。あの人は私の事が好きなんじゃないかって」
「本当に何度も何度も調査したわ。まさかこんな、探偵を生業としている女を好きになるはずが……ってね」
「でもね、熟考すればするほど、綿密に調査すればするほど、彼の好意は本物だとわかったの」
「ずっと私と一緒にいるし、私と他の女子に対する態度が、少し違う事も分かって……」

「確信したの。……そこまでしなくてもって?……いいえ、私は探偵だから。確信を持てるまで行動できないのよ」


「そこからが大変だった。なんせ人を好きになったことが無いのだから。……この好意をどう処理すればいいのか」
「応えるべきなのか、そうでないのか……。応えるなら、どうすればいいのか」
「まぁ、その結果は言わなくてもわかるわね?」


――――――
「霧切さんが好きだ」
今日もまた、自室で呟く。
口にすればするほど、気持ちが高ぶっていく。
好きだ。好きだ。好きだ。…………
でも、それ以上に嫌われたくない、ずっと側にいれるだけで……なんて後ろ向きな気持ちにもなる。
僕は人より少しだけ前向きなのが取り柄なのに。

この高ぶった気持ちを処理できず、悶々としたまま今日も布団に入る。


――最近霧切さんの様子が変だ。
いつも思慮深い彼女が僕と話しているときに上の空だったりする。
それどころか…少し、距離を置かれてる気がする。
僕が何かしたのだろうか?
……やっぱりいつも一緒にいるのが鬱陶しいのだろうか……………

いっそ全部ぶちまけてしまおうか、『僕は霧切さんが好きだ』って。
とてもじゃないけど、そんな勇気はない。
ここまで築いた関係を崩したくない。
274名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 11:10:35.42 ID:rfe36ae4
「どうしたんですか苗木くん?何か悩みがあるなら相談に乗りますよ」
「舞園さん…。別に何でもないよ。大した悩みじゃ……」
「苗木くん、私エスパーですから何を悩んでるかわかりますよ」
「えぇ!?」
「霧切さんの事ですね?」
「……!?何故それを……」
「やっぱり」
「!かまを…かけたの?やっぱり舞園さんて……」
「ふふ、エスパーでなくてもわかりますよ。苗木くん、霧切さんのことが好きなんですよね」
「っっ!!やっぱりエスパーなの?」
「丸分かりですよ。いつも霧切さんの事ばかり見てますよね」
「……バレてた?」
「むしろ、バレてないと思う方が驚きです。いっつも一緒に居るじゃないですか」
「……………」


「あれー?珍しいじゃん。苗木が霧切ちゃんじゃなく、舞園ちゃんと一緒なんて」
「朝日奈さんまで……」
「ね?皆知ってますよ」
「何々なんの話?」
「苗木くんたらバレてないつもりらしかったんですよ、霧切さんを好きなこと」
「えぇー私でも苗木って霧切ちゃんが好きなんだろなって事くらい分かってたよ?」
「………そう、なの?僕って………」
「そもそも、付き合ってるんじゃないの?」
「い、いや、まだ付き合っては……それに僕が好きでも、霧切さんがどう思ってるか………」

「苗木くん。大丈夫ですよ。霧切さんも苗木くんのことが好きですよ」
「私エスパーですから、間違いないです。…(それにさっき、霧切さんに同じアドバイスしましたし)」
「舞園さん……」

「苗木!霧切ちゃんみたいな女の子は押しに弱いんだよ。押しまくるんだよ」
「朝日奈さん……」

「2人ともありがとう。僕の気持ちを伝えてくるよ」


「霧切さん、用事は済んだ?」
「えぇ、今終わったところよ」
「なら、一緒に帰ろう」


「ねぇ、霧切さん……僕」
「苗木君、後で私の部屋に来て欲しいの。その時にね」
「……わかった」
やっぱり霧切さんにもバレてたんだろうか、恥ずかしい。
でも、舞園さんはああ言っていたけど、本当に大丈夫かな……


ピンポーン
「霧切さん、来たよ」
「入って」
こうして霧切さんの部屋に入るのは何度目だろうか。
事件の資料等を閲覧するときや、探偵の心構え等を教わる時は必ずこの部屋に来る。
必要最低限の物しか置かれていないけど、やっぱり女の子の――霧切さんの部屋はいい匂いがする気がする。

「霧切さん、僕、僕!」
「待って、とりあえずお茶でも飲みましょう」
やっぱり霧切さんは僕の気持ちを知っているんじゃ…当然か、探偵の霧切さんに隠し事なんて……。
275名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 11:13:02.11 ID:rfe36ae4
「はい、落ち着くわよ」
「ありがとう」
確かに高ぶっていた気持ちが少し落ち着いた。
さすがによく見ているんだなぁ。

「ねぇ、苗木君、あなた私のこと好きなんでしょ?」
「………」
やっぱりバレてたか

「返事しなさいよ。…それとも私の勘違いなのかしら」
「…好きだよ……大好きだ!四六時中霧切さんの事考えてる。目が覚めてから、寝ている時でも考えてる」
「…そ、そんなに私のこと………」
「たまらなく好きなんだ。この想いが叶ったら死んでもいい!」

「ダメよ……」
「そ、そんな……………」
否定されるなんて、舞園さんの嘘つき!
頭を鈍器で殴られたような痛み……目の前が真っ暗になってきた…………

「苗木君!?どうしたの?」
「……死んでやる。霧切さんに振られるなら死んでやる!!」
「ダメよ!!落ち着いて!話は最後まで聞いて」
「だって、ダメって……」
「私もあなたが好きなの!想いが叶ったら死んでも、なんて言うから」
「え………じゃあ……」


「ただ………」
「ただ?」
「付き合うとなったら、その……色々あるじゃない?」
「そりゃ色々あるね……」
まずは今まで遊びに出かけた所を、ただの友達じゃなく恋人同士で出かけないと
それに応援してくれた2人にお礼を言わないと。
あぁ…ごめんね舞園さん。嘘つき呼ばわりして
それに手を繋いで登下校もしたいし、手作りのお弁当も………それにキ、キキ、キスとかも……。

「以前言ったように、私のこの手袋の下は、家族になるような人にしか見せないって決めてあるの」
「だから、私の家族に立候補できるかどうかを……」

「霧切さん……」
まさかそんな先の事まで考えてくれていたなんて。
そこまで行くのは時間をかかるだろうと思っていたけど、僕も腹を括ろう。

「ごめんなさい、ただの冗」
霧切さんが何か言いきる前に抱きしめた。
「な、苗木君?」
「嬉しいよ。霧切さんも僕との事真剣に考えてくれていたんだね」
「苗木君?……ちょっと……」
「愛してるよ響子。子どもは沢山欲しいね」
「ちょ、ちょっと待っ……!?」
276名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 11:15:11.12 ID:rfe36ae4
――――――
「さ、そろそろパパが帰ってくる頃よ。晩御飯の準備をしなくちゃ。手伝ってもらえる?」
「はーい」
「何かいい匂いがするね。ママ何作ってるの?」
「これ?ニンニクのホイル焼きよ。これはパパのだからあなた達は一つだけよ」
「はーい。パパだけズルいな」
「ふふ、今度ドーナツを買ってあげるわ」

「ところであなた達、弟か妹のどっちが欲しい?」
「うーんと僕は弟かな」
「私は妹がいいな」
「帰ってきたらパパにお願いしてみなさい」

「ただいま」
「あ、パパだ。お帰りなさい」
「ただいま、いい子にしてたかい?」
「うん、あのねぇママにお話してもらったの」
「へぇーどんなお話だい?」
「パパとママのお話だよ」
「ねぇパパ?私ね、妹がいいなぁ」
「あ、ズルいぞ。パパ、僕は弟、弟がいい」
「え?急に何を?」

「お帰りなさいあなた」
「ただいま響子。どうしたんだいこの子達?急に弟が妹が言い出して」
「あら、あなたが言い出したんでしょ?」
「子どもは沢山欲しいって」



wikiまとめて下さった方ありがとうございます。自分の書いたの見返すと恥ずかしさで死にそう。
是非他の方も書いて下さいお願いします。
277名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 12:42:08.18 ID:GuhvBxk/


改めてまとめを見返すと感慨深いのう
2をきっかけに以前の職人さん達もカムバックしてほしいものじゃ
278名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 14:39:57.57 ID:czXK61sm
乙!
俺も妄想をどーにかネタにして投下したいぜ
ところでwikiの中の人7スレ目の補完はまだですかお願いします
279名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 17:25:19.91 ID:xTs7YDJ2
霧切さんが出てこないダンガンロンパなんて・・・

マジふざけんなよ・・・
十神もお通夜状態だし
280名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 18:23:31.08 ID:ge9/0Pg/
限定版パッケージが発表されたが千秋ちゃんの位置が特殊だった。かわいい
あと狛枝がすげーかっこいい。苗木はこんなにかっこいい系なオーラは出さないはず…
281名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 18:26:10.42 ID:antFg786
最初見た時は苗木と霧切の子供なのかと思った
282名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 19:58:05.47 ID:OeRVInOQ
個人的にはそのセンはほぼ無い気がしている
どちらかといえば千秋ちゃんの方が目がありそう
283名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 20:12:44.48 ID:bLLeFvI3
願望が凄い
284名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 21:07:44.06 ID:GuhvBxk/
なによりまず霧切さんの消息が気になるべ
どうか無事でいてくれますように…
285名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 22:26:32.05 ID:pN8g8JAm
少なくとも霧切さんの「観察眼」は2にも登場するようだが
誰のスキルになるんだろう
286名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 23:19:00.35 ID:5nOI453W
ベスト版に倣うならデフォ装備になるんじゃないか?
そうでなければ、狛枝か千秋かな
287名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 23:57:53.56 ID:OeRVInOQ
突如日向の前に現れた正体不明の銀髪の美女が観察眼を伝授してくれる方向で
288名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/21(木) 08:25:48.16 ID:Zl6jTLyB
銀髪の美女…一体何者なんだ…
289名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/21(木) 11:21:58.50 ID:zN/NPZ9L
美女探偵・・・ 一体何切さんなんだ・・・
290名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/21(木) 13:00:20.54 ID:IuAN7RD4
霧切さんが無事なのとナエギリを示唆する描写があれば十分なんだけどな
ベストなのがメンバーの中に子供が居て両親の話してくれることだが
291名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/21(木) 18:11:57.06 ID:KjXUwj8G
まぁ十神(本人かは怪しいが)までいるんだから、霧切さんにノータッチということは恐らくあるまい
願わくばその内容がこのスレを盛り上げるようなものであらんことを
292名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/21(木) 19:58:43.64 ID:Zl6jTLyB
霧切さんにタッチとな
293名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/21(木) 20:08:26.21 ID:xVttfUXE
俺はエンディングで島にいる皆を助けに来る二人というのをだな……
294名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/21(木) 21:24:51.44 ID:5IbRYlQT
何らかのアクシデントで、苗木君が意図せずπタッチしてしまったら
霧切さんはどうするだろう
295名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/21(木) 22:25:38.03 ID:L1MZCNs6
一瞬だけ頬を赤らめて驚くけどすぐにポーカーフェイスに戻るよ
「気にしてないわ」とか言うけど内心ドッキドッキだよ
296名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/21(木) 23:10:07.48 ID:Zl6jTLyB
その場では平然としているけど
部屋に帰ってから一人で苗木君の指の感触を反芻してドキドキしている霧切さん下さい
297名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/21(木) 23:51:06.26 ID:Mz9CFWkw
鉄拳制裁の後、氷のような眼で睨まれるのもそれはそれでご褒美ですぞ!
298名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/22(金) 08:11:59.79 ID:09LYrpAf
むしろ積極的に押し付けてくるエロギリさんを希望します
299名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/22(金) 12:52:14.36 ID:ykyJuDOw
「触りたいならそう言えば? 好きなだけ触らせてあげるわよ」
「え……えぇっ!?」
「……ふふっ。本当にわかりやすいわね、あなた」
「な、なんだ…冗談か…。からかわないでよ、もう」
「あら、冗談に聞こえた?」

という夢を見た
300名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/22(金) 17:12:12.93 ID:nzi6xiIr
その夢の話……詳しく聞かせてもらおうか
301名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/22(金) 19:54:30.26 ID:09LYrpAf
>>299
続けていいんだぜ?
302名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/22(金) 22:33:42.40 ID:BSzZET+0
>>298
だがちょっと待ってほしい
霧切さんに押し付けるほどのものは無…

おや、こんな時間に来客か
一体誰だろう?
303名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/22(金) 23:53:06.56 ID:ykyJuDOw
命知らずな奴め…
304名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/23(土) 03:16:03.20 ID:yx6N145O
1と2の間を補完する霧切さん主役の外伝とか出ないものか
305名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/23(土) 04:49:53.85 ID:0+iFyhOu
キャラ人気じゃ圧倒してる感もあるから霧切さん主人公の外伝作品出しても普通に売れそう
逆転検事みたいな感じで。苗木とのニヤニヤも見れるとなお良し
306名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/23(土) 08:57:27.49 ID:0uZBiYFk
だよな外伝だして、あの手袋の理由とか父親との確執とか見たいな。
307名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/23(土) 13:27:34.14 ID:lp756kwT
霧切さんが主人公なら…

霧「モノクマボトルは興奮状態だったのよ!」

とか、残念な台詞を霧切さんに言わせることも可能なのか
胸熱
308名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/23(土) 18:06:55.64 ID:ydCZTKJ1
いっそ霧切さんも喧嘩番長に登場すれば…
さすがに無理があるか
309名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/23(土) 21:44:16.49 ID:yx6N145O
全国の番長をビンタでしばき倒す霧切さんか…
310名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/23(土) 22:30:29.79 ID:M2xuWfBb
過去スレにあったネタだけど

575 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/01(火) 00:44:01 ID:78iwdvhn [1/2]
過去編という手もあるぜ

Chapter1 霧切響子の帰還

某国首都発国際線の機内。高度3万フィートの密室で事件は起きる。
数年ぶりに日本へ帰国する霧切響子。
家族旅行の帰路にあった苗木誠。
これが二人の最初の出会いであった。


Chapter2 霧切響子の事件簿

希望ヶ峰学園。
新たな生活。級友達との出会い。
しかし響子の心は帰国の目的――父の、血の束縛を絶つことにのみ向けられていた。
学園事務局員の一人が変死体となって発見されたのは、そんな折のことであった。


Chapter3 霧切響子の心霊学

夏休み。
十神家のプライベートビーチを無理やり占拠し、青春を謳歌する希望ヶ峰学園78期生達。
しかし響子に安息の暇は与えられない。
名探偵に引き寄せられたか、十神家の歴史の影に埋もれた過去の亡霊が姿を現す。


Chapter4 霧切響子の回想

忘れられない過ち。消せない傷。
少女は訥々と語り出す。


Chapter5 霧切響子の冒険

世間を震撼させる劇場型犯罪者「超高校級の爆弾魔」。
次なる標的となったのは、なぜか同人誌の即売会場。
そこには山田をはじめとした級友達との姿も……。
爆破予告のタイムリミットが迫る中、響子は惨劇を止めることができるのか。


Chapter6 霧切響子最後の挨拶

そして避けられぬ運命の日がやって来る。
絶望が紛れ込んでいる。だから私達が生き残った。
真実を求め、閉ざされた学園内を響子が走る。
「希望」を繋ぐために。


こんなのが出たら10本はお布施しちゃうべ
311名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/23(土) 22:54:38.15 ID:KfXdgDZh
ああ、過去編もいいな…
入学からあの運動会の集合写真の笑顔に至るまでの軌跡を見てみたいものだ
312名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/23(土) 23:39:52.67 ID:jyMo6RR3
まあその辺はあえて詳らかにしないからこそ妄想の余地があるともいえるからなあ
もし本当に出たら勿論買いますがね
313名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/23(土) 23:56:41.39 ID:ywSem9pP
>>310
くそう…やりたいなこれ
314名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/24(日) 01:58:11.51 ID:63DPwGYn
さてまとめの更新でもやるかー、と思ったら既に誰かがやってくれていたべ
誰かは知らんがありがとうだべ
315名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/24(日) 10:20:52.49 ID:Sbu2aeEq
お、本当だ
ついに7スレ目分も更新されたか
編集してくれた人達乙!

しかし更新履歴が霧切さんで埋め尽くされているさまは圧巻だべ
316名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/24(日) 16:26:49.00 ID:i24uqj3i
2の限定版パッケのフードをかぶった千秋ちゃんを見て、
霧切さんな苗木君のパーカーを着せてみたいなどと思ってしまったのは俺だけだろうか
317名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/24(日) 21:31:06.07 ID:Vn2UuDIO
俺の脳内おっかしーなー…
>>316の言う、苗木のパーカーを着た霧切さんの横で、
なぜか苗木が霧切さんの服を着てるぞ…?
318名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/24(日) 22:17:28.34 ID:Sbu2aeEq
非常に結構なシチュではあるが
一体どうすればそんなシチュに…
319名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/24(日) 22:54:03.79 ID:63DPwGYn
>>317
俺としては、そこはむしろペアルックでお願いしたい
320名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/24(日) 23:55:14.48 ID:NHkNRVfD
こう、雨に濡れた霧切さんに苗木君が自分のパーカーを…みたいなのが見たいです
梅雨だし
321名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 08:26:32.36 ID:y63fsP18
ファンアートとかではたまに見るな、苗木パーカー着用の霧切さん
322名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 12:54:43.24 ID:d9imqi4N
野外の捜査中に雨に降られて雨宿りするナエギリ
その最中に今まで見落としていた重要な手がかりに気づく霧切さん
思い立ったら一直線、外がどしゃ降りなのにも構わず傘も差さずに飛び出していく
傘を片手に慌ててそれを追う苗木君

読み通り重要な手がかりを発見した霧切さんだが、雨に濡れてビショビショのスケスケに
追いついた苗木君が(なるべく霧切さんを見ないようにしながら)自分のパーカーを差し出す
そして相合い傘で雨宿り場所へと戻る二人…

というところまで妄想した
323名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 17:37:07.05 ID:mIt93Vag
さて続きはまだかね。
324名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 18:20:44.85 ID:ExAjXSuf
>>322
即興で書いた。


子供の頃に見た刑事ドラマの1シーンに、雨の降りしきる中で手掛かりを探そうと地べたに這い蹲る場面をふと思い出した。
主人公の全身がずぶ濡れになろうと、同僚の刑事を撃ち抜いた弾丸を必死になって探している場面だ。
それによく似た光景が僕の目の前で繰り広げられていた。


〜 濡れる大捜査線 〜


「ねぇ、霧切さん。霧切さんってば!」
「……捜索の邪魔をしないでくれる? 集中しているんだから」
「人通りもないんだしさ、雨が止んでから再開してもいいと思うよ? このままじゃ絶対風邪引くって」
「そんな気遣い……!」

不要よ、苗木君の癖に生意気ね――。
お決まりの台詞を言うのかと思いきや、何かを発見したらしい。

「……BINGO」

その英単語をつぶやくとわずかに口元が緩んだ。
念願の手掛かりの品が見つかってご満悦のようだ。
そんな彼女の労を労うように頭の上から自分の傘を被せる。

「やったね、霧切さん」
「やったわ、苗木君」
「手掛かりの品も見つかったことだし戻ろう。このままじゃ風邪引いちゃう」
「心外ね。私はそんなにヤワじゃな……クシュン!」
「ほらほら、言わんこっちゃな……い!?」

言ってる傍からくしゃみをする霧切さんに少しお小言を言おうとした矢先に気づいてしまった。
白のブラウスという城壁を越えて垣間見る、下着という本丸が――!
うわー霧切さん、黒のブラジャーってすっごくアダルティだねぇ――じゃなくて!
流石に凝視したら不味いと思うので、そっぽを向きながら遠回しに気づいてもらう様にしてみよう。

「き、きききぎりさん? 寒いと思うからジャケットのボタン閉めたらどどどどうかな?」
「? あなたの方こそ大丈夫なの? 寒さで呂律が回ってないじゃない」
「失礼、かみまみた……じゃなくて! ほら、こう……風に当たったら余計寒いじゃない?」
「こんな濡れネズミになっているんだから今更ジャケットを閉めても手遅れよ」

それに余計に衣服がベタついて不快ね――、そんな風にぼやく姿を見ると下着が透けていることに気づいてないかもしれない。
前略、学園長。
あなたの娘さんはけしからん……! もとい、もう少し自分への観察眼を持ってくれると助かります。
325名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 18:21:43.19 ID:ExAjXSuf
えぇい、こうなったら実力行使だ!
自分の着ているサマーパーカーを脱ぎ、霧切さんに差し出す。

「もうダメだよ! いいからコレ、着て!」
「そうしたら今度はあなたまで風邪を引くリスクが高まるわ」
「四の五の言わずに、さぁ!」
「おかしいわね……。助手を連れて歩いたはずだけど、いつから小姑を連れてきたのかしら……?」
「もう!」

説得が無駄に終わったので、霧切さんの肩にかけるようにパーカーを被せる。
ついでに髪も雨から守るようにフードも被せておく。

「……こうして苗木君と問答しているより、どこかで雨宿りをする方が効率的ね」
「その提案はすっごく魅力的だね」
「あなたも言うようになったじゃない」
「二人とも風邪でダウンして、依頼人に報告できなかったら元も子もないからね」

僕らは一刻も早く雨宿りする場所を求めて競歩で歩いたりしている。
さながら二人三脚みたいだ。
こう、相合傘ってもっとゆっくり寄り添って歩くものだと思っていた。
イチャイチャとした雰囲気を醸し出すこともなく、僕らは適当に屋根があるだけの雨風が凌げる建物で一休みする。

「うへぇ、靴の中がビショビショ……」
「仕方ないわね、ここで休憩しましょう」
「へ? 休憩?」

こんな夜遅くにそもそも開いているの? ――なんて疑問を口にしようとしたら建物の看板が目に付いた。
そこには建物名、休憩と宿泊の料金システムが簡単に書かれていた。
――どう見てもブティックホテルです。本当にありがとうございました。

「ま、まずいよ霧切さん! 僕らはまだ高校生であって、不純異性交遊の場に足を踏み入れちゃあ!」
「? ただここで休憩するだけでしょう? 何か問題があるの?」
「ここ、江戸時代風に言えば"出会い茶屋"なんだ。……ここまで言えばわかるよね、霧切さん!?」
「……ごめんなさい、苗木君。益々わからないわ。私、海外での生活が長いから日本史は少し苦手なの」
「あ、待ってよ!」

そう言って僕の制止を振り切り、室内に入る霧切さんだった。

――そこから先の展開はまぁ、皆さんのご想像にお任せします。
結局、僕らは"休憩"ではなく"宿泊"をしたとだけ付け加えておくよ。





そしてコメディになった。
326名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 19:01:05.41 ID:QBBZiPzs
乙!
ラブホだということを認識しパーカーの件とか色々気付いてあたふたする霧切さんはまだかね!
327名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 20:39:41.98 ID:d9imqi4N
おおGJ!!
俺の取り留めない妄想を形にしてくれてありがとう!
これだからこのスレはやめられないべ…
いいぞもっと透けろ!
328名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 21:54:42.87 ID:mIt93Vag
GJ
さて休憩から宿泊に至った経緯はどこで読めるのかな
329名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 22:26:16.43 ID:+EBG2UE3
ホテルでも事件に巻き込まれちゃう骨の髄から探偵体質な霧切さんはまだですか。
後日事件のことを聞きつけた他の連中にホテルで何してたんだと問い詰められても何事も無かったかのように振る舞うクールな霧切さんはまだですか。
そんな霧切さんの態度がちょっぴり寂しいけどよく見ると耳が真っ赤で何となくほっこりしちゃう苗木くんはまだですか。
330名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 22:33:27.66 ID:LbcMe1zG
>>326
だが待ってほしい
この霧切さん、すべて分かったうえでやっているとは考えられないだろうか
331名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 23:20:41.13 ID:x1BI8xer
ちょっと待ってよ!
霧切さんはああ見えて結構天然っぽい一面もあるんだ!
だからこれも完全な素と考えることもできるはずだよ!
332名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/25(月) 23:56:24.02 ID:y63fsP18
なあに
どちらでも美味しくいただけるから問題ない
333名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/26(火) 08:06:07.43 ID:TX/+MCtu
>>329
言い出しっぺの法則というものがあってだな…
頼んだぜ兄弟
334名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/26(火) 12:16:16.66 ID:J15ecWQR
濡れた服を乾かそうと思えば脱がないいけないよね
乾かしている間は着れないよね
335名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/26(火) 15:37:59.71 ID:Aq/cNJGA
大抵のホテルはバスローブを備えているはず…
素肌の上にバスローブを羽織っただけの霧切さんが拝めるということだな
336名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/26(火) 20:05:45.51 ID:TX/+MCtu
ならばついでだしシャワー浴びないとな
雨に濡れた体を暖めるためにもな
337名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/26(火) 21:07:04.27 ID:6XVto3Y3
体を温めるには運動が必要だな!
338名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/26(火) 22:25:28.54 ID:+VsTIzX3
ようしオマエラそこまでだ
これ以上はエロパロ板行きだぜ?

ということで自分から手を出そうとしない紳士な苗木に(意気地なし…!)とふてくされる霧切さんを希望します
339名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/26(火) 23:45:30.23 ID:Aq/cNJGA
ああ…それもアリだな
なんなら業を煮やした霧切さんが苗木君を押し倒す展開でも(以下検閲により削除)
340名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/26(火) 23:48:02.44 ID:siseL1MT
しまった!エロパロに乗り遅れた!!orz 
ここはNOエロで、、逆に周りに建物ないから雨宿りで「濡れて寒いから」を理由に
身を寄せてからかう霧切さんと、どぎまぎさせられた挙句
「濡れて寒そうだから」を理由に抱き着いちゃう苗木君を提案します。
341名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 08:34:33.32 ID:2gerkskX
霧「少し疲れたわね…苗木君、悪いけど肩を揉んでくれない?」
苗「えっ、僕が!?」
霧「探偵を労うのも助手の仕事よ。いいわね?」

みたいなのは無いだろうか
342名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 13:02:02.12 ID:i1VIknJb
>>341
苗「こ、こんな感じでいい…?(モミモミ)」
霧「んっ……いい、わ……意外と上手なのね、苗木君」
苗「そ、そうかな?」
霧「えぇ……とっても気持ちいいわ……」
苗「……!(ドキッ)」
霧「…どうかした?」
苗「い、いや…何でもないよ(ドキドキ)」
霧「そう…。ねぇ、もう少し上の方…強くしてくれる…?」
苗「う、うん…こう?(グィッ)」
霧「っ……んんっ…!」
苗「ご、ごめん! 強過ぎたかな?」
霧「……ん……平気、よ。このまま続けて……」
苗「う、うん…(ドキドキ)」







霧「…お疲れ様。お蔭で随分疲れがとれたわ」
苗「ど、どういたしまして(ドキドキ)」
霧「ところで…先ほどの様子をこのレコーダーで録音してあるのだけれど」
苗「…へ? な、何でそんなもの録音してるの!?」
霧「さぁ? さて…どうしようかしら、このテープ。皆に聞かせてあげましょうか」
苗「ちょっ、やめてよ!?」

みたいなのが浮かんでしまった
343名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 13:42:03.25 ID:tSVh3c3N
ニヤニヤが止まらん
さて、その話の前後はまだかな
344名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 19:29:01.32 ID:2gerkskX
おおGJ!
さて…そのテープ、言い値で買おうか
345名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 21:41:56.59 ID:Hq6u1NC/
昨日の流れのせいで、どうもバスローブ姿の霧切さんを苗木君がモミモミしている絵が浮かぶぜ

あ、もちろんモミモミしているのは肩ですのであしからず
346名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 22:09:25.72 ID:GSqJoVA9
なんか需要がありそうだったから勝手に続きを書いた。
>>324-325 の続き。
↑が既にまとめwikiに更新されていて噴いたwww

―――――

「先にシャワー浴びてきなよ」
「私より先に苗木君が入るべきよ。さっきも言ったでしょう? 私はそんなにヤワじゃないの」

憮然とした表情で僕を睨む霧切さん。
あれからブティックホテルの部屋を取り、どちらが先に入浴するかで議論は平行線を辿り時間だけが過ぎていく。
このままズルズルと結論を引き延ばせば延ばすほど、二人とも風邪を引くリスクが上がることがわかっているから余計にもどかしい。

「だったら公正にじゃんけんで決めようか?」
「じゃんけん? するだけ無駄よ」
「なんでさ。勝負はやってみないとわからないよ?」
「バカ正直な苗木君の思考なんて私には手にとるようにわかるの。ここまで言えばわかるわね、苗木君?」
「……わかったよ。僕が先に入る」
「殊勝な心掛けね」

渋々ながら浴室の方に向かう僕。
クローゼットの方からバスタオルだけを持って入る。
カラスの行水みたいにパパっと済ませて、さっさと霧切さんに温まってもらうことにしよう。
――っていうか、最初からそうすればよかったんだよ。


〜 濡れる大捜査線2 505号室を封鎖せよ! 〜


霧切さんと一晩過ごす――。
こういうのって温泉旅館で宿泊した時以来のことだっけ。
しかし、あの時あったことを思い出すとこれから一波乱も二波乱もありそうな予感がしてならない。

「ただ、一つのベッドで二人して眠るだけなんだ。決してラッキースケベじゃないんだからね……!」

そう自分に言い聞かせるようにしてシャワーのカランを閉める。
バスタオルで全身の水分を払い、腰に巻く。

「霧切さん、上がったよ。さぁさぁ入って入って」
「……ちょっと早過ぎない? ちゃんと温まったの?」
「温まったから言ってるの。あ、霧切さんはゆっくり入っていいよ」
「……やっぱり苗木君の癖に生意気ね」

渋々ながらバスタオルとバスローブを抱えて浴室へと向かう霧切さん。
――そもそも、女の子の前でバスタオル一丁というみっともない姿を見せることに抵抗はないのかって?
既に生まれたままの姿、有り体に言えば"すっぽんぽん"の姿を霧切さんに見られた以上、失うものはもう何もないって感じだ。

脱いだ服のTシャツとズボンをそれぞれハンガーに掛ける。
下着のパンツだけを穿きなおし、その上からバスローブを羽織る。
バスローブの腰紐を結んだら、靴と靴下を空調が当たりそうな場所に置いて少しでも水分を飛ばすようにする。

「さて、霧切さんが上がってくるまでどうしよう……?」

ベッドに腰掛けて考える――。

 テレビを見る
→冷蔵庫を漁る
347名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 22:11:05.51 ID:GSqJoVA9
「何か飲んで待ってようっと……」

備え付けの冷蔵庫を開け、アルコール類ばかりが並ぶ品数の中でミネラルウォーターをチョイスする。
キャップを開けて飲み口に口を付け、ボトルを上に傾ける。
水道水とは異なり、冷蔵庫で冷やされた天然水が喉から爽快感をもたらす。
シャワー入浴で温まった体をいい意味でクールダウンさせてくれる。

きっとテレビなんて点けたって、エッチな番組ばかりが流れているんだろう――。
そこにお風呂から上がった霧切さんと鉢合わせて気まずい空気を生んだりするんだろうなぁ。
前に旅館でテレビを点けた時も似たようなことがあったから僕も学習するわけだ。
そう考えているとガチャリ、と浴室のドアが開く音が聞こえた。
えっ、もう入浴済ませちゃったの?

「ちょっと霧切さん、早過ぎな……」
「何よ。文句があるならハッキリ言いなさい」

霧切さんに言われた台詞をそっくりそのまま返そうと思ったら、続きの言葉が言えなかった。
バスローブ姿の霧切さんを見て言葉を失ったからだ。
僕と同じものを着ているのに、着る人が違うだけでこんなにもドキドキするものなの――!?

「も、文句なんかないよ。ただ霧切さんの姿がすっごくセレブっていうか、優雅に見えるっていうか……」
「セレブって……妙な例えね」
「こう、ブランデーのグラスを傾けながら膝に抱えたシャム猫の喉をコロコロするようなセレブみたい」
「なによそれ……。それじゃあセレブっていうよりマフィアのドンじゃない」

僕のボキャブラリーがツボだったのか、霧切さんが苦笑する。
そして僕の隣に腰掛けて、手に持っているボトルに視線を送っている。

「いいものを持ってるじゃない。冷蔵庫から?」
「うん。つい喉が渇いちゃって」
「美味しそうね。私も飲もうかしら」

そう言って冷蔵庫のドアを開けて中を確認する霧切さん。

「ごめん。他はお酒ばっかりだから、水は今僕が飲んでいるのしかないんだ」
「あら、そのようね……」

そんなに残念って感じには聞こえないのは何故だろう――。

「ねぇ苗木君。ミネラルウォーターの代金は私が払うから、私にも飲ませてくれないかしら?」
「えっ、えぇっ!?」
「……私に分けるのが難しいくらい喉が渇いていたの?」
「いやっ、そうじゃなくて! き、霧切さんが飲みたいなら残り全部いいよ!!」

僕の予想を上回る要求にすっかり冷静でいられなくなった。
何だか霧切さんに押し付けるような形でミネラルウォーターのボトルを霧切さんに差し出すのだった。

「ありがとう、苗木君」
「お水のお金も僕が払うから気にしないでいいよ! その……いっつもお世話になっているからそのお礼ってことでさ!」
「じゃあ、いただくわ」

先ほどの僕のようにキャップを開けて飲み口に口を付け、ボトルを上に傾ける。
コクコクと霧切さんの喉を潤す音が聞こえる。
これは間接キスじゃない、ただの水分補給なんだ――!
そう意識しても生唾をゴクリと飲み込んでしまう。
348名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 22:14:10.21 ID:GSqJoVA9
「……やっぱり、私だけが飲んじゃまずかった?」
「いやいや、そんなことないよ!」

顔を横にブンブンと振って霧切さんの誤解を解く。
そんな時だった。


「カンダァ!」


いきなり僕らの部屋のドアが蹴破られたのだ。
部屋の入り口には知らない男性が突っ立っている。

「っ!」
「うわぁぁぁ!!」

突然の襲撃に僕は悲鳴を上げ、霧切さんは僕を庇うように――もとい、押し倒す。
そんなわけで僕の視界の八割は霧切さんで覆われた。
今の霧切さんをボーッと眺めると顔は襲撃者を威嚇するように睨みつけている。

そんな中、不謹慎にも僕の視線はバスローブから覗く霧切さんの素肌に目を奪われていた――。
まず鎖骨。
制服だろうと私服のブラウスだろうと決して着崩すことがないことで見たことないこの場所を、生まれて初めて見たという感動。
そして谷間。
朝比奈さんや江ノ島さんに比べたら見劣りしてしまうのは否定できないけど、色白の素肌から浮き出るコントラスト。
きっとこのボリュームは僕の手の平ならジャストフィットだ――!
この予想、あるいは推理が葉隠君の占い以上に当たる予感がした。

「……邪魔したな」

そんな僕の脳内なんて露知らず、霧切さんと男の人の睨み合いが続くのかと思いきや男の人の方があっさりと身を引いた。
そして足早にドアを閉め去っていくのだった。

「……なんだったのかな、今のは」
「さぁ……。私にもわからないわ」

僕らも呆気にとられていた。

「苗木君、今ので怪我はない?」
「うん、大丈夫。急に押し倒されてびっくりしたけど」
「……ごめんなさい。急なことだったから咄嗟にあなたを庇うことしか出来なかったわ」
「いや、霧切さんも謝らなくていいよ。僕なんかビックリして悲鳴上げることしか出来なかったんだし」
「フフッ。言われてみればそうね」

うわっ、この距離でその笑顔は反則だよ。
だが笑顔を浮かべたすぐ後に、眉を顰めて言うのだった。

「……それにしても臭うわね」
「えっ、僕の体臭ってきつい方だったの!?」
「違うわ。事件の臭いがするって意味よ」

探偵の勘なのか、霧切さんは何かを感じ取ったらしい。
349名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 22:17:08.80 ID:GSqJoVA9
「行きましょう、苗木君。探偵が事件を諦めたら迷宮入りよ」
「……わかったよ、霧切さん。でもあぶないと思ったらすぐに逃げようね」
「そうするわ。先ずは着替えましょう?」
「うん、わかった……って、ちょ!!」

僕から離れ、いきなりバスローブの腰紐に手を掛け解こうとするじゃないか!
前略、学園長。
あなたの娘さんはもう少し羞恥心というものを学習してほしいです。

「……何よ。やっぱり怖気づいたの?」
「そうじゃなくてさ! いきなり僕の前で着替えられてもビックリしちゃうから!」
「事件は現場で起きているのよ。一分一秒無駄に出来ないわ」
「だ、だったら僕が浴室で着替えてくるよ!」

ハンガーに掛けてあったTシャツとズボンをダッシュで回収して浴室へ。
そのままバスローブだけを脱ぎ素早く着替える。
浴室のドア越しに確認を取る。

「こっちは準備いいよ!」
「こっちもいいわ」

浴室から出たら靴下は履かず、素足に濡れたスニーカーを履く。不快感には目を瞑ることにする。
霧切さんは僕の貸したパーカーを上着にして、下はスカートとブーツという姿だった。
いつものブラウスとジャケットではない組み合わせだが、僕のパーカーを着るだけでとてもラフな格好に見えてしまう。

「はい、苗木君。これを着て」
「えっ、霧切さんのジャケットを?」
「防刃効果くらいしかないけど、ないよりマシだわ。水を吸って少し重いけれど我慢して」
「わかった」

渡された霧切さんのジャケットに袖を通す。
身長が近いだけにサイズもフィットしている。
雨に濡れて背中周りが少し冷たい感じもするが、窮屈ではない。
何だかこれを着ているだけで不思議と勇気が湧いてくる。

―――――

「行くわよ、苗木君」
「うん、いいよ。……うわっ」

霧切さんがドアを開けた瞬間、異変はすぐに気づいた。
廊下には男の人たちが倒れているからだ。
割られたサングラスのレンズから見える人の目は白目を剥いていた。

さらに床にはゴルフクラブや金属バットがへし折られていて使い物にならなくなっている。
倒れている人たちへの武器に使ったのだろう、使用目的を間違えているのが明らかだった。

「予想以上にあぶないわね。私の傍から離れちゃダメよ、苗木君」
「……うん」

霧切さんの背中に守られながら前進して先を進む。
倒れている人たちを道標のようにしながら。
そしてホテルの最上階、奥の部屋まで続いていた――。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 22:18:45.34 ID:GSqJoVA9
「ここ、かな?」
「そうみたいね。……待って、誰か来るわ!」

霧切さんの腕に引っ張られる形で廊下の壁際に身を寄せられる。
奥の部屋から僕らの部屋に押し入ってきた男の人と、パンチパーマの人がやってきた。
霧切さんはパーカーのフードを被り、僕に抱きつくようにして耳元で囁く。

「今だけはカップルのフリをして。あの人たちとは目線を合わせちゃダメよ……」
「……うん」

そっと霧切さんの腰に腕を回し、抱きしめる。
パーカーのフード越しに頬擦りするようにして、じゃれ合う演技をする。

「苗木君……」

耳元で甘く囁くように名前を呼ばれたら心臓が大きく跳ねた。
それを知ってか知らずか、霧切さんは僕の耳元に何度も息を吹きかけてくる。

「うっわ……」
「力也、あんまりジロジロ見るな」
「すんません、兄貴……」

二人組の男性は僕らを一瞥するとすぐに階段を下りて行った。
――よかった。何とかやり過ごせたみたい。

「……ふぅ、あぶなかったわ」
「うん、今のはあぶなかった」

霧切さんに襲い掛かりそうな意味で。
もっとも、返り討ちに遭うオチしかないけど。

―――――

ホテルの最上階の部屋、一番料金の高い部屋は事件現場となっていた――。

バラバラに砕け散ったソファやスツール。
おまけに壁のオブジェか何かだろう。石の破片まで大理石の床に散らばっている。

そんな中、プールのような浴槽の前で大の字に倒れている人がいた。
腕から背中周りまで入れ墨を彫っている強面の人だと一発でわかる。
そのスキンヘッドの人が白目を剥いてピクリとも動かず倒れている。

「ひぃっ! し、死んでるぅぅ!!?」
「……いいえ、まだ息があるわ。ただ気を失っているだけのようね」

倒れている男性の首筋に指を添えて呼吸の有無を確認する霧切さん。
っていうか、怖くないの!?
351名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 22:21:00.29 ID:GSqJoVA9
「ど、どどどどどうしよう霧切さん!? 警察呼ぶの? それとも救急車呼べばいいの?」
「……まずは落ち着きなさい。はい、深呼吸」
「すぅー、はぁー」
「落ち着いたかしら?」
「……うん、さっきよりマシかも」
「恐らく受付の人が騒動に気づいているから警察は呼んでいるはずよ。廊下であれだけ人が倒れていたら大騒ぎでしょう」
「確かに……」
「せっかくの機会だから、ここをテストの場として利用させてもらうわ」
「テスト?」
「そう。私の助手としてどこまで成長したのかを知るためのね」

まさか、霧切さん――。
動揺する僕のことなんて露知らず、ニヤリと笑みを浮かべて提案してくるのだった。

「苗木君、警察が来る前にこの部屋で何が起こったのか推理してみない?」
「えぇーっ!?」


続く


前に温泉の話を書いたけど、まとめwikiみたら懐かしくなって微妙にネタを引っ張ってみた。
話の後半は金曜日くらいまでに仕上げます。
なんか別の作品のキャラが出ているような気もしますが、多分気のせいです。
話の元ネタと季節が異なるのも多分気のせいです。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 22:27:03.85 ID:QMu2l5EQ
GJ!
ネタを文章化出来ないからこそこそwikiを更新するのさ!
金曜日あたりを楽しみに待ってるよー
353名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 22:42:27.88 ID:c6mbc3p2
マジけしからんな。テープは俺が没収しておこう。
354名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 23:16:43.41 ID:HA6YXfeZ
>>351
乙!
やっぱり事件に巻き込まれるのは探偵の宿命か…ちくしょうイチャコラタイムが!
355名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 23:33:46.05 ID:VeCXPcRa
一瞬バスローブのまま部屋の外に出るのかと期待…もとい勘違いしてしまったべ
356名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/27(水) 23:43:35.19 ID:Eh+wK3s2
乙乙
続き期待
357名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 08:34:05.83 ID:pBVVfzzR
最近またSSが投下されるようになって嬉しい限りだべ
358340氏へ:2012/06/28(木) 10:17:50.34 ID:IKY2VJhP
こうですかわかりません携帯から失礼

とあるバス停にて
「ツいてないね、予報では午後から―なんて言ってたのに」
「あくまで天気予報は予想でしかないのよ。外れる事なんてザラよ――それに山の天気は変わりやすいもの」
「それにしたって天気も空気を読んで欲しいよ。折角、霧切さんがスパッと事件を解決したのに」
「……そうね、でも被害者を悼む涙雨ともとれるんじゃないかしら」
「そうだよね、ゴメンね。不謹慎なこと言っちゃって」
「いいえ、私も雨が憂鬱なのは同じだから…探偵の性とはいえ事件に巻き込まれるのも、ね」


僕達二人は、僕がたまたま当てた福引きの日帰り旅行に来ていた。
ちょうどペア券だったし、運良く霧切さんの予定も空いていたので、勇気を出して誘ってみた。
一応、普段頑張ってる僕へのご褒美って名目で。

普通に誘ったんじゃ断られるかもしれないし、助手として頑張ってる僕の労をねぎらうという形にしてもらった。
結果、こうして2人で旅行に来れた。

霧切さんには「苗木君をねぎらうのに、あなたが当てたのを使っていいの?」
「改めて用意しましょうか?」なんて言われたけど、本当はねぎらってもらう必要なんてない。
僕の意志で助手をしてるんだし、霧切さんと一緒に過ごせるだけで充分ねぎらいになる。

けれど、そういう回りくどい事でもしないと、霧切さんと遊びにはいけないし。……確かに助手として側に居られるけど
僕としてはこう、もう少し仲良くというか……ともかく一緒に遊びに行く口実が欲しかった。


それなのに……霧切さん曰く『探偵の性』らしいけど、事件に巻き込まれ、足止めを食らった。
事件は無事に解決したけれど、一泊する羽目になり……
旅館の人が余計な気を回してくれたけど、僕は耐えた……耐えたんだ!
触れる肩、確かな温もり、穏やかな息づかい、とても甘い香り………
そのどれもが、僕の理性の防壁を打ち砕こうとしていた……。


――――――
僕はいつも通りだと思っていた。
霧切の名前を出した途端に、僕等を不審人物として事情聴取をしていた刑事さんが取調室を出て
次に署長さんと現れた時に、面白く無さそうな顔をしているのを。
そして対照的に署長さんは下手にでておべっかを使うのを。
僕は申し訳ない気持ちでいっぱいになるが、霧切さんはどこ吹く風、なのも。
いつもの様に事件の詳細を聞き出し、そしてあっという間に事件を解決してしまう。
もうこれは予定調和なのではないのか?そう思ってしまうほど見慣れたいつもの光景だ。


そしてあっという間とはいえ、日が暮れるには充分過ぎる時間が経ち、一泊せざるを得なくなった。
なんでも、事件は解決したけど事情聴取はまだ続くらしい。
僕等は優先的に済ませてもらったが帰宅手段がなかった。
折しも、降り出した雨の影響もあり、無理に帰る方が危ないと判断したのだ。
どうせ明日は休日だ。霧切さんとまったり過ごそうと思っていたのだが……


『田舎は交通手段が限られますから、是非お泊まり下さい』なんて、親切そうな女将さんが言っていた。
もっとも気が効き過ぎて、僕らは同じ布団で寝る羽目になった………
さすがに年頃の男女が同衾はマズい。石丸クンじゃなくとも不純異性交友の誹りは免れない。

だというのに霧切さんたら………
『他の部屋は全部埋まっているらしいし、今日はもう疲れたわ』
『大丈夫よ。私は苗木君を信じてるから……ここまで言えば分かるわね?』
なんてお風呂上がりのしっとりした姿で言われて、うまく返事ができない内に
電気を消して先に寝息をたて始めたものだから…僕も諦めて床についた。
359名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 10:19:46.00 ID:IKY2VJhP
本当によく耐えたと思う。霧切さんが横に無防備な寝姿をさらしている。
――ただそれだけで頭は熱を帯び、ギンギンに冴える。
おかげでほとんど眠ることなど出来なかった。
僕の葛藤ときたら、ハムレットに勝るとも劣らないレベルだったと思う。


――――――
そして今、昨晩よりも遥かに緊張している。
朝一番で旅館を出て、近くのバス停まで歩いていたら突然の豪雨に見まわれた。
昨晩あれだけ降ったのだから、もう昼まで降らないだろうと思っていたのだが……
一応持ち歩いていた折りたたみ傘だが、大して役に立たず、僕らは急いでバス停に駆け込んだ。

ところが例のごとく、田舎のバス停ゆえに本数が少ない。
少なくとも後一時間は来ない。この豪雨の中、再び旅館に戻るのは躊躇われる。
幸い、このバス停には屋根もベンチもある。一時間は長いけど、二人で居ればすぐに経つ。
そう判断したのは僕だけでは無いようで、どちらともなく腰掛けて、昨日の出来事を話していた。


「――事件に巻き込まれるのは、ね」
「やっぱり霧切さんでも嫌なの?」
「当たり前でしょう。一々どこかに出かける度に事件に巻き込まれたら、体がいくつあっても足りないわ」
「それに折角の休日が……それも苗木君が誘ってくれたのに……残念だわ」
「霧切さん……」
霧切さんもそう思ってくれてたんだ。少し気持ちが通じ合ってる気がした。


「……それにしても苗木君?」
「何かな?」
何となく訪れた沈黙を霧切さんから破った。
「昨夜の事よ、私達同じ布団で寝たのよね?」
「う、うん。だけど急になにを?」
思い出すだけで顔が熱くなる。悶々とする。

「だというのに、あなたときたら……」
ヤレヤレといった風に顔を振りながら、ため息をつく霧切さん。

こ、これはまさか!!
「正直言ってガッカリよ、日本には据え膳食わぬは―なんて諺があるのに」
「えぇぇ!!?そりゃないよ、僕がどれだけ必死に我慢していたと……アレ?」

「よかったわ。苗木君も人並みの欲求を持ち合わせていて…(私に魅力が無いのかと)…」

あぁぁ……いつものからかっている時の笑顔だ。
しまった……それに、僕は何を口走って……。


「き、霧切さん!さっきのは冗談で……」
「わかってるわよ、意気地なしの苗木君」
やられた……気を抜くとすぐに霧切さんの手のひらで遊ばれてしまう。
いつか霧切さんから一本とれる日がくるのだろうか……

360名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 10:23:13.98 ID:IKY2VJhP
「ね、苗木君。少し肌寒いの。温めてくれない?」
僕が頭を抱えて沈んでいると、いつの間にか距離を詰めていた霧切さんがそう切り出してきた。

「え?うん、そうだね、確かに少し寒いかも」
「昨日布団でくっついている時のアナタ、とても暖かかったわよ」
なんて言いながら僕の左肩にもたれ掛かってくる。
「ちょ、霧切さん…」
「ふふ、暖かい。どうして苗木君の体温はこんなに高いのかしらね?」
そんなの、決まってるじゃないか。

「あら?苗木君、アナタ不整脈の検査を受けた方がいいかもしれないわね、胸がドキドキしてるわよ」
「も、もう騙されないからね、霧切さんにからかわれてばかりはいられないし」
「残念ね、でも…寒いのは本当よ」
確かによく見ると微かに震えている霧切さん。
唇もうっすら紫色に……

だから僕は霧切さんの肩を掴んで抱き寄せた。
一本とるなら今しかない!普段のお返しだ。
寝不足の頭ではそんな事しか考えられなかった。


「な、苗木君!?」
「こうすれば2人とも暖かいよね?」
「え、で、でも……」
珍しく霧切さんが動揺している。これだけでも行動に移した甲斐があった。

「実を言うと僕も寒かったんだ。…これで僕も暖かいよ、何故か霧切さんの体温も高いから」
「……苗木君の癖に生意気ね…」
そう呟きながら僕の背中に腕を回してきた。

ふと、実はとんでもない事をしているのでは?と思ったが。
どうせ後10分もしないうちにバスが来るだろう。
それまで暖をとっていればいい――お互いカイロのようにポカポカしているんだから。


この後、豪雨のせいでさらに一時間遅延したバスが来るまで、僕らはずっと抱き合っていた。

――――――
まとめて下さった方々本当にありがとうございます。俺の携帯からの無駄に長いのまで
351さん乙です続き楽しみです。
361名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 10:44:06.26 ID:zInKN4Li
乙ギリさん
手玉に取る霧切さんかわいいぜ

ところで俺の携帯の予測変換で「き」を打つと
「切」「霧」「響子」の順に表示されるんだが
その次はなぜか「筋肉質」でした。どうした携帯よ。
362名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 12:29:42.31 ID:uoxrUlzE
霧切さんには脂肪が足りないと申したか
363名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 16:08:56.14 ID:S/bNFubQ
脱ぐとうっすら腹筋の割れている霧切さんというのもそれはそれで…
364名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 19:40:38.33 ID:pBVVfzzR
筋肉質とまではいかなくても、結構鍛えてそうではあるな
365名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 19:52:41.80 ID:V1SDbAAd
鍛えているっていう女の子の「腹筋触ってみて」って、なんであんなにドキドキするんだろうな
霧切さんもたぶん無頓着に「腹筋触ってみて」って言っちゃうタイプ
366名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 19:56:48.53 ID:HPZTU+1c
探偵って肉体が資本だもんね
苗木くんをお姫様だっこしてランナウェイできるレベルには鍛えてるよ多分

一方、一般的な高校生の苗木くんは霧切さんにまさか筋肉で負けるとは思わなくて隅っこで泣いてる模様
367名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 22:02:58.72 ID:uoxrUlzE
腕相撲で霧切さんに負かされてガチヘコみする苗木君
勝ったはいいがちょっと不満げな霧切さん
368名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 22:45:28.54 ID:bMVtzl7G
>>358
あ、どうも、340です。。
俺の人生お腹いっぱいです!最高でした!!
俺の妄想を綺麗に文面化してくれてありがとう!!!(><)/
369名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/28(木) 23:51:12.59 ID:WrBuvdbE
>>366
>>367
なに、霧切さんが苗木君を鍛えてあげればよろしい
手取り足取り、な
370名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/29(金) 08:26:04.94 ID:RkaFF0Ey
手取り足取り…だと?
詳しく聞かせてもらおうか
371名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/29(金) 12:16:53.06 ID:o7nbvp7c
苗木君に護身術の稽古をつける霧切さん
しっとりと汗の浮かぶ肌…
胴着の襟から覗く白い首筋…
372名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/29(金) 15:11:29.87 ID:S0B78ssL
腹筋を二人一組でやる場合、相手の両足を抑えるのだが
この場合、苗木は脚に霧切さんの腕と胸の感触を、
足の甲の部分に霧切さんの大きなお尻を感じることになるな!
体を起こす度に霧切さんの顔が真近に接近するわけだな!
余計な所が起きないか心配だな!んでもって筋肉は一日にしてならずだから「明日もやるわよ」とか言われるんだな
特に運動してないはずなのに霧切さんは顔真っ赤になってるよ!


