「おい、何寝てるんだよ。今日は井上さんの裁判だろ。」
「昨日、調査付きあったじゃない。眠いのよ、寝かせてよ。」
「あのさ、マヨイちゃん、お前助手だろ。助手しないなら出て行けよ。タダ飯ぐらい養う余裕無いよ。」
「あのさ、この土地あたし名義なのよ、一応。出て行くんならなるほど君の方でしょ。
だいたい、もうお姉ちゃん呼び出さなくても勝てるでしょ。今日の相手誰よ?」
「亜内だけどさ。もういいよ。飯は喰って帰るから。事務所には戻らない」
「お金」
「え?」
「お金、2000円でいいわ。置いて行ってよ。私も外で食べるから」
「財布・・1000円しかないから、これ置いてく」
「ちっ」
・・バタン
「まだ、そんな汚いバッチ付けてるっスか。男は黙って警察手帳ッス」
「・・いや、聞いてないんで。あ、そこ、足跡、なんかたくさんありますね」
「・・え?あ、あれは、被害者と相当激しくやり合ったすね。事件当時は雨が降ってたっス
現場の足跡はあれだけッスね。いつものごとく、あんたには相当不利な状況ッス」
「いや、明日は正当防衛の線で進めるから・・」
「そ、そうッスか・・」
「・・・」
「・・・」
「・・明日の検事、誰?」
「え・・・あ、亜内検事ッス」
「ああ、そう、ラッキ。んじゃ今日はここらで帰るわ、適当にハッタリこいて流すか。ありがとうイトノコ刑事」
「あ、こ、こらアンタ!」
タタン タンタンタ タタタタ〜ン♪ ピッ
「もしもし、ああ、うん。明日、亜内だから、うん、帰る。いや、事務所には戻らないから。
鍵閉めといて、うん、じゃあね、五月蠅いな、誰だって良いだろ。」 ピッ
「はみちゃん来るって」
「げ、マジで?いつ来るのよ」
「・・今日、もう駅着いたって」
「かー・・・、これだからガキは嫌なんだよ。計画性も糞もありゃしない。
お遊戯感覚で来られても困るんだけどな。事務処理残ってるのに・・」
「そういう言い方やめてよ。あの子、家族居ないんだから」
「大丈夫なのか?ちゃんと学校行かせてるのか?」
「知らない。里に連絡してないし」
「たいした家元だな。でも、このままじゃまずいだろ、だいたいそこ私立なのか?
ヤマギシみたいなんじゃないのか?ちゃんとした教育受けさせた方が・・」
バタン!
「お久しぶりです!マヨイ様!なるほど君!」
「よ、よく来たねー!はみちゃん!」
「電車はもうバッチリみたいだね!」
「うふふ・・・マヨイ様となるほど君は、いつも熱々なのですね・・・」
「もぉっ!やめてよ!はみちゃん!」
「そ、そうだよ!僕らはそんなんじゃないって!」