まさか一年経過してもまだ完結していなかったとは書いた本人も驚いています。どこまで遅いんだろ…
〈マリルリ日記 19ページ目〉
二匹が駆けだして数分後…
マリルリ「ぜーはー…ぜーはー…。」
チェリンボ「大丈夫?お兄ちゃん。」
パチリス「だらしないッスよ新入り。」
マリルリ「あははは…。結構鍛えてると思ったんだけどなぁ…。」
マリルリはすっかり息が上がっている。普段から荒波にもまれたり激流の滝を登ったりと、
体力には自身があったつもりだっただけに二匹のスピードについていけなかった事へのショックは大きい。
パチリス「こんなんじゃチェリンボが葉緑素モード発動したらぶっ倒れるッスよ。加速モード入ったらバケモンッスから。」
チェリンボ「えへへー♪」
マリルリ「そ、そうなんだ。すごいね…。」
パチリス「でもアタシらも調子乗って走り回りすぎたからちょっと疲れたッスね。普通に歩いて探すッス。」
チェリンボ「うん。そうしよー♪」
マリルリも呼吸が整い、少し疲れが取れてきたのでまた歩き出す。今度はゆっくりとした足取りで歩いてくれているので安心だ。
三匹は一階ホールに降りて辺りを見渡すが隠れているポケモンは見当たらない。
チェリンボ「うーん、いないね。」
パチリス「ここは手分けして探すッス。その方が見つけやすいッスよ。」
チェリンボ「わー。パチちゃん頭いいね。チェリンボが鬼なのにパチちゃんの方がすごーい。」
パチリス「フフン!当然ッス。」
マリルリ「…あ。ところで隠れているポケモンってどんな子?さっき名前を聞いたけど僕にはわからないから。」
チェリンボ「あ、そっか!えっとね、こだまちゃんはココドラ。めいちゃんはミミロル。ピチューちゃんはそのまま。」
マリルリ「へー。ココドラ、ミミロル、ピチュー…、ってもしかして、あの朝の挨拶で怒っていた子?」
チェリンボ「うん、そーだよ。」
マリルリ「あの子かぁ。大丈夫かな?あのピチューの子になんだか嫌われてるみたいなんだけど。」
パチリス「ピチューならいつもの事ッス。新入りに突っかかるのがクセみたいなもんスから。
素直じゃないんスよ〜。でも軽く挑発しとけば余裕ッスよ。あ、技の『ちょうはつ』じゃないッスよ。」
チェリンボ「へーきだよー。一緒に仲良く遊ぼう♪って言ったらすぐに仲良くなれるよ♪」
マリルリ「うーん…。うん、そうだね。仲良くなれるといいな。」
パチリス「じゃっ!あとはまかせたッス。アタシはあっちを探すからチェリンボはこっち、新入りはこの辺ッス。」
マリルリ「うん、わかったよ。」
チェリンボ「はーい。じゃあまたあとでねー♪」
二匹と一旦別れてマリルリだけが残った。さて、これからどうするか?
マリルリ「………よし………。」
ピンと耳を立てて周りの音を聞く。元々マリルリという種族はかなり耳が良く、このマリルリも聴力には自信があった。
マリルリ「…………………ん…?」
どこかでカサカサとした物音が聞こえる。足音をあまり立てないように音のする方へ近づく。
すると、カウンターの裏で逆さまのダンボールの箱を見つけた。一見すると空箱のように見えるがじっ、と観察すると
時々ガサッと音を立てて小さく動く。聞こえてきた音の正体もこれと同じだった。
マリルリ「(誰かがこの中に隠れているんだな。誰が隠れているのかな?)」
箱の大きさも小さなポケモンならすっぽり入れそうな大きさだ。間違いなく誰かがこの中にいる。
マリルリはそっと箱に手をとりゆっくりと持ち上げた。
マリルリ「みーつっけた!」
ピチュー「ひゃっ!あーあ、見つかっちゃた。折角イケると思ってたのにぃ〜…」
二匹「……………………」
数秒の沈黙の後、最初に言葉を発したのピチューだった。
ピチュー「なああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
マリルリ「!?」
ピチュー「なななななな、な、なんでお前なんだよーーーー!!!!????」
マリルリ「え、いや、そんなに驚かなくても。」
ピチュー「んなっ!?だ、誰がお前みたいなヘタレ長耳にビビるか!!!あたいが言いたいのはそうじゃないのっ!!!」
マリルリ「あ、ごめん。実はチェリンボとパチリスから一緒にかくれんぼに参加しないかって誘われちゃって。」
ピチュー「んな…!なぁ〜〜に〜〜〜考えてんだあいつら〜〜〜〜!!!!」
ピチューは怒り心頭のようで頬の電気袋からはバチバチと火花が飛んでいる。
ピチュー「しかもなんで探す方なのさ!かくれんぼといったら、いかに上手くかくれるかを競う!そーゆーものでしょ!?
鬼を増やしてどーするのさ!!!ったく、これだからあいつらガキなんだから〜!!」
マリルリ「そんな言い方しなくたって…、君だってそんなに変わらないじゃないか。」
ピチュー「あんなお子様と一緒にするな!あいつらポケモンのくせに『おかあしゃんといっしょ』見てるんだぞ?
見ちゃいけないってわけじゃないけど、あんなのガキの番組じゃない。ZHKにはグッチェさんがいれば十分なんだよ!!!!」
マリルリ「え、えーと……?あれ?それも確かZHK…」
ピチュー「そんなことはどーでもいいの!!!あたいに許可なく飛び入りなんて無効ってば無効ーーーー!!!!
さっさとあっちいけ!ヘタレスカタンキモピザ生水バカ…あー、長いからキモ耳でいいや!わかったら十秒以内に消えろキモ耳!!!」
マリルリ「キ…キモ耳って…。よりによってキモ耳って……。」
ピチュー「フン!大体あたいはお前みたいなエリート野郎が……って、おい?」
ふとマリルリの顔を見るとひどく悲しそうな表情でフルフルと震えている。瞳に涙を浮かべている。
マリルリ「キ…キモくないもん…!良い形の耳だってエンぺルトさんが褒めてくれたんだ…。
トロピウスもよく聞こえそうでいいなあって言ってたし、ヘラクロスも振り回したら武器になりそうだって言ってくれたんだよぉ…。」
ピチュー「なな、なんでそこで泣きそうになってんだよ!!お前本当にヘタレだったのかよ!!」
まさかこんな反応をされるとは思っていなかったためピチューも困惑した。
マリルリ「どうせ僕はヘタレですよぉー。エリートなんかじゃないもん、雑用だもん。雑用だけど立派な仕事なんだから〜。」
ピチュー「こ、これじゃあ、あたいが泣かしてるみたいじゃないか!
