【小説】ポケモン ドリームワールド

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6139/14  ◆8z/U87HgHc :2008/01/25(金) 19:07:46 ID:???
読み上げ終わると、すかさずフライゴンがユンゲラーさんに対してこう質問した。
「観光案内団体ですって? じゃあ、ユンゲラーさん……ええと、ユリルさんはボクたちを案内するために?」
「ええ、そうです。それも、我々はいわゆるボランティア団体ですので、
 お金が欲しいだとかそういう下心は一切抱いておりません。100%の『善意』で、
 あなたたちの観光を、よりよいものへしてあげたいと思っているのです!」
笑顔を見せて、そんな商業トークめいたことを語るユリルさん。
お金を取らない観光案内……聞くからに怪しいけど、その腹に何かを含んでいそうな様子は一切ない。
「へェー。ボランティアで観光案内ってなんか面白いな」
「生物と生物のやりとりは打算的なものばかりで構成されているわけじゃあございませんからね。
 利害がなんだ損得がなんだ、この都市はそういった世知辛いものばかりでないという事を
 みなさま他所の方々に証明するために、我々の団体は存在しているのです」
「ふゥん。立派ですねぇー!」
感心したようにジュカインはそう唸り、こちらを向いて続いてこう言った。
「せっかくだし案内してもらおーぜコウイチ。財布の恩もあるしさ、どうだ?」
そしてそれに便乗してフライゴンも。
「そうですよ、たくさん案内してもらって色々案内してもらいましょー。財布の恩もありますし」
二人して、ユリルさんを案内につけるようにとぼくに頼んでくる。
いや、別にぼくは断る気はなかったけどね……
二人の言うとおり財布の恩もあるし、案内は居たほうがいい。

「じゃあ、案内お願いしますユリルさん」
ぼくが笑顔でそう言うと、ユリルさんも笑顔で返し、そしてこちらへ手を差し出してきた。
「こちらこそ。では、お近づきの印に握手、を……」
「!」
急に握手を求めてこられて、思わぬ事態にぼくは焦りを覚える。
このモンスターボールの手で握手なんて……下手したら、怪しまれるかも……
……いいや、握手を変に拒否したらそれこそ怪しまれるし、嫌味な印象を相手に与えちゃう。
そもそも手が球体のポケモンなんて珍しくもないし、怪しまれることはないさ……
ぼくは怪しまれないよう笑顔を崩さないままに、その丸い手をユリルさんへと差し伸べる。
ユリルさんがぼくの手を握り、『契約』は成立した。
61410/14  ◆8z/U87HgHc :2008/01/25(金) 19:11:25 ID:???
それからぼくらは、ユリルさんの案内と共に都市観光を満喫し始めた。
ぼくらの都市観光にユリルさんという案内が付いたのは正解だった。
彼はぼくらがあれこれと騒ぐのにも一々付き合ってくれて、気を遣うのに苦労するということもないし、
都市の風景で気になったこと、興味のあること、彼は全てに詳細な答えを返してくれ、
それはぼくらを飽きさせることはなく、この観光をより充実したものへとさせてくれる。

「……それでですね、この都市では基本的に、誰でも超能力を扱っていいというわけではないのですよ」
「えっ、そうなんですか?」
「そうです。仕事や教育場以外の場で公に超能力を使っていいのは、成人してかつ厳重な審査を通ったものだけで、
 その条件を満たさず超能力を使ってしまったものは、さきほど話に出しましたマネネ坊やみたいな
 幼子でない限りは、この都市の条例において厳重な処罰を下されてしまいます」
「ほォー、そうなんですかァー……」
ぼくの質問した『超能力について』の質問にも、ユリルさんは律儀に答えてくれた。
段々とこの都市についての知識が深まっていき、それにつれこの都市がようやく身に馴染んでくる。
ここは住んでいるポケモンがエスパータイプとはいえ、ぼくらの世界の都市とそこまで差はないみたいだ。
「あっ、ねぇねぇコウイチくん! あれ見てくださいっ」
「ん? なぁにフライゴン」
ぼくを呼び止めたフライゴンは、ある方向を指差している。
そちらの方向へ視線を向けると、小庭の中心に立つ大きなポケモンの銅像が目に入った。
面積の広い台座に立つその四足のポケモンは、
銅像でありながらも、圧倒されてしまいそうなほどの威圧感を放っている。
まるで大敵に立ち向かっている最中かのように目つきは鋭く、翼を力強く広げており、
大きく開けられたその口から、雄々しい咆哮がこちらに聞こえてきそうなくらいだ。
「……なんだか、この都市に場違いなくらい強そうなポケモンの銅像だね」
「でしょねーっ。で、そこの台座に書いてある文字、見てくださいよっ」
「んん?」
フライゴンにそう言われ、今まで気に留めていなかった台座に掘られている文字へと目を走らせる。

