ビリオン出版【月刊 実話ナップルズ】

実録ノンフィクション！　サブカル系ドキュメント！
衝撃Ｂ級ニュース！　過激エログロナンセンス！

――明るい家族計画から暗い暴力犯罪まで
実話と虚構を綯い交ぜに徹底した取材と妄想を元とし
社会の表裏へ鋭いメスを入れたり入れなかったりする――

　愛すべき大衆娯楽低俗雑詩！


記者が、
その糞つまらない日常を面白可笑しく記事にしていく、
という雑詩スレ。


（尚、記事以外は全て”宣伝広告”です）

＿20061012-01

『暴露！白昼夢のランドルト環が囁く「探し物は此処に在る」』


愉しいトレハロースには足が無いので　立ち泳ぎに疲れた僕らは毎晩　適当にチューニング
「糖分足りない甘い恋　ＶＳ　2.2*10^(-6)) 秒の私生活」という特番にチャンネルを合わせたり
残飯から湯気のように生えた寂しいキノコを枕にして　後ろを振り返らない方だけを使い眠る

幸福は蝿取り紙テープよろしく　指で触れれば永劫だのに　乳離れすると一瞬で成人する赤子のように
頭からSweetChiliSauceを被っても辛い舌が甘い頭を慰めるから僕らは辛いб　＊１
喜怒哀楽が母国に帰って仕舞えば誰でも（しかるべく）親を見失った子のようにб　泣く

ラジオからは友達の居ないＤＪのб　演説が聞こえてくる
「羽ばたけ鍵括弧！善良な国民は一人称を用ゐらん！」

松葉杖でジャングルジムを作って檀尻祭б　をする一億人の恋人を　見届ける重役連中が盗み聞きする列
壁に耳をつけて　ぐるりヒアルロン酸通りを真っ直ぐ３つ目の信号を左へб
燃えるサンドイッチマンをクラブハウスに連行して喋るб　しゃぶるб　咽喉から押韻まで

粉末状の糞便の灰を撒いて友達の居ないＤＪがб　叫ぶ
「追い抜け助動詞！星のやふに影焼ひてからクタバレ！」

燃えるランドルト環を左へ回せばトレハロースが愛になって走り
僕らは一億人の支えになる


＊１　演奏記号：б【ベー(露)】…世界中から見放された気分で。

>>1を見て
面白い
と
思ったよ
父さん（義父）

『JAキャッチコピー大賞優勝作品』

おっぱいを吸い上げる舌（ダミー有り）　新発売!!　定価980万円　フルシュチェンコとナスター社

＿20061015-01


『大胆告白！「あたし・・・珪藻土に育てられたんです」』


―――昨夜未明、東京都新宿区のアパートで、
珪藻土に育てられた土方輪違子ちゃん（３歳）が保護されました。
警察の調べによると、輪違子ちゃんは頭からシーツを被っている所を発見され、
２階のロフト部分では両親とみられる白骨遺体が鳩時計を抱いており、
毎時間０分に時間の数だけ鳩が肋骨を叩いて知らせるのが毎日の慣しで、
ストロボライトのように瞬きする輪違子ちゃんは鳩の時速を珪藻土に記録していた為、
死亡推定時刻は半年前と判明―――

これは１８年前のニュースである。
８月某日、取材班が彼女にインタビューを申し込んだ所、すんなりと承諾を得た。

現在はサンドイッチ工場でトマト係をしているという土方輪違子さん。
１０年前に知り合ったという旦那さんと慎ましく生活しているという。
相変わらずストロボライトのような瞬きが癖になっているので、
工場の中では昼休みになると輪違子さんを中心にマイムマイムが踊られるという。
尚、珪藻土に育てられた跡が背中に残っており、当時の生活の軽薄さを物語っていた。
「夏はトマトが腐りやすいので、衛生管理には敏感なんですよぉ」と明るく喋る口元に、
我々取材班一同は仄かな劣情を感じ、ハムにされた鳩が旦那さんの骨を叩いた。

期待ａｇｅ

＿20061016-01　(1/6)


『対談「森林伐採問題と√マングローブ（我是一隻妓）の関係」』


●切ればみんながついてくる

新木場綾之子（以下Ｓ）「雑木林を切りますよね、すると抗癌剤が売れます」
真下草継（以下Ｍ）「火の無い所に限って煙が立つ（笑」
Ｓ「それは煙がみんなを遊ばせるからです」
Ｍ「みんなが伐採の為に行列します。だから切ります」
Ｓ「切ればみんながついてくる」

或る日の僕は、
新しい書類で右手薬指のを切ってしまいました。
それは、
自分以外の全ての人間が成功している世界、
あるいは、
失敗している全ての人間が自分である世界、
想像上の。
どちらでも同じ。

Ｓ「その際、乱闘とコントル・アタックを野生に還して」
Ｍ「一寸待って。それは、早計では？」
Ｓ「あら、ごめんあそばせ、あたしったら、はしたない・・・」

『虚実を一緒に洗濯してはいけませんシュビドゥビドゥバ』

＿20061016-02　(2/6)


以下、√マングローブについての考察。

・浮力を持たない種子は遠くに行けない、それはガソリンに植林されたマングローブの話。

・向上心も無い人間は腐って海へれ滲む、致死量のホウ酸にリンチを喰らう。

・獅子舞を脱ぎ捨てて「売れてる奴ら皆死ね！」と曰く、傍若無人な支柱根は水色。

・浮力を持たない彼は自然界では落伍者であったがクラスでは浮いていた。

・５時間の遠足、脳足りんのヤエヤマヒルギ、ピンク色の人影、夕暮れ報われない。

・他人の頭蓋骨に足を突っ込んで上に行く時間、処世の地層に根付く怨恨が吸う澱粉、これで３分。

・気力だけ空回る火の車、拘束道路に縛りつけられて両脇を走る車のヒッチコックとヒッチハイク。

・銀窓の少女が肉屋のようにグルコース１００ｇ９８円で売りさばく様子を盗撮する私服警察官。

・一方、浮力の足りない者は水面に向かって沈みながら世界に見捨てられていく。

・ぬかるむ子音、思春期の領収書、可愛い鉄格子に許されぬブーケガルニ、かける２の二乗で死。


―まとめ―
稼動すると憂鬱になる根が底部、荒くて蝶々千切れる。

＿20061016-03　(3/6)


（備考）
寝ている間に野生の乱数サイに乗って何処か知らない場所に連れ去って、
刑法第√条第壱項「駆落罪」により右手薬指の爪から正しくなりたい。

蚊帳を押す風力で五百八拾二本木に引っ越したい。
純正調音律から奴隷蟻関数をソロバンだけで導き出したい。
真っ黒なシダ植物と布団の中で朝まで大喜利したい。
おはぎを投げる婆（通称「ハギ投げ婆」）を鬼太郎の曾孫に紹介したい。
血管のような線香に火を付けて白煙の中で番いの猿になりたい。
生コンクリートに残った３００の足跡でババロアを作って防衛庁に貼り付けたい。
ＡからＢまでの距離と０から１までの距離を修飾語にして軒先に干したい。
相互絞首心中未遂で翌日未明に発見されたい。
オッカム社製の剃刀でオポッサムの頬っぺたを剃って熱烈なチッスをしたい。
蟠りの巣で近親相姦するカッコウの雛にフィボナッチ数列で織った着物を着せたい。


そして、
ガソリンによく漬したヤエヤマヒルギを着て出掛けよう。（注・火気厳禁）

＿20061016-04　(4/6)


例題一・正しい番号を選択しなさい。

１．行きつけの喫茶店のコーヒーに浮いていた土座衛門
「あの、すみません、交換して貰えますか」
「嗚呼申し訳御座いません今すぐに」

２．粉っぽいスーパーの店員の肩に座る雌のプルトニウム
「スプーンはいくつお付けしますか？」
「半分」

３．ある”光は何故その場所について知っているか？”という名の男の一生涯

問題に答えれば、そこが致命的な出生地になる。
絞られた野鼠の油で世の中は潤滑しているから、
卵の殻を内側から突くような話術が足並みになって、
猥雑な五大陸の性感帯を、あざとく支配している。

で、だ。

254.8bpmの７beatである君は、ミネラルウォータの母と、木工用ボンドの父の、アイノコであるから、
まず皆に謝れ。

＿20061016-05　(5/6)


都会の木漏れ日に撃たれぬように気を付けて横断歩道を渡りました。
どうしても愛せないならば通り過ぎた方がいいし、
通り過ぎる事が出来ないならば愛する。
所詮それだけのことでした。

「何故私たちだけがこんな目に遭わなければいけないのでしょうか」
「全ての意味付けを止めなさい」

御意。
脂肪メトロの全機関が停止する、数千万人が足止めを喰らう、
低所得者によるストライキが起こる、商店街や婦女が襲われる、
「どうせ金か女か、物欲の話しかしないんだから」
ニップちょっぱりバナアナマン東小鬼ヤポスケウェノム
礼儀正しき日出ずる黄金のジッパンガー万歳！

愛する僕らは通り過ぎる事が出来ないだけなのだと思う結局。
そして木漏れ日に蜂の巣にされて熊さんの云う事にゃお嬢さんの名はスタコ・ラサッサ。

「ミス・スタコ、漢字ではどう書くの？」
「あの、ミズですから。”酢蛸”から、濁点を取って下さいまし」

その晩、
僕は酢蛸ラサッサ嬢と、乱数サイに乗って駆け落ちする事にした。

＿20061016-06　(6/6)


労働の滝
電球に棲むの蟻の群れ
白旗をインヂゴ染料に浸した常識の細波
移動式遊園地に運ばれる無数の生命
その、
Ｓ「貴方の憂鬱の全て、腸に詰めて飛ばしてあげる」
Ｍ「左様ですか。いやらしい音出したら殺す」

対談の後、甘い罠の親戚一同を集めて、ＳＭお互いの葬式をしめやかに、明日


そして、誰の目も見ずに過ごす一日の中で何度も
僕は向かいのビルの屋上から飛び降りた。
僕は青信号の交差点に飛び出した。
僕は作業着を着た二人組みの魔王に針金で出来たマングローブの森へと連れて行かれた。
それは、
自分以外の全ての人間が成功している世界、
あるいは、
失敗している全ての人間が自分である世界、
想像上の、
どちらでも同じ。


僕は酢蛸ラサッサ嬢と254.8bpmの７beatで首を絞め合って、
炎上する√マングローブの中でひたすら正しくなる明日未明、
ピンク色の海に奴隷蟻関数を刻んだ。勿論、オッカム社製の剃刀で。

＿20061017-01


『発覚！産婦人科の暗闇、その実態　〜或る出生児の手記より〜』


(○´∀｀)ﾉﾞおここんにちわ、でも828g
臍の緒で首絞めて止血鉗子で眼球抉り抜いて肛門にメス突っ込んで掻き回してヽ(；▽；)ノ
おここんにちわ以前に殺しておけばよかったんだあたしなんて低脳虫ケラなんだから☆|｀皿´)ﾉイーダッ
きっと離乳食だって間違った食べ方するから１から１０まで間違っている私は間違った人間、
だから、(○´3`どうせ(●´3`どうせ(○´3`)どうせ。
医者が、目を開かないあたしの両足を持って、
輪切りにして並べたヴァレンシヤーオレンジみたいな無影灯の下に掲げる、のね(i|!゜Дﾟi|!)ﾋｨｨｨ
助産婦、拍手！
看護士、拍手！
母も父も、拍手！おぉ(ﾟﾛﾟ屮)屮
医者、はにかんで自慢げに、何度も頭を下げ、
まぶたから止血鉗子２つぶらさげたあたしを、ゴミ箱に投げ入れる(●)´｀・）←ｽﾇｰﾋﾟｰ
母、哂う。
父、クラッカー鳴らす。
医者、酒撒き散らす┌|*ﾟoﾟ|┘ｳﾎｳﾎ
看護士、銀色のトレイに山ほど柿ピー盛る。
助産婦、ポリリズムの多声でグレゴリオ聖歌っぽいの歌うヽ(●'v`)ﾉﾙﾝﾀｯﾀ♪
手術室に頭髪の無い幼児が入ってきて、
ゴミ箱に突っ込まれたあたしの臀部にドライバーで１種タッピン螺子を回し刺しながら
「いーち、にーい、さーん」と手の甲にマジックで”正”の字を書き込んでいくんDEA━━━(σ ´゜д゜)σ━━━TH!!
あたし、ゴミ箱の中で痙攣。
手術室では、ひとつも影が出来ない。

＿20061018-01　(1/2)



『一心不乱占い』


「ねんねんころりよ、おころりよ」
紅殻４５度角からの粗相、失礼致します。
心臓の赤密度に3.1415を掛けて窓から放り出します。
幻滅が腕ならば分針と関節を重ね、猫も杓子も金鳳花、あるいは金平糖、
しからば鉛の折り鶴をうなじに居候させて下さい。
そして、右耳の穴に挿します、石楠花の一本を自滅の象徴として貴方の
一番好きなハーブで哲学の天敵を埋め殺して下さい。まず、
　：逆さまに　桜を焼いて　飛ぶ灰に　隣人愛を　土葬する犬
ピアノの弦を全てベースの弦に張り替えます。
若年性健忘症の名古屋コーチンがチューインガム噛みながらアルトリコーダ吹きます、ので、
クレッシェンドかデクレッシェンドかを選択してから誰にも言ってはいけません。
次に、ラッキーカラーは活字シカト、
見世物小屋の蛇飲み女と友達にって国家権力に従いニンニクを刻みながら塩の歴史を歌い、
パスタを茹で過ぎて浴槽に積み上げる仕事を出来る事が上手です。地面に半分埋めた顔を
クリームブリュレの仲間入り、敗訴からハイソサエティ、次にチヨコレイタにマルゲリイタ
口淫矢の如しつって吊り革掴んでイラマチヲ約１時間の口内授業を受け一向にする気配がなければ
”人間ノ屑、自覚症状有リ、瞳孔ノ開キ確認、マトモ”と電報打ちながら
「じゃない、軽蔑されたい、軽蔑されたい、」と囁いて下さい最愛の人に

＿20061018-02　(2/2)



肉眼で確認出来るの真相は目ん玉の裏を滑り落ちます。
岩の子供を転がして部屋を幸運で満たせば魚介類で紡いだ段々畑の完了です。
拷問のような日差しから逃げて、替えが来るまでは亀の甲より年の功を育てて下さい。
朱墨を吐く饅頭を飼って北欧からトルコに亡命するによって凍結、
十字を切るコメカニウムからフクラハギズムまで背反して仏を信じない駄菓子を買ってきました。
「かって嬉しい花一匁」まけて悔しい花一匁「あの子が欲しい」あの子じゃ分からん
「その子が欲しい」その子じゃ分からん「相談しよう」そうしよう
　：海老の背に　映画のフィルム　摘み出し　海を沈めて　故郷を炒める
「一匁って、どれくらい？」3.75gくらい「少ないね随分」約束食べさせて
ヌズ、グチ、十手、ネルネルネルネ、ジュブナイル平方根、
尿道から吸い出すのが未来であれば屈辱は手足の無いボノボの合唱です。
デカダン嗜好、カルダン駆動、ジャン＝ポール・ゴルチエがよくお似合いです「ありがとう」衝動、
それが髪となってスズランテープで結わえて排水溝に流す平仮名を養子に貰い、
水車に閉じ込めて油粘土で遊ばせます。
蜜蜂を漬け込んだスピリタスで祝杯を交わしてください、どうかインサート横恋慕、
肩からインセスト、アンドロギュノスフィンクスというか結論から言ってファム・ファタールが意味の
　：地獄耳　千里眼持つ　美食家が　今朝鼻詰まり　夕方自殺
レスビアンは石楠花、今回から観覧希望者を募集致します最低
最ッ低
軽蔑されたいオード・トワレの底で貴方はプロパンガスを飲み私はモスコミュールを飲む、
一日に幸い在れ。

＿20061022-01


『泥酔運転の霊柩車、巨大ザザムシと正面衝突』


――某日宵、排卵県水仙市内の市道で、走行中の霊柩車が対向車線側に逸脱し、
対向車線を順走してきた巨大ザザムシと正面衝突するという事故が起きた。
　排卵県警水仙北署によると、事故が起きたのは吉日大安午後4時44分。
水仙市プリンプトンNo.322西付近の市道で、走行中の霊柩車が対向静脈に逸脱。
直後に対向静脈を順走してきた巨大ザザムシと正面衝突した。
双方の疎外感は大破したが、負傷者は出なかった。
　逸脱側の霊柩車を運転していた30歳のコウガイビルは立って歩けないほどの泥酔状態。
アルコール検知においても呼気1リットルあたり0.6キログラム以上という超高濃度のアルコール分を検出。
道路交通法違反（酒酔運転）の現行犯で調教されている。――

警察の発表に疑問を感じた我々取材班は、雨天ではあるが独自調査を決行、そして衝撃の事実が判明した。

現場は、再生紙の地面とゆるやかなカーブで、自然の多い観光地。
事件当時、信号機はチアノーゼしており交差点に蒙古斑の線路を穿ち、
斜めツバメ型に整列して番号を振られた劣性遺伝者の粒粒が炭鉱歌を斉唱していた。
彼らの目撃証言によると「マルタ（丸太）と呼んで可愛がつてちょんだいナ」と曰く、
先頭切る赤鯨が停止線から荒んで行者ニンニク食らい、某ビートボックスに黒く引き篭もっていた。
専門家の意見によると「揖保の糸で織ったセーター買ってきて無印良品で」と曰く、
某ビートボックス内からの巨大ザザムシ大量発生との因果関係も認められた。
しかも、吉日大安の為に街角では般若の面を被った恵比寿様が緑の旗を振って黄色い酒を撒いており、
コウガイビルもその影響を受けたものと断定。


加害者が加害者を生み、被害者が被害者を生む、とどのつまり、
我々は泥酔した粒粒であるという事実を、如実に思い知らされる事件であった。

＿20061024-01 (1/6)


『直撃！イジメと自殺の因果』


昨今、ますます陰湿化するイジメは深刻な社会問題にまで発展しており、
学生の自殺も低年齢化も増加の一途を辿っている。

昨年、我々は千葉県の或る学校を取材した。
”悲惨なイジメを苦に自殺した少女”と報じられた事件の真相を確かめる為である。
学校を訪ねると、用務員が対応に出、
玄関口で「生徒同士じゃれ合っていただけと認識しております」とだけ書かれたメモを渡され、
門前払いを食らった。
また、下校途中の同級生にインタビューした所、
「真面目で良い子でした」「みんなに人気あったよねえ」「後輩からも頼りにされるシッカリ者だった」
等等、学校生活では特に何の問題も無かったようだ。
自殺した少女の実家を訪ね、両親にお話を伺うに、
「あの子がイジメられていたなんて、想像も出来ないくらい元気でしたし・・・」
と、予想外の出来事だった事を語り、終始当惑の表情であった。

取材により、イジメと自殺の関連性は全く無かった事が分かり、
我々は胸を撫で下ろして取材を終えようとした、その帰りがけ、
両親が「そういえば、」と、その少女の日記を渡してきた。

以下は、イジメを苦に自殺した少女の、手記の一部である。

＿20061024-02 (2/6)


―　―　―　―　―　―　―　―　―

2005年3月29日
休み時間、パンツ脱げと言われた、ずっと毎日だけど、脱がないと殴られる、
英語のジェシルカ先生は、見て見ぬ振りをした、もう嫌だ、しにたい、

2005年4月12日
体育の猫紫先生に、殴られた、「私は醜い蛆虫です」と、授業が終わるまで、唱えさせ、られた、
掃除の時間、トイレのモップで歯磨き、カッポンでウガイ、させ、られた、吐いた、しにたい、

2005年4月18日
掃除を、真面目に、やれと、猫紫先生に、チャランボ食らった、吐いた、
学級会の時間、背中に鉛筆で、白鳥座の刺青を入れられた、「ありがとう」と言わ、された、しにたい、

2005年5月7日
美術の時間、課題の絵を、何度も破られた、配管先生は、全部見ていたのに、
終わりの時間、絵が出来ていないと、定規で叩いた、さみしい３０センチ、背中、しにたい、

2005年5月15日
御弁当に、細かく刻んだムカデが、入っていた、まだ動いて、いた、食えと、ドヤスので、食べた、吐いた、
母さん御免なさい、牛乳には、ミミズが黄色く、濁っていた、飲めと、ドヤスので、吐いた、父さん御免なさい、

＿20061024-03 (3/6)


2005年6月9日
教科書に何かの糞尿が挟んであった、数学の木魚先生に、臭いと、授業が終わるまで罵られた、
みんな笑っていて、おまえも笑えと、いうので、笑ったら、ちょっと愉しく、なってきた、しにたい、

2005年6月17日
グループで課外授業の日程を組んだ、あたしだけ机を離された、後ろから硬球をぶつけられた、
窓の外でKORNがデンデケダイコを鳴らしていた床にシッチャカメッチャカの死体があった、しにたい、

2005年6月23日
猫紫先生に関節技を決められながら感情発火装置について考えていた、カモノハシのような指で、必要以上に、
丁寧な手つきで触診されて柔肌症候群と診断された、半球状の木目が怖くなった、焦げた命令と目が合った、

2005年7月4日
休んだ、何人かが家にプリントを届けにきた、窓から茹で卵を投げ入れられた、みんな笑っていた、
ガラス破片まみれた卵食えと、いわれた、食べた吐いた血が出た、今日から目はポーセレン樹脂の上、

2005年7月30日
全校集会で水平校長が回転して言葉を押し潰した、同級生はみんな耳を結んで肩甲茸だった、
どうしよう。追記：ゆるゆるの目＞瑪瑙のマラ＞乱痴気騒ぎの新生児＞時間軸のリンパ腺＞（お遊び終わり）

＿20061024-04 (4/6)


2005年8月6日
アルペジオに解体されたクルブシ結ばれて歩きだすあたしに3粒でも赦しをくれれれば12色中で、
一番綺麗なマス目に踏み込んで砂を一斉に逃がせば祖国ごと失える、と配管先生にコンパスで刺された、

2005年9月6日
夢は雪、手は糸鋸で、無駄毛は毛、鰯に微分、病み上がりに消ゆ

2005年9月10日
ダイナマイト四国とデカンショ節で騒いだ、指折りラビオリに死人がＧ、木魚先生に唾をかけられた、
アルベルトカミュにアルフレッドバニスタのブーツ買ってあげたら喜んでいた、みんな笑っていた、

2005年9月11日
弁当にカメムシと兎糞のフリカケ、吐いた霙でね、鵜飼いの鵜だら蜃気楼閣の3階に住みたい鮫、
エッセンスったら汁、怖ず怖ず逢い引きする余白のミネウチから愛された愛されたいもうしにたい、

2005年9月12日
Corduroyに浸透、Polaroidに浸透、Metronomeに浸透、Symphonicに浸透→レンコン伝ってヒ素、
連邦事務局から緊急指令がダイレクトメールで来てハナモゲラで埋めたヒョウタンが真空管で崩し字を書いた、

＿20061024-05 (5/6)


2005年9月13日
何にも得るものが無い、

2005年9月25日
はい戴きました誰にも喜ばれない人間様炭酸マンガン短いエチレン
とびっきりイランドリーフティの風呂に８時間浸かった、猫紫先生に殴られた、
バロック様式の三輪車の乗って峠でドッグファイトした、木魚先生に罵られた、
コールタール飲んで片っ端から国家を歌った、ジェシルカ先生と交尾すると配管先生に叩かれた、
愛国心がにじんでつぶらな地球儀になった回した止めたコスタリカで社会学を勉強したみんなに笑われた、
強制的異性愛、エスニシティ：多数派われわれ意識、ロココ調コンデンスサーくんだり飲みかけハシゴ、
属性と業績、資源と序列、権力と権威、影響力と暴力、偏見と差別、信念と信仰、タライ回しモンブラン、
セクトとカルト、イデオロギーとユートピア、制度による社会統制と逸脱、レンコンにキャベツに掻爬、
全体社会における規範と価値のコンフィギュレーションその配置と様式、順機能と逆機能、顕在的機能と潜在的機能、
社会現象の分析における機能の４視点、スキーマ効果と確証バイアス、商品化と外注化、
ポストモダン恋愛クラッシュ６パタン、対価型と環境型、レイプイデオロギ、逸脱の潜在的機能：集団の団結と連帯、
あたしは濃紺のペレストロイカと恋人のギリギリでアウトだった母さんごめんなさい、
あたしは絞殺されたアメジスト珊瑚で回虫に乗って環状血管を囀る壁画で嘘だった万国旗を畳んだ、綺麗に、丁寧に、
湯通しした落語家をシュレッダーにかけて辛い毎日の上にまぶして父さんごめんなさい、
「本日快晴也」と喚く鴬嬢にアーユルヴェーダ垂らしてストレッチを叩き込んだこのまんま、
あたしは握り潰した台湾バナナで磨り減った印鑑で脳を乗せた四つん這いの骨格模型でごめんなさい

2005年10月3日
地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回
地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回地獄百万回

＿20061024-06 (6/6)


2005年10月5日
しにまーす

―　―　―　―　―　―　―　―　―


数々の取材により判明した事実、そして少女自身の記録により、
自殺の実態、それは単なる少女の独り善がりである事が判明した。


社会に生きる限り誰しも、複雑な人間関係のシガラミと絡み合っている。
自殺者の鬱屈、イジメ側の口裏合わせ、同級生の見て見ぬ振り、
学校教育委員会の隠蔽、文部省の無頓着、マスコミの無責任な批判、
この社会では誰しもが支え合って生きているのであり、
ひとつとして無駄に出来ない大切な命なのである。
無闇な自殺は悲しみを生むだけであり、残された者全てが犠牲者なのである。

＿20061027-01 (1/2)


『短歌上等・マンスリー藤巻の「酔ってンじゃねえ！」』


御機嫌麗しゅう、マンスリー藤巻で御座います。
短歌とは、五七五七七の五句三一音を原則とする文字配列で趣を出そうという、
実にあざとくて怪ッ態糞悪く思わせぶりな古臭い詩歌形式です。
毎月テーマを決め、作品を投稿して戴き、私マンスリーが批評し、松竹梅と順番を付けていくコーナーです。
３本梅が１本竹、５本竹が１本松、１０本松を獲得すると素敵な商品を贈呈致します。

第一回目のテーマは”秋”です。
１０月も末、秋深まる季節は、「○○の秋」などと言いまして、
無関係な物まで秋と関連付けるような打算的で商業的な薄ら呆けどもの鈍曇り頭なら、
この秋というテーマから、いろいろな広がりが見られそうですね。

それでは、順番に見て行きたいと思います。

＿20061027-02 (2/2)

＋　梅　＋　
　殺陣をする刃渡り２５ｃｍの煙断ちるに塩焼秋刀魚
　　（神奈川県在住　加藤田澄与子34歳）
酔ってンじゃねえ。秋だから秋刀魚って安直過ぎだボケ殺陣とか年寄り臭せえ語彙もどうにかしやがれ、でも
そのギラリ素敵だと、思ったよ少し。

＋　竹　＋
　蛇口から滴る秋で皿粗い冷めたき指を咥えて紅く
　　（佐賀県在住　黄泉彦之助51歳）
酔ってンじゃねえ。いい歳したオッサンが「指を咥えて紅く」とか抜かすな天命知る前に恥を知れ木偶、でも
愛を感じたよね何か。仄かに甘く。

＋　松　＋
　紅葉の泉に着火し雲を焼き我は芋喰うミニ隠れ鬼
　　（長野県在住　黒豆煮渦丸16歳）
酔ってンじゃねえ。先ず字余りだし中学生の分際で隠れんぼ語ってねえで勉強しろ急にミニとか使うなゴミクズ、でも
いい匂いがしたよ。臭いもね。


という訳で、
正直、短歌とか詩情とか知らねえよ糞馬鹿野郎、短歌とか書いてる暇あったら恋愛の一つでもしてろ駄阿呆共が、
以上、マンスリー藤巻でした。

　・　・　・　・　・

次回のテーマは”梨”です。投稿は随時募集しております。　　　宛先：[email protected]

＿20061028-01 (1/3)


『人生相談「快答爛漫！エレガンス丼勘定」』

はぃ、このコーナーをば担当させて戴く伊崎エレクトラでぇす。
情報過剰にして悩み多き現代、迷えるラムっ子であるシティー派の皆の相談、
原始神道巫女教の末裔としてこのエレクトラが見逃す訳にはいかないじゃない？うん、で、
これ以上無いんじゃないかっていう位に的確な答えを、そう・・・うん！答えてあげる。
早速、相談のお便りねー。

「
はじめまして、目暗区に住むの中学生の女子です。
最近、彼氏が出来たんですけど、何かというと体の関係を迫ってきます。
あたしはそういう事はまだ早いと思って断るんですけど、彼氏の事は好きだし、
嫌われてしまうのが怖いです・・・。どうしたらいいか分かりません。
（ＰＮ・トグロペンギン）
」

そうよねぇ。困るわよねぇ、分かる。うん。エレクトラ思うんだけどぉ、こういうのって両者の同意が必要な訳、ね、
でも女の子は特に複雑よねえ。男の子って単純だしねぇ。エレクトラにもそういう時期、うん、あった。うん。
トグロペンギンちゃんの年齢って体の心の過渡期真っ最中なのねぇ。ね。で、思春期に差し掛かると、
視床下部からゴナドロピン放出ホルモン(GnRH)てのが分泌されるの、もうドロドロ出て、くるの、
それによって卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体刺激ホルモン(LH)の分泌が刺激されて、ビンビンにね、
女性ホルモンの一種であるエストロゲン（卵巣ホルモン）が分泌されて、体型が変化していくの。
体型の変化によって、女の子も男の子も性に対して目に見えて逼迫してくるのね、うん、これはどうしても、
でも当然の事だから心配しなくていいわ。誰にでもあることなの。怖がらないで。うん。
　エレクトラも経験あるの。大学時代、うん、ハーヴァードカレヂで地球惑星科学を専攻してたんだけどね。
学生は寄宿舎に住んでて、エレクトラ隣の部屋にいたジェファーソンと仲良くなったのね、そう、ジェフ。
筋肉質でスマートな体、天使のようなウェーブパーマ、深いターコイズ色の瞳に純白の歯、思い出しても涎が出るわ・・・
でね、一緒に勉強してると、ジェフが体を求めてくるの。毎晩。エレクトラ未使用品だったから断ってた、怖くて。
ある日ね、停電したの。それで勉強も出来なくなっちゃって、窓からは月の光、ムーンラィが注いでて、
とてもロマンチックだったわ、ジェフの髪から光の粉、ラィパゥダが雪のように、ライカスナゥ降るの、
寒い、抱き締めて、ってエレクトラ言ったわ、丁度今頃、枯葉舞う秋だった、ジェフは逞しい腕で痛いほどきつく・・・
　あ！ごめんなさい、トグロペンギンちゃんには刺激が強すぎたわね、エレクトラ粗相☆

　で、そう、キッカケが必要なの。それがロマンチックであればあるほど、恐怖感や抵抗感も無くなるわ。
男の子はヤル理由があれば何でもいいと思ってるけど、女の子はデリケートだから、そうもいかないからねぇ。
キッカケは何でもいいと思うの。停電だったり、学校の居残りだったり、交通事故だったり、闇討ちだったり。
でも注意してトグロペンギンちゃん。男の子はね、一度体を許すと、調子に乗るから。
　エレクトラも経験あるの。仏蘭西の新聞社ヌヴェル・オプセルヴァトゥールに勤めてた時の、上司のリュカ。
とてもいい関係だったわ。仕事の後の食事、週末の旅行。リュカは女性の扱いにとても慣れてた。
まだ子供だったエレクトラ、大人のリュカに夢中だった。ジヴェンスィのスーツが似合ってた。
何度も体を重ねたわ。とても幸せだった。初めて結婚したいと思った。でもリュカは違った。
ある日ね、リュカが仕事を休んだの。あのリュカが休むなんて、って周りも驚いてた。
エレクトラ心配になってメールを送ったんだけど、「心配ないよ、ちょっと休みが必要なんだ、ありがとう」とだけ。
リュカの家に行ったの。合鍵は持ってたから。中に入ろうとすると、ドアの置くから喘ぎ声が聞こえてきたの、
リュカと、知らない女の。エレクトラ泣いた。ドアの前で。情けなくて、悔しくて、号泣した。
もう何も考えられなくて、近所のスーパーで小麦粉と水を買ってきて、リュカのドアの前でうどんを捏ねたの。
ドアにコーンスターチを撒いてうどん生地をバシバシぶつけながら「このブラックバス！ブラックバスめ！」って叫んだ。
１次熟成させてる間は、バルバラの黒い鷲を歌いながらクレズマーを踊ったわ途中でリュカが出てきて・・・
あ！ごめんなさい、またまた刺激が強すぎたわね、エレクトラ粗相☆
　そういう訳で、体は許しても、押し引きが大事なの。
中学生にはまだ早いかも知れないけれど、頃合を見計らってヤればいいと思うわ。
キッカケと押し引き、大人の女になるには、この使い分けが大事なのよね。
トグロペンギンちゃんも、彼氏を手玉にとりながら、青春をエンジョイして欲しいわ。

　・　・　・　・　・　・

皆も伊崎エレクトラ女史に悩みを相談しよう！　
　宛先：[email protected]　「快答爛漫！エレガンス丼勘定」係迄

＿20061028-04


『告発！搾取ソネット第一』

搾取されるぜ搾取　我々プロレタリアー搾取されるぜ
恋愛も友情も若さも自由も　時間も血税も信仰も夢も
資本家に権力者に著名人に　インテリにブルジョアにイケメンや美女に
搾取されるのが常なんだわ糞畜生ブッ転がしてやる阿呆んだら

もうカスカスだっつーのに
例えればオオサンショウウオ似のオバハンに後背位からペニバンで犯されながら言葉責め手コキ２４時間コース
そういう半永久的下剤みたいな日常によって肛門括約筋すら社会から孤立しながら
搾取されるぜ搾取　蟻とトイレだけが友達さ

貴方が受験勉強をしている間に僕は低賃金労働に従属する
貴方が焼肉を召し上がる間に僕は日清カップヌードルシーフードを食う
貴方が一回セックスする間に僕は三回自慰する
貴方が一人と愛し合う間に僕は五人に侮蔑される

搾取されるぜ搾取　ブッ転がすぞマルクス！
そして報われない我々プロレタリアーは肛門括約筋だけ万歳して孤立する反社会的フンコロガシである

＿20061028-05


『潜入！排他的天竺』

陽性バクテリア。カンペル平面。硬化シリコーン。びっこ引きのヴィオラ弾き。糞尿地蔵。男子組立論。天然グルテン。頭頂縫合線。ケンタッキーフライドチキンの紙ナフキン。
前頭葉第４５番。ひなげしのドライフラワー。筋収縮エスカレータ。レアメタルの熱膨張率。乾パンの缶詰。小指のビッカース硬度。山積みの尺取り虫。現金の自浄作用。在庫処分の漂泊剤。
坑酸化質半導体。泣き脅しの鰐亀。密室の遊覧船。目張りした二十日大根。紫色のダウンジャケット。角質化した秋景色。来年に無いビル。豆腐の咀嚼回数。稀少木材の出荷。重心の無い円錐。
　排他排他！竜胆の首！
干からびた細石に鮫肌擦ってサラサーテ！
蜜月のうなじと燕の燻製と奈落の水面と金属片で出来た七面鳥で遊びましょ！
　排他排他！蛆の近似値！
逸脱したハリボテ電車に琴線吐き出す湯気！
木目の粗い夢に仮死の柘榴に熔けた剃刀の刃に不時着した三度笠売りまくれ！
　排他排他！逆光に逃げ込む影！
　排他排他！ジジフォスの腹式呼吸！
　排他排他！背面座位からメヌエット！
　排他排他！南国から千切られた棕櫚の葉！
　排他排他！焦がしニンニク撒いた庭！
　排他排他！独房大運動会！
　排他排他！自然数ｎの腹上死！
　排他排他カニバリストになった俺か君はジルコニウム飲むなら虫ケラからヘレンケラー！
おまんまの食い上げ
新弟子検査に落ちた睡魔引き連れてレゴ製天竺へレッツラゴー！

愉快八階モーリシャス氷売り福音ベリリウムカミドニウム女郎蜘蛛ぐうの音魑魅ケッパー魍魎ヨハンシュトラウス目黒ニグロ
亜硫酸銅三等賞ブロッコリーヒッコリー阿具根さん家の濡れ羽音頭ニッパー芥子りんご溜り醤油
ダルトンデリダデラシネデンドロカカリヤ石灰ムーバレーキンバリージェラシーサーターアンダギーもっともっと行ける行ける！

行け！　足りん！　もっともっと天竺へ！

●月刊実話ナップルズ２００６年１０月創刊号
　>>2　『暴露！白昼夢のランドルト環が囁く「探し物は此処に在る」』
　>>4　『大胆告白！「あたし・・・珪藻土に育てられたんです」』
　>>6-11　『対談「森林伐採問題と√マングローブ（我是一隻妓）の関係」』
　>>12　『発覚！産婦人科の暗闇、その実態　〜或る出生児の手記より〜』
　>>13-14　『一心不乱占い』
　>>15　『泥酔運転の霊柩車、巨大ザザムシと正面衝突』
　>>16-21　『直撃！イジメと自殺の因果』
　>>22-23　『短歌上等・マンスリー藤巻の「酔ってンじゃねえ！」』
　>>24-26　『伊崎エレクトラの人生相談「快答爛漫！エレガンス丼勘定」』
　>>27　『告発！搾取ソネット第一』
　>28　『潜入！排他的天竺』
ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
また、各投稿コーナー、タレ込み、特班員、記者、等々も随時募集しております。
ご応募戴いた方の中から抽選で「月刊実話ナップルズ特製ステッカー」をプレゼント致します。
（尚、当選は商品の発送を以って代えさせて戴きます。）
全ての宛先はコチラ迄→　[email protected]

＿20061103-01


『肉屋のように”翼を（切り落として）ください”』

漆喰のような雨が降る裏庭に、
便乱坊みてえな奴が一人。
裏庭にはニヤニヤした肉屋が居やがるに気が散るからとっとと仕事しろやハゲ。
美意識のＢも無ぇ若ニヤトリらが元気一杯に走り回っとーよワラワラっさ、ぁ？
一体全体に誰の裏庭だと思ってやがんだ誰のもんでもないですけれどもねーえへへー。
右翼と左翼が空を引っ掻けばニヤトリが鳴くわ「cock'A-cock'O（国家孝行）」とさ！
そして、
どちらかというと尾翼な俺らは糞尿まみれで振り回されて「ベベベベランメー」言うだけ。
鉈を持ってニヤニヤした便乱坊の肉屋が傘を差して無言で若ニヤトリ追っかけるはずんずけずん。
逃げ惑うニヤトリ、その雨を叩く翼の、
片方は、高級ブルーインクとセットの羽根ペンになり、言論が売れる。
片方は、シルクの布に詰め込まれた羽毛布団になり、母国が温まる。
でもって尾翼な俺らは切り落とされてゴミ箱に行く、果ては燃やされる、
灰になってやっとこさ、この大空に舞えば願ったり叶ったりだが、雨に叩き落とされるのも自由、
死して尚この扱いとは、もうほんと酷ぇやっつって滅入るからとっとと仕事しろやハゲ。
そして、
ニヤトリの首をヒネる肉屋。
結局鉈使わないんですね「ベベベベランメー」
地面に置いた傘の、下に転がり込むニヤトリ。断末魔は「cock'A-cock'O（国家孝行）」とさ！
傘の上にＢの灰が降り積もり
鉈の刃が毀れていくずんずん

