ルールはリレー形式で
何でもアリあり、さぁどうぞ。
おなかいたい
羊モフモフ
↓お口クチュクチュ
トリトドン
↓サトシはいつものように仲間たちと歩いていた
↓SWATに囲まれた
8 :
名無しさん、君に決めた!:2007/01/18(木) 17:13:49 ID:+hogcO1g
↓ピカチュウの10万ボルト発動
9 :
名無しさん、君に決めた!:2007/01/18(木) 17:27:21 ID:zxXzcPkS
↓だが断る
↓ピカチュウの10まん☆ぼると
↓ その頃タケシはアニメを見ていた
↓「うんこ」
↓10万ボルトがタケシに命中
タケシのコスモが爆発した↓
タケシ「力がみ・な・ぎ・るうううううう!!」↓
だがどくづきを食らい焼きを入れられた↓
↓タケシ「奥義!」
タケシ「奥義!飛翔昇天断」
だがMPが足りない↓
タケシは逃げ出した↓
20 :
名無しさん、君に決めた!:2007/01/18(木) 20:41:47 ID:I+cxXL7l
だがSWATに囲まれた↓
その頃タケシは新しい自慰の開発中であった
そのとき!はがねのきゅうせいしゅが!↓
ミカン登場!! ↓
ミカン「タケシさん!これを使って!」
タケシ「こ、これは・・・!倍アグラ!」
↓
タケシ「これでどうしろと?」 ↓
よくわからないから捨てた↓
後のヒサシである
28 :
名無しさん、君に決めた!:2007/01/18(木) 22:34:31 ID:I+cxXL7l
タケシ「シャー芯オナニーしたら金玉が爆発した」↓
後のゴローニャである
↓その頃サトシはいつものようにSWATたちと歩いていた
後のおまわりさんのセイギである
↓その頃タケシはいつものように薬を打っていた
33 :
名無しさん、君に決めた!:2007/01/21(日) 00:34:47 ID:CmxD6cvn
こ、これは麻薬じゃない…ただのビタミン剤だ…ハァハァ
34 :
名無しさん、君に決めた!:2007/01/21(日) 00:52:33 ID:/6SDYclt
たけしはおもらしした。
目の前がまっくらになった
35 :
名無しさん、君に決めた!:2007/01/21(日) 01:12:56 ID:uiInIvfm
後の虫とり少年である
サトシ「タケシ、何か匂わないか?」
タケシ「な、なんのこと全く分からないなあばばばばb」
↓
|残念
|それは私の
|おいなりさんだ
|
│ _、_
│ ヽ( ,_ノ`)ノ
│ へノ /
└→ ω ノ
>
「商流権!」
「覇道研!」↓
「スマブラ拳!」↓
「参政権!」↓
43 :
名無しさん、君に決めた!:2007/01/21(日) 15:58:53 ID:ZNbHnp33
雑種犬!!↓
「引力圏!」↓
「記者会見!」↓
試合で体にクリーム塗ってはいけないとは知りませんでした。認識不足でした。
どんな処分でも受けるつもりです。そして桜庭さん、ホントうに申し訳アリマセンでした
47 :
名無しさん、君に決めた!:2007/01/21(日) 16:25:59 ID:ivxBHJba
知るか!そんなことよりオナニーだ!
|残念
|それは私の
|おいなりさんだ
|
│ _、_
│ ヽ( ,_ノ`)ノ
│ へノ /
└→ ω ノ
>
50 :
名無しさん、君に決めた!:2007/01/22(月) 15:51:05 ID:zJv/YC0q
>>46 もし本人じゃないのなら罪に問われる可能性ありますよ。
他人の名を騙っているので。
訴えられるかもしれないですよ。
ここからリレー再開
「あ!やせいの…」↓
いままで応援ありがとう!次回作に期待してね!!
糸冬
そろそろ新連載スターtいままで応援ありがとう!次回作に期待してね!!
――そう思ったのも束の間のことであった。
平和というものは長くは続かない。
「あ! やせいのニューラがとびだしてきた!」
一人の少年がポケモンをゲットする。当たり前の光景で、当たり前の展開。
このポケモン世界において、それは日常茶飯事とも言えた。
「せっかくクイックボール使ってゲットしたのに……何だよ、この糞個体値」
そして弱いから捨てる。これもこの世界において日常茶飯事であった。
ニューラは草むらに捨てられ、哀しそうな目で一時の主人を見つめる。しかし、少年はそんな眼差しに気付かない。
気付いて欲しい一心で、ニューラは「にゃー」と一声鳴いた。
少年はそれすらも気付いていないのか、はたまた気付いていて無視しているのか。だんだんと遠ざかって行く。
ニューラは少年の去った方を見て、ただただ鳴き続けるのみだった。
ただただ、そう――ただただ、泣き続けるのみだった。
そんなニューラを抱え上げたのは、これまた若いトレーナーであった。
少年ほど若くは、ない。しかし、大人と言うにはなお若い。
「お前も……捨てられたのか」
若いトレーナーは囁くように言った。
ニューラはトレーナーを見つめた。
「そんな同情を買うような目で見るな。お前はまだ良い。だがズイタウンはどうだ。無理矢理に子供を産ませ、それが自らの望むものではないとすれば捨てる――これが同じ命を持ったもののやることか! これが同じ世界に生きるもののやることか!」
トレーナーは語気を荒げて言った。
その憤りは、その怒りは一体何から来るものか。
ニューラには分からなかった。分からなかったが、それは自分たち捨てられた者を見て怒っているということは良く分かった――否、理解していた。
「作り直そう、この世界を。ポケモンにとってよりよい世界を、また、ポケモンを愛する者たちにとってよりよい世界を――」
若いトレーナーはニューラを見つめた。
「来るか、私――アカギと。そして、作るか――新しい世界を」
ニューラはトレーナーを見つめて一声、鳴いた。
その鳴き声にはもう、哀愁の響きはなかった。
一人のトレーナーと、一匹のポケモンが出会い、そして歯車は動き出す。
その野望がついえるのはまだ先のだった。
そして数十年後――
地球は滅んだ
……と、史実では言われている。
しかし、その滅んだ後に再興を計ったのがアルセウスだとする説もある。
事実は闇の中。
しかし、伝説上の「地球」と、現在のこのポケモン世界の地理は限りなく酷似していてこれが虚言であるとは言いがたい。
そもそも、地球の存在を記した記述自体がまがい物だとする説もある。
だが、私にはあの記述が嘘とは思えないのだ。特に日本のもの。
かつて、トウキョートを中心に栄えたとするカントウ。
そして、オーサカフを中心に栄えたとするカンサイ。
これらの地理は、現在のヤマブキシティを中心とするカントー地方、コガネシティを中心として栄えるジョウト地方と酷似している。
さらに私は新たな記録を発見した。
ホッカイドウと呼ばれる地球の地図。これはこのシンオウ地方そのものである。
まだまだ発見は後を絶たないようだ――
「――博士! ナナカマド博士! そろそろ出かけますよ! シンジ湖に行くんでしょ?」
声をかけてきたのは赤い帽子をかぶった少年だった。首に巻いた赤いマフラーはこの地域の伝統衣装である。
「コウキ君。すまなかった。少し夢中になっていてね。では案内頼む」
ナナカマドは愛用の旅行鞄を手にすると、コウキの後ろへと続いた。
フツウに歩いてもつまらないので、二人は三歩進んで二歩下がる方式でシンジ湖まで行く事にした。
始めは張り切っていたナナカマドも、あまりの道のりの過酷さにだんだん様子がおかしくなり
最後にはとうとう発狂してしまった。
「博士! 博士! 落ち着いてください!」
「ふひひひひひひひ!!」
「僕が悪かったです! ほら、シンジ湖に着きましたよ!!」
「ふへへへへへへ!! うひょひょひょ!!」
「ダメだこりゃ。とりあえず帰ることにしよう」
コウキは笑い続ける博士を引き摺るようにしてシンジ湖を後にした。
そのときに、金髪の男の子と、黒髪ミニスカートの良く似合う女の子とすれ違った。
コウキは博士の発狂ぶりに気を取られていてそれどころじゃなかったので、スカートの中身などは気にせず研究所へと戻ることにした。
――鞄のことなどは無論、すっかり忘れていた。
60 :
名無しさん、君に決めた!:2007/01/25(木) 01:24:03 ID:a43Q8WTk
しかしポッチャマは見ていた。そのスカートの中を。
その頃、ペリー浦賀に来航。↓
「VIPからきますた」
ペリーの一言が日本中を震撼させた
ペリーはウラガシティ、ちょうどカントー地方とジョウト地方の間にあたる街へとやってきていた。
オーレ地方から重大な使命を帯びてやってきたと本人は語るが、単にオーレ地方に居づらくなっただけだという話は周知の事実である。
ペリーが得意気に語る話に、ウラガシティの者はまったく耳を傾けようとしない。
この無礼な者たちにカッとなったペリーは、負けずとカッとなってしまった。
そして出たのがさっきの一言――VIPからきますた――であった。
「びっぷって何だよ!!」
「バカじゃねえの、こいつ!」
爆笑の渦に包まれるペリー。
ペリーをからかい、人々は罵声を浴びせた。
そんな空気を破ったのは、こことは違う地方から来た者の発言であった。
「オレ、シンオウ地方っていう北の国から来たんだけどさ。そこにはビッパってポケモンがいるぜ。それと何か関係あるんじゃないのか?」
彼の言うこともわけがわからなかったが、ペリーにとっては蜘蛛の糸にも等しかった。
助け舟。ペリーは彼の一言に飛びついた。
「そうデース。ワタシはビッパから来たのデース。デスカラ、ビッパに帰りマース」
もうなすがままになれ。ペリーは半ば自暴自棄だった。
しかし、この一言が思わぬ展開を生み出す。
「君、オーレ地方から乗ってきたこの船でシンオウ地方に行くのかね? わしも乗せて行ってくれんかのう。地図ならここにあるぞい」
その発言者を見るや否や、観衆はざわめきたった。
それもそのはず。ポケモンの学会にこの人ありと言われる、あのオーキドであったのだから。
が、ペリーはそんなことは知る由もなかった。
ここは助けとばかりに、オーキドの誘いを受ける。
「ハーイ、乗っていってクダサーイ。あと地図お願いしマース」
ペリーは船へと向かって叫んだ。
「ヘーイ、ユーたち、ビッパへ向かいマース! オモカジいっぱーい! おっぱーい!」
「むう、ビッパじゃなくて、シンオウなんじゃがのう……まあいいわい」
どこまでも人任せなペリーと、シンオウ地方へ何らかの目的を持って向かいたいとするオーキド。
二人は黒く塗られた船へと乗り込み、シンオウへと向かうのであった。
「キクコ、一体どこに行ったんじゃ……」
オーキドは遥か広がる大海原を見つめて呟いた。
その手には、四天王としてかつてその力をふるったキクコの幼かりし頃の写真が握られていた。
幼いキクコの隣には――キクノという双子の妹が映っていた。
シリアスなオーキドだが、ペリーは「ビッパへ向かいマース! オモカジイッパーイ、オッパーイ」と相変わらずのノリであった――……
暫くしてオーキドは自分の身に迫る三つの重大な危機に気が付いた。
一つは、海が急に荒れだした事
もう一つは、慌てて海へ出たこの船には食料も水も僅かにしか残っていないという事
そして何よりオーキドが戦慄したのは、ペリーを含めたこの船の乗組員全員がゲイだという事実だった・・・!
余りの恐怖にオーキドが呆然となっている時、突如船が大きく揺れた。
甲板に立っていたオーキドは大海原へ放り出された。
「あぁ、あっけない最期じゃのう・・・」何故か冷静にそう思ったが、彼の身が海に飲み込まれる事は無かった。
ペリーがとっさにオーキドの足をつかんでくれたのだった。
「こんなに頼れる男を前にワシはなんて馬鹿な事を考えていたのじゃろう」
オーキドは自分の浅はかな考えに反省するとともに、彼の様な男が一緒なら
どんな困難でも乗り越えられると思った。
「ワタシのふねで死者は出しまセーン」
ペリーは目をクリクリさせそう言った。そしてオーキドの手を握ってこう言った
「ホモダチイッパーイ、オッパーイ」
そのとき、オーキドの黄金の右手が輝いた。
次々と腰につけたモンスターボールからポケモンを呼び出す!
出てきたのは全て――カイリキーだった。
「わしの相手をする前に……こいつらの相手をしてみたらどうじゃ?」
そこには遥か昔、マサラタウンの英雄と謡われた“オーキド・マサラ”の子孫であり、かつてポケモンリーグにおいて高成績を収めた歴戦の戦士、オーキド・ユキナリの姿があった。
――なぜか、手持ちはカイリキー六体であったが。
「ウホッ! いい男!」
と、船乗りたちは言ったかどうかは分からないが――カイリキーの文字通りの圧勝のため――闘いの中で自らの記憶を呼び覚ました。
キクコ。昔、お前ともこうやって戦ったのう。
オーキドとキクコは良きライバルであり、共にポケモンリーグを目指す旅の中で出会った。
やがて、第四回ポケモンリーグ決勝戦――当時は今のような四天王制をとっていなかった――において、オーキドはキクコと合間見えることとなる。
オーキドはキクコに勝った。それこそ完膚なきまでに。
こうして、第四回ポケモンリーグの大会は幕を閉じた。
その後だった。新制度、四天王制が導入されたのは。
ポケモン協会から歴代実力者へと声がかかる。
今まで開催された回数は四回。優勝者を集めればちょうど四人、四天王に一致する。(なお、チャンピオン制が導入されたのはこのさらに後である。)
第一回から三回目までの優勝者は、四天王の座についた。しかし、オーキドは違った。
ポケモンを闘いの道具としてだけ見てはいけない――そう悟ったのだ。
オーキドはポケモンの研究を始め、キクコは四天王の座についた。
それから二人の仲は次第に疎遠になった。そして、オーキドの孫シゲルがチャンピオンになり、それをその親友サトシが破った一連のリーグ戦を境に、キクコは姿を消した。
「わしは探し続けた……そしてようやく、キクコはシンオウにいると分かったのじゃ」
オーキドは呻くペリーに半ば独り言のように語っていた。
シンオウはまだ遠い。
気付けば海の荒れは引いていた。
同時にペリー、船員たちの性的欲求も引いていた。
むしろ、オーキドの強さにちょっと、引いていた。
「エーット、今のナシナシ。ゴメンナサーイ、アイムソーリーヒゲソーリー」
「わかればいいんじゃ!シンオウに向かいなさい!」
「ハーイ、ビッパに向かいマース、オモカジイッパーイ、オッパーイ!!」
シンオウは遠い。
何処までも続く青い空と青い海。
視界に広がるはただ一面の青だ。しかし、その青さは同にして異。
「こうして見ると、やっぱり海の青さと空の青さは違うんじゃなあ、ペリーよ」
オーキドの言葉にペリーは内心、当たり前だろ、と思ったがそれを言ってしまうと、あのカイリキーたちに何をされるか分かったものではない。
「そ、そうデスネー」
そう返すのが精一杯だった。
この自然溢れるポケモン世界。
その自然のバランスはポケモンによって保たれていると言っても過言ではない。
常々、オーキドはそう思っていた。
ポケモンたちは確かに不思議な生物。この世界にとって異端である。しかし、オーキドは思う。
――我々、人間こそがこの世界にとって異端なのではないかと。
このことをキクコに話したとき、鼻であしらわれたことをオーキドは今でも覚えている。
同時にオーキドは思い出した。
この説の真相はシンオウという遥か離れた地方の神話に関係しているのではないかと言ったときの、キクコのそわそわとした様子を。
今思えば、キクコはシンオウ地方と何か関係があったのかもしれない。しかし、それを確かめる術は遥か海の彼方だった。
空の青さと、海の青さを区切る水平線へと太陽が沈んでいく。
その橙色の光は水面に混じり、溶け込むようにしてやがて消えた。
――そして夜。
オーキドは妙な息苦しさを感じ目を覚ました。何となく辺りを見回そうとしたが体が動かない。
「やばいな・・・」そう思った瞬間、腹の上にズシリと重みを感じた。
背筋がビリビリする。目を閉じようとするが瞼が言う事をきかない。
冷や汗でパジャマとシーツはビショビショだ。暗闇に何かが居る。
「見たくない」オーキドはそう思ったが、どうしても瞼が動かない。
暗闇になれた目がだんだんソレの姿を浮き彫りにしていく・・・
オーキドはあまりの恐怖に気を失いそうだった。いや、いっその事気を失ってしまえたらどれだけ良かっただろう。
そして彼はとうとうソレを見てしまった・・・!
見てしまった――否、見ざるを得なかったと云うのがこの場面において正しい。
オーキドは見た! そしてそのことを即座に後悔した。
嗚呼、何と表現すべきか。
これが昼間のような、ペリーや船員たちによる夜這いならばいっそどれだけ良かったであろう。
霊――オーキドの上に覆いかぶさっていたものは、まだ幼い子供の霊であった。
カントーにおいてオーキドは霊の存在を実際にその目で確認したことはなかった。確かに、サトシからシオンタウンのゴーストタワーの事件は聞いていた。
だがしかし、それすらもにわかに信じ難く、この目で見るまでは否定していたのに――その張本人が目の前に、いる。
彼、いや、暗くて良く判別できないので彼女かもしれない。その霊はオーキドの布団の上に座って何事か呟いていた。
オーキドは声を出そうとしたが、できなかった。体勢を変えようにも動けない。
彼あるいは彼女はずっと呟き続けた。
……デ。
何を言おうとしているのだろう。
何を伝えようとしているのだろう。
……ンデ。……二…………ノ?
オーキドは意識を集中させた。
……ナンデ。ココニキタノ?
聞き取れた――同時に子供の顔が眼前に近づく!
その顔色は青く、血の気というものが感じられなかった。
「うわあぁあぁぁぁあああ!!」
それは、オーキドの持っていたキクコとキクノの写真。瓜二つの双子のいずれかに似ていた。
その頃、ナナカマドは発狂していた。↓
「ふひゃひゃー! ふひゃひゃひゃひゃひゃー!」
「博士! 博士! 落ち着いてくださいよ!! 三歩進んで二歩下がって行こうなんて言い出したことは本当謝りますからあ!」
ナナカマドはとてもポケモン界の権威とは思えない発狂ぶりであった。
いや、ただ四年ぶりに帰ってきて吸った故郷の空気に感動し、狂喜していただけかもしれない。
「ナナカマド博士……そんなんじゃ、他の博士になめられますよ。先月までポケモン界の権威のオーキドさん、ウツギさん達とポケモンの卵を研究していたナナカマドとは思えません。いや、あんたはナナカマドなんかじゃない! ただの変態親父だ!!」
その言葉はナナカマドの胸を貫いた。
私は誰だ? シンオウ一番の研究者ナナカマドだろう。先月までジョウト地方でポケモンの卵について秀逸な研究レポートを提出したじゃないか。
その言葉はナナカマドのプライドを取り戻させた。
大好きな子供にこんなことを言われている場合か。思い出せ。私は――ナナカマド。
「すまなかったな、コウキ君……おや、鞄がない?」
その言葉でコウキは我に返る。
「あー! きっとさっき忘れて来たんですよ! 僕、取りに行って来ます!」
コウキはナナカマドをその場に残すと、シンジ湖へと走って行った。
ナナカマドはその背をいやらしく――否、ほほえましく見送った。
―シンジ湖
「ねえライバル君、あそこに鞄が落ちてるよ」
「あん?あ、マジだ中に何か入っているかもしれないな」
湖の横の草むらの中に古びた鞄が落ちていた。
ヒカリとライバルのクロゾウ(適当)は鞄に近寄ろうとした。
ヒカリはきづいた。
「野生のポケモン出てきちゃう!」
予想通り野生ポケモンが出てきて、予想通りそれぞれのパートナーを選んだ。
ヒカリはポッチャマ、クロゾウはヒコザルだった。
そのころギンガ団はなけなしの資金で
パイプ爆弾(ギンガボム)をつくっていた。↓
ところが、不注意で爆発し、ギンガ団は滅びました。
という夢を見たギンガ団のしたっぱ。
したっぱ「うわぁぁぁぁぁぁ!」
幹部「そこのお前!今居眠りしていただろう」
したっぱ「い、いえ、これは、その、」
幹部「もういい、お前は明日からアジトに来るな」
したっぱ「そんな!それだけは勘弁してくださいよ」
幹部「渡したポケモンも返してもらう」
したっぱ「ああ…俺のピッピがぁ」
ピッピを取り上げた幹部のマーズはそのピッピを見て満足げに微笑んでいた。
「かぁいい……ふふっ」
部下には見せられないマーズの意外な一面。
部下どころか誰にも見せられない。特にアカギ様になんて見せられるわけがない。
あの方は何を考えているのかさっぱり分からない。ただ、そのカリスマ性、思想の偉大さのみは雰囲気で伝わってくる。
まさに生き神――マーズにとって、そしてギンガ団の者すべてにとってアカギは神であった。
「マーズ。何しているのだ」
こういうときに限って嫌な予感は当たる。
むしろ、先の流れからしてこれはアカギ登場フラグであった。マーズは自らの迂闊さを呪った。
アカギは思想のためならば犠牲をいとわない。今まで失敗してきた部下を冷酷に切り捨ててきたではないか。
そのアカギに、ポケモンを可愛がっていたところなど見せられるはずも無い。
「いや……あの、その……」
「ピッピか」
終った――マーズは思った。
「ピッピは戦闘には向いていない」
それもそうだ。こんな弱小ポケモンで生き抜けるはずがない。
「ゆっくり育て……ピクシーに進化し、強くなってから使ってやれ。それまでは任務で使うな」
意外な一言。
アカギはそれだけを言い残すと、その場を去っていった。
アカギの言葉に棘はなく、その一言の意図をマーズは計りかねていた――……
そのころクビになったしたっぱ
「くそっ、ピッピに大麻を埋め込んでおいたのに取られた!
後で売ろうと思ったのに!しかもクビにまでしやがった!こうなったら復讐だ!!」
・・・・おや!?
ピッピのようすが・・・・!
おめでとう!ピッピは
アジにしんかした!
・・・・おや!?
アジのようすが・・・・!
おめでとう!アジは
ピッピにたいかした!
「……?」
マーズはその一部始終を見ていた。
ピッピがアジに進化して、退化した。
ある物質がポケモンに作用し進化させることは学会で知られている。今回は大麻とその他の要因があわさり、ピッピはアジに進化したのだが……その進化自体が不安定だったために元に戻ってしまったのだ。
――が、マーズがそのことを知る由もなかった。
「……ポ、ポケモンって奥が深いのね」
マーズは任務に向かっていることもすっかり忘れて、しばしピッピを見つめていた。
「そうよ、ポケモンは奥が深いのよ」
聞き覚えの無い声に思わずマーズは身をすくめた。
今から任務なのに顔を見られるのはまずい。しかし、時すでに遅し。
声をかけてきた女性はマーズの隣にまで来ていた。
マーズがいたのはソノオシティへと向かう道路。その草むらの中に身を潜めて作戦を頭の中でシミュレーションしていたのだ。
この世界じゃ草むらの中にいることは普通の風景。怪しまれなかったのは幸いだが……この女、どうするか。
女性はそんなマーズにはまったく気にかけた様子はない。
金髪に黒いコートのよく似合う、見目麗しい女性であった。
「ポケモンは本当に奥が深いわ。今のも見たでしょ? 何だったのかしら……」
女性はそう呟くが、マーズにも分かるはずがない。
「私たち人間よりも昔からポケモンたちは存在したと言うわ。昔の文献にそれが載っている。私はそういう民俗学や、神話を読むのが好きなの」
女性は一人で語るとにこっと笑った。
「くすくす。私の名前を言ってなかったわね。私はシロナ。神話が好きな女よ。そろそろ行かなきゃ……また会ったらよろしくね」
シロナは一方的に語ると去って行った。
マーズは呆気に取られた顔でシロナが去っていくのを見ていた。
任務に向かう途中に顔を見られた……が、あの女性なら大丈夫だろう。神話のことしか頭に無さそうだし。
神話のことしか頭にないなんて、まるで今のアカギ様みたいだ。
それを思うと、アカギとシロナの持つ不思議な雰囲気は少し似ているような気がした。
気のせいね、マーズは頭をふって雑念を消した。
今から任務。
私はソノオシティを素早く抜け、例の発電所へ。道路の封鎖もしたっぱたちに頼まないと。
マーズはアジに進化して、退化したピッピの入ったボールをポケットにしまう。
この子はまだ戦えない。いつか一緒に戦う日まではお留守番。
マーズは一人ごちると、その場を後にした。
その頃ナナカマドはコウキを待ち続けて3時間
ずっと3歩進んで3歩下がっていた
「くそっ!この場で待たなければならない!!つまり3歩進んで2歩下がっていてはいかん!!」
「3歩進んで・・・3歩下がって・・・3歩・・・ふひ・・・ふひゃっ」
「ふきょきょきょきょきょうぇっうぇっうぇぐふふふふふふふふ」
そしてまた狂ってしまったのであった
そのころコウキは・・・
コウキはヒカリとクロゾウと合流していた。
「よかった! カバンあった! ……あれ、もしかして鞄の中のモンスターボール使った?」
「ごめんなさい……野生のムックルに襲われてつい」
コウキが鞄を覗き込みながら言うと、ヒカリは申し訳無さそうに事情を説明した。
「まいったなー……、博士あんな状態だし……一度、研究所に帰って、お父さんたちに聞いてみるかな」
博士と言うからには偉い人なのに、ここでは見事なまでのスルーである。
それもそのはず、ナナカマドは相変わらず、「ふきょきょー!」などと声をあげているからだ。それはここまで聞こえている。
事情の知っているコウキはそれを無視していたし、事情の知らないヒカリとクロゾウはそれを野生ポケモンの鳴き声だと思っていた。
コウキはしばし考え込むと、なにやら一人で結論を出した。
「この鞄は博士のだから持って行くね!」
そう言うと、鞄を閉じて走って行った。
後に残されたヒカリとクロゾウ。
「何だあいつ……忙しいやつだな」
クロゾウの声にヒカリは心から同意した。
「ほんと。ちょっと急ぎすぎだよね」
「よし、ヒカリ。とりあえずこの草むらから出ようぜ。さっきので俺のポケモン傷ついちゃったし……」
「え、もうあんたのモノ?」
ヒカリの台詞にクロゾウははっとした顔になった。
「そうだよな……、これ人のものなんだよな……ヒカリ、お前、先に行けよ。ポケモン返すのは当然だって分かってる。だけど、もうちょっとこいつと一緒にいたいって言うか……」
「そうよね。返さないといけないけど、せっかく一緒に戦ったのに。私もポッチャマと別れたくない」
「俺さ、こいつと一緒に強くなりたい……」
「……」
二人の間にしんみりとした空気が流れる。
返したくはない、しかし、これはあのコウキと博士のものである。
その気持ちが二人の足を前へと進ませていた。
「あ、君たち!」
ヒカリのものでもクロゾウのものでもない声が響いた。
二人が声のする方向を視線を向けると――そこにはコウキと、ナナカマド博士がいた。
87 :
名無しさん、君に決めた! ◆inYZrHXkLc :2007/01/30(火) 00:57:46 ID:XczVwx9Y
ナナカマドは発狂していた
(チラシの裏)
ナナカマド発狂しすぎ
「あの・・・このポケモン・・・」
クロゾウが口を開くとナナカマドは「ふきょきょきょ!」と返事した。
「えっと、一緒に強くなりたいっていうか・・・」
ヒカリも口を開く。
「よいよい!よいぞ!わしは子供が好きなんじゃー」
ナナカマドのおかしさは常人ではなかった。
「良いってことは・・・・・・・いいんだ!」
ヒカリとクロゾウの声がはもった。
こうして二人は、それぞれのパートーナーを手に入れて旅に出た!
「だめだこのバカ博士。ぼくはナエトルもらっとこっと」
コウキはナエトルをパートナーにした。
「くく、復讐の段取りはこれでいい」
マーズはアカギから重大な任務を負かされている。
すなわち、谷間の発電所を制圧し、その電力を奪うこと――これは電力を多く使う実験にとって、無くてはならぬ作戦である。
その重要な作戦を、このしたっぱ元団員は潰そうとしているのである。
それはこうだ。
本来、任務につくはずの隊員と自分が交代し、今回の任務を邪魔する勢力の手助けをすることだ。
わざと口を滑らせて任務をばらしたっていい。
彼の目的はただ一つ。自分をこけにしたマーズに復讐することのみ。
マーズは、部下の入れ替わりなど知らず、作戦を開始する。
ポケットにはお守り代わりのピッピ。
そして、戦闘で使うポケモンはズパットとブニャット――どちらも彼女が昔から愛用していたポケモンだ。
同時期、癇癪ばかり起こすナナカマドのことなど放っておいて、ヒカリたちは旅に出ていた。
ヒカリは、コウキとクロゾウの二人と別れて、現在、ソノオタウンへと到着していた。
道中、クロガネシティでジムリーダーのヒョウタとバトルし、バッジも一つゲットしている。
「そういえば、コトブキシティで会った変な集団って何だったのかしらね、ポッチャマ」
ヒカリは足元を歩くポッチャマに話しかけた。
この世界ではポケモンはモンスターボールに入るものだが、ポッチャマは何故かそれを嫌がる。
ヒカリは、ポッチャマが自分とずっと一緒にいたいのだと解釈して、ポッチャマのしたいようにさせていた。
――が、ポッチャマの視線はヒカリのスカートの中を向いていた。
「ギンガ団だっけ? 何か嫌なやつらだったけど……大丈夫! もう会わないよね?」
スカートの中を見つめるポッチャマ。
「うん、あんなの出て来てもポッチャマの敵じゃないわよ!」
力強く頷くヒカリに、頼もしく応じるポッチャマ――と思わせて、スカートの中を見つめるポッチャマ。
そんな視線には全く気付かないヒカリであった。
やがて、ヒカリはソノオタウンへと到着し、花が美しく咲き乱れる風景にしばし見とれると足早に次の目的地へと向かうことにした。
「谷間の発電所は一度見ておかなきゃね〜珍しいもんね! ね、ポッチャマ!」
ポッチャマの視線はスカートの中である。
その頃、したっぱ元団員はまんまと正規の団員と入れ替わって、発電所の前に立っていた――
(^_^)
厨房乙
シュッポッポ
ぽっぽおくぃうdgふぁsdfちおあs@ごかdふぉpがd@pfがdgあdfがsどkg@あdfkgぱdfg
アルセウス
亜fはsl;dfじあsdぽfじゃsりおjふぁsdえfたえろctかえろp
ハニャーンなjkshぢあsんgfぅ亜ウェbhjkxふぁけfまんこあsどいfほあせhcふぃいあそたえh
SXAWEATEBBTERCWERAWTSEXSEXSEXSEXSらおうぃえjtらえいytrhじおpsjh@ぱえふぉgかおpdごかdふぉp
『……チュー……ボーー…………オッ……』
アカギはテンガン山の頂上で部下に採取させた音声をテープレコーダーで再生した。
『シュッポッポ……っぽっぽおくぃう……ガガ……ごか……』
もはや何を言っているのか聞き取れない。
おそらく凡人には理解の出来ないであろう難解な言語を彼は解析していく。
『アルセウス……は……じあ……ハニャーン…………あそたえ……あかいくさり』
アカギの手が止まった。
その口元が見る見るうちに弧を描く。
「アルセウス。かの創生主の生み出せし分身、時の神ディアルガ。ついについにその復活の方法を見つけたぞ」
アカギは高らかに声をあげた。
その声は勝者にのみ許されたもの。アカギは長い年月を経て、ついにその夢を目前にまで追い詰めたのだ。
「あとは、マーズが電力を奪い、ジュピターが研究員を確保すれば――」
完璧だった。
アカギはその気持ちを伝えたかった。かつての友に、かつては友だった者たちに。
――机の上の資料の脇には一枚の写真が飾られていた。
金髪の見目麗しきシンオウのチャンピオン、シロナ。
もっとも高みに在る伝説の男、クロツグ。
鮮やかなるコーディネイター、アヤコ。
そしてその夫であり、アカギの親友であったアオバ。
五人の若かりし頃のありのままの姿がその一枚には刻まれていた――……
そのころヒカリは女の子に頼みごとをされていた。
「おねえちゃん、発電所のお父さんを呼んできてほしいの!」
ヒカリは「うん」と頷くとポッチャマと一緒に発電所に向かった。
しかしそこはカギがかかっていて、その上にギンガ団のしたっぱもいた。
したっぱはバトルをしかけてきた!
↓
ヒカリ「いけポッチャマ」
したっぱ「こっちはこいつだ!」ヒカリ「それなら戻れポッチャマ!」
したっぱ「ふふー交換したら勝てると思ってるのかw」
ヒカリ「ゆけ〜ワンリキー」
ワンリキーのクロスチョップ!効果は抜群だ。
したっぱ「うわ、やられた」
ヒカリ「勝ったークロガネでワンリキーゲットしといて良かった!」
・・・・おや!?
ワンリキーのようすが・・・・!
おめでとう!ワンリキーは
アジにしんかした!
・・・・おや!?
アジのようすが・・・・!
おめでとう!アジは
ワンリキーにたいかした!
・・・・おや!?
ワンリキーのようすが・・・・!
おめでとう!ワンリキーは
ゴーリキーにたいかした!
「・・・今の何だったの?」
答えを知るものは誰もいなかった。
ともかくゴーリキーに進化したので結果オーライ、大丈夫!
来た――彼は感じていた。
今この瞬間しか、マーズの邪魔をする場面はない。
この一言を言うためだけに、こんな子供に負けてやったのだ。
レベル11のニャルマーだけでバトルを挑んだのだってこの一言のため。
彼は素早く発電所の中に入ると鍵をかけて、言った。
「花畑にいる仲間がここの鍵を持ってるなんてこと、絶対にないからなっ!」
これで彼の復讐は完成したのであった。
――後に彼は中から鍵をかけなければ簡単に復讐できていたことに気付くが、それはまた別の話である。
どちらにせよ、花畑に向かったヒカリによって別のギンガ団員は倒され、発電所に侵入される。
マーズはぎりぎりのところで、電気の一部を奪って逃走する。
邪魔したという一点において、クビにされた元団員の復讐劇は幕を閉じたのだった。
しかし、ヒカリはまだギンガ団の真の目的を知らない。
この物語の幕はまだまだ開いたままである。
ヒカリはソノオタウンを後にして、ポッチャマとゴーリキーを相棒に次の街へと急ぐのだった。
・・・・おや!?
ゴーリキーのようすが・・・・!
おめでとう!ゴーリキーは
アジにしんかした!
※たいかできません
というアジのCMが、とある民家のTVに映っていた
※ゴーリキーはアジに進化できません
>>101 マジでふざけるのやめろ
だいたい「アジにしんかした!」って全然面白くないし
ふざけるにしてもセンスなさすぎ
と言う声が民家から聞こえてきて、ヒカリはそのとおりだと思いました
テレビにアジのCMが流れている。
そしてその後にギンガ団のCMが流れるのを確認して、ギンガ団三大幹部ジュピターは電源を切った。
「よしよし。我らの活動は順調だな」
彼女がそう一人ごちていると無線通信が入った。
『こちらマーズ……思わぬ邪魔が入ったけど何とか電力装置を奪えたわ』
マーズの作戦が危いのはジュピターも報告を受けていた。
しかし、彼女は逃げながらも任務成功の報告を入れてきたのだ。
「あら、なかなか苦戦したようね、マーズ?」
ジュピターはハクタイシティにあるギンガ団のアジトの最上階にいた。
『ふん、貴女はだいぶ退屈そうで何よりね?』
「くっ……」
ジュピターは忌々しげに呻いた。
この二人の仲は正に犬猿の仲だった。子供の頃からの付き合いで、昔から何かと反りが合わないのだ。
しかし、二人そろってアカギに忠誠を尽くし、ギンガ団に入団したことから考えても、いわゆる“ケンカするほど仲が良い”というものなのだろう。
『今回はまあ、私がアカギ様の役に立っちゃって本当にごめんなさいね? ほほほほ』
マーズは無線の向こうで高らかに笑い声を上げる。
そうなのだ。今回、アカギの最終計画に直接関係している任務についたのはマーズである。ジュピターはハクタイにあるビルで留守番をしていた。
『そういえば、私はアカギ様から新しいポケモンを育てることを許されたわよ。可愛いのよ〜ピッピって言ってね――』
マーズの自慢はなおも続く。
ジュピターの嫉妬心ははちきれんばかりであった。
ピッピだと!? 可愛いものには目が無いジュピターにとって何よりも羨ましい存在である。
指を振る仕草が愛くるしい。
あの耳になじむ鳴き声が可愛らしい。
そして何よりも、あの肌ざわり!
