このスレは仮面ライダーがポケモンで戦うスレ小説を書くスレです。
小説を書きたい人は酉をつけて書くようにしましょう。
前スレ
仮面ライダーがポケモントレーナーだったら
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/1166013331/(dat落ち)
まとめwiki
ttp://www23.atwiki.jp/kamenrider_pokemon/ 21 :名無しさん、君に決めた!:2006/12/09(土) 14:38:06 ID:???
__ __
∠  ̄`ーァ.,ィ个ー、ァ'´  ̄`ヽ、
r┴―- 、_. r' r.、 }= ,ィ { ______ヽ
ゝ、  ̄ ̄「「,r―〈〉r―ォ)) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ }
>、ヽ、 ̄ ̄ ̄ l l!: : :ム オ: : :!l:ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ
`ヽ、:.:.:.:.:.:.:.l :{: : : ll: : : :l.!: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:., - '´
ヽ:.:.:.:.:.l `、: ::!!: : :ノ.j: :.:.:.:.:.:.:.:/
`ヽ:.:!ハヽ、j_,、/ レ:.:.:.:.:../
ヽ ト _ イ、:.:.:.:./ 英雄なんだろ?
_rイ「 「`ヽヽ/ ◆aDMe1v.0Hc
_ ,r‐=.}、〈〉 〈〉 アォ┬┬ァ
,rァ―ケr_ヘー‐ヘ 「ヘ个ミ」彡イr、! l. l/‐ァー-‐rォ、_
. ,イ三´ }{__r'`ーヘ_、`ヘ ヘ{`ヽr===ォムイノ/,r={__}{イー' ノ }'{`ー、
〈/´ ̄}ノ´  ̄ 〉 `ー{三三}= ォ  ̄ ̄`ヽ「ヽ,}
込ー 、 _ rォ={
{:.:.:`、個片{r'´::}
!:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.:{
l:.:.:.:.:.:l. ヘ:.:.:.:.:.!
全てはこのレスから始まった… 詳しくは
>>2-5あたりで…
▼初代スレで偶然神になった人達
>>1 偶然こんなスレを立ててしまった困ったチャン。その名は◆aDMe1v.0Hc
しかしこいつが居なければ全ては始まらなかっただろう。
(某スレの重複スレとして初代スレは誕生した…)
>>6 >>1叩きの際偶然「英雄」の文字を入れてしまう。
しかし「英雄」がなければ次の神はこなかっただろう。
>>21 >>6の「英雄」の台詞を見て仮面ライダー王蛇のAAを貼る。
この人のお陰で龍騎の流れに突入。
>>94 遂に浅倉のSSを書き始める。まさに神である。
神々のお言葉
1 :◆aDMe1v.0Hc :2006/12/09(土) 14:21:18 ID:x5pwLBb0
ここは、ドラえもんやのび太達がポケモントレーナーとして活躍する小説のスレです。
(以下略・詳しくは初代スレを参照の事)
6 : ◆aQv7J0uJu. :2006/12/09(土) 14:30:51 ID:???
>>1 まったく… そんなにでしゃばって英雄呼ばわりされたいのかねぇ
21 :名無しさん、君に決めた!:2006/12/09(土) 14:38:06 ID:???
(略:
>>1のAAに同じ)
94 :名無しさん、君に決めた!:2006/12/09(土) 18:31:35 ID:???
俺は浅倉滅。25歳独身。地元警察には顔馴染みだ(全国的にもだけど)。
そんな俺の趣味は……ポケットモンスター。
(以下略・この続きを知りたい人はこのスレで読んでください)
まさか立つとは思ってもみなかった。
だが私は謝らない。
君たちならばきっと良スレに仕上げてくれると信じているからだ。
まぁそういう訳で、まずは自分から。
前回まではまとめWiki読んでください。
15話投下。
剣崎は暇だった。
レンゲルの件以来特にアンデッドポケモンも出てこない。
かといって遠くの地方に行くのも気が引けた。
始の言葉が確かならば、あまり遠くに行っても
アンデッドポケモンに遭遇できるとは限らない。
そういう訳で適当に特訓しながら過ごしていた。
一応気になっている事はあった。
橘の事だ。しかし、アレばかりはもう本人がどうにかするしかない。
ふと、手元のアンデッドサーチャーを見る。
「そういや、コレ作動した事無いな……」
アンデッドキレイハナに騙された時に作動していれば活躍していたはずだ。
しかし、反応を見せたことが無い。
剣崎はよく調べ始めた。
「電源が……オフ?」
答えは簡単だった。電源スイッチがオフになっている。
「所長もこんな物付けなくていいのに……」
物々いいながら電源をつける。
すると早速反応を始めた。
それもかなり近く、目と鼻の先だ。
「こんにちは、剣崎さん」
みゆき――キレイハナアンデッドだった。
「おまえ、性懲りも無く!」
身構える剣崎。
「あら、今日はお使いに来たのよ。
伝言よ。明日の正午、東の山で待つ」
「伝言? 誰の物だ!」
剣崎の言葉に、みゆきは意地悪く口を開いた。
「それは言えないわ〜。ともかく、伝えたわよ」
みゆきはそのまま帰っていった。
「東の山、か」
剣崎は特訓を再開した。
翌日。
剣崎は朝早くにポケモンセンターを出た。
東山に着いたのは正午10分前だった。
すでに先客がいるようだ。剣崎が話しかける。
「お前は誰だ?」
剣崎の問いかけに、聞き覚えのある声が返ってくる。
「私? 私は矢沢。おや、いつかのポケモントレーナーじゃあないか」
矢沢。アンデッドモココの人間体だ。
以前の戦闘では剣崎は敗北に近い結果を出している。
「剣崎だ! 何で俺を呼び出したりした!?」
剣崎が叫ぶ。それに対して矢沢の反応は予想外のモノだった。
「あ? 呼び出したのはそっちでしょ。
……ま、いいや。遊んであげる。おいで、オンドゥル男」
矢沢の挑発に怒りを燃やす剣崎。
「言ったな? 一撃で倒してやる!」
剣崎がライボルトを繰り出す。
矢沢も姿をアンデッドモココへと変えていく。
アンデッドモココが先手を取った。
「喰らいな、スパーク!」
強烈な突進攻撃。跳躍してから放たれるそれはとても派手だった。
「見切れ、ライボルト!」
ライボルトが紙一重で攻撃をかわす。
相手の攻撃を"みきり"で避けたのだ。
「へぇえ、やるじゃなぁい。前より強くなった?」
「ふん、今度はこっちからだ! かみくだく!」
ライボルトがアンデッドモココに接近、牙をむいた。
モココは攻撃を避けない。左腕に噛み付くライボルト。
その瞬間、ライボルトが激しく吹っ飛んだ。
右腕からの"ほのおのパンチ"を喰らったのだ。
「ライボルト! くっ、お前もやるな!」
ライボルトをボールに戻す剣崎。
新たにケンタロスを繰り出す。
「ケンタロス、でんげきは!」
飛び出したケンタロスが角から放電する。
電撃はアンデッドモココ目掛け一直線に伸びていく。
「はっ、ムダムダァ!」
電撃を破りケンタロスに向かってくるアンデッドモココ。
「アイアンテェル!」
振り下ろされる鋼鉄の尻尾。
しかし剣崎はその瞬間を待っていた。
「弾き返せ!」
ケンタロスの磁力の角が唸りを上げる。
モココは磁場に耐え切れずに吹き飛んだ。
「久々に面白くなってキタァ!」
再び立ち上がるアンデッドモココ。
ズドォン
突然、剣崎を高エネルギーが襲った。
「な、何だ!?」
いきなりの出来事に驚く剣崎。
アンデッドモココも同じようだ。
さらに飛んでくるエネルギー弾。
剣崎はカブトを繰り出し防御する。
「おまえ、汚いぞ! こんな事して勝つつもりか!」
エネルギー弾は剣崎だけを狙っている。
剣崎は完全にモココが仕組んでいると思ったようだ。
「違う! 俺じゃない!」
否定するアンデッドモココ。
しかし剣崎には理解されない。
「やはりアンデッドポケモンはアンデッドポケモンだったな!」
三度エネルギー弾が剣崎を襲う。
だが、その攻撃は剣崎にもカブトにも当たらなかった。
アンデッドモココ……矢沢が受け止めたのだ。
「なっ……!?」
予想外の出来事にさらに驚く剣崎。
更なる予想外の事が起きた。
「ちょっと、邪魔しないでくれる?」
草むらから現れた上級アンデッド。アンデッドキレイハナだった。
「折角同士討ちを狙っておいしい所を持って行こうと思ったのに……」
そう言うとアンデッドキレイハナは標的を再び剣崎に定めた。
放たれる草系最強の攻撃"ソーラービーム"。
カブトでも防ぎようが無い。
「邪魔してんのは、どっちだ……?」
剣崎とキレイハナの間に割って入る矢沢。
当然ソーラービームの直撃を受けている。
「おまえ……」
矢沢の行動が信じられないといった表情の剣崎。
「俺はコイツと一対一で戦ってんだ。邪魔モンは失せな!」
矢沢の電撃がキレイハナに当たる。
「……馬鹿みたい。つまらないから帰るわ」
そそくさと退却するアンデッドキレイハナ。
「サァ……バトルを続けようか?」
剣崎の方を向き戦闘体勢を取る矢沢。
剣崎が躊躇っていると草むらから再び何かが飛び出した。
ペルシアン。剣崎がレンゲルに解放されたアンデッドポケモンの一匹だった。
「まぁたお邪魔虫か、はん」
敵意をペルシアンに向ける矢沢。
それより速く剣崎が飛び出した。
「コイツは俺がやる。それで貸し借り無しだ」
その言葉に矢沢は少し笑みをこぼした。
「勝手にしな」
「リザード、かえんほうしゃ!」
リザードの焔がペルシアンを捉える。
さらに接近戦に持ち込み、急所目掛け爪で切り裂く。
「トドメだ、フレアドライブ!」
火炎を全身に纏ったリザード。
ペルシアンに飛びつくとその炎は勢いを増した。
強烈な攻撃のラッシュにペルシアンは戦闘不能となった。
一方で、リザードの方もかなりの体力を消費したようだ。
「ペルシアン、再捕獲完了っと」
ペルシアンをボールへとしまう剣崎。
「じゃあ、行くぜ?」
再び向かい合う剣崎と矢沢。
お互いに遠慮は無し。リトライ無しの真剣勝負だ。
先に動いたのは矢沢だった。
「最強技ぁ! ヴォルテッカァー!!」
脅威のスピード、そしてパワーを持って突っ込んでくる。
「ねじ伏せろ!ヘラクロス、インファイト!」
剣崎もヘラクロスを繰り出す。
ボールから飛び出す際のスピードを利用して突撃するヘラクロス。
両者が激しくぶつかり合い、そして吹き飛ぶ。
剣崎はヘラクロスを戻すと間髪いれずに3匹のポケモンを繰り出した。
矢沢が体勢を立て直している間にその3匹は既にフォーメーションを組んでいた。
「ライトニングソニック!!」
音速の壁を破り、電撃を纏った必殺の蹴り。
矢沢にはそれを防ぐ術が無かった。
地にめり込む矢沢。大きな衝撃波が起きる。
「俺の……負けだ。捕獲……しな」
息絶え絶えに喋る矢沢。
剣崎は躊躇いを見せる。
「あいつの攻撃を受けて無くても……負けてたさ。
ほら、とっとと……しな」
うなずく剣崎。
ベルトから「Q」の紋章を刻んだモンスターボールを取り出す。
矢沢はボールへと吸い込まれていった。
「アンデッドポケモンにも……いい奴はいるのかもしれないな」
ポケモンセンターに帰る途中、一人剣崎は呟いた。
15話ここまで。
矢沢の性格改変は許して。
乙
落ちたのか…前スレ
14 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/05(月) 20:00:12 ID:s6gKATfG
スレたて&投下乙
15 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/06(火) 04:04:50 ID:LzhUC8m0
乙です
すぐには落ちないと思うけど保守。
=≡,,;;'' '';;, イレブォォォーン!
─=≡三;;;;,,,,ニ二二;;; ^ω^;二二⊃
─=≡;;, ,,;
=≡;;;;, '、,,ノ
≡ ,;;'>ノ
三 ,,;iノレ
=≡,,;;'' '';;, 10セブォォォーン!
─=≡三;;;;,,,,ニ二二;;; ^ω^;二二⊃
─=≡;;, ,,;
=≡;;;;, '、,,ノ
≡ ,;;'>ノ
三 ,,;iノレ
18 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/07(水) 20:37:25 ID:f3B5DHZW
橘さんのテーマ
胃袋のGATE 問いかけている
Left or Right? 君はどれを食す
この空の下で悪食なのは
That's my pride 自分のみ
いつだって真っ直ぐに 食せLord of the eat
辛味噌辛味噌辛味噌辛味噌辛味噌辛味噌辛味噌辛味噌辛味噌辛味噌辛味噌辛味噌
>>18 LORD OF THE SPEEDかRebirthかはっきりせいww
第16話投下。
一人の男が寂れた寺院跡に入っていく。
「遅かったわね。10分遅刻よ」
声の主は吉永みゆき――アンデッドキレイハナ。
「たかが10分ごときでカリカリするな。それで今日は何のようだ」
男は彼女の知り合いらしい。
「新しいポケモントレーナーが現れたわ。放っておくと成長して倒しづらくなる」
睦月の事らしい。
レンゲルの支配を受け付けなくなった睦月はアンデッドポケモンにとって厄介なだけだ。
「俺に潰せと。……まあいい、以前と同じように闇討ちしてやるよ」
そういうと男は黒い毛で覆われた姿に変化した。
「頼んだわよ。新名さん」
睦月は森で特訓していた。
早く剣崎の様なポケモントレーナーになりたい。
その気持ちが睦月を動かしていた。
一方、背後から忍び寄る影。
影は睦月に狙いを付けると襲い掛かった。
間一髪攻撃を避ける睦月。
「ちっ、外したか」
影が睦月の方を向く。
「おまえは、上級アンデッド!?」
人であり獣でもある姿。
まさしく上級アンデッドポケモンそのものだった。
「は、その通りだ。俺はグラエナの始祖、アンデッドグラエナ」
自己紹介をした男は吉永に新名と呼ばれていた男だった。
「上級だって問題ない! 捕獲してやる」
サイドンを繰り出す睦月。
「はん、無駄だよ」
アンデッドグラエナが跳びあがる。
「ロックブラスト!」
サイドンは上空目掛け岩の礫を投げつけた。
しかし全て回避されてしまう。
アンデッドグラエナのキックがサイドンを直撃する。
「カウンター!」
攻撃を受けたサイドンがアンデッドグラエナを掴むと思いきりブン投げた。
木にぶつかりダメージを受けるアンデッドグラエナ。
「痛ぅ。やるじゃねえか。だが森は俺の狩場だぜ?」
アンデッドグラエナが口笛を吹く。
すると何処からか野生のグラエナ達が集まってきた。
「な、こんなにいっぱい……!?」
あっと言う間に多対一に追い込まれた睦月。
たまらず所持ポケモンを全匹投入する。
「スピアー、サイドン、オクタン、スリープは雑魚を!
リングマはアンデッドにれいとうパンチ!
アリアドス、アーボックはリングマの援護!」
全員に指示を下す睦月。
それぞれの攻撃が野生のグラエナたちを倒していく。
しかし倒しても倒してもきりが無い。
アンデッド本体へのダメージはグラエナ達によって阻止される。
「ほらほらどうした? 捕まえてみろよ」
アンデッドグラエナの"はかいこうせん"がリングマを襲う。
吹き飛ばされるリングマ。
「リングマ! ……ウワァァ!?」
一瞬の隙を突いてグラエナの一体が睦月に噛み付いたのだ。
アーボックがそれを弾き飛ばす。
睦月の手から血が滴り落ちる。
「うわ、うわぁぁぁぁ」
戦意喪失の睦月。その場に崩れ落ちる。
「あっはっは。情けない奴だな! ん?」
アンデッドグラエナを狙って電撃が放たれる。
グラエナはバク宙で電撃をかわした。
「アンデッド! そこまでだ!」
剣崎とオドシシがそこに立っていた。
アンデッドサーチャーを頼りにここまで来たようだ。
「睦月!? ペルシアン、睦月を安全な場所まで!」
ペルシアンを繰り出し睦月を運ばせる。
睦月のポケモンたちは未だにグラエナたちと戦っている。
「お前は対象外なんだがな。相手してやる」
アンデッドグラエナが剣崎目掛け蹴りをかます。
カブトを繰り出し防ぎきる剣崎。
「リザード、ライボルト、ケンタロス!