あれなんですか霧切さんそのダンベr シタイガ ハッケン サレマシタ!
373名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/29(金) 17:33:06.31 ID:o1Pp5xqj
お前らの妄想力に乾杯w
374名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/29(金) 21:53:52.49 ID:r316xxSm
さすがに筋トレのペアは男女別だろう
だからこっそり自分の部屋に呼んで苗木君の筋トレを手伝う霧切さん。正しいフォームが肝心、と先にやってみせて
ほのかに上気する頬、うっすら滲む汗、上昇する体温、漂ってくる男同士では嗅ぐことのない香り――フェロモン。さらに密室に2人きり……
それらを意識しながら、霧切さんは僕の為を思って教えてくれてるんだ―と必死に耐える苗木君。
勿論正しいフォームを教えるため密着して文字通り手取り足取り教えてくれる霧切さん
そんな事を何日も続けていく内に筋トレで男性ホルモンが活発に分泌され、筋肉がつき少し自信がついた苗木君
……ここまで言えば分かるわね?

これ以上はエロパロだな………

351の続きはまだかな?
375名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/29(金) 22:25:08.04 ID:o1Pp5xqj
けしからんな…もっとやりたまえ
376名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/29(金) 22:52:33.96 ID:llK+hyPe
腹筋を霧切さんとやることになった苗木くん
試しに腹筋の回数対決をしてみることに
二人同時に開始するわけだが、苗木くんは彼女の様子に釘付けで全然回数を重ねられない
荒い息遣い、赤く火照った顔、汗で貼りつく体操着…
ふと我に帰って邪念を払い、真面目に取り組もうとするもリードを付けられ大敗
少し胸を張って嬉しそうな霧切さん、私の腹筋も大したものでしょと軽く得意顔
なんだったら触ってみる?と挑発してみたりする霧切さん
相槌がわりにうん、と言ってしまう苗木くん
とんでもない事を言ってしまった事に気づく二人
沈黙に耐えきれなくなった苗木が手を伸ばすが、赤面しながらも拒絶しない霧切さん
やがて苗木の手が霧切さんのお腹に触れそうになり…


ここから先は卒業の後で!!
377名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/29(金) 23:29:55.27 ID:RkaFF0Ey
よし
ちょっと卒業してくるわ
378名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/29(金) 23:51:38.20 ID:iewXjG3I
ちょっと脱出スイッチ探してくる
379名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 00:35:06.69 ID:FxHyhrnH
いやさくらちゃんの道場に通わせて自分はさっさと仕事に戻るぐらいが霧切さんらしい
380名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 06:19:22.97 ID:bO0eLQOR
妄想は捗るがSSは書けない 文章化って難しいね!!
苗木の妹から「お姉ちゃん」って呼ばれて嬉しそうな霧切さんはどこにいるんですか
381名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 10:20:39.47 ID:nlGSnBYo
むしろ苗木君に「お姉ちゃん」と呼ばれて嬉しそうな霧切さんで
382名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 12:30:53.56 ID:rfpTs7Xq
両方保管庫にあった気がする
先人は偉大だな
383名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 14:13:03.57 ID:jlaOnuTq
>>346-351 の続き投下します。

―――――

事件現場と化したホテルの部屋は、たちまち探偵助手である僕のテスト会場になった。
警察がこの部屋に押し寄せてくる前にハウダニット、"どうやって犯行が起きたのか"を僕に推理してもらうことになった。

しかし、何から調べればいいんだろう――?

→ 被害者を観察してみる
  部屋の様子を調べてみる


まずは大の字に倒れている男の人、名前がわからないので"被害者A"の体をよく見てみることにする。
顔や体中が痣だらけで、気絶に至った一撃がどれなのか正直判別できない。
それにステテコ一丁だけというのも何か引っかかる。
この人がホテルに入った時の衣服が見つからないのも、この部屋を選んだってわけじゃないのかな?

「ん? これは……」

そんな被害者のすぐ近くに凶器のドスが転がっている。
けれど血液の付着もなく、刃こぼれしている感じがしない。
そもそも、このドスが犯行に使われた凶器なら血溜まりが出来るはず。
なのに被害者には流血の様子はなく、打撲の痣ばかりが全身に残っている。

被害者の様子はある程度記憶した。
次は何を調べようか?

  被害者を観察してみる
→ 部屋の様子を調べてみる


「しかし、すごい光景だな……」

壊れたソファ、形が歪んでいるスツール。
浴室の壁には直径2mくらいの大きな窪みがあり、部屋のオブジェだったのだろう。
絨毯の上にはコンクリートの破片も転がっている。

そんな中で唯一、回転ベッドだけが無傷のまま部屋の中をグルグル回っている。
何だかここだけが踏み込んではならない聖域か何かだったりしたのかな――?

うーん、これだけの情報ではまだ経緯がわからない。
こうなったら――。

  被害者を観察してみる
  部屋の様子を調べてみる
→ 霧切さんにヒントをもらう
384名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 14:15:21.89 ID:jlaOnuTq
「ねぇ霧切さん……」
「何かしら、苗木君?」
「ヒント、をくれないかな? 犯行に使われた凶器があり過ぎて一つに絞れないよ」
「そう……。だったら苗木君、被害者の両手首を見てご覧なさい」
「うん。……って、ここにも痣があるね」
「その痣の形、人の手の形に見えないかしら?」

何となく、手首を強く握って出来るような痣の形に見えてきた。
でも、手首を握っただけのことがヒントに――?

「周りに散らばったモノだけを武器にして気絶させたとは限らないわ」
「えっ、これ以外にもまだ凶器があったりするの?」
「二つ目のヒントよ。被害者の側頭部をじっくり見て」

被害者Aの頭の付近にしゃがんでじっくり観察してみることにする。
お願いだから目を覚ましたりしないでよ――!
そんな祈りも込めながら右のこめかみ部分を見ると何か汚れが付着している。

「これってもしかして……靴跡?」
「私にもそのように見えたわ」

霧切さんが部屋の入り口の方を見る。
僕もそれに倣って入り口を見ると、聴覚がサイレンの音をかすかに拾った。

「……時間ね。答え合わせは私達の部屋に戻ってからにしましょう」
「わかった」

そして僕らは駆け足で現場を後にして部屋に戻った。

―――――

505号室――。
幸いにも移動中に警察に遭遇することもなく、僕らの部屋に戻ることができた。
だけどドアを施錠しようにも蹴破られて鍵を掛けられない。
気休め程度だけど、チェーンロックを施しておく。

「その内、警察が目撃証言を取るために各部屋を訪れるはずよ。もう一度着替えましょう」
「わかった。……でも、どう事情を説明するの?」
「二人とも熟睡していて外の様子には気づかなかった。それでいきましょう」

警察には私が説明するから、苗木君はベッドで寝たフリでもしてちょうだい――。
そんな段取りを決めて僕らは着替えることにした。
先に霧切さんのジャケットをハンガーに掛け、ベッドの上に放り投げた自分のバスローブを拾って僕の方が浴室へ向かう。
そしてパパッとTシャツとズボンからバスローブの姿へ。
385名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 14:16:45.29 ID:jlaOnuTq
「霧切さーん、こっちは……」

声を掛けると同時にドアを開けたのが不味かった。
霧切さんの方はまだ着替え終わっておらず、バスローブを羽織っている途中だったから。

無意識なのか、観察眼を駆使して霧切さんの後姿を堪能してしまう。
まず背中から腰にかけてのライン。
ついつい指でなぞりたくなるような肩甲骨から背骨のライン。
探偵は体力も資本ということからか、引き締まった体ながらも腰からお尻にかけてのラインは「Beautiful」の一言にふさわしい。
さっき、カップルのフリで霧切さんの腰に腕を回して軽く抱きしめてみたけど、次があったらギューッと抱きしめたいね。

「? 魚が餌を食べるみたいに口をパクパクさせてないで、早く寝たフリをして」
「ご、ごめん霧切さん……」

後姿に見惚れていたことに気づいてないようで、僕がボーッとしていることに眉を顰めるだけだった。
入り口のドアに背を向けるようベッドに横になってシーツを頭から被る。
目を閉じて寝たフリをしているけど、意識はさっき見た霧切さんの後姿が目に焼きついていて離れそうにない。
霧切さんとテストの答え合わせがあるのに、きっちり思い出せるのかちょっと不安になってきた。

コンコン、とドアを叩く音が聞こえて緊張が走る。
ちょっと間を空けてドアを開く音がすると同時に警察と霧切さんの会話の遣り取りが聞こえてくる。
ここからでは距離があるため会話の全部が聞き取れるわけもなく、この場をうまく切り抜けてほしいと祈るくらいしかできなかった。
そんな中、ドアの外から男達の怒号が飛び交う。
おそらく廊下で倒れていた人たちが目を覚ましたのだろう、警察官達と揉めているようだ。
だが、そんな喧騒を遮るようにドアがゆっくり閉められ、外の騒音も遮断された。

「もういいわよ、苗木君」
「……それで大丈夫なの、霧切さん?」
「えぇ、もう警察も部屋に来ないはずよ。しばらくは外の人達の対応で追われるわね」

霧切さんが床の絨毯に転がっているミネラルウォーターのボトルを拾う。
さっき押し入られた時に手放したのだろう、絨毯が零れた水を吸っている。
ボトルを処分している間に僕は自分が使っていたバスタオルを絨毯にトントンと押し付け、少しでも絨毯から水分を拭うようにする。


よし、これで一段落ついた。
ベッドに腰掛けると、霧切さんも僕の隣に並ぶように腰掛けてきた。

「さぁ、そろそろ始めましょう。あなたに課した"テスト"の答え合わせを」
「うん。よろしくお願いします……」

ルームランプの橙色と混ざった霧切さんの瞳が鋭くなった。
僕も思わず緊張からゴクリ、と生唾を飲み込んだ。
386名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 14:17:27.25 ID:jlaOnuTq
―――――

「第一問。被害者を襲撃したのは次の内、どちらでしょう? A、私達の部屋に押し入ったグレーのスーツの男。B、隣にいたパンチパーマの男」
「それは……」

  Aのスーツの男
  Bのパンチパーマの男
→ わからない


「ちょっと、特定できないかな?」
「……その理由を聞かせてくれる?」
「うん。被害者の体に残る痣の数が多すぎるのも理由の一つかな。全身あんなに痣が残るのも相当痛めつけた証拠だしね」
「もう一つの理由は何かしら?」
「今の霧切さんの問題、かな?」
「私の……?」
「霧切さんの言い回しでは"Cの両方"という選択肢を設けなかったことに違和感を覚えたんだ。誰がやったのかという明確な証拠も掴めなかったし、"どちらでもあり、どちらでもない"が僕の答えかな」
「そう。無難な回答ね……」
「えっ、今の回答でよかったの?」

思わず聞き返してしまった。

「私としては正解の許容範囲内よ。苗木君が犯人をスーツの男だと決め付けてないかを試すための問題でしたもの」
「えっ、僕を引っ掛けようとしたの?」
「引っ掛けるとは人聞き悪いわね。過度に先入観を持って推理しても、間違った方向に推理してしまう可能性が高くなるわ」
「常に第三者の視点で考えろ、霧切さんがよく言う言葉だよね」
「その通り。指紋採取といった科学的な根拠も必要になってくるでしょうけど、犯人の特定を早急にしてはいけないことが第一問の目的なの」
「そうなんだ。……でも、いきなり引っ掛け問題は意地悪じゃない、霧切さん?」
「助手であるあなたの実力を測るためよ、な・え・ぎ・君?」

そう言って指先で僕の鼻っ柱を突っついてくる霧切さんだった。

「それじゃあ二問目に行くわよ。被害者と加害者には面識があった、Yes or No?」
「それは……」

→ 面識があった
  面識がなかった
  わからない


「あの部屋が荒らされたからこそ、面識があった証拠かもしれない……」
「続けて」
「通り魔的な犯行だったら被害者が一方的に殴られて、被害者だけがボロボロの状態で発見されるはずだよ。なのに部屋全体が荒れているのは抵抗した証拠だよ」
「加害者と交戦したという証拠はあるの?」
「それもある。一つは被害者の手に付着していた石の破片。あれは浴室の壁に備え付けていた石のオブジェなんだよ」
「壁際にあった二つの窪みもそこにあったんでしょうね」
「おそらくは。2mくらいの塊を振り回したことで部屋の至る所に石の破片があった……。それが証拠の一つ」
「もう一つは?」
「それは……」

  散らばったソファがあったから
→ ドスが転がっていたから
  ベッドだけが綺麗だったから
387名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 14:18:32.14 ID:jlaOnuTq
「被害者の足元に刃物のドスが一本転がっていた点もあるよ」
「気づいていたのね……」
「うん。でも血液の付着もないし、刃こぼれした様子もなかったから威嚇程度に使ったのかな?」
「そこは苗木君の推理と私の推理では異なるようね……」
「霧切さんの推理ではどんな見解なの?」
「私は刺そうとする前に気絶したって推理したわ。刃物を持ち出した以上、交戦したという証拠として捉えられたし」
「なるほど……」

そう考えた方がしっくりきそうだ。

「手掛かりを見つけて、何が起こったかを分析する……。観察眼も板についてきたようね」
「そうかな……。でも、そう言って貰えると嬉しいな」

実は霧切さんの姿をじっくり見るために鍛えているとは口が裂けても言えないけど――。

「それでは最後の問題よ。あの事件現場を一言で表現するなら何て呼べばいいかしら?」
「うーん、それは……」

  組員同士の抗争
→ 痴情のもつれ
  わからない


「痴情のもつれ、かな……?」
「えっ?」
「そもそもこういうホテルで男同士がいるんだよ? きっと加害者と被害者は同性愛者だったんだよ!」
「苗木君、あなたはどういった点から被害者と加害者がゲイだと推理したの……?」
「それは……ベッドだけが唯一、壊されていなかったから?」

個人的にはあの回転ベッドだけずっとグルグル回っていて、すごくシュールに見えたんだよね。

「それに……被害者がステテコ一丁だったのも不可解だけど、ガチムチ♂パンツレスリングをするために服を脱いでいたのなら合点がいくよ!」
「私には苗木君の言っていることがよくわからないわ……」

眉間に皺を寄せて首を横に振る霧切さん。
あれ? 僕の推理って的外れだったの?

「あるいは二人ともサディスティック嗜好で、相手を痛めつけないと興奮しない性質だったんだよ。こう、ダーク♂マッサージ的な意味で」
「苗木君。一度、同性愛者という視点から切り離して推理してみない……?」

僕の肩に手を置き、戦刃さんを見るような残念な眼差しを送って提案してくるじゃないか。

「痴情のもつれという犯行で推理しても、被害者からは体液の検出はされてないじゃない」
「体液って、まさかせいえ「苗木君、そこまで言わなくてもわかるわね?」……はい」
「最後の問題だけは着眼点が違いすぎて穿った見解になったようね……。あまり深く考えず"組員同士の抗争"と捉える方がいいわ」
「ごめん……」

思わずシュンとなって、肩を落としてしまう。

「そんなに落ち込まないの……。これでもあなたの成長を実感できているんだから素直に喜びなさい」
「それホントなの、霧切さん?」
「えぇ、よくあんな短時間で少ない手掛かりから犯行の経緯を推理できたからテストは合格よ」

もっとも、着眼点は良くてもその後の推理には課題もあるようだけど――。
そんなお小言を貰いながらもテストに合格できたことは素直に嬉しい。

「ありがとう、霧切さんっ!」

嬉しいという感情が爆発し、衝動のままに霧切さんに抱きついてしまう。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 14:19:40.63 ID:jlaOnuTq
「ちょ、ちょっと苗木君!?」
「本当よかった……。テストに不合格で助手失格なんて言われたら僕、僕……」
「バカね……。仮に不合格でも助手を見捨てるほど私って薄情な探偵に見える?」

涙ぐんだ僕をあやすように霧切さんは僕を抱きしめ、額同士をくっつけてきた。

「それは違うよ……! 霧切さんは何時だって僕の支えになってくれている」
「そう。私も苗木君という助手のおかげで刺激的な日々を送っている実感がするわ」
「えっ、それって……」
「あなたの"超高校級の不運"に私も巻き込まれているんですもの、退屈なんてするわけないじゃない」
「ですよねぇ……」

捜査を手伝ったら土砂降りの雨に遭うし、休憩したホテルに寄ったら抗争の場になるし。

「でも霧切さん。ツイてない僕を傍に置くことで、事件に巻き込まれるって考えたりしない?」
「そんなこと、あるはずないじゃない。前向きが取り柄の苗木君らしくない発言ね」
「それは……。霧切さんが僕の"不運"で災難に巻き込まれないか不安に思っていただけであって……」
「苗木君、これだけは覚えておいて。私は私の意志であなたを"超高校級の探偵助手"にしているの。あなたの"不運"を買って事件を解決する探偵屋みたいに考えないで」
「霧切さん……」

そう言って霧切さんは僕の頭に手をそっと添える。
親指で前髪を掻き分けられる感触を感じたら、額に何かを押し付けられるような感触。
何が当たっているのかと上を見上げるようにしたら、霧切さんの首筋と顎を下から覗くような形になった。
位置的に考えてこれってまさか……!

「き、霧切さんっっ!? な、なにをしているのかな……!!」
「……っ。 これは、その……"おまじない"よ」
「お、おまじない!?」
「母親が子供を励ます行為の一つにあるじゃない? 苗木君はそんなことはなかった?」
「あったような、ないような……って、今のソレと関係あるの!?」
「苗木君があまりにも泣きそうだったから私なりの方法で励ましたつもりだけど、逆効果だったかしら?」
「むしろもっと……じゃなくて! 衝撃過ぎて、さっきまで考えていたことが吹っ飛んだよ!」
「そうそう、その調子よ。クヨクヨした苗木君よりバカ正直な苗木君の方が私は好きよ?」
「もう、からかわないでよ……!」

二人して苦笑してしまう。
やっぱり、僕らはこの関係が一番なのかもしれない――。


続く

―――――

あとはオチのターンのみ。
推理で話が膨らんでしまい延長、入ります。

>>380-381
妄想を言えば何でも叶えてくれるのが職人とは限らんべ。
何気に自分の書いたネタをスルーされてるみたいで複雑な心境だべ。

>>382
時代を先取ってニーズに応えていたんだべ。
俺の占いが当たったべ。
389名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 15:02:17.76 ID:3Sz8Mshq
GJ
いやぁストーリー性があって大変読みやすいです。2人のやり取りも面白いですし乙です。
390名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 16:46:48.90 ID:AvYU+Co8
乙!
選択肢間違えるのまでSSに入れて来るとは・・・w
そうだなぁ、俺も妄想をSSにできるよう頑張んなきゃな
しかしここの人達のはレベルが高い!
391名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 18:06:06.66 ID:l8YSRoxV
392名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 21:41:18.90 ID:2UPxTr+R
しかしよくネタが切れないもんだなこのスレは
393名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 22:55:15.19 ID:l8YSRoxV
うむ
どうか2が出た後もこの勢いが続いてほしいもんだ
394名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 23:51:42.99 ID:eRTEJ5Xj
むしろ2をきっかけに更なる加速をしてくれるといいんじゃが
395名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/01(日) 10:31:08.79 ID:nkrwWjcp
霧切さんにプリキュア的な衣装を着せてみたい
396名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/01(日) 12:22:05.74 ID:qK35qHWH
高校生にプリキュア衣装とな
397名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/01(日) 17:22:23.08 ID:gYP+lCga
なんですかその羞恥プレイは


あると思います
398名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/01(日) 19:26:35.87 ID:MjQox2Cw
霧切さんは自動消滅カセットテープや蝶ネクタイ型変声機を喜んでくれる子
その必要性のある状況ならノリノリでコスプレしてくれる可能性も無いとは言えないのではないか
399名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/01(日) 20:24:25.04 ID:S7PPM1fU
>>396>>397
現役高校生プリキュアの月影ゆりさんを愚弄するか貴様ら
400名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/01(日) 21:20:12.94 ID:V1+MyTV3
ああ
その人なら違和感ないかもしれん
401名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/01(日) 22:31:39.51 ID:zxLZajau
苗木君を失って心の花も枯れ果てた霧切さん
アリか否か
402名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/01(日) 23:37:33.25 ID:MjQox2Cw
そんな展開になったら霧切さんがどうなるか…
見てみたいというS心も否定できないが、同時に霧切さんを悲しませたくはないというこのジレンマ
403名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/01(日) 23:50:32.63 ID:2ds19Rrh
苗木君がベルトコンベアに乗せられてた時の霧切さんは
きっと素晴らしく絶望的な表情をしていたと思うんですよ
404名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/02(月) 08:30:14.70 ID:bR8e5wiZ
絶望に沈んだ表情の霧切さんはいいね
見たいけど見たくないね
見たくないけど見たいね
405名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/02(月) 12:10:49.72 ID:Xo93VUfW
>>403
あの時の霧切さんがどんな風だったかは気になるな
漫画で描かれることはあるだろうか
406名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/02(月) 18:22:16.10 ID:kRvaWsSu
きっと自分が処刑される時と同じように
じっと目を閉じ、自分の腕を自分で握りしめながら
内から溢れてくるものを押し殺す表情で耐えていたに違いない
407名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/02(月) 20:52:54.02 ID:RxMWcvqi
うーん
なんかもっとこうフェラとかでないのかn
408名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/02(月) 21:28:32.74 ID:bR8e5wiZ
>>406
普段の冷静さが嘘のように泣き叫んで取り乱してた…
なんて可能性も微粒子レベルで存在するはずだと思います
ハイ
409名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/02(月) 22:33:33.52 ID:f5+0OKdj
時間切れとはいえ自分が生き残って謎を解くために追い込んで
「許してもらおうとは思っていないわ…」って苗木を見送ったのに
泣き叫んで取り乱すの?
410名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/02(月) 22:44:39.02 ID:fVCMaR9q
そりゃ霧切さんはあんな結末望んでたわけじゃないからな
表面上では割り切れてるように振る舞っても実際にはそうでないってこともあるだろうさ
父上の件みたいにな
411名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/02(月) 23:55:40.58 ID:kRvaWsSu
別に苗木を犯人にしようとしてたわけじゃないもんなあ
412名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 00:21:21.72 ID:upvYbBJv
いやなんていうか、
クマ「苗木君が犯人になりましたオシオキです」
苗木「ええ・・・」
朝日奈「ごめんねー」
霧切「許してもらおうとは思ってないわ」
⇒補習
って流れなのにそのすぐあとでベルトコンベアに座ってるの見て突然ぎゃあぎゃあわめくのは
ちょっと不自然じゃないかなって
413名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 01:54:13.56 ID:T4rX6wU4
いざ処刑を目の当たりにして抑えていたものが決壊ってこともあるんじゃね
そんな不自然な流れとも思わんが
霧切さん普段表に出さないけど結構感情屋だし
414名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 09:09:50.00 ID:05ZjfNF/
あれだな
霧切さんのポーカーフェイスが崩れ去る瞬間は最高ってこったな
415名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 11:17:23.54 ID:3sNTwIDX
>>269さんの泣き顔霧切さんはまだですか?
416名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 11:45:07.77 ID:q5KKV3Ek
あの時の霧切さんは自分が生き残ることが学園の謎を解いて
最大多数を救う方法はないという大義があって(父親の件という私事もある)、苗木が死ぬのも
仇は討つとか我慢出来る理由はあった

でもそれ越えた最終盤は苗木自体を希望と見立ててたからもし苗木が学園脱出後
無残なことになってたら絶望してる可能性は高いだろうな
417名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 14:56:17.27 ID:O2I03yxo
>>415
今は濡れ捜2の仕上げで全然手が付けられません。
言いだしっぺの法則だと百も承知ですが、忘れた頃に投下すると思います。
418名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 17:20:08.82 ID:05ZjfNF/

気長に待たせてもらうよ
419名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 20:30:35.73 ID:3sNTwIDX
済まん
急かしてクオリティが下がっては元も子もないなゆっくり待ちます。
ありがとう
420名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 22:08:46.99 ID:uQBThs61
>>416
つまり2の黒幕は苗木君を失って絶望に堕ちた霧切さんということか
421名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 23:08:41.91 ID:05ZjfNF/
それはない

……とは言い切れないから怖い
422名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/03(火) 23:42:00.85 ID:Ee0C5Ydx
あ、あんまり脅かさんでくれよ…
あの二人には見出した希望を保ち続けていてほしいべマジで
423名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 08:35:06.36 ID:QkBzIlND
なんなら2は1の百年後で、かつて絶望と戦った超高校級の希望とそのパートナーが…と、
ちょろっと語られるだけでもいい
424名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 08:44:21.62 ID:/x9igr25
逆転裁判のダルホドみたいに前作主人公格を台無しの壊し方するのはやめてくれよ
ああいうのは驚かしてるつもりだろうが誰も喜ばん
425名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 12:19:49.65 ID:m/bfGnAh
2は声優と名前でほぼネタ割れてるから100年後とかはないんとちゃう
426名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 14:12:50.28 ID:a6O0dw8w
キャラ名や声優が一緒だからって同一人物とは限らんべ?
427名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 17:08:20.41 ID:1Spjz0sb
つまりコマエダ君がナエギリの息子という可能性があるわけだな
428名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 17:33:30.96 ID:X/qy0iQi
コマエダよりはチアキチャーンの方が俺得で嬉しい。
429名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 17:40:58.67 ID:X/qy0iQi
霧切「いい、千秋。探偵として、ワトソン役の相手を見極める事はとても重要よ」
「まず自分のいう事には絶対服従は基本よ。時たまアメを与えるのはいいけど、甘やかし過ぎてはダメよ。
それに自分の意図してる事を理解出来る程度の聡明さも必要ね。千秋、ここまで言えば分かるわね?」

千秋「・・・ママがパパ以外の男性から好かれないのはよーく理解できたよ」
430名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 18:03:25.92 ID:9IK4mvd3
千秋が子供説はさすがに飛躍し過ぎててキモい
431名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 19:14:17.85 ID:fMJIJcM/
>>428
個人的には狛枝よりは千秋ちゃんの方があり得そうな気がするな
432名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 19:17:12.19 ID:cjvhNc8T
ここであえて兄妹説
まぁ子ども説自体発売後にこのスレ覗いて(>'A`)>ウワァァってなる可能性高いしいいじゃない!
面白ければそれでいいのさ
433名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 20:22:05.92 ID:a6O0dw8w
ま、別に外れてたとしても失うものは無いしなw
妄想は楽しめる時に楽しむが吉だべ
434名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 21:54:25.01 ID:7DE4K6Mz
実は霧切さん本人の変装という可能性も…
火傷は特殊メイクで隠してるとかで
435名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 22:38:55.10 ID:fMJIJcM/
その場合胸は詰め物ということに…ゲフンゲフンいや、なんでもない
436名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/04(水) 23:46:32.20 ID:6OIhVCsD
モノクママスクの暴徒になって霧切さんに襲い掛かりたい
437名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/05(木) 08:20:08.50 ID:Y8pFREgq
そして返り討ちに遭う>>436
438名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/05(木) 12:17:42.89 ID:GbQQqqw6
>>428
>>431
とりあえずコマエダじゃなくてコマエでしょ彼の読み方

ナエギマコト
コマエナギト
439名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/05(木) 14:14:27.82 ID:CkpZ4JZO
公式行けよ
440名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/05(木) 19:12:59.62 ID:/oZY9nIt
発売前の一時期、「霧切響子」の読みを「むきりきょうこ」と勘違いしていた俺には
>>438を責めることはできないべ…
441名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/05(木) 21:25:35.09 ID:Y8pFREgq
http://www.famitsu.com/sp/120705_danganronpa2/img/01_05_p02.jpg
このカットインかっこええなあ
1でも霧切とこんな感じで決めたかった
442名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/05(木) 21:51:39.11 ID:43MDyqYB
苗木君はもっばら霧切さんに同意してもらう側だったからなw
確かにこんな風に二人並び立ったカットインも見てみたかった
443名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/05(木) 23:11:00.38 ID:/oZY9nIt
「希望は前に進むんだ!」でナエギリのツーショットカットインとか…
うんいいな、燃えて萌えるな
1に同意システムが無かったことが悔やまれるべ
444名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/05(木) 23:42:06.03 ID:GBaRaUsX
俺としては的外れな発言して霧切さんに反論くらってベコベコに凹まされたいです
445名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 08:32:11.73 ID:+P2aUBge
苗木君に『同意』してもらってちょっと嬉しそうな霧切さんとか胸熱
446名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 12:40:36.66 ID:+ZmsG6LZ
大和田が怪しいと思った理由を苗木が言い当てた時の
嬉しそうな霧切さんはかわいかった
447名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 15:39:27.92 ID:ZfLA2zl+
霧切さんと愛のMTBしたかった
448名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 16:54:52.20 ID:HQi8quEV
霧切さんの発言なら犯人以外同意してくれるだろうな
449名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 19:16:17.88 ID:eh2rk6eN
久しぶりに来たけど、お前らマジこれ2発売までに10スレ目突入できそうな勢いじゃねえか
どんだけ霧切さん好きなんだよ 俺もまだまだ好きだけど
450名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 19:54:49.96 ID:ZfLA2zl+
どれだけ語り倒しても飽きがこない
霧切さんはスルメのように味わい深い女だべ
451名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 20:14:25.89 ID:/mxpBXtJ
>>447愛のMTBとな!?
なんだかモヤモヤしてくるな
452名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 21:07:26.57 ID:UkFpoFWI
「愛してる」
「君が僕の希望なんだ」
「大好きだよ」
「君のことを離さない」
「これからもずっと一緒にいてくれるよね?」

と、延々耳元で甘い言葉を囁かれて真っ赤になって俯く霧切さん
そんなMTBを幻視した
453名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 21:57:26.97 ID:/mxpBXtJ
そこは霧切さんを論破したいところだな
「からかわないで」
「私みたいな愛想の悪い女」
「住む世界がちがうのよ」
「苗木君の癖に生意気ね」
「あなたが私を好きになるはずがないわ」
「【あなたが好きなのは舞園さんでしょ】」

「僕が好きなのは霧切さんだよ」
――BREAK――
って感じで霧切さんを論破して、愛の言葉を囁いて霧切さんの顔を真っ赤に染める。
そして論破されて苗木君に自身の感情を吐露してイチャイチャ そして他のクラスメートから顰蹙を買う2人
さてそんなSSはまだかな?
454名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 22:36:46.83 ID:swFcWq30
うむ…素晴らしいな…
ということで言い出しっぺの法則だ
頼むぜ兄弟
455名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 22:50:59.72 ID:xAkPNQwh
>>453
そこまで妄想できたらあとはもう一歩だ
キーボードに想いをぶつけるんだ!
456名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 23:20:10.68 ID:ZfLA2zl+
あれだな
最後の締めに「結婚しよう」の言弾をぶつけるわけだな
457名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 23:40:22.98 ID:/mxpBXtJ
明日1日バイトだからバイト中ネタを考えます
頑張って日曜日中に書いてやるぜ!!
>>456ちょっハードル上がりすぎ
しかし最近SSを書けなくて困ってたが、やっぱりここは最高だぜいくらでもネタが転がってやがる皆霧切さんが好きすぎるだろ
458名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/06(金) 23:51:53.97 ID:ZfLA2zl+
>>456はただの戯れ言だから、あんまり気にせず思うままやってくだせぇ
全裸で待ってるぜ
459名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 02:48:25.66 ID:kZ9Soqxv
全裸に手袋で待たせてもらおう
頑張ってくれ
460名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 09:24:01.29 ID:WXo+wzAE
いくら暑くても全裸だと風邪ひくぜ
さて今日は七夕だれか七夕SSよろしく
461名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 10:15:07.45 ID:wh2/Etry
七夕は舞園さんの誕生日だよ
友人として、恋敵として複雑だけど二人は親友だよ
462名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 14:12:54.98 ID:62UWLMbb
去年の七夕SSは実によかった…
463名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 16:19:38.51 ID:aEWesoMT
464名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 18:01:22.67 ID:62UWLMbb
霧切さんは片付けのできない人だったのか…
465名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 20:28:56.24 ID:W//SsjoN
これまでも度々出てきたネタだが、意外と身の回りのことにはだらしない霧切さんというのもアリだ
そして苗木君にあれこれ世話してもらってたりすると更にアリだ
466名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 21:46:33.48 ID:nMPdHGrZ
あの部屋見たかよ
467名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 21:53:56.91 ID:mF/LKlTV
うーむ、あれは監視カメラがあるから綺麗なだけだったのかも!!
468名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 23:06:37.00 ID:W//SsjoN
あの時苗木君がバスルームのドアを開けていれば、そこには…
という可能性
469名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 23:40:15.86 ID:rak+d9Ao
あの時バスルームに入るためには、果たして男の浪漫を何個集めればいいのだろう
470名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 23:54:41.01 ID:T6dZLdOi
8レスほどお借りします


「貴方の長所が嫌い」

 …霧切さんの考えていることは、時々わからない。

「……貴方の長所が、嫌い」
「ああ、いや、言いなおさなくても…別によく聞こえなかったワケじゃないんだけど」
「そう。ならいいわ」

 言いながら、彼女はそっぽを向いた。
 自分が言いたいことを言えたので、もう満足したらしい。

 僕が買ってきたポッキーを口に咥え、僕が見ていたテレビのチャンネルを勝手に変える。
 ポスポスと軽快な音を響かせてポッキーを食み、僕のお気に入りのクッションを抱き枕代わりに、僕のベッドの上でくつろいでいる。
 この部屋は僕の部屋。…そのはずだ。

「あの…僕は全然よろしくないんだけど」
「でしょうね」

 会話終了、約三秒。なんなら、僕の台詞に被せる勢いだった。
 こういうワケの分からない挙動不審が続く時は、決まって、

「何、また機嫌悪いの?」
「……」

 返事をしないでクッションに顔を埋める彼女の手からリモコンを奪い取り、その隣、ベッドの上に腰掛ける。
 不満そうに此方を見るけれど、逃げたり、僕を押しのけたりはしない。

「……『親しき仲にも礼儀過剰投与』も、貴方の長所だったと思ったんだけど」
「僕の長所、嫌いなんでしょ。それに霧切さん相手に遠慮してたら、それこそキリがないじゃない」
「…上手い事言うわね」
「やめて。違うから。おやじギャグじゃないから」

 こうやって話題を変えようとするのも、彼女のクセだ。
 自分が機嫌が悪いのを自覚していて、けれどそれを口には出せないから、僕に当たる。
 初めのうちは、それこそ僕は原因がわからずオドオドと戸惑うだけだった。
 けれど僕も次第には慣れ、彼女にその原因を直接訪ねるくらいには無遠慮に成長した。
 それでも時々、こうして彼女ははぐらかそうとする。

「出会った頃の初々しくて奥手で可愛かった苗木君は、もういなくなってしまったのね。悲しいわ」
「そう? じゃあ、今からもっと他人行儀に接しようか。話す時は全部敬語で、すれ違っても目も合わせないくらい」
「……ホント、意地悪になったわね。誰の影響かしら?」
「自分の胸に手を当てて聞いてみれば?」
「セクハラ」
「理不尽」

 うん、まあ、霧切さんと長い間を共にしたお陰で、メンタルもフィジカルもイヤというほど鍛えられてしまった。
 少なくとも、こうして彼女と言葉を応酬させるくらいには。

「で、本題に戻すけど」
「…そういう話術の強引さも、見違えるほど成長したわね。貴方、そろそろウチの正式な助手にならない?」
「今の雑用働きと、何か違うの、それ」
「給料が出るわ」
「大きな違いだね」
471名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 23:56:08.17 ID:T6dZLdOi
 今はお互い、大学生だ。
 希望ヶ峰学園からほぼエスカレータで進学できる、自由度の高い私立の大学。
 彼女は法学、僕は心理学を、それぞれ学んでいる。
 どちらも文系、必然と二人で過ごせる時間は多かった。

 まあ、つまり何が言いたいかというと、今は彼女とそういう関係にあるということだ。

 なので、こういう埒が明かない状況では、ちょっとした裏技なんかも使えたりする。

「……ちょっと、」

 彼女の言葉よりも速く、僕は両の手首を掴んで、そのまま背のベッドに押し倒す。
 彼女らしくない、短い悲鳴のような喘ぎ声を上げて、霧切さんは上目遣いで僕を見た。
 別に今回が初めての手段じゃないんだけど、

「…嫌だった?」
「…ビックリするのよ、いつも。兎に噛みつかれたような感じ」
「霧切さんは、変わらないよね、ずっと」

 腰の上に跨る。
 護身術は、彼女直伝だ。
 このマウントポジションでは、組み敷かれた彼女の方から抵抗もしくは脱出を試みることは難しい。
 逃がさない、という意思表示だ。

 霧切さんは不満げに僕を見上げるけれど、やっぱり抵抗はしない。

「そうやって、何でも自分で独り、秘密や不満を抱え込もうとする悪い癖とか」

 耳元に、唇を落とす。
 霧切さんの細い肩が強張った気がした。

「やめ、なさい、苗っ…」
「僕の長所って何? 嫌いってどういうこと?」

 耳孔に息を吹きかけながら尋ねると、息が荒くして真っ赤になる。
 そういう関係なので、彼女の弱点は知り尽くしている。

「そうやって霧切さんが、何でも自分勝手に解決しちゃうウチは…助手をやろうとは思えないかなぁ」
「だ、っ……離し、なさい…!」
「…舐めてあげようか。いっつも、そうしたら素直になってくれるもんね」
「こ、の、」

 声に怒気が混じった。
 まずったか、と、思わず体を起こす。それがいけなかった。

 ぐん、と、ベッドが深く沈みこんで、その反動で少しだけ二人の体が浮き上がる。
 ふ、と目の前に影が差して、銀色が広がる。
 次の瞬間、僕は鼻頭に鈍い痛みを感じて、ベッドから転げ落ちていた。
 手加減なしのヘッドバッドだった。
472名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 23:57:47.23 ID:T6dZLdOi
「…忘れているのなら教えてあげるわ。貴方にその護身術を教えたのは、私よ」
「おぐ、ふ…」
「特に寝技系で易々とイニシアチブを取れるだなんて、思わないことね」

 ドヤ顔で乱れた服を正す霧切さん。まだ耳が真っ赤だ。

「だって…霧切さん、こうやって力尽くでもしないと、教えてくれないじゃないか…」
「…教えるまで、何度も貴方に襲われる、ということかしら。ゾッとしないわ」

 貴方のそういう変なベクトルに曲がっちゃう素直さも、一つの長所ね。
 そう皮肉っぽく独りごちて、膝を抱える。

「……自分がひねくれている、という自覚はあるのよ」

 やや空白の時間を置いて、切り出す。
 彼女が自分から話す素振りを見せたので、僕も茶化すのを止めて、また隣に腰掛けた。

「長所が嫌いだなんて、自分勝手な言葉を貴方に押し付けて…貴方に対して抱く不満も、八つ当たりも、全部的外れだって分かってる」
「前置きはいいよ。今更言葉を着飾る仲じゃないでしょ」
「…ホント、言うようになったわね」

 眉尻を下げ、困ったように微笑む。
 女性らしいたおやかさを宿した、彼女が気を許した相手にしか見せない笑顔だ。

「じゃあ、言うけど。約束して欲しいことがあるの」
「何?」
「……怒らないで欲しい」
「僕が霧切さんに怒ったこと、あったっけ」
「…ないわね」
「でしょ」

 怒るのは、いつも霧切さんの方だ。
 それで僕が謝って、喧嘩が終わる。二人だけの方程式だね、と言うと、気障ったらしいと鼻で笑われた。

「ああ、ごめんなさい…言い方が悪かったというか、ニュアンスが伝わらなかったわ」
「つまり、どういうこと?」
「今から私が話出す一切の事…許してほしいとは、言わないから、」

 縋る様な目つきで、けれども僕の方を見ない。
 酷く不安がっているときの目だ。
 そっと肩を抱く。
 付き合いに慣れてしまえば、彼女は口ではなく表情や仕草で雄弁に語ってくれる。


 嫌わないでね。


 腕の中で、胸板に押し付けるように、そう呟いた。
473名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 23:58:47.17 ID:T6dZLdOi
「……誰にでも、まっすぐ、優しいところ」
「へ?」
「貴方の長所よ」
 私の嫌いな、ね。
 ぼす、と、今度は独りでに、霧切さんはベッドに背を預けた。

「高校時代は、それで随分と振りまわされたわ」
「……振り回されてたの、僕の方だと思うんだけど。ミステリ愛好会の時とか」
「というか、今も貴方には振り回されているわね」
「聞いてないし」

 ホント、自由人。

「……貴方のケータイ、勝手に見たわ」
「…?」
「……本当に怒らないの?」
「見られて困るようなもの、入れてないし」

 入ってないし、とは言えない。
 彼女に見られて困るものは、部屋の隅々に隠されている。

「…そう、よね。貴方は故意にやってるんじゃ…ううん、そんなの問題じゃないわね。問題は、私が苗木君の秘密を勝手に…」
「ちょ、霧切さん。仕事中じゃないんだから、自分の思弁に熱中しないで」
「…ああ、そうね、ゴメンなさい」

 少しだけ恥ずかしそうに、髪を弄る。
 少なくとも高校の頃には決して見られなかった仕草。
 間違いなく、彼女は変わった。

 何が彼女を変えたんだろう。時間か、それとも環境か。
 僕かもしれない、というのは、自惚れ過ぎだろうか。

「…随分、女性と連絡を取っているのね」
「ああ…うちの学部、女子多いから」
「メールも、頻繁にしているようじゃない」
「なんか、色々相談されちゃって」
「それで、何? 『○○さんは美人だから、もっと自分に自信を持って!』とか、貴方はそういう言葉を…しょっちゅう、女の子にアドバイスしているワケ?」

 声を震えさせないように努めているのが分かった。
 それでも、言葉尻に棘がある。

「まあ、女の子に限らず…ホント、色々相談されちゃってさ」
「…そういうところ、変わらないわ。本当に」

 交流が広いところだろうか、と首を傾げると、彼女はその当て推量を見透かしたのか、大仰に溜息を吐いた。
474名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 00:00:03.71 ID:3w5QwoOQ
「…そうよね。貴方にとっては、きっと当たり前なことなのよ」
「霧切さん、それ。止めてって言ったでしょ。自分一人で納得するのも、悪い癖」

 語気を強くすると、彼女が僕を睨み返す。
 けれど、その視線もすぐに外れて、また溜息を吐いた。

 なんだろう。
 もやもやする。
 言外に嫌いだと言われてしまったような。
 いや、違う。
 実際に、嫌だ、と言われたんだ。

 そういう僕の特徴、彼女は長所と呼んだけれど、それが彼女を傷つけてしまっている。

「何がどうして気に入らないのか…ちゃんと教えてよ、霧切さん。教えてくれたら、治すから――」
「貴方ならそう言うと思ったから、教えられないのよ」

 やや捨て鉢に、霧切さんが返した。
 どこか苛立っているようで、台詞も早口になっていく。
 ベッドに転がったまま手足を動かす姿は、駄々をこねる子どものようにさえ見えてしまう。

「言ったでしょう…私が嫌いな貴方の長所は、誰にでも、まっすぐ、優しいところだって」
「だから、僕がそれを止めれば、」


「…止められたら困るのよ。だって――そんな苗木君に、私は惚れてしまったんだから」


「……、…はい?」

 急に惚気出す霧切さん。
 ベッドの上に寝転がりながら、言い訳する子どものように頬を膨らませている。
 その頬は、先程僕が押し倒した時よりも、数段赤くなっていた。

 そして、突然の愛の告白を受けて混乱する僕の頭。
 え、何この展開。
 予想外DEATH。

「だから…理想主義で、幼稚で、単純で、ちょっと鈍くて…でも、そんな貴方に私は惚れたのよ」

 繰り返す。
 臆面もなくそう言う言葉を使ってくる彼女が新鮮で、なんだかこそばゆい。
 耳が熱い。頬もだ。
 自分が面喰って、いや、恥ずかしがっているのが分かる。

「『誰にでも優しい』苗木君が好きになったのに、『誰にでも優しい』貴方が嫌いだなんて…自分でもワケが分からない」
「……」
「いえ、違うわね…。『私にまで優しい』苗木君を好きになったから、『私以外にも優しい』貴方が嫌なだけなんだわ、きっと」
475名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 00:01:39.54 ID:T6dZLdOi
 自分が嫌になる。
 好きな人と両思いで結ばれるなんて、身に過ぎた幸せだと思っていたのに。
 欲深い心は、それ以上を望んだ。
 独占欲。
 束縛欲。
 苗木君を独り占めしてしまいたい。
 苗木君に私だけ見ていて欲しい。
 そんな、子どものような願望を抱いて、それが思い通りにならなければ不機嫌になって。
 挙句、こうしてその憤懣を貴方にぶつけて、困惑させて。

