夜空にうっすらと流れる雲にまん丸のお月様。
そしてとても神秘的な満天の星空。
まるで、そこだけ時が止まったようなトキワの森。
そして…。
「ぷ〜ぷるる〜ぷ〜ぷ〜り〜ん〜ぷ〜り〜ん〜」
夜になったせいか森は静かで、幸福感と安らぎを与えてくれそうな
プリンの美しい歌声が、トキワの森中に響きわたっていた。
「ぷう〜っ!」
プリンは歌い終わるなり、頬を膨らませた。
プリンの歌を聞いていた、フシギダネやピカチュウは
すやすやと寝息を立てて眠っていたのだ。
「なにさ!今日こそダネちゃんもピカチュウも
ちゃんとプリンの歌を聞いてくれるって約束したのにー!」
そう言うとプリンはおもむろに、マイクの先っぽを抜くと、
油性ペンの先っぽが現れた。
プリンはいつものように怒った顔をしながら、みんなの顔に落書きし、
一通り書きあがると、プリンはマイクをしまい、ちょっと悲しい顔をした。
「あたしの歌ってみんなが眠っちゃうほど退屈なのかなぁ…。」
どうやらプリンは自分が歌を歌うことによって起こる効果をイマイチよく分かってないようである。
「はぁ…、今日はもう遅いから帰って寝ようっと。」
あたりは、月明かりで意外と明るかった。
プリンがとぼとぼと家路に帰ろうとした途中、月明かりに照らされて木の下に白いものが見えた。
それはポケモンだった。
傷ついているのか、ぐったりとその身を横たえている。
透き通るほど白い肌、緩やかに伸びている尻尾。
月明かりのせいか、まるでそのポケモン自身が輝いているように見えた。
今までにプリンが見たことも無いような、神秘的で優美なポケモンだった。
「きれい…。」
プリンは、さっきまで落ちこんでいたのを忘れ、恐る恐る近づいた。
プリンはそのポケモンをただただ呆然とながめていた。
と、プリンはハッと首を振り、慌てて駆け寄ると、そのポケモンを抱き起こした。
「あっあの!大丈夫ですか!?」
「ぅ…。」
プリンの呼びかけにうっすらと目を開く。一瞬、深い青色の瞳に目が合い心を奪われてしまう。
「…あ、え〜と…なまえ‥なんての?…っじゃなくてっ、ケガとかしてるの?おなかいたいの?えっと、え〜と…。」
プリンは、そのポケモンの綺麗さに戸惑ってるのか、単にトラブルに弱いのか、プリンは慌てた。
「ミュウ…。」
プリンの慌て振りを気にせずにくすっと笑い、優しげな答えが返る。
「どこもゲガをしてないし、おなかも痛くないよ。ただ昼間に遊びすぎて疲れてただけだよ。」
そんなミュウの落ち着き振りを見て、プリンは顔を真っ赤にする。
「君の名前は?」
「ぷっ、プリンだよぉ、こ、こんなとこで寝てたら、風邪ひいちゃうんだからぁ…。」
「そうだね‥んっ!…ふぅ…。」
ミュウは、どうやらとても疲れているようで、立ち上がれないようだった。
「ち、ちょっと、本当に大丈夫なの?」
「ちょっと力を使いすぎてね…。」
「力…?」
「少し休めば直るよ、ぼくの事なら大丈夫だから…。」
ミュウは、口ではそう言っているが、プリンに気を使って無理している事を
幼いプリンの目で見ても明らかだった。
プリンが、ミュウの額に触れるとプリンは驚いた。
「やだっ!ミュウちゃんすごい熱だよぉ…。」
「…たいした事ないよ、大丈夫だからお家に帰りなよ…。」
ミュウは落ち着いた素振りを見せたが、息遣いのほうは、少し荒かった。
プリンは、少し黙っていたが、突然ミュウの方を見て言った。
「やだっ!!だってミュウちゃん苦しそうだよ!プリンもここにいるもんっ!!」
「プリン…。」
プリンはそう言うと、ミュウの横にチョコンと座った。
「ミュウちゃんが元気になるまでここにいるもんっ!」
プリンは少しぷぅーと頬を膨らましながらミュウの頬を撫でた。
「プリン、何で見ず知らずのぼくにこんなに優しくしてくれるの?」
ミュウは、とても不思議そうな顔でいった。
「えっ?いや‥だってぇ…心配だし…。」
プリンは、なぜか赤くなってモジモジする。
しばらくの間、二人はお互いに黙ってしまった。
(…何か喋らなくちゃ…えとえと…。)
プリンが何を話そうとした時、ミュウが突然プリンの肩によしかかった。
(えっ…?)
「…しばらくこのままでいさせてくれないか?」
突然肩によしかかられた為か、プリンの心臓はすごくドキドキしていた。
「う‥うん、いいよ。」
(ミュウちゃんの顔がすぐ横にあるんだ…。)
ミュウは、とても心地よさそうに目を閉じている。
プリンは、ミュウの顔をじっと見ていた。
「…ミュウちゃん‥。」
その瞬間、プリンはミュウに口付けをした。
ミュウの目が開く。
「‥プリン?」
「‥あっ、いや、あのっ…ごめんね!」
プリンは、無意識にとった行動に、急に顔から火が出るほど恥ずかしくなり、
プリンの顔はもう真っ赤になった。
プリンはとても恥ずかしそうにそっぽを向く。
「プリン、ちょっとこっち向いてくれないか?」
「えっ‥う、うん。」
プリンは恐る恐るミュウの顔に向く。
ミュウは、くすっと笑い、優しげな顔でプリンの顔をじっと見ている。
(えっ…?)
