210 :
空:
ほんとうに「ここ」が居心地が良いことを
わたしは知っている
ここは産まれる前に見ていた懐かしい場所。
人が産まれる前に見る地獄と極楽の真ん中にある浄土。
だからこのまま誰にも見つかりたくないんだ。
誰の手も必要としていないんだ。
無関心が一番ありがたい。
誰も見ないで下さい
誰も話さないで下さい
無関心と盲目と何の音も無い空白の空間。なんという素晴らしい場所だろう
わたしは「ここ」が一番居心地が良い。誰もいない「ここ」が。
誰も必要ではないけれど
敵意や害があるわけではない。単に無関心なだけなのだ。
無関心が一番有り難い。
それはもう
他人に関心を抱くという行為が不可能だから。
感情が無いから。どうでもよく適当に生きる他に道は無いんだよ