仮面ライダーがポケモントレーナーだったら

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2350w0 ◆BLADEdavxU :2007/01/30(火) 20:44:52 ID:???
「邪魔するよ」
橘が家に入ると小夜子が駆け寄ってきた。
「橘君、話があるんだけど」
深刻な表情を浮かべている。橘は嫌な予感を感じた。
「シュルトケスナー藻って知ってる?」
橘の顔が険しくなる。
「橘君の肩についていた奴何だけどね、あれ人体に悪影響を及ぼすものなの」
伊阪に言われた事と全く違う。
橘は一瞬驚いたがすぐにそれを否定した。
「何を言い出すかと思えば。アレは良薬だよ、俺の病気を治してくれる」
すると小夜子が間髪いれずに返した。
「そんなことない!アレは使い続けると体を蝕んでいく毒なの!」
悲痛な叫びが部屋に響く。
「……それでもいいさ。俺は花火のように生きていたいんだ」
橘は扉に手をかける。
「待って、橘君!」
小夜子の声を無視して橘は外へ飛び出した。
2360w0 ◆BLADEdavxU :2007/01/30(火) 20:49:01 ID:???
行く当ても無く飛び出した橘は路地裏をふらついていた。
「……俺は変わったんだ。俺は……ん? あれは……」
橘の視界に入ったもの。それは桐生とアーボックだった。
何かと戦っているようだ。桐生が何か指示している。
だが様子がおかしい。相手は人間に見える。
橘は近づいて確信した。どう見ても人間だった。
「何やってるんですか、桐生さん!」
橘が止めに入ろうとする。しかしアリアドスに動きを阻まれてしまう。
「ハン、こいつはなぁ、強盗犯なんだよ。間違いない」
桐生の言葉で上級アンデッドポケモンという線も消えた。
桐生が襲っているのは紛れも無い人間。
「だから……コイツに生きてる資格はない!!」
桐生の叫びと共にアーボックが男にかみつく。
男は断末魔の叫びを上げ、息絶えた。
「……なんて事を!あなたは何をしたか分かってんですか!?」
橘が食いかかる。そんな橘を鼻で笑う桐生。
「悪を消して何が悪い? 俺はな、こういう事をする為にアンデッドポケモンを手に入れたんだよ」
桐生の発言が路地裏にこだました。

「……俺はあなたを許せない」
橘が呟く。
「許されたいとも思ってないさ。それで、俺を倒すのか?」
桐生の挑発にも似た言葉に橘が返した。
「明日、決闘しましょう。負けた方が勝った方の言う通りにする」
橘に勝利する自信は無かった。だが桐生のやってることを止めたかった。
「いいだろう。明日が楽しみだよ、じゃあな」
桐生は足早に立ち去った。


9話ここまで。
微妙なところで切っちゃってすいません
237名無しさん、君に決めた!:2007/01/31(水) 00:20:51 ID:???

てか剣崎ほぼ空気ww
238名無しさん、君に決めた!:2007/02/02(金) 17:22:41 ID:???
保守するッッッ
2390w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/02(金) 20:59:25 ID:???
剣崎ってさ、序盤空気だよね
第10話です。
橘編も佳境に差し掛かってきました


橘はシュルトケスナーの水槽の中で目を覚ました。
伊阪が近づいてくる。
「お目覚めのようだな。桐生から伝言だ。北西の草原で待つ」
既に桐生は外に出ていたらしい。橘も準備をする。
「人間とは面倒くさい生き物だな」
伊阪が嘲笑する。橘は無言で外へ出た。

「橘君!」
橘が研究所外に出た途端、小夜子がやってきた。
「どいてくれ。俺にはやらなきゃならないことがあるんだ」
小夜子を手でどけると橘は草原の方へ向かう。
「嫌、もうやめて!これ以上戦ったらあなたの体は!」
小夜子が再び割って入る。
「俺は……変わったんだ!」
小夜子を軽く振り払うと橘は駆け出した。
追いかけようとする小夜子。しかし追いつけずその場にへたり込んだ。


