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『午前6時の針の上で』

ある日、大きな悲しみがぼくの心をこわしたんだ
今も、ときどき何人かのぼくが ぼくをこわしにやって来る
よる きれいな空の絵を描きたいとおもうんだ
でも、だれかに「きれいだね」って言われたとたん
そいつをばらばらに 粉々にやぶりたくなる
あの日のぼくの心みたいに
だれにも汚されたくないくらい きれいなきれいな夜があるだろう
午前6時の針の上で ゆらゆらと危ういバランスのきみを
ぼくはしばらく見詰めていたよ
せめてそうしていなければ
今にも落ちてしまいそうで
落ちたらきっとこわれてしまう
小さなきみの弱さにも ぼくは気づいていたからね
ちゃんと気づいていたからね
その意味をまるでたった一つの真実のように
きみはぼくに訊くけれど ぼくは笑ってごまかしたけれど
もう心が割れる音を、ぼくは聞きたくなかったんだ
それだけ、それだけ、それだけ…
ぼくの心は粉々だからね ひろい集めてもばらばらだからね
だから、だれが踏んだってかまわないよ
やさしさが何かもわからないし
二度と元にはもどらないんだ! あの日のまま
今日のぼくがどのぼくなのかきみがぼくにおしえてくれる?
ぼくだって同じさ ぼくだって同じ 同じ 同じ… ぼくだって…
ただ、きみより少しうまく笑える ……それだけ… 悲しいくらい
それだけ、それだけ、それだけ…… つかれたよ
もう…… 眠るね