学生鞄を自転車のカゴに投げ入れ、いきなり4速から漕ぎ始める。
まったく、月曜日から朝寝坊してしまうなんてツイてない……。しかも、不運が重なってしまったようだ。
鞄に入れたものを思い返すと、弁当が入っていない。もちろん、取りに帰っている時間は無い。
諦めるか。財布は持って来ているし、学食で何か食べられるだろう。
そう思い、学校までとにかく飛ばす少年だったが、その上に突然大きな影がかかる。
「ふりゃあぁぁ!」
急ブレーキをかけて見上げると、そこにはフライゴンの姿。
その手には弁当箱。
即座に受け取り、感謝の言葉を掛けようとすると、フライゴンは顔を背けて飛びさってしまった。
その行動の真意が汲み取れずに首を傾げる俺だが、よく考えればそんな時間は無い。
急いで自転車に跨がりなおし、学校へと急いだ。
チャイムが鳴り始める瞬間に、体を教室に滑り込ませる。ギリギリセーフだ。
しかし、なかなか先生が教室に来ない。どうやら自習のようだ。
「なんだ。遅刻していてもバレなかったじゃないか……」そんなことを考えてしまう俺。
とりあえず問題集は出したが、考えるのは別のこと、フライゴンのことだ。
3年前、近所にある森で出会った彼女。今日まで毎日のように遊んできた。
親バカ(?)かもしれないが、優しくて頭も良いし、よくなついてくれる最高のポケモンだと思っている。
現に今日だって、弁当を渡しに追いかけて来てくれた。
ただ、最後の行動は気になったが……。
まあいいか。考え込んでも何かになる訳でもない。
母がご褒美でも用意してたんだろう。食いしん坊さんめ。
休憩はこれくらいにして、問題集を進めることにした。
その後の授業はいたって普通に過ぎた。
受験生になってから伸びた授業時間にも、もうすっかり慣れている。
昼休みはフライゴンに感謝しながら弁当を食べ、その後は図書館で時間を潰す。
また、課後補習の前にふと、もう引退した部活に顔を出したりもした。
そして、学校が終わると誰よりも早く帰路に着いた。
「ただいま!」
玄関の鍵を開けて中に入る。一人っ子だし親は共働きだから、その声を聞く人はいない。
そう、「人」はいないのだが……。
「ふりゃあ!」
フライゴンが出迎えてくれるのだ。
彼女は昼間、近所の森まで飛んで行って、遊んだりしているらしい。
それでも自分が帰って来る時間になると、必ず帰って来て出迎えてくれる。
やっぱり、自分の帰りを誰かが待ってくれているのは嬉しい。
飛び付いてきたフライゴンをしっかりと抱き返しながらそう思った。
と、突然フライゴンがもがきだした。慌てて腕を離す俺。
「どうしたんだ?」
「ふりゃあ……」
顔をしかめて首を左右に降るフライゴン。可愛いな……じゃなくて、どうしたんだろう。
少し考え込み、ふと思い当たった。
朝は全力で自転車を漕いでいたから、汗をかいていたんだった。
人間には気にならない程度でも、ポケモンには気になるのだろう。
「ごめん、シャワー浴びてから着替えてくるよ」
そう言って風呂場に向かったが、思い直してフライゴンの元へと戻る。
「ねえ、フライゴンもさ、たまには体洗おうよ」
「……ふりゃ!」
一瞬の間があったものの、元気良く返事をしてくれた。さっそく連れて行く。
浴槽に水は張っていないから、窮屈だけどそこに入ってもらい、自分が先にシャワーを浴びる。
「ふー。さっぱりした。じゃあ、次はフライゴ……」
横に目を向けると、自分の方を穴の開くほど見つめてくるフライゴンがいた。
俺は思わず顔が真っ赤になる。それを見たフライゴンも……。
何やってんだ。俺たち。
「と、とりあえず、そ、そこに座って」
ギクシャクした動きで指示する。
フライゴンもヨタヨタと浴槽から這い出して、床に座り込む。
俺は何とか平常心を取り戻し、よく泡立てたタオルでまずはフライゴンの背中を流してやった。
フライゴンが気持ち良さそうに目を細めるのが見える。
今度は羽の先から尻尾の先まで、泡だらけにしてやる。
じめんタイプとはいえドラゴンだし、目に水が入る心配も無いから、一気にお湯で洗い流した。
びしょ濡れのフライゴンがぶるっと体を震わせるから、俺にもお湯がかかった。
「やったなーっ!」
俺はフライゴンに飛び付いて、脇腹をくすぐってやった。