「待っていたぞ、橘!」
橘が草原に着いた時、既に桐生が待ち構えていた。
「お前と戦えるなんてな、面白い」
桐生はこの戦いをゲームの様なものと認識しているらしい。
この一言が橘の心に火をつけた。
「俺は、アンタを倒す!」
カイロスが繰り出される。向こうはアリアドスだ。
「全力で来い!」
己の信念を懸けた戦いが始まった。
2400w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/02(金) 21:00:15 ID:???
「カイロス、つばめがえし!」
カイロスがアリアドスに接近する。
「どくどくだ!」
突っ込んできたカイロスに向かってアリアドスが"どくどく"を放つ。
カイロスが猛毒を浴びて、勢いを失う。
「くっ、戻れカイロス!ギャロップ行け!」
カイロスを引っ込めるとギャロップが現れる。
「一撃で決める、フレアドライブ!」
ギャロップが焔を纏って突進する。直撃を受けたら即気絶だろう。
「アリアドス、ふいうち!」
アリアドスがギャロップを超えるスピードで攻撃を仕掛ける。
ギャロップはダメージを受けたがそのまま突っ込んだ。
倒れるアリアドス。ギャロップも反動を受ける。
「やるな、橘。次はコイツだ」
アーボックが飛び出す。
「ギャロップ、戻れ!ニョロトノ!」
橘はダメージの大きいギャロップを戻すと新たにニョロトノを繰り出した。
2410w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/02(金) 21:01:28 ID:???
特訓中の剣崎は野生のアンデッドポケモンと戦闘していた。
相手はこの前逃がしたペルシアンだった。
「ヘラクロス、インファイト!」
強力な技が炸裂する。ペルシアンは回避行動をとったが完全には避けきらなかった。
「このまま押し切る!もう一度インファイトだ!」
再びヘラクロスが突撃する。しかし今度は完全に見切られてしまう。
それどころか隙を突かれて"きりさく"をまともに受けてしまった。
急所を狙った一撃にヘラクロスがダウンする。
「ヘラクロス!リザード、頼んだ!」
リザードが飛び出す。二匹がにらみ合う。
「きりさく!」
両者のツメが激しくぶつかり合う。ペルシアンが若干優勢だった。
「まだだ、オドシシ!ライトニングスラッシュ!」
オドシシを追加で繰り出すとコンボ技を発動させる。
電撃を纏ったツメはペルシアンを吹き飛ばした。
柔軟なペルシアンには麻痺の追加効果は期待できないがダメージは十分だった。

「リザード、追い詰めろ!かえんほうしゃ!」
リザードが火を吹く。が、ペルシアンは攻撃をかわすと一気に距離を詰めた。
相手の"きりさく"が直撃する。リザードが倒れる。
「くそ、奴の動きを封じなきゃ……。行け、カブト!」
リザードを戻すと新たにカブトを繰り出す。
ペルシアンが続けて"きりさく"。しかしカブトに効果は薄い。
「マッドショット!」
泥の一撃。ペルシアンがよろめく。
一旦距離を置こうとしたペルシアン。だが動きが鈍い。
「もう一発マッドショット!」
次々に泥の塊が放たれる。当たるたびに動きを鈍らせるペルシアン。
「これでトドメだ!げんしのちから!」
カブト最大の技がぶち当たる。猛攻を受け倒れるペルシアン。
そのままモンスターボールに吸い込まれる。
「ペルシアン、ゲットだぜ!」
2420w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/02(金) 21:02:00 ID:???
「ニョロトノ、サイコキネシス!」
アーボックに強烈な念波が襲い掛かる。
技を受けたアーボックがのた打ち回る。効果は抜群の技だ。
「やるなぁ、リングマ!ブリザードクラッシュだ!」
桐生はリングマを続けて繰り出しコンボを命じた。
リングマの"れいとうビーム"とアーボックの"こおりのキバ"。
二つの凍気が一つになってニョロトノに迫る。
「効果は今ひとつ。まだいける……!?」
ダメージはそこまでない。しかしニョロトノは氷漬けになっていた。
「もらったぞ、かみくだく!」
氷ごと砕かれるニョロトノ。当然戦闘不能になった。