 彼女の懺悔のような独白は、続く。

 基本的に、こういう時の彼女には、終わるまで、僕は口を出さないようにしている。
 それは、彼女が日頃抱えてしまっているストレス。
 ただでさえ我慢強い人だから、その量は尋常じゃない。
 全部吐き出してほしかった。
 その原因が僕にあるというのなら、尚更だ。

「私はね、苗木君……きっと、……酷い女だわ。貴方じゃなくても、よかったのよ」

「殺伐とした世界で生きて来て、優しい言葉や感情を向けられることに慣れていなかったから…」

「だから…貴方のような言葉を掛けてくれる人なら、優しくしてくれる男の人なら…きっと誰でもよかった」

「ただ自分の好みに動いてくれる人形を探していただけなのよ…そんなの、恋愛じゃないわ」

 泣いている。
 震える声で、それがわかった。


「私は、本当は、貴方を好きじゃないのかもしれない…」


 あえて、彼女の顔を振り返らないようにする。

「たまたま最初に優しくしてくれた貴方を好きになって…そのくせ貴方には、理不尽な理想を求めて…」
「霧切さん、」
「醜い女でしょう、私は…。軽蔑した、でしょ…?」
「霧切さん、僕の長所はね」

 背中にいる彼女の言葉を遮る。
 フラストレーションは、もう吐き出し尽くしたはずだ。

 ここからは、彼女は自虐に走る。
 自分の悪いところばかり見つけ出して、自分をどんどん追い詰める。
 悪い癖だ。偽悪、とまではいかないけれど。

 まだ彼女が独りきりだった頃は、きっとそうやって、どんどん自分を追い詰めて、自分の殻に閉じこもった。
 そうして他人とも距離を取ってしまったんだろう。
 今は違う。
 僕が側にいる。
 恋人なんだから、支えてあげなきゃ。
476名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 00:02:28.66 ID:3w5QwoOQ
「僕の長所はね、人より少しだけ前向きってだけだよ。それ以外は、長所でも何でもない」
「……」
「八方美人なのは、昔からのクセなんだ。よく言われるよ、『お前は誰の味方なんだ』って」

 ぐ、と、後ろに引き寄せられる。
 彼女が僕の背中に抱きついていた。縋るように。

「だから、気にしないで。霧切さんが嫌なら、今後はそんなことにならないように気をつけるよ」
「止めて…違う、っ……そんな、こと、したら…苗木君が、苗木君じゃなくなってしまうわ…誰にでも、やさ、…し、……」

 最後の方は言葉になっていなかった。ただ、嗚咽にかき消された。

 誰にだって、あると思う。
 自分の嫌いなところ。
 僕だって、この八方美人のクセが大嫌いだ。
 こうやって、大切な人を困らせてしまうから。

 引き寄せる霧切さんの手を外し、向かい合う。
 腕を開くと、一瞬だけ逡巡して、彼女は縋りつくように胸に顔をうずめて来た。


 誰か一人だけを選ぶことが出来ない。
 それは、僕の弱さでもある。
 例えば世界中のすべての人間と、彼女とを天秤に掛けるようなことがあったとして、彼女を選ぶことを即断することはできない。
 きっとたくさん迷って、迷って、――どちらを選ぶだろうか、想像もつかない。
 そういう意味では僕だって、本当の意味で彼女を愛しているという資格は無いのかもしれない。

 僕にはそういう主人公的な決断力が、何かを捨てる判断力が、僕には足りない。
 ただ捨てたものを引きずっていくことしかできない。
 僕はそういう男だ。情けなくも。

 霧切さんは真逆だ。
 捨てる判断力を持ちながら、自分が捨ててしまったものに責任を感じて、独りで背負いこんでしまうような少女。

 お互い、自分が相手を愛せるか、ということに自身は無いけれど、

 案外二人で足して、ちょうどいいのかもしれない。


 あんまり辛気臭いのも、趣味じゃない。
 霧切さんにしたって、これほど、自分の弱みを見せるのは本当に稀だ。
 それこそ一年に一度あるかないか。

 いわば、レア切さんだ。
 彼女曰く、信用できない相手には弱みを見せたくないし、弱みを見せるということは相手に甘えているということ…らしい。
 つまり、今の彼女は僕に甘えている状態ということになる。

「ん、…なえ、ぎ、く…?」

 それなら、存分に甘やかしてあげようと思うこれは、親心と呼んでいいのだろうか。
477名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 00:04:08.41 ID:3w5QwoOQ
 左腕で彼女の背を温めるようにして抱えながら、右手で優しく髪を梳く。
 耳の裏側を擽るように撫でたり、頬に髪を絡めたり。

「ちょ、ちょっと…猫じゃないのよ、私は…」

 なんて言いながらも、ごりごりと頭を胸板に押し付けてくる。
 けっして僕を突き飛ばしたり、逃げようとしたりしない。

 行動は言葉よりも雄弁とは、彼女のためにある言葉だ、きっと。
 本当に嫌な時、彼女は冷たい目や暴力的な護身術で以て、僕を撃退する。

「ん、……くすぐったい」
「……僕のこと兎っていうけど、霧切さんは猫だよね」
「どういう意味よ、それ……」
 耳の裏を何度も何度も撫でると、くぐもった声をあげた。
 本当に猫だ。
 普段はツンツンしている飼い猫が、今日だけ懐いてくれているような、そんな至福。

「そうやって、貴方が甘やかすから…いつまで経っても私は、むっ…!?」
 答えを出せないのよ。
 そう言いかけた唇に指を突っ込み、舌を指でつまむ。

「何度も言ってるでしょ、悪い癖だよ。言葉や論理に頼ろうとするのも」
「は、むっ…はな、ひて、…」
「『本当の好き』じゃなかったとして、それで愛し合っちゃいけない理由はないよね」

 逃げない。
 耳の裏を撫でても。
 舌を摘まんでも。
 ゆっくりと肩を押して、ベッドに寝転がせても、逃げない。

 舌から指を話すと、絹のような一筋が、名残惜しそうに線を引く。

「……ビックリするのよ、だから…」
「兎に噛みつかれたような感じがして?」
「……」
「ねえ、耳、舐めていい?」
「……嫌だと言っても舐めるんでしょう」
「霧切さんが嫌な事はしないよ」
「……」

 す、と、その顔が横を向いた。
 薄い銀の幕、彼女の髪から透けて、耳が、僕の目のすぐ下にさらされる。

「…結構こういうシチュエーション、好きだったりするでしょ、霧切さん」
「セクハラ」
「理不尽。…ってこともないのかな。だって、今からホントに、」


「……嫌いじゃないわ、少なくとも」
478名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 00:06:06.30 ID:3w5QwoOQ
以上、七夕だけど、全然関係ない話でした なんか申し訳ない
ちょっと霧切さん泣かせて、苗木君にセクハラさせたかっただけでした
キャラ崩壊とか文脈無視とか激しいけど、そういうの大丈夫な人は読んでやってくれ

もう駄目だ、俺 エロい霧切さんしか書けねえや
479名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 00:27:58.49 ID:epIDo8JL
>>478
走召GJ
これで今夜はぐっすり眠れる……

480名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 00:43:04.72 ID:cyiyVuN+
GJこの霧切さんめっちゃ可愛いなぁバイト疲れが吹っ飛んだ。
よーし俺はここから寝ずに愛のMTBを書くぞ〜
俺もややもすればエロに走ろうとしてしまう……エロスはほどほどにね(戒め)
481名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 00:51:08.08 ID:YSpPZtUa
>>478
GJGJ!何これ超萌える!
いいもの読ませてもらったよありがとう!

…エロい霧切さんしか書けないだって? 何か問題があるのかね?
482名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 10:30:26.59 ID:q9M2x0l9
GJ!
そして俺の勘違いでなければお久しぶり!

いいなあこれ…エロい、そして可愛い
そうか霧切さんは耳が弱かったのか…
お蔭でいい日曜日になりそうだ
483名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 12:12:06.12 ID:3w5QwoOQ
>>482なぜばれたし いや、わりとマジで

自分が本当に苗木君の恋人にふさわしいのか、一人抱え込んで泣き出してしまう霧切さんが
今のところ俺の愉悦だ!
484名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 15:11:53.48 ID:vdLD4W9k
GJ!
たいへん美味しゅうございましたペロペロ
その愉悦、共有化を希望します
485名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 19:24:41.94 ID:q9M2x0l9
>>483
いや文章の雰囲気で「もしかして以前のあのSSの作者氏かな?」となんとなく思っただけです
つまりは勘よ!(キリギリッ
…これで俺の思っていたのと別の方だったら恥ずかしいけど
486名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 21:10:39.40 ID:YSpPZtUa
>>483
ああ…
表にはなかなか出そうとしないけど、内心で初めて芽生えた女の子らしい気持ちと探偵としての矜持の間で板挟みになって
感情をどう処理すればいいのかわからなくて思い悩む霧切さんとか最高だな!
487名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 23:14:32.77 ID:R4+sXifa
父親の件とか鑑みるに、霧切さんは実は家族というものに対する情は人一倍強いんじゃないかと思うんだ
で、いざ自分に「家族になるような人」として意識するような相手が現れた時に、
絶対に彼を手離したくない…でも自分に本当に家族が持てるのか?
父親みたいに自分が家族を壊してしまったりはしないだろうか?
自分と一緒になることで相手を不幸にしてしまうのではないか?
とか思い悩んで悶々としちゃうといいと思うんだ
488愛のMTB:2012/07/08(日) 23:42:26.09 ID:cyiyVuN+
「霧切さん、もう逃げ場はないよ。ここで決着をつけよう。……クロは――僕の心を盗んだ犯人は君だ」
とうとう追いつめた。ここには逃げ場はない――ここは僕らの教室、入り口の前に僕が立っている。
「苗木君のクセに生意気ね……」


――――――
僕は霧切さんの事が好きだ。けれど、最近避けられている。
僕が何か迷惑をかけた訳じゃない。
全く身に覚えもないし、第一理由がない……だって霧切さんも僕の事好きなはずだし。
――これには確信を持てる。僕なりにウラをとった、霧切さん直伝のやり方で。
だというのに何故か避けられる。普段なら一緒に登校して、一緒に下校する。
たまに寄り道したり、休日に遊びに出かけたりもする。―もちろん助手として霧切さんの手伝いをさせてもらうこともある。
ここ最近はそれらのイベントが一切発生しない。このままじゃこの気持ちを伝えないまま別れてしまう。
それだけは避けないと……


――――――
僕はようやく霧切さんを追いつめた。
――理由を付けて別行動しようとする霧切さんを、無理やり連れてきた。と言い換えてもいいけど。

道中、なぜ僕を避けるのか問いただすも、はぐらかされて解決しない。
自分の意志を律する霧切さんの心を開くため、僕は徹底的に霧切さんを論破する事にした。


「ねぇ霧切さん、知っているとは思うけど、僕は霧切さんの事がすごく気になるんだ」
「そう、ありがとう苗木君」
いつもの様にややもすれば険しい、と取られる目つきで僕を見やる。
――ただし、僕は霧切さんの組んだ腕が少し動いたのを見逃さなかった。
だからここで間髪を入れず
「霧切さんも僕の事気になってるよね?」

「何を言っているの苗木君【そんな事あるはずがないじゃない、からかっているのかしら?】」
何も知らずにこう返されたら深く傷ついたろう。だけど……
「それは違うよ!…山田クン」
霧切さんの発言の矛盾を容赦なく撃ち抜く。その為に皆に協力してもらったんだから。

「はいですぞー。実は苗木誠殿に頼まれて……」
「山田クン、前置きは良いから」
僕が彼の名前を呼ぶと、あらかじめ待機してもらっていた山田クンが教室に入ってきた。

―山田一二三の証言―
「実は今週のゴミ当番はこの僕でして、昨日の七夕の短冊をこっそりチェックしていたのですぞ」
「それも下書きの方を」
―まただ、霧切さんの腕が少し動いた。

「何故か霧切響子殿の下書きが大量に見つかりまして、それも何度も何度も消した後が残っておりました」
……僕は見ていたんだ。昨日霧切さんが短冊を何度も書き直していたのを
「山田君…あなたって人は最低ね」
「それは違うよ。僕が山田クンに頼んだんだよ。前に霧切さんに教わった通り、ゴミを漁るのも時には必要なんでしょ?」
探偵の汚れ仕事として、時にはゴミ漁りも必要なのだ、思わぬ情報を入手することがある。

「続けてもよろしいですかな?」
「うん」
「そこには、確かに霧切響子殿の筆跡で『苗木君とずっと一緒にいられますように』と書いてありました」
わざわざ山田クン愛用のカメラで撮影した、確たる証拠品を持参してもらった。
489名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 23:44:31.43 ID:cyiyVuN+
「どうかな霧切さん?これでもとぼけるつもり?」
証拠の存在で、霧切さんが少したじろいだ。
「っ……それは探偵と助手として―という意味よ。他に他意はないわ」
「素直じゃないね」
「お生憎様、私には愛想も愛嬌もないわ。そうよ【私みたいに愛想の悪い女】が素直になるはずがないわ」
霧切さんの笑顔はとても可愛いのに……僕は自分の価値観を肯定すべく次の証拠を突きつける。

「それは違うよ!…セレスさん」
山田クンの時と同様セレスさんの名を呼ぶ。
「…全く、わたくしをこんな事で呼びつけるなんて」

―セレスティア・ルーデンベルクの証言―
「結論から申し上げますわ。…霧切さん貴女、苗木君の事を特別に思っていますわね」
「苗木君と過ごす貴女は、以前に比べとても表情の変化に富んでいらっしゃいますもの」
「何を言うのかと思えば…セレスさん、それは勘違いよ」
「いいえ、私も探偵の貴女とは方向性が違いますが、持っていますのよ。…観察眼というものを」
「――ギャンブルに於いて、相手の心理や考えを見抜くのは基本ですわ」
…セレスさんの口調には実感がこもっていて、妙に聞き入ってしまう。

「だから、それは探偵と―」
「いいえ、あれはそんな義務感で繋がれた関係では表れない表情ですわ」
「貴女がご自分で気付いていらっしゃらないというなら、探偵の看板は返上なさった方がよろしいかと…」
珍しく霧切さんがやりこめられている。ここぞとばかりに僕も加勢をする。
「そうだよ。霧切さんの笑顔はとても可愛いんだから」
ギリッと睨みつけられた…笑顔が可愛いのに。

「…よしんば私の笑顔が可愛いとしましょう。それに万一、苗木君が私の事を好きだとしましょう」
どれも本当の事なのに……
「それでも、私と苗木君は住む世界が違うのよ。…2人が結ばれることはないわ。御伽噺じゃあるまいし」
霧切さんは自分の発言に気付いているだろうか、暗に僕に気があると認めていることに。

「私は探偵という日の当たらない世界の住人。あなたはまだそこまで深入りしていないわ。あなたにはもっと相応しい人がいるわ」
霧切さんの心配ももっともだ。彼女に合う前の僕なら進んで影と関わろうとはしなかっただろう。
でも、ごめんね霧切さん。すでに遅いんだ。

「それは違うよ!…十神クン」
また1人級友を呼ぶ。
こうやって少しずつ霧切さんの心の壁を破壊していく。
「ふん、苗木ごときが俺を呼びつけるなど……」

―十神白夜の証言―
「いいか霧切。わざわざこの俺が時間を割いてやってるんだ。二度は言わんぞ」
十神クンも、勿体つけた言い回しをする。関係ないけど、不快感を覚えさせる話し方だよね。
「そこにいる苗木の奴が、愚民の分際でこの俺に頼み事をしてきたのだ。……分かるか霧切?」
十神クンの挑発的な目が霧切さんを睨めつける。

「………」
霧切さんは何も答えない。―そうだろう……いくら何でも分かるはずがない。
「奴は貴様の助手になるためと抜かして、十神家が握る裏社会の情報を欲したのだ」
十神クンが僕の事も睨んでくる。……流石に全部は見せてもらえなかったが、普通の人よりは陰の世界に詳しくなった。

「僕はね、霧切さんと住む世界が違うなんて思っちゃいないんだ」
「でも、霧切さんがそういう事を気にすると思って、敢えて陰の世界の住人になることを選んだんだ」
「だって、霧切さんの役に立ちたいから……ずっと側に居たいから」
届け僕の気持ち!霧切さんに伝わってくれ
490名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 23:46:00.78 ID:cyiyVuN+
「馬鹿ね…普通の人ならそんな愚は犯さないわ。自ら望んで命を危険にさらすなんて、ね」
突き放すように、呆れた顔で僕に告げる。…でもその顔から少し険がおさまったように見える。

「でもね、あなたが私の為にそんな事をする必要はないの」
「だって、僕は霧切さんの事……」
「なに?好きとでも言うの?あり得ないわ…【苗木君が私を好きになるはずがないもの】精々、憧れがいいところよ」
「自分には無いものを持っている人間に、惹かれているだけよ―特に私みたいに珍しい、女探偵なんかにね」
僕の言葉を待たずに、霧切さんが勝手に自己解決を試みる。
それも自虐的な笑みを浮かべて。
―どうして素直になってくれないのだろう、僕が好きなのはそんな笑顔じゃない!

「それは違うよ!…朝日奈さん」
僕の言葉に耳を貸さないつもりなら、第三者の意見だ。
「うわー、なんか漫画みたいだね……」

―朝日奈葵の証言―
「ねぇ霧切ちゃん、苗木ってば前に私やさくらちゃんに聞いてきたことがあるの」
「『霧切さんはどんなプレゼントなら喜んでくれるだろう』って、普段お世話になってるお礼とか言ってたけど」
「その割には物凄く真剣に選んでたよ。あれは絶対霧切ちゃんに気があるよ。私にも分かるくらいだったよ」
女の勘って奴なのかな…僕としては、分からないようにそれとなく尋ねたつもりだったんだけど。

「何々?オモシロそーなことやってんじゃん」
僕が話を続けようとしたら闖入者があらわれた。

「江ノ島さん?」
僕が今回呼んだ証人には入っていなかったのに……

―江ノ島盾子の証言―
「え?これ告白なの?んでなに、皆が証人?そっかー霧切って、なんか素直じゃなさそうだもんね」
「苗木君?」
想定外の出来事で僕が動揺していると、これまで追い詰められていた霧切さんが、少し落ち着きを取り戻したようだった。
でも僕が何か言うより早く

「私様も証言していいんだよね?実はこの前苗木に『流行りのデートスポットを教えて』なんて言われてさ〜」
「顔を真っ赤にしながら『霧切さんを喜ばせたいんだ』とか言っちゃって、最初はオモシロそうだから教えるつもりだったんだけど」
「途中で飽きちゃったから、適当な所教えといたの。そんじゃあね〜」
いきなり現われたと思ったら、あっという間に去っていった。本当に気まぐれな人だ。

「…ともかく、これで僕の気持ちも分かったよね?」
少し苦笑いをしながら、改めて霧切さんを見つめる。「第三者から客観的に判断を下してもらえれば、疑いなようがないよね」

江ノ島さんの証言の最中、俯いていた霧切さんだが
「いいえ、信じられないわ。…だって、あなたがわざと言わせてる可能性があるもの」
あくまで否定するつもりらしい。
こちらを睨みつけながら否定してくる。―ただ、霧切さんの両手は、何かを堪えるかのように強く握りしめられている。

491名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 23:48:19.83 ID:cyiyVuN+
「どうして僕を信じてくれないのさ!」
「信じろという方が無理なのよ!……だって今朝―それも早朝に、舞園さんの部屋から出てくるところを見てしまったの」
悔しそうに顔を歪め、また僕から目線を逸らしつつ、辛そうに声を絞り出してくる。
「確かに私はあなたのことが……。でも、その感情を持て余していて、自分の心が乱されるのを恐れていたの」
「何とか気持ちを整理しようと努力していたわ、それでも、あなたの事を考えれば考えるほど………」
「だからこそ今朝のは衝撃的だったの、あなたが舞園さんの部屋から出てきたから」
「【私の自惚れだったのよ、苗木君に好かれているなんて……勘違いも甚だしいわね】」
全部すれ違いだ。単なる誤解だ。―そう口にしたところで霧切さんに分かってもらえるとは思えない。
だから僕は最後の切り札を
「それは違うよ!……舞園さん」
「霧切さん…あれは誤解なんですよ」
後一押し!そう確信できたからこそ、舞園さんを最後に選んだんだ。

―舞園さやかの証言―
「霧切さん、昨日が何の日か知っていますか?」
「七夕でしょ。それくらい知ってるわ」
舞園さんから何を言われるのかと身構えていた霧切さんだが
虚を突かれたみたいで、訝しげな表情で舞園さんを見ている。

「……霧切さんはご存知無かったようですが、一応私の誕生日だったんです」
「ごめんなさい、忘れてたわ。本当にごめんなさいね。遅くなったけど、おめでとう」
友人の誕生日を忘れているなんて霧切さんらしくないな
「いいんですよ。どうせ、ずっと苗木君に夢中だったから忘れてたんですよね」
「舞園さん!」
意地の悪そうな笑みを浮かべた舞園さんに、からかわれている霧切さん。
あんなに反応してくれたら僕も嬉しい。

「話をもどしますね。…実は昨日、休日だったこともあってファンの皆さんと交流会があったんです」
「そのせいで昨日は苗木君からプレゼントを貰えなかったんです」
「それで私が翌朝、つまり今朝にお願いしたんです。―これが今朝の事件の真相です」

「そんな、でも……だったら何故部屋から」
まだ納得いかないようで、僕と舞園さんを弱々しく見据えようとする。
「「ただ、お茶を出した(ご馳走になった)だけです(だよ)」」

期せず声が重なってしまった。

「そんなの、そんなの………」
自分の思惑が外れたのが悔しいのか、唇を噛み締める霧切さん
「苗木君、後少しですよ。霧切さんを論破して下さい!」
「ありがとう舞園さん。…ありがとう皆」
僕は証人になってくれた皆にお礼を告げて、霧切さんと向き合った。
そうして僕は霧切さんを論破すべく、最後の言弾を装填した。
最後は他の誰でもない、僕の気持ちを言葉にして撃ち込むんだ!

492名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 23:49:32.16 ID:cyiyVuN+
「霧切さん」
僕は一歩霧切さんとの距離を縮めた。
「来ないで」「認めないわそんなの……」「苗木君のクセに…」
違う……僕が撃つべき矛盾じゃない。また一歩、一歩霧切さんに近づいて行く。
「からかわないで」「私みたいな女」「私とあなたは住む世界が……」
もう少しだ!手の届くところまであと少し……
「あなたが好きなのは私じゃないでしょ」
そうじゃない…そうじゃないんだよ。僕は今、霧切さんの目の前に立っている。

「【あなたが好きなのは舞園さんでしょ】」
「それは違うよ!!僕が好きなのは霧切さんだよ」

間髪を入れずに僕の言弾が霧切さんの発言の矛盾を打ち砕いた――。
―――BREAK―――


「そんな、嘘よ……騙されないわ……」
こんなに狼狽える霧切さんを見たのは初めてだ。

目線は僕に合わさぬように落ち着きなく動き回っているし
雪原を思わせる美しく怜悧な顔立ちも朱に染まり、嬉しそうな、悲しそうな、表現しづらい表情だし
自分の腕で、まるで心を見透かされない様に胸を掻き抱いている。

「そんな、そんなはず…だって苗木君は舞園さんが…」
未だに自分の負けを認められないのか、ぶつぶつと僕が否定した、誤った認識を呟いている。

「霧切さん、もう一度言うよ……僕が好きなのは霧切さんなんだ。そして霧切さんも僕の事が好き。これは事実なんだよ」
僕は確信を込めて言弾を撃ち込んだ。



「……苗木君は本当に私の事を?」
とうとう霧切さんを論破する事が出来たみたいだ。
その場にまるで、彼女を支えていた糸が切れたようにへたり込んだ。

「そうだよ。さっきからそう言ってるじゃないか」
「本当に本当なの?」
珍しく、僕が見下ろしながら話す。クラスメートはほとんど僕より背が高い。
いつもと違い、僕をとても弱々しく下から見上げてくる――まるで叱られた子どもが許しを請うように。
途端に、僕は居た堪れなくなり、跪きながら霧切さんを抱き寄せた。


「な…えぎ、くん……」
張りつめていた糸が切れたのか、少し呆然とした声音で僕の名を呼ぶ。
霧切さんを論破した――その事実は予想に反して、達成感や充実感はなく
ただひたすらに霧切さんへの愛しさがこみ上げてきた。

―だから僕は
「霧切さん、僕は君が大好きだ」
―彼女の耳元で
「この気持ちに嘘偽りはないよ」
―僕に出来うる限りの愛を撃ち込む
「この先、一生を共にする覚悟の上だよ」
―彼女の心の壁を撃ち砕く
「探偵の助手としてだけではなく」
―愛の言弾を
「1人の男として」
493名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 23:51:11.31 ID:cyiyVuN+

「……苗木君のクセに生意気ね」
―そんな、2人で居るときには口癖になっている霧切さんの呟き。
左頬に感じていたぬくもりを失いつつ、僕は霧切さんの目を見つめた。

「こんな、プロポーズ紛いなこと……」
今度は霧切さんも目線を逸らさず、僕を見つめながら「でも、嬉しい」
―その頬ははっきりと分かるくらい赤く
「私も苗木君が好き」
―いつの間にか僕の背中に回されていた手に、力がこもった
「探偵の助手としてだけではなく」
―霧切さんの瞼が閉じられて、僕も目を閉じた。
「1人の女として」


もうお互いに言葉は必要じゃなかった。
唇で感じる互いの熱――普段よりずっと高いであろう体温
聞こえてくるのは自分の心音か相手の心音か、あるいはその両方か……
唇を介して、互いの全てを循環させあっているような錯覚
頭の中で火花が飛び散っている気がする。


ただ、そんな幸せな時間は、クラスメートの―確か証人を頼んだ覚えのない
「君たち!不純異性交遊は校則違反だぞ!」
の一言で台無しにされてしまった。

――そういえばここは教室だった。今更ながらに僕らは羞恥心を覚えた。
1人を除き、皆見下すような、羨むような、詰るようなそんな目で見てくる。
除かれた1人は、ただ執拗に校則違反を訴えてくる。

ふと、隣を見やると、僕と同じく羞恥に彩られながら、苛立ちを覚えている霧切さんと目があった。
「ねぇ石丸君、私達は校則違反などしていないわ」
「何を言うんだね霧切君!」
えっ!?流石にこれは言い逃れ出来ないでしょ。現行犯逮捕だよ。
照れ隠しにしても、無理がある―そんな風に思っていたら

「ねぇ…苗木君もそう思うでしょ?」
なんて、石丸クンから目線をこちらにやる霧切さん。だから咄嗟に
「そうだよ。僕達は校則違反をしてないよ」
つい、そう答えてしまった………

「何を言うんだね苗木君。どう見たって【校則違反】だろう!」
強く断定してくる石丸クン
けれど、霧切さんの目を見つめていたら答えが浮かんできた。
―だって『ここまで言えば分かるわね?』と目が訴えかけてくるんだから。
すぐに思い浮かんだ。でもこの答えは……ええーいままよ

494名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/08(日) 23:53:56.43 ID:cyiyVuN+
「それは違うよ!…僕は今、霧切さんに告白した。それもプロポーズしたんだ」
石丸クンの発言で、静まり返っていた教室内が騒然とし始めた。
うぅぅ…これはなんて羞恥プレイなんだ。恥ずかしさに心を折られそうになりながら、石丸クンを論破する。
「そして霧切さんの同意を得た。この時点ですでに婚約状態と言えるんじゃないかな?」
多少論理に綻びが見える気がするが、ここは力業だ。
「そうよ。婚約したとあれば、結婚するのは秒読み段階よね」
霧切さんも石丸クンを論破するのに追い討ちをかけてきた。
「石丸クンの言う校則違反は『不純』だよね?僕達は婚約したんだから全く不純ではないよ」
「その…夫婦なら純粋だよね」
自分の発言の恥ずかしさに今更ながら顔を伏せたくなる。
が、霧切さんの更なる発言に僕は凍りついた。
「そうよ。だから私達がこれから、いわゆる夫婦生活を送っても何ら問題ないわ」
「……霧切さん?」
いつの間にか熱くなって周りが見えていないのか、僕が少し冷静になったからなのか
……石丸クンを除く周囲の空気が凄く冷たい事に気がついた。
一方石丸クンはどうやら論破されてしまったようだ。すごすごと立ち去ってしまった。
「これで、邪魔者は居なくなったわね」
「いや、でも他の皆が……」
僕が反論する間もなく、口を塞がれてしまった。


そしてこの日から僕達は『超高校級の夫婦』の称号を冠する事となったのだ。

―――――――
大変遅くなりました。携帯から失礼&長文失礼
深夜のテンションでネタまとめたから、若干の違和感には目を瞑っていただきたい
495名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 08:23:16.61 ID:1bUbAvzB
GJ
それで式はいつかね?
496名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 09:06:03.31 ID:m7xP0Boh
乙!
そうか、「純」異性交遊だったらOKなのか!
デレギリ良いね
497名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 12:21:39.63 ID:dTGKggDj
強い女の子が弱さを見せる瞬間というのは良いものだ
498名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 18:45:11.40 ID:UV5tKX9A
昨日本スレでちらっと話題が出てたが、霧切さんの立体物とか出ないものか
499名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 19:04:10.52 ID:mXQbLjW7
今月発売される2がものすごい人気出て、1も再注目されてアニメにでもなれば何とか…
500名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 20:27:28.41 ID:sUuPhTwM
ペース良くすれば1クールで行けそうだし、内容的には普通に受けそうなのにな  >ダイガンロンパ
学級裁判のポップなスピード感含めての再現と声優さんのギャラが大変そうだが
501名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 20:34:54.24 ID:zlOjmCVd
アニメを本編でやるのはちょっと会わないんじゃないか…
番外編ちょろっとならあるかもしれないけど
502名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 21:17:49.70 ID:fz4OP7g8
学園に残る決断を迫った面談編で苗木君霧切さん双方が
学園長「残ってくれるか」
苗木「(霧切さんと一緒なら)……はい」
霧切「(苗木君と一緒なら)……えぇ」
って展開のOVAはよ
503名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 21:35:33.29 ID:1bUbAvzB
アニメで動く霧切さんを見てみたいという気持ちはあるが
まあやっぱりゲームであってこそって感じだな、ダンガンロンパは
何かの特典でショートアニメを付けるとかならあるいは…
504名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 21:36:59.11 ID:eH+1eb33
全編クライマックス推理状態のやたらテンポのいいアニメ
505名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 22:29:02.00 ID:dTGKggDj
>>498
霧切さんのフィギュアが出ればスカートの中の謎も解明されるのだが…
どこぞに自作する猛者はおらんものか
506名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/09(月) 23:47:38.32 ID:EQsbCz4w
大人の黒か純潔の白か――苗木君の好みはどっち?
調査を開始する霧切さん。そして辿り着いた結論とは!?

という夢が見られることを祈って寝る
おやすみオマエラ
507名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/10(火) 08:18:40.62 ID:Tg6dG3pY
霧切さんがピンクのフリル付だったりしたら夢があるなあと思う次第であります
508名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/10(火) 12:52:36.62 ID:R2T0X6IA
苗木を意識するようになってから、ふと思いたって勝負下着を購入してみる霧切さん
(別に見せるわけでもないのに…私は何をやっているのかしら)などと思いつつ穿いてみる
そんな時、突如いたずらな風が吹いて苗木の目の前でスカートがめくりあがっちゃったりとか
超高校級の幸運ならそんなアクシデントに遭遇するのも朝飯前のはず
509名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/10(火) 14:28:06.21 ID:ZXY/EWuf
なら俺は敢えて妖艶な紫で
510名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/10(火) 19:48:25.53 ID:Tg6dG3pY
>>508
なかなか興味深い話だ
続けたまえ


…いや、続けてください
511名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/10(火) 21:42:45.12 ID:izUoYmyq
クールな霧切さんには水色があうのではないかと愚考します
512名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/10(火) 22:39:34.96 ID:dphrKZXC
霧切さんならパンツ見られたくらいでは動じないかもしれない
逆に苗木君の方が動揺して、霧切さんはそれを怪訝な顔で見てたりとか
513名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/10(火) 23:09:43.49 ID:rRdH0YDM
靴下・・・
514名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/10(火) 23:54:53.77 ID:Tg6dG3pY
>>512
それもありだ
こう、苗木君が動揺している理由に気付いて、
目の前でさりげなくチラチラさせて苗木君をからかったりする霧切さんとか
515名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 00:04:02.45 ID:KPCfABH6
戦場ヶ原さんが線路の上で、実にダイナミックなパンチラをありゃありゃさんに披露してたな

いや他意はナイデスヨ?
516名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 00:25:23.14 ID:H+uzYgCG
>>514
スカートをひらひらと――いつものように苗木君をからかう霧切さん。すると……
苗木「ダメだよ。女の子なんだから、もっと自分を大事にしなきゃ」
たしなめる苗木君
霧切「あら?別に構わないじゃない、ただの下着よ」と更に際どいところまで……

苗木「ダメだって、僕だから我慢できるんだよ。絶対他の男の前では……」
理性を総動員して説得を試みる。ただし目は完全に逸らせない。
霧切「大丈夫よ。男尊女卑の探偵社会で生きてきた私に、女性を感じる奇特な男性はいないわ」とにべもない
霧切「それとも、苗木君は、その、私に女性を感じるの?」
――と珍しく歯切れが悪い霧切さん。俯きながら上目づかいで苗木君を見る。
するとスイッチが入ってしまった苗木君
苗木「当たり前じゃないか!霧切さんはとても美人で、凄く凛々しくて」
苗木「頭脳明晰で、クールビューティって感じで、スタイルもいいし、ミステリアスな雰囲気も魅力的だし」
苗木「時たま見せる子どもみたいな無邪気さや、とても可愛い一面を持った――僕の心を掴んで離さない特別な女の子だよ!」
と普段から溜め込んでいた霧切さんへの思いをぶちまける

霧切「……苗木君のクセに生意気ね」
そうしてそこには顔を真っ赤に染めた男女の姿が――

まで妄想してしまった。
517名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 08:30:56.58 ID:As+vZ96f
だが待ってほしい
はいてないという可能性はないのだろうか
518名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 09:09:52.94 ID:LF/FR/CN
…オマエラホント変態だな





いいぞ!もっとやれ!
519名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 12:48:04.56 ID:zJTD21kQ
さすがにあのスカート丈ではいてないのは危険過ぎるぜ…
520名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 13:00:58.70 ID:mqnEhGuo
俺としてはこう、一応恥ずかしがりはするんだけど、「見られた」じゃなく「見せてしまった」ことを恥じる感じがいいな

霧「変なものを見せてしまって、ごめんなさい…」とか、逆に謝っちゃうもんだから
苗「変なものだなんて、それは違うよ!」みたいに勢い余って熱弁ふるわれて
そこで改めて恥ずかしがり、翌日からちゃんと「見られてもいいように」下着を気にしだす霧切さん
しかしふと、苗木君に見せるために下着を選んでしまっている自分に気づき、ますます赤面して、でもまんざらじゃない、みたいな


昼間っから何言ってんだろうな俺は
521名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 13:15:14.67 ID:H+uzYgCG
霧切さんの魅力の前では理性など吹き飛んでしまうのだよ
さぁその続きをはやく
522名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 15:13:09.40 ID:grEiuCK+
そういえばもう来週はダンガンオンリーか…苗霧本は少しでもあるだろうか
523名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 18:19:47.16 ID:zJTD21kQ
某所で出すって人は見かけたな
…俺は行けないけどな!
524名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 20:49:56.11 ID:G60zhqam
>>520
うむ…
それで実際に見せる段はいつかね
525名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 22:49:48.99 ID:qE9IPjK+
俺としてはだな
たとえば苗木君がたまたま手に持っていた竹竿か何かが霧切さんのスカートに引っかかって…だとかで
苗木君自身の手で御開帳させられることになった場合の霧切さんの反応をだな
526名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/11(水) 23:56:17.30 ID:As+vZ96f
なんで竹竿なんか持ってるんだ苗木君w

>>522
夏コミで薄いの出すよーって人も見かけたな
是非とも頑張ってほしいもんじゃ
527名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/12(木) 08:22:51.99 ID:vj3Ha2b4
霧切さんはパンツより靴下に抵抗感があるという
そして霧切さんのソックスはブーツからちらりと見えている
これはつまり、霧切さんは常時パンチラに等しい状態だということになりはしないか
528名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/12(木) 12:13:36.83 ID:Fd4jVhKu
そこに気付くとは…
天才か…
529名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/12(木) 18:00:18.78 ID:PgPv0XPL
IFが気になって気になって
530名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/12(木) 19:38:07.33 ID:l+dBZLxz
俺もしんだら霧切さんに股間まさぐってもらうんだ・・・
531名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/12(木) 21:36:22.73 ID:HDwdgn0q
とりあえず苗木きゅんではなさそうな狛枝っちを霧切さんに進呈して反応をみるべ!

関係ないけど、スーパーダンガンロンパの巨乳女子の比率高すぎんだろ・・・
いまじんカードで蜜柑ちゃんまで巨乳だってのが判明したべ・・・
532名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/12(木) 21:52:36.96 ID:uZERpzeB
霧「苗木君、>>530さんの遺体の調査はあなたにお願いしてもいいかしら?」
苗「え? ぼ、僕がやるの?」
霧「ええ。テストというわけではないけれど…
  今のあなたが独力でどれほどの手がかりを見つけ出せるのか、少し確かめさせてほしいの」
苗「……」
霧「……怖いの?」
苗「そ、そんなことないよ!」
霧「嫌なら、そう言ってくれればいいのよ? 別に強制しようというわけでは…」
苗「…うん、大丈夫。だから僕に任せといて!」

苗(いつまでも霧切さんの後ろで死体を怖がってるわけにはいかないもんな…!)
霧(随分…頼りがいが出てきたものね…)

そして苗木に股間をまさぐられる>>530までみえた
533名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/12(木) 22:47:30.66 ID:Fd4jVhKu
ぎこちなく死体を検分する苗木君とそれを見守る霧切さんを間近で見られるなら
死体になるのもやぶさかじゃないべ
534名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/12(木) 23:33:43.84 ID:vj3Ha2b4
いや死体じゃ見れないだろw

しかし二人揃ってしゃがみこんで死体を検分するとなると
こう、死体目線では霧切さんのスカートがかなり際どい感じのアングルになりそうだな
…死体だから見えないけど
535名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/12(木) 23:55:51.21 ID:KpEJMglV
ちょっと霧切さんの前で死んだフリしてくるわ
536名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/13(金) 08:23:32.34 ID:WC1rYknP
>>531

                  ____ ____
                   ´      `       `
             /  ,
                    ′                  :.
.            /
            ′
.            i   .   .′  | |  .|   | 丶
.            |   :   i  | | |  :|   |   ヽ   !  }
           ,   :l   |  L」LL_」 、 |\_人_ト.ノ
           ′ |I⌒|  | 斗===ミ. ー┘-ィ行ハ 7ニコ
            リ 八 |  | 弋zノ     ヒソノ/,<\
           / ′ ヽ|  |             / l  `ヽ\
  ┌        / , .: .: .: |  |:.      _ ′ ./ lY   .)/
   、::::.\    ,/ / .:____|  |_.    ( ̄ノ /l  .!ノ    ^
.   丶:::::` ー=、__′ \ニ=|  | r:L _> _  く  |  .¨Y
    __/::`ヽ::::::::::ヽ≧ーマ≧|  | L    ̄〕iI{ニニ=|  :_.ノ
   {:::::::l::::::{:::::::::::::::.マニ=\|  | ∧    |}{| マニ∧  , Y
.  /.:::::::i}::::::ーヽ::::::::}|ニニ}:.|  |= ∧___∧∧マニ∧ Vノミ
.  ヽ::\:::ー/:::::::::/仁==|:.|  |====ヽ Y'⌒¨| マニ∧ ',=- 、
.    ー‐ ´ゝ- =7ニニニノ:.|  |\===∧マ--イ マニ∧ V=={ヽ
    / .乂.: .: .:./彡′= =|  |==\==∧|:::::::::, .|ニニ∧ V= 人
.   /  / / ̄ ̄´、ニ=ニニニ|  |====\=∧::::::::::}|ニニ/} }=l尨 ヽ

「その下二行…言いたいことがあるならハッキリ言いなさい!」
537名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/13(金) 12:48:23.81 ID:0vISeAak
な、何でもないですよ霧切さん!?
決して霧切さんの胸が……とかそんなことは思ってないですから!
538名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/13(金) 12:56:40.15 ID:BCc+JDBw
「それは違うよ!」
539名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/13(金) 13:05:22.38 ID:Fo/gm0mm
ファミ通見てきたけどifストーリー収録とかもちろん霧切さん主役あるよね?
540名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/13(金) 13:08:00.33 ID:t9DtqzFp
残念ながら主役は残姉ちゃんです
みんなさよならENDにつなげるための話らしいから
541名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/13(金) 19:53:18.06 ID:0vISeAak
霧切さんは2本編に期待ってことかね
542名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/13(金) 21:48:20.53 ID:R7uGp43w
ここにきて公式で全員生還やるのか
なんだか「本編で霧切さんはじめ生存組が死んじゃうけどifルートがあるから勘弁してね」
という展開の前フリという気がして怖いべ
543名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/13(金) 22:53:34.39 ID:0vISeAak
希望を捨てちゃ駄目だ!
霧切さんはきっと強く生きているはず…そう信じようぜ
544名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/13(金) 23:11:34.20 ID:Aob/11xv
でも記憶を消されたまま生還してしまったら、苗木君と霧切さんはくっつかないんじゃ……。
所詮IfはIf仮定の話でしかない そう信じるぜ。
545名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/13(金) 23:30:27.72 ID:dwHH3UTu
Ifは所詮Ifってのは揺るがないでしょ

まあ、実は「みんなさよなら〜」のムービーでも苗木の隣に陣取ってるのは霧切さんなんですがね
546名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 00:43:29.14 ID:tQxdKhju
な、なんだってーー(略
改めてチェックする必要があるな
どう転んでも苗木君の隣には霧切さんがいる。なんて素敵な二人。

ところで>>388の続きはまだですかね……
547名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 11:12:31.04 ID:47lKM8nG
>>545
苗木の隣は不二咲じゃね?
548名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 11:41:41.82 ID:ugFgMY4H
>>546
お待たせしてすいません。
社畜っぷりが増して書ける頻度が激減してました。

>>383-388の続き。ラストです。

―――――

バスローブ姿で男女二人が抱き合う構図――。
あれ、これって実はすごい状況だったりしない?

僕が勢い余って押し倒しちゃったりすれば"ポワワワワ〜ン"ってピンクの霧がかかったりするのでは。
そして気づけばホテルの入り口で霧切さんに抱きつかれて『昨夜の苗木君、素敵だったわ……』
なんて言われる展開が繰り広げられるのでは――!

「……君。苗木君!」
「うわっ! ……な、何かな、霧切さん!?」
「さっきから呼んでもボーっとしているから大丈夫? 熱とかあったりしない?」
「だ、大丈夫だよ。平気平気……っ!?」
「ホントかしら? ……って何よ、熱があるなら早く言いなさい」

僕の反応が鈍いことを訝しんで、体の調子を心配してくる霧切さん。
またしても僕の額に自分の額を押し当てて体温を測るけど、一時的に体温を上昇させる原因が目の前にいるんですけど――。
そんな僕の気持ちなんて露知らず、霧切さんは僕の両肩を掴んで一緒に倒れるようにベッドの上で横になり、右手で手繰り寄せたシーツを二人の肩くらいまで掛ける。

「風邪は引き始めが肝心よ。辛くはない?」
「うん。……って、これじゃあ霧切さんに風邪が移るんじゃないの?」
「何度も言ったじゃない。私は苗木君ほどヤワじゃないの」
「いやいや、霧切さんとおでこをくっつけちゃったから余計にドキドキしちゃって熱があるみたいになったんだよ?」
「……苗木君、嘘を付くにしたってもう少し言い方を工夫したりとかできないのかしら?」

それは誤解だよ!
――って、反論しようにも、ついうっかり口を滑らせるように漏らした感想も"風邪なんか引いてない"って言い訳をしていると霧切さんは解釈しているし。

"一刻も早く霧切さんに誤解を解いてもらって病人のフリは早くやめましょう、苗木君?"
頭の中で天使の姿をした舞園さんが説得してくる。
"うぷぷ、この際なんだから病人のフリして女金田一ちゃんにとことんセクハラしちまいなよ、苗木ぃ!"
同時に悪魔の姿をした江ノ島さんが誘惑の言葉を囁いてくる。
脳内で天使と悪魔の取っ組み合いが繰り広げられ、どちらに従うべきかで葛藤している。
そして出た結論は――。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 11:42:35.10 ID:ugFgMY4H
「……いいの?」
「えっ?」
「風邪、移っても知らないよ?」
「えぇ、もちろん。苗木君が心配しなくていいのよ」
「もし霧切さんが風邪を引いたら僕が看病するよ……」
「フフ……。そんな筈ないけれど、実現したらお願いしようかしら?」

"あ〜れ〜"
"Yes! 存分にヤっちまいな!"

欲望に従うことだった。
胸元に顔を寄せ腰に腕を回して、霧切さんを抱き枕代わりに見立てる。
瞳を閉じて触覚は霧切さんの抱き心地を、嗅覚は霧切さんの匂いを捉える。

「寒いの苗木君? エアコン切った方がいい?」
「うぅん。霧切さんの体が温かいからちょうどいいよ」
「そう……。寒かったらすぐに言ってちょうだい」
「うん。ありがとう……」

右頬は肌理細やかな霧切さんの胸元の感触を、右耳は霧切さんの心音を捉える。
トクン、トクンという控えめながら芯のある音は霧切さんらしくてクスリ、と笑みを溢してしまう。

「ちょっと、くすぐったいわよ」
「……ごめん。嫌だった?」
「嫌じゃないけれど、初めての感触だから戸惑うのよ……」
「こうして霧切さんに包まれているとドキドキすると同時に……すごく落ち着くんだ」

こう、霧切さんと一つになれているような気がして――。

「初めて会った頃は常に冷静で、何事にも動じないっていうか感情がない人じゃないかって思っていたんだだけど……」
「人をモンスターのように言わないでよ」
「ごめん……。でもすっごく優しくて芯のある人なんだって、助手として傍にいれたことでわかったよ」
「そう。私も苗木君が意外に甘えん坊タイプなんだって再認識しているところね」
「うっ」
「今なら誰もいないことなんだし呼んでもいいのよ? "響子姉さん"って」
「まだ覚えていたんだ、それ……」

いつかの世話焼きお姉さんの再来である。
でもそんなに優しいからこそ、ついつい不安で確認してみたいことも浮き出てくる。

「ねぇ、霧切さん。一つ聞いてもいいかな?」
「? なに?」
「霧切さんって困っている人がいたら、率先して助けるタイプだったりする?」
「……質問の意図がわからないわ、苗木君」
「だったら言い方を変えるね。僕以外の誰かでも霧切さんはこんな風に優しくしたり、お世話を焼いてくれるのかって知りたくなったんだ」

そうねぇ――。なんて逡巡する霧切さん。
僕の頭を撫でることで思考が冴えたのか、回答するまでの時間は思ったより短かった。
550名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 11:43:24.19 ID:ugFgMY4H
「最初の問いには"Yes"、二つ目の問いは"No"って言ったところね」
「どういうことなの?」
「困っている人の力になりたい、っていうのは探偵としての心構えに近いわね。お爺様も似たようなことを口にしていたから私の一族ってお人好しだったりして」
「よかった、僕もそんな風に思いながら霧切さんのお仕事手伝っていたよ」
「共感してくれてありがとう。でも世の中の人が全て苗木君のように優しくてバカ正直だったりしたら、探偵業は廃業に追い込まれるわね」
「ハハッ、それは一大事だね……」
「代々受け継がれてきた看板を私の代で終わらせるなんて、笑えない冗句ね」
「……やっぱり、高校を卒業したら探偵業を継ぐの?」
「えぇ、そのつもりよ」

僕の癖っ毛を手櫛で丹念に梳かしながら漠然と高校を卒業した後の進路について語ってみる。

「ねぇ、もし僕の進路が未定のままだったりした時、霧切さんの事務所を候補に挙げたりしてはダメかな……?」
「ダメに決まっているじゃない」
「えっ!?」

これは予想外でショックを隠せない。
霧切さんなら受け入れてくれると思ったのに――。

「そんな滑り止めや腰掛といった生半可な覚悟でやってきても迷惑なの。候補に挙げるなら本命にしてほしいわ」
「あ、そういうことなんだ……」
「それに事務所を構える以上、会計事務やお茶汲みと言った業務もこなしてほしいところね」
「業務っていうより、それって雑用だね」
「何を言ってるの苗木君、お茶汲みにしたって依頼人への御もてなしのために必要なスキルなのよ?」
「ご、ごめんなさい……」
「美味しいコーヒーの淹れ方すらわからないまま苗木君を社会に放すのは忍びないわね。いいわ、今度私がコーヒーの淹れ方を教えるからマスターしなさい」
「どんな三段論法!?」

服を脱ぐ→ コーヒー淹れる → 砂糖と塩を間違えるってくらいおかしいよ!