なんて羨ましい。
しかし、ピッピならば私にだって! ジュピターは思案をめぐらせた。
「と、とりあえず……報告はわかったわ。私も忙しいので、そろそろ通信は終らせてもらうわ」
『ちょ、ちょっと―――』
ジュピターはそう告げると一方的に通信を切った。
ジュピターの任務は―――ギンガ団の力となるポケモンを集めること。
彼女は部下を呼び出して命令した。
「ちょっと貴方。ピッピをゲットしてきなさい。人のものでも構わないわ」
「はっ。了解しました」
部下は頼もしい返答をすると、即座に部屋を出て行った。
もうしばらくするとここにはあの可愛らしいピッピが―――
ハクタイシティに不穏な空気が流れ始めていた。
「・・・・・・・・」
通信を終えた部下はふと思った。人のものを取ったら泥棒・・・そう母親から教えられたはずだと。
ギンガ団に勤務するこの男、歳は30。髪は野球部の少年の様に短く、毎日決まった時刻に起き、
2、3キロほどジョギングした後、ベランダの花に水をやり、朝食。
朝食はいつも目玉焼きをのせたトーストとセロリとモーモーミルク。
日々の習慣をコントロールすることによって、自らの心身を鍛錬し、制御できる様になると考えているのだ。
彼は犯罪を強く憎んでいた。
犯罪は、人の精神を堕落させ、世界の崩壊につながると。何より、数年前に母親を事件で失っていることが
大きく関係していた。
ギンガ団を正義だとは思っていなかったが、アカギの事は絶対的な正義であり、彼についていく事こそが
自らの正義だと信じて疑わなかった。
「しかし今回の任務はなんだ・・・」
彼の中にある感情が芽生えはじめていた
運が悪かったのは悩んでいるうちに目の前にピッピを連れたじいさんと孫と思われる女の子が通りかかった。
彼は、「少し借ります」と言ってピッピを抱いた。
「何をするんですか。勝手に。」
じいさんは文句を言って来たが彼は無視した。連れて帰ってジュピター幹部に聞いてから納得がいかなかったら解放するつもりだった。
孫の泣き叫ぶ声がハクタイに響いた・・・・。
その頃、ヒカリはハクタイシティに行くためにハクタイの森にいた。↓
「モミさん……この森薄暗いよぉ」
ヒカリは暗いところが嫌いだった。
何故かは分からない。小さい頃、それは多分、ヒカリが物心をつくよりも前から植えつけられた恐怖心からくるものなのかもしれない。
ヒカリという名前は、そのまま、希望あふれる「光」からとったものだと聞いている。
母のアヤコは、今は亡き父がつけたものだと言っていたが……ヒカリは深く知らなかった。もちろん、知りたい気持ちはある。
けど、愛する人を失った母に対して傷口に塩をぬるような真似はできない。
「ふふ、大丈夫よ」
モミはヒカリに安心させるような笑みを見せた。
「よかった〜」
「ただ――お化けは出るらしいけどね」
その言葉にヒカリの背筋が凍りつく。
同時に背後でガサッと物音が聞こえた。
ヒカリはあらん限りの声で悲鳴をあげた。
「キャああああああああぁぁあああああ!」
「ヒカリちゃん、落ち着いて! ほら、野生ポケモンよ」
モミの指さす先にはミミロルがいた。
「な、なんだ。ミミロルか……うん、幽霊なんていない。だいじょーぶ」
ヒカリは自分に言い聞かせるように言った。
「何とかばれなかった――」
緑を裂くように駆け抜ける影――ハクタイシティチャンピオンのナタネであった。
森を抜ける人は、多い。
しかし、あの場所の近くまで迷い込んでいるトレーナーがいたとは。
ただ、あの建物に入られる恐れは、ない。侵入者防止用に立ち木を植えておいたからだ。
あれを越えられるとすれば、「いあいぎり」を使いこなせるほどの実力の持ち主しかいないだろう。
そのような実力のトレーナーは多々いるが、そのトレーナーがこの森のあの場所に行く確率は限りなく低い。そういった意味で、あの柵は必要なのだ。
そう、あの場所。
私にとって、始まりの場所。
森の奥に密かに佇む洋館――
「とりあえず、誰にも見られずにお供え物は置いてこれたから良かった……」
ナタネはハクタイシティに戻るとほっと一息ついた。
女の子が泣いている声が聞こえる。子供が泣くのは仕事である。別に珍しいことではない。
大方、転んだか何かしたのであろう。それに、どこから聞こえてくるのか分からない。
次期に、親がかけつけて子供も泣き止むだろう。
ナタネはハクタイジムへと、戻った。
その直後、ヒカリはモミと共にハクタイの森を抜けて街へとやって来た。
ヒカリはモミに礼を言うと、別れた。そして、ハクタイシティの独特な町並みにしばし見とれる。
歴史の残る古さと、近代的な建物の建ち並ぶ新しさ。
新旧の交じり合う独特な街の外観が不思議な感じがした。
そんなヒカリの耳に子供の泣き声が聞こえてきた――それはどうやら、近代的なビルの中から聞こえるようだが、木が邪魔で入れない。
「んー、ジムリーダーさんなら何か知ってるかなぁ?」
ヒカリはハクタイジムを目指すことにした。
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↓ ここから何事も無かったかのように
>>109の続きから再開 ↓
おや、ハクタイジムのようすが・・・・
おや、ハクタイジムのようすが・・・・何か・・・変だ・・・
そう
今ハクタイジムにはナタネが居なかった
ジムを仕切るナタネが居なくなった事により、ジム内のトレーナーが持ち場を離れてケンカを始めていたのだ
「私のポケモンの方がナチュラルだわ!」
「何を!・・・それよりそのポケモン、ちょっと田舎臭いんじゃないの?」
と、
子供のようなケンカをしている所に、ナタネが帰ってきた
持ち場を勝手に離れ、まぁなんともレベルの低いケンカをしているジム内のトレーナー達を見て
呆れながらこう言った
「おまんら、ケンカしてはいかんざき!」
「良スレage」
「おまんら、ケンカしてはいかんざき! りょうすれぃあげ」
ナタネははっとして口を閉じた。
しまった……故郷の言葉が出てしまった。
案の定、ナタネの言葉にジム内は静まりこんでいる。
常日頃からナタネはジム内において忌避されていた。それは強さ故の忌避では、ない。
ハクタイの森のあの洋館とナタネが関わりのあるという噂それ故にである。実際にその真偽を知る者は一人を除いていないとナタネは思っている。
そして、その一人は――チャンピオンリーグ、もっとも遠き場所に居る。
「と、とにかく持ち場に戻りなさい! もうすぐここにトレーナーが現れるわ! 気を抜かず、相手をするのよ!」
ナタネは何とか威厳を保とうと声を張り上げた。
皆はその声を聞くと持ち場へと戻っていく。
ナタネはそんな様子を哀しそうに見つめた。別に嫌われているわけではない。ただ、この街に住む皆にとってハクタイの森の洋館に関する事柄は全て禁忌とされているのだ。
故に洋館へと足繁く通うナタネの存在は、皆にとってどう扱えば良いか分からない目の上の瘤のようなものなのだろう。
「キクノおばーちゃん……」
ナタネの哀しげな呟きはやげて宙へと霧散して行った――……
その頃、ヒカリはハクタイジムの入り口へと到着していた。
その頃オーキド一行ミオシティに到着↓
オーキド一行はミオシティに到着した。
ペ「ようやく到着しまシタネ」
オ「ワシは少し疲れた様だ」
ペ「あ、あそこに宿屋がアリマスヨ」
オ「ふむ、今日はあの宿屋に泊まろうかの」
――ペリーとオーキドの目線の先には古びた小さな宿屋が建っていた。
横に立っている看板に波止場の宿と書いてあった。
「む、鍵がかかっておる」
オーキドが扉を開けようとするが、扉は軋んだ音を立てるばかりで開く気配がない。
「任せてクダサーイ」
ペリーは腕まくりをすると、扉へと近づいた。その指先には針金が握られている。
オーキドはその意図に気付いて彼を止めようとするが、数々の扉を犯してきた――否、開けてきた彼の手にかかれば物の数秒ともたなかった。
「ハッハー。こんな旧式、ワタシの敵じゃナーイ」
「まあ、開けてしまったものは仕方ないのう……。どなたかおりませんかー?」
奥から出てきたのは、みすぼらしい身なりに包まれた高齢の男だった。
「ヒヒヒ。お泊りの宿をお探しですかな?」
「いやー、そうなんじゃが、ここに船乗り全員は泊まれませんな」
オーキドがそう言うと、ペリーは涙を浮かべながら言った。
「ワタシたちは船乗り。船と共に運命を共にシマース。アソコがワタシたちの家。デスカラ、ここでオワカレ」
ペリーは自らの使命が終ったことを告げた。
船乗りとは運ぶ者。
遠くの土地からまた土地へ。数々の物を運ぶ。そして、時には人も。
「ペリーは、今回の旅でオーキドサンに大事なコトを教えてモライマシタ」
ペリーは学び取っていた。オーキドから、とても大事な大事なことを。
「ワタシはそれを求めにもう一度、旅に出ようと思いマース」
「そうか……寂しくなるのう」
ペリーと船乗りたちは今まで人を運んできた。いわば、人のためにする航海であった。
しかし、今回の旅でペリーは気付いたのだ。自らのためにする航海を。
「では、ワタシタチはもう行きマース」
ペリーはオーキドに別れを告げて、ミオシティを後にした。
その目はオーレ地方や、ジョウト地方でバカにされ続けた男の目ではなかった。もう一人前の男の目になっていた。
「ヘイ、野郎ドモ! イキマース! 目的地はワンリキー、ゴーリキー、カイリキーのみが生息すると言われる幻の島、イイオトコ島デース!」
「イエッサー! オモカジイパーイオパーイ!」
「ヨーソロ! ホモダチイパーイオパーイ!」
彼らは旅に出た。
その旅の先にまだ見ぬ相棒を求めて――……
オーキドは不甲斐なく男泣きしてしまっていた。
その船が消えるまでいつまでも、いつまでもその行く末を見守り続けた。
「くう、本当にいい男たちであった。はて……」
そこでオーキドは先ほどまでいた宿のことを思い出した。
その扉はまだ、開いている。
「泊まる場所もないことじゃし、ゆっくりすることにするかのう」
宿に入ると、先ほどと寸分変わらず、主人らしき男が立っている。
「ヒヒヒ。泊まる宿をお探しですか?」
オーキドはとりあえず、壊してしまった鍵のことは黙っておくことにした。
「はい、一名でお願いします……む、急に眠気が来たぞい」
「それはそれは。長い船旅で大変だったのでしょう。ささ、どうぞこちらへ」
オーキドは主人に連れられて宿の一室へと向かった。
その頭はもう、朦朧としている。
「さ、ここに横たわって……」
オーキドはベッドに横になり、やがてその意識はブラックアウトした――
夢。夢を見ていた。
長い長い夢。そして暗い暗い夢。
ダーク。暗黒。血暗。ダーク、暗い。暗い暗い暗い暗いクライクライクライクライクライクライ、ダークライ。
オーキドはそこでは何故かキクコ瓜二つの女性の旦那で、二人の姉妹の親であった。
深くは思い出せない。しかし、その夢が惨劇であったことは漠然と覚えていた。
「むう……どんな夢じゃったかな」
その脳裏には何となくその屋敷の風景が残っていた。
その場所に行けば、キクコに関わる何かが見つかるかもしれない。
よし、シンオウ地方を回ってみよう。オーキドは決意した。
時刻はもう、朝。窓から日差しが差し込んでいる。
夜には気付かなかったがこの宿は相当古いようだ。よくこんな埃にまみれた部屋で眠れたものである。
しかし、泊まったことは事実。宿場の主人に挨拶をして出て行こうとする。
「すみません、お代を払いたいのですが……むう、誰もおらん」
オーキドはカウンターに人がいないのを確認して、されに声を張り上げた。
後ろに突然、人の気配がして振り向く。
「お、ご主人――」
宿屋の主人ではなかった。格好からしておそらく船乗りだろう。
「あんた、この宿はもう何十年もやってないぜ? 一体、何してたんだ?」
「そ、そんなことは……昨日は人がおったぞい」
「そりゃあんた、化かされたんだろ。街の人はここに寄り付かないが、時々あんたみたいな他所者は引っかかるんだ」
オーキドは男の言うことが理解できなかった。
「昔からこの宿には出るって聞くからな。何にしろ、早く出た方がいいぜ。取り憑かれちまうよ」
船乗りはそれだけ言うと部屋を出て行った。
オーキドは絶句した。
ようやく、わかった。昨日のあれは――、あの主人は――
オーキドは一目散に宿を後にした。
その頃ヒカリはハクタイジムで大勝利していた!
「粉砕、玉砕、大喝采ー!」
123 :
名無しさん、君に決めた!:2007/02/03(土) 20:41:32 ID:RjC4PkzM
★☆★☆★☆保守★☆★☆★☆
オーキドの前に洗脳されたグリーンが
オーキド「グリーン!」
グリーン「おじいちゃん…しね!」
グリーンは攻撃してきた。
オーキドはカイリキーでそれを塞ごうとしてやめた。
オーキド「これは幻じゃ…」
すると、グリーンは消えていった。
オーキド「わしの孫はシゲル。少なくともこの世界にはシゲルしかおらん」
オーキドはダークライの夢の残り香にやられていたんだった。
(チラシの裏)
>>125 ナナミさんをお忘れですか?
それとも既に彼女は…
オーキドは考えていた。あの悪夢は一体何であったのかと。
「長旅で疲れておったのかのう……」
オーキドは改めて辺りを見回した。ここはミオシティ、人の行き交う街。
――人の集まるところには知識も集まる。オーキドの考え通り、そこには知識の結晶、図書館があった。
「幽霊、妙な夢、世界の成り立ち……調べものは多いのう」
オーキドは自らの課題の多さに改めて気づき、苦笑した。
ミオ図書館――その蔵書数はシンオウのみならず世界一とも言われている。
「話には聞いていたが……こりゃすごい」
その膨大な本の数に半ば圧倒されそうになるオーキドだが、すぐに自らの作業に取りかかる。
その作業は一日で済むはずもなく……、数週間にも及ぶ大作業になるのであった。
――数週間後。
オーキドはある程度の仮説を幾つか完成させていた。
一つ。幽霊の存在。人およびポケモンは強い思いを抱いて死ぬとそれは幽霊となりこの世をさまようこととなる。
まだまだ実例は少ないが、ゴーストというポケモンの属性。フワンテという種族など、それに類する例は多い。またギラティナという未知なるポケモンもいるらしいが、こちらは資料不足のため、わからない。
二つ目、三つ目――結論づけるのはまだ先でいいだろう。オーキドはまだフィールドワークを行っていない。
オーキドはミオシティを後にした。
時はそれよりも少し遡る。ハクタイシティジムにてヒカリはトレーナーたちとバトルしていた。
――――――――――
(チラ裏)
>>126 とりあえず、「孫」を「男孫」って勝手に解釈しておいた。あんまり反省していない。
ミオシティを後にしたオーキドは218ばんどうろを歩いていた。
「ふむ、トレーナーに見つからずに行こう」
オーキドはトレーナーの目を掻い潜り進んだ。
「よしここまで来れば良いだろう」
しかし隣町に行くには波乗りを使わなければ行けなかった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
勢いで書いた、全く反省はしていない。
保守
そのころしたっぱ
したっぱ「仕事無いかなー」
保守
保守
134 :
名無しさん、君に決めた!:2007/02/11(日) 14:18:22 ID:N8Q8GDSn
したっぱの携帯に、電話がかかってきた。
「お、何だ?・・・もしもし。」
「もしもし、ジュピターだけど、もし暇だったら
頼まれてくれない?」
したっぱにとっては又とないチャンス。快諾した。
「あなたにはハクタイの森の洋館から、あるものを取ってきて
欲しいの。」
「洋館・・・、ああ、あの幽霊屋敷ですか! して、なにを
取れと?」
「板よ。」
「いた?」
「そ。なんでも希少価値の高いプレートなんだけどね、幾つかある
内の2つがそこにあるの。」
(うわ、めんどくさそうだな・・・。)
したっぱの感情を読んだか、ジュピターはまくし立てる。
「片方でも取ってこれたら御の字。両方ならどうなる?」
「・・・わかりました。すぐ準備を始めます!」
「それでいいわ。それじゃ、頑張って」
あっ!洋館だっ!やったー!・・・・・・・・・・・・何だよ、夢かよ!
マーズに一度クビにされたギンガ団のしたっぱ――名はヤスと言う――は、ジュピターからの命を受け、嬉々としてハクタイシティへと向かった。
そして、ハクタイシティのアジトに顔を見せに行った。しかし、誰もいない。
仕方ないのでソファーで昼寝をしていたのだが、ついつい夢を見てしまったようだ。内容はほとんど覚えていなかったが。
「けっきょく、ジュピター様もいないでやんの。連絡受けたからついでにアジトに寄ったのにさ!」
ヤスは一人ぼやくと、ビルを後にすることにした。
ヤスは知らなかった(ジュピターも連絡してくれればよかったのに)が、ハクタイのギンガビルはある少女の手によって壊滅させられていたのだ。
*
ジュピターの命令によってピッピを奪ったギンガ団員。ギンガ団に勤務するこの男、歳は30。髪は野球部の少年の様に短く、毎日決まった時刻に起き、2、3キロほどジョギングした後、ベランダの花に水をやり、朝食。朝食はいつも目玉焼きをのせたトーストと……以下略。
彼は、少女からピッピを奪い、ギンガビルへと戻った。そして、ジュピターに質問した。
自らのしたことは正義なのか、と。
ジュピターはこれを一笑にふした――
「自分は命じられたことをしました。しかし、これは正義なのでしょうか……自分にはとても信じられません」
「貴方の意見なんてどうでもいいの。これは仕事なの。任務なのよ? 言われたことをやればいいの」
ギンガ団員の質問を、ジュピターは相手にしなかった。
この答えにギンガ団員は唇を噛む。これが自らの信じてきたものなのか。
ギンガ団員の相手などせず、ジュピターが相手にしたのはピッピであった。
「可愛いわねぇ、私のピッピ。ふふ、これでマーズにも自慢されたりしないわ」
その一言に、ギンガ団員は答えを見出した。
「ジュピター様! 貴方はギンガ団を何であるとお考えか!」
噛み付くような一言にジュピターは冷たい眼差しを送る。
「貴方は、アカギ様の思想に共感してギンガ団にいるのではないのですかっ!」
その一言でジュピターの目の色が変わった。
その瞳に映るのは困惑。
「わ、私は……、アカギ様のためにここにいるわ」
「嘘です! 貴方が今していることは……自分の欲求のためだけだ!」
ジュピターの瞳に映ったのはもはや困惑ではなく、悔悟であった。
「私は――」
そこでジュピターは一度、言葉を切った。
「私が間違っていた。もう私利私欲のためには動かない。ギンガ団の望みは世界に真の正義を実現させること。捨てポケモンなどのいない、命の大切さを最重要視する、世界。私はっ! 私は……もう道を踏み外さないっっ!」
その宣言を聞いて、ギンガ団員はほっとした。
やはり、自分は間違っていなかった。そして、ギンガ団も間違っていなかった。
「では……このピッピは返してきましょ――」
その団員の言葉を切り裂いて、老人と孫の叫ぶ声が聞こえた。
「私のピッピちゃんを返して!」
「孫のピッピを返さんか!」
二人の剣幕は凄まじかった。
そもそも、このビルに入るのは木々が邪魔していて常人では不可能。この二人は一体どうやって入って来たというのか――しかし、団員のそんな疑問もすぐに消えた。
二人の身体の至る所に切り傷がついていたからだ。
その頃ペリーはイイオトコ島に着いた
ヤス「う〜んこ、こは・・・?」ヤスは洗濯機型のタイムマシーンに乗り、最低国というところに着いた、ヤス「また夢だよな・・・?」気味が悪いため振り向いたヤス、そこには・・・???「誰・・・?」弟のヴィクターがいた、ヤス「ヴィクター!」作者「改行全くしてないな」
「ここがイイオトコ島デスカー! うほっ、思ったとおりの島!」
ペリーと船乗り達は狂喜乱舞した。
そう、ペリーたちのカイリキーに対する愛情は本物だった。
「ビッパよりコッチの方が天国デース!」
彼らが言うビッパとは無論、シンオウ地方のことである。
彼らがイイオトコ島と比較したシンオウ地方では、今もギンガ団の暗躍が続いていた――……
*
「お、おまえたち……まさか無理をしてここまで侵入……」
老人と女の子のポケモンに対する愛情は本物だった。
それを見て、ギンガ団員は自分の判断が間違っていたことを知った。先に、ピッピを奪ってビルに戻るよりも先に、ジュピターに話をつけるべきだったのだ。
ジュピターにいたっては無言であった。自らの過ちによって、小さな者、弱い者が涙している。そのことにショックを隠しきれないようだった。
二人にとってタイミングが悪かったのはこの瞬間、ハクタイジムを踏破し、バッジを手に入れたヒカリがここに来たことであった。
「あなたたち! 弱い者イジメはよしなさい!」
今まさに悔い改めてピッピを返そうとしていたギンガ団員であったが、そのことにヒカリは気付いていない。
「ど、どうやってここまで来たんだ!」
「金髪の美人なおねーさんに秘伝マシン“いあいぎり”をもらったのよ。それで侵入者防止用の柵を壊したってわけ」
なるほど。それなら合点がいく。
ギンガ団員はヒカリの誤解を解こうとしたが、ジュピターがその声を遮った。
「ふふ、ピッピはここにいるわ。私が欲しかったから盗ったのよ……取り返したければ力づくでかかって来なさい!」
ジュピターは猛々しく声をあげた。
その声にギンガ団員は気付く。
ジュピターは今回の失敗の言い訳をする気はない。自らの過ちを過ちと受け入れ、このヒカリという少女に裁いてもらおうとしているのだと。
“いあいぎり”を使いこなせるトレーナーである以上、ヒカリは凄腕に違いない。ジュピターは敗北を見こしてその勝負を受け入れたのだ。
ポケモンバトル。無論、ジュピターの代わりに攻撃を受けるのはポケモンだ。
しかし、彼女は分かっていた。自らのパートナーと自分は一心同体。ポケモンたちもジュピターのみに罪の十字架を背負わせないことを。
そして、ポケモンたちは事実、そう考えていた。ジュピターのために全力を尽くして戦っている――そのことからも明らかであった。戦いたくないバトルならば、全力でやる必要などない。
彼らとジュピターは二つで一つ。そこに種族の垣根など、なかった。
――待っていたのは敗北。そして逃走。
ジュピターは自らの失態のせいでアジトを一つ失わせることになる。その失態の帳消しのために死をも受け入れるつもりの逃走であった。
*
こうしてヒカリによってピッピは取り戻され、ギンガビルのギンガ団さえ壊滅させられたのだが、そんなことをヤスが知る由もなく。
今に至るのであった。
「そもそも、ジュピター様がいないなら俺が任務する必要もないわな」
彼は任務を放棄し、どこかの国へと旅立った。
そこで彼は弟のヴィクターと出会うのであるが、それはまた別の話であった。
しかし、突然、ヤスが任務を放棄して姿を消したことで、ハクタイの森の洋館で不穏な噂が流れ始める。
――いわく、ハクタイの森では幽霊が現れ、夜な夜な人を行方不明にさせるのだ、と。
結果、ハクタイの森の洋館に近づくものはなお一層減ることになった。
ギンガ団、それは統制の取れていない組織。
ギンガ団、上は優秀だが下は無能な組織。
ギンガ団、色んな意味ではた迷惑な組織である。
???「アイグーアッパーカット!」
ヤス「何をするんだヴィクター!」
ヒカリはハクタイシティを後にした。
ハクタイシティでは自転車も入手し、その旅の範囲はだんだんと広がる。
「せっかく自転車もゲットしたことだし……、次はサイクリングロードかしら?」
彼女の旅は続く。続くったら続く。
ヤス「こいつ、ヴィクターじゃないのか!」
???「アイグーショット!」
ヤスは思い出した、こいつはサガット!確か最強のムエタイ戦士・・・
だが何故こいつがここに?
後ろには・・・
なんと・・・
傷だらけの・・・
ジュ・・・
・・・そこで物語は終っている。
過去にとんだヤスはそのまま神話として残っていたのだ。
「う〜ん。なんかよくわからない文献ね」
シロナはつぶやいた。そうだ。あのこは一体どうしているだろ。
ハクタイシティで会ったヒカリという子。彼女はなんだか昔の友達によく似ていた。
だからついつい手助けしてあげたくなったんだった。いあいぎりの秘伝マシンをあげたり。
面白いのでまた手伝ってもいいかも・・・シロナはそう考えていた。
ヒカリはサイクリングロードを下っていた・・・
「なんて楽なんだろ、ね!ポッチャマ!」
ポッチャマはヒカリに振り落とされないように後ろ向きにしっかりカゴにつかまっていた。たぶん、前を向くとスピードが出すぎてるので怖いんだろう。
「ポッチャマったらそんな真剣な顔して〜怖がりなんだから!」
ヒカリは笑って言った。けどポッチャマは怖がっていたのではなかった。ポッチャマが見ていたのは・・ヒカリの胸だった。
このポッチャマ、絶対に♂だ。
そのころホウエンでは、
ユウキ「人に嫌って言えない性格なんだよなぁ」
ケンコーばあさん「休んでおいき」
ユウキ「嫌です(即答)」
ユウキは貴重な回復ポイントを自ら逃し
エリートトレーナーのマリアに敗北
夢破れて帰路についた
と言った夢だったぜ、夢オチ!
なんだかんだでトウカシティに戻ってきたユウキ
ユウキ「頼もー!」
センリ「ユウキか・・・パパさん待ちくたびれちゃったよ〜」
ユウキ「げ、親父・・・(そういや親父のジムだったな)」
センリ「ふふ、身内だからといって手加減はせんぞ!」
ユウキ「望むところだ、バカ親父!(勢い余って俺を産ませやがって!)」
急にクオリティが落ちたな
前半の人どこいった?
ジグザグマはジグザグマと一緒に自転車に乗ってジグザグマに会いに行った。
その途中、野生のジグザグマの尻尾を踏んでしまった。
↓
156 :
王究斎:2007/02/14(水) 03:31:47 ID:fayXSqBh
野生のジグザグマは眉間に皺をよせた。
狸に似た鈍く老いた声が、サイクリングロード脇の原っぱに響き渡った。
若造のジグザグマとその自転車に一緒に乗っている別の若造のジグザグマめ。
わしを誰だと思っている。ここらでは知らぬものはいない、野生のジグザグマであるのだぞ。
この誇り高きジグザグマのわしに対してなんて失礼なジグザグマとジグザグマじゃ。
まさか友達のジグザグマに会いにいくんじゃあるまいな。まあいい、見ておれ。
と、ジグザグマジグザグマとややこしいことを思うが速いか、野生のジグザグマは、
自転車に乗ったジグザグマとその後ろに跨るジグザグマめがけて走り出した。
びゅんびゅん、びゅびゅんびゅん、びゅんびゅん、びゅん、とスイクンさん並の速さで
風をきる野生のジグザグマ。老いた身体に鞭うつも悲しいかな、ジグザグマは血筋から、
真っ直ぐには走れない。
果たして、野生のジグザグマは自転車のジグザグマとジグザグマに、あっという間に引き離され、
ついには石に蹴躓いてすてんっと転んでしまった。あはれな野生のジグザグマは、ヨロヨロと立ち上がると最早、
はるか前にいるジグザグマ二匹に向けてぽつりと言った。
「お前らどうやって・・・」
俺たちVIPPERだからさ!
自転車に乗る二匹のジグザグマ。彼らは風と一体となり、サイクリングロードを駆け抜ける。彼らを邪魔するものは何もない。彼らこそ風。彼らこそ、このホウエン地方最速の走り手――
老いたジグザグマは二匹の、「ビッパーだからさ」の発言を聞いて眉をしかめて言った。
「……ホウエンからもっとも遠い地方に住むといわれる伝説の珍獣ビッパだと!?」
その叫びにも似た問いに答えが返されることはなかった。彼らはまた、新たな敵を求めて旅に出たのだ。二匹はトウカシティに辿り着いた。そこにはセンリとユウキというトレーナーがいて、二人はバトルをしている。
二匹のジグザグマにとってそれはバトルというよりも、単なる親喧嘩のように見えた。二人はこの地方のトレーナーのレベルがあまりにも低レベルであることを悟った。
兄ジグザグマは言った――ここより、遠い地方に行こう。さっきの老ジグザグマが言ったビッパとやらなら僕らと互角の戦いをできるかもしれない。
弟ジグザグマは答えた――ビッパでなくても人間で僕たちより速ければ敵として不足はないよ、兄さん。
彼らは対にして個。二人で一つの兄弟だった。
彼ら二人、まだ見ぬシンオウ地方を目指して旅に出る。この旅立ちを彼らは忘れない。時にして、ヒカリがフタバタウンを旅立つ二ヶ月も前のことであった。
――そして時は流れる。
苦難に相次ぐ苦難。死と隣り合わせの海越え。この長き道のりを越えたものは人間でもそうはいないだろう。ましてやポケモンならば、伝説と謡われる彼のポケモンたちであっても成し遂げられたかどうか。
そう。彼らジグザグマ兄弟は三ヶ月に及ぶ長旅を終えて、今、シンオウ地方に立っていた――
愛用の自転車は、ない。長旅の最中、壊れてしまったのだ。彼らにとって、自転車を無くしたことはある意味、その命を無くしたにも等しかった。しかし、彼らはシンオウ地方に着くまで諦めなかった。
シンオウ地方に着けば、ビッパに会ってその走りを一目見るまでは、決して諦めまい。戦えずとも良い。共に走れずとも良い。その素晴らしき走りさえ見ることができたならば本望だと、彼らは本気で考えていた。
彼らに人間の言葉はわからない。そして、人間に彼らの言葉もわからないだろう。
ジグザグマ兄弟は何の情報もないままその足を進めた。ただ本能のままに……走り屋の聖地、サイクリングロードへと。
彼らの予想通り、このシンオウ地方にもそれは、あった。
そして――彼らの予想通り、このシンオウ地方にも最強の走り手は、いた。
「きゃあああああああああ、ポッチャマ、この自転車、ブレーキの効きが悪いよぉお!」
ミニスカートでありながら易々と自転車を乗りこなす。
華奢な身体つきでありながら目にも止まらぬスピードで駆け抜ける。
彼女こそ、最強の走り手。
彼女こそ、我ら兄弟でもかなわぬ走り手。
ジグザグマ兄弟は、彼女のチームに入ることを決意した。
ヒカリはすんでのところでブレーキをかけることに成功した。
壁と衝突は免れる。
「ふう……危なかったわ」
ふと見るとカゴに乗せていたはずのポッチャマがいない。
ヒカリは慌てて周囲を見回した。
「ポッチャマ! ポッチャマ! どうしよう……、さっきの暴走でどっかに投げ出しちゃったんだわ」
ヒカリがうろたえていると、背後から聞き覚えのないポケモンの鳴き声が聞こえた。
そこには目を廻したポッチャマを二匹で背負う、見たことの無いポケモンの姿があった。
「助けてくれたのね、ありがとう!」
ヒカリは二匹に例を言うと、ポッチャマを抱え上げた。
ふと見ると、二匹ともここを去る気配はない。
「んー、何てポケモンなのかしら?」
ヒカリはポケモン図鑑を拡げてみるがそこにはこのようなポケモンは載っていなかった。
「シンオウにいないポケモン……なのかなあ?」
疑問を浮かべるヒカリに何かを訴える眼差しを投げかける二匹の未知なるポケモン。
もしかしてこの子たちは自分についてきたいのではないか、ヒカリは思った。
「一緒に来たいの?」
その問いに、人間の言葉を理解できないはずのポケモンはこくり、と深く頷いた。
否、人間の言葉をできないものは人間と触れ合ったことのないポケモンである。彼ら二匹は今この瞬間、人間に心を許し――共に歩むことを決意した。故に、人間の言葉を解することができたのだった。
ヒカリは二人をモンスターボールで捕まえると、その場を後にしてヨスガシティに向かった。
しかしヨスガシティは廃墟と化していた↓
『しかしヨスガシティは廃墟と化していた』
一昔前に流行った映画のキャッチフレーズがポケモンセンターの壁に貼られている。
ここはヨスガシティポケモンセンター。一般利用の許可されている通信システムで、ヒカリはナナカマドと連絡を取っていた。
そして、未知なるポケモン二匹の種族名が「ジグザグマ」であることを知った。
ここシンオウ地方には居ないポケモンであると、ナナカマドは言った。
「どうやって来たのかは知らないが、おそらく、ホウエン地方から来たんじゃな」
通信画面のナナカマドはそう説明してくれたが、ナナカマドの視線が少しおかしい。
人と話すときは目を見て話しましょう――ヒカリは母アヤコからそう習ったものだ。しかし、ナナカマドは目を見ている気配はない。目よりも少し下を見ているような気がしたが、おそらく年のせいで視力が悪いのだろう、とヒカリは結論づけた。
ナナカマドはヒカリの胸を見ていたのだが、ヒカリは全く気付いていなかったのだ。
最近の子供は発育が良いのう……、ナナカマドは説明をすることも忘れてその未発達の胸に視線を集中させる。
子供が大好きナナカマドは今日も元気だった。
「――博士、ナナカマド博士」
ヒカリの声に慌てて姿勢を正すナナカマド。
「な、何かね」
「ホウエン地方って遠いんですよね……。そしてそこにもポケモンはいる。本当の図鑑完成を目指すならそこのポケモンも必要なんじゃないですか?」
ヒカリの言うことは一理ある。
ここシンオウのポケモンを全て見つけたからと言って、全世界のポケモンを見つけたことにはならない。
「確かにそうじゃ」
「じゃあ……。とっても遠い地方のポケモンなんて、それもとびっきり珍しいポケモンだったら集めることはものすごく難しいんじゃないですか?」
ヒカリの言うことは分かる。ナナカマドも、他の地方の権威たちもその情報の伝達を調査していた。そのため、ナナカマドは四年もこのシンオウを離れていたのだ。
「安心しなさい。今はまだデータ通信も遠い地方と行えるほどの技術はない。しかし、いつか必ず、遠くの地方ともポケモンの受け渡しが行えるようになる。それに……」
「それに?」
ヒカリは首をかしげて聞いた。
うひょ、可愛いのう――ナナカマドはまた悪い癖を出しそうになったが何とか我慢して続けた。
「近いうちにカントー地方から偉い博士がいらっしゃるらしい。その方はポケモン学会の中心にいる人で、若くて優秀なトレーナーとたくさんの面識を持っておる。これは何てうらやまし……げふげふ!」
ナナカマドは大げさに咳をして、何事もなかったかのように続けた。
「おっと失礼。つまり、彼が来れば、ポケモン図鑑も最新のデータにバージョンアップできるはずじゃ」
それはすごい、とヒカリは大はしゃぎした。
その様子にまた悪い癖を出しそうになりながらもナナカマドは続けた。
「とにかく、ポケモンは奥が深いってことじゃよ」
何だか最後に言ってることがちぐはぐであるが、ナナカマドも限界寸前であった。これ以上、ヒカリと話しているとまた発狂しかねない。
ナナカマドは用事があるから、と通信システムを遮断した。
手持ちのポケモンを見回して、ヒカリは改めてポケモンの奥深さに感心するのであった。
彼女の視線の先には、ポッチャマ、ワンリキー、そして、二匹の兄弟ジグザグマがいる。
まだ見ぬ仲間を求めて、ヒカリはポケモンセンターを後にした――……
――――――
(チラ裏)
>>152 多分、漏れのことかもしれん。最近は書いてなかった。
リレーだから書きすぎかと思って自粛してたが、我慢しきれず書いた。反省はしていない。
165 :
王究斎:2007/02/15(木) 15:52:22 ID:1ZiTd2rx
懐かしい看板の前に、楓は立っていました。『劇場版 ラブカス・ストーリーズ“思い出の街の復興と酒粕の雪”』
ー二週間限定のリバイバル上映。そんな広告が新聞の片隅に載っていたのを、少し前に見たことを思い出しました。こ
こでチケット買ってしまったらまたカビゴンは取りにいけないなあ、ただでさえ伊玖正(いくせ)さんには食費のこと
であれこれと言われているのになあ、と思ったりもしたのですが私はその映画館に吸い込まれるかのように入っていっ
てしまいました。
確かあれはまだカビゴンがゴンベの頃、私はまだ学生でした。2歳年上の彼は、普段映画にはまるで興味がない人で
したが、私がこの映画の撮影につかわれた場所が彼の故郷のヨスガだと言うと、クシャクシャの顔で子供の様に喜んで
、彼の知り合いのやっている小さな劇場へと私を連れて行ってくれました。タダ同然にまけて貰ったチケット代をなぜ
か私が2人分払ったのですが。それでも私は嬉しくて嬉しくて予告編を見ながら泣いてしまったのを、始まりのベルを
聞きながら思い出しました。彼は3年前に四天王の一角に挑みに行ってから、いまだに帰って来ていません。
そのとき!ドギューッてなってスバババーッときてバキーッ!となった
167 :
油絵(ゆえ):2007/02/15(木) 17:08:19 ID:STXzJJwD
とあるガバイトのはなし
おいらの主人は、おいらを何だと思っているのだ。ちょうど百と三十四日まえおいらがガバイトへと進化した日においらの主人は、おい
らを育て屋に預けて去っていった。あいつとはそれっきりだ。
おいらを育て屋に渡すとき、あいつの瞳には大粒の塩水が溢れかえっていた。誰が涙だと信じてやるものか。あいつは昔彼氏がいなくな
ったときも、平気な面していたじゃねえか。きっと海水か何かを使ったに違いない。事実今日まであいつは、おいらには一度だって会いに
来てくれないじゃないか。おいらと一緒に預けられたカビゴンには、あいつはよく会いに来る。そして育て屋のジジイと何か大声で話して
帰っていく。おみやげに、大量のカゴの実までカビゴンに渡していく。おいらとは、目も合わせ様としない。昔あいつからおいらが貰った
ことあるのは、硬くておまけに渋くてとても食べられたモンじゃない木の実をひとつだけだぞ。スターの実だったか、そんなふざけた名前
の不味い実だって、当時のおいらは健気に残さず食べたんだぞ。
だいたいあいつは、おいらのことはクロッカスってあだ名で呼ぶくせに、カビゴンのことはきちんとカビゴンって呼ぶんだ。ちくしょう
ちくしょう、おいらのどこが駄目だったんだよ。戦闘だと負けなしだったじゃねえか。頑張れって言うからきちんとおいら頑張ってきたん
だぜ。やっぱり可愛くなかったから駄目だったのかな。だったらおいら、もういいや。あいつが迎えに来たって、二度と戻ってやるもんか。
そんなある日 (↓)
???「ゼックートゥの諸君!」
という声がした
169 :
名無しさん、君に決めた!:2007/02/15(木) 18:21:41 ID:KlI27SYD
彼を引き取りたい、という者が現れた。
「我々は単にこのガバイトを救いたい、それだけです!」
その男は高級そうなスーツで身を固めているものの、胸に
縫いこまれた「G」の文字が胡散臭さをかもし出している。
「あんたがたは何か勘違いしているようだが、あの子の飼い主は
ちゃんと面倒みとるぞ」
育て屋の主人はため息交じりに返した。何度同じ問答を繰り返した
ものか
「あなた方に預かり費を渡しているだけだ。それでも世話を
していると!?」
「何度こられても同じだ、 お前らには渡さん!」
男は困ったように手を振り、ため息をついた。
「解りました・・・、あなたの仕事に対する責任感はご立派。
しかし飼い主はどうか ・・・。
そういえば我々がガバイトを引き取る由は伝えましたか?」
「!」
「まだのようですね。確かに話しづらいでしょうが、これも
あなたの仕事でしょう。」
主人は顔を紅潮させて男を睨むだけだった
「また伺います。それまでに話は付けておいてください」
重苦しい沈黙が跡に残された_________________
──フ _ | _|_ __ _上_ ──フ ゛_|_
─i / / ノ \ .| | | | | 七 / / ___|
/ ( l./ | .| __| | | | | | ( (___1
\ / .レ(_丿\  ̄ ̄ ノヽ.| |/ \ ノ ○
 ̄ ̄ ̄ /
──っ゛ | _/ / _/_ _\_ | ヽ
/ ./.~| ̄/ヽ / / ヽ  ̄\ | |
.| 乂 | /⌒! / / _| ゝ | |
ヽ── ヽノ ノ / し゛ (_ノヽ ヽ__ レ ○
171 :
王究斎:2007/02/15(木) 19:36:28 ID:IuM/VxBe
嗚呼、その陶器とも見まごう程の美しさを持ち、木の枝の様に今にも折れてしまいそうな、その手が一人の人間の首を掴んでいる。爪先には、薄っすらと
相手の長身の男の血が滲み、冷たくなった男の顎は張り裂けんばかりに開かれ、虚空に向かって魂が吼えているかの様だ。スーツの胸ポケットに「G」と刺
繍されたその男は、相棒たちと供にかなりの実力者であった筈だ。男の三匹の相棒もみな、ぼろぼろになって地面に伏していた。
街から少し外れた林の中で、長身の男の命を奪った男が大岩に腰掛けている。男が大岩に立て掛けている幟には、『ってのは嘘です。ごめんなさい。』と
見事な筆遣いで大きく書かれている。しばらくして、男が手で掴んでいるモノを放した。
どさり。落ち葉の上にそれが転がった。
「フ・フフフ・・フフフフフ・・・フハハハハ ハーハッハッハッハ!馬鹿な野郎だ。首領(ドン)の狙う“ゼックートゥ クラス”の一匹を横取りしよう
なんざ1光年速ェてんだ。ヒャーハッハ。お前もそう思うだろ、ハンバート!」
「やれやれバカなのは、あなたの方でせう、ドゥサスペンダー。『ブラックホール団』の面汚しが』
物陰からもう一人の男が出てきた。
もう一人の男「やぁ」
ハンバート(しかし、ゼックートゥクラスのポケモンか・・・首領の目的もそこにあると見た・・・しかし、なんだというのだ・・・そこまでこのポケモンに固執する意味は・・・一体・・・まさか!)
「地味に良スレ」
「地味に良スレ」
「地味にリョウスレ」
「地味なリョウスレ」
「地味なリョウさん」ヒカリ「へぇ、リョウさんって地味な人なんだ、どんな人なんだろ」
「日本語でおk」
旅をしているとは言えど、ヒカリはまだ幼い。言葉足らずなこともあれば、勘違いをすることも多々ある。
先ほども進化していたはずのゴーリキーをワンリキーと見間違えたり、壁に書かれた落書き――地味なリョウという文字を見て思わず一人ごとを言ってしまった。
まだ幼く、世を知らない彼女はその分、いやそれが起因する以上に……純粋で、優しかった。
それはおそらく彼女の母が、そして父が求めてやまなかった光(ヒカリ)なのであろう。
光あらば闇もある。
光ある故に闇が生じる。
今、シンオウ地方を覆う闇はその活動を次第に大きく、強固なものとし始めていた。
アカギの行動はエスカレートしてゆく。その目的が、望みが近づくにつれて、ギンガ団の暗躍は呼応するかのように大きくなる。
今、ズイタウンを襲わんとしている悲劇もまた、何かに呼応し――その息を潜めていた。
―――――――――
ニューラネタから始めて、皆が案外読んでくれていることに驚きを隠せない。感動した!
177 :
王究斎:2007/02/16(金) 00:43:16 ID:Ti7rPfXn
度々入る番外編(好き勝手やってしまってすいません。ニューラネタから始まったヒカリが主人公?の本編に戻すの大変でしょうに・・・)
「血まみれ」の通り名で呼ばれ、圧倒的な戦闘力を誇る。ニックネームはシオアジ。バービラ様に仕える私は、学会ではマニューラと呼ばれる
のだろうが、全く持って気に入らない。他のマニューラと私とでは、生まれた時から格が違うのだー。ニャハハハハ。柴咲コウかっ!ニャハハ。
さて私は今、バービラ様から映画館前の護衛を頼まれている。なんて誇り高いのだ!ニャハハー!
ボールから勝手に出てくる、最近少し邪魔に感じてきたシオアジ(←個体値とキャラが濃いめなので皮肉をこめて、こう命名した)に理由を
つけて、追い払った私は席に着いた。久々に一人の時間をとることができたのも、こんな大通りから外れた所にいい具合で劇場があったおかげだ。
しかもすばらしいのが、上映しているのが私の好きな『劇場版 ラブカス・ストーリーズ“思い出の街の復興と酒粕の雪”』 だったとは、最高
じゃないか。なあ諸君。予告編の間に私の紹介をしておこう。私は名を、ウナ=バビーラバービラ=アゴンノートと言う。しっかりと覚えてくれ
たまえ諸君。そして『ブラックホール団』の幹部だ。さてもうそろそろ映画が始まる。
しかし隣に座るこの女。のっけから、何故泣くのだ。あ・こっち見たな。
178 :
y:2007/02/16(金) 02:59:19 ID:???
――時は戻って現代。
一つのポスターが壁にかかっている。『劇場版 ラブカス・ストーリーズ“思い出の街の復興と酒粕の雪”』という五年前程に流行った映画のポスターだ。どうやら、二週間限定でリバイバル上映を行うらしい。
そのポスターを、一人の女性が涙を浮かべながら眺めている。
その涙は、昔ヒカリが見た母の涙と似ているような気がした。
この映画はヒカリの母アヤコのお気に入りの映画。
一度だけ母は語ったことがある。この映画は亡くなった父を思い出させる映画なんだと。
母が父のことを語った数少ない瞬間だった。ヒカリは今もそのときのことを覚えている。
父との淡い恋物語を、『ラブカス・ストーリーズ』の粗筋を交えながら母は語ってくれた。ヒカリは見たことの無い父の姿の想像を駆り立てられたものだ。
そして、同時に母は語った。
今から十年前、ある組織がパルキアという凶悪なポケモンを使って世界を滅ぼそうとしたことを。そして、その野望を砕かんがために父が犠牲になったことを。
その組織の名は――ブラックホール団。ヒカリは知らないが、今から五年前、ギンガ団という正義の組織との熾烈な争いの果てに滅びたとされる組織である。
「それで、お父さんは勝ったの?」
幼いヒカリは無邪気に母に尋ねた。
「勝ったんだけどね、命と引き換えの勝利だったの」
父との恋話を語る母は幸せそうで、ヒカリはついつい質問してしまったのだが、母の表情がみるみるうちに曇っていくのを見て自分が聞いてはいけない質問をしたことを悟った。
「お父さんは……、お父さんはとても強かったの。お父さんしか……世界を救える人はいなかったの」
母は泣いた。ただひたすらに。
弱々しく肩を震わせて泣く母は、ヒカリが見るどんな表情の母にも当てはまらなかった。
一家の大黒柱であり、ヒカリの大好きな母。いつも立派で、いつも綺麗な、ヒカリの愛する母。
その母のこんな顔を見たのは初めてだった。
ヒカリは悔やんだ。後悔した。反省した。もう二度と母にこのような想いはさせまいと、強く自らを戒めた。
もう二度と父の話題は出すまい。誰の前でも父の話題は出さない。
もし、父の話を誰かにしてしまってそれを母が知れば、きっと母は悲しむ。とてもとても哀しい思いをするのだから――……
179 :
y:2007/02/16(金) 03:01:08 ID:???