睦月のポケモンの加勢をしろ!」
3匹を繰り出すと野生のグラエナの相手をさせる。
さらにオドシシを戻し、ヘラクロスを繰り出す。
「こいつは結構しんどい戦いになりそうだな……」
剣崎は覚悟を決めた。
橘朔也は小夜子の家にいた。
あの日以来無気力に過ごしていた彼。
何をすべきかわからず、気づけばそこに辿り着いていた。
家の中を物色する橘。
スクール時代に2人で撮った記念写真。
高そうな写真立てに大事そうに収められている。
「こんな物、まだとってたのか……」
橘はさらに物色をした。
研究資料や辞書に混じってそれはあった。
「これは……日記?」
橘は小夜子の日記をペラペラとめくり始めた。
ふとあるページに目が留まる。
橘と出会った日のことが書かれていた。
「俺のことか……」
橘は過去を振り返りながら読み始めた。
○月○日
今日は嬉しいサプライズがあった。
トレーナーズスクールの同期、橘君と出会ったのだ。
ちょっと勇気を出して家に誘ったらOKサイン。
手料理を作ったらおいしいと言ってくれた。
○月×日
橘君は度々家にやってくるようになった。
スクール時代の話で盛り上がる。
彼は変わってない。
正義感が強く、頼りになるがちょっとおっちょこちょい。
そんな彼が私は好きだ。
○月△日
近所で有名なシュークリームを食べてみた。
おいしかった。思わずあぅあぅ。
PS:橘君の身体に何かついていた。
後で調べてみようと思う。
○月■日
橘君の身体についていたものは危険な物だった。
説得しようとしたが聞き入れてもらえない。
昔の、優しい橘君に戻って欲しい。
きっと彼も苦しんでいるんだと思う。
どうにかして救ってあげたい。
人の役立つ仕事に就きたい、それが彼の口癖だった。
私も彼の役に立ちたい。そう思う。
日記はここで終わっている……。
「小夜子……。俺は、俺は!」
日記を机に置くと橘を意を決した。
ポケットからアンデッドサーチャーを取り出す。
電源オン。反応アリ。
それを見ると同時に駆け出す橘。
「いってくる、小夜子!」
写真立てだけが彼を見送っていた。
玄関を飛び出した橘。
そこに更なるアンデッド反応が発生する。
イノムーだ。
「ニョロトノ!」
橘は走りながらニョロトノを繰り出す。
ニョロトノの"きあいパンチ"。
一撃だった。
橘はイノムーを回収するとギャロップを繰り出した。
「くっそお、コイツ強いな……」
剣崎は完全に押されていた。
ヘラクロス、ライボルトは気絶。
睦月のポケモン勢も限界が来ているようだった。
「こうなったら、コイツを使うしか……」
Qのボールに手を掛ける剣崎。
その時、爆音とともにあの男が現れた。
「た、た、橘さん!」
橘朔也、完全復活。
剣崎、すまなかった。また戦わせてくれ」
剣崎に頭を下げると橘は戦闘態勢を取る。
「あぁ、誰かと思えばこの前仕留め損なった奴か」
新名の言葉に橘が怒りを燃やす。
「貴様か。貴様が桐生さんを!」
カイロスを繰り出す橘。
「はん、お前ごときに……」
「はかいこうせん!」
カイロス必殺の大技。
周りのグラエナ達を根こそぎ吹き飛ばす。
「戻れ、カイロス! サンドパン、ブレイククロー!」
アンデッドグラエナ目掛け鋭い爪が振り下ろされる。
「グオァ! おいおい、こんな話聞いてないぞ!?」
新名はたじたじだった。
逃げる準備までしている。
「逃がさん! クロバット、くろいまなざし!」
クロバットの視線がアンデッドグラエナの足の、全身の動きを奪う。
「今だ、剣崎!」
「はい!」
剣崎はサワムラーとオドシシ、橘はホエルオーとバルビートを繰り出す。
「ライトニングブラスト!」
「バーニングスマッシュ!」
2人の必殺技が決まる。
電撃キックと火炎プレスを受け、アンデッドグラエナは気絶した。
「嘘だっ……! 俺がやられるなんて……」
新名は自分の敗北を認められずにいた。
「桐生さんに詫びろ」
橘はボールを投げつけた。
「剣崎、コイツはお前が持っていてくれ」
スート違いのカテゴリーJ。
コモンブランクで捕獲されたグラエナを橘は差し出した。
「それと、コレ。来る途中で捕まえた。お前のだろ?」
イノムーもセットで渡す。
「橘さん……」
「心配するな。もう戦いから逃げたりはしない。
人の役に立つ事を……人間を守ってみせる」
橘の目は澄んだ色をしていた。
(これでいいんだよな、小夜子……)
16話ここまで。
正直悪乗りしすぎたかなーとか思ってる。
まぁ橘さんだし。
27 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/08(木) 22:04:58 ID:KAxFg3YZ
胃袋のGATE 問いかけている
Got to be strong 君はどれを食す
この空の下で悪食なのは
Got to be strong 自分のみ
いつだって真っ直ぐに 食せGot to be strong
Got to be strong!Got to be strong!
前スレで出てたマキシマム仮面ライダーネタやってみる。
たまには息抜きで別の物が書きたくなるんだよね。
一人称って俺でいいんだよね?
ここはノモセシティ。
沼地が多いが快適で住みやすい町だ。
町の北には大湿原が広がり、珍しいポケモンもいる。
自己紹介がまだだったな。
俺はこの町のジムリーダーをしている……
「きゃああああああ!」
むっ、誰かが俺を呼んでいる。いかなくては。
「ふっはっはっは。この女の命が惜しくば、ポケモンを我々に渡せ!」
「誰かー、助けてー!」
奴らはギンガ団。最近うろちょろしている悪の組織だ。
ここは一つお灸を据えてやる必要があるな。
「待てぃ!」
「だ、誰だ!?」
「人のポケモンを奪おうとする行為。ましてや人質をとるなど、言語道断!」
「どこだ!? どこにいる!?」
「ここだ!」
屋根の上。ヒーローが最もカッコよく見える場所だ。
もっとも、奴らにこの美学が理解できるかわからんが。
「俺の名は、マキシマム仮面!
しかし人々はこうも言う。仮面ライダーと!」
決まった。
「ま、マキシマム……仮面ライダァ?
まぁいい、やってしまえ!」
戦闘員が沸いて出てくる。雑魚が集まっても無駄だ。
俺は屋根から飛び降りると連続パンチで3人をのした。
さらに回し蹴り、頭突き、アクアジェットの3連コンボ。
あっという間に片付けた。
ここまでにかかった時間、わずか12秒。
「後は貴様だけだ!」
「お、おのれぇ、来い!」
男が人質を連れて逃げる。逃がさん。
「こい、マキシブースター!」
俺の掛け声とともに相棒が駆けつける。
燃料電池をエネルギーとして最高時速230Kmを叩き出すスーパーバイクだ。
マキシブースターに跨ると男を追撃する。
男はドードリオに乗っていたがこちらの方が速い。
すぐに先回りして前に立ちふさがる。
「まずは人質を解放しろ!どりゃ!」
必殺バイクアタック!ドードリオが転倒する。
人質の女性はフローゼルに回収させた。
「く、くそぉ! こうなったらコレを使ってやる!」
男が懐から取り出した薬剤を飲む。
すると男は怪人へと変貌した。かろうじて人型は保っている。
「ふん、怪人相手の方が腕が鳴る!」
マキシブースターに搭載されている冷凍光線で攻撃する。
-50℃の冷気で凍らせる強力レーザーだ。
怪人は凍りつきこそしなかったが確実に苦しんでいる。
「次はコイツだ! 必殺、アクアジェット!」
高速で敵に掌底をかます。怪人は吹っ飛んだ。
「まだだ、水鉄砲!」
腰に下げた二丁の水鉄砲。
タダの水鉄砲ではない、威力は通常の比ではない。
内蔵されている水も塩水。摺りこまれると痛い。
ダメージを受けていた怪人にはたまらない。
「とどめだ、マキシマムハイパーパワー!」
全身に力を入れる。
「ライダーキックッ!」
必殺の跳び蹴り。怪人は完全に倒れた。
見れば人間に戻っている。
ダメージを受けた事で元に戻ったのだろう。
「ちくしょお、覚えてろ!」
お決まりのセリフを吐いてギンガ団の男は逃げていった。
「正義は必ず勝つ!」
夕日を背に決めポーズ。
いつか君のところにも悪い奴が来るかもしれない。
そんな時はいつでも俺を呼んでくれ。
どこへだって光の速さで駆けつける。
マキシマム仮面との約束だ!
おしまい。
ギャグの受けが悪いようなので今回もアレかも。
でも書いてて面白かったです。
さすがマキシマムかめん。
32 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/09(金) 11:19:50 ID:iKh41VKV
乙w
マキシマムハイパーパワーwwwww
★
ドスドスドスドスドスドス
橘さん「このポロックを作ったのは誰だあ!!」
矢車さん「わ・・・私ですが・・・・」
橘さん「きさまか!きさまはクビだ!でていけ!」
矢車さん「く・・・・クビ!!?」
橘さん「やかましい!こやつに料理をする資格はない!出 て い け ぇ ! !」
矢車さん「どうせ俺なんて……」
橘さん「わあっはっはっは!」
マキシマムネタが受けたようで嬉しいです。
第17話投下。
前後編の前編って感じ。
睦月のケガは大したことなく、すぐに完治した。
しかし心の傷は癒えてはいなかった。
そして、剣崎と橘は今後の事を話し合っていた。
ポケモンセンターに神妙な顔をした男が二人。
傍から見るとちょっと変な図だ。
「睦月のことは俺に任せてくれないか?」
「いいですけど、どうしてですか?」
「アイツは心に闇を持っている。以前の俺と同じだ。放っておけないんだよ」
橘なりに心配しているのだろう。
剣崎は橘に睦月を任せることにした。
「じゃあ俺は見回りにでも行ってきますね」
剣崎は外に出た。
「あれ? 始。おーい、始!」
外に出た剣崎の視界に始が入ってきた。
「なんだ、おまえか」
始はつっけんどんに返す。
「こんな所でなにやってんだ?」
話のネタを振る剣崎。
しかし始は食いついてこない。
「別に」
話が続かなくなったので剣崎が立ち去ろうとした時、
空から影が飛来した。
「見つけましたよっ、カリス!」
影は人の形をしている。
しかし羽根が生えている所を見ると人間ではなさそうだ。
「誰だ、貴様」
始の問いかけに羽根付きはあっさりと答えた。
「アンデッドオニドリル。思い出しましたか?」
「悪いが、記憶にないな。まぁ、捕獲してやる」
始がサメハダーを繰り出す。
「記憶障害ですか? それは残念です。しかも人間に捕獲されているとは。
いや、貴方の事だ、その人間を操る目的で捕獲されたのでs……おっと」
サメハダーのアクアジェットがアンデッドオニドリルを襲う。
攻撃を避けるとオニドリルは羽根を開き、空へと舞い上がった。
「ここは邪魔なモノが多すぎる。貴方との決着は相応しい場所で行いたい」
アンデッドオニドリルはそのまま飛び去っていた。
舞い落ちる羽根。それに紛れて一通の手紙が落ちていた。
「始、何が書いてあったんだ?」
話についていけなかった剣崎が尋ねる。
「果たし状だ。明朝、海岸で待つ」
始は特に気にも留めていない。
「行くのか?」
「ああ。……ついて来たければ勝手にしろ」
剣崎の次の言葉を予想して、先に始が答えを続けた。
「あ、ああ、そうさせてもらう」
剣崎は始と別れた。
「橘 朔也だ。こうして顔を合わせるのは初めてかな?」
睦月に自己紹介をする橘。
「……上城 睦月です」
うつむき加減で挨拶をする睦月。
「ふぅ、単刀直入に聞こう。君は、今どうしたい?」
黙っている睦月。
「君には力がある。人を守れる力がな」
「でも、俺、アイツに負けたし……」
睦月の言葉を遮り橘が続ける。
「戦いから逃げても構わない。しかし、待っているのは後悔だけだ」
「……」
睦月の脳裏に大切な人たちが浮かび上がる。
両親、友人、もっと多くの人。
「……俺、やります」
以前よりも大きな決心だった。
「よく言った。それじゃあ、早速特訓だ」
「まずはアンデッドポケモンについて知っておいて貰いたい。
カテゴリーA。コイツのおかげで他のアンデッドポケモンを従える事ができる。
カテゴリーはA〜Kの13種類がある。トランプと同じだな。
同様にして、スートも存在する。スペード、ダイヤ、ハート、そしてクラブだ。
彼らは一万年周期で目覚め、覇権を争う。彼らには子孫の繁栄がかかっているからな。
そして何故だか彼らは人間を襲う。野生の本能なのだろうな」
睦月は真剣に橘の講義に耳を傾ける。
「次は捕獲システム。カテゴリーAと同じスートのポケモンはこのプロパーブランクで捕獲できる。
プロパーブランクで捕獲したポケモンは従来のポケモン同様自由に出し入れできる。
反対に違うスートのポケモンを捕獲する時はコモンブランク。なんでも捕獲できる。
しかし、一度ポケモンを出してしまうと、再度捕獲する必要がある」
「それから、後は上級アンデッドポケモンだな。コレについては君も理解しているだろう」
「橘さんは、上級アンデッドを捕獲しているんですよね?」
睦月の言葉に戸惑いながらうなずく橘。
「まあ、な。さて、こんなものだろう。特訓の開始だ」
睦月が連れて来られたのはバッティングセンターだった。
「あの、ここって……」
「動体視力だ。ポケモン勝負では最も重要な要素の一つだ」
そういうと橘はボックスに立つ。
ビュン
「3!」
飛んでくるボールを素手でキャッチ。
ボールには「3」の数字が書き込まれていた。
「時速150kmで飛んでくるボールに書かれた数字を読み取れ」
その無茶苦茶な特訓に睦月が驚きの声を上げる。
「そんな、無理ですよ……」
「来るぞ」
ボールが再び飛んでくる。
「は、8!」
ボールが地面に落ちる。「6」の数字。
「デタラメを言うな」
「は、はい」
三度ボールが飛んでくる。
「5!」
ボールには「4」の数字が書かれていた。
「あてずっぽうで答えるな」
睦月の特訓は始まったばかりだった。
翌日。
始と剣崎は海岸に着いた。
既に羽根付きの男はそこにいた。
「待っていましたよ、カリス」
男の姿が変化する。アンデッドオニドリルだ。
「俺をその名で呼ぶな。ヤドラン!」
ヤドランを繰り出す始。
「アイアンテール!」
ヤドランの尾が鋼となってオニドリルを襲う。
「ふん!」
両腕の爪でヤドランを弾き飛ばす。
「始、俺も……」
「後ろのキミ、コレは私とカリスの戦いです。手を出すのはやめていただきたい」
オニドリルの羽根手裏剣が剣崎の足元に刺さる。
「ヤドラン、みずのはどう!」
容赦なく攻撃を行う始。
アンデッドオニドリルはそれを"かげぶんしん"で回避する。
「はぁ!」
"ドリルくちばし"が炸裂する。ダウンするヤドラン。
「戻れ。いけ、ストライク」
ストライクが飛び出す。
その瞬間、アンデッドオニドリルが驚きの声を上げた。
「! ……どういうことだ? なぜカリスが?」
アンデッドオニドリルは人の姿へと変化した。
「カリスはそこにいる。それなのにお前は動いている。
いや、それだけじゃない。お前からアンデッドの匂いが出たままだ」
始は何も喋らない。
「お前は何者だ!?」
アンデッドオニドリルがつめよる。
「ふん、俺もアンデッドポケモンだからな。当たり前だ」
衝撃が走る。オニドリルにも、そして剣崎にもだ。
「嘘だろ……!? 始が……アンデッドポケモン!?」
剣崎はどうしていいのかわからない。
「そうか、そういうことか。貴様、よくもカリスを!」
いつの間にか男はアンデッド体になっている。
「くらえ!」
強風が吹く。"ふきとばし"だ。
始のモンスターボールが手から落ちる。
オニドリルはそれを奪いストライクをボールにしまった。
「カリスは頂いていく!」
そのままオニドリルは逃走した。
「始、おまえ……」
「聞かれていなかったから答えなかった。それだけだ」
始はカテゴリーAを奪われ、剣崎は始への信頼を失った。
アンデッドオニドリルによって起こされた出来事は想像以上だった。
第17話ここまで。
ここで補足という名の言い訳。
伊阪がポケモンを操れていたのは
その時彼が開発していたシステムのおかげです。
プロジェクトの研究の成果って訳ですね。
それを容赦なくぶっ壊したのが橘さん。
やっぱ橘さんは一流だなぁ。
乙。今となって唯一の書き手。
あぼーん
>>43 やだ。
第18話投下。
後編っぽい物ですね。
主役は一応剣崎です。
剣崎は何をすればいいか考えていた。
「始が……アンデッドポケモン、か。」
アンデッドポケモン、人類の敵。
それも人の姿を取っている。上級以上の存在だろう。
「なんか、実感わかないなぁ」
始は何度も剣崎を助けてきてくれた。
剣崎のためだけという訳ではないようだが。
天音の件もそうだ。始は彼女の命を救ってくれた。
「人類の敵、か」
矢沢のような上級アンデッドもいた。
始もそうなのだろうか。
ボーっとしている剣崎。
突如アンデッドサーチャーに反応が起きる。
「……いかなきゃ」
剣崎は駆け出した。
睦月はまだ例の特訓をしていた。
「まだ成功率が30%を切っているぞ」
橘の厳しい指導。それに必死でついていく睦月。
「は、はい! ……2!」
数字は「3」だった。
(動体視力……どうすれば)
睦月は今までの経験をフルに生かして取り組んだ。
神経を研ぎ澄ませ、動きを見極め、最後は直観力!
