意味不明ポエム3

このエントリーをはてなブックマークに追加
475 ◆2WgbgFgdIs
「僕はここにいる」

人為的な曲がり角。
暗がる横道が毛細血管のように這いめぐりゆく。
ひとつの情景にしがみついて時間をつないで居る。
通り抜けていくのは似て非なるベクトルを持った散弾みたいな人間の群れだ。
あるいは用が有って立ち止まり物色するものも居る。
僕は任意の電柱の影で恐々としカエッチマエと念じるだけ。

高台に置かれたホッチキスは頑として笑わない。
ポケットのハサミは時折ガシャリと落ちて心を震えさせる。
電子塔の軒下で5時間刻みのオーバーホールを待つペラ紙は薄い。
塀際に並んだ数々の直方体はお望みと有らば魂を抜かれ晒される。

コーナーは連続で半日も熱を保っているが全てを目にしたことは無い。
僕は中途で平穏を求めて逃げ出すから無理な相談だ。
直角コーナーに痛みを送り込んだのは僕である。
だが痛みを創りだしたのはもっと遠く横道の向こうの似て非なる存在である。
そこから直方体もやって来るし、また容赦なく原形をとどめぬほど潰すだろう。
しかし僕もなかば嬉々として加担しているので申し開きの方策も無い。
かといって逃走しても遠くより遠くに向かうだけですぐに矛盾の渦を得て引き戻される。

誰も逃がさないから、

カーテンレールを、僕の産毛を、
ひきちぎられるだけの、あらくれた段ボールの山を。