作者名を知らせずに 詩を批評してもらおう

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長いですが御批評お願いします。(ちなみにこれはゲイの方の詩です←そうわかっているのと
いないのとではまた見方が違うと思うので)

「ただいま。」
誰もいない事がわかっている部屋に僕は言いました。

「おかえり。」
明るくなった部屋に僕が返事を返してくれました。

「友達より他人になろうよ。」
携帯ごしに伝えた日。
もうあの日から僕の部屋では、
「好き。」も「嫌い。」も死にました。

それでもまだ鍵を変えないのは、
火葬できない君の写真と、
迷子のまま途方に暮れてる、
夜明け前の僕のせいなのでしょう。

誰だって都合のいい幸せを欲しがる理由は、
多分、ずっと幸福な敗北感を映されて、満たされて、
気が違ってしまったんですね。

厳しくはなれないけど、一人でも大丈夫さ。

「格好悪い。」ってぶーぶー言いながらも、
いつも一緒に商店街で買い物をした帰り道でした。
平凡な幸せを見つけたのは。

夕焼け空、背にした僕たち。
背伸びした影は家路に近く―――。

それは楽しい後悔だったから、
寂しかったけれど笑っちゃいました。

いつだって思い出は、思い出に過ぎないんだよと、
やっと慣れた一人での食事をしながら、
「まだ僕はだめじゃない。」って、巻戻しを止めました。

優しくもなれないけど、一人でも大丈夫さ。

そう、部屋の片隅に座っている、少し大きめの冷蔵庫。
空っぽに近い中身は、きっと僕自身なんでしょうね。
きれて壊した目覚し時計。
直しもせずに飾っている。
止めた時間と空っぽの僕を捨てたら、
すぐにこう言うんだ。

「ただいま。」

(そして今日も駅を降りて商店街で買い物をする。
空っぽの冷蔵庫に入れるたくさんの食べ物を両手に持って、
いつもの道をアパートに帰る。
夕日がきれいだ。
階段を上って廊下を歩く。
鍵を開けて一寸だけため息をつき、
いつもと違う気持ちでドアを開けて、僕は言った。)

「ただいま。」