「5!」
「5」と書かれた数字。続けて的中していく。
そして10連続成功。神が降りたかのようだった。
「やったな、睦月!」
橘と二人で喜んでいると、アンデッドサーチャーに反応。
二人は急いで現場に急行した。
「酷い状況だな」
現場に駆けつけた二人は驚いていた。
地下のショッピングモール。何かが暴れたようにボロボロだった。
「橘さん、アレ!」
睦月が何かを見つける。
アンデッドポケモン、今回の犯人だ。
「ダグトリオか、いけニョロトノ!」
橘はニョロトノを繰り出した。
「オクタン、いけ!」
飛び出すオクタン。
「「バブルこうせん!!」」
両者が一斉に泡を放つ。
ダグトリオにはかなりのダメージだった。
「ん? 睦月、あっちに誰か倒れている!」
橘が逃げ遅れた人を見つけたようだ。
被害者を救助する橘。
「俺は他にも倒れている人がいないか調べてくる。
アンデッドポケモンはお前に任せた」
そう言うと橘は奥へと行ってしまった。
「た、橘さん!? 俺一人で倒せるのか……?」
不安げな睦月をダグトリオの攻撃が襲う。
「うわぁ、オクタン、タネマシンガン!」
隙のない多段攻撃に怯むダグトリオ。
しかしすぐに攻撃を再開する。
「無理だよぉ、できっこないよ」
睦月はどんどん弱気になっていった。
ダグトリオの"すなかけ"が容赦なくかかる。
「くそ、オクタン!えんまく!」
防御に徹する睦月。
素早い動きのダグトリオと鈍足のオクタン。
どうしても後手に回ってしまい、ついにはダウンしてしまう。
「オクタンッ! どうすれば……」
睦月は混乱し始めた。
剣崎が駆けつけた場所ではオニドリルと始が戦っていた。
「カリスの仇!」
ストライクを失い、ポケモンを操れなくなった始に襲い掛かる。
「やめろ!」
剣崎はライボルトで始を援護する。
「邪魔をするな!」
羽根手裏剣が飛び交う。剣崎もなかなか近づけない。
「始!」
剣崎は始に呼びかける。
「……なんだ」
「俺、お前の事、信じて見る。
だから、一緒に戦おう!」
剣崎の呼びかけに始の心が動かされたのかもしれない。
「……いいだろう」
始は剣崎を守るように羽根手裏剣を弾き飛ばした。
「ふん、お前達が群れたところで!」
空中へと舞い上がるアンデッドオニドリル。
さらに降り注ぐ羽根手裏剣の雨。
「くそ、俺飛行ポケモン持ってない!」
「電撃攻撃で何とかならないのか」
「上に向けて撃つのと前に向けて撃つのじゃ勝手が違って……」
万事休すといった所の二人。
「……一つ方法がある。一回限りの手段だが」
剣崎はうなずいた。
「それにかけるしかない。言ったろ、お前を信じるって」
始は剣崎に作戦を伝えた。
「よっしゃ、いくぜっ!」
睦月は悪戦苦闘していた。
グラエナ戦での恐怖。それだけではない。
心の闇が彼を襲っていく。
「どうすればいいんだよ……!」
彼の中に焦りが生まれる。
その時、誰かの声がした。
「ガンバレ!」
睦月が辺りを見回して見る。
声の主は橘が助けた少女だった。
「ガンバレ、お兄ちゃん!」
大切な人を守りたい。その気持ちが再び沸きあがっていく。
立ち上がる睦月。
「俺は、上城 睦月だ!」
意を決してアリアドスを繰り出す睦月。
「シグナルビーム!」
七色の光線がダグトリオを直撃する。
さらに"おいうち"をしかけるアリアドス。
「クモのす!」
逃走経路を完全に阻まれ八方塞のダグトリオ。
やけになって睦月に突撃を始めた。
「アーボック、リングマ!
ブリザードクラッシュだっ!」
"れいとうビーム"と"こおりのキバ"。
二つの冷気がダグトリオの活動を凍りつかせた。
モンスターボールを投げる睦月。
「やった、やったぞ……!」
少女に感謝を告げていると橘も帰ってきた。
「っと、やったな、睦月」
「はい! 橘さん!」
「な、何ぃ!?」
驚きを隠せないアンデッドオニドリル。
「な、何故貴様が!?」
「借りたのさ、アンデッドの力をな!」
剣崎が空に浮いている。
空中でオドシシを繰り出すと、最大パワーの"10まんボルト"が炸裂した。
「ぐわぁ!!」
落下するアンデッドオニドリル。懐からモンスターボールがこぼれ落ちる。
「カリス!」
ボールは始の手に渡った。
「メガヤンマ!」
ストライクの影響下に再びおかれたメガヤンマが剣崎を静かに地に下ろした。
筋書きはこうだ。
始がアンデッドの力を使い、数十秒間だけメガヤンマを従わせた。
これにより剣崎を宙へ浮上させる。
しかし、それは上級としての力でも時間には限りがあった。
そこでストライクを回収、メガヤンマの支配時間を無期限にする。
作戦は成功、完全勝利だった。
「ええい、カリスを返せ!
彼と私は一万年前の友情で結ばれた戦士!」
襲い掛かるアンデッドオニドリル。
「始、行くぞ!」
「ああ!」
二人の息がぴたりと重なる。
「モジャンボ、奴の動きを封じろ!」
オニドリルの翼が蔦でがんじがらめにされる。
「こんなモノ! な、何!」
オニドリルの目に映ったもの。
それは高速で接近する電撃を帯びたサワムラーだった。
「ライトニングソニック!」
直撃。吹き飛ぶオニドリル。
「カ、リ、ス……」
剣崎は「J」の紋章が刻まれたプロパーブランクを投げつけた。
「ゲット、完了!」
笑みを浮かべる剣崎に釣られて始も笑う。
「よかったな、剣崎」
「ああ!」
二人の信頼はより強固なものとなった。
災厄にも負けぬ友情。これが運命を切り開く切札。
18話ここまで。
今回はちょっと短めでしたね。
最後まで名前の出なかったオニドリルの彼。
剣本編では高原って名前があります。
しかし本編中でも呼ばれてません、可哀想。
第19話投下。
ポケモンセンター内。
アンデッドポケモンの使い手達がだべっていた。
「剣崎さん、また上級アンデッドポケモン捕獲したんですって?」
睦月が興味津々な顔をして尋ねる。
「ああ。始と協力してゲットしたんだ」
剣崎は始がアンデッドポケモンである事は伏せていた。
橘は二人も大切な人を殺されているし、睦月も苦い思い出しかない。
この二人に話せば今すぐ捕獲しろと言われるに決まっている。
「始? ああ、あのストライクの人ですか」
睦月も何度か会っているので記憶に残っているらしい。
「相川 始か。彼には悪い事をしたな。今度会ったら謝らないとな」
橘は始を橋から叩き落したことがある。
さすがに罪悪感を感じているのだろう。
唐突にアンデッドサーチャーが響く。
「出番だな、いくぞ!」
三人はポケモンセンターを飛び出した。
「あーあ、めんどくせーな」
男がアンデッドポケモンへと姿を変える。
「あいつらをおびき出すためとはいえ、いちいち暴れんのか」
ぶつくさ言いながら男が辺りを壊し始める。
すぐに剣崎達が駆けつけた。
「そこまでだ!アンデッドポケモン!」
「ようやく来たか。俺の名は大地。まぁ覚える必要もない」
大地と名乗った上級アンデッド。
ドンファンの始祖なのだろう、牙と長い鼻が特徴的だ。
「いけ、ヘラクロス!」
「カイロス!」「アリアドス、いけ!」
三人が一斉にポケモンを繰り出す。
「めんどくせえなぁっ!」
アンデッドドンファンが武器の鉄球を投げてくる。
"ジャイロボール"に似た一撃にアリアドスが吹っ飛ぶ。
「アリアドス! いとをはく!」
アリアドスが宙返りで着地をすると糸を吐き出した。
アンデッドドンファンの動きを封じる。
「今だ、カイロス、はかいこうせん!」
カイロスの必殺攻撃が放たれる。
しかしドンファンは糸を引きちぎると攻撃を回避した。
「まだだ! ヘラクロス、インファイト!」
ヘラクロスが隙を突いて突撃する。
力と力の戦い。競り勝ったのはドンファンだった。
投げ飛ばされるヘラクロス。
「ヘラクロスッ! うわ!」
投げられたヘラクロスが剣崎に激突する。
転倒する剣崎。
「なんだなんだ、大したこと無いなぁ」
アンデッドドンファンは肩をすくめて小馬鹿にする。
「くっ、カイロス、つばめがえし!」
高速で放たれる一撃。
しかしその攻撃さえも無効化される。
"まもる"。相手の技を一切受け付けなくなる。
「八方塞じゃないですか! どうするんです?」
思わず弱気になる睦月。
ザンッ
アンデッドドンファンの装甲を何かが切り裂いた。
「! 誰だ?」
そこに立つ影。そのシルエットは妙に刺々しい。
「ここは私が引き受けよう。君達は逃げたまえ」
「あんたは……一体?」
橘が疑問の声を上げる。
「じきにわかるさ。さぁ、早く!」
気絶している剣崎を抱えて三人は一旦退散した。
「さぁ、私が相手だ」
刺々しいシルエット。それは上級アンデッドポケモンのモノだった。
「貴様……まさかカテゴリーK!?」
アンデッドドンファンが驚きの声を上げる。
「さぁね。それじゃあ始めようか」
カテゴリーKの腕を中心に竜巻が巻き起こる。
そのままそれをドンファン目掛け投げつけた。
「ぐっ! 何故貴様が人間の味方をする!?」
「今の彼らじゃ、ちょっと厳しそうなのでね」
カテゴリーKが肉弾戦に持ち込む。
アンデッドドンファンも善戦するが、先ほどと打って変わって押され気味だ。
「ちっ、貴様が出てくるとは計算外だった」
鉄球を振り回すと距離を取るドンファン。
「逃げるのかい? 止めはしないよ」
余裕のカテゴリーK。
アンデッドドンファンのプライドにダメージを与える。
「ふん……面倒事は嫌いなんでな」
ドンファンもその場から立ち去った。
「さて、行くとしようか」
カテゴリーKは人間の姿に変わると歩き始めた。
ボロボロになった三人はひとまず無人の小夜子の家に着いた。
「ここでケガの手当てをしよう」
剣崎の受けたダメージは大したことなく、処置はすぐに終わった。
「今の状態じゃ俺達勝てませんよ」
睦月が本音を言う。どうもネガティブに考える癖があるらしい。
「全部のポケモンたちを使えばあるいは……」
橘も勝つ為にいろいろ悩んでいる様だ。
「俺達が倒さなきゃ誰が倒すんだ! 俺達がやらなきゃならないんだ」
剣崎が声を張り上げる。
急に扉が開く。
「やぁ。剣崎一真君はいるかな?」
風変わりな男が立っていた。バンダナに鈴の音。
「あんたは……?」
剣崎の名を知っている上、ここにいることを知っている。
只者ではない事だけは確かだった。
「私の名前は嶋 昇。この子はカナリアのナチュラル」
そういって持っていた鳥かごを皆に見せる。
「何者何だよ?」
「烏丸所長の知り合いと言えばわかってもらえるかな?
彼とはチベットで知り合ったんだ」
今度は懐から一枚の写真を取り出す。
そこには嶋と烏丸が一緒に映っていた。
「信じて……いいみたいですね」
三人はひとまず彼への警戒を解いた。
「そうそう、彼から預かってきた言葉があるんだ」
その言葉に目を輝かせる三人。
「本当ですか!?」
「あぁ。じゃあ言うよ。
「たくましくあれ。そしてひるむことなかれ。絶望の後には必ず希望が来る」
終わり」
あまりに抽象的かつ普通のことに三人はどう反応してよいのか迷った。
「それだけ、ですか?」
睦月が恐る恐る尋ねる。
「ん、それだけ」
訪れる沈黙。
「あ、それから一つ言っておこう。しばらくはここを前線基地にするといい」
他人の家だというのにまるで自分の家の様に話す嶋。
「はぁ」
三人はよくわからないといった表情を浮かべた。
「あら、随分と傷を負ったみたいねー。荷が重かったかしら?」
傷を負った大地にみゆきが話しかける。
「ふん、カテゴリーKとやりあったんだ。トレーナー共は大した事ない」
カテゴリーKの名を聞いてみゆきの眉間に皺が寄った。
「ふーん、そう。Kが出てきたのならしょうがないわね。
でもまぁ、引き続きトレーナーの始末お願いね?」
どうやら今度は大地と手を組んだらしい。
自分はなるべく戦わずに勝利を得ようとする。
この手の戦いには、一人はこういう奴がいるものだ。
「またカテゴリーKが出てきたらどうする?」
圧倒的な力を持った大地が妙に控えめな発言をする。
それほどまでにカテゴリーK――最強のアンデッドポケモンは強力な存在なのだ。
「心配ないわ。今回は私もついて行く。Kが出たらひきつけてあげる」
その言葉を聞いて安心したのだろう、大地は口元を緩めた。
「あ〜あ、めんどくせぇな。ま、仕方ねぇか」
再び上級アンデッドが動き出そうとしていた。
すっかり嶋は家に居ついていた。
「あの、嶋さん。アンデッドポケモンに勝つ方法ないですか?」
剣崎がいてもたってもいられなくなり、妙な事を口走る。
「今の君じゃ無理だ。あのアンデッドドンファンには勝てない」
剣崎、そして残り二人の顔が険しくなる。
剣崎はアンデッドポケモンとしか言っていない。
それなのに嶋は、まるで剣崎が戦っていた所を見ていた様に「アンデッドドンファン」と言ったのだ。
「嶋さん、あなた一体……」
橘がそこで言葉を詰まらせる。
「君達は戦う事を義務だとか使命だとか思っている。
それでは力は出せない。勝利することなど出来ないだろうね」
嶋は答えを言わず、示唆しようとしていた。
しかし三人にはそれが理解できなかった。
理解しようと思えなかったのだ。
「そんな事より! 何故あなたがアンデッドドンファンの事を?」
剣崎が詰め寄る。睦月も立ち上がり嶋を見つめる。
「ふぅ、私としたことが。つい言葉を滑らしてしまったか」
そう言うと嶋はちょっと下がって、と手で合図した。
仕方なくそれ応じる三人。
嶋の姿が変化していく。それは見覚えのあるものだった。
「上級アンデッド!? 嶋さんあんた……!」
睦月が怒りをあらわにする。今ここで戦ってやると言わんばかりだ。
「待て、睦月。……やはりそういうことか。
彼は先ほどの戦いで俺達を助けてくれた」
橘が睦月をいさめ、自分の思っていたことを暴露した。
「察しがいいね。私はカテゴリーKのアンデッドポケモン。
アンデッドアリアドスだ」
改めて自己紹介をするアンデッドアリアドス。
「アリアドス……? 睦月のカテゴリーAも……」
剣崎が疑問を呟く。同一種族が何故?