……十二竜騎士が一員、『一月ガーネットの竜騎士』……
61511/14  ◆8z/U87HgHc :2008/01/25(金) 19:19:17 ID:???
「竜騎士っ!」
ぼくはその文字を読み終えた後、思わずそう声を上げてしまった。

十二竜騎士。まえにハスブレロ村長に教えてもらった、この世界の唯一の戦闘集団のことだ。
十二体ものドラゴンポケモンという響きに、ぼくはひどく胸が躍ったっけ。
ドラゴンポケモンは謎が多く神秘的で、しかもカッコよくて激強だっていう、
少年の夢をそのまま形にしたかのような、まさに夢のようなポケモンだ。
そんなドラゴンポケモンが十二体もいるっていうんだから、ワクワクしなきゃウソだってものだよ。

「へー、あれがウワサの竜騎士かぁー。カッコいいねっ!」
「うん、カッコいいですねっ! ボクも同じドラゴンだってのが信じられないくらいですよーっ」
半笑いでそんなことを言い出すフライゴンに、ぼくはすかさずこう切り返す。
「あれあれ、フライゴンも十分カッコいいよ? 強いしさっ」
「そ、そうですか? もう、コウイチくんってば……」
照れくさかったのか、下を向いて頬を染め出すフライゴン。
……カッコいいというよりは、どっちかというとカワイイ方かな?
「おーい、竜騎士ってなんなんだ?」
ふとジュカインが好奇心を剥き出しにしてそう聞いてきたので、それに答えてあげる。
「竜騎士はね、魔王軍と戦っているドラゴンポケモンたちのことだよ。十二体もいてさ、みんなすっごく強いんだって」
「ほうほう。……その竜騎士サンの銅像がなんでこの都市に立ってんだ?」
「え……さァ?」
ジュカインにそう言われて、ぼくは初めてその違和感に気づく。
エスパーポケモンの都市であるはずのここに、なんで竜騎士の銅像が立っているんだろう。
不思議に思い始めた矢先、横のユリルさんがこう言った。
「真実と忠誠を意味するガーネットの石を司る竜騎士様……
 何十年か前この都市に魔王軍がやってきた時、竜騎士様は颯爽とこの都市に現れ、
 魔王軍をあっさりと撃退しこの街を守ったのです。被害はただの一件もありませんでした。
 それ以来ガーネットの竜騎士様は、この都市の守護者として祭られているのです」
「なるほどー……」
ということは、もしぼくがこの都市で魔王軍に襲われたとしたら、生の竜騎士を拝むことが出来るのかなぁ。
それなら、今回ばかりは魔王軍に襲われてみたいなァ……なんちゃってね。
61612/14  ◆8z/U87HgHc :2008/01/25(金) 19:22:45 ID:???
時刻はちょうど正午。
日照りの強さはそろそろピークに達してきて、
はしゃいでいたフライゴンもどんどん元気を失くしはじめ、
ぼくも毛糸の帽子の中がだいぶ蒸れてきて、そろそろ本格的にヤバくなってきた。
ジュカインは逆にどんどん元気になっていってるわけだけれども……
だいぶお腹がぺこぺこになってきたというフライゴンの主張もあり、
ぼくらは腹ごしらえと体を涼ませるために、ユリルさんのお勧めのレストランへと入っていた。

店内は寒いくらいに冷房がガンガンに効いていて、
暑さに参ってきていたぼくやフライゴンにとっては、まるで天国のような場所だ。
「このレストランは冷房効かせ過ぎるくらい効かせることで有名ですからね。
 平日のまっ昼間だから客もそこまで多くないですし、快適でしょう」
「ですねえ、すっずしくて快適だなーあ! 水も……ぷはっ、おいしー、まるで生き返るようー!」
フライゴンはテーブルに置いてある水を一気に飲み干して心地よさそうなため息をついた。
ぼくも同じく水を飲む。からからに渇いていた喉が潤っていく感覚は、本当に言葉どおり生き返るようだ。
あー、帽子はずしたいなぁ。あとでトイレ行って、帽子はずしこよう。
「……ここ、冷房効きすぎじゃね?」
不遜な表情をしてボソリとそう呟くジュカイン。まぁ、無理もないよね。

