【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.7】

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1名無しさん@お腹いっぱい。
超高校級の“???”である「霧切響子」(CV:日笠陽子)について語るスレです(キリギリッ)
◆ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生(※音量注意)
http://danganronpa.com/

◆キャラ総合スレ
【論破】ダンガンロンパキャラ総合【7回目】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1312334728/

◆前スレ
[ダンガンロンパ]霧切響子の正体はカップ麺の妖精Part6
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1317984669/

◆SSまとめwiki
http://www43.atwiki.jp/dgrpss/

次スレは>>970ぐらいでスレ立て宣言してから立ててください。
sage進行推奨でお願いします。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/23(金) 01:38:36.85 ID:IDP09B0L
                  ____ ____
                   ´      `       `
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           ,   :l   |  L」LL_」 、 |\_人_ト.ノ
           ′ |I⌒|  | 斗===ミ. ー┘-ィ行ハ 7ニコ
            リ 八 |  | 弋zノ     ヒソノ/,<\
           / ′ ヽ|  |             / l  `ヽ\
  ┌        / , .: .: .: |  |:.      _ ′ ./ lY   .)/
   、::::.\    ,/ / .:____|  |_.    ( ̄ノ /l  .!ノ    ^
.   丶:::::` ー=、__′ \ニ=|  | r:L _> _  く  |  .¨Y
    __/::`ヽ::::::::::ヽ≧ーマ≧|  | L    ̄〕iI{ニニ=|  :_.ノ
   {:::::::l::::::{:::::::::::::::.マニ=\|  | ∧    |}{| マニ∧  , Y
.  /.:::::::i}::::::ーヽ::::::::}|ニニ}:.|  |= ∧___∧∧マニ∧ Vノミ
.  ヽ::\:::ー/:::::::::/仁==|:.|  |====ヽ Y'⌒¨| マニ∧ ',=- 、
.    ー‐ ´ゝ- =7ニニニノ:.|  |\===∧マ--イ マニ∧ V=={ヽ
    / .乂.: .: .:./彡′= =|  |==\==∧|:::::::::, .|ニニ∧ V= 人
.   /  / / ̄ ̄´、ニ=ニニニ|  |====\=∧::::::::::}|ニニ/} }=l尨 ヽ

「私は最初から>>1君を狙い乙にするつもりだった…新スレを立てるのは彼だと分かっていたから!」
3名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/23(金) 12:46:08.31 ID:WSmcweFr
>>1
4名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/24(土) 02:35:11.95 ID:Iq+jBIfW
>>1

まだ前スレ埋まるまで暫くかかりそうだし、保守代わりに過去スレにあった通信簿イベントのテキストでも貼ってみる
5スーパー霧切タイム 第1話:2011/12/24(土) 02:36:04.45 ID:Iq+jBIfW
霧「………………」
霧「苗木君…あなたは怖い?」
苗「…えっ?」
霧「この場所に閉じ込められて…」
苗「そ、そんなの…当たり前だよ…」
苗「怖いに決まってるよ。こんな訳のわからない場所に閉じ込められてさ…」
霧「そう…良かったわね」
苗「良かったって…何が?」
霧「怖いと思うのは、想像力が働いている証拠…
  それは、怖さを感じてないより、よっぽど、いい状態よ」
霧「想像力が働かなければ、どんな行動に走るか、わかったもんじゃない…」
苗「でも、そう言う霧切さんは、まったく怖くなさそうだけど…」
霧「私だって怖いわよ…
  ただ、それを知られないようにしているだけ。他人に知られても得なんてないから…」
苗「隠してる…って事?」
霧「…バカ正直なあなたと違ってね」
苗(バカ正直って…)
霧「だけど、私が感じている“怖さ”は、あなた達が感じているのとは少し違うかも…」
苗「え? どういう意味…?」
霧「あなた達が感じているのは“失う事”に対する怖さ。だけど私が感じているのは…
  “失ってしまった事”に対する怖さ」
苗「意味…がわからないんだけど…」
霧「…そうでしょうね」

彼女はボクの疑問に返答すらせず、静かに背を向けると…

霧「…じゃあね」

そしてそのまま歩き去ってしまった…

苗「まだ会話が途中って言うか…むしろ会話らしい会話が始まってすらないのに…」
苗(霧切さん…本当に謎だらけな人だな…)

6スーパー霧切タイム 第2話(1/2):2011/12/24(土) 02:36:57.84 ID:Iq+jBIfW
霧「………………」
苗(相変わらずの無口…
  必要ない事は喋らない…徹底してるな)
苗「あのさ、霧切さん…」
霧「…雑談に付き合う気はないわよ。そんな必要なんてないはず…」
苗「で、でもさ…雑談だって大事なはずだよ…?
  この学園から脱出する為には、仲間同士で協力し合わないと駄目だと思うんだ」
苗「その為には、お互いのことを知っておかないと…」
霧「仲間同士の絆を深め合えば、殺人も起こらない…確かに正論ね。
  だけど、本心から言っているのかしら?」
苗「…え?」
霧「仲間なんて言って騙して、みんなの情報を聞き出しているだけかもしれない…」
苗「そ、そんな事…ッ!」
霧「一応、試させてもらうわよ」
苗「…試す?」
霧「あなたの仲間意識が本心なら、簡単に答えられる質問よ」
苗「わかったよ…答えればいいんだね…?」
霧「じゃあ、さっそく聞くけど…
  あなたが仲間だと言うメンバーの1人…朝日奈葵さん…
  彼女は“超高校級の”なんと呼ばれていたかしら?」
苗「そんなの…簡単だよ…」
苗(朝日奈さんは…オリンピック候補生にも選ばれた超高校級の…)

■ナイスバディを選択
苗(ナイスバディ…
  って、違う違う!何考えてるんだよ、ボクは!)
霧「何? 変な顔をして…」
苗「ご、ごめんごめん…ええっと、朝日奈さんは…」

■ランナーを選択
苗(ランナー…いや、違うな…
  確かに朝日奈さんは運動なら何でもって感じだけど、得意なのは走る事じゃなかったはず…)
霧「何か言いかけたようだったけど?」
苗「ううん、なんでもないんだ…」
7スーパー霧切タイム 第2話(2/2):2011/12/24(土) 02:37:40.73 ID:Iq+jBIfW
■スイマーを選択
苗「朝日奈さんは“超高校級のスイマー”だよね?」
霧「そう、答えられたのね…
  どうやら、あなたの仲間意識は、ちゃんと本心だったみたいね?」
苗「あ、当たり前だよ…」
霧「考えてみれば当然よね…
  バカ正直なあなただもの…ウソをついていたら、すぐにわかるはず…」
苗(また…バカ正直って…)
霧「じゃあ、約束通り教えてあげる。私の何が知りたいの?」
苗「えーっと…そうだな…」
苗「霧切さんって、この学園に来る前は、どこの学校に通っていたの?」
霧「この学園に来る前…
  ………………
  …確か、海外にいたわね」
苗「…海外?」
苗「留学でもしてたの? それとも親の仕事の都合とか?」
霧「………………
  …仕事? かしら?」
苗(…なんでクエスチョンマーク?
  とにかく…親の仕事の都合で、海外にいたって事でいいんだよな?)
苗「ちなみに…どんな仕事なの?」
霧「………………
  その国の政府から依頼された…? 極秘の仕事…?」
苗(またクエスチョンマーク? ていうか、政府から依頼された極秘の仕事って…
  まるで暗殺者みたいな仕事だな…)
霧「もう…約束の分くらいは喋ったわね…
  もう、いいでしょ…そろそろ行くわね」

霧切さんはボクの返答も待たずに、さっさと歩き去ってしまった…

苗「霧切さん…本当に謎だらけな人って言うか…」
苗(話を聞いたところで、ますます謎が深まっただけだったな…)
8スーパー霧切タイム 第3話:2011/12/24(土) 02:38:37.67 ID:Iq+jBIfW
霧「………………」
苗「あのさ、霧切さん…」
霧「………………」
苗「霧切さんってさ、どうして、そんなに冷静でいられるの?」
霧「…冷静?」
苗「常に動じないっていうか… 感情がないって言うか…」
霧「人をモンスターのように言うのね?」
苗「いや…そういうつもりじゃ…」
霧「私だって人間よ…喜怒哀楽は人並みにあるわ…
  ただ、それを表に出さないようにしているだけ。表情にも口調にもね…」
苗「簡単に言うけど、結構すごい事だよね。この状況下でそれが出来るなんてさ…」
霧「あなたも少しは隠す事を覚えた方がいいわ。そんなにバカ正直だと、簡単に騙されるわよ?」
苗(また…バカ正直って…さすがに悔しくなってきたな…
  なんか…霧切さんにひと泡吹かせられないかな…)
霧「…相手に騙されないようにするには、自分の心の内を読まれない事…
  それと、相手にペースを握らせない事…
  …覚えておくといいわ」
苗「…じゃあ、霧切さんは、その為に表情を隠してるんだね?
  でもさ…
  それって、もったいないよ!」
霧「…え?」
苗「だって、霧切さんが笑った顔って、すっごく、かわいいんだよ!?
  だから、隠すなんてもったいないよ! 笑った方が絶対にいいって!」
霧「きゅ、急に…何を言ってるのよ…
  か、かわいいなんて…いきなり…そんな風に言われても…」
苗「あ、ちょっと表情に出たね?」
霧「…え?
  も、もしかして…苗木君…
  わ、私の事…騙したの!?」
苗(え…? あれ…?)
霧「し、信じられない…ッ! かわいいなんて言葉で騙すなんて…!
  酷い…酷過ぎる…ッ!」
苗「ご、ごめん! つい調子に乗り過ぎちゃって…!
  で、でも…かわいいって言ったのは…えっと…丸っきりウソって訳でもなくて…!」
霧「…ほら、簡単に騙されたわね」
苗「…え?」
霧「“かわいい”なんて言葉…あなたが言うには無理のあり過ぎるセリフよ…
  …私が気付かない訳ないでしょう?」
苗「…え? じゃあ…」
苗(だ、騙したと思ったら…騙し返されてた…?)
霧「気を付けてね、バカ正直の苗木君…」

そう言って、霧切さんはその場から去っていった。

苗「………………」
苗(やっぱり…手ごわいな…霧切さん…)
9スーパー霧切タイム 最終話(1/2):2011/12/24(土) 02:39:26.96 ID:Iq+jBIfW
霧「………………
  苗木君…そろそろ終わりにしましょうか?」
苗「…終わりって?」
霧「互いを信頼し合う為にも、互いの事をよく知り合うべき…
  …それが、あなたの考えだったわね?」
苗「うん。そうだけど…」
霧「そう考えるあなたの気持ちはわかるけど…
  少なくとも、私に関しては諦めた方がいいわね」
苗「え? どうして!?」
霧「あなたに話せる事がないからよ…」
苗「それって…ボクが信用出来ないって事?」
霧「………………
  他人に踏み込み過ぎると、判断を誤る要因となる。
  私が自分の経験から得た教訓よ…」
苗「…経験から得た教訓?」
霧「…気付いているでしょ? 私だけが常に身に付けている“ある物”の事…」
苗(霧切さんだけが常に身に付けているある物…? それって、きっと…)

■メガネを選択
苗「メガネ?」
霧「…貴方には、私がメガネをかけているように見えるのかしら?
  もしそうなら…今すぐ部屋に戻ってゆっくり休むことをお勧めするわ」
苗「じょ、冗談だよ…それに…」
苗「霧切さん…メガネかけたら案外、似合うんじゃないかなって思ってさ…」
霧「山田君のようなことを言うのね…」
苗(な、なんだかもの凄くズンと来る…!)
霧「今度は真面目に答えて…」

■リボンを選択
苗「リボン…かな? いつも髪の毛をそれでまとめてるよね」
霧「…確かに、このリボンもいつも身に付けている物だけど…
  私だけが、ってわけじゃないわ」
苗「ああ、そっか…」
10スーパー霧切タイム 最終話(2/2):2011/12/24(土) 02:40:18.96 ID:Iq+jBIfW
■手袋を選択
苗「その…手袋の事だよね?」
霧「えぇ、そうよ…」
苗「でも、その手袋がどうしたの? 他人に踏み込み過ぎるなって言葉と関係あるの?」
霧「他人に情を抱いたせいで判断を誤り、その結果、私は思い知る事となった…
  …それが、この手袋の意味よ。
  だから、私はこの手袋に誓ったの。もう2度と…同じミスは犯さないと…」
苗「ご、ごめん…わからないよ…
  もう少し詳しく教えてくれない? そうすれば…」
霧「…いいえ、これ以上は話せないわ。
  これで終わりよ…」
苗(これで終わり…
  結局、何もわからず終いか…霧切さん自身の事も…彼女の本心も…)
霧「………………
  そんなに…悲観的な顔をしないで…
  あなたを信用していないから、話さない訳じゃない…
  むしろ、信用している。だからこそ、説明だけはしておこうと思ったの。
  私はどうしても話せないのよ…
  自分自身の事も……この手袋だってそう。
  私は、この手袋の下の手を、もう何年も人には見せていない…」
苗「…何年も?」
霧「きっと、この先もそう…私がこの手を見せる事になるのは…
  私の家族になるような人だけでしょうね」
苗「家族になるような人って…」
霧「…立候補する?」
苗「えっ?」
霧「また、騙されたわね…
  フフ…フフフ…
  …本当にバカ正直なのね」
苗(また騙されて…また笑われた…
  だけど…
  珍しく声に出して笑ってる…霧切さんが本当に楽しそうに笑っている。
  …これって、ウソ笑いじゃないよな?
  もしかして、最後に少しだけ見せてくれたのかな…
  ボクに“彼女の本心”を…)
霧「あなたには何度も警告してきたけど…
  でも、あなたはそのままで、いいのかもしれないわね…
  その方が…苗木君らしいわね…」
苗(結局、最後まで彼女の事はよくわからなかったけど…
  でも、少しくらいは、彼女との距離が狭まった気がする…)
11名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/24(土) 02:42:39.21 ID:Iq+jBIfW
おまけ・自由時間開始時の台詞

●パターン1
霧「あなたの行動を否定する権利まではないわ…好きにすれば…?
  私は私で、この学園について調べているから…」

会話もないまま、霧切さんの学園探索に付き合った。

●パターン2
霧「…私と一緒にいたいの?
  でも私から話せる事なんてないわよ? それでもいいの?」

無言の霧切さんと一緒に過ごした。

●パターン3
霧「ちょうど喉が渇いたから、食堂で何か飲もうと思っていたところよ…
  …あなたも一緒に来る?」

霧切さんと一緒に、食堂でお茶を飲んだ。

●パターン4
霧「たまには…気分転換も必要かもしれないわね…
  いいわ、少し休憩しましょうか」

霧切さんと一緒に休憩した。

●パターン5
霧「断る理由はないし…断る気持ちにもなれない…
  私も…あなたという人間に、興味を抱き始めているのかも…」

霧切さんと一緒に過ごした。
12名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/24(土) 12:19:22.74 ID:2bjToMXG
>>1君、ここまで乙ればわかるわね?

>>11

改めて見返してみると、むしろイベント開始前の台詞にデレ分を感じるな

>霧「断る理由はないし…断る気持ちにもなれない…
>  私も…あなたという人間に、興味を抱き始めているのかも…」
これとか
13名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/24(土) 12:44:50.16 ID:/4aENLe3
14名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/24(土) 12:45:15.54 ID:/4aENLe3
15名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/24(土) 17:31:40.83 ID:5tB/NQUe
そうか、苗木は霧切さんに眼鏡をかけて欲しいのか…
16名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 15:54:20.69 ID:nppt2XEF
ゼロ読んだが意外とブラックなジョークをいうのね霧切さん
17名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 18:40:48.57 ID:GlgDB9Nv
前スレ埋め乙

ゼロの霧切さんと言えばやはりファザコンっぷりが印象的だ
正直あそこまでとは思っていなかった
18名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 19:46:11.40 ID:ZRiP5TlC
手袋を奇異の目で見られることを気にしてる風なのがちょっと可愛いと思ってしまった
19名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 20:52:11.73 ID:eGRbdwlP
ところで前スレ>>968はまだかのう
20名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 20:57:07.58 ID:5rYhqXaV
そろそろ公式的なネタ補給が欲しいよな
21名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 21:07:26.08 ID:5rYhqXaV
>学園長なんかは自分の娘に「産めや増やせやしろ」と言ってるわけで
ネタバレスレで、シェルター計画に霧切さんが同意してたことに対してのコメントだけど、
ナエギリ的に考えると、霧切さん的には

「まあ子供を産めるのは女の特権でもあるしこんな非常識な状況でえり好みできるわけでなし、
決して苗木くんの子供を産めるからという・・・」ごにょごにょ

こういうことですね?

22名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 22:09:37.87 ID:eGRbdwlP
そうなる可能性もあるよってだけで別に子供作ることを前提にした計画ではないだろう


まあシェルターにいた一年の間、学園長バックアップのもと苗木君と霧切さんの間にあれこれあった可能性は否定できませんがね、ハイ
23名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 22:42:15.57 ID:czNJ4nVk
クリスマスSSまだ?
24名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 22:55:34.62 ID:wDAsud0W
>>22
なるほど…「私の身体に何をしたの?」という霧切さんの台詞は、
つまりそういうことだったんだな
25名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 22:55:40.04 ID:TLvOb7uq
霧切さんは個人的に黒猫って感じだけど、苗木君は何だろう
26名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:00:55.18 ID:BPdVJ+QK
「……何よ」
「……いや、その、何も」

 女の子がサンタのコスプレをするのは、もう少し心臓に優しいものだと思っていた。

「何でもないんだったら、ジロジロ見ないでくれない?」
「う…ゴメン、なさい」
 言葉の端々が刺々しい。
 この状況なら、それも無理もないことなんだけど。
「…謝るということは、罪を認めるということよ。あなたが私をジロジロ見ていた、と…」
「そ、それは誘導尋問じゃないか…」
 強い言葉で否定できないのは、それが真だからだ。
 僕は確かに、ジロジロ見るとまではいかないけれど、ずっと彼女を意識してしまっている。
 いや、それも全てこの状況のせいなんだけど。

 二人が入るのには、やや狭い試着室。
 目の前には、色々な丈が短くて際どいサンタ服に着替えた霧切さん。
 そして、閉じられたカーテンの向こう側からは、良く知る級友たちの談笑の声。

 かなり特殊な状況なだけに、これを見ただけで何が起こったのか分かる人も多いだろう。
 それでも一応僕の言葉で、事の経緯を追っていきたいと思う。



 そもそもは僕が、希望ヶ峰学園の同窓生でクリスマスパーティをやろうと言いだしたことが発端だ。

 クリスマスパーティと言っても、大仰なものじゃない。
 冬休みに実家に帰省しないメンバーで、お菓子やジュースを飲み食いして談笑する程度のもの。
 思い立ったが吉日、僕がそれをメールリストでクラスメイト達に提案したのは三日前のことになる。

 さて、その午後。
 控えめにノックされた部屋の扉を開けると、難しそうな顔で霧切さんが立っていた。

「えっと…どうしたの?」
 尋ねる僕に、霧切さんは目を伏せたまま。
「…とりあえず、部屋に入れてもらえるかしら」
「あ、うん」

 ちょっとだけドキッとしたのは秘密。

 だって、霧切さんの方から僕の部屋を訪ねてくることは滅多に無かったから。
 用事があれば立ち話で済ませる人だし、僕は僕で女の子を部屋に呼ぶ勇気なんて無かったし。

「…初めてあなたの部屋に入った気がするわ」
「というか、初めてだね…」
「…意外と散らかってるのね」
「め、面目ないです…」

 人が来るって分かっていたら、スナック菓子のビニール袋くらいは捨てておいたんだけど。
 緊張しつつ椅子を差しだして、僕はベッドに腰掛ける。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:01:22.37 ID:BPdVJ+QK
「それで、えっと…何の用?」
「…用が無ければ尋ねちゃいけないのかしら?」
「用も無いのに尋ねてなんか来ないでしょ、霧切さん」
「言うわね…。確かに、仲良しこよしなんてガラじゃないけど」

 軽く、言葉の応酬。
 別に罵り合っている訳ではなく、僕たちが談笑する際の合図みたいなものだ。

「…クリスマスパーティについて、なんだけど」

 合図も済んで、唐突に霧切さんは切り出した。
 携帯を取り出し、メールの文面を僕に突き付けて見せる。

「これは全員参加、ということになるのかしら?」
「いや、強制参加とかじゃないよ。やりたい人で集まれたらな、って感じだからさ」
「…欠席しても構わないのね?」
「出られないの?」

 どうして、と尋ねると、やはり霧切さんは先程の難しそうな顔に戻って、

「言ったでしょう。ガラじゃないのよ」

 自分に言い聞かせるように呟く。

「ん、と…出たくない、ってことかな」
「私が出たって、場の空気が重くなるだけだもの。誘ってくれたのは嬉しいけれど、遠慮しておくわ」

 別に重くなるってことはないと思うけど。
 まあ、自分から談笑に加わりに行くような人じゃない、というのは分かる。

「それに、勝手も分からないし」
 付け加える。
 確か霧切さんは、この学園に来る前は外国にいたという話だ。
 クリスマスは多くの国で祝われているけれど、国によってその様式が違うのは当然のこと。
 まあ、特別日本式のクリスマスをやろうと言っている訳でもないんだけど。

「お菓子とジュース食べながらみんなで集まるだけだよ。あ、それにプレゼント交換もあるかな」
「だから、その作法が良く分からないのよ」
「作法、って…難しく考えすぎじゃないかな」
「…とにかく、私は遠慮しておくわ」
「出たくない、ってワケじゃないんでしょ?」
「……どうして相談相手にあなたを選んでしまったのかしら」

 気づいた何かを諦めるように、霧切さんは浅くため息を吐いた。

 出たくないわけではないのなら、僕としては是非出てほしい。
 分からないから遠慮する、なんてもったいないじゃないか。

「出ようよ、霧切さん。初めての文化を経験しておくのも、悪くないと思うよ」
「…知らないわよ、私がいるせいで気まずくなっても」
「遠慮しすぎだってば」
「…あなたに相談した時点で参加する以外の選択肢は無くなったことに、もっと早く気付くべきだったわ」
28名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:01:42.26 ID:BPdVJ+QK
 さて、三日後の昼。つまり、今から数時間前。

 渋る彼女を参加するよう促した身としては、その参加にあたって面倒を見るべきだろう。
 そんなわけで、僕は彼女と共に駅隣接のショッピングモールまでやってきていた。
 プレゼント交換に際しての、そのプレゼントを買うためだ。

 大通りを練り歩いても、軒並みクリスマス一色。
 大きなツリーにイルミネーション、サンタ服を身に付けた売り子さん。

 …正直、独り身で歩き行くのは気が引けるけれど。
 虎の威を借る狐とは言わないけれど、今は彼女が隣にいるので多少の見栄も張れる。
 霧切さんは一人でも気にしなさそうだな、と思いつつ、僕は彼女をクリスマス特設コーナーへと連れていった。

「…どんなものを買うのが定番なのかも知らないのよ」

 恥ずかしそうに、彼女は尋ねてくる。
 別に知らないことは恥ずかしいことじゃないのに。

「人それぞれだよ」
「それにしても、暗黙の了解とか…あるでしょう?」
「うーん…高すぎるモノとか貰って困るモノじゃなければ、なんでもいいんだけど」
 自分の好きな本を送る人もいれば、よく分からないジョークグッズを買ってくる人もいる。
 適当にお菓子を買い集めてプレゼントと言い張ることも。
 要は、本当に何でもいいのだ。

「…参考までに、あなたは何を買うの?」
「うーん、無難に文房具かな。コレならみんな学校で使うだろうし」
「じゃあ、私も」
「あ、出来るだけプレゼントは被らない方がいいと思うよ。その方が面白いし」
「…先に無難なプレゼントを選んだあなたが、よくそれを言えるわね」
 ダメ出しをされてちょっと不機嫌な霧切さんには悪いけれど。
 あの変わり者ばかりを集めたメンバーの中で、文房具だなんてコテコテなチョイスをするのは僕ぐらいだろう。

「…なら、私の分もあなたが選んでちょうだい」
「それもダメ。こういうのは自分で悩んで選んだ方が、気持ちがこもるでしょ」
「…厳しいわね。苗木君のくせに」

 ぶつくさと文句を言って、霧切さんはジョークグッズ売り場の方に足を進めた。
 トナカイの被り物や巨大なクラッカーが、目にも騒がしく並んでいる。
 子ども用の玩具とも一味違う陳列に、その瞳が興味深そうに光を帯びている。

「…こういうものも置いているのね。何に使うのかは分からないけれど」
 呟きながらも、さらに奥。

「あ、ちょっと…」
 僕が止める間もなく入っていってしまった、そのゲートの向こうは。

 淡いピンクの壁に、装飾も華美な一角。
 流れているBGMも、軽快なジングルベルではなく甘いバラード。
 霧切さんは気にも留めていないけれど、通り過ぎた二人組は指を絡ませていた。
29名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:02:08.69 ID:BPdVJ+QK
「…この区画だけ、何か雰囲気が違うわ」
「あ、はは…」
 おそらく本当に気付いていない彼女に、まさか『カップル専用スペース』だなんて教える勇気なんてなくて。

 思わず勢いで着いてきてしまったけれど、この状況ってもしかして。

「こ、ここには面白いものは無いんじゃないかな…」
「決めつけるのは良くないわ。それに、決めるのは苗木君じゃなくて私なんでしょう?」
 口を出さないで、と意地を張られてシャットダウン。
 穏便に彼女を連れだそうと考えるも、霧切さんは真剣にプレゼントを選んでいる様子。
 霧切さんには失礼だけど、これって傍から見たら『ソレ』以外の何物でもないんじゃないか。
 こんなところ、同級生なんかに見つかってしまった日には…

「……これは?」
 僕が周りを気にするのを余所に、霧切さんは何かに目を付けた様子。
 声に釣られて、ふと振り向いて、

 見なかったことにしたいなぁ、と、数瞬後悔した。

「…苗木君、これは何かしら?」
 重ねて霧切さんは尋ねる。
「…サンタ服だね」
 極力、説明を省く。
 彼女が手にしていたのは、ビニールで包装された赤地の布。
 それだけだったなら、本当に、ただのジョークグッズで済ませられたのに。

「山田君の言うところの、コスプレ、というやつかしら…」
「ああ、うん、そんな感じ」
「…どうして目を反らすの?」

 霧切さんは、本当に気づいていないのだろう。
 隣のマネキンが、見本としてそのサンタ服を着用させられているのに。

 展示されているのは、当然ながら女性服のみ。
 ノースリーブに、短すぎるスカート。かなり際どいラインで、少しでも動けば上も下も見えてしまうだろう。
 素材は毛糸で縫い目は粗く、目を凝らせば網目の奥の肌まで透けてしまいそうな。

 つまり、平たく言えば男のロマンだ。
 それも、まだ十八歳未満の僕には手に余る類の。


 一瞬、目の前の少女がこれを着た姿を想像してしまう。


「……ゴメンなさい」
「何に謝っているのかしら。苗木君、さっきから挙動が不審よ」
 顔を逸らしても覗きこまれて、ますます顔が火照る。

「…お買い求めですか?」

 茶番のようなやり取りをしていた僕たちは、後ろから迫り寄る店員さんに気がつけなかった。
30名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:04:52.01 ID:BPdVJ+QK
「あ、えっと…」
 霧切さんは無言で僕を見る。
 こういう勝手にも慣れていないんだろうから、対応も僕に一任する、ということなんだろうけれど。

 店員のお姉さんは何か微笑ましいものでも見るような目で、僕たちを見ている。
 おそらく彼女にも、僕たち二人がそういう風に見えているのだろう。

「えっと、その…クリスマスなので」
 何の解決にもなっていない応答。
 それでも霧切さんに悟られずに、この店員さんを追い返す方法を必死で手探る。
「彼女にプレゼントを?」
「いや、あの…お互いにプレゼントを買って交換、というか」
「あら」
 店員さんは目を細め、大げさに口元に手を当てた。
 大分耳年増のようで。

「御試着などはいかがでしょうか?」
「いえ、大丈夫です…まだこれを買うとも決めていないので」
「では、もし気が向いた際には、試着室はそちらになりますので」

 すぐ後ろ、カーテンの引かれた個室が見える。
 店の中に向けて開いた造りで、試着室としてはどうなのだろうと思ってしまう。
 どうしたものかと逡巡する暇もなく、店員さんは次のカップルを見つけて去ってしまっていた。

 存外にも手早く引いてくれて、何とか落ち着く。
 一息ついて、霧切さんに振り返れば、

「…試着、出来るのね」

 既に遅し、興味心に火が付いていた。

「…それ、試着するの? 別に霧切さんが着るわけじゃないんだから、必要ないと思うけど」
「プレゼントとして渡すなら、それがどんなものか知っておくべきでしょう」
 まあ、それはそうだけど。
「言ったはずよ、苗木君。選ぶのは私なんだから、あなたが口を出す事じゃない、と」

 ドヤ顔と共に人差し指を突き付けて、彼女は威勢よくカーテンを引いた。

 本当は自分が着てみたかっただけなんじゃないか、と勘繰るも、やっぱり口に出す事は出来ない。
 彼女はああ見えて、時々子供みたいに純粋なあるから。
 もし図星だったなら拗ねてしまって、やっぱりパーティは欠席する、とも言いかねない。

 シュル、パサ、衣擦れの音が聞こえる。
 距離にしてほんの1メートルほどの空間で、彼女が着替えている、そう考えると無性に恥ずかしくなってきた。
 霧切さんは気にしないのだろうか。

 この場に留まり続けるのか、それとも気を利かせて少し離れておこうか。
 どちらが男として正しい選択かはわからない。
 けれど、僕が前者を選ぶなんて、地球がひっくり返ってもないわけで。

「霧切さん、僕…」
 やや張った声で、他の区画にいるからと伝えようとした、その時だった。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:05:25.00 ID:BPdVJ+QK
「うわぁ、こっちのコーナー可愛いのいっぱい置いてある!」

 聞き慣れた、明るい声音。

「さくらちゃん、こっち!」
「ふふ、そう急かすな…」

 顔中の血の気が引いていく。
 振りかえらずとも、声の主は分かった。
 隣の試着室の鏡に、ポニーテールと白髪が見えてしまったのだ。
 なんで、二人が、こんな場所に。

 悲しくも、展開は容易に想像がつく。
 そもあの学園に近いショッピングモールは、この駅地下しかない。
 クリスマスプレゼントを探そうとした朝日奈さんが、大神さんを誘ったのだろう。
 おそらく話ぶりからして、二人ともここがカップル専用区画とは気付いていない。
 偶然とは恐ろしいものだ。

「き、霧切さん」
 少し迷ったけれど、僕はカーテン越しにひそひそと尋ねた。
「…何?」
「えっと、その…もう、着替え終わってる?」
「もう少しよ」

 例えあの二人がカップルコーナーだと理解していないとしても、さすがにこの現場を見られるのはよろしくない。
 際どい赤サンタ姿の霧切さん、それを見守る僕。
 大神さんは説明すれば分かってくれそうだけれど、朝日奈さんが聞く耳を持っていないのだ。

「着終えたけど…少しきついわね、裾も短いし」

 どうしよう。僕が別の場所に逃げるべきだろうか。
 けれどそれだと、事情も知らずに残された霧切さんが不憫すぎる。
 独りでサンタのコスプレをしている寂しい女の称号、なんて誰も望まない。
 だけど、事情を説明している時間は無い。
 声と足音が近付いてくる。
 試着室の周りに遮蔽物は無い。
 隠れる場所は、

「霧切さん、ゴメン…!」
「は?」


 かつて、偉い人は言った。
 行動しなかったことに後悔するより、行動したことに後悔しなさい、と。


「…ちょっと」
「う、あの…」

 仄かな香水の匂いに満ちた、狭い個室の中に。
 雪のように白い肌、白い髪。刺さる視線を僕に投げてよこすサンタが佇んでいた。
32名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:05:52.31 ID:BPdVJ+QK
 見惚れてしまった、と、素直にそう表現するしかない。
 その言葉以外で、この沈黙を説明できない。

「…感心しないわね、苗木君」
 ようやく発せられた言葉で、は、と現実に戻ってくる。
「仮にも着がえ中の女の子がいる個室の中に飛び込んでくるなんて、どういう料簡かしら?」
 言い訳なら聞くわよ、と、腕を組む。
 霧切さんが冷静で助かった。
 怒りや羞恥で以て喚き立てられれば、簡単に見つかってしまっていた。

 言い訳が先かとも思ったが、事情の説明なら後でも出来る。
 今はまず、後門の虎を解決する方が先だ。

「ゴメン、後で必ず事情説明するから」
 早口で捲し立て、唇に人差し指を当てる。
 納得していない様子だったけれど、霧切さんはとりあえず黙ってくれた。


「あ、これサンタ服だ」
「…我が着れるサイズはないだろうな」
 二人は、すぐ後ろまでに着ていた。
 あったら着るんですか、と、声には出さずに突っ込む。
 霧切さんもカーテンの向こうに誰がいるかには気付いたようだ。

 何の気なしに、目の前の霧切さんの服装に目を降ろしてしまう。

「……何よ」
「……いや、その、何も」

 女の子がサンタのコスプレをするのって、もう少し心臓に優しいものだと思っていた。

「何でもないんだったら、ジロジロ見ないでくれない?」
「う…ゴメン、なさい」
「…謝るということは、罪を認めるということよ。あなたが私をジロジロ見ていた、と…」
「そ、それは誘導尋問じゃないか…」

 個室が狭いせいで、僕と霧切さんの距離も狭い。
 体を後ろに向ける余裕もないほどだ。
 身長差のせいもあって、彼女の膨らんだ胸元が、ちょうど顔の真下に来る。
 赤い毛糸の網目の奥にうっすらと黒が見えて、目の奥が沸騰しそうになる。

 そんなの、どうあったって目についちゃうじゃないか。

「…言っておくけど」
 見上げると、霧切さんも頬を染めていた。
「こんな際どい服だと知っていたら、私だって試着しようだなんて思わなかったわ。勘違いはしないでね」

 そう誤解されるのが嫌だったのだろうか。
 なんとなく微笑ましくある。
 これはカップルスペースのことすらも、本気で気付いていなさそうだ。
33名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:06:15.38 ID:BPdVJ+QK
「その…ゴメン、ジロジロ見て」
「構わない…とは言えないわね、さすがに」
 頬を染めたままクスリと笑って、また見惚れてしまいそうになる。
「…ジョークグッズだとしても、プレゼントには向かないわ。買う前に気付いてよかった」
 そう言って、髪を耳にかける。
 服装はひどく可愛らしいのに、何気ない仕草から滲む大人っぽい彼女の魅力がアンバランスで。

「その…似合ってるよ」

 ほとんど無意識に、その言葉が口をついて出た。

「あ…」
 一瞬で、お互いの顔が燃え上がる。
 きっと霧切さんは羞恥のせいで。
 当たり前だ、こんな服が似合うなんて言われたって、嬉しいはずがない。

「……」
 ジロリ、睨まれる。
 ああ、帰ったらお説教かな。
 それともしばらくは口を聞いてくれないとか。
「あの…ゴメン」
「…なんで謝るのよ」
「いや、その」
「…褒めてくれたんでしょう」
「霧切さん、怒ってるから」

 一瞬、霧切さんが目を見開く。
 怒っていると言われたことが心外だとでも言うように。

「…怒っていないわ」
「機嫌悪いじゃない。眉間にシワ」
「私が怒っていないと言ったら、怒っていないのよ」
「そうやってムキになるし」
「なっ…!?」

 話す最中も、僕の目は彼女に釘付けで。
 きっと霧切さんも、それに気付いているのだろう。

 後ろに級友がいることも忘れて、僕たちは、


「あれ? なんでこの試着室、サンダルが二つ…」
「…片方のブーツは、霧切のものに似ているな」

「……」
「……」

 一瞬で、静まり返る。
 互いに目を合わせ、どちらからともなく。
 この状況はさすがに、絶体絶命だ。
34名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:06:35.02 ID:BPdVJ+QK
 さすがに試着室を覗き見るだなんてことはしないだろうけれど、それでも声を出せばバレてしまう。

「狭いのに二人も入って、何してるんだろうね」
「……」
 意味深な沈黙。
 きっとそろそろ大神さんは、状況を理解しただろう。
「…朝日奈よ、向こうのコーナーにドーナツの売店があったぞ」
「ホント!?」

 あしらい方、慣れてるなぁ。
 苦労役な大神さんに親近感を覚えるうちに、足音は遠ざかっていった。


「……はぁ」
 珍しく、霧切さんが溜め息を吐く。
「…寿命が縮んだ気がするわ」

「…ゴメン」
 こればかりはさすがに、誰がどう見ても僕の責任だ。

 僕も僕で、どっと疲れてしまって、壁に寄りかかり、そのままずるずると、


「……」
「……狙っているのかしら?」


 目の前に、丈の短すぎるスカート。
 もう数センチしゃがみこめば、見えてしまうほどの。

 なんで、こう、いつもいつも。
 問題を起こしてしまう先に気付けないのだろうか。

「…天然でやっているのだとしたら相当なジゴロの気があるわ、苗木君」
「……いっそ、思いっきり叱ってください」
「…まあ、これくらい別に、怒るほどのことでもないけれど」

 霧切さんも合わせて、スカートの裾を押さえてしゃがみ込む。


「…謝るのもいいけど、ここを出たらちゃんと説明しなさい」
「う、わっ」

 勢いよく背中を押されて、転げるように試着室を飛び出した。


 時計を見れば、パーティ開始までもう一時間。
 そろそろプレゼントを決めて、寮に戻る時間だろう。

 カーテンの向こう側で着替えているだろう霧切さんに告げて、僕は足早にカップルコーナーから逃げ出した。


―――――
35名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:07:19.70 ID:BPdVJ+QK

「…結局、私のせいでもあったのね」

 着がえ終えた霧切さんにカップル専用のコーナーを説明した途端、再び彼女の頬は燃えあがった。
 そりゃ、あそこにいた人全員にカップルだと思われていたんだと知れば、恥ずかしさも一入だ。

「最初に注意出来ていれば良かったんだけど…本当にゴメン」
「…もう、謝らないで。余計に恥ずかしく…」
「でも、空気読まずに似合ってるとか言っちゃったし…」

 店を出る頃には、雪が降り始めていた。
 ホワイトクリスマスにロマンチックを感じる年頃でも無いけれど。

「…どうして蒸し返すのかしら、あなたは」
 白い息を吐きながら、唇を尖らせて。
 思い返せば今日は、普段はポーカーフェイスの彼女の、色々な表情を見られた気がする。

「だって、霧切さん怒らせたままだったから」
「怒ってないと、何度も言っているでしょう」


 霧切さんは、買い物袋を二つ下げていた。

 プレゼントは一つでいいのに、もう一袋には何を買ったのだろう。


「……あなたが、似合ってるなんて言うから」
「え?」
「…分かるでしょう、ここまで言えば」
「えっと…」

 霧切さんの頬が染まり、なんとなく予感する。
 答えは分からないけれど、きっと僕の顔も、間もなく赤くなるのだろう。

「…あなたの頭には、『照れ隠し』という言葉は無いのかしら」
「……、…」
「…仮にも女の子にここまで説明させるなんて…苗木君のくせに生意気ね」

 思わず足を止めてしまった僕を置き去りに、霧切さんは足早に進んでいく。
 鼻先に触れた雪の一片が、とても冷たく感じた。


 形あるものじゃなくても。

 これも、クリスマスの贈り物、なんだろうか。







新スレ&クリスマス記念で投下 リア充爆発しろ
36名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:09:02.12 ID:3+X9/saj
ふへ!ふへへへへ!
顔がニヤニヤしっぱなしだぜ!
GJだ!
37名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:15:03.58 ID:eGRbdwlP
GJ!
待ってた甲斐があったぜ…サンタさんは本当にいたんだ!
38名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:30:43.63 ID:ZNAXFj1j
サンタっていたんだな
ずっと親だと思ってたわ
GJ!

通信簿ネタ見るとここの人たちがいかに正確に霧切さんを捉えてるかわかるな
39名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:33:51.65 ID:GlgDB9Nv
GJ!!
新スレ早々素敵なサンタギリさんをありがとう!

そうか…今日は黒なのか…
40名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/25(日) 23:50:53.10 ID:ZRiP5TlC
超GJ!!
ああもう爆発しろ
末永く幸せに爆発しろ
41名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 01:13:39.94 ID:qQyGyQXm
ニヤニヤしてる自分が気持ち悪すぎて死ぬるwwwww
42名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 08:24:16.66 ID:4tUD8Vny
GJGJ!
それでですね
買ってしまったサンタ服を有効活用する霧切さんはどこに行けば見られますかね
43名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 12:35:37.28 ID:Ln4/ceoK
霧切さんの「恥ずかしい秘密」の封筒の中身は、
この時のサンタ服に着替えた姿を収めた盗撮写真だったという説を提唱したいと思う
44名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 14:38:13.56 ID:Kvtx1hE9
つまり外の世界では街宣車が霧切さんの恥ずかしい写真をバラまいているわけか

あれ? 外の世界希望に満ちてないかコレ?
45名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 14:44:02.41 ID:+1P0LgSR
つまり外ではその写真を巡って争ってるのか
46名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 17:43:21.21 ID:7LoujPlt
閉じ込められてもなんとしても出たくなるな
47名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 18:59:17.51 ID:Ln4/ceoK
外の世界に出た霧切さんの最初の仕事
それは涙目になりつつ草の根をかき分けて自分の恥ずかしい写真を回収して回ることだったという……
そんなダンガンロンパ2
48名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 20:26:06.51 ID:4tUD8Vny
>>47
十万まで出そう
49名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 20:47:23.97 ID:sBcslef7
>>48
俺は百万までだすぜ
50名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 22:18:35.38 ID:R68wt3t6
俺としてはその写真を苗木君に見られた時の反応を見たいところだ
51名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 23:24:02.04 ID:4tUD8Vny
平静を装おうとしつつも頬に朱が差すのを止めることができない霧切さんを想像すると
もうそれだけでご飯三杯はいけるね
52名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/27(火) 00:31:37.53 ID:hHzASBjR
ところで流れぶった切って悪いが
アンソロ2発売についてどう思う
53名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/27(火) 01:18:25.05 ID:VfB2VoVJ
またアンソロ出るのか、今知った
前回のはナエギリ分が充実していて中々よろしかったから、今回もまた期待したいところだな
54名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/27(火) 08:24:33.85 ID:jxmE18W1
また小松崎氏が表紙で霧切さん描いてくれると嬉しい
4コマvol.1の着ぐるみ霧切さん(小脇にミニ苗木を確保)は良いものだった
55名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/27(火) 12:42:19.89 ID:OPM7l7BU
ナエギリロンパの人がまた描いてくれると嬉しいのう
もういっそナエギリアンソロ出してほしい
56名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/27(火) 20:02:03.55 ID:VfB2VoVJ
このスレの猛者達で一冊作っちゃえばいいよ
57名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/27(火) 22:00:32.03 ID:l1AtMlx2
最近冷え込んできたがオマエラはいかがお過ごしですか

冬の外気でひんやり冷えた手で、不意打ちに霧切さんの首筋を触りたい
58名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/27(火) 22:29:44.97 ID:VfB2VoVJ
冷たさに驚いて「ひゃっ!?」と可愛く叫ぶか
ノーリアクションのまま冷たい目で手首を捻り上げられるか
それが問題だ
59名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/27(火) 23:40:13.10 ID:OPM7l7BU
ありそうなのは後者かなあ
まあどちらでも望むところなんですがね
60名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/27(火) 23:56:37.07 ID:jxmE18W1
「ひゃっ!?」と可愛く叫んだ後、真っ赤になって手首を捻りあげてくる霧切さんをですね
61名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/28(水) 05:48:13.20 ID:BlBjjiiS
逆に霧切さんの冷えたむき出しの両手を、自分の頬で温めてあげる苗木君
手の感覚は無いはずなのに、なぜか本当に温かく、くすぐったく感じてしまう霧切さん
そんな心温まるナエギリはどこですか
62名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/28(水) 08:30:52.31 ID:nFWjeyPr
そのイベントは必要好感度がかなり高そうだな
63名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/28(水) 12:45:11.13 ID:irw3zCoR
前にも言われていたけど、一夜を共にするような関係よりさらに先まで行かないと
霧切さんは素手を晒すのを許してくれなさそうだ

で、そこを「僕は一度見ているんだから構わないよね?」と強引に押し通すアグレッシブな苗木っちはどこかにいませんか
64名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/28(水) 16:16:46.33 ID:1QzDv/mp
苗木くんと結婚後の霧切さん

@これまで通り探偵稼業続けて、苗木くんは専業主夫
A苗木くんも働いて、霧切さんも探偵稼業続けての共働き
B結婚を期に、探偵稼業をすっぱりとやめ家事と育児に専念、次世代の超高校級の探偵を育てる
C危険な探偵稼業をやめてもらいたい苗木くんと衝突、あわや離婚の危機に・・
65名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/28(水) 18:11:47.66 ID:irw3zCoR
Aだな
そしてゆくゆくは子供も加えて一家で探偵稼業を…
以前あった「子連れ探偵霧切響子」というネタが個人的に非常にツボだったので
66名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/28(水) 18:13:44.02 ID:LJbBH6V3
@→A→C→Bといけば完璧
67名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/28(水) 18:29:46.84 ID:lizBLOgy
本編で子供視点で、父さんと母さんの伝説が発見されていく展開とか面白そうだな
68名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/28(水) 22:09:29.37 ID:szv3UgJZ
苗木ありきの話しかしてないからナエギリスレに名前変えたほうが良いんじゃないか?
69名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/28(水) 23:09:24.22 ID:ppdCojOI
バリバリ働く霧切さんと主夫苗木もいいんだが
慣れない主婦業を四苦八苦しながらこなす霧切さんもちょっと見てみたい
70名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/28(水) 23:47:30.96 ID:WULW/utL
霧切さんにエプロンは似合うか否か
71名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/28(水) 23:54:21.79 ID:irw3zCoR
似合うかどうかは分からんが、見てみたくはあるな
72名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 00:10:10.16 ID:nJ9JNtPs
>>68
たまに舞園さんとの絡みもあるんだぜ
73名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 00:33:30.38 ID:XuCWjVlA
たまには苗木くん以外との絡みも見たい気もするしね
ナエギリ専用にするとちょっと都合悪くなるんじゃない?
74名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 01:17:24.44 ID:nzb9aB4x
本編の話展開上、どうしても苗木君とセットで考えがちになっちゃうな
霧切さん単体でも十分萌えるんだが
75名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 04:25:04.85 ID:CcRN+6fb
腐川は十神に片思いだし、朝日奈は葉隠とのアホ話が随所にある。
舞園とセレスはそれぞれ桑田・山田と殺し殺されの関係だから絡められないこともない。
しかし霧切さん(あとさくらちゃん)はホント苗木以外の異性と交流ないからな。
敢えて挙げるとすれば十神には多少声かけてるけど、忠告とか論破しかしてないからどうにも……
76名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 11:31:29.54 ID:7fMJbde3
まあ霧切さんを語るうえで苗木君の存在は欠くことができないからな
77名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 13:02:25.51 ID:Utl2NIzd
最近ssの投入が少ないのでちょっと
書いてみた。
稚拙ですがどうぞ。



クリスマスが終わり、正月を迎える前。
そんな中途半端な時期に僕は、霧切さんとイルミネーションを見に行く事になった。

あえてクリスマスを外したのは、何でもカップルで溢れている人混みが嫌いなのと。特にキリスト教徒でも無いのに、聖夜を祝うというのが中途半端で許せないから、らしかった。

そんな事気にしなくても良いと思う。
というか、僕は一緒に過ごしたかったのだけど・・・。


待ち合わせ場所は、二人のお互いの最寄り駅のどちらでも
無く、冬になるとデートスポットとして人気になる海沿いの駅だった。
待ち合わせ時間は夜7時。

女の子を待たせるわけには、いかないから18時45分に僕は駅に到着していた。

駅のエントランスには、寒さにも負けず、多くの人がいた。学校はもう冬休みになっているから、ちらほら学生の姿もある。みな、ちょっと時期をずらしたクリスマスデートでもしているのだろうか?


霧切さんは、まだ来ていないみたいだった。改札の方に目を向けながら、じゃまにならないように近くの柱の側に立つ。

それにしても、今日は本当に寒い。
はぁー、はぁー、
かじかむ指先を息で暖める。
息を止めるとすぐにまた指先から冷えてくる。

「寒いなぁ。霧切さん早くこないかな〜。」

思わず、口をついて声が出てしまう。
みんなこの寒い中待っているんだろうけど、愚痴とか言わないんだろうか?

次の電車が到着した後、しばらくして改札に霧切さんの
姿が見えた。

霧切さんは、学校で見たことのない真っ白なダッフルコートを着ていた。白い肌の色と、輝く紫白の髪と、真っ白なコートと、茶色のブーツと。いつもと違う姿に思わず見とれてしまう。
イメージに無い姿だっただけに、衝撃が大きかった。月並みで、はずかしい表現なんだけど、雪の精のように見た。
78名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 13:03:56.93 ID:Utl2NIzd
思わず息をのんで、固まってしまった僕をよそに、
霧切さんは、歩き出すと僕の居る柱では、無い柱の前で立ち止まると改札の方に向き直った。

どうやら、待っている僕に気づかなかったみたいだ。

急いで、霧切さんの元に行こうとしてちょっと、イタズラを思いついた。
柱の陰で死角になる所を使って、ゆっくりと近づく。

霧切さんは、改札の方をじっとにらみ付けるように見て、
全く目を離さないから。移動はラクだった。
今思えば、多くの人が待ち合わせしているエントランスで、忍び足で、女の子に近づく僕の姿は、完全に不審者だったと思う。

改札を見つめる、霧切の後ろにこっそりたどり着いた。

ちょこっと、肩をすくめて縮こまる姿が、かわいい。

後ろ姿だけでも、かわいさって伝わるもんなんだな〜。
なんて事を考えていると。ぶつぶつと、霧切さんが独り言を言っているのが聞こえた。


「・・・・。やっぱり、クリスマスに誘うべきだったかしら・・・・いえ、だめね。苗木君の事だもの、舞園さんあたりと予定があったに決まっているわ。あの人の、そういう積極的な所はうらやましいわね。」

声が小さすぎて聞こえないけど。結構不満そうな感じだ。
待たせ過ぎているかな?と思って時計を見ると、あと少しで7時だった。ちょうどいい。

「・・・・。私なんて、クリスマスでもお正月でもない。この中途半端な時期を、苗木君と過ごせるだけでも、幸せだと思わないと。探偵は日陰者。しかたの無い事・・・。」


まだ、ぶつぶつ言っている霧切さんの真後ろに立つと、
その髪に隠れた首筋に手を当てると同時に言った。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 13:05:45.57 ID:Utl2NIzd
「お待たせ、霧切さん!まっ・・」

僕は、その言葉を最後まで言う事ができなかった。
なにがどうなったか、分からないウチに世界が反転し、
地面に叩きつけられていた。
霧切さんにマウントポジションを取られているおまけ付きだ。

「苗木君。私の後ろから襲いかかるなんて、いい度胸してるわね。」

「いや、あの、ちょっとしたイタズラで、そんなに怒ると思わなかったんだ。ごめん。」

「イタズラにしても趣味が悪いわね。私は、改札から目を離していないのだから、先に着いていてこっそり周り込んだんでしょう。」

「はい、ごめん。霧切さん。許してください。あと、この格好で居るのは結構恥ずかしいので、立ってくれるとうれしい。」

ふぅ、とため息をついて霧切さんは、拘束を解いてくれた。二人とも立ち上がる。

「苗木君後ろを向きなさい。」

?霧切さんが突然変な事を言う。

「いいから、今すぐ」

戸惑いながら後ろを向くと、
ヒヤっとした感触が、僕の首筋を襲った。

「ひゃっ、冷たい!」

「これで、お返しよ。苗木君。これで、許してあげるから行きましょう。」

霧切さんは、クールな表情をして、外していた手袋をはめると、僕の手を引いて歩きだした。


道行くカップルに紛れながら、僕は霧切さんに言った。

「ねぇ、霧切さん。お正月一緒に初詣行かない?」



以上です。流れ切ってすいません。
>>57あたりを読んでいて思いついてしまったので。失礼しました。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 19:03:34.93 ID:Rztdetaa
81名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 19:50:59.27 ID:jfasNOuA
やっぱり霧切さんとラーメンは切っても切れない関係なのか
82名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 20:07:54.71 ID:XuCWjVlA
>>80
よく見つけたな、笑っちまった
これ何県にあるんだろうかと思って調べたら
広島県か・・・レビューサイトの評価はまぁ普通だった

>>79までの人GJ!
83名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 20:51:33.83 ID:uqfE2LO7
>>77
苗木が霧切さんを呼び捨てにしてるよ
84名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 22:53:08.06 ID:7fMJbde3
ラーメン屋を営む苗霧夫妻が見えた
85名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 23:14:35.87 ID:XuCWjVlA
>>84
なにそれ微笑ましい
86名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 00:18:42.18 ID:vFD3/PjF
若い夫婦が経営する小さなラーメン屋『苗霧』。
開店当初こそ振るわなかったこの店が少しずつ常連客を獲得していったのには、
『愛想はあまり良くないけれどクールな佇まいが堪らない』と評判の美人女将によるところが大きいというのが大筋の見方だ。
極めて平凡だった味の方も、店主の努力の成果か少しずつ評価が上がっていき、今では遠方から訪れる客もちらほらいるらしい。


しかし――それを知る者は少ないが、この店にはもう一つの顔がある。
符丁は、『特製極太麺の大盛りネギ抜き』。
そんなものはこの店のメニューには載っていないと、あなたは怪訝に思うかもしれない。
だが、もしあなたが腕の良い探偵を所望なら、迷わず注文するべきだ。
それがこの店の隠しメニューであり、そして真のお勧めメニューなのだから。



とかそんな感じですか
87名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 00:35:18.80 ID:EZlZAWD7
>>64
>>67

@の専業主夫をこども目線で。


「わたしのお父さん」

わたしのお父さんは「しゅふ」です。
誰よりも朝早く起きて朝ごはんを作ってくれます。
わたしが学校から帰ってくると、宿題のお手伝いをしてくれたり、チェスの相手をしてくれたりします。
いつもやさしい笑顔でわたしを見てくれるお父さん。
そんなお父さんがわたしは大好きです。

でも、そんなお父さんもお母さんの前では頭が上がらないようです。
日よう日に家族みんなで動物園にお出かけした時でした。
お父さんとお母さんが何を見るかで言い合いになりました。
すると、お母さんが
「ここまでいえばわかるわね、まことくん」
と、お父さんにいったらすぐに仲直りしました。
おさるさん、大好きなウサギさん、パンダさんを見れて楽しかったです。


-----

「なかなか面白い作文ね」
「でも周りの父兄さんに聞かれると少し恥ずかしかったかな」

今日の授業参観で読まれた作文についての率直な感想だ。
自分たちの家族一人を紹介する作文を書いていたんだけど、まさか僕を題材にしていたとは。
担任の先生だけに読まれるならまだしも、参加した保護者全員に聞かれるのはやっぱり恥ずかしいものがある。
クラスの中でお父さんとして参加していたのは僕だけだったし。

つい先ほど帰宅した響子さんに授業参観の報告をしたら着替えもそっちのけで娘の作文を読み出した。
皺になるとまずいから上着だけを預かってハンガーに掛ける。

「自分の見た記憶を事細かに引き出せるのも探偵には必要なことよ」
「そうだね。きっと僕らが動物園で何を言っていたのかも一語一句覚えているかも」
「その結果が作文に反映されているわ。私は誠君より上の立場にいるっていう評価付きで」
「評価って……。珍しく日曜日に皆揃ったのに喧嘩とかもったいないじゃないか」

動物園に誘ったのも、最近パンダが飼育されるようになったからだ。
パンダ目当てで動物園に足を運んだら響子さんが待ったをかけたのだった。
僕の記憶だと確かこんな遣り取りだったはず――

『パンダを見たいですって?』
『そうだけど、何か問題あるの?』
『あるわ。動物観察も立派な教養の一つよ。
 パンダみたいに笹を食べてゴロゴロするだけの生態を観察しても何の得にもならないわ』
『そ、そこまで否定しなくてもいいじゃないのかな……』
『私はパンダより猿山の方を勧めるわ。どの猿が猿山のボスなのかを探すだけでも観察力を養える。
 ……ここまで言えばわかるわね、誠君?』
『それじゃあ最初は猿山にしようか。後でパンダを見てもいいよね?』
『それで構わないわ』
88名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 00:37:21.02 ID:EZlZAWD7
>>87の続き。


響子さんが娘の作文から僕に視線を向ける。
「ところで誠君、あなたも仕事に復帰したいと思っているのかしら……?」
「う〜ん、どうだろう」

確かに子どもが産まれるまでは探偵の助手として、響子さんが産休の間は所長代理として仕事をしていた。
響子さんが所長に復帰すると同時に僕は一線を退いて育児に専念するようになった。
やっぱりお客さんも響子さんの腕を信頼して事務所に訪ねてくるし、僕も初めての育児に悪戦苦闘しながらも楽しんでいたところがある。
適材適所。
世間一般の家庭とは異なる家族像だけど、僕らは円満な関係を今も築いているはずだ。


そう考えていると右肩にコツン、と響子さんが寄りかかってくる。
「私と誠君では対等の関係なのに……。あの娘の視点では私が一家の大黒柱だと映っているんでしょうけど」
「あながち間違ってないと思うんだけどな」
そう返答したら右手を軽く抓られた。
「真面目に答えて。今日みたいに夜遅く帰ってきて、顔を合わせる時間も誠君と比べたら少ないの」
「それがいつしか家庭より仕事を優先するっていうイメージに繋がるのか不安なの?」
「そうよ。あの娘に注ぐ愛情はあなたと同等、もしくはそれ以上を持つように接しているのにギャップが生まれたら……」
「その心配はないよ。誰よりもあの娘を見ていた僕が保証する」
安心させるために片腕で包み込むように抱き寄せる。 
「だったらさ、次の授業参観には響子さんが出席するってのはどうかな?」
「……え?」
「その日だけ事務所の方は僕が所長代理として仕事を引き継ぐかたちでさ」
「それでいいの?」
「もちろん。僕も復帰したいのかを判断できる機会にもなって一石二鳥だね」
「ありがとう、誠君……」
「ん……どういたしまして」
唇越しに彼女の体温を感じる。
暖房の効いた部屋で過ごしていた僕には刺激となるような程よい冷たさの温度だ。
「お風呂、いただいてもいいかしら?」
「どうぞ。今日も何時でも入れるようにしていたし」
「だから、あなたも一緒に」
「え? 僕は先にいただいちゃったんだけど……」
「ここまで言ってもわからないの?」
「……お背中、流させていただきます」
「よろしい」
響子さんに腕を引かれて浴室へ行く。


だから僕らはこの時に気づかなかった。
既に寝ていたと思った愛娘がその様子を一部始終見ていたことに。
そして「わたしのお母さん」と題して僕と響子さんの夫婦仲を扱われたことに。
次の授業参観に参加した響子さんがどんな思いで愛娘の作文を聞いていたのか、この時の僕には知る由もなかった。





娘の名前を書かなかったのは仕様。
後はこのナエギリ入浴シーンをうpすれば……くぁwせdrftgyふじこlp
89名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 02:00:04.72 ID:WkfRPzbF
マジでGJ!
面白かった!!
90名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 02:00:54.75 ID:e7MjyYh1
best版が発売されたので買ってきて
霧切さんかわいいよ霧切さんしてて
同士達がいると聞いて飛んできたのだがどうやら俺は別世界にいるようだ
91名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 03:59:39.45 ID:vFD3/PjF
>>88
GJ!
頼む生きてくれ…生きて続きを…!