＿20061107-01

『ど忘れ！？母親が新生児を置き去り』

今年６月、２６歳のアンドノシア人女性オリマシタは、母国に向かう福丘空港発ガルッダ航空ジェット機内のトイレで子供を出産した。
既に２人の子持ちだったが、サバアビア人の雇い主モロハメウドに犯されて妊娠していた。
日刊紙『ガンジャ・ポスト』の報道によれば、新生児がトイレットペーパーを水に流して脱喃語遊びに興じている所を、航空機清掃員によって奇跡的に発見されたという。
母親は”人道に反する行為”の罪で１０年の禁固刑という判決を受けたものの、「産んだ事に気付かなかった。反省している」と語っていたという。
尚、トイレで発見された新生児トートちゃんは、福丘県の某孤児院に保護されてすくすくと育ち、現在では一人で浪花節を作曲出来るまでに育ち、県大会では４位の実力であるそうだ。
不幸な境遇にも負けない強い精神力を湛えた鋭い目付きを持つ、今後の成長が愉しみな注目株である。
一方、母親はというと、雇い主であったモロハメウドに養育費を請求しながら、快適な刑期を過ごしている。

我々取材班は、当時トートちゃんを発見した清掃員に接触する事に成功した。
清掃員（以下、デッキブラシ）「うん、かったりこうたいしとーてね、暗いトイレから声しとーとよ」
記者（以下、記）「発見したのは夜中だったんですか？」
デッキブラシ「そう、でよ、おっせこっせしとーたもんでね、たまがーてたれかぶると思ーて」
記「や、赤ん坊がどうだったか話して下さいよ」
デッキブラシ「あげんトコおると思わんでよ、」
記「もういいです」

事件から数ヶ月、巷では旅客機内出産”フライト・ベイビー（ＦＢ）”が静かなブームとなり始め、今後、ＦＢにターゲットを絞った各種マタニティグッズも続々と発売される予定だ。
他社に先駆け、有名玩具メーカー宝富からは「あいうえお表が書かれたＦＢ用ミニトイレットペーパー」が発売され、順調に売り上げを伸ばしており、大ヒットを予感させている。

努力は認める。が、この板を活動の選択に選んだのは貴様のミスチョイスだ　
ココにはお前が期待するほどのクオリティもなければまともな人間もいない

>>32
「って、上司に言われたんだ・・・」
「そんなん落ち込むことないよ」
「でもさぁ・・・」
「期待は人にするものではなく、自分にするものさ」

　そんな君のステップアップに
　　　転職なら　ミラクルリクルー

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＿20061117-01


『初心者でもよく分かる！ココロミミズ育成マニュアル（入門エレクトリックレトリック篇）』


羞恥心の要んらん肉布団の重心で逆子のふりして対角線上で待つ週末、
「超弩暇」
思索が狂牛病になったら、深い空中を泳ぐフリーズドライの肝を吸う。絶紅潮なストローで。
アッー！過酸化水槽沈んで未酒乱、ザンバラ叩いて鰓開放、さしずめ冷えたピエタの暖かい戦い、なんて。
さして、ツイスト06'の腸が土壇場を許したら蠕動するココロミミズになる。
という訳で、
本屋で『ココロミミズ育成マニュアル』を購入する。


●飼う前の心構え

水槽、にたっぷりの土、にたっぷりの水、にたっぷりの心意気。

覚悟しよう、知識も血色も畜生もホーチミンのトウモロコシ畑も爛熟、編みかけのマフラー同然いつもかなしい哉。
ポロポロしたプログラミングの指を絡め合ってよカラムとロー、戦地とメンタルの関数再帰処理と一緒に散歩して、
母国の暴言が放送コードで二重跳びしたら猥ら葱背負った鴨と一緒に煮込んでやるコンパイラーぶっ込んでやる。
覚悟しよう、認識も儀式も助平もVTRのアジマス記録方式も爛熟、解けかけた靴ヒモ同然いつもかなしい哉。

水槽に、泥にどろりを掻き混ぜ土壇場、たっぷりかなしい心意気、
覚悟を決めましょう。

＿20061117-02


●ココロミミズの育成

水槽の底で裸で、ココロミミズの卵を抱きしめる。
その時の体臭でレトリックはエレクトする。

俺とエレクトリックレトリックとは同胞である、奴さんはロボットになった泥棒である、
純情可憐な無花果とは整数比である、まるで醗酵に未練タラッタラな司牡丹である。
俺とエレクトリックレトリックとは同胞である、奴さんは風速一万米の吃音による本音である、
地震を知らない疑問符と同義である、まるで短小包茎早漏な自閉症のダリアである。
俺とエレクトリックレトリックとは同胞である、奴さんは受動態の卍（以下、受卍）に投票する立方体である、
特別清掃業の段取りとは平行である、まるで根暗な達磨状のフライドポテトである。

カシミヤ糸を編む祖母の手、のような１万本の手が雲を掴むようなファズを降らせる、
冷たく激しいファズの粒、が、傘を打つ。
寂しいエレクトリックレトリックが受卍を抱えてファズに打たれている、
それを迎えに行く形で吃音の線路を辿り、
司牡丹の泥の中で俺はエレクトリックレトリックと逢引する。
受卍の内部でココロミミズは順調に増殖していく。

＿20061117-03


●埋葬術

増殖しきったココロミミズの死後硬直は鋭く、
先端の目を優しく閉じてあげて下さい。

先端の子は誰にも知られずに産まれ、
先端の背を見て育ち、先端の愛情を受け、先端の元から巣立つ。
そして、
先端の子が働くファストフード店でボヤが起き、
先端の子が痴漢の濡れ衣を着せられ、
先端の子がツナ缶で一週間を過ごし、
先端の子がボロアパートで栄養失調になり、
先端よりも先に最先端で孤独死するのならば幸いそのものである。

＿20061117-04


ファズで湿った受卍の中、司牡丹に泥酔したココロミミズを内臓で飼い、
俺とエレクトリックレトリックとが乳繰り合うループ処理なら夜毎夜毎のお愉しみ。
有事が浮足立って避難訓練すれば見渡す限りは空っぽ、
夜な夜な夜な発情期の野良哲学があちこちで吼えれば、
羞恥心が達磨になり、暴言がダリアになり、１万本の手が空に非常識を引っ張り上げる。
ファズは激しい。
無数のフリーズドライが頭上を泳いで哄笑している。
破綻屋さんが屋台引きながらトランペットを吹いている。
醗酵したデバックを敷いて、
クロステッチ刺繍の絶紅潮を被って、
繁殖に成功したココロミミズには保険は下りず、
俺の内臓では祝祭ツイスト06'で賑わって最先端である。

ココロミミズは最先端、司牡丹の泥の中、で、俺とエレクトリックレトリックとはいつまでも同胞である。

＿20061118-01


『激撮！話題の二人のスキャンダル』


今月某日、人気女性アイドルＵと男性歌手ＬとがホテルＦで手を繋いで出ていく写真が流出した。
業界関係者Ｅによると、以前から交際の噂があったそうで、キッカケは月１０ドラマ「Ｄ」での共演。
ドラマ主題歌を提供、友情出演もしていたＬの方から、主演のＵに声をかけたそうだ。
撮影中も、仲睦まじくしている姿が何度も目撃されている。
２ヶ月前も、ファストフード店Ｍで密会している写真が流出していた。
二人はコーヒーＲとバーガーＴを注文、テーブルＪにつき、
ＬはタバコＳを吸いながらソフトドリンクＣを飲み、にこやかに会話Ｐをしていた。
我々取材班はＭ県にあるＵの実家のご両親にお話を伺う事に成功した。
「Ｌ君は何度かうちにも来ましたよ。とっても礼儀正しい、いい子でね。
　よくＱに連れて行って家族と一緒にＩを食べたり、Ｗに行ってＴをしたりしました」と語るのはＵの父Ｇ。
尚、母Ｈは、ＵがＸ歳の頃、病で亡くなっている。
家族ぐるみの付き合いにも発展しており、最早結婚も間近のようである。
Ｕは、来季にはＢ級映画「Ａ」での主演も決まっており、ＦジムＯに通いながらＹ作りに励んでいる。
ＬはバンドメンバーＳとのＮ事件の後、所属事務所をＫレコーズからＷアゴラに移籍、
年末にはサードアルバム「冬のＺと、Ｖの君たち」の発売を予定している。

＿20061119-01


『ワイド特集・日本の健康「中二病と周辺」』


昨今、日本の健康は危ぶまれている。
戦後の文化や食生活の急激な変化は、次第に表面化してきており、
繰り返される汚職や、凶悪事件の低年齢化など、その端々に影響が見て取れる。

今回は、増加する「中二病」に焦点を絞り、総力取材を行った。
その詳しい症状については専門の研究ウェブサイトttp://www.geocities.jp/sittodesuka/を参考にして戴きたい。


偏った見解を避ける為にも、内外２つの側面から見ていく事にする。

＿20061119-02

【１　「かかる重鈍ナトリウム」】

取材班は、去年から某県のサナトリウムに入所している重度中二病患者の遅崎棟勝（仮）さんに密着した。

遅崎さん２５歳は、１０年以上に渡ってこのサナトリウムにおり、今も地道にリハビリを続けている。
ある日には、竹ホウキをエレキギターのように抱え、部屋の窓から遠くをながら、「ビッグなスターになるぜ」と呟きポエム調の歌詞を書く、
といった症状が数週間続くなどして、気力体力共に苦痛を伴う闘病生活であり、気を失う事もまま有るという。
煙草やサングラスや洋楽などの禁断症状にも耐えており、その禁欲生活は想像を絶する。
また、そのようなリハビリばかりを続けていると、「自分は特別な人間だ」という副作用意識が働く事もしばしばある為、
定期的に、社会勉強の為に会社見学等も行っているそうだ。

主治医のＴ医師はこう述べる。
「患者さんのほとんどは軽度である為、数ヶ月で社会復帰できますが、
　少数については入院当時から深刻且つ末期的な容態であり、
　我々としては”最善を尽くす”ことしかできません」
中二病については、国内外の医学会でも未だ確実な処置法は見つかっておらず、最先端医療ですらお手上げの状態、というのが現状である。

中二病患者は自覚症状が無い場合が多く、家族や地域の理解も得られ難い病状である為、
伝染力は然程強くはないものの、潜在的中二病患者の存在は多いと危惧されている。
「少しでも疑いがあった場合、近くの大人が病院を勧めてあげて欲しいです」とＴ医師は語る。

＿20061119-03

【２　「人間的な、あまりに人間的な青」】

中二病を「病気ではない」と主張する向きも居る。”中二派”と呼ばれる人々だ。
その筆頭として名前が挙がるのが非営利団体”青い三角錐”だ。
中二病特有の言動を「病気による症状ではなく、思想哲学の実践である」と定義している。

”青い三角錐”代表者の沢村氏に話を伺った。
「中二派というのは、思春期から成人への過渡期の、精神と肉体とが最も強く影響し、葛藤し、闘争する、
　即ち、何よりも真っ当に人間的な状態を思想哲学へと構築し、常に前衛を保つ人間の姿勢の事です。
　尊重される事こそあれど、病気扱いされて差別や弾圧されるなんて、もっての外です！」

隔月４日には、「青波」という中二派デモ行進も行われている。
先月も銀座通りで行われ、大盛況のうちに終わった。
そのデモとは、”青い三角錐”を初めとして、青いＴシャツなどを着た人々が、
マスコットである「青波ちゅうに君」（青い三角錐に手足の生えたもの）を先頭に、
ハードロックミュージックと共に練り歩くというものである。
本来、孤独のポーズを好む中二派が、このように集団行為を成す点において矛盾はないのか？と指摘した所、
「これは社会に対する反抗、そして煽情であり、一人一人は全く孤独なのです」と沢村代表。

一般人の関心を調査すべく、無作為に１００人を対象に街頭意識調査を行った所、このような結果が出た。
・「中二病と呼ぶべき」及び「どうでもいい」（「その他」も含む）９８人
・「中二派と呼ぶべき」２人（尚、２人は共に青い上着であった）
一般的には、未だに「中二病は病気である」との見方が強いようだ。

「正しい人間の在り方を問い、中二派の正当性を理解して貰った上で、人権を獲得したい」と沢村代表は語る。

＿20061119-04


今回の取材でハッキリした事実は、
いずれの立場にしても、自分と他人との違いを認識し、認め合うという事の重要性である。
まず大切なのは「現状の自覚」と「自己の実現」であり、
強い意志と共に、継続的に正しい処置を行っていかなければいけない。
それには、人間関係の「思いやり」と地域社会の「支え合い」が必要不可欠であり、
利己的にも他己的にもならず、各々が自分の足で立ち上がり、言葉と手を繋いでいく行動が、
政治悪や犯罪の回避、社会水準と文化文明の向上、人間的生活の基礎となるのである。

如何なる現状にあろうとも、善悪優劣幸不幸など無く、
全ての人の健康と自己実現が最優先されるべきなのである。

そして今後、健康な日本人が増えていく事を、強く願ってやまない。

●月刊実話ナップルズ２００６年１１月号

　>>30　『肉屋のように”翼を（切り落として）ください”』
　>>31　『ど忘れ！？母親が新生児を置き去り』
　>>34-37　『初心者でもよく分かる！ココロミミズ育成マニュアル（入門エレクトリックレトリック篇）』
　>>38　『激撮！話題の二人のスキャンダル』
　>>39-42　『ワイド特集・日本の健康「中二病と周辺」』

ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
また、各投稿コーナー、タレ込み、特班員、記者、等々も随時募集しております。
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＿20061209-01

『O\ a mok (Peek"824545201": High-Collar-Acid to 13 of Liminous Alumium)』


夜の九時
腹減りぬ
夢の中に野良犬は居ない
蟻の門通り裏筋にて黒歴史学者ボーキ斉藤氏から１３グラムの若い従順な冬を買い
蛍雪中毒によって日々を耐え　空中楼閣の突貫工事に勤しむ馬鹿は若者は
非常に困ったことに　抵触ギリギリで法医学を知らず
いつでも修正液の風呂に入りたがっている

雑踏から高速道路に入り　ＥＴＣを通過してエトセトラを通貨とし
ハイカラ酸が通る鋳造血管の感情２７号線を炎上する三輪車で走る
ここでは規制速度の”３歩後ろで影踏まず”式貞淑さの携帯を義務とし
違反すると罰金８０エトセトラを支払う事になっている為
財布には小銭すら入っていない馬鹿な若者は誰よりも貞淑な走りを見せる
途中
事故に芽が生え豆を撒く
野次馬はラジウムの様に怒声を散らす
ＰＭラジオの交通情報ではメンデルとダーウィンが半天球で三々九度の杯を交わし
馬鹿な若者の五臓六腑はポップスロックを歌うように泣きじゃくる

＿20061209-02

甲県乙市丙町丁丁目戊番地にある自宅にデリバリー辟易の白痴女を呼び懇談会を開催する
”黄猿亜目百合科薔薇属の会”会長を務める馬鹿な若者は菊の茎のクッキーの根と手を焼く
苦楽知らずの白痴の女はクラックには極めて暗く
楽々鳴る落雷に咲く金のライラックを摘むべく　なるべく先に手を伸ばす銀窓の外には
ハイカラ酸性雨が激しく降り
「リラってラリってられるのかしらん」と白痴の女が言うと
馬鹿な若者は遮光カーテンを閉め切る

ボーキ斉藤氏の言う通り
冬を１グラムずつ炙ると
ケルト組み紐渦巻き模様の雪が降る
馬鹿な若者と白痴の女は
せめて鼻だけは優等生となり
直径２５ｃｍのかなしみに向かい合い
蛍の缶詰を箸で掻き混ぜ
豪雪に埋もれて芽の生えない豆を慎ましく慈しむ

落雷は鳴り止まず
ハイカラ酸性雨は激しく

＿20061209-03

黄猿亜目の名目に賭けて馬鹿な若者は舌を噛む
白痴の女は冥利が尽き果て豆を転がして歌うたう
骨付きの夜が塊で泣いて付き添いの猫に蛆が湧く
形而下の蜘蛛が殺陣の糸を吐き電気料金が高くつく
馬鹿な若者が白痴の女の嘘の鍵盤を辛く弾く
ドドシドミラシ　ミレミファシラシ
ドレドレ　ミレミレ　見るなら寝るな
燃えろよ燃えろ豆よ燃えろ
「十三階段に十二支並べると一匹足りないんだけど」「残してあるんだよ」
「なんで？」「君が乗る為」「私が端数？」「そう、」
一段目　水素鼠は東急ハンズの日用品フロアを襲撃する
二段目　ヘリウム牛は放蕩の果てに細かい塵として旅立つ
三段目　リチウム虎は変電所の前で賃金引上げ要求ストを決行する
四段目　ベリリウム兎はBOSE社製スピーカーの中で胎教される
五段目　ホウ素龍は退色したシダ植物に油虫を垂らしてみたらし団子を売る
六段目　炭素蛇は歴史の粘土で冬眠する
七段目　窒素馬は大気圏上でサカサマの菊花賞を軟禁して淀の坂を育てる
八段目　酸素羊は６０％の過呼吸によって１２時間で寿命を使い切る
九段目　フッ素猿は溶けていく夏至を硬い骨によって過去に留める
十段目　ネオン鶏は都市郊外在住の老ストリッパーの唇に沈められる
十一段目　ナトリウム犬は花粉症による知恵熱で空に埋められる
十二段目　マグネシウム猪は背中に閃光を乗せてリボソームの幼児を喜ばせる
十三段目　アルミニウム白痴女は２７階建ての冬から飛び降りてリサイクル回収される

＿20061209-04

冬が燃え尽きると缶詰の底には蛍のデフレーションが燻り
燃え残ったアルミニウムの豆が語り部となって交通情報を伝える
　....824545201MHz
（Ｗ王子はよく考え　Ｇ大統領はよく呑み
　Ｍ国王はよく喋り　Ａ首相はよく食う
　そして皆どうせ退屈によって死ぬんだ）
半天球の中にカチカチと星を転がす白痴の女
「思うか酔うのか喋るか食うか
どれかにすればいいのに」と告白する馬鹿な若者だが
然し白痴の女は妄想するだけで全く相手にせず
「リラってかライラックもう咲くかしらん」と白痴の女が言うと
馬鹿な若者は遮光カーテンを閉め切る気力も無く辟易する

落雷は鳴り止まず
ハイカラ酸性雨は激しく

翌日
デリバリー辟易より「半日延長追加料金６６０エトセトラ」との支払い催促あり
また馬鹿な若者は突貫工事に勤しむ
アルミニウムの豆を舌で転がしつつ飲まず食わず

ハイカラ酸性の水溜まりに咲く金のライラックが
棒立ちのまま１３番目の輝く黒歴史を残して熔けて　消えた朝の九時
腹減りぬ
現実の中に黄猿は居ない

＿20061212-01

『実録新宿　”腐肉ナブラ”１・鈍器奉呈で何でも手に入る』


耳を剥製にして、俺は、時速メロウkmで流れる歌舞伎町を、泥のMaDRaYKiN号に乗って下る。
笑顔のうねり、スキンシップの渦、枯葉は醗酵し、流木は勃起する。
酒と煙草と調理油と体液が混和された運河の底で、都生雑食動物の群は、”餌食、求愛、交流”による肉塊のナブラを元手に、恒星の蚤になる。

無数の浮き足によって地面は一度も叩かれず、両手で数え終わる程の足音が、若年性痴呆症プラッタナスに骨伝道で告発する。
さくら通りはベーコンで高楊枝刺しまくり針ネズミ、
それはご存知、片目の無い赤達磨に象徴される。

ネギマ一串八十円、喘息のポン引き、尻風船のルンペンギャル、新宿浄化委員会、大人のコンビニ、行列の出来る中古幸福質屋、怒鳴る公認蛆養殖業者の脳味噌、空き缶に住む口紅、非常階段育ちの悪霊、タロット占い師のババ抜き遊び、在庫処分９０％オフ、
在日蜂が六角形のパチンコ店に奴隷蟻を生き埋め、
ナメクジ猟師が神経質な地下室に誰にも愛されない宦官を生き埋め、
地底人との異文化交流を取り持てば、水墨春画が根を張る。
それはご存知、立ち食い蕎麦屋に象徴される。

今時は鈍器奉呈で何でも手に入る。
ツルハシかカナヅチで人生は薔薇色になる。
回転するナブラ肉を目掛けて振り下ろすだけで、猫も杓子も柔らかい頭が好きになる。

「元カレの元カノの元カレの元カノの元カレの元カノの元カレのカレ」
優秀なキャリアー多淫成功者がＶ５領野の狭間にザマを見てピストン運動をする、骨伝道に感染してナブラ肉が腐る。ナブラ肉の油で分針も滑る。
誰よりも誰にも愛されない生き埋めの宦官は、片目の無い針ネズミとして回転寿司を下水において９０％で雑菌処理する。

歌舞く若年性痴呆症プラッタナスの影に潜む紛い物のキューピッド人形と、水墨春画のベーコンにベッドインし、俺は、新宿区内の愛情総分子数Ｎと同じ数だけ、
腐肉のナブラを彫刻する。
「ちょっと、ノミとカナヅチ、買ってくる」

＿20061213-01

『実録新宿　”腐肉ナブラ”２・タグタグ罵るあなたが欲しい』


モア街あなたは板金加工
一面だるか　生コンでれグルメかぶれ厚の上にコルビジェ泣かしケヤキ反り返る也
煙の作ろたカヤックにて漕ぐアベックがが飲むブリックパックジュースバナアナ哉
酒乱ぐる学生グループん腕にあ走るグルーヴにり浮かんぶ愚問から導かるな無政府
空気握りギッシリとば歯がら犇くギシギシ

Ｖ４領野の欠損した無色彩の世界から受信する無声映画を見るにつけ
間主観的還元の濃淡によりけりより人肌のん量感がん妙チキリンにデッフォルメシオン
ブローカ中枢とウェルニッケ中枢のどの口論にもど巻き込まれ
人も路上の潰れた紙コップも等価になりや
死してゴミクズ拾う者なし
模造真珠噛む養豚そのもの
「あなたの利き腕、ひとつ下さいな」一つ残らず産廃安くに済まし炙ら虫に飛んで射る火に
反射す板金
得る煙たいハイライト

＿20061213-02

モア街あなたの座右の銘は「有限実行雲散霧消時鋼也乾坤一擲」十五字熟語。
《第14染色体上に存在するTEP1遺伝子が生成するテロメラーゼが無くなると細胞は老化する。
染色体は全長30cmに渡るスーパーコイル化したDNA分子であり、
DNA複製酵素ポリメラーゼが働く時、DNAテキスト内側の数単語からコピーを開始する為、
両末端に敷き詰められる何千回ものフレーズ”TTAGGG”からなる無意味な単語「テロメア」は犠牲になる。
テロメアは毎年凡そ31文字ずつ切り詰められ、何百回かのコピーで意味の有る遺伝子も削られ始める》
限実行雲散霧消時鋼也乾坤一（電車はかたい）
　実行雲散霧消時鋼也乾坤（たかいはブランド）
　　行雲散霧消時鋼也乾（ブロンドはコーカソイド）
　　　雲散霧消時鋼也（コーポ三鷹は敷金無し）
　　　　散霧消時鋼（失禁梨は悶絶梅）
　　　　　霧消時（ボーイズトゥーメンはジャンケン癖）
　　　　　　消（三軒茶屋は目青不動尊）
　　　　　　（目黒不動産は週休二日）
　　　　　（テーブルフッタはＨＴＭＬ）
　　　　TTAGGGHTMLTTAGGG
　　　"TAGTAG"Hoot MAGMAG-TooL
　　GAMAM LAGH AT MORE-GUY
「あなたの利き腕じゃない方、もひとつ下さいな」

モア街あなたが一人で泣きながらクリスマスケーキを穿つた師走の末を剥製にして
鍵爪フックに引っ掛け吊るされた笑う冷凍肉が安眠する深夜は聖なる哉

＿20061214-01

『名店発見！街グルメ　その一　珈琲豆専門店ドン・デロカカリ屋』


さみしい夜には珈琲豆専門店ドン・デロカカリ屋に集まれ
指を吸うより豆を噛め
げに生きるは辛くとも
温かい豆噛めばなおる
オススメは高地産アラビカ種ニュークロップのセミウオッシュト
いつでも何杯でも御馳走する
アーモンドマカロンも付ける
スペイン帰りの伊達男　寡黙な店長デロカカリも
思い出話を勝手に喋る
お湯は８５℃で深煎りはじっくりでミルクはたっぷりで時間はゆっくりで
君は花ような湯気が
散る行間だけの季節を
ただ見てさえいればいい

＿20061214-02

さみしい夜には珈琲豆専門店ドン・デロカカリ屋に集まれ
嘆きも悲しみも怒りも　喜びも嬉しさも幸せも
恋に破れたオマールが作った赤い実のスープだとかも
どれもこれも単なる　比喩に過ぎないのだし
まあ
何でも好きな曲を言えばいい
バッハの「コーヒーカンタータ」でも　瀧勝の「人生」でも
ＢＧＭに遠慮は要らない
よくかかってるのはガレージロックだけど
何でも好きな本を読めばいい
純文学でも漫画でも　経済新聞でも発禁本でも
読むのに飽きたら　泣き言でも議論でも馬鹿話でも
愉快で可愛いデロカカリ夫人が　いくらでも付き合ってくれる
比喩の尽きた所で　また湯気の花を咲かせよう
好い加減に眠くなったら　真っ直ぐお帰り

＿20061229-01

『Smells Like U-SAN stupid』


重箱の隅で膝抱いて蜘蛛の死骸とか突ッ付いてた私に、
宇佐美の馬鹿がいわん、こっちゃあ、ねえ、
「ネガチヴつのは要するに過保護の御加護の籠、」
何を分かってんだか分かってねえんだか、ねえ、
引き続きお送りするのは赤いネッカチーフ擦るに走る高速と脳梗塞の音、
論理云う流布を鵜呑みにするような宇佐美の馬鹿、
状態で言えば婆咲く湯捏ね仕込みの鬼百合、
だけど悪い奴じゃないのも分かってんだから困る。

「出掛けるべし」誘われて。
まあ昨日までは、
うっかりの後のがっかりだったり開き直りでハッタリかましたったり、
結果的に黙ったまま彼は去ってしまったり。
でも今日からは、
ばったり出会ったり見返してしてやったりだったりが願ったり叶ったり。
心機一転すべからく一期一会。
反骨から梵天、乱雑からマサカリ、
一口に噛み砕いて云えば美味しいサフランライスのオニギリ、
そんな感じの黄金窟に塩撒き行くなら朝っぱらから、
７時半辺りが人気も少なくて良いんじゃないかね。

＿20061229-02

国境線引きミミズ晴れにカズノコ雲天井と茹だる太陽の蛸壷、
タオ超えれば善悪の彼岸とかも見渡せる峠に差し掛かる。
うまくドリフト出来ること請け合いのＴ字路上、
宇佐美の馬鹿が云うには、
「『嘘臭い』は野暮ったいが『胡散臭い』はえろいのだ。」
当然、
誰しも人間には製造番号が付いておるからして、
定期的にパスワードを変更せねばならない訳だ。
流行語で風神雷神も騙くらかし通行人を何度も追い越す。
舌先三寸ワンルームの重箱を捨てよ、
口先出任せシュビドゥビダーの裏口からこのまま二人で逃げ、
朝までお喋りして昼までお昼寝して夜まで金切り小声の鍛冶手伝いとか、
しようよ
どうよ
六気筒750ccのネガチヴに乗って赤いネッカチーフ擦って、
サフランライスのオニギリ持って私たちは反骨で乱雑で、
黄金窟に塩撒き行くパスワードの『胡散臭い』はえろいのだ。

＿20061229-03

峠の黄金窟入り口付近で並んで座って、
宇佐美のほっぺのサフランライス摘まむ。
「冗談じゃぬえ駄ー阿呆ヲンナ
　ふざけんなこのべるべろー婆」
ちょっとした冗談だ馬鹿はこれだから困る。
伸るか反るかでシュビドゥビダーの玄関からそのまま独りで、
致死量の塩巻いた紙を噛んでニュートリノ掴んでやる、私は。
ニュートリノから地下鉄はキセルでオールドトリノまで行く、
峠を越えて高飛び、
デキリコ商店街のＫ字路上でニイチエ産の栗毛馬を買う、
激情の令嬢でも誘ってレージョの劇場で過激な歌劇の鑑賞を過干渉で感傷してこれイヒヒ
乗り気レズが豆乳入りのレーズン噛めん無頼だ赤いネッカチーフ擦って六気筒750ccの冗談
変ッ！身ッ！
しようよ
どうよこれイヒヒ
それに宇佐美が屁で応える、
臭いともう笑うしかないじやん。
ネガチヴつのは要するに過保護の御加護の籠、
そうだ、
冗談じゃぬえ梵天マサカリ振り下ろせば『胡散臭い』はえろいのだ。
変ッ！身ッ！

あけましておめでとう御座います。
今後とも実話ナップルズを宜しくお願い致します。


●月刊実話ナップルズ２００６年１２月号

　>>44-47　『O\ a mok (Peek"824545201": High-Collar-Acid to 13 of Liminous Alumium)』
　>>48　『実録新宿　”腐肉ナブラ”１・鈍器奉呈で何でも手に入る』
　>>49-50　『実録新宿　”腐肉ナブラ”２・タグタグ罵るあなたが欲しい』
　>>51-52　『名店発見！街グルメ　その一　珈琲豆専門店ドン・デロカカリ屋』
　>>53-55　『Smells Like U-SAN stupid』

ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
また、各投稿コーナー、タレ込み、特班員、記者、等々も随時募集しております。
ご応募戴いた方の中から抽選で「月刊実話ナップルズ特製ステッカー」をプレゼント致します。
（尚、当選は商品の発送を以って代えさせて戴きます。）
全ての宛先はコチラ迄→　[email protected]

＿20070101-01

『平仮名の黙秘に訳は無し』


「ディスレキシアの子がー」
　「え、なに、それ、ディ」
「ディスレキシア、識字障害。文字の識別が困難な」
　「うん、で」
「なんか”ふ”が一番難しいんだって」
　「へぇ」
「次が”ゆ”で、次が”そ”」

　雪酔ゐて　燃ゑ立つ槍へ「伏せろ！」と騒音
　絵に目を開かぬ息子　血塗れの骨食い漁る訳は無し

「感覚性言語を司るウェルニッケ中枢と」
　「うん」
「運動性言語を司るブローカ中枢があって」
　「うん」
「ほら、知らない外国語を聞く時の、あの感じ」
　「うん」
「あるでしょ、その時みたいな、意味と文脈の乖離」
　「ちょ待って、難しくて分かんないから」

　会え云う絵は青　駆け引く稽古は過去　刺せ指示す節操は颯爽
　縦膣似の鉄塔を尊ぶ　何年煮ぬ粘土の納戸　廃兵の皮膚も平方と発泡
　豆も見ぬ麺棒の磨耗　夜営云う栄養や羊毛　乱舞す瑠璃は冷涼の乱暴
　和音

「じゃまずさ、五十一音、順番に言ってみ、ほら」
　「えー、黙秘権を行使します！　なんて」

20070112-01 (1/3)


『吉祥天女のケツに猛毒盛るダウン症の鯉』


「最近どうさ」「元気だが」
「駅まで送るじゃ」「遠慮すな」

耳閉じて道　見やりや西日
毒々しい古代緑青の川に毛羽立つ蜜柑の皮
釣堀見下ろしゃ市谷橋　人類みな生け簀の鯉
口パクってのはそういう事だよ
語り過ぎカタルシス　あらぁ舌ばっか痙攣しとんのんじゃ
根も葉も掘っても放っとけボッケ
そのまま流れて消えるだけ
嘘も正直も墓の底
そこに釣り針垂らすなんて無粋

アルトリコーダで《モルダウ》吹いたろ
親指半分開けんだよ
懐かしき流れよモルダウよ
東京の河には底が無え

＿20070112-02 (2/3)


「まだ時間あるべ」「寄ってがね」
「コーヒーぐらいだば奢るべや」

耳開き右　左や聞き耳
喋る言葉も過ぎた仲ならば　目え繋いでこころ開いて
苦笑いで手を打って起承転を結んで
煙草は楽な口利き　煙パッカパカ吐けば天井で交わろうも
勘も間も違ってもほっとけボッケ
過去も現在も蚊帳の外
それにしても盗み聞きなんて悪趣味
　
アルトリコーダで《モルダウ》吹いたろ　
小指半分ずらすんだよ
懐かしき流れよモルダウよ
岩木川は今どうなってるよ

＿20070112-03 (3/3)


「そろそろ行ぐが」「電車来たし」
「何言っちゃんずや」「じゃあまだな」

目閉じて枕　蕎麦殻の匂い断首台
青空に沈む桜貝と膠に泡立つ時間の花
こういう半乾き絵なんて悪趣味
赤いカナリア狩るフルーツカルピス測るキリギリスなら儲かるという悪夢を見るに
懐かしき流れよモルダウよ
半音の煙が去勢されて降り
百貫の吉祥天女が顔面騎乗位
だからアルコリコーダはカタルシス
さっきあいつに盛られた毒で　目も耳も閉じたダウン症の鯉が
カルピス色の見知らぬモルダウに流されて　見えなくなった

煙の底から無数に垂れる　蜜柑を餌にした釣り針には　一匹も鯉がかかってねえ

＿20070112-04


　『作業変格活用』


愛す　たゆたう自然を

解す　人が抱く文化を

察す　浮き沈む心を

達す　揺るがぬ地平に

成す　不満を漏らさず

発す　彼岸に届くよう

増す　知恵と繋ぐ手を

訳す　異国の言葉を

楽す　生活の為に

ﾜﾛｽｗｗｗﾃﾗﾜﾛｽｗｗｗｗｗｵｰﾙﾅｲﾄﾌｨｰﾊﾞｰﾌﾟｹﾞﾗｵﾌﾟｽﾜﾛｽﾄﾗｲｸｗｗｗｗｗｗ

＿20070115-01


『縄文式健康法』


黒糖ココアを淹れて、ジャスミン香を焚いて、グレゴリア聖歌を流して、独善の座禅
「あぉわ　るみす　十八番あ
　ぶ猫背　どっふて根　古かみすばし
　るけ叙ん　て禁りば　麦束ろ
　すい鋼て　みぐせ蘭や　ぬ発火んも」
末梢神経を鋳造
過敏症の枯れ木
それはそれは実に可愛く成長しました「あなたのこよだいじにそだてるからね」
「うるせえ」
痛風みたいな性感帯から間男が出てきました
「願ヒマシテハに市蟹、女人が死、兄さんがRock、鰊が８番からレフトに投影する青図面に植林
　古典的緑黄野菜律、切り張り河童、記号の泥沼新宿区、苦労性を介護するグミの肩甲骨に植林」
ミゾレ勝つ活版印刷からシグレ負ける十二指腸に向かって防雪林と一緒にお引越し
しました
舐めて
ドクダミ草で窒息したイベリコの子豚
舐めて
派手なザンバラ垂らして逃げた
「私は何も」知りません

- - - - - - - - - - ﾔ - ﾏ - ｵ - ﾘ - - - - - - - - - -

　　　　　　　　　　　の　り　し　ろ

- - - - - - - - - - ｷ - ﾘ - ﾄ - ﾘ - - - - - - - - - -

　　　　　　　　　　　の　り　し　ろ

- - - - - - - - - - ﾔ - ﾏ - ｵ - ﾘ - - - - - - - - - -

ぶらさがった肉塊の葬列
堅い高い冷蔵庫
西陣織から折檻受けて神隠し
美観損ねて六角
ズボラ間引き
霞ヶ浦シクラメン製ギンガム黒ラメの前張り
煮込み酢飯がゆ作ったんだが文句　あるか
ロコモコ　あるか
情感に沈む二人
ぴーぽー沈没して顕微　拷問する絢爛
ぴーぽー自慢のコイルで縄文式
後ろ手に空想の花束握って二度と離さない

- - - - - - - - - - ﾀ - ﾆ - ｵ - ﾘ - - - - - - - - - -

南蛮渡来の紅生姜風呂「知りません、勝手にザンバラが」
千代紙散る会うと花吹雪、
ヤーコンで塞ぐ毛根を防ぐレンコンの穴に二毛作、
「何を訳の分からない事を」
腕を２回　小倉捻り
「待って下」さい
首を４回　ウミネコの型
「署まで御同行願います」
膝を６回　闇鍋洗い
「待って下」さい
上半身を８回　第弐ワサビ流し
「身柄確保、どうぞ」

- - - - - - - - - - ﾀ - ﾆ - ｵ - ﾘ - - - - - - - - - -

　　　　　　　　　　　の　り　し　ろ

- - - - - - - - - - ｷ - ﾘ - ﾄ - ﾘ - - - - - - - - - -

　　　　　　　　　　　の　り　し　ろ

- - - - - - - - - - ﾔ - ﾏ - ｵ - ﾘ - - - - - - - - - -

都市の脊椎　網に鳥
錆び師狩り屋の五輪の刃
女体拷問人グレタを覗き見すれば頬ッぺにホクロの三連符
銅に溶かす青空
浮世の花柄が売る煙草
逢引の小径に設置してある便器に化粧で太ももに契り
大硝子の停止原基を市役所に「収容します」

「貴方の」鎖骨をしゃぶりたい
「喋り」たい欺きたい
陥没乳首に見送り狼をはめ込んで小学校３年生まで巻き戻したい「私は
何も」かも手に入れてしまってからでは遅い厄介者は
闇の上澄みの深みを泳ぐ

- - - - - - - - - - ﾔ - ﾏ - ｵ - ﾘ - - - - - - - - - -

　　　　　　　　　　　の　り　し　ろ

- - - - - - - - - - ｷ - ﾘ - ﾄ - ﾘ - - - - - - - - - -

その謎を
解くのと愛するのでは
「どちらが良いのか、よく考えて下さい」

おまえだれ？

陥没乳首はないわ
意味わからん
１０分くらい悩んで寝られへん

＿20070119-01

　『辻斬り！ドードー広告(秘)評　No.001』

ごきげんよう。このコーナーを担当させて戴く、筒桐銅胴（つつぎりどうどう）と申します。
趣旨と致しましては「広告を批評し、その面白さを理解していこう」というコーナーです。
今回は二つの広告を見ていきましょう。