「安心して苗木君。マスターするまで私が飲むし、仮に不味くてもセレスさんのようにカップは割らないから」
「そっちの心配は割りとどうでもいいよ!」

"超高校級の探偵助手"から"超高校級の雑用"にクラスチェンジってあんまり嬉しくないな――。
551名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 11:44:18.25 ID:ugFgMY4H
「霧切さん……。僕の心配もいいけど、自分のことも少しは心配してほしいなぁ」
「どういう意味かしら、苗木君?」
「その、なんていうか、僕のラッキースケベって言うべきなのか……」
「何よ、歯切れが悪いわね。はっきり言いなさい」
「霧切さんって捜査に夢中になっている時って無防備……って、言えばいいのかな?」
「? 視野が狭くなっているって言いたいの?」
「そうじゃなくて! その……他の人に下着を見せてないかって心当たりない?」
「下着を?」

やっぱり心当たりがなかったか――。
嫌われるのを覚悟して教えてあげなきゃ、霧切さんの将来のためにも!

「さっきの雨の捜索の時だって、ブラウスから少し透けて見えてたんだ。霧切さんの下着」
「あぁ、そういうことね……」
「さりげなく気づいてもらうように遠回しに言っても失敗に終わっちゃったし」
「別に構わないじゃない、ただの下着でしょう?」
「なん……だと……?」

衝撃の一言だった。
僕と霧切さんの下着に対する価値観には大きな隔たりがあったようだ。

「その考えはダメだよ。霧切さんも年頃の女の子なんだから、もっと自分を大事にしなきゃ」
「誰でも身に着けるものなんだし、こだわる必要がそこまであるの?」
「あるよ! 下着はファッションって説もあるけど、その人の個性を表したアイデンティティの塊だったりするんだよ!?」
「アイデンティティって……大袈裟な表現ね」
「いい、霧切さん。想像してみて? 大好きな人とエッチ目的で一晩過ごす時、3点999円にあるようなベージュ色のおばさんくさい下着だった場合とか!」
「適当な下着で見繕うなって言いたいの?」
「そうだよ。男の人の方はせっかく卍解しても、そういう下着だったら股間の霊圧消えちゃう!」
「バンカイ? レイアツ……? ごめんなさい、苗木君。あなたの例え話は時々私の理解の範疇を超えてしまうようね」
「あ、ごめん。ノルマンディに上陸するくらい大事だって言えばわかってくれるかな?」
「下着を選ぶことが世界大戦レベルの出来事なの? 大袈裟を通り越して胡散臭い話に聞こえるわよ」
「それくらい下着を選ぶことは大事だってことに危機感を持ってほしいの、霧切さんに」

でも今日の下着のチョイスはすごく霧切さんに似合っていたんだけど――。
流石に恥ずかしいことなので、か細い声でボソリと言う。

「舞園さんの純白、朝比奈さんのグレーのスポーツブラ……。江ノ島さんも黒い下着を着る時があるけど、あれは小悪魔チックな意味合いだから霧切さんのアダルティな方向とは少し異なるね」
「苗木君……。あなた、私が教えた"観察眼"を邪な目的で使用しているなんて……軽蔑するわ」
「それは誤解だよ! 全部偶然なんだって! 授業中どうしたって夏服の背中って視界に入っちゃうから!」
「あなたの"幸運"ってラッキースケベ限定で発動するのかしら……?」
「多分そうかも……。宝くじの1等とか当たった方がよっぽど良いと思うんだけどね……」

思わずシュンと落ち込んでしまうが、霧切さんが髪型を乱すくらいワシワシと掻き乱してくる。
552名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 11:44:59.25 ID:ugFgMY4H
「ちょっと痛いよ、霧切さん……」
「苗木君の前向きな部分を活性化させるために必要な措置よ」
「ペットの毛繕いにしたって、もう少し優しくすると思うよ?」
「おかしいわね……。私の目には苗木君のお尻に尻尾があって、喜んで振っているように見えるのに」
「それはきっと幻覚だよ霧切さん。いたぶられて悦ぶのは山田君の業界限定だから、ちっとも嬉しくないよ……」
「あら、ごめんなさい。でも気は逸れたでしょう?」
「うん、まぁ……。でも霧切さん、男は誰もが狼なんだから気をつけてね?」
「どういう意味かしら?」
「羊のような顔だと思って油断してたら"ガオーッ"って牙を剥いて襲い掛かってくる可能性だって否定できないんだよ?」
「そんな暴漢相手だったら私一人でも軽くいなせるわよ」
「うん。霧切さんが僕より何倍も強いのは知っているよ。ほら、先日発売した舞園さんのカバーアルバムの歌詞にもあったじゃない」
「……そう」

あれ、霧切さん?
僕の癖っ毛を鷲掴みなんてしてどうしたの?
なんか僕、土の中から引っこ抜かれたみたいで人の扱いをされてないみたいだよ?

「"この人だけは大丈夫だなんてー、うっかーり信じたらダメダ〜メよ"って、あって……へぶわっ!」
「ご忠告ありがとう、苗木君」


頭に何かの衝撃が走り、僕の意識は暗転したのだった――。

―――――

『昨日、国会議事堂前で起こった一連の騒動に関連し、警察の見解では沖縄の基地拡大法案に反対する団体の仕業との見解が強まっています』

「……! 霧切さん、テレビ見て」
「あれは……」

『首謀者の行方は依然として掴めておらず、引き続き捜索が行われていると――』


数日後、霧切さんと第三学生食堂でお昼ご飯を食べている時だった。
テレビのニュース映像では国会議事堂にピンクのダンプカーが突っ込んでくる騒動を報じていたけど、映像の中で見覚えのある人がチラリと映っていたのだ。
あの時、僕らの部屋に押し入ってきた男の人である。

「なんか大きなことを仕出かしそうな人には見えたけど……」
「まさか国家を相手に騒ぎを起こすとは予想外ね」

隣でイタリアンセットのミネストローネを啜る霧切さんも同意するのであった。
僕もハンバーグ定食に箸を進める一方で、先日のことをふと思い出した。
553名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 11:47:13.37 ID:ugFgMY4H
「スケールが大きいことで思い出したんだけどさ、先日の依頼もスケールが大きいと言えば大きい話だったよね」
「風間のおじ様の件のことを言っているの?」
「うん。ほら風間さんって……」

CIAの人だったんでしょ――?
世界最大の諜報組織っていうこともあり、つい小声で確認してしまう。


東城会の六代目会長の行方を捜す手がかりが欲しい――。
そんな依頼の元で霧切さんと捜査していた。
そして霧切さんは見事に搬送先の病院"東都大医学部付属病院"まで探し当てるのだった。

その時の報告に僕も立ち会ったんだっけ――。

―――――

『……以上が捜索人の東城会六代目会長・堂島大吾氏の捜査報告です』
『ご苦労だった』
『いいえ、お爺様からの紹介ですもの。風間のおじ様に協力するのは当然です』
『手がかりどころか、入院先の病院まで特定するとはな』

渡された報告書に一通り目を通している依頼人の風間譲二さん。
彼が警察庁に在籍していた頃から霧切さんのお爺さんと親交があるようで、霧切さんとも旧知の仲らしい。

『ところで響子』
『なんでしょう、おじさま?』
『そこのboyは何者なんだ?』
『えっ、僕ですか……?』

いきなり僕に話を振られてびっくりする。
僕を見る風間さんの瞳が、どこか値踏みされているような気がした。

『彼はクラスメイト兼、私の助手の苗木誠君です』
『は、はじめまして苗木誠です』
『苗木、誠……』

僕の名前を復唱しただけなのに、固唾を呑んで見守る緊張感が生まれる。

『……beautiful eyes』
『えっ?』
『いい瞳をしている』
『そんな、僕なんかより霧切さんの瞳の方が個性的で魅力的であって……あたっ!』
『ごめんなさいおじ様。彼、バカ正直な性格なもので思ったことを直ぐ口に出す習性があるの』
『ひどいよ霧切さん……。最近は直ぐに手を出す習性があって困ってますよ』
『ちょっと苗木君、今のは聞き捨てならないわ。まるで私が暴君みたいに聞こえるじゃない』

そんな僕らの遣り取りに風間さんも思わず苦笑する。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 11:47:51.35 ID:ugFgMY4H
『響子、そこのboyとはsteadyな関係なのか?』
『ス、ステディ!?』
『おじ様、彼とはあくまで上司と部下の関係であって……』
『そ、そうですよ。霧切さんをサポートするだけで大満足の助手ですよ!?』
『あの真面目一筋な響子がこのboyの前では只のgirlになるのは驚きだな。grandpaも大喜びだろう』
『もう、人聞きの悪い……』

サングラス越しでもその目は霧切さんの成長を喜んでいるのがわかる。
それにこんなフランクな霧切さんを見るのも初めてだ。
やっぱり"家族"って呼べる人には肩の力を抜いて話しているって印象だ。

僕との会話もそんな風にして接しているのかな――?
霧切さんと風間さんとの遣り取りを隣で眺める傍ら、そんなことを考えていた。

――――――

「でも霧切さん、一つ聞いていい?」
「何かしら?」

お互い副菜のサラダを食べている時、一度聞いてみたかったことを確認することにした。

「そもそもCIAっていう大きな組織だったら、衛星とかからポンって人を捜し当てることとか出来たはずじゃないの?」
「依頼の対象者は意識不明の重体なのよ? 動けない人を衛星から探すのは難しい話じゃないかしら?」
「あっ、そうか……」
「それにあの組織は結果が全てだから、諜報員は自分の意思で動くものなの」
「だから風間さんは霧切さんの伝手を頼ったの?」
「現地の情報を知るナビゲーターなら日本の探偵がうってつけでしょうし。それと苗木君……」
「何?」
「風間のおじ様が諜報員だっていうことは他言無用よ」
「うん。もちろん」

「おぅお前ら、隣いいか?」
「苗木君、霧切君! 兄弟と相席してもいいかね?」
「うん。いいよ」
「別に構わないわ」

焼肉定食のトレーを持った大和田君と焼き魚定食のトレーを持った石丸君が僕らの前に立っていた。
流石に人気の食堂なだけあって、満席に近い状態だし受け入れるのは当然の話だと思う。
555名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 11:49:23.85 ID:ugFgMY4H
「ところで、君達は何の話をしていたんだね?」
「あー、それは……」

秘密にしなきゃならないお話をバカ正直に話せるわけもなく、適当に別の話題はないか頭を働かせている時だった。
隣の霧切さんが口を開く。

「最近、苗木君が生意気じゃないのかって話していたのよ。ベッドの上ではあんなに従順だったのに」
「「なん……だと……?」」

"パキーン!"と、場の空気が氷河期レベルで凍りつくような音が聞こえた。
それと僕らの周りで食べている人たちの耳がダンボみたいに大きくなっているのは気のせい?

「な、苗木が!? 一体どういうことなんだよ……!」
「彼、自分から抱きついて中々離れようとしない甘えん坊タイプだったのよ?」

なんか僕の霊圧が消えちゃう感じもした。

「挙句の果てには、起きたら胸元に苗木君の体液(※涎)が掛かっているんですもの。流石の私も驚いてしまったわ」


その一言が決定打だった。
たちまち怒号と喚声が轟き、第三食堂は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
リア充爆発しろ! 起き抜けのBukkakeェ、奴が"超高校級の竿師"か――、周囲の声も様々だ。

「僕の目が黒いうちはクラスの風紀を乱さないようにしていたのに守れなかった……! 僕は、僕はぁぁっ!!!」

いや、石丸君の瞳って真っ赤じゃん――ってツッコミを入れることを忘れるくらいドン引きしてしまう。

現実を受け入れられず発狂する人――。石丸君のように。
汗と涙と鼻水と涎がいっぺんに零れて、焼き魚のホッケに掛かる。
すごく塩っぽいけど塩分過多で食べたら倒れたりしないよね――?

「べ、別に前からお前ら仲がいいと思ってたけど、う、羨ましくなんかねぇからなっ!!」

何だか大和田君の叫びが言っていることと真逆に聞こえるのは気のせいじゃないかも。
隣の霧切さんを見ると事の重大さにまだ気づいてないのか、キョトンと首を傾げている。
かわいい――。じゃなくて!

「逃げよう、霧切さん!」
「ちょっと、私はまだ食べ終わってないわよ!」
「いいから!」


トレーの片付けもそのままに霧切さんの手首を掴んで走り出す。
うん、しばらくここの食堂でご飯食べるのは控えよう。
そう固く誓うと同時に今後のお昼はどうするか考えてみる。

人通りのない階段の踊り場まで走ったら、霧切さんの腕を離す。
食後の運動にしては早すぎたか、ちょっとお腹周りがきつく感じるけど。

「霧切さん、あんな風に言ったら誰だってビックリするよ?」
「ありのままに言っただけのことじゃない。ナンセンスね」

食事を中断されたことが不満だったのか、ちょっと拗ねている。
556名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 11:50:23.92 ID:ugFgMY4H
「あれじゃあ、僕が"超高校級のスケベ"って言われても仕方ないよ……」
「苗木君は気絶しただけのことじゃない?」
「うん、そうだね。気絶させた張本人が言うのも何だけど」
「……やっぱり生意気ね、助手の癖に」

結局、僕が気絶するように眠って意識を取り戻すように目が覚めたらチェックアウトギリギリの時間だったわけだ。
疚しいことはこれっぽっちもなかったし、濡れた服も乾いていてすぐに着替えてホテルを後にした。
何ていうか、その夜のことが幻だったんじゃないって言うくらいあっさりしていた。

「あれだけ騒がれたらしばらく食堂は使いにくいね。これからお昼どうしよう?」
「私は食べられれば何処でもいいわ」
「そう……。だったらお弁当でもいい?」
「お弁当?」
「そう。朝、僕が二人分作るから」
「苗木君がそこまでする必要ないと思うけど……?」
「代わりと言っちゃあなんだけど、霧切さんは僕にお茶の淹れ方を教えるってのはどうかな?」
「なるほど……魅力的な提案ね」
「じゃあ決まりだね。霧切さんは嫌いなものとか、食物アレルギーってあったりする?」
「ないわ。苗木君の好きなように作って大丈夫よ」
「うん、わかった」

前向きな人の特徴は、ピンチをチャンスに変えられるかだと思う――。
霧切さんの助手として過ごすことで思考が働きやすくなったし、不測の事態になっても柔軟に対応に出来るような気がした。
これも偏に、霧切さんのおかげなのかな――?


『おめでとうございます!
 霧切響子との信頼度がレベルアップしました!

「相棒(パートナー)」 → 「超高校級の助手」』




これにて濡れギリ終了。
当初はロメロ・スペシャルを決めるだけの苗木君サンドバックのプロットでした。
しかし>>488 の愛のMTBや>>516 の下着話に影響を受けて全面修正。
出来上がったのはムツゴ・トーク・バトルという謎の産物でした。
557名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 13:10:46.10 ID:Zehd0vJZ
GJ!
霧切さん抱き枕とな
これはもう爆発するしかないな

>>547
いんや、よく見ると苗木君と千尋の頭の高さがほぼ並んでいる
なので千尋は苗木君よりもだいぶ後ろの方に立っていることがわかるのだ
558名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 13:49:12.13 ID:tQxdKhju
GJ
急かしてしまって申し訳ないと思ってましたが
とってもニヤニヤできるSSをどうもありがとうございます。
霧切さんは多少天然が入っているほうがかわいいですね。
それと>>488>>516のような俺の妄想を書き連ねたものが影響を与えてたことに驚きを隠せません。
どうもありがとう。


余談ですが、とうとうノートPCを買いました。これで携帯から書かなくて済みます。
頑張るぞー
559名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 16:15:58.53 ID:47lKM8nG
GJ!
こりゃもうアレだな
結婚するしかないな

>>557
おお、確認してみたら確かにその通りだ
よく見てるなぁ、thx
560名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 19:04:53.46 ID:fOnCmpW6
流石、このスレの住人は超高校級の観察眼の持ち主だな
…if書く人がちゃんとそこまで気付いているかは若干不安だが
561名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 20:32:11.08 ID:MMmD3p38
GJなんだぜ
まとめて更新しといたがどれもニヤニヤさせてくれるなぁ!
2発売されるし千秋ちゃん物がこないかのう
ほら、真実が出ちゃうと妄想できなくなるし
562名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 22:30:56.01 ID:K1d2Fe/B
俺としては苗木君にロメロスペシャルを極める霧切さんも見てみたいです
なんならロメロスペシャルを極められる霧切さんでも可
563名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/14(土) 23:44:57.65 ID:fOnCmpW6
関節を極められ苦痛に顔を歪めながらも声を殺して必死に耐える霧切さんか…
ゴクリ
564名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/15(日) 00:18:22.10 ID:Gm9hv8wa
さくらちゃんにロメロスペシャル極められてる苗木くんを見つめているときの霧切さんの心情は如何様なものか
565名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/15(日) 02:08:10.19 ID:TWfmMQwG
「大神さん…少し私に代わってもらえないかしら」
566名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/15(日) 10:02:16.66 ID:TWfmMQwG
>>564
苦痛の表情の苗木君をみつめる霧切さん
止めてあげるべきなのだろうが、その表情になぜか非常に引き付けられるものを感じ、
視線を苗木君から外すことができない
そうしているうちに霧切さんの中には得体の知れない愉悦にも似た新たな感情が芽生え始め…
次第に霧切さんの顔も恍惚としたものに…

真・Sギリさん爆誕

という夢を見たんだ
567名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/15(日) 10:11:44.63 ID:HK3eOmN4
ほう…
詳しく聞かせてもらおう
568名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/15(日) 14:40:39.85 ID:/OoncnXt
ロメロスペシャルは危険だ
かける方もかけられる方も色々丸見えになってしまうぞ
569名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/15(日) 21:12:32.58 ID:hq6ikJ5T
だがそれがいい
ということで、護身術のレクチャーと称してくんずほぐれつする霧切さんを希望します
570名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/15(日) 21:43:47.68 ID:XfAH51Qz
ロメロスペシャルはイメージが湧かなかったが、護身術か……
自分の身は自分で護るということで霧切さんに護身術を学ぶ
幾度となく組み伏せられて、ある日とうとう霧切さんに勝った苗木君
マウントをとって「ここまで頑張ったんだからご褒美が欲しいな」と霧切さんに迫るわけだな。
負けを認めた霧切さんも「敗者に情けは無用よ」と…………
ここまで言えば分かるわね?
571名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/15(日) 22:13:14.46 ID:/OoncnXt
苗木君が気を緩めた一瞬を突いてマウントから脱出
→そのまま流れるようにチョークに移行するところまで見えた
こう…色々と密着した体勢でな

いや勿論エロパロ直行でも全然望むところだが
572名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/16(月) 06:29:13.49 ID:yMsunRuo
>>570
よし
エロパロで待ってるぜ
573名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/16(月) 12:29:39.14 ID:RAbEgsM8
霧切さんに痴漢を働こうとして手首を捻り上げられたい
574名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/16(月) 17:11:25.60 ID:sNvdjlov
無茶しやがって…(AA略
575名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/16(月) 20:23:13.61 ID:yMsunRuo
恐らく指先が触れるより先に感づかれてねじ上げられるだろうなw
576名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/16(月) 23:10:26.50 ID:Fsj5s7yh
もう海の日も終わりだが、霧切さんに似合う水着は

・大人っぽい大胆な水着
・シンプルで機能的な水着

どっち?
577名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/16(月) 23:20:03.91 ID:MWJcife8
一見シンプルで機能的な感じなのに背中の部分が尾てい骨付近までがこっと露出してる大胆な水着
578名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/16(月) 23:52:07.30 ID:yMsunRuo
黒ビキニ! 黒ビキニでお願いします
579名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/17(火) 08:32:46.23 ID:6RVIjOfB
ヒールブーツを愛用しているし、
霧切さんはことファッションにかけては機能性よりもおしゃれの方を重視するタイプなのかも
となれば、かなり大胆な水着も着てくれる可能性は決して低くはないのではなかろうか
580名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/17(火) 12:18:52.19 ID:+y1F9l1v
ふむ…つまりたわわな美尻がこぼれ落ちんばかりのTバックを穿いてくれる可能性も存在するということか
希望が湧いてくるな…!
581名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/17(火) 17:22:17.95 ID:eCLvQKD4
>>578
全力で同意させてもらおう
582名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/17(火) 19:32:36.57 ID:EW3xnh7u
あえてこの流れでいうが水着云々より苗木に対してへのサンオイルのお願いの
シチュの方がなんか想像しててニヤニヤ出来た
583名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/17(火) 20:49:17.60 ID:+y1F9l1v
「私は手袋をしているから自分ではサンオイルを塗れないの…苗木君、ここまで言えばわかるわね?」

ということですねわかります
584名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/17(火) 22:12:07.28 ID:+zWGro2c
そいつは…アリだな!
585名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/17(火) 23:31:34.80 ID:6RVIjOfB
ああ…霧切さんの白皙の肌が焼けてしまっては一大事だからな
じっくりたっぷり隅々まで塗り込めないとな
586プリクラ:2012/07/18(水) 01:21:00.86 ID:q1e+PsLZ
私と苗木君は無事にあの忌々しい学園を脱出し、2人で行動している。
もう二度とやり直す機会が訪れなくなったあの人……父、の言葉通りなら自ら残ることを選んだ私たちは“人類の希望”らしい
万が一、絶望側の襲撃で全滅することを恐れた私たちは分散――丁度男女2人の3組に分かれることにしたのだ。
そして、生き残っている希望側の勢力と協力するため各地を巡っている。


――そんなある日

「ねぇ霧切さん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「なにかしら苗木君?」
いつものように目立たぬよう、二人で行動していると、何気ない口調で苗木君が尋ねてきた。

「僕らが学園を脱出する時に霧切さんが言った、言葉の真意が知りたいんだけど」
「……もしかして『あなたのような人となら――』かしら?」
彼が言っているのは、私たちが脱出する段になって口にした決意表明みたいな事についてだ。

「そうだよ、どうしてあんな事言ったのかなって。気になっちゃって」
「別に他意はないわ、強いて言うなら、私が女であなたが男だからかしら」
本当はそんな理由じゃないけれど、今頃になってそんな話を蒸し返してくるものだから、少しからかってみた。

「わかったよ。僕が命に代えても霧切さんを護ってみせるよ!」
「頼りにしていますわよ。わたくしのナイト様」
「えぇ!? なんで急にセレスさんのモノマネを?」
意外にも男らしい事を言ってくれるじゃない。嬉しい、なんて思ってしまった。

「ふふ……冗談よ。“超高校級の探偵”として様々な修羅場を潜ってきた私が、苗木君に護ってもらう必要あるわけないでしょ」
「そんな……酷いよ」
「そんなに落ち込まないで、役割分担よ。“探偵”の私が、“希望”であるあなたを護るだけよ」
「僕にだって男の意地ってものが……」
「それに、そもそもあなたは私の助手でしょ。別行動する必要性がないわ」
「そっか……そうだよね」
どんな反応を返すのかと彼の方を窺うと、明らかに落胆してます――といった様相だったので、少しフォローすることにした。

「……(側に居たいからよ)……」
「え? 今なんて言ったの、よく聞き取れなかったよ」
「そう遠くないうちにわかるわ」
「待ってよ霧切さーん、なんて言ったのか教えてよ」
苗木君と一緒に居たいから。だからあんな事を言ってしまったのだ。だというのに……いや、記憶を完全に取り戻していない状況では彼に酷というものか。

それに彼にはまだ見せていないもの……私にあんな事を言わせた原因を……。

587プリクラ:2012/07/18(水) 01:22:25.21 ID:q1e+PsLZ
――――――――――――
あれは思い出すのが未だに辛い――父、の亡骸と対面した後のことだ。
私は手帳を手に入れた、記憶をなくす前に使用していた手帳を。

私がどうにか現実を受け止め、黒幕への怒りを滾らせて調査を再開した時だ。
苗木君に、ロッカールームの中に私のと思しき手帳があると聞き、それを確かめた。
そうして私は、自分の憶測が正しいことを確信し、苗木君を視聴覚室に向かわせて最後の学級裁判へと臨んだのだ。
そこで恐るべき真実を目の当たりにし、自分の予想以上に心を乱され、黒幕に対する怒りと絶望に囚われてしまった。

けれど彼が、この一月にも満たないわずかな時間で、おそらく一番成長したであろう彼に因って私たちは救われた。
自ら『ただ少し前向きなだけ』と称す、父、の言うところの“人類の希望”である彼のおかげで。

そして見事に希望が絶望に勝利し、ハッピーエンドとなれば良かったのだが、現実はそう単純ではなかった。
外の世界は未だ根強く絶望が跋扈し、今も予断がならない状況であり、希望である私たちが復興の第一歩を踏み出さねばならない。そんな状況だった。


いよいよ脱出する段に至って、何か他に情報が手に入らないかと改めて手帳を見ると、手帳の最後のページの中央部がほんの僅かに膨らんでいることに気付いた。
普通に本をめくる様に触っていたのでは気付かない、紙を上からなぞった時にわかる、ほんの少しの違和感。
彼と長く過ごす内に私にも幸運の女神が宿ったのか、おそらく記憶をなくす前の私が仕込んだであろう細工を解いていく。

「これは…………」
私は目を疑った。そして同時に理解した。

そこには一枚の写真が貼り付けられていた。――およそ二cm四方の小さな写真が。

写っていたのは仲睦まじい一組の男女。お互いが好き合っているのがよくわかる。
お互いに頬を染めながら、女性より少々背が低い男性が彼女の背中に手を回し
彼女の方も彼に応えるかのように手袋をした手を彼の背中に回して
互いの瞳には相手の瞳しか映っていないようで、カメラの方に一分たりとも視線を向けず
嬉しそうに、幸せそうに微笑みを浮かべあいながら

――二人の唇が触れ合うほんの一瞬前の光景が映し出されていた。
ご丁寧にピンク色の文字で『大好き』と書かれていた。……これまでの人生で一番見慣れた筆跡で。

間違えるはずが無い、こんな蕩けきった表情を浮かべられるとは到底思えないが、女性の方は毎日鏡で見ている。
男性の方も、だ。僅か一月足らずの内に私とは異なる価値観をもって、あらゆる絶望に打ち克ってきた、私の心を揺さぶる彼の横顔を見間違えるはずが無い。
こんな、否定する材料がない物証を見つけてしまえば、私の培った探偵としてスキルが真実を暴いてしまう。

あぁ――だからなのか……簡単に手袋の話をしてしまったり、興味を抱いてしまったのは……。
彼にこんな気持ちを抱いているのは……だって私と彼は………………。


――――――――――――

「待ってよ霧切さーん、なんて言ったのか教えてよ」
彼の記憶が戻るのが先か、私があの写真を見せるのが先かは分からないけど。
すぐに彼には分かるだろう、私が彼の側に居る理由が。
記憶は戻らないけど気持ちは蘇ったのだから――彼を想うこの気持ちが。
588名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/18(水) 02:05:38.71 ID:XxaACiqp
GJGJ!!
寝る前にここに来た俺は勝ち組!!
いい夢が見れそうだぜ(^^)b
589名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/18(水) 08:35:01.30 ID:BYr8HKGx
なるほど…デレに振り切るまで好感度をあげれば人目をはばからずキスをする霧切さんなんても見れるのか
590名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/18(水) 14:26:22.51 ID:2LUEAY4m
人目を気にせずチューをおねだりするデレギリさん
人前ではそんな素振りを見せないけど二人きりの時には…なデレギリさん
オマエラはどっちがいい?
591名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/18(水) 19:47:41.16 ID:BYr8HKGx
どちらもアリだがしいて言えば見てみたいのは前者の方かな
592名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/18(水) 21:29:44.12 ID:unGwy6ll
やっぱり後者かな
こう、心を許した相手にだけ可愛い一面を見せてくれるプレミア感こそ霧切さんの醍醐味だと思うんですよ
593名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/18(水) 21:33:00.74 ID:63Gmp3Io
だけど人目を気にして慌てふためく苗木っちも捨てがたいべ!
594名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/18(水) 22:28:54.32 ID:q1e+PsLZ
前者はキャラ崩壊の感が否めないが俺の大好物
後者は空想の余地がありすぎてやっぱり大好物
だが、あえて両者の可能性を進言する。
2人きりのときは勿論デレデレだったが、抑えきれず人目を憚らなくなる。
そんなロマンがあってもいいと思う。
595名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/18(水) 22:47:00.46 ID:1f/hK4El
本編みるに、霧切さんは割とストレートにアプローチするタイプだと思うのよ
デレに傾けば人前でも結構積極的だったりする可能性も微粒子レベル以上に存在すると主張したいね俺は
596名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/18(水) 23:28:44.42 ID:q1e+PsLZ
でもそうだよな。苗木君に裏切られたと思った時なんか露骨に避けてたし
実は普段抑えているだけだけで内心はすごいことになってるんじゃ……。
一途に好き となったら破壊力抜群じゃないのか
597名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/18(水) 23:53:03.02 ID:2LUEAY4m
>>593
それを面白がった霧切さんがどんどんエスカレートして
あんなことやこんなことまでしてしまうわけですねわかります
598名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/19(木) 00:39:04.18 ID:g+1Mnc/Z
過去SSにもあったけど、構ってくれない苗木君に
構ってちゃんな霧切さんがデレ炸裂というのもいいべ!!
599名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/19(木) 08:29:13.50 ID:uBXf/f5U
俺としてはデレ期に突入する前にだな
好き好き大好きな気持ちをどう処理していいかわからずに
うああああああ!ってなってベッドを転げまわってる霧切さんがいればいいと思うんだ
600名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/19(木) 12:50:23.39 ID:4C6dcUMF
うむ…それは是非みたい
601名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/19(木) 17:08:17.46 ID:B2aI9Nkf
こう言っちゃうとアレだけど、霧切さんって人付き合いはドヘタだよね。

信頼はするが了承もなく囮にするわ、独断先行するわ、なんちゅーか霧切さんと相手の信頼の度合いが違いすぎると言うか。
602名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/19(木) 17:11:13.23 ID:B2aI9Nkf
まあ父親の事が尾を引いちゃってて、ああいう歪な信頼関係になっちゃうんだろうけど。
超高校級の菩薩の苗木っちこそうまくやれるだろうけど、他の奴だと「ふざけるな!」
で、喧嘩になるのが大概だと思う。
603名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/19(木) 19:57:18.45 ID:sJor25pp
苗木が信頼しすぎてるからこれでバランスとれてる
でも、隠し部屋とか5章裁判はひどすぎんよ〜
604名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/19(木) 20:13:07.86 ID:Uzy7/W3K
まーだこんなこと言ってる奴いるのか
いい加減うざったくなってきた
605名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/19(木) 23:10:50.28 ID:eUU9Zaeb
>>599
漫画でちょっとだけそれっぽいの描かれてたな
ベッドに寝転がって「この気持ちをどうしていいか分からないのよ」と心の中で呟くスネギリさん
あれはよいものだった
606名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/19(木) 23:46:15.22 ID:uBXf/f5U
>>605
WEB漫画の霧切さん回か
確かにあれはよかったべ
もっとじっくりスネギリさんを描写してほしかったもんだ
607名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 10:28:38.78 ID:/GdqUpNN
そんなのあったのか
ちょっと漫画版読んでくるわ
608名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 13:34:23.98 ID:xk2l30ub
霧切さんと苗木君を手錠で繋いでみたい
609名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 13:35:58.55 ID:vYFtTArM
そろそろネタバレ廚がきそうだから2クリアまでここにもこれんな…
610名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 14:31:23.93 ID:/PuT5/+A
霧切さんって2だと出ないのかな……

なんで萎木君は連続出演なのに霧切さんが出演しないんだよぉ……
611名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 14:34:18.07 ID:HeB9hAN7
>>578
個人的にその水着がタイプです。
なのでそんなSSを投下。


事の発端は放課後の教室からだった――。

「えーっと、朝比奈さんは競技大会で公欠。江ノ島さんはファッション誌の撮影で午後から早退……っと」
「それで学級日誌は書き終わったの?」
「うん。ありがとう、黒板消してくれて」
「それはどういたしまして……。時は金成りだったから手伝っただけよ」
「だからと言って僕を椅子から引き起こすのもどうかと思うよ?」

日直だった僕の雑務を何だかんだで手伝ってくれる霧切さんだった。
最近の放課後は霧切さんと探偵学に関する座学、もしくは護身術のトレーニングということに時間を割くようになった。
これも"超高校級の助手"と名乗れそうなくらい、霧切さんとの信頼度が高まっている証拠なのだろう。


後は消灯して教室を出ていこうとした矢先のことだった――。

「あ、よかった。まだ教室に残っていたんですね」
「舞園さん……。どうしたの?」

舞園さんである。
その言い方からして僕か霧切さんのどちらかを訪ねてやってきているのは確実だろう。

「はい。実は霧切さんに折り入って頼みたいことがあるんです」
「そこまで畏まる必要はないと思うわよ、私と舞園さんの仲じゃない?」
「あー、女の子同士の相談だったら僕、席外そうか?」
「あ、大丈夫ですよ、苗木君? 今回は友人ではなく依頼人としてアプローチしに来たんですから」
「つまり……プライベートではなく、ビジネスの相談と受け取っていいのね?」
「そうなんです。"超高校級の探偵"の腕を見込んでの相談です」
「そう……。詳しい話を聞かせて貰える? それと、助手の苗木君を立ち会わせることに問題はない?」
「大丈夫です」

そう言って舞園さんは自分の席に座り、霧切さんはその前の席・公欠だった朝比奈さんの椅子に座る。
僕も舞園さんと正対するように霧切さんの隣の席に座る。
壁に掛けてある時計の長針がカチリ、と動いた時に霧切さんが口を開く。

「それで、舞園さんの依頼とは何かしら?」
「霧切さん……。今度の日曜、私のボディガードになってください!」
「エンダァァァァァァイヤァァァァァァ!!! ……のアレ?」
「そうです、それそれ」
「ちょっと苗木君、いきなり叫ばないでくれる? 私にはあなた達が何を言っているのかわからないんだけど……」


〜 真夏の昼の夢 〜

612名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 14:35:08.78 ID:HeB9hAN7
「そこのお兄さん、ちょっといいかしら?」
「むぅ、何だね君たちは? 我輩の神聖なる行為の邪魔はしないでほしいなぁ」
「そのあなたの神聖な行為は迷惑防止条例に該当するわ。平たく言えば犯罪よ」

日曜日、都内某ホテルに併設している大型野外プール。
アロハシャツにサングラスを掛けた胡散臭い男女がプールサイドにいた。
僕と霧切さんだった。

「苗木君?」
「ちょっと失礼「あ、やめろ!」……って、真っ昼間から赤外線モードで撮影しているよ」
「何を撮影していたか確認してもいいかしら?」
「やめてくれぇ、我輩の秘蔵コレクションを見ないでくれぇ!」
「……クロは確定ね」
「こ、このぉ!!」
「苗木君、パス」
「おっと」

証拠品のデジカメを放り投げるように渡してきたので、慌ててキャッチする。
そして霧切さんは激昂して殴りかかる男性の相手をする。

大振りの右ストレートを軽くいなして男性の背後をとる霧切さん。
片方の手で男性の右手首を掴み、さらにもう一方の腕で"4の字"を作る。
そのまま男性の腕を絡めながら自分の手首を掴んで、男性の手を相手の背後に回すように捻り上げる。
"チキンウィッグアームロック"と呼ばれる関節技の一種が完成した。
後は腕回りの関節を極めるのみだ。

「罪の重さは一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に値するわね、それと私への暴行未遂」
「があああ! 痛っイイ!! お……折れるう〜〜」
「あ……やめて! それ以上いけない」
「……そうね、警備員に身柄を引き渡しましょう」

パッと腕を離すと抵抗や逃走の素振りを見せることなく、両膝を付いて力なく項垂れる男性だった。
立ったままの状態でも関節を決めることができるこの技はプロレスや総合格闘技に限らず、護身術にも組み込まれているのであった。
え、何でそれを知っているのかって?
――まぁ、僕も護身術を教えてもらっている身の傍ら、どのくらいの破壊力か十分承知しているからだ。

『この技の最大の特徴はどんな体勢からでも狙うことができ、相手が逃げようと動いても腕が極まる方向になりやすいことね』
『そ、そうだね……グヌヌ』
『またリストロックやアームバーなどの連絡技に移行しやすいため、相手の動きを見ながら柔軟に技を移行する必要があるわ』
『やばい、やばいよ霧切さん! そろそろ極まっちゃうから!!』
『大丈夫よ。これでも加減はしているし、苗木君にこの技の組み方と威力と解き方を学んでもらう一石三鳥の時間を有効に使ってもらうわ』
『……あふんっ。極めながら耳に息吹きかけないでよ、力抜けちゃうから! 余計痛いから!!』

――と、まぁこんな感じに。
僕がそんな回想をしていると警備員の人がやって来た。

「ご苦労様です。彼の身柄はこちらで引き取ります」
「お願いします」

『以上で"水上ドンケツ大相撲"は終了です!』

そのアナウンスと共に盛大に鳴り響く拍手と太鼓とチア・ホーン。
野外プール全体が作られた歓声に包まれた。
613名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 14:36:02.50 ID:HeB9hAN7
「あなた方のご協力で不審者は一掃できました。どうです、後は我々に任せてお友達の応援に行っては?」
「えっ、いいんですか?」
「そう……。だったらお言葉に甘えさせていただくわ」
「はい、本日は暑い中ご苦労様でした」
「いえいえ、ご協力できて何よりです」

こうして僕らは警備員さんへの挨拶を済ませ、舞園さんの所に向かうことにした。
依頼人への報告と、彼女の勇姿を応援するために――。

―――――

『『アイドルだらけの水泳大会?』』
『そうです、今度の日曜にキー局のお仕事が入ったんですよね』
『……何か問題があるの?』
『はい、撮影当日は一般の方にも開放していて誰でも入場出来るんですが……』
『同意のない無断撮影目的で来る連中もいるってことね』
『そうなんです。事務所の方もそれが悩みで、イメージダウンに繋がるのではないかとヤキモキしているんです』
『今は撮影した映像を動画サイトで公開される可能性もあるわね』
『そういう人達から守るためにSPを大量導入したって、物々しい雰囲気になっちゃうよね』
『だからお願いです、霧切さん! 撮影当日、プールで怪しい人がいたら証拠を掴んで違法な撮影を阻止してください!』
『不埒な連中を一網打尽にすればいいのね、わかったわ』
『引き受けてくれるんですか!?』
『もちろん。依頼料は友人ということで勉強するわ』
『大丈夫ですよ、お金の方は事務所の方で用意しますから』
『そう……。それと当日までに会場の見取り図と番組のタイムテーブルの用意、警備の方と連絡を取れないか頼めるかしら?』
『わかりました、それは明日事務所の方に相談してみます。日曜日はよろしくお願いしますね』

―――――

「あっ、苗木くーん! 霧切さーん!」

今は次の競技への準備ということで、出演者の休憩時間ということもあってメンバーの娘達と談笑していた舞園さんが僕らに気づく。
まだ距離があるのに、嬉しそうに手を振って呼んでいるからちょっと恥ずかしかったりもする。

「撮影の調子はどうなの?」
「はい、順調で次が最後の種目ですよ」
「そう……。私達もある程度目処がついたということで舞園さんの応援に来たわ」
「ありがとうございます! 次も頑張りますね!」
「うん、応援してるよ……って、痛っ! 何するのさ、霧切さん!?」
「邪な目線で舞園さんを見ている気がしたから警告したのよ」
「だって、舞園さんの水着姿が可愛いからジッと見ちゃうのは仕方ないじゃない!」
「フフッ、ありがとうございます。苗木君」

水泳の授業で着ているスクール水着とは異なり、ピンク色のチェック柄トップスと同色のスイムスカート。
ステージ衣装を思い出させるような、実にアイドルらしく可愛らしいデザイン。
衣装を合わせたスタッフの人、さすがです。
614名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 14:37:58.84 ID:HeB9hAN7
そんな僕ら3人、舞園さんの出番まで談笑していると男の人の怒鳴り声が聞こえた。
よく見ると帽子にTシャツ姿、服装から番組スタッフの人たちかと推理してみる。
その様子が気になったのか舞園さんが駆け寄っていく。

「どうしたんです、何かトラブルですか?」
「あ、さやかちゃん……。実はね、さっきの競技でモデルの一人が怪我しちゃったんだよ」
「えっ、ホントですか!?」
「手首を捻った程度の軽い怪我なんだけど、次の騎馬戦は無理そうなんだよねぇ……」
「そうなんですか……」
「代わりの娘がいないか各事務所さんに頼みこんでいるけど、反応は悪くて困っていたとこ……」
「えっ、どうしたんですか……って」

会話を何故か打ち切り、舞園さんではなく別の誰かをじっと見るスタッフの視線を一緒に追ってみる。
すると彼の視線の先には、僕の隣にいる霧切さんが立っていた。

「ねぇ、さやかちゃん……。お友達を次の騎馬戦に出場してもらうようにお願いできる?」
「えっ!?」
「ごめん、この通り! 出演者の皆をこれ以上待たせられないんだっ!」

舞園さんに頭を下げ、その上で"お願い!"と手を打つスタッフさん。
相当切羽詰っている事態なんだなぁ、と今頃になって実感する。
そして僕らの所に神妙な顔つきで戻ってきた。

「霧切さん……。追加のお仕事を依頼してもよろしいでしょうか?」
「話だけは聞くわ、話だけ」
「まぁ、そう仰らずに……。次の水上騎馬戦で私と一緒に出場してくれま「お断りするわ」……せんか?」

即答だよ!

「第一、私は舞園さん及び番組の警備として同行したから水着なんて用意してないわ」
「その点は心配いりません。衣装の人が予備の水着を用意するんで、それで行きましょう」
「二点目、私はほら……手袋をしているから他の娘と違って違和感があるはずよ?」
「それも問題ありません。騎馬戦では乗り手の女の子は相手の髪や顔を傷つけないよう手袋を着用するルールになっています」
「そう……。これ以上ゴネても時間の無駄のようね」
「出場してくれるんですか!?」
「ただし、一つだけ条件があるわ。……苗木君も次の騎馬戦に出場させる、というなら追加オーダーを受けるわ」
「えっ、なんで僕なのさ!?」
「私はね苗木君……。助手のあなたが上から高みの見物をしているのが生意気で仕方ないの」
「そんな横暴な!」
「探偵と助手は一蓮托生よ……? ここまで言って嫌とは言わせないわ」
「……わかりました。スタッフの人に掛け合って苗木君を馬役で出られるようにお願いしてみます……。それでいいですね、霧切さん?」
「構わないわ」
「僕の同意はそっちのけなのっ!?」


結局、霧切さんの要求は通り、僕も急遽出場する羽目になったのだった。
それで、誰もいない男性用の休憩室を借りて、衣装の人から渡された水着に着替えることになった。
上着のアロハシャツを脱ぎ、ハーフパンツと下着を一緒に脱いで全裸に。
次いでハーフパンツと同じ膝丈のバミューダタイプのスイムパンツを穿く。
モスグリーンのカラーは僕がよく着るパーカーの色とそっくりだった。

「これでよしっと……」

着替えを邪魔にならないよう部屋の隅においてプールサイドへ戻る。
まだ霧切さんと舞園さんの姿が見えない。
――せっかくなので準備運動のストレッチをしながら待つことにしよう。
615名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 14:40:33.49 ID:HeB9hAN7
霧切さんと護身術のトレーニングをする時の準備運動と同じ要領で、首と肩を軽く回して関節をほぐす。
次に手首と足首を回したら膝の屈伸運動。

「おいっちにぃ、さんしぃ……」
「苗木君、お待たせしましたー」

後ろから舞園さんの声が聞こえる。
霧切さんの方も準備は出来たようだ。
膝を伸ばした状態で振り返ってみると固まってしまった。
二重の意味で。

霧切さんの水着姿は水泳の授業で見る姿とは全く異なっていた。
黒のストリングスイムトップスと同色のスイムパンツ。
霧切さんの白い地肌とのコントラストが明確で、何気に水着の面積も舞園さんの水着と比較すると小さい。
髪型だけは運動しやすいよう、ポニーテールに結っていた。

「何をそんなにジロジロ見てるのよ……」
「いや……。胸の谷間と両腰にある大きな結び目、ちょっと引っ張れば簡単に外れそうかなって思ってさ」
「そんなはずないでしょう? ただのアクセサリーじゃない、こんなの」
「うん、そうだよね……」
「? どうしたの、急に動かなくなって。準備運動を怠ったら怪我をするわよ?」
「ごめん、暑い中で急に体動かしたら頭がボーッとしちゃって……」

くっ、し、鎮まれ、僕の(※第三の)右腕……っ!
前かがみになったまま男の生理現象を鎮めるのは至難の業だった。


続く


後半の騎馬戦は涼しくなった夜にでも書き上げて投下します。
こう暑いと頭がおかしくなって妄想が止まりませんね。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 17:10:50.08 ID:/GdqUpNN
乙乙!
もっとおかしくなってもいいのよ?
617名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 17:53:45.47 ID:LB8cdaoq
あぁおかしいな(褒め言葉)
流石にアイドルだらけの水着大会ポロリもあるよ!に男が混じってたらまずいんじゃないですかね苗木くん
618名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 20:23:00.47 ID:FGBUeEBI
むう…これが世に聞く(ポロリもあるよ!)…
スタッフGJ
619名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 22:03:39.54 ID:/GdqUpNN
>>617
なぁに超高校級の幸運だから仕方ない
女だらけの何とやらの最中に霧切さん諸共あんなアクシデントやこんなアクシデントに遭遇したとしても、そりゃもう仕方ないことだ
620名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 22:32:40.50 ID:vIy0Ywbq
水着の形態が全く想像出来ないので至急画像お願いします
621名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 23:06:16.20 ID:HeB9hAN7
>>620
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3219563.jpg.html
pass:kiri

これでいいですか?
622名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 23:12:24.56 ID:vIy0Ywbq
なるほど良く分かった
623名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 23:42:34.80 ID:L6dlzzTA
http://www.inside-games.jp/article/2012/07/20/58334.html

おい、この前作の話の「ある少女」ってまさか・・・
霧切さん視点で見れるってことでOK!!?
624名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 23:45:31.82 ID:wgk5KwRy
残念なお姉ちゃんの話だとどこかで聞いた
625名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 23:58:45.15 ID:Mxo/XiSE
黒ビキニもいいが俺としては白も…
626名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 23:58:55.80 ID:L6dlzzTA
orz

まぁ、霧切さんが見れるなら俺は構わないがな!
627名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 02:35:18.02 ID:150cmAC8
>>611-615の続き

―――――

水上騎馬戦――。
僕の知っている運動会の騎馬戦とは少々異なり、相手チームの額の鉢巻ではなく紅白帽を奪うことが目的だ。
もちろん、落馬することでも失格だ。
馬役を務める男性陣も浮力のおかげで、騎手の体重をそんなに意識することはない。
そのおかげで頭数に加えられた僕が前馬を務めることになっているんだから――。

「どうしてこうなったのかしら……」
「あ、それ僕も思ったよ」
「出場するとは聞いていたけど、まさか舞園さんと敵対するとはね……」

向こう側にいる舞園さんのチーム、アイドルユニットのメンバーがそれぞれ乗馬しているんだから。

『位置について、よーい!』

"パァァン!"と乾いたピストル音の合図と共に各員一斉に動く。

「交戦は控えましょう。まずは左に旋回して。そう……なるべくゆっくり」
「わかった。……っていうか、僕の癖っ毛を操縦レバーか何かと勘違いしてない? 何で握っているの?」
「気のせいよ、気のせい」

スタッフさんを含めた僕ら騎馬役の3人は霧切さんの指示に従う。
一見、戦局を見極める軍師っぷりを見せているように見えるが、実はそうでもない。
スタート前にアシスタントディレクターらしき人が霧切さんに近づき、何かを耳元で囁くようにして去っていったのを目撃したからだ。

―――――

『今の人、何て?』
『番組プロデューサーさんからの伝言で"適当に逃げて舞園さんのチームに負けてください"……ですって』
『えっ、それって……』
『もとより、私もそのつもりで行く予定よ』
『どうしてさ?』
『ポッと出の代理が勝利を掻っ攫う光景を視聴者が望む? 咬ませ犬らしく負けて舞園さんに華を持たせるのがセオリーじゃない」
『……霧切さんはそれでいいの?』
『えぇ、もちろん』

―――――

そんなこんなで、いつの間にか孤立し最後の一人になっているようなシチュエーションになっていた。
メンバーの娘達が逃がさないように周りを囲み、舞園さんの騎馬隊がジワジワと近づいてくる。
チェックメイトまであと一歩だ。
628名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 02:36:07.92 ID:150cmAC8
しかし、舞園さんがここで予想外の行動に出る。
自分の左手の手袋を突然外して、霧切さんの足元にぶつけてくるのだった。

「……舞園さん。あなた、これが何を意味しているのかわかっていてやっているの?」
「もちろんです。霧切さんと一騎打ちをしたくて手袋を投げました」
「ナンセンスね。勝利まであと僅かなのに単騎で挑むなんて」
「やる気のない霧切さんをその気にさせるためです」
「……どういう意味かしら?」
「私、見てしまったんです。霧切さんがスタッフさんと打ち合わせしているところを」
「何のことかしら?」
「とぼけないでください。きっと、適当に逃げて負けてくださいって唆されたんでしょうけど、そんな霧切さんに勝ってもちっとも嬉しくありません」
「舞園さんが勝てばいいっていうシナリオは番組サイドと視聴者の意向に沿っていると思うけど?」
「それはテレビの都合です。だからアイドルの舞園さやかではなく、クラスメイトの舞園さやかとして決闘を申し込むんです」
「……そう。さすがにこの状況では拾えないけど、受諾と受け取ってほしいわ」
「ありがとうございます」

糸を張り詰めるような緊張感がプール全体に浸透した。
僕らと舞園さんの騎馬隊の動きに一挙一動、目が離せなくなった。

「みんな、チキンレースと洒落込みましょう?」
「うん」
「「おぅ!」」

そんな中、霧切さんが僕の癖っ毛を二回右方向に軽く引っ張った。
――なるほど。ぶつかる直前、右に避けろってことか。
僕と霧切さんにしか分からない合図を確認してから前進する。


「「「うおぉぉぉぉっ!!」」」
「「「はあぁぁぁぁっ!!」」」

両者の騎馬隊が咆哮しながら突撃する。
そして前馬の僕らがぶつかる直前だった。

「今よ!」
「っ!?」

――って、あらっ!?
右に動けない! どうして!?
困惑する僕を尻目に一人だけ右方向に重心をずらした霧切さんがバランスを崩してしまう。

「そこっ!」
「……っ!」

舞園さんはそのチャンスを逃すはずもなく、左腕を伸ばす。
だがそこは"超高校級の探偵"、バランスを崩しながらも舞園さんの腕を交わして生命線の帽子を守る。
が、舞園さんの腕は帽子ではなく別のものを掴んでいた。
629名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 02:37:22.64 ID:150cmAC8
「っ!?」
『あーっと!! ここでお約束の"ポロリ"です! 白チーム、万事休す!!』

そう、舞園さんの左手には霧切さんの水着である黒のトップスが握られていたのだった。
その"ポロリ"の隙を付いて追撃するのかと思いきや、舞園さんの騎馬隊は後退していく。

「大丈夫!? 霧切さ「見ないで!」……あだぁ!」

霧切さんの状態が心配になって後ろを振り返ったら頭を鷲掴みにされて無理矢理正面を向かされた。
例えるなら、グレープフルーツの果汁を絞るような力と捻りで頭を締め付けられている。
咄嗟に見れた光景は左腕で胸の周りをガードして顔を真っ赤にしている霧切さんだった。

「やられたわね、舞園さんに」

苦虫を噛み潰したような霧切さんの声が聞こえる。
きっといつものポーカーフェイスも今は保てず、不快感を顕にしているのだろう。

「ごめん、僕が動けなかったばかりに……」
「謝罪したところで今更水着が戻ってくるわけじゃないでしょう」
「うっ……」
「おそらく動けなかったのは舞園さんの前馬の人が妨害したんでしょうね。足を踏まれたんじゃないかしら?」
「えっ?」

思わず後退している舞園さんの前馬のジュニアアイドルを見る。
僕の視線に気づいたのか、ニヤリと笑みを浮かべる。
とてもお茶の間で見せるようなものとは異なる、陰惨な笑みだった。
僕を格下の相手と嘲るような負の感情がこもっているようなそんな笑みだった。

「片腕が使えない状態でもまだいける、霧切さん?」
「当然じゃない。むしろこれは舞園さんへのハンデよ」
「言うじゃない」
「やられっぱなしじゃ終われないのよ、私。苗木君、あなたもそう思わない?」

身長180cmくらいはあるであろう長身のジュニアアイドルをもう一度見る。
僕の足を踏んで小馬鹿にした相手を睨みつける。

「……そうだね。霧切さん、もう一度突っ込んでいい?」
「また足を踏まれて妨害されるかもしれないわよ?」
「そうかもね。でも、動けないわけじゃない」
「……なるほど。そういうことね」
「えっ、僕の作戦が何かわかったの?」
「当然じゃない、私を誰だと思っているの?」
「ははっ、"超高校級の探偵"だったね。失礼しました」
「……そういうわけでもう一度舞園さんに突進するわ。後は私と前馬の彼で何とかします」
「いいぜ。それにしても若いっていいなぁ……」
「同感。俺も青春時代にこんな娘が近くにいればねぇ……」

何故か後ろ馬のスタッフさん2人はしみじみとするのだった。
どうしてさ!?
630名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 02:38:21.05 ID:150cmAC8
「それじゃあ行きましょうか、最後に一花咲かせて潔く散りましょう?」
「「「おうっ!」」」

『両者再び睨み合って……突っ込んだあぁぁっ!!』

「「「うおぉぉぉぉっ!!」」」
「「「はあぁぁぁぁっ!!」」」

先ほどのチキンゲームの再現。
違うところは霧切さんの右手が僕の頭を掴んで離さないことだ。
僕の体を杖代わりに、片腕だけで不安定な重心を支えている。
霧切さんが、僕を頼っているという事実が嬉しくて、さきほどの汚名をすぐにでも返上したいくらいだ。

そして再び二つの騎馬隊が零距離に。
身長差20cmはあろうかという前馬同士の対面もこれで二度目。
左足に重みが掛かる感触も二度目を迎える。

「終わりです!」

舞園さんの左手が霧切さんの帽子を狙う。
霧切さんが僕の頭をプールに押し付けるような勢いで屈む。
僕も釣られるように水面に潜る。
次に僕の足を踏んでいる位置から相手の顔の位置を特定する。
そして――

「……このぉ!」
「ぐおっ!?」
「……きゃっ!?」

水面から急激に頭を突き出す。
前馬の人の顎を目掛けて。
見事にヒットして、右腕からの二撃目を狙っていた舞園さんもよろめく。

「決めるわ!」
「っ!!」

その隙を見逃すほど、今日の霧切さんは優しくはなかった。
上空へと舞う水飛沫を突き破るように右腕を舞園さんへ伸ばす。
伸ばした先が舞園さんの被っている紅白帽ではなく――。
631名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 02:43:06.47 ID:150cmAC8
『おーっと! ここでまさかの"ポロリ返し"だぁ!! 目には目を! 歯には歯を! ビキニにはビキニをぉぉぉぉ!!!』

まさか舞園さんの水着だったとは――。
外道です、まさに外道です!