>>90
ようこそ
霧切さんを愛でる気持ちがあるならこのスレが別世界なんてこたあ無いと思うぞ
試しに一度思いの丈をぶちまけてみてくれ
92名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 13:00:50.28 ID:u7sBcg2+
>>88
GJ!!
で、入浴シーンを読むにはどうすればいいのかね
93名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 15:17:23.87 ID:7vbdVyTd
>>88
年の瀬にいいもの見れたぜGJ!
お陰でようやく大掃除に取り掛かる気力が湧いてきたよ
94名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 17:05:44.40 ID:zxmwtDEi
日本的なものにあこがれる霧切さんに動くこけしをあげる苗木くん
95名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 17:29:41.30 ID:HvwR3zmq
>>94
おい




おい

俺「それは違うよ!」
96名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 19:12:52.32 ID:Yj05k3Tx
>>93
大掃除か

・掃除が苦手なだらしない霧切さん
・普段から整理整頓にうるさい几帳面な霧切さん

どっちがいいだろう
97名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 19:15:27.16 ID:WkfRPzbF
本編のキャラ的には多分後者なんだろうけど、案外パンツはいけて靴下はだめとかよくわからない一面も持ってるしなぁ
ひょっとしたら掃除には割とどうでもいいタイプの可能性も
98名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 21:02:16.96 ID:7vbdVyTd
ゲーム中の個室も殺風景なくらいだったし、整理整頓はしっかりしてそう
物には執着が無さそうというか、身の回りのいらない物は迷う事なく処分して手早く綺麗に片付けそうなイメージ

しかし苗木君から貰ったものはつまらないものでも捨てられず、手元に残してしまったりしていると俺得
99名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 23:07:31.85 ID:vFD3/PjF
だらしないパターンも捨てがたい
そして代わりに部屋の掃除を請け負った苗木君があんなものやこんなものを発見してしまえばいいよ
100名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/30(金) 23:29:13.84 ID:Y8ZYV+Vf
間をとって
仕事場→几帳面
私室→だらしない
これで完璧
101名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/31(土) 03:11:59.55 ID:UgTsVVHB
風呂掃除や窓拭きでかじかんだ霧切さんの手を温めてあげたい
そして>>61
102名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/31(土) 11:58:43.78 ID:EPI6NyIq
>>99
パンツとか靴下とか、後はパンツとかか
103名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/31(土) 15:06:31.27 ID:j0KTYBNB
日本的なものに関心のある霧切さんは、今頃初詣に備えてわくわくしながら振袖を準備しているはず
104名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/31(土) 17:47:38.07 ID:UgTsVVHB
いいね
霧切さんは和装も似合いそう
105名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/31(土) 19:18:13.68 ID:EPI6NyIq
俺としては、こう
振袖より巫女姿の霧切さんを…
106名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/31(土) 21:04:55.91 ID:IK+ZGzeF
霧切さんを絶対に笑ってはいけない学園生活に放り込みたい
107名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/31(土) 21:42:04.96 ID:kht8nR0d
大爆笑する霧切さんか…アリだな
他の人が爆笑するところでは笑わないのに、微妙なネタがツボにはまって一人吹き出せばいいよ

そしてオシオキのケツバットを受ける、屈辱と苦悶にまみれた表情…
108名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/31(土) 22:41:11.71 ID:EPI6NyIq
霧切さんが吹き出すところはなかなか想像がつかないな
それだけにちょっと見てみたい
そしてケツバットはもっと見てみたい
109名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/31(土) 23:50:05.81 ID:aOM8bQDc
デデーン♪霧切〜タイキック〜

さくらちゃん登場
110名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/01(日) 01:34:55.12 ID:0h9QQd3V
オマエラ、そして霧切さん
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願い致します
111名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/01(日) 11:24:26.10 ID:CujXOGtA
あけおめ
今年も霧切さんとキリギリしたいものだ
112名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/01(日) 13:17:57.77 ID:CvaoJTBK
あけおめ
今年中にロンパ2出て欲しいな。

ナエギリss正月ver.が投稿されるとみた。
俺の占いは三割当たる!
113名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/01(日) 15:54:46.31 ID:CujXOGtA
言い出しっぺの法則というものがあってだな…
114名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/01(日) 20:45:11.62 ID:Pap/PYTz
学園長からお年玉を渡されたら霧切さんはどうするだろう
115名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/01(日) 22:39:17.90 ID:0h9QQd3V
「あなたからこんなものを受け取る理由が無いわ」と突っ返して、後で一人になった時に思い返して後悔すると予想
116名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/01(日) 22:53:40.13 ID:CujXOGtA
学園長も、自分が手渡しても霧切さんが素直に受け取らないことは予測するだろう
そこで苗木君に頼んで苗木君の手から霧切さんに受け取らせようとする学園長
苗木君から説明されてもやっぱり受け取りを拒否する霧切さん
板挟みになって困惑する羽目になる苗木君

みたいな展開を想像した
117名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/01(日) 23:52:54.13 ID:kcyM01FW
むしろ苗木君にお年玉を要求する霧切さんで
118名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 03:25:02.12 ID:OYy6A2xb
 気配を殺し、音を立てぬように。
 視線の先に彼の姿を捉えたまま、探偵の所作をもって歩を進めていく。
 彼は相変わらずソファに背を預けたまま、小さく肩を揺らしながら寝息を立てている。
 目を覚ます気配がないことを確かめながら、私は慎重に彼の正面へと回り込む。
 そして寒夜の外気で冷え切った指先で、そっと彼の首筋に触れると――

「うわぁぁっ!?」

 悲鳴をあげ、大袈裟なくらいにソファから飛び上がる。

 この手に消えない傷が刻まれたあの日以来、私の手から温感は失われしまった。
 だから彼を襲った感触がいかなるものなのか、私には正確に知ることはできない。
 それでも彼の反応が頭の中に思い描いたのと寸分違わないものだったことに、内心で思わず笑みがこぼれる。

「なんだ、響子さんか……脅かさないでよ」

 振り返る彼の表情は、驚きと困惑の混ざった呆れ顔。
 これまた予想通りの反応で、私はとうとう小さく笑い声を漏らしてしまう。

「ただいま。こんなところで寝ていると風邪をひくわよ、誠君」
「……おかえり。心臓に悪いよ、ほんと……」
「それは悪かったわね。ごめんなさい」
「笑いながら言われてもなぁ……まったく、もう……」

 仕事の性格上、私の帰宅時間が深夜になるのはそう珍しいことではない。
 彼と一つ屋根の下で暮らすようになってからも、それは同様だ。
 だから帰りが遅くなりそうな時には、私は彼に『先に寝てくれて構わない』と予め連絡を入れることにしている。
 しかし彼の律儀な性分は諾々とそれに従うことを許さないようで、私の帰宅が何時になろうと、毎度寝ずに待っていてくれるのだ。

 だから、今日に限って彼がうたた寝に陥ってしまったとしても、それは責められるようなことではない。
 起きていてくれるのは、あくまで彼の善意によるものなのだから。
 彼が自分を待たず眠ってしまったことに対して幾ばくかの憤慨と寂しさを覚えたりするなど、筋が通らないこと甚だしい。
 それは分かっているのだが――喩えるなら、親に構って欲しくて悪戯をする子供の心境が近いのかもしれない。
 私は幼稚で尚且つ一方的な意趣返しを仕掛けずにはいられなかったのだ。
 彼も私も、とうに二十歳を越えたいい大人だというのに。

「……シャワー、浴びてくるわ」

 自分の行動を冷静に振り返るうち、次第に恥ずかしさがこみ上げてきてしまう。
 それを誤魔化すように私がその場を離れようとした、その時。

「ちょっと待ってよ」

 右手が強く掴まれる。
 顔をあげると、そこにあるのはじっとこちらを見返す彼の瞳。
119名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 03:26:11.30 ID:OYy6A2xb
「誠君……?」
「……仕返しだよ」

 それだけ言うと、彼はグイと私の身体を引き寄せる。
 常にはない強引さに戸惑っているうちに彼の手は私の手袋にかかり、そして慣れた手つきで剥ぎ取ってしまう。

「ちょ、ちょっと……」

 抗議の声をあげようとするも、彼はそれを無視して更に私の手を引く。
 そして傷跡を露にされた右手は――彼の手に導かれるまま、頬へと重ねられる。
 右手から伝わる彼の感触が、そして彼の突飛な行動が、私をおおいに狼狽えさせる。

「……何なのかしら、これは」

 努めて冷静に、彼に問い掛ける――が、

「仕返し。さっき言った通りだよ」
「仕返しにしたって……意味不明だわ」
「でも、驚いたでしょ?」
「……当たり前よ」

 してやられた形、ということになるのだろうか。
 子供のような真似に子供のような真似で返されてしまっては、如何ともしがたい。

「響子さん、顔赤いよ?」
「っ……! あなたが、いきなり訳のわからないことをするから……!」

 内心溜息をつきながら――そんなリアクションを返せる立場でもないのだが――私は負けを認める。
 

「……それで、私はいつまでこうしていればいいの?」
「そうだな……響子さんの手が暖かくなるまで、かな?」
「あなたも知っているでしょう? 私の手はもう、温度なんて……」
「いや、そういう話じゃないよ。『仕返し』だからね」
「ますます意味不明よ、あなた……」

 言葉を交わしている間に、残る左手も彼に掴まれてしまう。
 彼は捕らえた私の手に口を寄せると手袋の指先を軽く噛み、そのままするすると引き抜いてゆく。
 丸裸にされてしまった私の左手に彼に逆らう力は無く、右手と同様、なされるがまま彼の頬に添えられる。

 私の右手は彼の左頬に。
 左手は彼の右頬に。
 そして正面では、彼が少しだけはにかみながらも私の瞳を真っ直ぐ覗き込んでいる。
 きっと私の顔は先刻以上に赤くなっていることだろう。
 普段は少し頼りないくらいで、もっぱら私に振り回されている彼なのに。
 時折こんな風にして、逆に私の方が翻弄させられてしまうのだ。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 03:29:21.58 ID:OYy6A2xb
 だけれど――狼狽こそしているものの。
 彼の手を払って逃れようなどという気は微塵も起こらない。

 ――暖かい。
 もう私の掌は、熱を感じることができない。
 そのはずなのに。

 この手に傷を負ったばかりの頃は、手の中にこれほど近く他者の存在を感じる日が来ることなど、想像もしなかった。
 それに、こうして子供のようなじゃれ合いを演じることも。
 ただただ中立の探偵たらんとすることを追い求めていた、あの頃には。


 ああ、そうだ。
 またも他愛のない思いつきが私の頭をよぎる。
 仕返しの仕返し、とでも言ったところか。


「あの……響子さん?」

 私が黙り込んでしまったことを気にしてか、彼が声をかける。
 丁度良かった。
 それを合図代わりに私はすっと彼に身を寄せ、そしてしなだれかかる。

「え……ちょ、ちょっと!?」

 形成逆転。
 慌てる彼の様子に満足して、私は微笑む。
 我ながら――本当に子供じみている。
 こんな真似をできるのは、彼が傷に覆われたこの手を見せても構わない人だからこそなのだろう。
 彼に出会えて、そして共に生きるようになって、私は弱くなったのか。
 それとも、成長したのだろうか。

「暖めるの……手だけじゃ、足りないの」
「……はい?」


 ――いや、どちらでも構わない。
 何であろうと私はこの温もりを、愛おしさを、手離す気など決してないのだから。


「わかるわよね、誠君?」
「え、えぇっと……?」






今更感ありありだけど、>>61のネタで
流れ切り&駄文失礼
そして正月ネタじゃなくてごめん
121名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 09:50:44.33 ID:p+ChbbnT
>>120だがGJだ。

葉隠の「将来、苗木と自分は同じ人と結婚する」ってのが本当ならさ...

あるわけないよな。たかが2、3割だもんな。
122名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 10:07:59.56 ID:f1T8mj0V
その2,3割は朝比奈分だし心配あるまい
123名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 11:44:22.60 ID:TOQiv7b/
>>120
GJ!
新年早々いいイチャイチャだ
これはアレだな、慣れた手つきで手袋を脱がせる苗木君がポイントだな
124名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 14:08:04.56 ID:yK4m+2sx
>>120明けましてGJ!

ネタを話す→誰かがSSを書いてくれる の流れはこのスレの黄金パターンだな
125名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 16:31:36.76 ID:eY82sWdU
ネタを振れば高確率で何らかのアクションが返ってくるのがこのスレのいいところだ
>>120GJ!
126名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 19:47:06.42 ID:TOQiv7b/
ナエギリでお正月というと

@着物姿で初詣
A霧切さんの実家に年始のご挨拶
B福袋を買いにバーゲンへ
C二人揃って寝正月

どれだ
127名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 21:25:29.03 ID:re/yPf50
オーソドックスに@で
128名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 21:27:43.77 ID:sIU6gi3e
>>124
妄想を書き込むだけで、それがSSになってくる。
本編の小ネタにちなみ、これを「もしもファックス効果」と名付けよう
129名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 22:44:51.26 ID:Vcvl8KUk
>>126
見てみたいのはAかな
Bでアグレッシブな一面を発揮する霧切さんというのもなかなか…
130名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 23:31:16.66 ID:eY82sWdU
大事な項目が抜けているな

D苗木君と霧切さんの姫初……おや正月だというのにこんな時間に来客か。一体誰だろう?
131名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 00:43:55.27 ID:nr0nny7y
苗木君はおみくじで凶しか引かなさそう。

>>126なんだかんだで正月三が日で全部やりそうだな。
それで一段落した後、自宅にて「今年も頑張ろうね」的な感じになってDに至る訳ですね分かります。
132名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 01:11:24.13 ID:fbq077rd
>>126
@〜Cと見せかけて
Eみんなで新年会 を作成していた。

 ヽ | | | |/
 三 す 三    /\___/\
 三 ま 三  / / ,、 \ :: \
 三 ぬ 三.  | (●), 、(●)、 |    ヽ | | | |/
 /| | | |ヽ . |  | |ノ(、_, )ヽ| | :: |    三 す 三
        |  | |〃-==‐ヽ| | .::::|    三 ま 三
        \ | | `ニニ´. | |::/    三 ぬ 三
        /`ー‐--‐‐―´´\    /| | | |ヽ

新年会と称して皆でドンちゃん騒ぎをしよう――
そう山田くんが提案してきて、寄宿舎に今いるメンバーで集まったんだ。
男性陣は言いだしっぺの山田君、桑田君、葉隠君、そして僕。
女性陣は江ノ島さんと戦刃さん、霧切さん。

食堂でジュースとお菓子を食べてテレビを見るだけだったけど、思いの外騒ぎすぎて寮長からストップの声がかかった。
突然のお開き宣言で「はい、そうですか」と納得できるわけもなかった。
「だったらカラオケに行かない?」と僕が提案したらあっさり承認された。
そこに紅白・カウントダウンライブ・正月番組の生放送を終えて帰ってきた舞園さんも加わって、近所のカラオケ店で新年会の続きが行われたんだ。
新年早々、舞園さんの生歌が聞けるなんて幸先のいいスタートだなぁ、その時の僕は思っていた。


-----

「でっかい花火、打ち上げさせてもらうわ」
「レッツゲェツゥザトォゥップ!」
「行ったるべーー!!」
「「「「Let's Get to the top!!」」」」
「舞園さやか殿ーーーッ!!」

イントロと同時にギャラリーの江ノ島さん、桑田君、葉隠君、山田君がMCと化した。
戦刃さんもリズムに合わせてマラカスを振っている。
舞園さんの歌とコラボしているのか、はたまた邪魔しているのかわからない情熱的な合いの手。
でも観客と歌手が一体となっているのは確かな構図だ。

そんな光景を見て呆気にとられていると左半身がユサユサと揺れる。
「? どうしたの、霧切さん?」
隣に座っていた霧切さんが僕の体を揺すっていた。
「苗木君、少しいいかしら?」
周りの音に負けないように会話をする対策だろう。
か、顔が近いよ……!

「私自身、カラオケって初めてだからよくわからないけど……」
「え、霧切さんってカラオケに行ったことなかったの?」
「この学園に来るまでは海外での生活がほとんどだったし、"稼業"もあったから行く機会がなかったわ」
「あ、そうだったんだ」
「歌謡曲を模倣するように歌うっていう予備知識はあったけれど、あんな光景がいつも繰り広げられているの?」
目線を僕からスタンドの方へ向ける。僕もそれにならう。


頭お堅い\L・O・V・E!ラブリーさやかー!/ 誰かが
決めたルール\そんなルールはBreak!/ ぶち壊して
今日\ハーイ!/から\ハーイ!/ Try again\GO!GO!GO!GO!/
別れ告げよう いつ\ハーイ!/もの\ハーイ!/トラウマへ\Let's Get to the top!!/
133名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 01:13:21.38 ID:fbq077rd
>>132
続き

「……それは違うよ。僕の知っているカラオケと違う」
「そう……。それを聞いて少し安心したわ」
家族や学校の友達とカラオケに行く機会はあったけど、こういうことは一度もなかった。
きっと超高校級の高校生たちが集まったことで、規格外の超高校級のカラオケに変化したんだ。
「ところで苗木君、あなたの持ち歌って何かしら?」
「うーん、そうだなぁ……」
僕の好きな歌って大抵はメジャーな歌だし。
「せっかくの機会だから苗木君の歌を聞かせて欲しいわ」
「え、僕の歌を!?」
「あら、人前で披露できない音痴だったりするのかしら?」
「それは違うよ! ただちょっと恥ずかしいんだ、みんな上手だし」
「そう、憧れの舞園さんの前で失態を晒すのが怖いのね。苗木君は」
うっ、霧切さんの挑発が僕の確信を衝いてくる。
「だったら僕も霧切さんの歌を聞いてみたいな。そうすれば僕も歌うよ」
「えっ、私の……?」
僕の苦し紛れの反論が意外な要求だったのか、霧切さんが呆然とする。


目の前には輝く Shining Gate\夢のShining Gate!イェーイ!/
夢のゴールへ\Hey!/ 走り出そう\カモーン!/
昨日より\オーイ!/ 高い\オーイ!/ 場所へ\イェーイ!/
Get to the top!\All right!!/


舞園さんが歌い終わったようだ。
合いの手をしていた皆で歓声と共にハイタッチを交わしている。
「うぅ……。歌いにくかったです……」
「お疲れ様、舞園さん」
舞園さんが僕の右隣に座る。
「ところで苗木君と霧切さん。さっきからお二人で何をお話していたんですか?」
「私が苗木君の歌を聞きたいと言ったら彼、なかなか交渉に応じないの」
「え、苗木君の歌ですか!? 私も聞きたいです!」
「や、やっぱり恥ずかしいから歌いにくいよ」
目を爛々と輝かせる舞園さんに思わずたじろいでしまう。

『私様の歌を聞けーーーーッ!!』
「盾子ちゃーん」\シャカシャカシャカシャカッ/

江ノ島さんの一声に注意が逸れた。
その隙を突いて、戦刃さんの隣に席移動する。
「あ、逃げられました」
「……苗木君のクセに生意気ね」
そのまま戦刃さんの隣でタンバリンを打ったりするなど、盛り上げ役に徹して歌わないように逃げの一手を打った。
その後は山田君のアニソン、桑田君のヴィジュアル系バンドの歌、葉隠君のこぶしをきかせた演歌。
舞園さん→江ノ島さん→山田君→桑田君→葉隠君→舞園さん……という一定の歌うサイクルが出来たまま利用時間は終了を告げた。

混雑しているということで延長も出来ないから新年会もお開きとなった。
みんなが満足な顔を浮かべる中、一人だけ物足りない顔を浮かべているのを僕は気づかなかった。
だって、彼女は表情を隠すことに長けているから――
134名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 01:16:47.85 ID:fbq077rd
>>134
続き

-----

翌日。
僕はまたカラオケ店にいた。
「ほら、苗木君。早く歌ってちょうだい」
霧切さんと二人っきりで。 
どうしてこうなった。

推理小説を読むかのように選曲本のページを捲る霧切さんが言う。
「苗木君の場合、場数を踏めば羞恥心を克服できるはずよ」
「だからって開店からフリータイムってどうなのさ? さすがの僕でも喉が潰れるよ?」
「その心配はないわ、私も歌うから」
「え?」
「昨日あなたの口から言ったでしょ? 私の歌を聞けば自分も歌うって」
た、確かに……。
「私は苗木君の歌を聞きたいがために時間と場所を提供した。
 あなたはこの機会を利用して羞恥心を克服すればいい。
 そう、これは利害の一致よ。ここまで言えばわかるわね、苗木君?」
「わかりました、霧切さん……」
僕も腹を括って端末を操作し、選曲をする。

こうして僕と霧切さんの「利害の一致」と称したカラオケ大会が幕を開けた。
7時間という長丁場だったけど、おかげで僕は人前で歌うことに抵抗感がなくなった。
そして初めて聞く霧切さんの歌声にドキドキしながら聞いていたのはここだけの秘密だ。

1位 デスペアージュンコ 1000点
2位 センターサヤカ 960点
3位 キングヒフミン 950点
4位 クイーンキョウコ 945点
5位 キャプテンレオン 930点

余談だけど、カラオケの得点ランキングに霧切さんの名前が入っているが、実は僕とデュエットした時に叩き出したスコアだったりする。
今年の一年も、こんな霧切さんに振り回されていくんだろうと確信めいたエピソードだと思う。


霧切さんと一緒に過ごした。





参考⇒ ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm14682823

話の展開上、ナエギリにしたいがためにモブキャラ扱いになってしまった、他のみんな

 ヽ | | | |/
 三 す 三    /\___/\
 三 ま 三  / / ,、 \ :: \
 三 ぬ 三.  | (●), 、(●)、 |    ヽ | | | |/
 /| | | |ヽ . |  | |ノ(、_, )ヽ| | :: |    三 す 三
        |  | |〃-==‐ヽ| | .::::|    三 ま 三
        \ | | `ニニ´. | |::/    三 ぬ 三
        /`ー‐--‐‐―´´\    /| | | |ヽ
135名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 12:19:29.89 ID:r+hdzakq
GJ!
二人きりでカラオケ…いいじゃないか
136名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 14:42:19.15 ID:pV4yhVAj
GJ
では次はカラオケデートの様子を詳しくだな
137名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 18:20:40.40 ID:y0n46aVT
霧切さんはどんな歌を歌うのか
それが問題だ
138名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 20:10:17.26 ID:pDMBrCWF
ちょっとss持参で特攻してみる。


薄暗い中、ぼんやりと目が覚める。
まだ重い頭を動かして枕元の時計に目を向けた後、僕はゆっくりと身体を起こした。
いつもは、もう少しだけ、と寝ている時間なのだけれど、
今日ばかりはそうもいかないだろう。

一月一日。
そう、今日は元日だ。

本当はいつも通りなんだろうけど、何かが変わった、新しくなったような、そんな朝。
その空気を感じながら隣を見やると、彼女はまだ眠っていた。気持ち良さそうに寝息をたてている。
その頬に軽いキスをし、僕は顔を洗いに洗面所へ向かう。
目覚まし代わりに顔に浴びせた水をタオルで拭きながら、僕は頭の中で今日の計画を立てていた。
なにしろ、やらないといけない事が多すぎるからだ。

まずは御節。どこかに注文するという案もあったけれど、どこも予約がいっぱいだったのと
どうせ二人しかいないのだから、ということで家で簡単にこしらえることにした。
仕込みはすませてあるし、そう長くはかからない。
その次は初詣。着物に着替える予定だが、それは時間によるだろう。
ただでさえ道が混む。早めに出かけなければ。
その後、一旦家に帰って支度、そして新年のご挨拶。
忙しい日々の中、僕も彼女も実家に帰る機会はほとんどない。
今日はそう遠くない僕の実家に行くことになっている。


139名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 21:12:27.56 ID:mECDTCUc
そんな感じで軽く予定を反復していく。
過密スケジュールだが、事務所のことを考えるとあまり正月休みをとるわけにもいかない。
今日やれることはすべてやっておかなければならないだろう。あとは………

彼女の寝顔を覗き込む。が、起きる様子はない。
年末に仕事納めやら事務所の整理やら何やらで忙しかった。通常業務ですら大変疲れる仕事であるのに、その総まとめならなおさら。
特に昨日は朝から晩まで動いていたから、翌日に響くのは当然だ。
早く起きれないのは、仕方ないこと、なのだけれど。

願わくば、二人一緒に初日の出を拝みに行きたかった。もちろん、そんな些細なこと、といわれるのは承知だ。
新年初めての太陽を、新たな年に希望を抱きながら二人で望むのもいいんじゃないかな。
ただそれだけの、僕の思いつき。そのために彼女を起こすわけにはいかない。

少しだけ落ち込んだ自分に、年初めなんだから暗い気持ちじゃだめだ、と言い聞かせ、
台所に立つ。そして、何から始めようかと考え、「あ、年賀状。まだ来てないかな。」と思い至った時。

「あ、」
「新年、開けましておめでとう、誠君。」

彼女(ひどく眠そうだ、眼はほとんど閉じてるし、立ちながらふらふらして今にも倒れそうだ。)が起床したようだ。

140名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 21:57:50.97 ID:r+hdzakq
もしかして書きながら投下してるのか?
メモ帳なりに全部書き上げてから投下するべきだと思うぞ
それとついでにsageることもお勧めしておく
141名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 22:28:51.78 ID:XpLLqRs9
「うん、明けましておめでとう、響子さん。」

意外に早いお目覚めだ。座ったらそのまま寝ちゃいそうだけど。
「大丈夫?まだ寝ててもいいんじゃないかな。」
そう聞いてみると、彼女は寝ぼけまなこを擦り(この動作でもたっぷり十数秒は要した)ながら、
そうもいかないわよ、と

「見に行くんでしょう、初日の出。」

どうやら、わざわざそのために、無理して身体を起こしてくれたようだ。
彼女のその行為が嬉しくて、思わず笑みがこぼれてしまう。

「日の出まであまり時間がないわ、誠君。今すぐ準備を……何をにやにやしているの?」

それから急いで支度を整えて(彼女は顔を洗い、その間に僕は彼女の着替えをすべて用意した)
僕たちは家を出た。


初日の出を見る所といっても有名なスポットとかじゃない。
僕らが選んだのは、近所にある小高い丘のような場所。それでもここから望める景色は
ここら一帯では一番いいらしく、ちらほら人がカメラなどを持って集まっていた。
空いているスペースを探し、持参していた折りたたみ椅子を設置して、僕と彼女はそこに腰掛ける。


文章が下手くそすぎる………どうか目を瞑って下さい。
もう少し続くかも。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 22:38:05.68 ID:XpLLqRs9
>>140ありがとう。確かに一旦構成を見直さないと駄目ですね。
誤字も目立つ……
143名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 23:38:45.11 ID:r+hdzakq
>>142
乙&ドンマイ
投下前に全体の校正ができるのも勿論だけど、スレの流れを妨げないよう速やかに投下できるという意味でも、
書き上げてから投下というスタイルが望ましいと思うぜ

寝ぼけまなこの霧切さんかわいかった
続き待ってるよ
144名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/03(火) 23:54:37.36 ID:9hcPeGPt
乙!
続き期待
145名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 08:30:50.91 ID:IX2z0z26
はぁ…それにつけても霧切さんはかわいいなあ…
146名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 10:48:33.95 ID:FJ4VlA8i
裁判2回目の無言ドヤ顔かわいい
147名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 12:21:58.07 ID:1L0iSoYk
大和田が怪しいと思った理由を答えた後のあれか
あそこはハズレを選んだ時の無言でプイッと横を向くリアクションもかわいいと思う
148名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 16:03:04.99 ID:JuLMc0BO
ならば俺は1章裁判終了後の、「エスパーだから」と返されてポカンとしている霧切さんを推そう
149名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 17:48:10.59 ID:5n5V8Icw
かわいいって言われた時の驚き顔は、
最初の一瞬だけは本気でドキッとしたからだと思いたい
150名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 19:43:07.61 ID:IX2z0z26
いくら霧切さんでも意図的に頬を赤くすることまではできない筈だ
ということであの時は本気で照れていた(けれど必死に誤魔化した)説に一票を投じたい
151名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 20:53:40.49 ID:6sjvIIoT
>>141の続き


「なんとか間に合ったみたいだね。」
ほっと一息ついて、僕は口を開いた。

「…起こしてくれれば良かったのに。」

「響子さん、昨日は夜遅くまで頑張ってたからさ、無理に起こすのもどうかと思って。」

「そんな気を利かせなくてもいいわ。あなたとは…恋人同士、のような関係でしょう。」

恋人。確かに世間一般的にいうと、僕らはそういう関係だった。一つ屋根の下で、共に暮らすようになって
しばらく経つし、仕事上でも大切なパートナーと呼べる。
それでも、恋人、という響きは何となく恥ずかしくて。僕は別の話題で話をそらしてしまう。

「そういえばさ、初日の出にはその年の決意や願い事をするよね?」

「ええ、そうみたいね。」

「『そうみたい』って響子さん、初日の出を見たことは無いの?」

「海外ではそのような習慣が無かったから…。太陽を拝む、という習慣があるのは
おそらく日本くらいじゃないかしら。」

「日本に帰ってきてからも見なかった?」

「そうね、あなたに誘われるまでは考えたことがなかったわ。」

それならさ、と
「今年は響子さんも、何か願い事を」
「待って、誠君…あれを。」

僕は、どうしたの?、と彼女の顔を覗き込む。

彼女の目線の先にはーーー

152名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 20:58:44.14 ID:JuLMc0BO
なるほど…言われてみれば
表面上クールに取り繕いながら内心では軽くパニクっていたと思うとなかなか味わい深いな
153名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 21:11:33.41 ID:JuLMc0BO
すまんリロードしてなかった

>>151
遠慮せず続けてくれ
154名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 22:39:23.96 ID:LZf8s08L
いつもと変わらない日の出、のはずなんだけれど。

どうしてかその景色は、「綺麗だね。」なんて陳腐な言葉で表すのが憚れるほどで。

僕は静かにその特別を眺めながら、確かに新たな時の始まりを実感した。

ーー今年はどんな年になるだろう。
来るであろう「これから」に思いを馳せ、希望に胸を膨らませる。不安は、無い。
そんな気持ちになれたのはきっと

「今年もよろしくね、響子さん。」

「ええ、こちらこそ。」

彼女のような人と一緒なら……この先何が待っていようと、僕はむしろ楽しみだ。




ちなみに、僕は「願い事」のことなんてすっかり忘れていた。
だから彼女の願っていたことなんて知らなかったし、
その内容そして、それが今年中に実現することも、想像だにしてなかったんだ。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 23:00:21.59 ID:YequDkXD
…えーと、まだ続くんだよな?
なんでこんなに書き込み間隔が空いてるんだ?
156名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/04(水) 23:46:43.03 ID:YyxlrbnE
「そういえば誠君。あなた、『願い事』の話をしてたわね。」


正月の慌ただしい日々が一段落した後、
自宅でようやくほっと一息ついた時、彼女が唐突にそう切り出した。

「あ…そういえばそうだったね。」
すっかり忘れていた。

「あなたは何をお願いしたのかしら?」

もちろん願い事なんてしてない。
でも、その話題を振った手前、忘れてました、なんて言えないし。
「き、響子さんは何か願い事、したの?」

「私……?…もちろん、…したわ。」

何だろう。言葉と言葉の間に、ものすごく間隔があるような気が…。
「…教えて、ほしい?」

彼女がそう問いかけてくる。若干頬を赤らめて視線をそらしている。
心なしか辛そうに見えるんだけど。
「いや、言いたくないんだったら別に、」
「いえ、言うわ。」
「いやその、だから、無理して言うことでも」
「誠君。口に出さなければ叶わない願い事、というのもあるわ。」

口に出さないと叶わない、願い事…?
そんなもの、あるのだろうか。
頭の上に「?」を浮かべる僕をジト目で見た後、彼女は諦めたようにため息をつき、
やがて大きく息を吸いーー決心したようだーーこう言った。

「子供が欲しいわ、誠君。」

あぁ、そういえばーー
学園長が、孫はいつできるのか、なんてことを冗談半分で言ってた気がする(響子さんは
無表情で聞き流していた)。
時々言われるんだよなぁ、高校の同級生にも。
ーーー二人の間にできる最初の子供は……女の子とでたべ!俺の占いは三割当たる!ーーー

そんなことを他人事のように思っていると。

「子供が欲しいわ、誠君。」

二回も言わせるな、とばかりに彼女が繰り返す。

「えーーっと、つまり…?」



「誠君、ここまで言えばわかるわね?」



さて、最後に二人の姫初うわなにをするやめ



157名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 05:03:44.90 ID:+CQleCxl
乙&GJ!
孕ませEND霧切ver.だな
158名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 08:35:50.58 ID:IP0v92rv
乙なんだが、上でも言われてるように書きながら投下するのはあんまりよろしくないぞ
159名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 10:21:17.02 ID:ZyPdHzRI
スーパーダンガンロンパのショートの子、もしあの子が苗霧の子ならスレも活性化するよね。
160名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 12:41:31.17 ID:x2kMy4ED
ヒロインなのに通信簿が5Pしかないのはどういうことだ
161名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 14:13:17.54 ID:eY/Q9UwU
開発スタッフ的に、霧切さんはそこまで人気でるとは思わなかったんじゃね?
小松崎がVFBで「(苗木くんにやさしくないから)ヒロインぽくない」って言ってたし
162名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 15:02:57.77 ID:RMWcZmbd
最後に「あなたと一緒なら…」とかいってたのにそれはないだろ
163名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 15:28:33.31 ID:JCLmaMI/
>>161
ラジオの人気投票で霧切さんが一位になった時に
スタッフの誰かが「鉄板の結果」とコメントしていたのでそれはないと思う
164名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 15:42:43.33 ID:Klq1TBgV
自由時間で霧切さんと過ごせる回数が少ないからじゃないの?
行方不明だったり、無視されたりってのが多かったし
165名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 16:34:17.44 ID:tSudLnjf
「あなたと一緒なら…」って結局、あなたと共に歩んで行きます的な解釈でいいんだよな?
166名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 18:11:29.40 ID:JCLmaMI/
「私、もうあなた無しでは生きていけないの…。
 お願い…あなたの隣にいさせて…」

これを霧切語に訳すと「あなたのような人と一緒なら…」となります
167名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 19:40:22.38 ID:1I904IH6
>>166デレデレじゃねーかw
まぁ、あの状況下で共に行動するってことは衣食住を共にすることであり、
一つ屋根の下で男女が住んでたらそういうことになるのは明らかなので
ロンパ2の子がチビギリさんであることは大いにあり得る。
っていうか、個人的にそれしか考えられない。
168名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 20:43:33.79 ID:o2jy/j1c
霧切さんの通信簿が少ないのは
本編の中で霧切さんに踏み込む話が出るからじゃないの?

自由時間回数はそんな関係ない気がする
三章でいなくなるセレスが最多の部類だし
169名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 22:12:57.66 ID:ZyPdHzRI
仮にチビギリ=ショートカット子が成立したら、巨大な疑問が生じる。
ショートカット子の豊満なお胸様だ!苗木くんの遺伝子は巨乳のエクソンでも入ってるのか!
170名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 22:17:15.67 ID:24aud56m
 6ページ目:裁判後の脱衣所でのやりとり
 7ページ目:スネギリ事変
 8ページ目:保健室で仲直り
 9ページ目:二人で事件の捜査〜4章裁判での息の合った連携
10ページ目:「戦刃むくろに気をつけて」
11ページ目:脱衣所で手紙を託される
12ページ目:5章裁判
13ページ目:天から舞い降りるカップ麺の妖精
14ページ目:梯子を昇りながらの会話
15ページ目:寄宿舎隠し部屋のイベント
16ページ目:生物室での会話
17ページ目:最後の裁判〜超高校級の希望命名
18ページ目:「あなたのような人と一緒なら…」

実質的には多分こんな感じ
なんだ、圧倒的じゃないか霧切さん
171名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 22:18:58.78 ID:5IjcDnze
>>169苗木君のママンを見たまえ。
二児の母でありながら見事な容姿と胸をしているではないか。
172名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 22:25:18.26 ID:ZyPdHzRI
>>171
残姉「その・・・苗木と床を一緒にすれば胸が一晩でボインボインになるって、循子が・・・」
173名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 22:42:02.59 ID:qhqiY3gU
>>172気をつけて…それはガセよ!
ゼロを読む限り、残姉と苗木ってそれほど悪くない間柄なのな。

ところで
「き、霧切さん!その、えっと………ぼぼ、ぼ、僕の子供を産んでほしいんだ!」

とか苗木君に言われたら、どう反応するだろうか。
174名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 23:43:16.03 ID:x2kMy4ED
>>170
なるほど、得心がいった
そしてED後は千ページあっても足りない二人の通信簿が綴られていくわけですね
175名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 02:08:39.19 ID:4crDWvlh
>>174
なにそれ素敵
176名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 12:34:47.63 ID:WV4kd7Op
25ページ目くらいで第二次スネギリ事件
26ページ目で仲直り
27ページ目で初めて手を繋ぐ
30ページ目くらいで初キッス
70ページ目くらいでここには書けないあんなことやこんなこと
100ページ目くらいで手袋の下を見せてくれるように
150ページ目くらいで結婚式
300ページ目くらいで第一子出産

俺の占いは当たる
177名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 14:59:17.80 ID:OIVGVvDv
今更だけど、手紙渡した時にこれはラブレターで何か無い限り開けないでほしいというのは
自分が生きてるうちはちゃんと自分で告白したいという事だと思っていた
そんなことはまったくなかった訳だが

まぁ、苗木はさっさと霧切さんと結婚するべき

>>169
マジレスすると胸の成長は遺伝は関係ない、後揉まれてでかくなるのも嘘
ホルモンバランスとか栄養とかそういうもの
苗木と結婚して稼業だけではなく料理や子供の事にも気を配れるようになった霧切さん
その幸せな生活の結果が子供の胸だと思えばいい、霧切さんの胸も栄養や出産によるホルモン変化で少し大きくなってるかもしれん
178名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 15:53:24.33 ID:L28o2k9f
何故みんな揃ってわた…霧切さんの胸が小さいような言い草なのかしら
自分の目で確かめたわけでもないのに失礼な話ね
179名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 17:35:32.61 ID:s6Lq8ZNR
>>177
揉まれたら、ホルモンが出て大きくなるんじゃないか?
あと、普通に身長とか体重と同じで遺伝も関係あると思う
180名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 17:51:46.44 ID:Z+NX0pf9
>>178
超高校級の探偵さん、チースw

冗談はともかく霧切さんは別に貧乳じゃないっしょ、巨乳でもないけど。
貧乳はデザイナー自らド貧乳とした残念なお姉ちゃん、セレスティアなんとか、ジェノサイダーだろjk



・・・ん、誰かがきたようd
181名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 17:55:01.17 ID:Z+NX0pf9
あ、ちーたんは天使なんで無問題Death
182名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 18:01:16.42 ID:TpdqTdBk
霧切さん的には胸のこと気にしてんのかな。
苗木君を意識し始めてから自分のスタイルに気をつかうようになったりして。
183名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 18:17:33.26 ID:t5zCmtfV
霧切さんより苗木が身長高くなれるかが心配だ

>>179
好きな人の近くにいたりすると女性ホルモンが活発になるのと一緒で揉まれるのも揉む行為そのものではなく
好きな人に揉まれることが重要
揉む行為そのものは意味ない(一時的にむくんででかくなったようには見える

胸筋・胸骨は関係するがバストそのものは遺伝せず栄養や生活環境で左右されるってのが医学的な見解だな
184名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 18:28:34.48 ID:Z+NX0pf9
ナデナデ、ナデナデ

「・・・霧切さん、手持ち無沙汰だからって僕の頭撫でないでよ」
「あら、私なりの親愛表現よ?」
185名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 18:57:42.55 ID:6gzmG2A8
>>173
スパイク新作のコンセプションか……
ご希望に添える形かどうかわからんが挑戦してみる。
186名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 20:02:40.06 ID:tAoaJcRe
>>183もしそれを霧切さんが知ってたら、
胸を大きくするために苗木君にいっぱい揉んでもらうのか。
胸熱だな、色んな意味で
187名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 20:28:40.10 ID:L28o2k9f
>>183
俺としては、身長差は今のままであって欲しい
苗木君的には不本意かもしれんが
188名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 21:12:38.68 ID:x0V8DsZh
ゲーム時すでに高校出るような歳なんだから
余程じゃなきゃもう身長延びないんじゃね?
189名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 22:32:08.80 ID:vsVzI5xn
希望を捨てちゃ駄目だ!
霧切さんの胸に成長の余地があるなら苗木君の身長だって伸びる可能性はあるはずだよ!
190名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 22:34:45.56 ID:nE0FUbyQ
霧切さんが胸小さいんじゃなくて、舞園さんが胸でかすぎるだけだよね
あの二人のツーショットなイラストとかあるが舞園さんはホントにデカイ
191名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 23:25:49.06 ID:WV4kd7Op
もう何度も同じことを書き込んでいる気がするが
おっぱいは大き過ぎず小さ過ぎず、霧切さんくらいのサイズが一番素晴らしい
異論は認めない
192名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 23:44:30.09 ID:OTQCv6am
>>191それには同意だな。

今最後の学級裁判やり直したんだけどさ、
苗木君の台詞って「希望を失っちゃだめだ!」じゃね?

なんにせよ苗木君かっこよすぎ
193名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 23:53:09.91 ID:qQTVCt8I
おっぱいは大きさよりも形の良さの方が重要
これは宇宙の真理

あと、みんなおっぱいばかりでなくもっと霧切さんの美しいお尻についても論を戦わせるべき
194名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 00:14:40.51 ID:vT2EtRyF
そういえば妙にヒップとスカートの中が強調されてたな。

ま、強調されてるだけで大事なものは見えないんだけど。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 01:23:36.84 ID:O7xyFB7g
流れぶった切ってスマン、初七日のうちに正月SSをば書き逃げ
ちょっと長くなりそうだがご勘弁を



 真の愛とは、見返りを求めないものだ。

 私がかつて仕事で滞在していた国のことわざ。
 本当に相手を思うなら、自分は二の次。
 誰かを愛することが出来るなら、その人はきっと優しい心の持ち主。
 心が富めるのであれば、相手が幸せならそれで自分も幸せなのだという。


 ふぅ、と溜息を吐くと、白く濁った。


「新年早々、運気が逃げますよ」
 前を行く舞園さんが振り返る。
 ファーのついた高級そうなコート、毛糸の帽子がよく似合っていて、可愛らしい。
 隣を歩く私は、男物。なんとも対照的で、可愛らしくもない。が、私にはお似合いだ。

「最近多いですよ、ため息。悩んでいるなら、私でよければ相談に」
 気を遣ってくれるのはありがたいのだが、おいそれと人に話せるものでも、
「…とは言っても、どうせまた苗木君絡みでしょう?」

「……また、例のエスパー? 私にプライベートはないのかしら」
「それ、霧切さんが言っちゃいます?」

 クスクスと愛くるしい表情で笑う彼女を、正面から見返せずに目を伏せる。
 一度事件となれば自分で驚くほど饒舌になるのに、どうにもこういう日常の応酬には弱い。特に、舞園さん相手には。


 年が明ける数分前から降り出して、早朝になっても雪は止んでいなかった。
 多少は積もっていたけれど、昼にでも初詣に行こうと提案したのは、例によって苗木君だった。
 男子は男子同士、女子は女子同士で集まり、神社で合流。
 お参りを済ませたら、適当に御飯でも食べたり、カラオケにでも行ったり。

 正直、同窓生同士の集まりはあまり好きじゃない。
 別段彼らのことが嫌いなわけでもない。
 ただ私が、そういう集まり事が苦手だというだけのこと。何をしていればいいかわからなくなるのだ。
 だというのに苗木君は、
『大丈夫だよ、適当にブラブラするだけだし。どうしても嫌だったら途中で抜けてもいいからさ、来るだけでも』
 相変わらず、私の言い分は聞いてくれなかったのである。

 さらに慎重なことに、私がバッくれないようにとわざわざ舞園さんまで迎えに寄越した。
 彼とは約束を違えた覚えはないけれど、そんなに信用が無いのだろうか、と少し憂鬱になる。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 01:24:34.84 ID:O7xyFB7g

 私が苗木君を好きだということを、舞園さんは知っている。
 直接言葉にした覚えはないけれど、どうにも私はこと恋愛に関しては分かりやすい女だったらしい。

 苗木君が舞園さんに憧れている、というのも周知の事実だ。
 中学校まで同じだった、とまでなれば筋金入りだろう。

 別にそれは、いいんだけど。

 無理に叶えるべき恋だとも思えない。
 人にはそれぞれ、分相応というものがある。
 苗木君には苗木君に見合う恋愛、私は私に見合う恋愛。
 昔から、無理や高望みはしない主義だ。

「ちょっと急ぎましょうか。時間、遅れ気味だし」
 コートを羽織り直し、舞園さんが駆け足を促す。
「すみません…その、苗木君と電話してたら、ちょっと迎えに行くのが遅くなっちゃって」
「……構わないわ。私は…迎えに来てもらった身だもの」

 嫉妬の火種が煙るのを必死に隠して、首元のマフラーに顔を埋める。

 そう、私自身の恋が報われないのは、まだ我慢できる。
 ただ耐えられないのは、彼の心が他の女の子に向いているのを見せつけられること。

 いっそ憎めるほどに嫌な女の子だったらよかったのに、と思ったのは、一度や二度ではない。
 この理不尽な嫉妬をぶつけるには、あまりにも舞園さんは優しすぎる。
 この鬱々と溜まり続けた汚い感情は、除夜の鐘でも濯ぎ落とせなかったようだ。

 新年一発目からコレか、と、溜め息を吐いた私の心情、誰か共感してはくれないだろうか。


 真の愛とは、見返りを求めないものだ。
 彼が私以外の誰かを好きになっても、変わらずに彼を好きで居続けること。

 ならば、この気持ちは。
 どれほど抑えても、分不相応だと自分に言い聞かせても、舞園さんと苗木君の仲を見守ろうとしても。
 心の奥底で煙る、仄暗いこの気持ちは、真の愛ではないのだろうか。

 苗木君に振り向いて欲しいと思ってしまうのは、偽物の気持ちなのだろうか。
197名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 01:25:29.99 ID:O7xyFB7g

「遅いですわよ、あなたたち」
 笑顔を崩さず、セレスさんに怒られる。
 意外と時間には厳しい人だ。

 遅れたのは、私のせいというか、雪のせいというか。
 考え事をしながら走っていたため、横断歩道で思いっきり足を滑らせ、お尻を打ってしまったのだ。
 まだちょっと痛い。痣が出来ているかも。

 女子は女子で集合、という形で本当に良かった。
 苗木君にあんな恰好悪い姿を見られていたら、今日はもう帰るしかなかったから。

「えーと、他のメンバーは?」
「十神は一人で先に行っちゃったし、腐川は十神のストーキング。オーガは確か道場でなんかかんかあるから来れなくて…」
「江ノ島は『雪積もってるからパス』だとさ。あとはちょっと遅れてる男子に、苗木のやつがあっちで連絡取ってる」

 苗木、という名前が出て、舞園さんがチラチラとこちらを見てくる。
 気付かないフリをして、集まりから少し遠ざかり、石段に腰を預けた。

 こういう時、どう会話に加わっていいか分からない。
 だから、私は集団に加わるのが苦手だ。
 ただ黙っているのも気を遣わせてしまいそうだし、何か口を挟んでも空気を乱しそうだし。
 一人の方が、ずっと気が楽。


「お待たせ…山田君、寝坊だってさ」

 電話を終えた苗木君が肩を竦ませて、みんなの輪の中に加わった。
 元日から寝坊とかないわー、どうせアニメだろ、先に行ってて良くない?
 各々がガヤガヤ騒ぐのを背に、こちらに目を向ける。

「霧切さん」
 名を呼ばれても顔を上げずに、コートのポケットに手を突っ込んだ。

「着てくれたんだ」
「…あなたが誘ったんでしょう」
「そうだけどさ。もしかしたら来ないかも、と思ってたから」
「信用ないのね、私も」
「あ、いや、そういうワケじゃなくて…」
198名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 01:27:46.26 ID:O7xyFB7g

 輪に入れない八つ当たり、とばかりに、苗木君を困らせてみる。
 思った通りに言葉を詰まらせているのが面白くて、吹き出してしまう。

「…もう。そういう心臓に悪いからかい方、止めてよね」
「あら、冗談で言ったわけじゃないわ」
「迷惑だった?」
「…電話でも言ったけれど、本当は苦手なの」

 自分でもよく分からないのだが、苗木君は割と話しやすい相手だ。
 特によく気が利くわけでも、機知に富んだ発言が出来るわけでもないのに。
 彼をからかうのは楽しいし、彼に気を遣われるのはくすぐったい。

 話しているといつの間にか、みんなの輪は私たちを…というより、苗木君を中心に出来上がってきた。

「なあ、そろそろ行かねえ?」
「あ、うん。じゃ、山田君にはメールしておくよ」
「お昼はどこに行くの?」
「駅前に新しい喫茶店が出来たってさ」

「……」

 私はまた、黙りこくる。
 苗木君と一対一ならまだ話せるのだけれど。
 もう、苗木君は私の方を向いていない。

 みんなに優しいのは、彼の良いところだ。
 好んで輪に入りたがらない私にまでも、その優しさは向けられる。

 だけど、その『みんなに優しい』のが、なんとももどかしい。

 『みんなに優しい』苗木君が好きなのに、『みんなに優しい』のが嫌だ、なんて。
 自分勝手なのは自覚しているから、声にも出せないけれど。

「じゃ、先ずお参りしよっか」
「あれ、おみくじは?」
「俺が占ってやんべ。特別割引料金で」
「三割しか当たらないんでしょ、いらないよ」

 口々に雑談しながら、階段を上っていく。
 私はわざと遅れて歩き、少しだけ集団から遠ざかった。
199名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 01:28:14.76 ID:O7xyFB7g

「ね、霧切ちゃんと苗木、良い感じだね」

 輪の後ろに着いていたはずなのに、声を掛けられたのは背後から。
 私を「ちゃん」付けで呼ぶ人物は、一人しか思い当たらない。

「…良い感じ、って?」
「むふふ」
 朝日奈さんは、いやらしい笑みを浮かべる。
 トレードマークのポニーテールは、今年も継続するようだ。
「霧切ちゃんってば、苗木としか話さないじゃん」
「……」

 そういう風に見えていたのか。
 別に苗木君としか話さないわけじゃないのに。

「私に好き好んで話しかけてくるような物好きが、苗木君しかいないというだけよ」
「そんなことないよ、私だってホラ、今」

 けれど、輪に戻れば。
 朝日奈さんは太陽のような人だ。
 自分から輪の中心に行ってしまう。私のような陰日向に構う暇なんてない。

 それを言えば、苗木君だって同じだ。
 私と特別、というわけじゃない。
200名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 01:29:09.55 ID:O7xyFB7g

「…苗木君は『みんな』と仲が良いでしょう。私も、その例に漏れなかっただけよ」
「???」
「私が苗木君としか話さないんじゃなくて、苗木君が私とも話すってだけ」
「同じじゃないの?」
「大きく違うわ」
 一段一段、もう転ばないように、しっかりと踏みしめて登る。

 みんなを見上げれば、ふと後ろを歩いていた苗木君が、振り返ってこちらを見ていた。
 一瞬だけ目が合って、けれどまた前に向き戻ってしまう。

 小声だったから、聞こえてはいないと思う、けれど。
 万が一聞かれていたら、それを考えてしまう。
 ざわつきだした心を、上手く沈められない。

「じゃ、苗木のこと好きじゃないの?」
「……、嫌いではないわ」
「好きってこと?」
「……」

 沈黙で返す。
 関係を急ぎたくはない。今の距離感が心地良いのだから。
 そもそも彼は、舞園さんが好きなはずだ。

 そうやって自分に言い訳するのも、何度目になるだろうか。

「ねえ、霧切ちゃん?」
「…そう言う朝日奈さんは?」
「うぁ、あたし!? あ、あたしはまだ、そういうのは…」
 途端に真っ赤になって、もごもごと口籠る。
 こういう話題、自分のことになると彼女は苦手。
 我ながら、あしらうには最適の返し方だ。

 朝日奈さんは苦笑って、先に階段を上がっていった。
 戻った輪の端で、舞園さんと苗木君が談笑しているのが目に入る。

 溜息は、何度吐いても白い。



連投規制回避でいったん中断 今日起きたら続き載せさせてください
201名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 02:12:17.74 ID:bMsR0gp9
よし
全裸で待ってるぜ
202名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 02:36:25.44 ID:8E4BQETD
この時期全裸じゃ風邪をひくぞ。手袋くらいはつけておけ。
203名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 09:25:49.41 ID:TuIdsiC1
電車の中だけど手袋オンリーで待ってるぜ。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 12:15:17.61 ID:u4fn6jzF
おお、これは続きが気になるじゃないか…
全裸に手袋とネクタイのみで待機しているぜ
205名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 12:24:34.72 ID:O7xyFB7g
>>200続き


 お賽銭を投げ入れて鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼。

「ねぇ、いくら入れようか?」
「奮発して、五百円くらいかな」
 両手を合わせて必死に願う、前列のカップルを見やる。
 いちゃいちゃと腕を組み、互いに何を願ったかを語り合って、階段を下りていった。

 神聖な場所で、元日から罰当たりな。

 思わずその背を思いっきり睨んでしまうと、隣にいた苗木君が苦笑した。

「…あの、気持ちは分かるよ」
「ああいう浮ついた連中は、出入り禁止に出来ないのかしら」

 よりにもよって、このタイミングで見せつけてくれる。

「…ちょっと思うんですけど。こういう願い事って、何でもいいんでしょうか」
「まあ、願うだけならいいんじゃないかな。叶うかどうかは分からないけど」
「…ふぅん」
「…あまり不純なのはダメだよ?」
「えへへ」

 ああ、此方にもカップルが一組か。
 三人で一列に並んでいるので、必然的にこの組でも私はハブられる。

「あ…霧切さんは、どう思います?」
 思い出したように、慌てて舞園さんが取り繕う。
 思わず邪険に手を振ってしまいそうになるのを堪えて、微笑を張りつけた。
「悪いけど、日本の神仏には詳しくないのよ」
「海外では初詣とかあるんですか?」
「…よくわからないわ、行ったこと無いから」

 舞園さんも、私に気を遣ってくれるうちの一人だ。
 それを、こうして話題を断ちきることでしか、自分を保てない。
 舞園さんは気まずそうに逡巡し、しばらくしてまた苗木君と二人で話し始めた。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 12:26:17.82 ID:O7xyFB7g

 両手を合わせてようやく、とりたてて願うべきこともないのに気づく。

 無病息災は無難すぎるし、一応は健康体だ。
 平穏無事も興味ない、少しは刺激のある日々が良い。
 交友関係はどうだろうか。

 とは言っても、私の交友関係なんてたかが知れている。
 休日に無理矢理苗木君をつきあわせて外出する、その程度だ。

 苗木君と、これ以上の関係を望めばいいのだろうか。
 けれどそのためには、先ず舞園さんという存在が、


――私は、何を考えているんだ


 何の気なしに思いついた願い事に、思わず自分で身震いした。

 自分の幸せのために他人の居場所を奪おうと、一瞬でもそんなことを考えたのか。
 残酷なことを考えてしまえる自分自身が怖くて、ゾク、と背筋に寒気が奔る。

 今のは無し。取り消しだ。
 必死に別の祈願を考える。
 そうだ、学業。とりあえず手近に、冬休み明けの試験での好成績を願おう。
 もしくはここは探偵らしく、失せモノ関連にでもしておこうか。

「…霧切さんの願い事、結構長いんだね」

 名前を呼ばれて、は、と覚醒する。
 ぱちくりと瞳を向けて、苗木君が不思議そうに顔を傾ける。

「願い事とか験担ぎとか、あまりそういうの信用しないと思ってた」
「…どうも私は、余程つまらない人間だと思われているようね」
「や、ほら、非科学的なことには興味なさそうだなぁ、と…」
「あのね、苗木君。忘れているようだけれど、私も一応は女子高校生なの」

 軽口を返し、階段を駆け降りた。
 人混みを抜ければ、鋭い冷気が熱で鈍った頭に突き刺さる。
207名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 12:27:54.34 ID:O7xyFB7g

 境内を出て、鳥居前の大通りに出ても、みんなの姿は無かった。
 集合場所を間違えたか、と思って苗木君を振り返るが、彼も同級生の姿を探してきょろきょろしている。

「えっと…僕、ちゃんと伝えてた…よね?」
「…ええ。私以外の全員が聞き間違えた、というわけじゃないのなら、」

 ふと、車道を挟んだ向かいに、二つの人影。
 舞園さんと朝日奈さんだ。
 苗木君は気づいていないようで、教えようか、それとも自分で声を掛けようか、と迷ったところで、二人が振り向く。

 私の視線に気づいた二人は、こちらに向けて思いっきりガッツポーズをとって見せた。
 何か叫んでいるようだが、間を通る車のエンジン音にかき消されて、ほとんど聞こえなかった。

 と、同時に。
 苗木君のポケットから、メロディーが鳴り響く。
 一瞬遅れて、私のポケットも振動する。

「あれ、メールだ…」

 嫌な予感しかしない。
 苗木君はしばらく文面を見てから、なんとも微妙な表情で携帯の画面を突き出してきた。

 差出人は、朝日奈さん。

「…これ、読める? なんか暗号っぽくて」
 ギャル文字、というやつだろう。
 模様じみているが、目を薄めて確認した文章を、私はそのまま読み上げた。

「…『しばらく自由行動だよ。おみくじとかお守りとかは、個人で好きに買いに行くべし。駅前の喫茶店には各自集合で』…」

 読み終えると同時に、頭が痛んできた。
 あの娘なりに、気を遣ったつもりなのだろうか。
 いや、さっきの分ではおそらく舞園さんも共犯。

 そして、あの二人が共犯と言うことは、少なくとも女子全員は『知っている』ということになる。

 なんとも悩ましい、今度は目眩まで感じてきた。
208名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 12:29:04.68 ID:O7xyFB7g

「えーっと…どうしようか」
 頭を抱える私に、困ったように笑いながら苗木君が尋ねた。
「…好きにしなさい。私は集合場所に向かうから」

 最初から二人で来たというのならともかく。
 面白半分でお膳立てされたこんな状況で、二人仲良く境内を散歩、という気分にもなれない。
 これで二人のこのこと喫茶店に姿を表せば、格好のネタになってしまう。
 私自身はもちろんのこと、苗木君にも申し訳が立たない。

 帰ろうかな、とも思ったけれど、喫茶店に寄るつもりで出てきたので、お昼に何も用意していないのを思い出した。

「も、もう行くの? おみくじは?」
「…なら、それだけ引いてから行くわ」
「じゃあさ、一緒に買わない?」

 おみくじを買うだけだというのに、わざわざ一緒に行く必要もあるだろうか。

 まあ、断ることも出来るのにそうしない私も、大概だけど。

 鳥居をくぐってすぐのところで、アルバイトの巫女がおみくじの露店を出していた。
 一枚五十円だというので、苗木君が百円を払い、二度籤を振る。
 出た番号の棚を引き、中から結果の書かれた紙を取る。

「…小吉かぁ」
 紙を開いた苗木君が微妙な顔をしている。
「いいんじゃない? あなたらしくて」
「うーん…一応、『超高校級の幸運』で入学したんだけど…」

 時々苗木君は、私の嫌味に気付いてくれない。
 気付いて流しているのかとも思ったが、そんな器用な少年でも無いし。
 人が良いにも限度があるとも思うのだが、ちょっとだけ寂しい。

「えーと…あ、金運が酷いかも…『悪し』としか書いてないや」
「籤の言うことよ。いちいち真に受けてたら身が持たないわ」
「霧切さんは?」

 言われて、私も紙を開く。


「……、…」
「……凶、だね」
209名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 12:29:59.57 ID:O7xyFB7g

 あまりの不意打ちだったので、数瞬呼吸すらも忘れた。

 正直、おみくじで凶だなんて都市伝説だとばかり思っていた。
 まさか自分が引いてしまうだなんて、お笑い草にしては行きすぎだ。
 苗木君の言う通り、確かに私は非科学的なものを信じることはあまりない、けれど。
 さっきの今で、罰が当ってしまったんじゃないだろうか。

 見ないようにと思えば思うほど、目はその文字を追う。

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「えっと、あの…ホラ、籤の言うことだし。真に受けることでも無い、よね?」
「……」
 よほど私が酷い顔をしていたのか、苗木君が目に見えて気を遣う。
「…あ、籤、交換しよっか。僕のと…」
「……子どもじゃないのよ。そんな誤魔化しで、何になるの」
 自分でも分からないほどにショックを受けているようで、上手く言葉を返せない。
 いつものからかいよりも遥かに冷たい声が出て、苗木君が肩を落とす。
 そこでようやく、我に戻った。

 こうやって、自分のことばかりしか考えられない。
 苗木君は今の提案、拙いものだったけれど、それでも私を気遣ってくれたんじゃないか。
 それでもまだ、私は励ましてくれた苗木君より、傷ついている自分の方が可愛いというのか。
 これなら、偽物の感情と言われても仕方ないのかもしれない。


「……」
「…それ、結びに行かない?」

 自責の渦に飲み込まれかけて、再び苗木君が私を呼び戻した。

「結ぶ…?」
 具体性の見えない言葉に、首を傾げる。

「日本の風習か何か…かしら?」
「あ、そっか…おみくじとか、あまり詳しくないんだっけ」

 曖昧に頷いて返すと、苗木君は得意げに語りだした。

「引いたおみくじを、境内の木の枝とか、専用のみくじ掛に結ぶんだよ」
210名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 12:30:53.48 ID:O7xyFB7g

「何のために…?」
 尋ねれば、彼はすぐ側の枯れ木を指差した。
 枝にはこれでもかというくらいに紙が結びつけられている。
 新年の飾り付けか何かとも思っていたが、あれはおみくじだったのか。

「おみくじが良い結果だったら、その成就を祈願するために。おみくじが悪い結果だったら、厄除けってところかな」

 なるほど、便利な救済措置だ。
 これなら本当に凶を引いてしまう参拝客がいても、苦情の一つも出ないだろう。
 縁起ものを信じる気にはなれない性分だけれど、生憎今だけは縁起にでも縋りたい気持だった。

「ホラ、こっち」
「あ、……」

 おそらく、何の気なしに。

 おみくじを握り締めて宙を彷徨っていた私の手を、苗木君の手が掴んだ。

 手を引いて、そのまま人混みを縫うように、境内の中に。
 おそらくははぐれないように自分が導く、そのつもりでの行為なのだろうけど。

 これはちょっと、恥ずかしすぎる。
 こちとら思春期の女子高校生だというのに。
 どうも苗木君は、私がそうだということをたびたび忘れてしまうらしい。

 しっかりと握られた左手が熱い。
 通りすがる人の視線が身を焼くようだ。


 それでもやはり、抗議の声を上げることは出来なかった。
 私も大概、繋がれたその手から伝わるはずのない熱を、享受してしまっているのだから。




すみません もう少し続きます 今日中には全部載せるので…
211名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 13:06:08.77 ID:bMsR0gp9
早くもニヤニヤが止まらないんだがどうしよう…引き続き全裸待機
大丈夫、頭にカップ麺の容器を乗せているから寒くない
212名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 15:26:08.54 ID:0UM6hZY1
wktkする気持ちは分かるがまず服を着ようぜw

>>210
続き楽しみにしてるよ
213名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 18:29:32.04 ID:u4fn6jzF
いいなあこの感じ…
ラブラブイチャイチャも勿論大好物だが
こういう焦れったい関係もやっぱりいいものだ
214名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 19:34:34.59 ID:O7xyFB7g

 導かれてやってきたのは、社を右に回った奥。
 枯れ木を埋め尽くすように結ばれた紙は、まるで白い若葉だ。
 結ぶための木は他にもあるようだが、ここは社の陰になっているためか、人もおみくじも他と比べて少ない。

「他の木はもう結ぶスペース無いからさ。ここは目立たないから、まだあまり結ばれてないね」
「…そうね、苗木君。けれど、」


 くい、と、結ばれた手を引く。

「…あなたが手を離してくれないと…、結べないわ」


 いずれ気づくだろうから、それまでは、とも思ったけれど。
 二人きりになってさすがにいたたまれずに口に出せば、苗木君は恐る恐る指を解いた。

「……ゴメンなさい」
「…まさかとは思っていたけれど、本当に無意識に繋いでいたの?」
 証拠に、顔が真っ赤だ。
 慌てうろたえるのを必死に堪えている、といったところだろう。
 人が慌てる姿を見て、ようやくこちらも落ち着きを取り戻してくる。

「苗木君」
「は、い」
 肩を強張らせる苗木君に、助け舟。
「結び方が分からないの。悪いけれど、先に結んで見せてくれないかしら」
「あ、うん…そうだよね」

 言うなり苗木君は手袋を脱ぎ、丁寧に自分のおみくじを折り畳む。
 縦に折り目を入れて、細い紐状にしたそれを、同じくらい細い枝に括りつけた。

「…それだけ?」
「特別な作法は無いと思うよ」
 まだ頬が赤い苗木君が、あまり気にしていない体を装っている。
 さっきまでは私も恥ずかしかったのに、それがあまりにおかしくて。

「…笑わないでよ」
「だって…ふふ……自分から握ったのに、照れるって…ふふっ」
215名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 19:38:11.44 ID:O7xyFB7g

 少しだけ、ムッと頬を膨らませる。
 こちらを見る恨めしい瞳に、肩をすくめて返した。

 苗木君の見様見真似で、おみくじを細く折って、枝に手を伸ばしてみる。

「む…」
 案外と難しい。
 枝が太いというのもあるけれど、手袋をしたままではかさばって上手く結べない。
 端を結び目に通そうとしては外し、力を入れた拍子に、あやうく他のおみくじを破ってしまいそうになる。

 手袋下の火傷跡は、まだクラスメイトにも見せたことは無い。
 なんとなく事情があるのだ、と、皆も察してくれている。
 苗木君も分かってくれているようで、目を細めてこちらを見てはいるけれど、手袋を外すべきだとは言わない。

 その代わりに、

「…ちょっと、貸して」

 彼の手が、再び私の手を握った。

「ひゃ…」
 意図せず、間の抜けた声を出してしまう。
 触られた手が、ひどく敏感になってしまったように。

 苗木君は私の腕を覆うようにして両腕を被せ、子どもの折り紙にでも付き合うかのように、私の指を取った。

「や、ちょっと…」

 抗議の声はあげるけれど、自分から振りほどくことは出来ない。
 履いているブーツのせいもあって、頭半分ほど私よりも低い少年が、手取り足取りに結び方を教える。
 なんともアンバランスな構図。
 足元を見れば、案の定背伸びをしていた。
216名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 19:40:33.12 ID:O7xyFB7g

「指、ここに入れて…」
「……」

 言われたとおりに指を動かし、おみくじを結ぶ。
 触れている手の甲が、ひどくくすぐったくて、ムズムズする。

 私の両腕の上から、苗木君の両腕が覆いかぶさっている。
 肩と肩、吐息と吐息、視線と視線がぶつかる距離だ。

 私はじっとおみくじを見た。
 目を反らせなかった。
 こんな至近距離で、苗木君の方を向くことなんて、出来ない。
 ただでさえこれほどまで近くにいて、頭が沸騰してしまいそうなのに。

「そしたら両端を持って、引っ張るんだ…そう」
「……」
 無言のまま、彼の言う通りに。
 二人羽織のような格好で結んだので、やや不格好だけど、確かにおみくじを結べた。


 瞬間、苗木君がついたひと息が、耳元にかかった。

 ぞわり、走る感覚。
 震えた背に気がついたのか、ゆっくりと苗木君が離れる。

 耳まで真っ赤だった。
 学習しない人だ。

「だから…照れるのなら、自分が恥ずかしいなら、どうしてやるのよ…」
「し、仕返ししようかと思って…」
「私にひと泡吹かせるために、そんな…リスクを犯すワケね」
「でも…仕返しは成功、かな」

 霧切さんも、真っ赤だよ。
 言われて、手袋のまま頬に手をやる。
 革の手袋がやけに冷たく感じた。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 19:44:57.17 ID:O7xyFB7g

「……」
「……」

 沈黙は、私のせいじゃない、はず。

 おみくじを握り締めた学生が、社の向こうからヒョコ、と顔を出した。
 結ぼうとしたのだろうが、私たちを見るなり、気まずそうな顔をして踵を返す。

 考えてみれば、頬を染めて向き合う二人。
 どう見えるのか、だなんて、考えれば分かることだ。

「その…行こう、か」
「…ええ」
 おみくじ一つ結ぶのに、えらく時間を取ってしまった。
 時計を見れば、集合時間までまだ余裕がある。
 少し寄り道もしつつ、ぶらぶらと駅に向かえばちょうどいい。

「あ、そういえば…」

 沈黙が苦手なのは、私よりも苗木君だ。
 気を遣ってか、必死に話題を探そうとする。

「霧切さんはさ、なんてお願いしたの?」
「…お願い?」
「ほら、お賽銭入れてさ」

 ああ、と独りごちる。
 そういえば、何を願っただろうか。
 思い出せないということは、大したことでも無かった気がする、けど。

「…あなたの事よ」
「う、ぇ…僕?」

 素っ頓狂な声をあげて、苗木君が反応を見せる。
 やられっぱなしは趣味じゃないのだ。
 勝ち逃げは許さない。


「……苗木君が、良い人と結ばれますように、って」
218名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 19:48:55.62 ID:O7xyFB7g

 もちろん、舞園さんのことを意図しての発言。
 鈍感な彼は、恐らく気づきはしないだろうが。

「からかわないでよ…」
「…もうそろそろ卒業になるのに、浮ついた話の一つもないでしょう、あなたは」
 男の子なんだから箔の一つでも付けておきなさい、と付け加える。
「こ、高校生じゃ、まだ早いんじゃないかな…」
「最近の学生を甘く見ているわね、苗木君」
「そういう霧切さんは…どうなのさ」
「私?」

 してやったり、と、ドヤ顔。
 だが、カウンターを決めたつもりの彼の鼻っ柱に、ここでもう一発。

「…あるわよ」

「…へ?」
「告白なら、されたことくらいは」

 ガツン、と、苗木君の面食らう音が聞こえてきそうだった。

 生憎向こうでは、恋人と友達の境界線は日本よりも曖昧だ。
 話して少しでも気が合えば、遊びに誘うような軽さで交際を迫ってくる。
 まあ、ほとんどがナンパ紛いのものだったし、その告白に応じて付き合ったことも皆無だけれど。


「……そっ、か」
 雪の音かと聞き紛うほど、静かで冷たい声。
 苗木君のものだと、一瞬気付けなかった。
 顔を見れば、あからさまに沈んでいる。

「あるんだ…告白されたこと」
「…同級生に先を越されて、ショック?」

 様子がおかしい。
 からかい半分の私の言葉は、相変わらず流される。

「うん、そう…かな。ショックかも」
 目に見えて、テンションが低くなった。
 そんなに私が告白されたことがあるというのがショックなのだろうか。
 だとしたら、今度は私がショックだ。
 これでも彼の前では、一応ながらファッションや言動にも気を遣っているのに。
219名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 19:51:25.16 ID:O7xyFB7g

「…苗木君は何を願ったの?」
 話題をそらすべきか、と聞いてみる。

「僕は、霧切さんと、」

 はた、と、顔を上げる。
 しまった、という顔で、苗木君は口元を押さえていた。
 ショックのあまりに気を抜いてしまったのだろう。
 口が滑った、と、表情が語っている。

「私と…何?」
「……霧切さんとか、みんなと…今年も平和に過ごせますように、みたいな感じの…」
「…あなた、犯罪には向いていないわ」

 嘘が下手すぎる。
 なんだろう、私がなんだというのか。
 聞いてほしくないのなら、あえて追及するつもりもないけれど。

「あー…でも、そっか…告白、されたことあるんだ」
「…そんなに意外?」
 そこまで魅力に欠けているのだろうか、私は。
 苗木君に続いて、こっちまでへこみそうになる。
「意外っていうか、まあ…」
「…言っておくけれど、告白された=付き合った、ではないのよ」
「…あ、そっか」
「…そこまで尻軽でもないわ」

 ホント、散々だ。
 どこまで私は苗木君に見下げられているのだろうか。
 まあ、この恋を諦めた今更、彼にどう思われていたとしても、


「そっか、だよね…よかった」

「え…?」
「え、あ」
220名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 19:59:09.84 ID:O7xyFB7g

 よかった、とは、どういうことだろう。
 私に恋人がいなかったところで、苗木君に何の得があるというのか。
 やはり、先を越されたくはないという気持ちがあるのだろうか。

 まさか、とは思うけれど。
 一瞬抱いてしまった期待を、

「ゴメン…今の、忘れて」

 聞かなかったことにしても、いいのだけれど。

「さあ、どうしようかしら」
「き、霧切さん!」
「さっきあんなに恥ずかしいことを私にしておいて…自分に都合の悪いことは忘れろ、だなんて」
「あ、アレは…その、出来心と言うか」
「出来心で女性の腕を抱きしめるの? 悪い男の子ね」

 顔を真っ赤にした苗木君が、必死に言い訳を喚く。
 これは良いネタを提供して貰った。

 私に恥ずかしい思いをさせた代償は高いのだと、思い知らせてあげなければ。




 木の枝に結んだばかりのおみくじを振り返る。

 恋愛:悪し。待ち人疎し

 結構じゃないか。
 そんな疎い男の子を、私は好きになったんだ。

 少しだけ、あの言葉を理解できる。
 真の愛は、見返りを求めない。
 本当に好きなら、例え相手が自分を好きじゃなくても、好きで居続けられる。


 確かに、そもそも彼を嫌いになることなんてありえないんだ、と、恥ずかしくも理解してしまったのだから。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 20:01:29.38 ID:O7xyFB7g
オチという名の雑記


「あ、餅つきだって」
「…参加者を募っているわね」
 しばらく境内をうろついていれば、露店の前に杵と臼。
 二人の大柄の男性が、威勢のいい掛け声で餅をついていた。
 客寄せのイベントだろうか。
 ついた餅は参拝客に無料で配られるらしい。

「…やってみたら?」
「え、僕…?」
 見るからにそわそわしていたので、提案してみる。
 庶民文化と言うか、こういうイベントは好きそうだ。
「コートなら預かるわよ」
「あ、ありがとう」

 フルジッパーの上着を受け取り、苗木君を見送る。
 …小さい背中、中学生と言われても疑わないほどの肩幅。
 勧めたのは私だけど、ちょっと不安になる。

 受け取った柄を大上段で構え、ふらふらと震える足。
 思いっきり振り下ろした杵は、的を大きく外れて臼の縁を思いっきり殴った。
 ゴカ、と景気の良い音。
 失笑する観客、照れ笑う本人。

 私は目を覆った。
 ああもう、見ていられない。

「あ、霧切さん…はは、なんか上手くいかなくて」
「…下がってなさい」
 苗木君が笑われるのは、あまり良い気分がしない。
 彼の手から杵を奪い取り、コートをその胸に押し付ける。

 体格はそれほど変わらないけれど、苗木君は体の使い方が分かっていないのだ。
 単純な筋力なら、私の方が弱いかもしれないけれど。
 杵を小さく掲げ、腰で上半身を支える。
 ドス、ドス、と、リズムよく餅をつけば、周囲から歓声が上がった。
 カッコいい、彼氏情けねー、と、勝手な声。

「大丈夫かい、彼女さん」
「か、彼女じゃないですよ!」
 囃された苗木君が、真っ赤になって否定する。
 確かに恋仲じゃないけれど、そこまで必死になるものか、と、心なしか杵を打つ手に力が入って、


「お、じゃあ姉と弟か?」


 膝から崩れ落ちた私は、涙目の苗木君に無言で睨まれるまで、爆笑の渦から抜け出せなかった。




以上でした スレ占領スマンかった
222名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 20:05:36.85 ID:O/3bKUbS
Foooooooooo!