１．
　「おまえだれ？ 」

これは【印刷会社カラフル珍工堂】さんの広告です。
まず、宣伝用ポスターを見ていきましょう。
魚眼レンズのような構図で、画面中央には、両側を塀で囲まれた細い通学路が地平まで続き、
画面下部には、幼稚園児の男の子がこちら側を見上げて指をさしています。
足元には、たくさんの白い名刺が散乱しています。
「おまえだれ？」
この言葉を、素性も知らぬ相手から投げかけられた場合、人はどう答えるべきでしょうか？
相手が高校生で、私が教員免許を持っていたら、「私は教師だ」と答えるでしょう。
相手が税務官で、私がパスポートを忘れたら、「私は日本人です」と答えるでしょう。
相手が痴呆症の老人で、私が介護していたら、「あなたの孫だよ」と答えるでしょう。
「だれ」という問いは、相手と自分の関係が明白である場合にのみ、正しく答えられます。
どこの会社の部署か、どこの出身で最終学歴か、だれの奥さん又は子供か、社会の中で"関係"というものに強く依存した存在である個人、その象徴が名刺です。
"見知らぬ人間"から発せられる「おまえだれ」という問い、主観視点を強調する魚眼の構図、塀に囲まれた行き先の見えない長い一本道には、
まるでカミュの描くような「人生の非合理で無意味な状況」が生み出されており、ポスター内には"不条理なブラックユーモア"が表現されています。
この広告は、上記の"実存の不条理"をヴィジュアル的に描きながら、同時に、
「平凡な名刺では誰か分からない、もっと個性的な名刺を」というカラフル珍工堂さんの皮肉精神とを引っ掛けてある、
実に素晴らしいコピーと言えるのではないでしょうか。

２．
　陥没乳首はないわ
　意味わからん
　１０分くらい悩んで寝られへん

　これは【やらはた整形外科】さんの広告です。
まず、宣伝用ポスターを見ていきましょう。
アパートメントスタイルの小さな部屋に、薄暗いオレンジ色の明かりの中、
左側には、ベッドの上で女性がうずくまっており、
右側には、パンツだけを履いた男性が椅子に座って深刻な顔をしています。
陥没乳首というのは、乳管が短い場合や、
何らかの組織の癒着によって乳頭部分が中に入り込んでいるものを言います。
もともと肉体には意味などありませんが、性においては問題は入り組んでいます。
肉体というモノに観念が与えられ、その観念的な背徳や交わりを趣きとするのが現代の性です。
"陥没乳首"というモノの観念、その意味、それを拒否するでも容認するでもなく、
"悩む"という真摯な態度によって、男性は乗り越えようとしています。

この広告は、直前の記事と関連させてあるようですが、今度はその関係を見ていきましょう。
「その謎を　解くのと愛するのでは　どちらが良いのか　よく考えて下さい」という記事の後、
「意味分からん、悩んで寝られへん」という広告。
ここには「問題を"解く"為に睡眠時間を削っている」という工程が描かれています。
クイズやパズル、テストや推理小説、友人や恋人に対する思い、等を思い出して戴きましょう。
そもそも「"解く"という行為自体に"愛する"という意志が含まれている」という事が分かります。
しかも、「１０分くらい」という時間制限付きの愛です。

この広告は、男性側の独白を借りて、女性の持つ肉体的劣等感と恋愛心理に訴え、
「愛する人から与えられた１０分間の猶予があれば、やらはた整形外科まですぐお電話を」
という即時的な宣伝効果を狙っており、
実に巧妙なコピーと言えるのではないでしょうか。

近頃、少しずつ暖かくなって参りましたね。
季節の変わり目は風邪を引きやすいので、皆様お気を付け下さい。

●月刊実話ナップルズ２００７年１月号

　>>57　『平仮名の黙秘に訳は無し』
　>>58-60　『吉祥天女のケツに猛毒盛るダウン症の鯉』
　>>61　『作業変格活用』
　>>62-65　『縄文式健康法』
　>>68-69　『辻斬り！ドードー広告(秘)評　No.001』

ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
また、各投稿コーナー、タレ込み、特班員、記者、等々も随時募集しております。
ご応募戴いた方の中から抽選で「月刊実話ナップルズ特製ステッカー」をプレゼント致します。
（尚、当選は商品の発送を以って代えさせて戴きます。）
全ての宛先はコチラ迄→　[email protected]

＿20070211-01

『短歌上等・マンスリー藤巻の「酔ってンじゃねえ！」第二回』

ごきげんよう、マンスリー藤巻です。
柔らかな風に春の匂いも漂い始めましたね。皆様如何お過ごしでしょうか。

今回も、御投稿戴いた短歌を、品評させて戴きとう御座います。
前回のお知らせの通り、テーマは”梨”です。
では早速、見ていきたいと思います。

　〜　〜　〜

　日本一薄い「母」への手紙
　　　　　（群馬県　ペンネーム・甘栗　１９歳）

かっちゃ。肺ガンで入院したどぎ、「死ぬんだば産まれだ土地が良い」って聞がねくて、
県の中央病院がら、五所川原の家さ、帰ったべ。

二回だげ、散歩したの、わぁ覚えでらんず。
「天気いし、空気おいしね」って喋ってらべ。
物心ついで初めで、かっちゃと手コ繋いだ気するんだばって、
たげ細せくて、骨さ皮ついでるだげなのに、あったけがったや。

学校さ「危篤だ」て連絡はいって、おじさんさ送ってもらったっきゃ、
とっちゃが横でジッと見でで、かっちゃ目つぶってらばん。

＿20070211-02

わぁが泣いでだら、かっちゃ目コ開いで、手招きするはんで、
何喋るんだべど思て、顔ごど近付けだっきゃ、頬ぺたさキスして、にこにこ笑ったべ。
かっちゃ。
そんどき、わぁ、たげいい女だど、思ってまったべや。
わぁの初恋、返せじゃよ。
かっちゃ。
嘘だばん。もっかいだげ、散歩してがったじゃよ。
かっちゃ。

　〜　〜　〜

酔ってンじゃねえ！”梨”が出てきてねえって話じゃねえよ、
それ以前に、もう短歌ですらねえじゃねえか糞阿呆ンダラ。
「方言」「母」「病気」「死」つって安易な”泣かせアイテム”使ってんじゃねえよクズがよ！
思わせぶりな改行だの、芝居がかった台詞所作だの、どれ取っても幼稚、
反吐が出るよ低脳、糞便食って生きてろルンペン、見る価値も無えよ保育園から人生やり直せ。
正直お前才能無えから今後一生文章に関わる事は辞めてしまえウンコ。

　・　・　・　・　・

次回のテーマは”クロッカス”です。投稿は随時募集しております。
宛先：[email protected]

＿20070211-03


『笑撃！覆面少年二人組、慎み深き強盗!?』

２００２年のベルルン、深夜のガソリンスタンドで起こった事件である。
覆面姿のＡ（１４歳）とＢ（１５歳）のドイン人の少年を、パトロール中だった警察官（２６歳）が逮捕した。
数分後、二人の少年は釈放された。
強盗ではなかったのだ。
話を聞いてみると「スタンドに設置してあったコンドームの自動販売機が目的だったけど、
恥ずかしかったのでナイロンストッキングを頭からかぶり、顔を隠そうとした」というのだ。
そこで、警察官は「コンドームは恥ずかしいものではない」と言い、
地面にチョークで図を描き、性教育を始めた。
二人の少年が困っていると、警察官はすぐさまコンドームを購入し、実際に装着してみせようとした。
しかし重ねて困った事に、警察官は慢性的なＥＤ(Erectile Dysfunction：勃起機能の低下)だったのだ。
二人の少年と警察官が困っていると、何者かが駆け寄ってきた。
遠巻きに様子を伺っていたコンビニエンスストアの女性店員（４５歳）だった。
女性店員は「話は分かったは、よく見てなさい」と少年二人に言いつけ、
制服を脱ぎ、下着姿で挑発的なベリーダンスを踊り始めたのだ。
しかし、若い警察官がそのような痴態で勃起する訳もなかった。
二人の少年と警察官と女性店員が困っていると、何者かが駆け寄ってきた。

＿20070211-04

ガソリンスタンドの清掃員（５２歳）だった。
清掃員は「よしきた、まかせとけ！」と皆の前で言うと、
清掃用具倉庫の奥から、古ぼけた本を持ってきた。
清掃員は『世界植物図鑑』と銘打たれたその本を開き、
「どうだ、興奮するだろ？Amorphophalus titanum（和名ショクダイオオコンニャク）が抜けるね俺は」と言った。
清掃員は”植物に興奮する性癖”を持つ男だったのだ。
若く正常な警察官がショクダイオオコンニャクで勃起する訳もなかった。
二人の少年と警察官と女性店員と清掃員が困っていると、少年Ｂが名案を思いついた。
「おじさんがショクダイオオコンニャクを使って、おにいさんがコンドームを着ければ良いんじゃないかな？」
そこで女性店員が「じゃあ私は何をすればいいの？」と聞くと、少年Ａは「朝まで踊りなよ」と言った。

朝方のガソリンスタンドにて、
『世界植物図鑑』のショクダイオオコンニャクを見ながらマスターベーションする清掃員、
その男性器にコンドームを装着しながら機能の説明をする警察官、
それを熱心に聞くナイロンストッキングをかぶった二人の少年、
その周りでベリーダンスを踊る下着姿の女性店員、
５名の奇行は写真に収められ、フランクフルタ・マルゲアイネ・ツァイトゥングの一面を飾り、
話題と笑いをさらったのは、言うまでも無いだろう。

＿20070215-01

『Comme A La Atget』

冷凍された朝っぱらっから起き抜けの伏臥上体反らし
早朝ラジオ体操の伴奏は馬頭琴　日を捲ればカーテンも替わる　新聞配達の急ブレーキでささくれた季節が蛇になって脱皮する
洗顔　歯磨き　ヘアセット　チェスターコート引っ張り出して　スメハチ持って前転すれば一日は３６回転

老化した皮膚は春一番で大往生　選民主義は手垢に土葬　新陳代謝は何よりも正しい　健康な笑顔だけが荷車引いて歩く
笑顔にはリンゴが生り　それから子供たちにノコギリで切られ　子供が正直にリンゴを盗めば　万有引力が健康を許す
正しい世界は暖かいので　荷車の轍には人影が絶えない

スメハチ構えてレンズを絞り　待遇にうるさい構図の口を縫い　まるでアジェのように
よく砥いだ指でシャッターを切り刻む
この瞬間に　保育士の人生設計に５色のカビが繁殖し
この瞬間に　源泉徴収がコバンザメになって鰯雲の腹に張り付き
この瞬間に　露出狂のシーモアがバナナフィッシュを追いかけて麦畑で逮捕され
この瞬間に　地下室でサイコロを振って壁にゼロを書き連ねる男が自己嫌悪で煮込まれ
この瞬間に　地獄の門の下では鼻の長い河童が追い剥ぎをして石の心臓を育て
この瞬間に　蛇のネックレスをした踊り子が水槽に鷲を沈めながら曙光を待ち
この瞬間に　薔薇の冠を被った博士が板チョコを齧りながら色相環で首を吊る準備をし
この瞬間に　鉄骨構造のゲイがつむじ潮風に腹を割かれ
あっ
と言う間に一日は巻き取られ　人影が寝静まった世界は寒い

蛇の抜け殻の中に入り　神経質な赤い地下室のドアを閉める　螺旋に剥いたリンゴの皮を冷たい塩味のゼラチンに沈め
健康と笑顔を３６分割した一日の中で人影は銀色に光り　リンゴの実は新陳代謝で大往生
光に溺れた万有引力が急ブレーキをかけ　構図が伏臥上体反らしをしたまま　ずっと黙ってしまった

＿20070215-02

『怪奇！？ネズミが降る町』

シチリア州の州都、歴史的町並みが広がるパレルモ中心部では、
荒れ果てた高い壁に住み着くネズミの数があまりにも多かった為、
２０００年９月になっても、空からネズミが降ってくるのは珍しいことではなかった。
地域住民は補強した傘で身を守ることに疲れ、丸々と太ったネズミの退治に乗り出した。
まず、絞首台に順番待ちする厭世主夫と、ネイルアートに凝った専業主婦を交配し、
産まれたボノボが一次変声期になった時点で旅に出し、世界各地の鍋料理を覚えて帰ってきた所で、
イタリア名物「猫投げ祭り」の開催中、よく育ったボノボに”ハダカデバネズミの土手鍋”を作らせ、
窓から飛び込んできたヨーロピアン・バーミューズに世界で一番長い英単語を覚えさせた後、
”ハダカデバネズミの土手鍋”をトイレに流してきたボノボとヨーロピアン・バーミューズを交番に届け、
職務質問を始めとして数時間の尋問を経て釈放された所で、
道路に「ありがとう」という意味合いの数式を書き連ねて帰路を辿り、
家の前に着いた所で傘を用意、まだ開かずに世界で一番長い英単語に向かって１０分間の黙祷、
すると、後ろの方から後を追いかけてきたヨーロピアン・バーミューズが飛び掛ってくるので、
傘を振り回しながらジルバなりランバダなりお好みの踊りを踊ると、
空からネズミが降ってくるので、ヨーロピアン・バーミューズがネズミを漁っている隙に部屋に入り、
交番に電話をかけて「ボノボを返せ」と要求し続け、多く見積もっても半日で帰って来るので、
ヨーロピアン・バーミューズが皮を剥いたネズミを横取りし、土手鍋を作って大人しく待ち、
ボノボがドアを開けた瞬間に「シリアのシチリアの塩のシリアルを仕入れたらシビア」と歳の数だけ唱え、
トマトとバジルを床に敷き詰めて、ボノボとヨーロピアン・バーミューズと三つ巴でディナーを飾る、
という方法に出た所、見事に効果テキメン、シチリア州からは一匹たりともネズミが居なくなった。

＿20070215-03

　『貪欲の窓　〜Come to GINGIN〜』

一人暮らしの黒紙折子　生計支えるアルバイトは気の重いウェイトレス
それにしても今月の頭から鳴り止まない時報に困り果て　痛くて重たい頭を抱えて
しゃっくりに似た定期的なピンポンダッシュに疲れ果て　部屋の隅っこで膝を抱えて
「なんであたしがこんな目に」と「真面目に生きてて損をした」と　嘆き相手は排水溝

断食の窓にカタツムリ　禁欲の奥歯に山茶花
　菌糸でまつり縫いされたシャドーボクサーがツービートでブレイク
　七五調のワルツ踊りヘチマ形の千歳飴しゃぶる三角ベースがドリルン
私欲の雨音は小便の調べ　宵の下弦月は三白眼
　カタツムリの殻はアルマイト加工　人の私欲を見せまいと遮光
　山茶花の花弁は百科事典で饒舌　勝手の歯が浮くような繚乱

ストレスを乗せた乳母車がレースする　横隔膜のコースがうるさい
コップ一杯分の水でも飲んで　落ち着こうとする黒紙折子　すると
胃酸過多の山茶花が咲いた
「インテル入ってる陰険でインドアーなインテリのインポはすっこんどけボッケ
　アンパン食ってアンポンタンなアンダー１５のアイドルでも拝んどけ阿呆んダラア」
肝硬変のカタツムリが泣いた
「獰猛なドーモ君のような　丁重なデンコちゃんのような
　常識と良心のアイノコのような　慇懃なギンギンの奴だけ来い」

アルマイトの殻に山茶花をハンダ付けすればカタツムリは膨らみ
気よりも重くなった百科事典は一枚ずつ落ちる散る満ちる雨音の小便が後ろの正面で朽ちる
横隔膜節のツービートで欲望をドリルンする黒紙折子は口の中で下弦月を咲かせ
叫ぶ「インテリンポすっこんどけボッケ！ギンギンだけ来い！」

窓は貪欲になって光り　空っぽの乳母車が朝焼けを滑って消えた

　『TNT-DokCoMo　毒弧喪泥骨興業(株)』

　「資本金ゼロ円で誰でも始められます」
時代の５０歩先を読め！　未来に遅れず日進１００歩！
飛び去った過去はコガネムシ　その背の碁盤の目が眩んだ貴方から全ては始まる
青龍は運河に流され　朱雀は湖沼に溺死　白虎はトラクターに轢かれ　玄武は小山で行方不明
外で待つ７人もクジ運も敵に回せば四面からの聖歌に合わせてルーレットが歯車で口車にって火の車
「とにかくゼロに賭けるんだよ！」と脅すとＦ好きな女が待っている幻の赤線よ

誰にも愛されない人間たちが裸一つで立身出世する為
泥に棲み砂を噛み雲を掴み骨を折り損がくたびれで大儲け一世一代で上場会社を作って油を売ります
くたびれ亡者に咲く蛆の花　食えぬ泥団子の砂算用　かっかっか！

　社訓は「命を無駄にしろ」
横殴りの灰を泳ぐような現代は　お悔やみ言の後から奉るレイトショーであり
技術や知識よりも演出や政治力が物を言うし　営業も選挙もナンセンスが回す猿で為すが侭
ボタモチを棚に上げれば木から落ちる弘法が下ろす筆で物言わぬ男根を固結びにし
外見が十割で中身など糞食らって腹下せばノロとピロリだけが友達さ　暗澹満タンの世紀末でゴー

　講師曰く「従順は６０％にして惑わず」
投資するより蟹工船　手足あるならば蛸部屋行き　無脊椎なＴＮＴ抱いて当たって砕けて無表情
我々は夢の島に骨を埋め　卑屈と自虐に特有の湿った従順で捏ね上げた泥を盛り上げ
その上にアイスのハズレ棒を立て　クレーン車で山崩し遊びする大人はフーリガンかフリーマン
幸せだけが我がもの顔で横行する世の中よ　もういっそ変質者にでも走ろうか　かっかっか！

酷い仕打ちは慎ましい前戯　罵声は薔薇色の愛の歌
報われなくても損しても　私しあわせ貴方の傍に　犬に成りても蟲に成りても生きたし
　「チョット、下品な話と笑ひ方、止めて下さりませぬこと。あたくし嫌ゐですの、さふいふの」
雀の血涙で泥骨会社は早くも倒産　最早引き篭もってさえ居られず　血眼で這いて現の外へ亡命

儲るかって言やンな訳無いし　もうやってらんないのでございます　かっかっか！
　「命のご利用は計画的に」

　『はやく居なくならないかしらん』

前略　わたしの貴方様

わたしの愚痴なら有り余る　聞いて下さるだけでいい　例えれば高々腸カタル　我侭だとも知ってる
言葉も論理も自意識も過剰　積み立ててるから取立てが来ると　いつの時代も相場は決まっている
出来る事と言えば　若いミソラでドレ見てもソシラぬ振りしてソファーの上のソラ　頭はシャープで気分はフラット　失われた時なんて求めてソドムとゴモラ読んでいます
居なくならないかしらん　電柱の陰の居丈高

流れるものは好き
死なん支那の名無しの指南で取得した主観を遮断する手段の至難も知らんようではこりゃいかん
正夢というものは　苦いエラの長い白身魚がドナリエラの湧く高い思惑の空を渉る途中で幼いままの臭いカバに飲み込まれてはからというもの　とんと見とらん
果敢の欄干から落下傘で帰還しながら分かったボンタン飴舐めて傍観していたら世界なんかなかなか鳴かない
螺子タッピンから桐タンスを開け物も思い出も売ッ払ッてやった
居なくならないかしらん　赤錆ちびちび呑むカバ

もう遊びどころじゃない
難関と言えばコンスタントに奇声上げる危機感器官
蝿を潰すなら百貫デブが食う残飯の中　脂肪と死亡が鼻の先で溢れ返る　スパイスもエスプリも効き過ぎたら困るもの　程度弁えて頭垂れるべき草木の如く
もしも散り散り飛び散っていたら観音の脳幹それは
去年からは案の定　合掌造り民家に幽閉されて優遇されていて　安産にしても子作りは暗算だし目が爛々ならド近眼の若旦那
行きは酔うて良い　でも蛙の鳴く夜は怖い　女衒の助言はよく聞くものだ
逃げても隠れても手を打つ異郷の有財餓鬼が無罪放免で開く紙　それは八ツ切り画用紙の四ツ折り青写真の三ツ編み少女の双子のマナコと触れた気がしたな珍しく
居なくならないかしらん　審判も近眼も

錆びた赤いカバに乗った有財餓鬼が電柱の陰で舌なめずり　四六時中わたしを見ている
今は目と暇と蝿を潰してお料理　シソの葉とソラ豆にシミ込むラードもミソも　ドレもソラゾラシい
行燈持つて安穏と暮らすアンニュイな貴方様の安全祈願が暗号などであらぬことを願います

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敬具　貴方様のわたし

観測市場初、都内に雪が降らずに冬が終わり、春が香って参りました。
花粉症には重々お気を付け下さい。

●月刊実話ナップルズ２００７年２月号

　>>71-72　『短歌上等・マンスリー藤巻の「酔ってンじゃねえ！」第二回』
　>>73-74　『笑撃！覆面少年二人組、慎み深き強盗!?』
　>>75　『Comme A La Atget』
　>>76　『怪奇！？ネズミが降る町』
　>>77　『貪欲の窓　〜Come to GINGIN〜』
　>>78　『TNT-DokCoMo　毒弧喪泥骨興業(株)』
　>>79　『はやく居なくならないかしらん』

ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
また、各投稿コーナー、タレ込み、特班員、記者、等々も随時募集しております。
ご応募戴いた方の中から抽選で「月刊実話ナップルズ特製ステッカー」をプレゼント致します。
（尚、当選は商品の発送を以って代えさせて戴きます。）
全ての宛先はコチラ迄→　[email protected]

梅も桜も菜の花も咲きました。

●月刊実話ナップルズ２００７年３月号



ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
全ての宛先はコチラ迄→　[email protected]

『Not YABUSAKA in EDOGAWA』


【位置】

江戸川の彼岸で
血に餓えたトッポジージョ人形が夢に酔って愛し合っている
ガードレールに近付き　嘲り
侮蔑し　向こうに遠退き
此岸でストリートチルドレンに源泉徴収されている俺を指差して笑っている
”雑談力を磨けば大成功間違い無し万々歳フリーダイアル云々”等と書かれた看板の下で
江戸川の此岸で
うなだれて俺は（冗談じゃねえ糞ッ垂れ）が口癖の単なる一清掃業者だった
「次元が違うんだよ」と吐き捨てたトッポジージョ人形のＴＮＴが
川の底の底　ヘドロに突き刺さった

容姿も要領も悪く　女ッ気も商売ッ気も無い俺は　毎月毎月非道く血税を絞り取られた
公的医療保険制度により一生分の失敗が約束されている為　生活の縫い目は粗く
半地下の堅いＥＸＯＲに立て籠もっては　その周りにＤＤＴとＴＮＴを散布し
ＧＮＰに貢献しつつＭＶＰを目指してＳＯＳを発しているような　薄暗い貧血の毎日だった

【荷】

晩冬だった
夕陽で焦げた時雨が通り過ぎた
江戸川主流に身を任せて大きな白桃を抱いた赤毛猿が無数の若いツバメに鳥葬されているのを見付けた
俺はホウキを捨てて川の真ん中まで泳ぎ
まず濡れそぼる夢の中に若いツバメを帰し
赤毛猿の腕を掴んで此岸まで運んだ
江戸川の彼岸から
逆立ちしたトッポジージョ人形たちが懐中電灯で赤毛猿を照らして口々に言った
「いや
こいつは藪坂じゃあねえ」

幸福は全て窓の外
真実は全て藪の中
浮世の首謀者である藪坂イゾルデの報奨金は都こんぶ１年分である
夢が向上心で満ちる時　浮世が絵になって売れた
ちなみに
拾った赤毛猿にはＤＧと名付けて可愛がった
特殊工作が得意でハンダ付けに夢中だった

【散】

それからというもの毎朝
俺がＥＸＯＲの雨戸を閉めて机の上でトッポジージョ気取って空論を回せば
縁側で雑魚寝するマタニティドレスの高級女郎が上体反らしで世界新記録を更新した
しかし
如何に足掻き藻掻いても
俺の毎日は「藪坂じゃあねえ」とＴＮＴが泣いた
歩きだす足はピンからキリでもハンダでは止められないが屋外では誰にもハンデは無い
神保町で始祖鳥を見付けた
瑠璃アゲハ食って税吐いた
下馬評によれば
御徒町なら税込３０円で幸福が買えるし
中古傷アリなら更に１０円まで下がる
そして空論によっては
ロンドンブリッヂから河童橋まで
セントラルパークから新宿御苑まで飛ばされ
よりによって浮世は肌身に吸い付くような馬のなりで去り
ＤＤＴが蒸発すると煙り
そして老いたツバメが時雨のように降った

【屍】

ＥＸＯＲの電気ガス水道も止まり
俺の血液型は江戸川の底に溜まったヘドロに似てきた
髄はドブ水で骨は麩菓子に近付いた
正直もう金輪際だと思った

財布の中の血が一切合財尽きると
高級女郎も冷たい一次元に戻ってしまった
何一つ遣る瀬も無くなった俺は
ＤＧの臍の緒から尻の尾の根元を辿って青白い森の中に入った
歌舞伎町から鍛治町まで
明治通りから茜通りまで飛ばされ
国道３３９の階段を願いましては１３で割るに２６．０７６９２３０８となり
「風呂わ南無、苦痛さん親」と語呂合わせで覚えた

【悟】

江戸川の此岸で
初めての確定申告をした俺は
突飛な形の竜飛岬から調子ッ外れの犬吠埼まで飛ばされた
浮世の馬の海に向かって叫ぶ藪坂イゾルデがＤＧのカッターを撒いて幸福の値は５円まで下がり
夢の中の都こんぶで窒息する俺はヘドロから湧く無縁仏が引き裂いた浮世絵の中で大失敗を抱え
ツバメのいない空を頭から被った
江戸川の彼岸から
雑談をするストリートチルドレンとトッポジージョ人形の群れが蔑視する中
俺はひとり大失敗を白桃に変えて浮世の主流に身を任せる覚悟を決めた

覚悟は黄金のツバメになり
充血した空を飛び回った
江戸川のヘドロ金輪際にＴＮＴを沈めて「風呂わ南無、苦痛さん親」と唱え
ＤＧとハンダを背負った毎日を晩年まで絶え
「冗談じゃねえ」と「藪坂じゃあねえ」が共振し終えると
頭から幸福の藪が生い茂り
俺は血も涙も無いＭＶＰとなった

訂正　>>86　17行目　「絶え」→「耐え」

『一夜遊び』


ざくざく咲く夜桜つんざく神社で熱い甘酒を飲む一夜
点滴のようにチビチビ
酌み交わす手合いもなく
転がる堅いスチール空き缶の感触の「カン」鳴る閑寂の中に冴える勘にかかる果敢に感化されれば　敢えて
赤い欄干に上り
巫山戯て噴き出す甘酒の霧が花吹雪に乗り春一番の隙間産業に三行半を叩き付けて自己破産
俺は平成牛若丸か
隣に野良のカラスが飛び降りて
ようこそよくいらっしゃいました、と声を掛けると
カラス「お隣空いてますか」（モチロン腹話）と応え
どうぞどうぞ、返すと
「裸のハマダラカの肌は未だあからさまな斑かマラリヤ原虫にはマッカーサ元帥も諸手挙げて降参まさかの真っ赤さ！」
はあ
「肝心なジンギスカンで感じ過ぎた疑心暗鬼のカジンスキイは総スカンなど好かんし仁義は珍奇な擬人過ぎですか！」
ええと
「なまくら坊主も奈良から浜へ　奈落の浜といえばマラリアのハマダラカの体は中か！彼方のカナダか！」
うるせえどっか行け、と手刀を構えるも
武蔵坊弁慶ガラスは去らず

ところ街路灯を背後に
ときに伸びる桜の木の影と後背位
幹に耳を押し当て
導管を上る水のバネのビヨン
ビヨンを空暗じする真似絵空事
夜風のように野良の白猫が隣に
ようこそよくいらっしゃいました
「お隣空いてますか」（モチロン腹話）
どうぞどうぞ
「苫小牧産のプトマインですら無くならないのに屍毒は蛇蝎の如くナフタリンな二人も満員なら満身創痍の印鑑！」
ああ
「ノータリンの偽マリリンモンローノーリターンにして膿漏リン酸も堪りませんしモロ有りの鞠の盛り売りでも足らん！」
もうさ
「多淫者の機転にしてリキテンシュタインも生きて退院のインターンといえばプトマインは無くならないんか否か！」
うるせえどっか行け
巫女猫一つ二つ退き　吐き捨てる「即ち治世に勇を顕すは詞なり」んいゃあお
一言余計だ薄らボケ

ざくざく咲く夜桜つんざく神社で冷めた甘酒を飲み干したら仄か朝
はなからアレか　穴熊も腫れた花か
七夕も遥か彼方だ　まだかなハマダラカ
もうほっといてくれよ　うるせえどっか行くビヨン

『エレクトラ伝授★　”愛され系”はもう古い！今年の夏は”疎まれ系”でキメろ！』


皆様、如何お過ごし？
どうもー、小悪魔ロハスなエロカワ等身大セレブで御馴染みの伊崎エレクトラでぇす。

今日はねぇ、相談室はお休み。
突然だけど、そう、エレクトラ思うの、最近殊に、日本のファションに憂いてるのね。
巷のガーリーガール達に、本物の流行最先端？アッラェモード？ってやつを伝授して差し上げようと思うワケ。
そして日本ガールのファションレヴェルが上がって美しくなってくれれば、
世の殿方のハリも出てくるってもんよ。そしていい男だけエレクトラが戴いちゃおうって寸法。当然よね。
普段はガールのファションに無頓着な節穴目の殿方も、この際よくお勉強して頂戴ねー。

今年の夏、ジスィイヤァサマァのキーワードはねぇ、”疎まれ系”ね、うん。うん。
愛され系ファッション？モテ系メイク？古ッい古い、臭い！あぁー臭い！焦げたアオイソメの匂い！
その言葉、パリかミラノで云って御覧なさい、噴飯モノよ？正確には噴パンね、ていうか噴クォワサンよ、
噴ワサンして御ヘソで梅昆布茶を沸かしても嘘八百万円のお釣りが来るくらいよもう、田舎者丸出し。
あら、御免あそばせ、言葉が過ぎましたわ。エレクトラ粗相☆
悪気は無いの、許してね。

そうよね、”疎まれ系”について教えてa・ge・る。
２１世紀は女性上位の時代、これは説明しなくても分かるわね。いくら生卵頭のガーリーガールでも。
「モテ」とか「愛され」とか低レベルな事いつまでもやってちゃ駄目、時代錯誤も甚だしいわ。
それじゃ女性を”穴と袋”なんて例えられてもしょうがないわね。アナとフクロでアナクロ。産む機械、ヤる道具。
もッちろん、先進的なマドモアゼは違うわよねぇー。
「モテる」や「愛される」なんて受身な言葉の裏には、男尊女卑の差別思想が隠されていて、
その長年根付いた封建的奴隷根性を利用しているのが低俗ファション雑誌なの。まあ、どことは云わないけれどね。
ガーリーガールから先進的マドモアゼに成るには”疎まれ系”を心がけることね。

服装は極力地味に。暗いモノクロか寒色。出来るだけ肌も隠して。
毛玉や虫食いや伝線はグッド、フケ・抜け毛が付いてると尚の事良いわね。
普段のスキンケアも大事。化粧水や乳液なんて捨てて、代わりに強い化学薬品や刺激物を塗ると良いわ。
漆やアクリルラッカーでかぶれさせるなんてのも良いわね。お肌のトラブルが多ければ多い程グッド。
化粧なんてハリボテは厳禁。親から戴いた身体に色を塗って虚飾するなんて血筋の冒涜よ、無粋極まる行為。
基本的に髪の毛は伸ばしっ放し。邪魔なら切っても良いけど、なるべく洗わないように。
人間の身体っていうのは巧く出来てて、生存の為の必要最低限は自給自足出来るワケ。
だから、髪や肌の油も、体毛や体臭も、自然のままにしておくのがマストなの。
仕草言動にも気を付けて欲しいなぁ。常に三白眼で舌なめずり、貧乏揺すりで独り言（御経がマスト）
身体のあちこちをボリボリ掻き毟りながら、思い出し笑いも挟んだりしてもクールね。
エチケットとして、常に痰壷も携帯して欲しいわ。道に痰を吐くなんてルール違反は駄目。
ここでよく注意して欲しいのは、公共の迷惑になるような事は絶対にしないこと。
”疎まれる”と”迷惑”は厳然たる別物。
このギリギリのラインは、体験した者にしか分からないから、実行する前から理屈捏ねても駄目。
机上の理屈理論ばっかり立派な哲学者や詩人が、作品や実生活では駄阿呆同然なようにね。うん。
気を付けて。うん。常日頃の心掛けと実践、これに尽きるわ。

よく聞いて巷のガーリーガール。いい加減に気付いて欲しいの。エレクトラ参っちゃう。
”愛される”なんて言ったって所詮、馬鹿な男や汚い悪事に利用されて捨てられるだけなんだから。
本当の幸せは、そんな所には無いわ。いい。ね。
”疎まれる”ことによって「選ばれる立場」から「選ぶ立場」になるの。
これは、武闘派実践哲学とでも云うべき、先進的マドモアゼの指針になると思うわ。
”疎まれ”始めは、周囲からどんどん人が居なくなる。最初は辛いけど我慢してね。
冷静になって観察して欲しいの。輪の外から見ると、グループの人間関係や、個々人の人間性がよく分かるわ。
「人の心を見んと思はば煩へ。」と山本常朝『葉隠聞書』にもあるように、
ダークサイドに落ちた人間への対応で、その個人の真価が分かるものよ。
”疎まれ”ている時に、手を差し伸べてくれるガールが、本当の友達と呼べると思うの。いわゆるソウルメイツよね。
信頼できるソウルメイツは、見た目なんかで判断はしないわ。
チョット前に「人は見た目が９割」なんてのが流行ったみたいだけど、あんなものは唾痰。重度流行病のイカサマ。
”疎まれ系マドモアゼ”に対して優しく出来る男こそジェントル、本物のダンディ。
そんな人は、上辺や表層に惑わされず、どんな状況にあろうとも動ぜず揺るがず、女を守ってくれる強い芯を持っているわ。
本物のダンディと出会ったら、”疎まれ系”は卒業して、安心して本当の意味で”愛され”れば良いと思う。

なんか、ちょっと、しんみりしちゃったわね。久し振りにエレクトラも感傷的になっちゃったわ。

これからは、日本のファションも、物質的にではなく精神的に洗練されていくことで、
一流のマドモアゼとダンディが出逢って、素敵なアベクとしてオリジナルラヴしてくれる事を願うわ。

この夏は”疎まれ系”でキメちゃって！
そして巷のガーリーガールが疎まれてる中、いい男だけエレクトラが戴いちゃおうって寸法ッ★


（了）

　
『度肝玉と腹虫』
　
　
きゃつらの度肝ッ玉でも抜いてやらんと腹の虫が収まらねえ。
　
抜き立ての新鮮な肝ッ玉で作る柚子風味の度肝吸いを収まらない腹の虫に飲ませ蝶よ花よと手塩に掛けて育て、
３歳にして非常に物覚えの悪い腹の虫に忠誠と礼節を叩き込み、
水を張ったボウルの中にレモンと一緒に沈める。
ひねもすのたりトイレで気張り金張りの前張りで心臓の毛を抜いて留めたり、
三段重ねの密談を雑巾で拭いて逆行が夜鳴きするまでまったり待ったり溜まった息掻き出したりする。
よく熱したフライパンにバターひと欠けを溶かし、
ふやけた腹の虫を水気が無くなるまで炒める。
すると、
国政特別調査官が部屋に入ってきて後ろから僕の首に紐を掛けて地蔵背負いする。
なされるがまま（暴れてはいけない）産廃処理施設まで運ばれるのを待つ。
凡そ２０分、
空がヴィクトリアンモーヴから滅紫に変わった隙を突いて小声で助けを呼ぶ。
「合点だ！」の号令によって歴代の戦隊モノで黄色をしたヒーローが勢揃いする。
事前に申し合わせておいた殺陣によって皆が半笑いので大袈裟な立ち回りを見せ、
その間に僕は歩いて家に帰り、
干からびた腹の虫を摘まんで食べ、
水の無い浴槽にレモンを転がして噎び泣くと、
腹の虫が腹の中で鳴った。
「わたしまけましたわ」
（もう少し静かにしたらどうですかもう夜ですよ
「わたしまけましたわ」
（文句が有るのだら黄色いのに言って下さい
「わたしまけましたわ」
そうこうしているうちにボロ負けした歴代の黄色いのが帰宅、
大人しくゾロゾロと部屋に入ってくる。
僕が浴室を出ると皆が正座で並んでいるので、
一人一人にレモンを渡すと半笑い。
座る場所も無い僕は窓際に追い遣られ、
絶景の中に溶け込むしか術が無かった。
　
所詮は子供騙しも大人騙しも同じような方法で抜く度肝玉、
腹の虫は還暦で飛び散って噎び泣くレモンに齧り付いている。
　

　『流星尾てい骨』
　
　
「尻尾を切らせて」
「イや」
「何故」
「だってタルホ君お月様の話しかしないんだもの」
　
　下世話なデルタの土手を　ぶらつく放る一人の
　巨大な裁ちバサミを抱えて　タルホが引き摺るのは
　アルファベット２６字の中で　一番利口なやつ
　タルホ呟く「わたくし友達を作れるほど優れていない（孤独死確率９０％）」
　その上を旋回している　赤く錆びた流星
　
流星が語る”ある夜、広場で見たのは紙の無い芝居。
一大事も二ノ次で三次方程式が四面楚歌。
意味深な紋々が入った悶々な、寒天状の癲癇を持った面々、
ミニマル嗜好でマイナス予報でクオリア降臨でデジタル表示でタテノリ異常な、
オトナじみた子供達は、皆が皆、鋭い斜視で、
一昨日から来た演じ手は明後日の方向に向かって、延々と法螺話を続けた。”
　
　タルホがアルファベットを頭から齧った
　
流星が語る”ある夜、街頭の下で見た古い或る売女あ言った。
「読み書き計算さえ出来れば生きてける」
次々と走る宗教家、濃紺の踏み切り棒がハードルで、飛び越えれば快速特急と鉢合わせする。
「好きも嫌いも無い、良いも悪いも無い、何の判断もしない」
名誉毀損鳥権救済運動によってアホウドリの改名がなされる海の日。
「ググってウィキりゃあ分かるんでしょ？」
古い或る売女あがン百万匹分の鶏の遺灰に、ゆっくり埋もれた”
　
　タルホがアルファベットを平らげた
　
流星が語る”ある夜、汚い海に沈められた一家を見た。
二度と救われない沈丁花、何も報われない扶養手当て、
誰にも望まれないヒイラギ、夢も希望も無いエレクトーン、
生きるに牙、死ぬるに蔵、
願わくば挫かれるハガネ、望みしに殴られるタマゴ、
信じる者はシクラメンつまり新目盲つまり白目君つまり目詰まり鼻詰まりを笑う鋼鉄製ドングリの親子丼、”
　
　話の途中　タルホが巨大な裁ちバサミで流星を胴体から真っ二つにすると
　赤錆が苦しい雹になって降り
　デルタのに刺さる墓標のような流星の尾てい骨が土手に体重をかけ
　赤錆を中心にして月が衰弱し　やがて消え
　タルホの胃の中で　アルファベットが海になって一晩中荒れていた