「さァさ、なに食べるか選びましょー。エビのノワキソースがけないかなー」
フライゴンは真っ先にメニューを取ってテーブルに広げると、
舌なめずりをしながら、描かれている綺麗な料理たちを目で追い始める。
ぼくやジュカイン、ユリルさんも、続けてメニューへと視線を移した。
61713/14  ◆8z/U87HgHc :2008/01/25(金) 19:27:57 ID:???
「オレはこの赤とうがらしサラダだけでいーよ。腹減ってねーし」
みんなでメニューを見始めてから数秒もしないうちに、ジュカインが遠慮がちにそう口にする。
「あれれ、別に遠慮なんてしなくていいんだよジュカイン?
 お金ならたくさんあるしさ、食べたいもの興味があるもの何でも頼んじゃってよ」
「いやあ、ホントに腹減ってないんだってば。ああ、でも遠慮しなくていいなら、
 オレ、パフェほしいかも。……パフェほしいな、パフェ。この赤とうがらしパフェちょうだい」
「オッケー。ジュカインは赤とうがらしサラダと赤とうがらしパフェね」
まずはジュカインのメニューが決まった。さて、ぼくも何を食べるか決めとこうかな。

……メニューの中には魅力的な料理の数々。どれか一つに決めろなんて難しいよ。
お金には余裕あるんだし、いくつかはここで食べないでテイクアウトしちゃいたいくらいだ。
でもそんなこと出来ないだろうし、一つに絞らなきゃだよね。
だとしたら、せめてこの都市特有の料理を頼んだほうがいいなあ。
たとえばこの、『ヤドンのしっぽステーキのマジックソースがけ』とか……
マジックソースは舐めるたびに味が変わる不思議なソースです、だってさ。

「よおし決めた。ぼくはこの『ヤドンのしっぽステーキのマジックソース風味』で!」
結局ぼくはマジックソースとかいう不思議なソース目当てにメニューを決めてしまった。
「じゃあ、ボクもそれで!」
ほしい料理の数が多すぎてどれか決めかねていたフライゴンは、ぼくと一緒のものを希望した。
ユリルさんはそれを聞くと、テーブル横のボタンに手を添えた。
「みなさん決まりましたか? じゃあ注文しますよ」
確認するようにそう言うと、ユリルさんはそのボタンをギュッと一度押し込む。
ほどなくしてウェイターのポケモンがこちらへやってきて、ユリルさんは注文内容を漏れなく伝えた。
61814/14  ◆8z/U87HgHc :2008/01/25(金) 19:35:24 ID:???
「あー、早く来ないかなー」
フライゴンはおしぼりでその小さい手をひたすら拭きながら、見るからにワクワクと期待に胸を躍らせている。
食事は、彼がこの都市で一番楽しみにしていたことだ。そりゃ落ち着きもなくすってものさ。
でもジュカインはそんな落ち着きのないフライゴンが目障りなのか、こんなことを言い出す。
「あのなぁフライゴン、レストランで料理を待つときはだな、もう少し慎ましく、冷静にしているのが大人ってもんだぜっ」
「……ジュカインだって、さっきからずっと貧乏ゆすりしてるくせに」
「はっ!」
まったく、フライゴンもジュカインも落ち着きないんだから。

「……?」
……気がつけば、ぼくの向かい側に座っているユリルさんも何かそわそわとしている。
周囲をキョロキョロと見回してみたり、足を何度か組み替えてみたり。
ユリルさんも料理を楽しみにしているんだろうか……?
いいや、でも今のユリルさんの落ち着きのなさは、フライゴンとジュカインのそれとは少し違う。
なんだか、妙だ。その妙な態度に、ぼくまで釣られてそわそわとしてしまう。