「さすが桐生さん。だが負けるわけには行かない!」
橘は引っ込めたカイロスを繰り出した。
「猛毒をくらった状態でできることなんて……」
桐生が余裕の表情でアーボックに攻撃を指示しようとする。
「からげんきっ!」
カイロスが突撃する。毒の痛みを忘れたような動きでアーボックを襲う。
直撃だった。アーボックは地面に突っ伏した。
「な! 止めろ、リングマ!」
リングマが飛び出す。しかしカイロスの勢いは止まらない。
「もう一撃!」
再び"からげんき"をくりだす。リングマも吹き飛び、気絶した。
ここで毒が完全に回りカイロスも倒れた。
「やはりこうでなきゃな。さぁ、次のポケモンだ!」
2430w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/02(金) 21:02:31 ID:???
始は天音の部屋で目を覚ました。
「ここは……?」
視界に天音が入る。始は状況を認識した。
自分は橘に吹き飛ばされたが誰かに助けられ、ここに連れて来られた。
連れて来たのは大方剣崎だろう。そんな事を考えていると天音が声をかけた。
「大丈夫? 始さん」
とりあえず始は反応する。
「ああ……。剣崎がここに連れて来たのかい?」
「うん、ここは私の部屋。あ、飲み物買ってくるね」
天音が家から出ようとする。
その時始がアンデッドポケモンの気を感じ取った。
「……ダメだ。家から出ちゃいけない」
そういうと始は起き上がる。本人は外に出る気だ。
「え、うん。わかった」
不思議に思いながらも天音は部屋に残った。


「お前か、敵意むき出しでうろついている奴は」
アンデッドポケモンの一匹、ヤドラン。
天音の家の前に堂々と立っていた。
「俺に用があるんだろう、相手になってやる」
そういうとストライクを繰り出す。
「シザークロス!」
鋭い一撃。しかしヤドランは尻尾で受け止める。
「ほう。ならこれはどうだ?スピニングウェーブ!」
ストライクが引っ込むとサメハダーとムクホークが現れる。
ムクホークの起こす風を利用してサメハダーの"つじぎり"。
今度も尻尾で受け止める。強固なシェルダーが攻撃を弾く。
さらに反撃とばかりにアイアンテールを叩き込む。
強烈な一撃に倒れこむサメハダー。ヤドランはピンピンしている。
2440w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/02(金) 21:03:18 ID:???
「面白い。コイツを使わせてもらう」
始はサメハダーを戻すとドラピオンを繰り出した。
「ツボをつく」
ドラピオンの特殊防御力が大きく上った。ヤドランは水の波動を繰り出した。
攻撃はあまり効いていない様だ。
「ツボをつく」
ドラピオンの回避力が大きく上った。ヤドランは水の波動を繰り出した。
ドラピオンは攻撃をかわす。
「ツボをつく」
ドラピオンの防御力が大きく上った。ヤドランはアイアンテールを繰り出した。
しかし大きなダメージにはならない。
「ツボをつく」
ドラピオンの攻撃力が大きく上った。ヤドランはアイアンテールを繰り出した。
攻撃を再びかわしたドラピオン。ここで始が指示を変える。

「きあいだめ、だ」
ドラピオンの精神が研ぎ澄まされる。相手の急所を狙う体制になった。
「遊びは終わりだ!つじぎり!」
急所を狙う一撃。"きあいだめ"によってその精度は大きく上昇していた。
尻尾を使って受け止めようとするヤドラン。しかし失敗に終わる。
"スナイパー"の特性を持つドラピオンに急所を突かれることは、敗北することであると言ってもいい。
思いっきり倒れるヤドラン。始はボールを投げつけた。
2450w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/02(金) 21:03:49 ID:???
新たに繰り出されたスピアーとクロバットがぶつかり合う。
「かげぶんしんだ、スピアー!」
桐生の指示でスピアーが分身を作り出す。
「くろいきり!」
クロバットの黒い霧が分身をかき消した。
「ブレイブバード!」
クロバットはどんなに視界が悪くとも攻撃を当てられる。
霧を貫いて飛行タイプ最強の技が炸裂する。
スピアーが墜落する。桐生はスピアーを戻す。

