君のセンス5段階+αで評価するよ[vol.94]

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本当の孤独を知った。いや、知っていたのかもしれない。
孤独という言葉が発するぼんやりとした、暗く救いのない響き。
孤独という言葉の意味は、心を通わす相手がいないこと
スッと頭に浮かんだ僕の中の定義。
だが、心が通うということは、一体なにを指しているのだろう。
自分が理解されている、相手を理解した。瞬間瞬間の積み重ね。
絆。信頼。
見えない物を追いかけて
見えない物に追いつめられる

本当は、知ってるんだ
きれいな海と、きたない海の境界線。
きれいな海を守ろうとする、透き通った瞳。
汚い海をぐるぐるとかき回す、にごった手。

きれい、汚い。
知ったんだ。
本当にきれいな見えない物を。本当は汚かった足元を。

遠くに浮かぶのは、大きくごつごつとしたプリン岩。
プリンみたいな黒い帽子をかぶった岩が、プルプル浮いていた。
浮かんでいた僕は、そんなプルプルした頼りない岩を、たった1つの生きる希望として、
この絶対絶命の窮地を脱出する指標として、
そこに向かって、プカプカ泳いだ。
プルプルプカプカ プルプルプカプカ

正解なんてないのさ、答えはいつだって自分の中にあるのさ
・・・なんて、知った風な口を聞くなよ。
正解はあるんだよ。うん、あるいは自分の中かもね。
でも1つじゃなかった。
1つじゃ、多すぎる。
よかった。1つじゃなかったんだ。

それは手のひらにも、書いてある。

抜けおちた髪の毛は絶対拾わないだろ。

今までどれだけ地面をけり飛ばしてきたのかな。

何万ガロンの水を飲んできた、覚えてる?


きっと、言わないけど、みんなみんな、知っている。
だから、言う必要はない。
試しに言ってみようか。ほらまた、プカプカ泳ぎだす。