と、ふとユリルさんがこちらに身を乗り出してきて、ぼくに対して囁くような口調でこう聞いてきた。
「あの、あなたコウイチさんですよね、確か……」
「はい? そうですけど……」
急にぼくの名前を確認してくるユリルさん。
そしてユリルさんはその後、再び周囲をキョロキョロと確認し始めた。
……この方、何がしたいんだろう……?
何か周りのポケモン達に聞かれたくないような話でもするつもりだろうか。何を……?
……それが明らかになったのは、わずか数秒後のこと。
……予想だにしなかった言葉がユリルさんの口から投げかけられたのは、わずか数秒後のことだったんだ。

「あなた……人間ですよね?」

「え?」


つづく
619 ◆8z/U87HgHc :2008/01/25(金) 19:37:53 ID:???
投下終了。
そろそろスレ容量が危ないかも……?
支援してくれた方、ありがとうございました。ではー
620名無しさん、君に決めた!:2008/01/25(金) 19:54:52 ID:???
乙です!

>>619までのスレ容量:488 KB
書き込めなくなるまでの残り:12 KB
今回の投稿(全14レス):25.5 KB
次の投稿をする前に次スレを立て、書き込めなくなった時点で移行したらどうでしょうか?

それにしてもそんなに書いたのかぁ…お疲れ様です
621名無しさん、君に決めた!:2008/01/25(金) 20:07:06 ID:???
伏線バラまきまくりの回だったね
ガーネットの龍騎士は誰なのか期待
622 ◆8z/U87HgHc :2008/01/26(土) 00:29:35 ID:???
>>620
調べてくれてありがとうございます!ギリギリですね。
そうですね、次の投稿日に次スレを立てようと思います。
立てれるかどうか不安ですけど……
立てれなかったら、お手数ながらみなさんに立ててもらうことになるかもしれません。

まだ書きたいことも全然書いてないけど、ずいぶん書いたような気がしますなー。
とりあえず今よりもっともっとスレが賑わうよう、頑張ります。
623名無しさん、君に決めた!:2008/01/26(土) 04:18:30 ID:???
賑わうのはいいけど荒れないといいなぁ
第一今いるのって殆ど>>1のスレ立てを待ってたような奴らだろ
624名無しさん、君に決めた!:2008/01/26(土) 06:52:42 ID:???
>>623
んなこたぁない。
前のスレで書いてただとか、そういうのが一切伝わらない新参だっているぜ
625名無しさん、君に決めた!:2008/01/26(土) 07:45:35 ID:???
荒れさえしなきゃいいよなぁ……
ポケ板でこんな良スレに出会えるとは…
626名無しさん、君に決めた!:2008/01/26(土) 09:24:44 ID:???
>>1乙!

 フライゴン君のエビ大好きっ子ぶりに思わずニヤニヤしてしまったw

 ……次スレもまたタイミングが重要だな。とにかく、>>1を精一杯応援してるぜ! 頑張れ!
627名無しさん、君に決めた!:2008/01/26(土) 18:30:55 ID:???
>>621
四足歩行で翼があるドラゴンといえば、かの方しかおりますまい。
628名無しさん、君に決めた!:2008/01/26(土) 20:24:15 ID:???
このスレGJ!
629名無しさん、君に決めた!:2008/01/26(土) 22:06:33 ID:???
ポケモンは話薄いし、作業多いからダレるが、こういう小説見てるとまたやる気がでる
630名無しさん、君に決めた!:2008/01/26(土) 22:11:44 ID:???
>>629
メ欄のsageは半角で頼む
631名無しさん、君に決めた!:2008/01/27(日) 13:15:38 ID:???
他サイトで、ポケモン小説を書いている者
ですが、いつも参考にさせて頂いてます!
どうしたらそんなに上手に書けるのかと。
もしかして本物の小説家ですか?
632名無しさん、君に決めた!:2008/01/27(日) 14:22:46 ID:???
>>1は人間を卓越した存在だから
633名無しさん、君に決めた!:2008/01/27(日) 16:15:31 ID:???
>>631
つまりパクっているというわけだな?
634名無しさん、君に決めた!:2008/01/27(日) 16:43:58 ID:???
おまえアホだろ
635名無しさん、君に決めた!:2008/01/27(日) 19:16:52 ID:???
>>633
参考にするとパクるは違うんじゃない?

