街角愛情詩集

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1魚屋さん
顔が浮く
眼が競り上がる
塩気の濃い水の中で
私の思想は途切れ途切れ
ちょうど真上に見かけた顔が
私とは違い
無難に平静を装っている
呪うべき存在が南京錠に変形し
この精神を幽閉する檻をより堅く閉ざす
眼には無数の黒い細い線が走り
視界に広がる白黒の砂浜
この世界は私の世界なのに
閉ざされた世界なのに
なぜだ
私はそれを制御しようとしない