「カテゴリーAとKは表裏一体。私も彼もアリアドスだ。
ただ、私は戦いに勝利しようと思う気持ちが起きなくてね」
嶋のあっさりとした状況説明。
しかしそれでは解説には至っていない。
「そんなもの信用でk……」
アンデッドサーチャーが鳴り響く。
再びアンデッドドンファンが現れた事を知らせる。
「いくぞ、睦月。剣崎は彼を見張っていろ」
橘は睦月をつれて現場に急行した。
「……嶋さん。俺、正直アンデッドポケモンの事がわからないんです。
アンデッドペラップや下級アンデッド、アンデッドキレイハナみたいな悪い奴もいる」
嶋は無言のままだ。
「でも、矢沢って奴は一対一を守るため、俺を庇ったりもした。
それに……始も……あいつもアンデッドポケモンだって言っていた。
でも、俺はあいつの事信じたい。だから……」
嶋が目を閉じる。そして開く。
「行きたまえ。剣崎君。今の君なら勝てるかもしれない」
「はい! あ、これだけ言わせてください。
俺はあなたのこと、信じてみたい!」
それだけ伝えると剣崎は外へ飛び出した。
「そこまでだ、アンデッドポケモン!」
橘、そして睦月が駆けつける。
「一人足りんな。楽に片付けてやる」
アンデッドドンファンが鉄球を投げつける。
「舐めるな! サイドン、弾き返せ!」
睦月がサイドンを繰り出す。
サイドンは鉄球を掴むと投げ返した。
「ならこれはどうだ!?」
ドンファンが"こおりのつぶて"を飛ばしてきた。
高速で飛来するいくつもの氷塊。
「ギャロップ、でんこうせっか!」
橘はギャロップを繰り出した。
ギャロップは高速で移動しながら全ての氷塊を溶かして回った。
「少しはやるみたいだな。次はこれだ」
強烈な地面の震動。"じしん"だ。
その攻撃に二人とも立っていられなくなる。
ギャロップも、サイドンも気絶してしまう。
「く、くそ! こいつまだこんな技を!」
「大丈夫ですか、橘さん! 睦月!」
剣崎が駆けつける。
「ようやく三人か。まとめて倒してやる」
ドンファンが鉄球を再び構えた。
その頃、近くの藪にはアンデッドキレイハナが潜んでいた。
「今回も来るのかしらねぇ? カテゴリーK」
退屈そうに独り言をつぶやくキレイハナ。
「さぁな」
突然の相槌。戦慄が走る。
「誰!?」
そこに立っていたのは、相川 始だった。
「かくれんぼか? 鬼は誰だ?」
ジョークを挟みながら始がポケモンを繰り出す。
「あなた……! こんな所で出会うとはね!」
キレイハナの"はなびらのまい"。
しかし始の繰り出したポケモン……モルフォンにはほとんど効果ない。
「対策は立ててある。貴様が攻撃に手を加えても無駄だ」
モルフォンが"ぎんいろのかぜ"で反撃する。
「"りんぷん"か、この!」
キレイハナが火炎弾で攻撃する。
植物系だというのに無茶苦茶な攻撃パターンだ。
「この辺の草にはオッカのみがなってるのよ。知ってた?」
またもネタばらし。この辺が策士としてやってはいけない所だ。
本人の自信から来ているのだろうが、そのせいで始はすぐに攻撃に気づく。
「"しぜんのめぐみ"。小賢しい手段だな。だがこれでどうだ?」
始がポーズを取ると本人の力で技を発動させた。
「な……。これは、"さしおさえ"!?」
"しぜんのめぐみ"は手にした木の実の力を解放して攻撃する。
道具の使用を"さしおさえ"てしまえば技は発動しない。
形勢はあっという間に傾いた。
始は新たにストライクを繰り出す。
「つばめがえし!」
確実に、そして大ダメージを与える。
連続攻撃を受け、キレイハナの体力は底をつきた。
「チェックメイトだ。スピニングウェーブ!」
ムクホーク、サメハダーの多段攻撃。
ふらつくキレイハナに直撃する。
「馬鹿な、私が!?」
お決まりのセリフ。つい言ってしまうのだろう。
「お前の負けだ!」
素早くモンスターボールを投げる始。
「Q」のプロバーブランクがアンデッドキレイハナを吸い込んだ。
「お前ごときが俺に勝てるはずがない」
始はもう一つの戦いには気づかずに立ち去った。
剣崎が来ても状況は進展しなかった。
アンデッドドンファンの攻撃に追い詰められる3人。
「そろそろ終わらせるか……」
ドンファンが鉄球を投げつける。
「ケンタロス、弾き返せ!」
ケンタロスが磁力で鉄球を弾き返した。
しかし更なる問題が起きた。
「! 人が!」
弾き返した方に逃げ遅れた人がいたのだ。
「くそ!」
走り出す剣崎。
「け、剣崎!?」
剣崎は二人の制止も聞かずに割って入った。
「痛ぅ! ……大丈夫か?」
剣崎が助けた少年に声をかける。
剣崎本人はカブトを瞬時に繰り出してはいたが鉄球ごと吹き飛ばされていた。
剣崎は自分を盾にしても人を守ろうとしたのだ。
「は、はい、ありがとうございます!」
礼を言うと安全なところまで逃げ出す少年。
それを見て剣崎は何かに気づいた。
「俺、何か分かった気がする。
俺の体を動かすのは、義務とか使命じゃない」
立ち上がり、アンデッドドンファンを見据えて話す剣崎。
「そこに居る人を守りたいという思い…。人を愛しているから俺は闘っているんだ」
さらに言い放つ剣崎。
その気に思わずたじろぐアンデッドドンファン。
「剣崎……」
「剣崎さん……」
睦月、橘も彼の言葉に何か感じたのだろう。
「そうだ、それだよ剣崎君!」
どこからか声がする。嶋の声だ。
後ろを振り返ると彼の姿があった。
「剣崎君!」
嶋が何かを投げる。機械のような何か。
「それが烏丸所長から預かったもんだ!
ラウズアブゾーバー、今の君なら使いこなせる!」
嶋の言葉にうなずく剣崎。
アブゾーバーを左腕にとりつける。
カテゴリーQ アンデッドモココをセット。
「アブゾーブクイーン」
無機質な音声が戦場に響き渡る。
さらにカテゴリーJ アンデッドオニドリルをセット。
「フュージョンジャック」
もう一度アブゾーバーが音を出す。
それと同時に剣崎のモンスターボールが輝きだす。
剣崎は迷うことなくカテゴリー2 リザードを繰り出した。
ラウズアブゾーバーが吸収したモノ。
それはオニドリルの飛行能力だった。
翼の力が剣崎に、剣崎のポケモンたちに授けられる。
「いけ、リザード! いや、リザードン!」
リザードに翼が生える。それはまさしく一つの進化。
リザードはリザードンとなったのだ。
翼を羽ばたかせ、飛翔するリザードン。
「ドラゴンクロー!」
龍の一太刀がドンファンに振り下ろされる。
強大な力の前にどうする事もできないドンファン。
「馬鹿な……!?」
闇雲に攻撃するがリザードンは再び空へと舞い上がっていく。
「これで決める。ライトニング、スラッシュ!」
オドシシの電撃を纏い、リザードンがドンファン目掛け突撃する。
ドンファンは抵抗するがすれ違いざまに最大の一撃を喰らう。
崩れ落ちるアンデッドドンファン。
タイプ相性だとかそんなモノが通用しない、圧倒的な力の差。
剣崎はコモンブランクを取り出し、ドンファンに投げつけた。
「これが……ジャックフォームの力……」
新たなる力。その名はジャックフォーム。
19話ここまで。
ようやくジャックフォーム登場です。
大体話の折り返し地点ってとこですね。
なんか異様に長いな今回。
書いてる時には気づかなかったよ。
65 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/15(木) 14:07:47 ID:8jDrc9C5
乙!
本編未登場のダディ禁愚フォームもでるかな?
ちょっと保守します
なかなか進まない
hosyu
いや、本当待たせて申し訳ない
第20話投下。
嶋の薦めもあって剣崎たちは小夜子の家を借りる事にした。
それからしばらくアンデッドポケモンの反応も起きない。
そこで嶋から一つの提案が出された。
「親睦会を開くのはどうだろう?」
親睦会。何ともいえない響きである。
既に親密なようで全然親密じゃない関係。
剣崎達がそんな関係であるかのような言葉だ。
実際、そうなのだから仕方ない。
「トレーナー同士の友情は大切だ。
そうだ、相川君も呼ぼうか」
嶋がポケナビを取り出す。始と話しているようだ。
いつの間にか始のアドレスまで知っている。恐ろしい人である。
「OKだそうだ。それじゃあ公園に行こうか」
「こ、公園ですか?」
三人とも驚く。てっきりここでやるものだと思っていたのだ。
「ああ。外でやった方が楽しいだろう。
さあ、支度支度。早くしないと彼を待たせてしまう」
四人は急いで支度をすると近くの公園に向かった。
公園には既に始が待っていた。
嶋を除く三人が時間をかけすぎたのだ。
「始、すまない、待たせちゃったか?」
剣崎がフォローを入れる。
「いや、俺も今来た所だ」
どこぞのギャルゲーの様な会話。
しかしこんな会話ができるぐらい始も丸くなった。
そう剣崎は思い、少し感激した。
「さあ、まずは食事の準備だ。
近くに評判の鯛焼き屋があるらしいんだ。四人で買って来てくれないかな?」
笑顔で命令する嶋。
「鯛焼きですか? でも弁当は持って来てますよ」
睦月が質問する。嶋がにこやかに返す。
「食後のデザートだよ。君達が買って来ているうちにこっちも準備しておこう」
無茶苦茶なことを言っている気がすると全員が思った。
しかし、嶋の事だから考えがあるのだろうと思い起こし、素直に従った。
「あのさ、相川。この前はすまなかったな」
橘が謝罪する。橋落としの件についてだ。
「……あの事か。別にもう気にしていない」
始はそっけなく流した。
実はまだ怒っているんじゃないかと三人は勘繰った。
だが、それは杞憂だった。
「それと、俺のことは始でいい」
フレンドリーな雰囲気。怒ってないようだ。
「ああ。よろしく、あいk……じゃなくって、始」
そうこうやっているうちに鯛焼き屋についた。
「いらっしゃい! ウチの鯛焼きはうまいでぇ」
ジョウト訛りの店主。それとガールフレンドだろうか。
二人で切り盛りしているようだ。
まあ屋台だから何人もいても困るだけだろう。
「オススメは?」
「新製品のデリシャス鯛焼きや!」
なんだかやばそうなネーミング。
「と、とりあえず一個」
試しに買ってみる。美味かったらデザート用に大量買いしよう。
四人の結論はそうなった。
「はいお待ち!」
でかい。通常の3倍はある。
文句も言ってられないので少し摘まんで食べる。
「……うぇ!」
剣崎が倒れる。
「ま、まず……」
睦月が泡を吹く。
「…………っ」
始の足元がふらつく。踏ん張っているようだ。
「どうや、デリシャス鯛焼き! お客さんらが一号さんや」
とにかくまずい。その言葉が脳裏をよぎった。
そんな壊滅的な状況で唯一笑みを浮かべている男がいた。
男は美味そうに鯛焼きを噛み締めている。
もう一切れ、とちぎって食べる。
さらにちぎって口に放りこむ。
いてもたってもいられなくなり、ついにはこう言った。
「これ食ってもいいかな?」
「本当に美味いんですか!?」
全員で橘に突っ込みを入れた。
「だから言ったんや、オレンのみなんか混ぜるから……」
女性が店主に話しかける。
「大体、味見もしないで客に出すなんておかしーで」
ボロクソに言われている店主。
「せやけど、理論上サイコーの味になるはずなんや、未知」
女性は未知というらしい。
「もうええわ、了。お客さんに謝っとき」
店主……了は素直に剣崎たちに謝った。
「ま、別にいいですよ。えっと、それじゃあ……」
普通のください、剣崎はそう言おうとした。
しかしそれを阻む者が現れた。
「クェアァー!」
でっかいドードリオ。アンデッドポケモンだ。
「みんな伏せろ! ……ウワァァァァァ!」
ドードリオが橘を突き上げる。
そのまま背に乗せて走っていく。
「た、橘さぁん! 俺、追いかけます!」
睦月が橘、いやドードリオを追いかける。
「な、なんや今の」
了が一瞬の出来事にキョトンとしている。
「ちょっと変わったドードリオですよ」
剣崎がお茶を濁す。
「そうかそうか。で、お客さん何買うん?」
了が注文を聞く。
今度こそ、と剣崎が注文しようとした時、またもお邪魔虫が現れた。
「アッハッハッハ。見つけたぞ、噂の鯛焼き屋」
露出度の高めの服を着た女性。
ちょっとねじの外れた人だとその場の全員が思った。
次の瞬間、女性の姿は異形の者へと変わっていった。
「鯛焼き、貰おうか?」
パニックに陥る了と未知。
すかさず剣崎が飛び出し、上級アンデッドを牽制する。
「ば、化け物!?」
「いや、ちょっと変わった人間ですよ」
そう言いながら剣崎が始にサインを送る。
二人を連れて逃げろ、と。
幸い始はすぐに理解し、二人を連れてその場を離れた。
「あ、待て鯛焼き!」
追いかけようとした上級アンデッド――恐らくアンデッドハブネークを掴む剣崎。
「お前の相手は俺だ!」
アンデッドハブネークも戦闘態勢になる。
「いいだろう。準備運動にお前を倒しておこう」
「な、なんか今日は変なことばっかやな」
ぼやく了。
「この遭遇率は異常だ。何かあるんじゃないのか」
始が了に尋ねる。
「なんか? あっ、ポケモンマーチが流れとる!」
屋台のラジオからポケモンマーチが流れていた。
ポケモンを活性化させ、行動を活発にさせる曲。
慌てて電源を切る了。
しかし少し遅かったようだ。
本日三人目のお客様。
バクーダ。やっぱりアンデッドポケモン。
そのバクーダから"ロックブラスト"が放たれる。
「あぅ!」
近くにいた未知に当たる。気を失ったようだ。
「未知、未知! しっかりしろー!」
大げさに揺さぶる了。彼にとっては大事なのだろう。
そんな事お構い無しに始は戦闘を始めた。
「遅いねぇ、みんな」
ナチュラルに話しかける嶋。
4人はなかなか帰ってこない。
しかし特に気にも留めずにのほほんとしていた。
「あ、この卵焼きおいしい」
「うわぁぁぁ、うお!」
振り落とされる橘。同時に睦月も追いついた。
「橘さん! 援護します!」
睦月がオクタンを繰り出す。
煙幕がドードリオの視界を遮る。
その間に橘はニョロトノを繰り出した。
「一気に行くぞ、バブルこうせん!!」
オクタン、ニョロトノのダブル"バブルこうせん"。
三つの頭それぞれにダメージを与える。
ダメージはそれほどでも無く、ドードリオも反撃に移る。
右の首が"みだれづき"、左の首が"スピードスター"、そして中央の首が"ドリルくちばし"。
連続で繰り出される高速攻撃。
さらにフィニッシュは"トライアタック"。
オクタン、ニョロトノに多大なダメージを与える。
「くっ、クロバット! つばさでうつ!」
橘のクロバットが右の首に攻撃を行う。
睦月も新たにアーボックを繰り出し、左の首に"どくばり"で攻撃する。
しかし、中央の首から"はかいこうせん"が放たれ、二匹まとめて吹き飛ばされた。
「このままじゃ埒が明かない。睦月、奴の動きを止めろ!」
「はい、ブリザードゲイル!」
ダグトリオの"どろかけ"とリングマの"ふぶき"。
強烈な間接攻撃がドードリオの三本の首を封じた。
「トドメだ、バーニングディバイド!」