程度にもよるけどね
636631:2008/01/27(日) 19:33:03 ID:???
>>633
表現などはパクった事があります・・・。
637名無しさん、君に決めた!:2008/01/28(月) 22:30:27 ID:???
容量埋まったか?
638名無しさん、君に決めた!:2008/01/28(月) 22:31:00 ID:???
次スレの季節ですね
639名無しさん、君に決めた!:2008/01/29(火) 04:10:53 ID:???
640名無しさん、君に決めた!:2008/01/29(火) 21:12:33 ID:???
第二話は傑作
641名無しさん、君に決めた!:2008/01/31(木) 03:34:56 ID:???
ジュカインがコウイチに泣き付く場面を読んでるとき
スラムダンクの三井の「安斎先生・・・バスケがしたいです・・・」のシーンを思いだした



ジュカインって三井寿をモチーフにしてたんだな
642名無しさん、君に決めた!:2008/01/31(木) 06:56:01 ID:???
>>641
そうなのか…な?…と、ジュカインファンの俺が言ってみる
643名無しさん、君に決めた!:2008/01/31(木) 21:29:30 ID:???
三井とは違うやろw
644名無しさん、君に決めた!:2008/02/01(金) 00:18:22 ID:???
この世界に喫茶山小屋のところにいたみたいなメイドさんはいるのだろうか
645名無しさん、君に決めた!:2008/02/01(金) 01:13:49 ID:???
強がり、おっちょこちょい、暗い過去、抜群の戦闘センス・・・

三井寿に重なるね



俺、ミッチー大好き
646名無しさん、君に決めた!:2008/02/01(金) 14:41:03 ID:???
ジュカインはおっちょこちょいというか、抜け目なさそうなイメージあるけど。
647 ◆8z/U87HgHc :2008/02/01(金) 20:42:03 ID:???
なんとか今日中に投下できそうだけど、スレが立てられなかった……
誰かいますか?
648名無しさん、君に決めた!:2008/02/01(金) 21:06:35 ID:???

立ててみます
649名無しさん、君に決めた!:2008/02/01(金) 21:07:33 ID:???
650 ◆8z/U87HgHc :2008/02/01(金) 21:07:56 ID:???
うーん、10時には用事があるし、
例えいまスレが立った所で、最後まで投下できないな……
ごめんなさい、投下は明日にします! 次回分を書きためしときます。