その瞬間、ミュウは突然プリンに優しげに口付けした。
「みゅ!…ん、むぅ!」
プリンは、突然の事で、頭の中が真っ白になり、まるで時が止まったような感覚におちいった。
そこに突然プリンの口にミュウの舌が入ってくる。
「‥ふぅぅむぅ‥ぅ‥ん‥ん‥ぅ」
プリンは、突然ミュウの舌が入って来たのでビックリし、じたばたと抵抗していたが、
ミュウの舌がさらにプリンの口に掻き回されると、
プリンは目にいっぱいの涙を浮かべたまま力を抜いてしまう
「ふ‥ふぁ‥。」
濃厚な長いキスが終わり、二人のの唇が離れ細い唾液の線を描いていた。
プリンは初めての不思議な感覚にしばらくボーっとしているのもつかの間、
ミュウは突然プリン乱暴なまでに押し倒した。
「ミュウ‥ちゃん?」
ぽうっとプリンの視線が宙をさまよう。
「プリンがぁ、プリンがいけないんだからぁ…」
まるで先程までの落ち着いた面影は見えず、
ミュウの顔は、まるで何かを求めているようにも思えた。
(泣いてる‥どうしたの?くるしいの、ミュウちゃん?)
幼いプリンには、ミュウがこの先何をしようとしてるのか想像もつかない。
(なんかぼく我慢できなくて…変に、なりそうで‥ごめんね…。)
ミュウは止めることの出来ない何かに突き動かされたように小さなプリンの胸元に舌を這わせる。
「ミュウちゃん?あ、やん!」
きょとん、とするプリン。
だが、膨らみきっていない胸の頂きを吸われ、再びぞくぞくとする感覚に襲われる。
(でもっ、ぜったい、ぜったい痛いことしないから…)
「ふや…うん、うんっ!」
プリンはぎゅっと目をつむり何度も頷く。
やがてミュウの舌は胸を離れ、身体を返してプリンの内股に伸びていった。
その時、プリンの顔に冷たい水のような物がポタリと落ちた。
見上げると、細く長いミュウの尻尾が見える。
(ミュウちゃんのしっぽ、濡れてる…。)
プリンは、その蜜の味を確かめるかのように、口にくわえる。
「あ‥ん、ひゃあうっ!」
ミュウは顔を上げ、声を出す。
(気持ち‥いいんだ…)
そのまま音を立てるようにしてミュウの尻尾を舐めつづける。
ミュウも感覚に身を任せながらプリンの内腿から股間へ向けて舌を這わせた。
「あ…あっ!やっ‥。」
ミュウの舌が花弁を舐めまわすと、プリンもまた初めての感触に戸惑う。
(プリ‥ちゃ‥きも、ち‥いい?)
ミュウの声も途切れ途切れになっている。
「う、うふぅ…。」
尻尾を咥えたままそれに答える。
頭の芯にぼうっと火が灯った感覚。
身体が自分から飛んで離れていってしまいそうな感覚。
様々な感覚の渦が、プリンの頭の中を掻き回して目の前でマーブル模様になる。
そして、そして全ての感覚が一気に加速してプリンを襲いはじめた。
(こわいよぉ、プリンのからだ、とんでっちゃうよぅ…。)
ミュウは、プリンの表情からそれを読み取る。
舌の動きを止め再びプリンに向き直ると、プリンが必死になって首筋にしがみついてくる。
ミュウもプリンの身体をきつく抱き寄せると首筋に何度も何度もキスをした。
(だいじょうぶ、だよ。ぼくに、つかまってて‥ね?)
「ん‥きゅゅうん。」
言葉にならない泣き声をあげながら、しっかりとミュウの身体を抱きしめる。
ミュウの尻尾はプリンの花弁を強く擦りはじめる。
だが、その動きには最初の粗暴さは無く、互いの快感をゆっくり、優しく引き上げてゆくような動きだった。
「やぁう…うう、ミュウ、ちゃ…プリン、も、いっちゃう…、よぉ」
「んっ…ぼくも、も、だめ…ふぅあう!」
やがて、一際強くミュウの尻尾がプリンの花弁になぞり上げると、
プリンの耳の奥でキーンと甲高い音がして、目の前が真っ白になってゆく。
「はや、や、ふぁあああああああああん!」
自分が何を叫んでいるのかも解らない。
耐え切れず、きゅっ、とプリンは身体を小さくした。
その弾みにミュウの尻尾を内股で強く挟み込んでしまう。
「ん、んゃ、やっ、あああああああぁ…」
ミュウとプリンの長く、甘い叫びがトキワの森の奥の方に聞こえる…。
「…ミュウちゃん。」
抱き合ったまま、プリンは囁きかける。
ミュウは身を切るような罪悪感からか、涙を止めることができずに、プリンをただただ抱きしめていた。
そんなミュウに、プリンは自分の出来る限りの優しさを伝えたかった。
「プリンね…、歌が上手なんだよ。」
ミュウの答えは無かった。
まだ泣いているのか、鼻を啜り上げる音が時折聞こえる。
「歌ってあげる…だから…。」
だから…。
ゆっくりと、いつもよりも、たくさんの気持ちをこめる。
ミュウの耳元に、優しくて、それでいて可愛いプリンの歌声が届く。
包み込まれるような、まどろみ。
(プリンちゃん…ありがとう…。)
ミュウは小声で言うと、すぅすぅと心地よい寝息を立てはじめた。
プリンはミュウの寝顔を見上げて、ちょっとむくれる。
「…もぉ…ミュウちゃんの顔、落書きしちゃうぞ…。」
それでも、プリンは、歌を続けた。
ミュウの夢の中まで歌が伝わるように。
トキワの森は、いつもよりも優しいプリンの歌に包まれていた…。