マリーに問う

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使い古しの花粉症と
飛来する異国の黄砂に
今年もまた鼻をかんでいる

暖かな部屋
やわらかなティッシュ
そうやって
ありふれた時間を潰して
丸めて
捨てて

ああ きっと
僕らは不幸なんだ
こんなにも苦しい

どうやら日の沈む国には
大きな砂漠があって
もっと向こうには
もっともっと
大きな砂漠があって

薬の副作用
乾いた喉
きっと水は
無いのだろう

紅くただれた涙腺を
人差し指で擦りながら
あの場所に立つ

そんな感覚
きっと

ただ違うのは
彼らはティッシュもまとわない
暖かな部屋も無い

そこにはパンを焼くような
熱い炎が渦巻いているから
きっと黄砂が吹くのだろう

そんな風景を見つめて
ダイエットをするから
パンは食べたくないと
コタツの中で君は言った

クッキーを頬張って
寝転んだまま君は言った

僕らは彼らを真似ていく
不幸から抜け出すために
辛さから抜け出すために

愛しいマリー
貴女の言葉に世間が笑う
愚劣な乙女だとカタカタと

貴女も僕らを笑うだろうか
2名前はいらない:2007/04/21(土) 03:09:42 ID:dOTyYRvW
ただ違うのは
彼らは小麦を持っていない
甘たるい砂糖も無い


ありふれた時間に潰れて
丸まって
捨てられて

もしアレルギーになったら
彼らは鼻をかむのだろうか
彼らはその目を擦るだろうか

もし食べ物があったら
彼らはそれを拒むだろうか
彼らはそれを選ぶだろうか

生きる術を持った時
生きる糧を持った時
僕らは不幸となる

遠い異国達を
どこかに消し去ってしまう位
僕らは

愛しいマリー
貴女の言葉に世間が笑う
愚劣な乙女だとカタカタと

貴女も僕らを笑うだろうか

薬の副作用
乾いた喉
きっと水は
無いのだろう

紅くただれた涙腺を
人差し指で擦りながら
あの場所に立つ

そんな感覚
きっと

涙と鼻水で濡れた顔で
ミイラになった彼らを見ながら


ああ きっと
僕らは不幸なんだ
こんなにも苦しい

コタツの中で君も言った

クッキーを頬張って
寝転んだまま君も言った