そう。ヒカリは人には聞いてはいけない過去があることを知っていた。
母アヤコにも聞けない、聞いてはいけない過去があることを知っている。しかし、ヒカリは十歳になり、一歩ずつ大人へ近づくたびにこう考えるようになっていた。
何でもかんでも聞かないだけでは始まらない。聞いてこそ始まるものもある。この旅が終る頃には母に父の話をしてくれるようにもう一度ねだってみようと――もう一度、父の話で一緒に盛り上がろうとヒカリは考えていた。
だから。
そう、だから。
ヒカリは聞いてしまった。その見知らぬ女性に母を重ねて。
「あの……、どうして泣いているんですか?」
振り向いた女性は驚いたような顔をしていたが、年端もいかぬ少女だと知り、涙を拭くと優しく微笑んでくれた。
「あはは、私泣いちゃったみたい」
力なく笑うその女性を見て、ヒカリは自らが人の心の領域に土足で踏み込んでしまったことを知った。
「ごめんなさい……私のお母さんと似てる気がして」
女性はヒカリの独白に、不思議そうな顔を見せた。
「そんなに似てるの?」
「あ、いや……そうじゃなくて、泣き顔が」
自分で言っていて支離滅裂だなと、ヒカリは後悔したが女性は何かを感じ取ったようだった。
「そう……、あなたのお母さんも、そして……あなたも大切な人を失ったのね」
女性は名前を楓(かえで)と言った。
彼女もまた、ヒカリの母と同じように、愛する人を失ったのだった。
180 :
y:2007/02/16(金) 03:03:32 ID:???
楓はヒカリに語ってくれた。初対面のたかだか十歳の少女に全てを語ってくれた。
三年前、ポケモンリーグに向かったっきり行方不明になった楓の恋人。楓は必死になって捜した。それこそ全てを忘れて。
「そのときにズイタウンに預けたっきりになってたポケモンもいたわ……ガバイト。あの子に可哀想なことをした。でも、引き取り手が現れたし、大丈夫だと思うけど……」
楓は不安そうな顔をしたが、すぐに笑ってみせた。
「今でもちょっと思い出すわね、スターの実をあげたら苦手なものなのにがんばって食べてくれてたあの子。今頃どうしてるんだろう」
間に様々な話を交えながら楓は語ってくれた。
そして、最後にこう結んだ。彼は今も見つかっていない、と。
ヒカリは考えていた。楓が自分にここまで語ってくれた意図を。
「どうして、私にそこまで?」
ヒカリは聞いてみた。素直に。飾らず、率直に。
「あなたの瞳……すごく優しいから。何となく聞いて欲しくなったんだわ」
楓はそう言って微笑んでくれた。
ヒカリには意味がわからなかったが、女性はそれ以上は教えてくれなかった。
「そういえば、名前は何て言うのかしら」
「ヒカリだよ! ポケモンリーグのチャンピオンも倒して、図鑑も完成させるの!」
女性の声にヒカリは元気にこたえた。
181 :
y:2007/02/16(金) 03:04:06 ID:???
――楓は疑問を抱いていた。
この子は何て明るいのだろう。自身も父を亡くしたというのに。
自分は今まで何をしてきたのだろう。彼のことを諦めて、ただくよくよする毎日。
彼は死んだか? いや、死んでいない。まだその死を確認していない。
――気付けば楓は決意を胸に抱いていた。
「ヒカリちゃん。私もポケモンリーグに行きたい」
楓はその目に光を宿して言った。
「私、彼にもう一度会いたい!」
楓は半ば懇願する気持ちだった。しかし、ヒカリは首を横に振った。
「だめ。楓さんがここを離れたら、もしそのときに彼が戻ってきて入れ違いになっちゃったら困るでしょ?」
「そう……、そうよね」
そうだった。彼がここに戻ってくる可能性もある。
楓は歯がゆかった。自分は決意をした。それなのに、それなのに彼を捜しに行くこともできない。
「でも、大丈夫! 私が捜してくるから! 絶対報告するよ!」
暗い表情の楓にヒカリは明るく笑ってみせた。
その明るい笑顔は、楓には光そのものに見えた。
この子になら全てを任せられるような、そんな気がする。
この子だったらどんな悪意ある陰謀も打ち破ってくれそうな気がする。
だから、楓は言った。
だから、楓は頼んだ。
「――じゃあお願い。彼を捜してください」
ヒカリはその言葉に力強く頷いた。
その自信は世間を知らないが故にくるものではない、と楓は直感的に読み取った。そう、あれは絶対的な自信だ。なぜなら、そうなぜなら彼女には――光があるのだから。
ヒカリは楓に笑顔を見せるとヨスガシティを去って行った――……
182 :
y:2007/02/16(金) 03:14:09 ID:???
場所は変わってトバリシティ。
デパートやスロットの建ち並ぶ近代的な街。この街を発展させてきたのは他でもない、ギンガ団である。
ギンガ団はトバリシティを発展させ、町政にも参加する優秀な組織。彼らの行う活動は全て理に適っていて正義である、とするのがこの街の風潮である。
そして、その表向きの活動は知られているが、裏の活動――どのような悪事をも行っているかということは一般的には知られていない。
しかし、最近になってギンガ団の活動はなりふり構わぬものとなってきた。そのため、悪事が露見しそうになることも多い。
ギンガ団三幹部が一人、サターンは隠蔽工作に翻弄されていた。
「くそ、ジュピターのやつ……。よけいなことしやがって。俺の仕事が増えたじゃないか」
マーズやジュピターがフィールドワークを行い、ジュピターはデスクワークを行う。
これはアカギが決めたことだった。サターンは元々研究者で、頭脳活動を得意とする。それを買われてこのトバリのアジトを研究の傍らに任されているのだが、最近は仕事の多さのせいで研究に精が出せない。
「まあ、それだけボスの目的のものが近づいてるんだろうけど……」
「そのとおりだ」
サターンの背後から、澄み通るような声が聞こえた。
その声には人の心を動かす何かがこもっている。人の熱意を動かす何かが。
「アカギ様……どうされました?」
サターンは仕事の愚痴を聞かれていないかと、警戒しながら聞いた。
183 :
y:2007/02/16(金) 03:15:22 ID:???
「そろそろ最後の詰めに入ろうと思う。私は現地を見に行く」
アカギは静かに微笑んだ。
静かではあるが、その笑みの裏に並々ならぬ熱意が潜んでいることをサターンは知っている。
アカギの決意は固い。その理想はこの上なく崇高である。
断固とした決意を持つアカギのもとであるから、皆、着いていこうと思うのだ。
それをカリスマ性などと言う言葉で済ますことはできない。神がかり、ではなく、サターンたちにとって、アカギは正に生きた神そのものであった。
「では……槍の柱に?」
槍の柱。シンオウ地方を東と西に分断する巨大な山、テンガン山の最頂上にそびえたつ超古代の遺跡である。
「そのつもりだが、帰りにズイタウンにも寄るつもりだ」
サターンは絶句した。
ズイタウン。アカギの最も嫌う町。
そこで起きた因縁は数多い。捨てられポケモンもそうだが、それ以上にズイタウンは、ブラックホール団と決着をつけた町ではないか。(この昔話は今は語るまい。また別に語られるであろう。)
因縁に次ぐ因縁。故にアカギは彼の地を忌み嫌い、近づこうとしない。
そこに向かうと決意したということはつまり、最終段階にまでミッションが到達したということだ。
「そろそろお前の本職だ。ぬかるなよ」
アカギは口でこそそう言うが、サターンの技量を信頼してくれていることを彼は知っていた。
サターンは、玄関をくぐるアカギに深く頭を下げた――……。
――――――――――――
(チラ裏)
毎回レス数が多いのは一度に書いたものを細かく分割しているから。文字数制限があるので、連投になるのは許してやってくれ。
王究斎殿、お気になさらず。こちらこそ楽しく読ませてもらってます。
暇ができたので、またゆっくり読み直してみたら時間軸が少しずれていたことに気付き、勝手にブラックホール団の活躍を過去(10年前から5年前)のものとしちゃいました。そうすればゲーム本編ともマッチするな、と考えた結果です。勝手で申し訳ナス。
あと、基本的に「sage」がいいかな、と思います。オナニーみたいなもんですしw
ではでは、これからもよろしくお願いします。 ――y
184 :
y:2007/02/16(金) 03:18:19 ID:???
(訂正)
ガバイトの話を楓が語る部分で三年前となってますが、五年前に訂正。
同時に話に矛盾点が出てくることが気付いたが気にしないことにしました。
書いちゃったもんは仕方が無い。反省はしていない。
185 :
王究斎:2007/02/16(金) 05:03:32 ID:ty4KKH7p
ここは218番道路、ひとりの老人が、落ちていた飴をなめつつ、草むらを屈みながら歩いていく。
初老のこの男。トレーナーに見つからないようにと情けない格好をしているが、博士号を幾つも持
ち、ことにポケモン学会においては知らない人などいない程の有名人である。名をユキナリ=オー
キド。ところが・・・
(チラ裏)ああ、いろいろありがとうございます。時間軸についてですが、そもそも最初の楓の話が、
「いつから」3年前、が書かれていないので、どうとでもなる気がします。あと素で疑問がいくつか。
どうやって、みなさんIDを消しているのでしょうか(一応色々探してやってはみた)。そして「sage」
って?基本っぽい気がする・・・
メール欄に半角でsageっていれろ。IDもそれで消える
187 :
王究斎:2007/02/16(金) 06:02:21 ID:???
その男は、テンガン山の中腹にまで登ってきていた。背後に青き龍を従えて。頂上へと伸びる洞窟には、男の
気配しか感じ取れなかった。多くの野生ポケモンたちは息を殺し、身を一層潜めた。怖いのは、従者の鯉の化け
物の方ではない。目の前にいる男は、本能が教えてくれた、危険な存在だと。トバリシティの裏の顔、『銀河団』
の総帥(リーダー)。その男 アカギ がついに最終段階へと歩をすすめだしていた。揃いだした役者が、舞台
下の歯車を廻しはじめた。
:ID小話 (ありがとうございました。多分消えてるはずです。凄いな、こんなに簡単に。・・・)
188 :
y:2007/02/16(金) 13:35:08 ID:???
オーキドはついにミオシティを越える手段を思いついた。海が無理でも空ならば――無理か。
オーキドのパーティはカイリキー六体。いずれも最強クラスの相棒だが、とてもじゃないが空は飛べない。
オーキドは途方にくれた顔で空を見上げた。
その空は見渡す限りの青。
青。青。青。雲ひとつない、青――
*
――青き龍、ギャラドスを従えたアカギは調査を進めていた。
ギャラドスの波乗りを駆使し、別の手持ちポケモンで岩砕き、そして怪力で岩を動かす。
テンガン山の頂上に至る道のりは険しかったが、それでも彼は足を止めなかった。
これは後に、赤い鎖を入手したときのために必要な下見、ここで手を抜くことなど許されない。
そう。アオバを生き返らせるためには、否、アオバのいる世界を呼び戻すためには失敗は――許されない。
アカギが強く気を引き締めると、呼応するようにギャラドスが一声鳴いた。
189 :
y:2007/02/16(金) 13:35:40 ID:???
*
鳴いた。ヒカリはこんな情けない鳴き声のポケモンを初めて聞いた。
「はじめて釣りってのをしてみたのに、なんて情けないポケモンが釣れたのかしら……」
彼女の目の前にいるのはコイキング。キングと称されているが、全種族の中でもずば抜けて弱い部類のポケモンだ。おまけに骨と皮だけで、とてもじゃないが食べられたものではないという。
コイコイー、と鳴く彼あるいは彼女は力なく飛び跳ねていた。
普通のトレーナーならこんな情けないポケモン、捨ててしまっていたかもしれない。しかし、ヒカリは違った。どんなポケモンでも愛すれば答えてくれるのだと、彼女は考えていたのだ。
「レベル上げ、いきましょうか! ポッチャマ、ゴーリキー、ジグとザグ、フォローお願いね!」
ヒカリはモンスターボールのポケモンたちに呼びかけた。
今までは外に出ていたポッチャマも、サイクリングロードの一件でボールに入ることを決意したらしい。それほどあの暴走は彼にトラウマを与えてしまったのだが、外に出ていた動機が元々不純であったのでそれもまた良かったのかもしれない。
ヒカリは考えた。どこが良いだろうか。
「そうだ、ヨスガに来る時に通ったテンガン山がいいな」
目的地は決まった。
テンガン山。シンオウ地方でもっとも深き山――……
190 :
y:2007/02/16(金) 13:51:36 ID:???
アカギは槍の柱の存在を確認し、ここがディアルガを呼び出すための場所であることを確信した。
パルキアも過去にここに封印されていたらしいが、ダークホール団とやらが失敗したおかげでここにはもういない。
その一件の詳細なデータはないが、どうせ奴らのことだ。強大すぎる力を操りきれなかったのだろう。
強大な力を操るためには、その道具がいる。アカギはそれを長い調査の果てに知ることができた。
場所は分かった。そして手段も分かった。
足りないものはその道具だけ。後はその足りない道具、“赤い鎖”を作り出せば――ディアルガを操れる。
ただのポケモンであるなら、ただの無害なポケモンなら、ボールで捕まえれば良い。
しかし、時を操る能力を持ったままのディアルガを手に入れようとすれば、ボールではいけない。ボールに入れてしまうとこの能力は失われるからだ。
従って、必要な道具はただ一つ。ディアルガ、パルキアの“モノ”を司る神と対になる三体――ユクシー、エムリット、アグノムの“ココロ”の神から採取した血液から作られた“赤い鎖”だ。
今回の調査はここを調べること。
これが終れば、あとはその道具を用意するだけ。その道具に必要なポケモンはシンオウ地方の三大湖にそれぞれ一体ずつ、いる。
もう調べることはなかった。後はただ、実行するのみ。
アカギは不敵に笑った。
ついに念願が適う。
ついに望んだ世界に作り変えられる。
アカギは創造主になる。
「私は……その世界の神になるのだ」
その世界とは、理想郷。争いのない、平和な世界。
そこには――死もない。
191 :
y:2007/02/16(金) 14:06:36 ID:???
槍の柱を出たアカギはテンガン山を下っていた。
そして出口付近に差し掛かったとき、一人の少女が野生のポケモンとバトルをしていた。
「いけ、コイキング!」
少女の猛々しい声とは裏腹に情けない鳴き声をあげるコイキング。
コイキング。最弱のポケモン。
今の世の人々は見向きもしないだろうポケモン。せいぜい、釣り好きが趣味で育てる程度であろう。
コイキングが持つ利点を知っていれば育てるものもいるであろうが、少女はそれを知っているのだろうか。こんな年端もいかぬ少女がそれを知っているとは到底思えない。
アカギはバトルの終った少女に近寄った。
「きみ、そのポケモンがどういうポケモンか知っているのか?」
その声に少女は驚いたように身をすくめたが、すぐに笑って答えた。なかなか、強い神経の持ち主であるらしい。
「コイキングです! 弱いけど……カワイイでしょ! いつかきっと強くなるって信じてるんだ」
強くなると信じている。すなわち、少女はコイキングがギャラドスとなり強くなることを知らない。
その事実を知っていればコイキングを育てるものも多いだろう。しかし知らないでもなお、この少女はコイキングを育てようとしている。
アカギは少女にこの世界に失われつつあるものを見出したような気がした。
「コイキングは成長が早い。近いうちに強くなるだろう」
アカギは少女に名前を聞いた。
少女は名を、ヒカリといった。
「おじさんはなんて名前なの?」
「俺はアカギ。ここテンガン山で新世界への第一歩を――いや、それはいい。君とはまた会いそうな気がする。ではまた会おう」
アカギは一方的に語ると、その場を後にした。
ヒカリといると調子が狂いそうだった。彼女の瞳は、全てを信じるその心は、かつての友アオバと似ていて、アカギを郷愁の念に浸らせようとする。
今、アカギにそのような弱い心は――いらなかった。
アカギは自分の弱い心を忘れようと、捨てようと、なくそうとした
出来ない・・・?
それをすると自分が、自分自身がなくなりそうで怖かったのかもしれない、だが・・・アカギは・・・・・・アカギは――――
発狂した
俺は人間をやめるぞ! ヒカリーっ! ――はっ、俺は何をやっている。
アカギは寸での所で発狂を抑える。
目的を達成するためには失敗は許されない。冷静を撤しなければ。
そう、冷静に、冷徹に――心を凍り付かせてしまおう。
枷にしかならない余計な感情など、もう俺には必要無い。
195 :
王究斎:2007/02/16(金) 23:51:33 ID:???
闇に薄っすらと浮かぶ鍾乳洞が、世界を喰ら牙となる時、人は最も気高く、そして
最も醜く誇りを貪り付き放さない。ぴたり、ひたりと水滴が道を成すこの暗く長い洞
窟の奥で、“そいつ”は目を覚ました。遥か古代からの覚醒にも関わらず、研ぎ澄ま
された“そいつ”の慣性は、闇すらも蝕み、人が降臨する前の太古の建造物を黄泉が
えらせていった。槍の柱の周りは最早洞窟などでは無かった。目も見張る神殿が、こ
の神が眠る土地、テンガン山の姿を一変させた。
ディアルガは意識こそはっきりしていたが、まだ身体は言うことをきかない。そし
再び薄れつつある意識の中で、自分をたたき起こした“あの人間”に奇縁があるとい
うことを確信した。
196 :
y:2007/02/17(土) 00:09:59 ID:???
アカギは自らの気を引き締めながらテンガン山を後にした。
テンガン山を降りたアカギはかつての友シロナと対面した。
ここで会うことは偶然だろうか。否、これは故意による必然。シロナは自分に用事があって、ここにやって来たのだ。
「シロナ、か」
「探したわ……」
久しぶりに会うというのに、再会の挨拶はない。
お互いにそれを不要と考えていることが見て取れた。自分はシロナたちとは決別している。
「あなた、神話のポケモンを使って何かしようとしてるの?」
シロナは単刀直入に尋ねてきた。
そこまで知っていて、かつ、ここまで辿り着けているということはシロナはほぼ答えに近い確信を抱いているに違いない。
「さあな。アオバを見捨てたお前らには関係のない話だ――」
その一言にシロナは唇を強く噛んだ。
やがて、意を決したように口を開く。
「アオバはね――」
「言い訳など聞きたくもない」
その言葉をアカギはぴしゃりと遮った。
シロナはアカギの意志の固さを読み取ったのか、説得を諦めたようだった。だがその代わりに別のことを聞いて来る。
「あのさ。ヒカリって子、知ってる?」
アカギはその言葉に眉をしかめた。
シロナはそんなアカギの様子を伺うかのように、言葉を続けた。
「フタバタウンからやってきた十歳の女の子」
「それがどうした」
アカギはシロナの言わんとすることに薄々と勘付いていた。
「ヒカリは――アオバの娘よ」
思った通りの答えであった。
「道理で似ている」
アカギは短く答えた。
「だから……」
「だからなんだ。俺には関係ない」
そう、関係ない。今さらアオバの娘が出てこようが関係ない。
そう、親友の娘が出てきたところで、アカギの計画に支障など起きることも無いし、そこでやめることもない。……やめられるはずもない。
シロナを置き去りに、アカギはズイタウンへと飛んだ。
197 :
y:2007/02/17(土) 00:16:48 ID:???
ズイタウン。その風景は何から何まで変わらなかった。
変わらないのは風景だけではなく、人間の心もまた――
アカギは道路わきに大量に捨てられ死んでいるコイキングを一瞥した。
コイキング。一時期、ヨスガの「ポケモン大好きクラブ」の刊行する雑誌に、愛玩用ペットとして大々的に紹介された。
しかし、ブームとは一時期のもの。おそらく、このコイキングたちはその名残であろう。
「変わらないな、何から何まで」
ここに来てアカギは決意を新たにしていた。先ほど揺らぎかけた信念が再び強固なものとなる。
アカギは無言でマニューラを繰り出した。
かつて、ここでこのコイキングと同じように捨てられ、行き先を失っていたニューラ。彼はたくましく成長し、今やアカギの右腕として活躍している。
「マニューラ。その目に焼きつけよ、この光景を。希望の光などもはやない……腐ったこの世界を!」
アカギの声にマニューラは力強く叫びをあげた。
運命は今、本格的に動き出したのであった。
番外編(運命の歯車たちのそれぞれの現状)
彼は。
彼はただ知らなかった。ペリーは、唯、知らなかっただけなのだ。
シンオウ地方の名を「ビッパ」と思い込む(諸事情があるが・・・)
彼は、「イイオトコ島」がシンオウ地方のひとつとは、知らなかった
のだ。
彼女は。
彼女は、しっかりと知っていた。シロナは「イイオトコ島」には良
い男など、一人もいないのだということを、知っていたのだ!!
彼は。
彼は(気づくべきだが)知らなかったのだ。自分が贔屓に、してい
るアイドルの撮影会が行われる予定の場所、テンガン山に異変がおき
つつあることを。知っていたのは、そのアイドルのプロフィールだけ
だったのだ(博士・・・)。
道路脇に捨てられ、死に絶え腐りつつある、コイキングたちの鱗が妖艶に光りだしたのは、なにか
の前触れであったのだろうか。
ズイタウンは初めからおかしかった。人々はそのベクトルを、流行り事を指針に定めていった。し
かし、だとしても今日のこの町はおかしかった。遺跡は奥から、うめき声のような風を吹きだしている。
そして・・・・・・
雪がとけて――――――
―――――春になった
201 :
y:2007/02/17(土) 13:51:30 ID:???
「雪が溶けて、春になった……そう思っていたのに」
シロナは呟いた。
雪。冬。それは辛いもの。
春。辛さからの解放。
辛いことに耐え抜いて、その果てにようやく安穏を得たと思っていたのに、それは幻であったのだろうか。
アオバの死を乗り越えて、シロナもクロツグもその夢を叶えた。
シロナはポケモンリーグチャンピオン。
クロツグはタワータイクーン。
かつての四人の仲間のうちの二人は、今なお最強を目指し闘っている。しかし、アカギは――
シロナはアカギが鳥ポケモンに乗って飛び去った方角を見てズイタウンに検討をつけて追いかけた。しかし、結局は出会えなかった。
せっかくズイまで来たのだから、ズイ遺跡に寄って帰ろうか――シロナはナギサシティで出会ったミカンという女の子の話を思い出していた。
ミカンはジョウト地方からやってきた女の子。彼女はジムリーダーをやっていたが、シルバーという少年とゴールドという少年に立て続けに負けたことで、強くなるための旅に出る決意をしたのだと言う。
しかし、シンオウの自然を見てバトルの不毛さに気付き、今ではバトルよりもコンテストに精を出すことにしたのだとミカンは話してくれた。
「バトルのために買ったんだけど、もういらないからこれあげる」
そう言ってミカンがくれたものはジョウト地方タンバシティで作られる、どんなポケモンも元気にしてしまう『ひでんのくすり』だった。
ミカンとシロナは他にもいくつかの話をした。
お互いの地方の自然の特徴。生息するポケモン。そして、伝説。
中でも興味深かったのは……、点字という存在であった。それは、ジョウトだけではなくカントーのナナシマというところにも存在するらしい。
そして――ここシンオウのズイにも存在する。
超古代文明。そこで使われていた文字の名残なのであろうか。元々、神話、伝説の色濃く残る町カンナギの生まれのシロナにとってますます興味深かった。
202 :
y:2007/02/17(土) 14:30:47 ID:???
シロナが遺跡に向かう少し前。
アカギがズイを去った少し後。
道路に捨てられていた大量のコイキングの屍はその姿を忽然と消していた。
奇妙な出来事ではあるが、悪臭を放つものが消えたので喜びはすれど特に気にするものはいなかった。
ズイ遺跡。
出現するポケモンはただ一種類。アンノーンのみ。
だが、アンノーンの種類は一種類ではない。その数は、我々の言語と呼応した数あると言われている。すなわち、二十六。まだ発見されていないものもいるかもしれないが、今のところは二十六であるとされている。
言語と呼応するということは即ち、名は体を表す――アンノーン自体がある種の文字だということだった。
この遺跡には文字に関わるものが多い。シロナは壁に書かれた文字を解読しようとしていた。
――刹那、シロナの脇を生暖かい風が駆け抜けていく。
「……っ!?」
思わず身構えるシロナの目に飛び込んできたのは目を虚ろにしたコイキングたち。
コイキングは水を泳ぐ。それが空を切ってゆく。おかしい。まったくもって、おかしい。
シロナはそのコイキングの流れに運ばれそうになる。必死に耐えようとするが、無数のコイキングについには流されてしまう。
「う――」
シロナは遺跡の奥へ奥へと運ばれる。生暖かいものに乗りながら。
そして。
身体を襲う衝撃。壁にぶつけられたらしい。
シロナは地面に倒れこんだが、コイキングたちは物ともせずに壁の中へと進んで行く。
やがて最後の一匹も壁の奥へと、その姿を消した。
そのコイキングの異様な雰囲気からシロナは感じ取っていた。
203 :
y:2007/02/17(土) 14:32:11 ID:???
「……幽霊」
そういえば、聞いたことがある。
空前絶後のブームになったペット用コイキングが、今やそこら中で捨てられていると。彼らはその捨てられたコイキングの成れの果てなのだろうか。
考え込むシロナの耳に一つの声が響いてきた。
(……オマエ、死ンデナイ。ココ来ル資格、ナイ)
それっきり何も聞こえない。遺跡の中に佇むのはシロナだけ。
シロナは思わず息を飲んだ。ゴクリという音だけが遺跡に響いた。後に残るのは静寂――
シロナは自分のぶつかった壁、コイキングの消えていった壁を見つめた。
そこには大きなムカデのような怪物が描かれていて、脇に謎の文字が書かれている。点字ではない。アンノーンを象った文字だ。
シロナに点字は読めないが、アンノーンの文字なら少しは読める。
壁にはこう書かれていた。
『FRIEND すべて の いのち は べつ の いのち と であい なにか を うみだす』
FRIEND……意味は友達。等しいもの。
全てこの世界に生きるものは等しい、そういう意味だろうか。
全ての命は別の命と出会い、何かを生み出す……命。生きるもの。そして、いつかは無くなるもの。無くなった後には何が残るのか? 何も残らない?
壁には「何かを生み出す」と書かれている。
「輪廻転生……昔の人は生まれ変わりを信じてたってことかしら」
それがただの与太話ではないことを、シロナは先ほどの一件で知った。
この世界にはまだわからないことだらけであることを、彼女は知っている。
もしかしたら、死後の世界や、生まれ変わりもあるのかもしれない。この世界は謎に満ちているのだ。
その謎を調べることはシロナにとって趣味でもある。シロナは意気揚々とこの遺跡の解析を始めた。
しかし、やはりこの世界は謎に満ちているのだ。結局なにもわからなかった。
いつかはこの謎も解けるのかもしれない――シロナは遺跡を後にした。
―――――――――
(チラ裏)
点字とアンノーン文字がごっちゃになったので両方がそれぞれの遺跡には存在してるって設定で書いたが、反省はしていない。
ここはシンオウ地方ポケモンリーグ――
「遺跡に点字、そしてアンノーンですか、分かりました、出来る限りは・・・」
「頼んだわよ!(ガチャッ)」
ツーツー・・・
「やれやれせっかちな人だ・・・さて、まず何から調べますかね」
「反省はしていない」を多用するのはやめようよ。なんかムカつくよ
206 :
名無しさん、君に決めた!:2007/02/18(日) 15:41:45 ID:pwIecEmB
yさん天才だよyさん
yさんキショキモイよyさん
208 :
王究斎:2007/02/19(月) 14:57:54 ID:???
“夢追い人の心鏡”
少年はここにいた。好敵手はここにいる。
書きかけの油絵に隠れていたストーブに、火をつけると出来損ないの人物
にいくらかの表情がともった。 ありがとう、モウカザル。そうクロゾウに言
われると、モウカザルは頭を掻きながらボールの中に戻った。アトリエが徐
々にあたためられていく。アトリエの中は、縁日の屋台を継ぎ合わせたかの
様に物が雑然と置かれ、不思議とどれにも幾ばくのほこりしか積もっていない
のだった。エンジンオイルと蜂蜜を、ペンキのバケツに流し込んだ独特の匂
いが、熱を帯びた空気とともに鼻をくすぐる。先輩の残した、びた一文にも
代わらないが、気高く透き通った作品たちに囲まれ、誰一人いないこの学校
のアトリエでクロゾウは至福のひと時をすごした。
ここは遥かなるシンオウの地。子供たちと旅人の夢を写す、誇り高い湖を
持つ、大いなる‘意思’を描く街。湖の傍の絵の学校で「アジ」と名づけられた四本腕の
もう一匹のパートナーと共に、少年は画家を目指している。
その湖の名は、リッシ湖。好敵手は今、ここにいた―
シロナから連絡受けたシンオウポケモンリーグ本部。
「反省はしていないを多用するのはやめようよ。なんかムカつくよ・・・yさん天才だよyさんyさんキショキモイよyさん・・・キショギショギラティーー・・・ギラティナ?だめだよくわかんないな」
シロナの使いパシリのゴヨウは調べたが意味がわからなかった・・・。
「ま、いっか。ギラティナって伝説ポケモンだよな・・・これ以上はわからない。シロナさんにはとりあえずこれで納得してもらうしか」
ゴヨウは手に資料の本を持って一人悩むのだったーー
@@@@@@@@@
>>205はネタはネタと割り切れるように頑張ったほうがイイヨ
「そうだ――キクノさんなら何か知ってるかもしれないな」
そしてゴヨウは走り出す
オーバ「どうしたゴヨウ」
ゴヨウ「うるさいお前はその汚い自慢のアフロでもいじってろ」
オーバ「…」
ギラティナについて調べを進めるゴヨウは、キクノに尋ねようとしている。
そのキクノの孫、ナタネを看破したヒカリは確実に強くなりつつある。ライ
バル、クロゾウは新たな夢を見つけ出し、ヒカリを偶に助けるシロナこそ、
ゴヨウに調べるように依頼した人物。そのシロナと今は完全に袂をわけたア
カギ。アカギの率いる、ギンガ団は最終工程に入りつつある。目覚め出す神
々に、奮い立つ豪傑たち。全く違う目的で、テンガン山を目指すナナカマド
博士。各々の目的は違えども、歴史(ものがたり)は止まらない。果たして
ヒカリはどうなるのか?シンオウ地方、ひいては世界の運命は!
オーバの長い沈黙の理由は、ゴヨウにも分かっていた。
その瞬間一筋の光が天を貫いたのをゴヨウも確認していたからだ。
「あれは、リッシ湖の・・・方角・・ ・・」
手に取ろうとしたルソンバンの瓶が宙に舞ったかと思うと、その瞬間アトリエの中を豪風が
暴れ狂った。絵も壁の柱も筆も石膏も何もかもが、破滅的に暴れ狂った。クロゾウは自分の体
が今、五体満足かどうかさえ分らなかった。
中身が空に放り出された瓶を見て、あれ買ったばかりなのになあと思った時には額縁の中に
叩きつけられていた。
なんとか首を擡げて、校舎を見ると全てのガラスが割れていて、遠くの方から悲鳴が聞こえ
た。
意識が遠のく前に、今度は湖の方を見たクロゾウは・・・
215 :
y:2007/02/21(水) 03:07:41 ID:???
リッシ湖を貫いた光。
それはギンガ団の行った、破壊行為――湖にかけられた封印を解くためにギンガ爆弾を発動させたのであった。
「遅かったか!」
ナナカマドは強く唇を噛み締めた。
その隣にはコウキ。今一つ存在感のない少年であるが、あの日、旅に出た三人のうちの一人である。いつの間にか旅は諦めて、今は博士の研究の手伝いをしているのであるが――何だか志の低いコウキであった。
二人はリッシ湖へかけて行った――……
*
二人がリッシ湖へ現れた理由は他でもない。
そこに眠る伝説のポケモン、意思の神アグノムを守るためであった。
話は数日前に遡る。
「ナナカマド博士、ワシです。オーキドです」
いつものように研究室で子供の研究――いや、ポケモンの研究を行っていたナナカマドのもとに四年間、共にジョウトで研究を行っていたオーキドから連絡が入った。彼は昔、まだ研究者になる勉強をしていた学生時代の後輩にも当たる。
「おお、オーキド君か、どうした?」
ナナカマドは急いで通信画面の前から、大好きなロリ系アイドルの雑誌を見えない位置に移動させた。余談であるが、ロリ系アイドルは近々テンガン山でライブを開くらしく、ナナカマドはそれを見に行くつもりであった。
「実は今、ミオにおるのじゃが……面白いことがわかりましてのう」
オーキドはミオ図書館で様々な調査を行い、このシンオウ地方の神話や、伝説を紐解いた。
そして、調べ物を終えて、ミオを後にしようとした正にそのとき、ある会話を聞いてしまったのだ。
216 :
y:2007/02/21(水) 03:09:32 ID:???
*
「どうやって、ここを渡ったものか……」
オーキドは目の前に広がる海原を見て首をかしげていた。
手持ちはカイリキー六体。これでは、波乗りはできない。ついでに言うと、空を飛ぶも使えない。
諦めてミオに引き返そうと決めて、ミオに向かう道中、オーキドは怪しげな格好に身を包んだトレーナーを発見した。
胸に“G”と大きく刺繍された文字の良く目立つ服装をした彼女は、オーキドが向かう方角、つまりミオシティからこちらに歩いてきていた。
戦えば勝てるであろう。オーキドの実力の高さは自身が一番良く知っている。しかし……、彼は不毛な争いを一番嫌っていた。
「こちら、マーズ。本部応答願います」
マーズと名乗った女は腰に下げたベルトから通信機器を取り出した。
即座に無線から通信が入る。無線のデメリットとして、周囲にも音声が聞こえることがあげられる。そのため、オーキドのもとまで音声が漏れていたのだ。
『こちら本部のサターンだ』
「ああ、サターン。報告よ。ボスのおっしゃる通り、ディアルガの復活のためには、アグノム、ユクシー、エムリットが必要だわ」
『そうか。それで、奴らはどこにいる?』
「ミオ図書館で文献を調べたわ。アグノムはリッシ湖、ユクシーはエイチ湖、エムリットはシンジ湖にいると書かれていた。ただ、リッシ湖だけ特殊な封印がしてあるそうなのよ」
オーキドはマーズとその通信相手サターンの会話を忘れないように脳裏に刻み込んだ。
何やら嫌な予感がする……オーキドの第六感が彼にそう告げていた。
217 :
y:2007/02/21(水) 03:10:14 ID:???
『リッシ湖はこの俺が指揮をとって開発した特殊兵器ギンガ爆弾を使えば何とかなる……俺はインドア派だから、リッシ湖に向かうに当たってお前について来てもらうようにとアカギ様はおっしゃっていた』
「失敗を犯しておきながら、そんな私を使ってくれるなんて……任せなさい、サターン。私は活躍してみせるわ」
『頼もしいな、期待してる。では、これから準備に取り掛からせてもらおう』
マーズはそう言うと通信を遮断し、その場を後にした。
オーキドの存在に気付かなかったのは痛手と言えよう。しかし、それも無理のないことである。ポケモントレーナーの強さとはポケモンの強さだけではなく、トレーナーの強さでもある。
オーキドは今は退いたとは言えど、過去は一流のトレーナーであった。彼の身のこなしはプロのそれ――マーズが身を隠したオーキドに気付けないのも仕方が無い。
*
「かくかくしかじか……というわけなのですじゃ」
オーキドはナナカマドに全てを話した。
同時に波乗りで海を渡れないことも話した。恥を忍んで、とはよく言ったものではあるが、オーキドはナナカマドと旧知の仲。何事も話し合える仲なのだ
――もっとも、ナナカマドは自身の特殊な性癖を全て話してはいないのだが。
「オーキド君。彼らは爆破、と言っていたのだね?」
ナナカマドの目の色が変わっていた。
それは先ほどまでロリ系アイドルを見て鼻の下を伸ばしていた男の目とは全く違っていた。
「はい、言っておりましたですじゃ。この地方の伝説のことはナナカマドさんの方がワシより詳しいでしょうから、伝説の真偽性は調べておりませんが、実際のところ、どうなんです?」
オーキドの問いに、ナナカマドは答えた。
「神話の神ディアルガは、おる」
それは推測ではなく、事実を述べているかのようであった。
過去にそういった事例があったのだということを伺わせるような強い、断言。
「ディアルガがいるということは、アグノムとやら達もいるのですな?」
オーキドの質問にナナカマドは低く唸った。
「むう……全てを説明する時間がない。また落ち着いたら説明させてくれ。とりあえず、ワシもミオに飛ぶ。あと、波乗りのできるポケモンも連れて行くので待っていてくれ」
ナナカマドの言葉に、オーキドは「ありがとうございます」と答えた。
218 :
y:2007/02/21(水) 03:56:10 ID:???
ナナカマドはオーキドがパルパークの調査のためだけに来たわけではないと知っている。オーキドにはオーキドの、やらねばならない使命があることを聞いていた。
だからこそ、オーキドに今回の件を頼むわけにはいかないことを知っていた。世界の危機だと言えば、オーキドは進んで手伝おうとするであろう。
たった一人の命を世界の危機を天秤にかけろと言われれば、オーキドは世界の危機を救うことを優先する。しかし、それではいけないのだ。
オーキドはキクコ(ナナカマドとは直接の面識はない)との誤解を解いて――また元のような付き合いをするべきなのだとナナカマドは考えていた。今この瞬間、キクコは世界よりも自分をとってほしいと考えているに違いない、とナナカマドは感じていた。
ナナカマドは通信画面を遮断すると、コウキを呼び出した。
「コウキ、何か交換に出せる水ポケモンはおらんか? 波乗りを覚えているやつがいい」
コウキは手持ちを覗くとすぐに「大丈夫です」と応じた。
ナナカマドはそれだけ確認すると、コウキが空を飛ぶ用の鳥ポケモンを用意するのを待った。
ナナカマドは思い出していた。
十年前の惨劇を。そして――今から二十数年前、自分のもとからポケモンを受け取り旅に出た二人の少年の旅たちのことを。
少年たちは名を、アオバ、クロツグと言った。
奇しくも彼らの子供が旅立ったその年に、あの惨劇が繰り返されることになるとは……。この世界の神とやらは皮肉なものだと、実在するかどうかさだかではない神をナナカマドは呪った。
そしてこの世界での神とは未知なる力を持つ存在であるポケモンを指す。
――神話にこう記されている。
219 :
y:2007/02/21(水) 03:57:34 ID:???
まだ宇宙の存在しなかった頃、あるのは混沌のうねりだけであった。
そのうねりが永久に近い時間を経て、一つの卵を生み出す。
そこから一匹のポケモンが生まれた。名前をアルセウスと言う。
アルセウスは宇宙に星々を創り始め、その中の一つを自らの居座る星とすることを決めた。
アルセウスは考えた。この世界の秩序を作り出すために必要なものはなにか。
そして、全知全能の力を持って、それを調べた。
かつて、ここではない次元、ここではない宇宙に存在していた一つの世界をモデルにポケモンたちの生きる世界を作り始める。
まず必要なものは時間と空間という対立する二つの要素。
世界の基盤となる二つの要素のために、アルセウスは自らの力(プレートと称される)の大半を分け与えた。
アルセウスの分身とも謡われる、時の神ディアルガ。そして空間の神パルキア。二対の神が誕生し、世界は急速に発展し始めた。
彼らは「もの」を司った。しかし、「もの」だけではそこに対立が起きかねない。
アルセウスはさらに残った自身の力(プレート)を用いて、「こころ」の神を作った。
意思の神アグノム。感情の神エムリット。知識の神ユクシー。
バランスのとれた神々は協力して世界を一つの形へと固めていったのだと言う――
今までは存在すら危ぶまれていたこの神々だが、十年前、ダークホール団という悪の団体によって空間の神パルキアの復活がなされる。
アルセウスの存在はいまだ不明である(世界を作っただなんてポケモンとして規模が大きすぎるとして学会ではこれに否定的)が、空間の神パルキアの存在はこの一件で確認された。同時に、意思の神アグノムたちの存在も確認。
時の神ディアルガの存在は当時、確認されていなかったが、対となるパルキアの存在から存在すると考えるのが妥当であろう。
学会では神話の真実性の確認がとれたため、更なる研究への足がかりとして貴重な一件であったが、そのために失われた命もあった。
220 :
y:2007/02/21(水) 04:00:01 ID:???