必殺の分身火炎攻撃。
二匹のホエルオーがドードリオの脳天を直撃した。
橘がカテゴリー4のプロパーブランクを投げつけた。
「やりましたね、橘さん」
「ああ、はやく戻らなきゃな」
二人は鯛焼き屋があった場所を目指して歩き出した。
剣崎はアンデッドハブネークに押され気味でいた。
「ヘラクロス、メガホーン!」
角が振り下ろされる。が、相手の尾のような左腕に絡めとられてしまう。
「甘い!」
さらに右腕の鉈でぶった切られるヘラクロス。
「こうなったら……ラウズアブゾーバー!」
左腕を掲げる剣崎、そしてベルトからボールを2つ取り出す。
「アブゾーブクイーン」
「フュージョンジャック」
2体の上級アンデッドの力を解放、ジャックフォームに移行する剣崎。
「リザードン!」
翼を得たリザードンが空中から必殺の斬撃を決める。
「あうぁ!」
吹っ飛ぶハブネーク。剣崎は容赦なく攻める。
「ライトニングスラァッシュ!」
オドシシの電撃がリザードンの尾に与えられる。
今回は趣向を変えて尾で薙ぎ払った。
壁に打ち付けられ、戦闘不能になるハブネーク。
「た、たいやk……」
剣崎はコモンブランクを取り出し、ハブネークを吸い込ませた。
「そんなに鯛焼きが魅力かねぇ」
始はサメハダーを繰り出し交戦していた。
「アクアジェット!」
高速の一撃がバクーダに激突する。
だが効果は薄いようだ。
「ならば、ハイドロポンプ!」
巨大な水流がバクーダに押し寄せる。
こちらもあまり効き目がないようだ。
「装甲が硬いのか? いや、違う」
確かにダメージは与えられている。
しかしその場で回復してしまうのだ。
通常のアンデッドポケモンを上回る回復力でダメージを無かったことにする。
これが今回の相手の能力のようである。
「どこかに弱点があるはず……」
攻撃を繰り返す始とサメハダー。
しかし弱点を突くことがなかなかできない。
「うおおおおおおおおおお!」
妙な声が聞こえたので振り返ると了がいた。
ただ、妙な衣装を着込んでいる。
ヘルメットに肩アーマー、さらにプロテクター。
胸には鯛焼きのマークが描かれている。
手には鯛焼き用の鉄板を所持している。
「アルティメットフォーム!」
名乗りをあげる了――アルティメットフォーム。
「スペシャルターボ! 未知の仇ぃ〜!」
常人の2倍の速さでバクーダに突撃するアルティメットフォーム。
鉄板がバクーダのこぶを捉えた。
予想外の攻撃にたじろぐバクーダ。
鉄板を押し付けられて型が残っている。
その型はなかなか戻らなかった。
「そうか! サメハダー、あそこを狙え!」
始が指差したのはもう一つのこぶだった。
"アクアジェット"がバクーダのこぶを襲う。
今度は確かなダメージを与える事が出来たようだ。
体力回復も発動していない。
「こぶにエネルギーを蓄え、傷を癒していたようだな。
だが、これで終わりだ。スピニングダンス!」
上昇するヤドラン。高速回転しながらの"アクアテール"がバクーダを貫いた。
「カテゴリー9か」
始はバクーダを捕獲した。
「……ん、あっ、了」
未知が目を覚ます。
「未知ぃ〜! 心配したでぇ!」
了は元の姿に戻り、屋台があった場所まで戻ってきていた。
「よかったですね、了さん」
橘、睦月も帰ってきている。
「お客さんらのおかげや。好きなだけ持ってって!」
「本当ですか!? ありがとうございます」
剣崎たちは両手に鯛焼きの入った袋を抱えて公園に戻った。
橘の袋にはあのデリシャス鯛焼きが入っていたのは言うまでも無い。
「あぁー!」
剣崎、睦月が素っ頓狂な声をあげる。
「やぁ、遅かったね」
嶋がにこやかに話しかける。
足元には空の弁当箱がちらほら。
「嶋さん、食べちゃったんですか!?」
橘も激しく動揺している。
「ああ、おいしかったんでね、つい。
まだいくつか残ってるから大丈夫だよ」
そうは言っても7割がた食べられてしまっている。
争奪戦になるのは明らかだった。
「ちょ、剣崎さん! 俺のカマボコ!」
「とったもんがちだ! ……あ、橘さん!」
「これ食ってもいいよな?」
「……付き合いきれんな」
なんだかんだで四人の仲は深まったようだった。
20話ここまで。
関西弁適当です。
ジョウト訛りってことで許して。
あずみさんを鯛焼き好きにしたのも許して。
乙
0w0さんいつも乙ですー
うぇーい
声援を受けると頑張れます
ありがとうございますー
第21話投下ー。
剣崎は橘、睦月と一緒に食料調達に出かけた。
早い話が買出しである。
「おーい、剣崎! 寿司だ、ウニもあるぞ!」
橘が嬉しそうに声をあげる。
「ダメですよ、そんな高いもの」
剣崎は橘をスルーしていくつかの野菜やらをカゴに入れた。
そんな中、睦月が頭を押えながら話しかける。
「すいません、俺ちょっと調子悪いみたいで……先帰ります」
「ああ、気をつけろよ」
剣崎は心配そうに見送った。
橘はと言うと、まだ寿司を見て動こうとしなかった。
「な、剣崎、一番安い奴でいいから」
「ダメですよ、この前もそう言って買わされましたよ」
「頼むよ、お前にも分けてやるから」
結局、一番安い4点盛りを買わされた剣崎だった。
二人が小夜子の家に帰った時、そこにいたのは嶋だけだった。
「やぁ、おかえり」
「あれ、睦月来てませんか?」
「睦月君? いや、見てないよ」
首をかしげる剣崎。
「自宅に帰ったんじゃないか? あいつの家、この町にあるし」
橘が寿司のパックを開けながら答える。
忘れがちだが、睦月の家はこの町にある。
「そうかもしれないですね、最近ここに入りびたり気味だったし」
剣崎も食事の準備を始めた。
「そうだといいんだけどね」
嶋だけは一人気がかりな様子だった。
「ああ、そういえば烏丸所長からこんなものが届いたよ」
小包を取り出す嶋。
「橘君用のラウズアブゾーバーだそうだ」
「本当ですか!?」
食べかけの寿司をほっぽり出して駆け寄る橘。
小包を開けるとそこには確かにラウズアブゾーバーがあった。
満面の笑みを浮かべる橘。
「そういえば、俺この前ダイヤのカテゴリーQ捕獲しましたよ」
ベルトを漁り、カテゴリーQを取り出す剣崎。
「はい、これ。これでジャックフォームになれますね」
剣崎はアンデッドハブネークを橘に手渡した。
「剣崎……。ありがとう、これからもよろしくな」
そういうと橘も食事の支度を始めた。
睦月は家には帰っていなかった。
「はぁ、はぁ、この感覚……奴が、そんな」
人気のない通りで倒れる睦月。
時間だけが過ぎ去っていく。
突然、むっくりと立ち上がる睦月。
「……やっと手に入れた。さてと、どうするかな?」
「私と話し合いでもしないかい、カテゴリーA」
睦月が振り向くと、嶋が立っていた。
「風がキミの居場所を教えてくれたよ。往生際が悪いねぇ」
「うるさい、貴様など、この俺が倒してやる!」
睦月、いやレンゲルは棒状の武器を振りかざし、カテゴリーKに攻撃を仕掛ける。
「……フン!」
嶋は右腕だけをアンデッドポケモンのモノに変化させ、受け止めた。
「少し、眠っていてもらおうか」
意識を完全に封じる"さいみんじゅつ"。
カテゴリーKの強力な技にレンゲルは気を失った。
そのまま嶋は睦月の身体を抱えて、家へと帰還した。
玄関で剣崎が嶋を迎える。
「嶋さん、どこ行ってんですか!……って睦月!?」
睦月を抱えた嶋に驚く剣崎。と橘。
「道端で倒れていてね、今日はここで休ませよう」
いつもと様子の違う事に違和感を感じる二人。
しかし問い詰めても答えてはくれないだろうから何も言わなかった。
「面倒な事にならないといいんだが」
朝を迎えた。
剣崎が目を覚ます。
2つあるソファには橘、剣崎がそれぞれ寝ていた。
そしてベッドには睦月が寝ているはずだった。
しかしその姿はない。嶋もだ。
二人の姿がどこにもない。
「これって……もしかして!」
橘をおこしにかかる剣崎。
「橘さん、起きてください!」
「ん、どうしたんだ剣崎」
事態を説明する剣崎。
「やはりそういうことか、きっと睦月は嶋さんを倒す気だ!」
そういうと素早く着替え、アンデッドサーチャーを作動させる。
近くの河川敷にアンデッド反応が二つ。
カテゴリーAとカテゴリーKのものだった。
「どういうことです、橘さん!」
「説明は後だ、急ぐぞ!」
家を飛び出す二人。
「橘さん、説明してくださいよ」
二人でペルシアン、ギャロップに乗ってアンデッド反応のある場所を目指す。
その間に剣崎は先ほどの疑問を橘にぶつけた。
「恐らく、睦月の中でカテゴリーAが再発したんだ。
同一種族であるカテゴリーKと接触した事でな」
「それじゃあ、睦月はまたレンゲルに!?」
剣崎の驚きにうなずく橘。
「ああ。そしてカテゴリーKを封印して完全に睦月を取り込む気なんだ」
そこまで話し終えたところで新たにアンデッド反応が起きる。
目の前にコータスが現れた。まるで道を塞ぐかのようだ。
「くっ、こんな所で! 剣崎、お前は先に行け!」
橘はギャロップを引っ込めるとコータスの注意をひきつけた。
「わかりました、橘さん! 睦月は俺が止めます!」
「おい、貴様の言うとおりここまで来てやったんだぞ?」
河川敷で二人のアンデッドポケモンが対峙していた。
一人は人を取り込み、操るカテゴリーA。
もう一人は上級でも最高位に位置するカテゴリーK。
「あそこで戦うと剣崎君たちに迷惑だからね」
飄々とした態度でレンゲルに臨む嶋。
「人間の事など知るか! フン!」
睦月の身体はほぼアンデッドポケモン化していた。
右腕が強靭なカギ爪を持ったものへと変化する。
嶋はひょいと攻撃をかわすと、竜巻で反撃する。
「効かぬわ、そんなもの」
レンゲルはロッドを取り出すと、鋭い突きを何発も浴びせた。
いずれも直撃すればかなりのダメージとなる。
嶋は紙一重の動きで回避し続ける。
「ええい、ちょこまかと……うぉ!?」
レンゲルが頭を抱え、膝をつける。
「やはりな、おまえは完全に乗っ取ったわけじゃなかったようだ」
嶋は睦月に語りかけ始めた。
「聞こえるか、睦月君! そいつを抑える方法が一つある。
私を捕獲する事だ。私がそいつを完全に抑えることが出来れば君は元に戻れるだろう」
レンゲルはもがきながら頭をグラグラと揺らす。
「黙れ黙れ、喋るな! ええい、貴様は出てくるな!」
嶋はひたすら話し続ける。
「元はといえば私のせいでこうなってしまったんだ、心配しなくていい。
だが、君の気持ちの持ち方が弱ければ奴に付け入る隙が出来てしまう。
心を強く持て! 心の主はキミだ!」
睦月が起き上がる。
「ぐぉ……でも、し……ぬぐ……を捕まえる……て」
レンゲルの意識と本人の意識がぶつかりあっている。
「正義のために戦いたいんだろう!?」
嶋の一言に睦月がハッとする。
「俺は……俺は!」
アーボック、リングマが繰り出される。
「捕獲するんだ、私を」
「ニョロトノ、ハイドロポンプ!」
コータスに強烈な一撃が浴びせられる。
しかし強固な甲羅に阻まれ、ダメージを与えられない。
コータスの"こうそくスピン"がニョロトノを弾き飛ばした。
「ニョロトノ! 戻れ!」
既に橘は2匹のポケモンを倒されていた。
橘のポケモンは耐久力の高いポケモンが少ない。
持久戦に持ち込まれると不利なのだ。
「こんなところでモタモタしている暇はない!」
意を決し、ラウズアブゾーバーを左腕に取り付ける。
剣崎より渡されたカテゴリーQをセット。
「アブゾーブクイーン」
そして、伊阪――カテゴリーJをセットする。
「フュージョンジャック」
「伊阪、貴様の力……使わせてもらうぞ」
橘のポケモンたちに翼の力が授けられた。
「いけ、ドードリオ!」
ドードリオが宙を舞う。
リザードのように進化したわけではないが、地を走るドードリオの飛翔。
それは普通に考えれば異常だった。
「みだれづき!」
甲羅ではない本体を高速でつつきまわるドードリオ。
「決めてみせる、バーニングショット!」
サンドパン、バルビートが新たに繰り出された。
ドードリオの背にサンドパンが飛び移る。
"どくばり" "はかいこうせん" "かえんほうしゃ"。
三位一体の超射撃がコータスの甲羅を撃ち抜いた。
ダウンしたコータスにプロバーブランクを投げる橘。
橘はコータスを回収するとギャロップに再び飛び移った。
「間に合えばいいが……!」
剣崎が河川敷に辿り着いた時、全てが終決していた。
ブリザードクラッシュが嶋を直撃する。
叫び声とともにボールを投げる睦月。
睦月の中に二つのアリアドスが入り込んだ。
剣崎はただそれを見ていることしか出来なかった。
戦いに勝ったのは……カテゴリーK。
嶋 昇だった。
剣崎は睦月に近づく。
「睦月……お前!」
なんてことを、そう言おうとしたが何かおかしい。
睦月を見つめる剣崎。
「嶋さん……ありがとう、ございます」
涙を流す睦月。
「俺、戦います。最後まで、正義のために」
21話ここまで。
黒睦月化?何のことです?
そうそう、橘キングフォーム出るかも。
89 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/26(月) 01:14:11 ID:fLtuGgAj
乙!
ダディキングフォームwktk
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/ ̄ ̄`ヽ、
厶_ \
/´ `ヽ ト-、⊥--、__
/ i /`Y`ー--、 _ `ー、
/ / 人 | r‐、 ヽ\ \
∧ ノ 人/ | じ'′! \/
/  ̄´ ,イ\! /ヽ __、ノ ファイナルベント
/ /!.\ノ /_ノ \____
/ 人 | //「/ \/ `ー-、
./ / // フ′ \--、_r‐'
/ _/! i_ン/ / ノ / ヽ\ヽ
i __r‐'´__`/_/ `亡ト--、_r'´
し'´ 亡二 -‐'´ └‐┘
92 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/27(火) 23:44:52 ID:8mxi6HbF
保守
93 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/28(水) 00:12:00 ID:nxTHTsIc
心に剣〜♪
94 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/28(水) 21:48:02 ID:OmzGJBie
奇跡切り札は橘さんの胃袋〜♪
橘ってゲイビデオで車内オナニーして出演してたんだよな。
96 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/29(木) 01:10:25 ID:RS5odWen
>>95 それは剣崎だよwwww
橘さん侮辱するなwww
っていうかそれはもうそっとしておいてくれ。
剣崎はホモじゃないよ!!
