そういえば
笑っていた気がする
時々風向きが変わるから
一服でもしていればいいと
風車が回る飛行艇の溜まり場
赤い日が落ちていく
理由の無い覚えもない
痛みをまれに感じる
赤黒いこの空への餞
風鳴りの歌への手向け
少し
飛ばない期間が長すぎた
左足の古木と胸のブリキが
とても嫌な音できしむ
それは僅かに痛んでいるのか
もうすでに壊れかけているのか
慣れてしまい忘れてしまった
彼等の幾筋ものタバコの煙
北東へと向きが変わる
プロペラの駆動音
僅かに剥がれ落ちた塗装
雲に吹き飛ばされて
この深淵へと落ちていく
行こう