「そろそろ手駒が少なくなってきたな……。っ!?」
桐生が倒れこむ。何か呻いている様にも見える。
「桐生さん!? どうしたんですか!?」
橘が駆け寄ろうとすると、桐生はゆっくりと立ち上がった。
「続けようか、タチバナ」
声が二重になって聞こえる。目の色もおかしい。
「桐生さん……?」
「キリュウじゃない。俺はアンデッドアリアドス――レンゲルだ」
橘も驚きの発言だった。
「桐生さんを……乗っ取ったのか!?」
「そうなるかな、ふん!」
桐生の手から蜘蛛の糸が飛び出る。
クロバットは地面に突き落とされる。そのまま気絶した。
「さあ、止めてみろ。そうしないとお前が死ぬぞ?」
レンゲルの挑発。橘は戸惑いながらサンドパンを繰り出す。
2460w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/02(金) 21:04:35 ID:???
「はぁ!」
人間とは思えない動きでレンゲルが飛び掛る。
「サンドパン、きりさく!」
攻撃を受け一旦離れるレンゲル。
「一撃で……終わらせます、桐生さん」
ホエルオー、バルビート、ギャロップが繰り出される。
レンゲルはコンボの妨害をしようとするが、
サンドパンの"どくばり"によって動きを封じられる。
「バーニングディバイドォッ!!」
三匹の合体攻撃がレンゲルを叩きのめした。
「ぐおぅあっ!」


桐生に駆け寄る橘。アリアドスの意識は既にいなくなっているようだった。
「大丈夫ですか、桐生さん!」
桐生は傷だらけだったが死んではいなかった。
「なんとかな……。!? 橘、避けろ!」
そう言いながら桐生が橘を突き飛ばした。
橘は何が起きたか分からなかったが、目を開けてすぐ理解した。
上級アンデッドポケモン。何かは判断できなかったが、そいつが桐生の腹を貫いていた。
「ち、しくじったか」
アンデッドポケモンは桐生を投げ飛ばすと姿を消した。
「桐生さんっ!!」
投げ飛ばされた桐生に近づく橘。
桐生はゆっくりと喋りだした。
「橘……。お前はさ、真面目すぎるんだよ」
橘は何も言わない。ただ泣きそうな顔で桐生を見つめる。
「……もっと、バカになれ」
桐生はそう言うと息を引き取った。

一人残された橘は叫び続けた。
2470w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/02(金) 21:07:08 ID:???
10話ここまで。
ついに死人が出ました。
とか思っていたら桐生が既に殺してましたね。
ポケモンで人殺していいのか、とか思いつつまだ殺す気でいたりする。
248名無しさん、君に決めた!:2007/02/02(金) 23:57:44 ID:???
>>247
乙ッッッ
原作見てないけど
結構感動的なあれを感じた
ポケモンで死人云々は気にするな
ポケスペでも死んでる
249名無しさん、君に決めた!:2007/02/03(土) 05:12:17 ID:???
>>247

>空気だよね
吹いたwwwwww
2500w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/06(火) 22:40:21 ID:???
ちょっと保守しますね
投下できなくて申し訳ない
251名無しさん、君に決めた!:2007/02/08(木) 18:41:49 ID:???
保守
2520w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/08(木) 21:06:41 ID:???
遅くなって申し訳ない。
第11話投下。



桐生の亡骸を抱えて研究所へ戻る橘。
そこで彼は更なる衝撃を受けた。

「……小夜子!?」
小夜子が倒れている。橘は桐生を下ろすと小夜子に駆け寄った。
身体から血が流れている。傷は深そうだった。
「橘……君?」
小夜子は息絶え絶えに話しかけてきた。
もう手遅れ。橘は本能的にそう感じ取った。
「……ごめん、ね」
小夜子が橘に微笑みかける。今にも消えてしまいそうな命の灯火。
「謝らなきゃいけないのは俺のほうだ!俺は、俺は」
自分を責め続ける橘。小夜子を放っておかなければこうならなかった。
「……ありがとう」
小夜子の目が閉じる。手がガクリと落ちた。
「小夜子?小夜子!」
小夜子は目を開けない。息もしない。
橘は再び叫んだ。
前よりも大きく、長く。


橘の中で何かがはじけた。
死に直面して彼は生まれ変わった。
手が震える。恐怖心ではない。形容しがたい怒りで。
2530w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/08(木) 21:07:22 ID:???
「伊阪ぁー!!」
研究所に乗り込む。手当たり次第機材をぶち壊す。
小夜子は橘にシュルトケスナーをやめるよう訴えていた。
それを疎ましいと思う存在は一人。伊阪しかいない。
実際、小夜子には火球を受けた傷があった。
橘は二人の死による怒りを伊阪へと向けた。