わかった、わかったからそんな顔すんな!耳はキモくない!お前はキモい!これでいいでしょ!?」
マリルリ「うん…うん…。この際、僕はキモくてもいいけど、耳はキモくないもん…。」
ピチュー「な、なんなんだよお前は。わっけわかんない…。」
マリルリ「ごめん…。なんだかわからないけど急に暗い気持ち襲ってきて、悲しくなって、それが胸一杯に広がって…。
なんだろう、本当に。今日は涙腺決壊日なのかな?」
ピチュー「はぁ?お前、鬱病と精神病まで持ってるの?どこまでヘタレ……」
マリルリ「…?、どうしたのそんな顔して。」
ピチューは目を大きく見開きながら顔面蒼白になっている。そしてマリルリの足元を指差す。
ピチュー「あ、あ、あ、ああ、あわわわ、あし、あ、あし、あし、あし、あ、ああああ、」
マリルリ「…え?」
ただならぬピチューの様子に嫌な予感がしたが、ゆっくりと自分の足元を見ると…
マリルリ「!!!!!!!???????????」
床から黒い腕が伸びていて、マリルリの足をつかんでいた…!
ピチュー「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
マリルリ「うわああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
つづく
まだ残ってたのかww
とりあえず1000まで頑張れ
マリルリの人乙です!
マリルリの耳はキモくないよ可愛いよ!
黒い腕はムーマージさんに一票入れとくw
次スレは結局どうするのかな…
とにかく次も楽しみにしてます。
903 :
名無しさん、君に決めた!:2010/01/06(水) 21:51:31 ID:AcYMbsU5
期待
904 :
名無しさん、君に決めた!:2010/01/08(金) 01:20:08 ID:35cQS9lz
ageりゃ誰かなんか書いてくれるみたいに思うなよ
気持ちはわかるが
〈マリルリ日記 20ページ目〉
マリルリは、不思議な感覚に捕らわれていた。
恐怖と驚きで固まっている自分を、冷静なもう一人の自分が幽体離脱して眺めているような感覚。
実際に幽体離脱している訳ではないので、この例え方では違うかもしれないが、もう一人の自分は
―どこか外国の偉い人があらゆる現象は科学で解明できるって言ってたとかなんとか。かがくのちからってすごいんだなぁ…
と、しみじみ思っている。ピチューも恐怖におののきマリルリにしがみついてガタガタ震えている。
ぐっ、と足を掴む腕の力が強くなり、床から黒い影が浮かび上がった。
ムウマージ「……………………………おはよう……………………」
マリルリ「みぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
ピチュー「あびょええええええええええええええ○#¥%★&<※………」
ムウマージ「……わあ……………すごく……おもしろい……………♪」
クスクスと笑いながらムウマージは床から抜け出して宙へと浮かぶ。
マリルリ「あ、あ、ム、ムウマージ…さん…?」
ピチュー「む、む、む、ムウマージ!?」
ムウマージ「………うん…。」
ピチュー「ム、ムウマーーーーーーージーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」
ムウマージ「……………なに………?」
ピチュー「なに?じゃないだろーーーーーー!!!!!なんでそんなところから出てくるのさーーー!!!!!
めちゃくちゃビビったじゃないかーーーーーーーー!!!!ばかばかーーーーーーーーー!!!!!!!」
マリルリ「そ、そうですよ。何も床から出てこなくても…。」
ムウマージ「…………ゴーストは…………影が薄い……から……インパクトは……………大事……。」
ピチュー「あんたほどインパクトのあるやつなんて見たことないよ!!!!!」
ムウマージ「………そう?………………そうでもない…割と普通………。」
マリルリ「ゴーストポケモンとしては普通かもしれませんけど、全然普通じゃないですよ!」
ムウマージ「……ずっと…足元にいたから………。下から出るのが…普通……。」
マリルリ「…え?」
ムウマージ「……………床下で……『ほろびのうた』……小声で歌ってみた……。」
マリルリ「床下!?一体いつから……って、滅びいいいいい!!????ほろびいいいいいい!!!!!!」
ピチュー「みぃやあああああああああああ!!!!!!!!」
サラッと言って退けるムウマージにマリルリとピチューはひどい顔で驚いている。どうにも形容しがたいが
あえて言えば開眼したケーシィと気合いパンチで顔面を殴られたゴローンを合わせたようなものだ。
ムウマージ「…大丈夫…。歌、やめたから……………平気…………。」
マリルリ「そそそ、そんな危ないもの聞かせないでくださいよ!!!!」
ムウマージ「………大丈夫。『ひんし』になるだけだから安全……。それに……私の歌…、他と少し違う…。
……聞くと、暗い気分になったり…色々と嫌になったり…送りの泉やシロガネ山に行きたくなったり…I can fly……面白い、でしょ?」
マリルリ「………それ、本当に『ひんし』で済むんですか?…あれ?ま、まさか、さっき変な気分になったのは…。」
ムウマージ「…………ものすごく……おもしろかった……………。」
マリルリ「ちょっ、面白いで済むんですかそれ!!??」
ピチュー「おまっ、面白半分にそんなの使うな!!!!!」
二匹の台詞はほぼ同時だった。
ムウマージ「…ハモってる。」
マリルリ「え?」
ピチュー「え?」
ムウマージ「………なかよし?……」
ピチュー「あ、いや、あたいだってそこまで…じゃなくて!単に巻き添え食らうのが嫌なだけで、って………だぁあああ!!!」
ここにきてピチューは、ムウマージに驚いて思わずマリルリにしがみついていた事にようやく気付いた。
頬の電気袋がまるでピカチュウのように真っ赤になった。
ピチュー「ななな!!!何くっついてんだ!!!!このロリコン変態野郎!!!!!」
マリルリ「ええええ!?」
ありったけの電撃を纏い、マリルリの腹に強烈な体当たりをする。自分からしがみついていたのに酷い言われようだ。
マリルリ「あいたたた…。」
ピチュー「んなっ!?な、なんでピンピンしてんだよ!!!こ、この!頑丈タフネスぬりかべドM長耳野郎!!!!!!!」
マリルリ「いや、だからさあ…。とりあえず何でも付ければ悪口になるってもんじゃないと思うんだけど。」
ムウマージ「…じゃ、わかりやすく………略してヘンタイで…。」
マリルリ「全く略になってない…。それに効いてないわけじゃないですよ?ちょっと痛かったし…。」
ピチュー「…ちょっと痛い?あ、あたいの全力ボルテッカー喰らっておいて、ち ょ っ と い た い ?」
マリルリ「(…あ!今のボルテッカーだったのか!てっきりスパークかと思っ…たけど、これ以上言わない方がよさそう…)」
ピチュー「〜〜〜〜〜!!!!!こんのぉ…ガチムチガチムチ変態野郎!!!!