……これ前にも言った気がするな。
第22話投下。
なんかgdgdになってきた。
「そうか……嶋さんが……」
追いついた橘に睦月は全てを話した。
「俺、これからも戦っていこうと思います」
睦月は強く決意したようだった。
「とりあえず、戻るか」
三人で小夜子の家まで戻る事となった。
会話が無く、少し重い空気が流れる。
「……アンデッドポケモンを整理してみないか?」
橘の提案で3人はポケモンを並べだした。
まずは剣崎から。
「ひぃ、ふぅ、みぃ……」
9個のモンスターボールが置かれる。
次は橘が。
「……9体だ」
「俺は8体ですね」
睦月も並べて置く。
「相川さんのポケモンも含めるんですよね。
えっと、確かストライクに……」
睦月の振りに剣崎が続く。
「サメハダー、メガヤンマ、ヤドラン、ムクバード。
あと、モジャンボにモルフォン、バクーダとドラピオンで9体だな」
今度は橘が上級ポケモンの数を数え始める。
「上級の方は……俺が2匹、剣崎が4匹、睦月が1匹か」
上級の言葉を聞いて剣崎がモンスターボールを取り出す。
「睦月、これ。クラブのカテゴリーJだったよな」
アンデッドドンファン。剣崎が勢いで捕獲してしまったものだ。
「あ、ありがとうございます」
剣崎が睦月に手渡す。
「結局、現在捕獲が確認されているのは42種か」
残り10種。剣崎は始のことを思い出していた。
アンデッドポケモンであるのなら彼も捕獲しなければならない。
始は自分の存在に苦悩していた。
アンデッドポケモンとしての宿命と
人間として生きていくこと。
どちらを選択すべきか。
「ばかばかしい。俺はアンデッドポケモンだ」
自分自身に言い聞かせていると、一人の少年が現れた。
「やぁ、はじめまして。いや、久しぶり、かな」
少年は笑みを浮かべ、始に近寄ってくる。
「誰だ……お前」
始がストライクのボールに手を掛ける。
「ストップ!」
少年が掛け声をかけると、ドコからともなくミノマダムが現れた。
吹き付けていた風が止む。騒がしい町の音が止まる。
時が止まったのだ。
「さぁて、どうしようかな……?」
周りをぐるぐる回って見る少年。
ふと、何か思いついたようだ。
始のベルトについたモンスターボールを1個取り上げた。
カテゴリーA――ストライク――だ。
「動かせ!」
再び少年がミノマダムに命じる。
止まっていた時が流れ出す。
「これ、貰っていくよ」
意識が戻った始にカテゴリーAをちらつかせる少年。
「そんなに怖い顔しないでよ。近くの廃工場で待ってるよ」
それだけ話すと、少年とミノマダムは一瞬にして消えた。
剣崎のポケナビに連絡が入る。
「はい、剣崎。始か、どうした」
始の話を聞く剣崎。
「……わかった、今すぐ行く」
剣崎はすぐさま外へ飛び出した。
あまりの速さに橘たちが声をかける暇も無かった。
「なんだったんだ?」
橘が剣崎の行動に不思議に思っていると、
「橘さん、アンデッドサーチャーに反応が!」
睦月が反応をキャッチした。
「俺達も行くぞ!」
橘、睦月は反応のあった地点を目指していた。
突然、橘を狙って光弾が放たれた。
「くっ、何だ!?」
飛んできた方向を見ると異形の者が立っていた。
「上級……アンデッド? 睦月、お前は先に行け」
嫌な予感を感じた橘は睦月を先行させた。
「お前の相手は俺がしよう」
カイロスを繰り出す橘。
「はかいこうせん!」
強力なビームが正体不明のモノを吹き飛ばす。
「やったか?」
爆煙が消え去った時、そこには無傷のそいつがいた。
「効いていない……? ならば!」
ラウズアブゾーバーを掲げる橘。
「アブゾーブクイーン」
「フュージョンジャック」
ポケモンに2匹の上級の力が与えられる。
「ドードリオ、ドリルくちばし!」
空に舞い上がったドードリオ、その三本の頭から必殺の突きが繰り出される。
連続して放たれる攻撃に敵も思わず怯んだようだった。
「今だ、バーニングショット!」
三匹のポケモンの一斉射撃。周囲の大地が大きくえぐれる。
しかし、その一撃を受けても相手は地に伏さなかった。
さらに反撃の攻撃が3匹をまとめて気絶させた。
「コイツ……強い」
橘は長期戦を覚悟した。
むしろ、それで済めば御の字だと思った。
敗北するかもしれない。橘の脳裏をよぎる。
「どうかな、橘君。トライアルDの性能は?」
突然、柱の影から声が響く。
橘の記憶にうっすらと残っている声。
声の主がゆっくりと姿を現した。
「あんたは……」
黒いスーツを着た中年男性。
「広瀬、さん? 確かあなたは……」
烏丸の下で働いていた元BOARD研究員。広瀬 義人だった。
「橘君、来なさい。全てを話してあげよう」
広瀬義人はアンデッドポケモンを解放した男。
そしてその時に死んでいるはず。
何が真実で何が虚構なのか。
橘は確かめたくなった。
彼は言われるまま、広瀬に着いていった。
睦月はアンデッドの元に辿り着いた。
「橘さんが来るまでにケリを着ける!」
相手はドククラゲ。スリープを繰り出した。
「ねんりき!」
まずは軽いジャブ。
ドククラゲもそれぐらいではやられず、バブルこうせんで反撃してくる。
「サイコキネシス! 跳ね返せ!」
念の力を引き上げる。水泡はドククラゲの元へ帰っていく。
ダメージはほとんど無い。だが相手の動きを封じる事はできる。
「しねんのずつき!」
接近技に切り替え、攻撃する。
だがダメージが全く感じられない。
「バリヤーに……とける」
"バリヤー"と"とける"――どちらも物理耐久を大きく上昇させる――の2段重ねで攻撃が無力化されたのだ。
ドククラゲは触手でスリープを捕えると、"ハイドロポンプ"を放射した。
「戻れスリープ。それなら、こいつでどうだ!」
リングマ、そしてアーボックが繰り出される。
「ブリザードクラッシュ!」
強烈な凍気が液化していたドククラゲの身体を氷漬けにした。
さらにアーボックの牙がバリヤーを食い破った。
完全に倒れるドククラゲ。
睦月はプロバーブランクでドククラゲを捕獲した。
「やった! ……ん?」
どこからか感じられる視線。
しかし、睦月が振り返るとそれは消えた。
「何だ、今の……?」
剣崎は始の連絡を受け、廃工場にきた。
「始、またカテゴリーAを取られたって」
「奴は時間を止める能力か何かを持っている。気をつけて行動しろ」
始の用件はカテゴリーAを取り返すために手伝えというモノだった。
工場内は暗く、周囲の様子はよくわからない。
「ホントに来たんだ、ジョーカー」
一人の少年が近くの階段を降りてきた。
「ジョーカー?」
聞き慣れない言葉に剣崎が首をかしげる。
「あれ、お友達つき? お友達はコイツと遊んでいてもらおうか」
ミノマダムが剣崎に襲い掛かる。
「くそ、リザード!」
リザードがミノマダムを火炎で退ける。
敵はゴミのミノ、炎タイプの技は効果抜群もいいところだ。
「ジョーカー、キミをここに呼んだのはね、特に意味はない」
いきなり意味不明のことを言う少年。
「面白いと思っただけなんだ。僕を愉しませてよ」
少年はストライクを繰り出した。
「ホラホラ、変身しないとやられちゃうよ?」
かつての主人に刃を向けるストライク。
一方の始はポケモンを繰り出す事が出来ずにいた。
「ストライク、つばめがえしっ♪」
必中攻撃。始の腕に傷を負わす。
「もう一発!」
連続して"つばめがえし"が炸裂する。
猛攻を受けた始はついに決意した。
もう一度あの姿に戻るしかない。
アイツを捕獲してから一度もなった事の無かったあの姿に。
始は、野獣のような雄叫びをあげた。
身体が少しずつ変化していく。黒く、禍々しいものに。
腕は鋭利な刃が何本も飛び出し、口は牙が剥き出しになる。
まさしくアンデッドポケモンそのものだった。
「グゥゥゥゥァ!」
ストライクに襲い掛かる始。いや、始だったもの。
一撃でストライクを屠ると、少年を次の標的に定めた。
「ストップ!」
少年がミノマダムに指示を出す。
ミノマダムは剣崎を弾き飛ばすと時間を止めた。
飛び掛った状態で固まる始。
「あっはっは。ホントになったよ、ジョーカー」
少年は静止した時の中で、ジョーカーのベルトからモンスターボールを奪った。
「これで、どうなるかな?」
次に時間が動き出した時、少年とミノマダムの姿は無かった。
「始、お前やっぱり……」
アンデッドとなった始の姿を見た剣崎は唖然としていた。
始は何も言わない。何も言わずに襲い掛かった。
「何するんだ、始!」
剣崎はカブトで攻撃を防ぐ。
ジョーカーは飛び退るとそのまま姿を眩ました。
「……始、まさかアンデッドの野性が目覚めてしまったのか……?」
廃工場には剣崎だけが取り残された。
22話ここまで。
睦月の扱いを上手くしたいね。
保守
やべ、進まね
とりあえず保守
108 :
名無しさん、君に決めた!:2007/04/11(水) 00:10:54 ID:Bd79FRAs
続きまだ?
109 :
ジェリド ◆Sg.utw9EKg :2007/04/11(水) 00:41:04 ID:qMDf7IAc
_ __
/´=:ミ´二.ヾ\
/ '/ '´rー=、ヽ.ヽ 、ヽ
i / 〃,イ| | |_L| l l 当スレは誰でもウェルカム
|.l.l ル'__リヽ ヘl_Nヽ!.l | 当板に巣食う糞コテ、 ◆VIPPERFLA. 虐殺AAで
| |.バ ̄o` ´o ̄,"|l | ご自由にお楽しみください
. レ1  ̄ 〈|:  ̄ !`|
ド」 、ー-----‐ァ ,lイ!
_,,... -‐| l ト、`¨二¨´ ,.イ.l lー- ...._
,ィ''"´:::::::::::::::| l.l ::::ヽ、__, .::´ :l.l |:::::::::::::::::`¨lヽ r'つ
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/:::::: |::::::::::::::::::::::::l. \ / .l::::::::::::::::::::::::|::::::ヽ ,.< )ヽヾニニ⊃
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ヽ::::::::::::::;イ:::::::::::::::::::::::::::V V::::::::::::::::::::::::::::ト、:::::::::::::/::::::::::::::::::::::/
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::::::::::::/ | :::::::::::::::::::::::::::::∨::::::::::::::::::::::::::::::::| ヽ::::::::::::::::::/
_:/ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| \_:/
このスレが残っていた事に驚き。
遅れてごめんね。
23話
剣崎、そして睦月は小夜子の家に戻っていた。
「遅いですね、橘さん」
睦月が心配そうに呟く。
そんな睦月を気にもとめず、剣崎はただ深刻な顔をしていた。
「どうしました、剣崎さん? 顔色悪いですよ?」
「あ、いや。ちょっとな。悪い、俺もう寝るわ」
歯切れ悪く話すと剣崎は隣の部屋に移った。
橘は広瀬に連れていかれた。
「ここは私の研究所のようなものだ、見たまえ」
モニターに始の姿が映る。
過去に撮影したものの様だ。
「彼、相川 始は人間ではない」
広瀬の言葉に動揺を隠せない橘。
「な、どういうことです」
広瀬は手元の機材を操作しながら話を続ける。
「相川 始はアンデッドポケモン。それも特別な存在、ジョーカーなのだよ」
ジョーカー、トランプでは所謂"ババ"――余りもの、特殊なもの――とされる。
アンデッドポケモンはトランプと深く関わりがあるとされている。
それならば始――アンデッドジョーカー――は一体何者なのか。
「ジョーカーはポケモンの始祖ではない。彼が勝った時、全てが滅ぶ」
広瀬がモニターの画面を切り替える。そこにはジョーカーとなった始の姿があった。
「人間も、ポケモンも全てだ。そしてジョーカーは目覚めてしまった」
広瀬の話を聞いていた橘は、一つの答えを導き出した。
「俺は……相川、いやジョーカーを捕獲します」
「話が早くて助かる。私一人では自信が無くてね。君の力が必要だ」
「始は……やっぱりアンデッドポケモンなのか」
わかりきった事を布団の中で呟く剣崎。
「でも、俺はアイツを信じるって決めた」
布団を一旦引き寄せ、頭まですっぽり覆う。
そして色々考えを膨らませ、結論を出した。
「……よし。俺は最後まであきらめない!」
布団を撥ね退け、思わずガッツポーズを取る剣崎。
そこに睦月が現れた。
「あれ、剣崎さん寝たんじゃ……?」
「あ、ちょっとな。おやすみ!」
今度の剣崎は明るくにこやかに返事をした。
翌日。
アンデッドサーチャーの音で睦月は目を覚ました。
剣崎を起こそうとしたが、一向に起きやしない。
仕方なく書置きを書き、一人で向かった。
「ここか……」
反応があった場所に着くと、何もいない。
誤作動したのだろうか、そう思い帰ろうとした時何かが襲い掛かった。
「うわぁ!」
鋭い爪。たてがみがたなびく。そして異形の姿。
上級アンデッドポケモンである事は明白だった。
「ほう、少しは腕があるようだな」
女性の声。上級アンデッドから発せられている。
「お前、何者だ!」
「私はアンデッドレントラー。今日はこれだけにしとこうか」
アンデッドが飛び去った。
「あいつ、何しに来たんだ?」
独り言を言いながら帰路に着く睦月だった。
始は彷徨っていた。
かろうじて人間の姿に戻る事はできた。
しかしまたいつジョーカーに戻るかわからない。
アンデッドポケモンとしての本能が、再び騒ぎ出す。
そうなったら自分で止められるのだろうか?
ただ苦悩し続ける始。
そこに見慣れぬ影が近づいてきた。
「ジョーカー、ハッケン。ショウキョスル」
腕から光線を放つ影。広瀬の刺客、トライアルDだった。
始は対抗する為、ベルトのボールを探る。
カテゴリー2以外のボールは少年に奪われていた。
始はカテゴリー2を使う事を躊躇った。
「コイツを使ったら……俺はまたあの姿に……」
迷っているその間にも攻撃は行われる。
「……やるしかないのか」
始は意を決してジョーカーへと姿を変えた。
ジョーカーとなった始には小手先の攻撃は通用しない。
連続攻撃を受け、吹き飛ぶトライアルD。
やがて爪や牙での猛攻でトライアルは動きを止めた。
勝利を確信したのだろう、ジョーカーは再び姿を消した。
その姿は少し始に戻りつつあった。
その背後で、トライアルが不気味に立ち上がっていたのを知る者はいなかった。
剣崎はジョーカーの反応を察知し、捜索を始めていた。
「この辺で反応があったはずなんだけど……」
アンデッドサーチャーを再び取り出す。
すると二つの点が点滅し始めた。
「ジョーカー、探してるのかな?」
この前の少年だ。隣にはミノマダムもいる。
「お前、始の居場所を知ってるのか!?」
「お前じゃなくてキングだよ」
少年がはぐらかす様に微笑む。
「キング? カテゴリーキングってことか!」
「一番強いって事さ!」
ミノマダムが剣崎に襲い掛かる。
剣崎はリザードで反撃に出る。
「かえんほうしゃ!」
リザードの炎がミノマダムを襲う。
だがその攻撃は完全に回避されていた。
続けて敵の"ミラーショット"が決まる。
「なっ、時間操作か」
時間を自由に操ることができるミノマダム。
今まで戦った敵の中でもかなりの強敵に入る部類だ。
攻撃がことごとく避けられ、ダメージを与えられない。
「どうすればいい?」
攻撃が決まらない事に焦る剣崎。リザードの体力も限界が近づいてきている。
「コイツに勝てないようじゃ僕と戦うのは早いね」
キングが場から立ち去る。ミノマダムは残ったままだ。
ミノマダムの時間停止攻撃でボコボコにされるリザード。
その時、キングと入れ替わりに一人の人物が現れた。
始だ。ジョーカーの力は何とか抑えているらしい、人の姿を保っている。
「始! お前大丈夫なのか!?」
戦いを忘れて始に駆け寄る剣崎。
「ああ……。剣崎、そいつの、時間停止には弱点がある」
始が剣崎に何かを手渡す。
「奴のミノだ。これを持つ者には……時間停止が効かないはずだ」
記憶を反芻してみる。キングも確かにミノらしきものを持っていた。
「よし、サンキュー始!」
剣崎はゴミのミノをオニドリルに持たせるとアブゾーバーを起動した。
「アブゾーブクイーン」
「フュージョンジャック」
剣崎全てのポケモンに翼の力、そして時間停止を破る力が加えられた。
「リザードン、ほのおのキバ!」
灼熱の牙がミノマダムを貫く。
相手は必死に時間を止めようとしているが、もはや剣崎達には意味をなさない。
「ライトニングソニックでトドメだ!」
ジャックフォームによるジャンプ力、突撃力が強化された必殺蹴り。
ミノマダムを気絶させるには十分すぎる威力だった。
剣崎はカテゴリー10のプロバーブランクで捕獲した。
「始、本当に大丈夫なのか?」
「……保証はできん」
言葉を詰まらせる剣崎。
そして静寂を破る黒い影。
「……ジョーカー、お前を封印する」
橘 朔也。彼のその目は本気だった。
23話ここまで。
黒睦月にした方が話進めやすかったかなぁ
いや、いいと思いますよ〜
黒睦月はなきゃないでかまわないしw
ところで、このポケモンバトルってトレーナー自体には変化ないんですか?
>>115 今のところは。
ただ信頼関係が出来てないと昔の橘さんみたいにボロボロになったりします
後は睦月みたいにカテゴリーAに操られるとアンデッドポケモンに近づいたり。
hosyu
118 :
a:2007/04/22(日) 03:31:05 ID:???