「どうした、橘」
伊阪が現れた。橘は無視してカイロスを繰り出す。
カイロスはシュルトケスナーの水槽を破壊した。
「どういうつもりだ?これが無ければお前は……」
「黙れ!貴様を捕獲する!」
橘の怒りが最頂点に達する。伊阪も状況を把握したようだった。
「そうか、アイツを殺したのが裏目に出たか。まあいい。
 お前はもう用済みだ。俺の研究は完成しつつある」
長々と台詞を喋る伊阪に橘が不意打ちをかました。
「ホエルオー!」
ホエルオーが狭い研究室に繰り出される。
伊阪を吹き飛ばしながら壁に穴を開けた。
開いた穴から外に飛んでいく伊阪。
アンデッドペラップへと姿を変化させている。

「ニョロトノ、バルビート!」
追撃をかける橘。バルビートの火炎攻撃が伊阪の動きを封じる。
ニョロトノのきあいパンチがクリーンヒットした。
「んぐぁ!」
更に吹き飛ぶ伊阪。波打ち際に打ち付けられる。
バトルフィールドは海岸へと移行した。
2540w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/08(木) 21:07:58 ID:???
始のケガは完治していた。
いつまでも居座るわけにも行かない。彼は天音の家から出ることにした。
その足で、始は伊阪の研究所のある森へ向かう。
伊阪を倒す。それが今の始の目的だった。
いつまでも負けっぱなしでいるわけにもいかない。


しばらく歩いていると人の悲鳴が森に響いた。
駆けつける始。そこにいたのは一人の男とメガヤンマ。
どうやらアンデッドポケモンようだ。男は既に息絶えていた。
始はストライクを繰り出す。

「きりさく!」
ストライクの高速攻撃がメガヤンマを捉える。
しかし紙一重で鎌の一太刀をかわされてしまう。
「つばめがえし!」
攻撃方法を変えてもう一撃。今度は命中する。
ここでメガヤンマも反撃に移る。
シグナルビーム。虫タイプの技だがストライクに確かなダメージを与えた。
「むしめがね、か」
特性のおかげである程度タイプ相性を無視できる。
さらに草むらから何かが飛びだす。ライボルト。
こちらもアンデッドポケモンだった。
スパークを喰らい気絶するストライク。
2550w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/08(木) 21:08:37 ID:???
若干不利な状況、そこに見慣れた人物がやってきた。
「待てぇ!イノムー、じしん!」
イノムーの"じしん"が大地を揺らす。ライボルトがよろつく。
「あ、始!」
剣崎だった。ライボルトを追いかけてきたようだ。
「ちょうどいい。手伝え」
始は新たにモルフォンを繰り出す。
「おーけー!いけ、オドシシ!」

「でんじは!」
「ねむりごな」
それぞれが別の相手に技をかける。
メガヤンマはマヒし、ライボルトは眠りにつく。
「トドメだ、スピニングアタック!」
ヤドラン、そしてムクホークが飛び出る。
ムクホークはヤドランを抱えて急上昇、そして足を離す。
上空から回転しながらのヤドランの突撃が決まる。
メガヤンマが力尽き、地に堕ちた。

「必殺、ライトニングソニック!!」
剣崎もトドメにかかる。サワムラー、オドシシ、ペルシアン。
ペルシアンの高速のスピードをサワムラーが引き継ぐと
オドシシの電撃を纏いながらとびげりをぶち込む。
3匹のコンビネーションの技。
ライボルトは目を覚ます間もなく気絶した。
2560w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/08(木) 21:09:15 ID:???
その後メガヤンマは始に、ライボルトは剣崎に捕獲された。
「始、何でこんな所に?」
一息ついた剣崎が始に尋ねた。
「伊阪を倒しにいく」
あっさりと一言。始はそれだけ言うと研究所に向かおうとする。
その時、ドォンと大きな衝撃音が響いた。
「な、何だ!?」
身構える剣崎。始は微動だにしない。
爆発が起きた様だ。しかもかなり大きいものだ。
「伊阪のトコの方だ!」
剣崎が走り出す。始もそれに続いた。
2570w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/08(木) 21:09:56 ID:???
――海岸。橘の攻撃はやむことが無かった。
カイロスの"はかいこうせん"が伊阪に直撃する。
(小夜子……。君との思い出は……数えるほどしかないが……)