フワンテにつかまって世界一周して次元の狭間まで連れていかれちゃえ!!ばーーーか!!!」
マリルリ「…なんで二回も…?もう意味すらわからない…。」
ムウマージ「……あ、…やっぱり、ヘンタイ……。」
マリルリ「違いますっ!」
つづく
マリルリの人おつ!
ピチューかわいいよ
910 :
名無しさん、君に決めた!:2010/01/17(日) 00:52:52 ID:j6oKfBJs
あともう少しで1000スレ
ガンバレ
911 :
名無しさん、君に決めた!:2010/01/17(日) 08:28:56 ID:NQRWQwM/
種族我会わないとハラメ無いから
雌を目多聞にしろ
PCと携帯ダブル規制されてました。無事解除されてよかった。ここから巻きに入ります。
〈マリルリ日記 21ページ目〉
マリルリ「第一効かないっていうか単に…」
『単にLv差の問題』、そう言いかけてハッする。
マリルリ「(この子、Lv1だ…。僕でもわかる。)」
マリルリ見ただけで相手のLvを計る程の力は無い。現にチェリンボとパチリスが相当高Lvなのは気付いていない。
そんな彼でも見ただけでわかってしまった。ここでLv差がありすぎると言ってしまうと更に彼女は傷つくだろう。
マリルリ「単に…体力の問題だから。見た目より結構体力あるんだからね?僕。
あんまりヘタレヘタレって決めつけないでもらえるかな?」
ピチュー「うっさい!お前は顔がヘタレ顔してんだよ!!」
マリルリ「…あはは。ヘタレ顔ってのは当たってるかも。ごめん、正直言うと実はよくヘタレって言われてるよ。
特にこれといって取り柄の無いし、技もいわくだき、なみのり、かいりき、たきのぼりで全部秘伝マシンで覚えた。」
ピチュー「なんだ。お前パシリかよ。」
マリルリ「パシリとはひどいなあ。サポートだって重要なんだよ?」
ピチュー「ま、パシリだろうが何だろうが外から来たやつはとりあえず敵だ!」
マリルリ「敵って…、僕は別にそんなつもりは…。」
ムウマージ「………気にしない…。これ…、ピチューはいつも言ってるから…………。本気じゃないし…………。」
ピチュー「んなっ!勝手に決めるな!!!」
マリルリ「あ、なるほど。」
つまり目の敵にされているのは彼女なりの挨拶みたいなものなのだろう。そう考えると途端に安心した。
マリルリ「まあいいよ、敵でも。でも僕に勝てるかな?」
ピチュー「なんだとこの長耳が〜!!!いっつもここに来た奴には全部あたいが圧勝してんだからね。
後で泣いて手下にしてくださいって頼んだって知らないからね!」
ムウマージ「………うそ。………大体負けてる………。…………惨敗………。」
ピチュー「だ、誰が負けてんだ!!!いつまでも振り回されると思うなよ!!!絶対ぎゃふんと言わせてやるーーー!!!!」
ムウマージ「……………ぎゃふん?」
ピチュー「こ、この〜〜〜!!!って!そんな事やってる場合じゃなかった。今かくれんぼ中だったんだ!
ムウマージのせいで無駄ビビったじゃなかい!!まったく、こんな騒いで見つかったらどうしてくれるのさ。」
ムウマージ「………なんで?…………もう、見つかってるよね?…………」
ピチュー「これは無効!だってこいつが勝手に…」
ムウマージ「…………負け惜しみ?………」
ピチュー「んなっ!」
ムウマージはクスリと笑いマリルリの元へと近寄る。
ムウマージ「………ねえ、負け惜しみ言ってるよ?…どう思う?」
マリルリ「え?」
そして、小声で更にこう続けた。
ムウマージ「(…………あなたもやる………。挑発……効果あるって聞いたよね……)」
マリルリ「(ど、どうしてその事を?)」
ムウマージ「(………細かい事……気にしない………)」
ずっと足元にいたというムウマージだが、いったいいつからいたのだろうか?そう考えたがとりあえず言われたとおりやってみた。
マリルリ「そっかぁ!僕に見つけられちゃったのが悔しいものだから無効だなんて。」
ムウマージ「………ついでに……通りすがりの私にも見つかってる………」
ピチュー「なっ!!」
マリルリ「気持ちはわかるよ?ここに来て一日そこらの僕に見つかるんだもの。でもさあ、君の隠れ方が悪かったんじゃないの?
ムウマージ「………まけおしみ〜……」
ピチュー「ふ、ふざけんな!!このかくれんぼクイーンのピチュー様を馬鹿にしてんのか!?」
マリルリ「え〜?そうかなあ?簡単にわかっちゃったよ?だってダンボールの中とかベタすぎだよね。」。
マリルリ「(……挑発って、こんなものでいいんですか?)」
ムウマージ「(………OK)」
ピチュー「このやろ〜〜〜!!!上等じゃん!!絶対見つけられない場所に隠れてやるよ!!!」
ビシッと指を指し宣戦布告するかのようにピチューは言う。なるほど、挑発が効くとはこういう事なのかと感心した。
ムウマージ「……じゃ、情報料…………。」
マリルリ「え?あの、もしかして僕に言ってます?」
ムウマージ「………情報料。………トリック・オア・トリート?」
マリルリ「なぜ急にハロウィン風に!?…あ!そういえば二号室を出るときにレムさんに持たされたネコブの酢漬けが…」
ムウマージ「うん…。これがいい……。」
マリルリ「………ひょっとして、最初からこれが目的でついてきたんですか?」
ムウマージ「………………さあ………?
ピチュー「おいこら!聞いてんのか長耳!!」
マリルリ「はいはい。まーたすぐ見つけるからね。」
ピチュー「みぃーーー!!!バカにすんなーー!!!!」
これが、マリルリとピチューの最初の戦いとなる。その後も彼女はマリルリにケンカを売っては軽くあしらわれたり
あるいは有利に立ったり、または揃って叱られたりもすることになる。
―――それから時は過ぎ…
もうちょっとだけつづくんじゃよ!
どうも、マリルリの作者です。長らく続いていたこのSSですがこの辺りで幕を閉じさせていただきます。
いっそ1000まで突き抜けようとも思いましたが余裕を持ってまとめたので、打ち切り漫画みたいになっていますが
これもネタだと思ってください。後三回くらいで最終回となる予定です。
以下、本編中に出せなかったどうでもいい話になりますので興味の無い方は飛ばすことを推奨します。
むしろ心底どうでもいい話なので飛ばしてください。
【どうでもいい裏設定】
ムクホークのニックネームは『クーちゃん』です。進化前は『クー』だけだったのに進化後に『クーちゃん』にされました。
トレーナー以外からこの名で呼ばれるのが恥ずかしいの呼ばせるのを禁止しています。
恥ずかしいだけで名前自体は嫌いではないようです。ネーミングセンスが云々の時に入れる予定でしたがカットしました。
ちなみに旧名の『クー』だけや『ホークちゃん』はOKだったりする。
>>875 血の池地獄
オオタチ♂「うわーっぷ!!溺れる!俺泳げるはずなのに!!