いや、なにこれ幸せ素敵GJ
いいなあ、平和な78期生とナエギリ……

223名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 20:43:55.03 ID:mcOQJcDh
>>221GJだぜ。

そろそろロンパ2の情報が出てきてもいいと思うんだけどなぁ。
ナエギリのその後が気になる。
224名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 20:58:47.40 ID:u4fn6jzF
>>221
超GJ!!
散々っぱら萌え転がらせてもらったぜ
今年もよろしくお願いします
225名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 21:36:46.20 ID:bMsR0gp9
>>221
ああもうGJGJ!
これは甘酸っぺえ…最高だ…!
全裸で待ってた甲斐があったわい
素晴らしいお年玉をありがとう!
226名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 22:32:46.76 ID:1glACRRL
>>221
GJ過ぎて鼻血が出たわ
二人ともかわいいなあもう!
227名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 23:46:59.29 ID:0UM6hZY1
>>221
GJ!
ほんともう、キュンキュンくるなこれ
初々しさがたまらんべ
いいものを読ませてくれてありがとう!
228名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 00:31:18.48 ID:l0wooIiE
>>221 GJ!! 悶え死にそうになったわ!!
229名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 01:18:36.98 ID:W1FZhyLu
>>173
待たせたな。
待ってませんか、そうですか。
本編アフターってことをお察しください。
直接的なえちぃ表現は省いているけどR指定な内容かも。


――後に"超高校級の探偵"である霧切響子は、こう語る。


そう、あれは就寝前の読書をしている時だったわ。
「き、霧切さん! その、えっと……」
「何かしら、苗木君」
目で文章を追ったまま彼の呼びかけに答える。

「ぼぼ、ぼ、僕の子供を産んでほしいんだ!」
「――え?」
突拍子もないお願いに私の思考は一瞬で真っ白になった。
私の膝元から床へと転がり落ちた本の存在も忘れて。


〜 コンセプション ナエギリ編 〜


「……もう一度、言って貰えないかしら?」
再び働き出した脳の状態を確認するために、苗木君に復唱してもらうことにする。
「霧切さんに、ぼ、僕の、子供を産んでほしいんだ!」
顔を赤らめた苗木君が同じことを言う。

スキル「右脳解放」発動――。

顔が赤い。彼はお酒を飲んでいた?
――否。今日調達した食料にアルコールの類はなかった。
もちろん備蓄した覚えもない。
故に、彼はシラフだ。

では私の目の前にいる苗木君の姿を借りた別人?
――否。言葉遣いに違和感はなかった。
自分を呼ぶ時の一人称が「僕」、そして私への呼び方も。
何より彼はバカ正直だ。
今の言葉が冗談半分ではなく、これが一世一代の告白であるかは手に取るようにわかった。

――告白。その単語を頭の中で認識した瞬間、膨大な高揚感に包まれた。
次いで羞恥心、そして「一生に一度の告白だから、もう少しムードある言葉がよかったわ」というワガママな欲求。
そして現状から考えられる未来予想図……を考えて私は冷静さを取り戻した。

荒廃した世界の現状。
希望ヶ峰学園を卒業したばかりの私達に安息の地はなかった。
幸いにも電気・ガス・水道のライフラインが機能したままのホテル跡地に拠点を置くことは出来たが、必ずしも安全とは言えない。
コロシアイ生活で生き残ったメンバーと共同生活をしながら物資の確保に躍起になっているのが私達の現状だ。
そんな状況下で肯定の「ありがとう、苗木君。あなたの赤ちゃんを産んでこれからも一緒にいてほしいわ」と言えるわけもなく。
かと言って否定の「ごめんなさい。あなたとは一つになれないの」と断る理由はないし、断る気持ちにもなれない……。

よって、今の私に出来ることは回答の「保留」だった。
230名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 01:23:35.12 ID:W1FZhyLu
>>229続き

「まず私の話を聞いてほしいの、苗木君」
「う、うん……」
苗木君にペースを握らせないように彼の両肩を掴んでベッドに座らせる。
「そんなに悲観的な顔をしないで……。苗木君の話を聞いて最初はビックリしたわ。
 前に冗談で私の家族に立候補しないかって尋ねた時の仕返しかと思った」
「じょ、冗談なんかじゃ……」
彼の反論を封じるように唇に指を添える。
「あなたのバカ正直なところを見れば本気なんだってわかる。
 ……でも今の状況で子供を産んだとしても、きちんと育てられる環境下じゃないわ」

物資の調達および支持者の確保をする捜索班。拠点の防衛をする待機班。
各員3人のローテーションでやり繰りしているのを妊娠・出産という理由で私が離脱したとする。
「それにこの場所にモノクマ暴徒が押し寄せてくる可能性だってある。
 そうなった場合、私は必ず足手まといになるの。だから苗木君……」
子供をあやしつけるように彼の両手を握り見つめる。
今は無理でも、いつかきっと――。

「ありがとう、霧切さん……」
私の意図を汲み取ったのか苗木君が微笑んでくれる。
その笑顔を直視するのはまだ恥ずかしいもので、少し目線を逸らしてしまう。
「それに、先日も私と苗木君がご、合意の上で応じたじゃない……」
だんだん声がか細くなってしまう。
「避妊をした上での性交渉を……」
自分から下世話な話を振って、はしたない女に見られたりしないだろうか。
そんな不安を払拭するかのように苗木君が抱きしめてくる。
優しく、それでいて締め付けるかのように。
「大好きだよ、響子さん」
そう耳元で囁かれ、体が強張る。
苗字ではなく名前で呼びかけるのが睦言の合図。

結局のところ、私は苗木君にペースを握らせてしまったのだった――


-----


「……ハッ!?」

まさかの夢オチ……ではなかった。
目の前には苗木君の寝顔。
彼の左腕を枕代わりに眠っていたのだ。
そして私の左手は手袋越しに指を絡ませたまま、彼の右手と繋いでいて。

視点を枕下のサイドボードに向ける。
5cm四方の開封済みのブリスターパック、まだ起床時間より早い時刻を告げるデジタル時計。
まだ身だしなみを整える猶予はあるようだ。

彼を起こさぬよう、そっと繋いだ左手と頭を離す。
足音を極力立てないように浴室へ。
まずはシャワーを浴びて体中に彩られた鬱血痕、有り体に言えばキスマークをなくす工作をしなければ――


続く
231名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 01:26:00.26 ID:W1FZhyLu
>>229-230書いた人
……とは言ったものの、話の流れを考えるとここでぶった切っても良かったのでは書いて気づく。
プロットの段階ではこの後に彼シャツならぬ彼パー、もとい苗木君のパーカーを霧切さんがクンカクンカする予定だけど需要あるのか?

ホントは最後まで書いてから投下したかったが、最近の流れに乗じて時間差投下になります。許して。
次々とネタが浮上するわ他の人がSS投稿するわと霧切スレの住人はバケモノ揃い過ぎる。
「そのネタもらった!!」と思って投下してもオワコン臭パネェっす。

「-----」中でどれかクリックするとエロパートに繋がるよ。

   *      *
  *     +  うそです
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *
232名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 01:50:25.65 ID:jF7Z48g7
>>239「挑戦してみる。」って書いてたからまさかとは思ったがそのまさかだった。
何にせよ、くだらない疑問にわざわざ付き合わせてssまで書いてもらえるとは…
申し訳ない、そして乙&GJ

それにしてももう少し理想的なプロポーズもあると思うがなw
まぁ、苗木君なら仕方ないな。
233名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 02:35:05.46 ID:hOSRGB2u
ひとまず乙。そしてエロパートに行ける「-」はどれだべ!?
234名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 09:31:19.67 ID:BKVSRvkJ
なんならエロパロ板にリンクしてもいいんだぜ…?
235名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 10:23:57.11 ID:ii1mNU+J
>>231霧切さんのクンカクンカか…見てみたいな。
236名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 12:59:28.99 ID:ob5n/XoN
>>205
>「…ちょっと思うんですけど。こういう願い事って、何でもいいんでしょうか」
>「まあ、願うだけならいいんじゃないかな。叶うかどうかは分からないけど」
>「…ふぅん」
>「…あまり不純なのはダメだよ?」
>「えへへ」
これって舞園さんと苗木の会話だよな?
237名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 13:33:13.75 ID:ob5n/XoN
>>230
苗木がキスマークをつけるって、あっち系なのかと思ったぜ
ググったら意味が分かって安心した
238名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 16:47:42.69 ID:R5BwqYvR
>>236
どこからどう見てもそうだと思うが
それがどうかしたのか
239名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 18:59:08.72 ID:+3GWK6xf
霧切さんの尻に敷かれたい(物理的な意味で)
240名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 20:28:55.99 ID:IXVuupGP
某俺新訳のSSで、霧切さんと妹様のバトルが妙にツボッた。
妹様は的確に霧切さんのドツボ撃ち抜いた挙句、苗木くんまで掻っ攫い、
それでも探偵の誇りを胸に立ち向かう霧切さんに

「父親殺されて、自分の男も取られた女ってどんな気持ち?ねえ、どんな気持ち?」

とか言っちゃう妹様マジ魔女




・・・言葉責めされまくる霧切さんに惹かれたのも否定は出来ない
241名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 21:12:04.59 ID:StkgKV2g
>>239残念だがそれは苗木君の特権だ。

>>240普段のクールで誰にも負けないような強い印象をもつ女性だからな。
だからこそ屈服させられた姿を見てみたくはある。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 21:40:09.09 ID:BKVSRvkJ
>>240
他所の話題をあんまりこっちで出すもんじゃないぞ
あと、sageるならちゃんとsageてくれ
243名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 22:45:15.04 ID:buNAYd6m
>>239
物理的に敷かれるのもいいが精神的に尻に敷かれるのも捨てがたい
まあ霧切さん(のお尻)は万能だということだ
244名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 23:56:46.19 ID:R5BwqYvR
十年後位には苗木君の亭主関白になっている…という可能性はないんですか
ないですね
245名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 03:06:08.24 ID:q+ucsloR
突貫工事のように仕上げた粗雑さなSSをご堪能ください。

〜 コンセプション ナエギリ編 〜(2/2)


「……クシュン!」
突然のくしゃみに慌てて口元を抑える。
今の声で苗木君が目を覚ました……わけではなかった。
私が始めに見た時の姿勢のまま寝息を立てている。

今朝はいつもより冷え込む。
下着とインナーのシャツしか着用していないという理由もあるが、防寒対策をとらねば。
まず調達した衣類の一つ、カーゴパンツを履く。
「あれは……」
後はカーディガンを上着にして保温効果を高めようかと思ったが、視界はある物を捉えた。
緑色のジップパーカー。昨夜苗木君が着ていた服が、ベッドの下に無造作に脱ぎ捨てられていた。
……所有者の苗木君はまだ熟睡しているようだし、少しばかり借りてもいいかしら。

後ろ髪がフードにかからないようにヘアゴムで髪型をサイドポニーテールに。
袖を通しジッパーを胸元付近まで閉める。
……脱ぎ捨てられて放置していたはずなのに、暖かいと感じるのは不思議な話ね。

昨夜読み捨てられたままの本を拾い上げ、私は部屋を出ることにした。
今日みたいに冷え込む日なら温かい飲み物が欲しくなる。


-----


1階にある従業員の事務室。今は私たちの給湯室代わりだ。
従業員の使っていた備品の中でコーヒーメーカーだけが唯一使えるものであった。
セットしたペーパーフィルターに市販されていたコーヒー粉を注ぐ。
後は水槽にミネラルウォーターを注いで電源を入れるだけ。

それまでの間、椅子に腰掛け昨夜中断された読書を再開させる。
……しかし、再開させたものの文章を目で追っているだけで頭に内容が入らない。
きっとこの匂いのせいだろう。
そう推理して自分の袖口を鼻先にあてがう。
コーヒーの香りで充満する室内なのに一際異彩を放つ匂い。
私の嗅覚はパーカーから醸しだす苗木君の残り香を敏感に捉えていた。

次にフードを目深に被って読書をしてみる。
するとどうだろう、今度は文字を読むことすら困難になる。
視野が狭まったというけれど、決して読書に支障をきたすレベルではないのに。
袖口を嗅いだ時よりも鮮明に苗木君をイメージできる。
目蓋を閉じてみると後ろから苗木君がそっと抱きしめてくれ――「そんなに面白いか」

「――えっ?」
「霧切、お前の読んでいる本はそんなに面白いのかと聞いている」
「十神君――。え、えぇ。予想外に面白いわ」

人の気配に気づかない、尚且つ無意識のうちに口許が緩んでいたのは予想外だ。
対する十神君は自分から呼びかけたのに反応がなかったことが不満なのか、不機嫌なオーラを隠さないでいる。
246名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 03:08:28.23 ID:q+ucsloR
>>245続き

「この俺を無下に扱った代償だ、お前が作っているコーヒーから一人分よこせ」
「それで手打ちにしてくれるなら構わないわ」
「聞き分けがよくて助かる」
もとより余った分はマグボトルに補充するつもりだったし。

十神君も私に倣うようにコーヒーが出来るまで隣の椅子に座り読書を始めた。
「……霧切」
「……何かしら、十神君」
お互い視線を本に向けたまま会話をする。
「苗木のような格好をして、どういう了見だ」
「今朝方、いつもより冷え込んでいたでしょう? そのための防寒対策よ」
「確かに。俺も寒さで目を覚ましたしな」
「だからお互いこんな時間から給湯室に足を運んだんじゃないかしら?」
「違いない。お前が先客だったおかげで給仕の手間が省けた」
「どういたしまして」
抑揚のない、淡々とした遣り取りを続けながらも頁を捲る音は止まらない。
「では肝心の持ち主は寒さで震えていたりしないのか?」
「その心配はないわ。今も熟睡中よ」
「ほぅ……」
「何か含みのある言い方ね。はっきり言ってくれないかしら?」
「なぁに、寒さに気づかないほどに苗木を疲れさせたのかと思った節でな」
「……下世話な話は時と場所を選んでほしいわ」
「流石に首筋にある虫刺されを見ると下種な勘繰りもしたくなるさ。葉隠みたいにな」
「なっ――!?」

本日三度目の驚愕だ。
起床直後のシャワー入浴で工作は済ませたはずなのに――。
慌てて首筋を触ったところで気づく。
シャツの襟で首筋なんてほとんど見えない状態なのに。

「……まさか子供騙しのハッタリに易々と引っ掛かるとは。呆れるほか何もないな」
「悪趣味極まりないわ、十神君」
「学級裁判を経て生き残った人間が言う台詞とは思えんな。
 それに、揃いもそろって似たような反応だから面白みにも欠ける」
「『揃いもそろって?』……まさか、あなたが苗木君を唆したの?」
「唆すとは人聞きの悪い。俺は苗木の背中を押してやっただけだ」

本を閉じ、自分のマグカップを手に持ってコーヒーメーカーの前に立つ十神君。
いつの間にか機械の音も止まって、コーヒーも完成していたようだ。

「私と苗木君のことで余計な口出しは控えてほしいわ」
「フッ、惚気にしか聞こえないな」
私の忠告を鼻で笑うようにあしらい、十神君は自分の部屋に戻っていったのだった。


-----


両手が塞がった状態なので、背中で押すように自室の扉を閉める。
「……まだ寝ているようね」
入り口から苗木君の様子を見たが、まだ起きる様子はない。
持ってきた本をテーブルの上に置き、先ほど補充したマグボトルのコーヒーを自分のカップに注ぐ。
そして両手でカップを持ったまま反対側のベッド、昨夜私が使うことのなかった自分のベッドに座る。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 03:10:34.45 ID:q+ucsloR
>>246続き

「僕の赤ちゃんを産んでほしい、か……」
昨晩、苗木君が言った言葉と一緒にコーヒーを一口飲み込む。
意訳すれば、僕と家族になってください……かしら。

家族。
その単語を頭の中で浮かべてみる。
コロシアイ生活の最中、苗木君に手袋の下の手のことを触れた時の話を思い出す。

『……立候補する?』
――私の家族に。

あの時は苗木君のバカ正直さをからかう目的で尋ねたけれど、「はい」か「いいえ」の答えを聞く勇気が当時の私にはなかった。
なぜなら私も苗木君という人間に興味を抱き始めていたから。
「いいえ」で拒絶されることが怖かったから。
それが今になって「はい」という形で帰ってきたのだ。
「嬉しくもあり、恥ずかしいものね……」
率直な感想をつぶやいてみる。
そう言って二口目のコーヒーを飲み込む。

『あなたみたいな人と一緒なら、私はむしろ楽しみよ……』

学園の外に出る直前にかけた言葉を思い出す。
今はもう思い出すことのない希望ヶ峰学園の学生時代は学友。
コロシアイ生活においてはパートナーの関係。

そして今はパートナーから恋人への転換期ではないだろうか。
体と心が繋がるような蜜月をこれからも彼と積み重ねていくのだろう。
今朝のように手袋越しで手を繋いでいることが、いつかは手袋を外して地肌の手を繋いだまま同衾することが日常となるかもしれない。

その先にはきっと夫婦、子供を授かって苗木君の思い描いた「家族」になるだろう。
今はまだ不透明で、苗木君のお願いを成就することは難しいけれど。

「あなたと家族になるなら、私はむしろ楽しみよ……」

あの時のように不敵に宣言して残りのコーヒーを一気に飲み干す。
苗木君との未来図を想像したせいか、熱い飲み物を流し込んだ影響か体がポカポカする。
……むしろ暑い。
上着にしていた苗木君のパーカーを脱ぐ。

デジタル時計を見ると起床時間には頃合だろう。
彼の寝顔を堪能する密かな日課も終わりを告げる。
「……起きて、苗木君。起きて」
苗木君の右肩を揺すりながら、耳元で意識の覚醒を促す。
これが最近学習した効率のいい起こし方である。
「う、う〜ん……」
数度瞬きをして目と目が合う。
「起床時間よ、苗木君。おはよう」
「……おはよう、霧切さん」
今の私は苗木君との挨拶から一日が始まる。


248名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 03:21:27.30 ID:q+ucsloR
>>247続き

\バサッ/

「あっ///」
「……朝食まで時間はあるから、苗木君はまず身だしなみを整えて。
 私はここの後片付けをするから」
「あ、ごめん。霧切さん……」
「謝罪はいいから早く浴室に行ってちょうだい」

-----

「ところで、苗木君。一つ確認したいんだけど」
「えっ、なにかな?」
「昨夜の言葉を言うまでの経緯を聞かせて貰えないかしら?」
「うっ」
「あら、あれは一世一代の告白じゃない。何が苗木君を駆り立てたのか知りたいの」
「それは……」
「十神君の証言によれば、苗木君は十神君に後押しされるような形で今回の告白に至った」
「十神君だけじゃないよ……」
「あら、キューピッドは複数なの。誰かしら?」
「葉隠君に、……それとジェノサイダー」
「……妙な人選ね」
「その前に一つ確認したいんだけど、いいかな?」
「改まって何かしら、苗木君?」
「これから言うことに決して怒らないでほしいんだ」
「内容によって吟味するわ」
「ありがとう。実はあの告白は昨晩4人で花札をやった時の罰ゲー「ごめんなさい」

\ズドムッ!/

「かはっ……!」
「さっきの発言を撤回させて貰えるかしら?
 それと朝食には顔を出せるように加減はしておいたわ」
「ごめん……なさい」\ドサッ/
「まず一人……」


ホントに終

途中でスランプになって書けなくなった時は焦った。
ホントは家族をテーマにしたんだから現当主のお爺さまとか、学園長やお母様にも触れるべきだったろうが、書いてみて余計に中身スカッスカになったから割愛。
もし次がある場合は全部書ききってから投稿するようにしよ……
駄文スマソ
249名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 12:30:55.78 ID:R2VfkAsk
GJ!
十神のくせに霧切さんをからかうとは生意気なw
250名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 12:43:03.27 ID:uQLmdd2F
>>248
GJ!!
それにしても、最近は書きながら投稿するのが流行ってるな
251名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 15:22:27.24 ID:yzxznN6e
>>244普段は霧切さんの方が一枚も二枚も上手だからあまり考えられないな。
まぁ、ベッドの上では(ry
252名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 16:30:00.97 ID:oQ5L772G
>>248
GJ
下品なアレで申し訳ないけど、霧切さんはベッドの上では受け身だといいと思う
253名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 17:57:39.43 ID:9LlEwNjW
実際のところ、霧切さんは苗木君をどう思っているんだろうか。
254名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 18:45:00.17 ID:/SWZO1cH
喧嘩・苗木の処刑・最後の論破を経て関心は高まってるけど
恋愛感情の「好き」まではまだないか
あっても少しで自覚してないレベルだと思う
本人意識は「信頼できる仲間」なんじゃないか
友人以上恋人未満みたいな
255名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 19:08:55.60 ID:aakKYBqK
超高校級の友人
256名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 19:16:31.83 ID:7m5EoJV9
学級裁判でも助けあってお互い命を救った身だしな。
信頼で結ばれてるし、ただの友達ではないよな。

でも「立候補してみる?」なんて
冗談でも気になっている人にしか言わないんじゃない?
苗木君なら絶対に動揺すると予想しててそれをからかう目的にしてもさ。
傍から見るとイチャイチャしてる様にしか見えないし。

何にせよ二人が結ばれるのも全く不自然ではないと思う。
257名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 20:02:35.44 ID:SPz1nhD7
どうでもいいことなんだけど。


霧「立候補してみる?」
苗「えっ?」
霧「また、騙されたわね…(ry」
苗「そ、そっか…冗談…だよね……はは。」
とか言って無茶苦茶落ち込んで、自室へとぼとぼ帰っていく苗木君を見て、
霧(えっ…?本気で落ち込んでるの…?
苗木君、もしかして…本当に私のことを?)
みたいなカンジで悶々とする霧切さんや

霧「立候補してみる?」
苗「えっ?…僕なんかじゃ、その、釣り合わないでしょ?」
霧「あら、そんなことないわよ?」
苗「!…ま、またそう言ってからかってるんだ」
霧「からかうなんて失礼ね…。わたしは本気よ?
あなたなら、むしろ歓迎するわ。」
とか言ってからかってたら、
苗「!!………」
苗木君が耳まで真っ赤になって黙っちゃったから、
それを見て
霧(えっ?…苗木君、本当にry)
みたいな霧切さんを想像してしまった。

本当にくだらないことで申し訳ない
要するに!、自室のベッドで足をばたばたさせる霧切さんを見たいわけだ。
258名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 21:37:13.32 ID:QCv8Qx/D
構わん、続けたまえ
259名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 22:22:11.15 ID:R2VfkAsk
本編中の時点で少なくとも阿吽の呼吸のパートナーの域には達していると思う

「私も…あなたという人間に、興味を抱き始めているのかも…」

ちょっと頬を赤らめながらこんなこと言うくらいだから、あからさまに態度に出さないだけで異性としての好意を抱いていたとしてもそうおかしくはない
というか俺にはそうとしか見えない
260名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 22:26:59.86 ID:ENrelbPg
友人としてのレベルがカンストして次の段階へ踏み出すところか、
すでに異性として意識し始めて気になる男性レベル1ってくらいの状態だと思う。
喧嘩もしたし、冗談やからかいも言える間柄だし、命の助け合いもした仲だしな。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 23:05:01.53 ID:LnTxmlGp
前にあったスレで、苗木君に告白された場合どう反応するかってのがあって
それを思い出して書いてしまった。
思春期だし、乙女チックな霧切さんもいいと思う。
気がついたら苗木君のことしか考えてなかった自分に恥ずかしくなったりとか。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 23:11:38.96 ID:QCv8Qx/D
周囲からはほぼカップル扱いだったな
エピローグで外に出たら解散するっぽい流れになってるのは苗霧に気を遣ったからという気さえする
263名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 23:26:13.01 ID:HaLoDcyK
>>262それに対して「あなたと一緒なら」だもんな
まあしかし、本当に外が荒廃してたらまとまって動かざるを得ないかも
264名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 23:31:46.81 ID:oMPI/r40
まぁ結局、1終了時は異様に息の合う異性ってレベルなだけでカップルではない

けど、仮に続編とかが10年、20年後の世界で、この二人が結婚してなかったらデジモン02とか
逆転裁判3のあとの4をプレイした時と同じモヤモヤした気分を味わうことになるとは思う
265名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 23:43:05.54 ID:HaLoDcyK
>>264逆転裁判の例がすごく分かりやすくて納得した。
続編で普通に別れてたら、なんか結構残念だな
悪い意味で期待を裏切られたような気がする。
266名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 23:51:39.54 ID:otaa/5DO
>>259の霧切さんの台詞といい、
5章で謎の黒焦げ死体と対面した時の「これが霧切さんの訳がない…だって僕はまだ彼女のことを何も知らないんだ!」という苗木君のモノローグといい
わりと互いに意識してるんじゃないか?ととれる場面は多い気がする
多分意図的にぼやかしてるんだろうけど
267名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 00:00:10.25 ID:iqGzl941
まぁ続編での扱いを間違えないようにして欲しいよね
二人ともすでに死んでるとか、出さないとかならまだいいけど…
続編でコンビ解消して普通に別行動みたいになってたら
>>264の例えにもあったような微妙な気持ちになるからなぁ…
268名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 00:13:55.87 ID:wa+skVCK
スーパーのショートカット子の声が緒方の兄貴なら確実にイタしてますよね?
269名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 00:42:51.14 ID:lTBirEzd
どちらかでも死んでたら、これまでの努力とか必死で生き延びてきたことが
無駄に感じられちゃうしな。

是非とも苗木君と霧切さんには末永く幸せになってもらいたい。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 01:57:39.21 ID:QNmdCnpW
別れる別れないで思いついてしまった。



「き、霧切さん……今、何て?」
「聞こえたでしょう、苗木君……明日からは、もうお互い別れて行動していきましょう。」

あのコロシアイ学園生活からの'卒業'から一年半。
少しずつではあるけれど、世界は復興の兆しを見せていた。
当時は頻繁に見受けられた暴動も近頃は噂も耳にしなくなり、
たった六人だけだった仲間も今は数えきれないほどいる。

卒業した六人の内、私が今までずっと行動を共にしてきたのは苗木誠君。
彼はコロシアイ学園生活の首謀者である江ノ島盾子の絶望から
私を含む他の五人を救った、いわば「超高校級の希望」。
彼の前向きな姿勢は、生きる希望を失いかけていた世界の人々、
なにより傍にいる私の未来を明るく照らしてくれた。

ーでも、だからこそ私は。

「い、いきなりそんなこと言われても…僕、どうしたらいいか…」
「簡単よ。これからは別々の所で、別々の道を歩んでいけばいいのよ」
「そんな…これまで歩んで来れたのだって、霧切さんがいてくれたからこそなんだよ?」
「でも、今はたくさんの仲間がいる…私がいなくても大丈夫よ」

再生のため、今は多くの人々が活動している。
もう、私一人が抜けてもなんら支障は無いはずだ。
だから私は私で、この超高校級の探偵としての自分の才能を生かすべきだと思う。
肉親と離れ離れになった人、もう一度家にあった大切なものを取り戻したいと願う人…
そんな人々を一人でも多く、私は救えるはず。

けれどそんなことを提案すれば彼、苗木君は間違いなく付いてくるだろう。
探偵業は危険も困難も多い、寝る時間だってろくに取れないこともある。
そんなものに希望の象徴である彼を振り回すわけにはいかない。

それにーー

「私とあなたが共に行動する必要ももうないわ。」
271名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 03:02:06.97 ID:ZKeaGKgk
最初は期待していた。
共に生活していく中で、彼が私に好意を抱いてくれるんじゃないかと。
私の想いに彼が気づき、応えてくれるんじゃないかと。

けれど、彼がそのような素振りを見せてくれたことは、無かった。

彼は私と多くの時間を共有した。時には笑いあい、時には励ましあって。
必ず私の後をついて来て、精一杯のサポートをしてくれた。
けれど、それは友人として、共に生き抜いた仲間としてだ。

苗木君にとって私はかけがえのない親友なのだろう。
協力しあって黒幕を倒し、世界復興を進めた同士。
それ以上ではない。


「私とあなたが共に行動する必要も、もうないわ。」

あえて素っ気ない言い方をした。
ここまで言わなければ、彼はきっと諦めない。
彼は優しい。だからその優しさに甘えてはいけない。

「そ、んな……」
彼の顔が悲しみに沈む。
ごめんね、苗木君。
でも、あなたをこれ以上、私に縛り付けるわけにはいかないの。

「そんな顔をしないで。あなたと一緒にいるのが嫌なわけじゃない」
本当はずっと一緒にいたい。
けれど、それを伝えたとして、彼に拒絶されたら?
今の関係が壊れてしまったら?
それだけは嫌だった。
絶対に、嫌だった。

「私とあなたはもう別々の行動をとった方がいい、ただそれだけよ。」
彼は俯いて何も言葉を発しない。
私だってこんなことはしたくない。
けれど、彼にとってもこれが最善であるのには違いないから。

「私は探偵としての才能を生かして、少しでも多くの人々に笑顔を与えるつもりよ。
だからあなたはあなたで、多くの人々に希望を与え続けて。」
「霧切、さん…っ」
泣いているのだろう、優しい彼のことだから。
このままいると、決心が揺らぐ。彼にまた、甘えてしまう。
私も涙を、抑えきれなくなってしまう。

「さようなら、苗木君。またいつか、会いましょう。」
そう言って彼に背を向けた。
気持ちが変わる前に一歩を踏み出す。
止まってしまわぬよう、前を向いて前進する。
泣くことなら、後でもできる。今は一刻も早く、彼と離れるべきだ。

さようなら、私の初恋の人。
今度会う時は、私よりかわいい子を、彼女として紹介してね。

それで、私と苗木君の関係は終わった。



「そんなの嫌だよ!!!」
272名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 04:06:55.10 ID:u0eimR55
終わるはずだった。

「そんなの嫌だよ!!!」

彼の声に思わず足を止める。
最後の学級裁判で聞いた、あの力強い声だった。

彼が歩み寄ってくる。
「僕は嫌だ、霧切さん」
彼の真っ直ぐな目。
「僕は霧切さんとずっと一緒にいたいよ…」
「苗木、君」

「僕は、霧切さんが…霧切さんのことが好きだっ!」



なんて苗木君がキメちゃってそのまま付き合い始めて結婚までしちゃうに違いないから
絶対に苗霧コンビは別れないとか考えてたらもう四時だ寝よう
273名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 08:19:56.10 ID:sEymyUWv
なんでわざわざ書き込む度にID変えてるんだ?
274名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 12:17:04.02 ID:FHfXyB5u
葉隠やセレスに対しては通信簿を全部埋めても心を許さないのに、
(ハタから見たら)同じくらい怪しかった霧切さんのことは疑うどころか全面的に信頼を置いていた苗木君は超高校級のダブスタ
275名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 15:43:49.98 ID:mdLQ7Tys
一章で助けられたのが大きいんだろうな
霧切さんも自分が周囲から少なからず不審に見られていることは自覚していたんだろうけど、
それでも苗木君が自分を信じてくれるのはさぞ嬉しかったことだろう
276名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 16:39:29.15 ID:wa+skVCK
さくらちゃんの事隠されて、かなりお冠だったけどアレが意外だったな。
それまでのイメージだと「ま、言えない事の一つもあるわよね」で済ませそうな感じだったから
277名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 17:33:33.07 ID:sGVFHitC
>>274
そもそも苗木と同レベルに推理のことで話せるのが霧切さんしかいないからな
十神も話せるちゃ話せるけど腹に一物隠してるのが見え見えだから協力しにくいし、さくらちゃんやちーちゃんみたいな
良識派は推理のこととなるとかなり控えめになる
あの癖の強いメンツでもちゃんとコミニュケーションをとれる苗木でも、一々感情的な言いがかりを付けられるのは疲れるだろうから
論理的に話ができる霧切さんは相当信用できる相手だったんじゃね?
278名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 19:30:53.94 ID:urOk+xmp
普通の学園生活の中でどんな話をしてたのか気になる
接点はあったんだろうか?
279名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 21:06:18.61 ID:FHfXyB5u
>>275
その反動がスネギリ事件というわけか…
280名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 22:14:33.20 ID:N/PDykjz
霧切さんって能力を発揮出来る場面でしかあんまり喋ってないからな
豊富なうんちく持ちだから喋ると面白いけど必要が無いと自分からは喋りに行かないヲタクタイプと見た
281名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 22:20:32.17 ID:mdLQ7Tys
>>278
かなり親密だったんじゃないか? VFBの書き下ろしを見る限り
あのイラストの霧切さんの笑顔、あれは完全に女の顔だぜ
282名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 23:23:20.82 ID:hBQW0khe
>>276
そこに至るまでのやりとりもあるし、メンバー中では一番信頼しつつある苗木にされた隠し事だからなー。
あとは真実を解き明かすことに燃える霧切さんだから、真相に至るために必要と思しき情報を秘匿されたってことも不満だったんでしょう。
283名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 23:39:11.04 ID:0jVq7b5L
あれ、「ボクはキミのことを信じるからキミもボクのことを信じて!」と苗木君がかっこよくキメたすぐ翌日のことだからなあ
霧切さん視点から見れば、「昨日の言葉は嘘だったの?」「私から情報を引き出すことだけが目的で騙したの?」となってもまあ致し方ないわな

その後ある程度事情を察してからもスネたままなのはご愛嬌ということで
むしろ可愛いからよし
284名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/10(火) 23:50:39.94 ID:Y4DC0W7t
うん お前らの冷静な分析のせいでますます拗ねた霧切さんが可愛いんだがどうしてくれる
285名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 00:29:28.33 ID:uZ/M+T0H
ゼロ読む限り、仁さんの時みたくある程度の思い入れがある相手にはああいう対応するんだろうな

うん、可愛いよスネギリさん可愛い。
286名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 01:27:16.79 ID:iZiDXMSP
>>264
劇場版見た後、02でヤマトと空ってのは完全に予想GUYでしたよ
287名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 01:37:27.42 ID:uZ/M+T0H
ドラマCDによると、妹様の中では霧切さんも「美女」のカテゴリー内にいるらしいな
288名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 02:10:30.59 ID:u4ecoQss
>>287分かりきったことを…

苗木君はかわいいし、なにより性格がいいんだろうな
289名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 08:26:45.17 ID:Bs7toMKH
ヒロインだし当たり前っちゃ当たり前だわな
290名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 10:21:06.76 ID:i9GKawQI
>>286
放送当時、小学生だったけど普段スポーツばっかりでアニメとかあんま見ない連中もすごく戸惑ってるのを見て吹いた覚えがあるわ

>>287
劇中に霧切さんが美人だって評価普通にあったよな?
291名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 11:52:22.71 ID:uZ/M+T0H
銀髪の彼女とか言われてたけど、美少女云々はなくね?
292名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 12:10:52.20 ID:MA9iOTQd
公式のキャラ紹介で「美少女」と明記されとるよ
293名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 15:24:28.59 ID:uZ/M+T0H
よくある入れ替わりネタを霧切さんでやってみたいな

妹様イン霧切さんと朝比奈さんイン霧切さんあたり見てみたい。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 18:00:28.04 ID:3++vWNAX
むしろ霧切イン苗木をお願いしたい
295名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 18:21:37.06 ID:NdYE1ecs
霧切イン苗木に一票
296名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 18:53:13.23 ID:uZ/M+T0H
かませ眼鏡が本当にかませになるじゃないですかー
297名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 20:52:13.24 ID:MA9iOTQd
むしろ苗木in霧切で
298名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 21:09:15.99 ID:Cxk3rtTb
そういえば名前は忘れたんだけど、
中年の親父とその娘(女子高生)の中身が入れ替わるって本があったな。
娘の方は父親に自分の裸体を見られるのが嫌だから、風呂の時は自分(中身は親父)に
目隠しした上で娘が洗ったりとか。
スカートがスースーしたりトイレの時戸惑ったりとか。


ネタは出したぞ?
299名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 22:31:28.70 ID:tpeunujs
言いだしっぺの法則というものがあってだな
300名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 23:30:52.64 ID:3Lf+9uII
体が入れ替わるってことはお前、つまりあれだぞ?
お互いの体のあんなところやこんなところまで相手に見られちゃうってことだぞ?
あまつさえ相手の見てない所で触られちゃうかもってことだぞ?
そんなことになったらもう責任とるしかないぞ、苗木?
301名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 23:45:57.64 ID:MA9iOTQd
火傷跡もばっちり見られちゃうな
こりゃもう責任をとるしかないな
302名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 23:51:45.98 ID:OWZPo5s5
・大股で歩く苗木君in霧切さんのスカートの中が見えてしまわないか気が気でない霧切さんin苗木君
・男子トイレ(小)でどうすればいいか分からず困惑する霧切さんin苗木君
・健康な男子の朝の生理現象に赤面する霧切さんin苗木君
・苗木君の苗木君をつぶさに観察してまた赤面する霧切さんin苗木君

とかそんなのばかり思い浮かんでしまってすまない
303名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 00:16:02.37 ID:Gb5iheGN
何故苗木の側が無い
いくら苗木と言えど年頃の男らしく色々悶々としそうだが
そして女性のマンスリーデイにパニクる
304名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 00:38:05.08 ID:zJbTikAc
>>303男には分からぬ世界だからな。

トイレ時には下着もアレも見えてしまうよな?
もう責任とるしかないな
305名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 08:29:19.41 ID:/XsZyEWn
ヒールブーツで上手く歩けず転んでしまう苗木君in霧切さん
すっと手を差し伸べて起こしてあげる霧切さんin苗木君

えーと…あれ? どっちがヒロインだっけ?
306名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 12:56:05.83 ID:humM0eB+
三つ編みを上手く結べず困る苗木君in霧切さん
見かねて結んであげる霧切さんin苗木君
いつしか今までになく顔が近くなっているんだけど、
近くに見えるのは自分の顔だからその時は互いにあまり意識しない
しかししばらく後に冷静に先刻のことを振り返って二人とも赤面したりとか

そんな光景が見えた
307名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 14:38:22.82 ID:xpA7vm68
お互いアレが気になって手が伸びておっと誰かきたようだ
308名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 15:38:31.29 ID:aSeWYzon
霧切さんは記憶を失う前の学園生活でも苗木君と親しくなっていたみたいだけど、馴れ初めは何だったんだろう
309名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 17:06:20.73 ID:KDRrjjU4
少なくとも仁さんに三行半叩きつけるのが当初の目的だったけど、ゼロ読む限りは
会話するくらいには関係良好になっていた。VFBの写真には苗木の隣で微笑むほど、
心を許してる。

絶望事件起こる前に、ラノベ的なラブコメイベントくらいこなしてるのかもな
310名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 18:53:16.79 ID:humM0eB+
・持ち前の『幸運』で何かのトラブルに巻き込まれた苗木君を霧切さんが助けてあげた
・父親のことでピリピリしている霧切さんに苗木君が世話を焼いてあげた

どっちだ
311名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 18:59:40.95 ID:KDRrjjU4
両方だろjk

ところで苗木くんの幸運は、運は運でも『悪運』の方だよね。
312名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 19:01:12.83 ID:KDRrjjU4
ゲーム本編の当初のようなツンツンぶりだと、周りからはロクに話しかけられてなかったよな
やっぱ踏み込んでいったのは苗木くんの方だろうな。
313名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 19:56:19.19 ID:gry3XDQP
流石苗木
最初は冷たく撥ね退けられてたけど、それでも苗木が何度も何度も話しかけてくるので
霧切さんもだんだん心を許してきて…

っていうのがテンプレだな
そして自分の恋心に気づく霧切さんだったが、「苗木君の笑顔は私に限ったことじゃない」
と思い、あえて苗木と距離をとろうとする。
それを感じた苗木は「避けられてる…僕がうっとおしいのかな…」と落ち込んで、
二人の間に生まれるすれ違い
でも何かのきっかけ(どちらかが不幸にあったり)を通じてお互いの気持ちに気づく。


こんなことがあったに違いない
314名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 21:13:52.63 ID:KDRrjjU4
そういえば学園長の娘ポジの残念なボインっ子が深夜アニメにいたような・・・
315名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 22:29:53.65 ID:d/HT1pGG
心当たりが無いわけでは無い
316名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 23:22:45.19 ID:8TtLaSYY
別に霧切さんは来るもの拒まずな気がする
本編で最初話しかけたときやたら冷たかったのは記憶無くしてることに動揺してたとかそんな感じだと思う
317名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 23:43:04.23 ID:/XsZyEWn
序盤は本当に無愛想だったな
一章終盤から苗木君にはある程度心を開き始めて
三章あたりでようやく他の皆とも多少打ち解けた印象

まあ話しかけたら答えてくれるけど自分から進んで話かけるタイプではないな
318名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 23:58:34.65 ID:7Tu4W/W4
学園生活中の苗木君と霧切さんの関係も気になるが、学園長が苗木君をどう思っていたのかも気になる
主に娘と仲良くしていることについて
319名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 08:15:15.01 ID:zaDl+1PR
学園長(あの響子が心を開いているなんて……素晴らしい才能だ!)
320名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 10:02:17.68 ID:LJcy1K7v
学園長(霧切家歴代の中でも逸材と言われた響子の才能を、幸運程度で組み合わせるわけにはいかない!
・・・ここは超高校級の諜報員である神代くんあたりを・・・)
321名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 10:05:00.04 ID:LJcy1K7v
>>316
でも仁さんや、苗木くんみたくツンツンするのは特別に心を許してるというか、
かなり信頼している相手限定っぽくない?

ゼロ読むと、仁さん相手のツンっぷりは苗木くんのそれと被ってる気がする
322名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 12:31:44.84 ID:CfAeqtnf
むしろ真逆な気がするなあ
パパに対して冷たく当たるのは本人が言うところの「構って欲しくてぐずる子供」の心境、
本当は自分から歩み寄りたいのに素直になれないからだけど、
苗木君に対しては表面上素っ気なく見えるものの好意を表す時にはかなりストレートに言葉にしている印象がある
323名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 16:04:59.64 ID:I0NpHQ8F
スネギリモードの時はかなり親父さんに対する態度に近かった気がする
苗木君が黙秘した理由を悟った後もツンツンしているあたり、特に
324名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 17:06:56.58 ID:8NI3pZfi
オヤジに対しては憎しみの感情と父娘の関係になりたい願望のジレンマで結局どっちつかずになってる感じで
苗木とかその他クラスメイトに対しての冷たさとは違うと思う
オヤジへのツンの方が私情の影響を多大に受けてる

職業柄自分を知られないように他人との関係をできるだけ持たなそうだから
対クラスメイトに関しては初期は単純に必要以上に関わられないように冷たくあしらってて
後半は考えが少し変わったけど慣れてないからつっけんどんな態度はそのままって印象
325名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 20:23:44.79 ID:Tc85CcME
っていうか普通の学園生活で親父のことを話す機会ってあったんだろうか
無かったんだろうな
326名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 20:43:21.47 ID:LJcy1K7v
これで苗木くんが霧切さんと別れて、朝比奈さんと結婚してあの褐色娘が子供だったら
ここのスレ阿鼻叫喚になるよね・・・
327名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 20:44:25.55 ID:CfAeqtnf
まあ霧切さんの性格上自分から周囲に事情を話すことはなかっただろうな
でも学園長と名字が同じ、しかもありふれた名字でないとなれば、ある程度は周囲も察することはできるだろうし
たぶん公然の秘密状態だったんじゃないか
328名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 20:55:49.54 ID:s2OzTkRv
朝日奈がくっつくとしたら必然的に葉隠しかいないが…
しかし褐色子も巨乳だからなにかしら関係あんのかな
329名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 21:34:35.28 ID:f66PIaRj
舞園さんより子作りした朝日奈さんのが強敵かもな
330名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 21:36:21.40 ID:10ZFBuGj
ボテギリさんがラスボスだろ

っていうかキリギリって使い勝手がいい言葉だな
331名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 22:40:58.93 ID:LJcy1K7v
いやいや、前々から疑問だったんだが朝比奈さんと葉隠ってフラグ何もないよね?
あぶれてるってだけだし、通信簿最後までやったら苗木くんの方がまだフラグってる気がする。
332名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 22:49:07.22 ID:FGtPcS9r
いい加減スレ違いだ
333名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 23:19:17.91 ID:3EM8QaHg
少しくらい脱線したくらいでいい加減スレ違いとか喚くなよ…
334名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 23:28:21.23 ID:J7b5v4KT
本スレでやれよ、ここは霧切響子スレだぞ
335名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 23:34:36.62 ID:zaDl+1PR
>>323
つまりあの時点で苗木君は父親と同ランクの扱いだったということか!
336名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/13(金) 23:58:18.40 ID:FGtPcS9r
本当に『家族』もしくはそれに近い間柄になった後なら『構って欲しくてスネる霧切さん』なんてものが見れる可能性もあるのだろうか
想像するに胸熱だな
337名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 08:01:26.34 ID:JkbLrNyW
霧切さんにマンツーマンで勉強を教えてもらいたい
338名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 09:22:17.63 ID:OagoMgoC
希望が峰学園の授業ってどんなふうにすんだろ?
明らかに学力に差がありすぎそうなメンバーがおんなじクラスだし・・・
単位制なんかな?
339名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 09:34:03.91 ID:Lgk8ycXU
希望ヶ峰は苗木のような人間に超高校級なスキルをラーニングさせる施設であり
その真相に気付いた霧切さんが黒幕である学園長の父親に戦いを挑む

みたいな妄想が浮かんだ
340名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 11:19:44.23 ID:mp409y7W
実際カムクラにやらせてたのはそのラーニングだったっぽいな。

ゼロ読むと、希望ヶ峰学園ってあんまり良い学校とは思えんよね。
学園長の仁さんも、才能イコール希望に固執してたし良いイメージが湧いてこなかったよ。
341名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 12:08:59.66 ID:W8EIRzkN
霧切さん学校の成績はどうだったんだろうな
間違いなく頭は良いけど、ちゃんと真面目に授業受けてたんだろうか
342名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 15:06:23.66 ID:Ofcn9InD
探偵業があるからなぁ。もし霧切さんに勉強意欲が希薄だったら、案外中堅くらいかも。
でもやっぱりソツなくこなして成績優秀、ってなイメージがあるな。
343名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 17:34:58.24 ID:JkbLrNyW
どうもペーパーテストは完璧だけど美術とか家庭科がダメダメなイメージが
344名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 18:07:29.48 ID:mp409y7W
隠し部屋での苗木囮作戦、アレ襲われるかもしれないけど殺されることはないって思ってたでおk?
345名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 18:41:41.15 ID:AgUy2Q+s
やっぱり探偵業で授業を休みがちだったりしたんだろうか
霧切さんならそれでも好成績を維持できそうだが
346名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 19:11:37.17 ID:+oun2maw
>>344
コロシアイを仕組んでる黒幕が自ら殺人を犯すことはないと確信してたんだろうね
347名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 19:45:13.20 ID:nP79gOgr
しかし霧切さんのみならず、さくらちゃん除く女性陣営から酷い扱い受けても
一回もキレることもない苗木くんの忍耐というか寛容さはガチで超高校級じゃね?

囮作戦もアレブチ切れる奴が大半だろうに・・・それともアレくらい寛容さがなければ、
霧切さんとフラグは立たないのか。
348名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 20:46:33.98 ID:Qp2E/yXU
超高校級の人望だからな、苗木君は

今日、苗霧の夢見てたのに目覚ましで起こされた
349名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 21:35:52.36 ID:OF+9EkSo
>超高校級の人望

一番しっくりくる苗木の表現だな
本スレじゃ菩薩っていう人もいたが
350名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/14(土) 23:57:25.33 ID:yButqba3
>>348
詳しく報告したまえ
351名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 02:39:53.41 ID:EP3BDK9q
自分が苗木になる夢だったのか
苗霧がイチャイチャする様を暖かく見守る夢なのか
それが問題だ
352名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 08:37:36.61 ID:8bYeIWWs
ナエギリ子「ねえパパ、パパはどうしてあんな無愛想でなんでもかんでも自分で勝手に決めて、
自分の無茶を強要するくせに他人のそれには許さなくて、家のことも仕事のことも全部
仕切りたがるようなママと結婚したの?」
霧切誠「それは違うよ。ママには欠点も多いかもしれないけど、それ以上に良い点もいっぱいあるんだ。
それにね・・・」
ナエギリ子「それに?」
霧切誠「・・・僕の心は絶望事件の時に、響子さんに捜査されちゃったから、かな・・・」
ナエギリ子「・・・(うわあ)」
353名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 09:24:09.25 ID:BFXzwSPM
>>350>>351

突如学園長に自分の小さい頃の写真を数枚渡される霧切さん
「…こんなことで呼び出さないでほしいわ」と呆れつつも、
写真を見ている内に昔を思い出して笑みがこぼれてしまう霧切さん
そんな霧切さんを、写真を一緒に見ながら静かに見守る苗木君
学園長とはある程度は和解してたっぽい
354名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 12:19:18.72 ID:EP3BDK9q
ほほう
夢の中でもナエギリとは羨ましい
355名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 12:26:27.74 ID:z0sYbqRV
>>347
怒らないじゃなくて怒れないんじゃね?
才能のある奴に対しての引け目から
苗木は才能のある奴についてどう考えてたんだろうな
普通は嫉妬とか引け目とか感じそうだが・・そんな暗い奴じゃないよな・・・
356名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 13:39:31.89 ID:yqMK5QbK
一富士→頂上付近が銀色→霧切さん
二鷹→鋭い眼→霧切さん
三茄子→紫色→霧切さん

このように霧切さんが夢に出てくるのは非常に縁起の良いことなのです
357名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 14:14:15.60 ID:5jZGtZh5
>>347
つまり苗木が菩薩のような心の人じゃなければ霧切さんは喪○になってた、と

美人で良い人だけど、人と距離を取り過ぎるせいでアラフォー○女の霧切さん・・・いいね
358名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 14:46:09.35 ID:H6fAi+GV
悪口言いたいなら他所でやってくれ
359名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 15:31:03.41 ID:EP3BDK9q
>>356
その発想はなかった
俺の夢枕にも霧切さんが立ってくれないものか
360名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 18:06:43.06 ID:R7kVIwie
こんな感じか

  |!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!|
  |                   |
  |    C U P        |     /
  |              |      起きなさい苗木くん
  |  G O K U B U T O   |     \
  |   ______  .|
.   |   (カップゴクブト)  .|
.  |     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   | 
.  | !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!|
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
361名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 18:46:49.03 ID:u8L1dBLb
>>361枕元にそんなん立ってたら泣くけどね、僕は
362名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 19:51:33.95 ID:8bYeIWWs
霧切さんって独占欲強い方かな?
363名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 20:50:55.60 ID:4gXDwvsT
実は独占欲強いに一票
364名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 21:59:12.57 ID:UKN6WSz6
父親の件もあるから、好きな人に関しては絶対に渡さない系だと予想
365名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 22:12:41.15 ID:yqMK5QbK
小説でのファザコンぶりを見ていると、本当に大切な相手に対しては独占欲強そうな気はするな
でもまあ、ヤンデレとかそういう方向にまではいかないだろうが
366名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/15(日) 23:39:16.44 ID:L0DNrizk
独占欲は強いけれど相手の心が自分に向いていないことを悟ったらすっと身を引きそうなイメージ
367名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 04:02:31.76 ID:YccTYSS0
そこですかさず「それは違うよ!」と苗木君。
368名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 08:28:10.43 ID:7VvGCBmV
最近SSが足りない
みんな忙しいのかな
369名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 11:29:42.62 ID:2ValFHQ2
アンソロなんだけど、実際ナエギリ成分高め?
370名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 12:19:49.00 ID:qknTXCoF
足りないなら増やせばいい…

ここまで言えばわかるわね?
371名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 12:37:22.99 ID:87CJ+Rbw
>>369
4コマ1:それなり
4コマ2:豊富
アンソロ1:少なめ

という印象
372名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 13:28:55.27 ID:h6jPjNd9
>>371
4コマ2のスーパーナエギリロンパなんかはほとんどそうだったな
373名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 17:12:06.82 ID:vNG7sRZm
表紙絵なら4コマ1が一番なんだがのう
374名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 19:34:16.56 ID:2ValFHQ2
コスプレギリさん、おまいら的に何が見たい?