カイロスが引っ込むとクロバットが飛び出す。
"ブレイブバード"で伊阪の腹部目掛け突進するクロバット。
(君を思い出させるものは……数え切れないほどある……)

クロバットが引っ込む。ニョロトノが現れる。
"バブルこうせん"の応酬。伊阪は体勢を崩す。
(そして何より……何より君の笑顔が忘れなれない……)

ニョロトノの"きあいパンチ"。横に吹っ飛ぶ伊阪。
「バカな、下級ポケモンどもが、俺を上回るだと!?」
伊阪が予想できない状況に叫ぶ。
(遅いかな……。今頃になって言うのは……)

ニョロトノが戻る。再びカイロスが繰り出される。
カイロスは"つばめがえし"で追い討ちをかける。
(俺は、俺は、君のことが好きだった!)

伊阪の必死の反撃。火球攻撃。
しかしカイロスの"はかいこうせん"に相殺される。
(君の事を大切に想っていた!!)

伊阪は羽を広げ手裏剣状にして飛ばしてくる。
カイロスに変わりサンドパンが"どくばり"で防ぎきる。
さらにホエルオー、バルビート、ギャロップが繰り出された。


「小夜子ォーーーーーーーー!!!」
バーニングディバイドが伊阪――アンデッドペラップを打ちのめした!
2580w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/08(木) 21:11:00 ID:???
地に伏せる伊阪。それにふらふらと近づく橘。
「俺が、お前ごとき……に……」
伊阪が気絶状態になる。橘はJと刻まれたモンスターボールを取り出した。
モンスターボールがスゥーと落ちてゆく。
伊阪はモンスターボールに吸い込まれていった。


海岸に立ち尽くす橘。その目はどこか虚ろだった。








11話ここまで。
剣崎はオマケ。
始もオマケ。
259名無しさん、君に決めた!:2007/02/09(金) 22:15:19 ID:???
>>258
260名無しさん、君に決めた!:2007/02/10(土) 02:52:33 ID:???
橘さんがかっこよく見えてしまうw
GJ!
261名無しさん、君に決めた!:2007/02/12(月) 19:00:30 ID:???
遅くなったが乙

ついでに保守
262名無しさん、君に決めた!:2007/02/12(月) 19:06:58 ID:???
落ち阻止!


電光(ry
263名無しさん、君に決めた!:2007/02/12(月) 22:05:17 ID:???
ライボルトは何のアンデッド?
2640w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/12(月) 22:16:47 ID:???
ライオンです
パンチだからエビワラーでも良かったんだけどね

あとペルシアンはジャガー。
265名無しさん、君に決めた!:2007/02/13(火) 20:05:27 ID:???
>>262
電光なんだ?
電光超人グリッドマンか?
電光超人グリッドマンなのか?
266名無しさん、君に決めた!:2007/02/13(火) 20:22:05 ID:???
マキシマム仮面ライダー
 
ネタにしてくれ
267名無しさん、君に決めた!:2007/02/13(火) 20:32:23 ID:???
>>258
乙、ブレイド好きだったから読んでるとにやけてしまうw
268名無しさん、君に決めた!:2007/02/14(水) 04:29:26 ID:???
>>265
電光ライダーキックでした
269名無しさん、君に決めた!:2007/02/14(水) 13:33:11 ID:jBsfb3xT
>>268
アッー!
2700w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/14(水) 22:23:48 ID:???
橘さんは動かしやすい。
ネタキャラだからかも。
第12話投下。



伊阪の研究所に辿り着いた剣崎たち。
「これは……」
思わず驚きの声を上げる始。剣崎も同様に驚いている。
「とにかく、中に入ろう」
二人は研究所内に足を踏み入れた。
橘が破壊した道順で歩いていくと二人の目に巨大な穴が入った。
そこから外を覗くと橘が佇んでいた。