「……してやったわ」

満足気な声が僕のすぐ後ろから聞こえる。
――っていうか、近すぎませんか霧切さん?
両肩に一つずつ、均等している圧力が掛かっているんですけどぉ!?

「きっ、きききききりぎぎりさん!? どうしてこんなに密着しているのかなぁ!?」
「仕方ないでしょう? ずっと同じ姿勢でいたから腕が痺れちゃったのよ。……ただの小休止よ」
「むしろ大休止でお願いしま「まだですっ!!」……えぇっ!?」

騎馬隊からの離脱、もとい飛翔しながら舞園さんは襲い掛かってきたのだった。
上空の太陽が舞園さんの身体に遮られ形を変える。
呆気にとられて僕らは動けなかった。
なす術なし。

「きゃっ!」
「うわあぁぁ!」

そして舞園さん渾身のボディプレスを喰らった。
二人の男女の悲鳴が野外プールに木霊した。
僕と霧切さんの悲鳴だった。


続く

このまま終わってもいい気もしますが、この三人にはもう少し青春してもらいたいので続けます。
明日、もとい今日の仕事が終わった後に作成するので、またこの時間くらいに投下すると思います。
もうちょっとだけお付き合いください。

>>618
>>619
617のように"女だらけの水泳大会"をよくご存知でない世代を垣間見て、いよいよおっさん化したと実感せざるを得ません。
SSに引っ張るネタもこれからは気をつけねばなりませんね。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 03:03:18.57 ID:3hxt6q5h
GJ苗木君がうらやましい
実はうわさでしか聞いたことがないです。
昔はいい時代だったんだなぁ……起きててよかった。

>>589−590様こうですか分かりません デレに振り切ったらキャラ崩壊しちゃうね。
――今は授業中だ。僕はいつものように真面目に授業を受けている。
僕みたいにただの“幸運”で入学できた身とすれば、せめて人並みに学業を修めなければ卒業後の進路が危うい。
そんな風に考えていた時期もあった。

だけどそんな僕の抱えていた不安は、隣の席で同じく授業を受けている彼女――霧切響子さんが解消してくれた。
僕らは愛しあっている。一生を共にするつもりだ。彼女が居ればいい。他に何もいらない。

今日も、僕らは隣同士席をくっつけている。
建前は彼女が教科書を忘れたから――そうなってはいるが、実のところ僕は今朝、鞄に確かに教科書を入れているのを見た。


これはサイン――彼女のその、求愛の……。


授業が始まって少し経った頃。
「……ねぇ、キスして」
いつもの様に僕の耳朶に熱い吐息がかかった。
机がくっついているだけで、一応身体は触れ合っていない。彼女が身体をこちらに寄せて優しく囁いてきた。

「だ、駄目だよ……皆が居るところでなんて」
これが二人きりの時なら何も問題ない。そりゃ未だに多少の恥ずかしさはある、けれどそれ以上に嬉しいからすぐに応えられる。
だけど……こんな、皆が居る前でなんて。それも授業中の教室で。
確かに僕は彼女を愛しているし彼女も同様だ。その気持ちを隠す気が無いとしても、この状況では無理だと思う……たぶん。
教室の皆に気付かれないよう僕も囁いた。


「私のこと……キライ?」
また耳元で優しく囁いてくる。
……だから駄目だって。
そう目で制そうとするも僕の手を取り、その手を彼女の両の手が包み込んで、情念の込められた、潤んだ瞳でこちらを見てくる。
――可愛すぎる。僕の自制心は一瞬で瓦解した。
キスには強い魔力があるようで、僕なんかよりずっと強い自制心を持つはずの彼女でこれなんだから、おねだりされたら僕が本気で断れるはずもない。
求められたら応えてあげないとね。

「……ちょっとだけだよ」
一度キスをすると時間感覚が吹き飛んでしまう。この前もお昼休みが終わっているのに気が付かず授業をサボってしまった。
理性を溶かされてしまうので出来れば寮に帰ってからのほうがいいけれど、毎回そんな事を考える。
でも彼女は僕の返答を聞いて顔をほころばせている。見るだけで幸せな気持ちになるような……そんな笑顔を見せられて我慢できる奴はいない。

「大好き……」
「僕も大好きだよ……」
ここでまた、いつもの様に愛を囁く。
幸い僕らは一番後ろの席なので、教師が黒板を向いている隙に素早く唇を交わせば大丈夫だろう。
そういうことにしている。僕らは愛し合っているし、校則違反がどうとかじゃあない。ただ単に恥ずかしいから。

633名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 03:04:02.17 ID:3hxt6q5h
――――今だっ。教室の皆が黒板の方を向いている。
先生が板書した内容を説明しつつ、皆がそれをノートに書き写すその瞬間。一瞬で交わされる二人だけの秘め事。
恥ずかしいから絶対に気付かれたくない。と同時に見せ付けてやりたいと思ってしまう僕は、どこかおかしくなってしまったのだろうか。
二度、三度……ついばむ様に軽く唇を合わせる。ばれないように、ばれないように……。
素早く、何度でも何度でも……僕のこの愛しい気持ちが伝わるように。彼女の気持ちが伝わってくるように。

最初は机の下で繋がれていた手も、今は互いの頬に添えられて――互いの唇をついばむ間隔もどんどん短くなって、唇が触れ合う時間は反比例して長くなる。

――口だけで彼女を感じたい。

その欲求に従って、両の目を閉じ、互いの口内を舌で貪り、唾液を交換し合う。
緊張から高鳴っていた胸の鼓動は、彼女を求める昂りによって早鐘を打っている。

ここは教室で、今は授業中。今更ながらに頭の片隅に追いやられていた状況を思い出した。
だけど僕の自制心では歯止めが利かない。たとえ今死んでも何の後悔もない。

「っ……」
その時、僕の舌に電気が走った。

「……ダメよ、まだ授業中なんだから……」
二人の間に透明な糸が垂れた。

いつもこうだ……自分から誘ってくるくせに僕が昂りを覚えると、必ず歯止めをかける。
確かに今は授業中だし、皆もいる。でもここまで火を付けておいてそれは無いんじゃないかな……。
せめてもの抗議として、恨みがましい目つきで見つめる。
口にだして抗議できないのは、噛まれた舌が痛いからじゃない。授業中だから……なんだ。


それでもキスを中断させるタイミングとしては最適だったようで、先生が黒板を消した後、口頭で補足説明をし始めた。
だけど僕は素直に感謝するのが癪だったので、わざと顔を背けた。

すると、さも教科書が見辛いといわんばかりに身体を密着させてきて、教科書を目隠し代わりに持ち上げた――と思ったら僕の頬にキスをしてきた。

「!?」
驚きの余り声を失ったが、悪戯っぽく舌を出して『これで許して――』なんて目で訴えかけてくるんだから……
謝罪を受け入れた証に彼女の耳に口付けをし
「早退しよっか」
そう囁いた。
634名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 09:00:52.90 ID:iUrvxFll
両者ともGJ
「超高校級だらけの水泳大会 ポロリもあるよ!」って展開はまだですか

あとデレすぎるとマジ危険風紀的な意味で
635名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 09:12:48.08 ID:0RS9JAxC
関係無いけど舞園さんみたいなメジャーアイドルの水泳大会で男が馬役とか大ブーイングだろうなw
あっちの世界の2chも大荒れするだろう
636名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 11:45:55.75 ID:qI7+1lMl
苗木君が女装している可能性が微粒子レベルで……?
637名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 13:25:35.67 ID:lq1SzfbT
ところで剥ぎ取られた霧切さんのビキニブラはどこで落札できるのかね
638名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 14:07:40.60 ID:1b9WaXYp
>>633GJ! 鼻血出るかと…
珍しくツンツンしない、ストレートな甘甘霧切さんだな
639名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 17:00:44.50 ID:WLpGUu7e
>>635
国民的アイドルのポロリとか
閃光のように現れた無名の謎の美少女のポロリとかに大騒ぎで
それどころではないのではないでしょうか
640名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 19:58:58.08 ID:0RS9JAxC
アイドルファン舐めんじゃないわよ!
641名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 20:02:09.79 ID:c9YtU6AJ
顔割れちゃったら仕事に支障をきたしそうだなw
642名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 22:34:16.93 ID:lq1SzfbT
霧切家の人間がテレビに顔を晒すとは何事か!とお祖父様に怒られてシュンとする霧切さんも
それはそれで
643名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/21(土) 23:45:25.34 ID:LYgt8JuB
二人並んで正座させられてシュンとしているところを想像して和んだ
644二限目:2012/07/22(日) 03:30:08.93 ID:Q1WBx9Rd
「ちぇっ……」
どこか憮然とした表情で、僕はつねられて赤くなった腕を冷やしている。
僕が早退を持ちかけたら
『まだ学校に一限目でしょ。ちゃんと授業を受けないと卒業できないわよ』
――なんて、僕に授業を受けられなくさせている本人が言ったところで、なんら説得力が無い。
まったくいったいどの口が……と愛しい彼女の唇の感触を思い出す。

普段は僕よりもヒンヤリとした肌だが、熱を帯びて、互いの唾液で潤った艶っぽい唇。
一生眺めても飽きることの無い、キスをおねだりする可愛い笑顔。
僕の心を掴んで離さない愛しい女性。


……ダメだダメだ。いつも良いようにされるわけにはいかない。
次に求められても絶対に我慢するぞ。冷やしたおかげでどこをつねられたのか、わからない状態になった腕を見ながら決意した。



「……ねぇ、キスは?」
一限目と同じく、僕らは席をくっつけている。勿論教科書を忘れたという口実も同じ。
唯一違う点があるとすれば、僕は絶対に誘惑に屈しない。――そう決意したことだ。

「……」
まず彼女のほうを一度たりとも見ない。
目をそちらへ向ければきっとまた、僕の理性を蕩かせる様な表情をしているはず。
だから、学生の本来の職務である学業に集中してみた。
顔を正面へ向け、眼は教師の一挙手一投足に注目している。

「……イジワル……」
ナニモキコエナイ……ナニモキコエナイ……
皆の目線が真面目に黒板を向いているのをいいことに、僕にもたれ掛かりながら耳元で囁いてくる。
六根清浄六根清浄……煩悩よ消え去れ……。

当然、もたれ掛かってくるということは、彼女の柔らかい二つの……考えるな……煩悩に打ち克つんだ……。
2、3、5、7、11、13……心を落ち着ける為に素数を数えることにした。
僕は授業に集中するんだ。いつまでも掌で転がされるわけには…………。彼女につねられた腕を見ながら必死に堪えた。


僕の決意が固いのを悟ったのか、隣に座る天使の様な悪魔は大人しくなってくれたみたいだ。気配でどうやら自分の席に着いたことが分かった。
と思った矢先――僕の手を。さっきつねられた方の手を、彼女が取った。


そんなことしても無駄だよ。目を合わさなければ……と腹を括ったが直後に覚えた、指先を襲うゾクリとした感覚に慌てて首を隣に向けた。
645二限目:2012/07/22(日) 03:31:33.79 ID:Q1WBx9Rd
「なっ……!!」
思わず出そうになった声を無理やり殺して、改めて驚いた。
彼女に取られた手の、その指先をチロチロと彼女の赤い舌がねぶっている。

驚きと羞恥とくすぐったさで、急いで腕を引き抜こうとするも、しっかり握られていて拘束から抜け出せない。
抗議するように彼女を見ると、『私を無視するなんて生意気よ』……そう目が強く語っていた。

「ご、ごめん……何でもするから許して……」
妙なくすぐったさと彼女の舌の絶妙な動きに、言い様も無い興奮と快感を覚えているのは事実だが。こんな背徳的な光景を誰かに見つかるのは流石に不味い。
だから思わず口を滑らせてしまった。――こんな事言ったら絶対キスするまで許してくれないだろうな。
と、どこか自分でも嬉しく思ってしまっていた。やっぱり我慢なんてできないよ。

そう思っていたが、所詮僕はただの一般人だったようで……彼女の命令は僕の予想を上回っていた。


スッと、僕の前に突き出されたのは彼女の手。勿論いつもの様に黒い手袋は付けられている。
そしておもむろに開閉される、僕を虜にする彼女の口。
『な・め・て』そう言っている。――間違いない、間違えるはずがない。
彼女に鍛えられたこの観察眼がそう告げている。第一、こうして席が隣同士になる迄、僕らは互いの唇を読んで会話していたんだから。


観念するしかなかった。最初から僕が彼女に勝てるはずない。分かっているのに毎回今度こそ、今度こそと、勝負を挑む。
これが惚れた弱みなのかな。

僕は目の前に突き出された愛しい指を、まるで彼女の舌を求めている時のように舐めまわした。
ザラリとした皮の感触も今は気にならない。目一杯彼女の指を舌で愛撫し、唾液を絡ませた。

……おそらく僕の指も同様にベタベタだろう。目の前の愛しい存在に、自分の事など考える余地がなかった。


すると僕の口内からスルリと指が引き抜かれた。あぁ……名残惜しさで、行く先を目で追いかけると僕の手が自由になったことがわかった。

彼女の瞳が潤んでいる。間違いなく今の僕も同じように惚けた顔だろう。
さっきまで口内に在った感触を確かめるように、互いに唾液でヌラヌラとした指を咥えた。


昨日の続きです。眠れない夜は妄想が留まるところを知らないから困る。
646名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/22(日) 03:51:05.73 ID:syKktVCs
えろーーーーい! 何これGJ!
眠れなくてジタバタしてたけど、おかげで良いもん見れたわ…
647名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/22(日) 09:51:25.38 ID:SvDgQWVZ
わっふるわっふる
648名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/22(日) 14:33:34.66 ID:SvDgQWVZ
こう暑いと妄想が加速したって仕方ないよな
だからいいぞもっとやれ
649名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/22(日) 16:11:19.71 ID:IQJ0tUjL
ん?今何でもするっていったよね?
650名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/22(日) 19:34:35.75 ID:A4E1E1j7
苗「ん? 今何でもするっていったよね?」
霧「ちょ、ちょっと待っ……ひぁっ!?」

的な展開はありませんか
651名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/22(日) 21:20:08.73 ID:/sX1k/Qc
おおいにアリだが、そいつは三割の確率でエロパロ行きだべ!
652名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/22(日) 23:15:23.81 ID:tBnp+31C
最近めっきり暑くなってきたが、ここ数日のこのスレを見ていると
それもあながち悪いことじゃない気がしてきたぞ
653名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/23(月) 02:19:16.48 ID:oHbmSjKW
なんでホモが湧いてるんですかね・・・?
654三限目:2012/07/23(月) 02:23:47.12 ID:5mBexXzJ
指先に付いた甘い蜜を舐め取っている時にふと視線を感じた。
隣からの絡みつくような熱っぽい視線ではなく。――前からの僕の奇行を訝しむ視線だ。

マズイ――ばれたのか? そう思って、急いで指を口から引き抜いた。
まだ全然味わえていないのに……。
いや、それよりも僕と彼女の交歓を見られてしまったのか? 僕が処分を受けるのはいいけど、彼女に迷惑をかけたくない。
不順異性交遊は校則違反――なんてお題目で処分されるのは勘弁して欲しい。今時キス位で……しかも僕らは間接的に唾液を交換し合っただけじゃないか。

それに、僕らは生涯を誓い合った身だ。とやかく言われる筋合いはない。……たとえ責任能力のない未成年だとしても、ただの口約束だとしてもだ。
僕らの愛情表現の仕方は、確かにちょっと過剰かもしれないが、大好きだから仕方ない。抑えようがないんだ。

そう自分に言い聞かせて、先生の目を真っ直ぐに見返した。



「……勘違いしてくれてよかったのかな……?」
結局、授業が終わってから先生の教材運びを手伝わされて、僕の心配は杞憂に終わった。
信じられないことに、僕が指をしゃぶる癖があると思い込んでいたらしい。
ありがたい勘違いだったので、僕もそれに便乗しておいた。
処分におびえる必要はなくなったが、幼児みたいな癖を持った変な生徒という認識を芽生えさせてしまった。


そうして僕は、安いような高いような代償を払って自分の教室に戻ってきた。
真っ先に彼女の姿を求め、自分の席に着いた。
隣に座る彼女はいつものクールなポーカーフェイスではなく、少し俯いて唇をかみ締めていた。どことなく顔色も悪い。何より僕に気付いていないみたいだ。

僕の事を想ってここまで動揺してくれるなんて……胸が熱くなった。やっぱり愛されてる実感は何度味わってもイイ。
堪らなく愛しくなって、わざと彼女の足元に消しゴムを落とし、敢えて背後から近づいて可愛い耳をぺロリと一舐めした。


「っ!?」
ようやく僕に気付いた彼女。さっきまで彼女の口内に在った指が、再び僕の唾液を求めてか、僕が撫でた耳を覆う。
さっきまで色が失われていた頬に朱がさした。
僕はそんな彼女の変化を横目で悠然と眺めつつ、足元から消しゴムを拾う。

そして消しゴムを握り締めると、すっかり朱に染まった顔で僕を睨み付けてくる。――何もかもが可愛い。
本当は耳を舐めるだけにするつもりだったのだけれど、予定変更。


ゆっくりと、机の陰に隠れるようにゆっくりと立ち上がる。怪訝に思って、下を覗き込んでくる彼女の唇を素早く奪った。
攻めるのが得意な分、攻められるのは苦手なんだよね。


655三限目:2012/07/23(月) 02:26:34.47 ID:5mBexXzJ
「ひひゃいよ……」
僕の頬をつねる可愛い恋人。

まさか授業中ずっとつねるつもりじゃないよね?――そう目で問いかけてみるも、僕と目線を合わそうとしない。
これはいくらなんでも先生も見咎めるだろう。まさか隣の席の人間の頬をつねる癖が、なんて誤解はするはずないし。

だけど幸か不幸か、三限目は自習になってしまった。


僕らのクラスには超高校級の風紀委員が居るお陰で、自習時間といえどそうそう騒いだりはしない。
――だって下手に羽目を外すとそれ以上に『校則が――』と騒ぎ立てるからだ。わざわざ騒ぐ必要もない。
精々少数で、勉強を教えあっていますよ。といった風を装っておしゃべりする程度だ。

だから仕方ない、こうやって机を合わせて車座になっているのも。
目隠しが全然ないのも、僕らが注目されるのも。

「“苗木君”がヘマをやらかしたから」
と、僕の頬をつねっている理由を答えていた。これはずっとこのままなのかな、結構怒ってるみたいだし……。
わざわざ僕の苗字の部分を強調していたし。皆の前とはいえ、いつもみたいに名前で呼んで欲しいな……。

すると僕の寂寥感が伝わったのか、頬をつねっていた手は離れ、痛みから解放された。……なぜか軽い喪失感を覚えたが。


「……反省してるの?」
そう言いながら彼女が、皆に見えないよう机の下で僕の手を握り締めてきた。
勿論僕はその手を強く握り締めて。

「うん」
と応えた。


催促して申し訳ないが
>>631さんの続きはまだですか?
656名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/23(月) 06:16:28.92 ID:glzNzP7+
よつんばいになれば書いていただけるんですね?
657名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/23(月) 08:31:09.11 ID:QuWrWkJE
乙乙
ふぅ…まったく熱くてたまらんぜ
658名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/23(月) 12:18:54.25 ID:MjY6C68/
俺も霧切さんにつねられたいです
659名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/23(月) 16:13:21.44 ID:AZYsK+tx
不意打ちで2のネタバレ食らうのは怖いけどこのスレから離れられない俺ガイル
660名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/23(月) 19:45:36.81 ID:QuWrWkJE
奇遇だな、俺もだ
…だが霧切さんも言っていたはずだ
「先に進むためには危険を避けては通れない」、と

ということで俺は引き続き全裸で待たせてもらうぜ
661名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/23(月) 19:56:39.73 ID:xw6IQNNU
臆病な俺はこれ以上スクロールせずに更新ボタンを毎日カチカチしよう
662名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/23(月) 21:37:09.83 ID:lIRvgrsr
ネタバレ


霧切さんははいてない
663名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/23(月) 22:46:39.67 ID:AZYsK+tx
貴様ァ! よくも重大なネタバレを!
…詳しく聞かせてもらおうか
664名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 00:08:50.30 ID:FdlnV6Sq
>>627-631続き

―――――

「「はぁ……」」

プールサイドに体育座りする男女が同時に溜め息を吐いた。
僕と霧切さんだった。
先ほど行われた表彰式も終わり、会場の撤収作業が動き出そうとしていた。

僕の場合はやっと終わった、という安堵感から漏れ出た溜め息だ。
一方、隣の霧切さんの場合はと言うと――。

「探偵としてはあるまじき醜態よね……」

自嘲めいた溜め息だった。

「お爺様にどう釈明すればいいかしらね、苗木君……?」
「そんなの僕に聞かれてもわからないよ……」
「そうよね、聞いた私が馬鹿だったわ……」

そう言って顔を伏せ、貝のように閉じこもるのだった。
舞園さんと額をぶつけた拍子で付ける羽目になった冷えピタを隠すように――。


あの騎馬戦は結局、霧切さんも舞園さんも落馬したということで失格処分という結果になり、残るメンバーの生存から舞園さんの紅チームの勝利という形で終わった。
僕も霧切さんも負けたことでお役御免となったけど、着替える気力もなく水着姿のまま肩にバスタオルを掛けてこの状態のまま眺めていたわけだ。
もちろん、霧切さんと舞園さんの脱げた(もとい脱がされた)水着は回収し、二人とも着用している。

「隣、いいですか……?」
「舞園さん……。うん、いいよ」
「失礼しまーす」

そういって僕の左隣に舞園さんが座った。
まず一番気になることを聞いてみることにする。
665名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 00:10:46.98 ID:FdlnV6Sq
「それで、結局僕らの騎馬戦ってどうなったの?」
「私と霧切さんのシーンはカットすることにして、それまでに決着がついたように編集してもらえるようです」
「そうなんだ、よかった……。それにしても大丈夫? 霧切さんとおでこぶつけたのに何ともないようにしていたけど」
「はい、平気ですよ。ぶつけたおでこは前髪で隠せましたし」
「本当? 腫れたりしてない? ……って、やっぱり少し赤く腫れてるね」
「ちょ、ちょっと苗木君っ!?」
「収録も終わったことだし僕、スタッフさんから冷えピタもらってくる……ぁ痛っ! 何するのさ、霧切さん!?」
「気安く女性の髪を触る野蛮な苗木君を嗜めていたところよ。舞園さんも気をつけなさい、人畜無害で羊の顔をしている苗木君も腹の中ではケダモノの狼を抱えているんだから」
「誤解を招くような言い方をしないでよ!?」
「以前あなたが教えたことをそっくりそのまま再現しただけじゃない、何がおかしいの?」
「言うタイミングってものに問題があるって言ってるの!」
「フフフッ……。苗木君のような狼さんなら私、襲われちゃっても構わないかも……?」
「えっ!?」
「よしなさい舞園さん。このラッキースケベ、さっきも舞園さんの胸に密着できたことで鼻の下を伸ばしながら気絶したのよ?」
「それは違うよ! 僕が直撃したのは胸をガードしていた腕で、肘が急所の米神にクリーンヒットしたから気絶したんだよ!」
「見苦しい言い訳とはよく言ったものね」
「事実だよ!」
「あ、あの二人とも大声で喧嘩はよした方が「「舞園さんは黙ってて!」」……はい」

舞園さんの仲裁を無視して、眉間に皺を寄せて霧切さんと睨み合う。
でも、そう長くは続かなかった――。

「……不毛ね」
「……同感」
「えっ、えっ?」

10秒も持たず同時に溜め息を吐いて、無益な争いだったと気づいたからだ。
この切り替えの早さには舞園さんも困惑しているようだ。
また冒頭のように体育座りをして二人同時に項垂れるのだった。

「これから二人はどうされるんです?」
「どうって……着替えたら学園に戻るんだけど?」
「よろしければ一緒に帰りませんか? マネージャーさんが車で送迎してくれるんですよ」
「えっ、いいの?」
「はい、一人乗ろうが三人乗ろうが変わりませんし」
「じゃあ、お願いしていいかしら……?」
「では着替えたら1階のロビーで待っていてくださいね」
「あ、舞園さん。借りたアロハシャツって衣装さんに返せばいいんだよね?」
「はい、そうしてください。ささっ、霧切さんも一緒に着替えましょー」
「ちょっと、無理に引っ張らないでよ……!」

舞園さんに腕を引っ張られながら去っていく霧切さんを見送る形で、僕だけが一人プールサイドに残った。
さっきまでの喧騒がまるで嘘のような穏やかさ。
運動会や文化祭が終わった後に感じる寂寥感とどこか似ている。
どこか儚げな光景だけど、目を閉じればその時の情景がありありと浮かぶような。

記録に残らない霧切さんの水着姿――。
写真でもいいから形に残しておけばよかったなぁと、今更ながらもったいない気持ちになる。

「舞園さんに頼んで未編集の映像とかコピーしてくれないかなぁ……」

後でこっそり相談してみることにしよう――。
666名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 00:12:44.35 ID:FdlnV6Sq
―――――

処変わって、希望ヶ峰学園構内。
日曜の夕方ということもあり僕らしか舗道を歩いておらず、寄宿舎までの道のりを三人の影だけが動いていた。

「暑い……。そして遠い……」
「同感ね。車を敷地内にも入れることが出来ればこんな思いはしないで済んだでしょうに」
「だったら霧切さん、学園長に直談判してください。交渉事は得意なんですよね?」
「嫌よ。個人的にあの男に頭を下げるのは願い下げよ」
「そんな殺生な……」

仏頂面を浮かべながらパタパタと持っている扇子で首筋を煽る霧切さんだった。
制服の首筋を結っているリボンを外し、一人人工的な風で涼んでいる。
僕も扇子か団扇でも携帯すべきかと思い悩んでいた矢先のこと、学園内に立地しているコンビニまで到達した。

「ねぇ、寄宿舎に戻る前にコンビニ寄っていい? アイス食べたいんだ」
「アイスを?」
「うん、小さい頃に市民プールで遊んだ後は決まってアイスを買い食いして帰っていた習慣があってね。久しぶりにそれをしたくなったんだ」
「いいですね、それ。霧切さんは?」
「私は別に構わないわ」

そうして僕の提案する寄り道に二人は賛同してコンビニへ入店する。

「うへぇ〜、涼しい〜」
「こうも過度に冷えると代謝機能に悪影響を及ぼしそうね」
「あ、それわかります。あまり長居はできませんね」
「はーい」

そういって冷凍庫の蓋を開けて商品をガサゴソと物色する。
そして僕はイチゴ味のカキ氷、舞園さんはメロン味のカキ氷、霧切さんは宇治金時をチョイスして会計する。

『ありがとうございましたー』

エアコンの効いたコンビニから自動ドアを潜った先にある外の熱気は重みが倍以上感じてしまう。
だけど、木べらで掬ったカキ氷を口に運べば納涼感を味わえた。
少しだけ大きい氷も舌の上で転がしてから小さくすることで嚥下する。

「うーん。やっぱり夏はアイスだよねぇー」
「そうね、食べている間は暑苦しさを忘れさせてくれるわ」
「ねぇねぇ苗木君、私の舌って緑色ですか?」

そんな中、"べーっ"としながら可愛らしく舌を出す舞園さん。
彼女の舌の表面はメロン味のシロップで緑色に変色していたのだった。

「うん、すっごく緑色だよ。舞園さん」
「でしたら苗木君のイチゴ味も味見していいです?」
「「えっ?」」

一瞬、何を言っているのかわからず頭が真っ白になった。
――って、何で霧切さんまで驚くのさ!?
霧切さん、いつも僕の食べてる物とか飲んでる物を平気で集ってるよね?
667名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 00:18:05.79 ID:FdlnV6Sq
「前から一度、一緒に違う味のカキ氷を食べたらどんな色になるか知りたかったんですよね」
「確かに……カキ氷って一度に二つ食べるものじゃないよね……」
「だから苗木君のイチゴ味をお裾分けして調べてみたいんですよ、協力してくれます?」
「うん、わかったよ。はい、舞園さん、"あーん"して」
「あーん……」

木べらの上に乗せた一口大のカキ氷を舞園さんの口へ運ぶ。
――何だか母鳥が雛鳥に餌をやっている気分だ。

「うーん、美味しいです。どうです? 緑と赤が混ざってどんな色になってます?」
「一口食べただけじゃわからないよ……」

そんな苦笑を浮かべていた時、9時の方向から何かを突きつけられている気配がして振り向く。

「ねぇ、苗木君……。私の宇治金時を食べたら何色になるか試してみない?」

霧切さんだった。
彼女の持つ木べらの上には僕が舞園さんに味見させたように、小豆・抹茶・カキ氷がバランスよく乗せられていた。

「あ、いいよ。特に変化しないからいらな「さっさと食べなさい、アイスが溶けちゃうわ」……ゲボォ!」
「大丈夫ですか、苗木君!?」

霧切さん、それ食べさせるんじゃなくて喉に捻じ込んでいるだけだから!
抉るように捻じ込まないで! 
咽るを通り越して吐きそうだったよ!

「ゲホッ、ゲホッ! あ、あぶなかった……」
「苗木君、ギブアンドテイクの法則に基づいてあなたのイチゴ味を味見したいの。協力してくれるわよね?」
「何を言っているんですか霧切さん。今度は私が苗木君に食べさせる番ですよ!」
「ちょ、ちょっと二人とも? 自分が買ったアイスを食べないと溶けちゃ「「苗木君は黙ってて!」」……すいません」

あれ、さっきも似たようなことがあったような――?
このまま二人が言い争ってもいいことはないのが明白だ。
大岡越前もびっくりな仲裁案を出さなきゃ。

「だったらさ、こういうのはどうかな……?」


――で、たどり着いた結論がこうなった。

「それじゃあいくよ、せーの」
「「「あーん」」」

僕のイチゴが霧切さんの口に、霧切さんの金時が舞園さんの口に、舞園さんのメロンが僕の口に同時に運ばれた。
三すくみの食べさせっこって見るのもやるのも初めてだ。
なんか、すごくシュールな光景だった。

「次は逆回転にして食べましょう。それなら異論はないわね?」
「はい、いっそのこと皆で同じ舌の色になればいいんですし」
「えっ、そういう目的だったの!?」

アイスを食べて涼む目的はどこに行ったのさ――!?
さながら、泡沫の夢のように浮き出ては消える夏の出来事だった。




>>655
連作でとびとびのペースになってしまう自分に落ち度がありますが、書いて投下している以上きっちり完結させる気持ちはあります。
あんまり急かさないでください。
668名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 00:47:27.59 ID:B6kETzK8
ぱーふぇくとな仕事です。GJ
プールの後にアイスとか懐かしすぎる・・・
669名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 01:46:06.54 ID:3Gx1AIp1
乙ですGJ!

>>655が急かしてるのは、「続き期待してます」ってことであって
別に責めてるみたいなことじゃないと思うよ、たぶんね
670四限目:2012/07/24(火) 03:08:23.61 ID:Y4RuZhRY
三限目はずっと手を繋いでいた。目立たぬよう机の下で。
いつもと違う手でペンを走らせていたから疑問に思われたが、いざというときには利き腕とは逆の手でも字がかけないと……なんて言い訳でごまかした。
だって、この繋いだ手を解きたくなかったから。


いよいよ昼休み直前の授業である。

四限目は世界史の授業らしい、らしいというのはまともに授業を受けた記憶が無いから。
なんでも担当の教員いわく『実際の史実をモチーフにした映画を観賞した方が頭に入りやすい』とかいう理由で。

それゆえ僕らが一番楽しみにしている授業である。確かに選んでくるの作品は名作だが、名作ゆえに殆ど見たことがある作品ばかり。
お陰で、やる気の無い生徒はこれ幸いとこの時間を睡眠に充てているし、僕らは存分に触れ合うことができる。

映画を見る教材は普通の教室にはなく、視聴覚室に移動した。

プロジェクターを介して前面のスクリーンに映し出される。勿論照明は落とされているし、それなりに音量もでている。

もっとも僕らにはそんな事は瑣末な問題だ。
そもそも僕の目には彼女しか映らないし、彼女の目にも僕しか映っていない。
勿論、耳は互いの囁きを聴くためにしか使われない。

朝からずっと昂っていた気持ちを、抑え付けられるか自信が無い。
それは彼女も同じ。薄闇の中で、潤んだ瞳、上気した頬、僅かに震える唇。
お互いに今にも激しく抱き合って、全てを忘れて溶ける様にキスしたい。どうせ暗闇で、誰も気付かないだろう。


そう結論付けた瞬間、どちらともなく互いの唇を求めた。


一限目のようにまずは軽くついばむ、次第にテンポは速まってきた。
僕らにはリップクリームなんて必要ない。一秒たりとも唇が渇く暇なんてない。

互いの唇の表面を舌でなぞり、お互いの唾液を味わう。まだ舌は先っぽだけでキスをする。
徐々に舌が絡み合ってくる。ゆっくり、ゆっくりと口内に侵入する。
歯茎をなぞり、歯の裏側を舐め、舌先をツンツンと合わせ、一気に絡みつかせる。

息をするのも億劫だ。もっと、もっと、もっと味わいたい――。
互いの頬に添えられた手に力が入る。もっと奥まで口内全部を味わいたい。


少しえずきそうになったけれど、それでも口を離そうとはしなかった。
もっともっと――――

だけど、流石に興奮しすぎたのか息苦しくなって、やむなく口を離した。
離した瞬間の彼女の寂しそうな目を見たら、深呼吸ひとつでまた口付けた。

唇が触れ合った瞬間、嬉しそうにまぶたが閉じられた。
僕も目を閉じ、今度はゆっくりと彼女の味を確かめる事にした。

映画は授業を何回か使って、分断して見ている。おそらく何チャプター毎と決めているのだろう。
おそらく今回はクライマックスに差し掛かる寸前で終わるはず。
だいたい映画は徐々に注意を惹きつけるように出来ているものだし、現に僕らの情事を誰一人見咎めていない。

671四限目:2012/07/24(火) 03:11:01.29 ID:Y4RuZhRY
僕らは口内で舌を絡めながら、強く抱き合っていた。
傍から見ればなんて情熱的なカップルだと思われるだろう。
ただし僕らは学生で、今はまだ授業中。それに周りには級友は勿論、管理する立場の教員も居る。

背徳的な状況に、僕らは一層燃え上がる。
クチュクチュと溢れた唾液が音を立て、ハァハァと荒い息遣いも聞こえる。但しその音は二人にしか聞こえない。

ゆっくりと舌を引き抜き、涎でベトベトになった口の周りを舌で拭いつつ、再びついばむ様なキスをする。
今度はテンポを上げたりしない。一つ一つの感触を楽しみながら軽く、けれど深くキスをする。

身体は抱き合わずに密着させ、手は頭の後ろに回し、長く、長くキスをした。


「愛してるよ……」
「私も……よ」
目を見れば分かるけれど、敢えて言葉にする。いや、もう目を見ても分からないかも。とっくに惚けて焦点も合っていない。
口を合わせるたびに少しずつ少しずつ、身体が溶け合っている気がする。
溶けて混ざり合って、お互いが一つになっていく気がする。

だけど、溶け合うのが怖いのか僕らは再び抱きしめ合っている。強く強く……。
まるで、そうでもしないと溶けて腕の中から居なくなってしまうんじゃないのかと思うほど強く。少し痛いくらいに。

それでも口だけは、間違いなく、何の障害もなく触れ合っている唇だけがお互いの存在を強く知らしめる。
だから離すことができない。離せば失われてしまうんじゃないかという錯覚。その恐怖が。

あぁ……これがキスの魔力。惹き付けて離さない呪い。
願わくば死の瞬間もこうして彼女と一つになったまま死にたい。
このまま時間が止まって欲しい。


だけど時間は止まることはなく、幸せな、濃密な時間は終わりを迎える。
教師の手を叩く音。それはこの二人だけの時間が、後五分で終わることを告げている。
だから僕は苦しいけれど、唇を離すことにした。

離した瞬間のさびそうな目は、何度見ても慣れることはない。むしろ見るたびに切なさと愛おしさが増すばかりだ。
最後にもう一度強くキスをして、耳元で「アイシテル」と囁いた。


>>667氏申し訳ないです。安易に早く続きが読みたいなと、思ってしまっただけです。
急かしたつもりではありません。ごめんなさい。
それとGJありがとうございます。
672名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 08:55:34.25 ID:q6rorfa1
両者共に乙!
これで今日も乗り切れるってもんだ
673名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 09:13:20.93 ID:B46Ct6Tx
>>662
よーしじゃあ俺もネタバレ投下しちゃうぞー


霧切さんは生えてない
674名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 14:18:30.50 ID:q6rorfa1
HAHAHAそんな馬鹿な
…いや、あながち有り得ない話ではないか…
675名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 17:23:27.44 ID:1Pf5xr7k
>>673
その情報の入手経路を教えてもらおうか
676名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 19:41:37.92 ID:aVprsJgQ
まだ明かされていない最後のオマケモードが霧切得な内容だったらいいなあ
677名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 22:06:20.88 ID:1Pf5xr7k
おまけでif話やるなら本編生存組の後日譚も欲しいよな
バランス的に
678名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 23:30:39.44 ID:SEXH0F/K
>>675
そりゃお前、ここまでの機密情報を知りえる人間となれば相当に限られるべ
これは「家族になるような人」からのリーク情報としか考えられねえべ
679名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/24(火) 23:55:59.42 ID:q6rorfa1
>>678
…凄いIDだな
680お昼休み:2012/07/25(水) 02:41:22.71 ID:QdMyPwHf
午前の授業の終了を告げるチャイムが鳴り響いた後、僕らは一度教室へ移動した。
さっきまであんなに情熱的に求め合っていたのが、まるで夢の中の出来事であったかのように、僕らは普段どおりの軽い雑談をしながら移動した。


無論あれは夢なんかじゃなく現実で、少し痛む両腕が互いに強く抱きしめ合ったことを意識させる。

これは僕らのルール。二人きりの時以外は、あくまでただの親しいクラスメート同士であるかの様に振舞うと決めている。
その代わりにばれないように、熱烈に求め合うことになっている。


……もっとも、最初はただ単に、僕らが付き合っている事を秘密にするだけのはずだった。
秘密にして二人きりの時に燃え上がる。というものだった。

付き合い始めてすぐの内はそれでよかった。学校ではあくまで探偵と助手、あるいは仲の良い友達。
そして帰宅するなり二人で激しく求め合う。あるいは、知り合いに会うことの無いような遠方へ出て、いわゆるバカップルに豹変する。
そんな隠蔽工作も楽しかったんだけど……。

それだけじゃどうしようもなく『足りない』『満たされない』なんて思うようになってきて、諦めて皆に報告することも考えた。

だけどそんな欲求不満を抱える日々はすぐに終焉を迎えた。
いつものように教室を移動している時、最後尾にいた僕に、一歩前を歩いていた彼女が振り向きざまにキスしてきた。
驚いて声が出なかった。一瞬の出来事で僕の妄想かと思ったけれど、僕の唇に人差し指を立てて『ここまですれば分かるわね?』なんて目が訴えかけていた。

その日から徐々に、休憩時間中に隠れてキスをするようになっていった。
廊下の曲がり角で、階段の踊り場で、放課後の誰も居ない教室で、屋上で、体育館の裏で、教室の前で…………。
ほとんど休み時間のたびに教室を抜け出し、死角を見つけてはキス。わざと注意を引くようにして死角を作り出してキス。
そんな時は決まって素早く唇を交わすだけだから、背徳感は得られるけれど、一番大事にしたい気持ちを交換する事は出来なくなっていた。

そのことに深いジレンマを覚えて、なぜか今に至る。
結論としてはこうだ。『唇が触れ合う時間が短いから気持ちが交換できない。だったら触れ合う時間長くしましょう』
僕なんかよりずっと優れた探偵で、僕の人生の伴侶で、僕を導いてくれる存在の彼女がそう言うなら間違いない。

結果、隙を見つけては授業中に愛を確かめ合う。彼女の提案通りネットリとした濃密なキスをしながら。


ただ、今日はいつもより頻度が高い。普段なら毎時間、ましてや一限目から求めてきたりはしない。
その所為で僕の昂りは抑えられない。さっきの視聴覚室での出来事なんて普段なら周に一回程度だった。
一昨日もしているというのに、一体どうしたんだろう? 嬉しい反面、すこし不安になった。


681お昼休み:2012/07/25(水) 02:42:13.66 ID:QdMyPwHf
教室に着いたら、すぐにお弁当を持って屋上へ上がった。
本来屋上は危険だからと、入り口は施錠されていたが、彼女のピッキング術の前には鍵など無いに等しいものだった。

そして外から施錠したら、あらかじめ隠してあったシートを敷いてその上で昼食を摂る。

ここに来るまでとは一変して、急に僕に甘えてくる彼女。肩を摺り寄せて僕にしなだれかかってくる。
僕もそんな彼女の肩を抱く。そして素早く頬にキスをした。

ここには僕ら二人しか居ない。誰にも邪魔をされない屋上は、普段なら存分に睦み合える最高の隠れ家なのだが……。
既に普段の何倍も濃密な一日を過ごした身とすれば、これ以上は一刻も早く学校を出なければならない。
最後に残された僅かな良識が、なんとか踏み止まらせてくれる。


だというのに、僕の耳をレロっと舐めながら「誠君、食べて欲しいの……」
なんてストレートな求愛に、僕の良識は一瞬で砕け散り、燻り続けていた僕の黒い炎は一気に燃え上がった。

「響子っ!!」

……だけど、彼女を無茶苦茶にしたいという欲求は叶えられる事はなく。

「私を、じゃなく私の作ったお弁当を、よ」
僕の拘束をスルリと抜け出し、片手で僕の鼻をつまみながら、空いている手で鞄からお弁当箱を取り出した。


わざとだ……わざとに決まってる。まるで気ままな猫みたいに僕の気持ちを弄んでいる。
燃え盛っていた炎は今や鎮火寸前。あんまりにもあんまりな態度に拗ねてしまいそう。

するとそんな僕を見かねたのか、額にキスをされた。
「いいから食べて。……私は帰ってからよ」

その言葉に再び火がともってしまったが、ズイっと目の前に差し出されたお弁当を素直に食べることにした。


やっぱり女の子らしく、綺麗な盛り付けだ。
桜でんぶでハートが書かれたご飯、レタスの上に甘辛いタレで炒められた牛肉、プチトマトとウインナーを刺してあるものや
美味しそうに焼けてあるだし巻き卵にデザートにオレンジ等も入ってある。
――その中でも特に僕の目を引いたのは、鶏とさやいんげんに蓮根、しいたけ等の入った煮物だった。