体が沈む!!助け・・・げほげほ」
必死にもがきながらあたりを見るオオタチ♂。
オオタチ♂「げほっ・・あ、あそこに岩が!とりあえずあれに・・げほがぼ!!」
もがき泳いで何とか岩の所までたどりつく
オオタチ♂「ふう・・・なんとかたす・・・いや助かったとは言えねーか・・・
とりあえずこの池から脱出しねえと・・・」
“ゴロっ”
オオタチ♂がそう呟いた時、掴んでいた岩が少し動いた
オオタチ♂「えツ!!」
ゴローン♂「ごろろ〜〜〜ん・・・じばく “カッ”」
オオタチ♂「ぎええええええええ!!!!」
“ドカーン”とけたたましい音と共にオオタチ♂はふっとばされた。
オオタチ♂「ちくしょう!!嫌なトラップだぜ・・がぼごぼ・・」
ふたたび池の中へと戻されたオオタチ♂はそうぼやきながら周囲を見渡す
オオタチ♂「お!?」
すると太い木の枝のようなものが頭上に見えた。なんとか前足も届きそうだ。
オオタチ♂「も・・もう少し・・せーの・・よし掴めた!今度はトラップじゃ
ないよな〜?」
ゴーリキ♂「残念。それは私のおいなりさんだ。」
オオタチ♂「ぎゃおアーッ!!!精神的に嫌なトラップじゃねーか。つーか
おいなりさんじゃねーって!!つかなんでここにお前がいるんだ!!」
目の前に現れたのはあのボックス内であった隔離ゴーリキーであった。
き
未回収の伏線があったような気がしたがそんな事はなかった!(by某ソードマスター風に)
〈マリルリ日記22ページ〉
○月△日
ノクタスさんからクッキーをもらったけど砂糖と塩を間違えていたようだ。これで三勝四敗。
前はシナモンとコショーを間違えていた。ノクタスさんのお菓子は成功したらおいしいのに…。
○月□日
今日ブースターさんと話していたらピチューにボルテッカーされた。すぐムクホークさんに叱られていたけど。
ムクホークさんが言うには、ブースターさんがイーブイだった頃は仲良しだったそうだ。
けど今はちょっとこじれてるらしい。で、僕がブースターさんと仲よさそうにしていたから嫉妬したんじゃないか、と。
つまりヤキモチか。本当素直じゃないなあ…。仲直りすればいいだけなのに。
○月※日
ブースターさんを元気づけようと思い一発芸をやってみたら予想外にウケた。
特にシャンプーハット顔にあててキマワリのモノマネが妹さんに似てたらしくバカウケしてた。
ヤドキングのモノマネの方が自信あったけど、喜んでくれたからまあいいか。
通りすがりのピチューも吹いてた。「誰がこんなつまんねーので笑うか!」と言ってたけど絶対堪えてたね。
その後、無事ピチューとブースターさんは仲直りしたみたい。よかった!!
○月☆日
ルージュラさんの視線を感じる…今日はもう寝よう…。
○月◎日
レムさんは今日も技の修業をしていた。でも毎回技に中…カッコイイ名前を考えるのは意味あるんだろうか?
僕の岩砕きがエンペルトさんのメタルクローに似ていると言われた。
当然さ!だってエンペルトさんに憧れて技を真似しようと練習したんだから。エンペルトさん元気かなあ?
○月○日
このボックスにも大分馴れてきた。ピチューはいつもの事だし、チェリンボに体当たりされるのにも慣れた。
そういえば今日、ぽにょさんとルージュラさんが何か口論していたけどなんだろう?ちょっと気になるけどまあいいか。
○月×日
今日は大変なことに気づいてしまった………。
そりゃあ僕は秘伝係だし、毎回手持ちにいたわけじゃないけど、スタメンメンバーはほぼ毎回いるわけで。
そしてエンペルトさんは常時スタメンで、当然ながらムクホークさんもスタメンだった(と聞いた)わけで…。
つまりっ!僕が手持ちにいる時にはムクホークさんもいたはずなのに今まで全く気づいていなかったなんて!!!
レムさんに指摘されるまで気づかなかった!!!!!!どうする?どうする?どうする?
いや、気づかなかった僕に問題があるのか!?目がフシアナなのか!?
遠目でもボール越しでも見かけるはずなのに…それを全くもって全然気づいてなかったなんて!!!
レムさんにエンペルトさんのファンだからそっちばかり注目して眼中になかったんじゃないか、と言われるし…。
多分そうだ、きっとそうだ!!!これは断言できる、エンペルトさんしか見てませんでした!!!!!
なんて失礼な事してたんだ僕ってやつは!!!!!!ああああああああああ!!!!!!
ムウマージ「『……ざんねん……わたしのぼうけんは…ここでおわってしまった!……』」
マリルリ「ちょっっっ!?ムウマージさん!勝手に僕の日記読まないでくださいよ!!!」
ムウマージは逆さになって宙に浮きながらマリルリの日記を読み上げている。
マリルリはジャンプして取り戻そうとしているが高い所に浮いているので届かない。
ムウマージ「………………ヒマだったから………………」
マリルリ「しかもよりによって一番恥ずかしいページぃぃぃいいいい!!!!
