― トレイン・トレインを聴きながら ―
転校先にもおったよ 同じ子が
みんなが楽しい時には 独りぼっちで放っとかれ
退屈すると モノを隠され 探す必死な姿をモノマネされる
以前のぼくと 同じ子が
みんなにバレないように話しかけ
バレないように一緒に探してあげたら
その子の家に誘われた
おんなじくせに 玩具をたくさん持っていた
おんなじくせに 自分の部屋をもっていた
不安にかられてぼくは あだ名をつけた
はじめてできた友だちに
不安にかられてぼくが あだ名をつけた
――父(てて)無し子
トレイン・トレインを聴いたら涙が出たよ
弱い者がさらに弱い者を叩いたんじゃない
そこには一匹の卑怯者が立っていた
ほどかれた封印の中には宝物はなく
薄汚れて計算高い一匹の卑怯者が立っていた
列車に乗れるわけがない