「これは……」
「お義母様に教わったの。同じ味だったらいいけど……」
そう言って少し照れて、僕から目を逸らす。

確かにその煮物は僕の慣れ親しんだ味、記憶にある味と寸分違わず同じ味だった。
すぐさま胸をこみ上げてくる形容しがたい気持ち。さっきまで抱いていた劣情は消えうせ、何か温かい気持ちになった。
僕はその気持ちをどう口にしていいか分からず。

「ありがとう」

と感謝の言葉を口にしながら彼女を抱きしめた。

682名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/25(水) 08:19:02.85 ID:HuDCxm4P

いいぞもっとイチャつけ
683名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/25(水) 12:20:23.91 ID:R3Bnn2dP
霧切さん手製のお弁当とか…
希望に満ち溢れているな
684名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/25(水) 19:05:32.63 ID:FvHDTESE
いやちょっと待て
お義母様…だと…?
どういうことだ!? 説明しろ苗木!
685名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/25(水) 20:45:01.04 ID:p4n7QKg9
つまり両親にも紹介済みということか…!
686名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/25(水) 21:54:27.51 ID:XglwWHNs
いよいよ明日か・・・
楽しみだが、同時に怖いぜ
687名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/25(水) 23:31:08.29 ID:E5GtZfdL
>>685
苗木両親の前では凄くしおらしくなる霧切さんが見えた
688名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/25(水) 23:58:05.31 ID:p4n7QKg9
猫被りな霧切さん…
なかなか興味深いな
689五限目:2012/07/26(木) 02:52:32.01 ID:LPvH9d+B
感極まって彼女を抱きしめたけれど、その余韻に浸る時間はそんなになかった。
彼女の肩に乗せていた僕の頭を掴んで正対し、『こうでしょ』といわんばかりに優しく口付けてきた。
おまけに、僕の口内には彼女お手製のお弁当があり、それを承知で舌を入れてくるもんだから。
自然と口移しになり、口内で咀嚼され柔らかくなった食物を、まるで反芻するように何度も行き来させる。

最初に施されていた味付けも次第に薄まり、徐々に彼女の味に変わっていく。
勿論、僕好みの味付けは大好きである。だけど好みは変化したようで、こうやって舌を噛まれないように彼女の口内を誘導し、唾液を絡めてもらい
新たに味付けされ、とても消化しやすくなったコレは――間違いなく僕の大好物へと進化した。

まるで餌をねだる雛鳥のように口を開けて待つ。
親鳥が消化しやすくするように口の中で咀嚼し、唾液をたっぷりと絡める彼女。
いまかいまかと、舌を突き出して待つ僕。

今度は唇を合わせず、舌の上から舌の上へドロリと垂らす。
「美味しい」

次は僕の番と、卵焼きを口の中に放り込む。――甘いけれどとても美味しい僕好みの味。
柔らかいせいで逆に咀嚼が難しいけれど、その柔らかさを利用するため敢えて噛まずに彼女の口へと運ぶ。

舌で彼女の上あごに押し付けて潰す。とてもいいダシの味が僕の舌を刺激する。
口中に広がったダシを、彼女の唾液ごと強く吸い込む。
……本当に美味しい。まさに甘露だ。


そうやってお弁当を堪能していると、お昼休みが残り十分程になっていた。
普段ならギリギリまで余韻を楽しむけれど、今日はこの後が体育の時間だ。着替えるためにも早く戻らないと。
名残惜しいけど授業に参加しないとここまで続けた隠蔽工作が無駄になる。
それに、やっぱり我慢できなくなる。


「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
素早く口づけて、後片付けをした。


体育の時間は大好きだ。そして同時に不愉快にもなる。
理由は簡単。僕の運動能力が低いからとか、延々走らせる授業ばっかりだとかじゃない。
普段の制服姿も堪らなく可愛いが、この体操着姿がとてつもない破壊力を秘めているからだ。

普段もスカートから伸びるスラっとした長い脚。色白で、特に太ももの健康的な肉付き方ときたらもう……
シャツをブルマに入れることで強調される胸。制服の上からじゃわからない僕の手にすっぽり収まる大きさ……
前から見ただけじゃ分からないお尻のライン。
とっても柔らかそうで、それでいて鍛えてあるお陰で張りも弾力もあって、一生揉んでいても飽きることの無い柔らかさ……

そんな彼女を見れる喜びと、他の男子に見られてしまう悔しさが僕の胸を焦がす。
690五限目:2012/07/26(木) 02:53:25.41 ID:LPvH9d+B
そして今日も延々とグラウンドを走らされている。

体育教師が言うには『いくら超高校級の才能を持っていても体力がなければ云々』らしい。
監督するのが面倒なのか、いつも僕らを走らせると同時に堂々とサボって木陰で寝ている。
おかげで真剣に走っている生徒は少ない。適当に走ってもサボっていても評価は同じなら普通はサボるだろう。
ただ風紀委員を始め、体力に自信のある人やトレーニング目的の人はちゃんと走っている。

僕と彼女も体力づくりとトレーニングとして走っているだが……。


体力はこの先必要になるので真面目に受けている。但し、彼女が作成したコースはグラウンドを外れ色々な所を走る。
『逃げる犯人が、律儀に道路を走るとは限らない』からだそうだ。

よって僕は逃げる彼女を追っている。土の上、芝生やアスファルトの上等々。
真っ直ぐな道を大きく蛇行しながら走ったり、わざと障害物がある道を選んだり……。


とうとう追い詰めた。ただ追いかけるだけじゃ凄くしんどい。
だから自分に言い聞かせていた。『追いついたらご褒美をもらおう』って。

そもそも逃げる彼女の背中を見ていると、どうしてもお尻に目が行ってしまう。
パンパンに実の詰まった、とっても美味しい禁断の果実。
サイズが合わないのか、時折何度かブルマの位置を調整していた。僕を挑発しているのかな……。

それに肉薄するたびに漂う、理性を削ぐ甘い香り。
わざと追いつかれそうになっているようにも思えた。
追いかければ追いかけるほどに僕の狩猟本能が高まる。

彼女が逃げ込んだのは校舎の隅。都合よくどの教室からも見えないし、出入り口からも離れている。
勿論グラウンドからも離れているから見つかる心配はない。


どうやら観念したようで、こちらを振り返り『降参』と両手を上げ、肩をすくめて見せた。
すっかり汗だくになってしまった彼女と僕。僕は一歩一歩彼女のほうへ歩きながら、ご褒美のことだけを考えていた。
クラクラする。――酸欠とは違う思考能力の欠如。

僕が何も言わないのを不審に思った彼女が近づいた瞬間。
僕は彼女を抱き寄せて、思いっきり深呼吸をした。

鼻腔を満たす甘い香り――さながら食虫植物の様に、僕だけを捕らえて離さない蟲惑的な香り。
抱き合うことで身体の熱さが分かる。動悸が速まっていく。
続けざまに舌を首筋に這わせた。ほんのりとしょっぱい彼女の味。不思議と甘さを感じさせる極上の味。
そのせいで汗を舐めるのを止められない。

汗をかいたことで落ちた化粧。もっとも彼女は薄くファンデーションをしているだけだが。
それすらも舐め取っていく。額、鼻すじ、まぶた、頬、顎、再び首筋、うなじ。
流石になされるままが嫌なのか、抵抗を始めるが僕が耳の裏を舐めるとビクリ、と身体が震え抵抗が弱まった。

その時、僕が舐めそこなった汗が胸元へと垂れていった。
当然のように僕も追いかける。体操着の首元を少し引っ張り、覗き込むように舌を這わせる。
691五限目:2012/07/26(木) 02:54:21.68 ID:LPvH9d+B
僕の頭を両手で押し返そうと再び抵抗を始める彼女。

だから僕は一旦舐めるのを止め
「ご褒美が欲しいんだ」
と囁きながら彼女にキスした。


効果は覿面だったようで、さっきまで押し返すのに使われていた両手は僕の頭に添えられて、汗はかいても平然としていた顔は目を伏せて赤面していた。
「……汗を舐めるだけよ」
「……」
勿論汗を舐めるだけで終わらせる気などさらさら無い。

二の句を告げさせる前に体操着の下に頭を滑り込ませた。

目の前には可愛いおへそ。当然そこにも汗が垂れている。
念入りに舐め取ってあげた。さすがに服の下に入り込んでくるとは思っていなかったのだろう。必死に逃れようとしている。
だけど僕の両腕が逃げられないように腰をガッチリとホールドしている。

つづいては柔らかいけど引き締まったおなか。女性特有の柔らかさがとても気持ちいい。
モチモチしてはいるけれど、余分な脂肪は全然ない。思わず吸い付いてしまった。
再び僕の頭を強く押し返そうとする。

それでも進行を止めることはできず、眼前には、僕の選んだ可愛いリボンの着いたピンク色のブラ。
勿論さっき垂れた汗を舐め取るため、これ以上垂れてこないように胸元から攻める。
ドキドキする音が聞こえる。僕のかそれとも彼女のものか。
下から舐めるのが難しい位置だ。先ほど逃した獲物を追いかけているうちに谷間の方へ流れていってしまった。

こうなってしまうとブラが邪魔になってしまう。仕方がないので腰にまわしていた腕を一旦解いた。
すると、これ幸いと彼女が逃げ出してしまった。
僕の頭がスルっと抜け出してしまい、先ほどまで包まれていた温もりを失い肌寒さを覚えた。

顔を赤く染め、瞳を潤ませた彼女が何か言う前に彼女の手を取り、再び口を塞いだ。
「ダメじゃないよね?」
692名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/26(木) 09:10:28.51 ID:FzxF9BL1
乙!!続きはよ!

2では出るのかな?
693名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/26(木) 12:50:40.43 ID:/sauFAca
ぺろぺろ




ぺろぺろ
694名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/26(木) 15:40:13.32 ID:Kit4Ud1Z
GJ
695名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/26(木) 18:51:26.70 ID:Gxb29bfI
GJ
エロパロ行きにならない程度に頑張ってくれい

…さて、俺もそろそろ2始めるか
696名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/26(木) 21:26:46.74 ID:wmFp5fWn
今回の通信簿はプロフィール欄が結構充実してるな
霧切さんの好きなもの/嫌いなものや血液型も知りたかった

そして今回の女子勢は全体的に大きい…いや勿論アレのことですよ
697名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/26(木) 23:03:26.68 ID:Gxb29bfI
俺としては霧切さんのヒップサイズを至急公開していただきたい
698五限目続き:2012/07/27(金) 01:02:18.12 ID:omubE3fd
僕は再び舐め取る作業を再開させた。服の中に頭を滑り込ませ、おへそから胸へと少しずつ上昇し始めた。
また抵抗されるのも嫌なので、ブラを剥ぎ取るのは諦めて谷間部分に顔を埋めた。

凄く甘い香りがした。うなじや鎖骨よりももっと濃い、理性を消し飛ばす強い香り。
同時に不思議と落ち着く。赤ちゃんは母親の心音を聞いて落ち着くらしいけど、僕もそんな心境になる。

頭の片隅に『何をやっているんだ』と思う自分がいる。いるけれどそれ以上に彼女が欲しい。
頭と同様に両手を服の中に入れ、背中を滑らせる。左手で背中を撫でて、右手は腰に向かって下りブルマの手前で止まった。

口での抗議も手で抑え付けてくることも無かったが、少し身体が震えている。
僕はそんな震えを抑える為に一度愛撫を止め、服から頭と手を抜き出した。
頭を引きずり出して見上げたときに彼女の抗議するような視線を感じた。但し、その眼は途中で止められたことに対する抗議の意味合いの方が強かった。


目つきは厳しいけれど、確かにその瞳が強く訴えていた『止めないで』と。
口にも態度にも表していないけれど瞳を見れば分かる。――あまりにも可愛く。素直じゃない生意気な態度に僕の中の何かが切れた。


僕は両手で彼女を抱き寄せ、僅かな隙間も無いように密着し。
少し驚いた顔の――眼は悦楽の色を映し出しているその瞳をキスで閉ざし。
すぐさま耳を甘噛みし、左手で強く身体を引き寄せ、同時に右手で罰を与えるように柔らかく且つ弾力のあるお尻を強く揉みしだいた。
僕の指から溢れるお肉。ブルマの上からでも僕の手に吸い付いて離さない。鍛えてある故に張りもあるけれど、僕の指でその形は自由自在に変化する。


ただでさえ赤くなっていた顔がまるで茹でタコのよう。
彼女が言葉を発しようとする度に、僕は指先に力を込める。魅力的過ぎるからいけない。僕をその気にさせてしまうから――。
身じろぎをしようとする度に耳を舐め、左手に力を込めて抱き寄せる。ここまで密着していたら抵抗は出来ないだろう。

徐々に僕にかかる重みが増してきた。そうだよ、素直に僕に身を委ねて。

いよいよ邪魔なブルマという隔たりを剥いで、直接肌に触れようとしたその時に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
何より規則を遵守する彼の声が――――。


699五限目続き:2012/07/27(金) 01:04:56.96 ID:omubE3fd
「――そうなんだ、霧切さんがちょっと気分が悪くなったみたいで……」
彼はもうすぐ授業が終わるというのに戻ってこない僕らを捜しに来たらしい。
彼にはランニング途中で急に気分が悪くなってしまったと伝えた。『少し休んだら大丈夫だと思ったからここで休憩していたんだ』と。

事実、その通りに彼には見えているだろう。彼の声が聞こえる直前に、身体を小刻みに震えさせてだらしなく僕にもたれ掛かっていたんだから。
邪魔が入らなければなぁ……そう思う反面、よく来てくれたとも思っていた。

あのまま我を忘れても、それはそれで良かったかもしれないが、さすがに彼女の痴態を他の誰かに見せるようなことはしたくない。
響子は僕の――僕だけのものだから。万一にも彼女の素肌を見る奴がいたら、僕はそいつをただじゃ済まさない。

自分でも少しばかり歪んでいるとは思うが、これも愛ゆえ。

ともかく先導する彼の後を追うように僕は歩いている。脚に力が入らない彼女を背負って。
肩を貸そうか、と提案する彼を断って僕がおんぶしている。僕の方が背は低いが、他の誰にも触れさせたくない。

それに、一人だけ愉しんだ彼女にオシオキしないと。

道中彼が何か声をかけてくれている。おそらく彼女の体調についてだろう。僕が代わりに適当に相槌を打っている。
僕は勿論、彼女も上の空だからだ。
彼女の腕が僕の肩にまわされ身体を預けている。無論僕は落ちないように両手で彼女を支えている――両手を受け皿にして。


背中に感じる二つの膨らみよりも、僕はこの手の重みの方が好きだ。
歩くたびに振動で手のひらから零れそうになるのを抑えながら、僕の手で無限に形を変え、僕を虜にしてやまないこの温もりが。

徐々に彼との距離が開いていく――。僕が自分の望みどおりに変形させるたびに首筋にかかる熱い吐息。もう肩にかけられた腕に力は入っていない。
艶かしい吐息がかかる度に足を上げる速度が落ちる。自然歩く速度も落ちる。
彼女を背負っているせいで前かがみになっていることにも原因はある。

彼女がこの終わりの見えないオシオキに終止符を打つため、僕の耳を噛んできた。が、全く力が入っておらず逆に僕の指先に力が入った。
いかなる抵抗も無駄。僕の背中は、彼女と密着している為に汗でびしょびしょだ。折角舐め取ってあげたのにね……。
とうとう抵抗することを諦めた彼女は、僕に全身を委ねることにしたみたいだ。一気に心地よい重さが増した。


始まりがあれば終わりもある。このオシオキも終わってしまい、皆が集まっているグラウンドに着いた。
だけど、僕は彼女を連れて保健室へと向かった。
何故なら、先に着いていた彼が大げさに説明したみたいで、皆にすぐ保健室へ向かうよう説得されたからだ。

確かに傍から見れば彼女の容態は悪いように見える。目は虚ろだし、脱力しきっているし、息遣いもあらいし、何より顔が真っ赤だ。
仕方なしに彼女を再び負ぶって、保健室へ連れて行った。
後から朝比奈さんが着替えを持ってきてくれるそうで、養護教諭に嘘の事情を説明して、保健室のベッドに寝かしてもらうことになった。

僕がまいた種とはいえ、離れ離れになるのは辛い。ベッドに横たわる彼女の手を握り締めて、教諭の目を盗んで素早くキスした。


>>695ギリギリOKだよね? エロパロじゃないよね?
700名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/27(金) 10:33:01.17 ID:RerBoM0A
うむ
セーフだな
誰が何と言おうとセーフだ
701名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/27(金) 13:17:52.79 ID:cOdtAhv7
ああ・・・際どいがセーフだな
だから安心して続けてくれ
702名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/27(金) 18:51:00.88 ID:nt1RUH6c
苗霧爆発しろ
末永く幸せに爆発しろ

…とか言ってたら本当に爆発しそうで怖い
703名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/27(金) 20:44:45.65 ID:ERYPYoyA
スーツの霧切さん最高だったです
704名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/27(金) 22:02:03.05 ID:5BVo6TGp
今えらいネタバレを見てしまった気がするべ
705名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/28(土) 02:12:32.48 ID:mFSZtvOo

>>704
き、気のせいだべ

右手のナイフの先制攻撃だべ!
706名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/28(土) 05:11:50.28 ID:mFSZtvOo

「霧切さん、おはよう」

霧切「苗木君?おは…」

「残念、苗木クンじゃないよ」

霧切「狛枝…先輩」

狛枝「あはっ…ボクみたいなダニの名前、覚えてくれたんだね…うれしいなぁ…!」

霧切「………」

狛枝「現学園長の娘にして、超高校級の探偵…うん!君こそ希望を担っていくのにふさわしいよね!」

霧切「用事があるので…もう行きます」

狛枝「せっかく会えたのに、もう行っちゃうのかい?寂しいなぁ…もっと話そうよ!」

霧切「………」スタスタスタ…

狛枝「無視されちゃった… そ れ に し て も !」

狛枝「霧切さんって素敵だよなぁ…!」

狛枝「もし…もし彼女を自分のものにできたら…ボクも『希望』になれるのかなぁ…」



みたいなやり取りが学園生活中あっても良かったはず
707名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/28(土) 12:30:02.43 ID:42dgFMqk

霧切「苗木君…あなたの分もお弁当作ってきたから…一緒に食べない?昨日…約束してたでしょ」

苗木「本当に作ってきたんだ!ありがとう!じゃあ、外ででも…」

狛枝「きーりぎ−りさーん!こんにちわっ!」

霧切「…行きましょう、苗木君」

苗木「え、でも…狛枝先輩なんか用事あるみたいだけど…」

狛枝「は?」

苗木「えっ…そうなんじゃないんですか?せんぱ…」

狛枝「は?ボクがいつ君の先輩になったの?勝手にそんな呼びかたされても不快なんだけど」

苗木「なっ…」

霧切「この人に何を言っても無駄よ…苗木君のこと嫌ってるもの」

狛枝「流石だね、霧切さん!ボクのことよく分かってるよ!」

霧切「行きましょう、苗木君」スタスタスタ…

狛枝「あはっ…無視されちゃった…そうだよね…ボクみたいな赤ダニが…」

狛枝「……でも変だな?苗木クンなんてダニ以下なのに…」

狛枝「そっか!さすがに霧切さんは優しいなぁ…!みじめな苗木君をほっとけないんだ!」

狛枝「流石次世代の希望だよね!」
708六限目:2012/07/28(土) 13:36:29.07 ID:/1YC86E9
本来、授業から解放される六限目は嬉しいもののはずだったのに、今の僕には憂鬱で仕方ない。

しかも小テストだ。普段からそんなに勉強しているわけではなく。また、平均的な男子学生である僕はやっぱり平均点程度しか取れない。
そのことがさらに僕の気を滅入らせる。

ふと、隣を見る。さっきまでそこにいた僕の最愛の人が居ない。それだけでどうしようもない絶望感が襲い掛かってくる。
けれど前向きな僕は、今日一日の出来事を振り返って放課後の事に思いを馳せた。

僕は彼女を深く愛しているし。愛されている。それにお昼休みに約束したもんね。
そう考えるだけで憂鬱な気分は吹き飛んだ。今は放課後が楽しみで仕方ない。

六限目が始まっても彼女が戻ってこないもんだから、勿論テストに集中できるはずもなく。本当に体調を崩したのか心配でちらちら隣の席を見る。
いつだって僕の心を掴んで離さない彼女が居ない。居ないというのに、引きつけられる様にそちらを覗う。

小テストの短い時間を全部つかって一つの答えを導き出した。

僕も保健室へ行こう――。


テストの解答欄を一つも埋めることなく、すぐさま体調不良を訴えて教室を後にした。
風紀委員の彼が気遣って付いて来ようとするのを断って、さもしんどそうに廊下へ出た。

そこから僕は風のように駆け出した。背が低いのも幸いして、目立たぬよう身体を屈めて一気に駆け抜けた。


保健室に着いた。自分でも驚くくらい早く。普段から鍛えてあるお陰かというよりも、一刻も早く彼女の様子が知りたいから。
僕も先ほどの彼女のマネをして、仮病でベッドに入った。体調不良を装うなんて、変装して尾行するのより簡単だ。

カーテンを一枚隔てた向こう側に彼女がいる。さぁ僕の幸運よ――ここで働け。
そう念じたところ、養護教諭が所用で三十分ほど席を空ける事になった。
やっぱり僕の幸運は相当なものだ。思えばこの学園に入学できたのだって、彼女に会えて、さらにこんな関係になれたのだって……。

そう考えると、やっぱり僕の才能は幸運で間違いない。自覚すると、急に寂しさのようなものがよぎった。
もし僕に運がなかったら――そんな事を考えても仕方ないのに……。


この空虚な気持ちを埋めるために、教諭が退室した直後に行動した。

布団をどけて、静かに、物音を立てないようにベッドから降り、そーっとカーテンをめくり、彼女を見つけた。
おそるおそる名前を呼んでみるが反応が無い。どうやら眠っているらしい。
そりゃ戻ってこないはずだ。

心配して損した、なんて言わないけれど、スヤスヤと寝息を立てる可愛い顔を見ていたら僕の悪戯心に火がついた。

まずは耳元で名前を呼んでみた。「響子愛してるよ」
反応がない。まぁただの確認だ。いつもなら、こうやって耳元で囁けば何がしかのリアクションをとってくれるもの。

次に、出合った当初は冷たい人だ。と思っていた頬を人差し指で突いてみた。
無限に沈み込むんじゃないかと錯覚させるような柔らかさと、沈んだ分だけ押し返してくる弾力。
指先に伝わってくる彼女の温もり。今となっては、彼女が冷たいなんて微塵も考えたりしない。普段は隠しているだけなのだ。
でも、そのことを知っているのは僕だけでいい。彼女の素顔を知っているのは僕だけで……。
709六限目:2012/07/28(土) 13:37:32.09 ID:/1YC86E9
やっぱり反応が無い。
いい加減反応して欲しいので、起こすことにした。
あどけない寝顔。この寝顔も僕だけしか知らないはずだ。見慣れているはずの、だけど永遠に飽きることのない優しい寝顔。
見つめているだけで優しい気持ちになる。だから起こす際も優しく唇を合わせるだけ。

1,2、3……と、僕の胸が刻む三拍子。その僅かな時間で、僕の胸に広がっている優しい気持ちをくれた彼女に、感謝を示す。

だけど起きない。起きようとしないようだ。僕が唇を離す瞬間に、身体がわずかに強張っていた。
全く、仕方ないな……そう胸中でひとりごちた。

目を閉じながら、僕を待ちわびているであろう彼女に再びキスしてあげようと思ったが、直前で思いとどまった。
僕に心配をかけさせた罰を与えないと――。

すぐさま、もう二センチもない位置にあった彼女の唇から距離を置き、ベッドから離れて今度は足のほうに近づいた。


今頃になって、ベッドの脇に彼女の制服が折り畳まれていることに気付いた。
彼女の香りは好きだけど、服の残り香に興味はない。
僕はすぐに、彼女の足元の布団をめくり、そこに四つんばいになって進入した。
横から見れば、布団の足元の方がこんもりと膨らんでいるだろう。

僕の大好きな彼女の、蟲惑的な香りが広がった。

そうだ、さっきは脚の汗までたどり着けなかったな……。
早速、布団で光が遮断された薄闇の中でも映える、彼女の太ももに取り掛かった。

まずは太もも。健康的で美しく、且つ程よく肉付きのいい。とっても美味しそうな太ももを一舐め。
ピクッ、と反応が返ってきた。前面を手でさすりながら余すところなく舐めあげる。
小刻みに震えているようだ。

僕は気にせずに片方の脚を持ち上げた。
彼女の足首を肩にかけ膝を少し曲げて、片方の手で脛を押さえ先ほどまで舐めあげた太ももをもう一方の手で押さえて、裏ももをネットリと舐めることにした。
均整のとれた白磁のようなもも。舐める度にくすぐったそうに身じろぎし、僕の攻めから解放されたそうにするが、僕の手がそれをさせない。
ブルマからはみ出たお尻と脚の境目からじっくりと舐めあげる。
程よく筋肉が付いているので、僕が彼女の足先を伸ばしてあげるとピンと筋が伸びる。伸びた筋に沿って舌を這わせる。
そして脚を弛ませてあげる。そうすると今度は柔らかい部分が楽しめる。そこを唇で甘噛みするように挟んではチロチロと舌で舐める。
ジットリと湿ってきた。そうやって何度か膝の裏まで往復していると、フワッと僕の理性を溶かす濃い香りが漂ってきた。

まだ片方の太ももしか味わっていない。この空気を吸い続けてしまえば我慢できなくなる。換気しなくちゃ。

もう布団は邪魔でしかない。彼女の反応を楽しみたくて布団を剥ぎ取った。

まだ眠った振りをしている。目は閉じられたままだが、ほのかに赤みを帯びた頬が僕を意地悪にさせる。
「仕方ないな……」
そう呟いてもう片方の脚も同様に舐める。ただし、先ほど綺麗にした脚はまだ肩にかけられている。
僕の双肩にかかる重み。
あられもない格好をした彼女――さらに頬が赤くなっている。

いい加減起きればいいのに……それとも、もっとして欲しいから起きないのかな?
肩に両足をかけたことによって少し腰が浮く。その腰を支えるように僕は両手を滑り込ませて更に持ち上げた。

膝頭を舐めつつ、徐々に内ももの方へと降下する。
少しずつ少しずつ……まるでカタツムリが這うようにゆっくり、だが確実にテラテラとした足跡を残しながら、蜜を求める。
歩みはカタツムリのようだが、その進路は一定ではない。まるで蟻が餌を求めて彷徨うように、蛇行しつつ確実に近づいていく。
710六限目:2012/07/28(土) 13:39:00.45 ID:/1YC86E9
僕の嗅覚――蜜を求める蝶のように鋭敏なそれに頼って目を閉じる。

目的地まであと半分――僕の頭に割り込まれた脚に力が入った。
すこし締め付けてきた。この程度じゃ何の足止めにもならない。

さっきから喉がカラカラだ。この渇きを癒すには、汗程度じゃダメ。唇を湿らせるのが限界だ。
僕が求めるオアシスはもう半分も行けばたどり着ける。

あと三分の一――はっきりと頭に覚える痛み。だけど僕を止められる程じゃない。
これ以上の前進は困難なように思えるけど、僕は決して諦めない。
彼女を支えていた両手を更に引き寄せた。

グッと色濃く漂う芳香。もう僕の頭の中にここが学校で、今は授業中、それにいつ教諭が帰ってくるかもしれない、なんてことは微塵も残っていなかった。
あと少し――僕の両手はすでに彼女の太ももを握り締めている。もう少し――――。

その時、グッと抵抗が増した。

僕の顔を遠ざけようと彼女が身体を起こしつつ、その両の掌を僕のまぶたに押し当ててきた。
彼女が起き上がったせいで、自然前のめりになる。

今日だけでどれだけお預けを食らったと――我慢できずに押し切ろうとすると、僕を見る彼女の切なそうな目が、僕の動きを一瞬止めた。
その一瞬で僕の頭はオアシスから遠ざかり、閉じられた脚はまるで難攻不落の城のようで。
すぐさま、顔を赤くして僕を睨み付けてくる彼女を見上げた。

今の僕は、餌をお預けされた子犬のようだと自分でも思った。

だから代わりの潤いを求めて、彼女が何か文句を言おうとする前にその唇を塞いだ。
前のめりの位置からバネを使い、それこそ猟犬が獲物に飛び掛るように彼女を押し倒した。

目は驚きに見開かれてはいるが、同時にその目は僅かな怒りと悦びの色を有しており。
僕はこれ以上抵抗されないように、両手で彼女の両手首を押さえ、口内を舌で蹂躙した。

寝起きだからか、それとも緊張からか、口の中は予想外に渇いていて、僕は必死で水脈を探った。


最初は驚きで固まっていた舌も、僕の無遠慮な猛攻に次第に反撃を始め、湧き水のように少しずつ唾液が溢れてきた。
僕はそれを舌で掬って、あるいは絡めながら飲み干していく。時折彼女の舌が僕に運んでくれたりもする。

ふと焦点のあっていなかった目を凝らしてみると、彼女の目には既に怒りはなく、悦びとほんの少しの諦めが見て取れた。
僕が手首を解放してあげると、彼女の手が僕の背中に回り、強く抱きしめてきた。
だから僕もお返しに、手を彼女とベッドの間に潜り込ませ強く抱きしめた。

抱きしめながらも僕は失われた水分を求め、さらに唇を押し付けた。同時にどうしようもないほど彼女が欲しくて腰をすり寄せた。
すると、彼女もオズオズと僕に身体をすり寄せてきた。

もう我慢する必要はない――そう結論付けて強く唇を吸った。

その時、僕の高等部に何かが当たった。それは跳ね返って僕らのすぐ脇に落ちた。
一体何がと思ったが、顔はそのまま目だけをそちらにやると、ピシッという音が聞こえそうなくらい驚きで固まってしまった。
僕に当たったモノ――それは僕らがよく使うゴム製の、その、いわゆるコンドームだ。
そして飛んできた方を慌てて振り返ると……つい先ほど顔を合わせた養護教諭が、あきれた顔で立っていた。
711名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 02:34:11.64 ID:wivQ5MNa
GJ!

ふう、ようやっと本編クリアしてスレ見れるようになったわい
…ネタバレはまだ控えた方がいいのかな?
712名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 04:31:56.43 ID:5nC6nSRh
やっと1話終わった
夏中は控えた方が良いんじゃないか?
713名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 10:11:01.55 ID:X4jAK49F
さすがに夏一杯は辛いべ
あれとかこれとか、早く話したいべ
714名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 10:14:25.00 ID:BY4nWYgm
今まさに、ちょっと前までは絶対ネタバレすんなって空気だったのに、もう話してもいいだろって言い出す人が出る頃だよな
気持ちは分かるけど、誰もが一気にクリア出来るわけじゃないんだからもうちょっと待とうや
715名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 11:56:13.54 ID:5LjZv44Z
ネタバレはまだ待って欲しい
ようやくチャプター2終わったところだし
ネタバレはネタバレスレの方でお願いしたい
716名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 12:39:34.48 ID:Gil+Dlxj
だが断る

犯人は
1 料理人
2 剣道
3 保険委員
4 ガンダム
5 ゲーマー
717名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 15:43:24.58 ID:X4jAK49F
…なあ、こいつプレス機にかけていいか?
718名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 16:01:09.48 ID:jVjse/me
妹様のおしおきで許してやってくれよ
もちろん威力は控えめでないほうで
719名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 16:44:13.19 ID:5nC6nSRh
チャプター1チラ見で回避
絶対クリアするまで来ないあばよ
720名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 18:58:51.88 ID:MX0eY5FS
>>716
犯人バレやめろ
特に最後とか絶対言っちゃダメだろ…

今回は周りが優秀すぎるから(特に狛枝君とか…千秋たんとか…)犯人特定は楽すぎた
だからこそマジで最後は言っちゃダメだろ…
721名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 19:33:54.71 ID:laj45x5z
しかしアレだな
霧切さんを超えるオシオキは2でも現れなかったな
やはり補習は至高だ・・・

と、これくらいならネタバレに抵触してないはず
722名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 20:22:32.65 ID:HWpcu8Bu
狛枝くんのエロヴォイスにドキドキしてしまう霧切さん
「普段もこんな感じだったら…///」とかイケナイ妄想モードに入って、苗木くんに声かけられて「ひっ!」てなるのを妄想した
苗木くん「それは違うよ!(ロンパッ」
狛枝くん「ンそれはァ違うよォ…(ネチョォ…」
って感じなんだよね、声優ってすげぇ
723名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 21:40:39.65 ID:wivQ5MNa
>>721
うむ…さっき改めて見返してきたがたまらんなアレは
ほんとね、もう、すげえ罪悪感を感じつつも下品なんですが…その…(ry
724名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 22:36:40.00 ID:VxX3NnB2
つーか2chやってるのにネタバレやめろとか死ねばいいのにね
725名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/29(日) 23:30:48.34 ID:JJs3j3J4
俺が思うに鋭さ・怜悧さの隙間に時折覗く弱さが霧切さんの魅力
それを昇華した素晴らしいおしおきだったね補習は
726名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 08:32:31.08 ID:hPXpwgYe
・羞恥で真っ赤になる霧切さん
・恐怖で青ざめる霧切さん

お前らはどちらを選ぶよ?
727名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 12:16:01.03 ID:ZMmeIfDT
恐怖で青ざめる霧切さんをぎゅっと抱き締めて真っ赤にさせる方向で
728名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 12:53:50.46 ID:WvTA7/+N
あのエピローグを見たら無性にSSが書きたくなったじゃないか!
この昂ぶり、どうしてくれよう……
729名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 15:42:29.19 ID:oAC+C4jC
>>726
PTAで心の盾を剥ぎ取られて羞恥で真っ赤になる霧切さん下さい

>>728
今のうちに書きためておくんだ!
730名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 18:38:12.91 ID:ZMmeIfDT
>>728
よし全裸待機だ
期待してるぜ
731名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 20:12:13.89 ID:fVhNwbsP
これはマジで期待せざるを得ない
732名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 22:03:39.56 ID:hPXpwgYe
>>728
マスター、未来への希望に溢れたやつを頼むぜ
733名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 23:03:57.20 ID:XwgcUJ5o
2で黒スーツ見れたよひゃっほぉううう!!
734名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 23:31:54.68 ID:lmk/l4Pv
霧切さんマジかっこいい

苗木くんが真の主人公かと思ったが、そんな事はなかったぜ!

あとから霧切さん出てきた時、2828が止まらなかったのは俺だけじゃないはず
735名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 23:36:12.47 ID:pYt5YwW8
>>729
『心の盾をはぎ取る』ってこう、なんかグッとくるフレーズだな
霧切さんの心から探偵の自覚と責任を剥ぎ取って丸裸にしてデレンデレンにしたいです
736名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/30(月) 23:58:28.55 ID:NWeR4bV0
2の外の霧切さん
少女ぽさが消えてなんか色気のある大人の女になってた
737名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 00:28:52.44 ID:VdKrpAa6
一体誰に「大人にされた」んですかねぇ(ゲス顔)
738名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 06:37:54.58 ID:L3/L20Oq
でも苗木君は相変わらずっぽかった
739名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 08:19:42.93 ID:qzmI7S0Q
何より気になるのは霧切さんのお胸が成長していたことだ
あれか、ビッグバンが到来したのか
それとも苗木君が「アレ」したお蔭か
740名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 12:12:57.81 ID:z6mKLKjN
そりゃお前、苗木君と希望のカケラを育んだ結果でしょうよ
きっと十神のいないところではもう二段階くらいデレてるはず
741名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 12:38:06.24 ID:MnEq1EmO
でてきたのは嬉しいけど苗霧の絡みがほとんどなかったのが残念
742名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 13:56:27.69 ID:4N1STYOM
まさか続編で霧切さんのブラックホールがネタにされるとは思わなかったぜ
743名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 15:01:34.87 ID:V84fPc+s
ん?そんなシーンあったっけ?
744名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 16:48:40.70 ID:B8SxLqoN
霧切さんが狛枝にレイプされそうなSSがさっそく上がってるぅぅ!!(澪田風絶叫
745名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 18:49:05.00 ID:KKn+9JDg
しかし身長は相変わらず霧切>苗木なのね
746名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 18:50:29.24 ID:KKn+9JDg
自分で言っといてなんだけど
よく考えればダンガン1の時点で苗木18歳なんだからとっくに成長期過ぎてるか…
747名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 19:06:50.22 ID:4N1STYOM
>>743
本編じゃなくてミニゲームで手に入るモノミの装備品の話ね

ミステリィクルゥズ
超高校級の探偵が愛用していた下着。謎に包まれている。

他にも前作ネタが多くてニヤッとした
特に最強装備
748名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 19:38:30.17 ID:qzmI7S0Q
そんなのあるのか
まだ手を出してなかったから知らなんだ

霧切さんの下着…それも「愛用していた」だから使用済か…ゴクリ
749名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 20:54:27.37 ID:GWxJazYZ
霧切さんのおっぱいは成長したが苗木君の身長は成長せずか…
これは希望か、それとも絶望か
750名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 21:16:56.20 ID:PA2j5CN7
>>749
(二人の)未来だよ
751名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 22:02:27.08 ID:Zu4UZJjO
夢のない事言っちゃうと、あの十神ですら財閥復活させないで未来機関に留まっているんだぜ?

霧切さんも苗木も自由な身とはなれないんだろうな。



裏でらーぶらーぶしてる可能性は否定しませんがね。
752名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 22:18:43.94 ID:qzmI7S0Q
今回二人きりになる機会がなかったから、二人の仲がどうなっているかは妄想次第だべ
お邪魔虫十神の目が届かないところではそれはもうイチャイチャコラコラしていると俺は見たね
753名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 22:41:32.76 ID:Zu4UZJjO
11037でまだ舞園を思ってるって意見あるけど、アレは一番初めの事件で、
なおかつ苗木は引きずるタイプだから!

仲が進展してないと言うが、そもそもあの世界観の状況だとそんな余裕まだねーから!

以上苗霧推進派の意見。
754名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 23:44:52.88 ID:o3NcHuce
霧切さんの諜報能力は未来機関にとっても手放せないものだろうし
江ノ島打倒の立役者になった苗木はこれ以上ない広告塔だろうし
お互い忙しくてなかなか会えなかったりするのかもな

まあそれが一層燃え立たせたりするわけなんですがね
アレとかコレとかを
755名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/31(火) 23:51:23.29 ID:oFGL7mYn
つまり久しぶりに2人だけの時間が取れて思いっきり甘えたい霧切さんとな
756名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 00:59:39.41 ID:9WOhJ6wD
なるほど。いいこと言うじゃないか!

ところでなぜミステリィクルゥズのデザインがないんだ・・・orz
757名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 01:27:19.12 ID:tM6uZL7A
舞園さんが苗木君の初めての事件(意味深)
758名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 06:54:48.30 ID:Xh32Mr6F
>>729-732
お待たせしました、壮大なネタバレSS投下します。

※これから投下するSSは「スーパーダンガンロンパ2」の重要なネタバレが含まれています。
本編を未プレイの方でネタバレが嫌な方は回れ右を推奨します。
閲覧の際は自己責任の下でよろしくお願いしますね。




――――――


"名前さえもない小さな事件"から数日後のこと、僕は孤独に戦っていた。

「くっ、こんなところで負けるわけには……!」

未来機関第十四支部にある僕のデスクで――。
その山積みと化した始末書の数々と戦う羽目になっていたのだった。


〜 未来の後の話 〜


僕の必死の隠蔽工作も空しく、本部の人に"名前さえもない小さな事件"に関連した僕の独断行動は発覚するのであった。

本部の方々、気づくこと風の如く。
霧切さんと十神君、宣言通り見守ること林の如く。
お怒りになる本部の方々、火の如く。
その事後処理と始末書の数、山の如く。
成す術もなく、僕は撃沈するのであった――。

でも、これに関連して彼らの身柄が拘束されたという類の話も聞こえないことから、彼らはあの島にまだいるのだろうと予想が出来る。
もしかしたら、僕の知らないところでお人よしの誰かさん達が根回しをしてくれたおかげなのかもしれない。
そんなことを考えながら椅子の背もたれに寄りかかり、背伸びをしていると横から琥珀色の液体が注がれたカップがデスクに置かれた。

「どう? はかどっている?」
「いや、全然。まだ半分も終わってないよ。だから霧切さん、少し協力し「それは甘えよ、苗木君」……何でもありません」
「自分の撒いた種はきちんと自分で刈り取ることが常識よ」
「……わかってるよ」

僕の右隣にあるデスクの所有者、未来機関第十四支部所属の霧切響子さんは自分の椅子に座り、整理された机の上に自分用のマグカップを置いた。
流石は"超高校級の探偵"だった彼女、僕の机のように乱雑に積み重ねた書類の山は一つもなく、デスク周りも整然としていた。
優雅に自分の注いだコーヒーを堪能する姿に習って僕も小休止する。
759名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 06:55:45.77 ID:Xh32Mr6F
「コーヒーいただきまーす。んっ……、やっぱり霧切さんの淹れるコーヒーは美味しいなぁ」
「どういたしまして」

意識の覚醒を促すようなブラックではなく、脳に糖分を補給し活性化を図る目的でミルクと砂糖を程よく加えたブレンドコーヒー。
それを好む僕に配慮していつも霧切さんがコーヒーを淹れる時は、スティックシュガーとミルクポーションを掻き混ぜる手間がなかったりする。

「ところで霧切さん、"もしも"の話って好きな方だったりする?」
「唐突な質問ね」
「……そうかも。何かこういう書類と格闘ばっかりしていると、違った未来もあったんじゃないかと思ったりしてさ」
「たとえば?」
「そうだね……。何も事件が起きないまま普通に希望ヶ峰学園を卒業して、霧切さんは探偵事務所を開設する。僕は助手として雇われて一緒に難事件を解決するような日常とかあったりするんじゃないかなぁ……なんて」
「……ナンセンスね」
「そうなの?」
「私の場合、"もしも"の話って好きじゃないのよね」
「……どんな理由なのか聞かせてくれる?」
「構わないわ。単純にありもしないことに思考を働かせたところで無駄な時間になるし、今の自分を否定しているようで悲しい気分になるわ」
「そっか、そうだよね……」

霧切さんらしいリアリストの意見だ。
"もしも"の話を割りと好む僕とは真っ向から異なる意見だった。

「干渉に浸っているところ悪いんだけど、本部から新たな通達が入ったわ」
「えっ、そうなの?」

スーツのポケットから一枚の文書を取り出し、僕に差し出す。

「え〜、なになに? "モノクマ暴徒の残党が潜む拠点を発見したので鎮圧せよ。ただし、苗木誠。キミ一人でだ"って……」
「本部はあなたに汚れ仕事を回して、組織への忠誠があるかを試したいようね」
「……なけるね」

溜め息と共に言葉が漏れる。
残りのコーヒーを飲み干し、カップを給湯室の洗面台に置きっぱなしにする。
敢えて洗わないのは"今日中に戻ってくる"というサインだ。

「現地の情報とかは調べなくていいの?」
「それは移動中、コレに調べてもらうよ」

そう言って、コンコンと携帯電話を軽く叩く。
正確には、その中にある"相棒"にだけど。

「いってきます、霧切さん」
「いってらっしゃい、苗木君」

やけにあっさりした出発の挨拶だった。
これから僕が危険なことに首を突っ込むとは思えないくらいに。

―――――

すべては希望溢れる未来の為に――。
そんな理念を掲げて"人類史上最大最悪の絶望的事件"に対抗すべく、希望ヶ峰学園の卒業生を中心に"未来機関"は設立された。
あの地獄と呼ぶにふさわしい"コロシアイ学園生活"から卒業した僕らは彼らに保護され、その理念に賛同できたからこそ所属している。

しかし、前述した理念の"すべては希望溢れる未来の為に――"という大義名分の下、行われていたのは絶望に堕ちた人たちの根絶やしだった。
自分達の意に反する人たちは徹底的に排除するというギャップに戸惑い、何とか出来ないものかと悩んでしまう時もある。
希望ヶ峰学園にいた"超高校級の幸運"の肩書きを持つ当初の僕は大人になった今、理想と現実のギャップに悩みながらも妥協する"超社会人的な平凡"という世間一般の大人の一人と化していた。

だからハナシアイは得意でもコロシアイのような解決方法は滅法ダメな話となる。
760名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 06:57:12.25 ID:Xh32Mr6F
「いたぞ、アソコだ! 追えっ!!」
「やばっ、退散退散……」

僕は"蛇"の名を持つ伝説の諜報員でもないし、大統領直属の敏腕エージェントでもない。
一対多数の状況で荒事を切り抜ける自信なんてこれっぽっちもないのだ。
廃墟と化した住宅街の一軒屋に身を潜め、逃走するので精一杯なんだ。
モノクマ暴徒達の足音が遠ざかることを確認して隠れた先のクローゼットから身を乗り出す。
そして、ポケットから携帯電話を取り出しアプリケーションを起動させる。
すると、人の顔がモニターに映し出される。

『大丈夫ですか、ご主人たま?』
「なんとか。ところで頼んでおいた調べ物は目処が着いたの?」
『うん。これでよろしいでしょうか……?』

画面が切り替わり、僕のいる場所の半径1kmくらいある地図と断面層が表示される。
――ふむ、お目当てのスポットはここかな?