それに最後何ですか!?なんで昔のゲームみたいなの付け加えてるの!!?」
ムウマージ「……………その方が…………しっくりくる…と…………思ったから………。」
マリルリ「しないから!!!これ日記ですから!!!!お願いだから読まないでぇぇぇぇえええ!!!!!」
ムクホーク「やれやれ、相変わらず困った奴だ。他人の日記を勝手に見るどころか朗読とはな。」
マリルリ「うわあああああ!!!!ムクホークさん!!!」
ムクホーク「…何もそんなに驚くことないだろう。」
ムウマージ「…………おもしろいよ………よむ………?」
ムクホーク「他人のプライバシーを面白がるな!」
宙に飛び上がり目にも止まらぬ早さで「つばめがえし」を放つと、持っていた日記が床に落ちる。
マリルリは慌てて日記帳を拾い行く。攻撃は日記帳だけを狙ったもので本体には当てなかったが
間近で技を繰り出されたのにムウマージも少しはビックリしたらしい。が、またすぐいつもの調子に戻る。
ムウマージ「……………おもしろかったのに…………。」
マリルリ「あ、ありがとうございます!あと忘れていてすいません!!!気づいてなくてすいません!!!!」
ムクホーク「そんなに謝る必要はない。私は上空を飛んでいる事が多かったからな。
直接顔を合わせる機会は少なかっただろうし、気づかなくても当然だ。」
ムウマージ「……………でも………ムクホークは………気づいてたんでしょ…………?」
ムクホーク「ああ。だが、単に『私が』マリルリを知っていた、というだけのことだろう。何も問題無い。」
マリルリ「ありますよ!ムクホークさんがいたのに気づいてなかったなんて失礼にも程があるじゃないですか!」
ムクホーク「だから気にする必要はないと言っている。まあ、少し残念とは感じたが。」
マリルリ「あああああああああ…!!!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!」
マリルリは泣きながら半狂乱で謝っている。見ていて相当おもしろいのかムウマージはさっきから楽しそうだ。
マリルリ「お詫びに熱湯にダイビングして……、!?」
ムクホーク「泣くな泣くな。覚えてないならそれで構わない。」
ムクホークは翼を広げ、そっとマリルリを包み抱き優しく頭をなでる。普段勇ましい彼女に
こんな事をされるとは思わなかったので、元々丸い目を更に丸くしてマリルリは驚いていた。
マリルリ「す、すいません取り乱してしまって。もう、へ、平気ですから。」
途端に先程までの自分が恥ずかしくなり、照れくさそうに言ってムクホークから離れた。
…あと、もちろんムウマージがニヤニヤしているのも理由だが。
ピチュー『コラーーーー!!!!ムウマージどこ行ったーーーーーー!!!!』
少し後ろの方でピチューの声が響く。何やら相当怒っているらしい。
ムウマージ「………あ、………こっち来そう…………。」
ムクホーク「…お前、今度は何をやらかしたんだ?」
ムウマージ「……そんなにひどくはない……軽い気持ち………。………そろそろ逃げとく…………。」
ムウマージが天井の中へ消えて数秒後、ピチューが駆け込んできた。
つづく
【どうでもいい裏設定2】 というか、単に未練がある事を書くだけ。
サブキャラの一人、マリルリのルームメイトのブースターは元々は重要ポジションの予定でした。
結構凝った設定がありピチューとの絡みもありメインのポケモンの予定でした。
ですが、特定のポケモンだけ出しすぎてもバランスが悪くなりますし重要になってくるのは
もう少し後のつもりだったため、まずスレの容量が尽きる前にピチューとの一悶着を
消化したかったためにカットしました(´・ω・`)
923 :
名無しさん、君に決めた!:2010/01/30(土) 12:12:46 ID:DZgJDeZq
自身のブログで自己満足クズSS書いてるガキクソの数倍もマシなスレ
一瞬叩いてるのかと思ったら褒めていたのか。
とりあえず、一人なっても最後までひでよしの人を待ち続けるぜ…
〈マリルリ日記23ページ〉
ピチュー「ぜーはー、はー、あ、姉御〜〜〜!!!うわああああああん!!!!」
ムクホークを見つけたピチューは全速力で駆け寄りその胸に飛び込んだ。
ピチュー「ムウマージのスカタンクがぁ!!!ひどいんだよぉ!
あたいの好きなブリージャムの中身を、のりの佃煮にしたんだよ!?わああああん!!!」
ムクホーク「なるほど、そいつはひどいな。佃煮は美味いがジャムとすり替えるのは悪い。」
ピチュー「うっ、うっ、あいつってば食パンには意外と合うとか言って、でもあたいホットケーキにつけたんだよ!?
わああーーーん!!姉御ぉ〜ナデナデしてよぉ〜〜モフモフさせて〜〜〜!!!」
ムクホーク「わかったからそんなに泣くな、マリルリが見てるぞ。後で好きなだけモフらせてやるからな。」
ピチュー「え…?だあああああああ!!!!!!!ぎゃあああああああああああ!!!!!!!!
てっ、てめえ長耳!!!!!!いつからいやがったあああああqwせdrftgyふjきぉ!!!!!!!」
ととと、とにかく!!!そこのボケナス!!!ムウマージのバカルドンを見なかったか!?!!!」
ピチューは平静を装っているが完全に混乱している。余程恥ずかしかったらしい。
マリルリ「さ、さいしょからいたけど…。ムウマージさんは、ついさっき天井に潜っていったよ。」
ピチュー「だーーー!!!あのバカマージ〜〜〜!!!部屋中に『きよめのおふだ』貼ってやる〜〜〜!!!!」
ギャーギャー叫びながらピチューは再びダッシュで部屋から出ていった。すごく怒っている、というより
むしろムクホークに甘えていたのを見られた事をごまかすために騒いでいるような気もしたが。
ムクホーク「マージの事は後で私が見つけて叱っておく。…懲りるとは思えんがな。」
マリルリもそう思った。あのイタズラ好きなムウマージだ、こってり怒られたとしても
性懲りも無くまた何かをするだろう。そんな事を考えていたら、いつもの顔に戻ったムクホークに話かけられた。
ムクホーク「ところでマリルリ。話は変わるのだが、しばらく過ごして思ったのだがお前は精神面が脆いな。
急な状況変化にパニックに陥る傾向があり冷静な対応ができない。今のがいい例だ。」
マリルリ「え?は、はい…そうですね。あははは、こんなんだからヘタレ長耳とか軟弱水ポケ野郎って
呼ばれるんでしょうね。主にピチューにですけど、実際当たってますし。」
ムクホーク「それも、だ。」
マリルリ「え?」
ムクホーク「自分の事をヘタレだの何だのと、卑屈になるな。確かにお前は精神的に未熟ではあるが
改善するための努力はできるだろう。自身を過小評価しすぎるのは良くない。かといって自惚れるのも良くないが。」
マリルリ「はぁ…。」
ムクホーク「シャキっとしないか。まあ単純に性格的なものかもしれないが。あるいは…」
マリルリ「あるいは?」
ムクホーク「あ、いや。何でも無い。ただの推測だからな。気にするな。」
マリルリ「ムクホークさん、何か知っているんじゃないですか?
