イブキ様

149 ：名無しさん、君に決めた！：2006/08/23(水) 17:24:03 ID:???

「これは…！？」
地下湖の水が波打つと同時に巨体が姿を現した。
「カイリュー！！」
こんなポケモン所有してる人間などそうは居ない。
竜使いの里と呼ばれるこのフスベでさえ、今は長老くらいしか。
しかしこのカイリューは長老のじゃない。
（と、言うことは）
ふとカイリューの肩の上に立つ人物を見上げる。
「兄様！？」
「その通りだよ、イブキ」
（兄様が帰って来た！？）
嘘じゃない。
会いたいと思っていた人が今本当に目の前に居る！
ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ…
（い、いけない。気持ちを抑えなくては）
「一体どうされたのですか。
　重職にある貴方が、突然の帰郷など」
本当ならこんな事聞いてないで
「兄様～！」と抱きつきに行きたい気分だが…。
この素直になれない性格は自分ではもうどうにもならない。
「修行だよ。ここで改めて腕を磨きなおそうと思ったのさ」
「そう言えば、確か負けたのですね。まだ少年の彼に」
「センスに歳は関係無いだろう？君だって負けたそうじゃないか」
「あ、あれはー…」

150 ：名無しさん、君に決めた！：2006/08/23(水) 17:25:30 ID:???

「まぁ細かいことはいいか。久々の再会なんだ、
　早速手合わせと行こう。イブキ」
「兄様…」
「どうした？ここ数年の君の成長も見てみたいんだが」
「…分かりました。兄様が仰るのなら、今までの私でない事を
　ご覧に入れて差し上げましょう」
（兄様と手合わせ出来るのは嬉しいけれど…）
数年ぶりに再会する従妹に、
もっと他に言うことはないのだろうか？と少し思う。
例えば『しばらく見ない内に綺麗になったな』、とか。
（って、そんな事を言う兄様ではないか…）
悲しいが期待するだけ損と言うものだ。
二人はその後幾度か手合わせをした。
「流石、お強いですね兄様。一本も取れませんでした」
「いや、君は強くなってるよイブキ。流石だ」
「ありがとうございます」
（兄様に褒められた！）
ぱぁぁぁ、と少しだけテンションがあがった。
「あの、ところで兄様。
　お食事がまだお済みでないのでしたら、これからー」
「悪いけど、俺はもう少しこいつらと遊ぶよ」
ワタルの周りには、彼の帰郷を祝福するかの様に
ハクリューやギャラドスが顔を見せている。
いずれもワタルと古馴染みの連中である。
この時、イブキの頭の中からカチンと言う音が聞こえた。
先ほど上がったテンションが下がる。
　
「腹が減っているのなら、俺に気を遣わず先に帰ってくれてー」
「分かりました。兄様は心行くまでお楽しみ下さいませ」
「イブキ？」
「お先に失礼します！」
イブキはそのまま洞窟を去った。

151 ：名無しさん、君に決めた！：2006/08/23(水) 17:26:26 ID:???

その夜、イブキは山の温泉に居た。
（ポケモンに嫉妬するなど、我ながら馬鹿な事だと思うけど…）
（私だって、兄様と…）
（兄様も兄様だわ…）
（帰って来た日くらい、
　私に付き合ってくれてもいいでしょうに…）
くすんと泣き出しそうな悲しい顔を
口元までお湯につけ、ぷくぷくと泡を立てている。
イブキはあの後、ワタルが出てくるまで食事を待っていた。
「まだお腹が減っていませんでしたから」と言う理由をつけて。
（本当は一緒に食べながら、色々話をしたかったのだが）
食事が始まってもワタルはポケモンの話に夢中で…。
（そりゃあ、トレーナーとしてポケモンの事を常に考えるのは
　当然のことだわ）
（だけど、話題の全部が全部それと言うのは…）
（兄様にとって、私は出来の良い後輩でしか無いのかしら…）
ワタルには自分を女として見て欲しい。
イブキはそう思っていた。
（確かに私は感情表現が下手よ）
（素直じゃないってのも認める）
（でも…！）
（分かってくれてもいいじゃないの！）
「兄様の馬鹿ぁ！！」
思わず振り上げた拳をブンと振る。
がん！と妙な音がしたのはその時だった。

152 ：名無しさん、君に決めた！：2006/08/23(水) 17:28:47 ID:???

「！？」
横を見ると、垣根に拳がめり込んでいる。
普通に垣根に当たったくらいでこんな音はしない。
衝撃でばさばさと垣根が崩れ落ち、
その向こうから出てきた物に
イブキの顔が青ざめる。
「兄様！？」
そう言えば垣根で男湯と女湯を分けてたんだったー！
「イ…イブキ！？お、俺が一体何をしたと……」
「兄様！？すみません！！」
とっさにイブキは直立し、頭を下げた。
が、直後彼女は赤面した。理由は当然、裸だったから。
「！！！！！？」
「きゃあああああ！み、見ないで下さい！！」
「あ、ああすぐ後ろを向く！」
慌てて背中合わせになるワタルとイブキ
（しかし…随分と色っぽくなったと言うか、なんと言うか…）
（いや…恥ずかしい、すごく恥ずかしい…兄様に見られちゃった…）
とりあえずこの夜ではイブキのポケモンの腕以外の成長も
把握してしまったワタル。
初日から顔真っ赤にしなければならなくなったイブキ。
がんばれ。ワタルの帰郷旅行はまだこれからだ！　－完－

　
>>147
兄様呼称で書いてみた
が、どれの文才程度ではこのクラスで精一杯のようだ

153 ：名無しさん、君に決めた！：2006/08/24(木) 15:12:30 ID:???

>>152
続きｗｋｔｋ。

154 ：名無しさん、君に決めた！：2006/08/24(木) 19:45:02 ID:???

過疎る理由がわかる

155 ：名無しさん、君に決めた！：2006/08/25(金) 18:16:18 ID:???

>>152
続きはマダ～。

156 ：名無しさん、君に決めた！：2006/08/25(金) 18:19:35 ID:???

イブキが何？

157 ：名無しさん、君に決めた！：2006/08/25(金) 18:58:18 ID:jh6/qpuv

イブキ>エアロガ!

158 ：名無しさん、君に決めた！：2006/08/26(土) 17:20:37 ID:???

>>152
続きはまだ～。