「ありがとう。後は自分で何とかするよ」

携帯電話を仕舞い、逃げ込んだ先のクローゼットに残っていた針金式のハンガーを2つ拝借する。
次に物置を調べ工具箱からラジオペンチを取り出し、ハンガーを解体してL字型の形状に変化させる。



そして、地図の情報から目星をつけた場所は山の荒地と化した場所だった。

「さて、"超高校級の幸運"だった名に賭けて、一発掘り当てるとしますか……!」

左右の手にL字型の針金を持ち、ダウジングの要領で探し物をするのだった。
先端を正面に向けて最初の一歩を踏み出した瞬間、両手の針金が勝手に左右に動く。

「えっ、もう!?「ついに追い詰めたぞ、"超高校級の希望"っ!!」……あらま」
「おとなしくしていれば楽なものを……」

そこには僕を囲むようにゾロゾロと現れたモノクマ暴徒達――。

「や、やぁ君達。やっぱりさ、さっきみたいに話し合いで解決しようとか思ったりしない?」
「何を寝ぼけたことを。お前ら未来機関の連中から一刻も早く我々の同士を取り戻すのに、そんな手間をかけると思うか?」
「やっぱりそうなるか……」
「このまま身柄を拘束させてもらうぞ。そして死なない程度に痛めつけてから同士の居場所を聞くとしようか」
「だったらさ、最後に一言くらい言わせてもらってもいいかな?」
「何だ? さっさと言え」

絶体絶命という状況下を切り抜ける方法はこれしかなさそうだ。
僕は右足を大きく上げて――。

「ば、ばるすっ!!」

力士のように四股を踏むのであった。
正確には、"龍脈"である場所の地面に刺激を与えた。
761名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 06:58:44.65 ID:Xh32Mr6F
すぐさま僕は地面に四つん這いになり、降りかかる"不運"に当たらないことを祈るしかなかった。
すると間髪置かず僕の周りの半径10m以上が揺れ始める。

「ぐおおぉぉぉっ!!」
「ぎゃああぁぁぁ!!」
「あ、あべしぃっ!!」
「たわばあぁぁっ!!」

突如として噴き出す鉄砲水と共に悲鳴が飛び交う。
次々とモノクマ暴徒達が鉄砲水の衝撃で何mも吹き飛ぶ光景を僕は目の当たりしながら、先日の葉隠君との話を思い出す。

―――――

『"龍脈"? 人体の経絡秘孔のことを言っているの?』
『違うべ、苗木っち。風水学の一つでな、地球にも人の血管みたいな"龍脈"と呼ばれるものがあるべ』
『ふーん。それでその効果は?』
『大地のエネルギーが集まっているから、普通はご利益があるべ。だが環境破壊とかで荒らされたところは「氣」の流れが悪くなったりするんだべ』
『その土地の神様がお怒りになるようなものなの?』
『もしかすると苗木っちのように"不運"な人がいるだけでお怒りかもしれないべ、ガハハッ!』

―――――

その時は役に立たない豆知識と思っていたけど、こうして現実を目の当たりにしていると大自然のオシオキではないかと思ったりしてしまう。
鉄砲水も治まり、ゆっくりと起き上がると周りの暴徒達が全員倒れていた。


「僕だけが無傷か……。運がいいんだか悪いんだかわから「手を上げなさい」……はい」

背中に突きつけられる金属の感覚。
やっぱり今日の僕はツイてない――。

「両手を頭の後ろに組んで此方を向きなさい」
「わかったよ……って、何をしているのさ霧切さん?」

振り向いた先には僕と同じ黒スーツ姿の同僚がいた。
スラックスの僕とは異なり、膝が余裕で見えるくらい丈を短くしたスカートを着用して素足にパンプスを履いた姿。
第十四支部で僕の隣にいた姿のままで右手に片手サイズの凶器を僕に向けていた。

「相変わらずバカ正直なのね、苗木君って……心配だわ」
「それよりも霧切さんが持ってる右手のモノ、物騒だから下ろしてくれない?」
「大丈夫よ、テイザーガンって呼ばれるピストルタイプのスタンガンだから殺傷能力はないわ」
「じゃあ10m先で陸揚げされた魚のようにピクピクしているモノクマ暴徒は何なの?」
「アレのこと? リーダー格の暴徒が遠目で眺めていたから隙を突いて気絶させただけよ。他意はないわ」

そう言って右肩に装備したホルスターにテイザーガンを収納する。
762名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 06:59:24.77 ID:Xh32Mr6F
「ピンチになって命乞いをしているであろう苗木君のために助太刀しようと思っていたけど、不要だったようね」
「でも、これって僕一人だけでこなすように指令が入っているけど……」
「制圧するのはあなた一人だけど、増援をするなとは一言も記載されてないじゃない」
「なるほど……」
「と、いうわけで苗木君。どうぞ」

両腕を広げた状態で目を閉じる霧切さんだった。

「だからいつもの"いってきますのキス"をせがまなかったのか……」
「無駄口を叩いてないで早くしなさい。暴徒達が意識を取り戻したら面倒なことになるわよ?」
「そうだね、ではでは……」

自分のスーツに付着した土汚れを軽く払ってから霧切さんを抱き締める。
心持ち、ホルスターにあるテイザーガンの暴発が心配なので左腕の方は少し力を抑えて。

「んっ……」

"いってきますのキス"と"ただいまのキス"を同時に済ます一石二鳥のキスを僕らは堪能したのだった――。

――――――

僕にとって一日の始まりと終わりを告げる未来機関第十四支部。

「"以上の件から、幸運にも彼らを生け捕ることが出来たので、改良型"新世界プログラム"一般被験者のプレテストユーザーとして拘留しました。すべては輝かしい未来のために"……これでよしっと」

最後の報告書を書き上げてやっと書類の山から解放されたのであった。
思わず机の上に頬杖を付いてニンマリとしてしまう。

「一人でニヤニヤしていると不気味よ、苗木君」
「あ、ごめん……って、何なの、その書類の山は?」
「今度、本部に提出する企画書とその資料一式よ」

今度は霧切さんの机が昨日の僕の机のようにカップの置き場所がないくらい、書類の山が占拠した。
763名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 07:01:29.51 ID:Xh32Mr6F
「ねぇねぇ、どんなものか僕も見ていい?」
「構わないわ」
「ありがとう、なになに……"人工知能プログラムの実践的運用とその方法"?」

表題の企画名を復唱した後に中味を流し読みしてみる。
"新世界プログラム"でのみ機能した人工知能プログラムをもっと他のカタチで有効利用できないかという提案書のようだ。

「お次は"諜報員向け多機能搭載型車両の開発及び実践的運用"……」

二つ目の企画書に目を通すと自動車の設計図が描かれていた。
よく見るセダン型の自動車のデザインだが、内装部には水陸両用切り替えやジェットウィング起動――、車ってレベルじゃないぞ、コレは!
他にも自動車の常識を覆すような装備を提案しているけど、これって誰が作れるんだろう――?

「ん……? これは希望ヶ峰学園のファイルだよね?」

ポトリと床に落としてしまった資料を拾うと、その黒いファイルには2枚の付箋が貼られていた。
その付箋を目印にページを捲ると、二人の生徒のプロフィールが記載されているページだった。


"誰"が"何"を作り、"何"を搭載して"誰"が使うのか――。
点と点が結ばれて、線となり繋がった。

「まさか、霧切さん……!」
「もし……彼らが私たちの志に共感して、共に同じ道を歩むのであれば……私達は受け入れる必要があると思うの。これはそのための下準備と言ったところね」
「"もしも"の話って霧切さん、前に嫌いって言ったじゃない?」
「それはあくまで、ありもしない現実を空想して何もしないことが嫌なの。だけど……」
「だけど?」
「ありもしない"もしも"を現実的にすることは好きよ。どう? あなたもそう思わない?」

左手は腰に沿え、右手の人差し指をピンと立てるその仕草。
かつて監視カメラのレンズから映し出された"監視者"の仕草を思い出させるポーズだった。

「うん、僕もその意見に賛成だね」

僕も思わずニッコリと微笑んで"同意"した。
すると霧切さんは自分の机に置いている一つの黒いファイルを僕の机に置く。

「今日でちょうど一週間だし、彼らの経過報告をお願いしてもいいかしら?」
「むしろ喜んで行ってくるよ。僕も彼らの様子が知りたかったところだし」


764名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 07:05:13.43 ID:Xh32Mr6F
以上でネタバレSS投下終了。
スパチュンさん、公式追加エピソードはよ

>>741
本編で薄かったからこそ霧切スレの住人がより鮮明に、より濃厚に、より現実的に妄想することが重要です。
765名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 08:24:22.45 ID:LAsLLNtU
GJ!
いい塩梅のデレ具合に2828したぜ
挨拶代わりのキッスいいよねらーぶらーぶ!
766名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 09:44:12.60 ID:wem2adsN
W
767名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 12:17:02.27 ID:0z8Se2yK
GJ!
二人の未来は妄想次第で無限大だな!

…しかしボンドカー+ナイト2000とか、それ完全に霧切さんの趣味ですよね?
768名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 12:25:11.88 ID:V3ijd5Fi
つまりP99を片手にガジェットを駆使しつつ捜査する霧切さんか・・・
769名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 14:02:32.14 ID:KRaY0oFS
何とかクリアしたぜ
ネタバレが怖くて見に来れなかったけどあっという間に700超えたか……
流石霧切さん!あのタイトスカートから伸びる美脚にテンションうなぎ登りでした。
770名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 14:07:33.54 ID:9W40cueG
ネタバレ





七海ちゃんはちーたんが苗木と霧切さんの子どもをイメージして作ってたらいいなと思った
苗木と霧切さん、どっちにも似てる気がする<七海ちゃん
七海ちゃんは2人の娘だという根拠のない自信に溢れていたあの頃
771名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 14:55:07.17 ID:KRaY0oFS
ネタバレ




その意見俺も賛成だ
ある意味ではそうじゃないのかと……
しかし最後の卒業試験で苗木君が「ここまで言えばわかるだろう」って言ったときは口癖が移るくらいに親密になったのかと思っちゃったよ
妄想しがいがあるね。
772名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 15:48:04.94 ID:0z8Se2yK
俺も同意させてもらおう
二人のいいところを受け継いでる感じだよね
773名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 17:32:38.19 ID:ZkRsVYV8
バレだから伏せつつ書くが苗木くんがアレをアレに設定した時の霧切さんの心境が気になるw
774名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 18:01:18.86 ID:xt1urLJO
>>773
「超高校級の絶望、戦刃むくろに気をつけて」なんてパスワードにしたら
霧切さん恥ずかしくて止めてくるだろ?
775名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 18:35:07.88 ID:TSTkKCOs
>>773
素直に苗木君らしいと感じつつもそれにある意味囚われている苗木君を心配+軽い嫉妬
を覚える霧切さんまでは妄想した
776名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 18:38:50.82 ID:x6F1Bxz1
一応ネタバレ注意




・十神と腐川はなんだかんだで仲良くやってることが分かってる
・そして戻れなくなる危険のあるあの状況で駆けつけたメンバーはアレとアレ
・超高校級の希望である苗木の優秀な遺伝子は同じく優秀な遺伝子を掛け合わせる必要がある
・最後のアレからいって苗木と霧切の間には全面的な信頼関係が築かれていることが分かる
ここまでいえば分かるな?




以上ネタバレ注意
777名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 19:21:59.06 ID:V3ijd5Fi
優秀な遺伝子を残す名目でアレができるな・・・
778名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 19:54:00.46 ID:Furmn3j/
ちょっとまて。苗霧推進派ではあるが下2つは見たことねーぞ!
ソースはどこだ、ソースは!ちなみにかけるほうじゃねーからな!(ソーダ風
779名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 20:03:12.95 ID:x6F1Bxz1
>>778
下から二番目は劇中描写されているアレのスタンスからの推測
一番下は最後のあの会話だ
780名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 20:10:09.86 ID:7lHdnr+j
「アレ」を連呼されると弐大の顔が浮かんでしまって困る

>>764
GJ!
2のキャラもいいんだが、やっぱりこの二人をもっと見たいもんだ
781名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 20:31:31.27 ID:ifIFGfgF
>>764
やっぱり苗霧は最高だ

今回は二人の会話はほとんど無かったが
一言で強い信頼関係が結ばれてるのを感じさせる辺りがたまらないよな
782名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 21:13:50.48 ID:EOilNbZK
「可愛いと評判の苗木きゅん」ってモノクマ(江ノ島)が言うとは・・・
これは永久留年が決まってたら霧切さんの眼の前で苗木寝取られショーとかやられてたろうな
783名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 21:27:19.62 ID:KRaY0oFS
いや逆に永久留年する事になったら
霧切さんと2人でいちゃつき放題じゃないだろうか?
永遠に老けずに南国の島で過ごすんだぜ
子供の出来る心配はないから(ry
784名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 21:40:58.95 ID:LAsLLNtU
あれだな、きっとプロジェクト実働前に

霧「このシステムはまだ試験段階だから、どんなトラブルが起こるか分からない…。
  それに備えるためにも、私達が事前に身をもって体験しておく必要があるわ。
  ここまで言えばわかるわね?」

的なやりとりがあって、
テストプレイと称して二人でひとときの南国生活をらーぶらーぶしてたに違いないぜ
785名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 22:29:45.50 ID:9ROehKRj
おまいら、本スレの方で七海ちゃんが身を呈して日向を救った天使ということで、
我らが霧切さんは苗木を見捨てたヒロイン失格みたいな扱いになっちまってるぞ!

霧切さんだって天使だということを証明しようじゃあないか!

方法は俺思い付かないから任す!
786名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 22:46:39.83 ID:Xx0Wm8WF
見に行ってもそんな話誰もしてなかったが
お前が勝手にそう思ってるだけじゃないの?

つか霧切さんと七海ちゃんじゃ置かれていた状況も立場もまるで違うのに、それを比べてディスるとかアホとしか言いようがない
787名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 22:51:12.81 ID:9WOhJ6wD
いやだってヒロイン苗木君じゃん!
身を呈して(!?)みんなを救ったってことで
我らが苗木君はヒロインとして合格だと思います!
788名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 22:57:49.17 ID:0z8Se2yK
>>784
その様子をウサミと千秋がこっそり物陰から見ているわけだな
789名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 23:03:39.45 ID:xt1urLJO
>>788
ヤシの木の影から覗いてる二人が想像できて和んだ
恋愛ゲーム苦手らしいからよく学んでね!参考になるかどうかわからんが
790名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 23:12:17.75 ID:1V3ag8jw
>>785
七海の場合は推理力で自分より勝ると考えてた(実際は七海の方が上だった感だが)日向
を残せばみんなを守れる状況

霧切さんは自己の推理力が誰から見ても図抜けすぎて、自分の死イコール学園の謎が誰も
解けないでみんな結局死同然って状況

この状況考えれば誰か犠牲にならなければいけない時に選択変わるのは当然だと思う
791名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 23:24:47.22 ID:9WOhJ6wD
>>788
まさか、、らーぶらーぶ♪
って言葉を植えつけたのはその時の・・・
792名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 23:30:24.09 ID:x6F1Bxz1
そもそも見捨ててないし

>>791
らーぶらーぶといえば
俺途中まで狛枝=苗木のアバター、モノミ=霧切だと思ってたわ
793名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 23:44:13.78 ID:7lHdnr+j
もしや……七海ちゃんが『子供の作り方』を知っていたのは……
そういうことなのか苗木!
794名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 23:46:08.80 ID:APn1oW44
>>792
いくらなんでも霧切さんが「あちし!」とか「○○でちゅ!!」とか言わないだろうw
でも、プログラミング段階でウサミの性格付けする時とかに

「あちしに任せるでちゅ!・・・これでいいかしら」
「えーと・・・何言ってるの霧切さん?」
「・・・・・・あら、居たのね苗木君。ところで貴方は今なにか聞いたかしら?」
「い、いや、その・・・」
「聞いたかしら?」
「ナニモキイテマセン」

とか平静を装いながら顔真っ赤にして追い詰めるんですね。分かりません。
795名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 23:54:22.99 ID:x6F1Bxz1
>>794
いやー、顔真っ赤にしてアテレコしてる霧切さんを想像するとね、下品なんですが、その(ry
あるいは意外とノリノリでやってるのかなあ、とか思ってたわけですよ
796名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 08:14:51.82 ID:r2lj9JGI
霧切さんが「ちょっぴりスイートなミルキーっ子でちゅ」とか言ってたのか…
797名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 12:16:30.62 ID:qiAJhaXt
霧切さんに「お兄ちゃんのバカー!」なんて言われた日には
俺は
俺は
798名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 13:11:34.29 ID:Lou5C/OI
カップ麺頭からかぶっても平気でシリアスぶってた霧切さんだ
でちゅ言葉くらいなんてことないぜ
799名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 14:43:06.95 ID:lzrBovO/
霧切さんのパパはガチクズだった件について。
800名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 15:51:21.54 ID:Pknh4PK8
ここでウサミのデザインは霧切さんが徹夜で一生懸命考えた説を提唱したい
801名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 17:45:23.73 ID:IlqQ7xAC
>>770
正直見た目なら七海ちゃんよりも狛枝の方が2人の子供っぽい
七海ちゃんはどちらかというと霧切さんと千尋合体させた感じ
802名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 17:48:50.73 ID:pxKOAXkx
苗木っちと霧切っちの間の子供は、もっと優しいにきまってるべ!

俺の占いh(ry
803名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 18:45:44.31 ID:qiAJhaXt
霧切さんをベースに、
・胸を増量
・身長を苗木君と同じくらいに
・性格を素直に

すると七海ちゃんになるのではないか
そう…七海ちゃんは霧切さんの願望を反映した理想の自分だったんだよ!
804名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 19:57:55.51 ID:r2lj9JGI
>>803
ΩΩΩ<な、なんだってー

個人的には狛枝って苗木君にも霧切さんにもあんまり似てないと思うな
アナグラムとか声とかの先入観を取っ払ってみると
805名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 20:50:17.05 ID:IlqQ7xAC
霧切さんは近寄りがたい高めの美女って感じで七海ちゃんは親近感がある癒し系美少女って感じ
キャラ的には真逆だけど霧切さんに苗木足したら七海ちゃんになりそうにも思えてきた
806名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 21:06:36.56 ID:e+G32hm7
狛枝の能力だけをとれば霧切さん+苗木と言ってもいいくらいのチートキャラだが
霧切さんと苗木のどちらにも似ても似つかないし、
苗木の本質は幸運じゃないしな
807名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 21:09:13.66 ID:+rDOcU7K
苗木はサッパリとした印象なのに狛枝はネチョネチョした印象なのは俺だけだろうか
808名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 21:45:52.86 ID:vW81vf29
>>799
霧パパは特に今回の話に関係なくね?カムクライズル計画とかには関わってなかったし
予備学科云々も霧パパの発案ではないだろ あの人ただの才能マニアだし
まあ現状を甘んじていたっつーのはあるかもしれんけどぶっちゃけそんなに権限はなさそうだしね 学園長って
809名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 21:48:20.11 ID:vW81vf29
>>807
物事に対してどんな時も前向きなのが苗木 事あるごとに後ろ向きなのが狛枝
そしてその前向きさ加減にほれちゃったのが霧切さん
810名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 22:01:52.02 ID:aMVK/DR4
苗木は他人より「ちょっと」前向きどころじゃないからな…
811名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 22:21:48.78 ID:q27nxwKI
苗木も狛枝も「希望を盲信している」点で同じように歪んではいるんだけど
苗木はそれを受けて入れてくれる人がいたからこそ、あの強さに繋がってるんだろうな
つまり周囲を引っ張っていく強さと一人にできない脆さが同居しているわけだ
そら霧切さんとこの嬢ちゃんも惚れますわ
812名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 22:22:27.19 ID:IAKlrqix
劇中で成長していったってのがいいよな!

あ、霧切さんの胸はアレでしたね!
813名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 22:33:43.04 ID:OhLsbr3j
>>811
確かに苗木になら霧切さんを任せられるが・・・
>受けて入れてくれる人
ちゃんと霧切さんを一生幸せにすると約束するまではそんな事させないぞ
814名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 22:39:33.82 ID:NU+Xsrkn
苗木は別に希望を妄信はしてないと思んだが・・・
815名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 23:02:14.53 ID:FNwBsiLk
2クリアしたからもう1回1やり直してみたけど
苗木君は霧切さんのいつも1人だから危なっかしいって心配してて
霧切さんは苗木君のお人好し過ぎて隙多いところ心配してたんだな
6章なんかことあるごとに飼い主のところにいく忠犬にしか思えなかった
816名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 23:08:03.00 ID:r2lj9JGI
苗木君の言うところの希望ってのはどんだけ絶望的な状況でも理屈なんかいいからただ前向きであれ!ってことだと思うけど
そんな苗木君を閉塞状態を打ち破れる唯一の存在と早くから認めていたのが論理的思考を旨とする霧切さんっだったというのは面白い

前向きさだけでは立ち行かない時に苗木君を助けてくれるのが霧切さんで
論理だけではどうしようもない時に霧切さんを救うのが苗木君という
まさに互いに互いを補い合える最高のパートナーではないかと思うんですよ俺は

>>812
明らかに一回りは成長してたじゃないか!
817名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 23:08:44.72 ID:q27nxwKI
>>814
ネガティブな意味でいったわけじゃないんだ
普通の人は彼ほど素直に希望を信じていられないってこと
818名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 23:21:45.54 ID:e+G32hm7
>>816
その意見に賛成だ!
あの二人をあわせて超高校級の希望だよな
819名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 23:31:38.81 ID:+rDOcU7K
しかしどことは言わないが霧切さんの特定部位に希望はあるんだろうか・・・
820名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 23:43:13.94 ID:HQ7nkVpx
>>819
もう一度「振り向く三人」のイベントCGをよく見てくるんだ
821名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 23:52:49.04 ID:0z9yNm04
そもそも設定の数値からして決してないわけじゃないし
集合写真とか薄着になってる時って胸元見えなくなってるってのもある
822名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/02(木) 23:56:31.55 ID:r2lj9JGI
1の時はジャケット羽織ってて体のラインが分かりにくかったのもあるな
スーツ姿はパツパツしてて実によろしい
希望が湧いてくる
823名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 01:08:38.01 ID:r8lTSAxM
うむ
あのスーツ姿は実に良かった
そして隣の苗木君が全然スーツ似合ってなくてちびっこギャング2号みたいになってるのも良い
824名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 01:52:23.63 ID:abqNXYiA
逆に言うとどっちかが人間のエゴで死に追いやられたら
超ド級の絶望堕ちしそうでこわい
>苗霧
825名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 04:33:23.78 ID:XVLSS1lb
>>823
かわいいと評判の苗木くんですから
826名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 08:31:55.29 ID:iE2ByGN+
きっと毎朝顔をあわせる度に「苗木君、ネクタイが曲がっているわよ」って
霧切さんに直してもらっているに違いない
827名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 09:17:27.06 ID:2Xe/0dxZ
偽神が来なけりゃ、かなり苗霧分は強まったと思うんだよな。
まったく偽物はどんだけ空気読めねえんだよ!十神と比べて残念過ぎるだろ!
残念な御曹司だよ!残御だよ!
828名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 10:07:32.86 ID:KhLTxn3T
でもあいつはあいつで格好良かったから許す
そういや残姉ちゃん生き残ってたら霧切さんの強力なライバルになってた可能性もあるんだよな
829名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 10:31:22.66 ID:8RGPgYY5
>>828
霧切さんに論破されまくって、「あ・・・うう・・・・」とか言いながら後ずさってあわあわしちゃう残姉ちゃんが容易に想像できるw
そしてそんな残姉ちゃんを苗木が「その辺にしておきなよ、霧切さん」と庇って更に霧切さんが 「ふーん・・・・苗木君は戦刃さんの味方なのね」てムッとする姿が容易に想z
830名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 10:51:56.22 ID:3ge45Sfz
IFだと霧切舞園戦場で修羅場の時間だあああああああああ
831名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 12:13:03.01 ID:r8lTSAxM
>>827
きっとお邪魔虫のいないところでは「霧切さん」じゃなくて「響子さん」になっていたはずだべ
俺の占いは三割五分当たる
832名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 13:51:47.15 ID:8RGPgYY5
そういや苗木と十神は声優さんが2のキャラで重複してるから再登場の一人二役は納得できるけど
霧切さんの日笠さんは完全にファンサービスだったんかねw
あそこだけの出番とはいえ、なかなか大変だろうに
とはいえ、苗木出して十神出しておいて霧切さんだけ 「声優さんの関係で。。。。」 って非登場だとあまりにもガッカリになるしなぁ
スパイクには敬意を表したいw
833名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 15:47:34.73 ID:9qRbz4K7
霧切さんは江ノ島にもカムクラにも浅からぬ因縁があるし、
それに何より苗木君とは切っても切れない間柄だし、
あそこで登場したのは必然の流れじゃないかな

現実に帰還した後、日向とどんな会話を交わしたのか気になるところだ
834名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 15:49:23.85 ID:XiPRBWb/
説明書のスタッフクレジットに載ってなかったし
霧切さんの登場フラグは一向に立たないし、なんかもう出てきそうにないなと絶望しかけてた
その絶望が希望に変わったのは皮肉にもクレジットに載ってない私様の登場だったw
835名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 16:09:21.96 ID:+5UZIPp5
欲言えば苗木との関係もっと進展させるやりとり欲しかったな
嘘報告はなんだかんだで手伝ってくれるとか
ああいうところは厳しいのがらしさでもあるが
836名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 17:04:20.94 ID:da3BTuAc
いやいや霧切さん、苗木がにっちもさっちもいかなくなったら助けちゃうほうでしょ。
まあそれは偽神もだろうけど。
837名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 17:17:41.40 ID:da3BTuAc
苗木が隠蔽工作に四苦八苦してる時、救いの女神が!

        /⌒ヽ.i;;;;ii;iiil|?
       ( ^霧^);;;ii;iill|?
     /⌒ 丶'   ⌒)iill| やっぱりこうなったようね、苗木くん。
     / ヽ     / /;iill|?
    / /へ ヘ / /li;iill|?
    /  \ ヾミ  //ii;iill|?
   (__/|  \___ノ/;;;;ii;iil|


苗木「霧切さん!」
838名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 19:54:05.12 ID:iE2ByGN+
苗木君が必死に言い訳考えてお偉方の所に出頭した時には既に霧切さんの手によって根回し隠蔽万事完了していて拍子抜けという展開が見える
839名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 20:14:20.75 ID:m1RdztjG
まあ時間の問題で絶対くっつくだろ
前作ラストの霧切さんの言葉通り一緒にいる時点で確定してるような
もん。あれだけのことがあって一緒に協力して生き延びた信頼
関係がある男女に他が割り込む余地などないよ
840名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 20:14:23.39 ID:ZFwRAd1R
今更クリアしてきた
霧切さんの胸が成長していたのは希望が詰まった結果なのか
841名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 21:20:32.47 ID:rYW7qKfI
しかしすごく強そうだよね、2の霧切さん
まさに女エージェント
842名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 21:26:40.75 ID:5Qb0fX7o
学園時代の記憶を取り戻した分、舞園の方に気持ちが向いたのかも知れん
843名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 21:30:48.96 ID:r8lTSAxM
>>840
苗木君と毎晩希望を育んだ結果ですよ(意味深)
844名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 22:32:34.11 ID:uzKSDvqa
そういや苗木君達って
未来機関によって学園生活の記憶を取り戻してるんだな
苗木君と霧切さんの関係が気になるぜよ・・
845名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 23:01:07.57 ID:r8lTSAxM
あのぴったり寄り添って微笑んでる写真の記憶も戻っちゃってるわけだな
これは「人目の無いところではイチャイチャしてる」説が現実味を帯びてきたで…
846名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 23:13:28.26 ID:OgcoSVmS
>>845
あの写真pspの画面だとよくみえないんだよね
VFBにはのってんの?
847名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 23:19:03.91 ID:gj+7xq+F
ぴったり寄り添ってる写真なんかあったっけ
848名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 23:19:16.24 ID:cYbgG+cY
結局外神も苗木にホイホイ付いてきててワロタ
849名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 23:19:57.99 ID:FbNOIJes
IFを公式と見なしていいのか分からないが、妹様の言う好きな子ってのは
設定されているのかが気になる。
850名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 23:43:47.65 ID:KhLTxn3T
霧切さんは当然として、十神が一緒にいたのも問題ないとして
葉隠と朝比奈は何やってたんだろ
現実から苗木達のサポートしてるのかと思ったけど、コンピュータの操作とか怖すぎて絶対任せられないし
そもそも腐川は一緒に来てないみたいだし
851名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 23:44:40.24 ID:iE2ByGN+
>>847
VFBに載ってるよ
霧切さんが完全に女の子の顔になってる貴重な一枚が
852名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 23:57:40.47 ID:B4AqhBhw
あの写真はいいものだ…
学園生活の嬉し恥ずかしな記憶が蘇って、苗木君に対する接し方が分からなくなって困惑する霧切さん下さい

…まあそれどころじゃない記憶も多そうだが
親父さんのこととか
853名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 23:59:00.09 ID:YiaOVNEM
>>845
ってかそん時の記憶取り戻した時の苗霧のリアクションがめっちゃ気になるべw

これから2週間遠出でこのスレがみれなくなるのが死ぬほどつらいぜ。
みんなこの調子で頑張って苗霧を熱くしてくれな・・・
854名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 00:44:57.89 ID:3erCezGP
あー体育大会のやつか
855名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 03:10:08.99 ID:YSMh5Xqj
これまで苗木君にはあくまでクーデレを貫いてきた霧切さんが
自分があんな笑顔で苗木君の隣にいたことを知ったらさぞ衝撃を受けるだろうなw
856名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 09:52:07.09 ID:fUTjenFC
やっぱり行事では身も心も開放的になるわけですね分かります
857名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 12:14:13.84 ID:sCTD8Jz3
突如蘇った記憶を前に、今まで通りに接すればいいのか、記憶の中の間柄に戻るべきなのか
距離感を掴めずギクシャクする二人
このままではいかんと思った苗木君が霧切さんの私室を訪ねて
『未来は創るもの』の言弾を撃ち込む
「今はこれまで通りでいいからさ…一歩ずつ、『あの頃』を取り返していこうよ」と言う苗木君に
「そうね…なら、まずは二人だけの時から始めていきましょうか」と呟くと、
僅かに頬を赤くし目を伏せながら、そっと苗木君の肩に体を預ける霧切さん

まで妄想した
858名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 15:04:21.43 ID:UHeMXxLt
よし
誰かSS化を頼む
859名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 15:22:25.77 ID:S0In5DwI
今回も霧切さんのおみ足は素敵でした
860名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 16:34:26.89 ID:mnT6rlS5
>>857
学園生活で両片想い、コロシアイ生活になってもその時の意識がうっすらと残ってて、お互いに気になる→また両片想いになった苗霧を受信成功
これよりSS化に入る
クオリティには期待するな、以上
861名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 18:49:16.27 ID:JNMtdHL/
よっしゃ
待ってるべ

>>859
生足なのかストッキング着用なのか気になって夜も眠れません
862名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 19:57:13.67 ID:GHavGKtp
霧切さんはきっとストッキングだな、それも黒スト
美脚がこれでもかというぐらいにエロく艶めかしく・・・・・ハアハアハア
863名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 21:07:38.95 ID:IFY+9+4p
苗木『あ、もしもし? 霧切さん?』

霧切「…仕事中に電話はしないで、と言わなかった? それとも急用かしら?」

苗木『ごめんね、どうしても伝えたいことがあって』

霧切「ちょっと待って…あと十分でお昼休みじゃない。その時に話せば…」

苗木『いや、どうしても今じゃなきゃダメなんだ! 今伝えたいことなんだよ』

霧切「……わかったわ。何?」

苗木『うん。僕、実はずっと前から霧切さんのこと、好きだったんだ』


 ガタッドンッ バサバサバサ


苗木『…だ、大丈夫? なんかすごい音したけど』

霧切「あっ、あなた、……急に、…なにを、馬鹿な、」

苗木『…本気だよ。異性として、霧切さんが好きだ』

霧切「そっ、……、…」
864名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 21:08:10.61 ID:IFY+9+4p
霧切「どうして、そんなことを……今、電話で…」

苗木『そんなことはどうだっていいじゃない。どうしても今すぐ、伝えたかったんだ』

霧切「…あなたね、私は今仕事中で…というか、あなただってそうでしょう」

苗木『仕事よりも霧切さんの方が大事なんだ』

霧切「馬鹿…いえ、前からだったわね…」


苗木『それで、返事が欲しいんだ』

霧切「は…?」

苗木『僕は霧切さんのこと好きだよ。愛してる。霧切さんは?』

霧切「そ、んなこと……電話で言えるわけないでしょう」

苗木『……』

霧切「こういうことは…軽々しく言えるものじゃないわ。仕事終わりに、」

苗木『それじゃダメなんだ、霧切さん。今、答えが欲しいんだ』

霧切「そんな、……」
865名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 21:08:47.67 ID:IFY+9+4p
苗木『教えてよ、霧切さん。……断りにくいなら、このまま電源を切って』

霧切「待って、苗木君、お願い……」

苗木『……』

霧切「……急には、無理よ…」


苗木『…そうだよね、無理だよね』

霧切「……昼休み、会いましょう。せめてそこで、ちゃんと話を、」

苗木『ううん、大丈夫、わかってるから。やっぱり僕と霧切さんじゃ釣り合わないって』

霧切「苗木君…?」

苗木『やっぱり【僕みたいなゴミムシ】が霧切さんを好きだなんて、おかしいよね』

霧切「ま、待ちなさい苗木君、私は何もそこまで、」

苗木『おかしなこと言ってゴメンね。気まずいよね。明日からは他人のフリするから…それじゃ、』


霧切「ま、待って!」
866名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 21:09:24.99 ID:IFY+9+4p
霧切「わ……、わかったわ、言う、言うから……切らないで」

苗木『……どうぞ』

霧切「わ、私は……その、…」


霧切「私も……私、も、ずっと前から……その、苗木君のこと、」


苗木「霧切さん、一緒にご飯食べない?」

霧切「!?」

苗木「あ、…っと、ゴメン、電話中か」

霧切「苗木、君……?」

苗木「あ、ロビーで待ってるね。ごゆっくり」


苗木?『……あーあ、時間切れか』

霧切「……そういう、ことね」

苗木?『そういうことだね。安心してよ、本気じゃないから。これでも身の程は弁えてるし』

霧切「どういうつもりかしら? 答え様によっては、タダじゃ済まさないわよ」
867名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 21:10:11.20 ID:IFY+9+4p
狛枝『そんな怒らないでよ。言っておくけど、僕は名乗ってない。霧切さんが勝手に勘違いしたんだからね』

霧切「……苗木君の電話番号で掛けておいて、よく言うわね」

狛枝『まあ、声も似てるし…勘違いするのも仕方ない、か』

霧切「なんのために…こんな、私を弄ぶようなことをしたのかしら?」

狛枝『それこそ誤解だよ! 僕は二人のためを思って、』

霧切「そんな言い訳は聞きたくないわ。私の前で、二度と彼を騙らないで」

狛枝『おお、怖い怖い。恋する女の執念、ってことかな?』

霧切「……」

狛枝『そうだ、一応教えてあげるけど…たぶん苗木君も、本当に』


 ブツッ ツーツーツー


苗木「あ、お疲れ様、霧切さん。これ、霧切さんの分のお弁当ね」

霧切「……頼んでないでしょう」

苗木「いつものことじゃない。霧切さん、こうでもしないとカップ麺で済ませるし」

霧切「……」
868名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 21:12:24.47 ID:IFY+9+4p
霧切「…苗木君、あなた携帯電話持ってる?」

苗木「? …あ、今日は家に置いてきちゃったんだよ。ゴメン、電話した?」

霧切「……」

苗木「あ、そういえば…さっきの電話、何話してたの? 仕事の電話?」

霧切「……あなたには関係ないわ」

苗木「え、でも、僕の名前、」


霧切「関係ないわ。いいわね」

苗木「…はい」

霧切「……罰として、その卵焼きは私のものよ」

苗木「何の罰?」

霧切「あなたには関係ない事よ」

苗木「そ、そんな無茶苦茶な…欲しかったら、欲しいって言えばあげるのに」

霧切「…………欲しい」ボソッ

苗木「うん?」

霧切「……いただきます」



っていうのをね、2プレイしながら妄想してたわ

前に出てた苗木君が犬っぽい&霧切さんは飼い主っぽいネタで、犬関連のコピペを見つけては、
犬の台詞を全部苗木君の台詞に脳内改変してニヤニヤする霧切さんとか考えてみたんだけど、よくね
869名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 21:27:23.01 ID:58nkmBjH
素晴らしい

狛枝嫌いだけどこれ位のイタズラキャラならいいな
870名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 21:41:12.95 ID:YSMh5Xqj
GJ!
なにこれかわいい
これが希望を輝かせるための絶望ってやつですか狛枝先輩
871名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 22:42:08.51 ID:JNMtdHL/
>>868
乙!
電話口の向こうでニヤニヤしている狛枝を想像すると実にイラッとくるなw(褒め言葉)

そして下二行が非常に興味深いので詳しくお願いします
872名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/04(土) 23:36:22.24 ID:UHeMXxLt
犬苗木と飼い主霧切さんか…

仰向けに床に転がる苗木のお腹を素足でぐりぐりする霧切さんを幻視してしまった
873名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 00:38:50.30 ID:XY83trfR
七海ちゃんの活躍みた霧切さん、
「私、苗木くんにあんなに優しくしてあげてたかしら・・・」とガラにもなく反省気味になり
七海ちゃんみたいな言動や行動を取ってみるも
「ど、どうしたの霧切さん。変なものでも食べた?」と言われて膨れっ面。
874名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 01:10:35.50 ID:U23/onfl
1の作中でも忠犬と飼い主だろ!いい加減にしろ!
875名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 01:40:46.33 ID:WyW+zT/F
ttp://i.imgur.com/lfGLb.jpg
ttp://i.imgur.com/kRWIQ.jpg
忠犬忠犬アンド忠犬

個人的に一番かわいかったのはスネギリさん自由行動拒否のセリフ
ttp://i.imgur.com/DG54w.jpg
876名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 09:37:20.64 ID:jwvJxi7J
霧切さんのスーツ、ボディラインが強調されすぎててエロい
877名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 09:53:59.66 ID:k32SzvSl
お、俺としては猫ギリさんと飼い主苗木君をだな…
878名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 10:48:49.88 ID:YealQ4kv
つまり自由気ままに撫でることを要求したりご飯を要求したりひざの上で勝手に寝る猫ギリさんか・・・
879名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 13:16:27.51 ID:Fj+mURzS
2スレ目と3スレ目であった猫ギリさんSSは実にいいものだった…
880名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 15:38:38.20 ID:Uuojecbe
仮想空間なら霧切さんアバターに猫耳生やすのも苗木君アバターに犬耳生やすのも自由自在ですよね?
881名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 16:22:35.56 ID:HhpzQ7YR
ギャラリー見てて思ったけど霧切さん成長してるよな?
882名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 17:33:25.43 ID:D++lSCf6
むしろアバター時の一枚絵にある霧切さんの意外なロリロリしさがたまらん
883名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 18:01:05.15 ID:k32SzvSl
>>880
その手があったか…貴様天才だな?

>>881
胸囲が成長しているとはよく言われるが、もし身長まで伸びていたりしたら…苗木君…
884※ややネタばれ注意:2012/08/05(日) 18:08:26.21 ID:cXaZMVps



朝「この七海千秋って子のアバター、苗木が考えたんだよね?」
霧「確か、そのはずよ」
朝「ちょっとだけ…ううん、結構霧切ちゃんに似てない?」
霧「……そ、そうかしら?」
朝「うん、未来機関のみんな、そう言ってるよ」

朝「最初は無口で何考えてるかわかんないけど、実はみんなのことをちゃんと考えてたり」
朝「学級裁判の時も、日向…君、だっけ? の、いいパートナーっぽかったし」
朝「ミステリアスだけど頼りになる、けどちょっとだけ危なっかしい…まんま霧切ちゃんだよね」

霧「か、……憶測でしかないわ、彼がそこに私を投影したなんて、そんな」
朝「頭の中に描いている理想の女の子イメージが、無意識のうちに出ちゃったんじゃない?」
霧「そ、そんな……そう、かしら…?」

朝「あ、でも胸はすごい大きいね」

霧「もしもし、苗木君? 詳しく聞きたいことがあるから、ちょっと顔を貸してくれない?
  寝てた? 関係ないわ。五分以内に来ないと、『あのこと』朝日奈さんと腐川さんに……」


結構あの島の中にメタが多かったのって、作った人間が無意識に投影しちゃったからじゃないか、と予想
パスワードとか、プレゼントとか…
885名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 18:17:29.95 ID:inQdiu7u
お父さんのちーたんが草場の陰で泣いてんぞ!
886名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 19:14:51.20 ID:Uuojecbe
>>884
GJ!
なるほど…これはありえそうな気がするな
七海ちゃんの身長が苗木君と同じ160cmなあたりとか、苗木君の願望がぷんぷん臭ってくるぜ…
887名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 20:55:53.85 ID:k32SzvSl
この翌日からアルターエゴを使って『胸を大きくする方法』の情報を収集する霧切さんの姿が見られるようになるわけですね
そしてその成果がラストのあのCGと
888名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 21:20:41.77 ID:xQcYCct2
霧切「胸だけじゃなくて背も伸びたわ」
889名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 22:12:36.79 ID:vGC4dbsB
正直いって霧切さんのプロポーションは初代の時点で完成してるよね
890名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 22:51:43.63 ID:lTBwNlLd
>>876
タイトミニよりパンツスーツにするべきだったと思う
こう、ヒップラインがより強調されるという観点からみて
891名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 23:40:14.41 ID:Fj+mURzS
ふむ…それは一理ある意見だが
しかし霧切さんの脚線美を直接拝めなくなるという両刃の剣でもあるな
892名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 01:37:46.49 ID:+0Phv068
893名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 02:04:20.50 ID:N21Z+sw7
周り全員疑わなければならない状況なんだからあんなもんだろ
894名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 02:10:56.24 ID:WjmiXh3e
人付き合い知らない不器用さの事言ってるんでしょ
それに6章で散々頼ったり甘やかしたりしてたでしょ
895名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 02:22:12.45 ID:N21Z+sw7
だからあの状況が不器用さに加えて更に人付き合いが難しい状態にしていたっていってんの
6章は前章までと状況が全然違うじゃない
896名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 08:34:52.83 ID:ZyE6Raeh
つか改めて考えてみると
あの疑心暗鬼の状況下で最初から最後まで苗木君のことめちゃくちゃ信頼してたよね霧切さん
897名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 08:44:38.18 ID:t6n9FZEP
コイツなら大丈夫かな〜?と心を開こうとしたところで秘密を教えてもらえない霧切さん可愛いよ霧切さん
898名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 11:57:03.11 ID:66dsQIlR
よくヒロインとして七海ちゃんと比較されてるけど、向こうは曲がりなりにもプログラムだしなあ。
霧切さんと違ってそりゃ負の側面はないだろうが、霧切さんは欠点もある思春期の女の子だぜ?
天使を要求されてもねえ。

899名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 12:45:32.21 ID:FHt/qqYT
クールで達観しているように見えて内面は不器用なところが霧切さんの可愛いところだろうが!
900名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 13:10:02.40 ID:oftpzWIo
>>898
日本語でおk
901名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 14:22:37.67 ID:9l9rbfMn
比較したら普通に霧切さんの方がすごくね?
いや人間と同じように感情持ってるプログラムはすごいけどさ
902名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 14:41:15.21 ID:hvpcOVmd
霧切さんすごいと言えばマスターキーもない状態でどうやって地図やらなんやらを調達してきたのか気になるわ
903名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 15:24:44.01 ID:FHt/qqYT
そりゃまあ霧切さんの観察眼は苗木や日向とは比べものにならないレベルだから
どこか常人なら気にも留めないところに隠されてたのを見つけてきたんだろう
904名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 17:13:08.46 ID:JwrjTeyI
IFルートだと残姉ちゃんも苗木きゅん争奪戦に加わって霧切さんのストレスがマッハだろうなー
しかし親父さんが結構な外道に感じてしまうな、絶望日向くん見てると
905名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 19:01:57.47 ID:MqcZmV1C
>よくヒロインとして七海ちゃんと比較されてるけど、向こうは曲がりなりにもプログラムだしなあ。

おいおい、七海ちゃんは日向たちと同じくらい悩んだり考えたりできる子だぜ?
そういう言い方は野暮だ

七海ちゃんも霧切さんも別ベクトルで天使だよ
906名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 19:58:51.04 ID:r2lu/vBO
ウサミはあれはあれでかわいいんだけど、
モノクマに似たシルエットの動いて喋るヌイグルミというビジュアルは、被験者達に警戒を抱かせるという点で失敗だったと思うんだ
やはり七海ちゃん同様、人間ベースのNPCを用意するべきだった

そう、魔法の女教師ウサギリ響子さんを…!
907名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 20:10:33.18 ID:SNoP3h9E
スーツ姿で頭にはウサ耳を付けた霧切さんか・・・・



悪くない
908名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 20:20:40.22 ID:N21Z+sw7
でも口調はウサミと
909名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 20:29:33.33 ID:ud4/Ts0B
モノクマに改造される霧切さんを見たいような見たくないような…
910名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 21:24:50.14 ID:6lE9aU6v
霧切「でちゅよー」

う、うーんwww
911名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 21:28:37.53 ID:ZyE6Raeh
苗「じっとしててよ、霧切さん。●●の棒が中に入らないじゃないか」
霧「そっ、そういうのは駄目っ……!」

こうですかわかりません
912名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 21:29:47.49 ID:1U/4oJqp
霧切さんは見た目が大人びてて18〜22くらいに見えるけど七海ちゃんはちょっと見た目が幼くて14〜18くらいに見えるから見た目だけだったら好みかぶらなさそう
某ADVゲームの助手とトゥットゥルーさんくらいタイプが真逆
913名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 22:32:41.08 ID:9ftvj2xd
>>906
そんな残酷な事したら日向くんみたいに二次元嫁が現実にいない絶望を味わう人が増えるでしょ!
魔法の女教師ってよりは魔性の女教師が見たいです
914名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 22:38:38.23 ID:82OUxMS3
タイトスカートを履いて教壇に立つ霧切さんか・・・
915名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 22:47:08.03 ID:FHt/qqYT
苗木君に探偵術の個人レッスンをしてくれるわけですねわかります

>>913
確かに・・・霧切さんがいるのに攻略不可なアイランドとか絶望以外の何ものでもないか
やはりダンガンアイランド苗霧編の開発が待たれるな
916名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 23:00:29.27 ID:L/GHZI5q
霧切「らーぶ…らーぶ…」
917名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 23:33:02.71 ID:ZyE6Raeh
>>916
赤面しながら言っているのか
いつものポーカーフェイスで言っているのか
妖艶な笑みを浮かべながら言っているのか

それが問題だ
918名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 23:35:54.34 ID:82OUxMS3
>>917
いつものポーカーフェイスで呟いた後顔真っ赤にする霧切さんも捨てがたい
919名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/06(月) 23:53:57.66 ID:O+opai9o
真っ赤になりながら「ら…らーぶ、らーぶ…」と口にした後、キョトンとしている苗木君に
「っ……今のは忘れなさい…! いいわね?」と慌ててそっぽを向く霧切さんください
920名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 00:10:49.80 ID:WrifMXlG
モノミのアクションゲーって霧切さんにちなんだ装備が存在するのか
欲しいな
921名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 00:14:44.67 ID:ytR4zpqH
霧切さんの下着が明らかになったなそういえば>モノミのアクションゲー
922名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 00:24:33.52 ID:VMAhoUrb
霧切さんはぼっちかわいい
923名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 01:00:18.40 ID:5Z7+MArt
>>921
謎の下着だったけどなwww
924名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 01:38:04.52 ID:Zg2ZcAVU
霧切さんは夫婦かわいい
925名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 01:42:49.47 ID:iSptFqzx
霧切さんには苗木君がいたからぼっちじゃないだろ!いい加減にしろ!
926名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 03:40:40.43 ID:xSo7KPHt
でも続編が出たことだし
以前みたいな無印本編後のIFストーリーみたいなSSは書きにくいだろうな

俺は全然読みたいけど
927名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 08:18:09.21 ID:AXYQG6qJ
特にやりにくいこともなくね
928名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 08:32:21.64 ID:zIT8+TJw
むしろ二人が一緒にいる+外の世界も復興に向かっている
ことが確定したからやりやすくなった気がするぜ
929名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 12:18:42.31 ID:ZJgqdywb
>>923
1で霧切さんの通信簿を埋めてもパンツを貰えないバグはいつになったら修正されますか?
930名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 14:18:58.34 ID:EtyI7dyt
舞園さんが純白ということは、対になる意味でやはり黒という可能性が濃厚か…?
931名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 14:31:11.25 ID:5Lht4Y/I
>>857のお題に挑戦。
激しくネタバレなので閲覧の際は注意してください。

―――――


Happy ever after.
そして二人は幸せに暮らしましたとさ――。

その言葉が当てはまるのは昔話や童話の世界の話だけで、僕らの世界は例外なく含まれていないのだった。

―――――

水面から体全体が浮くような感覚で目が覚める。

「知らない天井……なわけないか」

そこは見覚えのある天井で、僕の部屋の天井だった。
閉めたブラインドの隙間から覗く空の色は生憎の曇り空。
スリープモードにしていたエアコンの駆動音に混じってポツポツと窓を叩く雨音も聞こえてくる。
――残念、今日は布団でも干そうと思っていたのに。

そのまま視界を天井から右側に向ける。
目の前にあるローテーブルにはプルタブの開いた缶ビールが2本、おつまみのカシューナッツが残ったトレーが置いてあった。

「ん……」

すると僕の左隣でモゾリと動く人の気配。
絹のように艶やかな髪の毛の感触が僕の左腕をなぞった。
空いた右手で優しく髪の一房を掴み、手櫛で梳かす。
傷んだ箇所もなく、手櫛で梳いた髪はフワリと重力に任せて当人の体を撫でた。

「おはよう、響子さん。朝だよ」
「ぅん……」

昨晩、僕の部屋に泊まった職場の同僚・霧切響子さんにニッコリと微笑みモーニングコールを告げる。
その響子さんは瞬きを数度繰り返してから、寝ぼけ眼のまま僕を視界に捉えた。
932名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 14:32:07.87 ID:5Lht4Y/I
「おはよう……くっ……!」

挨拶を返すや否や、米神を軽く抑えて痛みを堪える表情を浮かべる。
どうやらお酒の力の前にはポーカーフェイスを保つことが難しいようだ。

「待ってて、水と頭痛薬を用意するから」
「大丈夫……。そこまで酷くないからお水だけ貰えるかしら?」
「わかった」

枕代わりにしていた左腕をスルリと外してベッドから離れる。
ハーフパンツ一丁というみっともない格好のまま、フローリングの床に脱ぎ捨てられていた部屋着のTシャツを回収しながら冷蔵庫へ。
Tシャツに袖を通しながら食器棚からコップを取り、冷蔵庫にあるミネラルウォーターを注ぐ。

「はい、どうぞ」
「ありがとう、誠君」

コップを手渡したら昨夜のまま放っておいたテーブルの空き缶とおつまみのお片づけ。
何の変哲もない、僕らの日常がそこにあった。


〜 二人の過去の話 〜


「ごめんなさい、いつも非番の方が食事の用意をするって決めていたのに……」
「別にいいよ。あんまりにも気持ちよさそうに眠っていたからね。起こすのも悪い気がしちゃって」

昨日は"名前さえもない小さな事件"に協力してくれた御礼も兼ねて、仕事上がりの響子さんをディナーに誘ったのがきっかけだった。
徐々に絶望の世界から復興しつつある夜景を眺めながら、コースメニューに舌鼓を打ち僕らはワインを空けた。
そして僕のマンションの部屋に誘い、撮り溜めしていたサスペンスドラマを缶ビール片手に視聴していた。
二人掛けのソファーで一緒に腰掛け、スリスリ擦り寄ったりと戯れながら視聴していると途中から響子さんはすごく眠たそうだった。
翌日――つまり今日が響子さんは非番。僕が当直の夜勤ということもあり、ドラマの視聴を早々と切り上げて響子さんを自分のベッドで寝かせた。
ここ最近の激務が祟ったのか、すぐに規則正しい寝息が聞こえてきたので片付けもそのままに僕も就寝したのだった。

真の相棒(パートナー)とは相手を尊重することと得たり。
イチャイチャと恋人同士で"らーぶらーぶ♪"なことをしようにも、響子さんの体調が優れていないのであれば紳士を貫かなければならない。
我慢した分だけ次の逢瀬がより熱く、より激しくなるなんてこれっぽっちも思ってないよ?
――すいません、嘘です。割りと思っています。

片づけの次は朝食の用意。
どちらかの部屋で宿泊する時は必ず非番の方が朝ごはんを作るっていう二人の決まり事があったりするけど、こういうイレギュラーだってあったりする。
深皿にドライフルーツ入りのシリアルを乗せて牛乳を注ぐ。所要時間1分ほど。
スプーンを持てば手っ取り早い朝ごはんの完成だ。
933名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 14:32:55.37 ID:5Lht4Y/I
「あ、響子さんも食べる?」
「えぇ」
「はい、"あ〜ん"」
「……あ、あーん」

一匙分のシリアルをおずおずと開けた彼女の口へと運ぶ。
まだ牛乳でふやけていない固めのシリアルの噛み砕く音を聞きながら尋ねてみる。

「どう、美味しい?」
「……食べ慣れた味なんだけど、不思議といつもより美味しく感じるわ」
「そうなんだ。それじゃ、僕もいただきまーす……」

今度は自分が食べる分を掬い、そのまま口に運ぶ。
シリアルとレーズン、二つの食感を味わいながら胃に流し込む。

「きっと、美味しいと感じたのは誠君の手で食べさせてくれたおかげね」
「そっか……。だったら次の朝食からは用意することに加えて、相手に食べさせるって項目を追加しようか?」
「んっ……。それは魅力的な提案なんでしょうけど、食事の時間だけで何時間と費やしそうね」
「んぐっ、確かに。お互い奉仕されてばっかりって性に合わないから、食べさせっこに発展しそうだね」

そんな会話をしつつスプーンは僕の口と響子さんの口を何度も移動した。
思えば霧切さんとこんな間接キス一つで顔を真っ赤にしていた高校時代の僕は、この光景を見たら卒倒するんじゃないだろうか――。
慣れって恐ろしいんだな、そんなことを思いながらシリアルの皿を空っぽにした。

「ごちそうさま。食器の片づけは私がするから、誠君は夜まで休んでて」
「じゃあ、お願いするね。響子さんはこれからどうするの?」
「私は昨夜中途半端にしたサスペンスの続きを見るわ。ヘッドフォンを借りてもいいかしら?」
「どうぞどうぞ」

ヘッドフォンのプラグをテレビに挿し込み、DVDを起動させた響子さんを眺めながらベッドに潜る。
タオルケットを掛けて目を閉じようとした時、壁に吊るしていたコルクボードに貼っている写真が数枚目に入る。
そういえば、"この"写真で一騒動があったんだっけ。
そんな風に記憶を軽く掘り起こし、どこか響子さんの残り香に包まれるような感じで僕は睡魔に身を委ねたのだった――。

―――――

水面から体全体が浮くような感覚で目が覚めた。

「気分はどうかね……?」
「大丈夫……じゃないかもしれません」
「それはそうかもしれない。何せ失った記憶が一気に甦ったんだ、脳の処理能力は相当な負担だろう」
「少し、時間をいただいてもいいですか?」
「構わない。我々も午後から話の続きを聞こうと思っていたんだ。少し早いが昼休憩としよう」
「ありがとうございます」

大量のコードが繋がったヘルメットが外される。
続いて手首と足首を拘束していたバンドも解除されて自由の身となった。

"超高校級の神経学者"が遺した研究成果を基に、僕らを保護した未来機関は記憶の復元装置を開発していたという。
コロシアイ学園生活によって奪われた希望ヶ峰学園の思い出が再び自分の所に戻ってくるという説明を聞いた時は嬉しさのあまり二つ返事で記憶の復元に同意してしまった。
そして実際に怪しい機械を装着し待つこと数分。
ヘルメットのバイザーから記憶と思しき映像の断片が映される度に僕は悲鳴を上げた。

頭をハンマーで殴られるような衝撃が僕の体を何度も駆け巡った。
それが嫌で何度ももがこうとするけど手首と足首の拘束になす術もなく、失われた記憶は最後まで掘り起こされたのであった。
"ショック療法"なんて言葉があるけど、これは心不全を招きかねないショックレベルだ。
出来ればこのような体験は二度としたくない。
934名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 14:34:37.33 ID:5Lht4Y/I
首に掲げた臨時のIDカードをカードリーダーに挿し、未来機関本部内の通路を行き来して食堂へ。
日替わり定食Aセットを注文し、トレーを抱えてどこに座ろうかと考えていたら見知った後姿を発見した。
叫び過ぎて少し声が嗄れてしまったけど、その人の近くまで寄って名前を呼んでみる。

「霧切さん。隣、いいかな?」
「苗木君……。別に構わないわ」
「ありがとう」

本人の許可が取れたので隣の椅子に座り、トレーをテーブルに置く。
喉を潤すためにコップに注いだお冷を半分くらい飲んでから"いただきます"の挨拶をする。

「そういえば霧切さん、昨日言っていた記憶の復元作業っていうのをさっき体験してきたよ」
「そう……。どうだったの?」
「一言で言うなら……頭がパンクしそうって言えばいいかな。霧切さんはまだなの?」
「えぇ、女子は午後から始める予定よ。……それで、記憶を取り戻しての感想は?」
「何ていうか……うーん、そうだなぁ……」

一度箸を置いて両腕を組み、じっくり考えてみる。
希望ヶ峰学園時代の記憶を取り戻したところで、学んだカリキュラムの一つ一つを細かく思い出せるわけもない。
失った記憶を取り戻したことで眠っていた第三の力が覚醒する――。そんなオカルトじみた話もない。

「なんていうか……僕の中にもう一人の自分がいるって感じかな?」
「苗木君はジキルとハイドみたいなことになっているの? 大丈夫?」
「そうじゃないよ! 僕もその……上手く例えられないけどコロシアイ学園生活を生き延びた今の僕と、希望ヶ峰学園時代の僕の人格が独立しているような感じなんだよ」
「どちらかの記憶が上書きされたってわけじゃなさそうね……」
「うん。それと僕と霧切さんの関係を思い出すと、今とほとんど変わらない探偵と助手って関係だったから安心したよ」
「そう……」

憂いの溜め息を吐くように霧切さんは僕の話に耳を傾けていた。
あまり反応がよくない。何かまずいことを言ったかな、僕――?