「アオバ……」
パルキアの復活がなされれば、世界は滅びる――かつて、そう言って妻子を残しフタバタウンを後にした青年の名前をナナカマドは口にしていた。
アオバの言うことは正しかった。強大すぎる力は使い方を誤れば世界を滅ぼす。強大すぎるが故に抑制する存在が必要なのだ。
パルキアにとってそれはディアルガであり、パルキアとディアルガの対にとって、それはアグノム、ユクシー、エムリットの対である。
このバランスを保ったままでないと、力のバランスは崩れ暴走する。
ダークホール団は、ディアルガを復活させないままにパルキアを復活させようとしたため、パルキアを暴走させた。結局、世界を救ったのは何だったのか、今では知る者はいない。
当時、その場にいたものは全て――パルキアを含めて消え去ったのだから。
「どうしたんですか、博士」
コウキは不思議そうな顔で尋ねた。
どうやら先ほどの呟きを聞き取っていたらしい。
「いや、古い友人のことを思い出していてな」
コウキは、知らない。
かつてこの世界を襲った危機を。
そしてこれからこの世界を襲う危機を。
「そうですか……、そろそろ準備ができます、博士」
コウキはそう言うと、モンスターボールからムクバードを繰り出した。
パルキアのすでに消え去ったこの世界で、ディアルガを復活させんとするギンガ団。彼らはなお、過ちを繰り返そうとしているように、ナナカマドには思える。
だからこそ、その裏づけをとり、いずれの手段でディアルガ復活をなそうとしているのかを調べ、それを阻止せねばなるまい。
ナナカマドは意を決した。
「ゆくぞ、コウキ!」
二人はムックルの背に乗り、研究所を後にした。
目指すはミオシティ。
シンオウ一の情報量を持つ、ミオ図書館のそびえ立つ街。
221 :
y:2007/02/21(水) 04:17:18 ID:???
*
ヒカリはどうしたものかと首をかしげていた。
目の前には大量のコダック。彼らがヒカリの進行を妨げているのだ。
「ねえ、君たち……どいてくれないかなあ?」
ヒカリは控えめに聞いてみたが、返事はない。
「そこのコダックたち! どいてほしいんだけど!」
今度は強く聞いてみたが、なおも返事はない。
「どうしたもんかなあ……」
「くすくす。ヒカリちゃん、どうしたのかしら?」
悩むヒカリに声をかける女性――シロナであった。
「シロナさん! どうしてここに?」
「ちょっと、ズイタウンで遺跡の研究をしてきてね。その帰りなの」
シロナはそう答えると、ヒカリの後ろのコダックたちを一瞥した。
「あら、それで悩んでたのね、ヒカリちゃん」
「そ、そうなんです! この子たち、どいてくれなくて……」
シロナは目を細めて、コダックたちを見つめた。ヒカリはそんなシロナの様子を怪訝に見つめる。
「どうやら……ひどい頭痛に悩まされているようね。コダックに特有の病気だわ」
「す、すごい! 見ただけでそんなこと分かるんですか!?」
ヒカリはシロナの観察力に驚いた。常人ではない。
ポケモンが好きなだけではそこまでわからないであろう。ポケモンに精通し、ポケモンと心を通わせられる者でなければ、このような観察眼は持ち得ない。
「シロナさんって実はポケモントレー……」
「これを使うといいわ」
ヒカリが全て言い切るよりも先にシロナはポケットから薬瓶を取り出した。
「これは?」
「ひでんのくすり、と言ってね……、どんな難病でも治すの。ポケモン限定のお薬よ」
ヒカリはシロナから受け取ったものをしげしげと見つめた。
これを使えば、コダックももしかしたらどいてくれるかもしれない……ヒカリはやっと悩みの種が消えそうなことを実感した。
「ありがとうございます。でもこれ、無料でもらってもいいんですか?」
ヒカリの言葉にシロナは悩むような仕草をして見せた。
「そうね……、じゃあ、おつかいをお願いしようかしら。カンナギにいる私のおじいちゃんのところまでこれを届けてほしいの」
シロナがポケットから取り出したのは、古風な細工のなされたお守りであった。ヒカリはそれを受け取ると、「わかりました!」と笑顔を見せた。
222 :
y:2007/02/21(水) 04:40:53 ID:???
「じゃあ、私は行くわね」
シロナは足早にその場を去っていった。
感謝の視線で自分を見つめるヒカリに、シロナは一抹の罪悪感を抱いていた。
こんな形でアカギを止める手伝いをさせようだなんて、自分はどれだけ悪どいのか。
「……アオバ」
シロナはかつての友の名前を呼んでみた。返事は、ない。
その呟きは虚空へと消えてゆく。かつて彼自身が消えたように。
アオバの娘ヒカリに伝えられるものなら、真実を伝えたかった。
けれど、それがあの娘の傷口をえぐることになるかもしれない。父親の死を改めて教えられれば、彼女も辛いであろう。
シロナ自身、アカギの行動を調べる度にアオバのことを思い出す。その度に辛くなるのだ。アカギはアオバのことを忘れられず、行動している。
だけどシロナだって、アオバのことを忘れられるはずもない。
「アカギ……。私だって辛いのよ」
シロナは人知れず涙した。
ヒカリの前から慌てて立ち去ったのは、彼女にアオバの姿を重ねて涙しそうだったから。
ポケモンリーグチャンピオンは常に強くあらねばならない。彼女が、チャンピオンを志したときに戒めた決意は、皮肉にも彼女自身を苦しめていた。
涙していたシロナであったが、ポケットに忍ばせていた通信装置に連絡が入るとすぐにいつもの強い女性の顔に戻る。
「何か御用、ゴヨウ」
『つまんないシャレはやめてくださいよ、シロナさん。ズイの遺跡の件です』
うっかり忘れていたが、シロナはゴヨウに遺跡の文字の解析を頼んでいたのだった。
『キクノさんにも解析を頼んでみましたがほとんど解読は不可能でした。かろうじて、ギラティナと呼ばれる神話のポケモンの名前が意味不明な文字の羅列から読み取れたくらいです』
「そう……とりあえず、その件は今はもういいわ。また、トレーナー失踪事件の調査に戻って頂戴」
『そちらなんですが、空間のゆがみに近いものがポケモンリーグに確認されています。ただ、まだほとんど解析できていません。今後、調査を続けてみます。では』
そう述べるとゴヨウは通信を遮断した。シロナは通信を終えて、一人考えていた。
223 :
y:2007/02/21(水) 04:41:52 ID:???
――自分もポケモンリーグ失踪事件の調査に戻ろうか。
今回のアカギ騒動に自分が介入できることはもう、ないかもしれない。
以前、アカギと対峙したときに、自分がアカギの心に訴えかけることはもう無理なんだと実感した。今、アカギの狂気を止められるとすれば、アオバの血を引くヒカリしかいない。
そのヒカリは今、カンナギへと向かった。そこで神話に触れることになるだろう。そして、ジムバッジに順序から言うと、次はミオシティにヒカリは向かうことになる。
そして、シロナはナナカマド博士から、ギンガ団の暗躍を阻止するために動き始めたという連絡を受けた。現在はミオシティに向かっていると聞いた。
ナナカマド博士なら、ヒカリに有益な情報を与えられるであろうミオシティで二人は出会うはずである。
「私って悪い女ね」
シロナはそう呟くとふっと微笑んだ。
ヒカリは何も知らないまま、世界を救わされようとしている。
シロナはアカギを止めたかった。しかし、自分には無理だということを悟った。自らの代わりにアカギを止めてもらう役目をヒカリに押し付けている。
世界を救うと言えば聞こえが良いが、そのためにヒカリを利用して良いという道理があるであろうか。
「……ない、わね」
だけど、シロナは、何もできない。最強と謡われようとも、彼女には何もできない。
しかし、この件ではヒカリにはできることがある。彼女に任せるしか、シロナにできることはなかった。
シロナの目からまた一滴の涙が零れ落ちた。シロナの時もまたアオバの死から止まったままであった。
224 :
y:2007/02/21(水) 05:05:52 ID:???
*
シロナと別れたヒカリは、コダックの群れを越えて着々と冒険を進めていた。
その手持ちポケモンは、ポッチャマ、ワンリキー、ジグザグマ兄弟のジグとザグである。いまだ進化しているのはワンリキーだけなのだが、これには理由があった。
ジグとザグはまだ捕まえたばかりなので、進化しないのは当然だ。
だが、ポッチャマはもう進化してもおかしくないレベルなのだが、彼自身が進化したがらないのだ。
本人の意思ならそれを尊重しようと、ヒカリは考えていた。
だが、そんな意思を汲み取れないものもいるわけで――
「よう、ヒカリ! お前まだポッチャマ進化させてないのかよ!」
生意気な軽口をたたきながら現れたのは、ヒカリの好敵手ことクロゾウ。
ポケモントレーナーの場合、お互いの自己主張に必要なものは言葉ではなく、ポケモンバトルである。
ヒカリはクロゾウにバトルをしかけ、結果、ヒカリのポッチャマで彼の手持ちポケモンを全滅させたのだった。
「何で、お前のポッチャマ、進化してないのに強いんだよ……」
それは単純に、相性さえ打ち勝つほどにポッチャマのレベルが高すぎただけの話なのだが、ヒカリはもっともらしくこう言った。
「弱いポケモン、強いポケモン、そんなの人の勝手。本当に強いトレーナーなら好きなポケモンで努力するべき」
これは後にポケモン世界で大流行し、どのトレーナーでも知っているような名言になるのであった。特にエリートトレーナーなどはこの発言を好んで使うようになる。
それほどまで世界に浸透するような発言が、クロゾウに衝撃を与えないはずがなかった。
「好きなポケモン……か。そりゃそうだよな、俺まちがってたわ」
クロゾウは何かを悟ったらしい。
225 :
y:2007/02/21(水) 05:20:11 ID:???
「俺の意思ってそんなもんだったってこと、今のバトルで思い知らされた。だから俺、画家になるわ」
唐突なクロゾウの発言。どこをどうすればそういう結論に落ち着くというのか。
一般人が聞けば突っ込まざるを得ないような画家宣言に、ヒカリは「そう、がんばって!」と本気でエールを送っていた。
好きなことをして何が悪い。好きなものになって何が悪い。努力する人間をヒカリは好きだった。それに、クロゾウの金髪のくるくる巻き毛は何だか画家っぽくて、画家がぴったりだとヒカリは思った。
「とりあえず、意思の神のいるリッシ湖らへんで、画家やってみるから。あ、そうだ……お願いがあるんだけど」
クロゾウの頼みは、ポケモントレーナー引退記念にヒカリの手持ちポケモンと自分の手持ちポケモンを交換してほしいというものだった。
ヒカリは快く了承し、クロゾウの望むポケモンがどれか尋ねた。
「ゴウリキーって何か画家の助手として頑張ってくれそうだから、そいつくれ。俺はムウマージやるよ。格闘タイプよりも役立ってくれると思うぜ」
ヒカリはニックネームがアジのゴーリキーをクロゾウに渡し、代わりにムウマージを受け取った。
「ありがとう、クロゾウ! 大事にするね!」
二人はお互いの別れを惜しみ、しばし歓談した。クロゾウはニックネームアジの由来を知らないが、それは今の二人にとって些細なことにすぎないのであった。
226 :
y:2007/02/21(水) 05:21:11 ID:???
*
クロゾウと別れたヒカリはカンナギに行き、シロナの頼み事を果たした。
そしてミオシティへと向かう。そこでナナカマドとコウキと再会(二人はヒカリと会う前にオーキドと会っていたが、ヒカリが到着する頃にはオーキドはミオを後にしていた)し、この世界を襲わんとする危機を知るのだった。
立志の場所、リッシ湖に住まう意思の神アグノム。
信慈の場所、シンジ湖に住まう感情の神エムリット。
英知の場所、エイチ湖に住まう知識の神ユクシー。
彼ら三匹を守り抜くことがこの世界を救うための手立てなのだとナナカマドは語った。
「そして、リッシ湖は他の二つの湖よりも強い封印が掛かっておる。まずはここを爆破しようというのがギンガ団のたくらみであるらしい」
「リッシ湖!?」
それを聞いてヒカリは思わず声をあげた。
「今あそこにクロゾウがいるの!」
「それはいかん……! しかし、時間がない。おそらくギンガ団は同時並行で作戦を展開させるはずじゃ。ワシら二人はシンジ湖に向かおう。ヒカリくんはリッシ湖を任せた」
短い作戦会議であったが、作戦は把握できた。
ヒカリはクロゾウのいるリッシ湖に向かえば良いのだ。
三人は会議を終えると、再会を約束しその場を後にした。
リッシ湖へと急ぐヒカリの目に、眩いばかりの光が飛び込んできた。
「ま、間に合わなかった……!?」
今まさに、ギンガ団の猛威がふるわれた瞬間であった。
―――――――――――――――
>>205 今は反省している。
リッシ湖から突如発せられる怪しい光。それはギンガ団のサターンが開発したギンガ爆弾が炸裂したものであった!
ギンガ団の思惑は徐々に達せられていく。
リッシ湖のサターン、シンジ湖のマーズ、エイチ湖のジュピターは総裁アカギの命令により伝説のポケモンを奪おうとしていたのだ!!
リッシ湖で爆発に巻き込まれたクロゾウはどうなったのか!?
そしてクロゾウ救出に向かうヒカリ、シンジ湖に向かうナナカマドとコウキは神と呼ばれたポケモンを守りきれるのか!
物語は加速してゆくーー
〜チラシの裏〜
更新してたので予告ぽくやってみた
一部推測でやってみたけど合ってる?
すでに、ノモセシティのジム、トバリシティのジムを完全攻略していたヒカリにとって、爆風によって
築かれた瓦礫の間を縫っていく事など造作も無いことだった。彼女はすでに、秘伝マシン01、02、
05を手に入れていて、シンオウのジムバッチも残りはあと半分。確実に一人前のトレーナーに成長し
つつある。
ヒカリの前に瓦礫の山が突如として倒壊してきた。ガララララ・・ゴゴゴ・・
刹那の瞬間彼女は叫んだ。
「ジグちゃん!泥かけ!!ポッチャマは冷凍ビームで、泥を急速冷凍、強化!ムウマージ!サイコキネシ
スでジグちゃんのサポート!もう一匹のジグちゃんも用意は良い?!!!」
泥を吹くジグザグマの上にもう一体のジグザグマが飛び乗る。かつて最速とよばれた彼らの本領がいま
開花する。氷結された泥の刃が宙に舞い上がったかと思った瞬間・・
「いくわよ!!MAX!!360度全開!!居合い切り!!!!」
ヒカリに降りかかった瓦礫は轟音とともに一刀両断された。
「邪魔するんじゃないわよっ!クロゾウが・・クロゾウが・・・」
彼女は泣き崩れた。その先は瓦礫の山が完全にふさいでいて、どかされるまでは、とても
通りぬけられそうに無い。彼女の手持ちには「空を飛ぶ」が覚えられるポケモンはいない
のだ。ちかくでポッチャマが必死にドリルくちばしで瓦礫の山に穴を開けている。
(私に気をつかってるんだわ・・・)
もう、いいからそう言ってポッチャマを止めようとした時、ポケットからひでんのくすりが落ちてきた。
「コレは・・・」
ヒカリの脳裏にシロナのセリフが蘇った。彼女のおじいさんならば、どうにかしてくれるかもしれない。
ヒカリはカンナギタウンへと走り出した。
ヒカリがカンナギタウンへと向かう道の途中、あたりに濃い霧が立ち込めてきた。
不気味な音楽が聞こえ始めた。
230 :
王究斎:2007/02/21(水) 14:04:23 ID:???
“あの子へ届くように”
軋んだ瓦礫を抜けて、クロゾウが這い出してきた。右足は可笑しな方向にねじれている。左腕もどうやら折れているらしい。意識を集中しようとして、ふたたび視界が大きく揺れた。意識が遠のく。嫌だ、遣り残したことがあるのに・・・
薄れゆく情景の中で、おれはソイツを確かに見た。
《私は、君のその強い意志に、敬意を表さねば。何か今一番望む、“意思”はあるかい?》一体、誰の声だろう?でもそんなことを考えている場合じゃない。さっきの風がやはり爆発か何かだとしたら、きっと今朝見た『ギンガ団』の一味
が湖でこそこそやっていたことに関係があるに違いない。くそぉ、考えが甘かった。連中は噂とたがわず、悪党で間違いないのだろう。連中の狙いは分からないが、仮にナナカマド博士に関わった
トレーナーだとしたら、狙いはおれだけじゃない筈。他のやつら、何より・・・ヒカリが危ねぇっ!
「お・・い・・・おれ・・に話しかけている奴。ヒカリが危険になった時に、こいつを渡してくれ。」
そう言ったクロゾウの手には、古びたハイパーボールが握られていた。
「ガ・・キの頃、親父から貰ったおれの・・はァ・・っっつ・ハァはあ・・・おれの切り札だ。」「四天王でも容易に倒せない、“化け物”が入っている。これを、あ・・・あいつが、、ほん 当に危険にさらされた時に渡してくれ・・・・
・・・それからお前、何者かわかんねぇが人間じゃねぇだろう・・もし強いんだったら、助けてやってく・・・・・・・れ・・」
ヒカリがどういう子か説明しなければ、と思ったときにはクロゾウは再び意識を失っていた。
《心得ました。もしその方が、ここにあったかつての湖の様な“意思”を持っているならば、助けてあげましょう。》
約束だ。そう夢の中で呟いた彼の手の中の古びたハイパーボールは無くなっていた―
カンナギに向かうヒカリの耳に不気味な音楽が流れてきた。まわりには霧がのぼる・・・そして一つの光と共にハイパーボールがおちてきた・・・
「こ・・これは?!」
<<私はアグノム。意思の神。クロゾウが貴方にわたすように言っていたものです>>
「クロゾウは無事なの?」
<<私は全知全能ではありません。彼を助けられる方法を知っているとしたらそれは知識の神のユクシーです。私は彼を最後の力を持ってエイチ湖に転送しました>>
アグノムはテレパシーで言った。
「無事ってことね・・」
<<クロゾウは助かりましたが、私はまだあの湖にいます。今はテレパシーで話しかけているのです。私を助けてください・・私は全知全能にあらず。そして、私が捕まれば・・時の神も・・つ・・>>
そこでテレパシーは途切れた・
「アグノム・・待ってて!」
ヒカリはそう言うとリッシ湖へと戻った。彼女の手には何が入っているかわからないハイパーボールが握られていたーー
232 :
231:2007/02/21(水) 15:28:41 ID:???
ハイパーボールの中身はミュウだった!
そして彼女は実はクロガネ・ハクタイ・トバリ・ノモセ、ヨスガ、ミオの六個のジムを攻略し終わっていた。そして色んな秘伝マシンを持っているーー
「ミュウ!あなたにはこれから役に立ってもらうわ!」
ミュウに秘伝マシンそらをとぶをセット!ヒカリはリッシ湖にとんだ・・
そこでは悲惨な光景が広がっていた。コイキングが爆破で水の無くなったリッシ湖に死んでいる・・
「許せない・・・」
「何が許せないんだ?」
「あなたは・・?」
突然、男があらわれた。
「オレはサターン!ギンガ団の幹部だ!邪魔する奴は倒す!」
サターンはヒカリに勝負をしかけてきたーー
233 :
231:2007/02/21(水) 15:40:25 ID:???
「ゆけ、ユンゲラー!」
サターンはエスパーポケモンユンゲラーを繰り出した!
「いけ、ポッチャマ!」
ヒカリは最初のパートナーポッチャマを繰り出した!
「そんな弱いやつでオレにかなうと思うのか」
「強いかどうかなんて関係ない・・信じてるかどうかよ!ポッチャマ、ハイドロポンプ!!」
サターンは調子に乗っていた。ポッチャマなんかに負けるはずがない・・しかしユンゲラーは負けた。
「ちくしょう、次、ドクロッグ!」
「私はこの子・・ムウマージ!」
ムウマージはゴーストタイプ、ドクロッグは毒と格闘。ヒカリはトレーナーとしても腕を上げていたのだ!
また負け、最後にドーミラーを繰り出した!
「いけ、ジグザグマの弟ザグ!」
最速と言われたジグザグマ兄弟の片割れが飛び出すーー
「なみのり!!」
ジグザグマ兄弟がシンオウをわたる際にマスターしたこの技・・威力は申し分ない!
しかしドーミラーは倒れない!硬いんだ・・ヒカリは考えた。
「ザグ、電磁波!」
ドーミラーは麻痺になる。そして、ヒカリは手持ちを交換・・「ゆけポッチャマ!ハイドロポンプー!」
ヒカリの圧勝だった・・。
サターンは捨て台詞をはくとアグノムを持って逃げていった。。
サターン「負けたがアグノムはもう捕まえたぞ。今はもうシンジ湖でマーズがエムリットを捕まえているかもなー!わはははは」
ヒカリ「油断していた・・このままじゃ他の湖も危ない・・シンジ湖に行かないと!ミュウ空をとぶ!」
なんか話あわせて書いてみた。なかなかオモシロスwwwww
234 :
王、九歳:2007/02/21(水) 19:46:24 ID:???
タタラ製鉄所では、ほとんどの人間が体力の限界を感じていた。
つい先程、リッシ湖の瓦礫の山の回収作業を行ってきたからだ。
「こんなの、いくらリーグの要請だからって、おれ達の仕事じゃ無いっすよ。ねぇ先輩」
「ぐだぐだ言ってねぇで、お前も持ち場へ戻れ。」
「は〜い」
「よーっし居残り組のみんな、少ない人数でご苦労だった。二十分休んで良いぞ!回収組、全員交代!!!」
「はいっ!!!!!!!!!!!!」
踏鞴製鉄においては、送風装置であり、製鉄の要となる鞴(ふいご)を止める訳にはいかない。この鞴の
俗称が踏鞴なのである。
男衆が交代した次の瞬間、製鉄所の中を鈍く空(くう)を叩く音がした。音は午砲台からである。
「なんだァ、まだ昼の時間にしちゃあ早すぎねえか」
「おいっどうしたってんだ―
その頭の声を掻き消すかの様に、櫓の見張りが大声で叫んだ。
「大変です、頭ぁ!! 男がひとり、水面を歩いてこちらに向かってきてます!!!」
見ると確かに、ローブを身に纏い足もとまですっぽり黒づくめの男がひとり、こちらへと歩いてきていた。
235 :
王究斎:2007/02/21(水) 23:35:34 ID:???
“希望の砦。悪魔の要塞。”
儚くも消えゆく控えめな円を、雨音のワルツとともに、地味な3階のベランダへと叩きつける様に描いていく。エアコンの
室外機の上を、神様の鼓笛隊が進軍していく。その音は戦い傷んだ、使徒とその使い手を奮い起こす様にも聴こえるが、
単に福音を孕んだ葬送曲なのかもしれない。画面から虹をかき消した大きな雨雲は、悪魔の如く笑い声をあげ、神の如く雄大だ。
次第に遠くへと逃げる雨脚の足音に身を委ねながら、高鳴る運命のバイオリンを片耳で感じながら、楓はレースのカーテンを
開けて、雲間から次々に架けられる天使の梯子を眺めた。
壁のコルクボードが不意に、どさりと落ちた。ずいぶん前に出会った少女のことを思い出した。あの子は今も元気でいるの
だろうか。楓の脳裏には今朝のリッシ湖の方に上がった、一筋の閃光が浮かんでいた。あの光のことを頭に浮かべると、なぜ
だか悪寒が走る。
急に陰に世界を喰われたかと思い窓に目をやると、空の支配権は再び巨大な雲に奪われていた―
ヒカリはマサゴタウンに不時着していた。ムウマージのサイコキネシスでは、いかづちの方向をわずかにか
えるのが精一杯だった。
稲妻と雷鳴、吹き荒ぶ豪風と豪雨、大いなる自然の前には、人間もポケモンも本来無力なのものなのだ。
旅が始まってからこれまでの疲労がどっと出たヒカリは、冷たい地面に静かに頬を落とした。そばではポッチャマが、
不安と悔しさの入り混じるその瞳で彼女をただ見つめていた。
(チラ裏)
なにこれグダグダ
つまんない
yさん別なとこで一人でかいてくれ
確かにこんなグダグダな場所で書くよりも他で書いてほしいと思う
もっと読みたいし・・・と自作自演
しかしおれは王究斎さんのファン。こんな文章もあっても良いと思う
たまに入る他の人もちゃんとつなげてたりするからここのスレ好きだ
243 :
王究斎:2007/02/23(金) 00:54:56 ID:???
しばらくしてヒカリは立ち上がった。
(裏)
>>236さんの言うとおり、確かにグダグダですね。まあずっとすき放題書いてきて、
よく今まで批判が無かったという感じですね。
>>235は比喩なんだが散文モドキなんだか
分けわかんないですものねぇ。それでも、
>>242さんの様な意見を述べて頂くと、
嬉しい限りです。しかし、ポケモンは銀までしか持っていないので(普段は
ネットのダイパのストーリー攻略を読んでから憶測で書こうとして、自信が持てないので、
わき道にばかりそれている)言い訳ですが、分からないのが正直なところです(何をいまさら、
書き込むな・という話ですが・・・)。
そしてまた、ミュウの力(そらをとぶ)で移動を始める。。
ミュウも限界だった。だからヒカリは方向がシンジ湖じゃなくて北にそれていることに気付いていなかった
そして・・タタラ製鉄所の近くへ落ち・・またヒカリの意識は失われていった。
そして悪夢を見た。とびっきりの悪夢だ。
うなされるヒカリのもとに一人の黒衣の男がちかづいた。よく見れば人間でないことにきづいたかもしれない。たたら製鉄所の人々も遠くから見たのできづかなかったのだ。
彼はダークライ・・ポケモンだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>>243さん、攻略サイト見てみたらどうでしょう。シナリオチャートとか見たらなんとなくわかりますよ。
じぶんはあなたの文章すきです、見習いたいです。
>>215-
>>226 スレタイをご確認の上(ry
1レスしか書いたらだめだという決まりもないし一気に書き込んでいるからリレーになってるんじゃないか?
だいたい文字数制限があるから分割しないといけないのはよくわかるw他サイトのリレーじゃもっと長文でも1レスで書けるからな
247 :
名無しさん、君に決めた!:2007/02/25(日) 02:38:10 ID:ELZwFRzg
悪夢から目を覚ますと、彼女は懐かしきシンジ湖のほとりに来ていた。手にはえたいの
知れないカードが握らされていた。
「わたし・・・どうやってここに」
「そんなの私たちが聞きたいわ」
ヒカリが顔を上げるとそこには、育て上げられたピクシー、ドーミラー、ゴルバット
、ブニャットを見せ付ける女と数人の男たちがいた。!ギンガ団!!
女が口を開く。
「お嬢ちゃん。どこかで、お会いしたかしら」
ヒカリの前にはギンガ団の幹部マーズの姿があった。
マーズの後ろではナナカマドとコウキが倒れている。
ナナカマド「やられた・・」
コウキ「ヒカリ!そいつらを止めてくれ!」
ヒカリ「わかったわ」
ヒカリはポッチャマをくりだした!相手はブニャット。以外とすばやい〜
マーズ「そんなポケモンで勝てると思ってるの?」
バカにしたように高笑うマーズだけどポッチャマは負けなかった・・
マーズ「そんな・・負けなんて・・ピクシーがもっと成長してればゆびをふるを使えたのに!けど、エムリットはもらったわ」
そう言うと負け惜しみを言ってマーズと部下は逃げ去った。
ナナカマド「間に合わなかったか・・は!エイチ湖が危ない!」
ヒカリはうんとうなづくとミュウに乗ってエイチ湖に向かった。。。
続く
その頃、リッシ湖爆破事件の首謀者アカギは、一度トバリに戻ってきていた。
アカギは足元に落ちていた、雑誌の特集に目を通した。最近シンオウでブレ
イク中の詩人235(房子←本名はナイショ)に読者からの意見が寄せられて
いる。主なものをまとめると、
<暗喩表現がクドい。>
<yさん別なとこで一人でかいてくれ > や、詩が乗っている雑誌が「王究斎さん」と
言うマニアックな雑誌であるためか、
<確かにこんなグダグダな場所で書くよりも他で書いてほしいと思うもっと読みた
いし・・・と自作自演> という意見があったり、
<しかしおれは王究斎さんのファン。こんな文章もあっても良いと思う
たまに入る他の人もちゃんとつなげてたりするからここのスレ好きだ> という意見
もある。
「様々な人間がいるものだ。ふん」
そう言って雑誌を放り投げた、アカギの脳裏にかつての親友アオバの言葉が浮かんだ。いや、
長い年月を置いて、ようやくアカギの心に届いたのだった。以前彼は、
「・・・そうだ人間もポケモンも様々、それぞれなんだ。アカギ、おれたちはどんなに強く
なってもそれを忘れちゃいけないと、おれは最近思うんだ。どんな存在からも選択支を奪っちゃ
いけねぇ。だって例えどんなに弱くても、生まれたからには意味があるはずだ。その意味を見つ
ける前に、死んじまったら悲しいだろう。・・・おいアカギ、聞いてるのかよ・・―・・・・・・・」
と言った。
「・・・俺は間違ったことをしているのだろうか・・・なあ答えてくれ、アオバ」
風が強くなってきていた。
ヒカリは無事にエイチ湖に辿り着いたが、そこはすでに・・・・
(チラ裏)
確認なんですが、現在の彼女の手持ちは
ポッチャマ
コイキング
ジグ(最速の若いジグザグマの兄弟の一匹)
ザグ(〃)
ムウマ
ミュウ
の6匹で良いんですよね?
ナナカマド「いや!やめてください!」
ハルカ「いいじゃねぇかよククッ」
ナナカマド「あやぁ!やめてください!」
ハルカ「いいから脱げよらぁ!」
ナナカマド「いや!いやぁ!誰か助けてぇ!」
ハルカ「誰も来やしねーよ!いいからさっさと脱ぐんだよ!」
ビリッバリバリ!
ハルカ「ヒュ〜いい体してるじゃねえか!」
どうなるナナカマド!↓
252 :
y:2007/02/25(日) 13:28:24 ID:???
ナナカマドにとって、それは正に悪夢であった。
彼はロリ――否、子供好きであったが、これは性癖のことである。文字通りの子供好きというわけでは断じてない。
彼が子供にいじめられること、それは彼にとって著しく尊厳を傷つけられることであった。そう、正に悪夢。これは白昼夢と言えた。
「やめ……、あ、やめて……っ……やめてください!」
ナナカマドはハルカの執拗なアプローチを必死にかわしながら思っていた。
――ハルカって誰だっけ?
*
コウキはベッドでくねくねと身体をうねらせながら眠るナナカマドを気持ち悪そうに眺めていた。その半開きの口からは時々、喘ぎ声とも奇声ともつかぬ声が発せられる。
「は、ハルカ……、お、おまえは!? ダー……ライ!」
突然、ナナカマドの様子が急変した。堰を切ったように暴れだすナナカマド。
「博士、博士! どうしたんですか!」
ひとしきり暴れた後、ナナカマドは目を覚ました。
「何やら妙な夢を見ておったような……? じゃが、深く思いだせん。何だったんじゃろう」
コウキは寝言の内容を覚えていたが、そのほとんどが気持ちの悪いことだったので聞いていないふりをすることに決めた。
それよりも気になるのは、エイチ湖に向かったヒカリのことだ。
「博士、ヒカリが間に合わなかったときのための手立てを調べましょう」
「おお、そうじゃな!」
コウキの声にナナカマドは威厳を正した。
今頃、ヒカリはキッサキシティに到着しているだろうか。クロゾウと合流できていればいいのだが――コウキはヒカリとクロゾウの無事を心から祈った。
253 :
y:2007/02/25(日) 13:32:00 ID:???
*
その頃、エイチ湖。
爆破された湖を見てヒカリは怒りを露にしていた。対峙するはジュピター。マーズ、サターンと並ぶギンガ団三幹部の一人である。
ヒカリは無言でモンスターボールを繰り出した。
そこから出てきたのは青き龍。かつて弱い弱いと蔑まれ続けた弱小ポケモン。その弱さを克服した姿が、そこにはあった。
ギャラドス。その瞳に弱さの片鱗など、もうない。
そして、ヒカリの瞳にもまた、強さの光が宿っていた――
――――――――
(チラシの裏)
>>245-246 とりあえず、どうしたらいいのかわからないから2レス程度に抑えるように心がける。
>>250 それで合ってると思う。ポッチャマは流れ的に進化しない感じ、コイキングは冒険の過程&修行シーンから考えてもうギャラドスに進化していると思うので登場させてみた。
手持ちは、ポッチャマ、ギャラドス、ジグ、ザグ、ムウマージ、ミュウだな。
モンスターボールを手に取った、ジュピター。
「今度は負けないわ。クフフフフフ」
「いけっ
とジュピターがボールを投げつけようとした瞬間、彼女の手を誰かが掴んだ。
!!!!!!!!!!!
それは、全身包帯だらけの、クロゾウだった。
「・・・絵を描きたい気持ちは山々だが、どうやらまだ筆を手に取るのは早かった
らしいな!」
クロゾウとギンガ団は半刻ほどにらみ合った。そしてそのままどこかに行ってしまった。
何も言えなかったヒカリが、その場を離れようとすると足元の雪が残る野原からポケモンが
飛び出してきた!
「野生のユキカブリ!!」
日は西に傾いていた。
ムウマージを使って、ユキカブリをゲットしたヒカリ。
だけどかつて博士からボールには、ポケモンが入った状態で一度に持ち歩ける数は
6個まで、と聞いていたけど。この子はどうなるのかしら。
そう思って、ヒカリがスーパーボールを眺めているとボールが突然輝き出して、宙に
浮かびヒュんっと消え去ってしまった。
???ヒカリにはわけが分からない。しかし、まあいいかと思いヒカリは七つのバッチ
とある決心を胸に、トバリシティへと飛んだ。街に着いた頃には、あたりはもう夜だった。
(リバース オブ CHIRASHI)
>>253 yさん考え方は人それぞれですので、あまり気にせず前の様なやり方でやって下さい。
256 :
王究斎:2007/02/25(日) 20:50:44 ID:???
「開かないわね」
ヒカリはギンガトバリビルの前で困っていた。いっそのこと、ミュウのラスターカノンで
ひと思いに、ぶち壊そうかと考えたがその音でギンガ団の連中に気づかれたら不味い。
丈夫そうな鋼鉄製の扉を見ているヒカリ自身の体力は限界に近かった。冬国の月明かりが
彼女を照らす。「ふうっ」ヒカリはその場に座り込んだ。
ここに来る前に寄ったポケモンセンターでみんなの体力を回復させたあと、ザグちゃんと
捕獲したユキカブリを交替させた。しかし、自分自身は朝から全く休んでいない状態だった。
そんな彼女のほうへ、寄ってくる人影がある。ヒカリは緊張した。そして震える頬を必死
に押さえながら、息を殺す。けれど、相手もこちらに気づいた様だ。
「そ・・そこにいるのは誰でヤンスか。お・・おいらは、ギンガ団の下っ端の『倉庫守り隊・
鍵番分隊』の隊長!・・・あっ・・などでは決して無いでヤンスよぉおおぉ・・」
なんて分かりやすい。思わず笑ってしまったヒカリは立ち上がった。その覇気は並のトレー
ナーのものではなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>>244さん、アドバイスありがとうございます。攻略サイトにも色々あって楽しいですね。
257 :
y:2007/02/25(日) 22:39:21 ID:???
*
リッシ湖で倒れたクロゾウは不思議な力でエイチ湖へ飛ばされた。ユクシーの話によるとそれはアグノムの助けによるものだという。
ふと見ると折れていたはずの腕や、傷だらけだった身体が綺麗に治っている。それはユクシーの癒しの力によるものだった。
ユクシーに礼を言ってその場を去ろうとしたときに、奴らは襲撃をしかけてきた。そう、リッシ湖を襲ったギンガ団の連中である。
奴らは見たことも無い兵器でユクシーを捕らえると、そのまま逃げ去ろうとした。クロゾウは必死にそれを食い止めようとしたが……、ジュピターは強かった。
エイチ湖でヒカリが来なければクロゾウは完全に負けていた。あの時点でかろうじて耐えていたが、ヒカリが現れなければジュピターは退くことはなかっただろう。
クロゾウは一人涙した。自らの歯がいなさを悔やみ、力のなさを憎んだ。
リッシ湖で自分は画家を目指した。しかし、それは最強のトレーナーとなることから逃げていることに他ならなかった。そう、知らず知らずに自分は負けることに怯えていたのだ。
「だから……、オレは弱いんだよな。親父」
クロゾウはシンオウでもっとも強きトレーナーの子。
シンオウから数々の猛者の集まるバトルエリア。そこにそびえ立つバトルタワーの頂点に君臨するタワータイクーン、クロツグの子。
「オレ、今だから親父の言ってたこと、わかる気がする」
その場にいない父に向かって、クロゾウは話しかけた。
父は言った――負けることに怯えるな。負けてこそ、トレーナーは強くなる。
そして、こうも言った――自分の大切なものを守れ、そのときこそトレーナーの真の力は発揮される。
父は大切なものを守れなかった。その苦しみを抱いて父は生き続けている。
父の失ったもの。クロゾウはそれを教えられていないが、おそらく、かつて共にフタバタウンを旅立ったという亡くなった親友のことだと思っている。
258 :
y:2007/02/25(日) 22:40:33 ID:???
「オレは、父さんのような悲しい人間を増やしたくない。何より……、あいつを守りたい」
クロゾウの脳裏には一人の少女の光り輝くような笑顔が浮かんでいた。
ヒカリ、と小さく呟くと彼はポケットの中のカイリキーのアジを見つめた。カイリキーはヒカリの手元にいた頃はゴーリキーだったのだが、交換の際に進化を遂げていた。
クロゾウも今こそ強さを磨き、進化するべきときだ。極寒の地で修行すべく、クロゾウはテンガン山へと登っていった――……
*
ジュピターは悩んでいた。ボスのやっていることは果たして正しいのだろうか……。
最近のアカギの行動は常軌を逸している気がした。ポケモンを道具として使うなんてこと、アカギはしなかった。それを今回は……。サターンが地下の研究所に連れて行った三匹の湖のポケモンの痛々しい姿が頭に浮かぶ。
アカギ様は焦っているのではないだろうか。焦りは人の判断を鈍らせる。アカギ様は間違った行動をとっていることに気付いていないのではないだろうか――ジュピターは思う。
しかし、ジュピターがいくら進言したところで、アカギは聞く耳を持ってはくれないであろう。誰が言っても結論は変らない――ように思えたが、ジュピターには一つだけ心当たりがあった。
アカギが新世界を作るきっかけとなった一つの出来事、親友の死。その親友の子供があの少女、ヒカリだということをジュピターは風の噂に聞いていた。
ヒカリならばアカギを止められるかもしれない。そう考えて、エイチ湖で自分はあんなことを言ってしまったのだ。
「トバリシティのビルには何もないからね!」
さも何かありそうな発言。こんな発言を無視するものがいるだろうか。ましてや好奇心旺盛そうなあの少女のことだ。必ず、ここに来るはず。ジュピターは一人の少女に希望を託していた――……
259 :
y:2007/02/25(日) 22:43:49 ID:???
*
アカギは考えていた。
もうすぐ、自分の望んだ世界が創られる。これは長年、待ち望んだ喜ぶべき成果。長年の努力が報われる瞬間である。
しかし、自分は……、はたして正しいことをしているのであろうか。
正しい世界を創るということは正しいことなのか?
世界を正す自分は――正しい人間なのか?
「アオバ……、お前はなぜ皆を残して消えたんだ――」
アカギの呟きは、しかし誰にも受け止められず虚空へと消えていった。そしてその消滅を促すがごとく、通信が入る。
『こちら、マーズ。そろそろ先発隊の準備が整います』
マーズはアカギの心の声など、微塵も気付いていない。
そう。自分の声を受け止められるものは、いない。そして、自分を止められるものも、いない。
もう止まれないのだ。いや、止められないのか。
アカギはふとコイキングを必死に育てていた少女のことを思い出した。あの少女ならばあるいは――アカギは通信装置を取って述べた。
「マーズ。ジュピターとお前と部下たちは先にテンガン山へ登れ。俺はサターンが赤い鎖を完成させるのを待ってここを出る」
『はっ。了解しました!』
マーズはそう言うと、通信を遮断した。
アカギは通信装置を静かに置くと、机の中から一つのボールを取り出した。何のポケモンも入っていない、空のボール。
しかし、そのボールが世界に数えるほどしかない伝説のボール、マスターボールであることを見るものが見れば気付いたであろう。どんなポケモンであれ、必ず捕まえることができる伝説のボールであった。
アカギはそれをポケットに入れると、静かに席を立った。どうやら、侵入者が現れたらしい。倉庫前のカメラには部下ともめている少女の姿があった――……
――――――――
(チラシの裏)
>>255 ありまとう。とりあえず、今回も2レスに抑え切れなかった。地の文をしっかり書こうと思うとどうしても長くなる。
もう適当にやることにする。そもそも過疎スレだからいいよね。
やはりか・・・
そう呟くと彼は考えるのをやめた
全てを受け入れる覚悟が出来たのだから
委ねる・・・そうなにもかもを、このたった一人の少女に――
そのころサターンはついにあかいくさりを完成させていたーー
アカギのもとにそれをとどけるサターン。
サ「どうぞこれです」
ア「うむ。よくやった・・おまえはまた地下に戻ってあのポケモンを適当に片付けろ」
サ「か、かたづける?(ボスはいったい何を考えてるんだ・・)」
ア「いけ、おれはここであの女の子を待つ」
サターンは去っていった・・・
ア「こい、ヒカリ」
アカギはあかいくさりをポケットにしまった
アカギはヒカリに負けたらマスターボールをわたそうと思っていたが、ディアルガを復活させるのはやめないつもりだった・・・
262 :
王究斎:2007/02/25(日) 23:19:00 ID:???
“青き龍の背に乗って” (←ええええぇ〜〜〜〜)
向かい合う、神にならんとする男とそれを止めようとする希望の光。「行くぞ!おまえなど古き世界の異物として、この俺が消し去
ってくれる!」アカギが吼える。その声が、ヒカリの体の髄にまで響く。怖い。だけどアカギの、この男の言うことは絶対に何か間違っ
ている。彼女にはそれだけが分かった。「どうして、どうして自分の目的のためだけにっ!他の人だって!どんなに弱いポケモンだって
生きているのよ!!!!!!」 ヒカリの姿がアオバとダブる。アカギは自分が今どこに立っているのかさえ、分からなかった。
「あなたのやっていることは
ヒカリがそう言い掛けた時、目の前に大きな青い龍がいた。その口が開く、アカギの目は爛爛と濁って不気味さを増し、ヒカリの目の
前のギャラドスの髭が、大波の様に空気を撃つ!!