　
　『闖入！ＡＬＬＮＩＧＨＴ　ＤＡＮＫＡＩ−ＲＡＶＥ』
　
　
現代、メディアやインターネットの普及で個人の情報発信力が発達し、それに伴い通報や内部告発が増加、
集団による凶悪犯罪の実態が顕わになりはじめた。国家・法人・政党その他の団体における情報隠蔽や保身体質なども問題になっている。
　
我々取材班は、組織団体やイベント祭事などに見られる集団の半狂乱と、「感応精神病」という病状との相似関係について調査を開始。
と或る日の都内某所を訪れたところ、偶然にも信じられない現実を目の当たりにした。
不定期に行われているというレアイベント『ＤＡＮＫＡＩ−ＲＡＶＥ』に遭遇したのだ。
　
我々は一日中取材を続け、疲れ果てながらフラッと地下の某安酒場に入った。
ときは宵の尾、こころは徳の背、草臥れたスーツ姿の妙齢男女が集い、煙草と日本酒と焼き鳥を掲げてギーガー叫ぶ中、突然それは始まった。
（我々はアルコール類を飲み食いしていた訳ではなく、あくまで取材の為の潜入であった事を此処で強く断言したい）
そこには一切の真実は無く、ただの妄想と刹那な満腹だけがあった。
朝が明けるまで続いた乱痴気騒ぎの、一部をここにご紹介しよう。
　
　大音響のＢＧＭが止まり、アナウンスが始まった。
　
「やってきたぜＤＡＮＫＡＩ−ＲＡＶＥ！月に一度のお楽しみ！今夜のMCは人気No.１！
製薬会社勤務53歳ＤＪ．ＵＯＮＯＭＥ！HeRaggin'chilloutHeySayYoo聞いてチョリソー”平成柊”！」
　
　[16beat.60bpm]
　
よう聞け社会の歯車　案ずるな俺もその一部さ　今宵は祭りだゼロナナ　ノリは尋常じゃなくそのまま
親のスネしゃぶる糞ガキも　私腹肥やす上流層も　すっこんでな此の社会は　俺ら月賦奉公が支えてんのさ
酔いどれて踊れ　貪欲に食い倒れ　俺はデージェーウオノメ　イカすビートでライムを飲み込め
昭和はSHOWだと御　唱　和　下　さ　い！

　
　[track01”平成柊”]
　
新橋から来るシンパシー　飾る柊散る合うと平成よ！　＊繰り返し
　
永劫回廊お家へ帰ろうマイホームパパが聞いて厭きれるわ
幸福は遥か過去に置いてきた希望は死よりも当分先　闇の中
見ろよコンクリのビルの谷間じゃあポリバケツの中で涅槃の夜半
ノンポリ気取ってノンビリあるいはビリケン拝んでビリケツか
格差社会じゃ二者択一が条理だノンシャランで卓越風に乗るか頭を剃るか
構えは上段　いじくるのは花壇　思考は中断して揺らせ三段腹
敗者の俺が見た正夢なら芋ロック浴びて死んだミミズのような寝相
覚悟は四畳半フォークと共に終わった　遣り切れない哀しみがガングリオンで残った
鬼の寝る間の冷たい晩酌のアテは　メ　ザ　シ　だ　け！
　
新橋から来るシンパシー　飾る柊散る合うと平成よ！　＊繰り返し
　
団塊の下は十三階段　冤罪何回食らえば済むか
濡れぎぬ頭に被って「変態」言われて窒息して倦怠
人様の足蹴十把一絡げ　無駄毛と等価の人生が嫌で
鳴り響く鐘の下で　舌を噛めば鉄と　重曹を混ぜて焼いた味がした
更にリーマンが恵まれた奴隷であるならば　資本家が支配者で調教が仕事か
一億総従属する囚人　産まれつきの無期懲役の奈落
二十キロの三重苦を四十肩に背負い五重の塔を登り六十歳過ぎても働かねばならぬのは苦汁だ
刺々しい黄金の羽を掴んだと思ったら　単なる柊の　葉　つ　ぱ　だ　つ　た！
　
新橋から来るシンパシー　飾る柊散る合うと平成よ！　＊繰り返し


　　　（了）

　
　『errorS0S　かける言葉が見つかりません』
　
　
使いそびれた言葉が毎日、
咽喉の奥で反芻し、気管に入り、苦しく噎せ、
毎夜毎夜、虚言の形式で咳き込むのでした。
　（ビーーーーー　ビーーーーー　ビーーーーー　
虚言はカーペットの上に落ち、芽を出し、一瞬で大木になっていくので、
既に部屋の中は、四角い樹海であり、
朽ちた方角はヒエログリフのように、
学者か好事家以外は、誰も彼も読み方を忘れてしまいました。
　（ビーーーーー　ビーーーーー　ビーーーーー　
”エラー音が鳴る場合：
　コミュニケーション不成功を意味します。
　至急、サービスセンターまでお問い合わせ下さい”
　（ビーーーーー　ビーーーーー　ビーーーーー　
疲労した蛍光灯がヂヂヂと蚊の飛ぶような声で点いたり消えたりし、
その度に部屋の中が数秒間毎に切断され、
部屋の中の明度彩度を線グラフ化すれば使い古しのノコギリの刃のような形なるだろう。
　（ビーーーーー　ビーーーーー　ビーーーーー　
等と考えながら使い古しのノコギリで虚言の大木を切り続けましたが、
いつまで経っても空は見えず、
体内時計と気温だけで、昼と季節を数えていました。
　（ビーーーーー　ビーーーーー　ビーーーーー　
失語症の方角が目の前をうろうちょろして邪魔をするので、
まあ、そのうち、過ぎ去るだろ、と思い、
ひたすら咳き込んで、ぼうと、蚊の演説を聞いていました。
　（ビーーーーー　ビーーーーー　ビーーーーー　
数秒後には、
部屋の中が大木で飽和して、とうとう蛍光灯が切れてしまったので、
サービスセンターに電話しようと思ったら、ヒロエグリフと線グラフが喉に詰まって窒息していました。

　
　『改定・トリアゾラム0.125mg錠』
　
　
【一】
　
　
　春の倍音。
　
その色素の薄い、一斤染された肌に、低気圧は粘るロを開き、螺子で巻いた舌を這わせる。
常識が全身で身悶える。
振動する音幅の内部には、不幸を装った透明な労働者が充満している。
収縮する体感時間の蠕動が、土くれを連ねながら私の肉に禍々しいセルライトを作る。
倍音がONになると春が禁色に変わり、仇がOFFになって常識が裏返る、
　
分化していくどんどん。
　
この、悪性腫瘍を身ごもった背中の上ではヨロズの神が丸くなっている。
この、未成熟の扁頭体から半分凍ったままの記憶がずるずると落ちる。
　
電信柱の陰から逃げる、
イチジク形の象の頭部が、
花屋のカスミソウの根に隠れて、
牛丼特盛ツユダク生卵付を食っている。もしも、
　
もし言葉にも詰まったら。
こう唱えればいい「イデアのアイデアでボルビアにボルビック撒くゾディアックがオルガノのオルガン叩いて宦官
　ガリ版刷りのゲル状のミノトールで以ってザルの目くぐってゾル状のサンサーラへ羅列で業々！」
　
　｜　私、には足りない、考、える時間が、まだ。まだ。
　

　
【二】
　
　
中古TVに刻まれた走査線のような斜線が、街を千切りにする。
その、錆びた雨。
双頭の蛇が美味しい尾を奪い合うと威嚇が陰陽模様の筆になって走り、
クラインの壷を平面図形に展開して四隅をメビウス環で結び、
私は最も古い規格の螺子を形態模写して立ったまま眠る。
（ここで計算してみましょう）
『
　風景の吸引力ｘ（性の飢えａ＋定理の抵抗ｂ）÷万物の逆旅ｙ×百代の過客ｚ＝ｐ
　（視界の鬱滞性皮膚炎ａｘ＋引力と斥力のバランスｂｘ）÷鋳造された水滴の自然落下速度ｙｚ＝ｐ
　曲線の牢獄ａｘ／ｙｚ＋裂かれた空間から見える結晶ｂｘ／ｙｚ＝ｐ
　不確定性独房ｘ（ａ＋ｂ）／ｙｚ＝ｐ
』
解ｐを右手に持ち、
空中にだらけている青銅の釣鐘を打ち鳴らす私。
しかし誰一人として三半規管を狂わす事は無い。
私の肩に喰い込む水玉な陰陽模様の蛇の螺子、というか形式の無い鎮墓獣の牙、が痛い。
錆びた雨は止まない。
濡れた意識はより清明になり、認識の卒塔婆が足元から地平線に向かって次々と突き刺さっていく。
翳るに咎無くて湿る螺旋の私が回るハラワタ輝く。
　
　｜｜　メタサディスティックな民主主義的女王様とゴーストノートを毎日交換したい。
　

　
【三】
　
　
徹底的に整備され尽くした並木道。
国土交通省指定の立ち位置に、ずんぐり伸びた真鍮製真性包茎。
その間を縫って等間隔で植えられたアバタ女郎の、発育の良い枝が、
白日の放つ”やりきれなさ”を隠蔽して、
道をいくらか見栄えの良いものに誤魔化す。
そんなアバタ女郎たちの中でも一番若い娘である吉野染井嬢（仮名）も、
二十歳になる寸手の所で、酔った仇に散らされる事となる。
仇の唯一神で貫かれた処女膜からは知恵遅れの北風も漏れてはいたものの、
台地生まれである吉野染井嬢の倫理には一切の誤字脱語も無かった。
　
禁色の車道に、
ミズクラゲが干からびている。
コウモリダコが干からびている。
ダイオウタテジマウミウシが干からびている。
　
瞬間、
著しく退化し、
喃語遊びを始める私。
「あ、
　えぅ、
　お、
　う、
　おぁ、
　あぇ、
　いぉ、
　えぅあ、
　ぉうあ、
　いぅえ、
　いぇいぇ」
し、
し、
子音を取り戻した代償として羞恥を喪失する私。
鳩尾に鈍重な幻を食らいゴーストノートを開く。
　
　｜｜｜　泥化した、自律神経に、言語の苗木を、植え続けている、最中。
　

　
【四】
　
　
各種感受器官が減衰しないように目を見張る。
まして空白を敷き詰めた実験室でもあるまいし、
慌しく準備された風景はハリボテの如く時代の上に白旗の群れがはためいている瞳孔を開く。
　
墓石状の資本論に雪崩れ込む群青色の妻帯者。
　
雑踏、字の如く、乱雑な舞踏、大雑把な型と申し訳程度な即興の鳴門渦潮。
　
配達ピザのパンクでサイケでカラフルなバイクは規則によって靖国神社に突っ込む。
　
中学女生徒は中央市場にて卑語で競売にかけられている。
　
アンチニヒル加工を施された信号機からは一切血尿が出ない。
　
新世代の社会人たちは正午以降は感触を否定した幽霊になる。
　
白日の高架橋下では、チビＴシャツを着た女性の輪郭があらゆる実権を握っている。
　
助六寿司弁当弁当の、潰れた米粒からは既に、明日の太陽の匂いがする。
　
畢竟、全ては便器に落とされる手配が整っている。
　
　｜｜｜｜　懐かしくもない思い出に何百枚と捜索願を出す。
　

　
【五】
　
　
肉片のように動く人影の羅列は、
象牙の箱庭の中でパーツ毎に鋲打ちされ、
禁色の上で仁王立ちする白日の陰険さよって、
ひとつひとつにシリアルナンバーが刻印されていく。
　
私の感覚はいよいよ般化しつつある。
　
「甘いの呉れ」→「あまぁいのんくれぇ」→「A mine'on clay」
　
甘ったるい舌から滑った楽観のアクセントが、粘土になって喉の奥で膨張する。
　
軽蔑で煮詰められた私の血で、一切の幾何学を排除した呪詛を描く。
　
立ったままの卒塔婆に寄り掛かる常識が、項垂れて苦笑する。
　
　｜｜｜｜｜　明日には全て裏返る、なにもかも放っておいて私はハラワタを鳴らす。
　
　
　（了）

訂正
>>101　助六寿司弁当弁当→助六寿司弁当
>>102　陰険さよって→陰険さによって　

少しずつ暖かくなって参りました。これから先の五月病や夏バテなどに備え、今から体を鍛えて健康に気を付けましょう。


●月刊実話ナップルズ2007年4月微増刊号

>>82-87　『Not YABUSAKA in EDOGAWA』
>>88-89　『一夜遊び』
>>90-92　『伝授★　"愛され系"はもう古い!今年の夏は"疎まれ系"でキメろ!』
>>93　『度肝玉と腹虫』
>>94　『流星尾てい骨』
>>95-96　『闖入!ALLNIGHT　DANKAI-RAVE』
>>97　『errorS0S　かける言葉が見つかりません』
>>98-103　『改定・トリアゾラム0.125mg錠』


ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
全ての宛先はコチラ迄　→　[email protected]

　
『溺死サウンズ』
　
　
よく考えろ自分はどうしてこんなことになってしまったのか
　
人は度々掘り起こす発酵した過去を
切り売る
食い物にする
こねくり回す
手に取り眺めて又埋める
うねる虹に辛苦の滲む日々や線上を走る豪雨に溺れ
ものみなあはれ皆右回れ
青白く水ぶくれた頭を両手に抱え
焦げたように湿る黒い足跡を重ね
ぶよぶよの体を土葬する場所を探し
傘の形のスコップを引き摺り歩く
　
　ずじずじず
　じずじずじ
　ずじずじず
　じずじずじ
　
泥沼に浮く上体を打つ豪雨
どいつもこいつも鼻歌うたう
　
響け溺死サウンズ！
腐葉土は河童と川に流れ
剥き出しの過去があちこちで自縛霊の役になって立つ
　
響け溺死サウンズ！
渇く体を捨て行き焼く餓える断層に連なった言葉を収集し
もう自分を埋める場所はどこにも無い
　
響け溺死サウンズ！
やる事なす事この先の見通しもお見透しの勘が得る要領が唸るに価値任す
何事も水に流す加速する水入らず
　
響け溺死サウンズ！
残った世界の骨の土俵の上
塩の種を撒き両足で立つ
当たらぬ八卦も良い残った世界も発見して不思議が濡れ手に溢れ
どいつもこいつも鼻歌うたう
　
響け溺死サウンズ！
　
よく考えろ自分はどうしてこんなことになってしまったのか
　
　
　(了)

　
　『制裁！エラトステネスの篩』
　
　
現在、都内を中心にしてある団体が話題になっている。
昨今報道されている官僚や警察などの怠慢不正に業を煮やした勇士によって結成された民間団体「エラトステネスの篩」である。

――“エラトステネスの篩”とは、数学で用いられる組織的に素数を求める最有力の方法である。方法は次の通り。
1から10の行を100まで列で並べた自然数の表から、
�@2を除く偶数と1を除く
�A残った3の倍数を除く
�B残った5の倍数を除く
�C残った7の倍数を除く
そして残った25個が100までの素数である。
以上の方法は、手間さえ厭わなければ何処までも続けられる――

腐敗した機関を篩に掛けるという志の下、彼らは正義を名乗り暴力で世直しを続けている。

結成されて半年、税金横領や賄賂などの様々な不正行為が減少傾向にあるという。
また、万引きや放火、強盗や強姦なども驚異的な速さで減少しているそうである。

「エラトステネスの篩」の構成員の人数は不明、また印も制服も無く、一般人と見分けがつかない為に、世間全体がパノプティコン化しており、相互監視状態によって治安は異常な程に強化つつあるようだ。
　

　
我々取材班は、エラトステネスの篩に制裁を受けた経験があるという上谷鰻秀(仮名)さんに話を聞く事が出来た。
「高３の時です。その夜は僕たち仲間６人、独り暮らしのＺの部屋で飲み会をしいました。
盛り上がったノリで同期生のＡさんとＢさんを輪姦しようとしたんです。
泣き叫ぶのを１人が羽交い締め、１人が犯すというやり方で。
その時、ドアと窓を破ってエラトステネスの篩が入ってきました。
服装は普通でしたが皆様、鬼のお面を被ってらっしゃいました。
落花生のお菓子についてくる紙の。20人以上でした。
おばさんのような鬼に手を引かれてＡさんとＢさんが部屋から出た後、
仲間４人が羽交い締めにされて剃刀でペニスを切り落とされました。
傷口にガーゼと保冷材を当てて彼らは去って行かれました。
目を冷ましたら病院でした。
警察にも行きましたが、婦女暴行未遂という事で逆に捕まりました」
　
人々の内に抑圧されていた良心や正義感が鬼の面を被り、
集団と暴力によって犯罪を未然に摘み取っているという姿が、ご理解戴けただろう。

読者の方々も、重々気を付けて戴きたい。
「エラトステネスの篩」にではなく、犯罪や不正を赦してしまう自分に。
　
　
　(了)
　

　
　『石少義女末 -snuggly might-　〜溜池山王駅前外伝〜』
　
　
　
人の記憶は一日で砂になる
そして跡形も無く崩れた後は　命の不安定な支持地盤になる
　
（先月一昨日、引き篭もっていた妹を外に連れ出した溜池山王駅前の喫茶店に）
　
「紅茶好き。砂糖入れまくり」
　
＜シュガーポットの砂漠をステンレス鋼の旋風で掻き回しながら紅いオアシスに注ぐ甘い砂で餓える舌が巧く乾いた＞
　
流れるものは強い
そして連続体力学に則り
時代に定位置を持たない彼女は何者よりも強いと仮定される
　
「本命卦だとあたし乾だから、東がよくないんだよね、凶方位って言って」
　
（風水なんて当てになんのか確率と量子より舌と勘の方がよく当たるっていう民間信仰の摩訶不思議）
　
気圧は西高東低　気温が持ち場に配置される
風は北から南に　砂は上から下に流れる
地球も精神もマグデブルグの半球　真空である間だけよく回る
　
（食後に特大チヨコレイトパフェを注文した妹が残したら貰うつもりだった）
　
「こんな山盛り。食べ切れないって普通。ねえ？」
　

　
風に水に侵食されていく動かざる山の如く砕屑粒子
山から岩
　岩から石
　　石から礫
　　　礫から砂
　　　　詰まる所
水はより低い位置に流れ
砂は底辺に宿る
　　
（しかし妹は一人でペロッと食べ切った別腹ってのはこのことか底無しの胃に貪欲が味方したか）
　
＜時間の犬歯に噛み砕かれたステンレス鋼は飛び散り太陽に焦がされて砂鉄になり
　地下から染み出す海洋深層水で湿る骨に砂鉄がまとわりつき
　地面から引き剥がされた影のように立ち上り
　黒い矢印になって地獄を指した＞
　
深海には盲しか棲めない
砂漠には蛇蠍しか棲めない
重さは力も判断も奪い
引力は弱さと愚かさに付け込む
　
（でも人の命は重さではなく速さで計るんだろうそうじゃなきゃ不公平じゃないかあんまりだ）
　
妹は社会の底辺で脱水症状を起こしている
妹は手で砂を掘って地獄の中心で蟻と叫ぶ
妹は太陽と至近距離で自己を実現している
妹は＜黒い鉄の骨が甘い砂の中に沈んでいった＞
　

　
湿り気、
硬さ、音、
癖、声、味、
温度、感触、匂い、風貌、
円磨度、表面形態、鉱物種、化学組成、粒度、
　
「遺族を代表し、一言ご挨拶を申し上げます」
　
（先週、妹は首吊縊死で発見されたというか第一発見者は俺だったドアを開けたら下腹部があった
天井にパソコンのケーブルを束ねて吊るし首を掛けて白目を剥き床が小便とうんこで溢れ返っていた
筋肉の弛緩によって膀胱や大腸に溜まっていた内容物が全て排出された為だ目の当たり尿の溜池に糞の山
それを片付ける俺はさしずめ土地開発業者かっつてニヤニヤしたどうしようもない時ってのは笑うしかない
濡れタオルで妹の身体を拭き服を着せ替え生まれて初めて生で見た女性の肉体は妹の裸だった俺は激しく泣いて
砂を噛むような音で崩れた背中を西日が焼いて温かかった）
　
＜天井から盲の蛇蝎が垂れ下がり　腐敗した池と鬱血した山を吐いた
　手は暗い風になり　涙は苦い川になり　慈悲が霧雨になって降った
　あらゆる敗北は無差別に混ざりながら　深みに向かって流されていった＞
　
（結局、僕は妹を愛していたのに何も出来なかったまま）
　
「本日は誠にありがとうございました。」
　
砂がどこまで砕けても無くならないように
記憶はより速く流れ　命はより深みに埋もれ
人は一生をかけて砂漠と深海の惑星を作る
そして最後は心地良い重力だけが目を見開いている
　
　
　（了）
　

訂正　>>110　10行目　誤：俺→正：僕

才能の無駄使いなスレはここですか？

ttp://www.youtube.com/
ここに詩を投稿してみてはどうでしょう？

　
　『辻斬り！ドードー広告(秘)評　No.002』
　
　
ごきげんよう。このコーナーも２度目ですね。筒桐銅胴（つつぎりどうどう）です。
このコーナーの趣旨は「広告を批評し、その面白さを理解していこう」というものです。
今回は２つの広告を取り上げてみましょう。
　
　
１．
　才能の無駄使いなスレはここですか？
　
２．
　ttp://www.youtube.com/
　ここに詩を投稿してみてはどうでしょう？
　
以上は、神田佐久間ヴィジュアルアーツスクール（ＫＶＳ）さんの広告です。
　
まず、１から見ていきましょう。
文中の「スレ」とは、1897年に片山潜によって東京神田三崎町に設立されたセツルメント「キングスレー館」を指すものです。
（詳しくはWikipedola「隣保館」などを参照して下さい）
また、東京神田には多数の私立大学や医療機関が存在し、
世界最大の古本屋街が在るという事もあり、この周辺からは数々の文化人が世に出ています。
そして、ＫＶＳさんの最大アピールポイントは「文学とヴィジュアルの融合」だそうです。
　
驚く事にこの広告は、他の地域はおろか、他の映像系専門学校の校舎内にまで張られているそうです。
（内情としては、高額な短期アルバイトで他校学生を雇い、ポスターを貼らせているという噂です）
　
これらの情報を合わせて考えてみます。
ＫＶＳさんは他の学校を「（キング）スレ（ー館）」と揶揄し、
その学校で勉強する事を「才能の無駄使い」とまで言い切り、更に、
事情を分かった上で「ここですか？」と語尾を疑問形にする事で、広告はより一層皮肉さを増しています。
最後に「そんな所で学ぶよりも、我が学校へ」という自信と共に、連絡先が示されています。
（尚、内容に人権的な問題が含まれている為、現在この広告は中止されているそうです）
　

次に、２を見てみましょう。
アドレスからも分かる通り、このリンク先は有名な動画共有サイトY0UTUBEです。
勿論、”動画”が主なコンテンツであり、詩どころか文章のアップロードに適したサイトではありません。
そこに「ここに詩を投稿してみてはどうでしょう？」と薦めているのは、一体どういうことでしょう。
　
現在、携帯電話やインターネットが発達し、ほぼ全国民がウェブに参加する事が出来ます。
ワンセグの普及、そして地上アナログテレビジョン放送が2011年7月24日を以て全国一斉に終了し、
地上デジタルテレビジョン放送が主流になっていくという事もあり、
デジタルコンテンツとしての映像が重宝され、これから動画の価値は益々上がっていく事が予想されます。
つまり、詩という、母国言語で綴られた閉鎖的な内輪のコミュニケーションではなく、
動画という、非言語で綴られた動的な詩によってユニバーサルアクセスなコミュニケーションをしよう、
更に言えば、国際的視点による文学の必要が迫られている、という近い未来が示唆されています。
　
映像技術を学ぶだけならば学校は数多ありますが、
「詩的表現による”映像の文学”を目指す作家を育てる」というのがＫＶＳさんの方針と狙いです。
　
この他にも、過去の広告を見ると、
「Dead-seinとDesign。やるならどっち？」
「君が生まれる。ＫＶＳがアートとブンガクのマッカァになる」
等の挑戦的な宣伝文句が特徴です。
　
　
口頭伝承の吟遊詩人は活版印刷によって猿轡をされ、
デジタルデータによって紙面という物質的肉体まで奪われ、
既に幽霊になってしまった現代詩を映像技術によって蘇らせ、
新しい文学による逆襲の波を煽情するという、
ＫＶＳさんの自信と自負が伺える、非常に優良な広告であると言えるでしょう。
　
　
　（了）
　

　
『驚異！地獄の虐待から生還した幼い四銃士』
　
　
ＡＸＰ通信によると、
１９９４年から７年間に渡り愛人の子供４人を継続的に虐待していた３８歳の男エンニコ・ニコールが、
２００１年２月のまだ寒い夜明け、全裸で北ルコマールの軽罪裁判所に自ら出頭した。
　
事の経緯は以下の通り。
　
男は先祖代々からの重度アルコール中毒患者で、以前にも未成年者虐待で有罪を先刻された事があった。
トッド＝リー県クライヨシイシンの愛人自宅で男が行った虐待の中でもとりわけ酷かったのは、
トイレが汚いからといって、２歳から１２歳の４人の子供に糞便を食べさせるというものだった。
その食べさせ方も徹底しており、四角いテーブルの四辺に子供たちを座らせ、
綺麗なテーブルクロスの上に、フルコース形式でエンニコが次々と配膳するという手の込みようだった。
（或る日のメニューを例に挙げてみよう。
血尿のアペリティフと兎糞のクラッカー乗せ→グリーンカレー翌日の下痢スープ→
未消化白魚の軟糞和え→胃液のソルベ→牛筋入り硬糞ハンバーグ→
オリーブとコーンの半醗酵サラダ→恥垢ベイクドチーズケーキ→処女の朝一番鮮尿エスプレッソ）
テーブルマナーの躾も厳しく、食事が終わるまでエンニコは厳しい目で子供たちを管理したという。
しかも人間の大便が無くなると、飼っていたナウマンゾウの糞便で代用したという。
　
愛人をレイプしていない時には、（退屈を紛らわす為だけに！）彼女の二人の息子に殴り合うよう命じ、
こう言い放ったったという「負けた方は顔に痰を吐きつけられる。人生では勝てなきゃ駄目だからね。ハッハ」
二人の息子は真剣に殴り合い、顔面の骨が変形するまで試合は終わらなかった。
エンニコは公平なジャッジを下した後、気絶した二人をベッドに運び、優しく介抱した。
　

　
そんな日々が何年も続くうち、子供たちは成長した。
　
一番下の子供に１０歳の誕生日が近付いた。誕生日のディナー、４人の姿勢は完璧だった。
年齢にそぐわない程落ち着いた紳士淑女のマナーや身のこなし、一挙手一投足が美しかった。
また、尿糞便を常食していた為、消化にも良く、栄養も摂り過ぎず、４人は完全な健康体であった。
二人の息子は、暇さえあれば東西の武道の技術や知識を学び、
自主トレーニングを重ね、喧嘩の実践によってその格闘は洗練されていった。
　
清く正しく美しく育った４人の子供たちを見てエンニコ・ニコールが微笑むと、
一番下の子供はバースデーケーキ（黄色硬便に赤子の軟便をデコレーションしたもの）の蝋燭を吹き消した。
暗闇、その瞬間、二人の屈強な息子はエンニコに飛び掛り、蛸殴りの袋叩きにし、
４人はその腫れ上がった顔面に向かって順番に痰を吐きかけた。
「父さんは言いました。人生では勝てなきゃ駄目だと」一番上の息子が言うと、
もう一人の息子が蹴りながら出した指示によってエンニコ・二コールは服を脱ぎ、
笑顔と共に家を追い出され、自ら出頭した、という次第である。
　
親の心子知らず。
どんな状況であろうと、親の愛は見えない形で子供を育てているのである。
　
　
　（了）

　
『速報！国生資格と現状』
　
　
先日、「国民生存資格」の第三回合格発表が行われた。
（受験番号は、市区町村の住民基本台帳に記録されている11桁の住民票コードとなっており、
発表は各役所かホームページで確認出来る。詳しくは役所窓口まで）
　
「国民生存資格」（通称・国生資格）について。
環境の汚染や破壊、人口の増加や一般モラルの低下、
また価値観の多様化と時代の移り変わりによる人権の再検証など、
様々な問題への対策が国連で議論された末、
全世界で決定された新憲法「全国民生存法」の制定に伴い、
国民全員が試験を受けるよう義務付けられた国家資格である。
　
「わたしなんか生きる資格もない・・・」
皆さんも耳にした事があるだろう。
今までは冗談半分な自己卑下の常套句であった”生きる資格”が、現実のものとなったのである。
　

　
初めは満6歳、つまり小学校入学時に試験を受ける。
資格とあるが、段級位制になっている為、最初は１０級から始まる。
以降、隔年毎に試験は行われ、自主参加という建前になっているが、ほぼ全員が毎回受ける。
受験資格は国籍が有ること、受験料は２０００円と手頃である。
合格者は、「国民として生存する資格」と、その免許が得られる。
　
試験内容としては、筆記、運動、健康診断を基本に、
各種教養試験｛ＩＱ(Intelligence Quotient)、ＥＱ(Emotional Quotient)、ＳＱ(Social Inteligence)｝や、
面接、外国語、コミュニケーション能力、専門知識と技術、趣味特技、ドッキリ企画など、
年齢や段級と共に項目が追加され、様々な側面からの試験が行われる。
　
試験は隔年４月に実施さる。
その際、資格と各免許の更新の為に、簡易的テストも同時に行われる。
簡易テストは、筆記と健康診断のみである場合が多い。
　
http://zetubou.mine.nu/timer/file/bomber41383_d30.jpg
（挿絵：ジャップ糞蛆）
　

　
国生資格と段級位は人権に代わるものであり、
今後はほぼ全ての人格もこの資格で判断されるようになるだろう。
今までは、人種や育成環境、出身地や最終学歴、経済的事情や性別や性格、
不可避な要因による不条理な差別や偏見が後を絶たなかったが、
国生資格は、どのような人物でも上を目指す事が出来、
受験料２０００円以外は本人の生活と努力次第なので、
従来の人権と比較しても、より平等に近付いたものと言える。
尚、この資格は全世界共通なので、海外でも同様の効力を発する。
　
社会生活で一般モラルを逸脱した者（俗に言う不良、ＤＱＮ）には免許の減点と規制を行い、
あるいは、規定以上の重犯罪を起こし有罪が確定になると、資格は剥奪され、
文字通り「”生きる資格”が無くなる」のである。
こうなってからが酷い。
配布される”真っ黒なヘルメット”の常時着用が絶対義務とされ、虫ケラ以下の扱いを受ける事になる。
　

　
最後に、資格剥奪の前例を紹介しよう。
　
ケース１
　恐喝や集団珍走を繰り返していたＡさん当時１８歳は、６度目の逮捕で資格を剥奪された。
友人や近所からは村八分にされ、両親には虐待罵倒中傷を受け、
町に出れば陰口と蔑視を受け、小学生からは蛙や腐った生卵を投げつけられる日々。
暴力を受けても防衛以外の抵抗や反撃は一切許されていない。
なんとか規定の受験停止期間の解除まで耐え、再度資格を取得し、現在は自宅警備員。
　
ケース２
　ドラッグを売買していたＢさんは、摘発による逮捕と同時に資格を剥奪された。
恋人には蛆虫のように見捨てられ、アパートからは強制的に追い出され、
貯金で食い繋ぐものの数週間で底を尽き、人目を避けて徘徊しながらゴミ箱を漁る毎日。
黒ヘルを見つけられると、中高生やホームレスに遊び半分のリンチを受ける。
人権も無い為、自殺も許されていない。
しかし身寄りも無く、元々精神的に強い方ではなかったので、
市役所に特例者として申請し、無事に審査を通過した後、安楽死制度によってガス処理された。
　
http://zetubou.mine.nu/timer/file/bomber41384_d30.jpg
（挿絵：ジャップ糞蛆）
　
　
皆さんも、国生資格免許の点数には日頃から気を付けよう。
　
　
　(了)
　

　
　『卑劣！悪徳ブローカーの巧みな手口』
　
昨今、人々の株への関心が高まっている。
デイトレーダー（日計り取引）と呼ばれる手軽な株取引が一般的になってきており、
経済の知識がなくても気軽に始められる為、主婦や若者の間でもブームになっている。
デイトレーダーで味をしめた方は、実際に証券会社にも足を伸ばすかも知れない。
そこで注意して戴きたいのが「未公開株ブローカー」である。
未公開株ブローカーとは、怪しい未公開株の話を無知な投資家に持ち込み、
「今後予定しております上場がなされれば、何倍にも化ける未公開株を、貴方だけにお譲り致します」
等と甘い話を持ち込み、その空白の株によって莫大なブローカレッジ（手数料）を得る者の事である。
株に手を伸ばす素人の被害報告が水面下で増加しているそうだ。
　
今回、我々取材班は元悪徳未公開株ブローカーであるソーシーサール氏に話を聞く事に成功した。
　http://zetubou.mine.nu/timer/file/bomber41526_d30.jpg
　↑ソーシーサール氏（プライバシー保護の為、顔にはモザイク処理を掛けさせて戴きます）
「まあ簡単でしたよ。元々が何も知らないで株やってる連中ですからね。
まずは格好からですね。縦縞スーツに、￥や＄マークの入ったネクタイです。
耳に赤鉛筆を挟んで経済新聞に沢山ラインを引いておくんです。大概の初心者はこれで信用しますね。
一番引っかかったのはー、えーと、鑑賞兼食用コウガイビル株かな？ええ。
コウガイビルってのは生命力が強くて、千切っても分裂して再生しますし、
外見も異様で面白くて、動きも愛嬌があって、”癒し系”っていうの？そういうの。
今後の世界的なエネルギー枯渇と食糧難に備えて、数年で驚異的に伸びると言ったら、
それこそ入れ食いですよ。パクッと。あとは生け簀の鯉。１０株でも２０株でも買わせます。
勿論、実際はそんなもんありませんよ？ちょっと考えれば分かりそうなものですがね。
所詮は金銭なんて虚構の通貨ですから、ええ。株券に変わってしまえば感覚も麻痺するんですよ」
　
皆さんも注意して、慎重に未公開株を探し、どんどん購入して戴きたい。
　

　『無教養だすゲまいね虫』


【１】

器質性勃起不全を患った男と、深達性弐度熱傷を負った女が、滝の渓谷で向かい合わせ。
その間に、
煙草の空き箱で作った小さな傘。
その下に、
小さな山椒魚が串刺しにされている。

山椒魚は考えた。
＜雪が消えててさ。けだし春だわーて思って出てきたらこの有様。遣り切れんよ全く。＞
男は黙って枯れ木を焼べる。
（山椒魚は生命力が強く、体を半分に裂いても生きている事から別名ハンザキとも呼ばれる）
女は燻りに目を釘付ている。
（古来より“淫魔の魚”と呼ばれ、人間を色情狂にする魔物であるとも言い伝えられている）
薄い煙が山椒魚を包み始める。
（黒焼きや燻製は、強壮剤や胃腸、肝病などの妙薬として現在でも珍重されている）
男が枯葉を投げ込み、
「重罪人は山椒魚に生まれ変わって罪を償うんだって」と言うと、
女は応えず、
＜いい加減に堪らんなあ煙たいったらありゃあしないよもう、どうしたもんかね＞
のたうつ山椒魚を見ていた。

【２】

そこに蝿が飛んできた。
ヂヂヂ｛おまへはもうすぐ死ぬんだシピャピャピャ！｝
＜うるさい糞でも食べてろ＞
ヂヂヂ｛あんなもの食う訳ないだろ。舐めるけどねシピャピャピャ！｝
＜どっか行ってくれ変態＞
ヂヂヂ｛あんた死んだ後どうなるか知ってるか？｝
＜知らない。見たことも聞いたこともない＞
（”教養”とは、”強要”と同音異義である事からも分かるように、
　知性という居丈高な権力から振り下ろされる強制的な要求です）
ヂヂヂ｛いつでも私らのような無知蒙昧な低階級者を侮蔑的に扱って下さりマッスル！｝
＜そりゃどういう意味だ＞
ヂヂヂ｛シピャピャピャ！マッスルマッスル！肉体の軽蔑即ち暗い命の舞踏シピャピャ！｝
男は持っていた枝で蝿を払い、
＜まいね（津軽弁で”駄目だ”の意）、まいね、俺の命は既に火にも秤にも掛けられてしまった＞
「なかなか大人しくならないね」と言って山椒魚を突いた。
＜教養からも舞踏からも見放されて我輩まるでコレラ患ふ鼠である名前は無いだす｛シピャピャ！｝＞

【３】

木々は音無しの構え、大気はこの上なく無風。
大菩薩峠のハイキングコースから脱落した男性二人が凄まじい肉体美を絡めている、息切れ切れに激しくナメクジの交尾の如く。
遠方で女性の団体が騒ぐ。
「ねぇねぁーんなのに襲ゎれたらどぅするぅ？」「やぁっだぁーも、こんゎーっい！」
ヂヂヂ｛人が一生懸命に演目を行っておる最中に言うに事欠いて貴様ら何を抜かしやがるか
所詮現代女性は合コン狂時代の公衆肉便所チョビ髭メス糞豚でもうハイル・イケメンてかボッケェェェ！｝
＜君君、一寸非道い言い草じゃあないの＞
｛全ての女は男前にレイプされたがっているという公理に則りまして先ずサガミのオリジナルで｝
＜もうそれファシストとかレイシストとか、アの類だよ、＞
｛うるさい黙って焼かれやがれ｝＜あなたは悪い人（虫？）だ＞サラサーテの

