世界樹の迷宮のキャラはワインドウィップカワイイ 第13階層
スノドリ祭り支援。いや、攻略の方で面白そうなことやってたので。
たまたまこの街を訪れ、外れの方を散策していた君が目にしたのは、白いワンピースを着た
少女が、数人の男を相手に斬り結んでいる光景だった。
彼女の手には鋭い剣が二振り。その太刀筋は吹雪を連想させるほどに冷たい鋭さに満ちて
いるが、相手はチンピラではなく――多少は戦い慣れした冒険者だった。
やがて少女は追い詰められる。ワンピースのすそからのぞく雪白の細い脚に、男たちは
下卑た笑みを浮かべる。
君は蛮声とともに、彼らへ殴りかかった。ごつい篭手をつけた男を体当たりするように倒し、
馬乗りになって顔を殴りつけたところで、男たちのひとりがののしり声とともに、君を蹴り飛ばした。
立木に叩きつけられ、君は地面に投げ出される。
しかし、君のがんばりは無駄にはならなった。やけにごわついた白いエプロンドレスの女が二人
現われ、少女の傍らで剣を構えた。もはや男たちに数の利は無く、ほどなく彼女たちに切り伏せられた。
「お嬢様! あれほど勝手に出歩かないで下さいと申しましたのに……!」
「お嬢様の強さは存じておりますが、多勢に無勢ではどうにもなりませんわよ!」
きいきい叫ぶ彼女たちには構わず、少女は尻餅をついたままの君に歩み寄ってくる。
「お前、よえーな」
と、腰に手を当て、君を見下ろしながら少女は言う。
「でもいいぞ。男を見せてもらった」
差し出された手を取る。ひんやりと少し冷たかった。
何を話したかは覚えていないが、二言、三言、言葉を交わしたのは確かだ。
「そうか、冒険者志望なのか……。じゃあ、お前もそのうち来るかな」
どこに? と君は尋ねた。
「我が翠緑の玉座に。じゃあな。その気があるなら急げよ。他の男に先を越されてからでは遅いぞ」
そう言った女の微笑みは、どきっとするほど無邪気な飾り気のないもので。
君は今でもその表情をありありと脳裏に描くことができる。
あれからすでに数年が経ち、迷宮に挑むだけの力を付けた君は、再びエトリアの地を踏んだ。
町の噂によると、彼女は脅威をもっていまだ迷宮の奥に住んでいるようだったが、執政院がそろそろ
本腰を上げるのではないかということだった。
――つまり、君はどうにか間に合ったのだ。
さあ、仲間を集めて冒険を始めたまえ!