「橘さん!? どうしてここに!?」
とりあえず驚く剣崎。
始は以前の事からか、橘を鋭く睨みつけた。
「ああ……剣崎か」
上の空な橘。
始の態度も気にしていないようだ。
「研究所をやったのはお前か?」
始が口を開く。目つきは変わらぬままだ。
「ああ、そうだよ。伊阪も捕まえた」
けだるそうにボールを見せる。
橘一人で上級を捕獲。この事に二人は衝撃を隠せなかった。
「さすが橘さんじゃないですか! やっぱ一流だなぁ」
その言葉に特に反応も見せない橘。
そして突然妙な事を言い出した。
2710w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/14(水) 22:24:31 ID:???
「そうか……。これ、お前にやるよ」
橘がモンスターボールをセットしたベルトを差し出す。
Aはもちろん橘の所持ポケモン全てがセットされているモノだ。
「もう……戦う気にはならないんだ」
それだけ言うと橘は研究所の方に歩いていった。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよダディヤーナザン!」
追いかける剣崎。始もそれに続く。


研究所外まで出た橘。放置してあった桐生の亡骸を見る。
「……無い、モンスターボールが」
橘が剣崎に渡したベルト。それと同じモノを桐生もしていた。
しかし今はそれが無くなっている。
「まぁ、今の俺には関係ないことか」
そう呟いたところで剣崎が追いついた。
「橘さん、トレーナーやめるんですか!?どうして!」
橘は何も言わない。何も言わずに桐生の亡骸を抱える。
そしてどこかへと行ってしまった。
「……橘さん」
2720w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/14(水) 22:25:26 ID:???
少年は興奮していた。
森に散歩をしにいったら人が倒れていた。
よくよく調べて見るとベルトにモンスターボール。
そのモンスターボールが自分に向かって話しかけてきた。
お前を変えてやろう、と。
少年は光が欲しかった。別に視力を失っていたわけではない。
自分の道を照らす光。もしくは道を切り開く力。
それを手に入れた、そう思っていた。


上条 睦月。少年の名前だ。
睦月は桐生のベルトを持ち去り、家に帰っていた。
ベルトを巻き、声の指示に従う。
まずAと書かれたボールを投げる。
アリアドスが飛び出す。強そうだなぁ、とか睦月は思った。
睦月の意識はそこで飛んだ。
2730w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/14(水) 22:26:01 ID:???
剣崎は仕方なくポケモンセンターまで戻った。
始は、
「他にいくところがある」
とだけ言い残すと勝手にどこかへ行ってしまった。
剣崎が途方にくれていると見覚えのある男が近づいてきた。

「剣崎」
中年の男。恐らく理系。その名は烏丸。
「所長! 今までどこ行ってたんです」
驚いてばかりの剣崎。烏丸は表情を変えずに話し始めた。
「アンデッドサーチャーが完成した。これがあればアンデッドポケモンの動向が探れる」
そういって小さな機械を取り出した。
トレーナーの間で流行っているバトルサーチャーに形が似ている。
「橘にも渡してやってくれないか?」
烏丸がもう一つ取り出す。こちらは色が赤い。
「橘さんは……トレーナーをやめるって……」
その一言に烏丸はしばし固まった。

「……そうか。だがいつか必要とする時が来るかもしれない。
 その時まではお前が預かっていてくれないか」
二つとも押し付ける烏丸。
「私はこれからチベット地方に行く。アンデッドポケモンを見つけた場所だ。
 何かわかるかもしれない」
烏丸はそういうとポケモンセンターから出て行った。

「……俺これからどーしよ」
一人残された剣崎はポツリと呟いた。
2740w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/14(水) 22:26:48 ID:???
レンゲルは再び活動できる事に喜びを感じていた。
手始めに人間を襲う。まず一人。
更なる快感を得るため、大通りに出た。
腐るほどいる人間。こいつらを全員殺したらどれだけ楽しいだろうか。
そう思いながらレンゲルは暴れ始めた。


剣崎がボォーとしていると通りから悲鳴が聞こえてくる。
ポケモンセンターから飛び出すとそこには一人の少年が立っていた。
「何者だ、お前!」
叫ぶ剣崎。少年は何も答えずに襲い掛かる。
攻撃を避けると剣崎はイノムーを繰り出した。
「まさか、上級アンデッド!?」
少年は手から糸を飛ばして攻撃してくる。人間とは思えない。

「俺の名は、レンゲル!」
少年が叫ぶ。声は二重になって響いた。
レンゲル。剣崎にとっては聞き覚えの無い名だ。
レンゲルが糸でイノムーの動きを封じた。
剣崎が押されているのは明らかだった。
余裕の笑みを浮かべるレンゲル。