「うるせェンンんだよォおおおおおお小娘がああああっ!」タガが外れたその声をかき消すかの様に轟音がなり、閃光がジグを弾きと
ばした。ギャラドスの破壊光線。「はははっはははははははははははははははははははは!!!・・・・・・・・・・・・・!」立ち上
る噴煙の向こうに、もう一匹の青き龍の姿が見える。一人の少女がこちらを見据えている。
263 :
王究斎:2007/02/25(日) 23:20:33 ID:???
「・・・あの時のコイキングだな。よくこの短期間で」
「やっぱり。あの時のおじさんなんだね、アカギさん・・・テンガン山で出あった時とは別人・・・」ヒカリは唇を咬みしめると、ジ
グをボールに戻して、ギャラドスに飛び乗った。アカギも無言のまま、自分のギャラドスに飛び乗った。
宙に浮く、二対の青き龍と二人の人間。沈黙の園は、その花を夜に散らされていく。双龍が互いの頭を全力でぶつけ合う。僅かに体の
大きな龍が競り勝ち、小さい方が弾き飛ぶ。が、空中で水分を一気に凝結させ無数の雲を作り出すと、小さき龍の上に乗った女が叫ぶ、
「ハイドロポンプ!!」その掛け声と共に無数の雲が水流となって、下にいる大きな龍に襲い掛かる!
「戦術はまだまだだな。ギャラドスっ10万ボルト!」アカギがそう命令すると彼のギャラドスの牙とこちらに下降してくる水流との
間に大きな電位差が生じた。バリバリバリッ!!!!!!!雷鳴と閃光が同時に届く!猛烈に膨らんだ空気が、ヒカリとヒカリのギャラ
ドスを天空に追いやる。「嘘っあのスピードのハイドロポンプをかき消した・・・・」アカギのギャラドスは彼を背中に乗せたまま、ヒ
カリのさらに上をとった。「今度は“本体”を狙って撃て!冷凍ビーム!!」
天は凍り、地が雄たけびと噴煙を上げた・・・・「なんだこの戦いは」陰で見ていた誰かがそう言ったのが、気を失いかけたヒカリの
耳に届いた。
「なんだこの戦いは・・」
聞いたことのない声。しかしなぜかあたたかさを感じさせる。
「ミュウ・・・?」
ヒカリは自分のポケットから声が聞こえてることにきづいた。
「われは全ての生物の祖先、ミュウ・・生きるものが争う。なんとおろかな・・・」
その声はアカギに聞こえてないらしい
「この戦いでアカギとやらが勝てばこの世の秩序が狂う・・アルセウスさまの作ったこの世界が」
「え・・」
「だからーー、逆転させよう・・勝敗を!」
気付けばヒカリは倒れたアカギを見つめていた。
「つよいな・・おまえ」
「え・・・なにこれ・・・」
ヒカリは言った。
「おまえが勝ったのだ。まあいい・・ここはひこう。これを持っていけ」
アカギはそういうとマスターボールをヒカリにわたした。
「地下に行くといいと思うぞ。ではさらばだ!」
アカギはそういうと姿を消した。
「いったいなんだったのだろう・・・」
ヒカリはポケットを見た。ミュウのボールがなくなっている!!!
「ミュ、ミュウ!?」
その後、ミュウが見つかることはなかった・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒカリの手持ち
ポッチャマ、ムウマージ、ジグちゃん、ギャラドス、ユキカブリ
ライバルはテンガン山で修行中。最後のテンガン山決戦で出てくる
265 :
王究斎:2007/02/26(月) 00:29:55 ID:???
〜その頃のナナカマド〜
彼は単身、マサゴタウンの研究所へと帰ってきていた。
すると、ずいぶん前に送ったメールの返信が届いていた。
「================================+
お尚志鰤です.ナナカマド吐かせ。めーる葉苦手ナノ
で、返信蛾晩くなりました.吸いません。
ミュウ鋸とでしたら拾年前にテニ煎れてから、長らく
朴が持っていましたが,細菌息子にゆずりまsひた。
ではまたオア石間翔。 クロツグ
+==============================」
「ちゃんと変換しろよ」と呟く、ナナカマドの視線の
先には、カレンダーが貼ってある。今月の絵は、ライコウ
とレックウザだ。そのカレンダーを見た、ナナカマドは
あることを忘れていたことに気づく。
「なんてこったい。忙しくて忘れていたが、明日はアイドル
でコーディネーターの愛しの渚の芙美子ちゃんの、ライブ兼
撮影会じゃないかー!!!いったいどんなリボンをしてくる
のかなぁ、芙美子ちゃんっ!!よおし明日は誰が何と言おう
とワシはテンガン山へ逝くぞー!!!!!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
メールの変換ネタは、好きなドラマ『タイガー&ドラゴン』厩火事の回へのオマージュです。だから、ライコウとレックウザなのです。
266 :
王究斎:2007/02/26(月) 00:50:29 ID:???
ヒカリは友好の街ヨスガシティに来ていた。あたりの建物のほとんどは、夜と同化していた。
「懐かしいけれど・・・やっぱり夜に来るものじゃないわね」
噴水の前のベンチへと腰をかけると、世界には自分独りしかいないような気さえしてきた。噴水
の中で遊ぶポッチャマとユキカブリを見て、ヒカリは聖母の様に微笑んだ。
暗闇が支配する街に、戯れの水音だけが聴こえる。ヒカリはそっと瞼を下ろした。きっと一連
の事件の終幕も近い・・・
彼女を久方ぶりの安息が包み込む。時計は夜の3時をさしていた。
その頃、コウキは↓
コウキはナナカマドにむりやりライブに連れて行かれることになっていた。
ナナカマド「だって一人じゃ恥ずかしいんじゃもーん」
えっ?HIRO's閉鎖!?
嘘だろー!?
ハッ!夢か・・・
269 :
王究斎:2007/02/26(月) 01:19:36 ID:???
「ねっ眠れない!」
コウキは自宅で夜中に飛び起きた。悪夢の原因は、あのヘンタイ博士のせいだ。
テンガン山で修行を続けるクロゾウ。
テンガン山へ、アイドルのライブを見に行くナナカマド、コウキ。(実はスキャンダルのせいでライブ中止になったことを彼らは知らない。)
そして、テンガン山へ向かうギンガ団の最高総裁アカギとその右腕マーズ、左腕ジュピター。(サターンはお留守番。)
ヒカリもアカギの狂気を知り、それを止めようとテンガン山に向かう決意をする。
加速してゆく物語。
今、複雑に枝分かれした物語の糸が一つに収束してゆく。
テンガン山の闘い――全てはここに在る。
雲ひとつ無い、紫色の空に東から光が灯り始めた。
運命の分岐点で立ち止まった人たちへの、カウントダウンを告げる日の出は
この世のあらゆるものの中で一番、誇り高く見えた。
いつも通りに早起きした木の実爺さんは、日課である小さな果樹園の様子を見に行って、その日大変不思議なものを見た。
向こうから、何かがやって来る。老眼で遠くはよく見えないのだが、こやしを買いに来た馴染みの業者にしては、いくらな
んでも来るのが早すぎる。しかしだんだんと近づいてくるのは、やはり人間のようだ。(何故、こんな朝早くから・・・)爺
さんの脳裏に嫌な考えがよぎる。爺さんがそれを振り払おうとした時には、既に・・・
婆さんが木の実を持って家出をした
274 :
y:2007/02/27(火) 06:28:17 ID:???
ノモセタウンを怪しげな集団が走り去ってゆく。彼らは皆、胸に「G」と書かれた服を着ていた。
一種異様な雰囲気を醸し出している一団はただそれだけで見る者に不安を掻き立てるに違いない。
しかし、木の実じいさんは違っていた。じいさんにとって最大の関心は、木の実をとって家出してしまったばあさんであった。
だから、異様な集団が通り過ぎようとたいした問題ではなかった。
大方の人々にとってもそうだ。それぞれにとって最大の事件とは、もっぱら身近なものに限られる。
だから彼らは気づかない。どこかで世界の危機が近づいていようと。
だから彼らは思わない。世界を救った者に感謝の気持ちを。
木の実じいさんがようやく、ばあさんを見つけ出し仲直りした頃、一人の少女が人知れず世界を救っていた――……
275 :
y:2007/02/27(火) 06:44:30 ID:???
テンガン山。
アカギとジュピター、マーズは今まさに時の神の復活に立ち合おうとしていた。
そして彼らにとっての邪魔者もここに。
「マーズ、ジュピター。そいつを止めろ」
アカギはヒカリを一瞥して、言った。
無言で対峙するヒカリ――どう考えても分か悪い。しかし、引くわけにはいかない。
旅立ったときからずっと付き添ってくれたパートナー、ポッチャマ。ポッチャマの眼差しはじっとヒカリを見つめている。
「やらなきゃだめよね、ありがとう。ポッチャマ!」
その強い眼差しに勇気づけられるヒカリ。
相手はジュピター、マーズの二人。それぞれの手にはすでにモンスターボールが握られている。
「いくわよっ!」
ヒカリが声を張り上げ、ポッチャマに指示を下そうとした瞬間――懐かしい声が聞こえた。
「待てよ」
闘いの最中だと言うのに、ヒカリは思わず笑ってしまった。嬉しかったのだ。
「オレのこと忘れてバトルしようなんざ、一億光年はやいぜ!」
クロゾウはそう叫ぶとゴウカザルを繰り出した。
ヒカリは加勢が来たことが嬉しかったのではない。
クロゾウがまた、良き好敵手に戻ってくれたことが嬉しかったのだ。
今、戻るべき鞘に刃が納まった。
そして、残りの刃もそれぞれの鞘に納まるべきとき――!
l;as;l;a
d;d;as:
we;:e:we
asds
qwe;:]e;qw
asdfl:f
weqwe:qw
sdfsdfsd
eqwepkqw
ポッチャマとゴウカザルのコンビ・・ぱっと見ポッチャマがつりあいとれないように見えるがポッチャマのレベルはもうすでに限界まで来ていた
ゴウカザルのレベルよりもはるかに高いのだ。釣り合いの取れてないのは実はゴウカザルのほうであったのだけど、クロゾウも修行を積んでいる
ポッチャマには負けるが敵のポケモンよりははるかに強かった・・
マーズがピクシーを繰り出す・・・ピクシーのゆびをふる攻撃!何がわかるかわからないこの技・・・しかし何も起きなかった
「くそ・・」
マーズが苦々しげにもらす。ジュピターはそんなマーズに見かねたようにブニャットでのしかかってくる。
しかしポッチャマはそれを交わし強烈な一撃をおみまいする!その一撃でニャルマーは倒れた
ジュピターは悔しげに次のポケモンをくりだし・・・ヒカリはポケモンをチェンジ、ジグを出して一撃を食い止める
「な、なんだ。。。そのポケモンは」
ジュピターが疑問を聞く。それもそのはずである。ジグザグマはこの地方に現在いないポケモンだからだ
ヒカリはそんな質問には答えず攻撃の手を止めない。クロゾウも同じだ。
二人は世界を救うという大きな意思のもと、攻撃を繰り広げた・・やがて、ダブルバトルを制覇したのはヒカリとクロゾウのコンビであった
戦いは制したがディアルガの復活は止められない・・
「はっはっは!ついに念願のこのときがきたのだ」
アカギが大笑いする。
・・・・
l;as;l;a d;d;as:
we;:e:we
asds qwe;:]e;qw
asdfl:f weqwe:qw
sdfsdfsd eqwepkqw
・・・・時間がゆがむ。何か奇妙な感じがする・・・
この世界の世紀末は今そこまできていた。
少し前
アカギさま!
したっぱの声がする
アカギは留守だったのでマーズは――
280 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/02(金) 21:24:17 ID:5ek8x5A8
マーズはサターンに連絡を入れてアジトを出ていった
「危ない危ない…忘れものがばれるとこだった。」
マーズはそう言うと自分のモンスターボールを持って出ていった
(アカギがヒカリに負けてマスターボールを渡した直後の話。ヒカリは地下の研究所に向かっている途中)
その頃、地下〜
「マーズのやつはパートナーを忘れるなんて…」
ネチネチ文句を言うサターンの前に「待て!」という声が聞こえた
「誰だ!」
サターンの前にいたのはヒカリだった…
そこには怪しげな研究装置が並んでいる。その中にはアグノム・ユクシー・エムリットが浮かんでいる
「なんてことを・・」
ヒカリは苦しそうな三匹を見て怒った。
「なんだ・・またお前か。言いたいことがあればバトルをしかけてこい!」
サターンVSヒカリ
勝ったのはヒカリだった・・・。
「ふん、そいつらはわたしてやる。もう用無しだからな」
サターンはそう言うと去って行った。ヒカリは解除スイッチを押すと三匹は嬉しそうに飛んでいった・・・
そして、その後。
三匹はある場所を目指していた。彼らは考えていたのだ。ディアルガを止めなければならないと。
ヒカリが逃がした三匹はどんどんとテンガン山へと向かってゆくーー
アグノム達を見送ったヒカリは疲れたので寝袋で休憩をとることにした
283 :
王究斎:2007/03/03(土) 16:50:32 ID:???
しかし、すぐ起きあがる。「何、敵のアジトで寝かかってるんじゃ〜あたしは!」
明日はテンガン山へ行こう。朝日とともに!!どーん!
後ろの研究書類の山が崩れた。ヒカリは明日のためにヨスガへと向かった。どどーん!!
また、書類が落ちた様だ。
284 :
王究斎:2007/03/03(土) 16:51:21 ID:???
“神と呼ばれたポケモンを求めて”
現在。テンガン山、有史以前から存在するオーパーツ。槍の柱。「グギュグバァッ!」ついに“そいつ”が姿を見せた。
遺跡中を疾風が駆け抜ける。時を司る、ポケモン。ディアルガ。
ディアルガはその場にいる誰が自分をたたき起こした奴なのか、辺りを見回した。背飾りが輝き、瞬間発光する。目を
開けていられない程の閃光が世界を駆け巡る。「こ・・これは・・」クロゾウは我が目を疑った。晴天の空に向こうから雲
がやってきている。三十万度の高熱が、天に衝く。天空に浮く巨大な砂時計が、悪戯にもてあそばれていく。
「グギュグバァァァァァアアアア!!!!!!!!!!!!!!」
渚の芙美子ちゃんの撮影会の場所が、分からずここまでやって来てしまっていたナナカマド博士とコウキは、空を見上げ
固まっていた。太陽が東の方向へ猛烈な速度で沈んでいた。「ありえない・・・」ヒカリはつぶやいた。隣のマーズとジュピター
もさすがに驚いているようだ。しかし、彼だけは違っていた。
「ふふふフハハハハハッ!おおディアルガ、これは・・・・・・!」アカギその男である。
「すばらしい!うつくしい!」「正に!新しいギンガの!宇宙の誕生だ!」
少し離れた場所の、発電所のプロペラが、風車の様にクルクル廻って、湖の傍のアトリエの残骸に埋まった“世界の終焉”を描いた
絵に、よくよく似た色の風景がシンオウを包み込んでいた。
285 :
y:2007/03/04(日) 17:22:28 ID:???
*
初めにあったのは、混沌のうねりだけだった。
全てが混じり合い、中心に卵が現れた。
零れ落ちた卵より最初の者が生まれ出た。
最初の者は二つの分身を創った。
時間が廻り始めた。
空間が拡がり始めた。
さらに自分の身体から三つの生命を生み出した。
二つの分身が祈ると、「物」というものが生まれた。
三つの生命が祈ると、「心」というものが生まれた。
世界が創り出されたので、最初の者は眠りについた。
――ミオ図書館蔵書『はじまりのはなし』より
*
ディアルガが一声鳴くと、どこかで時間が急速に流れ出す。あるいは逆向きに流れる。
あらぬベクトルに流れる時間。それは万物の理を崩壊させかねない、強大な、そして凶悪な力。
そう、時間が廻り始めていた。
正にこの場所で、今この瞬間、世界は一人の者の手に渡ったのだ。
「ふはははは! これが……、これがディアルガの力か! 伝記にまで残っていた“時の咆哮”か!」
アカギは、何かに取り憑かれたかのように高笑いをあげていた。そんなアカギに見かねたマーズが心配そうに声をかけようとする。
「あ、アカギ様……?」
その手を鬱陶しそうに振り払うアカギ。マーズは振り払われた勢いで倒れこんだ。
ヒカリは先ほどまでバトルを繰り広げていたマーズに手を差し伸べた。
「だ、だいじょうぶ?」
ヒカリの手をとり起き上がると、マーズは無言で頷いた。
そんな二人のことなどもう眼中にないアカギはなおも饒舌に自身の理想を語る。否、もはやそれは理想と言えない――妄想だった。
「この世界を変えれば……。間違った人間は消える。正しい人間が残る。そして、正しい人間はずっと生き続けるのが正しい。したがって、その世界の人間は誰も死なない。いなくならない」
アカギは高らかに笑いをあげていた。
ヒカリの目には、その姿はついに念願の夢を手に入れて喜んでいるというよりはむしろ、どこか抱えきれない悲しみに潰されそうになっているように見えた。
286 :
y:2007/03/04(日) 17:23:12 ID:???
夢。それを叶えるのは強い思い。意思。
夢。それに必要なことはそれを実現させるだけの技術。知識。
夢。それを叶えたときに人は幸せになる。幸せのない夢に何の意味があろうか。幸せだと思うその心こそが大事なのだ。つまり、感情。
ヒカリは強い意思をもって旅に出た。
ヒカリは多くの知識を身につけ強くなった。
ヒカリの笑顔には喜怒哀楽、数々の感情が浮かんでいる。
アカギにそれは――ない。これっぽっちもない。まるで何かが彼の中の時間を止めてしまったようにアカギは惰性で生き続けている。
止まってしまったアカギ。止まってしまった時間。
ヒカリはそれを動かしたかった。アカギにももう一度、全てをやり直して欲しかった。
ヒカリは、泣いた。
アカギのために、泣いた。
その涙が光輝き――そして、奇跡が起きる。
奇跡ではなく、偶然だったのかもしれない。
今、ディアルガの前に三匹のポケモンが姿を現していた――……
――――――
(チラ裏)
グギュグバァ! にクソワロタw
287 :
y:2007/03/04(日) 17:24:14 ID:???
修正:
>奇跡ではなく、偶然だったのかもしれない。
→奇跡ではなく、必然だったのかもしれない。
288 :
王究斎:2007/03/05(月) 01:07:03 ID:???
現れたのは、ユクシー・エムリット・アグノムの三匹。ヒカリは、霞む世界の向こうに希望を見ていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>286 ねー面白いですよね、グギュグバァ(意外とキーボード打ちやすい)。余談ですが、パルキアだったらガギャギャァッで、
アルセウスが出るとすれば、「ギュディーム リドゥ ペルドル 、ピーキュル キュローグ(そう聴こえないかな・・・)」
にしたいです。アニメの泣き声はリザードン意外は嫌いです(といっても、7年近く見ていないのですが・・・)。
私はアジトでの、ヒカリ対アカギの方を書いたので(たいした量じゃないですけど)、今度の最終決戦を書く気はないのですが
(最後のジム、対デンジ戦は凄く書きたい)、今回の戦いは『るろうに剣心』の瀬田宗次郎対剣心(2回目)みたいにならないか
なぁと期待しています。誰か書かないかな・・・
289 :
y:2007/03/05(月) 17:36:23 ID:???
ユクシーは云った――正しき知識を。
そしてエムリットは云う――常に感情を。
最後にアグノムが静かに、しかし力強く言い放つ――強き意志を。
心の三神が祈ると、ディアルガを強く縛り付けていた『赤い鎖』に小さなひび割れが生じる。
――正しき知識を!
――常に感情を!
――強き意志を!
なおも、彼らは力を集めんと意識を集中し始める。光が急速に集まり、まるで爆発にも似た閃光があたりを眩く照らし出した。
瞬間、ディアルガを拘束していた鎖は粉々に砕かれ――そして、霧散していった。
三神自身の血を素材に作り出された忌々しい拘束具は今まさに、三神自身の手によって砕かれた。
否、それは違う。三神と、一人の年端も行かぬ少女の手によって、砕かれたのだった。
「ば……ばかな」
アカギの口から半ば呟きにも似た言葉が搾り出される。
ディアルガは今この瞬間、人間の手を離れ、自由を手に入れた。そう、人間の手――アカギのもとを離れたのだ。それはアカギの夢の終焉を意味する。
ヒカリはキッと鋭い視線をアカギに送る。
目が合えばそれはバトルの合図、とは誰が言ったであろうか。この世界ではそれは常識。ヒカリは今この場でアカギの過去に蹴りをつけようとしているのだ。
もちろん、ヒカリにアカギの過去など分からない。分かるはずもない。しかし、アカギがやろうとしていたことが間違っていることをヒカリは知っている。
ポケモンバトルにおいて言葉は――いらない。
だから、ヒカリは気持ちを伝えたかった。想いを。言葉に乗せることのできない、乗せきれない、気持ちを。
290 :
y:2007/03/05(月) 17:43:20 ID:???
「小娘……、貴様よくも!」
アカギもまた、悟っていたのだろう。自身の行いが正しきものでないことを。
しかし、アカギは認めたくなかった。認めてしまうと、自分のやってきたことが、自分の信じてきたことが全て崩れ去りそうになるから。
――ヒカリは当然、そのことにも気付いている。
「今度こそ、決着をつけてやる!」
アカギはそう言うと、モンスターボールを投げた。
――ヒカリはアカギ自身が認められない過ちを、代わりに認めさせようとしているのだ。
「望むところよ!」
ヒカリもモンスターボールを投げた。
――アカギが自分でできない汚れ役、憎まれ役を買って出られるのは今この場には自分しかいない。
ヒカリはそのことに気付いていた。
だから、バトル。言葉なんていらない。
必要なのは気持ちと、この子たちだけ――ヒカリの目の前には一対の青き龍がまるで遠くジョウトの地のお城の屋根にあると言われる鯱のように並んでいた。
アカギのギャラドスと――そして、ヒカリのギャラドス。
最弱だったポケモンたちは今、こうして肩を並べ合っていた。
――――――――――――
(チラ裏)
>王究斎さん
自分は御庭番衆御頭の蒼紫の復活みたいなイメージで書いてました。意外と察してくれたらしく物凄く嬉しい限りです。
「グギュグバァ!」はゲームプレイ中にもっとも笑った瞬間だったりします。伝説ポケモンの鳴き声を文字にしちゃいけないと悟った瞬間でしたw
デンジ戦はこの戦いの後、少し経てばストーリー中で出てきますのでまた適当にリレーしてやってくださいな。
多少、オリジナル要素が入っても面白ければ良いと思っています。自分も勝手にヒカリの父親アオバを作りましたし、ペリーなんて何か流れで勝手にできてますしね。
てなわけで、ギャラドスが作中でアカギの手持ちとして出てきてなくても気にしない。そういうわけで前と被りますが、またギャラドス登場です。
相変わらず長文で一レスに収まりきれず、申し訳ないのですが勘弁。
291 :
王究斎:2007/03/06(火) 00:25:36 ID:???
ヒカリのギャラドスが宙に舞う。「・・・・・・!」背後から二匹の双龍よりも、絶大な重みを纏う龍がこちらを見据えている。いや神か。
「ディアルガ・・・」ヒカリの耳に轟音が響き渡る。グギャアアアアアアッ!先刻とは声が違う。「悲しみ・・・いや」
ヒカリのギャラドスの手当てをしている、ナナカマドが言った。「ヒカリ、あれは“喜びの声”だ」
「呼び捨て。・・・博士いらっしゃってたんですか?・・・!」なぜか博士の頬が染まる、そして目の色が変わった。「前エエエ!!!!!」
ギャラドスに飛び乗ったアカギが、目の前にいた。ヒカリは全てのモンスターボールを投げつける。
「180度前面!!居合い切り!!!!」ユキカブリ、ムウマージ、ジグちゃんの連携技がアカギのギャラドスの波乗りを切り裂き受け止める。
遺跡の中を轟音が響く。「ヒカリ!!」叫んだクロゾウが瓦礫の方へ駆け出すと、目の前に青き龍がいた。
「冷凍ビーム」噴煙の上がる瓦礫の山を見ながら、アカギが静かにそう言った。しばしの沈黙の後、彼は続ける。
「奇跡を起こすのかと思ったら、まさか神に見放されるとは。ヒカリやはりお前も旧時代の遺物なのだよ。・・・!」
292 :
王究斎:2007/03/06(火) 00:26:31 ID:???
自分を取り戻した彼とは裏腹にギャラドスは眉間に皺をよせた。「どうした。ギャラド・・ アカギのギャラドスが骨をみしみしいわせ、
縮んでゆく。「ばかな!進化が退行した・・のか ! 」
アカギは背に神を見た。ディアルガは不敵に微笑んだ。最も“そいつ”が恐れるものなど無いかもしれないが。
ぼろぼろになって地に伏したコイキングから出た大量のフケとウロコが突風に乗った。
ドダイドスを繰り出したコウキがアカギを見据える。「アカギ、どうやら神さんは誰にも従う気は無いみたいだぜ。
それから、希望のヒカリはまだ尽きちゃいない。」アカギの前にヒカリが立ち上がっていた。
=================================
連携技は、
>>228参考。>yさん なるほど蒼紫ですか。分かる気がします。シロナあたりがトンファー使ってもよさそう
ですね(笑)。あと、個人てきにはハリスが出てきて欲しいです。
結局書いていますが・・・前にも言った通りゲームはプレイしてい無いんですが、対アカギ戦で静かなディアルガが不思議
だったのでこんな風になってしまいました。
>>290 書き込むと一レスに収まってなかったりします・・・yさんも、気にせずに。
293 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/06(火) 10:15:17 ID:NMlf3iMM
イミワカンネ
ヨミヅレ
<<イミワカンネヨミヅレ・・・ミチヅレ・・・>>
ディアルガの声だ。
「ヒカリ、あれは喜びの声だ」
ナナカマドがまた同じコトを言っている。ぼけてるんじゃないのか?このジジイw
「いいえ・・あの子は苦しんでる」
ヒカリの言葉にナナカマドはびっくりした。
「わしでもわからなかったことを十歳の子供がわかっているなんて・・・なんてすごい子じゃ」
ナナカマドの言葉にアカギは「こいつただものじゃないな」と思った。
ヒカリは誰一人気付かなかったディアルガの苦しみに気づいた。
ディアルガは力を暴走させていた。いきなり復活させられ、無理に操られたのだから当たり前だった
ディアルガの周りでは時間が進んだり戻ったり、もうめちゃくちゃであった
さっきボロボロになったコイキングがまた生き返って元のギャラドスに戻ったり・・時間が狂っていた
「アカギさん・・・これ使うね」
ヒカリはそういうと、トバリでアカギからもらったマスターボールをディアルガに投げた
ディアルガは次第に小さくなって・・・そしてボールの中に消えた。
「ディアルガ、ゲットだぜ!」
ヒカリは嬉しそうに笑った。これで世界の危機は去ったのだが・・・・
↓
アカギVSヒカリ。因縁の対決!
アカギ「神を、ディアルガを捕獲したというのか・・・」
ディアルガは今、神話の時代からの役目から解き放たれて、ただのポケモンとなっていた。
アカギはこの世界は「絶対に」間違っていると思っていた。しかし、ヒカリはマスターボールを使っても「絶対に」ゲットできないと思っていたディアルガをゲットしてみせた。
「この世界には「絶対」などないということか...」
アカギがヒカリにマスターボールを渡した本当の理由はそれを証明してほしかっただけだった
「それがわかれば俺はいい・・・」
アカギがヒカリとバトルを再開しないでその場を後にする。「アカギさま!」
後ろから聞こえるマーズとジュピターの声を聞きながらそれを無視してアカギは去っていった・・・
マスターボールは
「絶対」ポケモンを捕まえる代わりに
ポケモンは
「絶対」に
出てこれない・・・のだ
ただし
ポケモンマスターの資格を持つ者だけが、その「絶対」の法則を無視すること
ができる。このボールのオリジナルを作った、関東・シルフカンパニーの技術者
たちは人々の憧れをこの球体にこめた。自分たちが叶えられなかった夢を・・・
そうだ。ならば、わたしがポケモンマスターとなってディアルガを自由自在に
操るのだ!!!!!!
アカギがやりのはしらを振り返った。
「わたしは・・・俺は、それでよくなんか・・・ない」
「アカギさま・・?」
「アカギ・・さん!?」ヒカリの眼には、一人の気が触れた人間が映っていた。
「そいつをよこせェえ!!!!!!!!!ヒカリィイイイイイ!」
マニューラが襲い掛かってきた。その姿は狂戦士の様だった。
ナナカマド「あかいくさりを使った反動で気が狂っておる!」
アカギは精神がまともじゃない。何を言ってもムダだ
ヒカリ「・・やるしかない!」
300 :
王究斎:2007/03/07(水) 00:45:19 ID:???
ヒカリはモンスターボールを握り締める。一番ぼろぼろで、何度も使ったこのボール。
「ふう。。愛着すらあるわ・・・」
時の化身の支配から解き放たれた、空が、世界を真っ青に染め上げていく。
「不思議。今日また朝日が見れるなんて・・・」
己の姿を誇示せんとするその空には、やはり「「雲ひとつ無いのね・・・世界の時間は戻った」」
ヒカリはひとりごちた。彼女の抛った球が、刹那、東の空に止まる。
モンスターボールがご来光の光を、いや“希望の光”を浴びて輝きだす。
つうん、と張り詰めた冬の空気が、彼女と共に鼓動し風となりて駆け出す。三百本のそびえ立つ柱が、閃光で、
今、宝箱と化す。
「綺麗ね・・・」凍り付けになっていたクロゾウを介抱していた女性が、思わず手を止めて彼女を見入った。
「お前も来ていたのか、シロナよ」
「ええお久しぶりです。ナナカマド博士。希望のヒカリを見届けたくて」
そこに、この場に、戦場の天使がいた。ボールから出てきた ポッチャマ と一緒にヒカリはアカギを
迎え撃つ!
アゲ
アカギ「ザワザワ…」
303 :
王究斎:2007/03/07(水) 02:20:28 ID:???
マニューラの攻撃はポッチャマを逸れて、空手割りが遺跡を砕く!
〜〜〜〜〜〜(チラシの裏)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>>300 あ! 読み返して思い出したのですが、ヒカリのポッチャマはボールに入る
のが嫌いなんですよね・・・だから自転車の籠から落ちるのか・・・!
まあ危険な匂いがしたんで、テンガン山、登山中に自分から入ったって設定
でお願いします。
304 :
y:2007/03/07(水) 04:58:09 ID:???
ポッチャマはその破片を避ける。そして影分身――ポッチャマは光のごとき速さで動く、動く動く!
その場にいる誰の目にもポッチャマの数が増えたように見えたであろう。まさに分身。影分身という技名の由来はここにある。
「く……、こしゃくな真似をォォオオオオオ! マニューラ、やれ!」
アカギは吠えると、すぐさまマニューラに命令した。しかし、その命令は曖昧模糊。マニューラは困惑しながら、技を繰り出す。そう――同じ技を。
影分身によって回避率のあがったポッチャマにとって、同じ技を使われてそれを避けられないはずがないッ! ましてや先ほどでさえ避けることの出来た技。もはや、ポッチャマにとってマニューラは敵ではなかった。
「ポッチャマ、よけた後そのまま、ハイドロポンプ!」
ヒカリの的確な指示を受けて、ポッチャマは最大の技を繰り出す!
その一撃を受けて、マニューラは地にひれ伏した。
「く、くそ……、使えん奴めぇええええ!」
苦々しげに歯軋りをするアカギ。
ポケモンバトルにおいて、ポケモンの力のみで勝敗が決まるわけではない。戦うポケモンと指示を出すトレーナー。その双方の均衡で戦いの勝敗は決まる。
「アカギさん……、今のあなたじゃ、私に勝てないわ」
ヒカリは諭すようにアカギに言った。
「うるさい! 貴様ごときに負ける俺ではない!」
ヒカリは哀しげに微笑んだ。
「私でも無理なのね……。アカギさん、どうやったらあなたを正しい道に戻せるの?」
言葉は届かない。
ならばバトルで伝えれば良い。けれど……、それでも伝わらない、気持ち。
今のアカギに届く言葉は、想いは――この場の誰からも伝えることはできない。
305 :
y:2007/03/07(水) 05:19:10 ID:???
――そのとき、ヒカリの持っていたマスターボールが微かに動いた。
「ディアルガ……?」
振動は徐々に増してゆく。
やがて、マスターボールからディアルガが姿を現した。
「あなた……、助けてくれるつもりなの?」
ヒカリの問いかけに、かつて“時の神”と呼ばれたディアルガは静かに頷いた。
ディアルガの時間を操る力はもう、無い。いや、無いに等しい。その最後の力を使って何かをしようとしてくれていることにヒカリは気付いた。
「そう……、ひどいことした私たち人間のために協力してくれるのね?」
しかし、ディアルガは返事を返さず、ただ静かに目を閉じたのみであった。
ヒカリにはそれがディアルガの肯定の返事であることが不思議とわかっていた。何故ならば、ヒカリはもうディアルガのマスターであったのだから。
ディアルガが静かな唸り声をあげ始める。ナナカマドやコウキはまたディアルガが暴走したのかと言い始めたが、すぐにそうではないことに気付いた。それほどまでにディアルガの目は穏やかで、優しかった。
突然、ディアルガの唸り声が止んだ。
「な、なんだ……? 格好だけか。そうか、ディアルガよ。ようやく俺のものになろうと決意したのだな? そうだろ! ふは、ふはははは!」
アカギはそんなディアルガの様子を見て高笑いをあげた。
その笑い声がぴたりと止まる。代わりに捻り出された声は驚きに満ちていた。
「ば……かな」
アカギだけではない。その場にいたもの全てが驚いていた。
何故ならば、彼らの目前には、先ほどまでとは一風変わった光景が広がっていたのだから。
306 :
y:2007/03/07(水) 05:33:52 ID:???
目の前には綺麗な真珠色の外観をした、ディアルガによく似たポケモンが立ちはだかっている。そしてそれらを操る、胸に大きく“D”と刺繍された服を着た集団。
「こ、こいつらは……、ダークホール団!」
驚きの声をあげたのはマーズだった。
そしてそれに呼応するように、ナナカマドが口を大きく開ける。
「こ、このポケモンはパルキア! 空間の神パルキア!」
空間の神パルキア。時間の神ディアルガと対をなすポケモンである。
「……ダークホール団がいて、パルキアがいる……、そして、アオバも」
静かに述べたのはシロナであった。
「シロナ……、お前いたのか。待て、アオバがいるということは俺はついに――」
「違う。これは過去の映像。実体を持たないただのホログラムよ」
アカギの声を遮って、シロナが冷静に判断してのける。
シロナの言うことは正しかった。ダークホール団の一団とすれ違っても、その身体と触れることはないからだ。
「そ、そんな……。時間を戻せ、ディアルガ! 映像だけじゃ意味がない!!」
しかし、その願いが叶うことはない。
ディアルガの時の神としての力はこれが正真正銘、最後のものであるのだから。
一同は、過去の事件の顛末を一部始終、その目に収めることになった。
*
パルキアを使って世界征服を試みようとしたダークホール団。
そして、それを止めるために現れた、その時代最強のトレーナー、アオバ。
『ポケモンリーグチャンピオンのアオバ……、名前は知っておる。しかし、伝説のパルキア相手に何ができる?』
ダークホール団の幹部らしき男が静かに問いかける。
『何もできなくても、何もしないよりゃずっとマシだろ?』
アオバは屈託の無い笑顔で笑ってみせた。
『俺さ、この世界が好きなんだわ。娘のヒカリの生まれてきた、大切な奴らが生きるこの世界がさ』
『だから? お前は何もできず、我々の前にひれ伏すことになる。死にたくなければ、去れ』
ダークホール団の幹部は仰々しく言った。まるで自身がこの世の神だと言わんばかりに。
アオバはそれを見て、くっくっと笑いを漏らした。
『何がおかしい!』
『お前に決まってんだろ。何もできない? 何かをしようとすることはできんだろ。やってやんよ』
アオバは静かにボールを取り出す。
307 :
y:2007/03/07(水) 05:57:43 ID:???
『これが何だか分かるか? わかんねえだろうな。遠いカントーってとこで少数だけ作られたボールだ』
その堂々とした態度に眉をしかめるダークホール団幹部。
『そのパルキアつないでる赤い鎖、ちゃんと作ったか? どうせ、おめえらのことだから適当に作ったんだろ。パルキアはお前の制御下に置かれていない。つまり、野生のポケモンってことだわな?』
幹部はアオバの意図にようやっと気付き、パルキアに攻撃命令を出す。
同時にアオバは高く跳躍し、マスターボールを投げる構えを取る。
そのタイミングは寸分の狂いもなく全く同じ。
辺りは光り輝き、そして――残っているものは誰もいなくなった。
*
眩い光と共に、ホログラムは全て消えた。
「そ、そんな……、アオバ……」
アカギの目にもう狂気の色は無い。
超人的な強さを誇った男の姿はそこにはもうなかった。そこにあるのはただ後悔に打ちひしがれる、一人の男の姿。
「アオバ……。あたしの……パパ?」
ヒカリの声にナナカマドが静かに応じる。
「ヒカリのお父さんはそれはそれは強いトレーナーじゃった。ポケモンリーグのチャンピオンにまで上り詰めるほどに」
その言葉をシロナが引き継ぐ。
「けれど、さっきの過去の事件でわかるように、十年前……、亡くなってしまった」
シロナの視線がアカギの背を見つめる。
アカギはただただ嗚咽していた。
無理もない。今まで友のためだと信じて行ってきたことは、過去に友を奪ったものと全く同じものであったのだから。
パルキアを復活させたダークホール団。
ディアルガを復活させたギンガ団。
名目は違えど、行なったことは同じだ。
308 :
y:2007/03/07(水) 05:58:35 ID:???
「アオバ……、俺はっ、俺は……一体どうすればいい?」
その背に少女の声がかけられた。
「何もしなくていいよ」
振り向いたアカギの目に映ったのはアオバの面影を残す一人の少女――ヒカリの姿だった。
「何もしなくていい。あなたが悪いことをしてきたってことに気付いたのなら、それでいい。罪? そんなのどうだっていい。たとえ世界があなたを許さなくても……、アオバの、アオバの娘があなたを許します」
ヒカリの言葉に、シロナが同意する。
「アオバの友、シロナはあなたを責めません。そして、この場にいる……、アオバの友クロツグの息子クロゾウも」
シロナの言葉にクロゾウが力強く頷く。
「クロツグの息子……? 言われて見ればよく似ている」
アカギはポケットからくしゃくしゃになった一枚の写真を取り出した。
そこには、笑顔のアカギ、シロナ、クロツグ、そしてアオバが映っていた。
今この場に、シロナがいる。アカギがいる。クロツグの息子がいる。アオバの娘がいる。
「アカギ様……」
その背に恐る恐る声をかける、ジュピターとマーズ。
アカギはすっと立ち上がると深く息を吸い込んだ。
「俺はギンガ団をやめる。ジュピター、マーズ。お前たちも好きに生きろ。ディアルガよ、すまなかった。そしてありがとう。シロナ、今も変わらず友でいてくれたことに感謝する」
アカギはシロナに礼を言うと、ヒカリの顔を見つめた。
「アオバの娘、ヒカリ……。お前はその名の通り、この世界の、俺たちの“光”なのかもしれないな。今回のこと、すまなかった」
アカギはヒカリに深々と頭を下げた。
「そんな……」
ヒカリは照れくさそうに頭をかいた。
309 :
y:2007/03/07(水) 06:03:35 ID:???
「だが――俺はまだ諦めん。諦めきれん。まだ、奴を、アオバを生き返らせる方法を探すつもりだ。安心しろ、今回のような馬鹿な真似はしない。冥界の神みたいなのに頼めば何とかなるんじゃないかと思ってな」
アカギは最後の一言を冗談で言ったつもりであったが、シロナがそれを肯定した。
「冥界の神ギラティナ、ね。確かに存在するようだわ。まだ希望はある。私もあなたを見習って、頑張って探ってみるつもり。何事も諦めちゃいけないってことを今回のことで学んだわ」
「驚いた……、冥界の神は本当にいるのか」
アカギは一瞬、考え込むような仕草をしたがすぐに首をふった。
「だめだ、わからん。これからじっくり一人で調べてみる」
「一人で、じゃないですよ、アカギ様」
そう言ったのはジュピターだった。それにマーズも同意して言う。
「そうです。私たちはギンガ団ではなく、アカギ様についていきます」
アカギは「そうか」と軽く言うと、着いて来いと言わんばかりに歩き出した。
ヒカリたちはその背を見送った。ギンガ団を抜けて、新たな道を歩き出した三人の背をいつまでもいつまでも見送った。
止まっていたアカギの時間は、今――動き出したのだった。
テンガン山の闘い――完
――――――――――――
(チラ裏)
また性懲りもなく長文を書いてしまって、分割したらこんなレス数になってしまっていました。
一応、リレーということも自覚して、今までの流れをしっかりくみとって(バトンタッチして)書いているので、リレーってことでお願いします。
>王究斎さん
ポッチャマは自転車のカゴから落ちた一件で、びびってボールに入るようになったのです。多分。
何か前にそう書いてあったような気がしますw もしかしたら書いたの自分かもしれないけど忘れてたりする。
また、デンジ戦あたりを頑張ってくださいね。自分は何だか書きたいことを書ききれなかった気がします。やっぱり、文字数制限あるのは窮屈な気がしますね。どこか適当にブログでもレンタルしてきて加筆修正しようかな。
「それじゃあ、みんな一度マサゴタウンに帰りますよ。」コウキがいった。
「フーディン!テレポート!!」
槍の柱はいつもの様に、静かな昼を迎えそうだ。
ただ、誰一人気づかなかった。(歴史的に見れば)短期間で二体の、“神の化身”
を失ったと言うことに・・・・・・
311 :
下っ端物語:2007/03/07(水) 08:03:04 ID:???
