あの鳥のように

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1きらら
私は、自由になりたかった。
初夏の青空を飛ぶあの鳥のように。
自由に大空を行き来し、
森から森へと飛んで行きたい。
風を感じ、太陽の光を受けて、
自由になりたい。
大地と天空の恵みが、全てを育み
そして生きることの喜びを与えてくれた。
あまり見かけぬその鳥は、
恰もそのことが当然の如く享受し、
それを振る舞うように
杉の木立に息休めをした。
しばし私は、考えた。
生きることの自由を感じるには、
生きることへの、掟があるのではないかと。
自由になりたい自分と
生きる糧が必要な自分。
しかし、初夏の大空を飛ぶこの鳥は、
それよりも生きることへの自由さを感じさせ、
生きるそのものが喜びと感じさせるのは、
なぜだろう。
鳥は、何やら思い出したように木立から次の木立に飛び、
森の奥へと。
私は、鳥をそれ以上、
追うことはしなかった。

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