ムクホーク「…一応、思い当たる事がある。だが、もう一度言うが推測だぞ?」
マリルリ「思い当たる事…?どういうことですか?それにムクホークさんは何故そんな事を?」
ムクホーク「簡単に言えば、お前が手持ちに加わるもっと以前から、私はお前を知っている。」
マリルリ「え??ええええええええええええ!!!!!」
更なる衝撃の発言にマリルリは思わず3メートル程後ずさりする。
ムクホークは、―やはり精神面が弱いかもな、と思いつつもマリルリを手招きする。
ムクホーク「ああ、気にするな。今度は本当に覚えて無くとも仕方ない。
お前が生まれた時に私が偶然立ち会っただけだからな。お前以外にも、ここの何匹かは立ち会っている。」
マリルリ「そ、そうだったんですか!?」
ムクホーク「ああ。手持ちに加わっていることが多かったからな。必然的にそうなるのだ。
さて、これで三回目だがこれから話す事は私の推測にしか過ぎないし、単なる戯言かもしれない。
―だが、そんな戯言でお前の心を傷つけてしまうかもしれないのだ。私は不器用だからな。」
マリルリ「ムクホークさん…?いえ、大丈夫です。構いません教えてください!」
ムクホーク「そうか。なら話してやろう。」
彼女は一体何を知るのだろうだろうか?そして自分が傷つくかもしれない事とは。
マリルリはそれが気がかりでならかった。だけど、どうしても知りたいと思った。
ムクホーク「以前ハピナス達から聞いたが、お前は幼い頃―、進化前の記憶があまりないそうだな?」
マリルリ「あ、はい。普通は少しは覚えてるはずなのに、変ですよね?」
ムクホーク「…恐らく、その答えはこれからわかる。まずお前はルリリとして生まれた。」
マリルリ「そうか、僕はルリリだったんですね。そうだったのか〜。」
ムクホーク「そしてお前が今の姿…、マリルリに進化したのはそれから二日後だ。」
マリルリ「なるほど二日………え?」
ムクホーク「…お前は生後二日でマリルリに進化した。」
マリルリ「ふ、二日…ですか?は、早いですね…。」
自分は二日で進化した―。告げられた事実は確かに衝撃的だった。
ムクホーク「トレーナーの手で育てられたポケモンは成長が早い。バトルにより経験を得たり
人間と共に暮らすことで、野生では知り得ない知識を得ることもあるからだ。それ自体は構わんのだが…、
野生で生まれ育った者ならともかく、タマゴから生まれた者を急速に進化させるのはどうかと私は思うのだ。」
マリルリ「…そうかもしれないですね。
ムクホーク「私は人間の育成論など知らぬ。だが、あまりに早く進化させると未熟なまま成長してしまうのでは
ないかと思うのだ。例えばお前の種族、ルリリはノーマルタイプだが序々に水への順応力を高めて
マリルへと進化すのが普通だ。環境によっては最初からマリルとして生まれる場合もあるがな。」
マリルリ「そういや野生のルリリよりマリルの方が多いですね。」
ムクホーク「ところが、あまりにも早く進化させると水に慣れないまま育つかもしれない。
下手をするとカナヅチのマリルリという珍妙なポケモンになっていた可能性もあるのだ。お前はどうだった?」
マリルリ「ええっ!?いえ、普通に泳げますよ。いくらなんでもアニメや漫画じゃあるまいし…。」
ムクホーク「ああ、確かに今のは大げさだった。だが、可能性としてはあるかもしれないのだ。
野生においては餌の取り方も、戦い方も、空の飛び方も、親や仲間から教わるものだ。
しかし人の手で育てられたポケモンは違う。人と共に在るポケモンに野生での生き方は不要だからだ。」
マリルリ「それは確かに…。」
ムクホーク「無論、中には野生での生き方を教えるトレーナーもいるだろう。捕獲では保護されたポケモン達はそうだろうな。
それに「タマゴ」は卵であって卵では無い。中で少しは育っているから実際にはそこまで大変な事にはならないだろう。」
そこまで話した後、フゥ、と一つ溜息をついき、ムクホークは話を続けた。
ムクホーク「…技能の面では、な。
最近のトレーナーの中には、手早くポケモンを強くするために急速に進化させる輩が多いと聞く。
結果、肉体は完成していても精神が未熟なポケモンが増える。風の噂で聞いた話なのだが
力の加減ができず相手に「ひんし」以上の重傷を負わせてしまったポケモンもいるのだそうだ。」
マリルリ「そうなんですか…。」
ムクホーク「…真偽の程はわからぬが、できればただの噂であって欲しい。
話を元に戻そう。お前に昔の記憶が殆ど無いのは急速に進化したのが原因ではないかと私は思う。」
マリルリ「そうかもしれませんね。じゃあ僕が、その、精神的に弱いのも…。」
ムクホーク「…いや。ここまで話をしておいて何だが、それが原因だと私は思いたくはない。」
マリルリ「え?」
ムクホーク「確かに精神面が脆いが破錠してる訳でも無い。どちらかと言えば普通だと思う。
それに、それを補ってお前には良い面もあるだろう。最近ピチューとも仲良くやってるようだな。」
マリルリ「あ、はい。まだケンカ売られますけど最近はそこそこ話すようになりましたし。
最近は僕を引っかけようとしているのか、ロープとかバケツとか…、罠?みたいなのを見かけますけどね。」
だけど逆に自分が罠にかかってる事があって。この前ロープが絡まったみたいでグルグルになっていたから
解いてあげたら捨て台詞と電撃うたれて逃げられました。」
ムクホーク「あいつらしいな。心配するな。あの子はそこまでお前の事を嫌っている訳では無い。」
マリルリ「大丈夫ですよ。最近なんとなくわかって来ましたから。」
ムクホーク「それから、お前は自分で思っているほど軟弱では無い。でなければ、こんな変わり者だらけの
ボックスで暮らせる訳が無いのだからな。後は急な状況にも動じなければいいだけだ。」
マリルリ「はい!」
ムクホーク「うむ、いい返事だ。」
つづく 次回、最終回
【どうでもいい裏設定3】
カイリキ―♀を出したかった。やっぱりこのスレではゴーリキー・カイリキ―系はお約束です。
見た目に似合わず繊細で女の子らしい性格。なぜかエプロンを着用。
非常に恥ずかしがり屋で、よく物影に隠れて姿を見せない。ただし声がものすごくかわいい。
声しかわからないためどんなポケモンか楽しみにしていたマリルリを盛大に驚かす予定でした。
そんなこんなで、やっと次回で終わりを迎えます。読んでくれた方もそうでない方もありがとうございました。
931 :
名無しさん、君に決めた!:2010/02/06(土) 01:50:07 ID:nI4DjJ7e
ガンガレ
昨日見付けたけど良スレだ。
作家さんがんばってください
〈マリルリ日記24ページ〉
マリルリ「そういえば、僕はテッカニンとヌケニン育てるから空きを…って理由で
預けられたんですけど、随分時間かかるんですね。忘れてなければいいですけど。」
ムクホーク「当たり前だ。育成方針、技の構成、バトルでの立ち回り、攻撃・防御・補助の何を主体とさせるか、
あらゆる要素を考えなくてはならない。しかも二匹だ、時間がかかるのは当然の事だ。
それにあいつ、トレーナーは浪漫主義者だからな。あれこれ考えているから余計に時間がかかるのだ。」
マリルリ「ロマン?」
ムクホーク「お前にはヘラクロスの友がいるそうだな。奴の事は私も知っている。そいつの持ち物を知っているか?」
マリルリ「『きあいのハチマキ』ですか?ヘラクロスもお気に入りの道具みたいですよ。」