/ ̄ ̄ ̄ ̄\ ちんこまんこチンコマンコオナニーチョンキチガイ掃き溜め肥溜め穀潰し糞虫野郎ほら吹き
( 人____) ニート乞食基地外氏ねブスデブかたわ低脳中卒レイプアナルおっぱいホモ同和部落ひきこもり
|ミ/ ー◎-◎-)ちんぽおめこゲロげろ帰れ精神病めくらつんぼゴキブリ蛆虫自慰 くたばれ消えろ失せろ潰れろ
(6 (_ _) )間抜けドジびっこウンコうんこつまんね下衆野郎犯罪者前科者エロ痴漢強姦魔盗撮魔工夫
| ∴ ノ 3 ノヒッキー精子ザーメン膣フェラチオ金の亡者ルンペンごろつきヤクザボケSEXパイズリ逝ってよし
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/ ( || || 腐女子おたくオタクキモイきもい乳首ちくびきちがい狂人思考停止殺す亀頭ペニス
[]__| | ↑ ヽ ブサイクぶさいく白痴ニート無職低学歴逝け邪魔者除け者厨房DQN射精害虫包茎ジジイ
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\_(__)三三三[□]三)チンチンオメコボボオッパイ自殺しろ馬鹿あほストーカーボッコソープランドロリコン売春婦
/(_)\::::::::::::::::::::::::/巨乳貧乳池沼知的障害者身体障害者ヴァギナ頃す殺すゴミ豚カス変態不細工単細胞
|ポンロー|::::::::/:::::::/ババアチュプホームレス日雇い田舎もんジャップ三国人ニガー詩ね師ね視ね土人たわけ
(_____):::::/:::::::/ くろんぼクロンボチンポチンボバカアホ死ねキモヲタクズ童貞セックスえたひにんうそつき
(___[]_[]ポンコツトンチキガラクタくたばれマヌケごみかす最低下劣下等種族劣等種族クレージー浮浪者
。ρ。下衆野郎腐れ外道極悪非道ウジ虫害虫ガン細胞ウィルスばい菌疫病神病原体汚染源公害
インチキ電波社会の敵デタラメ廃棄物ファックファッキンサノバビッチシットガッデム落伍者ならず者クソガキ
鬼っ子異端者妄想邪宗恥垢陰毛白ブタ野郎誇大妄想狂汚物無能畜生けだものケダモノ欠陥人間獄門さらし首
シデムシろくでなし便所コオロギ詐欺師ペテン師痴呆奇人変人危険分子大便小便残忍残酷冷酷非情薄情者
ふてぶてしい腐ってる歪んでる狂ってる便所の落書き
また遅くなっちゃったよ。
キング編は物語の展開が大きく変わるからやりにくいよね。
と言い訳。
24話投下。
「橘さん、何言ってるんですか、始は」
剣崎が橘と始の間に割って入る。
「どけ剣崎。そいつはアンデッドジョーカー。
そいつがバトルファイトに勝ち残った時、世界は破滅する」
広瀬から伝えられたことを剣崎にも教える。
橘はポケモンを繰り出す構えだ。
「な、確かに始はアンデッドポケモンかもしれない。でも!」
剣崎もモンスターボールに手をかける。
「俺は始を信じたい」
「……そうか。ならば剣崎、まずはお前を倒す」
カイロス、そしてヘラクロスが繰り出される。
カイロスは出現と同時に巨大な顎でヘラクロスに襲い掛かる。
ヘラクロスも角を使い反撃、更に右腕で"かわらわり"につなげた。
カイロスは体勢を立て直すと距離を離した。
「はかいこうせん!」
カイロス必殺の大技。広範囲に爆煙が広がる。
煙が消えた時、そこにはヘラクロスの姿はなかった。
どうやらひっこめたらしい。
「フュージョンジャック」
無機質な機械音が戦場に響く。
「行け、リザードン!」
反動で動きを封じられたカイロスに龍王が牙を向いた。
"かえんほうしゃ"で一気に焼き尽くす。
「く、戻れカイロス!」
橘もラウズアブゾーバーを起動させた。
アブゾーバーが機械音を読み上げる。
「フュージョンジャック」
ドードリオが宙を蹴り上げ、リザードンに飛び掛る。
「カブト!」
剣崎はカブトを繰り出し、ドードリオの攻撃を封じた。
だが、その間に橘は残りの二匹を繰り出していた。
三位一体の攻撃がリザードンを襲う。
「バーニングショットッ!」
無数の火炎弾がリザードンに放たれる。
「オドシシ、援護しろ!」
リザードンの尾が火炎弾を迎え撃つ。
電撃を纏った一撃――ライトニングスラッシュ――が全てをなぎ払った。
「何!?」
攻撃を回避されたことに驚きを隠せない橘。
剣崎は畳み掛けるようにサワムラー、ペルシアンを繰り出す。
「ライトニングソニック!」
誰より高く跳び上がったサワムラーの必殺蹴り。
ドードリオたちを地に叩き伏せた。
その衝撃を受け吹っ飛ぶ橘。
「うわあぁぁあぁ!」
「すいません、橘さん。行くぞ、始」
始を連れ、剣崎はその場を離れた。
二人は天音の家に向かった。
小夜子邸ではいずれ橘に会ってしまうだろう。
そういった考えから始を天音の家に預ける事にしたのだ。
途中、意識が朦朧としているのか、始が少しよろめいた様に見えた。
「大丈夫か?」
剣崎が手を貸す。
「お前、モンスターボールは?」
腰に一つしか付いていない事を気にする剣崎。
「……ヤツに奪われた。俺はあいつ等でジョーカーの本能を抑えていたからな」
「キングのヤツか。そうか、なんとしても取り返さなきゃな」
「始さん、また何かあったの!?」
急に訪問したことには特に驚かずに、天音は始を迎え入れた。
「ちょっとワケアリでね、コイツも色々あるんだ」
始を天音に引き渡す剣崎。
「しばらく泊めてやってくれないかな?」
天音はそれを快く受け入れてくれた。
帰り際に剣崎がふと立ち止まる。
「そうだ、始。これ渡しておくよ」
モンスターボールを取り出す。
Jと刻まれている。カテゴリーJのアンデッドグラエナだ。
「一匹でも持ってた方がいいだろう」
「すまない。……ありがとう、剣崎」
始は少しだけ笑って見せた。
剣崎が家から出るとキングが目の前に立っていた。
「おまえ!」
身構える剣崎。
「ミノマダム、捕獲できたみたいだね〜」
キングはおいでおいでと手招きする。
「ここじゃあ戦いにくいでしょ? こっちこっち」
近くの森まで誘導するキング。
「自分から出てきてくれるとはな。お前を倒して始を助ける!」
剣崎はヘラクロスを繰り出した。
キングも姿を変化させた。
金の装甲、剣、盾。そして3本の角。
まさしく王の名に相応しい格好。
そして彼が何のポケモンの始祖か、剣崎にもピンと来た。
「お前、アンデッドヘラクロスか!」
「ご名答。そこにいる雑魚とは格が違うけどね」
剣崎のヘラクロスを指差し嘲笑う。
「貴様!」
剣崎、そしてヘラクロスも怒りに体を震わせた。
「ヘラクロス、つばめがえし!」
ヘラクロスが懐目掛け突撃する。それをキングは盾で攻撃を弾いた。
「ふん、そんなもんかな?」
今度はキングが攻撃に転じる。
黄金に輝く剣でヘラクロスがギリギリ避けられるレベルで斬りつけてくる。
この戦い、完全に彼にとっては遊びなのだ。
「ほらほら、ちゃんと避けないと」
猛攻が続き、ついにキングの剣がヘラクロスの体を捉えた。
ヘラクロスが勢いよく吹き飛ばされる。
「ヘラクロス!」
キングがにじり寄る。
剣を肩に担ぎ、余裕と言った表情で。
そしてヘラクロスのすぐ手前まで近づいてきた。
「……きしかいせい!」
ギリギリまでひきつけての大打撃。
ダメージを力に変える文字通りの起死回生。
キングの腹に鋭く力強い一撃が与えられた。
よたよたとよろめくキング。
「やったか!?」
刹那、ヘラクロスがばたりと倒れた。
一方、キングは何も無かったように笑い出した。
「はは、はははは! サイコー!」
演技だったのだ。
ダメージなど受けておらず、よろけたのも全て演技。
「弱いな、ブレイド」
キングがヘラクロスに言葉を投げ捨てる。
「ブレイド?」
「そいつの名前だよ、その虫けらのね」
キングは後ろを向くとゆっくり歩き始めた。
いつの間にか人間の姿に戻っている。
「待て!」
「待たないよ。今の君じゃあ役者不足だ、出直してきな」
すぐにキングの姿は見えなくなった。
「……ブレイド」
ヘラクロスの名を呟き、そのヘラクロスを剣崎はボールに閉まった。
突然、ざわざわと木々がざわめき始めた。
「? なんだ?」
草むらから何かが飛び出す。
「! 上級アンデッド!?」
人であり人ならざる姿。
上級アンデッドポケモンによく似ている。
しかしソレのバックルはアンデッドポケモンの物とは若干違った。
トライアルD。しかし剣崎にはソレの正体などわからない。
同時に、後ろからも誰かがやってくる。
「剣崎さん、アンデッドは?」
睦月だった。
キングとの戦闘でアンデッド反応を見つけてここまで来たのだろう。
「睦月! ちょうどいい、手伝ってくれ」
睦月はアリアドスを、剣崎はサワムラーを繰り出す。
「いとをはく!」
アリアドスが2本の糸でトライアルの動きを封じる。
「とびげり!」
続けてサワムラーの蹴りが確実に相手の体力を奪う。
トライアルも光線を放ち反撃をする。
「ドククラゲ、ミラーコート!」
睦月がドククラゲを繰り出した。
攻撃を食らうことに変わりはなかったが、それ以上にトライアルにダウンを与えられた。
「今だ、ライトニングブラスト!」
「ブリザードクラッシュ!」
4匹の共同攻撃がトライアルを完全に気絶に追いやった。
「よし、後は捕獲するだけ……」
睦月がコモンブランクを投げる。
するとトライアルは再び覚醒した。ボールを逆に吸い込んでだ。
「な!?」
あっけにとられる二人。
そこに再び橘が現れた。
「そいつの名前はトライアルD。アンデッドポケモンではない」
トライアルに近づき、肩を並べる橘。
その行為は橘がトライアル側の人間だという事を示していると二人は気付いた。
「そして、コイツの役目は……剣崎、お前の抹殺だ」
24話ここまで。
今回は戦闘ばかりでしたね。
全部剣崎なんで剣崎ボロボロです。
なんかいい感じに盛り上がって来ましたね!
>>128 原作でもここは一番盛り上がる所ですからね。
俺は途中がクライマックスだぜ!
…25話いきます。
「な、ま、抹殺!?」
睦月が素っ頓狂な声を上げる。
剣崎も驚きを隠せずにいた。
「何故お前が殺されなければならないかは俺にもわからない。
だが、これは広瀬さんの指示だ」
橘は冷たく言い放つとトライアルに命令をした。
命令を受けたトライアルは剣崎に襲い掛かる。
剣崎はケンタロスを至近距離から繰り出し、トライアルを弾き飛ばす。
すかさずペルシアンを繰り出すと更に距離を離しにかかった。
「剣崎さん!」
「来るな、睦月!」
追いかけようとする睦月を制止する剣崎。
「アイツの狙いは俺だ。お前まで巻き込むつもりはない!」
トライアルはゆっくりと起き上がると剣崎の追跡を再開した。
「……剣崎さん」
立ちつくす睦月に橘が歩み寄った。
「俺に協力しないか。ジョーカーを捕獲する」
「ジョーカー?」
「相川 始。その正体は破滅を呼ぶアンデッドポケモンだ」
突然告げられた思わぬ言葉。
睦月の頭は既に混乱していた。
「……俺、今何も信じられそうにない、貴方の言う事も」
そう言うと橘から離れ、一人で歩き出した。
何をすればよいのかわからなかった。
誰が味方で誰が敵なのかすらわからない。
「俺、どうすればいいんだよ……」
睦月の口から独りでに言葉がこぼれる。
ふと誰かの気配を感じ振り返る。
そこには一人の女性が立っていた。
「貴方は……」
どちら様ですか?
そう口にしようとした瞬間、女性の姿が変化していった。
見覚えのある姿。
以前睦月を襲ったアンデッドレントラーだった。
「お前の今までの戦いは見せてもらった。私と戦ってもらおうか」
電撃を睦月の足元に落とす。
挑発のつもりなのだろう、わざと外したようだった。
「……いけ、スピアー!」
仕方なく睦月も応戦する。
「ダブルニードル!」
スピアーの"ダブルニードル"がレントラーを襲う。
レントラーはそれを"ほうでん"で弾き飛ばした。
続けざまに電撃を纏わせたツメがスピアーを追撃する。
スピアーは連撃を受け、力なく墜落していった。
「くそっ、サイドン!」
スピアーを戻すと新たにサイドンを繰り出す睦月。
「つのドリル!」
一か八かの大技。決まれば一撃で沈ませられる。
しかし、その大技は当然のように外れた。
更に技の隙を突いてアンデッドレントラーのハイキックが決まる。
潰れるサイドン。
「……てごたえが無いな。はっきり言って弱い」
レントラーが睦月に言い放つ。
睦月は何も言い返さずに立ち尽くしている。
「その弱さの原因、当ててやろうか。……迷いだ」
その言葉に一瞬顔を上げる睦月。
「迷いは判断を鈍らせるだけでなく、己を弱くする。
武人の誇りを持っているのなら迷いなど捨てるのだな」
レントラーは人間体に戻ると一言付け加えた。
「己が信じるもの、それが正義だ」
「……信じるもの」
睦月が周りを見回した時には既にレントラーの姿は無かった。
橘は広瀬の元に戻っていた。
「広瀬さん、やはり剣崎を……」
抹殺するというのはどうなのだ。
そうと言おうとして口ごもる。
「君は私に従ってくれればいい」
強い口調で橘に言い聞かせる広瀬。
「しかし……」
「聞こえなかったのかな」
それ以上橘は何も言わなかった。
一人の男が町をぶらついていてた。
男に名前は無い。
記憶喪失だとかそういう類のものでもない。
アンデッドストライク。あえて呼ぶならそれが男の名だった。
「やぁ」
男に軽薄そうな少年が話しかけた。
キング。彼はそう名乗っていた。
「スペードスートのカテゴリーキングか。なんの様だ」
「キングでいいよ。コレさ、あげるよ」
ジョーカーから奪ったポケモンたちを押し付けるキング。
「ハートスートでしょ、アンタ。もっときなよ」
ジョーカーで遊ぶのにもう飽きたのだろう。
「こんなものあってもなくても同じだ。
それより、ミュウ……カテゴリー2はドコだ?」
一応ボールを受け取るとキングに問いかける男。
「うーん、アイツはジョーカーが捕獲したみたいだよ?」
興味ない、そんな感じで受け答えするキング。
「! ……そうか」
男が立ち去る。
「ちょっと、もうおしまい? あー退屈」
キングもどこかへ消えていった。
剣崎は人気の無い森に辿り着いた。
睦月や関係の無い人まで巻き込みたくない。
その気持ちが剣崎を動かした。
「……ん、人?」
ふと木々の奥に目をやると、少年の姿が映った。
「君、どうしてこんな所に?」
「特訓してるの。仮面ライダーみたいになるんだ!」
仮面ライダー。剣崎には聴きなれない単語だった。
「んー、何それ?」
少年は剣崎が知らない事に意外そうな顔をした。
「知らないの? TVでやってる正義の味方だよ!」
「正義の味方……」
「うん。ライダーはね、凄く強いんだ。あ、悪いやつも手ごわいんだよ」
剣崎に力説する少年。
剣崎も真剣に聞き始めた。
「でもライダーには仲間がいるんだ。仲間同士で助け合って、悪いやつをやっつけるんだ!」
「仲間……か」
「そうだ、お兄ちゃん僕がライダーになったら仲間になってよ」
あどけない笑顔。
剣崎も釣られて笑顔になる。
「いいぜ、お兄ちゃんも正義のヒーローだ!」
少年との会話の中で何かを見つけた。
剣崎はそう思えた。
「あれぇ、誰かと思えば」
突然、キングが現れ近づいてきた。
剣崎は少年を安全な場所に逃がす。
「キング、お前を捕獲する!」
指を差して宣言する。
キングは多少面食らったようだがすぐに笑い出す。
「は、無理無理。今度は生きて帰れるかもわかんないよ?」
剣崎はヘラクロスを繰り出し、戦闘態勢をとる。
「本気か、じゃ仕方ないね」
キングの姿がアンデッドポケモンの姿に変わる。
「やってやろうじゃん、雑魚ちゃんズ」
「……雑魚じゃない」
剣崎から闘志がにじみ出る。
カテゴリーA。ブレイドも同様だった。
「俺は、正義のために戦う!
そして共に戦う仲間がいる!」
ブレイドを見ながら剣崎が叫んだ。
「俺と、コイツで、仮面ライダーブレイドだ!」
「かめんらいだぁ?」
キングがやれやれ、とポーズを取る。
「いくぜ、ブレイド!」
ブレイドが突撃する。
キングは盾を取り出し攻撃を弾く。
「まだだ、みだれづき!」
連撃が盾の反応速度を僅かに上回った。
キングがバランスを崩す。
「調子に乗るな!」
黄金剣がヘラクロスに振りかざされる。
「いけ、カブト!」
ボールに手をかける剣崎。
「邪魔だ!」
キングが衝撃波を飛ばして剣崎を牽制する。
腰のボールも飛び散る。
その間にヘラクロスに一撃が浴びせられた。
「ふん、僕にかなうはずが無いんだよ」
キングがトドメを刺そうと近づいていく。
黄金の剣が強く煌いた。
「……まだだ! ブレイド!」
ブレイドが再び突撃する。
狙いはキングではなかった。
キングの剣。オールオーバー。
そして"つばめがえし"の一撃はそれをキングの手から弾くのには十分だった。
「な!?」
オールオーバーが剣崎の手に移る。
「これが仲間の力だ!」
オールオーバーで何度も斬りつける剣崎。
キングは盾を取り出し防戦に徹するしかない。
盾にヒビが入る。
最強の矛と最強の盾。
競り勝ったのは矛だった。
崩れ落ちるキングの盾。
その瞬間を待っていたブレイドが最後の一撃を浴びせた。
"メガホーン"はキングの急所を貫き活動をとめた。
「う、そ、だ、ろ? 僕が? 負けた?」
キングの表情から笑みが消える。
「俺達の勝ちだ」
剣崎はKと刻まれたボールを取り出し、キングにあてた。
「……気をつけなよ。僕に支配されないようにね」
最後に意味深な言葉を残し、キングはボールに吸い込まれた。
そして迫り来る影。
トライアルD。
それが剣崎の目にもはっきりと映った。
「ヤツか……」
剣崎は意を決した。
ラウズアブゾーバーが展開される。
一つ目のコマンド。
「アブゾーブクイーン」
アブゾーバーの音声が鳴り響いた。
二つ目。
いつもと違うボールを剣崎は取り出した。
「エヴォリューションキング」
神々しさを感じさせる機械音が響き渡る。
金の光が周囲を包み込む。
光の中には、どこか違う剣崎がいた。
手には運命の切札。キングラウザーが握られていた。
同時刻。
研究室で広瀬が呟いた。
「これは……キングフォーム?
いや、違う。通常のものではない」
仮面ライダーブレイド キングフォーム。
その力が今解き放たれようとしていた。
25話ここまで
結構駆け足になってきた?
今気付いたが名前のwが全角になってた。
139 :
名無しさん、君に決めた!:2007/05/02(水) 01:08:49 ID:5/U2z1GS
キタ━━(゚∀゚)━━!!
