そしてアラドの出した答えはこうだった。
「『チチ揉んでごめんなさい』って」
「…バカねぇ、アラド君」
「バカよ、アラド」
「あぁ、バカだな」
「バカね」
「バカだよね」
「バカですね」
「バカだねー」
「チチが…巨乳がなんだ…ッ!」ドカッ ドカッ
「バカよねぇ」
「バカですわ」
「バカだ」
一部を除いて一斉にバカ呼ばわりされるアラド。あと、そろそろ一人の拳と床が危ない。
「ちょ、どういう事ッスか!?」
「いい事、アラド君…あなたが揉みしだいたモノは胸だけじゃないのよ」
「え…」
ガタ、と席を立って背中を向けるヤマさん(エクセレン)。
そしておもむろに思わせぶりな間を取って、ゆっくりと振り返り…口を開いた。
「あなたは大変なモノを揉んでいったのよ…それは彼女の心よ」
「あ…!」
どこかの有名な警部の台詞を丸パクリしたような言葉が、アラドの心を鋭く切り裂いた。
がっくりと肩を落とし、声を上げて泣き始めるアラド。
「俺が…俺がバカだったんだ…!アイツの事を何も考えないで…!一方的にアイツを傷付けて…あぁ…!」
何がそんなに響いたのか、ダンダンと机を叩きながら涙を流し続けるアラド。
うんうん、と頷きながらアラドの肩にそっと手を置くヤマさん。傍聴席からもすすり泣きの声が聞こえる。
一人だけ「拳が痛い」と言って泣いているのがいるが気にしない。
「わかればいいのよ…さぁ、ゼオラちゃんの部屋に行くのよ。あの子も待ってるわ」
「わかりました…俺、俺…行ってきます!行って、アイツに謝ってきます!」
「そうよ、そしてついでに愛の告白とか家族計画とか洗いざらいモロモロ全部ブチ撒けてらっしゃい」
「今それ言ったら全部盗み聞きされそうなんでやめときます」
「チッ」
こうして被告人は歓声や舌打ちと共に取調室(医務室)を後にした。なお、一人の貧乳が拳の治療の為そのまま残った。
(次スレに続く)