その頃
サガットのアイグーショットが見事に決まって、ヤスは元の世界に戻ってきていた。
彼はこの世界で自分が神話として残されてることなど知るよしもない。
しかし、彼はもっと重要なことを知らなかった。ギンガ団の現状である。
〜〜ここはトバリシティ、ギンガトバリビル〜〜
ええ、ええ、はい
そうです、
まぁそんな感じで
はーいはい、ではでは
ガチャッ
よし!上からの許可が降りた!
トバリのギンガビルは一時期、アカギ・マーズ・ジュピターの失踪で混乱したが残ったサターンの手腕で何とか体裁をとりなした。現在のトップはサターンだ。
「まったく・・ボスたちも無責任だな…」
さっき下っ端団員(以前、ハクタイでピッピの強奪に文句を言った人)から連絡を受けたのだった。話の内容は新しいギンガ団のあり方。内容は妄想じみたものだったが、悪の組織ではない。正しい組織…捨てられポケモンを保護しそれをまた新しい持ち主に渡すといった内容だった。
このためには莫大なお金がかかる。サターンはこれからテレビ放送を手伝ったりとこつこつとその予算を立てていこうと決めていた…
「一応、部下も残ってくれたものもいることだしな」
サターンはさっき帰ってきた下っ端のヤスを見て言った。
ヤスは「俺の家はここしかないっす!」と元気よく言った。
「これから・・かつてのギンガ団の間違いを繰り返さないように頑張っていこう」
「はい!!!!」
ギンガ団も今正しいものに変わろうとしていた・・・
こうやって時間は流れる。神がいなくなっても世界は進む。
ヒカリはディアルガを新たなパートナーに今、ナギサシティに立っていた…ここには最後のジムが立ちはだかっているーー
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒカリの手持ち
ポッチャマ、ムウマージ、ジグザグマ(ジグ)、ユキカブリ、ギャラドス、ディアルガ
真面目な警備員――
はー、喉が渇いた
おっとそっちは通行禁止だよ
316 :
王究斎:2007/03/08(木) 03:01:49 ID:???
“彼女は「嘘」など言ってはいない”
「あら、通してはくれないの?イジワルな警備員さんね★フフ」
ヨスガシティの楓は、カントウ地方に来ていた。彼女のことを思い返してみて欲しい・・・
純白のコート、細く可憐な黒いブーツ、背中には首の毛皮のマフラーから出る、六本の尾があり、
風と遊んでいる。「もうすぐ、春ね・・・」不意に、オオダイル製の革の鞄が震えた。ケータイ
のバイブレーションだ。
「もしもし、亀です」
「楓君だね。まだ、彼氏は戻ってこないか。やはり数年前の“シンオウリーグ潰し”の作戦には
私も加わるべきだったよ」
「世間話をするつもりなら、切りますよ、浦島さん。それから本名で呼ばないでください」
「おお、すまない楓・・・あ・いや、亀よ。今日の新聞は見たかね。」
「新聞・・・ギンガ団のことですね。チャンピオンが時の化身の暴走を止めたらしいじゃないですか」
「・・・表向きは・な、実際は君の計画通り、アオバ=ヒカリが成し遂げたのだよ。さらに未確認情報
だが、ディアルガもその子が捕獲した、と見て間違いあるまい。よって計画は次の段階にシフトする。」
「(やはりやってくれたわ、ヒカリちゃん)了解しました。ボスにも宜しくお伝え下さい、浦島さん。
『月の信仰軍(ママキーヤ)』に栄光あれ」
「心得た。栄光あれ」 そこで、電話は切れた。
彼女のことを思い返してみて欲しい・・・彼女がガバイトを手放した当時、普通の人間がスターの実
を持っているなどということは、ありえないことなのだ
317 :
王究斎:2007/03/08(木) 03:14:51 ID:???
「ここがナギサシティ。綺麗な街〜」
ヒカリが呟くと、突然背後から声がした。「君の方がずっと綺麗さ、お嬢ちゃん」
顔立ちはアルトマーレ系の血が入っている様で、かなり整っているが、如何せん頭の赤いアフロの趣味が悪い。
地毛だろうか。声はその男のものだった。
「あなた、誰?」
「おっとこりゃ失礼。紹介がまだだった。おれの名前は四天王の
318 :
王究斎:2007/03/09(金) 02:27:37 ID:???
オーバだ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
何故か
>>317が途中で、終わっていた・・・
やるぞ!今すぐ来い!
誰かの声がした
しかし・・・誰?
320 :
y:2007/03/09(金) 23:01:19 ID:???
「犯るぞ! 今すぐ来い!」
オーバの声か、そう気がついた瞬間、意識が覚醒した。
デンジは今日もナギサ名物ポケモン岩を眺めながら眠ってしまっていた。
オーバは何かにつけてデンジを元気づけようとする。それがしつこすぎたために、夢にまで見るようになったのだろうか。
「ふう……」
デンジはまた一つため息をついた。気晴らしにシルベの灯台に行ってみるか。それでまた少し、気が晴れるかもしれない。
デンジはその場を後にしたが、その背を一人の少女が見ていたことには気がつかなかった。
―――――――――
(チラシの裏)
デンジ戦への布石程度に。一人の少女は言うまでもなく、ヒカリです。
ナギサシティ、そこは海の見える街。ナギサシティ、少し複雑な街。
ナギサシティ、そこは何故かこないだまで、停電でいけなかった街。
「わ〜凄い。これが夢にまで見た、ソーラーパネルの歩道橋!!」
デンジを追いかけていた、ことも忘れてはしゃぐヒカリ。幼い頃から
この街は彼女の憧れなのでした。隣をテクテク歩くポッチャマも嬉しそう。
「タップなんて踏んじゃって嬉しそうね。ポッチャマ」
気がつくと、街一番の市場に来ていたヒカリ。色色なモノが売っています。
「ここは・・・?」
オリエンタルな空気を漂わせるその店は、低めの天井にありったけの雑貨が
敷き詰められています。「この、シール素敵じゃない、ポッチャマ?・・・」
「ポッチャマ?聞いてるの?」
「お嬢ちゃん。あまり女の子が、無防備にお尻を突き出すもんじゃないよ。
あんたの相方、あなたのスカートの中覗いてるわよ」
「え?」ヒカリが後ろを振り向くとホッペをつねられてるポッチャマが、羽を
パタパタさせています。
「最近シリアスな戦いが多かったから、忘れていたけど、そういう子だったわ。
ありがとうございます。ここ、あなたのお店ですか?・・・って、ジーナおばさん!」
「あら、ヒカリちゃんじゃない。ずいぶん大人っぽくなったのね」
お父さんの姉、ジーナおばさんとカフェでご馳走してもらった後、たっぷりの
シールをかばんに詰めて、ヒカリは海岸の方へと向かいました。足跡の残る、少し
固めの砂浜、春の海、いい天気、太陽と雲が競い合っている素敵な午後。
遠くに人影を見ます。近づいてみると、一人の女の子、いや女の人でした。
「ごきげんよう。日焼けの嫌いな、28歳、ジムリーダーのミカンです」
「・・・(えぇぇ〜何この人。てゆーか、この幼い感じの顔・・・絶対男受けする。
あたしよりカワイイんじゃないの。ガ〜ン。魔性の女?でも‘日焼けは嫌い’とか
自己紹介で言っちゃうあたり、きっと不思議ちゃんだこの人〜〜。でも、そっか28
ってことは不思議さんの方が良いのかな?あ、ちょっと困ってる。そうか、あたし
が心の中で突っ込みを入れているからだわ。わたし、まるであの有名なゲームの主人公
か、幽霊と退治した時の酒留さんじゃないのよ〜)」
「あっジムリーダーと言っても、この街じゃなくてですね」
「(なんか気を使わせちゃったーーー!この街のジムリーダーは男だってさっき聞いて
いるから、大丈夫だって。なんか言わなきゃ、どうしようごきげんようって言えば良いかな
・・・あ、なんか涙目になってきちゃった。もうごきげんようとかいえないじゃん」
「グス、あなた冷たい人ですね。ミカンのことそんなに睨んで、知ってます?
トレーナー同士の眼が合ったなら・・・バトルです」
「(ええっ〜〜!!!)」
ヒカリとミカンの掛け合いは、また別の話。
ヒカリはシルベの灯台へとようやくたどり着いた。
そこには・・・
324 :
王究斎:2007/03/10(土) 03:19:18 ID:???
・・・そしてヒカリはジムの前に来ていた。
325 :
王究斎:2007/03/10(土) 03:21:49 ID:???
ジムの内部は異状だった。
「これが、街中の電気を使い漁って作り上げたものなの・・・」
ヒカリは、唇をかみ締める。彼女の眼に映るのは、カラクリの要塞。
施設の至る所に、高圧電流の流れる浮遊塔が浮かぶ。奈落まで繋がるかの様な、真っ暗穴からは、何か生き物の
焼け焦げた匂いが漂ってくる。「大丈夫か、未来のチャンピオン・・・」入り口にいる雇われの案内人が心配そうな眼
でこちらを見ていた。ヒカリは、頭の帽子を取るとそれを電流に投げた。暗闇に光がぽつり、灯る。ジュウー、愛着の
ある帽子が灰となってしまうと、ヒカリは案内人の方を向き笑顔で答えた。
「大丈夫だから」長く伸びた黒髪を、項を覘かせる様に後ろで片手でふわりと掴むと、バッグからジーナおばさんから
プレゼントされたアジアンテイストのヘアゴムを取り出した。
ふっと左手をかけたかと思うと右手左手、 ヘアゴムを使い、「あっ」という間にそのヤミカラスの濡れ羽色の髪が
束ねられた。不気味なあやしさをもつ首すじ、領脚。まわりにすこし束ね忘れた細々爛爛とした髪に触れる美しい手。
隠れていた両耳が姿を現した。まるで空気にも触れられたことのないようなみみたぶの後ろ。左の耳の後ろには産毛
があるかないかの中に、小さなこげ茶色の黒子がある。そしてそっと後ろにふり向きかけやめ・・・
326 :
王究斎:2007/03/10(土) 03:23:02 ID:???
布の焦げた匂いが、案内人を現実に引き戻した。彼は、慌ててボタンを押した。ライトアップされると部屋全体が見通
せる。ヒカリはその全景に圧巻した。とりあえず、この部屋がジムの全てではないことはすぐ分かったが・・・縦にも、
横にも折り重なり沈黙している歯車が奥の部屋にあるのが、見える。この部屋の歯車は、三つ。数メートル先に、
トレーナーが一人。ニヤニヤと笑い、ガムを噛んでいる。
「なあ!未来のチャンピオン。このジムは見れば分かるが、歯車(ギア)のカラクリをクリアしなければ、戦うことすら、
敵わないぜ!そこに・・・」
「いいよ、案内人そこの切れかかってる女には、後は俺様が説明してやる!と言っても俺様もこのジムに住み込んだ
のはさっきさ。前にここにいた奴はどこかへ消えちまったぜ」下を指差すガム野郎。「このジャンク穴へ、とかな!!
ハハッ!おい!なんか反応しろよ女!」
ヒカリは前方を人生で一番見据えた。
「焦げた匂いは、布の燃えた匂いに変わったけれど。この嫌な油くささは消えないわね。ふぅっ、こないだクロゾウの
描いた油絵を見せて貰ったけれど、あの匂いとは月とスッポン。」
「おいっ餓鬼女!!何をブツブツ言ってやがる、吹きでものかッハハッ!」
327 :
王究斎:2007/03/10(土) 03:23:56 ID:???
「・・・あんた分かんないの。こうして喋ってる間に、あんたが私から逃げ切れる時間を稼いでやっているんじゃない。
ったくさっきから、どこもかしこもイライラするジムね!やっぱりあのジムリーダーの人柄かなあ・・・それからね、
経験量でいったら、よっぽど私の方が大人よ!!」
「・・・・・あんだァこの餓鬼イ!胸もねぇくせによ!いきがるンじゃねぇよ!」
「あるわよっ!こないだ会った28歳の女性よりあるもん!てゆーかポケモンバトル関係無いじゃないの!!あとっ
案内人!」ヒカリの機嫌は相当悪い。
「はいいいぃっ」
「‘戦うことすら敵わない’ってさっきそういったわよね」
「ああ、髪を束ねたくらいじゃどうしようも無いぜ」
「神も束ねたんだけどね」
「「??」」
「この場所から、いくわよ。ガム噛み男。実戦で試すのは『初』だから、このジムがどうなるかは知らないけど。
行くよ、ディアルガ!!!!!!!」
轟音がナギサジムに響き渡った。
328 :
王究斎:2007/03/10(土) 03:24:56 ID:???
隙間の暗闇が奈落ならば、差し詰めそこに浮かぶ鋼鉄の円は、運命を司る神々の住処。その住処を護る天使の数
は十二、天使は歯となり、歯車はそこにある。上に敷かれたレールはさながら人生だ。
二つ目、三つ目の部屋と、辿りついたヒカリは、歯車を背後に、デンジのもとまで来ていた。そこにやる気のなさそう
なジムリーダーが座っている。冷たい眼・・・ヒカリは何も言えなかった。
「・・・さて挑戦者。たまに俺と戦えるトレーナーがいるけれど、みんなつまらない。というか手ごたえがないんだよ・・・・・・
・・・・・・ふう、俺がジムリーダーのデンジ。シンオウで一番のジムリーダーだと言われるが・・・・まあいいや」
「俺にポケモンの!!!!ポケモン勝負の楽しさを思い出させてくれるトレーナーであってくれ!!!!!」
ヒカリは無言で、ボールを出す。「行って!ムウマージ」
「ああやる気満々だね。コイツぐらいは倒してくれ!」デンジは立ち上がると、左手をポケットに入れて、斜めに体を向け、
右手でボールを放った。
―ジムリーダーのデンジは
ライチュウをくりだした―
「ライチュウ!光の壁!!」
「そうやって、また壁を用意して・・・たまに俺と戦えるですって、どれだけ辿りつくのが大変だと思ってんのよ。
あなたはいつも・・・本当に強い人と戦ったことも無い臆病者よっ!」ヒカリの脳裏にはアカギが蘇った。
「言うな挑戦者!ライチュウ!‘デンジ版’充電120%チャージビーム!」ライチュウの周りに閃光が集約
されていく。ヒカリは叫んだ。
「戻れ!ムウマージ!」
「ハハハハハ!散々人に言って自分だって臆病者じゃないか!!いや、君こそが・だ!蓄電中にポケモン交換とは
ハッハッハッハ、やってくれる」
329 :
王究斎:2007/03/10(土) 03:25:25 ID:???
ヒカリはキッとデンジを睨んだ。「見せてあげる!本当の強さってものを!」
「はっどんな奴に代えても、俺のチャージビームでイチコロだっ」
「ゆけ!ギャラドス!」
ヒカリの出した青き龍にチャージビームが直撃する。ギャラドスは歯車を壊しながら落ちていく。「!!!・・・・んq・・
なっっっ!何故、水と飛行のギャラドスを・・・!」
十二対の天使も、神も、奈落も、関係ない。鋼鉄を噛み砕きながら、滝を登るかの如くギャラドスがヒカリの背後
に現れた。「ごめんね。ギャラドス。でもあと少し頑張ってね♪」
からだ中をバリバリ、バリバリいわせているギャラドスが思い切り吼えた。
=================
長くなってすいません後は他の人、お願いします。アレですね。凄く書きたい、とか言うものじゃないですね・・・・。
関係ないけれど、
ONEPIECEで一番好きなセリフは、「わしは この町の長 さながらの 町長じゃ!!!」です。今回さながら使ってみました。
330 :
王究斎:2007/03/10(土) 18:23:54 ID:???
稚拙で脈絡のないうんこ文章書いてごめんなさい
責任とって死にます
331 :
y:2007/03/10(土) 22:42:37 ID:???
なぜ……、ギャラドスが落ちない!?」
デンジの表情が見る見るうちに驚愕の色に染まる。
「ソクノの実よ」
ヒカリは不適に笑った。
ソクノの実――電気タイプの技を半減させる木の実。ノモセの木の実爺さんにもらったもの。
ヒカリは長い旅路の中で数々の経験をし、数々の人と出会った。それら全てを吸収し、成長してきたのだ。
「なるほど……それでか」
しかし、一度の攻撃を受け切れてもタイプとしては圧倒的に不利なはず。デンジは鼻で笑った。
「ギャラドス、たきのぼり!」
電気タイプに対して水タイプ技――こいつもやはりつまらない相手か、とデンジが意気消沈しかけた正にその時。
「ば、ばかな……」
ライチュウが落ちた。ギャラドスのたきのぼりは相性の悪ささえも巻き返し、ライチュウを倒したのだった。
デンジは自分の中の闘志がむくむくと鎌首をもたげてくるのを感じた。
おもしろい。胸が高鳴る。長らく感じなかった気持ちがデンジの心を支配した。
「少女、礼を言う……。俺はバトルの何たるかを忘れていた」
「ヒカリ、よ」
「光? ああ、ヒカリ。君の名前か。ヒカリ、このバトル、勝っても負けても絶対に忘れないっ!」
デンジの目に今までなかった闘志が燃え上がる。
オーバが何度灯そうとしても不可能だった、闘志の炎が。
「今度はオクタン、ゆけっ! 水タイプには水タイプ。正々堂々と戦おう、ヒカリ!」
しかし、多くの敵と闘って来たヒカリにとって、デンジはもはや敵ではない。
相性さえ巻き返すほどのギャラドス。同タイプなど眼中にないに等しい。ギャラドスのたきのぼりがオクタンを襲う。
かつて最弱と貶され続けたコイキングは、今、目の前に立ちはだかる敵全てを薙ぎ払う剣と化していた。
「また……、たきのぼりかっ! ギャラドスは打撃タイプ。波乗りではなく、たきのぼりを使うとは……、やはりヒカリ、お前はただ者ではないなっ!」
デンジは押されているにも関わらず、心から楽しそうに言う。
332 :
y:2007/03/10(土) 22:45:45 ID:???
「このたきのぼりはね、この街で覚えた技なのよ。二十八歳のミカンさんからもらった秘伝マシンを使ってね!」
ヒカリはミカンにバトルを仕掛けられて、勝利した。
ミカンはその勝利を称え、秘伝マシンをヒカリにくれたのだった。もっとも、ヒカリが『ひでんのくすり』を所持していたことも一役買っているのだが。
(ミカンはシロナを一流トレーナーとして認めて、ひでんのくすりを譲渡した。そしてそのシロナの持っていたひでんのくすりをヒカリが所持していると言うことはシロナがヒカリを認めたということだからである。)
「さっそく覚えた技をこうも容易く使いこなすとは……、ヒカリ。末恐ろしいトレーナーだな」
会話を繰り広げながらもバトルは続く。
オクタンが破れ、エテボースを繰り返すデンジ。
「ノーマルタイプね。役割は他のポケモンのサポートと言ったところかしら?」
「やはり、読まれていたか……」
苦笑いを見せるデンジだが、ギャラドスは攻撃タイプ。さほど、エテボースの邪魔にはなるまい、と考えていた。
しかし――
「ギャラドス、挑発して!」
「なに!」
ギャラドスの挑発に乗ったエテボースは攻撃しか出来ない。エテボースは役割をこなせぬまま、次のターンにギャラドスの強力な一撃の前にひれ伏した。
ヒカリの一方的な勝利である。
「く……、こいつで最後か。いけ、レントラー!」
デンジが繰り出すは電気タイプ。
「そうよ、それでこそ、電気の街のジムリーダー!」
ヒカリはデンジを賞賛した。
デンジはその言葉を聞いて、自らがどれほど愚かであったか悟った。
「そうだ……俺は電気のジムリーダー。なのに、他のポケモンに目移りして、電気タイプとしての誇りを忘れていた。俺は、俺は……、自分でバトルをつまらなくしていたのだ!」
333 :
y:2007/03/10(土) 22:51:15 ID:???
その言葉にヒカリは強く頷いた。
「強いポケモン、弱いポケモン、そんなの人の勝手。本当に強いトレーナーなら好きなポケモンで頑張るべきよ!」
いつか、ヒカリが誰かに言った台詞。この頃にはエリートトレーナーの間でブームが起き始めていた台詞であったが。
「そうだよな、だから君のポケモンは一貫性がない。好きなポケモンで頑張っているからだ! 俺はそんな君を尊敬する……、そんな君と戦えたことを誇りに思う! 負けても悔いはないっ! いくぞ、レントラー! 放電だ!」
レントラーが先手を取る。
デンジの想いがレントラーに通じたのかもしれない。自身よりも強いはずのギャラドスから先手を取る。本来ありえないはずの奇跡が起きたのだ。
レントラーの放電はギャラドスに直撃し、その一撃で弱っていたギャラドスは倒れた。
「やるわね。それでこそ、ジムリーダー! でも、これで最後よ! ポッチャマ!」
またもや相性の悪いはずの水タイプ。しかし、ヒカリのもっとも慕うパートナーであり、もっともレベルの高い最強の手持ちポケモン。
「ポッチャマ、ハイドロポンプ!!」
ヒカリが高らかに支持を与える。それは同時に高らかな勝利宣言であった。
この瞬間、最後の砦、ナギサジムリーダーのデンジの敗北が決定したのであった――……
――――――――――
(チラ裏)
王究斎さんの後を続けてみましたが、いまひとつバトルシーンは苦手なので短めにいきました。
王究斎さんは前より上達している気がします。脈絡のない文章など言わず、更なる上達を目指してやってくださいね。もっと、語彙力豊かな文章を拝見したいです。
自分には語彙力が乏しく、いつも尊敬させてもらっている限りです。自分も精進しないとなあ……。
ということで、デンジ戦終了後からリレーの続き、どなたか御願いします。
334 :
王究斎:2007/03/10(土) 23:35:41 ID:???
(チラシの裏のみ)
yさん、いつもご丁寧に、ありがとうございます。文章が上達したのでは無く、段々とのめり込ん
できたからだと思います。それで言うつもり無かったのですが(それは、それで面白かったから。
元々息抜きとしてやっていましたし)、結果として折角のyさんの厚意を踏みにじっているので、
言わせて貰いますと、
>>330は偽者ですよ。
対策も何もしていないので、名を使えば、誰でも王究斎な訳ですが・・・一応、「王究斎」とゆう
ハンドルネームは、日本のとある地域の、とある県の、とある市まで特定出来てしまう、というよりは
その地域の人にとっては、王究斎の読み方(音)さえ分かれば、元ネタにすぐ気づくものなんです。
ですから、
>>330の彼(彼女)はそれが、東海地方の・・・に続く県名などが分からない筈です。
あと私は、下ネタは上手に扱うのが難しいと考えているので、まず書きません。スカトロ系の男も嫌いです
しね・・・
デンジ戦ですき放題やりすぎた感もあるので、これからは、名無しでいくかも知れません。
ただ、実は本物の王究斎が、最初(はな)から一人・・・とも限りませんが。
狂い、止まり、電流を纏い、地下に落ちていく、歯車の中でデンジは膝をついた。一矢を報いたものの
見事な敗北である。十二の鋼鉄の歯を纏った世界は、他の多くの世界をまきこんで崩れていく。
「・・・・・・」ヒカリは憑き物が落ちたようなデンジの晴れ晴れとした顔を黙って見つめていた――
ここに、シンオウ地方8人のジムリーダーが堕つ。
|||||||||||||||・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・||||||||||||
一月と少し前、クロガネシティ。
「ヒカリちゃん。そのリーグバッチを、種類が違う物でないと駄目だけど、8つ集めると『ポケモンリーグ』
に挑戦できるんだよ。君は強くなりそうだから、覚えておくと良いよ。あ・そんなことわざわざ言わなくても
知ってるかな?」
「ううん、全然!そんなことないよ。ありがとう、ヒョウタさん。技マシンから何から何まで・・・」
「技マシンは、挑戦者が僕らジムリーダーに勝った場合は必ず渡すように、協会で決められているんだよ。そんな
に畏まらなくても良いのに、まだまだ若いんだから。それから、これは内緒の話なんだけど・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・|||||||||||||||||||||
|||||||||・・・・・・・・・
「受け取ってくれ、すばらしき挑戦者!ビーーーーコンバッチだ!」
「・・・はい」
増水!氾濫!!こんなの聞いてない!!!戦慄の223番道路!!!!
(ドン!)
いてっ!どこ見て歩いてんだコ・・・あ・・・き、君は・・・
age
普段より水の多い223番水道から、照幸は早々に引き上げてきた。
「ゴルダックの波乗りでも流されるとは・・・ぶぁっっはっくしょん!さ・・寒い」
40代に差し掛かった彼の服装は、下は海パン・上は今着たばかりのロンT、3月の
上旬の気候では、これでは風邪を引いてしまう。照幸は水辺すれすれにある自宅へと
戻った。
彼が家に帰ってみると、部屋の中央のテーブルの上に、半分くらい齧られたチーズ
が、置かれていた。
「しまったコラッタかな・・・★」
「ちがいます。ごめんなさい、私です。驚かないで下さい、そのそこの水道で濡れて
しまって、あ・でもすいません、コレじゃ泥棒ですよね・・・」
少女が部屋にいた。目線を下げ、うつむき加減でシュンとしている。ははあ★この
女、自分の容姿が他人からどう見えるか、きちんとしってやがる。魔性な女め、
とは照幸は思いもしなかった。独身生活が長いと、人間変わってくる。
「・・・あの、私・・・」
「いや、気にしなくても良いよ★大体そんなもんだからねRPGは」
「R・・って何ですか?」
「ロリコンでは無いけれど、ピンポイントを突いてくる(容姿の)、ガールだって★
って違うよ!ロンリー(ひとりぼっちの)、ポケモン、レンジャーの略さ★!」
「ロンリーってRでしたっけ?」
「いやっ分かんないけど、とにかくっ客人として君をもてなそう。良いだろう?」
「はい、もちろんです。」
少女が顔を上げたので、照幸は始めてその顔をきちんと見ることができた。って
こ・この子は!そこにいたのは自分の姪のヒカリだった。
少女もこちらを見て、眼を見開いてる。「あの!私、ポケモンレンジャーでもないですっ」
「そのことっ!」 風邪をひきそうだ
「それで、君は今・シンオウ四天王に挑戦しようとしていたら、この223番水道の水
があまりに多いんで、思わず余所見していた所を、角を曲がってきた、知り合いの
クロゾウというトレーナーに気づかず、彼の乗っていた自転車とぶつかって水の中に
落ちた・ところ何とか自力で脱出したが、濡れていて寒かったから、目に付くところ
にあったこの家に入って、服が乾くのを待っていた・とそういうことでいいのかな★」
照幸がヒカリに聞いた。二人ともバスタオルに包まり、暖炉の前で火にあたっていた。
食事は先ほど終えた。
「・・・そんな、誰かに説明してるかのような言い方・・・でもまあ、それであっています」
「そうかい。それで、そのクロゾウって子は?」
「それが、私が水から上がるともういなくて・・・・・・」
「そうかい、気にするな★、ヒカリちゃんおじさんもとい僕が、
君をもっと夢中にさせてあげるからね☆」
「そんな、色々版権に引っかかりそうなことを惜しみもなく言わないで下さい!」
「でも、ちゃんと食事も用意したし、あ・美味しかったろ、僕特性のビフテキ★」
「や・・・確かにそれは美味しかったけど、・・・他に家族や親戚はいないんですか?」
「ぼ・・・僕・・・肉出したし、姪は君だけ☆」
「いや!だから!!変換や切り方をやめても、そういうこと言うのはやめて下さいってば!」
「・・・・・・★」
「・・・嫌な事聞いちゃったみたいですね。家族のことはもう聞かないから、そんな落ちこまないで」
「・・・ポップスター☆♪」
「っつ、うおおおおおーいっ!!!」
ヒカリの突っ込みが家中に響き渡った。
「っつ、うおおおおおーいっ!!!」
川沿いの民家から、妙な声が聞こえる。
「・・・女の、声だよな・・・いてて」
氾濫している223番水道の入り江に、クロゾウは流され着いていた。体中を打撲しているようで、とても動けそうに無い。
何とか、岸まで這っていったが、この様子ではすぐに衰弱してしまいそうだった。
その時
クロゾウは崖から落ちてしまった
か、カイリキー・・・?助けをよん・・で・きて・・く・・・れっうっ
カイリキーは走った
ただ走った
民家で思い出の
人物に会えることも知らずに
水面を四本の腕がせわしなく駆けていった。きっとカイリキーは、走るのには向いていない。それでも頑張る彼の後ろを見な
がら、クロゾウは水面に叩きつけられてしまった。ごぼごぼごぼ。223番水道、暴れ狂い、急流と化したその水底から、潜望
鏡が水上へと姿を現した。
どうやら、ただの自然災害では無さそうだ。
水底の少しばかり上をミゼット(潜水艇)が、這う様に沈んでいる。黄緑色のボディーカラーは、コバルトブルーの水面上か
らの光を浴びて、不気味な程美しく、美しきあまり、不気味だった。丘に揚げれば、ただの鉄の塊のそれは、水の中でのみ絶
対的な神秘を纏う。潜望鏡を光の世界へのガイドポストの如くに、伸ばすその姿は、水中の要塞・鋼鉄の竜宮城の様だった。
つまらない言い方をすれば、小型の潜水艦。兎に角、このミゼットは何故か増水した223番水道の水中に潜んでいる。
その中に乗っていたのは↓
クスノキだった
実はクスノキは数ヵ月もの時間を費やしここシンオウに来ていた
その頃、223番水道沿いに一人の男が立っていた。
男は言った――
ハァハァ・・・
未来のチャンピオンは一体何処に行ったんだ?
まぁアイツはここを通るだろう
待つか・・・
あ、あれは―――
川原の石っころを蹴飛ばしながら、一人の女がこちらにやってくる。
男は愕いた―
な・なぜあなたの様な方がこんな所に!?
男の目線の先には、カントウ地方、四天王の一角カンナがいた。
どうやら、またシンオウの未来は大荒れの模様だ。
ヒカリはポケモンリーグに無事挑戦できるのか?
ヒカリはポップスターおじさんの家で興味深い本を見つけた――
五つの魂〜プレシャスを求めて〜
なんでこんなものが――
とりあえず聞いてみよう
なんですかこれ?
おじさんは髭の剃り残しを気にしながら
ああ、それはね――
ドンドンドンドン!
窓から見える大きな手
逞しさ溢れる体
間違い無い、あれはクロゾウのカイリキーだ――
何故なら元々ヒカリのポケモンだったから(ヒカリの勘が鋭い所もあって)
クロゾウに何かあったのかもしれない
まったく迷惑ばっかりかけて・・・とも思ったが
カイリキーの様子からしてただ事ではないようだ
おじさんに別れを告げヒカリ達はクロゾウのもとへ向かう――
ポップスターおじさんこと、照幸(ヒカリの母の弟であるが、彼女ら夫婦の結婚式には
分け合って、出席していないのでナギサシティのジーナとは全く面識がない。ヒカリの
父の方とは何度も会っている)は、ヒカリを追わなかった。自分が行っては邪魔になる、
そう感じたからだ。だが、しかし自分もトレーナーの端くれ・・・・―
「ヒカリちゃあああん!受け取れええエエエ!!!!!」
照幸が投げたそれが、走りながら振り向いたヒカリの方とは、少し逸れて宙を飛んでいる。
「おじさぁぁぁん?!!!!!なあに〜コレぇー!?バトルフェニックスー?」
ヒカリが大声で叫ぶ。照幸も声を張る。
「そおんな〜わけぇ〜あるかいっ!!!!行っとくけど!新しい顔でも無いからなぁ!!!
そいつはぁ!僕の家宝の!!“つめたいいわ”!だ!!!受け取ってくれ!!!」
「ギャー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ヒカリの真横に岩が降って、いや落ちてきた、隕石の如く。
ミゼット(潜水艇)の周囲の水域が凍っていく。
「ジュゴン!仕上げよ。吹雪!!」
四天王、カンナが叫ぶ。
水上に居るひとりの男とひとりの女―カンナ。なんにも無い水面を突然攻撃する四天王に驚いていた男がようやく口を開く。
「ヘイ!?四天王カンナ!あんた、なんでこんな所に居るんだ???そして何やってる!?」
「何も無いわけじゃない。見えないだけで、このレーダーにはきちんと映っている!潜水艇が!」
「?レーダー?潜水艇?・・・!!!今!このシンオウで何がおきているって言うんだ!」
「・・・。シンオウだけじゃない。今世界で
「クロゾウ!!!!!!!!!!!!どこに居るの?!!!!!!!!!!」
そこに岩を両手で抱きしめた、ひとりの女の子―ヒカリが姿を現した。
「未来のチャンピオン!!!!!!!!!」
「・・・邪魔者ね」
四天王カンナが振り返り、ジュゴンが攻撃の矛先を変える。ヒカリの足元目掛けて、冷気の塊が円筒上に高速で飛んでくる。
「っ!凍るところだった。あなた!誰よ!!私はクロゾウの所に行かなきゃならないの!邪魔しようってんなら容赦しないわ!」
「よせ!未来のチャンピオン!この女はカントウの四天王の一角だぞ!!」
「!し・四天王!?」
ヒカリとカイリキーが顔色を変えた。カンナが妖艶に微笑む。
「お嬢ちゃん。邪魔されそうなのは、こちらも一緒なの。消えてくれるかしら?」
「!!」
「友達の!友達のピンチに駆けつけられないくらいなら・・・そんな人になることに比べたら、あんたなんて全然怖くないんだから!」
「そう。行きなさい、ジュゴン!」
「行って!ディアルガ!突破口を開いて!」
ディアルガはラスターカノンを放った!
ジュゴンはそれをモロに食らう
「あら、やるわね」
だが四天王カンナは冷静な顔を崩さない
眼鏡の奥の瞳は楽しそうですらある
ジュゴンは当然のごとく耐えると快晴の空に雨雲を呼び出した!
ヒカリは、雨雲の立ち込める中、カンナの横を走って駆け抜ける。
「貴女!戦いの最中にどこに行こうっていうの!」
ヒカリの耳に、後ろからカンナの叫び声が聞こえる。(ごめんなさい。でも、今は戦いどころじゃないっ。
クロゾウが、クロゾウが!)
ヒカリの横を走っていたカイリキーが急に倒れた。「「!」」背中は凍りついている。ジュゴンがこちらを
向いていた。むこうで、ディアルガも倒れている。
「強そうな、見たことの無いポケモンだったけれど、私とジュゴンの敵じゃない。ありがとう、ジュゴン。
お戻りなさい。そして、行くのよ ラプラス!」
雨が降り出した。ポツリポツリ、しとり、ぽつ、ポツぽつ、ポツ・ポツ・ボツ・ ボ ボ ざ・ざざ
ザザザザザザザザザ―・・・
固まっているヒカリ。男が言う。
「まずいぜ。未来のチャンピオン。なぜ、カンナが邪魔をするのかは、わからねえが・・・さ・最悪のコンボだ・・・」
ザ―――――――――――・・・雨が降り続く。カンナが微笑んでいる。
「ラプラス。“雷”よ。標的は・・・」
223番水道から溢れた水が、霧の波となってヒカリたちに襲い掛かっていた。
===========チラ裏=============
調べてみたら、カンナのジュゴンは、吹雪覚えてないんですよねぇ・・・まあ良いか・・・
355 :
y:2007/03/20(火) 21:34:56 ID:???
天から一筋の光が直線となって、落ちる。光は一箇所に収束し、獲物に当たると同時に霧散して消えた。
ラプラスの一撃は巨大な稲光となって、ディアルガに落ちたのだ。容赦のない、止めの一撃。
「雨の日には雷に気をつけなさいね?」
カンナの表情は氷のごとく冷たい。氷ポケモンの最強の使い手の異名も伊達ではない。
対するヒカリの表情は暗く、カンナには見えない。おそらく、今の一撃でトレーナーとしての実力の差に唖然としているに違いない。
――実力の差。
ポケモンバトルにおける実力は二種類、存在する。
知っての通り、ポケモンの実力と、トレーナーとしての実力。この二種類が揃っていて初めて、勝利の方程式を正しく解くことが可能となる。
「ディアルガ――」
ヒカリの口が微かに動いた。それは亡き、愛用ポケモンへの追悼であろうか、カンナが訝しげに眉をしかめた時。
「ときのほうこうッ!」
一度は氷にまとわれ、雷に撃たれ、地に伏していたはずのディアルガが雄々しく立ち上がる。立ち上がると同時にその反動を利用し、宙高く跳びあがる。
舞い上がった黒き龍は口を大きく開き、かつては時の流れさえも操った技を繰り出す。
「なっ……、生きてたの!?」
雷。その威力は、大きい。空を飛ぶポケモンであるなら、その威力を抜群に発揮する。
「ディアルガはね、ドラゴンと鋼タイプ。氷タイプの技は効果抜群にならないわ。そして電気タイプの技は――効果いまひとつよ」
ヒカリの言葉が終ると同時に、ディアルガの“ときのほうこう”がラプラスを捕らえる。
カンナは直感した。この一撃はドラゴンタイプのもの。
ラプラスは――氷タイプ単一では、ない。水と氷の属性によってドラゴンに対する耐性は消えている。
これは鋼タイプのラスターカノンも同様であるが、今度の一撃は先ほどのそれとは比べ物にならないものに見えた。
「あ……」
カンナは思わず声をあげていた。予想通り、その強烈な一撃はラプラスを捕らえ、一撃の下に叩き潰した。
カンナの手持ちはまだいたが、その圧倒的なレベルの差の前に彼女は敗北を悟っていた。
その様子を見ると、ヒカリは無言でモンスターボールの中へディアルガを戻した。
356 :
y:2007/03/20(火) 21:36:32 ID:???
「私はクロゾウを助けにいかなきゃダメなの。ジャマしないで!」
そう言うと、別のボールから新たなポケモンを繰り出す。四本足の艶やかな毛並みを持つ、かつてはホウエンの地で最速と謡われた兄弟の片割れ。
「ジグ、私を乗せて行って」
通常、陸上をポケモンに乗って移動することは出来ないと思われているがそんなことはない。
しかし、ジグにはそれができる。そのレベルに到達したポケモンが未だ発見されていないだけなのだ。
ジグはその上、二人くらいならば易々と担ぎ上げることが出来る。カイリキーは今、ヒカリの手持ちポケモンではない。入るべきボールがないまま、気を失っている。
ヒカリはそのカイリキーをクロゾウのもとまで連れて行かねばならない。何よりもクロゾウの無事を確かめなければならない。
「そ、それは……、ジグザグマ? パルパークはまだ完成してないのにどうして……」
今正にその場を去ろうとしたカンナが思わず声に出す。
「あなた、ジグザグマを知ってるの?」
カンナの故郷はカントー地方の南西に浮かぶナナシマ列島の一つ。ナナシマではポケモンの卵が事実上、世界で最初に発見された場所である。
しかし、このことは公式として記録に残っていない。ポケモン学会では受け入れられていないため、『事実上』発見された場所とされているのである。
「ええ、あと……、たぶんだけどクロゾウという子の場所も知っているわ」
「どこっ! どこにいるの、クロゾウは!」
「ここに来る途中、一人の男の子が倒れているのを見つけたの。でも急いでいて、無視しちゃったわ」
カンナは申し訳無さそうに詫びる。
「なっ……!」
「ごめんなさいね。私にも私の事情ってのがあってね。だから道を塞ぐ貴方も叩き潰そうとしてしまった。それで私が負けているんだからとんだお笑い種ね」
そう。カンナにはなすべきことがあった。
四天王を辞任し、ナナシマの実家に戻り隠遁生活を送り続けるつもりだったカンナをも巻き込むほどの事件が今、起きようとしているのだ。
357 :
y:2007/03/20(火) 21:42:17 ID:???