やっぱりキングフォームはいいですねぇ。
140 :
ジェリド ◆ZtZ4ZhK6JI :2007/05/02(水) 01:25:51 ID:/jcIYdBT
,r─-‐'"´ ̄\
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i _/ヽ__,ィ⌒ヽ 〉
| / ,r'^) リ( r‐、 \/
/ ! (/ \ ) i
〈 ∩ | |
〉 | | | O O !
/⌒ヽuリ _人_ ,′ もうびっぱーふらを叩くのはやめるよ☆
| /,>、 ー' /
l//:::::::.\__ __, イ 、 心機一転するために鳥も変えてみたよ☆
l/:::::::::::/^!/ハ「^Y^ハ / /ヽ
}:::::::::::/_l/__l| l ! l/_/:::::::|
|::::::::/:::::::::::::::::\!//:::::::::::i:\
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l::::::::「二7:::::::| |:::「二7:::!/ )
ほしゅ
油断せずに保守
下克上だ
144 :
田仁志外 ◆wcxwW6h2/g :2007/05/12(土) 22:21:47 ID:8vBDJx66
俺様の保守に酔いな!!
ほおら上がれ
これ以上放置するわけにもいかないので投下。
26話
トライアルDは本能的に感じ取っていた。
目の前の男が危険な存在だと。
しかし彼は広瀬の作りし物、それ故恐怖を感じなかった。
それが幸か不幸かはわからない。
剣崎の抹殺。
Dの脳裏に浮かび上がってくる使命。
トライアルDは剣崎に飛び掛った。
その直後、ソレは宙を舞い大きく吹き飛んだ。
木々をなぎ払いながら突き進むトライアル。
森を抜け、ビルの壁にめり込んだ。
剣崎が殴った。
たったそれだけのことでトライアルは長い距離を飛んだのだ。
そしてその剣崎は既にトライアルの目の前にいた。
通常の人間ではありえない速度で動いたのだ。
立ち上がったトライアルは剣崎に一撃を浴びせた。
直撃ではなかったが人にとっては十分なダメージになるはずだった。
効いていない。
トライアルはもう一撃、出力を最大にして光弾を放った。
電撃がそれを完全に防ぎきった。
それどころか電撃はトライアルに直撃した。
近くにオドシシの姿などない。
電撃は剣崎が放った、そうとしか考えられなかった。
剣崎がキングラウザーを掲げる。
5つの黄金のモンスターボールが飛来し、剣崎の手に納まる。
「スペード10」
ラウザーは読み上げる。
「スペードJ」
アンデッドポケモンを。
「スペードQ」
それぞれのスートを。
「スペードK」
そしてカテゴリーを。
「スペードA」
キングラウザーが輝く。
「ロイヤルストレートフラッシュ」
必殺の一撃。
それはアンデッドポケモンの力であり、剣崎自身の力でもあった。
光を纏った王の剣がトライアルを一閃した。
トライアルDは光の粒子に包まれ、爆散した。
「やはり……剣崎一真は危険すぎる」
広瀬が独り言のように呟いた。
「あれが、剣崎を抹殺する理由ですか?」
研究室にいた橘が話しかける。
「ああ、あれはジョーカーと同様の力。あってはいけない」
広瀬は橘の方には顔を向けず、キーボードをいじっていた。
「使い続ければ彼もアンデッドポケモンになるかもしれない」
橘はしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。
「でも、剣崎にそれを伝えればいいだけだ」
外に飛び出す橘。
「さて、次はどうなるかな……」
キーボードのエンターキーを押す音が静かに響いた。
剣崎はキングフォームを解除するとその場に倒れこんだ。
疲労が押し寄せたのである。
「っ、これは結構きついな……」
意識を失いかける。
剣崎は顔をはたいて意識を保とうとした。
剣崎がへたり込んでいると橘が現れた。
「剣崎、お前に話がある」
橘の姿を見て、思わず剣崎は身構えた。
「なんですか、始は渡しませんよ」
「今はそんなことはどうでもいい、お前のその力のことだ」
アブゾーバーを指差す橘。
剣崎は起き上がりながらアブゾーバーを見つめた。
「……キングフォーム」
剣崎自身、何が起きたかわからなかった。
パンチ一発でトライアルDをふっ飛ばし、放電までする。
自分にアンデッドポケモンの能力が備わったように思えない。
その感触はまるで自分がアンデッドポケモンになったかのようだった。
「その力は封印しろ。使えば使うほどお前の体は……」
突然橘の話を遮り何かが現れた。
ソレは二人に既視感を感じさせる姿だった。
そして巻き起こる爆炎。
後ろに吹っ飛ぶ二人。
「ケンザキ カズマ。オ前ヲ消去スル」
トライアル。
広瀬が差し向けたのだろう。
同時に橘のポケナビにコールがかかる。
「どうだね、橘君。新作のトライアルEは」
「広瀬さん、剣崎は俺が説得します! だからトライアルは回収してください」
「そのトライアルには君のポケモンのデータを使っているんだ」
「聞いているんですか、広瀬さん!」
「剣崎君を庇うのなら君にも容赦しないだろうねぇ」
通話が途切れる。
それに合わせてトライアルEが攻撃を始めた。
「剣崎、お前は逃げろ」
「でも、橘さん」
「立っているのがやっとなんだろう。早くしろ」
橘に急かされ剣崎はペルシアンを繰り出した。
「大丈夫ですよね、橘さん……」
橘はニコリと微笑んだ。
とりあえずここまで。
まってました!!
これって、いわゆる変身じゃなくて電王みたいな憑依って解釈でいいんでしょうか?
>>150 そんな感じです。
ポケモンなのであんまりミュータントになりすぎるのも微妙なんで。
26話橘編。
トライアルEは標的を橘に定めた。
「俺のコピーか……おもしろい」
サンドパンを繰り出す橘。
「どくばり!」
背中の針山から無数の"どくばり"が放たれる。
トライアルは素早く回避すると左腕から火炎弾を放った。
サンドパンも丸くなって攻撃を受け止める。
「今のはバルビートの能力……。きりさくだ!」
サンドパンは素早く格闘戦に持ち込んだ。
鋭いツメがトライアルの腹を目掛け突き出される。
ダメージを受けたのはサンドパンの方だった。
トライアルの腹部は岩の様に硬くなっていた。
ツメが砕け、怯んだサンドパンにトライアルの拳がヒットする。
直撃する前に橘はサンドパンを回収した。
「コータス、そしてニョロトノの能力……」
ギャロップを新たに繰り出す橘。
「かげぶんしん、更にでんこうせっか!」
いくつもの残像が戦場に現れる。
しかしトライアルは迷うことなく本体を攻撃した。
「まだだ、バルビート、ホエルオー!」
バーニングディバイドへと攻撃をつなげる。
トライアルEに強烈な一撃が与えられる。
煙が晴れたとき、そこにはトライアルの姿は無かった。
「……。……! 分身か!」
気付いた時にはもう遅かった。
上に逃げたトライアルの踵落としがバルビートに命中した。
続けざまに突進攻撃がホエルオーに直撃する。
クロバット、ギャロップ、ホエルオー、ドードリオ、サンドパン。
カイロスを除く橘のポケモンの能力を所持している。
広瀬の言っていたことは本当だったらしい。
「くっ、行け、コータス!」
新たにコータスを繰り出す橘。
「ふんえん!」
黒煙が周囲を舞う。
コータス、そして橘の姿を覆い隠した。
だがその目晦ましはトライアルには通用しない。
火炎弾が容赦なく打ち出される。
「ドードリオ!ドリルくちばし!」
コータスを囮にした一撃。
しかしその作戦も見破られ、ドードリオは弾き飛ばされた。
「クロバット、ニョロトノ!」
もはや人海戦術になっていた。
"バブルこうせん"、"かえんほうしゃ"、"クロスポイズン"。
連続して攻撃が命中するが決定打を与えられない。
橘のポケモン達へのダメージの方が明らかに多い。
「やはり俺じゃダメか……」
思わず諦めの言葉を口にした橘。
トライアルDとの戦闘時も勝算は無かった。
剣崎のようにキングフォームもなければ、
始のようにアンデッドポケモンでもない。
睦月みたいにカテゴリーKを捕獲した事も無い。
ただの人なのだ。
橘は自分がここまでやってこれたのは奇跡、そう思えてきた。
桐生の代わりにアンデッドポケモンのトレーナーになった。
ポケモンへの恐怖心で身体に影響を及ぼしたこともあった。
戦う力を持っていながら大切な人を二人も失った。
睦月の更生にも役立てたかどうかわからない。
それだけの男だった。
だが、それだけの人間がここまでやってきたのだ。
だったら、今更この程度の苦境、なんともない。
最強の凡人、橘 朔也の闘志に火がついた。
「ポケモン達の体力は残り僅か……チャンスは一回!」
全てを賭けた総攻撃が始まった。
橘はトライアルに極限まで接近し、モンスターボールを開いた。
「ドードリオ、みだれづき!」
"みだれづき"が連続でヒットする。
トライアルが反撃に移ろうとする前に次の一手が打たれる。
「きあいパンチ!」
ニョロトノが必殺拳を叩き込む。
ドードリオが稼いだ時間のおかげで破壊力は充分だった。
ガードこそされたがトライアルの体勢は崩れた。
「オーバーヒート!」
スタンバイしていたコータスの熱線がトライアルを直撃する。
トライアルの装甲をいくらか削ったようだった。
反撃の火炎弾が何発か放たれる。
だがそれを遮る一撃。
クロバットのブレイブバード。
トライアルの足を鋭い斬撃が襲った。
「まだだ、はかいこうせん!」
カイロスが必殺の一撃を放つ。
トライアルの動きを確実に削いでいく。
「フレアドライブ!」
動きを止めたトライアルにギャロップが突撃する。
不意を付かれたトライアルは宙に舞った。
「トドメだ、バーニングスマッシュ!」
ホエルオーとバルビートの合体攻撃。
強烈な炎を纏いホエルオーがトライアル目掛け降り注ぐ。
だがその一撃は力を振り絞ったトライアルに回避されてしまった。
「……引っ掛かったな! サンドパン、ジャイロボール!!」
「フュージョンジャック」
まさに隠し球。
トライアルEにジャックフォーム、そして橘の全ての力を込めた一撃が繰り出される。
壮大な爆音。
トライアルの敗北を物語っていた。
そして同時に橘の勝利を祝うものでもあった。
「ふぅ……」
橘の表情はどこか誇らしげであった。
とりあえずここまで。
この調子じゃギャレンって単語、本編中に出ないかも。
早いですね!
まぁ出なけりゃ出ないでいいんじゃないですか?w
梅梅梅梅梅
梅梅梅梅梅
梅梅梅梅梅
梅梅梅梅梅
梅梅梅梅梅梅梅梅梅
梅梅梅梅梅梅梅
梅梅梅梅梅
梅梅梅
梅
ずれるかな
ほしゅ
今更ながら乙
頑張って保守
救助
仮面ライダーミュウ(μ)
劇場版で公開されなかったもう一つの帝王のベルト 空間のベルト
ほとんどの能力はファイズと同じ。フォトンブラッドの色は緑
コード340で変身(ミュウなのでミ=3 ュ=4 ウはオになり0)
コード103でシングルモード
コード106でバーストモード
コード279でチャージ
必殺技はビリジアンスマッシュ(20t)グランインパクト(7.35t)スパークルカット(12t)
>>162 こういうネタが増えてくれるとスレが活性化しそうで嬉しいよね
26話始編。
始って喋らせにくいから話が進まん。
相川 始は眠りに落ちていた。
ジョーカーの本能を封じるために、自ら意識を失わせていた。
その始の眠りを妨げる者がいた。
天音の家に何者かが近づく。敵意をむき出しにした誰かが。
始はゆっくりと体を起こした。
玄関の扉が開かれる。
「誰だ、お前」
始の目に映ったのは背の高い男。
「おまえが、ジョーカーか?」
「……そうだとしたら?」
外に出、扉を閉める始。
「お前を倒す。そして俺が最強である事を証明する」
男は姿を変化させていった。
アンデッドストライク、ハートのカテゴリーキング。
ストライクは右腕の鎌で始に襲い掛かる。
一撃。もう一撃。
寸での所で始は攻撃を回避する。
「どうしたジョーカー、今更善人ぶる気か?」
ストライクの猛攻が続く。
「過去のバトルファイトでは相当暴れたじゃないか、ああ?
人の姿を手に入れて腑抜けになったか!」
鎌が始の右腕をかする。
滴る緑色の血。アンデッドポケモンの証だ。
「ミュウ使ってまで人間になりたかったのか、ジョーカーさん。
随分な平和ボケだな!」
今度は左腕に鎌がかすった。
「がっかりだよ。
前回の優勝者、アンデッドミュウを倒したと聞いたから。
楽しませくれる、そう思っていたのにな。
遊びは終わりだ、さようなら」
始は本能的にカテゴリーJを取り出した。
眩い光が放たれ、始の姿が変化する。
アンデッドグラエナ。ハートのカテゴリーJの姿だった。
「……やるしかないようだな」
「ほぅ、やっとやる気になったか。
本来の姿を使わない辺り、まだ本気じゃなさそうだが」
ストライクとグラエナがぶつかり合う。
鎌を爪で防ぐグラエナ。
続けざまに回し蹴りを浴びせる。
ストライクは距離を取ると衝撃波で反撃する。
3発放たれたソレは全てグラエナに迎撃され、消滅した。
ストライクは再び鎌を使いグラエナに襲い掛かった。
迎え撃つグラエナ。
敵の一撃を受け止めると思い切り投げ飛ばす。
「本当に強いのは、強いのは! 人の思いだ!」
始の必殺の蹴りがストライクを直撃する。
ストライクの腰についていたモンスターボールがいくつか吹き飛んだ。
「つぅ、まさかこうなるとはな……」
アンデッドストライクは退散した。
始は散らばったモンスターボールを回収すると家に戻った。
その中にはカテゴリーAの姿もあった。
始編これだけ。
本格的な始主役はもうちょい後かな
神速の乙
本編未登場だったパラドキサだ!
アンデットの思いスレの影響でなんとなく女の子のイメージがあったけど
普通に考えりゃ男だよなw
>>167 あのスレ凄い好きだった。
トリロバイトがお気に入り。。
パラドキサのイメージは龍騎の蓮+浅倉って感じ。
169 :
>>162:2007/05/30(水) 02:05:16 ID:???
ミュウポインター
通常はカイザポインターと同じく双眼鏡ツールだがミッションメモリー
装着によりμの形をとったポインターへと変形する。
ミュウショット
ファイズやカイザのと同じ高性能デジタルカメラ型の武器
白いコーティングがされてあるのはエネルギー暴発を防ぐため
ミュウエッジ
μの形をとった最新式の武器。ファイズやカイザの攻撃力を
軽々と上回る。
170 :
名無しさん、君に決めた!:2007/06/02(土) 00:06:57 ID:FK53Iv6b
ウホッシュ
質問、ポケモントレーナーが仮面ライダーだったらはスレ違い?
>>171 その発想は無かった
一体、誰が仮面ライダーに(ry
ただポケモンの登場人物がライダーっぽいのに変身する話を考えてるんだけど、
ここに書いていいものかとw
まぁ…それで話が作れるなら
逆の発想と言っても、ポケモンキャラでドラえもんをやるのは無理あるが
仮面ライダーは…そうでもなさそうだなと
175 :
名無しさん、君に決めた!:2007/06/06(水) 21:21:09 ID:IE0nRPM/
海パンやろう「キャストオフ!」
それはやめとけw
177 :
名無しさん、君に決めた!:2007/06/08(金) 18:21:56 ID:PKAUwbrz
やまおとこ「ベルトが締まらんぞ…」
俺はひたすら動きまくってる海パンやろうとか
トライアスロンとか、自転車こいでるやつは
鬼になるための修行中なんだと信じてる
179 :
名無しさん、君に決めた!:2007/06/08(金) 21:57:47 ID:mwwDeZDM
ふしぎなアメ=デネブキャンディー
ちょっとテスト、
時間末尾が偶数ならシンオウ編
奇数ならカントー編
0なら書かない
シンオウってダイヤ&パールだよね。
持ってないからストーリーわからんなぁ。欲しいんだけど金がなくて。
わからないならなぜ書こうとしたのかと小一時間(ry
やっぱ、初代赤・緑基準が一番認知度高かったりする罠
赤緑はストーリーあんまり無いから
一番改変しやすいかもね
ごめん、まだ話がまとまらないんだ
184 :
180:2007/06/09(土) 00:23:39 ID:???
181は自分じゃないです、やっぱりわかりやすく赤・緑で書いたほうがいいかな
そっち方向で考えることにします。
185 :
181:2007/06/09(土) 01:12:36 ID:???
あ、ごめん。
勘違いさせちゃったみたいで。
186 :
ジェリド ◆ZtZ4ZhK6JI :
_
,rニ、´ ヽ、
/"` 、 ヽ ヽ ファイナルベント!
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_,{ >、,,.-‐'" `ヾ,'、 ̄ ̄⌒''ー―-、____
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