ムクホーク「そうだ。だが戦略的には『きあいのタスキ』の方がずっと有効だ。なぜハチマキを使ってると思う?」
マリルリ「え?そういえば…。一回限りでもタスキの方が便利ですよね。」
ムクホーク「周りのトレーナーも皆、同じ事を言っていた。その時にあいつはこう言ったんだ。
『その方がロマンだからだ!!』 とな。他のトレーナー達は馬鹿にして笑い飛ばした。
運に頼った戦法はリスクが大きい、私も無茶な戦法だと思う。
だが、それでもあいつは信じていた。浪漫、というやつをな。つまりそういう奴なんだ。そういう馬鹿な人間だ。」
ムクホークは呆れた様に話してはいるが、彼女は笑っている様に見えた。
言葉にしなくとも、そういう馬鹿だからついてきたと言っているかのように。
マリルリ「ロマン、か。あの人らしいや。僕達のトレーナーって少し変わった人間ですよね。
ムクホークさん、僕が秘伝要員をやっている理由って知ってます?」
ムクホーク「ああ、それも…、というよりお前も知っていたのか。」
マリルリ「ええ。僕は期待した力は持ってなかったみたいですけど、だからといってボックスに置いておくより
秘伝要員としてでも一緒に旅をさせようと思ったから、って本人が言ってました。」
ムクホーク「聞かされていたのだな。実は心配していた。知らずに境遇を恨んでいるのではないかと。」
マリルリ「たまに愚痴りたくはなりますけどね。」
ムクホーク「愚痴くらいは誰にだってある。悩みがあれば聞いてやろう。
ただ気がかりなのは、最近あいつが基礎ポイント、俗称で努力値というものを覚えたようだ。
他には個体値というのも覚えたみたいだが、これらを理解すればより良く育てられるらしい。
それらを覚えて調子に乗っている。知識を深めるのは悪くないが、調子に乗りすぎるのは困る。」
マリルリ「ははは。そうですね。前にVがどうとか言っていたのを覚えてます。」
ムクホーク「ピチューの事も本当はあれこれ考えているようだ。ただ他の事に熱中すると、のめりこむ癖がある。
…つまり、素で忘れているんだろうな。酷い話だろう?だからあの子に言っていないのだが…。」
マリルリ「いっそムクホークさんがトレーナーにガツンと言ってやればいいんですよ!」
ムクホーク「ふふ、そうだな。あいつなら二、三発突いたところで平気だろう。
何せ崖から落ちてくるゴローンを生身で受けとめようとした大馬鹿者だ。」
マリルリ「ええっ!?そんな無茶もしたことあったんですか!?」
ムクホーク「旅に出る前も近所の友達とイシツブテ合戦して遊んだ、とも言っていた。
だからといって、あれは無茶が過ぎる!私やエンぺルトが出なかったらどうなっていたことか…。」
笑いながら話をマリルリとムクホーク。だが、ムクホークの心中にはある思いがよぎっていた。
―やはり、あの事は言わない方がいいな。『ルリリとして生まれた』事は伝えたのだから。
いずれ、思い出すか気付くかもしれないが、…今はまだ、黙っていた方がいいだろう。
―あの時は驚いた。あいつも相当驚いていたな。
まさか♀のルリリが進化して♂のマリルになるとは思わなかったからな。
―後で知ったがポケモン以外の野生生物にもそういう生物がいるそうだし、さほど不思議な事でもない。
しかし、どうもマリルリは自分が女々しい事を気にしているみたいだな。単なる性格だと思うが、もしも
生まれた時は本当に♀だったと知ればショックは計り知れないだろう。
確かに女っぽい顔立ちではあるが、そこまで気にする程では無いと思うが。むしろ…
マリルリ「…どうかしましたか?」
ムクホーク「ん?いや何。お前は端正な顔立ちをしているな、と思ってな。」
マリルリ「や、やだなぁそんな。やめてくださいよ〜。」
ムクホーク「そう照れるな。事実を言ったまでだ。」
マリルリ「あ、ありがとうございます。ヘタレ顔とかナヨ顔とかはよく言われるので、…お、お世辞でも嬉しいですよ。」
―下手に♀として自覚が生まれる前に♂に進化して良かったかもしれない。
そう考えると急速に進化したのも、記憶が少ない事も悪くなかったのだろうか。
ムクホーク「私の美的感覚がおかしいと思うならそれも構わないがな。」
マリルリ「そ、そんな事は……あぃったぁ!!!!!!」
不意に後頭部に鈍痛が走り、振り返るとピチューがすごい形相でこちらを睨んでいる。パチリスも一緒だ。
ピチュー「こぉ〜〜〜んのヘタレ長耳がぁーーーー!!!!!
あたいの姉御をナンパしようだなんて1千光年遠いんだよ!!!!!!!!光の速さで出直して来い!!!」
マリルリ「ええええ???なんでそうなるの!?」
パチリス「ん?光年ってそれ意味が…いや、あってたッス。しっかしムウマージ探しを手伝わされたと思ったら
なかなか面白い場面だったッス!でも手を出したらダメッスよ?少なくとも一番弟子のアタシを倒してからじゃないと♪」
ピチュー「お前こそ何言ってんだぁ!?姉御の一番弟子はあたいに決まってんだろ!パチモンは引っ込んでろ!!」
パチリス「ぱ…!い、一番言ってはならないこと言ったッスね!?」
ムクホーク「そんなことよりもピチュー!危ないだろ!『きちょうなホネ』は投げる物じゃない!」
ピチュー「いいんだよ。バカ耳なんだから!!」
マリルリ「全然よくないって!!ひどいじゃないか!!!ボルテッカーより痛いよ?
あー、もう『きちょうなホネ』も割れてるし。貴重なんだよこれ?全国の化石マニアと遺跡マニアが怒るよ?」
ピチュー「なっ!なな、なんだとー!?あたいのボルテッカーがこんなガラクタに劣るだって!?」
この騒ぎを聞きつけたのか色んなポケモン達が集まってきた。
ノクタス「えっ!?なになに!マー君修羅場?ヒャッホーみんなに教えてこなくっちゃ!!!」
チャーレム「はいはいあんたは黙ってる。あんただと噂に尾ひれどころかトサキント一匹完成するからね。」
トリトドン「だめです〜。マリルリはぽにょのお気に入りなのです〜。」
ブースター「えっ?ぽにょちゃん!?」
ルージュラ「あ〜らぽにょちゃん?抜け駆けはダメなの!!この私の魅惑のセクシーメロメロボディと勝負よん♪」
マリルリ「すいませんが勝負するまでも無くルージュラさんは負けます。どっちかと言えばぽにょさんの方がいいです。」
ルージュラ「いやあぁ〜〜ん!!もうマリルリ君てばこんな時だけクールなんだからぁ〜〜!」
トリトドン「わぁい♪勝利なのです〜♪」
マリルリ「(……好みだけで言うなら、ユキメノコさんだけど。)」
なんだか話が変な方向になっていた気がするが、マリルリは気にしない事にした。
チャ―レム「ってちょ、あんた何持ってきてんの!?」
ピチュー「こ、こ〜れ〜な〜ら〜…!」
どこから用意したのピチューは『くろいてっきゅう』を転がし、そして思い切り…思い切り…。
マリルリ「………ダメだよ、女の子があんまり重い物を無理して持っちゃあ。」
…投げつけられなかった。マリルリにひょい、と軽く取り上げられてしまう。
そもそも転がしている時点で持てていないのだし、技の『なげつける』も覚えていない。
ピチュー「こ、こ、こ、この馬鹿力マッスル長耳野郎!!!!!なんでそんな簡単に持てるんだよ!!!」
チャ―レム「あたしも持てるよー。てか、なんでこんなのあるんだろうね?ここって無駄に変な物多いよねー。」
ノクタス「危なっ!あんたもお手玉にしないの!」
パチリス「んなことより誰がパチモンッスか!!
