>>13 彼は昔、ポケモンリーグチャンピオンを目指すトレーナーだった。
実力、レベル、技、そしてポケモンとの信頼関係。
まさに非の打ちどころが無い、完璧なトレーナーだった。
しかし、天は彼に栄光を与えなかった。
旅も終盤に近づき、いよいよ後はポケモンリーグに挑戦するのみとなった。
だが、チャンピオンロードで事故が起きた。
洞窟の一部が崩れたのだ。
少しでもライバルを減らして自分がチャンピオンになろうとした、自分勝手なトレーナーの仕業だった。
アカギも事故に巻き込まれ、多くのトレーナーが生き埋めとなった。
アカギは奇跡的に一命を取り留めたが、彼が病院のベッドの上で目覚めた時、チャンピオンは決まっていた。
そのチャンピオンは、あの事故を起こしたトレーナー。
何の罪も無いトレーナーが大勢死に、大罪を犯したトレーナーが栄光を掴む。
アカギはこの世界に絶望した。
かつて追い求めた夢や希望を忘れるほどに、世界を憎んだ。
アカギは、血走った目で窓の外を見た。
それは綺麗な星空だった・・・。