「ところで霧切さんの方は午前中、何をしていたの?」
「調べ物よ。父が希望ヶ峰学園のOBに送っていた資料をね」
「えっ、学園長の?」
「私たち七十八期生に関する資料よ。卒業アルバムの編集に役立てるつもりだったんでしょうけど、未来機関のアプローチに一役買っていたなんて予想外ね」
「それってどんなのだった?」
「数枚の写真よ。こういうね」
「これは……!」

そう言って霧切さんはポケットから写真を一枚取り出したのだった。
それは運動会の写真で、最後の学級裁判の時に渡された写真とは異なり16人全員がファインダーに収まっている一枚だった。
僕がファインダーの中心となって収められたソレは、確か最終種目のリレー競走を終えた直後の撮影だと認識できるようになっていた。
桑田君・舞園さん・霧切さん・僕という四人のチームで行ったバトンリレーは大接戦の2位で決着がついたという情報を僕の脳はいつの間にか引き出していた。

そんな中、今のように僕の隣に座る写真の霧切さんをじっくり観察してしまう。
そして思わずこうつぶやいたのだった――。

  やっぱり霧切さんの笑顔はかわいいじゃないか
→ 霧切さんもこんな風に笑うんだ……
  霧切さん、このアングルはすごくエッチだよ
935名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 14:35:20.96 ID:5Lht4Y/I
「霧切さんもこんな風に笑うんだ……」

そりゃあ"はい、チーズ"って言われた時って視線は真正面のレンズに向いてしまう。
だからこそ霧切さんがポーカーフェイスを保つ"超高校級の探偵"ではなく、女の子らしく微笑む姿を映したこの一枚は衝撃だった。

「そう……。苗木君は今の私が無愛想な女だと遠回しに嫌味を言うのね」

しかし、その一言がまずかった。
無意識につぶやいた言葉は霧切さんの不気限度を臨界点にまで達するほどの威力だった。
後の祭り。大和田君風に言えば"後の苛亜煮罵瑠(カーニバル)"である。

「そ、それは誤解だよ霧切さん! 今の霧切さんだって記憶を取り戻せば自然に微笑むことだって「あっち行って」……うぅ」
「今は一人で食べたい気分なの。あっち行って」
「うん……。また今度会ったら一緒に食べようね、霧切さん」

ここは素直に引くべきだと、学園時代の僕の記憶が叫んでいるような気がした。
すごすごと霧切さんから遠く位置する別の席へ移動し、中断していた食事を再開させる。
何とも味気ない食事で、記憶に残らない味だった。


それから数日が経過して霧切さんが学園時代の記憶を取り戻してどうなったかという感想を聞こうにも、無愛想に無視を決め込むばかりで会話らしい会話をしていない。
そんな中、本部の所長から僕らに進路調査票という書類が渡された。
――と言っても、未来機関の配属先の希望調査を意味する書類だ。

「どうしようかなぁ……」

最後の学級裁判で"超高校級の希望"を名乗ることになってもカリスマ性があるわけでもないし、おとなしく組織の歯車の一つとして貢献している姿の方が平凡な僕らしいと思ったりする。
なので、

第一希望:未来機関本部
第二希望:他の5人と同じ配属先
第三希望:霧切さんと同じ配属先

と書いて所長室へ。
ドアをノックして入室すると席を外しているようだった。
机の上にわかりやすいよう、進路調査票を置こうとしたら僕より早く提出している人がいた。

「これは霧切さんの……」

心臓がドクリと跳ねたような気がした。
そして、彼女の進路希望がどう書いているのか気になって心拍数が上昇する。

「霧切さん、ごめん……!」

彼女が彼氏の携帯メールを見て浮気をしていないかというチェックをするような、どこか背徳めいた気もするが知りたいという誘惑に抗えなかった。
そして僕は彼女の進路希望を見てしまった。

第一希望:未来機関第十四支部
第二希望:なし
第三希望:なし
936名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 14:35:51.01 ID:5Lht4Y/I
足元がグニャリと飴細工のように溶けるような錯覚に襲われた。
自分の心がポキリと折れるような感覚を味わった。

"あなたみたいな人と一緒なら、私はむしろ楽しみよ……"

このままでは、あの玄関ホールで聞いた霧切さんの宣言が早くも淘汰されようとしている。

でも何だって霧切さんは第十四支部を配属先に希望したのだろう?
確かそこは来月新しく開設する支部だという情報は記憶していたけど――。
それは周りの、僕以外の誰かに相談したから? 一人で考え抜いて導いた結論なの?

あんなに一緒だったのに、どうして――?
僕一人では疑問ばかりが浮かんでしまう。
聞かなければ、知らなければ、彼女の真意を――!

自分の進路調査票を提出することをすっかり忘れて、僕は無我夢中で霧切さんの宛がわれた私室へ走っていった。


続く

―――――

前編終了。後編の「二人の未来の話」に続く。
今スレの集大成にするつもりなので、次スレに以降する前に後編を投下して〆に入りたいです。

あ、ちなみに自分は>>860とは別の人なので、そちらの投下も皆さん期待しましょう。
937名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 15:57:32.47 ID:iSptFqzx

これ見て改めて思ったんだけど、普段クールな話し方するのにあっち行ってとか言うのがかわいい
本編で言ったのって4章の時だっけ?
938名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 16:34:28.20 ID:ytR4zpqH
四章の霧切さんはプンスカプンだからな
939名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 17:23:25.98 ID:EtyI7dyt
>>936
GJ!
前半のイチャイチャパート御馳走様です
後編にも期待

そして>>860も待ってるぜ
940名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 19:58:43.10 ID:zIT8+TJw
>>936
GJ!
食べさせっこも見てみたいです、ハイ
941名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 20:16:24.26 ID:VMAhoUrb
2章の学級裁判で男性と女性で大和田が呼称が変えると見ぬいた時のニヤニヤする顔がかわいい
942名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 21:34:11.01 ID:hx5hD+nZ
>>936
おっつー
続き待ってるぜ

>>930
上の方で出てた霧切さんが七海ちゃんのモデル説を採用するなら、暖色系のかわいいパンツという可能性もあるぜ
943名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 21:57:12.08 ID:dVlVoaSu
以前あった七海が二人の子供設定も使えそうだな
944名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 22:25:25.76 ID:EtyI7dyt
>>942
うむ…1の霧切さんのあの格好いいファッションに可愛い系のパンツというのも、
ギャップがあってなかなか味わいな…

だがスーツギリさんは黒
これは譲れない
945名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 22:53:01.87 ID:8hHM7xli
霧切さんは大人っぽい格好大人っぽい嗜好だけどかなり子供っぽい所があるからな…
946名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 22:57:24.00 ID:Llq8YGfy
黒スーツキリギリさんは非常に大人っぽかった
947名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 23:17:21.87 ID:ZJgqdywb
輝かしい未来のために、ここは霧切さんに紐パンをだな…

なんとなく、2キャラの中では真昼ちゃんが一番霧切さんと気があいそうな気がする
948名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 23:55:19.85 ID:zIT8+TJw
つまり纏めるとあのタイトスカートの下は黒の紐パン、と…希望が溢れてくるな
949名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 04:18:38.26 ID:5sfPV+5S
裁判の時は(キリギリッってな口調で話すけど
苗木君に対してだけは、結構初期から割と砕けた口調になるのがかわいい
950名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 08:29:22.73 ID:Qcdc+Nrj
>>943
スレを読み返していて>>238が七海の「ごちそうさま」を予見していたことに気付いた
これは超高校級の占い師の仕業に違いないべ!
951名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 12:28:52.94 ID:D5AjDWM+
>>949
そう考えると以前あった二人きりの時だけは「苗木君」「霧切さん」が
「誠君」「響子さん」に変わるという説も信憑性を帯びてくるな
952名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 15:15:06.19 ID:JaqJ95w+
二人きりの時はウサミ口調になる霧切さんが見えてしまった
953名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 15:46:41.59 ID:1h60T5WM
>>952
苗木「今日は動くこけしを使ってみようか…」
霧切「外道でちゅーまさに外道でちゅー」
954名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 15:54:50.93 ID:NSAmM25x
>>947
性格的にはその二人似通ってるとこあんだよな
高圧的かつ世話焼きなとことか
955名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 16:05:13.45 ID:hMmJ/yeh
ツンデレなとことか、色恋沙汰にはめっぽう弱そうなとことかなw
956名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 17:21:48.94 ID:JdPLtHPb
赤ちゃんプレイならぬウサミプレイか…
957名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 17:29:20.16 ID:RN7xopyp
2をクリアしたから久々にきたがやっぱり霧切さんは凛々しいな
958名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 17:34:38.21 ID:5sfPV+5S
そりゃ主人公だから
959名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 18:01:29.96 ID:Afb+8qBt
終盤助けに来る辺りがどう見ても主人公だったしなぁ
そのあとモノクマに喧嘩売ってるときも横で苗木君はガクブルしてるし
960名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 18:02:45.27 ID:hMmJ/yeh
だから霧切さん主人公で苗木きゅんがヒロインって言ってるだろ!!
961名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 18:05:28.16 ID:c1KtTO31
2のヒロインの七海のやったことって1の苗木くんのやったことと同じだしな
962名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 18:07:37.65 ID:RN7xopyp
霧切さんヒロインと考えると
・舞台の学園のトップの子供
・ラスボスはそのカタキ
・記憶を失っている
・探偵という渋い職業
・実家は代々続いてきた名家

中々の厨二力だ
963名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 18:28:04.84 ID:3Phu88pn
>>962その意見俺も賛成だ
その設定を読めば読むほど霧切さんが主役という前提が成り立っていくな。
964名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 19:59:28.46 ID:Qcdc+Nrj
>>955
どちらも掌にちょうど収まるくらいの美乳だというのも忘れるな
※断じて貧乳ではありません
965名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 20:55:01.79 ID:D5AjDWM+
まあ実際、1でもっぱら黒幕との戦いを主導していたのは霧切さんだったよな
苗木君はどっちかというと要所でそれを助ける役回り
966名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 21:17:19.38 ID:Y+XKKgYg
苗木君だけだとある意味理想論で終わりかねない
霧切さんだけだと人を惹きつけられるか分からない
あの二人はアレで完成なんだよ。きっと
967名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 21:24:27.68 ID:Yp4mFeHt
苗木君は霧切さんの良き相棒であり、愛棒であり……。

ふと思ったんだけど、復興している世界を舞台に
探偵霧切さんと助手苗木君が主人公のスピンオフミステリーゲーム出して欲しいな。
968名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 21:44:32.95 ID:FE+DOXGE
ナエギリの荒廃世界ハードボイルドアドベンチャーはちょっと考えたことある
969名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 21:56:25.98 ID:D5AjDWM+
>>967
いいね
過去スレでも妄想ネタがあったけど、本当に出たら10本買うわ

個人的には未来機関所属でスパイアクション風なんてのも見てみたい
970名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 22:34:11.46 ID:FE+DOXGE

「監視役アバター……?」

「ええ。こちらで作って欲しいそうよ」


未来機関、その第14支部。

 今日も今日とて世界の復興のための業務に追われる僕らのもとに舞い込んで来た新しい指令は、
製作中の新世界プログラム――またの名を、絶望更正プログラム――における被験者たちの生活に
こちら側の監視役として潜り込ませるための人格プログラムの作成だった。
 なんでも、目指す先が「善き人間関係」なんてものである以上、外からだけでなく内側からも
「生徒」たちの行動を誘導しサポート出来る存在がいれば非常にで有効あろうことが見込まれるのだとか。


「理解は出来るけど……人格プログラムなんてそうそう簡単に組めるものじゃないでしょ。なんで僕らに」

「必要なのは『設定』よ。貴方はおおまかにそのアバターに与えたい設定を考えるだけ。
 向こうでその通りにプログラミングしてもらって、最後にもう一度貴方がそれを監修すればいいの」

 
 あの『コロシアイ学園生活』を経験した僕らの視点からこそ、見知らぬ人との共同生活においての「こんな人いたらなぁ」という
理想的人間像が生み出される………らしい。


「最近、優遇されてんだか冷遇されてんだかわかんなくなってきたよ……妙な仕事ばっかりで」

「気負わなくていいわよ。貴方は、貴方が思う理想の人間像を箇条書きにすればいいだけ。中学生でもやれそうじゃない」

「まぁ、そうかな……ところで霧切さん」

「何?」

「さっきから貴方が貴方がって言ってるけど、まさか僕に全部やらせる気じゃないよね?」

「苗木君、最近身長伸びたんじゃないかしら」

「えっ!?」

「丁度ここにメジャーがあるわ。背筋を伸ばして………うん、0.2cm伸びてるわね」

「ほ、ホント!?うわぁ、やっぱりそんな気がしてたんだよ!」

「男は25の誕生日の朝飯前まで伸びると言われるし、この調子で私も追い越しちゃうんじゃないかしら」

「そ、そうなっちゃうかもね………アハハ……」

「それじゃ、この件はお願いするわね」バタン

「あ、うん、じゃあね。……あれっ」
971名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 22:35:30.85 ID:FE+DOXGE
まんまとしてやられた。あの巧みな交渉術も、元超高校級の探偵のスキルのなせる技だ。メジャーまで用意してあったし。
……でも背が伸びたのは事実みたいだし、そこは素直に喜んでいいと思う。そういえば最近髪切ってないな。



――それにしても。


(理想の人間像、ねえ……)

 そんなことを考えていると勝手に追求先が「理想の異性像」に変わってしまっていくのは、多分大半の人間が
そうなんじゃないかと思う。「自分がこうなりたい」という、所謂「理想の自分像」であれば必然同性にもなろうが、
「こういう人にいてほしい」なんてテーマで考えると、つい生物の本能は異性へ思考を傾ける。

(………何考えてんだ、僕は)

 そして、その像がさっき僕に面倒ごとを丸投げして帰っていった彼女に近づいていってしまうのは、所謂色ボケというやつなんだろう。
希望ヶ峰学園から脱出して以降、未来機関に入ってからも行動を供にし、良きパートナーとして以上の想いを自分が彼女に抱いていることに
気づくのに、時間はそうかからなかった。で、そこから、まぁ、なんやかんやあって、正式に恋仲みたいになるんだけど、そこは割愛。
 
(綺麗な銀髪に、長髪。いざって時に引っ張ってくれる強さもあって、それでいて根っこは優しい……)

 ……なんか、書いてて自分がとんでもなくこっ恥ずかしいことをしてるんじゃないかってことに気づいた。なにを理想の人間像聞かれて
自分の彼女の特徴書き連ねてんだ。新婚か。このままだと間違いなく他人に見せられないものが出来上がる。ちょっとやり直そう。
そうだ。今聞かれてるのは『理想』。僕だって霧切さんに対して一切不満を抱いたことがないわけじゃない。現にさっきだって逃げられたし。
やってやろうじゃないか。とことん理想を追求してやる。多少でも感じたことのある不満を全部「この子」に解消させてしまえ。

(性格は、おしとやかで素直。理不尽に虐げてきたりしない。助けてはくれるけど、引っ張るというより横から寄り添って支えてくれる感じ)

(頑張れる子だけど、神経張ってばっかじゃなくて気を抜いていいときはちゃんと気を抜いてくれる。自然なふんわりとした笑顔がステキ)

(外見は……髪色くらいは残していいか。でも長髪だとなんかあからさまだし、短く……あと身長は160。僕より小さい。0.2cm小さい。で……)

 手が止まる。外見のうち、首から下についての項目。要はプロポーションである。

(ていうか外見と内面の大枠二つでいいよ。なんでスリーサイズ書く用の欄があるんだよ。完全に欲望を叩きつけろって言ってるでしょ)

 ――別に、体型について霧切さんに不満を持ったことはない。その段階まで進んでいないというのもあるが、実際彼女は普通に
スタイルがいい部類に入ると思う。朝比奈さんとか、舞園さんとか、ほかに目立つ子がいたのは事実だけど。

(……いや、ここは欲望を出していい場面だ。むしろ出すべき場面だ。そのための欄だろうここは。これが僕の希望だァーーーっ!)


 数日後、霧切さんがなんとなく白い目で僕を見るようになった。
うん。そうだよね。そりゃ目通すよね。というかこういうの一人の人間に一任すること自体おかしいと思うんだ実際。


超高校級の希望、苗木誠の内の男としての希望は、かくして白日の下にさらけ出されることになっちゃったのである。
972名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 22:38:23.70 ID:FE+DOXGE
苗木君が自分の理想を作っちゃったんじゃねって話は出てたけどあえて文章化はされてなかったから書いた
お父さんとか言ってるし産みの親と呼んで差し支えないぐらいには製作に関わってるとは思うんだよね
973名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 22:58:19.25 ID:Gf1zoGvx
>>972
あれってお父さん=不二咲
お兄ちゃん=アルターエゴ不二咲なんじゃねーの?
974名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 23:02:58.80 ID:FE+DOXGE
マジかー
思い込みって怖い
975名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 23:12:23.70 ID:Qcdc+Nrj
いやGJだ!
霧切さんとの疑似母娘会話も見てみたいな

ところで次スレは>>980でよろしいか
976名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 23:48:58.32 ID:D5AjDWM+
乙!
面白かったよ
超高校級の夫婦喧嘩の予兆が見える気がするけどきっと気のせいだ
977名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 23:56:16.99 ID:IflmwqAL
七海ちゃんに推理ゲーを仕込んだのはやはり霧切さんなのだろうか
978名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 06:21:40.81 ID:kdNBu0Kb
次スレのタイトルはどうするの?
979名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 06:23:09.61 ID:voWPyl78
霧切さんはぼっちかわいい
980名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 08:24:52.82 ID:/zU/sCKS
んじゃちょっと立ててくるわ
981名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 08:27:06.08 ID:/zU/sCKS
立てた
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1344468363/

10スレ目記念ってことで、昔のスレタイに戻してみた
982名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 09:28:36.71 ID:oDzDLrFN
>>981
乙!
とうとう10スレ目か
983放課後:2012/08/09(木) 11:56:27.79 ID:rXSwuOlz
>>710の続き 完結。
需要がなさそうだが10スレ目突入&2攻略記念ようやくクリアしました。

チャイムの音が鳴り響いた。同時に僕と彼女は駆けだした。廊下を、階段を、昇降口を、正門を。ひたすらに、一目散に。
ただただ必死に、寮までの帰路を全速力で。

別に命の危機があるわけじゃあない。ただ煩わしいだけ、僕等を阻むもの全てが。
学校の敷地を抜け出すと同時に僕らは手を繋ぐ。周囲を見渡す余裕はなかったが、チラリと一瞥したところ学校から出てきたのはまだ僕らだけ。

こんな時まで律儀に自らに課したルールを守る彼女。それは僕も同じだけど……曰く『報酬効果』というやつらしい。
学校で人目につかないように我慢することで、その後の見返りが大きくなるんだとか……いつもならそうなんだけど。
今日は既に危ない橋を何度も渡った。そもそも最初に求めてきたのは彼女のほうなのに。

今更我慢する必要なんて、と思いつつも、先ほどの失敗を思い返した。



六限目の途中で保健室に入室、体調不良を装って愛しい彼女の容態を確かめに行った。
勿論彼女も別段どこが悪いわけではなく、著しく体力を消耗したので休憩していただけだった。
だけど、僕を不安にさせた罰として、悪戯してたら我慢ができずに危うく校内で……。

もう、本当に限界というタイミングで邪魔ばかり入る。こうなってしまうと僕の才能が本当に幸運なのか怪しくなる。
もっとも、理解のある先生でよかった。多少お小言はもらったけれど、要は『場所を弁えろ』ということだった。
確かにアレはどうやっても言い逃れできる状況じゃなかった。そもそもバレちゃダメなのに……。まぁそこも理解のある人で良かった。


横槍が入ったことで確かに僕等の熱は冷めたが、消えてしまったわけじゃない。
彼女が体操着から制服に着替えて、保健室を後にしてすぐに僕は彼女を抱きしめた――まだ授業中なんだから見つかるリスクは低いだろう。
それに今日一日中、ずっと薪をくべられ続けた僕の炎は、より一層燃え上がってしまった。
押さえが効くハズない。

だけど彼女の方はまだ幾分か冷静なようで、僕が制服の上から感じる柔らかさに理性の糸が擦り切れそうになっているのを知りながら、頬にキスして素早く身を離した。

瞳が『我慢しなさい』と訴えている。同時に僕の手が痛いほど強く握られた。やっぱり彼女も我慢しているんだと思うと、誘惑に負けそうになる。
だから僕も我慢するために、僕がされたのとは反対の頬にキスした。


早く帰りたい。一刻も早く帰って、彼女を精一杯愛したい。彼女に愛されたい。そんな考え事で頭が一杯だった。


だからついウッカリ、何気なく教室の扉を開いた。
もう後数分で授業が終わるとはいえ、授業中にふいに扉が開けば注目が集まる。このクラスの住人なので僕だけならすぐに収まるだろう。
ただ――――僕と彼女が同時に教室に戻ってきたら?

984放課後:2012/08/09(木) 11:58:20.24 ID:rXSwuOlz

何人かは普段通りに僕等の体調を気遣ってくれていた。何人かはそもそも興味がないのかこちらを一瞥しただけで興味を失っているか、そもそも寝ている。
そして目敏い何人かは僕等を見て露骨にニヤニヤしている。

しまった――。後悔してももう遅い。生暖かい視線を背に浴びながら僕等は席に着いた。
僕等は一番後ろの席だから、まるで見世物になったかのように好奇の視線にさらされた。
恥ずかしさと、ばれてしまった事に対する後ろめたさのようなものと、胸のつっかえが下りたような安堵感を覚えた。

それでも居心地はとても悪く。彼等は席に着いた後もチラチラとこちらを振り返ってくる。

その無遠慮な視線の間隙を縫って僕等は目配せし、終業の鐘の音と共に教室を飛び出した。



これで疑惑は確定しただろう。こんなあからさまに逃げ出せば、それはもう認めたも同然。そもそも言い逃れできるチャンスを放棄したんだから。
事実なのだから、言い逃れするのもおかしな話だが……。


こうして僕等は手を繋ぎながら彼女の部屋の前まで来た。
幸いまだ知り合いには遭遇していない。周囲に人がいないのを確認してから玄関の前で絡まるように抱き合ってキスをする。
ここまで走ってきたせいもあり、汗にまみれて息も切れ切れ、そして心臓がうるさいくらいバクバクとしている。

それでも僕等は唇を離さない、離せない。頭が酸欠でクラクラするも、息を吸う度にキスをして、息を吐く度にキスをする。
さすがに舌を入れるのは無理だった。
そしてキスしたまま彼女から鍵を受け取り、転がるように中に駆け込んだ。すぐに後ろ手で鍵を施錠し鞄を玄関に下ろした。

部屋の真ん中まで抱き合ってキスをしながら移動した。
一旦口を離して、僕は先に汗を流すことを提案してみた。彼女の汗は気にならないけど、僕の汗が不快な思いを与えてはいけない。
けれど、というより当然のように僕の口は塞がれてしまい。

僕の額を舐めた後に、耳元で『どうせ汗をかくんだからシャワーは後で』なんて囁いてきた。
僕も負けじと、こめかみから首筋へと垂れる雫を舐め取りながら『わかってるよ』と返した。

「生意気ね」
と一言呟いたと思ったら。

強く突き倒され、ベッドの上に仰向けに押し倒された。マウントを取られた。
仰向けに倒れた僕に馬乗りになった彼女。当然スカートの中は僕に筒抜けで。僕の目はそこに釘付けだ。
僕の目線に気づいて、今日見た中で一番妖艶な笑みを浮かべた。
そのままスカートのファスナーをおろし、いつでも脱げる状態にしながら、そのスカートのたわみで僕の視線を防いだ。

あっ、と思ったときにはもう僕の口は彼女の口で塞がれていた。
至近距離で彼女の瞳が『どこをみてたの?』なんて問いかけるように僕の目を捉える。
艶っぽい笑顔で、頬は上気し、両手で僕の顔を挟んで、目を逸らすことは許されない。

それでも僕が気恥ずかしさから少し目を逸らすと、口内に蛇のように彼女の舌が入り込んできた。
985放課後:2012/08/09(木) 12:00:49.98 ID:rXSwuOlz

ドアを開けてもらうためにノックするように僕の前歯を彼女の舌先がつつく。僕はまだ閉じたままだ。
続いて歯茎を舐められた。舌で何度もなぞられる。それでも僕は閉じたままだ。我慢するのが辛い。

焦れた彼女は一度舌を抜き、僕の上唇を噛んだ。
痛みで思わず開いた口。その隙を逃すようなことはしなかった。

僕も観念して彼女に蹂躙されている。歯の裏に始まり、舌の裏、頬の内側、勿論僕の舌全体を思うままに攻められる。
時折舌を収めては僕の唾液を掬って行く。そして代わりに彼女の唾液で口内を満たされる。


僕も反撃を始める。彼女と同様に舌を這わせ、絡ませて遡上させる。僕が下にいるから唾液を貪るのは簡単だが、逆に送り出すのが難しい。
それでも必死に送り込む。僕だけ貰いっぱなしじゃ悪いしね。

もう、ずっと瞬きしていない。ドライアイじゃないけれど流石に目が乾く。自然と涙が滲んできたが、これは感極まって嬉し涙が出ているに違いない。
目が潤ったことで、視界がクリアになる。僕と同じく彼女の目も潤んでいて、垂れて落ちる前に舐め取ってあげた。

カッと彼女の目が開かれた。すぐさま強く抱きしめられ、僕も強く抱きしめた。
僕等が密着すには邪魔なものが多すぎる。
どうすればいいか――――結論はすぐに出た。

少し顔を離して僕は彼女のタイを解き、彼女は僕のネクタイを解いた。
僕が身体を少し起こすと、すぐにジャケットを剥ぎ取られた。そして互いの手を交差させながら、互いのシャツのボタンを一つずつ外し始めた。
目の目には僕の選んだブラ。すぐに首筋から鎖骨、胸元へと舌を這わせる。同時に、彼女は僕の額に口付けしながら僕のインナーを脱がしにかかる。

とても愉しい脱がせあいっこ。僕がさっきとは逆に胸から鎖骨、首筋、顎そして唇へと舌を這わせるせいで僕のインナーを脱がせられない。
くすぐったそうに笑いながら、軽く胸を押された。
その些細な抗議で、自分で手早く脱ぎ捨てて、今度は首元を甘噛みする。
響子は僕のモノ。その印付け。勿論僕の首にも同様のそれが出来ている。

すっかりキスマークで首元を飾ったら、いよいよだ。

今までとは逆に僕が彼女を優しく横たえる――勿論唇は離さない。
僕等を隔てるものは何も存在してはいけない。そんな気持ちになって邪魔なものは全て剥ぎ取った。


僕を見上げる彼女の潤んだ瞳、僕の首に回される彼女の手。
「……約束どおり私を食べて」

これにて完
クリアして思ったけど、やっぱり苗木君と霧切さんは最高だね。
記憶が戻っても苗字呼びなのは少し残念だったが、これからのことは逆にいくらでも妄想できるもんね。
パンツルックサイコー
986名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 12:25:41.03 ID:oDzDLrFN
完結乙!
需要ないなんてこたぁない、いいギリギリエロスだったぜ
987名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 14:07:15.88 ID:0VXh+I41
GJ
さあ続きをエロパロ板に(ry
988名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 14:48:25.92 ID:pFy2PJeI
GJ!!

>>987
あれおかしいな俺書き込んだっけ?
989名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 15:23:46.40 ID:wDOK12/u
>>931-936続き
例によって激しくネタバレなので閲覧の際は注意してください。
※前回の誤字訂正
不気限度 → 不機嫌度



―――――

「…………ハッ!?」

嫌な夢を見た。
やけに現実的で、それでいて絶望的な顛末で。
深呼吸を繰り返して冷静になろうとしていた矢先のことだった。

「……誠君?」

僕の頭の上からいきなり問いかける声が聞こえてビックリする。
それと同時に湧き上がる安堵感。

「霧切さん……」
「……今はまだプライベートの時間でしょう?」
「そうだったね、ごめん……"響子さん"」
「……よろしい。ところでうなされていたわよ、大丈夫?」
「うん、なんとか」
「本当に?」
「……実を言うともう少し、このまま抱きしめてほしいってのが本音かな。でも、この時間だとご飯の支度をしなきゃ……」
「その心配はしなくていいわ、晩御飯の冷やし中華は既に作っていて冷蔵庫の中よ。だから誠君……」

響子さんの両腕が僕の頭を包み込み、彼女の胸元に引き寄せられる。
Tシャツ越しに感じる彼女の体温と乳房の感触、そして規則正しいリズムを刻む心音。

「今のうちに蟠りはすべて吐き出しなさい。今日の仕事に響かせては駄目よ」
「ありがとう……。そうするよ」

そうして僕は歯を食いしばり、堪えていた嗚咽を存分に吐き出した。
この温もりを二度と味わうことがなかったという夢の中の出来事は、これでまっさらな状態にしてほしかった。
990名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 15:24:56.44 ID:wDOK12/u
一通り泣き止んで落ち着いた僕の代わりに響子さんが夕食の準備をする。
――といっても、冷蔵庫からラップに包まれた冷やし中華を取り出し、コップに麦茶を注ぐだけ。
今朝の朝食の待ち時間と引けをとらないくらい早かった。

「さ、食べましょう」
「うん。いただきます」
「はい、召し上がれ。……それで、誠君はどんな夢を見ていたのかしら?」
「うん……。記憶を取り戻した頃の夢を見ていてさ、ちょうど僕らがどこの場所で働きたいか希望調査を出そうとしている時の夢を見たんだ」
「……続けて」
「その前にも運動会の写真を見てお互いギクシャクしていたこともあったじゃん。偶然、僕が響子さんの希望の配属先を見てしまって慌てて響子さんの部屋を訪ねたんだ」 
「そういえばそんなこともあったわね……」
「でも……夢の中で響子さんは既に部屋を出て行って、どこにもいなかったんだ」

胡蝶の夢のように"もしも響子さんがあの時、部屋にいなかったら――"という内容をまざまざと僕に見せ付けた内容だった。
夢を見るきっかけになったかもしれない、壁に吊るしているコルクボードに目を向ける。
そこに貼られている七十八期生が全員写った運動会の写真。
失われた過去の記憶と、どう向き合えばいいかという発端になった写真。
夢の中で味わった苦味はタレや野菜の酸味で誤魔化せるわけもなく、小さく舌打ちしてしまう。

「美味しくなかった……?」
「いやいや、そんな筈ないよ。美味しかったさ、ごちそうさま」

皿とコップをキッチンのシンクまで下げたら洗面台に行き歯磨きをする。
次に髭剃り。シェービングジェルを顎の周りに付けて、桃の産毛のように短く生える顎鬚を剃る。

顔をすすぎ終わったら着替えのためにクローゼットの前に立つ。
部屋着のTシャツを脱いだら速乾性の高いドライシャツを下着にしてワイシャツを羽織りボタンを締める。
次いで靴下を履いたらハーフパンツから黒のスラックスへ。
ワイシャツの裾をスラックス内に収めてベルトを締めたら黒のネクタイを片手に姿見へ。
仕上げのネクタイを締めて、上着の黒スーツを羽織って腕時計を装着する。
スラックスのポケットにハンカチを入れて、テーブルの足に寄り掛からせていたビジネス鞄を左手に持ったら出勤準備完了。

「それじゃ、いって「待って、誠君」……?」
「ネクタイが曲がっているわ。すぐ直すからじっとしていて」
「うん。ありがと」

響子さんからすれば僕のネクタイの締め方は甘かったらしい。
高校の制服からネクタイを締める習慣はあったけど、息苦しいのが嫌で緩めに締めていた傾向にあるのが原因だ。
苦しすぎず、緩すぎずという絶妙な加減はまだまだ響子さんに頼りっぱなしだったりする。

「どう、苦しくない?」
「ちょうどいいよ、いつもありがとう」
「ネクタイの件もあるけど、夢見の方は大丈夫? あなた、引きずりやすい性格でしょう?」
「あぁ、そっちのか……。大丈夫だよ、もう夢として割り切っているから」
「"困った時はすぐに相談する"ってあなたから提案した筈でしょう? 見え透いたブラフなんて出したらすぐに問い詰めてあげるから覚悟して」
「うん、気をつけるよ」
991名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 15:25:30.68 ID:wDOK12/u
空いた右手を響子さんの左頬に添える。
日向君くらい身長があれば軽く顎を持ち上げるなんてお洒落なことが出来るけど、目線が共に同じ僕らでは出来ない芸当だ。
響子さんの目が閉じたことを確認してから唇と左頬にバードキス。
俗に言う"いってきますのキス"だ。

「それじゃ、いってきます」
「いってらっしゃい、誠君」

オートロックの扉が閉まるまで手を振る響子さんを見届けて出勤する。
夜とは言え残暑は厳しく、まだまだ蒸し暑い。
さっそく締めてもらったネクタイを緩めたいところだが、上着を脱ぐだけに留めておいた。


〜 二人の未来の話 〜


「お願い、霧切さん! 開けて!」

そう叫びながら霧切さんの私室のドアを何度もノックする。
周りの迷惑などお構いなしと言ったくらいに。
それでも反応がなく、ドアノブに手を掛けようとした矢先のことだった。

「……そんなに騒がなくても聞こえているわ」
「霧切さん……」

不機嫌を隠さない声でドアチェーン越しに僕を睨み付けてくる。

「ごめん……どうしても話したいことがあるからここに来たんだ」
「そう、私からは話すことがないわ。出て「せめて、話だけでも聞いてほしいんだ」……そう。聞くだけ聞いてあげるわ」
「ありがとう」

一度ドアが閉められるも、チェーンロックを外して一人分のスペースがあるくらいまでドアが開く。
その隙間に滑り込むように霧切さんの部屋に入室することが出来た。
第一関門、突破といったところか。

「それで、話って何かしら? 手短にお願いするわ」 
「霧切さんが何であの配属先を希望したのか、教えてほしいんだ」
「……見たの?」
「……偶然ね」
「そう……別に他意はないわ。単純に自分がどこまで出来るかどうか試したかっただけよ」
「そうなんだ……」

でも何かが引っかかる。
もっと別の理由がある気がしてならない――。
僕の第六感はそう訴えて、もっと霧切さんから事情を聞こうとした。
992名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 15:26:20.19 ID:wDOK12/u
「もう一つ聞きたいんだけど、霧切さんは学園時代の記憶を取り戻してどうだった……?」
「父と思っていた以上に会話をしていたってことを思い出したわ」
「学園長と?」
「"希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件"の件で調査の依頼を請けていたことがあったの」

これは初耳だ。

「だったらその当時、どうして僕を助手で雇わなかったの?」
「単純な捜索依頼じゃなくなってきたからよ。調査を進める内に"希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件"に繋がっている可能性が高くなったから」
「僕じゃ足手まといだった、ってこと……?」
「そうじゃないわ。あなたまで危険な目に晒される必要はないと判断したからよ」
「そうなんだ……。ごめん、早とちりして」
「その件で私も父との話を思い出したのよ。"探偵として囚われる必要はない"って言われたことを」

誰よりも才能にこだわっていたであろう学園長が、そんな言葉を言うだけでも驚きだ。

「なし崩し的に父の意向に沿った形になったけど、自分の力がどこまで通用するか試したい理由の一つよ」
「だから霧切さんは本部への配属を書かなかったんだ……。だったら、最後の質問をするよ」

一度、深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
今までとは異なる内容のアプローチだからだ。


「どうして最近、僕を避けるの……?」
「…………さぁ、気のせいじゃないかしら?」

妙に長い回答までの間。
ポーカーフェイスどころか能面のように無感情だ。
それが逆に肯定を意味しているような気がしてならない。

「実はさ、僕も記憶を取り戻したのはいいんだけど、知っているようでいて知らないことが多々あったんじゃないかと思ってたんだ」

食堂で見せてもらった写真のように、あの時に微笑んでいた霧切さんのように。

「寝る前に今までどんなことがあったかを少しずつ思い出してノートに書いたりしていたんだ。"記憶ノート"って言うのかな?」
「そのことで私が苗木君を避けていることと関連しているのかしら……?」
「話は最後まで聞いてよ。そしたら霧切さんと一緒に探偵のお仕事をしていたことを次々と思い出したよ」 

家出人の捜索で温泉街に宿泊したり、ずぶ濡れの中だろうと傘なんて差さず捜査したり。
他にもたくさん霧切さんと一緒にいた記憶が蘇ってはノートに書いていた。

「そんな中、ふと思ってしまったんだ。霧切さんはどちらの僕を望んでいるのかって……。助手だった頃の僕か、今の僕なのか」
「苗木君は苗木君よ。今も過去も変わりないわ」
「最初はそう思っていた。でも漠然と肯定するだけじゃあ結論を先送りにしているようでならなかったんだ」

ホントはピーターパンのように子供のままでいるような、このままでもいいんじゃないかと思ったこともある。


「でも気づいちゃったんだ、僕。霧切さんのことが大好きなんだって」

君と一緒に"未来"を紡いでいきたいって思ったんだ――。
独白するように僕の本心をつぶやいたのだった。
993名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 15:27:41.42 ID:wDOK12/u

「だからこのまま擦れ違いのまま離れ離れになるって知った時、無我夢中で霧切さんのところへ走っていた。でも最後にこうしてきちんと言えたから満足だよ。ありがとう、僕の話を最後まで聞いてくれて」

これから別々の部署で仕事をしていくことになるけど、進む未来が一緒なら僕は構わない。
満足げな僕とは対照的に霧切さんは俯いたままの姿勢だった。


「……嫌よ」

このまま部屋を去ろうとした僕を引き止めるように、霧切さんのつぶやきが聞こえた。

「えっ?」
「……嫌なのよ、それが。そんな苗木君が」
「霧切さん……?」
「あなたは、いつだってそう。……私が拒む拒まないにかかわらずズケズケと勝手に心の中に入ってきて……」

顔を伏せながら僕の胸を霧切さんの握り拳が何度も叩く。

「……そして、いつも」

ゆっくりと顔を上げると――。

「……いつも私を……あたたかく包み込んでしまう」

彼女の瞳から一筋の涙が零れた。

「苗木君のクセに生意気ね」

どこか嬉しそうな声音を含ませて僕に告げるのだった。
間髪置かず僕に抱きついてくるので、思わず僕も抱きとめるのであった。
そして気づけば僕も涙を零すのであった。
これが嬉し涙だと気づくまで一分以上かかった気がする。

「今はこれまで通りでいいからさ……一歩ずつ、新しい関係を築いていこうよ」
「えぇ……そうしましょう」

一通り泣いて、お互いの涙を指で拭う。


「やっぱり僕はこのまま離れ離れになりたくない。霧切さんと一緒にいたいんだ」

そういってテーブルの上に進路調査票を取り出し、第一希望の欄に書いていた"未来機関本部"という文字の上に横線を二本入れる。
そして霧切さんと同じ希望先を横に書く。

第一希望:未来機関第十四支部
第二希望:他の5人と同じ配属先
第三希望:霧切さんと同じ配属先

「……よくこんな恥ずかしい内容を平気な顔で提出しようとするなんて。さすが苗木君ね」
「えっ、えっ?」

隣で見ていた霧切さんが横槍を入れてくる。
あれ? 書き方が抽象的だったのかな、もっと具体的にすればいいってことかな?
僕はさらに注釈を加えたのだった。
994名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 15:28:15.34 ID:wDOK12/u
第一希望:未来機関第十四支部(※霧切さんがいるという条件で)
第二希望:他の5人と同じ配属先
第三希望:霧切さんと同じ配属先

「あなた、わざとやっているでしょう?」
「そんな筈ないじゃん! 僕のやっていること、おかしいの?」
「組織の上の人が目を通す書類なのよ? そんな子供っぽい動機をわざわざ書く必要はないでしょう? 私が言っているのは第三希望の欄よ!」
「えっ、そうなの? だったら最初からそう言ってよ!」

でも、すぐに僕ら二人は自然と笑みを零してしまうのだった。

最初の二人の決まり事は"悩んだら些細なことでもすぐに相談すること"。
これが、後にたくさんの決まり事を生むなんて僕らは予想できただろうか――。
強制もなければ破ったことでオシオキをされるわけでもない、だけど僕らはこの決まり事を最優先にして今に至るのだった。


Happy ever after.
そして二人は幸せに暮らしましたとさ――。

その言葉が当てはまるのは昔話や童話の世界の話だけで、僕らの世界は例外なく含まれていないのだった。
だからこそ僕達は与えられた恒久的な平和を好まず、自分たちで未来を切り開く道を選んだのだった――。


〜 La Vita Nuova 〜 A New Life

995名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 15:29:12.02 ID:wDOK12/u
―――――

「ふわぁ〜あ、眠ぃ……」

約12時間の当直勤務。
眠気覚ましのコーヒーを何杯飲んだところで睡魔に抗うのは中々難しい。

「交代までに軽く掃除でもしようかな……」

少しでも睡魔から気を逸らしたく、五月蝿い掃除機でも起動させようかと考えていた時のことだった。

「おはよう」
「おはようございます……って、霧切さん。……何時もより早くない?」

そこには黒スーツ姿の霧切さんがいた。

「お疲れ様、先に上がっていいわよ」
「えっ、いいの?」
「そんなに疲れた顔をしていたら他の人の士気を下げてしまうわ……」
「ごめん……。それと、来週の木曜に出張入れていいか所長に申し送り頼んでいい?」
「出張? どこへ?」
「ジャバウォック島。修正された新世界プログラムのデバック作業のヘルプ要請がメールで来たんだ」
「そう……。無茶は禁物よ」
「うん。死なない程度にデスマーチを奏でてくるよ」


Standard Daytime


やっと>>415のリクエスト、泣き顔霧切さんを消化。
次スレに移行しても未来ナエギリで投下していきたいところです。
埋め埋め。
996名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 17:10:33.12 ID:oDzDLrFN
GJ!
いい告白だった
二人の未来が輝かしいものであらんことを
997名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 17:43:27.72 ID:dcIEAQlX
>>1000なら次回作にも霧切さんがちょっとでも出るといいな
998名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 17:56:23.73 ID:voWPyl78
埋め切さん
999名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 18:07:51.31 ID:oDzDLrFN
>>999なら霧切さんのスピンオフが出る
1000名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/09(木) 18:33:31.56 ID:kdNBu0Kb
GJ
次スレでも二人の未来が輝きますように
10011001
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。