寛大な心で『あたいの姉御』発言は聞き流してやったけどそこは勘弁ならないッスよ!?」
チェリンボ「ねーねー。カイスの実見つけたよ!食べてもいい?おいしそー♪」
ムクホーク「…やれやれ。相変わらず騒がしいな。」
ムウマージ「…………………うん。…………………すごく…………おもしろい……………。」
ピチュー「ああっ!!!出たな諸悪の根源!!!!」
様々な思い、様々なポケモン、様々な出来事。
いつかこのボックスを出るかもしれないが、今はこの騒がしくも楽しい日々を過ごしていたい。
こうして、今日もマリルリの一日は過ぎていくのだった。
おしまい
これにてこの物語、マリルリ日記は終わります。今までありがとうございました。
一応ムクホークの独白の意味について補足します。
ご存知の方もいると思いますが、これは実際のゲームでの仕様をネタにしてます。
マリル・マリルリの性別比率は♂1:♀1で半々ですが、ルリリのみ♂1:♀3になっています。
そのため、たまにルリリ♀がマリル♂に進化する事があります。アドバンス時代からこの仕様のようです。
筆者もDSパール版とプラチナ版で確認しました。野生・タマゴ関係なくこの現象は起こります。
最後にネタばらし、と思ってましたが誰かに気付かれるんじゃないかとハラハラしてました。
無事に持ってこれました。まあ特に意味は無いんですけど。
ちなみに、性転換する生き物が実在するのも本当です。筆者はソードテールという魚しか知りませんが。
新作ではそろそろこの仕様が直るんですかね?いっそ本当に進化で性転換するポケモンが出ても面白いと思う。
それではもう一度改めて、今までありがとうございました。
長期連載乙かれさまでした!
マリルリが読めなくなるの寂しい(´・ω・`)
939 :
名無しさん、君に決めた!:2010/02/12(金) 20:59:42 ID:ilNX8Z0A
もつかれちゃん
>>937 魚はワリとホイホイ性転換するよね
ともあれ乙
みんなかわいかったぜ
941 :
◆Ey15Z2yYsb8I :2010/02/14(日) 22:00:46 ID:q+ebAlGv
ムチュール「あっいた!みてみておにいちゃん!」
キルリア「どうしたのムチュール、そんなに慌てて。何か良いものでも拾った?
」
ムチュール「うふふっ。あのね、あのね、んーと……あった!これっ!」
キルリア「“ハートのウロコ”?」
ムチュール「うん!きょうはね、ばれ…ばれん…ばれんちー……」
キルリア「クスッ。バレンタインの事かな」
ムチュール「そう!ばれんたいん!きょうはばれんたいんでーなの。だからね、
これおにいちゃんにあげるっ」
キルリア「僕に?嬉しいな、どうもありがとう。へえ、ハートのウロコか……」
ムチュール「ロゼリアおねえちゃんがね、ばれんたいんでーはおんなのこがおと
このこにおくりものをするひだっておしえてくれたの。
だからムチュもおにいちゃんになにかあげたくて、がんばってみつけたの!」
キルリア「ねえムチュール。この形、ハートって何の形だか知ってる?」
ムチュール「ううん、しらない」
すると不意にムチュールの体が浮いた。
丸い目を更に丸くしながらキルリアの腕の中に収まる。
何だかとても良い匂いがして、ムチュールが自分から体を押し付けた時不思議な
音が一つ聴こえた。
ムチュール「(なんのおと?)」
キルリア「ハートの形はね、“心”の形なんだ」
ムチュール「こころ?」
キルリアは優しく微笑みゆっくりと頷く。
その綺麗な笑顔を見た途端、ムチュールはまた不思議な音を聴いた。
今度は自分の中から。
942 :
名無しさん、君に決めた!:2010/02/14(日) 22:03:11 ID:0kFTE4z3
キルリア「“心”は皆の中にある。嬉しかったり悲しかったりドキドキしたり、そのポケモンの色んな気持ちが詰まった大切な場所なんだ」
ムチュール「ふうーん…………むずかしい…」
キルリア「ハハ、ムチュールにはまだ分からないか。そうだな、つまり……ハートのウロコはムチュールの心って言うこと」
ムチュール「ムチュのこころ?これが?」
キルリアの説明にムチュールは何度も瞳を瞬かせて、銀色に輝くウロコを見詰める。
ほんの少し、照れ臭そうに笑ったキルリアは、ムチュールの小さな体を持ち上げて頬に口付けた。
キルリア「ムチュールは今、僕に“心”をくれた。さっきも言ったけど、とても大切な物なんだ。僕がもらって本当に大丈夫?」
ムチュール「うん!ムチュ、おにいちゃん、だーいすき!だからムチュのこころ、おにいちゃんにあげる!」
キルリア「……ありがとうムチュール。じゃあ僕も、大好きなムチュールに“心”をあげる」
ムチュール「やったー!おにいちゃんはやくムチュにもちょうだい!」
キルリア「待ってよムチュール。今はまだあげられない。君が大人になる頃……必ず…………」
目が覚めた。
寝起きの気怠い体をベッドから起こし、朝の光が透けるカーテンへ視線を遣った 。
ルージュラ「夢、か……」
……ううん夢じゃない。
あれは、子供の頃の私とあの人……。
ルージュラの分厚い唇からは、深い深いため息が零れた。
〜プロローグ・了 〜
規制のせいで滑り込み投稿。
一応元ネタっぽいのはHGSSの全国図鑑のラブカスより。
流石にポケモンそのままはえぐいので似た形のハートのウロコにしました。
短期間で終わらせるつもりですので宜しくお願いします。
というか間違えて上げたorz
改行も携帯から送ったままだったので読みにくくてすみませんorz
サイコキネシスくらって逝ってくる
マリルリの方長い間お疲れ様でした!!
今だから言える。雌多いボックスなら一人くらい百合ネタ書かないか期待していた。
あげます