”サラサーテの盤
チゴイナバイゼン鳴りました”
「母さんが好きだった曲」男は鼻歌を歌った。

山椒魚は考えた。
＜言葉で説明出来るのならばわざわざ踊ったり絵え描いたりせんで良い訳です。
実際、俺にはパンキョウもリベラルアーツも無縁であり、従って常識も無く品位や人格（魚格？）に問題があるのだす、泣く泣く、かくして、＞
「で、彼はこう云ったんだ”日本人は単に雑学の多い人を知識人と勘違いしていませんか？”ってね」
＜まいね、
まいね、無教養の俺はかような状況の抜け出し方も虫の捕り方も知らね、だから虚構に縋るしかない
『珊瑚の年輪と日輪から当時の状況を分析出来』俺は”チゴイ”ただ幸『アーモンド形の目が』
”ナバ”せになりた『まるでスパゲッティー茹だる内頭蓋の』かっただけなのに『わたしまけましたわ』
こんなことなら”イゼ”洞窟にでも『黒い海を必死で泳いだ朝の四時半に』閉じこもっておけば”ン鳴”
『ご来店のお客様に』良かっ”りま”たんだ『迷子のお知らせを』どうせ俺の人生（魚生？）なんて
こんな『合コン狂時代のマッスル』ものさ”した”ああ｛大菩薩様様ッてかボッケェェェ！｝

【４】

「もうすぐ焼き上がるから」
火も煙も勢いを増し始めた。
「必ず治る。大丈夫」
女は微動だにしない。
―――
ゲゲゲの下郎、薄馬鹿下郎、下郎のゲの字はゲロのゲ下郎（ううう）
毛虫も羽虫も泣き虫ゲ虫の下郎が泣いたら母ちゃん出無精（うううう）
馬鹿の下郎はゲロ吐いて寝てろ（ううううう有象無象の鼻っ柱から憎む此畜生）
「まいね虫出できたじゃ」（まいね虫≒いぐね虫、について。
　”まいね”は『駄目な』、”いぐね”は『良くない』といった意味合いで、
　つまり、『駄目な虫』と『悪い虫』を掛けてあった訳です。
　母は中卒でしたので、知識という技術ではなく、習慣という嗅覚によって言葉を使い分けていました。
　僕がネガティヴな顔を覗かせると、よく「まいね虫出できたじゃ」と言いいながら慰めてくれました。）
「下郎、泣いだらまいね」糞食って帰れ下郎（正念死狂神風特攻）
「な、負げんな」おまへは生きてる価値が無え（正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻）
「生ぎでれば良いごとある」さっさと死ね（正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻）
「負げだらまいねはんでな下郎」ゲ虫のゲロー（正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻
正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻）
―――
男は滝と空の境目に視線で楔を打った。
＜無教養の俺は救いようがない、もう＞
火が静かに山椒魚を包む。

【５】

暗くなるに従い風が強くなり、
＜そう、そう、都会的洗練と田舎的素朴を感じたんだあの時あの場所あの境目で＞
『上は洪水、下は大火事、これなーんだ』濡れた小さな傘が燃え、
｛ここで見ていてやるよシピャピャピャ！＜境目で？＞大菩薩様様ッてかァァァ！｝
「峠を越えました」
既に冷たくなっている焦げた張りぼての女は後ろに崩れた。

＜矢張り俺は田舎者で貴方は都会人だセンスも教養も違い過ぎる命には相応しい階級てもんがある
俺は素朴な天才で貴方はインテリな盆暗だ｛何だと｝せいぜいお勉強でもして秀才にでもなって｛おい、
失礼な事言うな低脳のゴミカス童貞が｝童貞じゃあない｛砂利と肩組んで地面でも這っとけ｝嫌だ
｛所詮もうすぐ終わるシピャピャピャ！｝死にたくない『マッスルな面食いとラーメン喰らいーの
暗い地面の苦楽の底のアンドンクラゲの目に杭を打ちて皆も釘付けで水面で』死にたくない＞サラサーテの
（正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻
正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻”サラサーテの盤
チゴイナバイゼン鳴りました”正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻
正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻
正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻＜ああ俺は、いつ死ぬるのダラア＞正念死狂神風特攻
正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻
正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻正念死狂神風特攻）

埃を被った蓄音機に褪色した盤を入れ、
『ゲんちゃん、お出で。早く。ああ、学校に行って、居ないんですわ』（あの時に母さん最後の）
男は肩を振るわし、煙に顔をうずめて泣いた。

山椒魚が焼け、香ばしい匂いが漂う。
＜虫の食えない”サラサーテの盤「死んだらまいね｛シピャピャピャ！『至急サービスカウンターまで（正念死狂
神風特攻）お越しください』大菩薩様様ァァァ｝死んだら」チゴイナバイゼン鳴りました”もう駄目だ俺は
無教養”だす＞ゲ「まいね（虫」


　（了）

ルポは結構好きなんだけどな、あなたの詩作は字数が多くて難解？過ぎてちょっと敬遠してしまいます。
まあ、いちROMらーの主観なんで思いの命ずるままに執筆がんばって下さい。

>>128
　貴重な御意見ありがとう御座います。
今後の内容品質に反映し、読者の皆様にご満足戴けます様、努力致して参ります。


―――このように、現在の出版業界における雑誌と読者の立場は同等であり、
忌憚の無い意見交換による双方向コミュニケーションが相互のブラッシュアップには必要不可欠です。
同時に、活字文化の発展と市場のマーケティングにおいても重要な要素となっています。

健全な批評精神を持つ読者と、真摯な悪巫山戯を嗜む記者を、我々は余力を以って応援します。

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　『仰天！人肉ディナー解剖ショー？』


2003年15月0.04日茶曜、ダンク・Ｆ・ハゲルス解剖学教授は、エゲレセ警察に挑戦状を叩き付けた。
テレビカメラや数百人もの聴衆の前で、1830年以来初めての公開検死を行ったのだ。

1974年に「ちょっぴりスキゾなフランケンシュタイン♪」のキャッチフレーズと共に、
解剖学界に鮮烈なデビューをした教授は、眉間のオーパル付ピアスがチャームポイント。
毎晩、愛犬シュタッハ・ベルドマルダ・スーノンゼノフと一緒に散歩するのが日課で、
好きな異性のタイプは「トグロを巻いて威嚇する毒蛇を優しく宥る事の出来る人」だそうだ。

遺族の合意を得て解剖されたのは93歳のドリシ人エリートビジネスマンの遺体だ。
男性はトライフル中毒患者で、遺体は2003年10月から公開検死の為に保存されていた。

教授は頭からノンガーターストッキングを被り、解剖を行いながら少年少女の悩み電話相談を行った。
遺体から心臓、肺、肝臓、脾臓、腎臓、脳を取り出した後、それらを大き目のガラス容器に入れ、
フルーツカクテルと一口大のゼリーを混ぜ、その上からカスタードクリームと生クリームを塗り、
ミントの葉やスライスアーモンドやチョコレートコポーをトッピングして観衆に振舞った。

「こうすることで私は民主主義を守っているのです」
教授の次の一言で、観衆は沸いた。
「これは現代のポトラッチです！」
　（ポトラッチ：アメリカ北西太平洋岸インディアンのチヌーク族の言葉で「与える」という意味、
　”贈答の儀式”として知られている。詳しくはマルセル・モース『贈与論』を参照。）
「私は医学会に風穴を開けているのです。この閉ざされた世界の中にいる医学エリートたちは、
大衆や納税者たちを軽蔑し見下しているというのが本当の所です。私も含めて。
そこで、私はラディカルな形での意識是正の為、公開検死と肉体提供を思いつきました。
目的は二つ。より多くの方々に臓器提供への興味を持って健康意識を高めて戴く事、
そして、一握りの人間がさんざん溜め込んだ富を食肉として提供するという事です。
資本主義の甘い汁を独占してきたエリートの肉体は、言わば高級食肉です。
検死解剖という貴重な情報を一般公開し、死後の肉体という遺産を社会に還元する為の、
最も直接的且つ単純な方法が、この”人肉ディナー解剖ショー”なのです。」

反対者にとっては単なる悪趣味な宣伝ショーでしかなかった。
エゲレセ医学協会は「おぞましい茶番劇で（しかも下種で醜悪な低脳労働者どもに、
真実を教える事は単に我々の不利益になるだけであり）恥ずべき行為だ」と宣言した。
『解剖条項』に同意しているハゲルス教授は禁固三ヶ月の刑に処される可能性があったが、
「検死は単なる解剖とは違うのです」と愛犬シュタッハ・ベルドマルダ・スーノンゼノフが反論した。

エゲレセ当局は教授の行動を禁ずる法的な根拠を見出せず、展示会は大成功を収めた。
そして月に一回、教授の名前を冠して「ハゲラッチ」と称した同様のショーが繰り返されている。


　（了）

『前傾姿勢でＡｈＲ（アマチュア・ホット・レヴュー）』


やあ、AhRを担当するのは俺、レア音源コレクターのホッテントット守岸だ。よろしくな。
今回レヴューするのは、DJ.UONOME率いる”FAMillegal”の『平成柊』だ！ぜ！

『平成柊〜DownDanceMix〜』　070511 Live at YOIYA in SHINBASHIunderground
ttp://yojigen-saitama.net/up/src/4nana0218.zip.html
allpass:[naplz]
lyric→ >>95-96

まずは”FAMillegal”を簡単に紹介しよう。
Vo+Djはお馴染みUONOME。言うまでも無いが、53歳の大黒柱で某製薬会社勤務営業部長だ。
年齢不相応の貧困な語彙と舌ッ足らずなライミングが、切羽詰った世に何よりもリアルに突き刺さるぜ。
ChoはUONOMEのワイフSAYORI、49歳。趣味は座布団作り、今は豪流スターのサイモス・ベンカに首っ丈。
コケティッシュな高音でVoに華麗な合いの手をキメている。まあ、夫婦愛だけが成せる阿吽の呼吸だな。
Baは息子のHist玄el、20歳。大学一年の時、初の恋人が親友と浮気していたショックで引き籠もり。
顔面、性格と同じ位にディストーションしたクレイジーなエレクトリックベースが炸裂してるぜ。
Keyは娘の生子、14歳。特筆すべき点は無いが、所属する卓球部では県内２位の実力だ。
繊細で幼気なピアノの音から、少女の悩み深き不安定な心情がひしひしと伝わってくるぜ。
以上４名、UONOMEファミリーで構成されたイリーガルなファミリーユニットさ。

さて、『平成柊』だが、リスナーに高い許容力が要求される為、
これまで「音源化は難しいのでは」「いや音源化する必要も無い」と噂されていたんだ。
まあ、コアなシンバシストにとってそれだけマストなリスペクトナンバーだって事さ。

５月１１日に新橋地下街にある雑魚寝居酒屋「佳い屋」で開催された最新DANKAI-RAVEで、
アンコールの際に演奏されたものを収録した秘蔵音源だ。
このDownDanceMixはHist玄elが自室に籠もり特別にミックスした。
孤独で陰鬱な、頭が空っぽのダウナーズハイな気分が巧く表現されているよな。
この頃、諸事情が重なって家族の関係がギクシャクしている時期で、
メンバーのプレイやアクトにもゾクゾクするような不協和音のぎこちないスリルが感じられるぜ。


　（了）

・内臓まっかっか

臭い足まだ俺の上に乗ってんの
臭い口まだ俺の頬吸ってんの
臭い手まだ俺の金玉握ってんの
ケツからやられたの。分かる？

趣旨が全然違うのに
一緒にされても困るよ

　
何かと物騒な世の中では御座いますが、自分の身は自分で守りましょう。
さあ、全人類が茶利敵です。
　
●月刊実話ナップルズ2007年5月号
　
>>105　『溺死サウンズ』
>>106-107　『制裁！エラトステネスの篩』
>>108-111　『石少義女末 -snuggly might-　〜溜池山王駅前外伝〜』
>>112-115　『辻斬り！ドードー広告(秘)評　No.002』
>>116-117　『驚異！地獄の虐待から生還した幼い四銃士』
>>118-121　『速報！国生資格と現状』
>>122　『卑劣！悪徳ブローカーの巧みな手口』
>>123-127　『無教養だすゲまいね虫』
>128-129　広告：無限会社ビリオン出版
>>130-131　『仰天！人肉ディナー解剖ショー？』
>>132　『前傾姿勢でＡｈＲ（アマチュア・ホット・レヴュー）』
>133-134　編集部欄外後記
　
ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
全ての宛先はコチラ迄　→　[email protected]
　

　
　
　『主人公は僕じゃなかった　(Acid Jazz and Trip Hop MIX)』
　
　
「ぼっ、僕は”夢”の中のじょ、女性にこっこここ”恋”をしたんだ」
先輩は話し始めました。別に頼んでもいないのに。
「こここの超個人的な二つのテーマは駄弁やぶっ文学には普遍的でももあも有るのだけれど、
　き、君や他人にとってはもっ、も物凄く退屈なものだろうと思うから、ね、
　べっ別に聞く必要も価値も無い事はあああ予め、断って、おくよ」
分かってて話すのは何故ですか、そして何故私も聞くのか。
「今までぼぼぼ僕が極力さ、避けてきたものでもある。
　というのも、ね、僕は主人公であった事が一度も無いんだ一切」
自分の人生くらい主演してください。
「しゅ、主人公になる事は恐らく、こ、今後も、無い。金輪際水輪風輪虚空ある訳が無い」
未来を勝手に制限してはいけません。
「しゅ、わ脇役にすらなれないエキストラだももももう人生エキストラ」
人間にエキストラなんていません。多分。
　
コーヒーを一口飲んで、先輩は一気にまくし立てました。
「れふ、劣等醜悪な無名出演者に突きっ付けられるのは常に現実っでででしかない。んっ。
　ステージに上がる事も無ければ日の目を見る事も人目に触れる事も無い。
　だだだ誰かに好意を持たれる事もなければ愛される事も無い今後も。
　だだだだから人生エキストラである僕には本来は夢も恋も無いという事になる。疑いようもなく。
　しかし全く無関係な対極の場所にあるからこそ、だ、ね、
　彼岸の幻想としてのソレを観察者という立場から冷静にちょ直視し、
　認識判断反省吟味する事も出来るのだと言えば万歳三唱令が出回る、ね、
　”基本姿勢は直立不動、両手は指をまっすぐ下方に伸ばし体の側面にしっかり付ける。
　万歳の発声とともに右足を半歩踏み出し、同時に両腕を垂直に高々と挙げる。
　その際、両手の指をまっすぐに伸ばし両掌を内側に向けておく。
　万歳の発声終了と同時に素早く元の直立不動の姿勢に戻す。
　以上の動作を三度、節度を持ちかつ気迫を込めて行うべし。”
　という作法に習い、忠実にそれをこなす事で僕の人生は全うされるえエキストラ」
ちょっと落ち着いて下さい、それは関係あるんですか。
　

　
「でだ、ね、知らない町、たっ、
　例えれば東京都調布市天台宗別格本山浮岳山昌楽院深大寺の周辺を酸性雨に浅漬けしたような町、町で、
　宵宮の準備をしている真昼の見世物小屋というか天井の高い紅殻色のテントの中だった。
　誰も居なかった。
　そこで葡萄色の雛壇に座っている天狗美を見た。
　河童橋天狗美（かっぱばし　てぐみ）だよ。
　誰かって？僕も知らない。
　だけど親しい笑顔と懐かしい匂いを感じたんだ。
　少しの距離、人が３人は入れるくらいの幅を置いて僕は座ったんだ、ね。
　手持ち無沙汰に指をいじっているとパラパラと人が入り始めたんだ、ね。
　２０人くらいが入ってきて、そそそそれでも空席が目立つほどテントは広くってってって、
　前に小汚い格好のオッサンが出でてできでて、拡声器のノイズが響いて、
　『ええそれでは始めます』といったような適当な挨拶をした途端に、だ、ね、
　天狗美がフッとテントを出て行ったんだ。急にだ。急に。
　そそそそれを追ったけどテントの外には誰も居なくて近くの公民館に向かった。
　何故、公民館に向かったかは僕も知らない。
　公民館では住民討論会のような事をしていて、
　議題は「食用プロトプテルス・アンフィビウスの佃煮を観光土産品にするか否か」みたいな事で、
　勿論、満場一致で”否”であったので、既に済し崩し的にお茶会のような状態になっていて、
　でね、てっ天狗美は手前の簡易テーブルとパイプ椅子の間で黒豆大福を食んでいて、
　彼女は僕に気付くと（正確には気付いていない）
　持っていた黒豆大福を差し出して（正確には差し出していない）
　気まずそうに微笑んだ（正確には微笑んでいない）んだ。ね。

　
　ぼっぼぼ僕はというとまだ見世物小屋の雛壇に座り込んでいて、
　ほとんど満席になっていて、全員が顔見知りな赤の他人で、だ、
　雛壇は円状で中心点の無いコロッシアムのような形で反省会が既に始まっていて、
　な何の反省会かは分からないけれど、皆が思い思いにナイファンチ初段の型を練習していて、
　知らない旧知の友人に誘われたけれど「や僕こういうの苦手なので」と断ってテントを出た。
　それっきり天狗美は見なかった（正確には隣にいた）
　夜店は賑わっていたが僕は無視した｛正確には一緒に夜店を探索した（更に正確には誰もいなかった）｝
　天狗美は＜正確には僕が｛更に正確には食用プロトプテルス・アンフィビウスが（もっと正確には誰もいなかった）｝＞
　号外として配布された万歳三唱令を手に皆がそれに従って新釈万歳三唱を行って全うされるえエキストラ人生」
なんじゃそら。
　「お、起きてからもだ、ね、むむむ胸に痞えていたっから、こここれは本当の夢の恋なんだよ」
知らんがな。
それより先輩、早く行かないと、今度は半殺しじゃ済まないんじゃないんですか。アイツらの事だし。
　「ぼっぼ僕は」
良かったじゃないですか。主人公ですよ。モンドフィルムの。とか。ふひひ。
　「あーあーあーあーあーあー」
　
　
　（了）

　
　『面子ガールの匂いは前から何故か孤独だと考える』
http://uploader.fam.cx/img/u4485.jpg
　
　
語り継がれる”面子ガール”の常識を超える成長物語
でも今でも　つつじ装う青天井に突っ伏して泣いた頃の青二才と地続き
　
大判ぬりかべ丸面子の活躍にて完全蒐集した鬼太郎妖怪面子コレクションがお守り
頼もしき勝率十割
詰めた突然ダンボールも詰めるボストンバック
もといアイズワカマツバック（ジャンルの気になる育ちです）を背負って御役御免
見栄で家出し似非の出家し見切り発車で遁世直通災害死行遅鈍不快速凡急に飛び乗り
青春重罰切符の片っ端から飛び降り高架下からの上京を果たす
　
ある日いく日も浮き沈む世の躁鬱性感帯を転々としつつ
常識のガードレールも非常勤の論客も軽々飛び越え怒涛疾風飛脚の如く
シナプスも不道徳も麻痺したまま首都高速で一人ハードル走の最中に補導された
馬鹿正直者が馬鹿見る社会の一寸先は極悪な極楽に狂言誘拐されるって下馬評は正直な話
例え警察官でも逃げたら解決「人間なんて所詮あらゆる目で獣」
図太い心も細い暴走する天気図のランベルト等角円錐図法の変調子に乗り戦う
ポルチオだけにポルチーニ茸で三次元セルオートアゲマンていうか
むしろ自己組織化臨界ギャル複雑出会い系の面子ガールは薄ら酔って寒天の体もＯＫだから連れてけカラオケ
歌うフニクリフニクラでフラクタルのフラグ立つ諦観の観点で鑑定して蜘蛛の巣の張った海の箱に素潜る
平目や鮫や蛸と記憶を失くしたいが為に（コンプレックスは痛い）行為にも日々耐え
腫れる頬はヴァイオレットでドラスティックなドメスティックヴァイオレンスでボコボコおかちめんこでも
面子ガールは勝ち戦「あたし不可知論者だっからさー」敗北知らず「大丈夫あたしには
メンコがあるの」匂いは前から何故か孤独だと考えると堪らなく寂しくなっても
パラフィン蝋でコートしたキラカード鬼太郎の面子が支える心の
弩根性単純系アイズワカマツ魂←神様処理場がココ
　
トラブルでもうらぶれる事無くラブコメで通す強固な意志ならばいつまでも面子ガール
野生の思考で滅私に達し「安心安全に殺す、妙に楽しい」
この期に及んで白肌こそは確実に最後
つまり志は世を引っくり返すメンコ
　
　
（了）

青かんの話かと思ったorz

　
>>140
　
間違わないで！ご主人様！ペットの期待を裏切らないように・・・
　
ネコッペちゃんには赤い缶　ﾆｬｰ>arz
イヌッコロちゃんには青い缶　ﾜﾝﾜﾝ>orz
ドライとウェットから選んでね♪
　
　美味しいごはんは赤と青！
　新発売！『pekilasネオベジタブルミックス赤缶・青缶』　税別580円
　
　
――pekilasブランドが担う役割は「みんなが幸せに暮らせる共生社会の創造」です。
ブランドスローガンでもあるpekilasとは”pet（ペット）+kill（天国に送る）+ass（尻）”からなるＵＫＦ社の造語です。
　
愛玩家畜の生活には３つのバランスが必要です。
人間の慈悲、人間の邪魔にならない程度の適度な運動、そして人間が安心して与えられる餌。
アンナチュラル家畜フーズは、ペットが美味しく楽しく、より早く天国に近付く為の食事がとれるように、
安価な廃棄素材を厳選し、徹底的な科学的成分調整によって、限りなく人工的で安全な形で提供しています。
　
ＵＫＦ社はpekilasブランドを掲げ、あなたが心地良く、幸せな暮らしができるよう応援しています。
　
　
　株式会社アンナチュラル家畜フーズ

　
　『"RIFFofDONZIKI"はＲＣ女史の手中に在り　{肺胞柔軟体操第一}』
　
　
「ゆーふぉー見たい！(You, hold me tight!)」なんて何て素敵な綾！
大人しく
雨垂れの素麺を梳く手櫛
　【証明問題】→"餓えたRiffManが濁点としてスウィングに散る"

　・集合Ｒ{RiffMan且つ鬱獣}
望遠鏡と顕微鏡は異母兄弟　レンズ磨きの音が非道い
「つめたくして」という杏仁結いの声が破線の忠犬になり
大硝子の亀裂の格好で歩く人影の雑踏から三里後ろを歩く
その目
脳震盪と菜種油とガムランとクダモノトケイを見ている目の
瞳孔の若さだけが真実

一価関数{或る日の嬰児,殺菌消毒用エタノル液,落ちぶれ喫茶のマッチ,ヘルペスのヘンペル}
導く"秋雨が「死んで仕舞へ」と傘を撃ち　人を避ければ連弾の足"
悪い鬱獣メガエレクトロンボルトの少ない要領で
立体の母はバンクロフト糸状虫で編んだセーターを着て青銅の象の燻製を焼く
玄関で
だけど今はローズマリー・クルーニーの手の中
肺胞は前屈
　
　・非Ｒ{明るいスウィング}の風穴へ鼓笛隊と共に流れて消えた
Agnes'Bのコートにwhoop'EE'のブーツを履いた反RiffManが集まり
石油から手折る翼の比喩で母子仮定の上に焼印を結び
曲者の顔面は”蒼白の保育器”で蓮根として育てられ
濁点が啜る星を朗らく呑む
「も一度」浸透圧で鳴る
「も一度」変声期で狩る
綾のＢＧＭが歩行者用信号機に撃ち落とされる
スウィングの雛は喘息から大鋸屑まで滑走する
あらゆるポップからハブられるべく鬱獣は自他共に下僕となる
その背
腐葉土と煮込牛筋とカポエイラとキルホペタルムを負う背の
脊髄の若さだけが真実
　
完全円のマンボウが激痛の蓮根で指揮して擬人法とジルコニアで五寸釘を錬金する　
スウィングが谷折りした胎児性バルプロ酸症候群の三本足で暗い短冊を丸める
裏庭で
だけど今はローズマリー・クルーニーの手の中
肺胞は後屈
　
「ゆーふぉー見たい！」(≠黙れ鬱陶しい＝つめたくして)
沈黙の間だけ咽喉は若い
その手
濁点の綾を貪食するローズマリー・クルーニーの手の中で柔らかい肺胞がスウィングを啜る
満ちたRiffManは存在しない
　
　
(了)

　
　
　『鳥と海老、の間で』
　
　
　
「あのー。僕が死んだら鳥葬して欲しいんですけれども」
「日本だとちょっと無理ですね、というか法律上問題が」
「どうしても無理ですか」
「どうしてもしたいんですか」
「出来るなら」
「なぜです」
　
――――　
　
　
天空のたゆんだ部分から　光る鱗の"鳥"が落ちる
減数分裂した雲　に引っ掛かって　我先にと鳴く
　
　　この時点から全てが始まる
　
頭上に旋回
する"鳥"に自生する正三百六十角形のヘマトキシロン・カンペキアヌムの生物学的妖美ん
僕はアンチア　カデミックの主旋律に乗っかってひたすら譲歩する
（その場限りの安易な主従関係が結ばれればホオスタシスを充たす頬の下に煤も宿る
（それで満足な僕が行使するお手にネオテニー
「でべれべでれべれぶどぅれべれー」つって呪文のような短い舌を出す僕
に"鳥"はニヤニヤして見下す
　
誤って童貞が窒息死しないよう　目に空気穴を開けておいたものの
耽美主義な海が惰性に身をよじって雲が漏れるばかりで全　く役立たずを写す空
　
　監獄エレベータで運ばれる僕　の童貞は"鳥"のクチ　バシに刺さって萎む正三百六十角形
　よく見ると分かるけれど童　貞には臍の緒が付いていて決　して想　像から子離れする事は無いし
　先端には葉緑素　が詰まっていて黒　点に通じ　る秘密の穴　がある我先に
　
その穴から海が抜け落ちて底無しの奈落に注がれる
　
童貞に絡まった"鳥"は丁度　穴の秘密に落ちていく
　
（落ちると言っても正確には距離が無いので感覚的な説明をするとすれば無目的な回転に酷似している
　
　
真っ暗ん棒に捕まって嘘っぱちな一人ぼっちの丸っこいバナナコックローチにそっくりの視覚の錯覚の奈落が回転する
　

　
奈落には一つの類型も無い
奈落には小さな海老が巣食っていて
奈落の新陳代謝で剥がれた古い表皮を餌にして棲んでいる
奈落の塊は重さにして約'Ｍ'ｔでこれは地球の質量の二十三乗に相当する
　
奈落海老が僕の童貞を包囲して弄ぶ
　
　
テズルモズルに埋もれて僕は揺るがない世界と口にする
テズルモズルに埋もれて僕は揺るがない世界に屁をする
テズルモズルに埋もれて僕と揺るがない世界を字にする
テズルモズルに埋もれて僕が揺るがない世界を絵にする
テズルモズルに埋もれて僕や揺るがない世界を妾にする
　
テズルモズルに埋もれて僕と揺るがない世界に音がする
テズルモズルに埋もれて僕は揺るがない世界と性交する
テズルモズルに埋もれて僕も揺るがない世界も無になる
テズルモズルに埋もれて僕か揺るがない世界を変にする
　
　
テズルモズルに埋もれて僕は揺るがない世界を気にする
テズルモズルに埋もれて僕が揺るがない世界に手でする
テズルモズルに埋もれて僕と揺るがない世界で何をする
　
　
　
テズルモズルに埋もれて僕を揺るがない世界で絵にする
テズルモズルに埋もれて僕で揺るがない世界も目にする
　
　
　
　
テズルモズルに埋もれて僕は揺るがない世界を手にする
　
　
揺るがないネオテニーテズルモズル
の隙間から
ホメオスタシスの奈落海老がこっちを見ている
ずっと
　

　
ヘマトキシロン・カンペキアヌムを頬張る僕
は先端からズル剥ける黒い穴から裏返ると太陽の胎盤を剥き出しにして何句でも詠んでやるよ
　
＊
　海老鳥に　君が排卵　子抱く僕
＊
　死ね海老　テメエ聞いてんのか　影鳥踏む
＊
　止揚された海老　鳥産む　そこかしこ
＊
　二次に海老螺子　夢鳥　泡で寝る僕
＊
　海老配達員　寝取った彼の　鳥心に礼
＊
　海老イビリ　僕は盆暗　閑古鳥捕り屋
＊
　雲の臍　裂いて鳥行く　海老が空
＊
　燕尾海老　すまし嘴　ゴミ食う鳥
＊
　鳥の象る海に海老が棲む
＊
　君鳥　僕海老　油で心中　発火して真っ赤っ赤！　爆発して真っ裸だか！
＊
　降る鳥に　吾が食われて　汝が泣いて　その関係に　海老が湧く穴の罠
＊
　
　
ホネオスタシステニーテズルモズルとヘマトキシロン・カンペキアヌムに二十三乗の童貞
が埋もれている
　
'Ｍ'ｔの"鳥"と奈落海老の間には揺るがない世界で宙吊りの僕
が笑って潰れている
　
　
その時は
多分この　まま黒「歴史になっても構わな」くなれと　すら思っていた
　
　
――――　
　
「こういう訳なんです」
「あー、ごめんなさい私には分からないです」
「もっと言うと」
「あ、待って下さい、ちょっと人呼んできますね」
　
　
　
　(了)
　

備考：

「どうしても”鳥葬”されたい！」という方は、
中国西蔵自治区当局の目を盗んでチベットの密教に潜入しましょう。
他には、パールスィーと呼ばれるインドの拝火教徒が鳥葬を行っており、
ムンバイには鳥葬のための施設「沈黙の塔」もあります。
また、
「もう少し手軽に葬られたい！」という方は、
少し沖まで船を出し、体に錘を縛り付けて、海に飛び込んでみて下さい。
海底ではシャコやオオグソクムシ、エウリセネス・グリルスなどの深海生物が、
遺体を綺麗サッパリ召し上がって下さいますので、”海老葬”を行うのも一つの粋な手でしょう。

『鳥海老威嚇図』
http://uploader.fam.cx/img/u4773.jpg

　
　『正義の弁護！乙亀菜市猟奇大量殺人事件の顛末』
　
　
１９９５年−１６月に箱庭県乙亀菜（おとがめな）市で起きた猟奇大量殺人事件について、
殺人などの罪に問われ最高裁で無期懲役の二審判決を破棄、
審理を箱庭高裁に差し戻された男性被告Ｚ（３４）の差し戻し審初公判が今月２日、
箱庭高裁で行われた。社会科見学で傍聴に来ていた幼稚園児たちも固唾を飲んで見守った。
犯行時１９歳だった男性被告Ｚへの死刑の可否をめぐり、検察と弁護側が主張を述べた。
　
主な流れを追うと、
被告Ｚの弁護について、検察側が「おかしい！常識的なモラルから逸脱している！」と指摘すると、
弁護団２０人は「そう、少年は精神的に異常をきたしています」と反論し、
→精神鑑定（鑑定医は弁護側の意向に沿うような人選である）で時間をかけてじっくり調査
→裁判長期化、世間からは風化され、原告は時間とお金を搾り取られて抜け殻になる
→最終的には、傷害致死決定により被告Ｚは無罪、死刑執行も回避
という状況だ。
　
尚、このまま裁判が長期化すると、
再来月には事件から１５年経ち、殺人罪の時効が成立する為、被告Ｚは無事に解放される。
出所後は、その体験を生かす為、某人権保護団体の幹部の席が用意されているそうであり、
周囲共々一安心といった所か。
　
　
弁護士は、その正義の答弁で、我々国民を守ってくれているのである。
　

　
最後に、弁護団２０人の主張は以下の通りである。
　
「Ｚ君は（コスプレ趣味なので）警察官の格好して（リアル志向により）言動を装い、
道行く人から（社会勉強の為に）事情聴取をして住所や電話番号や家族構成を聞き出し、
（実際は忙しかったが少ない時間を裂いて）暇さえあれば（誤って）他人の家宅に侵入し、
（無用心な家人への防犯意識への警告と自分の娯楽生活の充実の為に）金品等を持ち去った。
家に人が居る場合は（シャイなので顔を見られるのが恥ずかしくて）有無を言わさずに（意図せず）殺した。
若い女性が居た場合は（数年前に蒸発した母親への人恋しさを覚え）抱きつき（偶発的に手が身体に触れ）、
抵抗されると（落ち着かせる為の冷静な処置で）首を押さえて（そう望んではいなかたものの）殺した。
そして（女性を復活させる為に）死者を姦淫して生（精液）を注ぎ込む（という神聖な儀式）行為をし、
女性が冷たくなるまで（諦めない強い意志と愛情を持って、必ず生き返ると信じて）死姦を続けた。
赤ん坊が居る場合は（ママゴトのつもりで）強く床に叩き付けたり（じゃれ合うつもりで）蹴り転がし、
（食事マナーを教えるつもりで）体中に箸やフォークを突き刺してフライパンや鍋で殴り、、
（将来の為に料理を教えるつもりで）砂糖塩酢醤油などで味付けをしてオーブンやレンジに突っ込んだ。
また（ほとんどの赤ん坊がそうであるように）激しく泣くので（近隣の迷惑を考えて）泣き止ませようと、
（可愛いと思って）首にリボンを掛け（蝶々結びにしてあげたら何故か）絞め殺した。
（騒ぎで迷惑をかけたくない心優しい気遣いにより）犯行は場所をばらつかせて犯人の特定を困難にさせ、
（発つ鳥後を濁さず、整理整頓の出来る規則正しさを持つ為）証拠は一切残さないという手際の良さだった。
被害者８３人（うち大多数は、一度は誰に憎まれた事があり、殺される動機は有った）、
死亡が５１人、重軽傷及び心的外傷後ストレス障害が２７人、安否不明者が５人であった。
複雑な家庭環境や友人の少なさが重なり、社会的な常識感覚、情緒、精神の発達が遅れ、
当時Ｚ君は１９歳であったものの上記の事情により精神年齢は12歳児程度と予想される為、
明らかに死刑は適応されず、むしろ保護下に置かれるべき立場です」
　
　
（了）
　

　
　『ドンケツ記念日』
　
　
過去を連れ子にして裏通りのレンタル暗室に潜り込み
かなしいを現像すればドン・ケツァルコアトルになって叫ぶ
　
旧友と連絡を取れなくなっていくのが
誰かが離れていくのが　誰かと親しくなるのが
人に忘れられるのが　人を忘れていくのが
物凄くかなしいがドン・ケツァルコアトルになって叫ぶと
声の端から情という情は石の心臓になり
音の粒が揃い　皆は変な血へ遅れ
体から中心線が消えればドンケツ記念日
　
日々が平凡の冗長であることも
時間が記憶の堆積の上で比例的に加速度が増える疫病であることも
よりどりみどりの差別偏見を通して人と人が推し量り合うことも
劣等感は”（蓄積された）過去の想起の否定”にカテゴライズされることも
欲望の中に向上心が居候していることも
趣味嗜好すら社会の規範に則らねばならないことも
突き詰めれれば話す事なんて何一つ無いことも
誕生日の後から金魚の糞状に懐かしさが増えていくことも
立て篭り茶番劇も殉職した若者も裏社会による事件の揉み消しも
相対も比較も個人の感覚の外からは共有できないということも
言葉が権力である現代は西欧偏重論理的知性の横暴だ糞馬鹿野郎と批判した所で何も変わらないことも
繋ぐ手が無いことも
生卵の賞味期限が分からなくなってしまったことも
本当は何も知らないことも
かなしいが溢れて長蛇の列を作る
　
ドン・ケツァルコアトルが非道い劣等感をこじらせて羽根のように降る自己嫌悪が奇妙な果実を真似て鈴生り
ビリー・ホリデイとグレタ・ガルボを対角線で結んだ重心に岸田今日子を置いてアル・バッターニで栓をし
その下を黄熱病のスナフキンがリュウグウノツカイのツガイを両手に引き摺って歩き
出来た二本の轍を走るタービン式蒸気機関車に揺られてシベリア僻地に運ばれるアキムアキームイチとの約束を
必ず守るドン・ケツァルコアトルは社会の落ちこぼれで
経済的にも精神的にも自立出来ないままドンケツたる所以の
「感情的沸点の低い馬鹿」であり「ディスコミュニケーションのゴミカス」だが
石の心臓なので動じない

　
現像の途中で
生命デザイナー大自然が茶々を入れる
「それはポイントやアクセス数がクライアントの評価としてヴィヴィッドな形で表面化するものさ」糞黙れ
・de-{隔離,除去,反対,低下}
＋sign{符号,記号,合図,身ぶり,手まね,暗号,看板,標識,証拠,しるし,徴候,形跡}
＝de-sign{反信号→存在の否定}
貴様ぶっ殺す
と天突く怒髪のスケツクトントンのドン・ケツァルコアトルが吐く罵倒の内臓が冷えていく
所詮は感情的沸点の低い馬鹿である
すぐ寝る
不眠症の夜光便所虫で生まれつきのビリなホリデイを過ごす
体にも必要とされない野菜ような生活の飛躍
軽い誤訳が一方通行標識
　
大量のかなしいが貨物列車に積み込まれて半蔵門で屠殺される
それをスピード写真で撮るロバートキャパにドン・ケツァルコアトルは受け売りでこう言う
「昔から、（ここで大野一雄が踊るのを止めて一番風呂に入る）
市場と名声を遠く（ここでソフィアローレンが首をかしげる）離れて、
新しい価（ここでスピノザが割れたレンズの枚数を数え間違える）値の創造者たちは住んでいた。
わが友よ。逃れ（ここでアンリミショーのメスカリンが切れる）なさい。
あなたの孤（ここでフランソワヴィヨンが魚の骨を喉に引っ掛ける）独のなかへ。
かなたの、荒く雄雄しい風の吹くところへ。（ここで」
陸軍落下傘部隊が夕立になって突き刺さる過去の僕たち私たちのバッドエンドがすごくかなしい
　
有望な前後対称型超広角レンズを覗くと中心線になるリュウグウノツカイの骨を折って雌の花櫚を貪り
中心に敬遠されて落ちこぼれがかなしい一方通行標識をディスコミュニケーションな石の心臓が叩き
「分からない」から「好きになる」までを世界地図に待ち針で留めて流動する血のタンジェントで結び
ドン・ケツァルコアトルだけが叫ぶドンケツ記念日
　
　
　（了）
　

お前は悔し紛れが見たいんだよな

気色悪いからどっか行けよ

　
　――　虫を殺した。その日から、夏が始まった　――
　
　菅原陣太、中学２年。母方の実家に帰ってのんびりと夏休みを過ごしていた。
ある日のこと、畳の上に張っていた赤いムカデを雑誌で叩き殺した。
恐る恐る雑誌の裏を見てみると、煙が上がって何かが現れた。
上半身は少年、下半身はムカデ、彼は人間の性質を調べる為、
虫の世界”アインセクタ”の調査機関”ビシュモンテ”から派遣された使者であった。
「僕は茜、緒方茜。今日から君を観察させて貰うよ」
その日から”虫に観察される”という奇妙な夏休みが始まった。
毎日、陣太の行動をつぶさに観察し、聴取し、記録する茜。
嫌々ながらも、溢れる好奇心で冒険に飛び出す陣太。
　
陣太と茜、揺れ動きながら、近付いていく二つの心。
　
しかし突然、亀裂は走った。
「お前はいつも、自分では何もしない。そうやって傍観するだけだ。>>151、そうだろ？」
「ち、違う！僕は、僕はジンタの事が・・・！」
「俺らは男同士だ。それに俺は虫が嫌いだ。二重の意味で>>152、ほら、行っちまえよ！」
「酷い！ジンタ酷いよ！」
アインセクタに帰ってしまった茜。
茜の泣き顔が頭に焼き付いて離れない陣太。
ふと机を見ると、ビンが置いてあるのに気付く。
茜が陣太の為に、熱心に集めて丹誠を込めて作った、活けハチノコの蜂蜜漬け。
陣太は茜を追って、一人でアインセクタに乗り込む事を決意した・・・
　
テレビシリーズで大人気だったあのオリジナルアニメが、映画になって帰ってきた！
ドキドキワクワクの新感覚グロテスクサイコホラーボーイズラブコメディ！