>>641
スラムダンクは……見たことないです……
興味はあるんですけどね。
651 ◆8z/U87HgHc :2008/02/01(金) 21:09:29 ID:???
>>649
おお、ありがとうございます!
よし、じゃあ頑張って今日投下します。
652名無しさん、君に決めた!:2008/02/04(月) 19:10:59 ID:???
>>651
まだ?
653名無しさん、君に決めた!:2008/02/04(月) 23:52:01 ID:???
>>652
ヒント:次スレ
あとsageは半角にせいや
654名無しさん、君に決めた!:2008/02/05(火) 07:21:25 ID:???
ああ
655名無しさん、君に決めた!:2008/02/07(木) 18:53:57 ID:???
はよ埋めようぜ
656名無しさん、君に決めた!:2008/02/07(木) 21:56:11 ID:???
埋め
657名無しさん、君に決めた!:2008/02/08(金) 19:22:52 ID:???
658名無しさん、君に決めた!:2008/02/09(土) 22:05:31 ID:???
ふぃぎゅ
659名無しさん、君に決めた!:2008/02/10(日) 01:38:02 ID:???
アが戦う世界
660エロ注意1/3:2008/02/10(日) 02:51:59 ID:???
「ふぁ、ふわあぁぁぁ……」
さっきまで元気そうだったジュカインが大きな欠伸をしました。
それを見たコウイチくんが心配そうに声を掛けます。
「ジュカイン、だいじょうぶ?」
「ああ、ちょっと寝不足なだけさ。こんぐらいで倒れてちゃ――」
ドタッ!
……言ってるそばから、けつまずいて転んじゃいました。
「やっぱり、少し休もうよ」
手を差し延べながら、コウイチくんが声を掛けます。やっぱり優しいなァ……
「いや、ちょっと気が抜けただけだ。ダイジョウブだって」
「でも、これから先なにがあるか分からないよ!? 休んだ方がいいよ!」
強情なジュカインに対して、コウイチくんも強めに言い返しました。
「……分かったよ。スマンな……」
――そんなワケで、ボクたちは休憩をとることにしました。
さっきまで何だかんだ言っていたジュカインは、木にもたれかかるとすぐに寝ちゃいます。
「もぉ……。ヘトヘトだったんじゃないかー」
そう言うコウイチくんも、疲れてるんじゃないかなァ……
「コウイチくんも寝ますか? ボク、布団になりますよ」
「ちょっと、まだその気だったの? 嬉しいけど、そこまでしてくれなくても……」
「遠慮しないでくださいよ。ボク、お世話になりっぱなしだったんですから」
強引な気がしますが、ボクは仰向けに寝てコウイチくんを誘います。
「う〜ん。ぼくあんまり眠くないんだけどな……」
そう言いながらもそばに腰を下ろしてくれました。嬉しいです。
でも、そこで動きを止めて話し掛けてきました。
「ねぇ、寝るより気持ちイイことしようか」
え……?
661エロ注意1/3:2008/02/10(日) 02:52:42 ID:???
返事も聞かず、コウイチくんはボクの下腹部をまさぐりはじめました。
「コウイチくん……なにを……」
その瞬間、ボクの体を得体の知れない感覚が突き抜けました。
少し遅れて、コウイチくんがボクのアソコに指を差し込んだのだと分かります。
「コウイチ……くん……ダメですそこは……汚いです……」
息を荒くしながらも、なんとか言葉を絞り出しました。
でもコウイチくんは聞く耳を持ちません。
「フライゴン。きみの体に汚い所なんてないよ」
そう言いながら、ついにコウイチくんはボクのモノを引っ張り出してしまいました。
さっきより強い感覚が頭から尻尾の先まで突き抜けます。
ボクに抵抗する気がなくなったのを見ると、コウイチくんは手を使って扱き始めました。
「ぅ……ぁう……」
ボクの口から呻きが漏れ、コウイチくんの手の動きがどんどん速くなっていきます。
それと一緒に、根元から何かが吹き出してくる感覚が……
ブシュッ!ブシュウウゥゥ!
意識が真っ白に染まっていきそうになるなかで、ボクは自分が何をしたのか気付いて愕然としました。
目の前には、端正な顔立ちを粘っこい液体で汚したコウイチくんの姿が……
「ご、ゴメンナサイッ!」
何が起きたのかわからないけれど、必死に謝ります。
「……何で謝るの?」
「え……?」
顔を上げると、コウイチくんの顔は恍惚としていました。
付いた液体を指で掬いとっては舐めています。
「……もっと、飲みたいなァ」
そう言うと今度はボクのモノに直接口を付けてきました。
いつものコウイチくんじゃない……。怖くなってきました。
6623/3 ◆uUJJIv1VIs
「……ゴン? フライゴン!?」
呼び掛ける声。ボクはゆっくりと目を開けました。
……夢? 慌てて頭を振って目を覚ますと、心配そうな顔をしたコウイチくんが。
その顔には何もかかっていませんし、ボクの下半身にも違和感はありません。
「うなされてたけど、大丈夫?」
「えぇ、大丈夫です……」
いつも通り、優しいコウイチくんです。
「昨日一番たくさん寝といて、なんでここでも爆睡出来るんだぁ?」
ジュカインも、からかうような言葉をかけてきます。
安心すると同時に、夢の中とはいえあんなことを考えてしまう自分が恥ずかしく思えてきました。
「……ごめんなさい!」
地面に頭を擦り付けて謝ります。今なら土下座穴掘りもできそうな気分です。
「フライゴン!? 何で謝るの?」
コウイチくんが困惑しながら問い掛けてきました。
「ボク……、コウイチくんに付いていく資格ないです……」
弱々しく答え、首をうなだれます。そうです、あんな夢を見てしまうボクには……
しかし次の瞬間、ボクは暖かな感覚に包まれました。
――コウイチくんが、抱き締めてくたんだ。
「でもボク……、むぐっ」
続きの言葉はコウイチくんの手で塞がれました。
「何があっても、きみはぼくのパートナーだよっ!」
「ったく、『もしかしたら一心同体〜っ!?』とか言ってた元気はどこ行ったんだ?」
ジュカインも励ましてくれます。
「さあっ! 元気よくしゅっぱーつ!」
コウイチくんが号令をかけます。
……ボクたちはこの先どんな困難があっても乗り越えられる。
そんな思いを胸に、ボクは歩き始めました。