女子高生宇宙海賊見てるから、海賊ギリさん見てみたい。
375名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 19:35:01.88 ID:2ValFHQ2
あとアンソロ情報トンクス
さっそく4コマ2巻購入
376名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 21:36:20.16 ID:87CJ+Rbw
4コマ1の(枕持参)のネタが好きだ

そういやアンソロ2がもうすぐだな
377名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 22:39:27.44 ID:2L9ysLAs
あの人は安定のナエギリ枠だな
てか、うっかり枕持参ってどういうことだよw
378名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 22:45:12.87 ID:YccTYSS0
2巻のナエギリも、ちょっとコメディ調だけど距離感とかよくわかってらっしゃる。
379名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 22:58:29.42 ID:PMAzzl6l
そういえば「美人局」で一つ思い浮かんだんだけど、投下していい?
380名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 23:05:49.20 ID:7VvGCBmV
ばっちこい
381名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/16(月) 23:50:11.64 ID:5MNUi7Xq
>>377
あの方には是非アンソロ2でも描いていただきたいな

>>379
カモン!
382名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/17(火) 01:50:02.61 ID:tRlLYYDm
拙い文章ですけれど…

「美人局」

霧「苗木君」
苗「どうしたの?霧切さん」
霧「『美人局』この漢字読めるかしら?」
苗「えーっと…びじんきょく…?」
霧「そう読むと思ったわ…これは『つつもたせ』って読むの」
苗「つつもたせ…?それって、どういう意味なの?」
霧「よくある恐喝の手口の一つよ…」
霧「まず、『かも』となる男性をある女性が誘惑して部屋やホテルに連れ込む。
そこに、あらかじめその女性と打ち合わせしていた別の男が現れ、かもの男性を脅迫するのよ。
『俺の女に何するんだ』って具合にね…」
苗「へぇ、そうやってお金を請求することを『美人局』って言うんだ」
霧「ええ、そうよ。だから苗木君も気をつけてね」
苗「うん…って、なんで僕?」
霧「だって、バカ正直なあなたならあっさり騙されそうだもの…」
苗「ひ、ひどいな、霧切さん…僕だってそう簡単に他人の誘いに乗ったりしないよ」
霧「へぇ、そう…じゃあ、私が誘ったらどうするの?」
苗「『私』って、霧切さんは知り合いじゃないか」
霧「知り合いの誘いならいいの?」
苗「誰でも、ってわけじゃないけど…霧切さんなら信用できるし」
霧「本当に…私が誘ったら…来てくれるのね…?
その…部屋とかホテルとか…そういう、所でも…」
苗「えっ?」

苗「いいっ、いや!そういうこととは思ってなくて!えっと、その、ば、場所によるっていうか、やっぱ僕たちも未成年だし、
その、そ、そういうことはきちんと段階を踏んでから」
霧「ふふっ…冗談よ」
苗「」
霧「だから言ったじゃない…あなたなら簡単に騙されるって…」
苗「」
霧「女の子には気をつけてね、バカ正直の苗木君…」


知らない人にホイホイ付いていくのは大変危険です。
383名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/17(火) 08:28:19.65 ID:OksmT22t

霧切さんの美人局ならホイホイ付いていく自信があるぜ
384名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/17(火) 11:47:03.83 ID:n4URJc+A
乙!
でも苗木、そこは霧切さんが好きだから他の子についていったりしないと言うべきだぞ

霧切さんを父親が置いていったのって母親が亡くなった時何かあったからっぽいけど
その辺り明言されてないんだよね…
記憶失う前二人が実は付き合ってた過去とか、お互い惹かれてた事とかあったりして今後思い出したりするそんな妄想をしてしまう
385名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/17(火) 12:33:35.77 ID:no3GGZyQ
学園長が霧切家を出奔した理由は、何かの理由で探偵家業に嫌気がさしたからっぽいな
ゼロを読む限り
霧切さんを置いていったのは、多分お祖父様が大事な後継者を渡そうとしなかったからじゃないかな
386名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/17(火) 12:47:53.85 ID:QQqPAX5b
二人のオシオキが一緒なのはなんか勘ぐっちゃうんだよね。
オマケに補修内容が性についてとか、怪しいじゃないですか
387名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/17(火) 18:13:51.83 ID:i6gCk5KU
霧切さん本人は「自分を置いていってくれて良かった。そうでなければ探偵になれなかったから」と言っていたけど、
本当は親に捨てられた自分には探偵の道しかない、みたいな強迫観念めいた思いも抱えていたんじゃなかろうか
などと思ってみたり
388名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/17(火) 22:11:32.91 ID:OksmT22t
そういうのもありそうな気はしないでもないな
霧切さんって万事スマートに振舞ってるけど、どこか無理してるような印象を受ける
俺だけかもしれないが
389名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/17(火) 23:19:10.09 ID:5DGdwpUX
まぁ、霧切さんが望むと望まざると、探偵(=後継ぎ)にさせられたのは間違いないだろうな。
390名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/17(火) 23:38:29.90 ID:no3GGZyQ
>>388
つまり霧切さんには、探偵でない一人の少女として接することのできるような、
支えになってくれる誰かが必要ということだな

さて、ここまで言えばわかるわね?
391名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/17(火) 23:43:06.60 ID:QQqPAX5b
ゴミ捨て場からの脱出する際、身の上話をすんなり話してたよな。
通信簿イベントですら言わなかったのに、あの時点で苗木くんに引け目もあったのかもだけど
相当心開いてるんだろうな
392名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/17(火) 23:57:09.83 ID:4bgYnvx4
スネギリ事件も心を開いているからこその裏返しだったのかもしれん
393名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/18(水) 08:26:07.05 ID:8jUBgVvN
霧切さんが歳相応の部分を見せるのって苗木に対してだけだよな

で、そのことに気付いて「なぜ私は彼に対してだけ…この気持ちって…?」と戸惑う霧切さんはどこに行けば見られますか
394名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/18(水) 12:45:25.48 ID:5N+5BjR+
なにそれ萌える
395名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/18(水) 13:55:19.54 ID:M6QfZVBT
苗木くんと結婚もしくは付き合いだしたら、結構依存しだすかも。精神的にって意味でね。

某ユッキーのヤンデレとまでは行かずとも、ノロケ話し出したら止まらないとか
そういう可愛いデレギリさんが出てきたら俺得
396名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/18(水) 16:07:55.87 ID:jstrJRmK
依存ギリさんとか俺得
普段はクールに振る舞っているのが一目の無いところではデレデレの甘々になったり
恋人の話題になると途端に饒舌になって、ふと我に返って赤面したりすればいいよ
397名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/18(水) 19:26:36.61 ID:QDukSCA6
新ジャンル、依存ギリか…

さて、言い出しっぺは誰だっけな
398名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/18(水) 19:45:19.65 ID:yviqmF9Z
すいません、僕です。
399名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/18(水) 20:46:19.63 ID:9YyHGky8
読みは、いぞぎりさん、でいいのかしら。
400名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/18(水) 21:26:22.17 ID:5N+5BjR+
ひとたびデレたら情が深そうだよな、霧切さん
401名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/18(水) 23:21:33.70 ID:KZgDvWyG
「あなたのような人と一緒なら…」が「あなたが一緒じゃないと駄目なの…」になるわけですねわかります
402名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/18(水) 23:51:47.06 ID:5N+5BjR+
そいつは…なかなかグッとくる台詞じゃないか…
403名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/19(木) 08:32:37.57 ID:mThCvEvC
でもそんな気持ちを上手く表に出すことができなかったりすると俺得
404名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/19(木) 09:16:31.81 ID:M1eDhuBz
ナエギリ娘「ママ、ママはなんであんな冴えないパパと結婚したの?」
霧切「あら、冴えないとは聞き捨てならないわね。どういう意味?」
ナエギリ娘「だ、だって、家でも外でもふたこと目には、そうだね響子さんの言う通りだよ、
って言うばかりじゃない」
霧切「当然じゃない。私はいつだって正しいことしか言わないわ」
ナエギリ娘「で、でも、女は俺について来いってタイプに惹かれるんじゃ・・・」
霧切「あなた、いつの時代の人間よ。そんなんじゃ、現代を渡り歩いていけないわよ」
ナエギリ娘「・・・」
霧切「ま、確かにうちの人は優柔不断ね。周りの女には、すぐ良い顔をしようとするし、
おまけにすぐプレゼントしだすし・・・まああれは半分趣味みたいなものなんでしょうけど。
でもね、そういった部分が霞むくらい良いところもあるわ。それは・・・」

ナエギリ娘「・・・?どうしたの、良いところってのを教えてよ」
霧切「やめとくわ。うちの人の良いところも見抜けないようでは、次代の霧切家当主として、あまりに情けないもの」
405名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/19(木) 12:47:53.65 ID:V5WDL6IC
次代の霧切家当主ということは苗木君婿養子かw
406名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/19(木) 13:13:50.52 ID:XfwqL9U4
惚気相手が自分と苗木の娘とか…幸せ者め
407名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/19(木) 17:11:27.08 ID:MWiAQASo
この後、娘さんが今度はパパのところにママと結婚した理由を聞きにいくわけですね
そしてママを好きになった理由をてらいなく話すパパに、物陰でそれを聞いていたママが赤面するわけですね
408名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/19(木) 22:30:41.35 ID:mThCvEvC
409名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/19(木) 22:48:37.89 ID:MWiAQASo
おお、背中合わせのナエギリか
いいね
410名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/19(木) 23:39:47.67 ID:Uxuw4xUz
おお好きだわこの表紙
411名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/19(木) 23:47:59.55 ID:Zy+nnuK0
やっぱり霧切さん以上に頭にカップ麺をのせた姿が似合うヒロインはどこにもいないよな…
412名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/20(金) 01:52:08.44 ID:3T5SL35/
誰か苗木が後輩にラブレター貰うナエギリを書いてくれください
413名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/20(金) 08:27:42.21 ID:Jk84q9r6
前スレで既出だ
414名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/20(金) 12:46:50.22 ID:4iEuzF70
>>408
何気にこの二人が隣あって、かつ大きく描かれているのって公式では初めてじゃないか?
415名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/20(金) 15:52:33.64 ID:Fuk4kLrB
VFBの書き下ろしもあるけど、あれは全員が入っているからなぁ
それにしてもあの集合絵の霧切さんはかわいい
何がかわいいって苗木君の方にちょっと体を傾けているのがかわいい
416名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/20(金) 19:56:29.65 ID:4iEuzF70
あの写真の距離の近さを見るに、霧切さんって意外と積極的にアタックを仕掛けていくタイプなんだろうか
417名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/20(金) 22:24:48.68 ID:7k1EOZjR
肩がくっつきそうな距離だもんな
ありゃ完全に惚れてるぜ
418名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/20(金) 23:55:55.37 ID:Fuk4kLrB
事件の起きていない、平和な学園生活の中でなら
霧切さんも本編よりもストレートにデレてくれていたのかもなぁ
419名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/21(土) 03:08:09.46 ID:zhVcG1dQ
俺としては本編の奥ゆかしいデレも捨てがたい
ストレートにデレてくれてもそりゃもう凄い破壊力だろうが
420名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/21(土) 06:54:21.81 ID:D/ZTLc7V
付き合い始めて間もないナエギリ
映画館で手を握ろうと頑張る苗木君
一緒に歩いていると自分の身長が気になる苗木君
折角のデートが仕事で中止で申し訳なく思う霧切さん
それを大丈夫だから仕事頑張ってと励ます苗木君
デートをクラスメイトに見られ冷やかされる二人
体育では意図されてペアを組まされる二人

そんな初々しいのもいいと思うんです
421名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/21(土) 12:27:10.23 ID:PnQrokrg
うむ…いいな…すごくいい
422名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/21(土) 17:47:54.51 ID:zhVcG1dQ
あれだな
霧切さん仕事人間っぽいから、恋愛事に馴れてなくてもの凄くぎこちなかったりすると非常にいいな
423名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/21(土) 21:30:30.42 ID:jDgrq+Eq
ふう、やっと復旧したか

>>420
仕事と恋愛を秤にかけて悩む霧切さんとか見てみたい
霧切さんなら悩んだ末に仕事を優先させそうだが…
424名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/21(土) 23:05:27.49 ID:zhVcG1dQ
仕事のせいで一緒にいられなくて申し訳なさげな霧切さんに、
「こうすれば一緒にいられるよね」と苗木君が助手になることを申し出るとか
そんな展開はありませんか
425名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/21(土) 23:42:07.11 ID:X7ifh0IC
アリにきまっておろう
426名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 00:07:41.29 ID:awr0YYrG
仕事で遠出→無事仕事終了→明日から数日学校and仕事無し→せっかくだから観光
→二人でその土地の様々な名所を回ったり美味しいもの食べる→二人の距離が近づく
→夜、有名な旅館で温泉、ご飯でくつろぐ→同じ部屋でなんだか気まずい
→苗木「じゃあ、もう寝るね」→霧切「待って…」→エロパロ板

>>424を見たら一瞬で話が展開した
427名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 02:33:02.04 ID:yvmra23N
よし
詳しく聞かせてもらおうか
428名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 05:39:16.07 ID:5E86eqxE
大丈夫、エロパロ板まで追いかける準備はできてる。いつでも始めてくれ。
429名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 12:09:03.20 ID:BSsgjOla
混浴は!? 混浴はあるんですか!?
430名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 12:58:40.29 ID:s/yAaO24
霧切さんと混浴か…
あのナイスヒップにしか目がいかないな
431名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 15:42:26.73 ID:yvmra23N
風呂上りで火照った体に浴衣を纏った霧切さん…
浴衣の襟から覗く白い首筋にどきりとする苗木君…

うむ、なんだか興奮してきたよ
432名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 19:09:54.01 ID:r4Aqff1M
苗木妹との関係が大いに気になる。
某平沢家のような仲良し姉妹か
433名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 20:09:36.45 ID:0pDfh8Zz
混浴というとあれだ
混浴と知らず一人温泉に浸かる霧切さん→そこに同じく混浴と知らない苗木君が入ってきて…
みたいなシチュが鉄板だが、霧切さんはどうリアクションするだろう
434名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 21:30:55.60 ID:H3Gs4RV5
>>433
1、意外とクールに「一緒に入る?」「背中流そうか?」などとからかう。→4へ
2、羞恥で真っ赤になって急いで出ようとする。→5へ
3、内心びっくりするが、あえて意識しないように普通に接する。緊張を和らげようと4か5へ

4、苗木君に冗談半分で誘惑や悪戯、仕返しとして苗木君に冷たい水をかけられる。「ひゃっ!?」ってなって7へ
5、お風呂場で滑る。苗木君の超高校級の反射神経で苗木君がスライディングで下敷きに。7へ
(7経由の場合、8へ)
6、二人でゆっくり浸かりながらお話。しばらくした後、4へ

7、苗木君の前で体に巻いていたバスタオルが…。2か8へ

8、苗木君の大きくなった苗木君を目撃。真っ赤になってそのまま何も言わずにあがる。9へ

9、部屋に戻っても意識しちゃう。気まずい空気に耐えきれなくなった苗木君が10か11へ
10、無理に話そうとするもやはり会話続かず。苗木君が折れて11か霧切さんが半ばやけになって12へ
11、苗木「じゃあ、もう寝るね」霧切さんが勇気を出して13へ。
12、霧切「嫌なもの見せたわね…」苗木「そ、そんなことないよ!霧切さん、とっても綺麗で…」13へ

13、霧切「苗木君…」→エロパロ板へ。


スタートは1か2か3
435名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 22:25:53.55 ID:BSsgjOla
なにこのゲームブックw

ありそうなのは3かなあ
436名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 22:52:05.61 ID:Q56EFfmM
どのスタートでもエロパロ行きなのね
437名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 22:59:50.56 ID:qM41FsAt
>>436高校生男女二人きりでお泊りっていう前提がすでにフラグ
438名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 23:52:15.52 ID:CxzKtHRl
1→4→7→8→9→10→11→13のコースが俺の理想
439名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/23(月) 08:26:16.25 ID:jTwdw2a0
俺としては温泉でのぼせた霧切さんを介抱するシチュも捨てがたい
440名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/23(月) 12:24:27.82 ID:AQzMSIlm
じゃあ俺は3→4→7→8→9→10→12→13で
441名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/23(月) 14:55:51.85 ID:Tt9+EovU
一線を越えない展開でもアリだ
布団を並べてドキドキしつつも眠りにつくんだけど、どちらかが寝相が悪くて寝返りをうつうちにもう一方の布団の中へ
→朝目覚めると同じ布団の中で互いの体がぴったりくっついていて、
真っ赤になってキョドる苗木君、そして動揺しまくりながらも平静を装おうとする霧切さん

みたいな
442名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/23(月) 20:44:20.51 ID:jTwdw2a0
…アリだな!
443名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/23(月) 23:19:27.00 ID:l3SJXwGS
テレビの横のコイン投入口に興味津々の霧切さんはどこに行けば見られますか?
444名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 00:00:17.41 ID:AQzMSIlm
案外平然としていて、苗木君だけ赤くなってたりしそう
445名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 02:33:39.42 ID:fmIHUu/e
>>426
いただきました。

>>429、430
甘い。
今は混浴よりも風呂付の個室で人目をはばからずイチャイチャするのが正義だ。


雪の降りしきる無人駅で電車を待っている時だった。

「苗木君、一つ確認したいんだけど……明日は何か予定があったりするかしら?」
「土曜日? 特に何もないけど、それがどうかしたの?」
「そう……。だったらここで一泊することになっても構わないわね」
「えっ?」
「鉄道会社に電話したら雪の影響で電車が動かないの」
「えーーッ!?」

僕は思わず寒さも忘れて動転してしまった。
「探偵なら状況に合わせて冷静に対応しなさい」って霧切さんは言うだろうけど、助手の僕には冷静に対応するには無理な話だった。


事の発端は学園を通して霧切さんに依頼された特異家出人の捜索――。
行方不明になった人を探す仕事に僕も助手として同行することになった。
霧切さんが捜査をして浮かんできた対象者の所在地が東北のとある温泉街だった。

そして新幹線と電車を乗り継いで辿り着いたこの場所で、霧切さんの推理通り家出人は見つかった。
この温泉街にある旅館の番頭として。
後日、依頼人に面談してもらうように連絡先の交換をして僕らはトンボ帰りをする。
再び二両編成のワンマン電車から新幹線を乗り継いで都心部の希望ヶ峰学園へ。
二人きりの駅のホームで電車を待っていたけど、時刻表に書いてある時間になっても電車が一向に来ない。

夜には寄宿舎に帰ってきているという霧切さんの見立ては悪天候によって頓挫してしまった。
気になって鉄道会社に電話をした霧切さんから聞かれた話が冒頭の会話だった。
446名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 02:37:27.13 ID:fmIHUu/e
>>445
続き

「……はい、そうなります。それでは失礼します」

僕が回想している間に霧切さんは学園に連絡を入れていたようだ。
「どうだったの……?」
「依頼人に先ほど撮影した対象者の画像をメールで先に確認してもらって、捜査報告の日時を遅らせてもらうようにしたわ」
「宿泊の件も大丈夫なの?」
「それも許可が下りたわ。宿泊費も旅費と同じように支給されたクレジットカードで支払うように、と」
「そうなんだ、よかった……」
そんな遣り取りをしながら霧切さんと改札口を抜けて待合室に戻る。

「ところで苗木君、一ついいかしら?」
「なにかな、霧切さん?」
呼ばれて振り向いたら霧切さんの顔……ではなく目の前に小冊子が映る。
この温泉街の観光案内だ。
「時間もあることだし、日本史の勉強も兼ねた社会見学なんてどうかしら?」
「……おもしろそうだね、僕も参加したいな」
「そう、決まりね」

乗り換えの電車を待っている間にコンビニで買ったネックウォーマーと手袋。
そして希望ヶ峰学園で支給されたコートのおかげで寒さの心配は今のところ大丈夫。
帽子代わりにパーカーのフードを被れば頭に雪を被らせることもない。

「行きましょう、苗木君」
「行こうか、霧切さん」

僕とお揃いの希望ヶ峰学園のコートにコンビニで買った黒のニットキャップを被っている霧切さん。
観光、ではなく社会見学。
そんな二人きりの修学旅行が幕を開けたのだった。
 

〜 ナエギリ観光記 〜


瀬見温泉――。
一説によれば、源頼朝の追っ手から逃げている源義経・弁慶の一行がここに立ち寄ったことが関係しているらしい。
義経の妻、北の方(きたのかた)が産気づいた際に産湯に使う水を求めて弁慶が谷を下りた。
そして岩を薙刀「せみ王丸」で突いたところ温泉が湧き出たことに因んで地名になった。

そんな弁慶に因んだ旧跡が何ヶ所か存在し、今僕らがいる場所もその一つだったりする。
いるんだけど……。
「さすがにこうも雪化粧されていては魅力も半減してしまうわね」
「まぁ、この天気だから仕方ないよね……」

無事に産まれて「亀若丸」と名づけられた義経の子。
その誕生を祝って弁慶が山の頂上から松を投げ入れた「弁慶の投げ松」。
そして名付ける時に硯として墨をすった大きな岩「弁慶の硯石」のどちらも降りしきる雪に侵食されているのであった。
447名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 02:43:15.30 ID:fmIHUu/e
「でもこの話が本当だったら、実は弁慶が人間じゃなかったりして」
「鬼や妖怪だったという説かしら? 意外な着眼点かもしれないけど根拠に乏しいわ」
次に霧切さんが行きたいところへ場所移動している時も弁慶の話題になった。

ふと、霧切さんが言った単語が引っ掛かる。
鬼、オーガ、大神さん……。
制服姿の大神さんを、冊子のイラストに用いられている山伏の格好に当てはめてみる。
大神さんなら岩を薙刀なんて使わず手刀で「斬っっっ!!!」って叩き割りそうだな。
きっと松の木も「轟ぁぁぁッ!!!」って放り投げる姿が鮮明に浮かんで……
「………フフッ」
「? なにがおかしいの?」
「い、いや、なんでもないよ……」
いきなり笑い出したものだから霧切さんが訝しげな視線を向ける。

そうこうしている内に霧切さんの訪れたい場所に着いた。
お寺、にしては小さな造りだ。
雪から本堂を守るためかビニールシートが被さっている。
観光案内の小冊子を開いて名称を確認して「亀割子安観音(かめわりこやすかんのん)よ」
石段を上りながら霧切さんがそのまま説明を続ける。
「北の方がお産をした際に加護のあった観音様を祀っているわ」
「それって……」
「子授かりと安産の神として信仰されているの」

覆われたビニールの中に入ると注連縄が一本垂れ下がっている。
霧切さんは初詣をするかのようにお賽銭を投げ入れて鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼する。
僕も少し遅れてそれに習う。

目を閉じて漠然と観音様にお祈りする。
どうか、いつか産まれてくる僕の赤ちゃんと奥さんの身が無事でありますように――。

目を開けると少し困った顔をしている霧切さんと目が合う。
「あなたまで願掛けをするのは意外ね」
「そうかな。でも霧切さんはどうしてここに行こうと思ったの?」
凍った表面の石段に足をとられない様にゆっくりと下りる。
「……私の場合は一族の跡継ぎを産む義務があるの」
「義務……?」
「探偵一族の血を絶やしてはならない義務」
石段から融雪パイプの水が流れる濡れたアスファルトへ。
あまり触れて欲しくなかった話題かな、なんて少し困惑したら「苗木君が気にする問題ではないわ」と首を振る。
どうにも霧切さんには僕の考えていることが筒抜けだったらしい。

「年末、祖父のいる実家に帰省した時の話なんだけど『お見合いをしないか』って相談されたの」
「えっ?」
「その時はお酒も入っていたから冗談半分だと聞き流していたんだけど……」
「うん……」
「今は祖父が当主でも、いつか私が当主になって引き継ぐ時が来る。
 当主になれば探偵稼業に没頭せざるを得ない。だから結婚どころか跡継ぎも危ぶまれる……」
「それで、霧切さんはお見合いをするの……?」
「もちろん断ったわ。学園の生活と探偵稼業を両立させている今が大切だから。
 でも、私にとって跡継ぎは避けては通れない問題だから」
「それがお参りしたかった理由なんだ……」
「せっかくの機会だからお参りしてみよう、っていう軽い気持ちよ」

葉隠君ほど熱心に願掛けはしてないわ、そんな冗談を口にしながら歩く霧切さん。
「他に行きたい場所はあるかしら、苗木君?」
「う〜ん。……とくにないかな」
100円で入れる公衆浴場とかあるけど、これから旅館に泊まって温泉にも入るんだろうし。


続く
448名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 02:45:07.13 ID:fmIHUu/e
>>445-447

次回、ナエギリ宿泊記。
寒いから全裸待機しなくていいよ。

大人エギリの設定にしたら問答無用でエロパロ行きの子作り記になるから、本編前の学生ナエギリにしてます。

懲りずに勢いのままSSを作ってしまった。
そしてリアリティを追求したら地元をステマしてた件について。
温泉ネタで盛り上がってハードル高いからどこまで応えられるか正直わからん。
まずは自分のペースで完走するように善処します。
449名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 02:58:27.43 ID:Api6Gz0O
GJ!
のんびりと続きを待ってるぜ
450名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 08:37:16.24 ID:Gieb0/xt
GJ!
これ修学旅行じゃなくてデートだよ苗木君!
続きを楽しみに待ってるぜ
451名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 12:13:56.48 ID:XyulnHmt
おお、久々の長編だ
これでまた当分戦える!
続きを楽しみにしているぜ
452名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 17:59:00.93 ID:mzCxCXI7
霧切さんのお見合いとな
こちらもなかなか興味深いフレーズじゃ
453名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 21:33:55.15 ID:XyulnHmt
霧切さんのお見合い…沈黙が重そうだ
454名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 22:31:28.91 ID:LMpZzTLe
霧切さんって前の学校ではどうだったんだろう
そもそもちゃんと通っていたのかも分からないが
455名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 23:27:15.55 ID:XyulnHmt
仕事のために海外の学校にいたそうだが、
やっぱり仕事優先であんまり学生らしい生活はしていなさそうな気がするな
456名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 23:46:25.72 ID:3c/1uM1C
ホームスクールっぽい感じする
457名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 23:51:45.29 ID:Gieb0/xt
こう、女子校で後輩から「お姉様」と慕われている絵が浮かんでしまった
そういう方面での同性人気は高そうな気がする
458名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 23:56:16.48 ID:BuJcnnsR
舞園さんに激似の後輩から慕われてるところまで想像した

後輩「お姉さま! この男、誰ですか!?」
苗木(別人だとわかってても、舞園さんに見えてなんか複雑…)
霧切「これは…違うのよ、苗木君…」

という三角関係がry
459名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/25(水) 06:35:00.41 ID:L3wTindE
アンソロ2巻も霧切さんはかわいいな!
ブルマな霧切さんや魔女っ子コスがすんばらしかった
460名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/25(水) 08:26:21.72 ID:G+Z2TSDk
苗木妹に「お姉ちゃん」と慕われて嬉しさ半分恥ずかしさ半分な霧切さんはありませんか

>>459
そういや今日か
今回の霧切さん分はどんなもんだい?
461名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/25(水) 12:29:18.50 ID:sScWH2gE
のぼせた霧切さんを介抱するのもいいけど、緊張しすぎてのぼせて倒れた苗木君を休ませるために膝枕なうな霧切さんが捨てがたい・・・
462名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/25(水) 14:14:09.12 ID:VIiVddiw
>>459
魔女っ子霧切さん…だと…?

ちょっと本屋行ってくる
463名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/25(水) 17:17:05.06 ID:UYMQOlWm
アマゾンさんまだですか
464名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/25(水) 19:18:29.52 ID:EltD/rMZ
>>460
それはつまり霧切さんが苗木君の実家を訪問しているということであって
すなわち苗木君がご両親に霧切さんを紹介済みということになるな…
465名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/25(水) 20:50:06.76 ID:L3wTindE
魔女っ子というより、魔女コスか

ナエギリ分は多くないが、濡れギリ→ブルマや
魔女ギリさんが眼福でした、はい
466名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/25(水) 21:47:45.71 ID:EltD/rMZ
濡れギリさん…濡れた霧切さん?
…下品な想像をしてしまった俺を誰か叱ってくれ
467名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/25(水) 22:49:22.31 ID:0Yyh8/JW
けしからん奴め
罰として想像の内容を詳細にレポートしてもらおうか
468名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/25(水) 23:30:40.65 ID:G+Z2TSDk
買ってきた
たしかに分量的には物足りなくもないが、苗木君のベッドで眠るブルマギリさんが非常にえろかったので元は取れたぜ
469名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 00:21:46.21 ID:NQQRlh3e
霧切さんのスレだけ7スレ目に突入してて驚いた
やっぱり人気あるんだな

三國無双といい時代はクーデレか
470名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 01:29:31.24 ID:djBo1R9M
>>452
>>453
言いだしっぺの法則ですね、わかります。
だが断る。

>>445-447
の続き

そこは永い歴史を感じさせるような木造造りの旅館だった。

「ごめんくださ〜い」
引き戸を開けて玄関に入ってみると人の気配がない。
正面に見える大きな壁掛け時計と、その横にある大黒様の像だけが僕らを迎えてくれた。
「苗木君、これを見て」
霧切さんの指差す方向にある立掛けの案内板には『御宿泊の方は別館の方にお越しください。湯治のお客様も別館で受付致します』と書かれていた。
どうにもこちらの建物は日帰り入浴用の建物だったらしい。

気を取り直して僕らは隣の建物、別館に移動する。
この旅館に一泊するために。

〜 ナエギリ宿泊記 1/2 〜

振り子時計の鐘の音が4回鳴る。
霧切さんがフロントで宿泊の記帳をするということで、ストーブの近くに座って待つこと数分。
せっかくだからお土産でも買っていこうかな……なんて考えていたら
「お待たせしました。お部屋の方へご案内します」
「行きましょう、苗木君」
仲居さんと霧切さんが目の前に立っていた。
僕も霧切さんの後に続く形で仲居さんが案内してくれる部屋へと足を運ぶ。


「本日お泊りになられるお部屋は、こちらとなります」
そこにはテーブルと2組の座椅子。
テレビとファンヒーターといった必要最低限の物しか置いてない和室だった。
あれ、僕と霧切さんの部屋は別々だったりしないの?

「ねぇねぇ、霧切さん……」
お茶を用意している仲居さんに聞こえないよう小声で尋ねる。
「なにかしら、苗木君?」
僕の意図を察したのか同じように小声で反応してくれる。
部屋の隅にあるクローゼットの方に移動しながらコートを脱ぎ、ハンガーに掛ける。
「てっきり、僕と霧切さんの部屋は別々だと思ったんだけど……」
「あら、別々の方が良かったのかしら?」
「それは違うよ! ……じゃなくて、僕だってその……男の子なんだけど」
「年頃の男女が痴情のもつれにならないか危惧しているの?」
「痴情のもつれって……」
「苗木君、私達の関係はクラスメイトと同時に探偵と助手の関係なの。少しでも妙な真似をしたらどうなるか……」
『カッ!!』と鋭い眼光で僕を一睨み。
僕は思わず両手を挙げて、降参のジェスチャーをする。
471名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 01:30:42.34 ID:djBo1R9M
「お茶が出来上がりました」
「ありがとうございます」
仲居さんの淹れてくれたお茶の隣にお茶菓子もある。

おっと、そろそろ仲居さんが下がりそうだ。
僕は財布からこっそり取り出した千円札を三つ折にして一枚のティッシュでそっと包む。
「それでは、お食事の用意が出来上がるまでお風呂に入っておくつろぎ下さいませ」
「あ、待ってください……」
「はい、如何なさいました?」
そういって部屋を出る仲居さんを呼び止める。
「その、お世話になります」
先ほど作り上げたソレをそっと渡す。
「まぁ……。ありがたく受け取らせていただきます」
仲居さんはニコリと微笑んで受け取り、部屋を出ていった。


「……苗木君、一ついいかしら?」
「ん? なに?」
お茶を飲んでいる霧切さんに呼ばれて振り向くと、まだ視線はさっきまでのように鋭いままだった。
「さっき仲居さんに渡した白いものって、なに?」
「白いもの? 心付けのことかな?」
「……心付け?」
初めて聞く単語だったのか首を傾げている。
「仲居さんに前払いするチップみたいなものだよ」
「ホテルのチップは基本的に後払いだけど、日本では風習が異なるの?」
あ、そういえば霧切さんは学園に入学するまでは海外で生活していたんだっけ。
だからあんまりこの手の話は知らないんだろうな……。
「そうだね。心付けは迷惑料の先払いとか、融通きかせてほしいっていう意味合いを込めているんだ。
 宴会場で酔いつぶれるかもしれないとか、子供が騒いで周りのお客さんに迷惑をかけてしまうとか」
「なるほど、受けたサービスを評してお金を出すチップとは似て非なるわね……」
妙に納得しているようだ。でも鋭い視線はもう影を潜めている。
「さっきの言葉から心付けをするに至った心当たりがありそうね?」
「やっぱりわかったかな? 昔、家族みんなで温泉旅行に行ったことがあったんだ。
 それで母さんがやっていたことを思い出して、僕も真似してみたんだ」
あの時は僕も妹も小さかったから広い旅館で騒いじゃって。
父さんも初めて飲んだ地酒が美味しいからって酔い潰れちゃったし……そんな恥ずかしい身の上話を霧切さんに話していた。
「だから苗木君は今回も迷惑をかけてしまうかも、っていう理由から心付けを払ったのね?」
「それは違うよ。最近だと心付けは渡さなくてもいいっていう習慣になっているけど……
 こういう老舗の旅館だと渡した方がいいのかなぁって思ったんだ」
「そう……」
472名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 01:31:34.80 ID:djBo1R9M
そういって席を立つ霧切さん。
「温泉に入ってくるの?」
「えぇ、でもこの格好のまま入りに行くのは野暮じゃないかしら?」
「……そうだね」
「苗木君は先に着替えてもらえる? それまで私は入り口で待っているから」
「僕が先でいいの?」
「女性の方が身支度に時間がかかるのよ」
そう言って霧切さんは襖を閉めて部屋から出ていった。

やっぱり僕が聞き耳を立てたり覗いていたりしないようにする狙いがあるのかな……
そんな推理をしながら私服から浴衣に着替え丹前を羽織る。
財布や携帯電話といった貴重品は備え付けの金庫の中へ。
これでこっちの準備はオッケーだ。

「着替え終わったよ、霧切さん」
襖を開け、壁にもたれて待っていた霧切さんを呼ぶ。
「貴重品を入れる金庫の鍵は霧切さんが持っていてくれないかな?」
「それで構わないわ」
「それじゃ、先にお風呂いただくね」
「えぇ、いってらっしゃい」


最初に入った建物、本館1階にある温泉。
あたたまり湯、岩風呂、ローマ式千人風呂と変わった名称の温泉だ。
まずはどの温泉から入ってみよう……

→ あたたまり湯
  岩風呂
  ローマ式千人風呂

よし、言葉の響きだけで暖まりそうな温泉から入ってみよう。
「あたたまり男湯」と書かれた入り口を開ける。
ロッカーの脱衣所に浴衣と下着を仕舞い、手拭いを持ってガラス戸に手を掛けて開ける。

「ッ!?」
温泉というから浴槽に檜を使っているとか、大自然を見渡せる露天風呂が目の前に……っていうわけじゃなかった。
四〜五人くらいが入れそうなくらいの飾り気のない浴槽。
濁り気のない透明なお湯。
1台のシャワー。
隅っこに並ぶボディーソープとシャンプー、そして洗面器。
寄宿舎の大浴場よりシンプルだった。

「純粋に温泉だけを堪能してほしいっていう計らいなのかな……?」
そんな疑問符を浮かべながら掛け湯をして、足先からゆっくり浸かる。
全身が湯船に浸かったところで目を閉じてみる。
詳しい効能をあまり調べてはいなかったけど、この温泉が源泉かけ流しっていう単語だけは覚えていた。
そうイメージすることで、何だか今日の疲れを体の中から取り払ってくれるような感覚になる。
そういうところを「バカ正直」って霧切さんはからかうけど。
473名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 01:32:25.83 ID:djBo1R9M
体の芯まで温まったと思ったところで一度湯船から上がる。
洗面椅子に腰掛けてボディーソープで体を洗い、シャンプーで洗髪する。
シャワーのお湯で髪をすすぎ全身すっきりした後に、もう一度湯船に浸かる。

「い〜ち、にぃ〜、さ〜ん……」
僕しかいないことをいいことに、子供の頃にやった10の数を声に出して数えてみる。
ん? 僕しかいない?
僕ら以外にも宿泊しているお客さんは多分……いるはず。
きっと違うお温泉に入っていて遭遇していないだけだろう、そう推理して違和感を払拭した。


脱衣所のバスタオルで体を拭いてから下着と浴衣、丹前を着る。
手櫛で軽く水分を払う感じで髪の水分を飛ばす。
あたたまり湯の戸を潜り、始めに立っていた場所に戻る。
さて、次はどっちの温泉に入ろうかな……?

  岩風呂
→ ローマ式千人風呂

やっぱりローマ式っていう響きが気になるな。
日本にいながら海外の入浴体験も出来るなんてすごいと思う。
そんな期待に胸を膨らませて入ろうと思ったら入り口にこんな張り紙があった。

『女性専用 15:00 〜 18:00』

思わず僕はうな垂れてしまった。
「……あら、苗木君」
そんな僕の横から声が掛けられた。
「っ! き、りぎりさん……」
「? どうかした?」
「いや、なんでもない。なんでもないよ」

思わず霧切さんの方を見てドキッとしてしまった。
きっと長い髪を濡らさないようにするためなんだろう、髪型をアップにしていて。
今の僕と同じ浴衣と丹前を着ている目の前の霧切さんが、別人に思えてしまったからだ。
髪型と服装が違うだけでこうも変わるものか……。

「実はローマ式のお風呂に入ろうと思ったけど、今は女性専用の時間で入れないことがわかってさ」
「あら、それは残念ね」
「うん……。ところで霧切さんも温泉に入ったんだ?」
ふと観察眼を真似て霧切さんを見ると、いつも白い肌が所々赤みがかっている。
「えぇ。別館にあるオランダ風呂っていうのに」
「オランダ風呂?」
「でもどこがオランダ風なのか私にはわからなかったわ。小さな浴槽に無色透明のお湯が流れているだけだったし」
何だか僕が入ったあたたまり湯と同じような構造かも。
「今は後回しにして違う温泉に入るよ」
「ふふっ、お先にいただくわ」
「後でどんなお風呂だったか感想きかせてね」
わかったわ、なんて言いながら霧切さんはローマ式千人風呂の暖簾を潜って行った。

すれ違いざまに僕の鼻は温泉の匂いとボディーソープの香りを捉えていた。
同じ備品なのに使う人が違うからなのか、それが霧切さんの匂いと認識すると頬どころか体中が熱く感じる。
もう湯あたりしてしまったのかな、僕……。
474名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 01:35:28.18 ID:djBo1R9M
そんなわけで、今すぐに入れそうな選択肢は岩風呂だけになった。
脱衣所には先客がいるという形跡もなく、ガラス窓から覗ける岩風呂にはやっぱり誰もいなかった。
「貸し切りの温泉みたいで贅沢な気分だなぁ……」

湯冷めしない間に裸になって掛け湯をしてから温泉に浸かる。
……さっき入ったあたたまり湯と比べれば少し温いのかな?
3〜4人くらいの人数が入れそうな岩造りの湯船に一人、体育座りの姿勢で浸かってみる。

辺りを確認してみると、水道用の蛇口と洗面器、洗面椅子しかない。
ここにはシャンプーやボディーソープどころかシャワーもない。
シンプルに温泉だけで温まってくださいっていう狙いなんだろう。
あたたまり湯の時に抱いた感想がより強固になった。

また僕一人だけというのもどこか寂しい気もするからと、鼻歌を口ずさみながら温泉を堪能してみる。
この熱さなら湯あたりすることもないかな、なんて思いながら舞園さん達が歌うグループの最新ナンバーを選曲。
アカペラで所々音階を外しながらの一人リサイタルを歌いきってお風呂から上がる。


バスタオルで全身を拭きながら、この後はオランダ風呂に入ろうかどうか考えてみる。
霧切さんの証言だと「あたたまり湯」と似たような造りみたいだし、後回しにしてもいいかなと。
後回しにするなら、夕食を食べ終わった後にローマ式のお風呂に入るのもいいかもしれない。
やっぱり千人風呂なんだから大きなお風呂が「あ」るんだろうなぁ……
それが名案だと思い、下着に片足を通す。

……『あ』?

ちょっと待って、今の考え事に僕は一度も発言した覚えはないのに声が聞こえたぞ?
何か視線を感じて、その方向に目を向けると……霧切さんが入り口の前で立っていた。
立っていたというより、硬直していたという表現がしっくり来るかもしれない。
「…………」
「…………」
そのままお互い見つめ合うこと数秒間。
だんだん霧切さんの頬どころか顔中が真っ赤に変化する様子を観察して、ようやく僕の脳は事態を把握した。

「「ご、ごめんなさいっ!!」」

急いで反対側を向いて下着を穿く。
その背後からは「ピシャッ!」と力任せに引き戸を閉める音が聞こえた。
まさか、まさか霧切さんに裸を見られるなんて……!
穴があったら入りたい、そんな諺が今の僕にはピッタリで、さっきの醜態をないことに出来るなら喜んで穴にでも入りたいよ……。


「もう大丈夫だよ、霧切さん……」
「……わかったわ」
浴衣と丹前を着て、扉越しに待っている霧切さんに声をかける。
スゥーッ、と先ほどとは対称的に静かな音を立てて引き戸を開け霧切さんと向かい合う。
「苗木君、その「ごめん……」
霧切さんに何を言われるのか怖くて仕方なかった僕は、まともに顔を合わせることもなく早足で部屋に戻ることにした。

「……ッ!!」
だから、背後で息を呑む気配があったなんて知る由もなかった。
475名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 01:37:10.26 ID:djBo1R9M
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結局、その後は別のお風呂に入らず、フロントから貸出のドライヤーで髪を乾かして部屋のテーブルに頭を突っ伏していた。
さすがにあんなことがあった以上、霧切さんと顔を合わせるのは何だか気まずい。
いっそのこと今から別々の部屋にしてもらえないか……なんて思っても金庫の鍵は霧切さんが持っている。

「でも、なんで霧切さんも謝ったんだろう……?」
裸を見せていたのは僕の方だから、公然わいせつっていう理由から僕に過失があると思うのに。
仮に裸を見られて『苗木君のバカ! エッチ! 変態ッ!』って霧切さんは怒るタイプだろうか?
――答えは「No」だ。
本当に怒ってるなら話しかけても相手にしてくれないし、言葉にしなくても「怒っています」というオーラが伝わってくる。
霧切さんの助手をしているだけに、謝罪は予想外の反応だった。

「……湯あたりしたの、苗木君?」
「うぅん、違うよ」

噂をすれば何とやら。 霧切さんも部屋に戻ってきた。
霧切さんも髪を乾かしたのか、アップにしていた髪型も今はいつものストレートヘアーに戻している。
『探偵なら状況に合わせて冷静に対応しなさい』という当人のアドバイスの下、いつまでも羞恥心を理由に逃げてばかりもいられない。
「……一つ、提案があるんだけど、いいかな?」
「なにかしら?」
「今からでもいいからさ、僕ら別々の部屋にしてもいいんじゃないかなって思って」
「……理由を聞かせてくれる?」
「うん。やっぱり年頃の男女が同じ部屋に泊まるのは不謹慎なのかなって。
 さっきの件を振り返ると僕に過失があって霧切さんは恥ずかしい思いを「それは違うわ」
ピシャリと霧切さんが僕の理由を遮る。
呆然としている僕を尻目に霧切さんの主張が始まった。
「……そもそも、岩風呂は混浴だったことを事前に説明しなかった私にも負い目があるわ」
「え、そうだったの?」
「それに苗木君の……は、裸を目撃したのも私だけだったし、お互い口外しなければ事件にはならないわ」
「それでいいの、霧切さんは……?」
「もちろん。この一件を脅迫の材料にして苗木君に不利益を被らせないことも誓うわ」
正座して僕を真正面から見ている霧切さんの言葉に、嘘・偽りが込められているようには到底思えなかった。
「それで手打ちにしてくれるならお願いします」
思わず僕も正座の姿勢になってお辞儀をする。

「それでは苗木君による相部屋の解消申請は却下します」
「ごめん……じゃない。ありがとう、霧切さん」
「せっかくの機会ですもの。気まずいまま過ごすのは私も嫌だったから」

僕らの距離感もこれで元通りになった。
ホッと一安心していたら固定電話の着信が入る。
僕が電話から近いので取ることを目で合図し、霧切さんには待ってもらう。
476名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 01:39:39.50 ID:djBo1R9M
「……もしもし?」
『こちらフロントです。お食事の用意が出来ましたので会食場にお越しください』
「はい、わかりました」
受話器を置く。

「今の電話は?」
「フロントから。食事の用意が出来たってさ」
「そう。だったら行きましょう」
霧切さんが立ち上がり、部屋の照明を消す。
「うん。……あ、そうだ」
「あら、忘れ物?」
「違うよ。ほら、ローマ式のお風呂ってどんなのか感想を聞いてなかったから」
「そういえば約束していたわね。まず『千人風呂』って謳っていたけど30人くらいが入れそうね……」

そんな霧切さんのローマ式千人風呂がどんなものだったのかを聞きながら部屋を後にした。


続く


次回、ナエギリ宿泊記の後編、お食事・就寝編
食べさせっこなんて描写を書こうものなら壁殴り代行が過労タヒするから却下します。

温泉パートを欲張って書いてみたら倍以上のボリュームになってしまった。
駄文スマソ。
俺、このSS書き終わったらアンソロ2巻買うんだ……
477名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 08:18:25.05 ID:Lc7QGH2f
GJ!
まさかの苗木君が裸を見られる展開かよw
478名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 12:45:19.55 ID:8lfbfeJ1
GJ
ナチュラルに相部屋を選択するとは一体どういうことなんだ霧切さん!
479名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 16:11:59.41 ID:EvdI24KW
GJ!
で、霧切さんの入浴シーンを読むには何と書き込めばいいんだ?
480名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 20:35:55.64 ID:8lfbfeJ1
アンソロ届いたー

>>468
あのネタで真に重要なのは、
監視カメラがあるうえに誰が入ってくるかもわからないランドリーで着替えを強いられる霧切さんだと思うんだ
481名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 21:51:20.32 ID:XekWnQAm
! そうか、その発想はなかったぜ…
482名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 23:33:22.56 ID:Lc7QGH2f
いいや、重要なのは…
部屋が開いてるからとナチュラルに苗木君の部屋の中に入ってきて、
ナチュラルに苗木君のベッドで眠る霧切さんだね
483名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/26(木) 23:46:33.11 ID:HeVGNGvw
扉が開いてるからって勝手に部屋に入って本人の了解も取らずにベッドで暖を取ってそのまま寝ちゃうって…
学園長、あなたの娘は少々非常識な子に育っちゃったようです
484名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 08:16:09.78 ID:vI34QLEu
なぁに霧切さんなら問題ない
むしろご褒美だろ?
485名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 09:47:21.24 ID:n/uSRW6y
>>476の幕間代わりと言っては失礼かもしれないが、暇だったので投下
とくに萌えも甘さもないけど、暇だったら読んでみてくれ 元ネタは意味怖


苗「双子の幼女が誘拐された事件、知ってる?」
霧「…知らないわ。それがどうかしたの?」
苗「ケータイでニュースサイト見てたんだけど…その双子が発見されたらしいよ」
霧「良かったじゃない」
苗「うーん、一概に『良かった』って言っていいのか…」
霧「…何か事情があるのね。その事件の概要を教えてもらえるかしら」

苗「双子の幼女には、血の繋がらない母親と、失職してから暴力を振るうようになった父親が…」
霧「…可哀そうには思うけれど、そういう背景はいらないわ。事件の説明だけをお願い」

苗「…了解。双子は一緒に下校しているところを、車に乗せられて誘拐された。目撃者もいる」
霧「犯人の容貌は?」
苗「仮面を被っていたから、詳しくはわからないんだって。助けられた双子も、素顔は見ていないって答えたらしいよ」
霧「…へえ」

苗「それで目隠しをされて、変な声で脅されたんだって」
霧「変な声?」
苗「ヘリウムガスとかボイスチェンジャーの類を使ったらしいよ」
霧「…犯人はなんて脅したの?」
苗「えっと…妹には『騒いだら姉を殺す』、姉には『騒いだら妹を殺す』って」
霧「そう…酷い親も居たものね。身代金目当ての狂言誘拐、といったところかしら?」


 僕は驚いた。
 どうして霧切さんは、僕がネタばらしをする前に、犯人が双子の親だって気付いたんだろう?
486名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 11:04:30.78 ID:Exs8lgKy
双子なら姉か妹かの判別はできんか
487名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 12:29:32.81 ID:/7TBpsNi
おお、こういう探偵らしい霧切さんはこのスレでは新しいな
こんな感じのももっと見てみたいものだ
488名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 18:21:35.21 ID:brvMfAEH
「分かって当然よ。昨晩その事件の犯人を捕まえたのはこの私だもの」
とはならないか
489名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 18:47:53.20 ID:wfwBjqq9
「分かって当然よ。犯人はこの私だもの」
490名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 19:30:57.46 ID:hOx3w/hk
485
やっとわかった
さすが霧切さんやでえええ
491名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 20:23:34.56 ID:QwJ7DtQB
さっきクリアしたばっかりの者だが、
こんな事言って痛烈に批判される覚悟だが、
霧切さんの笑顔が絶望に染まったら最高の美的価値があると自分は思うんだ

それだけじゃなく、どんなに気丈で逞しい霧切さんの感情がダムの如く崩壊したらベルリンの壁の崩壊以上に価値があるんじゃないかな

後は、大抵のクーデレキャラはドSを装ってるけど、思いを寄せてる相手にはMの片鱗を見せるんだ、そしてそのMっ気が全てをさらけ出してもう色々ぐっちゃりどろどろになってくれるんなら絶望の反対は希望とか望みとかそんなんどうでもよくなるよ

言いたい事はこれだけです
492名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 21:27:06.41 ID:SswLhIq/
霧切さんのおしおきって
なんか興奮するよな
493名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 21:38:14.25 ID:zECIXGPg
>>491
つまり>>492てことだな
494名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 21:53:20.85 ID:vI34QLEu
>>491
ようこそ
日本語が乱れ気味だが言いたいことはわかるぜ
なんというかこう、霧切さんはいじめたくなるよな
ポーカーフェイスを崩して内に秘めた弱さを露呈させたくなるよな
495名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 23:18:45.74 ID:/7TBpsNi
寄宿舎隠し部屋の「少しだけ一人にしてほしいの…」の後に
こっそり戻ってすすり泣く霧切さんを覗き見るイベントが欲しかったのう
496名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/27(金) 23:50:53.18 ID:dyPRDQB/
霧切さんはタフでクールだけど一旦崩れたら存外脆そうな印象があるんだ
感情を堪えきれなくなってとうとうマジ泣きしてしまう霧切さんとか見てみたい
でもそこに至る道筋が思いつかないこのジレンマ
497名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 00:23:47.99 ID:/ndCkoHH
苗木が実は黒幕だったなら流石に霧切さんも耐えられないんじゃないか?
それでいて、自分の徹底してなかった捜査に後悔してももう遅く、
仲間が皆おしおきなんてされたらもう精神が壊れそう
498名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 04:31:31.64 ID:aS0KRUS3
>>470-476
続き
アンソロ2巻買って滾ったら徹夜してたでござる。


「会食場」という部屋に入ると、そこは4人掛けのテーブルが複数ある和室だった。
その内のテーブルに二人前の料理が並べられている。 おそらくそこが僕らの席だろう。
席に座ってお皿の数を大雑把に数えてみると10以上ある。

「はい、苗木君」
いきなり目の前にご飯の盛られた茶碗が突き出される。
「あ、ありがとう」
ちょっとびっくりしながらも両手で受け取る。
「おかわりがしたかったら遠慮しないで言ってちょうだい」
「うん、わかったよ」
傍に御ひつがあったのだろう。
今度は自分の茶碗にご飯を盛っていた。

「お待たせしました。こちら主菜の天ぷら盛り合わせと季節の魚でございます」
「ありがとうございます」
部屋に案内してくれた仲居さんの着ていた着物と異なる女性、この人がきっと女将さんだろう。
その女将さんがおぼんに載せていた横長のお皿に天ぷらが、丸皿には煮魚の料理を僕と霧切さんに置いていく。
「それと……こちらはサービスです」
ニコリと笑いながらテーブルの上に置かれたのは二本の瓶ジュース、それと栓抜き。
「わざわざすいません」
「お鍋の方は熱いので気をつけてくださいね、それではごゆっくりどうぞ」
そういって女将さんは去っていく。

早速、サービスで貰った瓶ジュースを使わせてもらうとしよう。
栓抜きで一本目の瓶を開栓する。
「霧切さん、コップ出して」
「こう、かしら……?」
「そうそう」
差し出されたコップにオレンジジュースを7分目くらいまで注ぐ。
今度は自分の分も注ごうと思って栓抜きを取ろう……としたら霧切さんが先に早く持ち出した。
そのまま残る一本の瓶の蓋も栓抜きで開ける。
「ほら、苗木君もコップを出して」
「はい、どうぞ……」
両手でガラスのコップを持って、霧切さんの目の前に差し出す。
トクトクと僕のコップにも同じオレンジ色の液体が注がれていく。
499名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 04:32:04.10 ID:aS0KRUS3
「それでは助手の苗木君、乾杯の音頭を取って貰えないかしら?」
「えっ、僕が!?」
「そうよ。ほら、早くしないとせっかくの料理が冷めてしまうわ」
「う〜ん、そうだなぁ……」
いきなりの上司命令に少し戸惑う。けど、ここは無難に……
「今日も一日、お仕事お疲れ様でした。霧切さん」
「……えぇ、あなたもお疲れ様。苗木君」

「「乾杯」」

カキンッ、そんな小気味のいい音を交わしながらお互いの労を労った。
缶やパックジュースと変わらない市販のオレンジジュースなのに、この時に飲んだらいつも以上に美味しく感じた。


〜 ナエギリ宿泊記 2/2 〜


まずはお鍋の蓋を開けて少し冷ます。
その中味を見ると、しめじと大根とネギに焼き蟹が入っていた。
二つ目の小さな土鍋を開けて見ると牛肉と里芋・ネギ・しめじの汁物だった。 
他にもお刺身の盛り合わせ、ざる蕎麦に山菜の漬物数点と、海の幸や山の幸をふんだんに使っている。

そして季節の魚と言われた初めて見る魚料理を。
筒型に切られていて、醤油ダシで煮た煮魚なんだろうけど一体どんな魚なんだろう……?
「……それは鯉の甘露煮よ」
「えっ、鯉!?」
あの子供の日に吊るす鯉や、池の観賞魚になる鯉って食材にもなるの?
「別に錦鯉を食材にしているわけじゃないから、安心しなさい」
僕のびっくりした顔を見て、どんなことを考えているのかわかったのだろう。
苦笑しながら僕の先入観を払拭してくれる。

「これを見てどんな魚かわかるってことは……霧切さんは食べたことあるの?」
「えぇ、前に祖父が貰ったお歳暮の中にあったわ」
「それで、どんな味だったの?」
「……目の前にあるんだから、直に確認する方が早いんじゃないかしら?」
そう言いながら霧切さんは箸で一切れ身を摘まみ、口に運ぶ。
「そうね……この柔らかさなら圧力鍋で似たんでしょうね。骨も気にせず食べられるわ」
霧切さんのお墨付きがあるんだから、食べないわけにもいかない。
「では一口、ん……」

甘い。 最初に思った感想はそんな一言だった。
砂糖と醤油、みりんで煮込んだシンプルな味付け。
そこから魚の甘味が口の中で主張してくる。
二口目はご飯と一緒に。
ちょっと甘露煮の甘さが後に残るけど、ご飯との相性は悪くない。
「美味しい……」
「そうでしょ?」
「てっきり泥臭さがあるかと思ったけど全然わからないね」
「この手の鯉は養殖モノだから泥臭さも抑えているし、川の中の寄生虫の心配もないわ」
「そうなんだ」
「天然モノが必ずしも美味しくて安全とは限らないという典型例ね。
 過度に先入観を持つと推理に支障をきたすから、苗木君も気をつけて」
「はい……」
500名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 04:36:16.84 ID:aS0KRUS3
-----

並べられた料理のほとんどを平らげた時、空になった茶碗を差し出す。
「霧切さん、おかわり貰えるかな?」
「いいわよ、量はどのくらい?」
「普通で」
「わかったわ。……これで最後だから、ちょっと多めに盛ったけど大丈夫?」
「うん、問題ないよ」
そういって少しだけ多く盛られたご飯を受け取る。
そのまま具のなくなった鍋にコロリ、とご飯を投下して鍋の蓋を閉める。

「……何してるの、苗木君?」
僕の行動の意図が読めなかったのか、霧切さんが尋ねてくる。
「これ? 締めのおじやにするんだ。蟹のダシが効いているから、さぞかし美味しいんだろうなぁ……」
「シメ? おじや?」
聞き慣れない単語が出てきたのか、首を傾げる霧切さん。
「説明するとそうだなぁ……。味の染みたスープを使ってリゾットを作っているところかな?
 ……あ、霧切さんもおじや、食べたかった?」
「ち、違うわ。そういう意味でいったわけじゃ……!」
「そうなんだ、残念……」

そして待つこと数分。
蓋を開けて確認してみるとご飯にスープの色が浸透しているのが一目でわかった。
レンゲで軽くかき混ぜ一掬いして味見をする。
「う〜ん、蟹の風味が効いてる効いてる」
「……(ゴクッ)」
僕の幻聴だろうか、霧切さんの生唾を飲む音が鮮明に聞こえたんだけど。
食べてみたそうな目をしているし、ここは……
「せっかくだからさ。味見、してみる?」
「! ……苗木君がいいって言うなら」
やっぱり食べてみたかったんだね、霧切さん。
「ちょっと待ってて、口を付けてないレンゲを用意し「確かに……、シーフードリゾットとは違うけど美味しいわ」

なんですとぉおーーッ!!?
霧切さんは何の躊躇いもなく自分のレンゲを鍋の中に入れて味見しているじゃないか!
こ、これは間接キスって奴では……!!
「やっぱり、私が食べちゃいけなかったのかしら……?」
僕の動揺を好きな食べ物を盗られたと捉えたのか、申し訳なさそうな顔をする霧切さん。
「そ、それは違うよ! 美味しかったなら食べたい分だけ先にとっていいよ!」
「あら、そう……。お言葉に甘えさせて貰おうかしら……」
そう言って霧切さんが自分の茶碗にレンゲ3杯分のおじやを装う。
1杯分のご飯が半分くらいの量になった。
この後はまぁ、間接キスだって意識しないように食べるのに必死であんまり味の記憶が残らなかったんだ。

「ご馳走様でした」
「ご、ご馳走様……」
そんなこんなで完食。
会食場の入り口前で女将さんとすれ違い「お部屋のお布団、敷かせていただきました」と聞いて部屋に戻ってみると……


「さ、さすがにこれは……」
「……近いわね」

隙間なく二人分の布団が横に敷かれていると、やっぱり意識してしまう。
「ぼ、僕寝相悪かったりするかもしれないからさ、少しスペース作るね……」
「わ、わかったわ……」
お互い暗黙の了解だったかのように少し隙間を空ける。その距離約60センチ。
501名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 04:39:02.32 ID:aS0KRUS3
「明日の天気を確認するためにテレビを見てもいいかしら?」
「うん、どうぞ」
貴重品を預けていた金庫から財布を取り出し、テレビの横にあるメモ「2時間100円」と書かれたその投入口に硬貨を入れる。
映し出されたニュースチャンネルの天気予報では、明日の予想天気は晴れマークだった。
「これなら帰りの移動は遅れずにすみそうね」
「うん、よかった……」

ホッと一安心して携帯電話を取り出すとLEDランプがチカチカ光っている。
誰かから連絡が来ていたようだ。
確認してみると山田君からのメールだった。

-----------------------------------------
【From】 山田クン
【Sub】 苗木誠殿へ
-----------------------------------------
 明日の土曜日、お暇ですかな?
 もしよろしければ拙者と一緒に
 ぶ〜子のイベントに行こうでは
 ありませんか!
 11時からですぞ!!
-----------------------------------------

「ねぇ、霧切さん」
「なにかしら、苗木君?」
「明日は何時の電車に乗って、何時頃に帰れるの?」
「そうね……。8時くらいに出発してお昼過ぎには希望ヶ峰学園に着く予定よ。
 待ってて、詳しい時刻表を確認してみるから」

そう言うと霧切さんは自分の携帯電話から時刻表をネットで調べ始めた。
その見立てだと山田君と合流するのは難しそうだな……。

-----------------------------------------
【To】 山田クン
【Sub】Re:苗木誠殿へ
-----------------------------------------
 ごめん、無理そう。
 霧切さんのお仕事手伝ってたら
 家に帰れなくなっちゃった。 
 
 今、滞在先の旅館なんだけど、
 明日のお昼過ぎにならないと
 そっちに帰れないみたいなんだ。
-----------------------------------------
502名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 04:40:50.95 ID:aS0KRUS3
そんなメールを返信したら1分足らずでメールが帰ってきた。

-----------------------------------------
【From】 山田クン
【Sub】 なん…だと…?
-----------------------------------------
 年頃の男女が旅館で二人きりですと!?

 おお、勇者苗木よ!
 そなたは今夜、大人の階段を上るのか!

 リア充は爆発しろ、ですぞ!! 
-----------------------------------------


-----------------------------------------
【To】 山田クン
【Sub】Re:なん…だと…?
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 それは違うよ!
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「詳しい時刻がわかったわ、苗木君」
「ホント?」
「えぇ、8時6分発の電車に乗って乗り継ぎ駅に。
 そして9時14分発の新幹線に乗って、1時頃に東京に着くわ」
「そこから学園までとなると……1時30分ってところかな?」
「だいたいそうなるわね」
「朝ご飯は7時くらいにするつもりなの?」
「えぇ」
「だったら6時45分に目覚ましのアラームを鳴らすよ」
「わかったわ。それと朝風呂に入りたい場合は、その時間より早く起きる必要があるわ」
「うん、わかったよ」

携帯電話のアラームを今の内にセットしておく。
そして布団の上から大の字に寝転がってみる。
503名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 04:43:28.76 ID:aS0KRUS3
「ねぇ、苗木君……」
目を閉じていたら霧切さんに呼び止められる。
「なぁに、霧切さん……?」
そのまま寝たら風邪を引くわ、って注意されるのかな。
「その、今日は疲れた……?」
僕の予想に反して咎めるような声音ではなく、どこか優しげだった。
「うん、疲れた。……でも、それ以上に充実して楽しかった」
「……え?」
それが何だか心地良くて、たゆたう意識に身を任せて思ったことをそのまま口にした。

「探偵の仕事をして、観光気分を味わって、温泉に入って、美味しいご飯を食べて……
 全ては霧切さんと一緒にいたからこそ出来たことなんだ」
「それは私が助手として苗木君を連れまわした結果から成り立ったことよ」
「……そうだね。でも僕は、僕自身の意思で霧切さんの助手として隣にいたいんだ」
「苗木君……」
「だから辛かったり嬉しかったりすることはあっても、後悔したことは決してないよ……」
自然に頬が緩んで笑顔の形になる。

「……生意気ね」
「え?」
「苗木君のクセに、助手のクセに生意気よ。私を困らせるなんて」
僕を糾弾しているのに優しく、嬉しさを滲ませた声に聞こえた。
それが僕には何だかおかしかった。
「ハハッ、どうすれば機嫌を直してくれるのかな……?」
「そうね……。一日でも早く一人前の探偵になったら考えてあげるわ」
「それは思った以上にハードルが高いかも……」
「あら、誰の助手でいてその口が言えるのかしら? 出来ないとは言わせないわ」 
「そうだったね、善処するよ……」


その会話に紛れて、付けっぱなしにしたテレビの雑音が聞こえる。
バラエティ番組だったのか、スタジオの笑い声を僕の耳が拾う。
「テレビ、消すわね」
そのままでいいよ、霧切さん。
きっとテレビを消しちゃったら僕の意識は睡魔に委ねちゃう。
……もっと霧切さんと、こうしてお話してたいのになぁ。

そんな反論をする気力が既に僕にはなく、沈黙は肯定と受け取ったのだろう。
小さくスイッチを押す音が聞こえる。
テレビの『アッハッハッハッ……!!  アンッ、ソコォ、モットォ……!!\ギシギシアンアン/』が僕を夢の世界へ……

「なんですとぉおーーッ!!?」
「ッ!?」

OH MY GOD.
眠気なんて一瞬でふっとんでしまったね。
前に桑田君や葉隠君から借りたことのあるエッチなDVD。
それで似たような音声を聞いたことがあるけど、なんでここで――!?
504名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 04:46:56.44 ID:aS0KRUS3
音の発生源を見ると案の定テレビだった。
若い男の人と女の人が裸で抱き合って腰の辺りにモザイクが掛かっていて!
どう見てもエッチな映像です。本当に(ry ……じゃなくて!

霧切さんを見るとリモコンを持ったまま彫刻のように固まっている。
……きっと電源を切ろうとして押すボタンを間違えたんだろう。
その押したボタンが有料のアダルト放送だった。
これが事件の真相だよ! ……って、それも違う!
いけない、僕も動揺している。

……ハッ! テレビを消せば状況の打開を出来るのでは!?