　
　　　劇場版『　あかねのこころ　〜１００の足跡〜　』
　
　　　　　　　今秋公開予定
　
　
　（了）

　
　
　『Ｊ.Ｐ.Ｗのピストル』
　
　
黒々とした油粘土の上に白々とした磁器の門
足首のスナップだけで辿るグランドピアノのグレーノートスケール
軽い音で　連れて帰って　あなたの骨の家
　
撃てば響くような広さの何も考えない喉は胡乱がらんど
「近頃の人って陰が足りない　明晰な針じゃ釣られ甲斐無い」
良く欲を言えば見たいものしか入らない瞳孔の正直が産む冷たい魚
　
重機のスクラップで組んだ椅子　ガラスを１０枚重ねた机
トイレから出てきたカラスのマスクを着けたマリアが余りある男根を揺らしてトレイを回す
その上の　頭部結合胎児の頭蓋骨円蓋を磨いたカフェオレボウルには　棘の湯気が上る
　
犬の腹からこぼれた金時ニンジン　老婆の眼窩に並ぶマスカット
首の断面に刺さったコーネルセロリ 　目隠しされたブルーオマール
猫目で鷲鼻で鳩胸の猿が次々と運ぶフルコース
　
筋萎縮性側索硬化症の五十貫肥満女がエンブロイダリーレースの裏でプレモダンバレエを踊り
白鳥の剥製を被ったハナモゲラが母国語の痩せぎす博士が喜怒哀楽劇の一人芝居を決め込む
羽根の吹き出るソファベッドでわたしたち　スローワルツに合わせてヘッドバンギングをする
　
尻に火の点いたブタハナスカンクが床下の暖炉に高飛び込み　暗くなり
この世の終わりみたいな顔であなたの喉を鳴らす棘にあたしが釣られて
安くて陳腐な冷たい夜でも　頭の中だけならタダが交わる水魚
　
「あなたのピストル何口径か　あたしの舌で測ってあげる」
余りある弾痕で喉が破けて　明日からはまた黙祷が饒舌になる
軽い頭で　響くハナモゲラ　命は胡乱がらんど
　
　
【Joel-Peter Witkin　"the kiss"より】
　http://uploader.fam.cx/img/u7204.jpg
　
　（了）
　

　
　
　『怪奇！妻の「輪切り」を国中に送付』
　
２０曰０年５'月、西重荷警察は＠９歳の穴国人ラム・ベンジンを逮捕したゴン。
男はラム１０年目ののの浮ッ気を責め立てらゴン、れた事にロボ逆上し妻てを殺す「輪切り」にし、
バラバラパラパラになったドン遺体いたいを秒郵便小包で穴国中の恵まれた人達に送って笹。
ちなみに妻は暇な兄妹のガムで、したいポーポのポーポと珍味の滴く下だった。
　
少包がジ届いた小包が網蓮華町のオン・ペペクタさんは言う。品ル。
「仕事から帰ると、僕宛に小包が届いてるっていうんで開けてみたら、驚きましたよ！
　花が添えてあって、初めはバウムクーヘンかシフォンケーキかと思いました。
　血は上手く抜かれて、綺麗に拭かれていたので、気付きませんでしたが、噛んだ時の食感で分かったんです。
　厚さ５センチくらいの、女性の下胸辺りの輪切りが入ってたんです。
　今は額に入れて、玄関に飾っています」
　
また、繰り越しの水筒町のレゴコ・ヒョンレンファさんゴンさんはこうオッパオッパオッパ言う。
「の小包、いつも箪笥にポーセレンあげは、煮込んミットいうには表の表みぐらめす善右下、右上。
　印判は髷がブンブン、のも切れと牛困って朝ジャックがかが点呼、デバガメなのに湯冷めしたあげは。
　右。澄まし汁の猫もこニニニ、暁レモンのごす。ほごさ右、でも追い出やポロリ箪笥ぐみ４時間。
　玄翁じ右オッパオッパオッパあげは肉餅を戻す、右は自慢、得意なデバガメなのに温度ニニ印判の」
　
各地で喜びの声が上がり、早くも西重荷区の名物となっていた所を、外国人旅行者が通報。
どの小包にも同じ郵便局の消印が押されていた為、警察はそれを足がかりにして男に辿り着いた。
印が押された郵便局は、男の自宅からほんの数十メートル先だった。
　
　
　（了)
　

　
　
　『人生相談コーナー「快答爛漫！エレガンス丼勘定」　第二回』
　
　
はぃどぉも、伊崎エレクトラっでーす。お久し振りね。
近況を知りたくて堪らないだろうから教えてあげるけどぉ、
今ね、ギリシアはサントリーニ島のカマリビーチに来ててぇ、
ファバなんかつまみながらアイスワイン戴いてるーみたいな状況な訳。
磨いた砂鉄みたいな明るい黒砂が抜けるような高さから柔らかく降る太陽光を吸い込んで、
丈の短い陽炎にサファイアブルーの水平線が揺蕩って、光る草原が爽やかな潮風を運んでくるわ。
今日だけでもグドルキングガイ７人８人とっかえひっかえしてロマンスなんか楽しんじゃってるの。
とっても良い気分よ。
でね、
なんかねー、事務所の方にお悩みメールが山ほど来てるみたいでー、
己の悩みを自力で解決出来ないド阿呆がこんなに居るなんて、エレクトラ思ってもみなかった。
でもね、
今エレクトラとってもご機嫌だから、一問一答形式でバサバサ答えてあげようと思う訳。
じゃいってみっか。
　

　＊
　
Ｑ１．隣のクラスのＦ君の事が好きで、告白しようか迷っています。
　Ｆ君はイケメンだし成績優秀だしスポーツ万能だし面白くて優しいし、完璧な人です。
　あたしなんか相手にしてもらえるかどうか・・・　＿ＰＮ．バニー小屋　１４歳

Ａ１．理想化してるうちが花ね。まあ、まずは告白してみなさいよ。
　駄目ならそのうち冷めるだろうし、オッケーなら付き合ってそのうち幻滅するだろうし、
　どっちにしても今より幸せな結果にはならないと思うけど。好きにすれば？
　恋愛なんてアルコオルと同じ。酔ってる瞬間を楽しまなきゃ損。っていうか、
　外見だけで男を判断するアナタみたいな流され易そうな安ッい女、さっさと処女捨てて、
　巷に溢れる排他拝金唯物主義的公衆肉便器の一員にでもなってればいんじゃないの。
　
　＊
　
Ｑ２．３年前に結婚して夫宅に二世帯同居をしているのですが、姑の小言やイジメが酷くて耐えられません。
　段々とエスカレートしていて、今年の正月などは全治４ヶ月の怪我をさせられました。このままでは殺されてしまいます。
　離婚すべきでしょうか。どうか助けてください。　＿ＰＮ．ケサランパサラン　３１歳
　
Ａ２．姑の年齢にもよるけど、自然死に見せかけて殺害した後（証拠が無けりゃ誰も分かんないしね）、
　遺産を受け取った旦那から法外な慰謝料ぶんどって悠々自適に暮らすってのがベストかもね。
　そこまでの度胸が無いなら、身一つで実家なり友達なり飛び込んでやり直せばいいし。
　まあ、自分の女も守れない旦那を見抜けなかったアナタの愚かさじゃ、今後何したって無駄よね。
　せいぜい、チンケな居場所に縋ってズルズルとイジメられてメソメソしてればいんじゃないの。
　

　＊
　
Ｑ３．僕はオーボエ奏者になるのが夢なのですが、
　親は「地方公務員になりなさい」と言います。
　夢と安定、どちらを選ぶべきでしょうか？　＿ＰＮ．ハカタ飯　１７歳
　
Ａ３．オーボエ吹きたい奴なんかに半端に公務員やられたら堪んないわよ馬鹿。
　本来は国と民に献身奉仕すべき立場であるのに、安定した地位と給料に目と心を奪われて、
　己の生活の為だけに政治屋や公務員になる無責任人間が多くて、唯でさえ腐敗が進んでんだから。
　まあ、モーツァルトだってマンハイム宮廷楽団への就職には失敗したりもしたし、
　諦めなきゃどうにかなんじゃない？ま、知った事じゃないけど。野垂れ死んでも。
　あたくしギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団にコネクシオンがあるし、
　何なら紹介してあげても良くってよ。って、んな甘かないわよ。自分でどうにかしなさい馬鹿。
　
　＊
　
Ｑ４．地方分権の為に住民税が移し替えられ、定率減税も廃止、年金不払い問題もありますし、
　金銭面で家族を支えていけるか不安です。自宅貯金と資産の外貨分散確保はしていますが、
　一国民として何か手の打ちようは無いものでしょうか。　＿ＰＮ．大葉擬宝珠　４３歳
　
Ａ４．んなもん無いわよ。一家揃ってお国の為に死ねばいんじゃないの。
　そもそも国民主権なんて御名目で、結局は一握りの人間がイニシアチブ握っちゃってんの。
　官僚からしたらアンタなんて餌運ぶ蟻、アンタら家族が心中しようと嘲笑って高みの見物な訳。
　国民でも父親でもなく、人間として「何が出来るか」よりも「何をしたか」が重要だって事よ。
　一家の大黒柱なら、法やお金に頼らずとも家族を支える気概くらい持ちなさいよ馬鹿。
　
　＊
　
あーもう疲れた。せっかくリゾートに来てるのに台無しだわ。
ってゆうか、他人に相談してる時点で、そんな人生終わってるっつの馬鹿。
まあ答えてあげるけど。
そんで、終わった人生、また一から始めればいんじゃないの。知らないけど。
　
　・　・　・　・　・　・　・　・　・　・　・　・　・　・　・　・　・
　
皆も伊崎エレクトラ女史に悩みを相談しよう！　
　宛先：[email protected]　「快答爛漫！エレガンス丼勘定」係迄
　

梅雨に突入し、雨や湿気や熱帯夜に悩まされる毎日ですが、
天の恵みに感謝しつつ、夏の雨季を楽しみましょう。
　
●月刊実話ナップルズ2007年6月号
　
>>136-138　『主人公は僕じゃなかった　(Acid Jazz and Trip Hop MIX)』
>>139　『面子ガールの匂いは前から何故か孤独だと考える』
>140-141　広告：株式会社ＵＫＦ
>>142　『"RIFFofDONZIKI"はＲＣ女史の手中に在り　{肺胞柔軟体操第一}』
>>143-146　『鳥と海老、の間で』
>>147-148　『正義の弁護！乙亀菜市猟奇大量殺人事件の顛末』
>>149-150　『ドンケツ記念日』
>151-153　広告：あかねのこころファンド
>>154　『Ｊ.Ｐ.Ｗのピストル』
>>155　『怪奇！妻の「輪切り」を国中に送付』
>>156-158　『人生相談コーナー「快答爛漫！エレガンス丼勘定」　第二回』
　
ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
全ての宛先はコチラ迄　→　[email protected]
　

フカクとかいって今不幸しかないし

追記：動物園長はなんでもかんでもマネをしてはいけません
ぶっちゃけ無意味です

あもう動物園長でもなかったか・・・

動物園長は自意識過剰といいましたね

それはつまりカックンと友好関係を結ぶためにノンメッリットな取引をしていたということでしょうか？
いやそれは違います
負い目を感じていたのです
はじめは人身売買というものに関わっていました
次は負い目です
しかしながら負い目というのは私の存在がなければ発生しないのです

つまりですね
あなたの行為は私の首を締め上げるようなものなんですよ

わっかるかな〜わっかんね〜だろうな〜

一言でかたずけそうな予感　ふざけそうな予感
そういうところもノーサンキュウ

しかしだぜ犯罪をするために２人で可笑しな取引をしていたってなってるよ今

コマンドかわらず・・・

っていうか動物園長に任しといたら何されるかわかんないってのが前提っしょｗ

つーか始め自意識なんかなくなってしまえとか言ってたし…

あんたみたいになるじゃん
今なにしてるんだろうね…

>>159 age

　
　
　　『緊急尋ね人　「帰ってきて！ぼくらのタンシン園長！」』
　
>>160-165
　あの日突然、園長が居なくなってから３ヶ月、みんな毎日こんな調子です・・・。
いつも深沢君（フカク）も上谷君（カックン）も口では悪く言ってるけど、
なんだかんだで園長の事を心配してるんです。
園長、早く戻って来て下さい。
この地苑動物園の園長は、あなたしか居ないんです。
人身売買もコマンドも単なる誤解で、園長には罪は無いものと信じています。
飼育員も動物たちも、大好きな園長の事を考えながらテンションをageて、ずっと待っています。
　
　●　尋ね人　●
名前：丹下　真禅吉助（たんげ　しんぜんきちすけ）
年齢：５７歳
職業：鍵爪県地苑動物園長
容貌：170cm前後、パッチリ二重の垂れ目、痩せ型でハゲ
特徴：黄土色の作業着に帽子と軍手、紫色のリュックサックを背負っている、時々サラッと毒舌を言う
　
　
何かご存知の方は情報をお寄せ下さい。　→　[email protected]
　

　
　『タンゲロピューレランドで死のうぜ』
　
　
僕には無い　貴様と違って
才能も知性も力も　仲間も友達も恋人も
夢も幸福も成功も　割る腹も開く心も繋ぐ手も無い
無い
便所虫のような日陰の一生は誰からも相手にされない
あらゆる華やかさの裏側の暗がりで呪詛を呟く薄汚い無能なゴミクズの蛆虫である僕は
何をやっても無駄
多くの人に愛され認められ受け入れられる貴様ら優れた方々はディズニかサンリオにでも見送って唾を吐いて差し上げます
くたばれ
恵まれた糞野郎ども
膿んだ金魚より救えない正真正銘の下の下の下僕な首の皮一枚で世間様と繋がる僕と
もし同じ土壇場なら　ついておいで　どうせなら一緒に
タンゲロピューレランドで死のうぜ
　
あそこ
集団リンチされた成瀬川土左衛門の青白い風船がひしめく空の下
地獄の門はチビデブサイクならフリーパスで「くぐる者は一切の
希望を捨てよ」って　んなもん初めから持ってねえよフザケんな
　
レプリカのニジマスのマスクをかぶってハシャげば最低にローってやつだ
痰とゲロを煮詰めたピューレの池にオンボロのトロッコで突っ込めば飛びっ切りハッピー
ここから絶望って言葉は二度と使うな
　
ロンパリ鰐のサバノビチ・ア・ゲリー太くんは畜生な天に痰を吐く
メンヘル鳥のマダム・ウン子・エドワルダさんは床に現実のゲロを流す
マイン・メロデイが対人地雷BouncingBettyを埋めて歩く
バッド・アス丸がアヌスに詰めた爆竹を破裂させて喜ぶ
危々と裸々が熱っぽいナウマンゾウに乗ってチャチいオモチャの野ネズミを踏み潰す
ハスの下ゲロップが白い荒野から鈍痛池にフレーミングなレミングを次々と突き落とす
ポンチャック鳴らすターボのハレンチ汽艇に乗ってお猿のインチキな品物売る笑う女の這う腕を噛み切る僕には
何も無い結局
　
流行り病は大きな弱気の服毒の下で酷な地獄
「不正確であるよりは分かりにくい方がマシだと思ったんだ」とゲリー太が言って僕の顔に痰を吐いた
あっちこっちに煙が上がる　類が友を呼んでBouncingBettyで散っていく
分かりにくい餌を探す蛆虫の僕の欲望は痰とゲロにまみれて飛びっ切り最低にローでハッピー
どうせ一人なら
タンゲロピューレランドで死のうぜ
　
　
(了)

君は死んだ方がいい

>>167 お前マジで死ねよ　腹話術みたいなことしてんなよ

>170ｰ171　僕は馬鹿になりますた

おまえ早く死ねよ腹話術師

>>168-171の母です。
突然の書き込み、誠に申し訳御座いません。
この度は、私の息子たちが此処に失礼な書き込みをして仕舞ったと聞いて、謝罪しに来た次第で御座います。

息子たちは長い間自室に引き篭もっておりまして、常識や倫理感を幾分欠如した状態であり、
久しぶりに外出して社会に触れたものですから、不慮にこのような事態を招いてしまいました。
先例を鑑みると共に情状を御考慮に入れて戴き、僅かでも酌量して戴きたく思っております。
また、方々に御迷惑をお掛けしてしまい、申し訳御座いませんでした。

慣れぬ公共の場において見知らぬ人様に自殺を脅迫する等とは思ってもみませんでしたし、
言うに事欠いて「死ね」だの「腹話術師」だのと（腹話術・・？）汚い言葉を使うように育てた覚えは無いのですが、
今回の件は、親である私達の監督と躾の不行き届きであったものと反省し、この場を借りて謝罪申し上げます。（腹話・・？）

然し、息子たちの言い分にも一理有ります。なんですか此処は。
物事のマイナスやネガティヴな面ばかりを取り扱った記事、不正虚偽ばかりの文章、
差別用語や下品な表現、スカトロジーや変態行為を推奨するような内容、
無意味な単語を羅列しただけの全く知性の感じられない才能も無い毒電波怪文、
ただの世に害悪を流す低俗なゴシップ雑誌じゃありませんか。
やっぱりあなたは死んだほうがいいです。
ゴミクズ。蛆虫。池沼。外道。底辺。犯罪者。気違い。負け犬。腹話術師。死ね。
死ね死ね死ね
死ね死ね
死ね死ね死ね死ね
死ね
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね
死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね
死ね死ね死ね
死ね
死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね
死ね死ね死ね死ね
死ね死ね
死ね死ね
死ね
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね
死ね死ね
死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね
死ね
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね
死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね
死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね
死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね
死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね腹話術師

初めまして。
月刊実話ナップルズ副編集長補佐代理の茄古です。
皆様、如何お過ごしでしょうか。

台風や梅雨で天候が崩れたり、連日の雨で湿度が高い時、体調が悪くなるような事はありませんか？
それは水分によって神経が過敏になり、頭蓋骨内と大気の気圧差が強く感じられた場合に起こるものです。
そんな時は、ニンニクを二粒、両端の奥歯で噛み潰してみて下さい。
生では辛いので、軽く焙って火を通すと良いでしょう。目安は外側が軽く焦げる程度です。
ニンニクは８月が旬ですので、塩や醤油だけでも十分美味しく戴けます。

前置きはこの位にしておき、本題に入ります。
今回は、>>167の記事における一連の騒動>>168-172について釈明させて戴きます。

記事掲載の直後、「死ね」「この腹話術野郎」等の（腹話術・・？）書き込みと共に、
編集部に宛てて誹謗中傷や罵倒や脅迫など、善意による有り難い迷惑メールが３００通余届き、
夜通し徹夜で（腹・・話・・？）全て目を通させて戴きました。
私甚く感動致しました。
単なる一記事に対して、これ程までに一生懸命に読み込んで戴き、また、
人間の生命を奪おうとする程に感情を昂らせて下さるというのは、記者冥利に尽きます。

しかし、「死ねよ」という御要望にお応えするのは非常に困難です。
御要望にお応えすべく尽力したとて、その出来不出来の如何に関わらず、
「死ね」という発言は刑法第222条脅迫罪に当たり、未遂罪も存在しない為、
「第二二二条 　生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、
二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。」といった内容の処罰の対象になりかねません。
読者の皆様の中から前科者を出さぬ為にも、私は犯罪行為に加担する訳にはいきません。
しかし万が一、ミイラ取りがミイラになる、ならぬ、ゴシップ記者が死亡記事に載る、
等という滑稽な事態になった場合は、是非とも一笑に付して曾孫まで代々語り継いで戴ければ幸いです。

乱文にお目汚し戴き、誠にありがとうございました。
蒸し暑い毎日ですが、どうか体調など崩さぬようお過ごし下さい。

最後に、メール等で寄せられた御質問に、簡単にでは御座いますが、お答えさせて戴きます。

Ｑ１．「固有名詞とか出してんじゃねえよ訴えられろやボケナス」
Ａ１．読んで戴ければ御理解戴けると思いますが、
　批判的な意図は一切御座いませんし、商業的利用でも御座いません。
　むしろ、宣伝と売り上げに少しでも貢献させて戴ければという所存です。

Ｑ２．「腹話術みたいなことしてんなよマジ死ねよ」
Ａ２．私はこの文を目にした瞬間、感慨無量で想像妊娠してしまいました。現在７ヶ月です。
　”腹話術”との御指摘は、まず二，三乃至複数の記事をお読み戴き、
　その内容を咀嚼し、比較検討を行い、「一人の人間が複数の仮人格を装って書いている」と御判断の元、
　分析を総合し、”腹話術みたいな”という詩情に満ちた端的な一言による高度な批評であると受け取りました。
　さすがは古参詩板住人の方です！私にはとても真似出来ない高等な詩的レトリックには参りました！

Ｑ３．「差別用語使うな馬鹿が。傷付く人間が居るって想像力すら働かねえのかド低脳が」
Ａ３．病理解剖学的見地から健常体と異常体に関するの形態や状態の区別であり、差別する意図は全く御座いません。
　差別を騒ぎ立てる事で差別を強化して利権を得る某団体のような著しく品位を欠く言動は謹んで戴ければと思います。

Ｑ４．「テメエなあ大天才○○○様（具体的な名前が明記されておりましたが伏字にさせて戴きます）の作品を
　テメエ如き四流ボンクラがパクってんじゃねえよド糞が最悪だなテメエがくたばれよ」
Ａ４．特定個人を指した記事ではありませんし、仮に何らかの作品との関連をお感じになられたのであれば、
　是非とも、比較した批評を書いて戴ければ、今後の新人育成の為にもなるものと思います。

Ｑ５．「突然すみません。竹中眞子と申します。結婚して１２年未だに子供が出来ません。
　何かにつけてその事に関して姑にいやみを言われます、しかも夫は外に女がいるようで最近はほとんど相手にしてくれません。
　そこで、どなたか私に精子を提供してくださいませんでしょうか？中だしで構いません。
　お礼もさせていただきます。連絡下さい。どうか宜しくお願いします。」
Ａ５．知りません。


　（了）

　　『鬪爭祭 ver.C』


　#include <stdio.h>
　#include <math.h>
　#include <stdlib.h>
　#include <time.h>
　main()
{　　　　　　int i, h, old;　long depth;　char sland;　　　　　　/*生かすも殺すも終点はエラー*/
　printf("
夜、
私は
部屋に、
白濁液と
紫煙を吐き、
傾く大黒柱と、
消す朱の情緒と、
数え歌は観賞用の
甘い鏡の球をついて、
飛び散る高音に濡れる
深紅の眼球でチュウジィ　zHi　雛　妓　が　跳　ね　て　い　る　ッ！
鼻歌の裏に彫り込んだ
鋭い韻律は仰け反り、
私がそそり立つと
寝る真っ青な影、
寄り添っては
点滅する泡、
暴れる襞、
振り子、
収縮、
念、
―――CoaL-TaRを浴びた雛妓のどす黒い唇に溢れる閃光に滑り込むサカサクラゲの舌
音、
拡大、
振り子、
饐えた風、
軋む過呼吸、
夢遊する麝香、
天井に這う鼓動、
それらと共振する
アクビに似せた涙と、
鋼の首筋に書き連ねる
ＡＢＲＡＣＡＤＡＢＲＡ　zHi　！　る　い　て　ね　跳　が　妓　雛
ＡＢＲＡＣＡＤＡＢＲ
ＡＢＲＡＣＡＤＡＢ
ＡＢＲＡＣＡＤＡ
ＡＢＲＡＣＡＤ
ＡＢＲＡＣＡ
ＡＢＲＡＣ
ＡＢＲＡ
ＡＢＲ
ＡＢ
Ａ
　");
金色のＡＢＲＡＣＡＤＡＢＲＡ
　それに吼える曼陀羅華
　　　　　　　曼陀羅華の根で吸い上げる青い影の眼
　見つめ合って雲散霧消　scanf("%d", &old);
曼陀羅華の、うてなに伏せた黒髪が、

　水面にそよいで、
　if(old > 20){
　　printf("　　　　　　　　　　　　　＋水中には数多のサカサクラゲが犇めいていて
　　　広がると、
　\n　広がると世界の血管に逆流する血の色が反転
　　　燃える口々が吹き出す血の味に群がる光の蟻
　\n　　　　　　　　　　　　それに群がる煙の蛾
　　　　　　　　　　　　照り返す雲が拡散して霧
　霧の雲の煙のドードーが旋回、
　　そうして切り取られたBLaCKHoLe
　　　その締まりの悪いBLaCKHoLeの縁に舌を這わせているとヨダレが垂れ
　　そうして湿る太陽の
　　　擦れっ枯らしに穴、
　\n　　ごとり転がる床、");
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＋床には何匹かのサカサクラゲが這っていて
　　　　　　影の無い太陽の
　　　　　　　やり場の無い魂が針だるま、
　\n　　　　　　雛妓は
　　　　　　　　　針の一本ずつを洗濯すると手慰み
　}else{

　ママまァマニキュアーペディキュアー
　　　雛妓の指先==塗った紅でなぞるは企み
　ママまァマニキュアーペディキュアー
　　　雛妓の足下==塗った紅でわたるは暗み
　"pow(%f) = %f\n", 　　　突き刺す黒点の瞳が二十四のpow(24,old)乗　/*貴方の年齢*/
　　　雛妓の足下　CoaL-TaRに這うサカサクラゲ
　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　break;
　scanf("%ld", &depth);　i=0　　　　　　　　　　　　　/*ネ、ス、パ、*/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"JeLLY-FiSH", n'est-ce pas？

zHi
　for(i=0; i<depth; i++){
　　　折れた大理石の装飾柱の断面に座る&&剥製鴉の薄笑い
　}
湿る床に転がる
甘い鏡の球の中
揺らめいては泡
触手を伸ばす目
貪る藻を喰らう
数多のサカサクラゲが漂い
触手と触手の隙間に隠れた虫食い穴の血を吸う夜
　　　　　　　　　　　　　　　 　つんざく静か
　\n　　　　　　　　　　　　　　ついばむクチバシは逆刃ドリルのように夜
　\n　　　　　　　　　　　　　　啼いてドードーがBLaCKHoLeに落ちた
　　　　　nD'b

雨樋に乾く愛玩アメフラシを見るなり、
　　　　　　「マァマァ」と駆け寄り、
　　　　　　　　　　　　雨乞う雛妓、
　\n　　　　音を刺しては伸びる、影の
　　　　　 　陽炎に似たサボテン、
　　　　　　　　　踊れ暗愚る囃子、
　\n　　　　　投射図の単調な蛾、言わば嬰ガ短調に頬寄せて
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、忘我でデンデン太鼓を打ち鳴らす脳裏の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、緑の雲に鼓舞すれば、
すぐに、　　　　　　break;
すぐに降る夢、
一滴すくい取り
　薄い手の平の　水琴窟にはガムラン叩き、それで波紋の
　　　夢が滴る雛妓の肩に這っている愛玩アメフラシが暗み
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　アメフラシが見たのは、
曼陀羅華のうてな、
　上げた顔にかかる髪、
　　編まれて垂れる夜、結い髪コーデュロイがぬめる、
　　　　　　　　垂れ滑る紅
　\n　　　　　　細い腕に関節
　\n　　　　　　逆に曲がる血
　　　　　　　　　　　軋む音
　　　　　　　　　　　　zHi

　srand((unsigned)time(NULL));　　　　　　　　　　/*ネ、ス、パ、*/
　for(h=0; h < depth; h++){　　　　"JeLLY-FiSH", n'est-ce pas？

　　　　　　　　　　　　　　　zHi

ＡＢＲＡＣＡＤＡＢＲＡ
ＡＢＲＡＣＡＤＡＢＲＡＢＲＡＣＡＤＡＢ　ＲＡＢ　ＲＡＣ　ＡＤＡＢ　ＲＡＢＲＡ　ＣＡＤＡ　Ｂ
ＡＢＲＡＣＡＤＡＢＲＡ
呟く、　　　　　　　　　　　　　　　　　printf("%ld\n", rand() % 2147483647);
　　　破れたサカサクラゲをかじり、
　　　　　翻る闇にNoiSeが咲く　と「おーいえー」踊れ暗愚る囃子
　\n　　　 NoiSeを浴びた雛妓の
　　　　　　頬に垂れる極彩の筋に
　\n　　　 髪が絡まる
　　　　　　雛妓が　　　　　　　nD'b
}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　scanf("%c", &sland);
左手　激しく羽ばたく性器の無い霧の雲の煙の子ドードーの足を掴んで
右手　BLaCKHoLeの腹から抜いた甘い鏡の球を握って
　　　　　　　　　　　　　　break;　while(h < depth){
　それは、 switch(sland){
case '子ドードー曰く、「貴方は裂け目であるか、ないか、それを報告せよ！」':
　鬱血した綿雲の溝
　溢れる石油の火柱
　舐める舌の焦げる匂い
　匂い　　　　　　　　　break;
case '子ドードー曰く、「貴方は裂け目であることを知っているか知らないか、今すぐ見つけなさい！」':
　赤く滲む空が
　背に寄り掛かり
　首をひねる　夜と　　　break;
　}

　　　ん　　んん　　「おーいえー」

do{
　printf("　　NoiSeとCoaL-TaRのMaRBLeに突き出すクラゲが這って　一礼を%g/*貴方の年齢*/回だけ繰り返す　　\n", g);
　g++;
　}while(g < old);

反射する目と目と目
青天井に四つん這い
暗みを舐めるどす黒い唇が深みに嵌まり
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/*ネ、ス、パ、*/
　\n　　　　　　　　　　　　　　"JeLLY-FiSH", n'est-ce pas？
　　　　　　　　zHi
そうして、
向こうに掻き分けた向こうに　　　nD'b
床には音と
受胎したサカサクラゲが横たわっていて　　printf("fabs(%d)のchar(%c)に\n", sland, depth);
それを夜の
踏み潰す足が決まって終わり
");　　　　　　　　　　　　　　break;
}


　（了）

　　『漏電婆の裏を取れ』


部屋を出る時はドアに鍵をかける。誰だってそうする。俺だってそうする。
何故かというと、言わずもがな、
ニクロム線の髪の毛を引きずって漏電する婆が部屋に忍び込むかも知れないからだ。
空き巣なんかと一緒にするな。
婆の目的はもっとピュアでノーブルでスペシャルでエクセレントだ。

「現実的に有り得ない」って？
そうやって笑っていればいい。
何にしても先ず分かろうとしなきゃ分からない。
面倒事が嫌なら部外者でも気取ってればいいさ。

婆は「１６ビート」と名付けた紫色で双頭の七面鳥を飼っている。
１６ビートが主食とするシーボルトミミズには「梅の目」と名付けている。
梅の目を養殖する為の水槽には「鉄オンモ」と名付けている。
鉄オンモを覗き見た人々には「事務員」と名付けている。
だから俺やそこいらの通行人は、雨の日はいつも事務員で、
鉄オンモの中で動く梅の目を見ながら１６ビートを軽蔑する、という塩梅になっている。
そして漏電婆が１６ビートに乗って辺り一帯を鉄オンモにする前に、部屋に戻らなきゃならない。

　・血の通う声帯域

その漏電婆、
場合によっちゃ補導されかねないのだが、というのも、大抵は、
全裸で未熟なホーミーを歌唱しながら歩いているから、なのだけど、
誰も見てないふりをするのは、一種の恩義の為だろう。

伝導して呪詛に変わるネオン。
伝導して夢心地に変わる鉄骨。
婆の漏電によって街は明るい。
町の平穏は漏電婆のお陰だって事を、みんな忘れてないよな？

　・梅の目が湧く同情

目黒区管轄の新米警察官が老婆に職務質問する。
漏電する婆が時代に噛み付く。
２，３メートル向こうで１６ビートが二つ鳴いている。
漏電婆の巾着ポーチから梅の目がこぼれる。
こぼれた梅の目を食いに駆け寄った二つの１６ビートに挟まれると、
目黒区は３２ビートの鉄オンモになっている。
俺は目黒区と世田谷区の境界線に立って、
事務員になるべきかフリージャズコントラベーシストになるべきか迷っている。
漏電婆を助ける者が誰もいない時には、
皆の頭の穴からは梅の目が湧いて溢れる。

　・バブルのバベルのノベルのベベル

「ブロック状の秘密で建設された首都圏の思想では飢えや渇きを忘れて我々は大きな共犯者になっています」
演説はよしてくれ、夏場は腐って絶縁になる。
所詮、マニフェストはマニエリスムな退屈だ。
絶縁体がベッドに、退屈が枕になれば、素直な漏電婆は泡を吹いて寝てしまう。

部屋の鍵をポケットにしまう。前ポケットがいい。
後ろポケットだと街中のスリ連中にくすねられる。
悪意ある人間の頭の中には梅の目が湧いている。
鉄オンモには悪い磁場がある。
困った時は翻筋斗打って、漏電婆に斜め前習え。
危機のパルスを読み取るだけで、最悪でも鍵だけは守られる。

　・目を瞑る漏電

ニクロム線の髪の毛を引きずって漏電する婆に、
すれ違う人々は知らないうちに一瞬で犯されていく。
しかし俺の芯にはまだ不可知論が貫かれている。
何故なら心の晴れている日なんて無いからだ。
心が外出せずに引き篭もっている限り、梅の目は湧かないし鉄オンモとも無縁だ。
それに、雨や雪の日に優しい漏電婆には、一切の募金も献血も必要ない。

鍵はかけたか？
前ポケットに入れたか？
漏電婆への感謝は忘れていないか？
３２ビートの鳴き声で目覚めた休日は鉄オンモの中に入った銀の目を食い潰す。
眠れない俺は窓の外の事務員を眺めながら電子レンジで鍵を加熱する。
存在はゴミ箱に捨てる。


この頃は、虫カゴの中で二つ鳴く右と左の幼い１６ビートの間で、裏を取る俺は長い進路相談をしている。


　（了）

　『人はもっと節度をもって死に接しなくてはならない、と思う』


19:00過ぎると社会は終わる
失神したての飛蚊症の雪が降る

柳原魚屋は店終いを始める
臙脂色のシャッターを半開きにしてテナーとバリトンを綯い交ぜにして愚痴る
長靴を履いたエドキリギリスが出てきて伝票に売れた魚の数を黒鍵盤だけで記入し
入念にチェックしていく
売れ残りの魚は全て道に放り投げられる
雨だろうが晴れだろうが日付改竄は許されない

　ッぺちん　　　　　　　　　　じゃも
　　　　　　べち、たちん
　ぼたたつたたた　　　　　　　　　　　　　ぽたぽたぽたぽたぽたぽた
　　　　　　　　　　　　　　ぺちん

散乱した生臭さが街灯でほのかに喜ばされる

車が来る
鯖の頭から尾までを一直線に轢く
腐りかけた肉が飛び散る
飛び散った肉には渇いた祈祷が宿る
渇いた祈祷からは射精と排卵がなされる
自己受精した未来は新しい古えになって地面に張り付く

谷崎精肉店からは牛のモツや鶏のモモ肉が飛び交い
上垣八百屋からは茶色帯びたキャベツやしなびた茄子が飛ぶ

道には新しい古えが堆積し　歴史は死んで一緒くたに腐る

売れ残りは捨てられなければならない


車道ではカウントされない無数の事故がゴッタ煮のように沸騰している

高層ビル6階からは窓際社員が落下し　キャバクラからは年増女が放り出される

そして　あらゆる無名の人たちも　腐った歴史の堆積に埋もれて
化石と石油になりながら　誰もが明日の経常利益を算出する

街は片付けられた遺体で賑わう


やんや　やんや　やんや


死なんてその日のうちに捨ててしまわければならない


（ここで一時間の黙祷をして下さい）


深夜　日雇い清掃員たちが繰り出し　黙々と　腐る歴史を　バキュームカーに押し込み続ける


　（了）

＞１８１

　『ドルイド谷垣の「新釈奴隷道」　第一回』


「女性との交際不慣れで…」暴走３２歳Ｍ男の空砲度
　ttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/57884/
容疑者は仕事場の近くに住むＳＥのアルバイト女性（２０）に一目惚れし、
家に突然訪ね、ドアチェーンをした扉越しに「好きです。あなたの奴隷にしてください」と思いを伝え、
女性に拒否されると、腕をつかみ引っ張るなどの暴挙に及んだが、警戒中の警察官に御用となった。
容疑者は動機について「女性との交際に慣れていなかった。かわいがってもらいたかった」と供述。
云々。


気持ちは痛い程分かります。
人生において数える程しかない一目惚れというものは、食卓に添える花のように、豊かな彩りと芳香を添えるものです。
恋愛に晩熟な男性が３０歳も過ぎれば、尋常ではない寂しさに常軌を逸した凶行に及びたくなる時もありましょう。

しかし。
私は憤怒に燃えています。
かような馬鹿者が居るからして、いつまでも奴隷の社会的地位は向上しないのです。
此奴の行為は、奴隷への侮辱であります。
ましてや、Ｍ男を名乗るとは不届き千万、奴隷根性の欠片も無い幼稚な自己中心男でしかありません。
否、奴隷の皮を被った無教養の暴君です。
これは絶対に許されません。

そこで私、ドルイド谷垣が、奴隷を目指す紳士淑女の為に「奴隷道」を指南させて戴こうと思います。
勿論、私も修行中の身、至らぬ所も多々御座いましょうが、お互いに切磋琢磨していきましょう。

まず、
「奴隷にするかどうか」も「かわいがるかどうか」も”御主人様が”決める事であります。
奴隷は常に「される側」だという根本的な立場を理解しなくてはなりません。
奴隷の基本姿勢は”受身”です。
それも、自我の意思や積極性を一切排除した”完全なる受動”でなくてはなりません。
何も望まず考えず、出された命令だけを黙々と遂行する従順さ、それが奴隷の本質であります。

次に、
奴隷として無条件に選ばれるのは、男女限らず、奴隷が「若くて美しい」場合にのみ限られます。
今回を例に採っても、２０歳の娘にとって３２歳の男は、若さも美しさも有りません。
では、若くも美しくもない、此奴のような男が、奴隷として選ばれるには、どうするのか？
品性、教養、鍛錬、等々によって己に商品としての利用価値を付加する必要があります。
インテリアに例えてみましょう。
機能的には劣っていても、デザインの良いインテリアは、ハイセンス志向の顧客層には売れます。
同じように、デザインは多少イビツでも、機能的に優れていれば、少なからず需要は有ります。
この例えからもお分かりになると思いますが、奴隷は”物”として扱われる訳です。