「彼は、この先、数十キロほど行ったところの崖下で倒れている。行けば、すぐ分かると思う。これ、持っていくといいわ」
カンナは鞄のポケットから救急セットを取り出し、ヒカリに渡した。
「これは……」
「応急処置くらいできると思う。人間用の救急セット、クロゾウ君とやらに使ってあげるといいわ」
ヒカリは表情を明るくした。
「ありがとう、四天王さん」
「いいえ、元四天王よ。今は誰かしら、イツキって子が四天王やってるんじゃなかったかしらね。まあいいわ、お互いやるべきことをやりましょう」
カンナの事情というのが気になったが、今はそれどころではない。
ヒカリは改めて礼を言うと、潜水艇を後にした。クロゾウを救うために。
――――――――――――――――
(チラ裏)
カンナのジュゴンが吹雪を覚えていないのはゲーム中なので、この時には覚えているってことで良いと思います。
ダイヤモンド、パールの時間軸は物語の終盤の時点で、ポケモン金銀クリア時よりも少し後。
オーキドはゴールド(シルバー)がシロガネゲートでレッドを倒したのを見届けてカントー地方を発つ。ミカンはゴールド(シルバー)に敗れて、更なる修行のためにカントーを発つ。
両方とも、プレイ時にはまだちゃんとそれぞれの持ち場にいるので、金銀クリアよりも少し後、と考えるのが妥当です。
そういうわけで、カンナは四天王をやってないと思うので、元四天王と書いておきました。
どういった思惑で動いているのかは書き出した方(いつもお世話になっています)にお任せします。
潜水艇の黄緑色のペンキが剥げ掛かっているリベットが、轟轟とうねりを上げる水流の中を、ただ垂直に
水面へと突き進んでゆく。
あぶくの一つ一つまで、把握出来る様な高性能のソナーが、223番水道の現状を調べ上げる。窓も無い黄緑
色の鋼鉄の塊の中で、孤独という名の海に沈みながら、クスノキは己の作製した潜水艇「ミミロルZ」に全
幅の信頼を寄せていた。無論、彼にとっては疑う理由など、どこにもなかったのだが。
狭い狭い艦内では、ヌマクロー数匹が、特別製のタンクから水を飲み、自分諸共ボールハッチから、水中
へと飛び出している。それに呼応して、ディーゼル機関がターボチャージャーと連動し、最大出力で動き始めた。
ぐんぐんと浮上を始めるミミロルZ。この潜水艇、窓の無いところからも分かる通り観光用などで無く、完全な
隠密兵器。複殻式で素材はハイテン。また三つのスクリューは、生きたハガネール十匹の体から少しずつ切り出し
た物である。外洋航行力こそ無いが、このサイズの潜水艦ではかなりの高性能を誇る。
「リオル。海老 ん?違う違う、リオル、シザリガー持ってきてどうするんだお前。いつになったら覚えて
くれるんだよ・・・まあいい。リオルそこの、モンキーレンチ取ってくれ。
あぁお前、うん良し合ってるよ。なあ、海老のマーク描いてあるだろ。 なんだよ、その眼は。たしかに海老じゃ
ないかもしれないけど、俺たち作り手には、海老つったらこのマークなんだよ。覚えろよ・・・」
ふくれっ面のリオルが突然、気をつけの姿勢をとった。来るな・クスノキにはすぐ分かった。リオルはペンとノート
を持ってくると、眼で追えない様な速度で、何か書き続ける。先程から眼には光が無い。
リオルが自動筆記を終えると一つのメッセージが表れた。
==========================================================================================
敬愛なる、シエラへ。次の行へ。
わたしだ、浦島だ。互いにコードネームにて、失礼。本来なら、クスノキ造船所の御曹司で
ある君に、命令するのは気がひけるのだがね・・・・・・。すまない、わたしの“お筆先”
によって君のリオルが沈黙まで表現してしまったかもしれない。なにせこちらは喋るだけで
良いからね。さて、計画通り潜水艇にて作戦を実行して貰っているが・・・・・・・・・
少し不味いことになった。カントウのリーグの奴らが、わたしたちのことに勘づいたらしい。
手に入れた情報によれば、元四天王カンナがそちらに向かっている。目的は知らないが、引退
最後の仕事として、リーグから要請を受けたのであろう。捕獲指令が出ているかまでは、掴め
なかった。奴らのレーダーは音波も使えないのに、どういう技術か、水中の様子までしっかり
分かる代物らしい。気をつけてくれたまえ。肝心な事が最後になってしまったな。即刻、作戦
を中止しこちらに戻って来い。どうぞ。
==========================================================================================
「無線じゃないんだから・・・ってまずいなオイっ!今浮上している最中だってのに!」
その時、船体が激しい音と共に何かにぶつかった。
「!!!!!!!!!!!!何だ!リオル調べるんだ!」
リオルが天井に手をかざし、波導を使う。もちろんポケモンだから喋ったりはしない。調べ終わったのか
リオルは驚いた顔をしていた。そして、上部の出入り口のハッチを仕切りに叩く。
「なんだ!?もう水上に出ているのか?」
確認してみると、確かにほぼ水深0m。では何にぶつかっているのか?
ハッチを開けたクスノキは驚愕した。辺り一面凍りついているのだ。よくハッチが開いたものだ。そして
岸の方に数人の人影が確認できた。
「誰だあいつら・・・あれが、カンナ?」
だが、我らマスキーヤの計画を邪魔するものは・・・
誰であろうと・・・「潰す」だけだ、そうだな?リオル
頷くリオル
今ここに戦闘の狼煙が上がる
同刻。とあるビルの、暗い暗いオフィス。とある執事がとある主人に声をかける
「チノレベベロ=ユパンキ様。F=ウィズ=フィーリング様からお電話が・・
「切り給え」
主は執事が言いかけたところで、そう、冷たく言い放った。
「心得ました。ユパンキ様、ここの所、何をそんなに喜んで御いでなのですか?御顔が綻んでいますよ」
「!奴は、葬式で再び一度好きな人に会えるから・と答えるそうだ。ふはははははったとえ話だよ。
実はな、俺の嫌いなあの電波野郎がブタ箱にようやくぶち込まれたんだよ!!はははははは」
「アカギのことですね。しかしあの男、一度組織も解散させた様ですし、更生仕掛かっていたのでは無いのですか?」
執事がそう答えた。
「・・・ばかか、お前は。だ・か・ら、俺が根回しして、監獄へぶち込んでやったんだろうがよ!」
「左様で御座居ましたか。これは、これは、失礼なことを申しました。しかし・・・フフフフフ。素晴らしい!我がご主人様は何と御偉大なのでしょう!」
「「フフフフッフフフウフフフフフ!ははははははははははははははははははは!」」
暗い暗い部屋。どうやら狂っているのは、電気系統だけでは無いようです。
「・・・しかし、ユパンキ様。『月の信仰軍(ママキーヤ)』の頭ともあろうお方が警察とのコネクションも御持ちなのですね!?」
「お前、行って置いた筈だ。その手の話をする時は、俺をコードネームである“カポ”で呼べと。まあお前だから許すがな・・・」
ある男、いや、チノベベロ=ユパンキの顔が変わった。あたりの空気が下水道の様に重苦しいものになる。
「!!!!!!も!申し訳御座居ません。ほほ!本当にわたしとしたことが!」
その時、部屋に風が通った。誰かが扉を開けたのだ。
「すいません。ノックは何度もしたのですが・・・」
一人の背の高い男が隙間から顔を覗かせる。
「藤堂瞬だな。入って来い!」
「何もフルネームで呼ばなくても・・・私には“ボス”と言う紛らわしいコードネームがあるのですから・・・お久しぶりです。“カポ(首領)”」
藤堂と言う男が入ってくると、扉は音も無く閉じて、部屋はまた暗く暗くなった。
マコト=クスノキは、凍った水面を岸に向かって歩き出した。
前にリオル、背後にシザリガー・ヌマクロー三匹を従えて・・・
俺は組織の正式構成員(マフィオソー)28人の一人だ。失敗は許されない!
クスノキの顔は完全に「裏」仕様だ。お客の前でこんな顔は見せられない。
岸にたどり着くと、唯一残っていたその男に対して、大声で聞いた。
「あんたなのか!!!水面を凍らせて、俺の邪魔をするのは!」
「ええっおれ!?っつうかあんた誰!?その潜水艦みたいの何!?あんたは、まさか未来のチャンピオンじゃねぇよなあ!!」
「なんのことだ!ははーん、誤魔化すつもりだな!それから、教えてやる俺はヤンマガ派だ!」
もう色々、ホント勘違いも甚だしいぃ!!!!これだから御坊っちゃんは・・・
――――――――――――――――チラ裏―――――――――――――――――――――――――――――
>>361 ミスです。ユパンギのセリフ「〜葬式で再び一度〜」の所、正しくは一度がいりません。消し忘れました。
もう一つ、ある執事のセリフで、ご主人様となっているのは、御主人様としたかった。
うう・・・
遅いな・・・もうダメかな・・父さん・・・・ヒカリ・・・
クロゾウー!
そうそう・・・こんな声だ――
腕を掴むとヒカリはクロゾウを両手で持ち上げた。
「クロゾウっ!!!」
冷たい深淵に希望の光がようやく届いたのだ。
i::::::::/'" ̄ ̄ヾi
|:::::::| ,,,,,_ ,,,,,,|
|r-==( 。);( 。)
( ヽ :::__)..:: }
,____/ヽ ー== ; ほほう それでそれで?
r'"ヽ t、 \___ !
/ 、、i ヽ__,,/
/ ヽノ j , j |ヽ
|⌒`'、__ / / /r |
{  ̄''ー-、,,_,ヘ^ |
ゝ-,,,_____)--、j
/ \__ /
| "'ー‐‐---''
「何落ち着いてんだぁあんたはっ」
突然やって来て、突然質問してきた、さっきの男に思わずヒカリは突っ込んだ。
「だいたいなんで半袖になってんだぁっ!」
「み・未来のチャンピオンよッ!こちとら、謎の潜水艦男を看破して、相棒に乗って、数十キロ!ここまでわざわざ来てんだぜ
もうちょっと、優しい言葉が掛けられるだろうがよっ・・・・・・!ほら未来のチャンピオンッあんたがツッコミで手を離すから、その男の子が!」
「え?し・しまった〜!!クロゾウが水に流されて行くわっ・・・今助ける!」
「・・・飛び込んじゃった・・・」
心なしか、さっきより水の勢いが弱くなってきている気がした。
223番水道、凍ったポイント。
ひとりのトレーナーと5匹のポケモンが、氷だか鉄だかの塊に寄り添うように川原に捨てられている。
「トゥルルルル、ガチャ 俺だ。“カポ”だ。奴は居たか?」
「こちら“ブセアンドウ”です。Shinou66wi881座標軸にて、“シエラ”発見。何とか生きております。」
雨の中、レインコートを着た一人の大男が、組織の首領に電話を掛けている。
「カポ、そちらに今から画像を送信しますので少しお待ちを」
そう言うと、大男は紙を一枚取り出し、チリーンに念写させた。その紙がテレポートによって消える。
「・・・成程。随分手酷くやられたもんだな、クスノキのドラ息子が・・・」
「抹殺しますか?」
雨は降り止まない。むしろ強くなってきている。一瞬、空が光った。
「本来なら、俺が直接殺したいところだが・・・そいつは財源だ。今の組織には必要だ。こっちに連れて帰って来い!」
「了解しました。でしたら、今すぐテレポーテーションで・・・」
「まあ待て、ブセアンドウ。お前、シエラを潰した奴をぶっ潰して来い。それから戻って来い。いいな」
「了解しました」
雨は、今日はもう止まなそうだ。
そんなこんなでクロゾウを救出
雨宿りの家。希望の光が傍らに佇む。
ヒカリたちは、ひとまず照幸の家に戻ってきた。クロゾウが熱をだして、さっきからどんどんあがってきている。
「ちっとも下がらない・・・」
クロゾウが眠るベットの横のヒカリ自身もかなり疲労している。
「ヒカリちゃん★・・・ちょっと」
「おじさん・・・」
奥の部屋に行くと、部屋いっぱいにディアルガが横たわってる。
「これはクロゾウ君にも言えることだけど、きちんと専門の人に見てもらった方が良い。ディアルガもかなり傷ついている・・・」
「・・・はい」
いつの間にか男も入ってきていた。
「そうだな、未来のチャンピオン。少し酷なことだが、一度近くの町まで引き返すこったな」
窓をうちつける雨がまたいささか強くなりだして、外が夕闇に包まれだした。
この雨ではここを出るのは危険だ、止むのを待とう、未来のチャンピオン
と、男は言った
どっちなんだよっ!
と二人は突っ込みをいれるタイミングだが
そんなことをしている場合でもなく雨が止むのを待たなくてはならない・・・しかし
「でも・・・
早く引き返さないとクロゾウが!」
ディアルガもダメージはあったがポケモンの中でもかなり丈夫なのでヒカリもそこまで心配していなかったが
クロゾウはディアルガ以上の傷を負っている
「それにクロゾウは・・・クロゾウは!」
――――――
「本当かよ、未来のチャンピオン!そいつは洒落にならないぜ」
「昔大怪我したとき確認したから間違い無いって」
「そうなのか・・・★」
クロゾウの抱える問題とは一体!?
371 :
ご〜しゃん:2007/03/22(木) 01:26:42 ID:???
その頃
サカキは修行がてら流星の滝に
バーベキューを楽しんでいた。
しかしバーベキューの主役、お肉を忘れた事に気付いた
サカキは
奇声を上げた
なぜなら、サカキはそこで世にも恐ろしいものを見たからだ。
同刻、223番水道、深夜。
大雨の降る中、大きなベットにひとりの少年がロープで布団ごと、括り付けられ外に担ぎ出された。
「おいっ本当にこの豪雨の中出かけるのかよっ!あんたも考え直せよ、照幸さん!あの未来のチャンピオンの
言うことは本当だろうが、訳の分からない連中もいるんだ!朝になって病院まで運べば良いだろうがよっ!」
「だからこそ★だ!事態は一刻を争う!」
男二人とカイリキーがベットを運ぶ。ベットには雨よけのシートが被せられている。
照幸の家では、過労により倒れる様に眠ってしまった、ヒカリが一人ソファーの上に居た。雨足がより強くなっていく。
あー、もしもし亀か?
浦島さん?なにか御用かしら?
いや、ちょっとね
今カントーにいると聞いたもんで・・・その、頼みがあるんだ
―――――――
わかったわ、要するにハナダ岬の小屋に住んでいるおじいさんに孫の場所を聞いた上で
入手困難な進化の石を貰えってことね?
まぁ、そういうことだ
でもなんでかしら?・・・あら、切れてる
フッ相変わらずこの変声機は高性能だな・・・
小屋のジジィは騙して立ち退かせたから準備は万端だ・・・
亀!そこが貴様の墓場となるのだ!ハーッハッハ!
彼女はそう簡単には死なんさ・・・
黙れ浦島!このくたばり損ないが!貴様はそこであの女の最後を黙ってみていろ!
(楓くん・・・逃げ切るんだぞ・・)
“努力を怠らなくても、ウサギに追い抜かれる事”
屋根の鎹が、まず吹き飛んだ。次に、屋根が飛んだ。最後に一人の女が、宙を舞った。
「・・・・・・やってくれるわね・・・ゲホォッ・・・!」
楓の口から血が溢れた。当の本人が一番驚いているが、どうやら内臓を痛めているらしい。楓の体は既に至る所に
ぶつけていて、擦過傷から打撲、そしておそらく左腕は折れている。目の前の男は確実に自分を殺そうとしていた。
ハナダの岬の小屋は半壊していた。楓の着ているオーバ−コート(Pコート型)は茶色からどす黒い赤色へと変色
仕掛かっている。
「はぁはぁ・・・何だってんのよ。あんたのポケモンのその力。なんで、なんで!あたしのボーマンダが技を一つも
使えないの!!・・・ゲボォっ・・カッかっカッ!・・・けっけっ・・・ハァハァハァハァハァ」
楓は、ぼろぼろの相棒、ボーマンダに寄りかかった。精神力も極限に近い。
「自分のポケモンの能力をそう易々と教えやしませんよ。死神じゃ、あるまいし・・・しかし、ワタクシ驚いています。
あなた!渡されたデータよりずっとタフじゃあないですか!“亀”〜さぁん。フフ、モルヒネでも使ってるんですか?
医療班長・・・殿」
不気味な男がようやく口を開いた。
「声聞いて、やっと、あんたが誰だか分かった。・・・。ってことは、浦島さんが裏切るとは考えづらいから、さっきの
電話、あの変声機野郎か・・・あんた!あの馬鹿にそそのかされたの?シップダウンさん!」
楓が不敵に微笑む。
「!!!!!お〜どろいた。ワタクシの本名を知っているのは、『月の信仰軍(そしき)』でも僅かですよ。フフッ
しかし、ならばワタクシのコードネームも当然ご存知でしょ?“ウォーター”。ママキーヤ最強の戦力のワタクシの!
通り名も!!!」
ウォーターと呼ばれた男の覇気に呼応するかの如く、彼のポケモン―ホウオウが、空に向かって一声啼いた。
「あんた、オラトリオ・・・だっけ、そんなニックネーム付けているけど、とんでも・・ないの・・・連・・・れ・・
て・・いる・・わ・・・・・・ね」
どさり、楓は地に落ちた。風が一陣、吹き抜けた。
==========チラ裏==============
かってに作ってしまったので、イメージがし辛いキャラクターばかり登場しますが、一人イメージがピタリ・と一致
したので、参考までに。
楓(コードネーム“亀”)は、 今夜はえみぃ〜GO!! 出演時の小野真弓さんをイメージしてください。
分かりづらいか・・・
クオリティ高須クリニック
↑の看板が、“ウォーター”の眼に写った。
「フッフ・フフ・・・・・・」
不気味な笑いがハナダの夜に消えていく。
雨降りの晩。外灯の隅を、蛙が跳んでゆく。ゲコゲコゲコ。心地よい雨が続く。その後ろを、レインコートに身を包んだ人間が一人ついて
ゆく。テクポタテクポタ。その後ろに巨大な生物が続く。ドンポタドンポタドンポタ。
「あらあら、蛙さんたち貴女の能力で冬眠から目覚めていってしまっている様よ。責任・取りなさいよ」
「アルジヨムリヲイウナ。アルジガ付加シタチカラダ。ダイタイコイツラ、アメノバンニハアワナイ、喰ッテシマウカ。ヒキガエルドモヨ」
大きな大きな、高さは8mも在ろうかという大きさのフシギバナがそう呟くと、知ってか知らずか蛙たちは、2人いや1人と1匹を追い抜い
て向こうへ飛んで行った。その姿は逃げているかのようにも見える。
遠くか近くで、ニョロトノか牛蛙が歌っている。春の雨の散歩道。
てくてくどんどん、てく、どん、ポタポタ。ぽた・てく・どん・ぽた・ぽた。ザーザッザ、ザッザザー、ザザッザー、ぽたてくどん。
「貴女、あたし、せっかく、雨を存分に楽しもうと傘も持たずにカッパ着てきたのに、貴女を中心に半径3mくらいの空間、水一滴垂れてこ
ないわ。どう落とし前つけるのかしら」
「アルジガ、コノ間オレノ歯ヲスベテ、あついいしニソウトッカエシタセイダ。モウワスレタノカ・・・」
巨体のフシギバナの上空は、雲も無く夜空が見える。三日月が雨雲に隠れたオリオンに微笑む。
「貴女、新しい歯が入っただけ、マシだと思いなさいよ。それから、忘れちゃいないわ。貴女があたしのロッキンホースを泥だらけにした晩
の話ですもの」
「シカタガナカッタノダ。アノ日ハ夕方マデアメガフッテイタノダシ。ダイタイ暗殺指令ガ下ッテイタノニ、何故アノヨウナセントウニ不向
キナ靴ヲハイテキタノダ。シカシ、アルジガ、ロリヰタニ目覚メタノナラ、オレノ給料カラ新シイノヲカッテヤッテモイイ」
「!本当?貴女、足しか無いくせに、給料だけは良いものね。だいたい、ねぇ貴女どのボールにも入れないってどういうことよ」
「何ヲイマサラ、ムリナモノハムリダ、ソレニ話ガトンダゾ」
「五月蝿いわ。少しの間、口答えしないことよ。・・・。もう一度基本から話すけど、マスターを除いた全てのボールの主体となっている、
ぼんぐりには、あなたたちポケモンを縮める特性なんて、はじめから持っていないの。ここまでは良いわね」
「・・・・・・」
「良い子ね。続けるわ。いい、ぼんぐりの持つ最大の特性は、万有斥力を持つことなのよ。コレによってぼんぐりの実は、熟れても枯れても
決して木から自然には落ち無い、世にも珍しい実になったのよ。そしてこれを生かしたのがモンスターボールシリーズ。中に閉じ込めたポケ
モンの重さをほぼ感じさせなく、いいえ、正確にはポケモンに対する天体からの引力を無効化させることに成功したわ。けれども、重力と
言うのは、本当は万有引力だけじゃなくて星そのものの、自転による遠心力との合力ことを言うの。だからボールは、ポケモンが入った状
態で7個以上持つと、設計上、システムに限界が生じて天体の遠心力の影響を思い切りくらってしまうのよ。貴女、ここまで言えば分かると
思うけど、ポケモンがボールに入る為のサイズに小さくなれるのは、ポケモン本来の能力なのよ。分かる?」
「アルジノ、ソノ持論ハモウ百カイハ聞キマシタ。ソレガ“ポケットモンスター”ノ名ノ由来ナノデショウ。ソシテツマリ、オレニハソノ能力
ガ欠ケテイテ、代ワリトシテコノ高イ知能ガテニハイッタノダト、アルジハ続ケル」
「!!ふ・ふん分かってるじゃないの。貴女。ところで、さっき言っていたロリヰタって何?ロリコンのことかしら?」
「オレニ対スル何タル侮辱ダ。ロリヰタハファッションノヒトツダ。ソレニソノコンプレックスモ学者ドモガソウ命名シタダケデ、ナボコフ
ガエガイタノハ、ソノヨウナ世界デハナイ。モウイチド、同ジ勘違イヲシタラ、アルジトイエドモ、焼キ殺ス!」
巨体のフシギバナの花には、ひらひらのレースがふんだんにあしらわれている。
「穏やかじゃないわね。草タイプが何を言うのかしら?ふんっまあ良いわ。それから標的をはき違えているわ。今夜あなたが焼くのは」
そこは223番水道、アメノバン。ピチピチジャブジャブランランラン。
「あの小屋よ!“ドロレス(フシギバナのコードネーム)”!!ソーラービーム!!!」
月の光を収束させた砲撃が、照幸の家を吹き飛ばし、粉々にした。大きな風切音がベットを担ぐ照幸たちにも聞こえた。
「ピー。繋がらないので伝言いれておきます。こちら、マイっじゃなくてコードネーム“アルジ”と“ドロレス”。標的爆破致しました。
“ブセアンドウ”様もどうかご武運を」
雨の夜はまだ続く。
===========チラシの裏===========
『月の信仰軍(ママキーヤ)』 正式構成員(マフィオソー)28人
“カポ” チノベベロ=ユパンキ 組織のトップ(首領)
“ ” 執事/護衛隊隊長
“ボス” 藤堂瞬 副長/
“ ” (楓の彼氏・2歳年上) 数年前の“シンオウリーグ潰し”の作戦の実行部隊隊長
・ヨスガシティ出身
“亀” 楓 医療班班長
・純白のコート、細く可憐な黒いブーツ、
・背中には首の毛皮のマフラーから出る、六本の尾
・オオダイル製の革の鞄
・茶色のオーバ−コート(Pコート型)
・「今夜はえみぃ〜GO!!」出演時の小野真弓さんをイメージ
“シエラ” マコト=クスノキ パトロン/ミゼット(潜水艇)乗り
・クスノキ造船所の御曹司
============チラシの裏===============
>>383続き(現在判明している)
“ブセアンドウ” 念写師(諜報部員)/始末人
・大男
“浦島” “お筆先(遠隔操作型自動筆記系伝言板)”のエスパー/
連絡担当(盗聴不可)
・口が軽い
“ウォーター” シップダウン 組織の最強の戦力
“アルジ” マイ 始末人/ブセアンドウの部下
“ドロレス” フシギバナ♀ 始末ポケモン/ブセアンドウの部下
・8mの巨体、 花には、ひらひらのレース、歯はあついいし
385 :
y:2007/03/24(土) 04:11:43 ID:???
*
牢屋に差し込む光は、無い。
かろうじて、遠くの看守の持つランタンの灯りのみが視界の端にちらほらと揺れている。
光を失った部屋は最初は不便ではあったが、時期に慣れた。今では灯りが無くとも用を足せるほどだ。
アカギは監獄の一室にいた。
自分が何故ここに閉じ込められたかは定かではない。しかし、閉じ込められても仕方が無いことを多々行なってきたことも事実。
「悔い改めろ、ということか」
アカギはなすべきことをなした。後はここで全ての罪を悔い改めるだけだ。
幸いなことに、ジュピターやマーズたちは捕まっていない。それに、アカギの刑は死刑などの極刑ではなく、拘留のみ。
「それに……」
アカギは思わず呟いていた。
「アオバはどうやら生きているらしいからな――」
アカギはふっと笑みを漏らした。
アオバは生きている――トバリ南に位置する隠れ泉の奥で出会った、冥界の番人ギラティナはそう教えてくれた。
生きているが、闘いの後、姿を消している。
そう。空間ポケモンの暴走の後に、姿を消している。
アオバは、どこか別の空間にいるのだ。アオバは死んでいない。
「アオバは死んでいない」
アカギは繰り返した。
アオバは死んでなどいない。それさえ分かれば、良い。
アカギの苦痛、苦悩。それらは全て取り除かれた。
絶望は消えたのだ。あとは、希望の光に任せるだけ。全て、アオバの娘ヒカリに任せるだけ。
たとえ監獄の中は暗くとも、アカギの心の中は光に満ちていた――……
386 :
y:2007/03/24(土) 04:12:41 ID:???
*
シンオウリーグ連続行方不明事件。
シンオウ地方の最高峰と言えるポケモンリーグに挑んだトレーナーが次々に消えるという事件。
チャンピオンのシロナをはじめ、四天王全員はこの問題に頭を抱えていた。
そんなある日――ジュピターがシロナのもとを訪れた。
「シロナ、アオバは生きてる。冥界の番人と呼ばれるポケモンに教えてもらったの」
「冥界の番人……、もしかして――ギラティナ!?」
シロナには心当たりがあった。
ズイの外れに佇む一つの遺跡に描かれたムカデのようなポケモン。リーグの情報網を駆使してもその詳細は判明しなかったが、その名前だけは判明していた。
「ええ。詳しい話は省略する。アカギ様と私、マーズはその事実を知らされてからも調査を続けた。そこで一つの結論に達したの」
「アオバが消えた事件……、なるほど」
「流石はチャンピオン、飲み込みが早いわね。そう、アオバはここではない空間にいる」
空間の神パルキア。十年前、ダークホール団に呼び出され、この世界を破滅に追いやりかけた、ポケモン。
パルキアが暴走し、巨大な光に包まれた後――その場にいた者の全てが、消えた。
「別の空間……、しかし、一体どこに」
「ここよ」
シロナの呟きに、ジュピターは即答した。
「ここ?」
「そう。ここ、シンオウリーグ第一の部屋、四天王のリョウの間の入り口に、目には確認できない空間の歪みが生じているの」
シロナの頭に一筋の光明が差した。
シンオウリーグ連続行方不明事件。多くの人が消えた事件。
そう、多くの人が消えたのだ。でも、一体どこに?
答えは、あった。ここではない、空間だ。
「アカギ様と私たちはそれを調べにシンオウリーグに来て……、妙な奴らに捕まった。そこであることないことでっちあげられて、ポリスに捕まったわ」
「え……」
「私とマーズはアカギ様が庇ってくれたのもあって何とか冤罪で済んだけど、アカギ様はそうはいかなかった」
叩けば埃が舞う。アカギの場合、その言葉がぴったりと当てはまる。
捕まったとしても何もおかしくはない。
387 :
y:2007/03/24(土) 04:20:49 ID:???
「アカギ様はおっしゃった。アオバが生きていることを確認できただけで満足だと。あとは刑務所で罪を償うと……」
「そう……、あのアカギが……」
アカギも更生したのだ。一人の正しい人間として生きていく道をその手で選んだのだ。
「アカギ様がそうおっしゃるなら、私たちは余計な真似をしないつもり。でも……、今回の情報はどうしても伝えたかった。アオバの娘と会う可能性のある貴方に。チャンピオンの貴方に」
ジュピターの言葉は核心を射ている。
ヒカリは必ず、ここに来る。このポケモンリーグに。
そのとき、自分はチャンピオンとしてヒカリと闘うだろう。
「それだけよ。ここのリーグの空間の歪みの件、しっかり教えたからね。後はお願いよ」
それだけ言い残すと、ジュピターは去って行った。
シロナはその背が消えてもしばし見つめていたが、すぐに通信機を取った。
「こちらシロナ」
「こちらリョウ。何だ、チャンピオン。挑戦者かい?」
「空間の歪みがここ、シンオウリーグの第一の部屋、つまり貴方の部屋に存在する。その原因は不明。その調査をお願い。他の四天王にも伝えておいて」
「はいはい。人使いが荒いなあ」
「いいから! 行方不明事件の糸口なのよっ!」
「了解した。すぐ調査に移る」
リョウはすぐに真面目な口調に戻ると通信を遮断した。やるときはやる男なのだ。
さて、他に何をするべきか――シロナは思案し、つぐに思いついた。
ジュピターの言っていた、アカギを捕らえてポリスに突き出した“変なやつら”、一体何者か。この事件と関連性があるかもしれない。
しばらくは忙しくなりそうだ。そのことを考えると憂鬱にもなる。
しかし、シロナは笑った。
「生きてたのね、アオバ」
その声は誰に向けたものでもなかったが、あの娘に届いてほしい言葉だった。
いつかシロナを倒すかもしれない一人のトレーナー。ヒカリに――……
388 :
y:2007/03/24(土) 04:23:19 ID:???
(チラ裏)
シンオウリーグ連続行方不明事件の元ネタは知ってる方も多い、これです。
http://www.nintendo.co.jp/ds/adpj/info/index.html この公式サイト発表のBの、いわゆる「波乗りバグ」と呼ばれるものですね。今回、何とか絡められて良かったです。
何故、シンオウリーグに空間の歪みができたのかという理由は全く考えてません。
中には大勢の人が閉じ込められています。時の流れが止まった世界と考えていますので、一切の時間は流れず、中の人は動けない。
楓の彼氏はシンオウリーグ潰しの作戦の最中に巻き込まれた、という感じですね。
とりあえず、どっかで使えたら使ってください程度の伏線に。久々にスレ汚し、すみませんでした。
以下、無視して元の流れ(月の信仰軍の話)に戻してくださいね。
雨はやむことはなく
まだまだ降り続ける
二人の男とカイリキーはただ愕然としている
「お・・おい、おっさん・・・今一筋の光が・・・」
「ああ★私の家を・・・!いけない!ヒカリちゃんが!」
「あんたは戻れおっさん、この坊主は俺とカイリキーが・・・行っちまったか」
まだまだ雨は降り続ける
それと同時に夜はまだまだ終わらない
男の前に、“ブセアンドウ”が立ちはだかる。
「ヘイッあんた誰だい?」
「・・・お前だな、“シエラ”を潰したトレーナーってのは」
「誰のことだよ!もしかして、昼間の潜水艦男のことか?てえことは、お前あいつの仲間だな」
「察しがいいな。しかし、我々の組織に刃向かうとは愚かなトレーナーよ。いけっチリーン!」
男は、大男を前にベットを一度置いた。タバコを一服する。
「OK−少し待ってな、未来のチャンピオンのボーイフレンド。あの大男秒殺して、病院に行ってやるから。
・・・おいっ!!そこの大男!お生憎様だがおれは、ポケモントレーナーじゃないぜっ!おれはトレーナー
案内人!34・フラ=ジョルダーノ=ウエストウッドだ!」
「BLEACHっ!!?」
大男ブセアンドウが突っ込みを入れる中、かっこよく決まったジョルダーノは、約40レス目にようやく名前
が紹介されたことに、感極まっていた。
ここに、ブセアンドウVSジョルダーノ 戦が始まる!
最早ポケモンッ!どこかで誰かが突っ込んだ。
ジョルダーノの巨大な巨大なホエルオーがブサンドウのチリーンによって弄ばれている。
「見切った。お前のホエルオーの技。ギガインパクト・ハイドロポンプ・潮吹き・驚かす・か。パワーファイターだな」
「ハアハア。ば・馬鹿な!おれたち案内人は、ジム戦などを公平に行うために、相棒の一匹だけは、ジムリーダーのポケモン
以上のレベルに仕上げているんだぞっ!何なんだ!そのチリーンはっ!!」
雨の闇に溶け込む大男が答える。
「成程、それでは“シエラ”が勝てないわけだ。しかし、もう分かっただろう?案内人よ。私のチリーンのレベルが、お前の
ホエルオーのレベルよりも高かっただけの話だ。お喋りも戦闘も仕舞いだ。抹殺する。チリーン!神通力!!」
轟音が夜の223番水道に響き渡る。
――――――――――――――――――――――――チラ裏――――――――――――――――――――――――――――
参考までに。
ジョルダーノのホエルオー Lv66
“ブセアンドウ”のチリーン Lv79
“亀”楓のボーマンダ Lv73
ヒカリのポッチャマ Lv56
これくらいの設定かなあと思います。
ジョルダーノは袖を捲る
「あんたの相手はこの俺自身だ」
ブセアンドウはチリーンを戻す
「いいだろう、俺の任務はお前を潰す事だ」
一瞬の沈黙
男と大男の殴りあいが始まった
(未来のチャンピオンためにも負けられん・・・)
(この戦い・・・最後まで立っていた方が・・・勝者だ!体格なら俺の方が有利だ・・・)
(と、この大男は思っているはずだ・・・しかしまずいな・・・このままではやられる)
と、そのとき
「なにっ!」
カイリキーがブセアンドウを捻り潰す
「うわあぁぁぁ」
「やったか・・・やるなカイリキー!」
「ぐっ、ガハァッ」
ブセアンドウは最後の力を振り絞り・・・
チリーンでのテレポートを試みた。幸いカイリキーは自分からもう手を放している。
“ブセアンドウ”の周囲が輝きだす。
「わったし・・・私、俺は、こ・こんなぁっ所では・・・ぐっ、ガハァッ・・・ふはは、さようなら」
だがその時。
カイリキーは主人クロゾウに味方してくれる人を護るため、渾身の力を込めて、気絶しているホエルオーの尾を掴むと
テレポーテーション仕掛かっている、“ブセアンドウ”に向けて投げた。
決着がついた。非情に徹し切れなかった、いやジョルダーノたちをなめていたことが、ブセアンドウの敗因だ。彼は、
濡れた闇の中の川原に文字通り潰れていた。すぐ近くには“シエラ”ことクスノキも寝かされていた。
|残念
|それは私の
|おいなりさんだ
|
│ _、_
│ ヽ( ,_ノ`)ノ
│ へノ /
└→ ω ノ
>
と、言って逮捕された安道昌容疑者をジョルダーノは思い出した
「いたなぁそんな奴・・・さっ!行くぞカイリキー!」
頷くカイリキー
(しっかしあのままポケモン同士を戦わせてらどうなっていたか・・・)「ま、いいや」
二人は病院を目指す
俺はあいつが嫌いだ・・・
と言うより合わなかったほとんど会えなかったし
ただ真面目に毎日毎日仕事仕事仕事仕事・・・
家に帰ってきやしないで・・・
あいつは、あいつは!
「シエラ!」
ハッとして目が覚める昔の夢をみていたようだ
「ブ・・・ブセアンドウ、か?」
ブセアンドウは流木をふりかぶっている
「おーい、そんな事したら危ないぞー」と言ったつもりだったが
聞こえてないみたいだ財源なんか関係ないとか言ってるし
あああああああああぁぁぁぁぁぁぁ
そう、“シエラ”は一度“ブセアンドウ”に止めを刺されていたのだった。
そのブセアンドウも今は、ホエルオーの下敷きだ。
その頃、ソーラービームによって崩壊して瓦礫と化した照幸の家の中で・・・
――――――――――――――チラ裏――――――――――――――――――――
>>396みたいなリレーが好きです。いわゆる、セカイ系の様な、1人の少女が世界を救ってしまう
といった感じに今後ならないと良いです。個人的には。
組織の人間のコードネームですが、そのまんまの奴以外は、分かりづらいですが、全て水に関連
した単語です。亀・浦島・ウォーター・は勿論のこと、シエラ等もです。ただしドロレスだけは、
例外です(カポはそのまんま型)。あと
>>384には、変声機の奴が抜けました。それから、ドロレス
は♀ですが、一人称はオレです。みなさんも是非どんどんメンバー増やしていって下さい。勿論、
組織ごと、1レスで壊しちゃっても全く構わないのですが・・・
「う、焦臭い・・・動けない、何があったの・・・?」
ヒカリが絶対絶命の窮地に立たされていた
「ええぃ★野次馬はあっちに行け!手伝うなら手伝ってくれ!」
照幸の声がする、もう安心していいみたいだ
巨大な生物が、雨の音響、暗闇のスクリーンにその姿をフラッシュバックさせる。
照幸の前に、8mはあろうかと思われる巨体のフシギバナが現れた。そして、そのすぐ後にウインディに乗った
ゴスロリ風の格好をした女の子もやって来た。何故かこの、1人と2体の周りだけ、雨が止んで月が見える。
「あ・あんたらは一体★!?」
「あ・また誰かやって来たぜ・・・なんだよ、あの大きなフシギバナはっ!!」
月明かりの中、野次馬たちも騒ぎ出す。人間の女の方が跨っていたウィンディから降りて口を開く。
「貴女、たち……おしゃべりなのね」
「アルジ、消スカ?」
「!うわっ★喋りやがった!」
「良い子ね。ソーラービーム!」
「(まさか★こいつ、人間野次馬たちに向けて撃つ気かっ)やばいっゴルダック!あのフシギバナを倒すんだ!
ソーラービームは強力だが、貯めるのに時間が掛かるのが弱点だ!行けえ!そして逃げろ!お前たち!」
しかし野次馬の人々は一種のエンターテイメントショーを見ているかの如く、こちらを静観して動かない。
中には幼気な瞳の子供たちもいる。無垢と平和ボケ――そんな言葉が照幸の頭をよぎった時。
野次馬たちは一瞬の閃光に溶解した。後には灰も残らない。照幸はその光景を呆然と眺めた。
「貴女、残念・ね。読みが甘いわ。“ドロレス”のソーラービームには、天候も関係無いし、光を収束させる
時間もほんの僅かなの」
“ドロレス”と呼ばれたフシギバナが、にやりと嗤うと、その口から真っ赤に燃えた水晶の様な不ぞろいの牙
を覗かせた。
「ニンゲンナンザ、オレノ敵ジャネエナ。ソレカラ、コノアヒルモ」
焼かれて、死に掛けのゴルダックが照幸の足元に転がった。彼はただ、呆然と口を開く。
「お前ら・・・お前らぁはっ★何だっていうんだ!何様だよ!」
「別にあなたたちと対等のつもりよ。私たちの組織のお頭も神になりたいとか、そんな馬鹿みたいな考えは
持ち合わせていない。」
「やっぱり★何かの組織なのか・・・!ギンガ団とは別の!?」
「“アルジ”ヨ。昼間トハチガイオシャベリガスギルゾ」
「ふ・ふんっ分かってるわ。そんなこと。ただ良く言うじゃない、冥土の土産に教えてやるのよ。いいこと!
しっかり記憶して地獄の亡者に噂なさいっ!私たちは『月の信仰軍(ママキーヤ)』!【小さな鍵】こと赤い
トランセルを捕獲することを最終目的とする、最悪最凶のマフィアよ!!」
突如、上を向いた照幸が雨雲と大雨の夜空に叫んだ。
「微笑んで美しい人☆!!!!!!!!!!」
その眼は後ろの瓦礫を見つめている。
「貴女、何・急に・・・告白かしら。あ・あんたのことなんか嫌いなんだからね!」
「うるせえよ★ツンデレ女」
照幸が後ろを振り返るとそこには――――
ヒカリは、全く傷ついていなかった。時の化身の名残か、“予感”したディアルガに
助けられていたからだ。
「だからぁっ版権に引っかかりそうなことを惜しみもなく言うな!」
照幸が不敵に笑う。今、強き光が目覚めた!
「ふ、ふん!
たかが小娘一匹増えたくらいでいい気になるな!」
女が叫ぶ
「(フシギバナ・・・見たところ草タイプ・・・
ポッチャマなら不利となると適任は・・・)やっぱりこの子よっ!」
ヒカリが高々とボールを投げる――
|残念
|それは私の
|キンタマだ
|
│ _、_
│ ヽ( ,_ノ`)ノ
│ へノ /
└→ ω ノ
>
と、言って逮捕された安道昌はまた逮捕された
おっ!あれ病院じゃねーか?
行くぞカイリキー!
ヒカリはユキカブリをくりだした。
「単体で、実戦は初めてだけど、頑張ってクララ!」
「そこは、ゆきちゃんだろうっ★!」
「うっさい行くよクララっ凍える風!」
しかし、技が“ドロレス”までは届かない。
「無駄ダ小娘。コノ暴風ノフキアレル雨ノナカ、ソノテイドノ風ハトドカナイ」
クララことヒカリのユキカブリにソーラービームが発射される。
吹き飛ばされるクララ
しかしヒカリの目は死んではいない
「狙い通り!」
クララは一瞬の内にフシギバナの後ろ、つまり風上をとった
「一気に★行けー!」
だが、フシギバナを中心に半径3mくらいの空間は、風すらも吹いていなかった。
「ウインディ!火炎車!!」
“アルジ”の命令によって、クララは倒れた。いつの間にか雨は何故か霰に変わっている。
病院の前
「ふぅ・・・これで未来のチャンピオンのボーイフレンドの方は大丈夫だ・・・」
カイリキーも着いて来ていた
「おいおい、お前は病院に戻って小僧を待っててやれ」
カイリキーはゴウゴゥと大きく鳴き病院に向かっていった
「さて、どうするかな」
ホエルオーに潰されていた大男と謎のヤンマガ派は
病院で治療させることにしようか警察につきだすか悩んだ末
警察につきだした
少し先のはなしだが二人とも独房で病死・死体は何故か消えたそうだ
「なんだ★これは」
遠くからジュゴンに乗った
ポニーテールで眼鏡の女性・四天王(元)のカンナが来た
「間に合ったようね」
フシギバナが野太い声で叫ぶ
「マタジャマシニキタノカ!キサマ!」
「大体あなた・・・二体一はないんじゃないかしら・・・?」
涼しい顔の奥には怒りの表情を覗かせる
「ふ、ふんっ!!私たちのすることは全て正しいのよっ」
とゴスロリは言った
「ここは逃げるぞ★ヒカリちゃん」
照幸が焦りながら言った
夜空から霰が降り注ぐ。しかし暫らく経つと再び元の雨へと戻った。
\ 丶 ヾ 丶v \ ヽ \丶丶、 丶\ ヾ 丶丶\、 ヽ \ \. 丶
ヾ丶\ 、\ヽ 、丶\ \ヽ丶丶 \ \ \ ヾ 丶 ヽ丶 丶 \ヾ
ヽ 、ヾ 、ゞ ヾ丶 ゝ丶\ヽ ゝヽ丶丶\ \ 丶 \ 丶 ヾ丶\ \
ヽ \ 丶\丶ヽ\ 丶 丶 ヽ ヾ ゞ 丶 丶丶 \丶 ヽ \ \丶\
\ 丶 ヾ 丶v \ ヽ \\ \. 丶 丶丶 \丶 ヽ \ \丶. .、 ヽ
ヾ丶\ 、\ヽ 、丶\ \丶丶 丶丶 \丶 ヽ \ \丶/,,;;;;/ ,,,...