→ テレビ本体の主電源から消す
  霧切さんの持っているリモコンを奪う

と、なるとリモコンは霧切さんが持っている。
しかし呼んでも反応がないから彼女の助けは期待できない。
だったら、テレビ本体の主電源を押せば……!
僕は迷うことなく手を伸ばした。大き目のスイッチ目掛けて。

『\ギシギシアンアン/ イッ、イクゥーーーーッ!!!』
「させるかあぁぁぁっっっ!」


ズキッ

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「……はい、これで完了よ」
「ありがとう。うぅ……」
「そんな顔しないの。私はフロントに救急箱を返してくるから」
そう言って霧切さんは部屋から出ていった。
忌々しげに左手の人差し指と中指に巻かれたテーピングを睨み付ける。

僕の突き指を対価にテレビの主電源は落ちた。
突然の激痛に悶絶する僕の姿を見て、霧切さんは冷静さを取り戻してくれた。
そして女将さんに頼んで氷を用意してもらい、洗面器の冷水で患部を冷やす応急処置を。
ある程度痛みが引いたところでテーピングの処置をして今に至る。

「やっぱり"超高校級の不運"なのかな、僕って……」
「それは違うわ」
「霧切さん……」
「突き指の件は苗木君の自業自得よ。超高校級の肩書きとは関連がないわ」
なかなか手厳しい意見だ。
「テレビを消したかったなら、動揺していた私からリモコンを強引に奪えば良かったじゃない……」
「う〜ん、あの時にはこうするしかなかったかなって思って」
仮に実行したら、霧切さんは暴漢に襲われたと思って僕は突き指以上に痛い目をみていたかも……
505名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 04:49:28.60 ID:aS0KRUS3
「夜中に痛みで目を覚ますかもしれないから鎮痛剤も貰ってきたけど、飲む?」
「うん。歯磨きしてくるついでに飲むよ」
「わかった。ちょっと待ってて……」
そう言ってフィルムから薬を取り出し、小さなポリ袋に入れ替えてくれる。
「ごめんね、霧切さん」
「……いいの。あまり気にしないで、苗木君」

今度は僕が部屋を後にして、薄暗い照明の廊下を歩いて共同の洗面所へ。 
共有のコップに水を注ぎ、貰った鎮痛剤を服用してから水で流し込む。
次は使い捨ての歯ブラシの封を歯と右手で破る。
シャコシャコとブラッシングし、水を含んで口内を濯ぐ。

歯磨きが終わったら、廊下にあるトイレで用を足してから部屋に戻る。
そして自分の寝る敷布団に体を半分潜らせる。

「僕の方は寝る準備が出来たよ、霧切さん」
「そう、わかったわ」
「霧切さんはまだ起きてるの?」
「後は私も歯を磨いてくるだけにして、明日に備えるわ」
「……だったら、もう少しだけ起きてる」
「駄目よ。少しでも休んで怪我の治療を進めて」
「でも……」

僕の反論を聞かず、霧切さんは僕の掛け布団を肩口まで掛けてくれる。
「明日の長旅に備えてちょうだい。痛くても車内では治療が出来ないから」
「うん、わかった……」
そして蛍光灯から常夜灯の照明に切り替えた。
薄暗いオレンジ色の室内になっても霧切さんの白い髪と肌のおかげで、彼女がどこにいるかはわかる。
「おやすみ、苗木君」
「うん、おやすみなさい。霧切さん」
霧切さんがいる方向を見ておやすみの挨拶をする。
そして襖を開けて、玄関の照明が入る空間が一時的に明るくなるが、すぐに閉じられて同じ暗さになった。

寄宿舎にあるベッドの感覚でも、実家で使っていた自室のベッドでもない、只の布団の上での就寝。
そして今まで嗅いだことのない生活臭。
肌に触れる浴衣と布団の感触。
目を閉じて視覚を塞いでも、他の感覚が違和感を唱えて意識に訴えかけてくる。

でも今日の一日で蓄積された疲労に天秤が傾いて、僕は眠れた。
おやすみなさい……
506名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 04:50:37.03 ID:aS0KRUS3
-----

夢。
夢を見ている。

内容は、僕と霧切さんが再びこの旅館の部屋に宿泊しているところだった。
仲居さんに案内してもらった部屋に、早速僕は旅行用の重たい鞄を置いた。
すると霧切さんと同じ色の髪をした5歳くらいの少女が「パパ、抱っこ〜!!」って言いながら跳びこんできた。

僕がその娘の相手をしている傍らで、霧切さんは苦笑しながら今日僕が教えた心付けを作っていた。
そしてお茶を注いでいる仲居さんにそっと手渡していて、仲良く二人で談笑している。


テレビのチャンネルを切り替えるかのように夢の場面が変わった。

今度は浴衣に着替えた3人が今日、僕が行ったことのない貸し切り風呂に入ったところだった。
娘さんは衣類をそのまま脱ぎ捨てて小さなお風呂に入る。
「まったくあの子は……」なんて困った顔をしながら霧切さんは、その娘が脱ぎ捨てた浴衣類を拾って綺麗に畳む。
そして僕が目の前にいるというのに、何の躊躇もなく丹前を脱ぎ浴衣の帯を緩めて、浴衣を開き綺麗な体を惜しげもなく見せて……!
507名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 04:52:24.97 ID:aS0KRUS3
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「ハッ? ……くしゅん!」

ビックリして目を開けると同時にくしゃみ。
目を開けて見ても視界は真っ暗なままで、室内は寒い。
天気予報では良くなるから寒くないはずだけど……なんて、思ったら僕の掛け布団が大きく捲れていたじゃないか。

しかし、あの夢はなんだったんだろう。
僕と、霧切さんに似た髪の娘と、霧切さん。
……何より霧切さんの容姿が今より大人びていたし、仲居さんと仲良くする愛嬌があった。
うん、夢っていうより僕の理想や妄想が具体化していたんだろう。

そう結論づけて自分が蹴飛ばしたであろう捲っていた掛け布団を探す。
右手の触覚を頼りに掛け布団がどこにあるか探す。……あ、これかな?
掛け布団の端を掴んで隙間を作り、自分の体を潜りこませる。
うーん、あったか〜い……。
これなら朝起きても風邪は引かないよね。
改めておやすみなさい……

508名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 04:53:11.17 ID:aS0KRUS3
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『オマエラ、おはようございます! 朝です、起床時間ですよ〜!
 オマエラ、おはようございます! 朝です、起床時間ですよ〜!』

僕の携帯電話に設定していたアラーム音が枕元で騒ぎ出す。
畳の上を転げ回るように、連動するバイブレーター機能で羽音を立てるように携帯電話が振動している。

僕は再び右手の感覚だけを頼りに、起床時間を告げる携帯電話を探す。
すぐに音の出処を掴み、ボタンを押してアラームを止める。
そして右手は再び暖かい掛け布団の中へ。

「苗木君、起きて。起床時間よ」
今度は霧切さんがモーニングコールをしてくれるみたいだ。なんかいいなぁ、こういうの。
「苗木君、出来ればあなたの方から離れてほしいんだけど」
え、僕の方から? 
その意味が気になって目を開けると、すぐ目の前には霧切さんの顔が。

「おはよう、苗木君」
「おはようございます、霧切さん……」

相手の吐息がかかりそうな距離で挨拶をする僕たち。
なんでこんな状況になっているのか、振り返ってみよう。

昨晩、僕は寒さから一度目を覚ました。
そして掛け布団を蹴飛ばしていて探す。
部屋がまだ暗かったから右手の感覚を頼りに掴んだ掛け布団に入ったのはいいけど、そこは霧切さんの布団の中だったんだ!
だから僕はこうして霧切さんと体がぴったりくっついた状態で起きている。
これが、事件の全容だよ!


COMPLETE!


「ぉおぉおおぉお!? おぉおぉおお!!!」
目の前にある真実に、僕の頭は叫ぶことしかできなかったようだ。

「ちょっと目の前で叫ばないでくれるかしら? 耳が痛いでしょ?」
対する霧切さんは平静を装っているけど頬が真っ赤になってて動揺しているのがよくわかった。


続く


次回、お家に帰るまでが修学旅行です、ナエギリ顛末記。
それとお詫び。
題材になっている旅館で出されているお魚料理は天然鮎の塩焼きです。
鯉の甘露煮は実在しますが、こことは違う地域で生産されています。
話のネタにしやすそうな食材だから勝手に捏造しました、すいません。


>>441
おかげさまでエロパロ行きにならずに済んだようです。
ありがとうございました。

どうしてだろう。
風呂に入って飯食って眠るだけの描写を書いただけなのに徹夜したの?
教えてエロい人。
509名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 11:13:52.87 ID:8bn4z5fP
GJ!
細かいネタまで拾ってくれてありがとう
頑張って完走してくれることを願ってるぜ
510名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 15:39:32.41 ID:vx2tf7fY
GJ
今日は好きなだけ惰眠を貪っていいのよ
511名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 18:20:24.17 ID:f/IaKbTG
さっき思いついた妄想

霧切さんの好感度

危険な行動をとった場合




−0から10−
「危険な行動に走らないで。いい迷惑よ」(目も見ず立ち去る)

−50辺り−
「…ありがとう、助かったわ…でも考えるより先に行動をするのはやめなさい。万が一貴方に何かあったらどうするの…」(好意を寄せる)

−100以上−
「貴方…自分が何をしたか分かってるの?自分の身を危険に晒してまで助けてなんて欲しくないわ。絶対にもう二度としないで。こんなことされたら、私の方がどうにかなりそうだから…」(家族以上)
512名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 18:44:28.95 ID:dEim4rz2
いいよねデレデレ霧切さん
513名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 20:08:31.48 ID:QdMzHhl+
>>508
GJ
しかしアレだな
寝起きでピッタリくっついてしまうと、いろいろ大変だな
主に男子の朝の生理現象的な意味で

>>511
個人的に、好感度100まで到達しても表情も声色もクールなままでデレ台詞を喋ってほしい
ただし頬はわずかに赤らめてる感じで
514名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 20:35:51.38 ID:XsZLense
デレ切さんの進化系ってなんだっけ?
進化条件も頼む

>>513
最初は何か分からずに
「苗木君、何かかたいものが当たっているんだけど・・・」
とか言ってしまう霧切さん
515名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 21:45:17.53 ID:8bn4z5fP
>>514
前スレより

490 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/18(金) 11:42:43.54 ID:m7v1VFTO [1/2]
ここまで出てきた霧切さんまとめ(4スレ目にあったまとめを引用)

>(たぶん)公式霧切さん色々

キリギリさん・・・霧切さんの基本形となるクーデレ探偵。頭にカップ麺を載せた姿が世界一様になるヒロイン。
スネギリさん・・・いわずと知れた霧切さん憤怒の形。デレギリさんへの前段階でもある。
デレギリさん・・・霧切さんが極稀にみせるデレ姿は見る者を爆発させるという。
ロリギリさん・・・天真爛漫な笑顔が眩しい、幼き日の霧切さん。何故VFBに絵がないのか。

>このスレで生まれた非公式ギリさんのいろいろ

酔いギリさん・・・普段から自己を厳しく律する霧切さんが枷から開放された時、それはもう凄い事になるのではないか。
エロギリさん・・・デレギリさんの一つの到達点である。
ヤクギリさん・・・人間というものは、欠点の一つくらいある方が魅力的なのだ。頽廃万歳!
ヤンギリさん・・・愛が重すぎる霧切さん。あまり開拓はされていない。
グデギリさん・・・霧切さんは案外私生活はだらしないのではなかろうか。そんな妄想から生まれたグデーっとした霧切さん。
ボテギリさん・・・母性に目覚めた霧切さんとか最強じゃね? 私はそう思うのです。
ママギリさん・・・ボテギリさんの進化系。大人の魅力を得た霧切さんとか最強じゃね? 私はそう思うのです。
チビギリさん・・・まさしく希望の種。未来は薔薇色だ。
ネコギリさん・・・ネコ耳尻尾はテンプレ。ときどき獣の本能が暴走する。

>NEW!!

姉ギリさん・・・・苗木君に「お姉ちゃん」と呼ばれて、満更でもない霧切さん。
妹ギリさん・・・・仕返しに「お兄ちゃん」と呼んでみる。リアル兄貴の苗木君に、効果はいまひとつ?
ザルギリさん・・・酔いギリさん派生。酒は呑んでも呑まれない。大人の魅力溢れるクールビューティな霧切さん。
メタギリさん・・・ゲーム本編やスレの流れを見守る霧切さん。公式の苗木君への扱いや、スレの下品な流れには物申したい。

493 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/18(金) 18:27:09.74 ID:m7v1VFTO [2/2]
>NEW!!
照れギリさん・・・花も恥じらう年相応の乙女な霧切さん。謝罪や感謝を、素直に言葉で表現できない。
Sギリさん・・・・純朴な少年をからかって遊ぶ小悪魔。本心は誰ぞ知るや。


進化系は…エロギリさん?
516名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 22:49:42.31 ID:QdMzHhl+
さすがにそれは階段を数段すっ飛ばしてないかw
517名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 23:30:34.92 ID:8MkKkJp7
508
GJ! さりげに死亡フラグbreakおめでとww
518名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/28(土) 23:51:11.58 ID:t2ieLzYb
で、お前らは恥じらいながらおずおずと手を繋いでくる霧切さんと
ごく自然体でさり気なく、かつ積極的に手を繋いでくる霧切さん
どっちがいいのよ?
519名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 00:59:34.27 ID:y1JxXXnu
男の子との手の繋ぎ方が分からないと本気で悩む霧切さんかな
520名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 03:08:41.20 ID:p09kCQh5
Mギリ…Mギリさんはいないんですかっ!
521名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 09:52:19.97 ID:4ZONlJiL
Mギリさん…いいじゃないか
気の強い霧切さんが潜在的にはMだったりすると非常に良い

>>518
手を繋ぎたいけど自分からは言い出せない霧切さんを頼む
522名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 12:24:11.45 ID:CNbjG0Qj
そういや本編中で霧切さんみたいなタイプは押しに弱いなんて話があったな
実際のとこはどうなんだろう
523名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 14:55:13.99 ID:4ZONlJiL
男前モードの苗木に強引に押しまくられてタジタジになる霧切さんが見たいです
524名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 15:16:31.81 ID:GFPpVT4H
普段は自分からぐいぐい行くタイプっぽいから、相手にぐいぐい来られると弱そうだよな
Sは責められ慣れてない、ってやつだな
525名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 16:51:07.67 ID:TXsbXf5y
霧切さんは好感度max状態で苗木くんが死んだりしても冷静なままなのかな
526名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 19:17:35.94 ID:K2wN7d/x
>>524
つまり夜の霧切さんは苗木君のなすがまま一方的に翻弄されるということで…
おや、誰か来たようだ
527名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 21:24:30.00 ID:4ZONlJiL
うむ…なんだか滾ってきたよ

>>525
人前ではあくまで平然としているように見えるけど
人目の無いところでぼろぼろと泣き崩れたり…とかそんな感じでないかな
528名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 23:16:27.57 ID:8QaWRyNn
霧切さんのファザコンっぷりをみるに、内心父性に飢えてるんじゃなかろうか
ああ見えて案外男らしくぐいぐい引っ張られることを望んでたりするんでは、と思ったり
529名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 08:34:00.78 ID:KAQCmZZa
霧切さんが苗木君にたびたび「男子なんだから〜」と言っていたのも、
父親的な男らしさを苗木君に求めていたからということか
530名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 18:36:21.44 ID:Eh7LO1Xp
お、復活してる。投下しよっと。

まずはお詫びと訂正。
>>499
誤:圧力鍋で似たんでしょうね
正:圧力鍋で煮たんでしょうね

投稿前に校正をしたにも関わらずこのZAMAよ!
……本当にすいませんでした。 


「どう……?」

テーピングの解かれた左手の指をゆっくりと開く、閉じるという動作を繰り返してみる。
握り拳を作るように力を込めてみたらピリッとした軽い痛みを覚える。

「何もしない状態は大丈夫だけど、力を入れてみるとまだ痛いかな」
「それじゃあ今朝もテーピングしておきましょう。苗木君はそこで待ってて、左手は洗面器に入れたままでいいから」
「はぁい。……つぅ!」
患部を冷やさないといけないということで、冷たい水の中に左手を入れると眠気が吹っ飛んだ。

「待たせたわね」
今度は湯気が漂う洗面器を両手で運んできた。肩には手ぬぐいのタオルが二枚。
「怪我がなければ朝風呂っていう贅沢なことが出来たんでしょうけど……」
そう言ってお湯というより温泉を汲んだ洗面器に手ぬぐいを入れて軽く絞る。
「じっとしてて……」
「いや、さすがに顔を拭くくらい一人で「ほら」……もがっ」
結局、僕は霧切さんのなすがままに顔を拭いてもらった。

最初は額から。
上から下へと流れるように目の周りをなぞられ、鼻・左右の頬が拭かれる。
そして頬から顎へ。最後に口の周りを撫でられるようにして表面の垢が拭われた。

「……ぷはっ」
「痛くはなかった?」
「うん、でもちょっと恥ずかしいな……」
「それでもスッキリしたでしょう?」
「う、うん……」
「よろしい」

どこか満足気な顔を浮かべながらお湯の洗面器に手拭いを入れて濯ぐ。
今度はもう一枚の手拭いを入れて軽く絞る。そして霧切さんは自身の顔を拭き始める。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 18:36:46.86 ID:Eh7LO1Xp
手持ち無沙汰な僕は何となく彼女の手を眺めていた。
――正確には、彼女の手袋を。

撥水加工がされているのだろう、お湯に浸かったタオルを触っても手袋に染みが一つもない。
おまけに表面の層は一つの綻びもなく、新品のように見える。
そして隙間なく指にフィットし、手袋が邪魔して動作に支障をきたすことはこれっぽっちもない。

……以前、霧切さん本人からその手袋はオーダーメイドだった話を聞いたことがある。
もっとも、消耗品だから自分の部屋に予備の在庫はたくさんあるけど……なんて話も。
でも、どうして手袋をしているのかっていう理由を聞いてみたら、やんわりと断られて話を逸らされた。
まだ今の僕と霧切さんの距離では踏み込んではいけない領域なんだろう。

「……? 私の顔に何かついているの?」
「そ、そんなはずあるわけないじゃん!」
「そう、ならいいけど……。アイシングもそれくらいにしときましょう」
「うん」
あまり気にした様子もなく、洗面器のお湯と水を洗面台に流す。
次に僕の顔を拭いた手ぬぐいで左手の水気を吸って、使用済みのランドリーボックスに入れる。
「それじゃあ、朝食を摂る前に救急箱を借りてテーピングしておきましょう」
「わかった」
ミシミシと小さな音を立てる廊下を二人で歩く。
少しだけ僕の前を先に歩く霧切さんの後ろ姿を見て何となく思った。

いつか、霧切さんは僕にその手袋を付けることに至った理由を話してくれるだろうか。
そして手袋の奥にある手を見せることがあるのだろうか。

でも、隣同士の肩を並べて歩ける距離まで近づいたら、霧切さんの方から自ずと話してくれる気がした――。


〜 ナエギリ顛末記 1/2 〜


昨夜と同じように、霧切さんからテーピングをしてもらって会食場に入る。
昨日僕らが座った同じ席に2人前の料理が既に並べられていた。
異なる点は、年配の宿泊客が数人違う場所で朝ご飯を食べていたことだった。

席に座ってみて並べられている朝ご飯の献立を見てみる。
バターロール2個、クルトン入りのコンソメスープ、ベーコンエッグに野菜サラダ、カットされたオレンジ。
飲み物にはストローを挿して飲む小さなパック牛乳。
532名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 18:37:58.26 ID:Eh7LO1Xp
あれ、何か違和感が……
そんな気がして僕らとは違う席で食べている宿泊客の献立をざっと眺めてみる。
ご飯にお味噌汁、玉子焼きなどといった典型的な和食だ。
なんで僕らだけ洋食なんだろう……?
「それは私の計らいよ。はい、これ」
封を破ったお絞りを渡しながら僕の疑問に霧切さんが答えてくれる。

「えっ、どういうことなの?」
「正確には昨夜救急箱を借りるついでに女将さんに相談しておいたの。
 明日の朝食をスプーンやフォークで食べれるメニューに変更できないかって」
「スプーンやフォークで……?」
「和食は両手を使わなきゃ食べ辛い料理でしょう? 
 ……ここまで言えばわかるわね、苗木君?」
「あ、左手を使えない僕でも食べやすいように……」
「その通りよ。さぁ、いただきましょう」
「いただきます」
先にお絞りを渡した理由も、パンとオレンジを手掴みにするということからで合点がいく。

バターロールを食べやすいように一つまみ。
口に運んでみると、どこかほんのりとした温かさを感じる。
「あったかい……」
「きっと近所のパン屋さんに頼んで、朝早くから用意してもらったんでしょうね」
同じようにパンを食べていた霧切さんが感想から推理をする。
「でも僕だけ洋食でも良かったんじゃない? 霧切さん、実は和食が苦手なの?」
「……そんなわけないでしょ。向こうのお客さんの料理が見えるかしら?」

霧切さんの向ける視線を一緒に追ってみると、黒いお鍋から湯気の立つ絹豆腐を掬っていた。
そしてツユの入った小鉢に浸してから口に運ぶ。
その人は「はふっはふっ」って熱さに耐えながら湯豆腐を堪能している。
……まだ起き抜けで寒さの抜け切れてない体にホッカホカの料理か。
「……(ゴクリ)」
「ほら見なさい。別々にしたら苗木君のもの欲しそうな顔を見ながらご飯を食べる私の身にもなって」
「すごく、気まずいです……」
「そうね。いっそのこと、私が苗木君に湯豆腐を食べさせるってのもありかしら?」
「えっ」
533名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 18:38:41.74 ID:Eh7LO1Xp
そのシチュエーションを思い浮かべてみる。

『ふぅーっ。ふぅーっ。……はい、苗木君「あーん」して』
霧切さんの吐息によって程よい温度に冷まされた一切れの絹豆腐。
箸で摘まれた豆腐を落とさないように左手は下に添えて。
『あーーん……』
親鳥から与えられる餌を受け取る雛鳥のように僕は大きく口を開けて豆腐を迎え入れる。
『ほふっ、ふぅ、はふっ』
『美味しいかしら、苗木君?』
言わなくてもわかる質問を霧切さんは敢えて聞いてくる。
飲み込んだ過程で口の中、咽、胸の辺りが温まる感触を覚えながら僕は言った。


「うん、とっても」
「えっ!?」
「あ! いや、とっても恥ずかしいから別のメニューで良かったよ。本当だからね!」
「苗木君……」
真っ赤な顔をして答える僕にジト目な視線を向けてくる霧切さん。
「すいませんでした……」
どんなことを考えているかを聞かれる前に先に謝っておく。
でも、そんなことをやったら別の意味で熱々だよね……。
パック牛乳を飲んで頭に溜まった熱を冷やす。

その後はちょっと会話もし辛くなって、お互い無言のまま朝食を食べ終わる。
「ご馳走様でした」
「ご馳走様……」

時計を見ると7時20分を過ぎた辺りだった。
電車の時間を考えるとチェックアウトするまであと30分くらいだろう。


「お願いがあるんだけど、先に私が着替えていいかしら?」
部屋に戻ると霧切さんが言う。
「いいよ。その間に僕は食後の歯磨きをしてくるよ」
「ありがとう。もし早く戻ってきたら、私が出るまで入り口の前で待っててくれる?」
「もちろんだよ」
女の子の身支度は時間が掛かるって言う。
霧切さんも例外ないだろうから、ゆっくり時間を掛けて歯磨きをしておくようにする。

そして5分以上掛けて歯を磨き部屋に戻ってみると、入り口の襖を閉めて霧切さんは出てきた。
「あら、いいタイミングね」
白いブラウスの上に黒のカーディガンを重ねた上着。
丈の短い黒のスカートを補うように白のニーソックスを履いている姿。
浴衣姿ではない、約半日ぶりのよく見る霧切さんの姿だ。
でも髪型だけは違い、後ろにヘアゴムで纏めただけのポニーテールだった。

「私も歯を磨いてくるけど、一人で着替えられる?」
「大丈夫だよ。袖を通すだけなら左手は痛くないよ」
「そう。でも無理はしちゃ駄目よ?」
「わかってるよ」

霧切さんと入れ替わるかたちで僕は入り口の襖を開ける。
534名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 18:39:08.21 ID:Eh7LO1Xp
すると目の前に僕の着ていた服が折りたたまれた状態で置かれていた。
部屋の違いの様子を確認するように周りを見る。

部屋を出る前に広げられていた二つの布団は綺麗にたためられていた。
敷き布団の上に掛け布団、その真ん中に枕が置いてある。
「着替えだけじゃなく、布団の片付けもしてくれたんだ……」

そう言いながらも着替えるために入り口の襖を閉めて、丹前と浴衣を脱ぐ。
下着の半袖シャツを最初に着る。
次は保温効果の高い発熱素材のインナーに袖を通す。

そして問題の靴下。
両手を使わないと履けないけど、僕の履いていたのはスニーカーソックスの足先が短いタイプ。
何とかテーピングされてない親指と薬指、小指に力を込めて左足の靴下を履く。
……よし、突き指した指もそんなに痛くない。
そのまま右足の靴下も履き終わり難関を突破した。

後はジーンズを履いてジッパーを上げ、ベルトを締める。
最後にパーカーの袖を通し、ジッパーを胸元まで上げる。
これで着替えは完了だ。

「霧切さんが戻ってきたら、片付けくれた御礼を言わなきゃな……」

そんな独り言をつぶやきながら、自分が先ほど脱いだ浴衣と丹前を折りたたむ。
そして布団の脇に置かれている同じようにたたまれた浴衣の上に重ねる。 
……あまり霧切さんが着ていた服って意識しないようにしながら。
「おや?」
枕元に挟み込むように一枚の紙切れがポツン、と置かれていた。
「霧切さんの落し物かな……?」
本人には悪いかもしれないけど、一つ折りにした紙を開いて中味を確認してみる。

開いた瞬間、コロリと白いモノが転がり落ちた。 拾い上げてみる。
「……これは、心付け?」
昨日、僕が作ったようなティッシュでお札を包んだ心付けがもう一個あった。

次に紙切れの中味を見るとメッセージが書かれていた。
手書きのメッセージで筆跡を見ると、霧切さん本人のモノだと断定できる見覚えのある筆跡だった。
そのメッセージには、こんなことが書かれていた。

『色々ご迷惑をおかけしました。
 これはほんの少しばかりのお礼です。
 
 そして、とても素晴らしいサービスをしていただき、
 本当にありがとうございました。
 是非、機会があればもう一度
 足を運びたくなる素敵な旅館です。 
 

 霧切 響子』

この直筆のメッセージを見ると、コレは心付けというより後払いのチップなのだろう。
僕はそっとチップを挟んだ手紙を元の場所に戻した。
535名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 18:40:04.66 ID:Eh7LO1Xp
これが御礼の手紙とチップだとわかった瞬間、僕にはこの部屋でどんなことがあったのか手に取るようにわかった。


僕が洗面所でゆっくり歯を磨いている間、最初に霧切さんはメモ帳の一枚を使って御礼の手紙を書いていた。
次に自分の財布にあるお金から心付けを作ったんだ。
今度は僕らの布団を片付けた状態にして、枕元に心付け(チップ)を挟んだ手紙を置いた。
そして霧切さんは浴衣から私服に着替えた。

でも、着替えたのはいいけど三つ編みを結う時間がなかった。
下手に待たせすぎると僕の着替える時間も遅れ、電車に乗り遅れる可能性もある。
せめて簡単な身だしなみだけでも……と、いうことでヘアゴムを使ったポニーテールの髪型にした。

最後に僕の着ていた服をクローゼットから畳の上に置く。
そして僕と部屋の入り口で出くわした。そう、同じタイミングで。
これが、この部屋で起きた一連の出来事なんだ……!


COMPLETE!


トントン、と軽く襖を叩く音が聞こえ振り返る。
「そろそろいいかしら」
「うん。もう、いいよ」
OKの返事をして霧切さんを招き入れる。
「後は出発するだけね。忘れ物はない?」
「貴重品は確認したし、荷物はこれだけだよ」
ネックウォーマーを頭から被り、首元を覆う。
最後に上着のコートを着て僕の準備は完了した。

「待って、外はまだ寒いわ。ボタンを閉めてあげる」
「それくらい僕でも「いいから」
そう言って僕の正面に立ち、コートの丸ボタンを一つずつ閉めてくれる。


昨日から今日にかけての霧切さんの行動を振り返ると、ギャップに戸惑ってしまう。
学園でも探偵業の場においても、常にクールに振る舞って難題を解決する霧切さん。
それとは対称的に美味しいご飯を食べて頬を緩める姿、恥ずかしさから顔を真っ赤にする姿。

そして、怪我をした僕を優しく介抱してくれる姿。
お節介をしながらも、どこか嬉しそうな顔をする霧切さん。
それが僕には何だかこのイメージと重なるんだ……。

  お母さんみたいだ
→ お姉さんみたいだ
  お嫁さんみたいだ
536名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 18:41:37.87 ID:Eh7LO1Xp
「お姉さん……」
「え?」
「何だか今の霧切さんがお姉さんみたいに見えるよ……」
「フフ、なかなか面白い喩えね」
「でも怪我をした僕の手当てをしてくれて、顔を拭いてくれたり、女将さんに頼んで朝食のメニューも変えてくれた。
 今だって部屋の布団を霧切さんが先に片付けてくれた」

何だかこれって、同じクラスメイトや探偵と助手っていう関係を超越していると思うんだ。
もっと親密で、それでいて確固たる絆があるような。

「それが何だか家族のイメージと重なったんだ」
「家族……」
「そ、それに……」
「それに?」

今から言うことを聞いた後の霧切さんのリアクションが怖くて、先に彼女から目を逸らしてしまう。

「今朝だって、僕が寝惚けて霧切さんの布団の中に入ってしまった時も口頭で注意するだけだった。
 あの時ばかりは引っ叩かれるか、嫌われるかを覚悟はしていたんだ」
「……わざとだったら張り倒した後に簀巻きにしていたわね」
それは怖いよ! ……じゃなくて。
「これでも結構戸惑っているんだ、兄と妹の関係はあっても姉と弟の関係は経験したことがない」
「私だって一人っ子だから、兄弟や姉妹がどんなものかって言われても正直わからないわ」
「そうだね。僕も戸惑うと同時に心地もよかった。
 この一連の出来事が旅の思い出になるんだって考えると、貴重な体験だと断言出来るよ」
「苗木君……」

今度は真正面から霧切さんを見つめる。

「だから改めて御礼を言わせてほしいんだ、霧切さん。
 ありがとう、今回の依頼に僕を助手として同行させてくれたことに」
「……よしてよ。本来なら今回の宿泊は予想外だったはずよ、トラブルがなければ昨日の夜には帰れた」
「確かに最初は"不運"なトラブルだと思ったよ。でも僕は少しだけ前向きなところが取り柄だ」
「それでも私は苗木君を必要以上に拘束させてしまったのよ?」

長時間の拘束も、観光と温泉旅行を満喫出来たと思えばあら不思議、"幸運"に早代わり。
それでも難色を示す霧切さんを見ていると少し困らせたくなった。
こう、お姉ちゃんの気を引こうとする弟のように。

「だったら霧切さんの気持ちも聞かせてよ。急に僕と温泉旅行することになったけど、楽しくなかったの?」
既に手紙の中味から霧切さんの本音が何なのかを知っている癖に、わざと知らないフリをして尋ねてみる。
「私の感想なんてどうでもいいことでしょう? ほら、長話をしていたら電車に乗り遅れるわ」
「やっぱり……。ホントは答えたくないくらい嫌だったんだ。霧切さんにとって僕は要らない存在なんだね」
「そ、そんなわけないでしょう。
 私と苗木君は探偵と助手よ。万が一あなたに何かあったらどうするの……」  

霧切さんの声がだんだん尻すぼみになり、悲しそうな顔を浮かべて俯いてしまった。

「ご、ごめん! つい調子に乗り過ぎちゃって……!
 で、でも楽しいって言ったのは……えっと、丸っきりウソって訳でもなくて……!」
「……ほら、簡単に騙されたわね」
「……え?」
「"要らない存在"なんて言葉……あなたが言うには無理のあり過ぎるセリフよ。
 私が気付かない訳ないでしょう?」
「……え? じゃあ……」
だ、騙したと思ったら……騙し返されてた……?
537名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 18:43:00.44 ID:Eh7LO1Xp
呆然としている僕を無視して霧切さんは腕時計を見ると、自分のコートを羽織りショルダーポーチを肩にかける。
「頃合よ。行きましょう苗木君」
「あ、うん……」
そう言って、僕らは部屋を後にした。

-----

「お姉さん、か……」
ミシミシと音を立てる床の音に紛れて、霧切さんがつぶやいた。

「あ、あれは思ったことを言ったまでで……」
「……別に不快になんて思ってないわ。
 むしろ苗木君をからかうボキャブラリーが増えて嬉しいの」
「からかうって……」
「お兄さんの苗木君が、実は甘えん坊の弟タイプだった……。
 舞園さんに言ったらどうなるのかしら?」
「それは誤解だよ! あとそういうのは勘弁してよ、霧切さん」

何を思ったのか霧切さんは階段の前で立ち止まり、後ろにいる僕の方へ振り向いた。

「そうね……。私と二人きりの時は言ってもいいのよ? "響子姉さん"って」
「えっ?」
「また、騙されたわね……。フフッ、フフフ……本当にバカ正直ね、苗木君は」
僕をからかったことで機嫌がよくなったのか、床板を軽快に踏みながら階段を下りていく。

また騙されて、また笑われた……。
だけど……珍しく声に出して笑っている。
霧切さんが本当に楽しそうに笑っている。
……これってやっぱり僕と一緒で、この旅行が楽しいってことだよね?

僕も霧切さんに釣られるように軽い足取りで階段を下りていった……。


続く
538名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 18:59:48.91 ID:Eh7LO1Xp
>>530-536
前半の出発編が終了。 次回、移動編で完結。
ラストスパートと言いながら、前回の起床から1時間の出来事なのに物凄い文量になってしまいました。
長編の伏線回収は恐ろしい。 嫌というほど実感したぜ……
もちろん移動中の車内の様子はダイジェストでお送りします。


>>511
このお話では
好感度30〜40以上の「助手以上、相棒未満」でお送りしています。

ハハギリさんを選択すると「年相応の可愛さに欠けてて悪かったわね」とスネギリモードに突入。
ヨメギリさんを選択してもお互い顔真っ赤になって学園まで無言帰宅する地雷です。
今の好感度を考慮してユーザーの皆様は二人の関係を順調に育んでください。
539名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 20:22:32.07 ID:bnvVxe/t
>>538
GJ!
で、
  お母さんみたいだ
  お姉さんみたいだ
→ お嫁さんみたいだ

のパターンを見るにはどうすればいいのかね
540名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 21:45:24.09 ID:VoxdRAMh
>>538
GJ!
霧切さんに甲斐甲斐しく世話を焼いてもらえるなんて羨ましすぎるぜ、苗木君…
541名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 22:43:47.17 ID:ZbsvMAOF
これで好感度30〜40だと…?
100になったら一体どうなってしまうんだ!?
542名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 23:25:57.41 ID:bnvVxe/t
霧切さんは多分好感度を30くらいにもっていくまでが一番苦労するタイプ
50くらいまでいけば後は意外にとんとん拍子に上がっていくとみた
543名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 23:45:02.93 ID:i77bX/I0
>>538
GJ!!
それで、響子お姉ちゃんに「あーん」してもらうには好感度いくつ必要なんだ?
544名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 07:38:03.15 ID:ndZ2bnrc
今日は愛妻の日
545名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 08:53:42.56 ID:X4XolX/8
苗木君が霧切さんのために愛妻弁当をこしらえるわけですね

……あれ?
546名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 13:42:26.89 ID:2BuU4ED5
>>543
条件1 以下のサブイベントを一年以内にクリアすること
「助手の労い1 肩もみ編」
「助手の労い2 耳掃除編」
「助手の労い3 指圧編」
「助手の労い4 足裏マッサージ編」

「助手の差し入れ1 おにぎり(昼食)編」
「助手の差し入れ2 おにぎり(夜食)編」
「助手の差し入れ3 お弁当編」
「助手の差し入れ4 夕食編」

条件2 通信簿イベント「超高校級のおもてなし」で総合成績「優」をとること
【概要】
初めて探偵助手になった日からそろそろ1年目を迎えようとする。
この日が二人の記念日みたいなもの。
せっかくだから霧切さんに素敵な一日をプレゼントしようと苗木が頑張るという内容。

【宿題1】 霧切響子の欲しいものを探れ
霧切さんの欲しいものを調査するため、市街を歩く霧切さんを尾行するミッション。
今こそ探偵助手として培った尾行術を駆使してバレないように調査だ。
しかし相手は"超高校級の探偵"、警戒度はとても高いぞ。 

【宿題2】 "超高校級の料理人"の味を盗め
希望ヶ峰学園「第三学生食堂」で食堂を取り仕切る"超高校級の料理人"のレシピを盗むミッション。
厨房スタッフとして変装し、観察眼を駆使して彼の料理を目で盗むことだ。
しかし、ここは断トツの人気を誇る食堂(せんじょう)――。
押し寄せる生徒と教師たちを効率よく捌くための柔軟性も問われる。


以上の条件をクリアした後に二人で仕事をすると、通信簿イベント「CUP GOKUBUTO」が発生する。
【概要】
深夜未明、ようやく僕と霧切さんは寄宿舎に帰宅した。
激務から早く眠ろうと思っても、お昼から何も食べてなかった僕は空腹のあまり中々寝付けない。
その時、僕のドアを小さくノックする音がした。 開けてみると霧切さんがいた。

僕も霧切さんも疲労から夜食を作ろうにも材料がない、コンビニに行く余力もなかった。
でも、部屋の棚の中にあった非常食「CUP GOKUBUTO」が一つだけあった――。
お湯を沸かして注ぎ、待つこと3分。
一膳しかない割り箸で僕と霧切さんは食べさせっこをしていたんだ。

スープを飲み干した後に霧切さんを見ると口元には小口のネギが残っている。
それを取ってあげようと口元に右手を添えると、何かの合図のように僕らは硬直した。
そして、僕はそのまま――。

プロットを浮かべるのは簡単。
書くのは大変。
ナエギリ顛末記を書いている最中の気分転換にネタを投下した。
むしゃくしゃしてやった、反省はしていない。
547名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 16:15:28.94 ID:S6Uzor/g
苗木君が霧切さんの肩を揉むのか
霧切さんが苗木君の肩を揉むのか
どっちだ
548名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 19:02:34.64 ID:X4XolX/8
霧切さんはハードワークで疲れを溜め込んでそうな気はするな
早急に揉みほぐしてあげねば
549名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 20:18:31.03 ID:AgPqUdKB
苗木くんが霧切三の肩をもむのか・・・
想像したらスゲエしっくりきた
てか苗木くんが霧切さんの家事とかをするのもなんかしっくりくるな
550名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 21:41:38.40 ID:ygKuChg0
たしかに家事は苗木くんだろうなー

でも霧切さんの手作り料理は食べたいです。
んでもって超高校級の笑顔で食べる苗木くんと
それを見て嬉しさを隠そうとする照れギリさんが見てみたいです、はい。
551名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 22:30:05.54 ID:qJXiNJvg
霧切さんにバリツ掛けられて失神したい
552名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 22:31:02.97 ID:5whkTpNO
>>548
苗木君が見た目の印象より柔らかな霧切さんの肩の感触にドキドキしたり
霧切さんの漏らす吐息がやけに色っぽく聞こえてまたドキドキしたりするわけですね
553名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 23:13:36.96 ID:5mxpiPtP
霧切さんに背中に跨って指圧してもらいたい
554名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 23:56:11.31 ID:X4XolX/8
俺としては慣れない家事を頑張る霧切さんというのもなかなか
で、要領がわからずムキーっとなりかけているところに苗木君が助け舟を出して、
「…苗木君のクセに生意気ね」みたいな
そんな黄金パターン
555名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 08:31:35.66 ID:ORgy1WTz
苗「お帰り響子さん。ご飯にする? それともお風呂が先?」
霧「いいえ…どちらでもないわ」
苗「え?」
霧「ご飯よりもお風呂よりも…まずは『あなた』よ。ここまで言えばわかるわね?」
苗「ちょ、ちょっと待って…アッー!」

みたいなのがどうしても浮かんでしまうんだ
556名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 12:40:42.23 ID:15HLc3Ad
…構わん、続けたまえ
557名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 17:31:52.44 ID:9/Pnth99
海外にいた頃は一人暮らしだろうし、一通りの家事くらいはできそうだけど…
もしかしたらどこぞにホームステイしていたのかもしれんが
558名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 19:34:52.88 ID:ltMqs0yY
559名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 19:52:35.42 ID:j8VtIlAK
>>558
偶然とはいえスゲーな
560名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 20:26:25.79 ID:C07zOPWO
>>558
すげえww
561名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 21:36:59.32 ID:ORgy1WTz
霧切さんの頭の中の6/35はHとな…!
えっち! 霧切さんのえっち!
562名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 22:46:08.14 ID:9T1MwQvj
なんというラブラブっぷりだw

そして下にあった「霧切響子の願い事」でちょっとほんわかしてしまった
563名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 23:34:16.60 ID:PE/p93ol
恋愛通信簿ってのも霧切さんっぽい
564名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 23:59:12.78 ID:15HLc3Ad
>>561
苗木君に「霧切さんのえっち!」と言われて狼狽する霧切さんがみたいです
565名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:38:54.43 ID:H/YA2LTJ
>>537
続き
ラストです。

玄関で靴を履き替えた僕の背中から、女将さんが声を掛けてくれた。

「お怪我の方、大丈夫ですか?」
「はい、ご心配なく。……それと色々ご迷惑かけてすいません」
「いえいえ、お気遣いなく」
ブーツを履き終えた霧切さんも立ち上がり、女将さんの方を向いて挨拶をする。
「色々わがまま言ったにも関わらず、それに応えていただき有難うございました」
「お客様がご満足していただければ私達従業員は嬉しい限りでございます。ご満足いただけました?」
「はい、とっても」
「えぇ、素敵なサービスでした」

「それではまたのご宿泊、心よりお待ち申し上げております」

笑顔で出発を見送ってくれた女将さんに手を振りながら僕らは旅館を後にした。


〜 ナエギリ顛末記 2/2 〜


パーカーのポケットの中に入れていた手袋を右手のみ嵌める。
左手は手袋を嵌められない以上、コートのポケットに入れておくことで防寒対策をする。
霧切さんはウェストポーチに入れていたニットキャップを被る。

僕らが歩く道路には雪がほとんど残っていない。
昨夜の内に除雪車を走らせて除雪したのか、大きなタイヤの後が残る雪を踏みながら駅まで歩く。

「結局、ローマ式のお風呂に入れなかったなぁ……」
唯一の心残りがあるとすればお風呂の制覇。
大浴場のローマ式千人風呂と、オランダ風呂に入れなかったことだ。

「また泊まりにいきたいね……」
「えぇ、その点は私も同意するわ」
566名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:39:56.17 ID:H/YA2LTJ
――ふと、昨夜見た夢の内容が頭の中を過ぎった。
あの光景が僕の願望とか未来予想図なのか、真偽のほどはわからない。
それでも僕は……

「もし、また行く機会があれば……霧切さんと行きたいな」
「えっ……?」
「今回は仕事の都合で来たことになったけど、最初から旅行目的のプライベートでさ」
「……そう、期待しないで待っているわ」
「今回は宿代を霧切さんに負担してもらったから、今度は僕が出すよ」
「あら、その時は個室に温泉がある高いお部屋を予約しましょうね」
「えーっ? それってひどくない、霧切さん?」


そんないつ実現するかわからない二度目の宿泊をする場合の話題に花を咲かせながら駅に着いた。
券売機で切符を買い、無人の改札口からホームへ。
そして時刻表通りの時間になると、ホームにワンマン電車はやって来た。

車内は土曜日の朝と言うことで人の数も疎らだった。
あと4つの駅で終点の乗換駅に到着するから、吊り革に?まって立ち乗りをする。

ふと、四人掛けの席に僕らと同じ高校生が座って雑談をしている光景が目に映る。
土曜日と言えど、部活があるから電車通学しているのだろう。
……ちょっと前までの僕も、あそこの輪の中にいる人たちのような普通の高校生だった。
それが今は普通の高校生でありながら、たまに探偵の助手をしていて。
本当、世の中って何が起こるかわからない。

僕の隣では出発前に駅の本屋で買った文庫版の推理小説を読んでいる霧切さんが、片手で吊り革に?まりながら電車のリズムに合わせて揺れていた。
霧切さんの読書を邪魔するのは良くないかなって思い、窓から見える雪景色を眺めて終点の乗換駅に着いた。

-----

駅員に切符を渡して駅の改札口を潜る。そのまま緑の窓口へ。
帰りの新幹線の切符を買う手続きは行きと同様、霧切さんにおまかせした。

待合室にあるテレビのニュース番組を見ていると戻ってきた。
「朗報よ、指定席で2人分を確保できたわ」
「それって隣同士?」
「えぇ。次はお昼ご飯を先に買っておきましょう」
そう言って昨日、帽子や手袋を買った駅内のコンビニに移動する。

ここでも僕の左手を考慮して片手で開けやすい、食べやすいものを選ぶ。
ミックスサンドイッチに海苔の巻かれた五目お握り、飲み物にはストローで挿す紙パックの烏龍茶。
何だか和・洋・中ミスマッチな気がしてならないけど、あまり意識しないようにする。
一方、霧切さんがカゴに入れたものは固形タイプのカロリー食品、ボトル缶のブラックコーヒーだけだった。
え、それだけで足りたりするの……?
567名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:40:46.79 ID:H/YA2LTJ
レジで精算後、思わず僕は霧切さんに尋ねてしまった。

「ところでさ、さっき買った量で大丈夫だったりするの?」
「? ……質問の意図が読めないわ、苗木君」
「その、朝食の時みたいに僕と似たようなモノを食べる必要はないと思うんだ。
 だから、車内販売とかで売られている駅弁とか気にしないで食べても「苗木君」……はい、なんでしょうか」
「別に私は食い意地が張っているわけでも、ダイエットをしているわけでもないわ。
 余計なお節介を焼く必要はないの……」
「すいません……」
「いいのよ。……それと今回の旅行の件について振り返りたいことがあるの。
 少し、時間いいかしら?」
「えっ、それって……?」
「あまりここでは話しにくい話題だから、場所を移すわ」

そう言って人のいる待合室を出て、駅の改札口へ。
新幹線の発車時刻までまだまだ時間があるから、人のいないホームで話の続きをするのだろう。
僕は黙って霧切さんの後を付いていくことにした。

-----

近くに駅員のいない1番線ホームにある4人掛けのベンチに僕らは座る。
お互い真ん中の席に座って、商品の入ったビニール袋を端の席に置く。

「さて、最初はそうね……。今回ここに来るに至った依頼の件から振り返りましょう」
「依頼って……。家出人の捜索だよね?」
「正確には特異家出人。犯罪に絡んで行方不明になっている人たちの捜索よ」

やっぱり他の人には聞き耳を立ててほしくない探偵業に関わる大事な話だったんだ。

「事件に巻き込まれて行方不明になるパターンと、事件を起こしたから行方をくらませるパターンがあるわ。
 ……そう、被害者か加害者の二つに一つ」
「そして今回は、加害者のケースだった……」
「加害者と言っても彼、家出人の起こした事件は既に時効が成立していたし、依頼人は家出人の親族だった」
「確か"お孫さんの結婚式には顔を見せてくれるようにお願いします"って言っていたね」
涙ながらに依頼人は霧切さんに訴えていた時のことを思い出す。

「さて、苗木君。ここで問題よ。
 特異家出人の捜索をするにあたって被害者と加害者、どちらのケースが難しいでしょう?」

→ 被害者
  加害者

「う〜ん……。被害者、かな?」
「その理由を教えてくれる?」
「理由って言うより、僕の勘って言ったほうがいいかな……」
「……はぁ。勘を頼りに答えるようではまだまだ助手の領域ね、苗木君」

呆れたような溜め息を霧切さんに吐かれてしまった。
568名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:41:19.43 ID:H/YA2LTJ
「正解は加害者のケース。理由は生きている限り行方をくらませ続けることが出来るからよ」
「えっ、それってまさか……」
「被害者のケースは最悪の場合、死体となって遺棄されるケースがあるわ。
 その場合は捜索箇所が一点に絞れるけれど、加害者は自らの意志で逃げているから一箇所だけとは限らない」
「だから加害者の捜索の方が困難だったりするんだ……」
「今の話を聞いて何か思い当たる節があったりしないかしら、苗木君?」

思い当たる節って言われても。
あ、もしかして……

「源義経、だよね?」
「えぇ、今度は正解よ。私たちがさっきまでいた瀬見温泉も、義経一行の潜伏先の一つに過ぎなかったわ」

確かに。
探すための事情は違うけれど、親族が家出人を捜してほしいという部分は僕らの依頼と似ている。

「実のところを言うと、今回の依頼は途中から私一人で捜索するつもりだったの」
「えっ、ホント!?」
「対象者の所在地がここにいるとわかっても、既に次の場所に移動している可能性だってあるわ。
 その場合、またそこから聞き込み調査を再開して次の潜伏先を捜索する……。そんなイタチごっこの可能性が」
「今回の依頼が長期戦になるかもしれない……。だから僕を途中から外そうとした?」
「その通りよ。下手をすると授業のある日まで捜索が長引いて、苗木君の学業に悪影響を及ぼすかもしれない。
 それなのに苗木君ったら"お孫さんの結婚式のためにも、一緒に探そうね"なんてあっけらかんと言うんですもの」

確かに出発時、駅の改札口で霧切さんに言った記憶がある。

「私も思わず"見つかるといいわね"って言ったけど、あれは皮肉だったの。
 助手の苗木君に探偵業の厳しい現実を教えるいい機会だと思って、結局ここまで連れてきちゃったわ」
「それで今回は運良く簡単に見つかって、温泉旅行みたいなことになった……」
「今回は比較的に容易な調査だったとしても、次がそうとは限らない。
 もしかしたら苗木君の身に危険が及ぶことだってあるかもしれない……。それでも探偵の助手として私の隣にいれる?」
「いれる」

考えるよりも先に口から言葉が出ていた。

「昨夜も夢現で言ったけど、もう一度言うね。
 僕は、僕自身の意志で霧切さんの助手として隣にいたいんだ」
「苗木君……」
「霧切さんの助手としてこれから先、色々辛いことがあったとしても、それは僕の意志で選んだことなんだ。
 後悔はしない」
「……覚悟の上で言っているのね?」
「もちろん。それに授業に出られない日があったとしても、二人で仕事のない日の放課後に補習をすればいい。
 そうすれば僕も学生と探偵の助手を両立できる」

さて、これで僕の持っている言弾(コトダマ)は撃ち尽くした。
はたして霧切さんを論破できるのか……?
569名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:41:53.03 ID:H/YA2LTJ
「……やっぱり生意気ね」
「えっ?」
「苗木君のクセに、助手のクセに生意気って言ったのよ。
 昨夜もそう思ったけど、今度は学業と探偵業を両立させるために一緒に勉強をしようですって?」
「やっぱり、嫌だったりする……?」
「苗木君、あなたが提案したから発言の撤回はさせないわ。やるからにはきちんと両立させてもらいます。
 一つでも試験で赤点なんて取ってみなさい、その時点で探偵の助手は解雇(クビ)よ」
「そ、それって厳しくない、霧切さん?」
「そうならないように私が勉強のフォローをするんじゃない。
 まさか私が家庭教師の真似事をするなんて……。改めてわかったわ、助手を持つって大変なことなのね」

一人で納得して頷いている霧切さんを見ていると、論破したってことになるのかな……?
むしろ僕に高いハードルが課せられているようにも見えなくはない。


そんなことを考えたら霧切さんが立ち上がる。
「苗木君はそこで待ってて」
一人でブーツの靴音を鳴らして自動販売機まで歩く。
そして一本のホットコーヒーを買って戻ってきた。

「はい、これ。カイロ代わりに持っておきなさい」
「ありがとう……。でも霧切さんの分はいいの?」
「私はいいの。これは助手の労を労う上司の計らいよ、素直に受け取りなさい」
「ありがとう。やっぱり優しいよ、霧切さんは」
そう言ってコートのポケットに突っ込んでいた両手を出して受け取る。
うーん、温泉とは違った温かさだけど、これもこれで温まるなぁ。

「そういえば霧切さん。僕からも確認したいんだけど、いいかな?」
「なにかしら、苗木君?」
「さっきコンビニで買ったお昼『間もなく、1番ホームに電車が参ります。黄色い線まで下がってお待ちください』……なんだけど」

構内のアナウンスが流れた。
そのアナウンスが終わったすぐ後に、徐行の速度で1番ホームに僕らの乗る新幹線が入ってきた。
「……話の続きは車内でしましょう」
ベンチに置いていたビニール袋を持って僕らは乗車する。

-----

指定席の車両、乗車券と同じ番号の座席を見ると右側にある座席だった。

「苗木君は窓側と通路側、どっちに座る?」
「行きは窓側だったから……今度は通路側で」
「そう、わかったわ」

霧切さんが先に窓側の席に移動して、上着のコートを脱いでから座る。
「しばらくは車内だから、苗木君も脱ぎましょうね」」
旅館の部屋でしてくれた時とは逆に、今度は僕のコートのボタンを外してくれる。
「他に人が見ていないとは言え、やっぱり恥ずかしいな……」
「あら、今なら人目も憚らず"響子姉さん"って言える絶好のチャンスじゃないかしら?」
「やめてよ、その話を引っ張るのさ……」

前の座席のマガジンポケットに先ほど奢ってもらった缶コーヒーを収納する。
次にお昼ごはん一式が入ったビニール袋を同様に、前の座席にあるフックに引っ掛けて吊るしてからコートを脱ぐ。
最後にコートを膝掛け代わりに敷いて座れば僕の準備は完了した。
570名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:42:52.84 ID:H/YA2LTJ
「それじゃあ改めて質問するね、霧切さん」
「えぇ、いいわ」
「……霧切さんは探偵業の仕事をしている時って、きちんとご飯を食べてたりする?」
「……どうしてそう思ったのかを聞かせてくれるかしら?」
「さっきコンビニで買ったものが、言葉は悪いかもしれないけど"食事"っていうより"補給"って感じがしたからさ」
「補給、ね……。あながち間違ってない表現ね」

僕の言った表現に霧切さんは怒るどころか、妙に納得しているようだ。

「尾行・張り込みといった調査をする時は基本、二人組みで行動するわ。
 でも、私の場合は単独行動が基本ね。……最近は助手を連れて行動するようになったけど」
「やっぱり一人で張り込んだら食事休憩なんて出来ないよね……」
「当然ね。そして調査を終えて撤収した後は調査報告をまとめなければいけない。
 ……手っ取り早く食事を済ませられるものを選ぶのはいつの間にか習慣になっていたわ」
「霧切さん……」

旅館で出された料理を一緒に食べていた時を思い出す。
地元の特産品が何かを覚えていて、料理に疎いわけではない――。
それに、おじやを食べた時の顔が美味しさから頬が緩んでいた――。
そのことから、必ずしも食事という行為を疎んでいるとは限らない。

「……でもさ、それって少しもったいないよ」
「……え?」
「だって、霧切さんが美味しそうにご飯食べてた顔って、すっごくかわいいんだよ?」
「きゅ、急に何を言い出すのよ……。か、かわいいなんて……いきなり……そんな風に言われても……」
「だから僕、思ったよ。上司の健康管理をするのも助手の務めなんじゃないかって。
 調査報告書を作ることが出来なくても、ご飯の差し入れをすることなら今の僕でも出来る」
「そ、そこまでする必要はないわよ。第一、苗木君は私の助手であって従者にした覚えはないわ」
「従者でもなんでもいいよ。粗末な食事から激務で霧切さんが倒れたりするよりは何倍もマシだよ」
「私がそんなに軟弱なわけ、ないじゃない……」
「僕抜きで探偵の仕事が終わりそうな頃になったら電話してくれるかな?  お握りくらいなら用意できるよ」 

と、なると食堂の余ったご飯を貰って冷凍保存しておけばいいかも。

「ちょっと、勝手に一人で話を進めないでくれる? 苗木君に用意してもらうくらいなら自分でカップラーメンの一つや二つ……」
「……やっぱり僕じゃ役者不足なんだね」
「そ、そんなわけないでしょう……!」

それでも最後には溜め息を吐きながら"……もう、好きにしなさい"って承諾をしてくれた。

-----

「あ」

間もなく発車する頃になって、突如頭の中であるキーワードが過ぎった。
「? どうしたの……?」
「今になって思い出したんだ……。おみやげ」

すっかり霧切さんとの話に夢中になって、売店に寄ることすら僕は忘れていた。
今から買いに行けるわけもなく、入り口の扉の閉まる音が聞こえた後に、窓の外の景色がゆっくりと加速していく。
571名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:44:09.72 ID:H/YA2LTJ
仕方ない、今回は諦めよう。いつか次に来た時に買うことにしよう。
日本語と英語の車内アナウンスを聞きながら結論づける。
すると、霧切さんが声を掛けてきた。

「苗木君、到着までまだまだ時間はあるわ。休んでてもいいのよ?」
ウェストポーチから読みかけの推理小説を取り出し、栞の挟んだページを開く。
「えっ、霧切さんはいいの?」
「別に構わないわ。お昼くらいに起こしてあげてもいいのよ?」
「それじゃあ、お言葉に甘えようかな……」
後ろの席の人に迷惑が掛からない程度にリクライニングを傾ける。

「おやすみ、苗木君」
「おやすみなさい、霧切さん」

霧切さんの方を見て挨拶をする。
昨夜交わした挨拶を再現するように。
そうして僕は再び目を閉じた……。


-----


「ん……」

ふと目を開けると、目の前にはピンク色のシート。
トンネル内を走っている時の轟音で意識が冴える。
胸元には黒いコート。僕の記憶では膝掛け代わりにしていたのになんで胸元に。
こ、これって、まさか霧切さんの……。

「あら、もう少し眠っていてもよかったのよ?」
「でも、トンネルの音がうるさいから難しいかな……」
起き抜けの欠伸を噛み殺しながら霧切さんの問いに答える。
「そう、だったら少し早いけどお昼にしましょう」

そう言って毛布代わりのコートを自分の膝元に戻していた。
やっぱり、そういうところがお姉さんなんだよね……。
でも思ったことは口に出さない。
言ったら、からかわれるのが明らかだし。

背面収納テーブルを開き、そこにお昼ご飯一式の入ったビニール袋を置く。
まずは紙パックのウーロン茶を取り出し、ストローの包装を破る。
ストローの飲み口部分を左手の3本指で固定し、右手で伸ばす。
伸ばしたストローをお茶の挿し込み口に装填する。
572名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:45:40.98 ID:H/YA2LTJ
「はい、これ」
お次は五目お握りを取り出し、霧切さんのテーブルの上に乗せる。

「……? 苗木君は食べないの?」
「むしろ霧切さんが食べた方がいいかなって思って。 ほら、学園に戻っても依頼主さんに報告があるでしょ?」
「……依頼人への報告は昨夜の内に粗方メールで済ませてあるわ」
「あ、そうだっけ」
「それに手短に報告するつもりよ。すぐにでも直接会いに行って確認したそうだったし」
「長々と報告するのは野暮みたいだね……」
「そう、だから私のことは心配ないわ。苗木君が食べて」

そう言って僕のテーブルに戻ってくる五目お握り。
やっぱり余計なお節介だったか……。

「……サンドイッチ(ボソリ)」
「えっ?」
「お、お握りよりもサンドイッチの方がコーヒーにも合うわ。
 だから私のカロリーブロック一切れと苗木君のサンドイッチ一切れでトレードしない?」
「……うん、喜んで」
「そう、交渉成立ね」

霧切さんの提案に乗り、ミックスサンドの封を開ける。
そして僕は玉子サンドをトレードに出した。
代わりに僕の手元にはチーズ味のカロリーブロックが加わった。

「「いただきます」」

僕らにしか聞こえない程度の声量で食事の挨拶をする。
まずはトレードで貰ったチーズ味のブロックを一口。
すぐに口の中がパサパサになるけど、ウーロン茶を流し込み解消する。
二口目も同様の食べ方をして胃に流し込む。
お次はミックスサンドの一つ、ツナサンドを食べる。

「学園に戻った後の話しなんだけど……今、大丈夫?」
「うん、続けていいよ」
トマトサンドに手を伸ばそうとした時、コーヒーのキャップを閉めていた霧切さんと目が合う。
「苗木君は怪我のこともあるから、私一人で依頼人に報告しておくわ」
「そうだね、僕は突き指を学校医の先生に見せてもらうよ」
「だったら……。私の方も早く報告を終わらせるつもりだし、せっかくだから二人で診察しに行きましょう?」
「うん、いいよ? だったら僕は自分の部屋で待っているよ」
「そうしましょう」

学園に戻った後の話にも触れてから、トマトサンドと五目お握りを平らげて昼食は終了した。
573名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:46:15.59 ID:H/YA2LTJ
-----

そんなこんなで帰ってきた希望ヶ峰学園。
まずは学生課に寄って、外出届を提出した際に預けていた生徒手帳と寄宿舎の部屋の鍵を受け取る。

「それじゃあ私はこのまま依頼人の元へ向かうわ」
「うん、それまで僕は部屋で待ってるから」

そう言って霧切さんと一旦別れた。

-----

自分の部屋の鍵を開けて室内に入る。
「ただいまー」
誰もいないとわかりつつも、つい声を出してしまう。


「おかえり」
「えっ!?」


思わずびっくりした。
誰もいないと思った自分の部屋のベッドに、人が座っていたんだから。
黒の喪服みたいなスーツを着ていたその人は――。

「ご苦労様、苗木君」
「が、学園長ッ!?」
そして声の主が希望ヶ峰学園の学園長、霧切仁その人だったからだ。
そう、霧切さんのお父さんが僕の部屋にいた。

思わず自分の手に持っている鍵を見る。
……まさか、僕は部屋の鍵を閉めないまま外出していたことに?
「あぁ、マスターキーを使って勝手に入らせてもらったよ」
あっけらかんと恐ろしいことを言う学園長。
思わず警戒してしまう。

「そもそも学園長は忙しくありませんか?
 僕みたいな生徒に時間を費やすほど暇じゃないと聞いたことがあります」
「あぁ、仕事なら全部評議委員に丸投げ……じゃなくて、引き継いでくれたよ」
仕事を全部押し付けて僕に会いに来る理由……いったい何だろう?

「教えてくれ……。娘の響子とはどこまでいったんだ?」
「いっ、いったぁ!!?」
「君達が温泉旅館の二人部屋で宿泊したことは調査済みだよ。
 私にだって探偵一家の血が流れ――「学園長!?」む、なんだい?」
「た、確かに僕らは一緒の部屋で寝泊りをしましたが、け、決してやましいことなんて一つもしていませんよ!」
「……確かに今のは軽率な発言だったな」

コホン、と軽く咳払いして動揺している学園長。
僕も一緒に落ち着こうとする。

「改めて教えてくれ……。娘の響子と一緒に大人の仲間入りをしたのか?」
「なんでそうなるんですかぁ!!?」

無理な話だった。
574名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:46:59.85 ID:H/YA2LTJ
動揺している僕の気持ちなんて露知らず、学園長は僕の両肩に手を置いて語る。

「苗木君、聞いてくれ。彼女から見れば、自分は家と娘を捨てた男でしかない。
 それは間違っていない。言い訳するつもりはないし、できる訳もない」
「学園長……」
「ただ、それでもいつか……」

目の前にいる男性が希望ヶ峰学園の学園長としてではなく、一人の父親・霧切仁として僕に会いに来たんだと今頃になって気づいた。
この人は誰よりも霧切さんが立派に成長していく姿を知りたいんだ。
同じ学園、学園長と生徒。
――誰よりも近い距離にいるのに、決して自分から知ることのできない距離。
僕を通して知りたいんだ、このお父さんは。

「それでもいつか……初孫を抱きたいんだ」
「そうそう、いつか学園長にも初孫を抱かせてもらおうって……はつまごぉぉ!!?」
「実を言うとな、娘が生まれる前に妻と二人でそこの旅館に宿泊したことがあるんだ」
「えっ!?」
「その証拠に旅館内にある風呂の数を言えば信じてくれるか?
 あ、それとも4つある貸し切り風呂の特徴をそれぞれ言った方がいいかな?」
もしかして学園長、あの旅館の温泉を制覇しているのでは……?
「若い男女が混浴の温泉で二人きり……。さすがの私も紳士を貫けるわけもなかったよ」

"混浴"――。その単語から浮かぶ、岩風呂での出来事がフラッシュバックする。

「ん、どうした苗木君。顔が赤いぞ……って、やっぱりそうなんだな!
 君達は大人の仲間入りを果たしたんだな! ……さすがは霧切一族の逸材だ!」

僕の赤面している姿を勘違いして、嬉しそうに僕の背中をバシバシ叩く学園長。
少しどころか結構痛い。


その後も学園長は今回の旅行の詳細を知ろうと、僕を尋問し続けた。
そして、学校医に突き指を診察してもらうために僕の部屋に来た霧切さんと学園長が鉢合わせて――。

その場に居合わせた僕は"超高校級の修羅場"を体験したのだった。
その顛末を語る体力が今の僕には残っていない。





『おめでとうございます!