当然切られる糸。ドラピオンが断ち切ったのだ。
「ドラピオン? 始か!」
始が後ろに立っていた。レンゲルと戦う気らしい。
「ほう、カリスか。あの時の借り、返させてもらおう」
レンゲルが腰のボールに手を掛ける。
スリープが飛び出した。伊阪が以前使っていた物だ。
「やれ、リモートだ!」
レンゲルの指示を受け、スリープが不気味に動き始めた。
2750w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/14(水) 22:27:22 ID:???
イノムーとドラピオンの様子がおかしい。
小刻みに震えて唸っている。やがて剣崎達の方を向いた。
「どうした、イノム……ウェッ!」
イノムーが突進してきた。剣崎に向かってだ。
攻撃をかわして体勢を立て直す剣崎。
始もドラピオンに襲われていた。
「どうなってんだよ、コレ!」
今度はドラピオンが剣崎に攻撃する。
"つぼをつく"から攻撃を続けて出してきた。

「ほぅ。ドラピオンか、面白い。やれ」
レンゲルがリングマを繰り出す。
"れいとうビーム"がドラピオンを氷漬けにした。
レンゲルは腰についたボールを投げる。
ドラピオンはレンゲルの手に渡ったのだ。

「どうやら奴はボールマーカーを壊す事ができるようだな」
始がイノムーの攻撃を避けながら話す。
「ドラピオンはいまやアイツのものだ」
ストライクを繰り出そうとするが、繰り出すのをやめる始。
同じ事をされるだけだと悟ったらしい。

「流石だな、カリス。!? チッ、コイツ……」
頭を抑えよろめくレンゲル。声も普通に聞こえる。
「今日の所はこのくらいにしといてやる」
オクタンを取り出すと"えんまく"を指示した。
煙幕が消える頃には少年の姿も、イノムーも消えていた。
2760w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/14(水) 22:29:00 ID:???
「アイツ、一体何者何だ?」
剣崎が始に尋ねる。
「ただの人間だろう。カテゴリーAに支配されているようだがな」
始は淡々と話す。ドラピオンをとられた事も気にしていないようだ。
「ウェ!? カテゴリーAってそんなに危ないモノだったのか……」
驚く剣崎。こちらはイノムーが逃げた事を忘れているようだ。
「とにかくアイツのスリープは厄介だ。対処法を考える必要がある」
それだけ言うと始はまた何処へと去っていった。
「俺もどうにか考えないとな」
そう言って歩き始めた剣崎。
ふと、足を止めてつぶやく。
「橘さん探さなきゃ」


「はぁ、はぁ、俺、なにやってんだよ……」
意識を取り戻した睦月。気づいたら路地裏にいた。
手には血がついている。
恐怖におびえているとまたあの声が聞こえてきた。

「俺を受け入れろ。強くなりたいのだろう?」
睦月は否定した。頭の中で完全に否定した。
しかし身体は自分の意思に反して動く。
Aのボールが再び開く。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
再び睦月は意識を失った。
2770w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/14(水) 22:29:52 ID:???
12話ここまで。
睦月の伏線を一切張っていなかった。
だが私は謝らない。
278名無しさん、君に決めた!:2007/02/14(水) 23:10:30 ID:jBsfb3xT

当然ってのは突然の間違い?
2790w0 ◆BLADEdavxU :2007/02/14(水) 23:20:16 ID:???
>>278
はい、その通りです。
訂正していておいてもらえると助かります
280名無しさん、君に決めた!:2007/02/14(水) 23:22:52 ID:jBsfb3xT
>>279
訂正しました

ところでふぁいあー氏の正体ってもしかして初代?
281名無しさん、君に決めた!:2007/02/15(木) 16:25:32 ID:???
アナザーポワルン
282名無しさん、君に決めた!:2007/02/16(金) 12:48:25 ID:MMaMOTw7
仮面ライダー剣
http://www.nicovideo.jp/watch/utDpvy3fICWAc

DVDに字幕が付いてるのは剣だけ!
283名無しさん、君に決めた!:2007/02/16(金) 20:28:50 ID:???
ファイズの途中からもついてるよ。
284名無しさん、君に決めた!
(・∀・)