わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電灯の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
ここに彼の詩作の動機があるように思う。
彼のなかの化学反応である『心象』、中原でいう「(思うことの)皺」を、忠実にスケッチすることが、彼の詩作活動なのだと思う。
現代人の視点ではなく、19世紀末〜20世紀初頭の世相・思想から見ると、ずいぶんと理解が楽になる。
ようやく市民社会が成熟し、科学や産業の発達と、個としての人間性の解放と内面の捜索が始まった。
フロイトやゴッホやランボーが出たのも、彼の前後ですよね。