剣と魔法と学園モノ。のキャラはととモノカワイイ 9人目
戦士学科クラッズの場合
うちの前衛その2。クラッズで戦士な義妹(予定)のアイシャさんです。
「あーっ、なに、その顔は」
火曜日の昼休み。昨日のジルとの待ち合わせ場所と同じ場所に行くと、今日はアイシャ
が待っていた。
最初は規格外の程度でジルを危険視してたんだが、そうでないとなると、しょーじき、
コイツが一番厄介だ。
ジルは、フェアリーの中では“イタズラっぽい”ところは多分にフェアリーらしいが、
いよいよこっちが堪忍袋の尾を切るほどのウザいイタズラは仕掛けてこない。それに責任
感とゆーか仲間意識とゆーか、そんなところもしっかりしてる。なんつーか、“頼りにな
るタフボーイ”って感じなんだよな。
“タフガイ”にまではなれないのが、フェアリー“らしさ”が完全には消えてないとこ
ろだが。
翻ってコイツはほぼ天然クラッズ。しかもややあばずれ。そもそも、クラッズで戦士学
科なら、言うほどまでには珍しくないし(自分の身長の2倍はあろうかなんて槍をぶん回し
てるのはコイツぐらいだろーが)。
オマケに“姉”と俺が付き合ってるもんだから(それはそれで紆余曲折あったが)、特に
俺をからかってくる。
……とゆー不安が、どうやら顔から出てしまっていたようですよ?
「いっやー……またなんかイタズラだかイヤガラセだか食らうような気がしてなー」
「もーっ、そんなことしないよーっ」
俺が正直に白状すると、アイシャはあからさまに不満気な表情をして言い返してきた。
「お姉ちゃん泣かすようなことしないようだ」
かえって、今ので機嫌を損ねてしまったか、どこかむすっとしながら、どうやら俺あて
らしい弁当包みを手渡してくる。
不安感を拭いきれずに開けてみるものの──
「おっ?」
開けてみると、中身は意外にも普通の弁当だ。
ご飯に、タコさんウィンナー、マッシュポテト、ローストビーフの切り身、っておい!
「見事に炭水化物とタンパク質ばっかだな……」
一応、彩りにボイルしたニンジンくらいは添えられているのだが。
「あ、やっぱそう見えちゃう?」
俺が静かに指摘の言葉を入れると、アイシャはイタズラっぽく舌を出して苦笑した。が、
これは狙った悪意あるものではない。
「やっぱうちの学科は身体が資本でしょー、どうしてもそうなっちゃうんだよねー」
「ふむ……」
アイシャにそう言われて一度は納得しかけた俺だったが、
「いや、昨日ジルがこんなコト言ってたんだが……」
ジルが昨日『片手で食べられるもの』と言っていたのを思い出し、ふと気になって、ア
イシャに聞いてみた。
「うちの場合は……うーん、そこまで重視されないかなぁ。むしろ食べるときにしっかり
食っとけ! みたいな感じ?」
「そうなのか」
「うん。多分、方向性の違いだと思うけど。うちの学科は、備えよりも、突っ込んでいく
側だから」
「なるほどなー」