諦めへの傾斜 ■ 微熱くん

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22微熱くん
雨の日は
また君を思いだしている

いつまでも忘れられないでいる
この感情を眠らせる術を知らず

孤独なんてなまやさしい言葉で
語れる様な感情じゃなくて

愛おしいとか
せつないとか
そんななまやさしい感情で
忘れられないわけじゃなくて

恨むとか
憎むとか
そんななまやさしい感情で
忘れられないわけじゃなくて

きっと子供が
母親を忘れないのと同じ様に
脳細胞に
刻まれた感情

いつまでも
同じ場所を永遠に巡り続ける
出口のない
解けない疑問

感情は
疑問に踊らされて
永遠に巡り続けるのだろうか

雨はまだ止まない

きっといつかは晴れるだろう

だけど

晴れたとしても

また

いつか

きっと降り出すのだろうなんか、今夜は忘れかけてた恨みが燃え上がってます。
殺してすっきりするような恨みならいいけど・・・ねぇ。

自分は何をどうすれば満たされるんだろう。
恐ろしく我侭で、恐ろしく傲慢な人間だ・・・ねぇ。

許せない、とか、憎い、とか、そんな一次元で済む様に
せめて何を追いつめれば、自分が楽になれるんだろう・・・ねぇ。

笑うことなんか望んじゃいない。
忘れることなんか期待しちゃいない。

せめて、何をどうすればいいのか。

それだけが知りたくて、検索エンジンで、何かを追い求めつづけている。

今夜の月は・・・

誰かの血で染まったかのように赤い。こんな夜だから
ぼくは街をひとりじめするんだ

雨上がりだから
風が気持ちよくて

青の香りがこんなにするなんて
都会も捨てたものじゃないね

こんな路だから
ぼくは想いをめぐらすんだ

用水沿いの
桜並木はなにかを思い出させるね

一人でてくてく歩いてる
なんか気軽でいい気分
こんな夜もあるんだなってさ

まだ駄目だとかさ

もう大丈夫とかさ

つまんないよ、もういいよ

逆らって無駄な事は
いっそ受け入れて
この夜みたいに

忘れられない事なんて
忘れなきゃいいだけの事

気づいちゃったね

こんな青い夜だもの
ぼくは瞳を閉じて
薄青の光で誘われるんだ。

既視感の景色に帰るんだ。
本当にあった既視感の中に帰るんだ。

ほら、もうすぐ、
あそことここの境界線が消えていく。

帰るよ。ぼくは帰るよ。

本当の既視感の中へ帰るんだ。