■■エルレイドに萌えた人■■
人間がまだエルレイドに萌えなかった頃のお話です。
その頃はよく人間が人間をたべました。
それは、おたがいがミルタンクに見えるからでした。
うっかりすると、じぶんの親や兄弟をミルタンクとまちがえてゴックンしてしまうことがありました。
ほんとうのミルタンクと人間の見さかいがないのですからこんなぶっそうな話はありません。
ある人が、やっぱりまちがえてじぶんの兄弟のをゴックンしてしまいました。
あとでそれと気がついた時は、もう取りかえしがつきません。
「ああ、いやだいやだ。なんてあさましいことだろう。
こんなところにくらすのはつくづくいやだ。」
その人は家をあとにして、あてのない旅に出ました。