 霧切響子との親密度がレベルアップしました!
 「助手以上相棒未満」 → 「相棒(パートナー)」

 自由行動(放課後)において「霧切さんと勉強する」が追加されました!』
575名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:51:01.92 ID:H/YA2LTJ
>>574
後書き

これにてナエギリ温泉譚は終了。
長々とお付き合いありがとうございました。
投下中でもGJしてくださった皆さん、本当にありがとうございました。

回を重ねるごとに話のネタが膨らんで長編SSになっててびっくり。
そして改行エラーに何度泣かされたことか……
悲しいことは話を練る上で展開を知っているから2828できないことでした。
ほのぼの、いちゃいちゃ、たまーにシリアス。
皆さんはどのナエギリがお好みでしたか? 全部ですか、そうですか。

まとめ
>>445-448 ナエギリ観光記
>>470-476 ナエギリ宿泊記1/2 温泉編
>>498-508 ナエギリ宿泊記2/2 お食事・就寝編 
>>530-538 ナエギリ顛末記1/2 出発編
>>565-574 ナエギリ顛末記2/2 帰宅編


>>543
勢いにまかせて書いたらマッサージ・差し入れ話で盛り上がったから、今後はそれを順次投下していくのもありかもしれない。

あるいは序盤に触れた見合い話を改めて掘り下げるのもありか。
その場合はモブキャラの祖父に台詞があり、親馬鹿っぽい学園長が登場することになります。
祖父が仕組み、父が荒らし、娘が振り回される霧切三世代物語に苗木君が挑むという誰得なプロットはある。
「〜 ナエギリお見合い騒動 〜」は需要あります?
576名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 02:03:17.44 ID:H/YA2LTJ
>>566
うおっ、旧字が化けてる。

訂正
誤:片手で吊り革に?まりながら
正:片手で吊り革に掴まりながら

スマソ
577名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 08:21:18.69 ID:vnAgdVE2
GJ!
完走おめでとう!

ネタがあるならどんどん書いちゃっていいのよ?
578名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 12:16:58.43 ID:uzLWvm+0
GJ!
ニヤニヤさせてもらったよ
学園長公認となれば、これはもう大人の階段を上るしかないな
579名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 16:54:28.89 ID:hXbZxMlK
GJ!!
今日は20年に一度の寒波らしい、全裸でどこまで待てるか…
580名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 19:38:07.31 ID:0K6d0s08
GJ!
次も楽しみにしているぜ
581名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 20:35:52.85 ID:liM5f2f1
GJ&長編お疲れ様! SSは面白く読ませてもらったわ

ただ、自分の書いたSSに「どれがお好みでしたか? 全部ですか」とか聞いちゃったり
聞いてもいない作成秘話じみた裏話とか
「○○書いてるけど需要ある?」みたいな誘い受けとかは、止めた方がいいと思うよ

上から目線で不快に感じたらスマン 次も書くなら期待させてもらいます
582名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 21:27:36.70 ID:zNEqcB2I
おつおつ
ネタがあったらどんどん投下してくれい

>>581
これは自分が上から目線なのに直さないという誘い受けをすることでレスをもらうという高度なレス乞食
583名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 22:31:21.03 ID:vnAgdVE2
まあなんだ
我々はみな霧切さんを愛でる同志ということで、仲良くしようぜ
584名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 23:49:07.42 ID:PXWF0C89
しかし今日は冷えるな
こんな夜は霧切さんの淹れた悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘いコーヒーが飲みたい
585名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 01:47:44.82 ID:E8hm/mk9
>>584

二つのマグカップに出来立てのコーヒーを淹れる。
猫のイラストが描かれた白いカップは響子さんのもの。
犬のイラストが描かれているのは僕の方。

「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「どういたしまして」

僕のカップにはスティックシュガーとコーヒーフレッシュをそれぞれ注ぐ。
ティースプーンでゆっくりかき混ぜ、響子さんが手にしているコーヒーとは違う色彩になる。

「それにしても今夜は冷え込むよね。お風呂も少し熱めにしたんだけどな……」
「その効果が持続しなかったから、こうして別の方法で暖を取るんじゃないかしら?」
「……ごもっともです」

自分の吐く息で少しだけ温度を冷ます。
香りを少し堪能してから一口。
熱が唇から舌へ、そして喉へと流れていく感覚だ。

「……子供の頃の話だけど、コーヒーの匂いだけは好きだったんだ」
「匂い、だけ?」
「そう。パック飲料のコーヒーは甘くて飲めたんだけど、父さんが飲んでいたインスタントは苦過ぎて飲めなかった」
「コーヒーとコーヒー入り乳飲料では違いがあるのも当然ね」
「それでも飲んでみたい気持ちがあったから砂糖を入れたり、牛乳を入れたりして苦さを克服しようとしたんだ」
「……だったら今、この場で努力の成果を試してみる?」

そうして、自分の持っていたカップを僕の目の前に差し出す。
僕のカップにある液体より黒く、そして香ばしいブラックコーヒー。
「では、早速……」
白いカップに口を付けると、響子さんが持っているカップを飲みやすいよう傾けてくれる。


熱い。
最初に出てきた感想は「苦い」ではなく「熱い」だった。
それはそうだ。録に冷まさず飲んだからだ。
そして口の中で転がすように味わっても、舌の味覚は苦さしか訴えてこない。
飲み込んだところで、まだ舌にコーヒーが残っているような感覚だ。

「……ブラックの良さがわかるのは当分先のようね」
僕が感想を言う前に、響子さんは溜め息雑じりに判定していた。
「……ごもっともです」
586名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 02:20:57.05 ID:u/VLsYcB
>>585
「霧切さんは甘いコーヒーは嫌いなの?」
「コーヒーに関して言えば、甘いものは好きではないわ」
chu!
「……どう、かな。甘いの」
「……甘過ぎるわよ、もう」
587名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 08:22:45.55 ID:CoCxaoZT
ふう…今日も寒いがお陰で温もったぜ
588名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 12:42:47.04 ID:pBkKDA61
・苗木君に自慢のコーヒーを振る舞う霧切さん
・自分好みの味のコーヒーを淹れられるよう苗木君を調きょ…もとい教育する霧切さん

さあ、どっちだ
589名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 14:49:19.83 ID:WJi7WBHj
家事の大部分を苗木君に任せっきりにしていることをすまなく思って
せめてこれくらいは、とコーヒーを淹れてくれる霧切さんで
590名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 19:53:30.79 ID:CoCxaoZT
そういや今日は節分だが
虎柄ビキニに角付きカチューシャの霧切さんはどこだね?
591名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 22:13:37.48 ID:pBkKDA61
そんな苗木君を電撃でおしおきしそうな霧切さん…アリだな
592名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 23:31:12.69 ID:uo0QvUzp
苗木君手製の黒くて太い恵方巻きを口いっぱいに頬張る霧切さんは…
おや、こんな夜更けに来客か。一体誰だろう?
593名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 11:50:40.56 ID:kMJie73d
霧切さんかわいいよ霧切さん
594名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 15:32:00.63 ID:V03nLxsz
過去スレより
88 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/27(日) 01:30:19.00 ID:iTPp6x10 [1/2]
霧切響子のクーデレカルタ

【あ】あなたみたいな人と一緒なら、私はむしろ楽しみよ…そこで…私達に何が出来るのか…
【い】戦場むくろに気を付けて…
【う】疑う余地はない…間違いないでしょうね。
【え】エラリイ・クイーンは知らないの?
【お】驚きね。あれだけ仲間とか信頼とか言ってた割に、当の本人は、仲間の事なんて信じていないんだもの…

【か】学園長は…私が必ず捜してみせる…必ずよ…
【き】きゅ、急に…何を言ってるのよ…か、かわいいなんて…いきなり…そんな風に言われても…
【く】ぐっすり寝てたみたいだから、蹴っ飛ばして起こしたの…
【け】結論を出すのは、まだ早いわ。
【こ】この事件の謎は、あなたが突き止めるべき…でないと、きっと納得できないまま、終わってしまう事になるから…

【さ】先に進むためには、危険は避けては通れない…
【し】じゃあ、私も少し信じてみようかしら…あなたの…事を…
【す】少し…ほんの少しの間でいいから…1人にして欲しいの…
【せ】全身をじっくりと調べるのよ。そうすれば謎が解けるわ…
【そ】そんな気遣い…苗木君のクセに生意気ね。

【た】ただ…私は人を頼るのに慣れてないから…あまり上手く頼めなかったかもしれない…そのせいで、納得のいかない思いをさせたかもね…
【ち】“超高校級の絶望”を打ち破ろうとするあなたは…最後まで諦めずに“絶望”に立ち向かおうとするあなたは…
   “超高校級の希望”…そう呼べるんじゃないかしら?
【つ】つまり、成功しても失敗しても得るものがある計画…尚更、やらない理由はないわよね?
【て】でも、あなたはそのままで、いいのかもしれないわね…その方が…苗木君らしいわね…
【と】とにかく、手伝って欲しいの。構わないわよね?

【な】苗木君、ここまで言えばわかるわね?
【に】人間観察がおろそかなのね? 人間が嫌いとか?
【ぬ】
【ね】ね、言ったでしょう? 人の感情というものを軽んじていると、いつか足元をすくわれるって…
【の】乗り越えるのより…ずっと大変な道を選ぶのね。でも、期待してるわ……

【は】バカ正直なあなただもの…ウソをついていたら、すぐにわかるはず…
【ひ】1つの視点に囚われるより、様々な視点から見た方が、真実に近付ける場合もあるはずよ。
【ふ】古い手法だけど、意外と古典も役に立つものね…
【へ】別に…なんとでも言えばいいわ…
【ほ】本当に…ごめんなさい…

【ま】まだパンツの話をしているの…? まじめに考えて。
【み】みんなが戦っているのに…それを横目に、何もしないでいられる? そんな自分に胸を張れる?
【む】無闇に私の部屋に近づかない方がいいわよ。間違って…返り討ちにしてしまうかも…
【め】迷惑なの。私だけじゃなくて他のみんなにも…
【も】もういいわ…さようなら…

【や】安いケンカはやめて…
【ゆ】…許してもらおうとは思わないわ。すべて私の責任だから…
【よ】よかったわ…無事で…

【ら】
【り】…立候補する?
【る】
【れ】…礼なんていらないわ。私は借りを返しただけだから。
【ろ】ロクな事じゃないでしょうけど…ここで逆らうのは得策じゃないわ…

【わ】私も…あなたという人間に、興味を抱き始めているのかも…
【を】
【ん】
595名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 15:33:02.71 ID:V03nLxsz
とまあ、こんなのがあったんだが
オマエラの選ぶ霧切さん名台詞を聞いてみたい
596名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 16:04:34.92 ID:P/L1RRhj
【わ】にもなってるが
私も…
が至高だと個人的には思う
597名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 16:07:59.66 ID:uTPo+AiZ
何…? だな
598名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 17:41:46.54 ID:diWvbHRB
依頼人から口説かれたりしたりして。
599名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 18:50:25.30 ID:UYALfGAY
デパスうめぇ
600名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 19:12:33.84 ID:vJOTQrrm
>>597
ちょっとぶっきらぼうな感じがいいよな

個人的にはやはり「あなたのような人と一緒なら…」が印象深い
601名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 21:32:13.13 ID:kMJie73d
やっぱり「苗木君の癖に生意気ね」だな
あれで完全に撃沈されたぜ
602名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 22:44:25.69 ID:tTuOPU3R
>>596
「私も…あなたという人間に、興味を抱き始めているのかも…」の方か
「私も…ちょっと怒りすぎたし…」の方か
どっちだ
603名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 23:53:48.27 ID:vJOTQrrm
どっちにしても、あの「私も…」のパートボイスはいいものだ
声の起伏に思いっきり感情が出ちゃってるのが霧切さんには珍しい
604名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 00:01:09.45 ID:whE09zKg
「きゅ、急に・・・」のテレ切さんが最高です
605名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 01:52:56.11 ID:1ZbJvTSH
ね、言ったでしょう? もよかったな
かませ眼鏡を追い詰めてるときの霧切さんが格好良くてたまらん
606名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 04:24:25.04 ID:8uh9eKMT
苗木君のくせに生意気よ、一択
607名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 10:14:04.63 ID:YgZrxriK
>>605
格好いい霧切さんといえば、
「私は最初から大和田君を狙い撃ちにするつもりだった…怪しいのは彼だとわかっていたから!」
も外せまい

霧切さんマジ男前
608名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 12:51:08.77 ID:urI2HE9/
格好よくて時々可愛い
霧切さんはパーフェクトだ

特定のセリフというんじゃないけれど、一章裁判終了後の会話が好きだ
609名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 16:13:25.96 ID:oZ0lkzSR
たしかにあそこの会話は良かった
霧切さんがあそこまで分かりやすく優しさを表に出す場面って他にないよな

「期待してるわ…」の時の静かな微笑もいいし、その後の「エスパーだから」にポカーンとしてる表情もかわいい
610名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 18:54:04.02 ID:urI2HE9/
ポカーンとしている霧切さんの口に指を突っ込んでみたい
611名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 20:38:13.55 ID:6zaHpOgc
どこの章だったか忘れちゃったんだけど、前のスレでも出てた話で

苗木君が「前向きなことだけが僕の取り柄だから」的なことを言ったときに、
「そう…素敵な取り柄を持っているのね」みたいな掛け合いがあって、すごい好きだったな
なんていうか、いいコンビだよな
612名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 22:24:16.49 ID:YgZrxriK
ゴミ捨て場での会話だな
その前に霧切さんの「やっぱり諦めていなかったのね」という台詞がある
613名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 23:39:39.59 ID:er8hKNJo
霧切さんはちゃんと苗木が諦めないことを分かってる=苗木の一番いいところを理解しているってことだな
胸が熱くなるじゃないか
614名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 02:04:27.00 ID:otmIjodk
「…『霧切ンガル』?」
 葉隠君の滑稽な発明品の名前を、僕は復唱した。
 見かけは黒のボディに、恐らく朝日奈さん作だと思われる、霧切さんらしき仏頂面の似顔絵が彫られている。
 一時期流行ったバウリンガルを模して作られた、対霧切さん用のコミュニケーションツール…らしい。
 なんていうか、色んなところに怒られそうな商標だ。

「別に俺が原案出したワケじゃねえべ。アルターエゴの中に入っていたアプリを、朝日奈っちが見つけてたんだべ」
「アルターエゴは壊されちゃったけどさ、データは十神が全部USBに入れてたらしくて、残ってたんだよ」
「暇つぶしがてら、そのデータを元に作ってみたんだべ。これは売れる、間違いねえ!」
「ホラ、学園にいた時にモノクマを解体してたでしょ? あの時のパーツで作れないかな、って思って」

 二人とも疲れているんだ。そうに違いない。

 確かに学園を後にしてからの生活は、危険とまではいかなくとも、相応に辛いものだった。
 数少ない物資を分け合い、人々に希望を伝える活動に従事して、昼夜を問わず駆けずり回っているのだから。
 体力が取り柄と自他ともに認める朝日奈さんですら、目の下にクマが浮かんでいる。

 それにしても、対霧切さん用のコミュニケーションツール、とか言われても、どこに需要があるのだろう。
 …まあそんなことを言っても、此処に一人欲しがっているどうしようもない男子がいるわけなのですが。
 僕も疲れているのだろうか。

「苗木っち、試しに何か話してみるべ!」
「え、僕が話しかけても意味無いんじゃない? 霧切さん本人じゃないと」
「霧切っちはノリ悪いから、きっと試してくれないって」

「…言ってくれるわね」
 本人はソファーに腰掛けながら、毛布に包まっている。
 此方を恨めしそうに眺めているものの、それでどうこうするつもりは無いらしい。
 彼女もきっと、疲れているんだ。

「ホラ、苗木。なんかこう、霧切ちゃんの言いそうな台詞!」
 ずい、と朝日奈さんが『霧切ンガル』を突きつけてくる。
 朝日奈さんがスイッチを入れるのに合わせて、僕は口を開いた。
 それにしても、なんて言おうか。霧切さんらしい台詞なんて…

「えっと…な、『苗木君のクセに生意気ね…』」

 ぶふ、と、朝日奈さんと葉隠君が同時に吹き出した。
 僕にしても、会心のチョイスだと思う。
 正直、これ以上に霧切さんを表している言葉はないんじゃないだろうか。

「…ちょっと、苗木君。あなたは私を何だと思っているの?」
 ネタにされているのが気に食わないのか、霧切さんが抗議の視線を向けてくる。
「え、いや、その…」
「私らしい台詞と問われて、真っ先に出てくる台詞がソレだなんて…」

「あ、静かに! 霧切ンガルの判定が出るよ!」
 僕に突っかかろうとする霧切さんを、朝日奈さんが制した。グッジョブ。

 四人分の視線を受けて、霧切ンガルがカタカタと何かを演算している。
 霧切さんですらソファーから身を乗り出して、モニターを固唾を飲んで見守っている。
615名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 02:05:24.53 ID:otmIjodk
 ポン、という茶目っ気のある効果音とともに、中央のモニターに文字が表示された。
 と同時に、霧切さんのものと思われる機械的な音声が、霧切さんの声色を真似て文章を読み上げる。

「ウィー、ハンテイケッカ…『苗木君のくせに生意気ね。でも好き』」

 固まる、四人分の視線。全員が霧切ンガルを凝視した。
 全く同じ台詞に付け加えられた四文字が、その言葉の意味するところを大きく変えてしまっている。
 どちらかというと、この台詞は恋人とかそういう…

「…くだらないわ」
 憮然とした表情の霧切さんが、最初に口を開いて一蹴した。
 ニヤニヤと見つめる葉隠君と朝日奈さんを睨みつつ、ソファーに戻っていく。寒いのだろうか。

「アルターエゴ…いえ、不二咲さんがどうしてこんなくだらないプログラムを残したのかは、永遠の謎ね」
「霧切ちゃん、苗木に対して弁解は?」
「する必要はないわ。彼はそんな玩具に翻弄されるような、間の抜けた男の子じゃないもの」
「…今、さりげに俺たちのこと馬鹿にしたべ?」

 まあ、僕としても判定の結果をそのまま鵜呑みにするつもりは、当然ないけれど。
 そんなことをしてしまったら最後、しばらく霧切さんとは口が利けなくなるだろうし。
 それにしても霧切さんの言う通りだ。どうして不二咲さんは、こんな謎のプログラムを…

「むむむ…ビビッと来たベ!」
 なにやら葉隠君が、考える素振りを見せている。珍しくも。
「このプログラムは、俺らが記憶を失う前、学園生活時代に作られたものなんだべー!」
「葉隠、どういうこと?」
「きっと当時から、霧切っちは素直じゃなかったんだべ! んでもって、俺らもそれを今みたいにネタにしてたんだべ!」

 だからこんなプログラムを作らせた、俺の占いは三割当たる。いつも通り豪語する葉隠君。
 今回に限って、その三割は当たっているんじゃないかな、と、僕は直観した。
 加えて言うなら、このプログラムの製作には、僕が大きく貢献しているような予感までする。

「…黙っていようかと思ったけれど、貴方達は不二咲さんにいいように遊ばれているのだと気づかないの?」
 少しイライラしている時の霧切さんの声だ。
「それに、さっきの判定は苗木君の声で出された結果でしょう。信憑性もないのに、よくそこまで遊べるわね」
「じゃあさ、霧切ちゃん!」

 僕と葉隠君は、霧切さんの威圧の籠った声に押されている。
 こと対人関係で怖いもの知らずの朝日奈さんの性格は、こういう時に限って便利だなぁ。

「霧切ちゃんの生声で、同じ台詞を言ってみてよ! それなら文句ないでしょ?」
「…いいわ、付き合ってやろうじゃない」

 意外に煽り耐性のない霧切さんなのであった。

「…『苗木君のくせに生意気ね』」
 いつもの調子の霧切さんの声だ。本人は認めないけれど、彼女の口癖といっても過言ではない。
 何か意図するところでもあるのだろうか、僕の方を見ながら台詞を言う。

 さっきと同じ演算音を立てて、霧切ンガルが喋る。

「ウィー、ハンテイケッカ…『貴方のことが好きです』」

 さて、どうしてくれようか、このポンコツは。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 02:06:25.77 ID:otmIjodk
 うひょー、と盛り上がる葉隠君と朝日奈さん。さっきよりも露骨な結果に、二人の出歯亀は沸き立っている。
 対して、霧切さんはものすごい形相で僕の方を睨む。
 いや、あの、僕のせいじゃないんですけど。

「いつもの霧切ちゃんの意地悪な当てこすりも、苗木に対しての愛情表現だったんだね!」
 うんうん、と訳知り顔で頷く朝日奈さん。そして眼を剥く霧切さん。
 やめて、これ以上状況を悪化させないでください。
「他にも霧切っちの言いそうな台詞を集めてみるべ!」
「えっとね、何だろう…『苗木君、ここまで言えばわかるわね』とか?」

 ドウシテ僕関連ノ台詞シカナイノカナー。
 此方の苦悩など知る由もなく、霧切ンガルは演算を始める。

「ウィー、ハンテイケッカ…『苗木君なら、私のことわかってくれるわよね』」

 あ、やばい。砂糖吐きそう。

 同じような台詞なのに、細部を変えるだけで此処まで違うのか。
 どういう発音の構造をしているのかはわからないけれど、機械の出す音声は霧切さんの声そのものだ。
 本人がけっして言わないような甘い台詞に、不覚にもときめいてしまう、健全な元男子高校生。

「…貸しなさい。貴方達が台詞を入力しても、信憑性に欠けると言ったでしょう」
 本人も本人でムキになり、葉隠君から霧切ンガルを奪い取る。
「苗木君、私の言いそうな台詞を選んで頂戴。貴方の言った通りに、私は霧切ンガルに入力するわ」

 どうやら『霧切ンガル』の商標は、本人公認のものとなってしまったらしい。
 此方を睨む霧切さん。どうしよう、迂闊な台詞は選べそうにないのだけれど。

「えー…あ、ホラ、霧切さんって僕のこと、よく馬鹿正直っていうよね」
「…それを台詞に直せばいいのね?」
 コホン、と咳払いをし、霧切ンガルのスイッチを入れる霧切さん。

「…『気を付けてね、馬鹿正直の苗木君』」
 心なしか、馬鹿の部分に強い憎しみが込められている気がする。

「ウィー、ハンテイケッカ…『…貴方が誰かに騙されないか、心配です』」

 絶叫である。出歯亀二人組、歓喜の大絶叫。
 やんややんやと囃し立てる二人の横で、いよいよワナワナと震えだす霧切さん。

「あ、あのさ…僕は信じてないから」
「…貴方本人に慰められるのが、一番屈辱よ」

「ウィー、ハンテイケッカ…『心配してくれてありがとう。でも少し恥ずかしい…』」
 ああもう、空気を読め、このポンコツは…!
 耳まで真っ赤にした霧切さんなんて、初めて見た。
 きっと羞恥じゃなくて、単純に怒っているんだ。そうに違いない。

 と、ミシミシと機械を握りしめる霧切さんの奥から、人影。
 意地の悪そうな嫌らしい笑みを浮かべて、腐川さん…訂正、ジェノサイダー翔がぬるりと現れた。

「もー、マコちんったら! そんな生温い台詞ばっか選んでもつまーんなーいでしょー!」
617名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 02:07:18.70 ID:otmIjodk
「最悪のタイミングで現れたわね、殺人鬼…!」

 親の仇でも見るような目で、霧切さんはジェノサイダーを睨みつける。
 この場面では一番厄介な相手だ。愉快犯というか、確信犯というか。
 一人で十人分はがやがやと騒がしい殺人鬼は、長い舌を器用に波立たせて謳う。

「もっと過激なのがあるでしょ、『私も…貴方という人間に、興味を抱き始めているのかも…』とかさぁ〜」
「なっ…!?」
 ああ、学園にいた頃に、霧切さんを雑談に誘った時の返事だ。
 その時は珍しく上機嫌だな、くらいにしか思わなかったけれど。
 ケタケタと高らかに笑うジェノと、顔を青くして目を見開く霧切さんを見る限り、どうやらそれ以上の意味があるらしい。

「あの仏頂面系ミステリアスな探偵少女キョーコちゃんが、随分素直になったものよねぇ〜?」
「貴女…盗み聞きしてたのね…!?」
「キャー! 恥っずかしー! でもでも気付いていない鈍感なマコちんのために、霧切語翻訳、開始♪」
 なんというかもう、痛々しいほどまでに騒がしい。
 霧切さんは霧切ンガルを背中に隠すのだが、後ろにいた朝日奈さんにまんまと奪い取られる。
「くっ…」
「観念しなよ、霧切ちゃん! 霧切ちゃんが自分で言うって約束したんじゃん」
 目を爛々と光らせる朝日奈さんとジェノに囲まれて、霧切さんも逃げ場がないと悟ったようだ。
 こういう時のうちの女性陣は、強いというか頼もしいというか怖いというか怖い。
 そして睨まれる僕。無実なのに、何故。

「……『私も…貴方という人間に、興味を抱き始めているのかも…』」

 ジェノサイダーの台詞を復唱する霧切さん。
 一切感情を込めない棒読みだけれど…

「ウィー、ハンテイケッカ…『異性として、貴方に惹かれています』」

 ああ、うん。なんか予想ついてた。
 別に霧切さんがそんなこと思っているとかじゃなくて、この機械ならそういう風に変換するだろうな、と。
 うすら寒い殺気を感じる。振り向かずとも、誰のものかはわかった。

「…随分、人を小馬鹿にした機械ね…」
 絶対零度の声。
「人の声色まで真似て、勝手なことをベラベラと…」

 激昂する霧切さんなんて、初めて見た気がする。
 いつもはどれほど怒り心頭でも、理性で蓋をして、むしろ僕や仲間たちを宥める役に回っていたのに。
 ベルトコンベアに乗せられてオシオキされた時の方が、まだマシなほどの戦慄。

 僕は何一つ悪くないはずなんだけど、もしかしてこれのせいで、二度と霧切さんに口を聞いてもらえないんじゃないか。
 それはちょっと、いや、かなり傷つくので、僕なりにフォローを入れてみる。

「お、落ち着いてよ、霧切さん…その、霧切さんがそんなこと微塵も思ってないってのは、よくわかったから」
「え…?」
「いや、だから…そうやって思いっきり否定するくらい、嫌なんだよね?」

 あれ、何この空気。

 心なしか裏寒いというか、みんなの視線が氷柱のように突き刺さる。
 言弾を選び損ねたか、と、更にフォローを重ねてみる。
618名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 02:09:01.52 ID:otmIjodk
「ほら、心にも思って無いことを自分の言葉のように言われたら、霧切さんじゃなくても傷つくし、怒るでしょ」
「待って苗木君、それは、」
「僕だったら全然気にしてないからさ…それに霧切さんがあんなこというの不自然っていうか可笑しいし」


 パキ、と、薄氷の割れるような気配。


 霧切さんの表情が、いつものポーカーフェイスのままに凍りついた。
 そのまま顔を伏せ、前髪で表情が隠れてしまう。

「苗木っち、お前そりゃ…」
「ちょっと酷いっていうか…マジで言ってんの、苗木?」
「草食系も此処まで行くと、萌えを通り越して萎えるわ…」
「え、え?」
 総スカン。
 それぞれに浴びて、どんどん肩身が狭くなる。学級裁判でクロだと疑われた時以来だ。
 僕はただ、霧切さんを弁護しようとしただけなのに。

 そうだ、当の本人の霧切さんは、

「…苗木君の、言う通りよ」

 いつも通りの、ポーカーフェイスだった。

 肩に掛けていた毛布を外して、ジェノサイダーの手の霧切ンガルに手を伸ばし、スイッチを切る。
 そのまま霧切ンガルをジェノサイダーから奪い、自分のポケットへ。

「そんな乙女チックな事、私が考えているワケがないでしょう」
「…そ、そうだよね」
「ええ、全くもって苗木君の言う通りよ」
 ああ、なんだ、いつもの霧切さんか。
 胸を撫で下ろす。
 一瞬何の根拠も無しに、彼女が泣きだすんじゃないかと思ってしまったのだ。

「柄にもなく、頭に血を上らせてしまったみたいね。ゴメンなさい」
「あの、霧切ちゃん…?」
「少し風に当たってくるわ。みんなは先に寝て頂戴」

 時刻は午前一時。
 一人で外に行くなんて危ないんじゃないか、とも思ったけれど、声をかける前に霧切さんは部屋を出ていった。


「っと、何だ…おい、人にぶつかっておいて、…? 何だ、あの女…」

 と、入れ替わるように十神君が戻ってくる。
 髪が湿っているので、シャワーを浴びてきた帰りなのだろう。

「ああ〜ん夜露に濡れる白夜様素敵ですクンカクンカハァハァ」
 通常運転のジェノサイダーをいつも通り足蹴にして、先程まで霧切さんが身を横たえていたソファーに座る。
 そのまま足を組み、さも興味なさそうに尋ねてきた。
619名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 02:09:34.10 ID:otmIjodk
「お前等、俺の目の届かぬ内に口論でもしたのか」
「え、何で?」
「あの気丈な女が目を潤ませていた…余程のことを言われたんだろう」

 四人分の視線が、僕を刺す。
 十神君にしても、元凶が僕であることの察しはなんとなくついていたらしい。
 つまりこの場において、状況を理解していないのは、クロである僕自身だけということ。なんとも滑稽な。

「あの、僕…?」
「苗木さ、自分がどれだけ酷いこと言ったか、分かってないでしょ」
 友人の涙という事実を経て、真っ先に朝日奈さんが突っかかった。
 自分が霧切ンガルで霧切さんを弄んだことは棚の上のようだけれど、言及すれば確実に僕の首から上が弾け飛ぶ。
 とりあえず曖昧に頷いて返すと、朝日奈さんは深くため息を吐いた。

「霧切ちゃんだって女の子なんだよ?」
「あ、うん…知ってる、けど」
「女の子に向かって、『女の子っぽいことをいうのが不自然だし可笑しい』だなんて、無神経だよ!」

 いや、でも、それは。

「ぼ、僕はただ、霧切さんが僕を好きだとか、あの機械が根も葉もないこと言うから…」
「んああ゛…萎えるわ、マジ萎えるわ…三流のメロドラマじゃあるまいしさ」
 自己弁護の台詞も、ジェノサイダーの台詞で止められてしまう。
 瞳孔が歪に曲がっているのは、彼女が本気でイライラしている証拠だ。

「鈍感ってレベルじゃないってばよぉ。そこまでいくともう萌えないっつーか」
「別にお前が萌えるとかはどうでもいいんだけど…じゃあ、何だっていうのさ?」
「…賢しい凡人と思っていたが、お前に対する評価を改める必要があるな」
 十神夫妻の毒舌は、本当に容赦ない。
 むしろ僕を非難するのが本当の目的なんじゃないだろうか。

「そこのくだらない機械が、本当に霧切の本音を暴いているかどうかは別としてだ」
「くだらなくねーべ! これは俺の暇つぶ…粋の結晶だべ!」
「黙ってろ、俗が。いいか、苗木」

 十神君が言うには、こういうことだ。

 僕と霧切さんはあの学園において、文字通り死線をくぐり抜けてきた仲間。
 何の感情も抱いていない相手にどれほど馬鹿にされても、霧切さんは傷つきはしないだろう。
 けれど、こと相手が僕に限っては、ほんの些細な言葉でも気に留めてしまう。
 それほどの絆を、僕と霧切さんは結んでしまっている…らしい。

 いやもう、なんというか、百歩譲って理屈はわからないでもない。
 ないけど、

「でも…やっぱり可笑しいよ」

 僕は、霧切さんが乙女チックなのは可笑しい、と言っただけだ。
 いや、朝日奈さんの言う通り、それが失礼な言葉だったことは認める。
 けれどもそれにしたって、涙目で部屋を後にするほどのものではなかったはずだ。

 むしろ僕の方が日頃霧切さんからもっと酷い扱いを受けているというか、
 ああでも、これは思い出すと僕の方が涙目になるから深く考えないようにしよう。
620名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 02:10:54.45 ID:otmIjodk
 確かに僕は霧切さんのことを信頼している。
 彼女が僕を認めてくれているというのも、十神君が言うのならそうなんだろう。
 けれど、それだけでは結びつかない。

「…とりあえず、追うべきだって、苗木っち」
 珍しく、本当に珍しく、葉隠君が年長者として大人の意見を述べた。
「女の子泣かせたんなら、頭下げるのは男の役目だべ。訳は後からでも聞けるんだから」
「う、うん…」

 そういうと葉隠君は、恐らく予備のものだろう、霧切ンガルを僕の手に握らせた。

「とにかく…ちゃんと話し合ってくるよ」
 何につけても、僕だって霧切さんと気まずいままなのは嫌だから。

―――――

 建物の二階、バルコニーを出たところで、霧切さんの背中を発見する。
 僕も同じように、扉を開いてバルコニーに出た。
 音がしたので気付いているとは思うけれど、霧切さんは此方を見ようとしない。

 勢いで追ってきてみたはいいものの、話しかけにくさに黙りこむ僕。
 それを見かねたかのように、口を開いたのは霧切さんの方。

「…何をしに来たの」
 少しだけ、潤んで掠れているような声。それに、
『私を探しに来てくれたの?』

 甘ったるい副音声が付随して、耳の中で反響した。

「いや、その…」
「もし私を心配して来てくれたのなら、それは不要よ。頭も冷えたし、そろそろ帰ろうと思っていた所だから」
『…心配かけてごめんなさい』

「や、そうじゃなくて、えっと…」
「相変わらずはっきりしないわね。言いたいことがあるならはっきりして。男の子でしょう」
『私に隠し事なんてしないで…』

 いつもならたじろぐはずの、霧切さんの冷たい声。
 台無しなのは、イヤホンから届く彼女の声とがあまりにもアンバランスだからだ。
 コードはパーカーの中を通して、ポケットの中の霧切ンガル二号に繋げている。

 今更なんだけど、コレ見つかったら怒られるじゃ済まないんじゃないだろうか。
 そんなことを思っていると、霧切さんが唐突に大仰な溜息を吐いた。

「…ゴメンなさい」
『…ゴメンなさい』
「へ、え?」
 ステレオで聞こえてきた謝罪の声に戸惑う。
 脈絡もない上に、霧切さんが謝るだなんて意外すぎて。

「『心配して呼びに来てくれた貴方にかける言葉にしては、酷過ぎるわよね…自分でも、上手く言葉を選べなくて』」

 思えば彼女は、いつだったか、本音を隠すのが得意だと言っていたっけ。
 それで、事あるごとに僕のことを馬鹿正直だと引き合いに出す。
 アレは単純に、僕のことをからかっているんだと思い込んでいた。
621名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 02:12:58.77 ID:otmIjodk
 けれど、本音を隠すのが得意だということは、本音を晒すのが苦手だというのと同義じゃないだろうか。

 霧切ンガルが、彼女の全てを語ってくれるとは思わないけれど。
 十神君たちが言っていた、霧切さんが怒った理由と言うのが、うっすらとわかってきた。

 なので、僕はポケットの霧切ンガルのスイッチを切る。
 これは彼女の言葉じゃない。
 霧切さんが本当に、この機械が言うようなことを思っていたのだとしても。

「…私があんな態度を取ったワケは…貴方の言っていた通りよ」
「あ…霧切ンガルに怒った理由、ってこと?」
 ええ、と返して、肩を竦める。
 彼女の手には、腐川さんから奪い返した機械が握られていた。
「例えそれが事実でも、そうじゃなくても…自分のことを語られるというのは、良い気分じゃないから」
「そう、だよね…ゴメン」
「…貴方が謝ることじゃないでしょう? 主犯は朝日奈さんと葉隠君よ」

「いや、僕もちょっと…悪乗りしてたから。共犯だよ」
 それに、傷つけるようなことも言ってしまったし。

 そこでようやく、霧切さんが此方を向いた。
 軽く驚いたように、少し赤くなった目をぱちくりとさせている。

「霧切さんって、いつも自分の本音をどこかで押さえこんでいるように見えるからさ」
「……そう、ね。貴方がそういうのなら、そうなんでしょうね」
「だから、機械の言うことだったとしても…そんな霧切さんの本音を見ることが出来て、ちょっと嬉しかったんだ」
「嬉しい…?」
「うん。でも考えてみたら、勝手に心の中を覗き見るなんて、すごく失礼なことだって気付いて、……」

 クス、と霧切さんが吹き出したで、僕はそこで言葉を止めた。
 なんだろう、可笑しなことを言ったつもりじゃなかったんだけど。

「ごめんなさい、でも…相変わらず、馬鹿正直なのね」
「え?」
「今のを白状しなければ、私は貴方が悪乗りしていたことに気付かなかったかもしれないのに…損な性格ね、苗木君」

 笑われたのにも関わらず、僕はホッとしていた。
 もう怒っていない。
 いつも二人で談笑をしている時のような、柔らかい表情に戻っている。

「まあ、確かに人の本音を覗こうとするのは、あまり褒められた行為じゃないわね」
「う…ご、ゴメンなさい」

 くるり、と霧切さんが踵を反す。足取りは軽やか。

「それはそうと、苗木君。今の『嬉しい』という言葉は、私の告白に対する返事と捉えて良いのかしら?」
「えっ…」
「さっき、霧切ンガルがバラしたでしょう。『貴方に異性として惹かれています』って」

 え、え? え!?
622名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 02:13:42.86 ID:otmIjodk
「で、でも…霧切ンガルは適当なことを言っていた…んだよね? だから霧切さんは怒って…」
「あら、そうは言っていないわ。推理してみて、苗木君」
 ニヤニヤと、人の悪い笑みで僕の反応を楽しむ霧切さん。
「霧切ンガルが全くの嘘ばかり言っていたのなら、私はあれほどまで怒らなかったんじゃない?」

 でも、それはまさか本当のことだとは思わなくて、いや、機械の言ったことだし、本気で受け止めていなかったっていうか、
 十神君は僕と霧切さんの間に絆があるって言ってたけど、僕はそんなの意識したこともなかったし、
 けど、そりゃ霧切さんが僕のこと、そうだと言うのなら、僕としてもまんざらじゃないっていうか、
 いやでも超高校級の探偵相手に僕なんかが釣り合うとも思わないし、


 と、悶々としていると、また霧切さんが吹き出した。

「…冗談よ」
「え? あ、……」
「ふふ…ホント、馬鹿正直ね…」

 耳が熱くなる。今度は本当にからかわれていたらしい。
 そうだ、当然じゃないか。彼女は自分の本音を、けっして晒し出したりはしない。
 仮に本音を告げるとしたら、余程にその告げた相手を信頼している時に限るだろう。

 いつか、あの学園で話していた時のように、クスクスと霧切さんは笑う。
 鈴の音が鳴るような、綺麗な艶笑。

「それにしても…まさか、苗木君に励まされる日が来てしまうだなんて…」
 辛辣である。
 反応に困って、僕は曖昧に笑って見せた。
「僕だって、たまには…霧切さんの役に立ちたいよ」
「私に女の子らしいのが似合わない、だなんて言い放っておいて…どの口が言うのかしら」
「あ、いや、それは…」

 と、悪戯を思いついた子供のように、霧切さんがニヤリと口端を上げる。

 手に持っていた霧切ンガルのスイッチを入れて、口元へ。


「まったく…『私を励まそうだなんて、苗木君のくせに生意気ね』」


 しっかりと機械に言い放ってから、彼女は僕の方へ霧切ンガルを投げて寄越す。
 僕の手の中で、カタカタと計算を始める機械。

「あ、あの…」
「私は先に戻るわ。おやすみなさい、馬鹿正直の苗木君」
 そう告げて、彼女はバルコニーを後にした。
 ウィー、ハンテイケッカ、と、腕の中で空気も読まずに機械が唸る。

 彼女がこれを渡した理由を推し測って、理解したと同時に僕は霧切さんの背中を追った。


「『励ましてくれてありがとう。貴方のことが好きです』」
623名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 02:15:50.19 ID:otmIjodk
話題ぶった切ってスマン

>>166当たりのネタや上までの話題見てるうちに
「苗木君のくせに生意気ね」は、素直になれない霧切さんなりのアイラブユーなんじゃないかと妄想して
気づいたらなんか変な文章が出来上がってた 暇だったら読んでやってくれ
624名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 02:38:27.04 ID:hZAqVw/V
>>623
マジGJ
625名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 03:56:12.08 ID:/PG/u1jn
GJすぎるwww
626名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 08:29:25.74 ID:mvg8HN2W
なにこれ超GJ!!
ちくしょう可愛いなあもう!
627名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 12:10:35.16 ID:hGwNQV5F
>>623
GJ!
霧切さんが素直にデレると凄まじい破壊力だな…!
628名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 16:10:42.25 ID:uoA8MxL0
>>623
GJ!!
で、霧切ンガルは葉隠にいくら払えば買えるんだ?
200万までなら出そう
629名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 19:03:39.46 ID:AAWmjAlB
>>623
GJGJ!!
次は苗木ンガルを手に入れた霧切さんが見たいなぁ
630名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 21:26:08.30 ID:mvg8HN2W
霧切さんなら苗木ンガルを使うまでもなく、
苗木君のことくらいお見通しなんじゃないか?
631名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 21:46:04.97 ID:RTReJNhs
常にただのステレオな可能性も
632名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 22:51:53.86 ID:hGwNQV5F
とりあえず
苗木君の考えが手に取るようにわかるがゆえに、その朴念仁ぶりにヤキモキする霧切さん
万事素っ気なくみえる霧切さんの真意が読めずに困惑する苗木君
みたいなすれ違いは非常に美味だと思います
633名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 23:31:19.32 ID:qRCUUGV4
>>632
わかる
わかるぞ
634名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 01:44:26.40 ID:ZOtYuMGz
「舞園さん、苗木君の真のエスパーはどちらか、そろそろ決着を付けましょうか」
635名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 08:36:29.66 ID:8RggFN4u
苗木の考えを見透かすことはできても、
普通の男子に対して自分がどうアタックするべきかは分からず悩む霧切さんとかでも
636名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 12:49:55.28 ID:8kYr7nzL
霧切さん、ヘンなところでズレてるからな
距離感を測りかねてよくわからないまま大胆なアプローチに出て
そんな霧切さんにオロオロする苗木君を見て「嫌われてるor嫌われた」と勘違いしてヘコんだりとか

そんな霧切さんはありませんか
637名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 19:05:55.79 ID:EjlVbd5t
逆に苗木の方から大胆なアプローチに出られたら霧切さんはどうするだろう
638名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 21:32:20.03 ID:8kYr7nzL
@あくまでクールに振る舞う(が、内心では嬉しくて身悶え)
Aクールに振る舞おうとするが上手くポーカーフェイスを保つことができない
B身も世もなく動揺
C動揺のあまりその場から逃げ出してしまう

どれだ
639名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 22:01:54.31 ID:bxhmnGXb
クールに振る舞いつつ逃走、その後人知れず動揺だな
640名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 22:52:53.32 ID:8RggFN4u
霧切さんは押しに弱い説もあることだし
「あ、あの……苗木君……えっと……」みたいなしどろもどろギリさんと化してしまう可能性はないだろうか
641名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 23:47:43.18 ID:jUx7qfuS
それもアリだな
強気な苗木に振り回される霧切さんというのも見てみたい
642名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 00:43:30.93 ID:6pQbBFSM
あまり勢いはないとはいえ凄い安定感だなこのスレは・・・

末恐ろしいぜ

>>638
やっぱ王道は@かな、と思う
本編でのキャラ的に
643名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 08:34:08.51 ID:VBegtJCv
あれだな、その場ではクールに振舞うけれど
部屋で一人になってからベッドに突っ伏して嬉しさのあまり足をばたばたさせたりするわけだな
その様子を監視カメラで眺めたいです
644名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 09:17:35.70 ID:OgJQc9nX
江ノ島「うぷぷ・・・起ってますね・・・」
645名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 09:57:52.93 ID:OgJQc9nX
そういや妹様がゲロッた時、生前の関係はクラスメイトとしか言ってなかったし、
苗木君は舞園さんとも霧切さんとも恋人関係にはなってなかったと見なしていいのかな

・・・これでゼロの後で苗木くんが妹様と付き合ってたとかなってたら超絶望だよね
646名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 12:23:24.26 ID:FGkAG/Y6
霧切さんをくすぐってみたい
647名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 15:00:09.10 ID:qO9ysIMI
くすぐった後怒られたい
648名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 16:10:28.11 ID:7G3ixucg
むしろその仕返しにくすぐられたい
649名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 18:57:02.34 ID:uXAeOeAJ
・顔を紅潮させながら、必死で無表情を保とうとする霧切さんを無慈悲にくすぐり続ける
・やめてと懇願しても手を止めてくれないドSな霧切さんに執拗にくすぐられる

どちらも捨てがたい…俺はどちらを選べばいいんだ
650名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 21:23:13.24 ID:VBegtJCv
両方でいいじゃないか
651名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 22:32:29.57 ID:FGkAG/Y6
くすぐりあいっことな!
苗木君と霧切さんでもいいが、ここは舞園さんあたりの同性が相手というのもなかなか…
652名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 23:24:14.18 ID:9AFz0eFs
前にもあったな、くすぐりネタ
今にも崩れそうになるポーカーフェイスを保とうと必死にはかない抵抗を試みる霧切さんの姿は
なんというかこう、非常にグッとくるものがあると思うんだ
653名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 00:02:04.77 ID:f5zggupG
ただあれだ
台詞だけ考えるとどうしても卑猥になってしまいそうなんだ
くすぐりのシチュとか
654名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 00:46:58.38 ID:pSMkiZAQ
苗木君が教室の扉の前に立つと、中から霧切さんと舞園さんの卑猥な声が…!
655名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 01:38:13.30 ID:ggzULa9Y
>>654
教室内

舞園「霧切さんってここが弱いんですよね?私わかるんですよぉ。何たってエスパーですから。それ!」(脇腹をくすぐる)
霧切「あ!そこはダメ!ちょ…舞園さん、やめt…あん!」
舞園「うふふ。可愛い声が出ちゃいましたね〜。こっちはどうかな〜?」(うなじの辺りをくすぐる)
霧切「だからやめてって…あ、そこもダメ…ひああぁ!」


教室の外

苗木(い、一体中で何が起きてるんだ!?)


こうですか?わかりません
656名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 01:50:38.33 ID:iDe5w5C9
「2つの箱のうち、1つはお店で買ったチョコ、もう1つは私の手作りチョコよ。さあ苗木くん、選んで。」
「う〜ん…。じゃあ、こっちにしようかな。」
「ふっ…、流石は超高校級の幸運ね。あなたが選んだのは私の手作りチョコよ。」
「本当に!?ありがとう、霧切さん!」
「………」

実は両方手作りだったという想像をしたら可愛すぎた
657名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 02:22:48.96 ID:f5zggupG
かわええええええ
というかバレンタイン間近だな、スレが盛り上がりそうだ
658名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 08:32:55.48 ID:HglUMhoc
>>655
うむ…続けたまえ
659名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 09:03:22.01 ID:pSMkiZAQ
>>655
ええのうええのう
660名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 12:50:47.83 ID:YdoXrQp5
いけないと思いつつ扉の前から離れられない苗木君
うっかり物音を立てて気づかれてしまい、
そして盗み聞きに対するおしおきと称して二人にくすぐられる羽目に…

というところまで妄想した
661名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 15:48:19.64 ID:soMPyiY7
なにその天国
662名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 17:57:17.76 ID:pzeRrOMu
二月十四日に霧切さんに招かれて部屋を訪れる苗木君
苗木君の探偵力を鍛えるために、バレンタインチョコをどこかに隠した霧切さん
なかなか隠されたメッセージに気づけず、いつも通りの会話を続ける苗木君

苗木君がいつまで経っても探し出さないので、
「そんな面倒なチョコならいらない」と愛想を尽かされてしまったのだろうかと心配しだす霧切さん
霧切さんがいつまで経ってもバレンタインの話題を切り出さないので、
「あなたにあげるチョコはない」と暗に言われてしまっているのではないかと落ち込みだす苗木君

そんな二人のいる霧切さんの部屋に、空気を読まず学園長登場
苗木君が気付けなかった隠しチョコをあっさり見つけてしまう学園長
ただでさえ憎い父親に、苗木君へのチョコまで見つけ出されてしまい、ヒス気味に部屋を飛び出す霧切さん


そんな三竦みが俺は見たい(迫真)
663名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 18:47:01.03 ID:YdoXrQp5
言い出しっぺの法則というものがあってだな…
俺も見たいです(切実)
664名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 19:46:52.47 ID:WD8KOV5f
>>662
で、部屋を飛び出したら舞園さんからチョコを貰ってデレデレになってる苗木君と鉢合わせするんだな
665664:2012/02/09(木) 19:49:38.00 ID:WD8KOV5f
しまった
文章よく読んでなかったよ…
666名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 19:58:26.86 ID:Cv5vC/IM
>>665
どんまい

>>662
俺も見たいぞー
667名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 20:12:09.18 ID:pzeRrOMu
つまり>>664は、

>>662でチョコを見つけてしまった後に、部屋に残される苗木君と学園長
結局そのチョコを誰に渡す予定だったのかに気づけない朴念仁×2

そのまま部屋を後にする苗木君と、霧切さんの部屋の前で鉢合わせする舞園さん
結局ちゃんと手渡そうということで、改めてチョコを買いなおして部屋に戻ってきた霧切さん
アイドルから手作りのチョコレートをプレゼントされ、有頂天の苗木君
その図を目撃して衝撃のあまり、手からチョコレートを取り落とす霧切さん


これが僕の答えだ!(希望)
668名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 22:51:04.71 ID:bMsV5HWZ
で、走り去る霧切さんを苗木君が慌てて追いかけるわけだな
669名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 23:52:00.23 ID:YdoXrQp5
追いついた先の屋上で大告白→チョコより甘い接吻という寸法だな
そしてそれを物陰からニヤニヤしながら見つめている学園長
670名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 00:26:36.32 ID:v2uW9zPO
学園長は「娘は渡さん!!」とかいって涙目で乱入してくるイメージ。
671名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 04:40:19.06 ID:FYBuKS5g
このスレの住民は凄い想像力だな……見習いたいぜ

それはそうと修羅場レンタイン見たいです(何様
672名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 07:08:58.46 ID:BUG+QhAP
舞園さんが苗木君にチョコを渡してるところを霧切さんが目撃し、後で「何かもらってたようね」と茶化す霧切さん
ポケットの中には渡すに渡せなくなったチョコが溶けて、みたいな
673名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 08:53:03.01 ID:+3a7k8eo
むくろのBWHは詐称されてるかもしれんが169で80 55 82 で44kgらしい
霧切さんは167でB82 48kg


むくろが55だから霧切さんは55〜58くらいとすると
バスカップ測定スクリプトでC〜Dカップ(55のときだけDだからDに近いCというべきか)で出たよ
やっぱ貧乳じゃないんじゃないかな
674名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 09:01:12.96 ID:F+xSjlP+
>>673
なかなかのものをお持ちのようだな
675名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 09:04:07.80 ID:+3a7k8eo
>>674
いいスタイルだよな
676名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 12:11:41.49 ID:y+m9qeoe
小さく見えるのは探偵業に不要な「女らしさ」を隠すためにサラシの類で胸を潰しているから
という説を思いついた
677名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 12:30:48.62 ID:T5SWuhBN
>>676
どこぞの探偵王子は実は巨乳でしたなw
678名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 13:11:44.37 ID:AyQ3aFfS
まあ目に見えてるものが現実だよね
679名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 13:35:32.81 ID:e2NZrqKR
流れぶった切って投下。

真の姉ギリとは何か――。
仕事中でもそんなことを考えたらこんなSSになった。


※作中の個人、団体、事件はすべて架空のものです。


―――――

「姉さん、起きて、姉さん。ほぉら……!」
「……きちんと聞こえているから揺すらないでくれる?」
「ダメだよ、ほっといたら二度寝するじゃないか。
 明日から寮での生活をするのに、そんな調子で大丈夫なの?」
「そんな気遣い不要よ。……弟のクセに生意気ね」

そう文句を言いながらノッソリと起き上がる女性。
僕の姉さんだ。
パサつく寝癖も気にせず、欠伸をかみ殺しながら椅子に座った。
「朝ご飯」
「はいはい、もう少しで完成だよ」
フライパンで炒めたスクランブルエッグを二枚の食器に盛り付ける。
皿の隅っこにケチャップを添えれば出来上がった。
「はい、どうぞ」
「ん、ありがとう」
エプロンを椅子の背もたれに掛けて、僕も姉さんとは反対側の椅子に座る。
普段使うことのない、もう一つの椅子に。
「それでは手を合わせてください、いただきます」
「……いただきます」

それ以降、僕らは無言で朝食を食べて食器が鳴らす音しか響かなくなった。



まずはオーソドックスに自己紹介から始めたいと思う……。
僕の名前は霧切誠だ。

外見はご覧の通り、どうしようもないほど平均的な普通の高校生。
強いて特徴を挙げるとすれば、僕の家族が探偵一家だということだろうか。
行く先々で事件に遭遇し、お爺ちゃんの名をかけて華麗にズバッと解決する名探偵……ってわけもなく。
性格にも特技にも成績にもこれといった特徴はない。

むしろ、探偵一族の才能を色濃く発揮しているのは目の前にいる僕の姉、響子姉さんの方である。
だからこそ、当主であるお爺さんの傍にいて"超高校級の探偵"と呼ばれるくらいの凄腕の探偵になっているほどに。

そもそも僕らの家族も少々事情があったりする。
まず、父さんと母さんがいない。 正確には「いた」の過去形だ。
母さんは僕らが幼い頃に亡くなった。
そのすぐ後に今度は父さんが僕らの元を去るように家から出て行った。
姉さんはお爺さんに引き取られる形で海外にある霧切本家へ。
対する僕は母さんの親戚筋に引き取られた。

今の学費や生活費といったお金は、お爺さんからの援助で成り立っている。
そうして今はマンションの一部屋を借りて、一人暮らしをしながら高校に通っていた。

一家離散していたけど海外で暮らしていた姉さんがこのたび、希望ヶ峰学園に入学することになった。
荷物も既に送ったようで、手ぶらで僕の部屋にやってきた。
なんでも、ホテルで宿泊するよりは効率がいいという理由から僕を訪ねてきたようだ。
680名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 13:35:40.31 ID:JPhrjKQZ
いやスリーサイズが現実だけど
絵なんて同じキャラでもそのときによって変わるしな
681名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 13:39:13.51 ID:e2NZrqKR
>>679続き

……でも年月の積み重ねは時に人を変えてしまうものだ。
昔はあんなに笑って一緒に遊んでいた姉さんが、物静かな印象になっている時はびっくりした。
それでも、姉という特権を駆使して僕を使い走りにしているところは相変わらずだったけど。

「姉さんは今日の予定、どうするの?」
「私はそうね……家で休んでいるわ。 昨日の誰かさんの引越しの手伝いをして疲れがまだ残っている感じね」
「それだったら僕の部屋のベッドを使う? ソファで寝てても疲れが取れると思うよ」
「あら、誠は出掛ける予定なの?」
「うん、人と会う約束があるんだ」
「そう……。ガールフレンドだったりする?」
「それは違うよ! あ、それとお昼は外で食べるから姉さんも適当に頼むね」
「わかったわ。それと、あまり遅くまで遊んでちゃ駄目よ?」
「もちろん、明日の入学式が朝の8時集合だからでしょ?」
「えぇ。入学早々、姉弟で遅刻なんていう失態は勘弁してほしいわ」

食べ終わった食器を洗いながら、そんな遣り取りをする。
そして僕は着替えて外出することになった。

―――――

希望ヶ峰学園には入学願書というものがない――。
それはスカウト制を今も貫いていて、姉さんのように才能溢れる人に入学案内の書類が届く。
それが僕のような普通の高校生がこのたび、姉さんと一緒に希望ヶ峰学園に入学することになった。なぜか。

全国にいる高校生の一人から抽選で選ぶ"超高校級の幸運"という枠に僕が選ばれたからだ。
そんな当選を伝える文面と一緒に入学案内の書類が入った封筒が先日、僕の部屋に届いた。
そこからは慌てるように転校手続きや、入学に必要な書類の準備を用意していた。
昨日になって姉さんの力を借りながら寄宿舎に送る荷物を送ったばかりだ。


そんなここ数日のドタバタぶりを振り返りながら腕時計の刻む時間を確認する。
約束の時間まで2分を切っていた。

指定した喫茶店の窓から外の様子を眺めていると、黒塗りのリムジンが駐車する。
その後部座席から出てくる黒スーツの男性が、そのまま喫茶店の入り口のドアを開けて入店した。
入り口で店員と二三、遣り取りをした後に僕の向かいの席に座った。

「私はブレンドを一つ。……お前は何を飲む?」
「同じもので」
「じゃあブレンド二つで」
「かしこまりました」

そう言って店員は店の奥に下がっていった。

「さて、私にはあまり時間がない……。話せるとしても10分だ」
「……10分でも僕には十分な時間だよ」
「そうか」

希望ヶ峰学園の学園長であるあなたと話が出来る時間があるならば。
僕の父さん、霧切仁と親子の会話が数年ぶりに交わされた。

「まずは……入学案内の書類の中にあった"来い"っていう手紙を書いた理由を教えてくれる?」


続く
682名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 13:41:09.88 ID:e2NZrqKR
>>679-681
前半投下終了。

>>646-652
オシオキ以外でスムーズにくすぐれるシチュエーションを考えたら姉弟設定しか浮かびませんでした。
そして書いてる途中でスレ見たらバレンタイン待ちという仕打ち。
姉ギリ後半を投下してバレンタインネタを作ったとしても、14日は過ぎていると思われます。
683名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 13:42:20.04 ID:F+xSjlP+
>>680
だなw
普通サイズ以上で嬉しいわ
684名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 15:15:43.70 ID:y+m9qeoe
>>682
乙!
姉弟設定とは新しい…
続きに期待
685名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 16:26:10.95 ID:AyQ3aFfS
まさか乳程度のことでムキになられるなんて
686名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 16:27:23.82 ID:TvHaozSS
>>685
恥ずかしい奴だなお前は
687名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 16:28:17.44 ID:AyQ3aFfS
688名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 16:40:53.84 ID:kWlzuAlt
        キリッ       __________________
       ∧_∧    /
      (`・ω・´)彡<   まさか乳程度のことでムキになられるなんて
   Σm9っ   つ   \__________________
       人  Y
      し (_)

  ┏━━━━━━━━━┓
  ┃       ∧_∧     ┃
  ┃.     (´・ω・` )    ┃
   ∧_∧⊂   9m)   ┃
  .(    .)   Y  人     ┃
 ⊂>>   フ   (_入_|   ┃
    人  Y ・━━━━━━┛
  (_入_|
689名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 16:56:03.03 ID:DSEqCPXG
胸のことを言われるとムキになる霧切さんとな?
690名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 16:57:44.71 ID:AyQ3aFfS
キリッ
691名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 17:00:04.74 ID:+c1QjPM2
普通サイズくらいだから霧切さんはムキにならんだろう
692名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 17:05:12.37 ID:DSEqCPXG
舞園さんと1cmしか違わないのにあの見た目の違い
そこを苗木君の前で指摘されると…?
693名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 17:33:04.23 ID:X0aXPEjC
服が違うしなあ
スリーサイズじゃ普通くらいあるじゃん
アンダーもあるし
694名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 18:13:35.37 ID:DSEqCPXG
むう…確かに
踏まれてきます
695名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 18:19:41.09 ID:TR38fREL
CカップとEカップくらいの差
まわりがでかいから気にするってことは可能よ

あるゲームではおっぱいゲーだったから
そこそこあるキャラが自分のおっぱい気にしてたりする変な状態になってたこともあるし
696名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 19:12:16.12 ID:Ew6cIoWS
>>682
GJ!
ここからくすぐりネタに繋がるのか…楽しみにしておくぜ
697名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 21:32:22.91 ID:qcNI2M9s
えらく伸びてると思ったらまたおっぱい談義か貴様等!
何度でも言おう、大きかろうが小さかろうが霧切さんは超高校級の美乳だと
698名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 21:50:11.59 ID:JqYJByS1
>>697
何を…言うのよ…///
699名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 22:54:31.25 ID:lpxoUv7b
あえて言わせてもらおう

   、                    ,   ´ ̄ ̄\___, ヘ、
   \      厂\        ̄ ̄ ̄\ . : : : :/. : : : . .
 \_丿    ヽ  ヽ         / ̄ . : : : : : : : : : : : : : . .
ヽ、    ,.ヘ    |    \      _/ / . : : : : /   /. : : : : : : . .
、__,二二.、_丿   l ∧  \     ̄ ̄厂. : : : / .:ト /. : : . \ : : : : : : . \
  ,-、_, ヘ   / /   \  \_,  / . : : :/  /: :| /∠二、: . \: : : .\: : .\
  ー⌒ヽ_丿/ /──ヘ\   匸_l :/:/ 、 : |:∨/⌒ヽ 厂ヽ: . \: : : .\'⌒
   ,-、_, ヘ/ /ー ⌒ ー丿ハ  〉 ┐|/ //.:.∧: |ノイ、'__ノ /   ∨'⌒〉\: : .\
   ー⌒ヽ__丿厂 ̄ ̄ ̄ ′/ / / |:  .:/ ∨ ′          ヽイ: : .卜: : : .\
   〈 卜-ヘハ lコ lコ lコ 厂 / /─ヘ.┬;≧=、     _       ∧: : ノ\厂 ̄`
     ┌ | | | 「| 「l 「| |  / / 厂〉 |人|人'丿、 /´厂ヽ     /  ヽヘ、___
    」 L」 | l | 凵 凵 | |ノ /|└┘/ ∧: :\ └イノ⌒|   /   ///////
    ^⌒ ー′ ̄    L.」 ー'  ⌒/ / ∨'⌒> 、V__.ノ   /    ///////
                           ̄             ` - イ   ///////
「女の子は胸よりお尻だよ!」


>>682
なにこのかわいい姉弟
しかし困ったな、姉妹じゃ結婚できないじゃないか
700名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 23:36:16.26 ID:qcNI2M9s
禁断の愛でもいいじゃない
701名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 01:41:20.11 ID:HefXj5O9
>>682
GJ
別にホワイトデーにバレンタインネタが投下されても
全力で萌えさせていただきます

続き期待です
ありがたやありがたや
702名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 05:47:53.37 ID:k+AY5EGg
>>699
胸と尻は共存できるからそういう主張はどうでもいいんだ
703名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 10:10:11.70 ID:sOId6Wg3
霧切さんのお尻は至高
何かの拍子で倒れこんだ霧切さんに馬乗りになられたい
704名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 12:36:51.29 ID:87nhd4pS
つか胸をまともに見せてないってだけだな
お尻が至高も糞もない
705名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 12:46:49.38 ID:BnKkxej7
>>703
ゴミ捨て場に落下してきた霧切さんのちょうど真下に苗木君が
→苗木君をクッションにしてて馬乗りの姿勢で着地
というわけですね
706名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 16:04:58.24 ID:9uJJONg7
いいじゃないか
空から降ってくる女の子ってヒロインだよね
707名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 16:06:31.24 ID:YtZT/vtQ
それならおっぱいで顔で受け止めたいわ
708名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 18:08:39.16 ID:YsTbG8dY
巨乳好きによる霧切さんの脱貧乳計画
709名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 20:31:20.18 ID:g9L9Jbvu
馬乗りもいいが、何とかして霧切さんを苗木君の膝の上に座らせる方法はないものか
710名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 22:44:34.98 ID:sOId6Wg3
酔っ払ったりすればあるいは…
というか酔っ払いでもしないと流石に難しそうだな
711名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 23:37:04.29 ID:wfpSyySj
>>708
貧乳かは知らんが揉んでより大きくしてみたいと思っている
712名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 23:41:34.70 ID:9uJJONg7
>>711
>>183だそうだ
つまり……苗木君、ここまで言えばわかるわね?
713名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 02:39:09.33 ID:/4Q+AdX4
そんなレスあったのかwww

霧切さんが誘うときはやはり>>712の感じなんだろうか
714名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 10:06:04.22 ID:mdgwfUde
・チラッチラッと無言のまま視線で訴えかけてくる霧切さん
・「ここまで言えばわかるわね?」な霧切さん
・包み隠さずズバッと要求を口にする霧切さん
・有無を言わせず苗木君を押し倒す霧切さん

好きなのを選びたまえ
715名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 14:22:22.56 ID:sYrrTfv5
目で訴えかける霧切さん
→苗「どうかしたの、霧切さん?」
→霧「…わからないの?」
→苗「うん…ごめん、わかんないよ(朴念仁)」
→霧「だから…あなたに…その…(素直に言葉にできない)」 苗「?(朴念仁)」
→業を煮やして押し倒す霧切さん
716名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 18:04:40.32 ID:cQ0WEHS7
そういう時は結構ストレートに言いそうな気もする

「苗木君…○○して欲しいの…」と

※○○には各自で好きな言葉を入れてね!
717名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 18:32:30.96 ID:fmSuB9gi
キスしてほしいの…
やばいなこれはやばい
718名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 20:24:44.07 ID:sYrrTfv5
いつもと変わらないごく自然な口調で、さらっとお願いを口にするんだけど
ふと霧切さんの方を見ると、その顔にはほんのり朱が差していて
そしてこちらを熱っぽい視線で見つめ返していたりするわけだな…
719名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 22:29:32.93 ID:cQ0WEHS7
霧「苗木君、お願いしたいことがあるの」
苗「え、何?」
霧「キスして欲しいの」
苗「うん……ん?」
霧「……」
苗「……」
霧「……」
苗「え…えぇぇっ!?」
霧「……嫌なの?」
苗「い、嫌なんてことはないけど、その……!」
霧「そう。なら良かったわ」
苗「だ、だけど……いきなりで……心の準備が……」
霧「……あなた、さっきは躊躇いなく『うん』って言ったわよね?」
苗「それは……その、霧切さんがさらっと言うもんだから、つい……」
霧「今更、後には退かせないわよ。わかるわね?」
苗「ちょ、ちょっと、待……!」
霧「んっ……」
苗「ん……んんんんっ!?」

とか、そんな感じですか
720名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 22:37:31.83 ID:fmSuB9gi
すばらしい
721名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 23:32:18.53 ID:7nrR9TeL
ふむ…詳しく聞かせてもらおうか
722名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 00:05:58.46 ID:GHz5fZKa
続き待機余裕
723名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 01:30:40.15 ID:Nd8dT5HV
苗「ハッ…!僕はなんて夢を見てしまったんだ…」
724名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 06:39:05.78 ID:nBwdHui8
出来上がったら流れの趣旨と外れた物になったでござる


霧切「苗木くん?私にキスしてくれないかしら」

苗木「えっ!?ちょ、どうしたの、なんでいきなり?霧切さん!?」

霧切「さあ?どうしてかしらね。」

苗木「そ、そんな…どうしてって…」

霧切「…私とキスは嫌?」

苗木「そ、そんな事無い!全然そんな事無いんだけどさ…!」

霧切「そう…苗木君は何か特別な理由が無いと、私と過度な接触したくないのね…」

苗木「そ…そんなことは…!」
    (どうしたんだろう…霧切さん…。昨日一緒に見た映画に影響されてるのかな…)

霧切「…」

苗木「(…ボ、ボクがいつまでもうじうじしてるから霧切さんから誘って来てるんだ!
     これは男として恥ずかしい…。多分恥ずかしい事だ!)」

霧切「…プっ!」

苗木「(あんなクールな霧切さんにここまで言わせるなんて
    ボクはなんて情けない男なんだ!)」

霧切「ふ、フフフ。苗木くん!顔真っ赤にして必死に考えこんで!また騙されたわね…! クスクスクス」

苗木「(大丈夫。キスシーンなら昨日映画で見て予習済みだ!できる!やれるぞ!)」

霧切「昨日映画であったでしょ?「意味のわからない無理な要求を迫られる」シーン。
    苗木君ならどういう対応をするか見てみたかっただけ。
    …でも下を向いて固まるなんて対応としては下の下ね。できる探偵ならもっと…」

苗木「霧切さん!」 ガバッ

霧切「え…ちょっ…!?…ん、んむぅ…!」

(省略されました。全てを読みたい方はホイップ!ホイップ(ry
725名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 06:53:40.96 ID:TfQPeP32
ホイップ!ホイップ!モンゴリアン!
726名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 08:34:57.02 ID:45oZPSIb
ホイップ!ホイップ!モンゴリアン!
727名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 11:12:47.25 ID:x7LoS3Od
ホイップ!ホイップ!

