君のセンス5段階+αで評価するよ[vol.86]

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587ヤタロク
「汚い町」

三時半 夜の町
何もない色も匂いも
夜が降るだけの町
輪郭さえ溶けてゆける

汚い風 匂いの風
どこからとなくやってくるよ
夜がない場所の風
町の心からやってくる風

形をつくるものは何だろう
町は何から出来るのだろう
僕と君とが眠る町
汚くなる前の町

生き物たちの腐った匂い
潮のような玉子のような
それになるために生きるような
いずれなってしまうだろう匂い

眠くなる前に残すよ
夜が町を掃除する前に
朝になればさようなら
匂いが町に戻る前に