フィル ・・・あのー
あの ルトガーさん
ちょっと
ルトガー ・・・なにか用か
フィル はい 実は
お手合わせ願いたいと思って
いつか機会があったら
是非!
ルトガー ・・・
フィル 私も こう見えて
修行を積んできた剣士なんですよ
いくつかの闘技場で
勝ち進んだことだってあります
手加減無しでも
大丈夫ですから!
ルトガー ・・・断る
フィル 何故ですか
私が女だからですか
ルトガー ・・・俺の剣は
人を斬るためだけにある
遊びの剣には興味がない
フィル ! 遊びだなんて!
(ルトガー、去る)
あ ちょっとまって・・・!
・・・遊び半分で剣を振るっているように
思われているなんて 心外だな
戦っているときの
ルトガーさんの太刀筋
とても冴えていて 迷いがないから
学びたいと思ったのに・・・
フィル ルトガーさん! いざ 勝負!
ルトガー ・・・どけ
フィル いいえ
私は本気だと
わかっていただきたいから退きません
剣を抜いてください!
あれから 考えました
私も真剣に剣の道を歩んできたのです
遊びだなどと
誤解されたままは嫌です
私は もっと強くなりたい
あなたの技を 学ばせてください
ルトガー ・・・俺の剣は
人を斬るためのものだといっただろう
フィル はい それは聞きました
しかし・・・
ルトガー ここで剣を抜けば
お前を斬ることになる
お前の望みは それか?
フィル !・・・
ルトガー 逆に 俺を斬る気もないのだろう?
フィル それは・・・そんなことは
ルトガー だから
そんなものはお遊びだと言うのだ
フィル ・・・・・・
ルトガー ・・・・・・
(ルトガー、去る)
フィル ・・・私は ただ・・・
・・・だけど
身勝手なことをしてしまったかな
今度あったら おわびしよう
フィル ルトガーさん
あ そんなに
にらまないでください
何度もおわびしたとおり
もう 勝負を挑んだりしませんから
ルトガー ・・・・・・
フィル ただ 先ほどの戦いのなかでの
ルトガーさんの太刀筋 見事でした
剣士として やはり
少し憧れています
私も早く あんなふうに
なれるといいのですが
ルトガー ・・・おまえは おまえだ
フィル え?
ルトガー 俺の剣は血にまみれている
そんなものに 道を見る必要はない
フィル ・・・・・・
私は ある人から
こう教えられました
「剣の道の
行き着く先は 一つだ 」と
まだ私には 本当に
そうなのかどうかはわかりませんが
ただ 思うのは
ルトガーさんの剣は
やはり剣の道の上にあるものだと思います
私が 学ぶべきことは
たくさんあります
ルトガー ・・・どうおもうかは
お前の勝手だ