ANOTHER原作本読んだんだけど、主役とヒロインが実にナエギリっぽくて2828した。
728名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 14:15:24.41 ID:9+JPDbll
からかうつもりが逆に振り回されてしまう霧切さんか…良いな
729名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 18:25:49.87 ID:+ND3rcYi
この後赤くなりながら怒り出すか
あるいは真っ赤になって俯いてしまうのか
それが問題だ
730名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 21:07:03.27 ID:Kl0yYs6c
>>729
確かに問題だ
だがどちらも至上であり選べない…
それこそが真の問題
731名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 21:08:06.30 ID:45oZPSIb
努めて冷静に苗木君を叱ろうとするけれど動揺してカミカミになる霧切さんで
732名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 21:52:43.06 ID:Nd8dT5HV
その場では気丈に振る舞うが、自分の部屋に戻るとニヤニヤしながら布団で足バタバタ切さんがいいです
733名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 22:51:59.37 ID:Ga66qb5V
霧切さんに潤んだ瞳で「お願い…もう一度して…」なんて言われたりしたら俺は
俺は
734名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 23:53:54.61 ID:9+JPDbll
たぎるじゃないか…
735名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 03:15:12.23 ID:kHtMc3EH
バレンタインをすっかり忘れてた
霧切さんが送るのか苗木くんが送るのか
交換という選択肢も合いそうだ
736名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 08:29:03.43 ID:nryAkTCN
「バレンタインにチョコを贈る? 企業の宣伝活動に乗せられるなんてくだらないわ」
などといいつつドキドキワクワクしながら密かに準備をする霧切さんで
737名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 11:03:25.24 ID:+OcYa06Y
可愛らしい紙袋を持った女の子を何人も見かける

みんな断られてしまえ
738名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 12:29:22.90 ID:4zMpcGN8
霧切さんが溶かしたチョコに手を浸してチョコレート製の手袋に
そしてそれをペロペロと舐めとる苗木君

などという妄想を平日の昼間からしてしまった
739名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 16:58:33.38 ID:KeqZr+oy
>>738
けしからん、続けなさい
740名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 18:52:30.80 ID:5eGhRG8Q
天才か…
741名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 19:13:46.17 ID:j986UQpz
苗木のことだからきっとチョコでコーティングした手を見せても…

苗木「わっ!霧切さん、一体どうしたの?手がチョコレートまみれじゃないか!」
霧切「これは…。」
苗木「すぐに洗い流さないとかぶれちゃうよ!さあ、早く!」
霧切「いや、そうじゃなくて…。ちょっと苗木君、私の話を聞いて…苗木くーーーん!!!」

数分後

苗木「ふぅ、綺麗になった。良かったね、霧切さ…あれ?霧切さん、どうかしたの?」
霧切「別に…。」

こうなると思う
742名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 21:41:02.94 ID:4zMpcGN8
まあこの二人は健全なくらいが丁度いいかもな

ところで健全でも不健全でも甘いやつを誰かが書いてくれるのを待ってるんだが(チラッチラッ
743名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 22:11:35.10 ID:9bZZgxTZ
>>741
霧切さんの手は元から……というツッコミをしてもよいか迷う
744名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 22:53:49.49 ID:nryAkTCN
>>742
言いだしっぺの(ry
745名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 23:42:50.09 ID:qHCXk3VA
>>743
なあに
火傷のことを知りつつ気遣う苗木君&そんな苗木君に呆れつつもちょっと嬉しそうな霧切さん
という方向に発展できるから問題ない
746名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 08:33:15.53 ID:ZWm4vEfQ
ところで>>681の続きはまだかのう
747名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 12:47:09.82 ID:CMQoB/vv
まあゆっくり待たせてもらおうぜ
748名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 15:17:05.63 ID:n7XOQlW1
霧切さんを苗木の家族に会わせてみたい
749名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 16:00:15.38 ID:EBUxPG/f
>>748
普段の苗木にはジャイアニズムを発揮できるくせに家族の前だと緊張して借りてきた猫みたいになってる霧切さん。
清楚で可憐で大人しい彼女の登場にお祭り騒ぎの苗木家と苦笑いの苗木。
でも苗木との言い争いでついついボロが出ちゃう霧切さん。
涙目の霧切さんとなおさら苗木家に気に入られて恥ずかしそうな霧切さん。
ああ霧切さん霧切さん。
750名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 18:59:01.34 ID:jZD3hJ4M
み、みたい

新しいパターンじゃないかっ
751名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 20:14:33.03 ID:CMQoB/vv
久しく知ることのなかった暖かい『家族』の雰囲気に思わず気が緩んで、
うっかり苗木ママを「お母さん」と呼んでしまって赤面する霧切さんとかありませんか
752名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 21:58:38.19 ID:ZWm4vEfQ
アリだな
うん、アリだ
753名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 22:51:48.81 ID:RvbBLQtg
思いついてしまったので載せてみます。他の作品ができるまでの時間つぶしにどうぞ。
甘いというか、方向性が間違ったきがするバレンタインネタです。


 その年のバレンタインはいつもよりちょっとだけ浮かれていた。
 バレンタインデーという日はどんな、高校生男子にとっても緊張する日だと思う。
どれだけのチョコをもらえるか、意中の人はいったい誰にあげるのか、みんな不安でしょうがないと思う。
ただ、この年の僕は期待でどきどきしていた。
なぜって、いままでの人生で初めて彼女ができた後に迎えるバレンタインデーだったからだ。

 僕の学校は、ちょっと特殊な学校で超高校級の人材ばかりが集められている。
当然の事ながら、アイドルやタレントなんかもいるわけであり、バレンタインともなると
沢山のチョコが郵送されて来る事になる。誰が誰にチョコレートを渡したという本当なら微笑ましい程度の
ネタが、本当に週刊誌に載ってしまうネタになるので、学校でのチョコの受け渡しは禁止になっている。
それでも、クラスの女子全員から男子全員へという名目で、きらきらに包装されたいくつものチョコを
ありがたく頂いた。それらは、もちろんうれしかったが、僕は他の人からチョコを受け取る間もずっと、
本命の方が気になっていた。

 そんなわけで、僕が彼女である霧切さんから、チョコを受け取ったのは、寮の自分の部屋に着いてからだった。
「今日は大変だったわね。みんな苗木君の所にチョコを渡しに来て」
椅子に腰掛け、いつもの様に紅茶を用意したところで、霧切さんが冷静につぶやいた。
「僕のところってわけじゃ無いと思うけど」
「あなたは、観察力が足りないわね。いい、今あなたのカバンに入っているチョコを良く見ることね。
山田君や石丸君がもらっていた物とは、ラッピングの凝り方も大きさも違う事に気づくはずよ」
「そ、そんな事ないよ。それに、僕より不二咲君の方が人気だったし」
「あの子は特別よ。どっちかと言うと、友チョコに近いもの。あなたに渡していた人の中では、
特に舞園さんの気合いの入り方は危なかったわ」
霧切さんの眼にはすごく力が入っている。今にも僕に掴みかからんばかりだ。それよりも、気になったので聞いてみる。
「ずいぶん僕の方見てたんだね?」
そう聞くと、霧切さんは急に頬を赤らめて、
「そ、それは、わ、私の苗木君に他の女の子がチョコを渡してるんだもの、き、気にならないはずないわ」
その言葉だけで、こっちまで赤くなるほどの破壊力だった。
754名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 22:53:01.09 ID:RvbBLQtg
「霧切さんからのチョコは無いの?」
あの後、何となく恥ずかしくなって無難な話を続けてしまった僕たちだったが、しびれを切らして自分から聞いてみる事にした。
「え?あ、あのね、苗木君」
「霧切さんからのチョコ欲しいな〜」
「私、自身が無いのよ。自分じゃみんなのように上手く作れないし」
「別に、いいよ。霧切さんがくれるって事が大事なんだから」
「で、でも」
どういうわけだか、霧切さんは渋ってなかなかチョコを渡そうとしてくれない。
放課後僕の部屋に来たって事は準備はしていると思うんだけど。

「誠君コレ!」
そう言って、霧切さんが差し出したのは、何の包装もされていない。
コンビニで売っているような板チョコだった。
……まじか。
 正直期待していただけ、ショックだった。いくら霧切さんが料理が苦手だとしても、
チャレンジくらいしてくれていると思ったのだ。ビターチョコを作ろうとして、ものすごく苦くなったり、
ミルクを入れ過ぎてべちゃべちゃだったりしても、ちゃんと食べようと思っていただけにショックだ。
「あの誠君、怒らないで聞いてくれる?私だって昨日頑張って作ろうとしたのよ。でも、
絶望的に料理が下手で、苗木君が体調壊してしまいそうな物しか出来なかったのよ」
 ちゃんと作ろうとはしてくれたんだ。
僕は少しだけ落ち着いた。そうだよな、霧切さんにも苦手な事位ある。残念ではあるけど、
霧切さんからのプレゼントだし喜んで頂こう。そう思った僕に、霧切さんは顔を赤くしながら爆弾を落とした。
「だから、これを買って来たの。ごめんなさい。その代り、このチョコを好きに使っていいわ」
「好きに使ってって?」
「だから、その。これを好きな食べ方していいって事よ。その、私に食べさせて欲しいとか。そのチョコが無くなるまでどんなお願いでも聞くわ」
755名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 22:53:50.65 ID:RvbBLQtg

「それじゃあ、えーっと、た、食べさせてくれる?」
僕がそう言うと、霧切さんは板チョコを銀紙から出すと最初の一列をパキッと折った。
折った欠片を、手袋越しの指でつかむとそのまま、赤い顔をしてテーブル越しにチョコを差し出して来る。
「あ、あーん」
「あーん」
僕も釣られて赤くなりながら、チョコを口にする。
口に甘い香りが広がる。でも正直言ってそれどころじゃない。僕の目線は霧切さんの手に釘付けだ。
チョコレートをどんどん食べ進めて、軽く手袋を甘噛みして、僕は口を離した。
「それじゃあ、次は」
「へ!?」
どこかボーっとしていた霧切さんに声をかける。
「次は、口移しでいいかな?」
「口、くち移しって、誠くん?!」
霧切さんの返事を聞く前に、僕はチョコレートの包みを剥がすと、強引に一欠けらを折ると霧切さんの小さな口に押し込んだ。
間髪入れずに、その口に唇を合わせる。
「ん〜!ん〜!?」
霧切さんが何か言おうとしているみたいだけど、気にしない。これは、僕のバレンタインのプレゼントなんだから。
チョコは二人の口の間でみるみるうちに溶けていく。
最初の一瞬で、ほとんど溶けてしまったチョコを良く味わうために、僕は舌を奥へと伸ばした。
ぬめぬめと音を立てながら、二人の口の中が混ざり合う。
チョコの甘さと、吐息の甘さと、舌の甘さとが混ざり合って、もう良く分からない。
霧切さんの舌も僕の方に侵入して来て、お互いの歯列をなぞる。そのままの状態でずっと、チョコの味が無くなるまで楽しむ。
 霧切さんの腕が、テーブルの上のチョコに伸びる。片手で強引に包みを破ると、片手で器用にチョコを割り、
一瞬離した口の隙間から放り込み、またすぐに吸いつく。まるで、酸素を求めるみたいに、一分の隙もないくらいにくっ付きあう。
結局僕のバレンタインのプレゼントはチョコを食べ終わるまでに30分以上費やしたのだった。

「まさか、こんな風になるとは思わなかったわ」
ようやく正気に戻った二人が見たのは、チョコでべとべとに汚れたお互いの顔と、散乱したチョコの包み紙だった。
ぐちゃぐちゃになった銀紙が、二人ともどれだけ夢中だったかを表している。
「苗木君、洗面所借りるわね。これじゃ帰れないわ」
そう言って、この場を離れる霧切さんに僕は一言告げた。
「ホワイトデーのお返しの時には、どんな風に食べたいか考えといてね」


終わりです。もっと普通に甘い話にしようと思ったのだが…。
あんまりやるとエロ方面に行くのでこのぐらいで。
756名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 23:27:38.98 ID:Y3Icl5kH

苗木君は早急に爆発するべき
757名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 06:49:25.53 ID:8WkqDwhC
すばらしい!
やはりイチャイチャは良いものだな!
758名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 12:14:34.57 ID:1HNRgo/y
こう、あれだ
普段と二人きりの時とで態度が違ったりすると非常に良い
759名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 15:48:38.86 ID:zsk7fNbK
そして二人きりの時でもちょっとぎこちなくイチャついてたらすると一層いいと思います
760名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 21:29:30.45 ID:1HNRgo/y
同意せざるをえないな
761名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 23:03:13.12 ID:/fFU/Fr/
霧切さんは他人に甘えるのに慣れていないから
きっと二人きりでいちゃいちゃしたい時でも上手く振舞えなかったりすることだろう
つまり相手側が男を見せなければいけない場面…苗木君、ここまで言えばわかるわね?
762名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 23:50:37.27 ID:hq3pV/p5
苗「ごめん、わかんないよ霧切さん」→霧「……」→スネギリ化
みたいな方向をどうしても想像してしまう
763名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 08:36:44.69 ID:6z1wIzJG
>>748
苗木父(この子、なんだか私にだけ冷たいんだけど…嫌われたのか?)
霧切(苗木君のお父さんの声があの人に似ているせいで、ついつい棘のある態度をとってしまう…いけないわね)

みたいなのが浮かんだ
764名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 12:46:12.38 ID:Ph28nZpu
霧切さんはゴミにまみれるのをものともせずに救出に来てくれたけど、
例えば苗木君が火事で逃げ遅れたりしたら→水を被って炎の中に飛び込む霧切さん
苗木君が川で溺れていたら→着衣のまま水に飛び込む霧切さん
なんてこともあるのだろうか
765名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 15:52:53.86 ID:qfowYP/t
ふぅ…
766名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 16:15:44.35 ID:kFQJIbS7
>>764
水に濡れてスケスケになるのも厭わず無我夢中で苗木を助けに向かう霧切さんとな
767名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 16:51:45.08 ID:R9u4pBX4
人工呼吸
768名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 20:48:03.07 ID:6z1wIzJG
霧切さんマジヒーロー
769名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 22:09:03.05 ID:Cr+rIoZy
頭にカップ麺の件といい、霧切さんって何かに集中している時は結構隙があるっぽい気がする
ということで

ズブ濡れになるのも気に留めず、無我夢中で苗木君を救出する霧切さん

救出成功、苗木君の無事に珍しくほっとした表情を浮かべる霧切さん

しかしそんな霧切さんをよそに目のやり場に困ってキョドっている苗木君/理由が分からず不思議そうな霧切さん

ようやく自分がズブ濡れなことに気付いて赤面する霧切さん

的な王道展開を希望します
770名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 23:37:50.57 ID:qe11XF3W
ssにしちゃえ
771名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 23:50:27.23 ID:6z1wIzJG
よいぞよいぞ
772名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 07:10:43.51 ID:w8hZwYVp
>>714
はら○いらさんに全部。
間に合わなかった誰得なバレンタインSS編を投下。


刻む。
一つの塊を半分に、半分から四分割に――。
刻む。
四分割から小さな欠片に――。

刻み続けたソレを沸騰する鍋の中へ入れる。
そして焦がさぬよう泡立て器で掻き混ぜる。


淡々と細かく刻む作業を続けてみたが、ふと猟奇殺人犯の心境がどんなものか考えてみる。
遺体を切断する時は興奮し、言葉通りの快楽殺人者と化すのか。
それとも、私のように一つの作業として淡々とこなす機械的殺人者となるのか。
……どちらにしても思考を働かせすぎると食欲が減退するのは確かね。

鍋の中に残滓がないことを確認し、再び火にかけて加熱する。
湯気と共に甘い香りが漂う。 頃合ね。
携帯電話を取り出して指定したメモリの番号から呼び出す。

『も、もしもし、霧切さん? どうしたの?』

3コール目を告げた時に彼が応答する。
声を聞く限り驚きが半分、嬉しさが半分ってところかしら。


〜 助手への労い VD編 〜


"血のバレンタイン事件"――。

一枚目の表紙に書かれていた表題は何だか歴史の教科書に載ってそうなタイトルだ。
霧切さんに呼ばれて彼女の部屋を訪れることになったが、助手の僕は依頼のファイリングを手伝う傍らで探偵学のイロハを教えてもらっている。

次のページから依頼人との遣り取り、向かった先の日時と場所、事件現場などなど……
バレンタインの日に、霧切さんが学校を休んで何をしていたのかという詳細が事細かに書かれていた。
僕も助手として同行したかったけど、連れてってもらえずに授業を受けていた。

3ページ目を開くと、テーブルに頭を突っ伏して倒れている人の画像が。
思わずギョッとして霧切さんを見ると、無言で続きを読むように促される。
恐る恐る画像の下にある説明文を見ると、そこには「被害者」と書かれていた。

さらに次のページを捲れば霧切さんによる検死が記録されていた。
死因は毒殺による中毒死。
凶器は被害者の飲んだカップに混入された毒物。
それが入っているとも知らず飲んでしまって――。
773名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 07:12:34.41 ID:w8hZwYVp
「しかし、凶器が毒物か……」

一度、報告書の閲覧を中断してテーブルに置かれた湯気の立つカップを見る。

「えぇ、その場にいた私たちにも振舞われた同じものを再現してみたの」
「それがこのホットチョコレート……」
コーヒーの琥珀色の液体より、濃い目のココアを淹れたような色をしている。
「その時はマシュマロやアーモンドが加えられていたけど、まさか青酸カリまで配合していたのは予想外だったわ」
「僕のにも……混ぜてないよね?」
「……探偵が事件を起こすとでも思っているの、あなたは?」

そう言って自分の手に持っているカップを飲みだす霧切さん。
僕の持つカップと同じ中味のホットチョコレートを。

「……ここまでやればわかるわね、苗木君」
「い、いただきます……」

毒食らわば皿まで、もとい毒飲めばカップまで。
僕も覚悟を決めて霧切さんのバレンタインの贈り物を口にした。
でも、素直に喜べないのはなぜだろう――。
774名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 07:13:33.31 ID:w8hZwYVp

――甘い。
始めて飲んだ感想に浮かんだ感想は3文字の言葉だけだった。
具体的にはココアなんかより何倍も甘い。

二口目を飲む。
でも、ホットミルクと絡めたと聞いたのに牛乳の味が全然しない。
溶かしたチョコレートをそのまま液体にして飲んでいる感覚だ。

三口目は甘さの中にほんのりとした苦さが浮かんだ。
霧切さんと目が合うと「ビターチョコレートも混ぜてみたの」と解説してくれる。

「……どうかしら?」
「とっても美味しいよ、霧切さん」

率直に思った感想を口にして再び飲みだす。
チョコの甘さがしばらく残りそうだけど、普段味わったことのない甘さからもっと飲みたい衝動に駆られる。
ココアでもない、カフェオレでも、ミルクティーとも違う甘さと飲み口。
僕はホットチョコレートの虜になっていた。


そして報告書を読み進めると、事件の顛末は霧切さんが容疑者を特定し容疑者は犯行を自供した。
僕も居合わせていたら、きっとサスペンスドラマや推理小説のような展開ではクライマックスの状況だろうけど。
霧切さんの報告書では簡素に一行で"尚、容疑者は抵抗を示すもこれを撃退"と記されていただけだった。

「……犯人が暴れて、怖くなかったの?」
「相手は精神的に追い詰められていた分、動きは単調だったわ。
 刃物を振り回しても大振りだったから、その隙を突くだけよ」

僕だったらきっと腰を抜かして抵抗すら出来ないかも。
……それはそれで格好が悪いと思う。
今度、霧切さんに護身術とかのトレーニングを一緒に出来ないか相談しようと霧切さんの方を見ると何か様子がおかしい。
こう、カップを口元に添えながらチラッチラッと視線だけは何度も僕に送っているようで。

「? 僕の顔に何かついてるの?」
「……なんでもないわ、気のせいよ」
「本当? もしかして体調悪かったりする? なんだか顔が赤いよ」
「カン・ケイ・ナイ」

そういってプイッと顔を横に逸らしてしまう。
……ますます怪しい。

  追求する
→ 追求しない
775名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 07:15:34.11 ID:w8hZwYVp
せっかく僕にご馳走を振舞ってくれた当人の気分を悪くするのはよくないな。
下手な詮索はここまでにしよう。

「ありがとう、霧切さん。それとご馳走様。
 カップは後で洗って返すけど、それでい「苗木君」……は、はい」
「あなたは何も見抜けなかったのかしら?」
「えっ?」
「実はあなたのチョコに滋養強壮剤を入れておいたの。日頃の疲れも一緒にとって貰おうという狙いで」
「えっ」

ドクン、と自分の心臓が強く跳ねるような音が聞こえた。
だんだん心音を刻むビートが早くなってくる感じがする。
いつのまにか手汗も滲み出ている。
ゴクリ、と生唾も飲み込んでしまう。

「フフ、……冗談よ」
「えっ!?」
「思い込みによるプラシーボ効果も、バカ正直な苗木君には効果があり過ぎるわね」
「か、からかっただけなの?」
「……そもそも、そんなものを混ぜたら【飲んだ時点】で違和感を唱えるわ」

ん、飲んだ時点……? 
なんで霧切さんは強壮剤の味を知っているんだ?
チョコに混ぜたら違う味になったって、まさか……!
「気づいたようね、苗木君」
僕の表情を見て何を考えているのかわかったのか、今度は霧切さんがリアクションをする。

「味見はしたけれど、とても人前に出せるものじゃなかったわ」
カップをテーブルに置いて立ち上がる霧切さん。

「じゃあ、僕が飲んでいたのは……」
「そう、本来は私が飲んでいるものだった」

霧切さんが僕に近づいてくるけど、どこか足取りが覚束ない。
けれど、目だけは僕をしっかり捉えていて獲物を逃がさない肉食獣のような目つきだ。
先ほどの昂ぶりから来るものとは異なる、恐怖心から湧き出る生唾をゴクリと飲み込む。

「あなたをからかおうと思ったことでバチが当たったのかしら、おかげでこんな醜態を晒しているわ」
「醜態だなんて……」
むしろ色っぽいです。

「最初は企業の宣伝活動に乗せられるなんてくだらないって馬鹿にしていたけど、本当はトリュフでも作って苗木君に振る舞いたかったの」
「でも、14日から依頼が入って数日会えなくなったね……」
「その依頼を終えて帰宅した時にトリュフの試食をしたけど味の質が落ちているのが気になって出せなかった」
バレンタインはチョコの出来栄えより、贈る人の気持ちの方が僕は大事だと思うけどな――。
776名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 07:16:07.96 ID:w8hZwYVp
「そんな中で依頼の件からホットチョコレートを知ったの。余った材料でも作れたし時間もかからなかった」
「……たとえどんなものでも、僕は霧切さんからチョコを貰えれば嬉しいことに変わりないよ」
「ありがとう、苗木君。そこで提案があるの」

気づけばドアと霧切さんの板挟みにされた状態になっていた。
足も彼女の膝に割り込まれて無理矢理開かされている。
……こういうのって男の人がやる行為だと思うんだけど。

「時は金成りっていう言葉があるように、14日当日の時間は取り戻せない。
 けれど、その日を埋め合わせをする時間は今からでも設けることが出来ないかしら?」
「霧切さんはそれでいいの……?」
「もちろん。拒む理由はないし、拒む気持ちにもなれない……。
 私もあなたという人間に、興味を抱き始めているのかも……」

霧切さんと一晩、一緒に過ごした。





最後の一行の詳細が気になる人はエロパロ板に行ってもSSはありません、悪しからず。
777名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 10:57:31.97 ID:wAX2QQaO
GJ!
わっふるわっふる!
778名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 11:06:40.97 ID:yDwaLdJE
GJ

血のバレンタインか…
確かスペースコロニーが核ミサイル攻撃で破壊された事件だっけ?
779名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 14:35:12.00 ID:2DUahDKw
GJ!
あまーい!
780名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 18:03:58.54 ID:w+jFO+DC
>>776
GJ! ちょっと遅めのバレンタイン、堪能させてもらったぜ
肉食な霧切さんも素敵です

>>778
血のバレンタインつったらあれだろ?
ガスマスクの炭鉱夫がツルハシ振り回すやつだろ?
781名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 21:19:46.35 ID:wAX2QQaO
発情……ゲフンゲフン
もとい、ちょっと開放的になった霧切さんというのも良いものだな、うん
782名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 22:53:57.03 ID:wF3n9pbU
血のバレンタインというとケヴィン・シールズを思い出す

>>776
遅ればせながらGJ!
こういう攻め攻めな霧切さんもいいな
人死にの話の直後に甘々な雰囲気ってのも、ある意味霧切さんらしいというかなんというかw
783名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 23:08:47.50 ID:ch/SK1/q
第5章で大神さんの裏切りをモノクマがばらした次の日に
霧切さん食堂前にいたけどあれは苗木くんに謝ろうとしていたからか?
784名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 23:59:09.96 ID:wF3n9pbU
まあ動機が提示されたことで状況が動くであろうことは予測していただろうし、霧切さんも本心では早く仲直りしたかったのかもしれんね
785名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 10:18:32.23 ID:Zc5PImSI
しかしスネギリモードはその後もしばらく続くという
786名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 13:34:29.07 ID:ofYKF/ut
つまり苗木の不誠実な態度の理由も分かって本当は仲直りしたいんだけど
自分からそれを言い出すことはできない、とそんな状態だったわけだな
かわいいなあもう
787名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 15:23:31.56 ID:zMf5ZgeQ
よく見たら、イベントシーン「男のロマン」でこっちを見ている

まさか、気づいてたのか?
788名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 17:54:33.88 ID:Zc5PImSI
気付いたうえで黙っていてくれる霧切さんの優しさ
789名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 20:12:08.91 ID:zMf5ZgeQ
あの後、苗木が霧切りに呼び出しを食らっていたら

霧切「私の、あ…あんな姿を見たのなら、責任をとってもらわないと困るわ。」
  「苗木君、ここまで言えば分かるわね?」
苗木「え…どういう事?えーっと、その…本当にゴメン!ちょっとした出来心だったんだ!」
霧切「………」→スネギリ化
790名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 20:59:47.67 ID:bqhHgHvx
霧切さんを呼び捨てにするとは不届きな奴
791名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 21:05:45.95 ID:0vuKqvHO
霧切さん、すいませんでした!!
792名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 22:34:58.72 ID:ofYKF/ut
霧「この手袋の下を見せることになるのは…家族になる人だけでしょうね」
苗「そっか…それでお風呂でも手袋してたんだね」
霧「え……?」
苗「……あ」
霧「まさか……あの時、覗いていたの?」
苗「そ、それは……その……」
霧「信じられない……あなたがそんな人だったなんて思わなかったわ……」

みたいに全部最初からわかったうえで苗木君をからかう霧切さんが見えた
793名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 23:41:47.60 ID:DfoARXkE
霧切「罰として…今度は私があなたの入浴を覗かせてもらうわ」
苗木「えぇぇっ!?」
794名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 23:43:01.43 ID:0vuKqvHO
「女のロマン」かww
795名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 01:33:01.39 ID:AJZhJS1Q
女のロマンわろたw

しかしあれだな、霧切さんは誰にも気付かれることなく
平然と覗きをするくらいのスキルがありそうだいや悪い意味じゃなくて
796名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 09:29:30.65 ID:LaZ0HMRa
まあ仕事柄そういうスキルは持っているだろうけど、仕事の外で使うことは戒めてそう
しかし苗木君に興味を抱きはじめてから、彼のことを誰より深く知りたいと思うようになって
そのために自分のスキルを使ってしまおうか…でもそんなことをすれば探偵としての矜持が…
と葛藤する霧切さんの夢を見た
797名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 10:36:13.00 ID:enKj0GIb
一歩間違えたらストーカーだもんな
798名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 12:50:38.52 ID:1u/FtDNH
大分前にあったネタだけど
ホームズがワトソンにするように些細なことから苗木君の行動を推理して一人密かに悦に入る霧切さん
というのを思い出した
799名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 18:50:54.50 ID:LaZ0HMRa
まあ俺的には霧切さんにストーキングされるなら本望ですがね
ハイ
800名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 22:12:20.75 ID:4RsjIvaI
霧「あら、苗木君」
苗「あ、霧切さん! 良かった、丁度用事があったんだ」
霧「私に用事……その手に持っているゴミ袋からすると、トラッシュルームに関することかしら?」
苗「うん。清掃当番、霧切さんだったよね」
霧「ええ。そうよ」
苗「シャッターを開けてもらいたいんだけど、いいかな? ……あ、忙しいんだったら鍵を貸してくれるだけでもいいんだけどさ」
霧「いえ。時間も空いているし、付き合うわ」
苗「本当? 悪いね」
霧「構わないわよ……用事はそれだけ?」
苗「え?」
霧「それだけみたいね。その様子から察するに」
苗「うん。時間は取らせないから、安心してよ」
霧「……そう」
苗「? どうかした?」
霧「別に……何も。それより、早く行きましょう(スタスタ」
苗「あ、ちょっと待ってよ!」

霧(何であんなことを訊いてしまったのかしら、私……あれではまるで彼に構ってもらいたいみたいじゃない)
苗(どうしたんだろ、霧切さん。なんだかちょっと残念そうにも見えたけど……気のせいだよなぁ)


----------トラッシュルーム----------


苗「よっ……と。これで全部かな」
霧「随分貯めこんでいたのね」
苗「うん……ゴミを捨てるにも清掃当番を探さなきゃいけないから、面倒くさくてつい、ね」
霧「気持ちは分からなくもないけれど、あまり感心はできないわ」
苗「ははは……。ま、ともかく後はボタンを押して焼却するだけってことで」
霧「…………」


霧(苗木君の部屋のゴミ、か……)

霧(この学園内で出る部屋のゴミなんて知れたものだけれど……それでも、そこから得られる情報はそれなりにあるでしょうね)

霧(例えば、苗木君が倉庫にあるお菓子の中で何が好きなのか、とか……人となりを知るのにゴミは恰好の情報源……)

霧(あるいは……使い古した歯ブラシだとか、穴の開いてしまった靴下だとか……)

霧(……苗木君の……使った……)
801名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 22:12:47.43 ID:4RsjIvaI
苗「あの……霧切さん?」
霧「……!?」


苗「どうしたの、突然ぼーっとして?」
霧「そ、それは……」
苗「?」
霧「……少し考え事をしていただけよ」
苗「そ、そう?(なんだか妙に嬉しそうというか……こころなしかニヤけてるようにも見えたような……)」
霧「ええ、あなたが気にすることじゃないわ……。ボタン、押すわね」


カチッ


ゴォォォォォォ


霧(まったく……何を考えているの、霧切響子。ストーカーじゃあるまいし)

霧(大体、何故彼に対してそんなことを……? 彼はただの級友で……それ以上でも以下でもないはずなのに……)

霧(いえ、それ以前にそんな真似をしてしまったら、霧切の、超高校の■■の名が……)

霧(……あれ?)

霧(超高校級の……何だったかしら?)


-------------------


霧「……用事は済んだわね。それじゃあ、もう行くわ」
苗「あ、ちょっと待って!」

霧「何? 用事はこれだけだったんでしょう?」
苗「霧切さん、まだ時間ある?」
霧「別に……火急の用は特に無いけれど」
苗「あの、よかったらさ。食堂でもお茶でも飲んでいかない?」
霧「……いいの?」
苗「『いいの』って……ボクが訊いてるんだけど」
苗(なんだか……霧切さんらしからぬ受け答えだな。さっきの考え事と何か関係があるのかな……?)
霧「…………」


霧「……いいわ。丁度、あなたと話がしたかったところだし」
苗「ボクと?」
霧「ええ。偶にはあなたの話も聞いてみたいと思ってね……あなたの、個人的なことについての話をね」
802名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 22:14:24.63 ID:4RsjIvaI
なんか受信してしまったもんで、つい駄文を書いてしまった
スレ汚しごめん
803名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 23:00:44.42 ID:LaZ0HMRa
いやGJだ
2828させてもらったぜ
804名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 23:05:09.30 ID:TMtJDeF9
探偵の名を忘れるなんて…
どこぞの探偵から農家に転職した4人組じゃないんだから
805名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 23:52:17.10 ID:O4iowdZN
>>802
GJ!
葛藤する霧切さん…これもまた良いものだ

>>804
霧切さん、自分が探偵であることを忘れている間はどんな心理状態だったんだろう
「もしかして私は探偵じゃ?」と思わなかったんだろうか
死体とか検分してる最中に
806名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 08:34:46.93 ID:7OevQE/6
霧(私ってもしかして探偵じゃ…?)

霧(でもハズれていたら恥ずかしいから黙っておくことにしましょう)
807名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 12:42:17.01 ID:7pF6sqgC
苗「霧切さんって、なんだか探偵みたいだね」
霧「…別に。この程度のことなら誰だってできるでしょう? 常識の範囲内よ」
苗「いやいやいや」
808名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 16:14:17.89 ID:WiQU054X
なぜだろう
霧切さんならそんな台詞も言いかねない気がするのは
809名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 19:53:19.22 ID:7pF6sqgC
まぁ若干ズレたとこあるしな、霧切さん
810名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 22:16:15.51 ID:wkmiM4mX
ふと思ったんだ
霧切さんが「鍵が開いていたから」と苗木の部屋に入って枕元に立っていたことがあったよな?
あの時本当に鍵は開いていたんだろうか?
もしかしたら霧切さんが針金か何かで開けたんじゃ……いや、何でもない。忘れてくれ
811名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 22:21:24.78 ID:iuc0aqix
各個室のドアの鍵にはピッキング防止加工が施されてるんじゃなかったっけ?
812名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 23:03:57.31 ID:wkmiM4mX
あ…そういやそうだった
あらぬ疑いをかけてしまってごめんよ霧切さん
813名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 23:23:06.60 ID:uaB/PlDZ
え?
マスターキーじゃなかったの?
814名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 23:56:36.97 ID:pKxNqB3g
いや、マスターキーを手に入れる前に一回あったでしょ
たしかマスターキーを取りに行くための陽動作戦の時
815名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 08:32:26.08 ID:Fm/ldxms
1章の捜査の時を別にすれば、苗木の部屋に入ったことがあるのは霧切さんと舞園さん、あとは石丸くらいか
816名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 14:24:47.34 ID:khICwV34
マスターキーを使って夜這いをかける霧切さん
817名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 15:00:19.93 ID:0S2ti4dg
>>679-681
姉弟SSの続きを投下


"来い"

希望ヶ峰学園から届いた封筒の中にあった一枚の紙切れ。
誓約書みたいな署名を記入する欄が一つもなく、その二文字だけが書かれていた。

最初は書類の誤送か何かと思って、電話で問合せ先の学生課に確認をとってもらった。
そして保留中に流れるメロディの後に応対した人が学園長の父さん本人だったわけだ。
予想外の展開に僕は戸惑っていると、父さんの方からここで会うように指定してきた。
「詳しいことはその時に話す」って一方的に電話は切られたけど。


僕らの席のテーブルにブレンドコーヒーが2つ置かれた。
お互いソレに手を付けず、カップから浮き出る湯気だけが浮いている。

「まず、その書面は本当に私以外の人が書いたものだと疑わなかったのか?」
「それは……思わなかった」
「……その理由を聞かせてくれるか?」
「学園長という立場が忙しいから、かな。
 回りくどいことをする手間すら時間がないと思ったから」

だからこそ僕が確認の電話を入れたら父さんが出てきた。
まるで、僕が父さんの用意したシナリオ通りに動いてくれるように。

「ふむ……。やはり探偵の素質はサッパリのようだな」
「サッパリって……」
「他人の裏側を覗き込んで背面を盗み見て、一切の未知を許さないのが探偵だ」
吐かれる溜め息と共に、どこかで安堵しているのか口角が上がっている。

「僕に探偵の才能がないってことがわかってるなら、どうして姉さんと一緒に呼び寄せたの?」
「それは……お前にも利用価値があると思ったからだよ」

今まで僕が見たことのない父さんの顔を始めて見たような気がした。
実の息子と言えど、値踏みをするようにひどく鋭い目つきで。
「第二のカムクライズルを生み出す鍵としての、な」

第二のカムクライズル? 鍵だって?
頭の上で「?」が次々と浮かぶ。
父さんは少しだけ僕の方に顔を近づけて小声で話す。
どうやら、あまり周りの人に聞かれると都合が悪い話らしい。
818名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 15:01:58.26 ID:0S2ti4dg
「要点をまとめるとこうだ……。そいつは"超高校級の希望"なんて呼ばれる凄い人間を作り出す計画でな。
 カムクライズルってのも、学園は総力を挙げて研究をして育て上げたあらゆる才能を身に付けた超人を作り出したんだ」
「はぁ……」
とにかくそのカムクライズルっていうのは凄い人らしいことだけは掴めた。
「そいつがどこの誰で男か女かは秘密だけど、第2のカムクライズルを作るっていうプロジェクトもあってな。
 ……その候補に響子が浮かび上がったんだ」
「ね、姉さんがっ!?」
「今は"超高校級の探偵"ではあるが、この環境に置けば"超高校級の希望"に覚醒を促せる可能性があると思ってな」
「そうなんだ……。でも、なんで姉さんに白羽の矢が立ったのさ?」
ネットの掲示板で判明している人達ではなく、なぜ表沙汰にされない姉さんなんだ?

「霧切一族の逸材と呼ぶにふさわしい才能だったからだな。
 だが、私個人としては探偵という存在に囚われる必要はないって思っているからさ」

今度は顔の前に組んだ両手を置いている姿勢なりながら父さん続きを語る。
何だか昔見たロボットアニメの司令みたいだ。

「探偵というのは事件が終わるまで何もできない……。もしくは事件になる前に解決することができない」

声に抑揚はなかったけど、苦虫を噛むように悔しそうな表情を浮かべている姿に僕は見えた。

「つまり……、僕は姉さんが"超高校級の希望"になるためのキーパーソンだったりするんだね?」
「そうだ。ゆくゆくはカムクライズルとの間に子供を授けてもらって、生まれてきた子供により効率的な"超高校級の希望"を生み出す教育を受けてもらうことにするのが目的の最終地点だ。
 どうだ、わかってくれたか……?」

その言葉からカムクライズルっていう人が男の人だってことは僕でもわかることができた。
819名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 15:04:46.42 ID:0S2ti4dg
でも――。

「そんなの、そんなのわかるわけないよ……!」

太腿の上に置いていた両手が震えている。
実の子供達を自分の目的のために道具として利用する父さんに――。
そんな父さんを止める術がなく、歯車の一つとして扱われる自分の無力に――。
僕は憤りで震えていた。


「だったら、立候補するか?」
「……へ?」
「お前も"超高校級の希望"に」

思いもよらない提案に僕は素っ頓狂な声を出してしまう。

「生まれや育ちだけで全ての才能が発揮するとは限らない。土壇場の状況になって真価を発揮するような才能のケースだってある。
 今は何の才能も開花していないお前も、案外そのタイプだったりするかもな」 

そう言っておもむろに僕の頭をくしゃくしゃと撫で回す父さん。
「やめてよ父さん、恥ずかしいよ……」

――嘘だ。
本当は子供の頃から大好きだった仕草の一つなのに。
もっと撫でて欲しくてぐずっている子供と一緒じゃないか。

「そうだな、すまん。お前の成長した姿を見れたものだから、つい嬉しくて昔のようにやってしまった……」
「べ、別にそこまで怒っているわけじゃないから気にしなくていいよ」
「……誠。気づけばお前も大人の仲間入りをしていたんだな」
「な、何を突然言い出すのさ。年齢的にもまだまだ子供じゃないか」

もっと撫でてください、って言える雰囲気じゃなくなってきた。

「そうじゃないさ。一人暮らしをしながら高校に通うようにしたのは自分から申し出だったんだろう?」
「えっ、父さんは知っていたの?」
「あぁ。仕事が忙しいから知り合いの興信所に頼んで調査結果を聞くだけのレベルだけどな」

なんだか、こういうところは実に探偵一家らしい。

「一人暮らしを選んだのは叔父さんと叔母さんにあまり迷惑をかけたくなかったって理由からなんだろ?
 ……お前から見れば私は家とお前達姉弟を捨てた男でしかない。それでも見守りたかった気持ちが抑えられなくて、な」
「まさか、一人暮らしの援助をしてくれていたのって父さんが……!」
「その辺の事情はノーコメントってことにしてくれないかな? それよりも大事なことは誠が大人になっていることだ」
「大人……」
「自分で考えて、自分の意思で行動すれば大人の仲間入りだと私は思っている。
 もちろん、響子も自分の意思で探偵になったことを知っているから一人の大人として対応するさ」

そう言って腕時計の時刻をチラリと見た後、眉を顰めたのだった。

「本当はもっと時間を設けて話をしたかったけどな……。
 誠、宿題だ。お前は明日までに自分の戸籍謄本を調べて来い」
「えっ?」
「市役所に行って取り寄せたら、次は民法を調べてくれ。817条だ」
父さんが支払伝票の紙を持って席を立つ。
「父さん!」
「時間だ。続きは入学式の後で! ……なんてな」
820名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 15:06:22.14 ID:0S2ti4dg
そう言って足早にレジにお札だけを置いて、待たせていたリムジンに乗って走り去っていった――。
実に数年ぶりの親子の再会はあっさりと、それでいて宿題が出るという妙な形で終わった。


続く


次回、スーパーアネギリタイム。
家族=何でも許されるという解釈したが故に、とんでもない内容に。

忙しさと遅れたバレンタインSSの製作を進めた理由でアネギリSSがかなり遅れてしまいました。
どうもすいません。
もう少しアネギリSSにお付き合いください。
821名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 17:01:55.86 ID:khICwV34

なんかえらいことになってるなw
続きに期待
822名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 20:46:20.86 ID:jl7ijH2Z
乙!
続き待ってるぜ
823名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 21:01:11.29 ID:r/lHsnU/
>>815
腐川さんが抜けてる
824名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 22:34:02.19 ID:Fm/ldxms
>>820
乙乙
ここからどう転がるのかさっぱり予想がつかんな…期待してるぜ

>>823
すまん
すっかり忘れてたよ
825名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 23:51:17.85 ID:MTm/ojW0
十神が霧切さんの部屋の鍵を取り上げた時は、絶対苗木君の部屋に霧切さんが転がり込んでくる展開になると思ってたのに
思ってたのに
826名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 08:15:14.41 ID:61/+A8A7
同棲生活とな

まぁみんな期待するよな、あそこはw
827名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 12:37:39.03 ID:tp9X6RRp
シングルベッドを二人でシェアするのか
それとも苗木君が床で寝ることになるのか
828名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 16:23:05.71 ID:2NnULOpk
ベッドに入る霧切さん
「苗木君、ここまですればわかるわね?」

「そうか、わかったぞ!」

床に布団を敷く苗木君

不満顔の霧切さん
829名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 16:31:08.58 ID:zsggtJdK
そこは苗木君の布団にルパンダイブする霧切さんだろ
830名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 18:37:27.10 ID:KYxynQdp
想像したらワロタwww
831名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 20:37:17.70 ID:tp9X6RRp
苗木君に飛びかかりつつ空中でスポーンと脱衣する霧切さんか…
832名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 22:12:24.91 ID:AkVbht7V
暗転→枕を涙で濡らす苗木君と煙草を吹かす霧切さん

まで見えた
833名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 23:27:43.67 ID:tp9X6RRp
そんな男前なw
834名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 00:10:08.52 ID:vX/DqEHY
霧「……」スパー
苗「シクシク……」
霧「シャワー室で二回戦よ」
苗「シクシク……」
835名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 00:52:43.99 ID:husRYTyS
>>834
ありだね
続きはエロパロで!ってかんじだな
836名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 08:27:23.01 ID:Wh5Uvo8L
俺としてはだな
逆に苗木君が若さゆえの暴走で霧切さんを押し倒してしまった時の霧切さんの反応が見たい
837名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 12:31:02.08 ID:Iumo/euw
@「何のつもり? どきなさい」と背筋の凍るような声で凄まれる。
A無言で投げ飛ばされる。その後しばらく口をきいてくれなくなる。
B怖くなって反射的に苗木を投げ飛ばした後、その場を逃げ出してしまう。
C虚をつかれて動転し、何もできない。
D頬を赤らめながらそっと眼を閉じる。
838名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 16:21:52.58 ID:D5MKlFPo
Dも捨てがたいけどCだな。うむ。。
839名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 17:52:44.57 ID:NcFKxm/0
願望抜きで考えると@とAだな
840名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 19:19:57.03 ID:Wh5Uvo8L
好感度+シチュエーション次第ではDもありえるはず…!
841名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 19:35:32.60 ID:ws12gNdu
「なんのつもり?どきなさい」
「そこに正座なさい」
「なにをやろうとしたのかしら?」
「性欲に支配されて暴走するなんてあなた猿なの?
 今度から猿と呼ぶけど構わないわね?」
「なに?猿」
「黙りなさい猿」
「…さっきからどこを見ているのかしら?
 私が足を組み直すたびにチラチラと視線を感じるのだけど」
「…苗木くんとは仲良くなれると思っていたのに、ただの生殖猿だったなんて…」
「生殖猿に正座は早いわ。4足歩行でもしたら?」
「あなた、…なにかまんざらでも無い顔してない?
 なじられて喜ぶなんて猿以下じゃないかしら。」
842名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 20:01:58.75 ID:eWdNef6i
なんか戦場々原さんみたいだなw
843名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 20:53:56.85 ID:Iumo/euw
…あれ? これ御褒美じゃね?
844名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 22:43:38.19 ID:IC5xLiUa
も…もっと罵って下さい!
845名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 23:45:17.21 ID:D5MKlFPo
エスギリさんに罵られるなら、クールな俺も喜んで生殖猿やめるわ。
846名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 23:48:49.47 ID:f0bsJEn0
Eいつの間にか苗木からマウントを取り返している

苗「あ、あれ…?」
霧「まったく、苗木君のクセに生意気ね。こんな真似をして…どう落とし前をつけるつもりなのかしら」
苗「ご、ごめん…つい出来心で…」
霧「言い訳は聞かないわ。おしおきよ…覚悟しなさい」
苗「え、ちょ…待…アーッ!」

みたいなのはありませんか
847名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 03:11:44.09 ID:hpF+75fj
…アリだな
848名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 12:13:25.06 ID:1/Q090Jd
ここはドMなインターネッツですね
849名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 13:02:40.74 ID:L+29pLPW
やっと追いついた・・・

一年以上経つのに今だ活気がある霧切さん、さすがです
850名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 16:09:22.65 ID:aAQenuWp
霧切さんにてへぺろを強要したい
851名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 16:30:53.78 ID:RlwQaEXt
youtubeの日笠陽子さんに罵ってもらいましたって動画が霧切さんっぽくて興奮した
852名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 19:01:12.57 ID:1/Q090Jd
見てきた
なるほど…これはなかなか…
853名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 20:40:50.17 ID:hpF+75fj
そういや本編でも葉隠が霧切さんに「気持ち悪いわ」と言われてたな
葉隠のくせに生意気な
854名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 22:22:53.60 ID:/MkeRcK4
あれ、そんなのあったっけか?
855名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 23:27:09.26 ID:l9T72RvE
>>853
ちょっとやり直してくる
マジだったら葉隠ゆるさん

ただ俺の苗字ハガクレに近いから
脳内変換次第では…グヘヘ
856名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 23:30:28.20 ID:hpF+75fj
三章の捜査パートで、ロッカーに詰められた葉隠が発見された時ね

霧「呼んでも起きないから蹴っ飛ばして起こしたの」
葉「もっと優しく起こしてほしいべ!」
霧「…気持ち悪いわ」

てな感じのやりとりが
857名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 23:35:52.17 ID:NUybFDLL
ちょっとジャスティスロボ入ってくる
858名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 23:42:18.83 ID:l9T72RvE
>>857
もう苗木くんが入っちゃったよ…
859名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 23:45:09.21 ID:l9T72RvE

苗木(ここでこうしていれば霧切さんに罵ってもらえるはず…)

霧切「なにかしらこの不審な物体は…」

ガッ

苗木(キタ━(゚∀゚)━!)

苗木「痛い!ちょ、ちょっと霧切さん!?」

ガバッ

霧切「キャッ!?な、苗木くん?なんでそんなところから…」

苗木(なん…だと…!?)
860名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 23:47:03.27 ID:/MkeRcK4
>>856
thx
よく覚えてるなあ…俺ももう一回やり直してくるか

しかし葉隠、霧切さんに蹴り飛ばされたうえに罵ってもらえるとはなんて羨ましい奴
861名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 09:08:39.62 ID:GNmnEAwo
おはよう霧切さん
蹴っ飛ばされるのもいいけど、霧切さんに起こしてもらえるなら

      ′                            、          -=ニ  ̄ ̄`丶|: : : : : : ヽr……- .
     ,                                  \  : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ´: : : : : : : : ` : : .
.    /                                   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .\
    ′                             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ '⌒
、  ,                    / /     /.     ∠._, : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
ニ\′                 __   /   /           /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
二ニi             / -= )/       /          /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
\ニ|            / /   /   , //′   // /   , ′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
>ニi              { f    .′  / /  ミ≦_八/  /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
二=}|              マ :.⌒ /  / /   ;}}`ヾ  \./_斗ァ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、: : :
二=}|           |lヽ_)_./.  i /    :{ 冫\z、У  /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,イ: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : :.\:
二/ !.            八  ソ   |′    ∨(彡イヾ、 \./: : : : :.:./ : : : : : : : : : : :/ .|: : : : : : : : :/\: : : : : : : : : : :.
=/ /              |::.ー|    |           . : !: : : : : /: : : : : :/ : : : /_ .|: : : : /.:./__,\: : : : : : : : : :
/ /            |:: : |    |           .′ .|: : :l⌒l: : : : , / : : /   `|: : // ´  __,  \: : : : :!: : : :
 ′            ト、:::|    |           :   .厶イ|  |: : //: :/.f乙ヽ 、 |: / レ′ f乙ヽ `ヽ, \: : |\: :
               |ニ\.    |           ,.     | V/.:∧ V/   {:::o:::!   |/     {:::o::::!   /リ/ノY : :  \
               |ニニ=\ .:|.    、   .´      |: : 〉/ Y  ヽ 弋こソ          弋こソ   /_) .人: :i
               |二ニニ\|     _;:.ン7´         |: / i\ '.       J   :.           / /{ ∨
               |二二二二\ / |l  |        /レ'.:/|: : ーヽ u        ′        /-< : : |`ヽ
               |二二二ニニニ\ |l  |       ./=ニ/=-|: : ∧: : :.         _   _     /: : :∧: :|=-= 、
               |二二二二二ニニ\ |      /=-=|{-=ニV/Ξ|: : :.>、      (     )   ./∨ /ΞY-==-i
               |二二二二二二二 \     /ニ=ニ|{ニニ=ニニ∨/Ξ,〕:..   ` こ´   .イ=ニ∨-=ニ}:|=Ξ=|

「苗木君、起きて。もう朝よ」

と耳元で囁いてほしいです
862名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 09:29:24.89 ID:YAFQqkKK
>>817-820 の続き
姉ギリSSの残りを投下します。


民法第817条第2節、特別養子縁組の成立――。
その内容は戸籍上で実の親との関係を断ち切って、引き取った里親との間には実の子と同じ扱いになる養子制度だ。


先ほど喫茶店で父さんと別れたその足で市役所に行き、戸籍謄本を取り寄せた。
そして市内の図書館で六法全書を片手に、父さんの言っていた宿題の詳細を調べていたところだ。
しかし、見つけ出した単語を見て僕は思わず凍り付いてしまった。
戸籍上では僕の欄には「続柄:子」と書いていたけど、"817条に2による裁判確定に基づく入籍である旨"という言葉も含まれていた。

もし、これが本当の話だったら前述した特別養子縁組を成立させるには、いくつかの条件があるらしい。
一つ目は養親となる霧切家の両親は25歳以上の夫婦であり、僕を引き取ることに同意していること。
二つ目は僕が養子になった時の年齢。原則6歳未満で、物心ついた頃から僕の傍に姉さんがいたからこれも成立している。
最後に家庭裁判所に審判を請求すること。
それらの条件を満たしていれば、法的に僕は霧切家の長男として扱うことになっている。


「……あんまり実感が湧かないな」
自動販売機コーナーで一息していて、調べ物の"宿題"をやった感想だ。
"衝撃の事実"というレベルも大きすぎると、事の重大さを認識するまで時間がかかるかもしれない。
ある日突然、僕の元に"私があなたを産んだ父さんと母さんだよ"って見知らぬ夫婦が訪ねてきても感動の再会になるだろうか――?

答えは、Noだ。
物心ついた頃から僕の傍には姉さんがいたし、僕は父さん似で姉さんは母さんに似ていると思っていたほどだ。
だけど見た目はそっくりでも、中味の方は明確な違いが出てしまったけれど。探偵の質があるか否かで……。

血が繋がってない事実が本当だとしても、僕にとっては霧切家の人達が家族だと認識している。
その理由を述べるとしたら――やはり、姉さんが関係している。

一緒にいた頃は外を走り回る姉さんの後を追いかけてばかりだったし、離れ離れになったら誕生日やクリスマスなどのメッセージカードを送りあっていた。
それでお互いの近況報告はしていたし、疎遠になったという実感はそんなになかった。

僕の唯一の取り柄であるほんの少しだけ前向きなところが、この時ほどありがたいとは思わなかった。
自分の築き上げてきたものが足元から崩れ落ちるような感覚に陥りそうだけど、何とか踏みとどまれていけそうだ。
「それに……この話は僕と父さんだけの秘密にしておけばいいじゃないか」

たとえ血の繋がりがない姉弟という関係であっても、霧切響子という女性は僕の姉さんだ――。


そんなことを考えていたらマナーモードにしていた携帯電話が震える。
確認してみると噂をすれば何とやら、姉さんだった。

-----------------------------------------
【From】 響子姉さん
【Sub】 早く帰ってきなさい
-----------------------------------------
 誠、これ以上寄り道しないで
 帰宅することを勧めるわ。

 それと、夕飯の献立は
 昨夜と同じ煮込みハンバーグを希望するわ。
 今すぐ用意しなさい。  
-----------------------------------------

僕はいつから姉さんのおさんどんになったんだろう。
姉さんは僕を「MACO'sキッチン」か何かと勘違いしてないだろうか……?
863名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 09:29:59.16 ID:YAFQqkKK
-----------------------------------------
【To】 響子姉さん
【Sub】Re:早く帰ってきなさい
-----------------------------------------
 あのねぇ、姉さん…  
 「煮込み」っていうのは
 出来上がるのに時間がかかるから
 「煮込み」って言うんだよ?

 そんな無茶苦茶なお願いしてると夕飯は
 オリーブのオリーブオイル揚げ
 (カルパッチョ風)になるよ?
-----------------------------------------

確かに姉さんがやって来るということで、昨夜の夕食は奮発して手間隙のかかった料理だった。
仕上がりも上々で二人して完食したにも関わらず、また同じものを作ってほしいだなんて……。
ついつい悪態をついてしまう。

-----------------------------------------
【From】 響子姉さん
【Sub】 ちょっと
-----------------------------------------
 そんなふざけた料理を
 一度でも出してみなさい。
 タダじゃ済まないわよ?

 誠の作るおいしいご飯が食べたいの。
 だからお願い、早く帰ってきて。
-----------------------------------------

僕の冗談を真に受け止めたのか、煽り耐性がないのかはわからない。
それに、何だか僕が道草を食っていることに罪悪感を感じてきそうだ。
これも姉さんの策略の一つだろうか?

-----------------------------------------
【To】 響子姉さん
【Sub】…ごめん
-----------------------------------------
 昨日の煮込みハンバーグには
 及ばないけど、手早く出来る
 オムそばなら用意できるよ?

 スーパーで食材を購入して帰るから、
 もう少しだけ待っててもらえる?
-----------------------------------------

オムレツ用の卵は冷蔵庫の残り物で問題ないな。
後は焼きそば、具のキャベツと豚バラ肉は使いきれる量で買うとしよう。
864名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 09:31:25.21 ID:YAFQqkKK
-----------------------------------------
【From】 響子姉さん
【Sub】 わかったわ
-----------------------------------------
 期待して待ってるから。
 それと、お風呂の準備は私にまかせて。
-----------------------------------------

-----------------------------------------
【To】 響子姉さん
【Sub】Re:わかったわ
-----------------------------------------
 ありがとう、姉さん。
 助かるよ。
-----------------------------------------

-----------------------------------------
【From】 響子姉さん
【Sub】 礼なんて
-----------------------------------------
 いらないわ。
 私は借りを返しているだけだから。
-----------------------------------------

そんなメールの遣り取りをしながら、スーパーで食材選びをする。
夕方ということもあり、見切り品のコーナーで1/4カットのキャベツを取る。
明日から寄宿舎生活だから食材は使い切らないといけないし。

でも姉さんが義理のお姉さんか……。
今までと違って一人の女性として接することが僕に出来るか?