「ふりゃぁぁぁ!」
暴れるフライゴン。押さえ付けようとする俺だったが……。
「痛っ!」
狭い浴室で激しく動いたもんだから、壁に足を思いっきりぶつけてしまった。
じゃれ合いは、こんな所でするもんじゃないな。
「……あがろっか」
自分の体も、フライゴンの体もしっかりと拭いてから、まず俺はフライゴンに頬擦りした。
「う〜ん、スベスベ〜♪」
フライゴンも褒められて嬉しそうだ。
ほっぺたが真っ赤になっている。
「あははっ!可愛い奴ぅ!」
そのほっぺたをツンツンしてやる。プニプニしていて気持ちいい。
ますます照れるフライゴン。二階へと飛んで行ってしまった。
俺も服を着ないといけないから、後を追うようにして階段を上がり、自分の部屋へと向かう。
部屋に入るかが早いか、いきなりフライゴンに飛び付かれた。
ベッドの上に押し倒され、お腹をくすぐられる。
「あははっ、ちょっとフライゴン、ちょっと」
俺は足をじたばたさせてもがく。と、腰に巻いていたバスタオルが取れてしまう。
その瞬間だった。
露出したそれを、フライゴンが咥えてきた。
「ふっ……フライゴン、なにを……」
状況を理解して抵抗する間もなく、全体を舌で舐め回された。
「やっ、やめ……」
言葉とは裏腹に、俺は興奮してきたのを感じた。
同じくそれを感じ取ったフライゴンは咥えていたものを放し、体をずらすと……。
ぐちゅっ
……自分から、差し込まれにいった。
「ふらぁぁぁあぁぁっ!」
苦痛とも快感とも取れる叫び声を上げ、その四角い羽をばたつかせる。
その振動に感じて、俺の興奮はさらに高まってしまった。
それに合わせてさらに激しく体を動かし、喘ぐフライゴン。
今度はおもむろに体の向きを変えて俺の下になった。
メスとはいっても俺よりも大きな相手、抵抗出来ない。
「ぁあ!らぁあぁぁぁ!」
両手足どころか尻尾まで使って、とにかく奥へ奥へと求めてくる。
「うあぁぁっ!」
爆発しそうな興奮が俺にも伝わってきて、思わずフライゴンの首に抱き付いて、叫んだ。
フライゴンも、ますます強く抱き締めてきた。
「うぅっ!」
そして俺は興奮を押さえ切れず、中へと……、放出してしまった。
「ふ、ふりゃぁぁ……」
ようやく落ち着いたフライゴンが、満足したような声を漏らす。
そして、俺の背中を優しく愛撫してきた。
俺も、ゆっくりとなで返してやる。
しかしすぐに、ショックと疲れからか、そのまま眠ってしまった。
>>454トン!
あれからマタドガスこしらえてドカンしてたら一気に65レベまで上がったよ!
強い子に育つようファイトエリアで孵化してくる
朝、ケータイのアラームで目が覚めた。
……酷い夢を見たな。まさか俺がフライゴンと……。
フライゴンを起こさないようにベッドから出て、洗面所に向かう。
下半身に付いた、粘り気のある液を洗い流している最中、それの意味に気付いた。
「夢じゃ……、なかった!?」
目の前が真っ暗になりそうなのを押さえる。今は学校に行く準備をしなければ。
何とか制服に着替えて朝食を取り、家を出た。
授業は散々だった。上の空になっているのを何度も注意された。
「どうしたんだ? 悩みでもあるんなら、俺に……」
「寄るなっ!」
昼休み、話しかけてきた友人にも当たり散らす。
「どうすりゃいいんだよ……」
家に帰ると、何も言わず部屋へと向かった。慌ててついてくるフライゴン。
何をするかと思えば、ズボンのファスナーを下ろしてきた。
「やめろっ!」
フライゴンを思いっきり蹴飛ばす。ドアの向こうまで押し出し、鍵をかけた。
「どうすりゃいいんだよ、俺はーっ!」
床に倒れこんで、叫ぶ。
拳で床を叩きながら、何度も叫んだ。
「ん……」
しばらくして目を覚ます。どうやら寝てしまったようだ。
時刻を確認しようとすると、自分がベッドにいることに気付いた。
辺りを見回すと、俺がいた場所でフライゴンが寝ている。
「窓から入ってきたのか……」
近くにしゃがみ込み、寝顔を眺める。フライゴンは、本当に俺の事を……。
俺にもある感情が沸き起こってきた。
その感情を顔に出さないようにしながら、フライゴンを起こす。
「勝手に入って来たから、お仕置だな」
怯えた顔も可愛い。フライゴンの全てが欲しい。
「……ベッドの上で、嫌というほど喘がせてやる」