ところが、今件の馬鹿者は、分不相応の醜い自我を持ち、
仮にも未来のご主人様の御宅に突然訪問し、その汚らわしい手で神聖なる御腕を掴み、
己の下種な欲望を無理矢理に押し付ける等という、有るまじき愚考を犯しました。
全く無礼の骨頂であります。
奴隷未満の分際で、未来の御主人様に無闇な恐怖感と驚きを与えてしまった罪は、万死に値します。

「御主人様の喜びが我が喜び」この基本的且つ絶対的な奴隷根性なくして、奴隷を名乗ってはなりません。

醜い上に努力もしない人間は、一生涯誰の奴隷にも成る事は出来ないでしょう。
強いて言うならば、冷たい経済の奴隷として、安価に労働力を搾取されるに過ぎません。
そして、「御主人様に全身全霊で御奉仕する」という”甘美なる至高の歓喜”を味わう事もなく死んでいくのでしょう。

日本初の奴隷学者であり近代日本奴隷学の礎を築いた藻殿木網はこう言いました。
「奴隷とは、主人への徹底的な没我献身による”象徴への信仰”です」
これは江戸時代の武士道”滅私奉公”とも重なる「生命を賭けた奉仕」についての言及であります。
藻殿は著書「奴隷道」の第三章で、社会人類学の中に精神主従力学を応用し、
古今東西の優れた哲学者や思想家は全て奴隷であった事を明らかにしました。
「宗教は”人類への奴隷律”である」は有名な言葉であります。

無償で使役され、物として扱われ、奴隷ほど非人間的な存在は無いでしょう。
それだけに、御主人様の人間性を引き立てるに相応しい内容と能力を備えていなくてはなりません。
”完全なる受動”であり”信仰する物質”である奴隷は、
現代に生きる実践的ストア学派の発展形とも言えるかも知れません。

第一回目からあまり踏み込んだ話をするもの不親切であると思いますので、続きは次回に譲ります。


話を戻します。


今件を具体的に考えてみましょう。

職場の近所であったなら、せめて、昼間に丁重な遣り方で声を掛けたり、
それが恥ずかしいなら手紙で気持ちを伝えたり、
何かしらの紳士的な、もとい、奴隷的な方法があった筈です。

「暑さ日増しに厳しくも、樹々の緑深くなり、目にも涼やかになって参りました。
突然のお手紙、申し訳御座いません。さぞかし驚かれた事でしょう。
不躾とは知りつつ、この想いを貴女様にお伝えせずには居られませんでした」
等とお詫びと挨拶から始まり、
次いで自己紹介や一目惚れの経緯を簡単に説明し、
「是非とも一目お逢いし、私の話だけでも聞いて戴ければ幸いです。
お嫌でしたらスグにでも身を引く所存で御座います。それでは、お元気で」
等と礼儀を弁えた範囲で思いの丈を控え目に綴り、御主人様にお渡しすれば良いのです。

駄目なら駄目で男らしく、もとい、奴隷らしく潔く身を引くべきです。

最後に。
主人の居ない奴隷が奉仕すべきは、社会であり、宇宙であります。
そして、遠くに生きる御主人様に想いを馳せながら、自己鍛錬に励めばよいのです。
やや遠回りではありますが、御主人様が心地良く生活出来るよう、肉体を鍛えて武術を学び、
町をパトロールして地域の治安に貢献するのも良いでしょう。
もしも、御主人様が何かしら不慮の事故に遭っても、速やかに対応出来るよう、
病気や怪我や災害に備えての自然科学や医学や法律や諸学を頭に叩き込んでおくのも良いでしょう。
御主人様が退屈しないよう、文学や芸術や音楽に励み、
作品を流通させ、御主人様の御目御耳を賑わせ、楽しんで戴くのも良いでしょう。

御主人様の居ない野良奴隷とて、プライドを持って生きる事は可能なのです。
要は、奴隷としての覚悟の問題です。

奴隷がやるべき仕事は山ほどあります。
その工程一つ一つを飛ばして、報酬だけ欲しがるような身の程知らずは、
警察に捕まり、法に裁かれ、頭を冷やして反省すべきです。


奴隷道は険しく厳しいものです。
しかし、道を極めた末には、何物にも代え難い”甘美なる至高の歓喜”が待っている事でしょう。

あなたの御主人様は、誰ですか？


　（了）

どうしたらいいか分からないくらいキモい

>>187


はいちゃえば楽になるよ＾＾

>>188
まだ何も出てこない

>>187-189
胃に内容物が無い時に無理矢理吐くのは大変危険です。
強い胃酸によって食道や歯や口内にダメージを受ける恐れがあります。
そんな時には「鉄錆漢方胃腸薬」。
飲めば速効、効き目は抜群、思い立ったその時に。
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　「鉄錆漢方胃腸薬ＲＸ 3包入」は、自制心の乱れからくる誹謗中傷や、慢性逆恨みを改善する胃腸薬です。
悩み、不安、緊張、ストレスなどで胃の働きを調整する自律神経が乱れると精神の働きも乱れ、
頭痛、食欲不振、空気の読めなさ、吐き気などの症状を起こすことがあります。
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劣等感で胃が痛い、いつも乗る調子が悪い、人間関係にお悩みの方、荒らしで神経を多く使う方、気分が不規則な方に。
飲みやすく水に溶けない鉄粉タイプ。

医師に定められた用法・用量を守り、正しくお使い下さい。


　製造・発売元　　屠殺製薬株式会社

　『春なんだったらラッタター』


辛抱堪らんな溜まったまんまだったら私、ラッカーでも浴びたかのようにして息苦し、
ほら空！
見ててね、荒れとる雲の撒く鱗粉が乱交してんだわー正午っから馬鹿馬ッ鹿。
ずりい、ずりいのね。
でえ、
痺れとる豪雨ん中、突っ立っとんのが影だったらば、
地下鉄入口んとこ溢れ出とる疲労の色した泥と相俟ってミミズだって虹になるわラッタター。
はぁ・・・
白骨化しとる目盲花に寄り掛かってでもいいからっさあ、
血色良い指が鷲掴む葉っぱと原っぱで一緒くたに落ちる淡く波紋広げる融ける揺らめく蒸気の、
滲み方に感心してみっといいと思うの。
そのさ、
瞬間に琴線が濡れ鳴る闇、ラッタター。
案外簡単だったわ、
一本二本って虚像駆け抜けてって病んで引き裂かれるのは穴だったわ。
間々覗き見るに好色魔、道路に飛び散る色彩の罠。
　「あ、上、意のまま」
これ口火の呪文ねこれ、ラッタター。
ぼんぼり赤に光っとる傷口も裏返って集団下校するのね、夕日で目盲花も目え覚ますわ、
仮設プレハブ理想郷に避難する季節は冷たくて固い肩の少し呟いたのはアンタだな。な。
アンタってのは、これ読んでるアンタね、
アンタだ。
震える景色に乗せてあったコップの中でや、冷めた酒の酔いはまだ明けぬ朝ラッタター。
薄暗い穴の中に身体縮めて入ってみりゃ分かるわ、死角の口腔に潜んどる婉曲率が分かる私の馬鹿。
穴からアンタ、カタツムリの殻が散乱して目になったからさ、粘る滴の雨に目が見てるわさ、
正午の軌跡は綺麗に無くなっとるしや、濡れて張り付いた服が私で冷め切ってるわ、ここ赤い坂。
　「あ、上、意のまま」
餓えいて淫乱ぶる瀕死の女生徒みてえなカタツムリ這いつくばって舐める血迷い花の仇が罠でラッタター、
ほらほらほらほー、

落ちた花の穴、花びら一つ指に取ってみりゃカタツムリの殻だから二度見ても頭で鳴るのはカの数え歌、
　一にワッカで二に階段
　三なら粘土で四が月光
　五が鳴る海なら六は雪
　七は情夫で八は蜂
　九が負けなら十はピロキシリンラッカー
ほらまた！ね、
虚像の残像の一本二本はスマイルライン、
繰り返し裂ける目から仰け反る血は見るに耐えないから私なら隠れる皮だわ。
酔狂絶え絶え笑むに罠、光った固まった私の花。
遠くの方、アンタの背後のその股の向こう、影転がし虫の通り過ぎってった音がするや。
　「あ、上、意のまま」
漆塗りの太陽なんか抱くアンタなんか、今に乾いて光るピロキシリンラッカーの後悔に映る空の穴。
目の前に伸びる一筋の虫の息。
か細いスマイルラインなんぞ見つつ、穴から漏れたのは自嘲気味の虹だった私は見たわラッタター。
感電した雨垂れに出来た轍、その上這うのは馬鹿なカタツムリだけだ、
花のような炎、
その先端に寂しく突き刺さったたった一枚の風景画に迷ったアンタだったら、
私はネガでも舞い上がる、
だから仇の花に時間が腰掛ける、
飛び散った季節の骨が舞う、
灰がアンタの肩に降り積もってからでもいいから穴また舐めればいいんだ心配すんな馬鹿。
肩あ裂けて冷たくなるが、そのまま朝になるわさ。
　「あ、上、意のまま」
穴に暁が絡ったまんまの血迷い花だったら幸福だラッタター。
一足先の私が持つ白い虹でも噛んでりゃアンタ、
無欲な影でも垂れたてきたらばアンタ完全に春なんだわラッタター。


　（了）

　『ジョコンダ　《Ｌ・Ｈ・Ｏ・Ｏ・Ｑ》→〜Elle a chaud au cul〜→（彼女はお尻が熱い）』



彼女はあたしのもの
あたしは彼女のものでない
だから空いた方の片手（多分右手）で宙を掻く
彼女を犠牲にしてでも上へ　上へ行こうとする多分　向上心の無いあたしは


（１）ある晩には


1,誰も触れられない位置で停まった秒針
2,時間からはみ出た健康な腸
3,腸の中に隙間無く詰まっている東北地方的土着信仰の堆肥

あたし、
マシュマロ状の獣の数匹に埋もれて窒息してる命からがら
真新しい社歌をうたうの浪々と
彼女、
止揚された天井画に腰を落として　重油を湛えた瞳で見下ろすの
回転する色彩相関図に
あたし、
にべもなく輪姦される

　”BIBBIDI-BOBBIDI-BOO”（たとえれば　こう）

「燃やされた御神木の白煙！」
「ガラスの傷に流し込まれた水銀！」
「引っぺがされたオオバコの表皮と引きずり出された白い縦脈のその匂い！」

夜は脱腸しながらもワガママで
好き勝手に胎動する
にも関わらず
行き着く所いつも彼女の手の平だった
全てを掬う彼女の手の中に居て
あたし、
ただその恩恵を眺めるだけ
その時はさすがにあたしなんか単なる雌豚だとすら思ってしまった

（２）ある真昼間には


彼女、
まるで行きずりの虚構
誰だって後ろ姿には平伏すしかない
そうやって歴史をやり過ごしていく姿が美しくて
彼女、
日々あたしの子宮から精液を搾り出していた

彼女が搾乳機になって地平線を前後運動する

いつも休日の公園の真昼間には彼女独特の祭りが開催される
あたし、
常連で
絨毯の毛羽立ちのように配置された公共物
沈殿した粘液層のように滞留した空
骨髄のような噴水
その周りを不規則な足取りで回転する黄金の水牛
彼女、
それらの間を掻い潜ってステップ踏む　回る　早く　柔らかく
もちろん観客は総立ち
ベンチの上　時計の上　ゴミ箱の上　木の上にまで登って背伸びをする
もちろんあたしも棒立ち
彼女の瞬きによって公園は絶対的な位置に固定される

後光の炎天下で焼かれる全てあたしも含めあたしの胸も精液も髪も
跡形も無く陽炎に混ぜ合わせられてあたしは全くの間違いだった
最早どこにも居られなくなってしまった居場所が無い

季節や気候や寒暖すら　彼女には手が出せずにいて
躊躇した体温が脚を伝って駄々漏れていたのはあたしで
既に祭りは半日前に終わっていた事に気付くのにはそこから更に半日かかった


（３）ある朝には


あたし屠殺される食用馬になりたい
て唱えれば彼女はノコギリ

あたし平板の上で甘やかされるの好き
て唱えれば彼女はマナイタ

彼女にかかれば全ては工作用の嘘で塗り固められたハリボテの史実で
それが妙に生々しいのは
彼女の唾液がたっぷりと染み込んでいるから

彼女の舌に導かれた運命の悉くは喜ぶ
たとえば万年筆　造花　惑星
なんだってそう
生気も臭気も無くなって
重心の方からゆっくりゆっくり痙攣する
そして宙に浮かぶうわ言のように
何事も無かったかのように騙されていくだけ

あたし屠殺される食用馬になりたかった

（４）また今夜


指の無い右手が
あたしを撫でる
あたしが濡れて
彼女はどこもかしこも勃起する

あたし、
肉体の穴という穴に音叉を突き立てられてそれを打ち鳴らす
彼女、

許されないほど神聖で彼女、
持続的な空想にだけ許されるのがあたし、

あたしは毛穴中からイカサマピンクが噴出してカラフル

あたしの下腹部で揺さ振られる彼女の臀部からは強火が漏れる

あたしは彼女が地獄絵図の手前で燃えている事も知っている

あたしはあたしよりも彼女の方が詳しく知っているに違いないであろうあたしを悔いる恥じる妬む


彼女、
ひたすら真っ黒に微笑む
あたし、
既に再来月分の経血まで搾り取られている

『印象 -Ornicopytheobibliopsychocrystarroscioaerogenethliometeoroaustrohieroanthropoichthyopyrosiderochpnomyoalectryoophiobotanopegohydrorhabdocrithoaleuroalphitohalomolybdoclerobeloaxinocosc-』


擦り切れた運河の通う右手
醗酵した噛み煙草の味

泥酔したピッチャーとキャッチャー　砂銀状の阿吽　チタン八重桜の繚乱の下　その然呼
出した舌　聾唖の陶具が飾られた右瞼の桐の棚　是の否の無連奏　擬人ヴィオラの行行子


それを仕切る審判が

「
宙吊りで釘達磨の烏が囀る死を誤魔化する至言、
メモ帳にされた聖書をめくりつつすいとん貪る自縛霊、
水晶に乗せた手と覗く目それを照らす夕日に書き写された陰影、
聾の台風の性格、
中絶時における星回り、
物凄いスピードで過去に遡っていく隕石、
季節の背中で吹くつむじかぜ、
JR総武中央線での人身事故、
板前とフグの心臓の比較、
ガスライターの還元炎、
どろどろに融けたステンレス鋼により炎上する鳥居、
アルビノの鼠、
にわにはにわにわとりがいるがそのうちの一羽の三叉の嘴が啄ばむ豆、
尻尾を追う蛇が寝る性病の蔓延する森林で鬱蒼する薬草、
ブラックバスの棲む水、
純陶器の杖に刺さった生パンの醗酵膨張、
粗挽き小麦と粗挽き大麦とおいしい食塩、
鉛のような天の下で行う悲観的な双六とサイコロ、
屋根に刺さる矢じり、
バッファローに突き立てられた手斧、
篩にかけられた新入社員が手放した瞬間の同心円状に回転する吊り輪、
Yシャツに付いたスパゲティーやカレーうどんや醤油やコーヒーのシミ、
ダイアモンドの砂利を辿ると石塚、
灰で書かれた鏡文字の夢、
手相占いとネイルアートの２時間、
指輪を表す数字、
本の一節にある筆跡、
円を描いて歩く腹話術師の笑い方、
ワックスがけした井戸の発見法、
肩胛骨に注がれたワイン。

以上の物あるいは現象や変化、
その解釈、
その徴候により予言や予知ができる！」
と言う

とんだ如何様野郎である

うるせえ

しかるに


相変わらずピッチャーとキャッチャーの間で繰り返されていく

屍蝋と血
天空と地
愚昧と知
良識と痴
病理と治
譫妄と智
寸止めと致
以上７つの負荷の”ち”

印象が風化して夜眩む肺胞の膨らみ　たわわな　ぬばたま　炭化する太陽の”ち”

　投げるピッチャー
掻爬　爪弾されたＡ玉Ｂ玉　虞美人草の根っこに絡まる金玉　駄阿呆
　受けるキャッチャー
発戒　しびし　抜かり無し　しばし　待ち惚け　しびすばしびし　総じて然り　然り
　投げるピッチャー
弄々　分裂した光彩　緩やかに回転する壁　神話と寓話と挿話とＹ談　うるせえ
　受けるキャッチャー
寂漠　惨憺たる荒廃のラウドスピーカー　轟音甘味　無残の美　
　投げるピッチャー
渺茫　労働　就寝　労働　就寝労働就寝労働就寝労働　囚人音頭
　受けるキャッチャー
憮然

酩酊するピッチャーとキャッチャーの間で交わされる”ち”

音を立てて
匂いを立てて
歯を爪を立てて
一度現れたら二度と笑わない　潮時に三度目の散歩をする想像上の一角「A#m7」を連れた女

夜を受け取ったキャッチャーを残してピッチャーが自虐
ピッチャーは一人きりで
全く”ち”を失っている


女が審判に首輪を着け
鎖を引き摺って一緒に帰る


　（了）

　　『おはじき遊び』


しかくい部屋

粘って糸を引く　が
負けじと弾く指　が
飛沫を上げて仕舞う仕舞う仕舞う

これはもう色おはじき！


女、
”冷淡にビリジヤン”、
の塗布、
叛けた頬に丁度、スポットライトみたいな日射が分光、んで拡散、
若気れば案ずるに歪曲。んで、
溺愛する飼い野良猫の割れ欠伸に出くびれ牙が食い込む美南中、
尖り翳りに鬱騒、睨み返すも情。

「ア々！例え離れ貴様」と罵る男｛黒筋煉り屋｝曰く、
うっかり零したミルクセーィキの流れが鳴り、
すっかり溶け濁、
広がりえの白、
字の夢、
がらんどの幼児部屋、
ろくすっぽ集中せず抜け落ちた'la'が独りでに絶頂。
タイルも濡れ、溝々に水滴に沢山に映るマナコ女のマナコ男のマナコ。

それはまるでまるで色おはじき！


一切の推移を凝視するビリジヤンの女、
マナコは焦げた飴玉、瞳孔は銃。
銃口から咲くパスティルバーミリオンの如く気取り上気した頬、
補色的対峙に映えるは”冷淡にビリジヤン”、
女の口腔に妄り舌伸ばす｛黒筋煉り屋｝は爪先を溶鉱炉に突っ込んで棒、
穿り出した飴玉を手に取る。とすれば、
＜厭'la'＞とまた叛けた頬、
色事仕損じた黒筋煉り屋はドギーと言う名のマギーにお座りと指示を出し、
「強ちアナフィラキシェでもあるめえや」とのたまうが、強引に掴み出せばベトベトつく、
溶けてかテカテカの手を嘗めるのはテカテカの手に滑り込むドギーのマギーのあるいは或る妄り舌。

それはそれは既に色おはじき！


｛黒筋煉り屋｝の呟き、
「誰にむ言わぬで、」の問いに突慳貪は”冷淡にビリジヤン”の冷淡、'la'、冷、淡、
｛黒筋煉り屋｝の揚げた手が弱弱しく揚がってやっとそれは、
嘘泣きが数回分の
鬱騒とした鍾乳に瓜二つ、または三つの鉄仮面。
その中で擬似迷子を演じる妖艶な女の”冷淡にビリジヤン”を追い駆けて棒、
｛黒筋煉り屋｝は泣き言を踏む。

えええええ！　忌み合いは無し　だって単なるお遊び

どうにもこうにも色おはじき！

散らかる幼児部屋、窓からは赤メッキされた白樺の根が差し込まれて、
その間を掻い潜って辺り中に彷徨っている。のは、海底を這う木製の蛞蝓、の記憶、

我慢ならん御年頃の男女、心身が触発で血の気が蜜！
どろでろれ、良い具合の色おはじき弾いて指で。


しかくい部屋

粘って糸を引く　が
負けじと弾く指　が
飛沫を上げて仕舞う仕舞う仕舞う


乱痴気狂みの｛黒筋煉り屋｝が撒き散らしたのはサッカリン、
それに群らがる油っぽい蟻に、
それを食い荒らす二次元の鵺に、
それらを横目に冷笑するのは”冷淡にビリジヤン”の冷淡で女！
女の酔狂、男の覚醒、独りで拗ねて濁った気違水浴びる、
真っ正気になる、
ド真っ正気になる、
で、真っ正気になる、
でも素っ頓狂になる、
でもって瞬時に屍蝋。

ゆ　　う　　　　　ぅ　　　　　　　　ー　　　　　　　　　　　　っ　　　　　　　　　　　　　　　　く　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　り
の硬化、
で、
色彩が漏れ尽きると、
輪郭だけの、
もう、
動かな、
くなっ、
てしまっ、
た二人、
と猫。　　　'la'

例えば無神経で図太くあるとすれば、
そう嘯いて盲目的に発熱し続ける限り｛黒筋煉り屋｝は棒、
溶けかけの蛞蝓を吐き出して、吐き出して、吐き出せば床に抵触。
埋め尽くしたらば蛞蝓溜まり。それでもまだまだ図太くあれば。
｛黒筋煉り屋｝は身を伏して蛞蝓びたし、


色おはじきの鬱屈に分光が零れて突慳貪、
油っぽい蟻に引火して美南中、
｛黒筋煉り屋｝が火の上、で、
その飛ぶ火の粉、で、
初めての煙草をふかして見せる噎せる”冷淡にビリジヤン”な女、
初めて大人になる。　　　'la'

そうなれば、
勝った負けたも忌み合いは無し、
なにもかも突慳貪になって仕舞う仕舞う仕舞う仕舞う、


　（了）

　　『おんどりっこGoZeん』


宵がかっだ晩げ。
鼻っ柱出して、ふんがふんがイギしてるマンデラ、あんべ悪ぐ赤らんで、
垂らすマンデラの、鼻水びたしになってら町が。
黒ずんだ路上で、うだってる。
　　　「なっしゃんずよ？」
異邦の瞽女(以後GoZe)が、うだってる。
　　「なっしゃんずよ？」
手製の１０弦蛇皮線ごと引っ掻き鳴らして、うだってる。
　「なっしゃんずよ？」
そもそも　このGoZeどきたらば左腕が無えんず。
んだはんで、
右手で弦ッコ押さぇで左足に爪ッコ付いだブーツッコ履いで演奏してらんず。
この、弦ッコの押さえ方も無茶苦茶で多分やんべに覚えだもんだろう。
首に筋ごど立ででまで、あんずましく、うだってる。
うだいガダにも統一性が無くてヘダ糞だ。
んだばって、
ドッパど人こ集ばってらんず。
んだばって、
GoZeのうだ聞きいっでんのはワラハドだげ。
「なっしゃんずよ？」
GoZeが珍しくて、聞きいっだり、どんずいだり、遠めに見だりして、
笑ってらんず。
「わぁさもちょっとすかへでけ」
「なぁなめっこなんてゆんずや」
「わぁさもちょっとすかへでけ」
「なぁなめっこなんてゆんずや」
GoZeも、かっちゃましがらねのは　おし　だはんでや。
ワラハドも、もつけでまってさ。
んだばって、
ドッパど人っこ集ばってら。
「なっしゃんずよ？」
酔っぱらい暴れでらんず。
通る人ごど捕めで、ふったいで。
それ押さえよどして、人っこ集ばってらんず。
あー。
やっぱりやられだ。
酔っぱらい袋叩きだ。
んだばって、
つけらっと　うだってるGoZeは　みみきかんじ　だはんで。
いっとまが、
人だかり崩れで、ワラハドも　へでいがれだ。
酔っぱらいがGoZeの　うだ、わんつか口ずさんで、
GoZeに向かって、わんつか笑った。
んだばって、
つけらっと　うだってるGoZeは　めくされ　だはんで。
路上で、うだってら。
GoZeの　うだってる声だげが　そこいら辺で歩きまわってらんず。
たんげしばれる、たんげくれえ。


　（了）

「恋愛」

霧の中でコケタラ
迷子になるんだぞ！
気をつけろ！
コケタラ最後だ！
迷子だぞ！
戻れないんだぞ！
もうあの頃には
戻れないんだぞ！
だから手をしっかり
握って、迷子になるな！

>>181

はずめますて。
これ気に入りました♪
そんだけ。
(＝w＝)/

>>202

有難う御座います。そう言っていただけて、大変光栄です＾＾

初めまして。ナップルズさん、
選者指定コンペ3
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/poem/1180459105/35
の選者をして頂けませんでしょうか？

この夏休み、『こどもぼんぞもどり』で命を充実させてみませんか？

『こどもぼんぞもどり』は地混教の主催する夏のイベントです。
漢字では『梵像戻り』と書きます。
”梵”とは元々は、インドの正統バラモン思想の中心概念でブラフマンと呼ばれ、
宇宙の根本原理、あるいは宇宙の最高実在の事を指します。
子供たちが人や自然と触れ合う事で、自我や束縛から解放され、
宇宙が分割される前の”梵”の状態、つまり”梵像”に”戻ろう”、という目的があります。

山林のバンガローで行われる４泊５日のお泊り会です。
虫取りや自炊、ゲームや花火など、数々の楽しい催しで親交を深めたり、信仰を深める為に、
地混教の説法や簡単な修行、布教勧誘の訓練やレクリエーション等、遊びながら勉強も出来ます。
毎年いろんな地域から、沢山の参加者が来ます。
　>>202-204こんな楽しいお友達も待っています。
興味のある方や、お子様を幸せに導きたい親御さんは、是非ご参加下さい。

参加費：6000円
日程：7/32〜7/37
集合：高田馬場駅西口
持参するもの：印鑑、通帳、アドレス帳


　　地混教関東支部

　　『実録男前豆腐店マサヒロ』


土日の朝は早起きして待つ
ラッパが鳴ったらザル持ってソッコー出る
伊藤豆腐店のマサヒロはマジで男前だ
あの馬鹿デカい屋台引きながら
平気な顔して笑うんだ

豆腐は日本の一般家庭の食を支えてる
淡白な味でも低カロリー高蛋白
冬なら湯豆腐　柚子ポンに生姜
夏なら冷奴　蕎麦つゆに茗荷
どんな食い方でも美味い

伊藤豆腐店二代目店主マサヒロはホント偉い
夜早くに仕込んで朝早くに製造開始
文句も言わず湯気に包まれて汗だくの
鋭い真剣な目を見たら
またオニギリ渡しそびれた

豆挽き　煮込み　呉汁絞り
豆乳におから　凝固剤におぼろ　箱入れに箱出し
いろいろ教わった「絹ごし豆腐って実は
絹なんか使わないんだよ」って笑うマサヒロの
真っ白な歯に箸入れたい
汗で茹だる醤油顔に醤油垂らして
おまえの豆腐食べたい

北海道の大豆と沖縄県の海水を
掻き混ぜる日本地図みたいな大きい手で
いつも撫でてくれる時
マサヒロの手は豆腐の匂いがする
日本を支える分厚い手だ

今日も屋台引くマサヒロを見送って
ザルに載った二丁の豆腐を眺めて
お釣りポケットに入れて「ゆみちゃんが大人になっても
まだ覚えてたら、結婚しような」ってなんなんだよムカつく
いつもマサヒロは淡白すぎる
食えないやつだ


　（了）

　　『平成ファザーキース物語』


００１：　ママが偶数ならパパは奇数


ママは卵を二つ割る　パパは煙草を一本吸う

ママは窓を六枚拭く　パパは欠伸を三度する

ママは文句を十個言う　パパは黙って五回頷く

ママはパパよりも倍だけ年をとって

パパはママの半分だけ生活する

ママはなんでも割り切って

パパはいつでも一人で余る



http://uploader.fam.cx/img/u13056.jpg
　（挿絵：五味霞）

　　『Oyez! HIBARI』


駅員のファルセットなアナウンスを半ば無視
止まらない特急快速に駆け込み乗車する古い友達を見た

電車を降りればいつもの駅
改札を跨げば馴染む　この様　ぶ厚い混雑　 < < < Oyez.

この感覚は高熱帯びて毛穴中から噴き出す朦朧した音叉である
この眼球は女帝の胎内に放りこまれた泥色の太陽の種である
この霊魂は野鼠の心臓を埋めた明るい象皮症の皮膚である
この口唇は野次馬の嘲笑を握り締めた赤子の拳である
この足踏は軽やかにのたうつ蛇である
以上を率いて私
暗喩で武装し　不貞寝を始める煩悩の中枢を阿呆な舞踏で突き抜ける　< < < Oyez,Oyez.

裂けた唇から誰かに届くか否かの発音を穿つ
破裂する発音は行き交う蔑視によって瞬間的にハチノスにされ穴だらけになる
発音は無数のつまさきに蹴り転がされていく
無数の発音の骸が私を見る
視線の中心点で煮詰まる　< < < Oyez,Oyez,Oyez.

この場は様々な人間の無数の発音の骸に溢れている
底に濁って巣食う轟々音に鼓膜が痛痒くなる
発音の骸がチラホラと薄笑いをしている
代わりに混雑の厚みは二度と笑わない
その二つの関係を伝う油ぎった処世術の粘りが私の肩を叩く
この場の気持ち悪さはその処世術に由来すると判断した直観は正しいらしい　< < < Oyez,Oyez.

発音の骸に埋もれてひとり浮浪者が壁際に座って俯く
膝には薄い空き缶だけが寄り添い
周囲には濃い糞尿臭が勃起している
生にも死にも見放された腫れぼったい頭部が痴愚相応しく項垂れて呻く
混雑の厚みから突き出る呻きは薄汚れた鋼鉄の雲雀になって発つ　< < < Oyez.
気付けば一人一人の頭上に
鋼鉄の雲雀が居候している
カフェの装飾ガラスを見れば私の頭の上にも確かに鋼鉄の雲雀がいる
立つ
真っ直ぐの飛翔痕が傷口が生々しく叫ぶ
次いで　私は浮浪者の呻きに注意力を強奪される　< < < Oyez,Oyez,Oyez.

聞け皆　この一本線の頂上で体内に嵐を受けて鳴く薄汚れて錆びた鋼鉄の雲雀の声を聞け
聞け皆　この一本線の根元で身体を歪み曲げた浮浪者の呻きを聞け
聞け皆　この一本線の中に映る皆の亡霊を聞け

　　　声を聞け　 < < < Oyez,Oyez,Oyez.

う　→　撃ち出せの合図

頭上に
全身全霊で鋼鉄の雲雀を突き上げて黒々とした一本線を引ッ描け
激しく絶え間無く鳴け
降れ
刺す啼き声で発音の骸を砕け
飛翔痕の根元で鋼鉄の雲雀と張り合え
息絶え絶えに鳴け
その命の摩擦熱が器用貧乏な手になって眼球内に飽和した真空が真っ黒い結び目になる　< < < Oyez,Oyez.

絶えず
軽やかな蛇のウネリで灼熱の音叉を背負い泥色の太陽を孕んだ象皮症の嘲笑で無数の真っ黒い結び目の囀りの塊を聞け　< < < Oyez.
私は落下した私の鉄の雲雀に脳天を割れ
倒れた
誰も通報しないが
鳴き声は耳に焼き付いて
焦げた匂いに目が泡立った　< < < Oyez,Oyez,Oyez.


　（了）

各地で梅雨も明け始め、夏も本格化して参りました。
きちんと水分やスタミナを補給し、存分にアバンチュールをお楽しみ下さい。
夏は眼球臭い獣の地肌の感触がします。


●月刊実話ナップルズ2007年7月号

>160-166　広告：緊急尋ね人「帰ってきて！ぼくらのタンシン園長！」
>>167　『タンゲロピューレランドで死のうぜ』
>168-174　『一連の「腹話術師騒動」についての顛末』
>>175-178　『鬪爭祭 ver.C』
>>179-180　『漏電婆の裏を取れ』
>>181-182　『人はもっと節度をもって死に接しなくてはならない、と思う』
>>183-186　『ドルイド谷垣の「新釈奴隷道」　第一回』
>187-190　広告：屠殺製薬株式会社　「鉄錆漢方胃腸薬ＲＸ 3包入」
>>191-192　『春なんだったらラッタター』
>>193-195　『ジョコンダ　《Ｌ・Ｈ・Ｏ・Ｏ・Ｑ》→〜Elle a chaud au cul〜→（彼女はお尻が熱い）』
>>196-197　『印象 -Ornicopytheobibliopsychocrystarroscioaerogenethliometeoroaustrohieroanthropoichthyopyrosiderochpnomyoalectryoophiobotanopegohydrorhabdocrithoaleuroalphitohalomolybdoclerobeloaxinocosc-』
>>198-199　『おはじき遊び』
>>200　『おんどりっこGoZeん』
>201　「恋愛」
>202-205　広告：地混教関東支部　「こどもぼんぞもどり」
>206　『実録男前豆腐店マサヒロ』
>207　『平成ファザーキース物語』
>208-209　『Oyez! HIBARI』

ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
全ての宛先はコチラ迄　→　[email protected]

　『俺の隣でソイソースグラスホッパーが「もう喋るな、話が噛み合わねえ」と泣いた』


――ショウユバッタの正式名はショウリョウバッタらしい
――口から醤油出すのに

金曜の夜
インターフォンが鳴った
ドアを開けたら足元に
ショウユバッタが一匹いた

ふれあいに酷く餓えていた俺は躊躇無く彼を部屋に招き入れた
四畳半の中央
炉畳に居座った彼はキチキチキチと言い
「私の名前はソイソースグラスホッパー。お前は」
「俺は」
俺は法の目をかいくぐって手に入れたなけなしの闇米で彼に塩粥を振舞った
彼は家計簿のレシートを階段にして茶碗の縁に登り
一粒ずつ時間をかけて咀嚼した
それから
俺は彼と話し合った
キチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチ

壁に背中をピタリと付けて直立し
床と脳天の平行線と壁の交点に
日付時間を書き込んだ名前シールを貼った
やっぱり今日も
背は変わらない
「お前、選挙には行ったのか」
「いや俺、ノンポリ馬鹿なんで、”選”の付くもん、苦手なんです」
「学校は行ったのか」
「まあ、一応。小卒みたいなもんです」
窓の外では
街頭演説と竿竹屋と廃品回収の軽トラが怒号を張り上げてネックアンドネックを張り合っている

空っぽになった茶碗
その中を舐めるソイソースグラスホッパーに
梅昆布茶を出した
「私は土の中で生まれたが、世界節足を自負している。産まれはどこだ、お前は」
「俺は」
俺は茶碗を片付けて浸け置きしてあった食器と一緒に洗った
切れかけの電球がプチプチと点滅して後頭部を突き
射落とされたカワセミの腹のように夕日が鳴った
「哀れなものだな。自意識ってのは」
キチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチ

落ち込んだ空のジッパーを開くように
まばたきの多い飛行機が北へと亡命し
影の薄い衝撃波が窓をノックして歩いたが
結局は誰にも相手にされずに電柱の陰で野垂れ死んだ
野良犬の小便に溺れて
「太鼓橋で拾ったんですよ、命を。
交番に届けたんですけど、落とし主が他界してたみたいで、帰りに１割貰っちゃって。
残り９割？お遊びにでも使われたんじゃないですかね」
俺の話を浴びて
ソイソースグラスホッパーは興味無さげに
ずっと脚を擦り合わせていた

家計簿のレシートが下から順番に黒ずんで
点滅する蛍光灯が映写機の真似をし
アイソメトリック投影法にしたがって俺の等軸測投影図を畳に焼き付けた
縦横斜めの線をなぞって
要領さえ覚えれば簡単だ
つまりは相手の嗜虐心を満足させればいい
「つまらねえ人生だな」
呟きを足場にしてソイソースグラスホッパーは跳び上がり
１４型テレビデオの上に立つミニチュア骨格模型の頭に乗った
キチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチ

俺は彼と話し合った
それは形而の上へ下へと振れながら深夜まで続いて
静かに
隣の部屋からは大学生アベックのギシアンが聞こえ始めて
それから
俺の隣でソイソースグラスホッパーが「もう喋るな、話が噛み合わねえ」と泣いた


　http://uploader.fam.cx/img/u14860.jpg
　（挿絵・五味霞）

編集部に何かあったのかな。

夏の思い出は作りましたか。
そんなもの無くても生きていけますけど。
　
●月刊実話ナップルズ2007年8月号
>>211-212　『俺の隣でソイソースグラスホッパーが「もう喋るな、話が噛み合わねえ」と泣いた』
　
ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
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　　　　　　　　　　　【訃報】
　
　
　無限会社ビリオン出版『月刊実話ナップルズ』編集長　茄古天人（37歳）は、
８月２９日、上下中央病院にて、食中毒及び深刻な全身外傷の為、永眠致しました。
ここに生前の御厚誼を深謝し謹んでご通知申しあげます。
尚、通夜告別式等は下記のとおり相営みますので、お気軽にお越し下さい。
　
　　　　　　　　　　　記
　
日時　通夜式　９月９日（日曜）１３時から１３時１５分迄
　　　　告別式　９月９日（日曜）１３時３０分から１３時４０分迄
　
場所　金魚ビル２階　男性用トイレ
　　　　新宿区歌舞伎町３丁目４１１５番地４０号
　　　　　　電話　９Ｘ―Ｘ印ＸＸ―１Ｘ７Ｘ
　
喪主　　茄古法人
　
　　供花問合せ先　葬儀社　ソーシャル・スクラップ
　　　　　ＴＥＬ００−２＠￥５−”ず６＊
　　　　　ＦＡＸ００−２＠？ず−ＡＡ１＄

　
　追伸
　　
事の経緯を簡単に御説明致します。
　
茄古氏は２８日の夕刻、一ヶ月の不眠不休サービス残業により満身創痍憔悴しきりで帰宅した後、
出掛ける前からベランダに放置していた生牡蠣とゴマサバを食した所、
貝毒腸炎ビブリオ大腸菌及びヒスチジンアニキサスアレルギーを起こし、
更に幼少時代に両親祖父母地域住民行政立法司法から受けた公的虐待体験をフラッシュバックし、
幻覚幻聴と下痢嘔吐を繰り返しつつ凡そ３０名の人格と１時間の個人協議の末、自力で救急車を呼び、
病院に運ばれる途中に原油輸送トラックの列に煽られ玉突き交通事故に巻き込まれて一回転、
その際に前方衝突の衝撃で強化車両搭載用ストレッチャーに拘束されたまま救急車後方から飛び出し、
車道約５kmを滑走した所で運良く開けっ放しの裏口から上下中央病院に急患として飛び込むも、
薬品棚に突っ込んで約数百種の劇薬を一度に浴び、焼け爛れた体を引き摺り匍匐前進で診察室に向かっていた最中、
不審者と間違われて警備員６人に袋叩きにされ、拷問されながら３０分間の釈明により誤解は解けたものの、
診察には「受付手続きが必要だ」と言われロビーで待機させられること約２時間、
焼肉近親相姦乱交パーティを終えた医者たちが診察室に茄古氏を急患を招き入れると、
茄古氏は既に虫の息、複数の医師により「既に手遅れの状態」との判断が下され、
即座に特別隔離個室に収容、未許可新薬の被験者として有効利用されながら、
ＧＣＳはＥ３Ｖ４Ｍ５、自発呼吸・脳幹反射・自発運動・除皮質硬直・時折痙攣有りと診断、
しかし複数の医師により「やはり既に手遅れの状態」と判断の再確認により辻褄が合わされた後、
医師及び看護師らの汚物を見るような蔑視を浴びつつ、２時２２分に脳死が確認されました。
　
先日「死ね」等と書き込んで下さった方々の御希望を無事叶える事が出来ました。
編集部共々喜んでおります。重ねて、御批判下さった皆様には深く感謝致します。
　
茄古氏の死に関しては全く同情の余地も無く、誠に自業自得としか言いようがありませんが、
少数の親族と社内の者で渋々ながら葬儀を執り行います。
御馳走や御土産、二次会の準備もしております、無関係の方もお近くに立ち寄りの際は奮って御参加下さい。
　
　
　　　以上