ヽ 、ヾ 、ゞ ヾ丶 ゝ丶\ ゝヽ丶ヽ ゝヽ 、ゞ ヾ丶 ゝ/,,,;;;/ 册册
ヽ \ 丶\丶ヽ\ 丶 ヽ ヾ ゞ\ヽ ゝヽ丶丶 、/___/ _,. 册册
\ 丶 \ ヾ 丶丶\、 丶丶ヽ \ \丶 ヽ \/ /| _,.-r'| | 册册
ヾ丶\ 丶 ヽ丶 丶 \ヾ \ヽ \ \丶 ヽ/ / ,..| | | | | | 册册
ヽ 、ヾ \ 丶 ヾ丶\ \ \ ヽ\\丶ヽ/'~T.,./|川 j_l,.r-'¨ 卅卅i_,.
ヽ \ \丶 ヽ \ \ヾ丶 丶丶丶 /,.T¨il i l l l川__,,... -‐ ¬¨
\ 丶 \ ヾ 丶丶\、 ヽ \ \. ,l:lj|川_'¨三.ノ____,,,,,.....................
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; \ l j|:il|‐/jlllllllllll/|\ \ ヾ \
__,,.. .-‐ '''""~" .;",:;".;..;.,:;".;.".;"=='-i,jl| jj| ロコ | ロコヨ ∠二∠ 」
.;.;".;.;";".;.;"..;.;";.;.,: ;.;". 三三 ' -f, .i田l| |目田|
.;.;".;.;".;.;".;. ,:. ;;: ;.;".;.;".;.;".二二二' -|.,_.j| |l.l.l l.l.|
".; ;".;.;" ".;..; .;".;..;".;.;". -------------' - .,_ j! ニ二|
.;.;".;.;";".;.;",:.;.;".;. ;.;".;.-------------------'' - .,_j|
".; ;".;.;".;.;".;..;".;.;".; ;".;.; _______________________________________¬
410 :
y:2007/03/26(月) 02:58:22 ID:???
ナギサシティの郊外に位置する、シンオウ唯一の病院。
その集中治療室にクロゾウは運び込まれていた。
「ドクター、この子の容態はどうなんです?」
まだ若い看護婦が問うと、ドクターは苦々しげに呻いた。
「ううむ。この子は元々、先天性の病気を持っておるようじゃが……その詳細がようわからん。初診ゆえにカルテも無いしのう」
病気によっては、薬品投与によってアレルギー反応を起こす可能性がある。幼い身体であれば、時に命をも落とす危険を秘めている。
クロゾウは十歳。一人のトレーナーとして認められ、確かに世間的には大人と変わらない。しかし、肉体的な面で言えばそうではない。彼の身体はまだ、子供だった。
ドクターは窓の外を見つめた。
雨がざあざあと音を立てている。一時期はナギサシティに程近い223番水道は氾濫する寸前であったとか。今はまだおさまっては来ているが、雨はやむまい。
この雨だと、アレルギーに詳しい者を呼ぼうにも時間がかかる。どうしたものか、とドクターが思案していたそのとき、扉を激しく叩く音が聞こえた。
「誰だ、今は絶対安静だぞ! 君、注意してきなさい」
看護婦はその声を聞くとすぐに扉へと駆け寄った。
扉を開くと、一人の男がいた。
「あの……、今は治療中でして……」
しかし男はそんな看護婦の声を遮り、中へと押し入る。
「き、きみ……、一体、何者だ」
「クロツグ」
ドクターの声に短く答えると、クロツグと名乗った男はクロゾウの横たわるベッドへと近づいた。
「く、クロツグ……! もしや、あのタワータイクーンの!?」
「そう。俺はクロツグ。バトルエリア、バトルタワーの頂点に立つ男であり、そして――この子の父親だ」
クロツグはそう名乗ると、一つの古びたハイパーボールを取り出した。
そこから一匹のポケモンが現れる。クロゾウのもとを去った、ミュウである。
窓の外はいつの間にか雨から霰に変わっていた。
411 :
y:2007/03/26(月) 03:16:11 ID:???
*
案内人ジョルダーノは病院を後にし、近くの交番にブセアンドウとシエラを突き出してきた。
何であの二人が自分と一緒に居るのかと、ジョルダーノは疑問に思ったが、すぐに答えを導き出した。そうか、愛用のホエルオーにへばりついていやがったのか。
謎は一つ解けた。
しかし、もう一つ、謎が残る。先ほど、病院へと入っていった緑のコートの男のことだ。
雨の中、顔は見えなかったがどこかで見たような気がする。どこだったか。
「あ……、霰」
ジョルダーノを打ちつけていた雨は、霰に変わっていた。
氷の雫が身体にぶつかる度、激しい痛みがジョルダーノを襲う。
これでは動くこともできない。それほどの凄まじい勢いを持った霰であったが、突然、またもとの雨へと戻った。
「この天候……、いったいどうなってんだ? 今は、緑のコートの男のことどころじゃないよな。未来のチャンピオンはどうなってんだ」
ジョルダーノは闘いの地へと急いだ。
やがて到着した現場にヒカリと照幸の姿は見当たらず、代わりにいたのは元四天王のカンナ、そして黒いゴスロリファッションに身を包んだ少女であった。
カンナの操るはジュゴン。対する少女の前に鎮座するのはウインディ、フシギバナであった。二対一、これではカンナが圧倒的に不利だ。
公平さを保つことが案内人の務め――ジョルダーノは長らくそう教え込まれ、そう実践してきた。
たとえ、カンナの反感を買おうともこれだけは守らなければなるまい。それが案内人としての彼のプライド。
「カンナ、助太刀するぜ!」
ジョルダーノはモンスターボールを地面へと投げつける。
そこから現れたのはホエルオーではなく、トドゼルガ。一撃必殺の技を持つ、凶悪なポケモン。
―――――――――――――――
(チラ裏)
ヒカリが世界を救うのは一度だけで良いです。ストーリー中、そうなってたからそういう流れだっただけなので、自分も個人的に今の流れを保守して欲しいと願います。
あと、気にかかってるのは、フシギバナを従えたゴスロリ少女マイ。これはダイヤモンドパールのチャンピオンロード(クリア後)にいるマイと同一人物と考えても良いのですか?(むしろ、そういう流れにもっていったら面白いのかなとか思っていたり)
412 :
y:2007/03/26(月) 03:33:01 ID:???
(チラ裏)
ごめんなさい。持ちポケモンのウインディから考えて、同一って感じで良いですねw
自己解決です。
その日。223番水道の周辺で、いくつかの戦いが起こり、いくつかの命が失われた雨の晩。日付が変わろうかとする真夜中に、オーキド博
士は、シンオウ地方ポケモンリーグ本部、関係者専用の入口までたどり着いていた。彼の持つ博士号の証書には、リーグバッチ8つ分と同
じ程度の効力が秘められていたのだ。もっともオーキドはリーグバッチなど、数十個は所有してはいたのだが。
オーキド=ユキナリは、ポケットから一枚の写真を取り出すと、それをしばらく見つめて眼を閉じた。キクコの幼かりし頃の写真が彼の手に
しっかりと握られている。
「瞑想中かい?ユキナリ?それとも・もうボケてしまったのかい?」
暫らくオーキドがそうしていると、後ろから若い女の声が聞こえた。誰だろう?しかし聞き覚えのある声だった。それはずっと昔よく聞いた声
だった。そして眼を開けて後ろを振り向いた彼は、そこで「彼女」を見た。
「ば・馬鹿な!お前はキクコ・・・なのか・・・若い。若すぎる。この写真と50年近く前の姿と同じではないかっ」
「ユキナ・・・いやオーキドのジジイよ。まだそんな写真を持っていたのかい?しかしまあ数年ぶりに会って見たら、また随分年老いたね。あた
しなんか組織の力で若返ったっていうのに・・・そうだ。オーキド!お前も『月の信仰軍(ママキーヤ)』の一員にならないかっ?今度【小さな鍵】
が手に入ったら、あたしたちの計画も最終段階にシフトするんだよ!そしたらっ
「待て!!!お前がキクコ本人なのは、認める。しかしだとすれば、キクコよ、わしはお前を止めなくてはいかん。ママキーヤと言う名は初め
て聞いたが、その組織ごとじゃ!忘れたのかキクコ。かつてわしの祖父オーキド=マサラが何故英雄と呼ばれたのか。祖父が自分の命を投
げ打ってまで止めたのが、【小さな鍵】のチカラによって発生する蝗害だということを!!お前はもう忘れたのかっ!」
「ユキナリ・・・本当に変わっちまったんだね。・・・悪いがあたしは今、組織の人間。コードネームは“リットリオ”。〔ルスティヒ・アバドン計画〕
準備遂行人にして医療班員の1人。ユキナリ、抹殺指令は出ていないが、組織の邪魔をするってんなら、このあたしが引導をくれてやるよ。」
「〔ルスティヒ・アバドン計画〕!!?その計画名はっ!まさかお前たちのやろうとしていることは、人為的に蝗害を起こすこと等では無く、あの
百年前の・・・・・・・・・・・・」
ゲンガーの毒でオーキドはゆっくりと静かに倒れた。時計の針は十二時を指していた。
==================チラ裏=======================================
“逆叉(さかまた)” 骨川トシキ 始末人総括長/変声機の奴
・トウカシティ出身
“リットリオ” キクコ 〔ルスティヒ・アバドン計画〕準備遂行人/医療班員
その頃、照幸とヒカリは↓
振り向くことなくひたすら走り続けた
家がなくなったことも
野次馬が殺されてしまったことも
なにもかも考えず走り続けた・・・照幸は
「あれ?ヒカリちゃんは★一体どこに?」
ヒカリは結局、引き返して来ていたのだった。すると223番水道は、海域全て凍っていて・・・
(チラシの裏)
>>412 そういうつもりで、勝手に出してしまいました。ちなみに、ゲーム上のグラフィックに川原も小屋(家)
も無さそうですが、223番水道の照幸は、かいパンやろうのテルユキが元となっていますし、
>>265の
アイドルでコーディネーターの愛しの渚の芙美子ちゃんもね、元ネタはほら、ナギサシティの・・・
>>243でも言ったんですが、(あの時は少し間違って銀までと書きましたが本当はクリスタルまででした)
いまだにダイヤモンドもパールも持っていません。そもそもハードが無い・・・さて昨日ようやく受験地獄
から解放されたのですが、ソフトにしろハードにしろ買うと生活が苦しくなるので、代わりに今日本屋で、
ポケットモンスター(中略)パーフェクトクリアBOOK 全国ずかん完成&(以下略)\893 を買ってきました。
任天堂が公式として出しているので、見ていて面白かったのですが、冒険の舞台のグラフィックを見て、色ん
な意味で驚いています。特にタタラ製鉄所(
>>234も私です)。てっきり私は、池の中心か何かに(シンジ湖等
の様な)モット・アンド・ベーリー型の建物が建っているとばかり思っていました。いやぁ御免なさい。しかし、
ゲーム通りだとすると(ナギサシティの規模にも驚きました)、あまりに一つの町が小さいと考えられるので、
その辺は大目に見てください。 ・・・しかし、名無しの意味が無いですね。 あ!223番水道って思いきり
海じゃあないですか(よく考えたらすいどうは大方そんな感じか・・・)!!? 誰か辻褄合わせて下さい。
お願いします。
ナギサジムの奥――
ジムリーダーのデンジは考えていた
(あれから何人かのトレーナーが来たが・・・
勝つにしろ負けるにしろそれなりに・・・楽しめたな・・・
今こそ自分の力を試すときか・・・)
デンジは何かを思い立ったらしく
「デンジだ、ジムトレーナーに伝達
これからしばらくジムを開ける、ビーコンは置いておくから誰か代わりを頼む」
これで良い、俺も四天王に挑戦したい
自分の力を試したい
負けてもいいから自分のしたいことをする・・・そうあの娘に教えられたんだからな――
その頃223番水道
「浦島ぁ!あいつ逃げやがったか!」
変声機の奴が何やら叫んでいる
|残念
|それは私の
|おいなりさんだ
|
│ _、_
│ ヽ( ,_ノ`)ノ
│ へノ /
└→ ω ノ
>
と、また安藤容疑者は牢屋でも言っていた。隣の牢屋ではアカギが「なんだ・・うるさいなー」と思っていた。
そしてそのころ・・デンジはナギサシティを旅立ちポケモンリーグを目指していた。そこに行くにはある水道を通らないといけない。そこは・・なぜか氷づけになっていた。
「波乗りいらへんやんけ!」
思わずデンジは突っ込みを入れて氷の上を歩き出した。そこでデンジは…
↓
怪しい連中とすれ違った
「なんだアイツらは」
デンジはそう言うと
氷の大海原を駆け出した
-デンジは-
2度とナギサへは戻れなかった…。
ガチホモとオーバの中間の生命体となり
永遠に相撲部屋をさまようのだ。
そして死にたいと思っても死ねないので
―そのうちデンジは考えるのをやめた。
――という同人小説が某所で有名だったが
そんなことはどうでもいいことだ
予告(的なもの)
さて、そのデンジもママキーヤとの抗争に巻き込まれる運命のようだ
ヒカリ
ジョルダーノ
照幸
カンナ
オーキド
そしてデンジ
彼らは果たして生き残れるのか
その夜。ナギサ名物、ポケモン岩はどっぷりと水に浸かっていた。満潮時とはいえ、どうやらここら一帯の
水域の水かさの絶対量そのものが上昇してしまっているようだ。変声機を持った奴“逆叉”から逃げた“浦島”
は、楓を助けるため(手遅れの可能性もあるが)、ハナダへ向かうためミオシティまでようやく辿りついた。
時刻は夜の3時をまわる。
一方、ナギサシティで、“浦島”に逃げられた、“逆叉”こと骨川トシキは、思いのたけ(鬱憤)を223番水道
で叫んでいた。その横をデンジと思われる人間が通りすぎていった。
「あ・・・ああ・・・野郎ぉどうやって水の上を歩いたのかと思いきや、凍ってやがる・・・」
眼を凝らしてみると、向こうで戦っている人間たちがいる。
「あれは!オレの部下の部下の“アルジ”と“ドロレス”じゃねえか。始末人を名乗る連中が、苦戦してどうする
んだよ・・・しかし、この氷結レベルありゃ元カントー四天王のカンナだな。もう1人の相手は案内人か・・・たっく、
“シエラ”の馬鹿は、ともかく“ブセアンドウ”はあいつ何やってやがる。けっこれだからポケモンの能力値ばかり
高い連中は・・・・・・大切なのは、戦略だってぇの。だいたい2対2で押されてんなら、逃げろっつうのに・・・
まあいい、奇襲をするぞ!オオスバメ!!」
骨川が凍った海に足を一歩入れた時、背後に人の立つ気配が感じられた。
「良かった・・・ハァハァ・・・心配で戻ってきて・・・あなたも彼女たちの仲間ね・・・」
それは戻ってきたヒカリであった。
「ディアルガを持つ娘だな。本当にアイツら・・・ターゲットも殺せずに何やってんだ。嬢ちゃんオレが、誰の仲間だって、ハッ!
確かにそうさ。けどなオレはあいつらの上司!始末人総括長、“逆叉”だ!〔ルスティヒ・アバドン計画〕の名の下に潔く死ね」
この夜、最後の戦いが今始まる。雨はもう止んでいた。
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/ ⌒`´⌒ \ ニヤニヤ
| ,-) (-、.|
| l ヽ__ ノ l |
\ ` ⌒´ /
浦島はニヤニヤした男から次元転移装置を貰った
「よし、行くか・・・目標ハナダ!」
ニヤニヤした男は浦島が消えてからよりいっそうニヤニヤしていた
427 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/28(水) 15:46:56 ID:m8pBjtWb
次元転移装置はパルパークから浦島の部下が盗み出したものだった
パルパーク完成はだから遅れているのだ。
「ハナダについた・・」
浦島は言った
ここはハナダシティ。カントー地方にある水ポケモンジムのある町だ
428 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/28(水) 15:49:52 ID:m8pBjtWb
・・実はにやにやした男が浦島の部下だったのだ
浦島はさっきまでいた男と同じようににやにやしながらハナダシティを調べることにした
ヒカリのギャラドスが、暴れ散らせている。高まった感情、進化する前に味わい続けた辛抱の日々。オオオォォオ
とうなりあげた雄たけびが、水面を飛び出すと同時に、敵のオオスバメに叩き込まれた。ギャラドスにとってこれ程、
神経が揺さぶられたのは初めての事だった。夜が白みはじめて来るなか、223番水道の戦いの空気は、そのボルテ
ージを留めることが出来ない。
「やるね・・・」
飛び散る、氷片・激しく当たる岩石、顔面を血で染めながら不敵に顔を歪め眼を細めるトレーナー“逆叉”。ヒカリもまた、
かつて無い強敵に戸惑い、歯を食いしばっている。
「!アカギ・・さん・・・以上!?」
既に、ジグザグマ、ムウマ、ユキカブリ、そして在ろう事か、ポッチャマまであのオオスバメ一匹に看破されている。舞い
上がる星の砂が夜空に飛び散っていき、引き始めた潮が足を絡め獲る!己の心に、芯を一本、それに掴まりヒカリも
長い一日を戦い抜こうとしている。限界まで暴れる青き龍と、風を支配するかの様な巨大な鳥は、互いの体を純粋に
ぶつけ合っている。出せる技を、出しつくし、余波で己のパートナーをも傷つけても、蒼龍と飛燕は止まらない!!!
激突する意地と意地。お互いのトレーナーは世界戦を見つめるセコンドの様に。ポケモンたちは、己の牙を、爪を、磨き
あい、高める様に。ズバットやヤミカラスと交代するかの様にナギサの空をキャモメたちが飛ぶっ。彼は誰。例え、向こう
から襲い来る肉迫の化身の正体が分からずとも、己をここまで育ててくれた人間に、感謝とゆう名の閃光で応え、前を
照らしてぶつかり合う!ひけぬ誇り。生まれた時には既に、たった一度・一種類しか存在していなかった進化への道。
自分は決して、良質固体では無かった。しかしそれでも限界まで絞ってきたのだ。互いのパートナーには自分しかもう
いない。後には引けぬ。「逃げ」への道の、方位磁針は疾うに無くした!朝日の昇る中、223番水道の天空で、両雄が
最後の激突を終え、溶け出した氷の道へと今・着陸した。数秒の沈黙。
大いなる凍る地に、顔を伏したのは、ギャラドスの方だった。だがしかし、血を吹き、その翼を宙に散らしたのは・・・
「オレたちの・・・負けか・・・」
始末人総括長“逆叉”、殺しの相棒オオスバメと223番水道に散る。
/ニYニヽ
(ヽ /(゚ )( ゚)ヽ /) でっていうwwwwwwww
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i)))
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \
( ___、 |-┬-| ,__ )
| `ー'´ /´
| /
午前5時10分。東の空が明るくなってきた。風が揺れるとまだ肌寒い。浅瀬をタマンタの群れが泳いで行く。
クリアブルーの限りなく透明な上蓋の下に、緑色をした冬国珊瑚が悠然と煌めいていた。朝日と共に、どこからか
トドグラーたちが新しい日を大げさに祝う。
ここ、223番水道に今いるのは5人。水上で、器用に眠るギャラドスに身を任せ、その上で波に揺られて供に眠っ
ているヒカリという少女。
「結局、奴ら分が悪いと分かるやいなや、逃げちまいましたね」
と話すのは、半袖の上に白衣を纏ったトレーナー案内人の男、ジョルダーノ。話し掛けられているのは、こちらも
疲労が多く、加えてなかなか故郷に帰れない元・四天王、カンナ。ドロレス、アルジのコンビは逃げたのだ。気絶
しているのは、その二人の上司、逆叉。そしてもう1人。
ヒカリを助けて、瓦礫(彼の自宅)の下敷きとなっていたディアルガの手当てが終わると、照幸はヒカリのギャラドス
以外の手持ちの治療を続けた。彼が、ここに戻ってきた時には、日は完全に昇っており、なぜか『月の信仰軍(ママ
キーヤ)』の連中も、自分は初めて見る男1人を残して(と言っても気絶しているのだが)、他はみないなくなっていた。
「結局あいつらは、223番水道の水位を大幅に上げて★何がしたかったんだろう?・・・」
テンガン山の頭にかかった雪が朝日に染まっていった。
「でっていうwwwwwwww」
「朝から、御ふざけが過ぎますよ。チノレベベロ=ユパンキ様。くだらない、TV番組のキャラクターの真似事など」
「お前、何も分かってねえんだな。オーエンス、それでも俺の執事なのか?彼らの存在は重要なんだぞ」
暗い暗い部屋にも同じように朝日が差し込んで来ていた。
=========チラ裏======================
すいません。
>>429のムウマはムウマージの誤りでした。以後気をつけます。
「そうですか、ああ、ユパンキ様。一般の病院で治療を受けた後、昨晩のうちに警察に届けられた“ブセアンドウ”と“シエラ”の2人には、御命令の通り
始末人を3名程、差し向けました。牢の中で〔病死〕とでも、なりましょう」
「・・・・・・モーニングコーヒー」
「はい。直ぐに御用意を」
「したら、その次は死んでくれ。“インペロ”よ。お前は執事としては買っているが、組織には向かない」
「!!!!!!も!申し訳御座居ません。ほほ!本当にわたしとしたことが!」
「それは聞き飽きた。執事兼護衛隊隊長の“インペロ”ことジョン=オーエンス君。自害が嫌なら、俺がやってやろう。おいっ“ウォーター”!!!!!!!!」
部屋の影に隠れていた男がぬうっと現れた。
「ワタクシを呼びましたかな?“カポ”?」
「・・・・・・モーニングスター。今すぐ武器庫から持って来い」
「フフ、了〜〜解しました」
しばらくすると、暗い暗い部屋からは、鉄の匂いが漂ってきた。
,-、 nn
.r-、 _00 /::::'┴'r'
.|::::'´::::r┘ !「`L00、|.l└ク_;厂 /
.|::::「|:::| l| |Ln:::r┘|.l _lニユ、 ./
. ̄└r''"´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ::/ / /
、ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / /
. \\`´ |:::|. l| l 〈::/ 、 ! '/
\ ̄ l ! /
x X
X /ニYニヽ ナ
(ヽ /(゚ )( ゚)ヽ /)
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i)))
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \
( ___、 |-┬-| っ ,__ )
| Jー'´ ` /´
| ` /
暗い暗いその部屋の中で、ブラウン管の中の奇妙な生物だけが、笑い声をあげていた。
いや―――・・・ははははははははははははははははははは!、案外ユパンキの嗤い声かもしれない。
舞台は移り、ここはシンオウ地方『ポケモンリーグ』本部、裏口―ラドゴスボ回廊・北北東。
_,,t-‐‐-、,-‐‐-、
三'::::::............... .....::::::`y,.
ナ::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::ヾ
| ̄| V::::::::::::::::_{{ ({∫∬ノノjヾ:::::{
| ̄| | ̄| ナ::::::::::::::i`__,,,,,,,ァ_ _,,,,,_ t;;:ヌ
| | | | イヘ::::::(ヾ~!,ャt、 !'''i ィtン )=f }f
| | | | i {t)テ" ヘ' '___,イ ヽ_/ 介'
| | | | _,rヘ_,j|!' /ー--''! |' さぁ…始めようか。
|,.ィ―'''' ̄ /| | /二ク !
/;;:::'';;::''::;;:/ { ! 、 ヾニン ノ\
/'''::::;r|''':::;;;| | ! \ _,,./|::;;'''\
/:;;/ |;;;''::;;| 丶\ `__>-ー´ !;;;:'''::iヽ、
i/ |'::;;;;''| 三 ―''" !''::;;;;| /ヽ
/⌒ヽ |;;''':::;| \ !;;::''|/ i
/ \{'';;;::''}  ̄二ニ= !::;;| |
/ヘ |;;:::::;{ ‐- !/ |
/ i |:::;;;''! ー ! / |
/ l |;;'';イ } {、
〉、 ∧テ{ ヽ _ _,,,,;;;;;:::-==ニ;;;_ ノ __,イ´
/ \_ //レ!  ̄  ̄ { ̄ |
/ `ー::v'´/ | i i |
i / ̄ | | i、 |
i / || ヽ |
,. -ー冖'⌒'ー-、
,ノ \
/ ,r‐へへく⌒'¬、 ヽ
{ノ へ.._、 ,,/~` 〉 } ,r=-、
/プ ̄`y'¨Y´ ̄ヽ―}j=く /,ミ=/
ノ /レ'>-〈_ュ`ー‐' リ,イ} 〃 /
/ _勺 イ;;∵r;==、、∴'∵; シ 〃 /
,/ └' ノ \ こ¨` ノ{ー--、〃__/ 最初に言って置きますけど僕の戦闘力2000億ですよ。
人__/ー┬ 个-、__,,.. ‐'´ 〃`ァーァー\
. / |/ |::::::|、 〃 /:::::/ ヽ
/ | |::::::|\、_________/' /:::::/〃
「わかってんだよ。はいはいあんたの戦闘力は2000億だよ。いいから早くこの老いぼれ
を運ぶのを手伝えってんだよ、“ジンビハサカマエ”」
とキクコが言った。すると、汗だくの太った男が聞き返してきた。
「え?・・・あなたをですか?“リットリオ”さん?」
「アホかぁあんたはっ!あたしを運んでどうすんだよ。・・・このジジイ、オーキドをだよ」
ヒカリばりのツッコミであるが、キクコの顔はどこか冴えない。最も、この汗だく男はもっと冴えなかったが・・・
あ・ふだんからか。
「なんだとぉ!僕が冴えないだとぉ」
「あんた、誰に突っ込みをいれてるんだい?」
!!!まさか、天の声(わたし)にツッこむとは・・・恐るべし、200億!
「その、10倍だよ」
・・・・・・。
途中デンジにヒカリ達は出会い
照幸の家を数分で建て直してしまった
本人曰く「これは礼みたいなもんだ」とのこと
そして少し広くなった家で夜を過ごす――
今朝のポケモンリーグでの1シーン。
「さぁ…始めようか。」
「言うだけじゃなくて、実際に動いておくれよ“浮き輪”・・・ハァ、ほらジンビハサカマエだってやってんだから。お前ら2人でオーキドのジジイを運ぶんだよ。もう、6時だ。人が来ちまうよ」
「リットリオ殿。おたくは運ばないのか?」
「!あたしは・・・・・・・・・・・・その男が、きら・・・そんな腕力は無くなっちまったさ」
「うそだ!折角若返らせたのだ!このボクチンが!」
「いいから、命令に従いなっ!!!」
その声が、まるで近世のお城の様なリーグ本部の壁に響く。
現在。
ヒカリは、照幸とジョルダーノに別れを告げて、ナギサシティの郊外の病院へクロゾウの見舞いをしに、カンナと出かけた。
進路とは、逆だがやはりクロゾウのことが心配だった。夜道の中、疲れのすっかり抜けた2人が軽やかに歩いて行く。
しばらくすると↓
/二__,--、r'"___、 ヾト、.ヽ
レ'"~,-,、 ! ! ' '" ̄ .ノ\ヾ:、
K/ー'~^~_/ ヽミ:ー‐‐'" ヽ i
!〉ー―'"( o ⊂! ' ヽ ∪ Y」_ /
i ∪ ,.:::二二ニ:::.、. l 、... | ほっちゃーん! ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!
! :r'エ┴┴'ーダ ∪ ! !l<
.i、 . ヾ=、__./ ト=. |
ヽ 、∪ ― .ノ .,! \
443 :
名無しさん、君に決めた!:2007/03/29(木) 14:14:36 ID:RQ8LpxHi
夜道に気味が悪い男が現れた。ヒカリが、
「気持ち悪いわっ」
とツッコミ、カンナは無言でそのデブ(失礼)、豚を凍らせた。
その男は、ポケモンコレクターのヒロムだった。
まあ、誰か分かっても凍っている訳だけれども。
んで!
クロゾウの病室に着いたわけだ
ヨルノズクの鳴き声が何処かから聴こえ、北に森、東西、南は海のこのナギサシティの病院に、ヒカリとカンナは
やって来ていた。
「さざ波の、音が素敵ね?ヒカリちゃん・・・」
「そうですね。カンナさん。ここは海が近いから」
「位置的に言うと、ミオシティの方が近いみたいね」
「ええ・・・と・・・よく分かんないかも」
「ヒロイン違くない!?」
「何のことですか?」
二人が今居るのは、シンオウ海沿(ウミゾイ)第参病院。その、砂浜の上のデッキの道・夜間・外部訪問他専用の
裏口だ。手続きが終わるまで、女の子通しの会話が、星と砂に溶け、波が思い出へと運んでいく。
9時49分、かくも平穏な夜。
448 :
追想:2007/03/31(土) 22:44:14 ID:???
ヒカリは漣の聴こえる中で、一月半程前のヒョウタ思い返していた。
|||||||||||||||・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・|||||||||||| ありがとう、ヒョウタさん。
技マシンから何から何まで・・・」
「技マシンは、挑戦者が僕らジムリーダーに勝った場合は必ず渡すように、協会で決められているんだよ。そんな
に畏まらなくても良いのに、まだまだ若いんだから。それから、これは内緒の話なんだけど・・・・・・・・・・
「なんですか?ヒョウタさん?」
「ヒカリちゃん、ここでは何だから、後でクロガネ炭鉱に一人で来てくれないか」
「・・・はい」
追憶は続く。
そしてシロガネの鉱山で後に戦ったトウガンに出会う
「紹介するよ、こちら・・・」
「手続き終わったわよ、ヒカリちゃん?」
カンナが話しかけてくる
「えっ、あ!はい!」
というわけで面会に向かう
450 :
王究斎:2007/04/01(日) 00:36:40 ID:???
同じ時間、ここはシンジ湖。
「第三の最低位階か・・・まさか、わたしともあろう者がこの様な下賤の民の住まう地に来ることになろうとは・・・・・・
嗚呼、エリ、エリ、残酷なアンジェリよ。‘土王’の称号を持つわたしが、このシンオウの地に足を踏み入れ、しばしの間
滞在することを許し給え。」
月明かりが、一人の男を湖に映す。自らを王と名乗るその男は、光沢のある黒地の外套を纏い、大きな銀の十字架の
首飾りを耳の穴に通し、その長い足に濃紺のスラックスを履いて、春の湖畔で月光浴をしている。
木々の間から、闇をより暗く暗く纏い、もう一人の男が月下に現れた。
「詩人だな。コードネーム“ブルー・フレッシュブリーズ”よ。そんなんでよく俺に従っているものだ」
「“カポ”か・・・貴様に、ビルツウデを感じなかったら、協力などはしない。」
「はっこれでも俺はボスの座なんだがな・・・まあいい、223番水道の三日間の完全封鎖、どうにか成功したぜ」
「おかげで、無事にいった。わたしは死ねない。アカシック・レコードはわたしの記した命題が届くのを、待ち続けている」
「大きな矛盾が発生してねえか。そんなことよりも、ちゃんと見つかったんだろうな、【小さな鍵】ってやつは・・・・・・」
「捕獲も済んでいる。」
「!!!そうか。この間の223番水道の作戦で、お前を含む、正式構成員(マフィオソー)の内4人もの主力を失っている
んだ・・・失敗したら、ただでは済まさないつもりだったが、大丈夫の様だな」
「“ウォーター”の持つオラトリオでも使用しない限りは、到底このわたしは倒せまい。しかし・・・先日の雨の日の作戦時に
内輪揉めが起きているらしいじゃないか。“カポ”よ、それで今までよくやってきたものだ。言って置くが【小さな鍵】は、人
を見るぞ・・・ただの色違いの虫ポケモン等では無いのだ」
「・・・・・・オイ・・・随分、偉そうだな、てめえの本当の力量なんてたかが知れているのを教えてやろうか?」
湖の月が雨雲に隠れた。
病室に着くと、明かりは消えていた。
ようやく金魚鉢を見つけると、手探りで、水中のチョンチーに触れる。
個室が明るくなった。
452 :
葛飾白菜:2007/04/01(日) 03:24:07 ID:???
その夜ヒカリは、クロゾウと夜通し、話をした。
青酸っぱい関係には程遠い。しかし、ただの異性の友達と呼ぶには、さみしい感じがする。
好敵手(ライバル)。そんな関係が、こそばゆくて、心地よい。
粋な(ぶっちゃけ権力による違法行為による)計らいをしたカンナによって、この日ヒカリは、
病院の個室でクロゾウと共に、一夜を明かした。
病院を出るとヒカリは春のはじめの、早朝のつんと張った空気に、大きく背伸びをした。
朝焼けに身を包みながら、海岸線を歩いていると、どこかから下手くそな音楽家が、練習だろうか
ラブソディーを演奏している。
海のかなたに、五つのとんがり帽子が見える。ヒカリは再び223番水道に来ていた。
そして、お昼前、ギャラドスから降りたヒカリは、ようやくチャンピオンロード入り口までやって来た。
後ろから、滝の音が聴こえていた。
|残念
|それは私の
|ションベンの流れる音だ
|
│ _、_
│ ヽ( ,_ノ`)ノ
│ へノ /
└→ っ ノ
>
そう、安藤容疑者は
シンオウ中の子供たちにトラウマを残していたのだ
まぁそんなことはどうでもいいが
「あれ、もう出口?意外と楽だったな〜」
ヒカリが洞窟を出ようとした、その時!
イ "" ⌒ ヾ ヾ
............... ..ヽ . ;: . / .⌒ _,,..__ ヽ ) ;. :ノ......... .........
:::::::::::::::::::::::::::ゞ (. (::.! l,;::) .ノ ノ ./::::::::::::::.......:::::
._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; − .._´,
._-" ,.-:''ー''l"~:|'''ーヾ ヾ
::( ( . |: ! ) )
ヾ、 ⌒〜'"| |'⌒〜'"´ ノ
""'''ー-┤. :|--〜''"" ボゴーーーーーーーーーーーーーーン!!!!
:| |
j i
ノ ,. , 、:, i,-、 ,..、
456 :
王究斎:2007/04/03(火) 15:29:11 ID:???
比較的、虫の多い日だと、思った。
朝、歯を磨きながら、パソコンを開いて、たまりに溜まった一週間分のメールを処理していると、見知らぬ道具が一つ
預けられていた。
「何だろう・・・」
手が痒い。みるとブヨに刺された様に腫れていた。外から入ってくる日差しは、先週引っ越したばかりのこの家の中を十分
に照らしてくれていた。そういえば、近所の桜が開花していたと、昨日妻が教えてくれた。もう、そんな季節なのかも知れ
ない。
「なあ、虫刺されの薬ってどこにあったっけ」
言ってから、しまったと思った。引越しの時の荷物があまりに多かったから、ダンボールから出さないでそのまま納戸に押
し込んだ荷物の中に、その手の薬は入れたままだということに気がついた。
「あなたー何か言ったー」
庭で洗濯物を干している筈の妻が声を掛けてきた。風邪でもひいたのだろうか、声が若干低いように聴こえる。
「いや、もう分かったから大丈夫。ええと、虫刺され用の塗り薬って、まだ納戸のダンボールの中だったよね?自分で取って
きます」
夫婦円満のコツは、パートナーの仕事を増やさないことだ。自分のことは自分でやる。
しかしその日、椎名一碧(イッペキ=シイナ)に届いた妻からの返答は、ようやく彼に世界の異変を少しだけ知らせた。
パソコンの横に取り付けられた、家庭用の転送機に、ワープスカーフが届いていた。
「いっくんさぁ、いい加減覚えてくれないかなあ。我が家じゃ薬は全部冷蔵庫の横の救急箱の横だったば!」
妻の小百合が、虫刺され用ポヒを持って、後ろに立っていた。いつからポヒは液体版も出したのだろうか。
457 :
王究斎:2007/04/03(火) 15:30:48 ID:???
妻がわたしのことを、いっくんなどと昔の恋人同士の頃の様に呼ぶときは、大抵機嫌が悪い。またわたしは何かやらかしてし
まったようだ。
「そ、そうか、薬箱ももう出したんだな。まだ、だしてなくて必要な物があったら、今度は僕が出すから。」
妻の表情がさらに曇る。いやというよりは、何かわたしを変な物でも見るような目つきで睨んでいる。
「出してもらったら、あ、り、が、と、う、でしょ。全く訳の分からないこと言ってないで、たまには自分の娘と話ぐらいして
よね。由梨加、この間の父親参観、本当はやっぱりあなたに来てもらいたかったみたいよ。たしかに難しい年頃だけど13歳の
女の子って。だけどね」
そこまで、妻が言いかけた時、台所から薬缶のお湯が沸騰する音が聞こえた。彼女は台所へとんで行った。
うちの薬缶はあんな音だっただろうか。いやそれよりもわたしの妻は、小百合は何を言っているのだろうか。由梨加はたしかに
わたしの娘だ。しかし、まだ3歳だ。けれども小百合の顔は冗談を言っている様には感じられなかった。
小百合の顔ーー・・・そうだ、さっきは違和感を感じなかったが、彼女の顔は随分老けていた。声にもいささか張りが無くなった
のでは、ないのだろうか。
「母親の顔になったというか・・・いや、たんに皺が増えただけか・・・」
「皺が増えたってそれ、お母さんのこと?そんなことお母さんに聞こえたら、嫌われちゃうよ。お父さん」
部屋の入口に少女が立っていた。顔に見覚えがある気もするが、誰だか思い出せない。
「君は・・・どこかで会った・・・け・・・」
わたしは、彼女にビンタをくらった。何故か。
「最っ低・・・死んじまえクソ親父!」
何故だ。何故わたしが、この春の陽気をどこか遠くに感じる、気持ちの良い朝に、誰かも分からぬ少女に引っ叩かれて、死ねとまで
言われなくてはならないのだ。
458 :
王究斎:2007/04/03(火) 15:31:51 ID:???
何もかもが今朝はおかしい。わたしは落ち着こうと思い、一服するために庭に出ると、そこでとんでもないモノを見てしまった。
いや、何も見なかったという方が正しいだろう。家の前の218番道路の沿道の木々が一本も存在していなかった。ここは、ミオシティ
の、市街地からは大分離れた、郊外のニュータウン。一碧の口から落ちたタバコが、庭の芝生に焦げた跡を残した。
太陽の中に隠れるような位置で、空に赤いトランセルが浮かんでいた。それは、いつからそこにあったのだろうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーチラ裏ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結局、王究斎と名乗っています。しかし、3度も連続で書きこんだのに、ポケモンまるっきり出てきませんね・・・
459 :
王究斎:2007/04/03(火) 15:43:39 ID:???
チラ裏のみ
>>456 訂正・・・
冷蔵庫の横の救急箱の横だったば→救急箱の中だってば
test
<font color="hotpink" face="symbol">ゥ</font>
♥
463 :
名無しさん、君に決めた!:2007/04/11(水) 03:12:09 ID:ssb+B26/
『……test <font color="hotpink" face="symbol">ゥ</font>……?』
それは禍禍しい冷気を纏っていた。時折、人間には理解できぬ電子音のような言葉を発している。
赤いトランセル――見るものによればそれはただの色違いポケモンであろう。
しかし、彼らは違った。月の信仰軍の彼らにとっては。
「見つけたぞ、鍵……」
男が微笑んだ。
その目はまるで長い間生き別れになっていた身内と再会するかのごとき優しさを纏っていた。
しかし、その瞳の奥に潜んだ光は、そんな優しさとは裏腹な――野心の色が浮かんでいた。
その頃カントー地方・ハナダシティ
「くそっ!にやついてる場合じゃないぞ!」
浦島である
「確か連中は岬の小屋と・・・・瓦礫の山しかないがここでいいのか?」
しばらく様子を見ていたが、どうやら間違いないようだ、何故なら
「オラトリオ・・・ホウオウの羽だ・・・どこだー!亀ぇー!」
ホゴーン!
一昔前のロボットアニメによくある爆発のようにぶつかってきた少年は
言うまでもなくクロゾウだった
「いたた、いくらなんでも元気すぎ・・・いない」
クロゾウは何処へ・・・・
まぁ穴に落ちたとかその辺だろうとヒカリは
四天王と戦うための最終関門、チャンピオンロードを無事、抜けた
「姿はもちろん返事もない・・・・
楓君が死ぬなんて・・・彼氏に会えないまま死ぬなんて・・・悲しすぎる・・・・・・」
「か、ってに殺さないでください、あと本名でよぶぁあ・・・・」
ドサリ
と音がした
――――――――――「浮き輪ぁっ!いつまで運んでんだい!」
「ジンビハサカマエ!浮き輪ぁ!
いい加減に・・・うわぁ!」
――――――――――
「うう、ここは?
おおカイリキー
そうじゃな、ママキーヤの首領を止めに行かねばな」
浮き輪・ジンビハサカマエ・リットリオ、散る
「ウォーター!貴様裏切る気か!?」
ユパンキとウォーターは対峙していた
「フフフ、ワタクシの目的はオラトリオにふさわしい者を探しだし継承すること
ママキーヤに該当者は残念ながら一人もいませんでしたがね
カポ、あなたも含めてね
ですがいたのですよ、今ここに!
その金髪の少年こそがワタクシの!求めた!ホウオウの継承者なのです!」
ウォーターの指した先にはチャンピオンロードでヒカリにぶつかった衝撃で
落ちてきたクロゾウが尻餅をついていた
「この牢獄に比べれば
どこでもいいさ」
とアカギは言った