「……いや」
豚バラ肉のパックを片手に、ゆるりと首を振った。
「いやいや」
傍から見たら、このお肉の鮮度はないだろうと否定しているように見えるだろう。
「いやいやいやいやいやいや……」


うん、確かにまぁ姉さんは顔を含めてスタイルは抜群だ。
でも問題は中味の方。
姉さんは猫のような属性で、懐いている人には遠慮しないが初対面の人には警戒する習性がある。
やっぱり"怪我"の一件が尾を引いて、友人といった信頼関係を築くのは大変時間が掛かるだろう。
一方で僕のように信頼できる人には思ったことをズバズバ言って、遠慮がない。
昨日の今日で姉さんの特徴を把握できた僕の結論だ。

そんなものだから、姉さんと結婚する人は余程の物好きかもしれない。
猫のように振り回されて、おまけに探偵だ。
たとえ家の中にいて疚しいことをしていなくても、盗聴や家宅捜索などの身辺調査をするかもしれない。
……着いて早々、エッチな本を捜索されて没収された被害者の僕が言うから信憑性はあると思う。

嫁ぎ先の相手がいないまま独身で過ごす事になるであろう姉さんに、昨日まで弟の僕は頭を抱えていたけれど――。
父さんの言っていた"超高校級の希望"になったら結婚相手が見つかりそうだ。
でも、姉さんのことだから父さんの話なんて聞く耳持たないだろうなぁ……。
865名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 09:32:33.02 ID:YAFQqkKK
"だったら立候補するか? お前も超高校級の希望に――"

それに義理の家族と知った今、僕もその"超高校級の希望"の候補に名乗っても問題ないことがわかった。
仮に僕と姉さんが父さんの計画通りに"超高校級の希望"になったとしよう。
そのまま大人、大人から夫婦になって"超高校級の希望"育成計画なんてものを想像してみる。

『姉さん、僕の子供を産んでほしいんだ!』
『誠のクセに生意気ね。……でも、スナオなのは嫌いじゃないわ』

ツンとした態度を浮かべながらも、満更でもなさそうな姉さんの姿が浮かんだ。
「それはないよ……」
言葉で否定しても顔が真っ赤になるくらいドキドキしていた。


結局、帰宅してオムそばを作ったけれど、買い物中に想像した姉さんの姿がチラチラと過ぎってしまう。
その度にオムそばを食べている姉さんが訝しげな視線を向けて、僕は顔を赤らめてしまうという悪循環に陥る。

「……食事中の相手をジロジロ見るのはマナー違反よ」
「そ、そんなわけじゃないよ! 姉さんが美味しそうに食べているから嬉しいなって、ハハ……」
「? そう。ならいいわ……」

お互い気まずい沈黙の中で食事が終了し、食器を浸け置き洗いにして先にお風呂をいただいた。
そして入れ替わりで姉さんがお風呂に入っている間に、手早く洗い物を済ませて自分の部屋に引きこもっていた。
メールでの遣り取りは問題ないのに、目の前にいるとなると途端にギクシャクしてしまう。
やっぱり僕は、姉さんを一人の女性として意識してしまっているらしい――。


続く

悪癖の『欲望のままに書いたら長くなった』が発動。
後半戦は今日の午後か夜には投下します。
866名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 12:56:06.55 ID:6LGjfuWE
GJ!
なんかもう既に夫婦と化しているように見えるのは気のせいかw
続きに期待
867名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 16:28:01.86 ID:9REHeETX
このスレが続いてると聞いてやってきました
てか思ったんだが・・同居、夫婦てきなものはたくさんあるのに
結婚式ネタまったくないのはなぜだろう(´・ω・`)?
868名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 16:33:00.93 ID:qN7yrWrm
乙乙
一つ屋根の下…いいじゃないか

>>861
本編で苗木君を起こしに来た時はそんな感じだったな
さすがに耳元ではなかったし、モーニングコールじゃなくて深夜だったけど
869名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 17:12:52.95 ID:YAFQqkKK
>>862-865 続き
姉ギリSSラストです。


―――――

机の引き出しの中に入れていた写真を取り出す。
そこには僕ら4人がニッコリ笑って写真に収められている。
姉さんは父さんに抱っこされ、僕は母さんの膝元に座って。

でも、写真に写る家族と今の家族は様変わりしてしまった。

父さんはいなくなった。――家を捨て、僕らを捨てて。
母さんには会えなくった。――会いたくても二度と会えない距離にいる。
姉さんは変わってしまった。――"超高校級の探偵"として。
僕だけが昔と変わらないまま過ごしているようで。
僕だけが子供のまま大人になれていないようで。


そっと写真を机の中に閉まってベッドに横たわる。
目を閉じたところですぐに眠れるわけもなく、父さんと交わした会話の遣り取りを思い出す。

"お前から見れば私は家とお前達姉弟を捨てた男でしかない。それでも見守りたかった気持ちが抑えられなくて、な"

明日から離れ離れになった僕らの家族が、再び一つになって再開される。
けれど、バラバラになったけれど再生することができるのか――?
身近な距離にいられるようになったけど、心だけは遠いままな気がしてならなかった。
僕だけでなく、姉さんも父さんといつかは向き合わないといけない気がした。


トントン、と襖を叩く音で意識が現実に戻る。
「……誠、ちょっといいかしら?」
「うん。いいよ、姉さん」

その返事の後に襖が開く。
僕が貸したパーカーとジャージを寝巻きにした格好で、右手には枕代わりのクッションを抱えている。
その状態から姉さんが何を要求しているのかわかったけど、敢えて聞いてみることにする。

「寝る時間に僕の部屋に枕持参って……」
「なによ、文句があるならはっきり言いなさい」
「……別に。ソファーよりベッドの方が寝心地良かったんだよね? いいよ、寝床を交換しても」

僕も自分の枕を抱えて自室を出て行こうとする。
もとより、寝付けない状態だったから気分転換にもなるので姉さんの口から出そうな提案に乗ることにする。
しかし部屋を出ようとする僕を阻むように姉さんが立ち塞がった。
なぜだろう。

「べ、別に家主のあなたを蔑ろにしているわけではないわ。
 ただ、その……昼間にあなたのベッドで寝てたら予想以上に心地よく眠れたからであって……」
「僕のことなら気にしなくていいよ。ベッドなら使っていいよ、姉さん」
「だからそうじゃなくて……。誠、私はあなたと一緒に寝たくてここに来たの」
「……えっ?」

突拍子もない要求に頭の中が真っ白になった。
870名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 17:14:25.16 ID:YAFQqkKK
「ちょっと、疚しい目的があって要求しているなんて勘違いをしないでくれる?
 私が言いたいのは明日の朝、遅刻しないためにもすぐに起こしてもらえるように近くにいればいいという合理的な手段を選んだだけで一緒に寝ることを提案しているのよ。それをわかっているのかしら?」

頭が真っ白になった僕に反論させる隙を与えず、一気に捲くし立てるのであった。
……なんていうか、すごい理論武装を見た気がする。
このまま拒んだところで姉さんは一歩も引かなそうだし、一緒に寝るか寝ないかの議論で朝を迎えそうな予感がしてきた。

「……わかったよ、姉さん」
降参をするポーズをとって自分のベッドに戻る。
「ほら、狭いからって文句は言わないでよ?」
壁際の方に寝転がって一人分は入れるスペースを作り、そこに入るようポンポンと布団を軽く叩く。
「……ありがとう、誠」
何だかんだで嬉しそうに布団に潜り込んでくる姉さんだった。

自分が掛け布団を掛け、姉さんに照明の紐を落としてもらう。
「おやすみ、誠」
「ん、おやすみ」
姉さんの方に背中を向けて、壁に返事をするように素っ気無い挨拶をして床に着いた。


「…………」
やはり、眠れない。
父さんの真意、明日からの学園生活、それに加えてすぐ隣に姉さんの気配。
そのどれもが気になって寝ようという気がさっぱり起きなかった。
こうなればいっそ、羊の数でも数えていた方がいいかもしれない……。
そんなことを考えていた時のことだった。

「……誠」
独り言をつぶやくように姉さんは僕を呼ぶのだった。
「な」
にかな、姉さん――。
その言葉を言おうと振り向いた瞬間、僕の視界はパーカーのジッパー部分でいっぱいになった。
「そのままでいいから聞いてほしいことがあるの」
一瞬、何が起こったのかわからず頭を動かそうにも動けない。

「今から言うのは私の独り言。だからあなたは聞き流すだけで返事はしなくていいわ」

頭の上から聞こえてくる声に、ようやく僕は姉さんの胸元で抱きしめられたまま話を聞く体勢になっていることに気づいた。
姉さんの胸……は、パーカーの生地で感触がさっぱりわからない。

「私が探偵として業務を始めて間もない頃、一人の男性の身辺調査をすることになったの」
僕が不純な理由でドキドキしていることなんて露知らず、姉さんの独り言が始まった。

「その人の戸籍には"子"と記されているけど、民法817条の2による裁判確定に基づく入籍だとも記されていたの。
……つまり、その人は養子。正確には特別養子縁組に該当した」
養子、その単語を聞いた途端に僕の心臓が強く跳ねたような気がした――。
「条件が色々あるけど結果的に男の人……正確に言えばその男の子は、とある家族の一員となりました」
気づいたら昔話を語るような口調で独白を続ける姉さんだった。

「私がその人の実の父母や出生の秘密を知りたかったのは単純に恩返しのつもりだった。
 いつか、その人も一人前の大人になった時に告知することは里親の義務だと思ったから。
 ……もっとも、引き取った当人が半ば放棄する形で疎遠になってしまったけど」
自嘲めいたつぶやきが、暗闇の室内に木霊する。
871名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 17:17:08.00 ID:YAFQqkKK
「それでも、その男性……いいえ、誠は私個人に家族の絆を結び付けてくれた。だから……」
僕を拘束していた両腕を緩めて、今度は両頬に手を添えて僕と目線をやっと合わせてくれる。
「だから、今日で家族ごっこは終わりにしましょうか?」
「な、なにを突然言い出すんだよ、姉さん……!」
「明日からの学園生活を機にあなたを弟ではなく、クラスメイトとして相手をしようという意味よ」
芯の通った力強さを持ったその瞳で僕を射抜き、通告した。
あの時のように――。

―――――

『誠、よく見なさい。他人に情を抱いたせいで判断を誤った成れの果てを……』

数年前にお爺さんから本家に呼ばれた時のことだった。
そこで姉さんと久しぶりに再会したけれど、神妙な顔つきで姉さんの部屋に招かれた。
再会の挨拶も省略して姉さんはおもむろに手袋を脱ぎ、その手を僕に見せた。

『…………!』
その傷を見たショックで青褪めている僕の感想を聞かず、姉さんは話を続ける。

『これは私が自分の経験から得た教訓よ。
 だから誠……。自分も探偵になろうっていう志は今すぐ捨てなさい」
『なっ……!』
『たとえ姉弟でも、あなたのいる日常と私のいる日常では違いがありすぎるの。
 誠が探偵を目指しているっていう噂を聞いたから私が直々に釘を刺しにきたの』
『! 姉さんは、知っていたの……?』
『バカ正直なあなたのことだから、この手以上の結果を招く可能性が高いわ。
 私を追いかけて探偵になろうという考えは今日限りにしなさい』

何度か手紙の遣り取りをしていたのに、実際に会った時のギャップに戸惑う僕に追い討ちをかける姉さん。
たとえ今は探偵として開花していなくても、将来はワトソンのような姉さんの助手くらいになろうと夢見て勉強に励んでいたのに。
何だか僕の知っている姉さんの姿をしているけど、中味が別人みたいなショックで泣きそうになった。

『そんなに悲観的な顔をしないで……。あなたを信用していないから否定する訳じゃない。
 むしろ、信用している。だからこそ説明だけはしておこうと思ったの』
『説明……?』
『あなたまで探偵一族に囚われる必要はないのよ……。
 だから誠、あなたは自分の進みたい道を進みなさい』

脱いだ手袋を嵌めて僕の頭をあやすようにポンポン、と撫でる。
手袋越しの感触だったけど、子供の頃に僕をあやしてくれた力加減で頭を撫でてくれた。
冷たい人だと思った目の前の人は、やっぱり僕の姉さんだとわかった時の安心感――。
もう、あの頃のように暖かい手で撫でてくれることはないという寂寥感――。
色んな気持ちが一つに混ざった時に、気づいたら僕は涙を一筋流していた。

『ほら、これからお爺様にも挨拶をするんだから何時までも泣いてちゃ駄目よ?』
そう言って親指で僕の涙を拭ってくれた。


こうして僕はこの日から探偵一家の息子だというこだわりを捨てた。
そして、お爺さんと話をしてこれからの進路をどうするかを話し合った。
自分一人になってもたくましく生きられるようにと、一人暮らしを申し出たらお爺さんは快く応じてくれた。
そして叔父さん夫婦にも協力してもらうよう説得して、今の生活を確立した。

―――――

思えば、この時から僕は養子だったことを調べて実の姉弟じゃないことを姉さんは知っていたかもしれない。
そして、姉さんはあの時のように、また僕を遠ざけようとしているの?
872名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 17:19:06.29 ID:YAFQqkKK
僕に探偵というこだわりを捨てさせたように。
今度は霧切家の子供だというこだわりまで捨てさせようとするの――?
僕は姉さんの意図が読めず反論した。

「そんな他人みたいな関係は嫌だよ! 姉さんも父さんみたいに才能の優劣でしか物事を見れなくなったの?」
僕の知っている姉さんではない現実を直視するのが嫌になるかのように、目の前の姉さんから目を逸らしてしまう。
でもすぐに顔を挟んでいる両手で無理矢理振り向かされて、僕の視界に姉さんの顔が入る。

「そんな筈ないでしょう、誠。言っていいことと悪いことの区別くらいあなたはわかっていると思ったけど違ったようね」
姉さんの目が冷たく鋭い。本気で怒っている時の目だ。
「私があの男みたいにあなたを蔑ろにしたことも、利用したい時だけ利用するような人間として扱ったことがあったかしら?」
「そんなはずないよ! 姉さんがそんな非情なわけないじゃないか!」
昨日今日のご飯を食べさせろって、おさんどん扱いされていることは目を瞑る。

「僕としては今まで通りの遠慮なく言い合える家族のような関係をこれからも続けていきたいよ。
 でも、姉さんがクラスメイトの関係を望んでいるなら僕も姉さんに従うよ……」

あの時のように感情が昂ぶって今にも泣きそうだけど、これだけは姉さんに伝えておきたい言弾(コトバ)があるんだ――。


「これだけは覚えていてほしいんだ。たとえ血の繋がりがない姉弟という関係であっても、霧切響子という女性は僕のかけがえのない姉さんだよ。
 今までも、そしてこれからも……」


一世一代の告白みたいな姉弟宣言だった。
さすがに姉さんの反応が怖くて、顔を姉さんの胸元にダイブさせる。
聞き分けのない子供みたいで怒られないか、今すぐ離れなさいって拒絶されないかっていう姉さんのリアクションが怖い。

「……困った弟ね」
困ったって言っているけど、どこか嬉しそうな声で答えてくれる。
そして僕の頭に手を置き、毛繕いをするかのように優しく撫で回してくれる。
それが僕には嬉しかった。

「……もっと」
「えっ?」
「もっと、撫でてほしいかな。姉さんに……」
「そう。……尚更困った弟ね」

昼間に父さんにも撫でてもらったけど、あの時はおねだりのタイミングを逃して物足りなかった。
ダメ元の小さい声でリクエストしてみたけど、しっかり姉さんには聞こえていたみたいだ。
そして今度は頭全体をくしゃくしゃと撫で回してくれる。
髪型がどんなに乱れようとお構いなしの強さで。
873名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 17:21:10.81 ID:YAFQqkKK
「明日からは新しい関係になるからさ、今日だけは存分に甘えさせてよ……」
「その調子じゃ先が思いやられるわね。……いいわ」
「えっ?」
「……二人きりなったら姉弟の関係に戻ってあげてもいいって言ってるの。
 だから姉さんの言うことはちゃんと聞くのよ、わかった?」
「うん……」

ありがとう、姉さん。
僕の願いを聞いてくれたから、姉さんのためなら僕は何でもいうことを聞くよ。


「……フッ、チョロいわね」

グシャリ、と何かが潰される音を聞いた気がした。

「これからの共同生活で姉としてのイニシアチブを握るために唆したけど、こうも簡単に行くとは……嬉しい誤算ね」

――僕のプライドが踏みにじられる音だった。
あざといな姉さん流石あざとい。
だが僕もこのままでは終われない。まだ終わらないよ!

「まずはそうね……。目覚ましのアラームだけでは起きられない私を毎日起こすことを要求するわ。
 スペアキーを貸すからなくしちゃ駄目よ」

僕の頭を撫でたまま、これからの寄宿舎生活で僕をどうパシらせようか考えている。
隙だらけだね、姉さん。
そう――ボディが、お留守だよ!

「それと、今日みたいな乱暴な起こし方じゃなくてもっと優し……ひゃう!」
まずは腰をふにふにと揉む。

「コ、コラッ!? やめなさい、まことッ!」
突然の攻撃に姉さんが戸惑いながら中止を求めてくる。
だが断る。
ガードが緩くなったところでパーカーの中に手を忍ばせ直にこちょぐる。
腰からわき腹を指先で、それはもう念入りに。
姉さんの様子をチラリと見ると、手で口元を押さえて叫ばないように必死だ。

「ん、くぅ、あっ、はっ、やっ」
それでも押し殺した声が漏れる。
今度は爪先で軽く「の」の字を描くように。

「くひっ! ふぅっ、あぁっ! んんぅっ!や……やめぇっ!ふあっ!」
効果は、バツグンだ!


874名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 17:22:47.88 ID:YAFQqkKK
「くぅ、まことぉ!」
姉さんも黙ってくすぐられているわけでもなかった。
僕の頭の癖っ毛を鷲掴みにして、もう片方の手で僕の口元を掴む。
「や・め・な・さ・い!」
発音に合わせて雛のようなピヨピヨ口にされる。
昔の僕ならピヨピヨ口の刑で降参していたけど、今は違うよ!

側面の攻撃には耐性が付いたと思うから背面を攻撃する。
そう、背骨を二本の指でなぞるように往復する。

「……っ!」
「っ!?」

そこで気づいてしまった。
胸の辺りでブラジャーの紐という障害物があるかと思いきや、なかった。
まさか、姉さんって寝る時は下着を着けない派だったのか――!
衝撃の事実に思わず僕の手が止まってしまった。


それが"運"の尽きだった。
プチッ、と何かが切れるような音がした。
「誠……。オシオキが必要ね」
姉さんの堪忍袋の緒が切れた音だった。

まずは逃がさないように両足で僕の腰に巻きつき、固定(ホールド)する。
下半身の固定が済んだら、次は上半身の固定。
「あだだだだだだ!!」
――そう、拳骨で僕のこめかみ部分をグリグリしながら。

痛さから逃げたくても動けない状態。
頭を万力で締め付けられるような痛みに僕は耐え切れず、姉さんの腕をタップして降参の合図をする。
「ば、ばかぁ……っ」
そう文句を言いながらも、姉さんは僕の拘束を緩めて解放してくれた。
僕は頭の位置を姉さんと合わせるように枕元まで移動した。


はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ――。
僕と姉さんの喉から搾り出すような声と同時に吐き出される呼吸音。
明日は早いというのに夜中に姉弟揃って何をしているんだろう。
 
「ごめん、姉さん……」
「ば、ばかぁ……っ」
涙目になりながら、か細い声で僕を罵倒する姉さんの声に今更ながら罪悪感が沸き起こる。
「もう、絶対に許さないんだから」
「それは辛いよ……。何でも言うことを聞くから許してくれないかな?」
「ホント……?」
その言葉を待っていたと言わんばかりに、即座に泣き止み笑顔を浮かべてくる。
先ほど写真で見た姉さんの写真とイメージが重なる。
875名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 17:24:32.53 ID:YAFQqkKK
「きちんと私の言うことが聞けたら許してあげる」

そう言って姉さんは僕の首に手を回し、胸に軽く頬擦りをしてくる。

「私を抱き締めたまま朝まで眠らせて」 
「……それで許してくれるなら」

お安い御用だよ。

背中と首に腕を回し、ぎゅっと抱き締める。  
強く、だけど優しく。  

「おやすみ、姉さん……」
「おやすみなさい、誠」

ふと、子供の頃に一緒に昼寝をする時もこんな格好をしていたことが脳裏を過ぎった。
――なんだ、僕と姉さんとの関係は今も昔もサッパリ変わってないじゃないか。
僕といる時だけはあの頃のように遠慮もしないし、思ったことを言い合える仲だったわけだ。

年月の積み重ねは確かに人を変える。
でも、変わるものもあれば変わらないものだってあることを姉さんとの関係から僕は証明することができた。
たとえ変わったところで、その関係が終わることはなく、より強固になった――。

―――――

その巨大な学園は、都会のど真ん中の一等地にそびえ立っていた。
まるで……そこが世界の中心でもあるかのように。

「本当に……すごい所に来ちゃったよな……。
 僕みたいなのが、こんな学校でやってけるのか……?」
「必要以上に不安になることはないわ、誠」
「姉さん……」

正門の前で僕と姉さんはそびえ立つ建物を眺める。
でも、いつまでも校門の前で立ち往生してる訳にもいかないよな……。

「それと、誠が才能のない非凡という理由で虐げる人間がいたらすぐ私に相談しなさい。
 ……その人を徹底的に調べ上げた後に社会的に抹殺するから」
「それは駄目だよ!」

なんだかホントにやりそうだから怖い。
それくらい姉さんの目は本気だった。
ふと、"本気"という単語から思い出すことがもう一つあった。
876名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 17:25:34.44 ID:YAFQqkKK
「ところで姉さん、入学式に本気でやるの……?」
「当然じゃない」
「新入生代表の挨拶で……」

父さんに絶縁状を叩きつけるなんて。
その行動の結果、修羅場になりそうで怖い。
姉さんと父さんの絆が完全に絶たれそうなのが本当に怖いんだ。

「私は霧切一族の代表としてあの男を糾弾するだけよ。誠が気に病む必要はないの」
「それでも姉さんが問題児っていうイメージが尾を引きそうで怖いんだ……」

もし、姉さんがクラスで浮いた存在になっても僕がフォローすればいい話じゃないか。
そして父さんとの関係も切っても切れない関係だ。

僕は姉さんのように父さんとの……絆を絶てるのか?

「やっぱり、僕は姉さんみたいに父さんを赤の他人には見れないよ……」
「そう……」
「そんなの……。そんなの僕には無理だよ」
「…………」
「だから……僕はずっと引きずっていくよ」
 
捨てられなんかしない――。
父さんを見るたびに家族として過ごした日々は思い出してしまう。
昨日、父さんに会って家族のような関係に戻れないかと思ってしまった。
姉さんみたいに赤の他人として割り切ろうと思っても、僕にはきっとできない。

「家族みんなで過ごした日々を引きずったまま、僕は進むよ……」
「……割り切ることより、ずっと大変な道を選ぶのね」

姉さんが始めの一歩を踏む。
僕の一歩先を進み、道標になってくれるかのように。

「でも、あなたはそのままでいいのかもしれないわね……。
 その方が……誠らしいわね」

僕も遅れないように姉さんの横を歩く。
姉さんに守られるだけの存在ではなく、共に支え合う存在になれるように僕はなる。


"新入生は8時に玄関ホールに集合"
たかが初登校とは思えないほどの大袈裟な決意を固めて、僕らは玄関ホールへと足を向けた。
877名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 17:27:10.65 ID:YAFQqkKK
『序章 超高校級の姉弟』から抜粋――。

―――――


『――さぁ、今週のブックランキング。栄えある第1位は、こちら!』


 腐川冬子著 "僕の姉さんがこんなに可愛い理由がない!"


『探偵一族の息子として拾われた主人公、誠。
 義理の姉、響子と共に義父の計らいで同じ高校に転入することになった。
 そこで待ち受ける数々の事件。
 "鬼才"、腐川冬子が放つ異色のサイコポップラブコメディ、略して"ボクアネ"!

 我々、番組スタッフは著者の腐川冬子氏に直撃インタビューをすることが出来たのでご覧いただこう!』

そんなナレーションの後に腐川さんの姿が映し出される。
僕はそっとテレビを消して、携帯電話の呼び出しボタンを押した。
そして待つこと数コール、今度はきちんと本人が出てくれたようだった。

「……もしもし、腐川さん? あの本ってどういうこと?
 架空の話っていうけどさ、僕と響子さんをモデルにしているよね?
 それに、苗字もそっくりそのまま使っているのはどうかと思うよ。
 ……え? 今は籍を入れているから問題ないって?
 いやいや、確かにそうだけどこれはこれ、それはそれの別問題じゃないのかって……」

 



これにて姉弟SSは終了。
長々と待たせて本当すいません。
短編で終わると思ったら中編になってました。

まとめ
>>679-681 序章 超高校級の姉弟:序
>>817-820 序章 超高校級の姉弟:破
>>862-865 序章 超高校級の姉弟:Q(1/2)
>>869-877 序章 超高校級の姉弟:Q(2/2)

次スレに移行したら投下できるように充電期間に入ります。
長々とお付き合いいただき本当にありがとうございました。
878名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:23:31.42 ID:GNmnEAwo
GJ!
新ジャンル姉ギリさん…素晴らしいな
いいものを見せてもらったよ
879名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 21:14:10.12 ID:OkRq9e/t
GJ!
(枕持参)で同衾とな…!
880名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 23:05:53.52 ID:A/FsZBv0
GJ!

苗木め このシスコン・・・いますぐそこ代われ!
881名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 23:24:42.56 ID:6LGjfuWE
GJ!
姉弟ナラベッドノ中デイチャイチャシテモ問題ナイヨネ
健全ダヨネ

また書いてくれるのを楽しみにしてるぜ
882名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 00:26:43.95 ID:lTgWeQkr
腐川GJw!!
883名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 08:25:22.45 ID:pqgETNJl
遅ればせながらGJ!
姉弟ならではのいいくすぐりだった…
そうか…霧切さんはノーブラ派か…
884名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 12:44:17.28 ID:LTqj23xZ
霧切さんの髪の毛を撫でたい
885名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 14:57:11.98 ID:yknJH+YB
ついでにリボン解いてあげたい

霧切さんはクールだけどちゃっかりリボン結んでる女の子らしさも
また魅力だと思うんだ。
886名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 17:40:34.58 ID:ATtYEXqw
全体的にシックで大人っぽいファッションだから、あのリボンだけ若干浮いてる感じがする
前にも言われていたけど、霧切さんの子供っぽい部分の象徴ってことだろうか
887名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 21:02:04.95 ID:QOZGxiBd
てか苗木クンをいじめる?霧切さん見てて、あるゲームでの下僕ってゆうキャラを頭にうまべてしまった、なぜだろう
888名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 21:02:21.46 ID:LTqj23xZ
幼い頃の霧切さんは両サイド三つ編みおさげで
今の霧切さんは一房だけ三つ編みを残している
これはまだ父親のいた幼い頃に対する未練を捨て切れていないことのあらわれである
という説を唱えてみる
889名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 21:21:53.32 ID:yknJH+YB
なるほど!!!ってかすげぇw

パパLOVEがそこに表れていたとは気づかなかった・・・orz
890名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 22:34:00.95 ID:pqgETNJl
まあなんだ、なるべくsage進行でな

とまれあの三つ編みはいいアクセントになってるよな
鏡の前で三つ編みを結んでいる霧切さんの様子をじっと眺めていたいです
891名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 23:08:14.31 ID:OWwdB4cj
それを後ろからじっと見てる苗木くんにドキドキしてる霧切さんを見たいです
892名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 23:41:45.22 ID:ss1pzi3S
やおら立ち上がった霧切さんが後ろで見ていた苗木君のアホ毛を三つ編みにするところまで見えた
893名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 00:28:39.91 ID:L4YJXN9s
むしろ苗木君が霧切さんの三つ編みを結ってあげる方向でどうか
894名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 08:33:51.17 ID:pKYvNoO8
アリだな
結ってる最中に手が霧切さんの頬に触れてしまってお互いドッキリギリーンしたりするわけだな
895名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 12:42:21.87 ID:tG1ZclWS
霧切さんがいつもと逆側を三つ編みにしていたら「今夜はOK」のサイン

とかおっさん臭いことを考えてしまった
しにたい
896名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 17:59:54.59 ID:L4YJXN9s
この流れで思い出したが、VFBによると霧切さんをショートカットにする案もあったんだよな
オマエラ的にはロングギリさんとショートギリさん
どっちがいいよ?
897名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 18:17:02.62 ID:ni1zbkW6
俺はロングギリさんだな

後ろ向くときに髪がなびいてるのがクールなとこにマッチしてるかと
898名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 19:27:02.13 ID:Kew3vDty
エレベーターでのものすごい髪のボリュームから目が離せない
899名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 20:08:17.42 ID:0HdFn6xM
もちロング
900名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 20:27:17.01 ID:IbV+avx/
VFBの全員集合ではポニーテールだったはず
901名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 21:55:26.99 ID:tG1ZclWS
ロングももちろん最高だがショートも見てみたかったもんだべ
選択式で断髪イベントを実装してほしかったのう
902名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 23:28:17.51 ID:lAgGJRU3
ショートでもロングでも霧切さんの魅力は変わらないよ!
と月並みなことを言ってみる
903名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 01:05:13.62 ID:u5emB6Ap
アンソロのせいかわからないけど苗木は三つ編みとか凝った髪型にするのが好きだときゅんきゅんする。
904名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 08:28:43.47 ID:TGLH2qyZ
色々な髪型を試してみて苗木君の反応を窺う霧切さん
905名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 12:44:11.68 ID:AL4yZHzT
霧切さんの三つ編みでぺちぺちされたい
906名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 16:19:08.37 ID:ZF5JvQNU
霧切さんは頭にラーメン乗せてる時が一番かわいいと思うんです
ええ
907名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 19:40:08.68 ID:AL4yZHzT
カップ麺を頭に乗せた姿それ自体もキュートだが、
苗木に指摘されて無言で振り払った後、何事もなかった風を装って話し出すところがまたかわいいと思うんだ
908名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 22:29:35.39 ID:98MGdXSD
わかる
わかるぞ

あの時苗木君が指摘しなかったらずっと頭にカップ麺を乗せたままだったんだろうか
909名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 23:47:10.03 ID:TGLH2qyZ
あの時、せっかく颯爽と助けに来たのに締まらない登場になってしまったことに
内心ちょっとヘコんでたんじゃないかと思うとちょっと萌える
910名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/01(木) 08:13:25.44 ID:dzuKdR1Y
霧切さんに苗木君のパーカーを着せてみたい
911名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/01(木) 11:29:07.98 ID:4I3u6pRM
彼パーカーってやつか
彼シャツにちなんだ(´・ω・`)
912名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/01(木) 14:44:46.09 ID:i1oMC3rc
苗木君の匂いに包まれてちょっと幸せそうにポワーっとしている霧切さんの画像ください
913名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/01(木) 19:49:59.51 ID:TQZnukxg
あのカップ麺の霧切さんを見たいと思う時があるけど、いちいちパート5の学級裁判からやらなくちゃいけないのがめんどくさい。
914名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/01(木) 19:56:00.49 ID:Rr7k0DZK
ゴミ捨て場に落とされた直後のセーブデータを確保しておかないとは、修行がたりんな
霧切さんの「ごめんなさい」もいつでも聞くことができて一石二鳥だべ
915名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/01(木) 19:56:37.80 ID:Y1uOUyCx
霧切さん目当てでVFB買った俺は勝ち組
916名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/01(木) 21:51:17.98 ID:i1oMC3rc
カップラーメンを頭に乗せている時の表情パターンが二種類あることに
VFBを見るまで気づかなかった俺は修行が足りませんか
917名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/01(木) 23:00:32.53 ID:515oJRpC
カップ麺に気付いて目線が斜め上になってる時の顔かわいいよね
918名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/01(木) 23:54:35.93 ID:dzuKdR1Y
とりあえず
・通信簿イベント鑑賞用
・スネギリさん鑑賞用
・カップ麺鑑賞用
の各セーブデータはキープしてあるな
919名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/02(金) 08:58:49.71 ID:31nyhKu3
VFBといえば、後ろ姿の立ち絵の全身図が載ってないのがちと残念だった
ファンブック第二段でも出して、そこに収録してくれないものか

…いや、どうせならいっそ霧切響子ファンブックとか出してくれないものか
920名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/02(金) 12:20:10.94 ID:Pmh7P1mr
霧切さん主役で小説第二弾とか出してほしいな
921名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/02(金) 17:54:14.49 ID:31nyhKu3
前にも同じようなレスがあった気もするが、
霧切さん視点の本編補完なんか見てみたいかもしれん
922名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/02(金) 19:08:11.00 ID:1s3yIvr8
あえてゲームで
・一人でひたすら校内を探索するアドベンチャーパート
・死体をパンツの中まで詳細に調べるミニゲーム(ただし靴下は調べられない)
・苗木君に正しいヒントを投げつけて真実に導く裁判パート
923名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/02(金) 21:40:12.99 ID:2Y/RoB1+
その場合、自由行動で自分から苗木君を誘う霧切さんとかも見られるのか

…100万まで出そう
924名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/02(金) 22:49:33.60 ID:31nyhKu3
苗木君に渡すプレゼントのために、物凄い勢いでガチャガチャを回しまくる霧切さん…
胸が熱くなるな
925名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/02(金) 23:08:01.42 ID:8lfbf2vq
鞭やら手ブラやらを苗木くんに渡す霧切さんか……
926名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/02(金) 23:54:55.26 ID:Qgc6d67k
いっそ自分をプレゼントする霧切さんはありませんか
927名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/02(金) 23:59:58.90 ID:Pmh7P1mr
>>926
それだ
928名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 01:44:12.43 ID:UGcjdAmS
それを性的なコトダマで撃ち抜かれる霧切さんか……ふぅ
929名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 01:49:39.19 ID:pofCTOJq
霧切さんのクールなコトダマに貫かれたい
930名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 11:52:45.58 ID:WdRcyYk4
先生!
霧切さん視点のシャワーシーンや入浴シーンはあるんですか!?
931名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 15:23:51.45 ID:UGW5jtvc
あっても大事なところは見えないぜ?
霧切さんマジ鉄壁
932名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 16:12:39.16 ID:gMPBp1TP
CER0 Dの壁か…
933名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 18:55:00.47 ID:aX5+JY57
あの梯子を昇るシーンの一枚絵で思わず下から覗きこんでしまったのは俺だけではないはずだ
934名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 19:20:45.98 ID:3n5tGPru
>>933
ななななななななななにいうとんねん!!
お、おまおまお前だけに決まっとるややんけけけ!!
935名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 21:31:46.99 ID:WdRcyYk4
や、やだなぁ
そ、そそそそんな紳士にあるまじき行為をす、するわけないじゃないですか
HAHAHAHA
936名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 22:30:26.28 ID:n6p0c0FX
この正直者どもめ

しかしリアルな話、スカートの中を見られたら霧切さんはどう反応するだろうか
937名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 23:36:27.58 ID:aX5+JY57
パターンA:真っ赤になって無言で俯く
パターンB:「今見たことは忘れなさい。い い わ ね?」
パターンC:「…見たわね。責任、とってくれるんでしょうね?」
パターンD:「たかがパンツよ。手袋の下を見られたわけじゃないわ」
938名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 23:42:03.25 ID:4cj1XVf1
パターンD重いなww
ところで苗木くんって変態キャラなのか?それともピュアなキャラなのか?
どっちでも苗切的に俺得だが・・・
939名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 00:52:27.87 ID:+4b+weoT
苗木君はごくふつうの男子高校生・・・
ここまで言えばわかるわね?
940名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 00:59:38.98 ID:qp0Mexfj
まぁ男子高校生の平均くらいには変態で、男子高校生の平均くらいにはピュアなんじゃなかろうか

>>937
真っ赤になりながらパターンBを希望します
941名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 01:21:17.17 ID:W22X3qay
霧切「「たかがパンツよ。手袋の下を見られたわけじゃないわ」
葉隠「うひょー!と言うことは霧切っち、パンツ見放題ってことか!?」
霧切「…ほんとに低俗なのね。こんな布切れでいいならいくらでも見たら?」
   …少ししたらすぐ自分がいかに無駄な事してるか気づくはずよ。」
葉隠「じゃあ霧切っち!このガラス貼りのテーブルに座ってくれよ!」
霧切「なにをする気なの?」
葉隠「いいからいいから!」

・・・

葉隠「うひょー!全方位パンツ見放題!お尻がガラスに押し付けられてるのもいいね!
    霧切っち!足開いてよく見せて欲しいぜ!」
霧切「し、下に潜り込んで…!ほんとバカね…」
葉隠「うひょー!俺このテーブル霧切っちごと持って帰りたいわ!」
霧切「ちょ、ちょっと顔が近いわよ。股の間に顔を突っ込まないで」
葉隠「うひょー!触れてないからいいだろ?ただの布切れを間近で鑑賞してるだけだぜ!」
霧切「くぅ…」
942名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 02:16:42.31 ID:FWfzlGVf
変態が発見されました
一定の自由時間の後、学級裁判を開きます
943名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 03:58:11.56 ID:xgdfKiiw
某アニメの某プレイを見て咄嗟に考えてしまったネタSS



「…待っていたわ、苗木君」

 歯磨きをしようと洗面台へ向かったら、僕の歯ブラシを持った霧切さんが仁王立ちしていた。
 何を言っているのかわからないと思うけど、僕もわからない。

「えっと…それ、僕の歯ブラシだよね?」
 当たり障りのないジャブから入る。
 そんなこと見ればわかるだろう、とでも言いたげに、不服そうに霧切さんが眉をしかめた。
 いやいや、わかるんだけど、全然わからない。

「あの…歯磨きたいから、返してくれないかな、それ」
「…何故私が貴方の歯ブラシを持っているかについては、疑問じゃないのかしら?」
 残念ながら、自分から地雷を踏み抜く趣味はない。

「一応、誤解のないように言っておくけれど」
 霧切さんは僕の歯ブラシを握り締めたまま、ビシッと此方に指を突きつける。
「貴方の歯ブラシをどうこうしようとかいう変態趣味が私にあるワケじゃないわ。勘違いしないように」
「ああ、うん…そう」
「…その気のない返事は何?」

 鏡に映る僕自身の顔に目をやる。酷い表情だ。疲れている。
 なんていうか、どうしてこう、この学園は変な人が多いんだろうか。
 同じクラスの中では、彼女が一番まともな人だと思ってたんだけど。
 時間を重ねて、今はもう彼女が普通とは少しずれた感覚を持っていることに気づいている。

「今日は、私が貴方の歯を磨くわ」
 何を言っているのかわから(ry

「…うん、とりあえず、理由を聞いていいかな」
「先刻見ていた番組で、『他人に歯を磨かれる』という内容の罰ゲームがあったのよ」
「ああ、あのアニメ?」
 経緯はわかった。そのアニメなら、僕も見ていた。
 なんでも、他人に歯を磨かれるというのは想像以上にキツイらしい。
 ただでさえ普段は他人に触らせないような場所。
 そこを、細く尖ったプラスチックの束が縦横無尽に駆け回る。
 その感覚はえも言われぬ、と、その変態…もとい、天才アニメでは語られていたんだけど。

「それで、僕を使ってその真偽を確かめようっていうこと?」
「…ご明察よ。歯を磨かれて気持ち良くなってしまうなんて、到底信じられないもの」
 確かめる必要があるわ、と、至極真面目な顔で歯ブラシを突きつけてくる霧切さん。
 とりあえず僕はその手から、自分の歯ブラシを奪い返した。
944名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 03:58:55.28 ID:xgdfKiiw

 謎を見つけると突っ走ってしまうのは、探偵の性らしい。
 それがどんなにどうでもいい噂だとしても、世間を揺るがす大事件でも、彼女にとっては等しく謎。
 …要は、今はちょっと退屈だったのだろう。

 歯ブラシを奪い返された霧切さんは、お預けを食らった猫のようにしょんぼりと落ち込む。
 目に見えて変わっている様子はないけれど、雰囲気がそうなのだ。
 付き合いが長くなると、その程度は感じ取れるようになる。

「で、なんで僕?」
「…助手ならつべこべ言わず、探偵の指示に従いなさい」
 確かに幾度か彼女の推理を手伝ったことはあるけれど、自ら助手を名乗り出た憶えはない。

「いや、そうじゃなくて…僕が霧切さんに歯を磨いてもらって気持ち良くなったとしてもさ、」
 自分の歯ブラシに磨き粉を練りだして、口に咥える。
「それで霧切さんは、どうやってこの謎の真相を突き止めたって言えるの?」
「…貴方の証言は、十分信憑性があるものでしょう」
「信用して貰えるのは嬉しいけど、それより霧切さんが自分で確かめた方が早いんじゃないかな」

 はい、論破終了。
 霧切さんに歯を磨いてもらうなんてご褒美…じゃないや、そんな奇行に走る必要性はないのだ。
 そう結論付けて自分の部屋に向かおうとしたところで、

「…それも、そうね」
 彼女は、僕の予想の斜め上に結論を置いた。
「なら、貴方が磨いてちょうだい」

「……えっとね、霧切さん」
「何かしら、苗木君」
 ああ、どうしよう。なんて説明すればいいんだろう。
 嫁入り前の女の子が、なんて一般論、きっと彼女には通用しないんだろうなぁ。
「そういうのは、ホラ、仲の良い女友達同士で…」
「舞園さんや朝日奈さんは、この時間はもう寝ているわ」
「他の女の子は…」
「良く考えてみて、苗木君。貴方が私の立場だとして、他の女の子に歯磨きを任せたいと思う?」
 そもそも他人に歯磨きを任せたいとは思わない。

 まあ、でも、彼女の言わんとしていることはわからないでもない。
 大神さんや腐川さんが相手だと、ちょっと物理的に危ない。
 何かの拍子で、歯の一本ぐらい取れてしまいそうな気がする。
 かといって江ノ島さんやセレスさんは、もっと別の意味で信用できない。
 歯磨き以上の何かに発展してしまいそうだ。
945名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 03:59:43.12 ID:xgdfKiiw

「……」

 ちょっと想像してみる。
 口を開いたまま固定され、椅子に縛り付けられた霧切さん。
 何かに目覚めた江ノ島さんが、その霧切さんの口の中に歯ブラシを突っ込んでいる図。

「……、明日にでも、改めて舞園さんとかに頼めばいいじゃない」
 危険だかどうなのかよくわからないけど、とりあえずドキドキしてしまった。
 自分の思考を逸らすために、話題を戻してみる。

「明日やろうは馬鹿野郎、という先人の訓戒もあるわ」
 どうしても今日やりたいらしい。
 今度からは好奇心猫をも殺す、という訓戒も覚えておいてほしいものだ。
「僕、もう寝ようと思ってたところなんだけど…」
「付き合ってくれてもいいでしょう。ほんの数分で終わるわ」
「…ホント、なんで僕なのさ」

 また『僕が霧切さんの助手だから』なんて理由を突きつけられた日には、流石に帰って寝ようと思ったんだけど。

「…貴方が一番信頼出来るからよ」
 本当に何でもないことのように、さらりと霧切さんは呟いて返す。
 こういうところが、やはり探偵として駆け引きに生きてくるんだろう。
 そんな単純な言葉で揺らいでしまうほどに、果たして僕もまた単純なのであった。

「……わかったよ、もう」
「引き受けてくれるかしら」
「まあ、僕もあのネタの真偽は気になっていた所だし」
「それじゃ、私の部屋に向かいましょう」



 部屋に通されると、霧切さんが後ろ手に扉の鍵を閉めた。
 驚いて振り返る僕に、霧切さんは苦笑する。

「別に、変なことはしないわ」
「ああ、うん…」
 それ、普通は男が女に保証するものだと思うんだけど。
 そして、間違いなく今から変なことをすると思うんだけど。

 けど、やっぱり、なんていうか、すごい、ドキドキする。
 これからやることを思ってだろう。
 あのアニメを見ている分には、また馬鹿なことをやってるな、と、笑って済ませていたのに。
 これから自分たちで同じことを実践するのだと思うと、どうしてもあの描写が蘇ってしまうのだ。
 落ち着いて、と、深呼吸。
 部屋の匂い。甘い。
 少しだけ殺風景な、霧切さんの部屋だ。
946名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 04:00:31.76 ID:xgdfKiiw

 変に意識しちゃダメだ。
 なにもいかがわしいことをするワケじゃない。
 そう、ただ歯磨きをするだけ。

「…落ち着きがないようだけど、大丈夫?」
 むしろ、どうして霧切さんはそこまで落ち着いていられるんだろう。

 ベッドに腰をおろし、僕を待つ霧切さん。
 此方の片手には歯ブラシ、もう片手には歯磨き粉。
 始める準備は出来ている。
 あとは、僕が覚悟を決めるだけ、ということだろう。

「…行くよ、霧切さん」
 歯ブラシに歯磨き粉を乗せて、それを示す。
「……ん、ぁ」
 霧切さんは、無言で口を開いて此方に向けた。

 口腔に、そっとブラシを挿し入れる。
 口の中はデリケートだ、乱暴にして傷つけたくはない。
 そっと添えるように、左の奥歯にブラシをあてがった。
 カチ、と、硬い歯にプラスチックが触れる手触り。
 前後に動かすと、それに合わせて彼女の頬肉が膨らむ。

「…ど、どう?」
「ん…懐かしい、感じ…少し…くひゅぐった、…くすぐったい、かも」
 話す間も歯ブラシを動かすので、呂律が回っていない感がある。

 でも、懐かしい感じ、というのは、わからないでもない。
 昔はみんな誰だって、自分の親にこうして歯を磨いてもらったはずなのだ。

 霧切さんだって、きっとそうだろう。
 お父さん、もとい学園長とは仲が悪いみたいだし、お母さんは亡くなっているって聞いたけれど。
 彼女にもきっと、そういう淡く輝く思い出はあったはずなんだ。
 例え彼女が、今をどれほど暗いものとして見ていたとしても。
 過去の温かな思い出は、きっと色褪せない。

 心地よさそうに、霧切さんは少しだけ目を伏せる。
 さっきまでの緊張が嘘のように、僕は落ち着いてしまっていた。
 相手の歯を磨く、という行為が、とても尊い行いのようにさえ思えた。
 そういえば僕も、昔は妹の歯磨きを、こうして手伝ってやっていたっけ。


 そうやって感慨に耽っていられたも、時間にしてほんの僅かだった。
947名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 04:02:04.54 ID:xgdfKiiw

 反対側の歯を磨こうと、口の中で歯ブラシを捻った、その拍子。

「ん、えぁ…っ…!」

 ビクン、と、霧切さんが震えた。

「え、…?」
 一瞬、ほんの一瞬だけ、毛先が舌を掠めただけのはずだったのに。
 霧切さんも、自分で自分の反応に驚いている。
 薄く閉じかけていた目を見開き、その視線が僕を捕らえた。

 …酷く嗜虐的な感覚が、むくりと胸の底で起き上がる。

「ふ、むっ…ん、ぅ!?」
 さっきよりも少しだけ乱暴に、彼女の歯肉を擦る。
 やわらかい毛先に、細かな振動。
 変化は目に見えて表れた。
 歯ブラシの動きに合わせて、それから逃げるように、霧切さんが首を動かすのだ。

 あのアニメで言っていたことも頷ける。
 口の中は粘膜、酷く敏感な部位なのだ、と。
 大人のキスをするだけで足腰が立たなくなる、なんて人もいるらしい。

「…気持ち、いいの?」
 尋ねながらも、歯ブラシを動かす手は止めない。
「ふぁ、む、…えぅ、っ…! …あ、ふ」
 僕の問いに答えたくないのか、それとも答えられないのか。
 閉じた口の端から洩れる息が、心なしか甘い響きを帯びている。

 舌が一番敏感なのかと思ったが、彼女の反応は口蓋を擽った時に、より顕著なものになった。

「は、ひゅっ……!!」
 大袈裟なまでに、霧切さんが身を縮込ませた。
 口腔の天井、そこが一番敏感らしい。
 おそらくは反射だろう、歯ブラシを咥えこんだまま、霧切さんはその柄を噛みしめた。
 歯ブラシが動かせなくなる。
 ので、上下に揺らして、そのまま口蓋をつつく。

「…っ、〜〜〜〜!!」
 僕の目を見ながら、ブルブルと顔を震わせる霧切さん。
 うっすらと瞳が潤んでいる。
 手はスカートの裾を力強く握りしめている。

 胸の底で首をもたげた嗜虐心が、いっそういきり立った。
948名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 04:03:11.30 ID:xgdfKiiw

 逃げようとする霧切さんの腕を握り、壁に押し付ける。
 壁を背に、逃げ場を失った霧切さんが、いよいよ口を開く。

「にゃえ、ぎ、くゅ、……らめ、止め……へ、ひぅっ!」
 口を開いたので自由になった歯ブラシで、舌の裏側を擦る。
 歯ブラシの刺激から逃れようと、狭い口腔内で舌が暴れ、その都度そこに毛先を押し付ける。
「ごめんね、なんて言ってるか聞き取れなかった」
「えぅ、へぅう」

 次第に抵抗が無駄なのだと理解したのか、舌が逃げるのを止めた。
「はぁ、あ…」
 歯を擦る音と共に、甘い吐息が口から洩れる。
 僕も、だいぶ浮かされている。
 歯を磨くはずなのに、隙を見ては舌を掠り、口蓋を突き。
 その度に鋭敏な反応を示している霧切さんが可愛くて、色っぽくて、我を忘れた。
 まるで熱に浮かされているかのように夢中になり、


 気づけば、十分ほども経過していた。


「……」
「……」
 もう霧切さんは反応を示さなくなっていた。
 抵抗すらもせず、涙を浮かべた目で僕を見ているだけ。

 ゆっくり、口の中から歯ブラシを引きぬいた。
 銀糸が唇から伝う。
 熱で蕩けたような目で、霧切さんはしばらく虚空を見つめていた。

「…霧切さん、終わったよ」
「ん…」
 僕の声に、気だるそうに身体を起こす。
 少しの間肩を上下させて、それからおもむろに立ち上がる。
 つん、と、自分の頬を突いてみせた。うがいをしてくる、という合図だろう。
 パタパタと部屋用のサンダルを鳴らして、彼女は扉の向こうに消える。

 部屋に残されたのは、僕と静寂。そして罪悪感。

 思わず顔を覆った。
 なんてことを。
 ケダモノじゃないんだから。
949名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 04:04:17.86 ID:xgdfKiiw

『貴方が一番信頼できるからよ』
 霧切さんの声がリフレインする。
 あの汚れを知らない声を、僕が怪我してしまったのかと思うと、


「…三つ、わかったことがあるわ」

 ガバ、と、顔を起こす。
 いつの間にか霧切さんが戻ってきていた。

 口をゆすいできたのだろう、表情はどこかすっきりしている。
 さっきまでの蕩けた様な顔ではなく、どこか冷たさを感じさせる、いつもの霧切さんの無表情。
 けれども、これでも一応付き合いは長い方だ。
 無表情の中に宿る彼女の感情に気づける程度には、僕は霧切さんを知ってしまっている。

「一つ、他人に歯磨きをされるというのがどういうことなのか」
「あの、待って霧切さん、ゴメン」
 怒っていないというのは、その表情でわかった。
 いやむしろ、怒っていた方が幾分かマシだ。

「二つ、苗木君もやはり男の子だということ」
「なんでもするから、ねえ、先ずその手を降ろしてくれないかな」
 ビシ、と、此方に突き付けられた彼女の右手。
 そこに握られている物を見て、思わず絶句する。

「そして、三つ…そういう私も、やはり年頃の女の子だったということよ」

 無表情、けれどいつになく饒舌な霧切さん。
 聞かずともわかる、少しだけ彼女は興奮しているのだ。
 謎を見つけた、無邪気な子供のように。

 しかし無邪気さは時として、残酷さを併せ持つ。
 つまり、まあ、どういうことかというと、

 彼女の手には、僕の歯ブラシが握られていたのだ。

「…謎の解明は終わったわ。此処からは完全に私の趣味の領域だから、無理に付き合わなくてもいいわよ」
「え、あ、それじゃ…」
「さっき私にしてくれたことに、貴方が何にも感じ入る所がないというなら、の話だけど」

 言外に逃げ道を塞いで、霧切さんが詰め寄ってくる。
 自業自得だ、因果応報だ、わかっていても。
 変わり者の彼女に、今日も僕は振り回されるのである。

 個人的には、仕返しとばかりに二度目の歯磨きをされてしまったことよりも、
『男の子のくせに、可愛い声をあげるわね』
 したり顔の霧切さんが最後に言い捨てた言葉の方が、僕にとっての良い戒めとなったのだった。
950名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 04:05:29.09 ID:xgdfKiiw
口達者なアホ毛高校生主人公を見て、気づいたら苗木君に同じことさせていた
正直すまんかった
951名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 08:57:10.16 ID:xl6nASc0
GJ!
新しい世界が広がった気がするぜっ
952名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 09:50:04.69 ID:nYouSC0T
GJ!
この変態…もとい天才め!
握手して下さい!
953名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 12:14:00.18 ID:qp0Mexfj
>>950
なにこれえろい
超GJ!!
954名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 14:54:43.78 ID:R2K8ePM8
久々に来てみたらえらく進んでたので、僭越ながら次スレ立てときました

【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.8】
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1330840331/
955名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 16:03:09.33 ID:sPlJmTvD
>>950
GJ!
苗木君に涙目にさせられる霧切さん…たまらんな!
956名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 16:36:00.52 ID:uPVau1Eb
歯磨きに涙目の霧切さん・・・ヤバイ。


だれか脳内映写機を貸してくれ!!!
957名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 19:01:38.65 ID:qp0Mexfj
こう、あれだな
クールで芯のしっかりした娘が呂律が回らなくなっている姿というのは
非常にグッとくるものがあるな、うん
958名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 19:41:04.92 ID:M8Ri3MU8
>>954
959名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 22:14:03.92 ID:huhcYvQ4
>>950
遅ればせながらGJ!
これは苗木君を攻め立てる霧切さんの方も見てみたいじゃないか
960名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 23:34:24.92 ID:nYouSC0T
>>957
わかるぜその気持ち
普段は男前な霧切さんだけに、弱さが覗く瞬間というのは一層味わい深いものがあるべ
961名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 00:06:29.80 ID:OTqMHl+8
>>954
乙です。今回は苗木君が>>2>>1乙出来るのか・・・
962名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 00:07:16.59 ID:g2unbxP8
 
963名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 08:22:45.65 ID:BGrwYfWn
もう次スレ立てちゃったのか
ちゃっちゃと埋めるか
964名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 12:22:14.25 ID:J/FNA/py
>>937
なんとなく、霧切さんは平然としていて苗木君が一人で慌てふためいている絵が浮かぶ
965名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 15:40:17.32 ID:bSj97MNo
そして苗木君の慌てる姿を見て霧切さんがS気味にからかい始めるわけですね
あると思います
966名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 16:39:03.07 ID:x2xb/jht
出席日数が足らず保健体育の補習を二人っきりで受ける羽目になった苗切
DVDの授業なので教師もいない
しかし妹様によってDVDがいかがわしいやつにすりかわっていて・・・
967名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 19:25:30.07 ID:x9FT4/xR
霧切さんはそのくらいじゃ動揺はしないだろうな
それどころか女子メンツのなかで動揺するのは朝比奈くらいか…
女子メンツはなかなか強者揃いだな
968名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 22:06:44.99 ID:J/FNA/py
霧「これは興味深いわね…」
苗「」


そんなエロギリさん
969名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 23:30:10.79 ID:zAgFRIaZ
霧切さん自身は平気だとしてもだな、苗木君の方はそうもいかんわけだ
いけないと思いつつも、ついついいかがわしい映像の方に目がいってしまって、次第に異様なシチュエーションに飲まれていく苗木君
霧切さんの方も、苗木君の眼に僅かに獣が宿っていることに気付き、内心酷く動揺してしまう
そして二人は……




おや、こんな時間に来客か
一体誰だろう?
970名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 23:54:02.24 ID:bSj97MNo
わっふるわっふる
971名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 01:47:46.47 ID:otINHb4i
うむ…アリだな
972名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 08:17:15.31 ID:0qdrrr1H
霧切さんとハリウッド版シャーロック・ホームズを見に行きたい
973名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 12:16:49.71 ID:JXLmjI5U
すんごい微妙な顔しそうだw
974名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 16:13:11.94 ID:otINHb4i
霧切さんとデートとなると、
どうも途中で事件に巻き込まれて有耶無耶になってしまう展開が浮かんでしまって困る
975名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 18:18:49.37 ID:SHNs1V33
なんかいなかったっけ
いるだけで事件に巻き込まれていくやつ
976名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 20:12:43.75 ID:0qdrrr1H
>>974
名探偵的にはお約束だな
霧切さんはきっとデートよりも探偵の責務を優先せずにはいられないんだろうが…
977名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 20:56:28.68 ID:r2hmXqDg
そういえば、霧切さんのエラリィ・クイーンは知ってる?
のネタはどこで見れる?
978名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 22:12:52.96 ID:otINHb4i
>>976
事件に相対している間はそっちにのめり込みっぱなしなんだけど、
事件を解決してからふと我に返って、デートが台無しになったことにヘコんでたりするといいと思います

「ごめんなさい…私のせいで」
「霧切さんのせいじゃないよ。
 それに…不謹慎かもしれないけど、僕は霧切と一緒にいられるだけで嬉しいから」
「…苗木君のくせに生意気ね。
 …でも、ありがとう。そう言ってもらえるだけで私は…」

とか、そんな風にイチャってたらなおいいと思います

>>977
一章の捜査パートでだいいんぐメッセージを見つけた時の会話だな
979名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 23:42:29.33 ID:OCzJeDja
>>978
ふむ…続きを詳しく聞かせてもらおうか
980名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 23:59:33.29 ID:0qdrrr1H
ええのうええのう
981名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 01:26:31.15 ID:mD5Qk4Sk
             , -‐‐‐- 、
         , ''"´´        丶
..      ,               ヽ
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          i__ト、_У^,.ノハ ̄八 i  |,ハ   .|/ο))
.      '.イ f_、  弋ツ ′ヘ  レノトニニトリ<\
        Y Vソ           i  .|' ,乂.人′ `ヽ\
.       l 圦 丶         |  .|ヽ  尨 ヽ.   ¨´
       l .i  i 、 ‐ ´  /.::ル: | \乂_ 人
          i |  |l,_> , 。o゚_ イ .i iニ=- 、尨 ヽ
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         .リ,|  |-=ニr' |}{| マ  .| |ニ<´=-- 、 ヽ
       .__イ-|  |二ニiー∧_∧ー‐i| :,二ニ\/'二ハノ
     /二/|  |二ニ| {:::::::::} ,/| |二二/ニニ∧ヽ
     iニム\|  |二ニ| ,〉⌒イ ∧| |二/ニ/ニニニ{人
     /l,ニ∧ |  |ニニ∧ i:::::::::|∧.:| |/ニニ,小二ニニ|尨ヽ
.    / ,},ニ∧|  ト、二∧'::::::::∧,ニ| |二二iニニニニ|乂_人

    「苗木君のクセに生意気ね」
982名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 01:27:15.86 ID:mD5Qk4Sk
.             , ''"´ ̄ ̄` ヽ 、
         , ''"              、
       ,                ヽ
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       !   i  | 、  i 、  `ヽ   i    |
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       <二/::::,ィ>>|}{|マ . | | |二ニ>乂_ 人
        //ヌ∧:::::::ノ:::::,' /|}{| マ .| | |ニ<_  尨 ヽ
     / ムニ\ヽム イ .∧_∧゚ゝ| | |ニニ\二=- 、ノ
      ,lニムニニ≧=-イ〉{::::::::j}  | | |ニニ/二/ニハヽ
     /l ム二二二ニ,イ 〉⌒イ゚ /| | |=/二ニ/ニニ{人
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   ./ /ニニニニイ\∧'::::::::∧=| | |ニニニiニニニl乂_人

   「苗木君のクセに生意気ね…」
983名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 01:28:08.96 ID:mD5Qk4Sk
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    「…苗木君のクセに生意気ね」
984名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 01:28:46.67 ID:mD5Qk4Sk
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           ′ |I⌒|  | 斗===ミ. ー┘-ィ行ハ 7ニコ
            リ 八 |  | 弋zノ     ヒソノ/,<\
           / ′ ヽ|  |             / l  `ヽ\
  ┌        / , .: .: .: |  |:.      _ ′ ./ lY   .)/
   、::::.\    ,/ / .:____|  |_.    ( ̄ノ /l  .!ノ    ^
.   丶:::::` ー=、__′ \ニ=|  | r:L _> _  く  |  .¨Y
    __/::`ヽ::::::::::ヽ≧ーマ≧|  | L    ̄〕iI{ニニ=|  :_.ノ
   {:::::::l::::::{:::::::::::::::.マニ=\|  | ∧    |}{| マニ∧  , Y
.  /.:::::::i}::::::ーヽ::::::::}|ニニ}:.|  |= ∧___∧∧マニ∧ Vノミ
.  ヽ::\:::ー/:::::::::/仁==|:.|  |====ヽ Y'⌒¨| マニ∧ ',=- 、
.    ー‐ ´ゝ- =7ニニニノ:.|  |\===∧マ--イ マニ∧ V=={ヽ
    / .乂.: .: .:./彡′= =|  |==\==∧|:::::::::, .|ニニ∧ V= 人
.   /  / / ̄ ̄´、ニ=ニニニ|  |====\=∧::::::::::}|ニニ/} }=l尨 ヽ

  「苗木君のクセに生意気ね!」
985名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 01:29:57.63 ID:mD5Qk4Sk
                       , --- 、, ---- .、
                   ''"´           `ヽ
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                  /  ./  ' /
               ′ ' /  ′                 ハ
             {  { ./    .!
                 ____  :  |  .i!   :!    l      .:
                / r‐< ,イ  :!  |   .|!    l | l |_i
             レ// ,ヘノ彡|  i|_|___八_i__i!_|斗ャヤ´
             {  。゚ 。 ヽ`i! .| r====斥   ,斗芳/
              \。゚   Y .| 'ゝ,込z夛    ヒソ〈
                リ .マイ´ ̄`丶、 ////    、  イシ\
              //.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l       __ ´ , |`ト、冫
              八.:.:i!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト    ‘='’イ 人丕ト、
                / .∧.:.:i!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.lト≧_ ==个 | | | (乂)
           / ./ .冫.: i!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l   トf圦‐┤ |x.i___ (乂)
             / ./ ./  ヽ.:i!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l  |}{|゚。 ゚。| |.:.:./ (乂)
.           / ./γ'¨ ̄ Y.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l_,ト、/ヘ、| |<    (乂)
         / ./ /.:.:.:.:.:.:.:.:.Yl.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l γ´⌒Y.| |.:.:.:.:`丶、 (乂)

        「苗木君のクセに…生意気ね…」
986名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 01:31:43.79 ID:mD5Qk4Sk


  |!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!|
  |                   |
  |    C U P        |     /
  |              |      苗木君のクセに生意気ね
  |  G O K U B U T O   |     \
  |   ______  .|
.   |   (カップゴクブト)  .|
.  |     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   | 
.  | !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!|
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


同じ台詞でも表情で大きく印象が変わる! ふしぎ!
987名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 01:45:00.17 ID:Yqa54DqU
俺的に霧切さんは表情隠そうとしつつバレバレなとこがポイント高い
988名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 08:28:00.61 ID:UJROGunY
>>986も捨てがたいが、やはり>>985の破壊力は半端ないな…
989名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 12:27:34.85 ID:fDqsLf+G
俺としては>>984に赤面をプラスしたら最強ではないかと思う
990名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 16:02:24.04 ID:WK+V/B40
>>983+頬染めというのもアリじゃなかろうか
ポーカーフェイスのまま赤くなっている霧切さん…実に味わい深いと思うんだ
991名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 19:08:48.49 ID:fDqsLf+G
それも良いな…

さて、残り10レスか
早いところ埋めてしまおうかの
992名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 19:58:22.00 ID:gm/rxjPz
久々にダンガンロンパやったが霧切さんはかーわいいな
993名無しさん@お腹いっぱい。
HAHAHA何を今更そんなわかりきったことを