※コラボネタ注意です※
狩猟、駆除、いわれのない虐待。タブンネ達の安らげるの場所はもはや世界中のどこにも無かった
住処を追われ、20匹もの幼い子供たちを連れてあての無い長い旅に出るタブンネたちの群れ
どこか遠い遠い所へ行きたい・・・
そんなタブンネ達の願いが何かに通じたのか、タブンネ達の前に違う世界の扉が開く・・・
タブンネ達が目を覚ますと、そこは全く知らない場所であった
赤い月、大きな湖、そして巨大な洋館
タブンネ達はうろたえながらも得意の聴覚で辺りの様子を探る
この場所は聞いた事の無い音でいっぱいだった。しかし、聞き覚えのある音が一つだけあった
・・・人間の子供の足音だ。それ自分たちと同じくらいの背丈の華奢な女の子、こっちに向かってくる
「・・・何かしらこの生き物、鼻の無い豚?」
人間の子供は少し驚いた様子でタブンネ達を見ている
何処かに出かける途中だったのか、大きなバスケットを持っている
バスケットからはお弁当と思われる、サンドイッチやスコーンのいい匂いが漂ってきた
・・・この子供をやっつけて、食べ物を奪おう
長旅で空腹の限界だった親タブンネ達は決意する
雌や子どもが茂みに隠れ、数匹の雄たちが子供を取り囲む
タブンネの雄たちは人間の子供くらいなら突進だけで楽に倒せる事を知っていた
事実、それで子供たちの持っている菓子パンや飴を奪って食料にした事もある
・・・もっとも、その後大人たちから手痛い反撃を食らった事も多々あるのだが
5匹の雄タブンネは子供を取り囲みタックルの体制をとる
普通の子供ならこの状態になると恐れおののき、食べ物を置いて逃げて行く事もあるのだが
この子供は違った
「何のつもりなのかしら?お弁当ならあげないわよ」
子供は少しも慌てる様子もなくそう言い放った
「ミーッ!」タブンネの一匹が子供めがけて突進する
しかし当たる寸前、子供の姿はタブンネの目の前から消えてしまった
勢い余ってそのまま転んでしまうタブンネ。子供はいつの間にかそのタブンネの後方に回っている
「ミミーッ!!」こんどは4匹同時に四方から突進を仕掛けるタブンネ達
だがやはり子供は当たる寸前にタブンネの前から消えてしまい、タブンネ同士でぶつかって後ろにこけてしまう
転んだまま空を見上げると、そこにあの子供がいた
背中にはプテラやハハコモリのような大きな羽を羽ばたかせている
タブンネ達はポケモンの力を借りずに空を飛べる人間を知らなかった
「突進するしか能が無い・・・ やはり豚のようね」
子供はそうつぶやくと何処からか巨大な赤く光る槍を取り出し、タブンネの一匹に投げつけた
「ミギュウ!」槍はタブンネの胸を深々と貫いた。赤い血を噴水のように噴き出しながら、そのタブンネは絶命してしまった
雄タブンネ達は青ざめた。そして自分たちは襲う相手を間違えたのだと気付き、一目散に逃げ出した
しかしその子供は親タブンネの前方に目にもとまらぬ速さで回り込み、先頭のタブンネに爪を突き付ける
血のように真っ赤なそれはヴォーグルの爪ようにに鋭く、タブンネに恐怖を与えるには十分な迫力があった
「ミギャア!!」爪の一撃はドリュウズのそれを思わせるほど強烈で、タブンネの大きなお腹を深々と切り裂いた
そのまま連続でタブンネを引っ掻く子供。タブンネの身体はすぐにズタズタになり、体中から滝のように血を流して倒れてしまう
3匹のタブンネは2手に分かれて短い脚で必死に逃げる
子供は2匹の方に目を着けると、またもや前方に回り込み、身体から赤い霧を出しながら高速回転し、巨大な赤い竜巻を作り出した
タブンネ達は悲鳴を上げる間もなく巻き込まれた。竜巻はやがて光り出し、中からタブンネの断末魔が聞こえてくる
子供が回転を止めると竜巻も収まった。すると辺り一面に赤い血の雨が降り、同時に砕けた骨やピンク色の皮の破片もバラバラと落ちてきた
最後の雄タブンネは必死に逃げた、しかし空を飛べる子供にはすぐに追いつかれてしまう
そしてその子供は太い木に垂直に足をかけタブンネに狙いを定め・・・
「ゴォウ!」
まるで弾丸のようにき超高速でりもみ飛行しながらタブンネに突撃した
あまりに凄い威力だったのかタブンネの上半身は完全に粉砕され、無くなってしまった
「脂でべとべとして最悪だわ、・・・そいうえば雌と子供もいたわよね」
その頃、雌と子供は雄たちが惨殺されるのを見て湖沿いの道に必死に逃げ出した
タブンネの耳は、あの子供が高速で風を切って飛んでくる音をしっかりキャッチしている
しかしそれは鈍足なタブンネ達にとって、ただ恐怖を煽るだけであった
「バシッ」ムクホークのようにタブンネの群れに突撃する子供
一番小さな子タブンネが子供に捕まった。子供の首根っこを掴みながら、タブンネの前に着地する子供
雌のタブンネの一匹は青ざめた顔で手をすり合わせ、子供を返してくれるよう哀願している
おそらくは掴まっている子タブンネの母親なのだろう
掴まった子タブンネは手足をじたばたさせながらミィミィと鳴いて抵抗している
「どんな物でも食わず嫌いはいけないわね、意外と美味しいのかも」
「ミ゙ッ!」
子供は子タブンネの頭に手をかけ、そのまま頭をぶちりとねじり切ると
ビンの牛乳でも飲むかのように胴体からあふれ出る血をごくごくと飲みだした
「ミアアアアアアアア!!!」母タブンネが絶叫しながら足元から崩れ落ちる
子供はまるで悲鳴が聞こえていいないかのように体内の血を飲みほし、
飲み終わった子タブンネの体を無造作に湖にポイと捨ててしまった
他の動物の血を吸って生きる生物・・・ゴルバットやサクラビスのような