携帯ゲームのWizardryを語るスレ その5

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128名無しさん、君に決めた!
340 名前: イラストに騙された名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 14:59
個人ページのベニ松の外伝2のコメントが削除されたね。
憶測はなんとなく判るが虚偽があったってのは、どの部分だろうか。

それにしても、言われて困るようなことをする方も悪いと思う。

345 名前: イラストに騙された名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 22:57
>>340
虚偽って、誰がどこでそういう風に発言したの?
一応スレを読み返したけどかかれてないようなので

346 名前: 迷宮を彷徨う名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:02
詳細希望の声も多いし“こんなこともあろうかと”
思って保存してたからウプしよう。
129名無しさん、君に決めた!:04/04/01 21:26 ID:???
347 名前: 迷宮を彷徨う名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:02
今だから言える衝撃的な話を書いてしまおう。
じつはこのソフト、超低予算作品であった。
担当ディレクター氏にとって初めての開発作品だった
ということもある。プログラムは『外伝I』でほぼ完成
されていたので、極端な話シナリオと新しい
モンスターグラフィックがあればできてしまう。
とにかくリスクを少なめに、という形で動いた企画であったらしい。

348 名前: 迷宮を彷徨う名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:02
最初の打ち合わせで、ディレクター氏は俺にこう切り出した。
「シナリオ(ストーリー原案を含むメッセージすべて
アイテムとモンスターの数値設定、ダンジョンの構造デザイン)
を時給800円でやって下さい」
そんな条件でやる人間がいるなら俺のほうが紹介して欲しい
と思ったので、この時俺はその場で依頼を断って帰った。
さすがに翌日、慌ててもう少し常識的な話
(とはいえ、1本あたりの印税額は文庫1冊あたりの
1/3以下と言えばその低予算ぶりが判るだろう)
で再度依頼がきた(笑)。
モンスターグラフィックがあればできてしまう。
とにかくリスクを少なめに、という形で動いた企画であったらしい。
130名無しさん、君に決めた!:04/04/01 21:27 ID:???
349 名前: イラストに騙された名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:06
>>迷宮を彷徨う名無しさん
乙。

>>345
獲物矢の掲示板でアガソ本人が発言してる。
それを読んだ後にベントのサイトに行ったらテキストが消えてた。

350 名前: 迷宮を彷徨う名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:07

正直、趣味レベルの報酬だったが、俺は
『ウィザードリィ』から文章表現の機会を
もらった人間である。どこかで恩返しがしたい
――そう思っていたのでこれを受けた。
しかしながら、そこからが苦難の始まりだった。
何せこの時期の、『ポケモン』が登場する以前の
ゲームボーイ市場は、決して緩やかとは言えない勢いで
冷え込みつつあった。ゆえにこのソフトも『外伝I』の
半分しか売れないだろうという予測をもとに予算が
逆算され、仕様の決定時からディレクター氏との死闘が待ち受けていた。
131名無しさん、君に決めた!:04/04/01 21:28 ID:???
351 名前: 迷宮を彷徨う名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:07
まず、モンスターデザインの池上明子氏に発注する
グラフィック数を、ギャラ削減のためにできる限り前作を
流用する形で切り詰めろという方針が示された。ここで
しばらく渾身の綱引きを行なったのだが、(もちろんすべて
新作が当たり前だと俺は思っていた)
最後には「それなら不確定グラフィックをなしにする」
という驚天動地の提案が飛び出し、俺は仕方なく
冒険者タイプや定番モンスターの流用を呑むことになった。
比較的好評だった巨人や竜の同グラフィックの
ゾンビバージョンは、じつはこうしたグラフィック不足を
何とか補おうとした苦肉の策であった。

352 名前: 迷宮を彷徨う名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:09
この節減はダンジョンのグラフィックにも及ぶ。最下層も
他の階層の流用。ということになり、それならばいっそ
強制線画にしてくれと頼んだ。これも怪我の功名で、
あの異常空間の雰囲気が出ていると少なくない方の
評価を頂戴したが、当人としては無念とするほかはない。
ダンジョン構造にしても、『狂王の試練場』へのオマージュとして
デザインしたため表迷宮10層は外せないところで、ならば
裏に相当する部分は5、6層欲しかったのだが、
「カートリッジの容量は絶対に2メガまで。言っておきますが
この作品のあとゲームボーイのソフト作る予定ないですから、
テコ入れなんてしません」
とのことで、階層の総数は前作と同じ12となってしまった。
132名無しさん、君に決めた!:04/04/01 21:29 ID:???
353 名前: 迷宮を彷徨う名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:14
襲いくる低予算の波状攻撃――ならば俺的には、
コストがこれ以上かからないところで何とかするしかない。
つまりは、絵の要らないアイテムと数値上のモンスターの
徹底した調整によるゲームの質の向上である。
武器の攻撃値やステータスボーナス、モンスターの
HP上限下限と期待値など、とにかくバランスに関しては
誰にも触らせなかった。ひたすらテストROMでプレイを
繰り返して、自分が責任を負う部分として徹底的に調整した。

354 名前: 迷宮を彷徨う名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:19

ディレクター氏から「最下層のバランスはひどい。敵が
強すぎてゲームになっていない。変えてくれ」と要請がきたが、
俺としてはユーザーの最後の遊び場としてまだぬるいかも
知れぬと思っていた。結論として、コツを掴んだツワモノには
少々難易度が足りなかったかと反省している。

『ウィズ』フリークってスゴイ(笑)。
133名無しさん、君に決めた!:04/04/01 21:30 ID:???
355 名前: 迷宮を彷徨う名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:19
こうして完成し、俺の手を離れた『外伝II』は、
蓋を開けてみれば『外伝I』とほぼ同数が売れてくれた。
『ウィズ』への恩返しができたと実感できたのはこの時だった。
そして俺のところには、ディレクター氏からたった3本の
カートリッジが送りつけられ、添えられた手紙には
「高橋(政輝・モンスターデザインのラフを手伝ってくれた)さんと
分けて下さい」とあった。池上さんも「前作では10本もらえたのに」
と憤慨していたが、そもそも3では割り切れない(笑)。
こんなところまで、とことん経費を切り詰めるんだなあ
この人はと、怒るよりも先に笑ってしまった。この話を聞いた
須田PIN氏(当時アスキー広報)が5本追加で送ってくれたのは
本当にありがたかった。

356 名前: 迷宮を彷徨う名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:20
超低予算で仕上げ、発売本数は予想の倍となれば、
利益はすごいことになる。のちに聞いた話で判ったのだが、
ディレクター氏は当初自分でシナリオを書くつもりだったものの、
それでは企画が通らなかったという。しかしこののち、
実績を得た彼は好きなようにやれるようになったようで……。
アスキーがソフト開発から撤退し、『ウィザードリィ外伝』シリーズが
潰えてしまった現状を思うに、俺がしたことは“恩返し”だったのか
どうか判らなくなる。カートリッジの中に構築されたデータだけが、
10年も前の熱を今に伝える幽かな手がかりだ。

357 名前: 迷宮を彷徨う名無しさん [sage] 投稿日: 03/01/13 23:24
おしまい。

結構長かった。