　『４月の蛇になれば彼女は　〜皆殺しの哲學〜』


８月に彼女は死んだ
雑木林と砂利の間で
体温を探る舌に似た細く長い指に似た硬質なツリ目が半分だけ土に埋もれていた
彼が覗き込むと
彼女の手が目が舌が伸びて
引きずり込んだら穴の中
二人の苦笑いが正午の時報になった

素揚げされる蝉を遠目に
防空壕の中でリュックを開いて
彼女の祖母が作って持たせた草餅を食べながら
ゆっくり話した事があった

「祖父も父も、職人だった」と前置きして
彼女は「この町は好きだ」から家業を手伝うと言った
「肉親は一人しか居ない」と付け加えて
彼は「母親に楽をさせたい」から有名国立大学に入って国家公務員を目指すと言った
二人は二度と交わす事の無い顔で最後の会話を楽しんだ

相手を選ばない言葉を慎重に選ぶ彼と「焙じ茶も有るぞ」と
熱っぽい話をやや冷ややかに語る横顔の彼女は７月の燕になって防空壕を飛び立ち
小さい翼で空を支えながら世の末に切り立つ断崖絶壁に真っ赤な巣を作り
情緒不安定で注意散漫な混乱する海上の波を聞いていた

彼の計画を聞き出しながら「別に、お前を心配して言ってる訳では
ないからな。絶対」と彼女は不備や修正点を指摘して
彼女の話を聞き入れながら「自信は、あんまり無いけど、
やれるだけやってみる」と彼は防空壕に響く声に返事をした

戦争を知らない彼は平和について口角から泡を飛ばす必要は無かったし
理想を持たない彼女は現実について恐怖する必要も無かった
だから彼と彼女の防空壕は真空だった
思考は蝉のように素揚げされ
感情は打ち水のように蒸散し
言葉はミミズのように干乾び
想像は喉に草餅を詰まらせて窒息死した

「何にも要らない」彼女の知恵は透明な炎だったので
分別は一瞬で焼き尽くした
理想への努力や追求　達成への野心や欲望　利益への打算や画策
他人への支配や従属　隣人への依存や反抗　一角の者への羨望や嫉妬や追従
競争における勝者へ崇拝や敗者への無慈悲　全ての鈍感と無感情
観念や騙詐や偽善や自己欺瞞や妄想や逃避や冷笑や怠惰
それら過呼吸な波のように打ち寄せる様々な「欲望には
飲まれない」為に
人は沈黙の底に「澄んで
浮いていなきゃ」いけないと信じる彼は
ついには何も信じなかった
「海にも宗教にも酒にも知識にも、
金にも恋愛にも力にも観念にも、
溺れるのは嫌いだ」と言う彼女は６月の蜂になって森を飛び回り
乱反射する完全結晶のような複眼で草の根元から動物の寝息まで撫で
蜜の体臭を振り撒きながら無垢な受粉の手伝いを続けた

不徹底で心配性で悲観的な彼は「なんか、死にたくなってきた」ような気がして
穴の奥を覗き込むと
穴の奥に覗き込まれた
その横で彼女はトルコマーチの口笛を吹きながら「否定も肯定もせんが」
エダナナフシのような動きで踊って「祗如今鑑覚」
両手で草餅を伸ばして「何にも頼らず、ぜんぶ捨てて、
現在の、全体の、事実だけを、
ただ見て、ただ動けば、よいのだ」
千切れた草餅の片方を彼に投げて渡した「それでもお前が、
同じ事を言って、未練がましく、何も見ようとしない、
そーゆー救いようの無い超弩級ウツケの大タワケ者なら、直ぐ私の所に来い。
私がお前を殺してやる」

燕の耳で音を聞き　クチバシで歌い
蜂の目で者を見て　身軽に愛し
馬の脚で地面を駆け抜けるように生きた彼女の口癖は「だが、
何もしないよりはマシだ」と言って
冬眠から覚めるように
４月の蛇になれば彼女はトルコマーチの単独パレードに乗ってヨモギを摘みに行く


　（了）

頑張らない勇気だけが友達の癖して調子こいてんな

　『公次のドキドキ黒味噌テクニック　第一回「ちょｗｗ先輩ｻｰｾﾝｗｗｗ」』


はじめまして、このコーナーを担当する事になった黒味噌公次と言います。
気軽に「こーちゃん」って呼んでね。

社会に出ると、学校では習わないような事態に度々遭遇するんだ。
その時にジタバタしていては、迅速で正確な対応は出来ないから、
日々の学習と、技術の錬磨と、普段からの危機管理が大切だよね。
このコーナーは、よいこの皆と一緒に生涯学習をしていこう、というのが趣旨なんだ。


今回は、”人間の言動”について観察していこうね。

読者の方から提供して戴いた教材はコチラ

　>>220「頑張らない勇気だけが友達の癖して調子こいてんな」

一見すると、一乃至二世代前のヤンキーが真面目な後輩に言い掛かりをつけているような、
無根拠で尊大且つ侮蔑した発言のような印象を与える文面だけど、
その裏には深い優しさと思い遣りが隠されているんだ。
じっくり見ていこうね。

この一文から読み取れる要点は主に三つ。
○「頑張らない勇気だけが友達の癖して」という差別的視点・・・Ａ
○「調子こいてんな」という審判・・・Ｂ
○”選者指定コンペを読み、このスレッドに書き込んだ”という行動・・・Ｃ

■Ａついて。

「頑張らない勇気だけが友達」である”相手”と、
「頑張らない勇気だけが友達」ではない”私”、
この主客分離、何らかの価値体系に沿った階級付け、そして今回の態度における差別、
という一連の動きが観察出来るよね。

主客分離は知性の基本的な機能なんだけど、
”相手”と”私”を分離する時、事実と関係は時間によって断片的に切り取られて、
その二つには相互に依存した対立があって、両者の比較や評価や選択が行われて、
それらが情報として固定されて、記憶に蓄積されて、経験や行動に反映して、
”相手”と”私”とが強化されていくんだね。

「癖に」っていうのは、非難し責め詰る気持ちを込めて逆接条件を表す時の言葉だよね。
大概の場合、”相手”が”私”よりも人格的や部分的に価値が低いと判断された時に使用されるみたい。
その価値判断は、”私”のイデオロギに限定されるんだ。
主観的価値は、個人的に教育されてきた知識や刷り込まれてきた伝統などの経験によるよね。
客観的価値は、何らかの社会的立場などの固定した観点から見た一面の評価だね。
主観も客観も”私”という自我から発生する区分なので、
いずれにしても、過剰な自意識から発生した言葉上の幻想であって、
幻想によって関係を見る事は、理解ではなく解釈だよね。
解釈というのは、体系的学問や個人の立場などからの見た一面の、事実に対する断片的な情報のこと。
幻想に立脚したいくつかの部分的な結論だけに固執している限りは、
事実そのものとその関係という全体の理解からは程遠いんじゃあないかな。
いつまでも”私”という「観念に隷属した差別の養豚」で居たいならば、それでも良いんだけど、
個人的な趣味嗜好を公の場に持ち込むのが社会通念上よくないことは、誰もが知っているよね。

次に、〔「頑張らない勇気だけが友達」ではない私〕の、
どの部分の否定が強調されているかによって、”相手”と”私”を分離した切っ掛けが掴めるよね。

１”頑張らない”の否定→「頑張る勇気だけが友達の私」→とても良い心掛けだね
２”勇気”の否定→「頑張らない○○だけが友達の私」→とにかく友達は一人だけなんだね
３”だけ”の否定→「頑張らない勇気の他にも友達の私」→友達が多いんだね

１と２の場合は、信念の対象が違うだけで、立場はそんなに違わないね。
そして”相手”と”私”の違いやその差別が、単に信念に起因するものならば、
信念というのは自我の意志による規律だから、個人が自ら条件付けた幻想だよね。
幻想を対立させて争う時、関係は解釈され、無理解な事実は蔑ろにされてしまって、
結局は気休めか不毛に終わるのが常であることは、社会生活にも観察出来るよね。
みんなも、信じる神が違うだけで殺し合いする紛争みたいな野蛮は、無いようにしたいね。

３の場合は、友達の数の多い少ないによる差別だね。
友達が一人だから悪いのか、二人だと良いのか、あるいは多数だとどうか。
友達が多ければ賞賛し、少なければ卑下する、というのが常識であるなら、それは正しいのかな。
何と何を比較して、多い少ないを計測しているのか、
単に数の比較は、事実に対して正当性を持つのか、
疑問は色々と有るけれど、
「の癖に」が続いてる事から、”私”から見た個人的な主観的価値の判断である事が伺えるよね。
無根拠な幻想は事実に正当性を持たない為に、単なる言い掛かりだと思われてしまうから、
みんなも勘違いした時、人に指摘されたり、自分で気付いたら、我を張らずに自粛していこうね。

■Ｂについて。

これまでの観察で、文全体も含めて「調子こいてんな」というのは、
無根拠な幻想に立脚した自我による主観的価値の判断による極めて個人的な審判である事が分かったね。
「調子」には様々な意味があるけれど、この場合は「気分的な弾みや勢い」の意味合いで良さそうだ。

なぜ”私”は、”相手”が「調子をこいている」と判断したのかを見ていこう。
判断の根拠が、事実そのものではなく、自我の幻想に基づく物であるならば、
問題は”相手”ではなく”私”の方にありそうだね。

まず、「頑張らない勇気だけが友達」というのは選者指定コンペのスレッドでの発言なので、
その辺の関係も考慮して、「調子こいてる」と判断されそうな要因を挙げてみるよ。
壱・選者指定コンペに出しゃばってる
弐・発言自体に不満がある
参・カルピスソーダトイボーイマルス等と訳の分からない事を言っており

壱の場合、”相手”が参加した事自体への不服なら、もっと早く批判があっても良かったよね。
尤も、スレッド主か自治会員でもない限りは、不当な要求である事が多いよね。

弐の場合、発言への不満は、構文か内容に分かれると思うんだ。
構文なら、技術的な問題だから、”相手”が理解出来るように適切に教えれば良いだけだよね。
内容なら、公序良俗に違反したものでもない限り、話し合いによる理解が必要だよね。
事実と関係への理解は、非難や正当化によっては絶対に見出されないから、
まず「○○の癖に」という前提を取り消さなければいけないね。

参の場合、これは全く意味も内容も無いから、本当に調子をこいてるとしか言い様が無いよね。

■Ｃについて。

「06:14:48にレスに書き込んだ」という事実を追ってみるよ。

コンペスレッドでのNaPlz氏の「調子こいて」る発言が05:24:25
>>220さんのレスが06:14:48である事から、
あまり時間の経過は無く、ほとんど目にして直ぐのレスである事が分かるね。
また、同日02:13:36に>>220さんが同IDによる詩板の別スレッドでの書き込みがあるので、
４時間の空白があるのだけれど、寝たとすれば>>220のレスは寝起きに、
ずっと起きていたとすれば時間的に考えても睡眠欲求は高かった事が分かるよね。

少なくともコンペスレッドとこのスレッドの二つのは見ていて、
コンペスレッドの発言を見て「調子こいてんな」と判断し、
何らかの興味や関心を持ってこのスレッド開き、
焦燥に駆られて文字を打ち、意図を持って文章を組み立て、期待を込めて書き込んだ、
という事が分かるよね。


■まとめ

以上の考察から、
>>220さんの発言に最も適切で失礼の無いように受け取るとすれば、

「頑張らない勇気だけが友達の癖して（って言うのはまあオレ個人が思ってるだけなんだけど、
それはそうと、人様のスレッドでカルピスソーダトイボーイマルスとか言うのは）調子こいてんな」

という事になります。


全くの他人であるNaPlz氏の愚行を見逃さず、
わざわざ早朝であるにも関わらず指摘しに来て下さった>>220さんは、
鋭い洞察力と強い正義感と、深い優しさと温かな思い遣りを持った、素晴らしい方です。

今回は、人間を言動の表面だけで判断してはいけないという事が分かりましたね。


よいこの、みんなも、ひとには、やさしく、しましょうね。

　■第一回の概要

　 　　　 　　 　＿＿＿_　　　
　　　　　　 ／ ＼　　／＼　ｷﾘｯ
.　　　　　／　（ー） 　（ー）＼
　　　　／　　 ⌒（__人__）⌒ ＼
　　　　|　　 　　　|r┬-|　　　　| 　　頑張らない勇気だけが友達の癖して調子こいてんな
　　　　 ＼　　　　 `ー'´　　 ／
　　　　ノ　　　　　　　　　　 　＼
　 ／´　　　　　　　　　　　　 　　ヽ
　|　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　＼
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､.
　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))


　 　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　 ／_ノ 　ヽ､_＼
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo　　　　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒（__人__）⌒:::＼　　　/⌒)⌒)⌒)
|　/　/　/　　　　　|r┬-|　　　　|　(⌒)/　/ / /／　　だっておｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
|　:::::::::::(⌒)　　　　|　|　 |　　 ／ 　ゝ　　:::::::::::/
|　　　　　ノ　　 　　|　|　 |　 　＼　　/　　）　　/　　　　　　　　　　ＤＱＮの因縁じゃないすかｗｗ先輩ｻｰｾﾝｗｗｗ
ヽ　　　　/　　　　　`ー'´ 　 　 　ヽ /　　　　／　　　　　バ　　　　　ふひｗｗ頑張らない勇気とかｗｗｗﾃﾗﾊﾟﾗﾏｳﾝﾄｗｗ介護乙ｗｗｗｗ
　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l 　　　　 l||l 从人 l||l　　バ　　　ン　　　　調子こいてんなとかｗｗｲﾐﾌｗｗｗｗ日本語でおｋｗｗｗｗｗｗ
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､　　　　ン　　　　　　　　　ちょｗｗｗ調子こいちゃらめぇぇぇぇえｗｗｗｗｗｗｗ
　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))


　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）　　　っていうか、
.　|　　　　 （__人__）　　このスレに書き込んでる時点で、あなたも友達だろ･･･
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　常識的に考えて……
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　　＼
　　　|　　　　 ＼ 　 ＼ 　 　　　　　　＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　 　 　　　　　 ＼




　　　　（了）

　　『平成ファザーキース物語』


００２：　百鬼園とマッジギルとザザンボ


百匹のオニが　すむ公園に

うまれた時から　閉じ込められて

新聞紙に包まれ　寝る９歳のザザンボ

スペイン風邪で　猫のノラが死んだ日

大雨に乗じてダッチドールと一緒に

笹舟に乗って下水路から町に出た

山高帽をかぶった　阿呆な汽車の中で

借金取りの亡霊に　馬乗りで千切りにされ

笑って百一匹目の　オニになったザザンボ

墓標の日本国旗に　猫のクルツがブルーを足すと

調子に乗った野次馬と記者が押し寄せ

新聞紙に乗せた「やすらかに眠る、享年１０歳」


http://uploader.fam.cx/img/u28544.jpg　　（挿絵：五味霞）


　（了）

　　『平成ファザーキース物語』



００３：　ノヨウナ


犬のような男が

懲役のような仕事から帰り

泥水のようなスープのような雑炊を食べ

死海のような風呂にドナリエラのように浮き

銃のようなバールで撲殺されたような歯ブラシで虫歯に触れた時の感電したような痛みのような眠りの中で悪い夢のような走馬灯を見た

これも嘘のような日課

ぜんぶ偶然のようなもの


http://uploader.fam.cx/img/u22323.jpg　　（挿絵：五味霞）


　（了）

００４：　アーントサリーとラバージョニーと冬瓜


チビッコのサリーおじさんは地下シェルター

に冷めた夕飯を持って

いくクリスマスソングを歌い

ながら車椅子に乗ってノッポのラバージョニー

は踊る冬瓜の煮物が好物

で三日に一度は食べたがって吼える

犬は知恵の輪

に繋がれて自然数にうなされる

「おはよう」を埋めれば夜に「さよなら」の実が熟す

チビッコのサリーおじさんが褪めた火事場でナイフを使った音楽を教えた後

パノラマ島で冬瓜を育てようとしたラバージョニーは二度と帰ってこなかった


http://up.mugitya.com/img/Lv.1_up31973.jpg　（挿絵：五味霞）


　（了）

　『無謀！？ＡＦＯ、「スパイ兵器」を試行錯誤・・・情熱と軌跡』


　２００７年８月の『全国垂直社医療月報』に、アシレマ軍の諜報活動に関する珍しい雑報が載った。
ＡＦＯがスパイ活動の為に前代未聞の試みを行ったというのである。
そして先日、異例の記者会見が開かれた。

発端は１９６７年、第一弾として「アコースティック・キティ」と名付けられたスパイ猫の試作品が開発された。
雄猫の腹に手術を施して発信機を埋め込み、尻尾の皮膚の下にコードを通して、
両耳にイヤリング上の発光ダイオードを装着し、陰茎をアンテナ代わりにしたのである。
最初の任務はゾ蓮大使館をスパイすることだったが、
猫は発情期だったので、あちこちの雌猫と交尾しているうちに予定の道を大きく逸れ、
結局、雑居ビルの隙間で謎の腹上死している所を発見された。
この失敗により「アコースティック・キティ」計画は頓挫したかに思われた。
しかし、開発部責任者であるナービー・ボチュ氏の一言で事態は一転した。
「猫が駄目なら、ゴキブリがいるじゃないの」
確かに、ゴキブリは繁殖も飼育も容易で、装置の設置も簡単であり、
生命力機動力共に他の追随を許さず、コストパフォーマンスも非常に高かった。
「アコースティック・コックローチ」計画が始まった。
その日から、研究室にはゴキブリが溢れかえった。
ボチェ氏が率先して作業を行うも、始めは多くの者が拒否し、嘔吐さえした。
だが、ボチェ氏の献身的で情熱的な研究態度に、周囲も次第に賛同し、協力を始めた。
ゴキブリに取り付ける為に装置は極限まで小型化し、強度や耐久性を高め、
業界トップレベルの性能にまで磨き上げられた。
しかし、開発チームには次第に、不穏なムードが流れ始めた。
ワモンゴキブリの連続的な変異によって環境へ適応していく強くしなやかな柔軟性や、
クロゴキブリの生命が宿ったコールタールのような美しい黒色に時折見せるキュートな表情、
石垣西表に生息する希少種ルリゴキブリのいたいけな脚や艶っぽい萌葱色など、
彼らの生態を研究していくうちに、開発チームは魅了されていたのだった。

「彼らにスパイなどという危険な仕事はさせる事は出来ない」とボチェ氏が言うと、
反対する者は誰一人居なかった。
その時だった。
開発チームのカンフル剤、紅一点の新人マルマッソが思わぬ方向から意見を出した。
「死んでもいい人間、というか社会のゴミをスパイに使えば良いんじゃないか知らん？」
研究チームは度肝を抜かれた。これは業界でも異例の発案だった。
果たして、そのような常識外れな方法が通用するのだろうか。
ボチェ氏は即座に英断した。
「やってみよう」
刑務所にて、無期懲役や死刑が確定した者、
少年院など、更生の可能性が明らかに低い者、
学校や会社で、緻密な調査と客観的な判断によって抽出された犯罪者予備軍、
「生きていてもしょうがない」と自覚しているものの立候補者など、
様々な方面から”スパイ候補”を幅広く選出し、
厳しい試験や面接などの末、スパイ兵器に相応しい”エリートゴミ”が選ばれた。
言葉巧みに説明し、本人の承諾を得て、彼らの全身に手術が施された。
前回の失敗を考慮し、腹ではなく脳に手術を施して発信機を埋め込み、
耳には発光ダイオードを装着、背中の皮膚の下にコードを通して、陰茎をアンテナ代わりにした。
「アコースティックエレクトリックスクラップ」計画が完成した。
幾度かの試験を繰り返し、いよいよ、実用される時が来た。
今回は比腸鮪大使館のスパイだった。
成果は驚くべきものだった。
スパイ兵器は、物という物を破壊し、老若男女を殺し、異性同性生物無機物構わず犯し、
難なく比腸鮪大使館の中に入り、見事に機密文書や情報を探り出した。
というよりは単なる強盗だった。
暴虐の限りを尽くした彼らは、警察官によってその場で射殺さ、民衆によって私刑に処された。
後日、国家間の大問題に発展し、ＡＦＯ開発チームはすぐに記者会見を開いた。
そして、開発チームの責任者であるボチェ氏の第一声に、全世界は感涙して拍手を送った。
「スパイとかしちゃだめだよねやっぱ」


　（了）

　『Couch-Potato FICTION　utsuKEMONO STYLE』



カウチソファーに寝そべって
　いつわりのことわり
堅あげポテイトチプス噛んで
　ことばはいときりば
ハックションのフィクション
　しこうはしこうひん

「巫山戯んじゃ！鵺！此方人等あ！食うて！寝る！だけで精！一杯じゃボケ！ド糞ダボ助バッカん棒ダら！」

想像力は捨てる
バカになったハサミで刻んで燃えないゴミに出す
頭は切って開いて洗って空っぽ
理がサイクルしてまっさら
重荷はまっぴら御免
ビンとカンは苦に従って分別し見え透いた袋に詰めて指定された時と所に出す
静かに
残るは無分別の俺が粗大なガラスのハードで敏感ボディ
正に獣

腹が減れば食う　目が重たくなれば寝る　非道殺生には一目散随徳寺
抜き差しならん羽目にならんように生計もキチンとキッチンのコンセントも抜き差しする
日用品を並べる　論理に起立する　足るを知り分に安ずる
毎度くだんの物事を尽く砕く
そして全て失ってからやっと何も重要ではなかったんだという事に気付く
南無三　仕損じ
あこの鬱な獣

（「純国産破廉恥考」まで読んだ　けど流れ読まずにここで一句）
　床に染む望み歌う溝の虫に粥

カウチソファーに寝そべって堅あげポテイトチプス噛んでハックションのフィクション
しからば
受験も宗教も戦争で累々の負傷者の屍を越えて行け鬼の形相で質量でストレスの蟻は無表情で木琴が枕、とか
浮雲に根がかりで平凡にパンチでイカレたポンチにクタバって仕舞えとクレバーに苦笑も噛み殺し合え衆の烏合、とか
根性の梅が咲いたら桜の森の満開の下に遺棄した永久動力を足手に纏ってタマゴボーロを逆円錐に組み上げろレゴ、とか
"leg godt"てのはデンマーク語でいうところの「よくあそべ」て意味

それより聞いてくれ
落ち着いて
足元の紐解いて首根っこに巻き付けて自分で自分の首絞めて足元すくえば自業自得自給自足自画自賛自由自在
自ら水から卵を固茹でする前に鶏が叫ぶ岬の先から玉と散れと自らと心中
するような毎日
でも
れご
家では寝巻　外では制服
美味いラーメン　冷蔵庫の麦茶
立って半畳　寝て一畳　家具も入れたら約六畳
もういい　これだけ
端数は切捨て御免
願いましては尋常じゃあなくあそんで暮らす
玉砕した後の例によって霊性の冷静から玉のような赤子となりて瓦礫の上に産まれ落ちて瓦全と過ごすの俺のこれフィクション
水から果てまでかんかんがくがく
しかじかこれごれ"leg godt"で御用レゴ

カウチソファーで寝そべって堅あげポテイトチプス噛んでハックションのフィクション
朗報は凶報　凶報は朗報
ぬばたまの玉を貫く音を爪弾く指を折りつつつつがなく待つ高照らす夢現と打つ頭痛腹痛低体温など風邪の初期症状には
かかりつけの意思の処方に従い
菓子でも食べましょう
よく噛んで
舌を
正にうつけもの

「冗談じゃＮ！Ａ！音頭礼賛惨酷刑二者合点！嘗めンな！はくたい先まで呪つてやるは！あははん！覚悟嫉妬Ｋ！」

ひとりあそび　ことばあそび　きんだんのあそび
かずあそび　いけないあそび　あそびほうけてあそび
わたしとはあそびだったのね　はいあそびです
あそびごとじゃあないんだぞ　いいえあそびです
いきてもあそび　しんでもあそび　であってもわかれてもあそび
ああそびえるわれらのいとしいあそび

偽りの理を掻い潜り
言葉は糸切り歯に限り
思考は至高の嗜好品とし
当然のように「唖」と吼え
オイタす体の裸に詰め込み無知を
うつ獣のようなスタイルで堅あげポテイトチプスと舌を噛むカウチソファーから始まる世界のフィクションに
あそびほうけてうつけもの
玉と散りて瓦と過ごす
正に獣


　（了）

失礼ですが、「よく泣きよく笑う」という
御社の社訓は、絶妙にフランクな切り口を記事に持たせる半面
世間に誤解を招きかねないものにも見受けられます
というのも、動かしがたい事実として
記者は第三者であることから
不躾な押し付けがましさが不可避でない上に
「実話」と銘打つ記事に当てはめるには
致命的な責任不在を連想させる語りでもあると考えられるからです
少なくとも僕は胸糞悪さを覚えました

記事集めや顧客獲得に狂奔している
ヤクザ紛いのブン屋の発想とも取れる
もし僕の読み取りに粗忽な点がなければ、ですが
あまり大々的にアピールするのは
避けた方がよいのではと考えるのですが

不可避でない上に、っておかしいですね
不可避な上に、でした

　『公次のドキドキ黒味噌テクニック　第二回「どう見ても思考停止です本当にありがとうございました」』


早くも第二回だね。
でも先生は正直な所、もう香ばしい方々を相手に真面目な話をするのは疲れてきたんだ。
それに、この出版社がどうなろうが知ったこっちゃないしね。

でも、格好の教材を戴いたら、黙ってはいられないよね！

提供して戴いた教材はコチラ→　>>234


今回は一応、文章の体裁を為している御意見なので、慎重に進めてみるよ。

まず、相互の感情的な擦れ違いや主観的な利害を避ける為に、
>>234君の意見と全く同じ事を言った人間”Ａ君”と、それを言われた”Ｂ社”を想定して、これから考察していくよ。
以下の文章は、>>234君やビリオン出版社に対してではなく、Ａ君やＢ君の関係についての話だからね。
>>234君は重要な問題を提示して下さっただけで、以下の考察には全く関係無いからね。
更に胸糞悪くなる必要は一切無いからね。


　■１、貧しさにも世間にも負けた枯れススキ

Ａ君の仰る通り、Ｂ社の社訓は
　一、よく泣きよく笑う
　一、独座大雄峰
　一、激しい喜びはいらない。その代わり深い絶望もない。植物のように生きることこそ私の目標だったのに・・・
の三つらしいね。
いや、どこにも書いてないんだけどね。
しかし、Ｂ社の不正を判断して指摘出来る程の公明正大を持っていると自認するＡ君が言うのだから、
この辺は間違いないものとして話を進めてみるね。


「御社の社訓は、絶妙にフランクな切り口を記事に持たせる半面
世間に誤解を招きかねないものにも見受けられます」

”絶妙にフランクな切り口を記事に持たせる”はＡ君の個人的解釈だから置いておくとして、
”反面、世間に誤解を招きかねないものにも見受けられます”という言葉を見てみよう。

さて、Ａ君の指す“世間”とは何の事かな？
これは、”誤解を招きかねない”と判断する為に確実な論拠となりうるような然るべき実体を持った「多数の人々の総称」だよね？
まさかとは思うけど、Ａ君の頭の中にある「常識という御教条を信念としている集団を指す観念上のシンボル」の事ではないよね？

その”世間”というものが実際に存在するかどうかというのが問題なんだ。

もし前者の、Ａ君が言葉で指しただけの「実際に存在する”世間”」なら、
その不特定多数の様々な意見を考慮して判断がなされなければいけないから、
”世間”が反映されたデータとして、Ａ君以外の発言も必要ではないかな。
それも、Ａ君の意見に沿っているような偏った人選ではいけないよね。
”世間”には、実際に生活している個々人が居て、肯定も否定も中立も無関心も有るのだから、
「それらの全てを含めて”世間に誤解を招きかねない”」と主張する必要があるよね。

もし後者の、Ａ君個人が夢想する「観念的な”世間”」なら、
「僕の考える不特定多数者に誤解を招きかねない」と言い換えられねばならないよね。
何故なら、その”世間”とは、他ならぬＡ君自身の意見に過ぎないのだから。


　■２、ニッポン無責任時代

「動かしがたい事実として、記者は第三者であることから不躾な押し付けがましさが不可避な上に
　「実話」と銘打つ記事に当てはめるには致命的な責任不在を連想させる語りでもあると考えられるからです」

まず、動かしがたい事実は
　・”記者が第三者である”
　・”それ認識するＡ君が居る”
という二点だけではないかな。

”不躾な押し付けがましさは不可避”や”致命的な責任不在を連想させる”は、
Ａ君の主観的な意見ではないか、観察してみようね。

雑誌の冒頭にもある「実話と虚構を綯い交ぜに徹底した取材と妄想を元とし
社会の表裏へ鋭いメスを入れたり入れなかったりする」という宣言を見れば、
記事全体にも”押し付けるような意図”が全く無い事は、明らかではないかな。

もし、虚構や妄想にも責任を持てと言うのであれば、それは社会全体に対しても徹底的に追求されねばならないよね。
このような、誰も呼んでいない虚弱小出版社の記事の（Ａ君の言う）世間への影響力なんて、たかが知れているけれど、
本当に（Ａ君の言う）世間の為に、そして様々な”世間”が集まって構成する「世界」の為を思っているなら、
その情熱的な正義感を、少しでも政治や経済やマスコミ等、多大な影響力を持つ方面に向ける事は出来なかったのかと、先生思うよ。

Ａ君は、本やドラマや映画といったフィクションにもクレームを入れる人なのだろうか。
という疑問が、次に係ってくる訳だね。
「「実話」と銘打つ記事に当てはめるには致命的な責任不在を連想させる語りでもある」

さて、
「よく泣きよく笑う」という社訓を前提に”実話”と銘打つ事が、致命的な責任不在になるだろうか？
むしろ、体験者や語る側や聞く側にしても、実話への真摯な態度ではないだろうか？
更に言えば、Ａ君は、記事が本当に”実話”でないとどこまで言い切れるだろうか？
もし、読んだ時点で「これは”実話”ではない」と判断できたなら、”実話”と銘打つことが責任不在になるだろうか？
実話でない記事を”実話”と謳う事自体が「致命的な責任不在」というのであれば、フィクションは責任不在だろうか？

Ａ君はＢ社の何に責任を求めているのだろう？
相手に責任を要求する場合、まず自らが責任を背負う必要があるよね。
自分が無責任なのに相手に責任を求めるなんて、全くのナンセンスだからね。
・名前を出す（必ずしも必要とは限らないけれど、匿名や名無しは責任を持ち得ないからね）
・立場を明確にする（判断や責任は単体では存在せず、常に”何らかに対しての責任・判断”でしか存在できないから、
　己の立場を定め、そこから相手の無責任を訴えたり正不正を主張する必要があるよね）
・論拠となるデータを揃える（”世間”や”不可避”や”責任”といった言葉に、事実への正当性が無ければ、意味を成さないよね）

”責任”という言葉にも、問題はないかな。
誰かに責任を取らせる事で、問題は本当に解決するのかな？
単に、怒る者の感情を沈めさせるという一時的な効果しか無く、
問題は先延ばしにされるだけではないかな？

“不躾”とは、どのような“躾”を基準とし、
“押し付けがましさ”とは、誰がそう感じて、
果たしてそれは本当に“不可避”なのかな？


　■３、スタッカーティッシモ


もしかして、この問題は、

　“失礼ですが　(省略)　僕は胸糞悪さを覚えました”

の一言に集約されるという可能性はないかな？

個人的な不快感を出発点として意見を進めてしまう場合、
自らを正当化する為に”世間”という仮想の多数を持ち出して都合の良いように物事を関連付けし、
その信念に沿うように”動かしがたい事実”（の利用価値が有る一面だけ）を掻き集めて、
世間や観念的判断といった「数の権力ゲーム」に持ち込むことで相手に自らの意見を押し付けて弾圧し、
問題が解決すると錯覚してしまう、
そういう可能性はないかな？

だとしたら、本当に不躾なのは、どちらかな？

「記事集めや顧客獲得に狂奔しているヤクザ紛いのブン屋の発想とも取れる」
とあるけれど、この暴力的な比喩が、
社訓の「よく泣きよく笑う」のどこから導き出せるんだろう。

大々的アピールとは何の事だろう？

アピールを単純に「人々への呼びかけ」だと考えると、
雑誌に広告を載せる、テレビのコマーシャルを放送する、インターネットで発表する、
様々な方法があるけれど、
このスレッドに書いてるだけでは、決して”大々的”とは言えないんじゃないかな。


文頭の「失礼」や文末の「粗忽」で保険を掛けているようだけれど、
そういった建前による感情の遣り取り以前に問題があるかも知れないよね。
そもそも、
Ａ君の発言内容や判断は主観的に偏りすぎていて、何故かそれを客観視を装った文体で書き、
しかもその文体も不完全なので、こちら側から意図を理解する事はほぼ不可能で、推測するしかなく、
内容的にも現状への不服や非難だけで発展性や建設的意見が無い為に、Ｂ社には否定も肯定もしようが無いんだ。


社会問題にもなっている「ストーカー」や「クレーマー」や「モンスターペアレンツ」の問題点も正にこれで、
彼らは、問題が起こった時、その原因が自分ではなく相手側に有る、とまず仮定して、
自分が持つ観念の正当化と、それに立脚した現状への否定のみ言動を起こし（これを”正義”だの”自由”だの呼んで！）、
被害者は、その不条理な苦情の対応の為に無意味に時間を削がれるだけ、というのが実情なんだ。

彼らは、相手との対話による事実と関係の理解と解決よりも、自分の意見を主張する事だけが大事なので、
現状の自覚が無い限り、もはや解決の糸口は無いよね。

　■まとめ

Ａ君の個人的意見はともかく、
今回の教材は、まず文章構成自体に問題があると先生思うんだ。

基本的な事だけど、文章には句読点や括弧を活用してみると、見やすくなるよ。
全体のバランスを見て、文章の長さを調整しながら句読点ごとに改行を入れて、
無理に難しい言葉を使わずに、無駄な装飾表現は省いて、主語述語をハッキリさせて、なるべく短い文にまとめるんだ。
何にしても、読む人の気持ちになって書いてみる事が大切だよね。
特に、知らない人に読んでもらう場合は、簡潔に分かり易くする必要があるよ。
一旦出来上がった文章をお父さんお母さんに読んで貰って、アドバイスを受けてみたりすると良いかも知れないね。
「あ、この人とはマトモな会話が出来るな」と、そう思ってもらえる文章って、大事だと先生思うな。

出来るだけ内容を変えないように、先生が文章を組みなおしてみるね。

『
　はじめまして、Ａと申します。
今回は、意見させて戴きたく存じます。

（これはどこにも書いていないのですが）「よく泣きよく笑う」という御社の社訓は、
絶妙にフランクな切り口を記事に持たせますが、その半面、
世間（という多数の人間）に誤解を招きかねない社訓にも見受けられます。
というのも、
”記者は（読者からすれば）第三者である”ことから、
その記者の意思は、読者からすると”不躾な押し付けがましさ”を感じさせる事が不可避である上、
「実話」と銘打つ記事に「よく泣きよく笑う」という社訓を当てはめるのは、
致命的な責任の無さを連想させる語り（？）でもあると考えられるからです。

もし僕に見落としや読み取りの間違いがなければ、
社訓に従う記者のやり口は「記事集めや顧客獲得に狂奔しているヤクザ紛いのブン屋の発想」とも取れ、
この点について、少なくとも僕は胸糞悪さを覚えました。

社訓については、あまり大々的にアピールするのは避けた方がよいのではと思います。
　それでは、失礼致しました。
』

いろいろ頑張ってみたけど、やっぱり意味が分からなかった。

有りもしない社訓を「アピールすべきではない」って、一体どういう事なのか、もし宜しければ３行でまとめちゃって欲しいな。

もう先生お手上げだよ。

　■第二回の概要


　　　　>>234
.　　／￣￣￣＼
.　　|/-♛-♛-ヽ|　　失礼ですが♡ℳℴℯ;ℒℴνℯ❤ゔ〲〰
.　　| . : ) 'e' ( : . |　　　　乜勹〰ｽㄜㄝㄋ〳〵ヷヷ〰㌰㌰ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ･･･
　　　｀ ‐-＝-‐
　　　／ 　　　＼
||＼￣￣￣￣￣￣ ＼
||＼＼. 　　　　　　　　　＼ 　　　　　∧＿∧
||.　.＼＼　　　　　　　　　　＼　　　 (　；´Д｀)　（ｵｲ、なんか変なのがいるぞ）
.　　　　＼＼　　　　　　　　　　＼ /　　　 ヽ.
.　　　　　 ＼＼　　　　　　　　　／ .|　　　|　|
.　　　　　　　 ＼∧＿∧　　　(⌒＼|_＿./ ./
　　　　　　　　　（　´,_・・`）目合わせるなって　∧＿∧
.　　　　　　　　 _/　　　ヽ　　　　　　　　　 ＼ 　（ 　　　　）　うわー、こっち見てるよ



　　.　. .... ..: : :: :: ::: :::::: ::::::::::: * 。＋　ﾟ　+　･
　　　　　　　 ／￣＼　 ＿::::。・._、_ ﾟ　･。*　ﾟ
　　　　　 　/:彡ミ゛ヽ;）(m,_)‐-（<_,`　）-､　*　　　　　意味はサッパリ分かんねえけど、気持ちは伝わったゼッ☆
　　　　　 / :::/:: ヽ、ヽ、 ::iー-、　　　　　.i ﾟ　+
　　 　　 / :::/;;: 　 ヽ　ヽ ::ｌ　　ゝ ∩＿i　 ｌ
￣￣￣（_,ノ ￣￣￣ヽ､_ノ￣￣E_ ）＿_ノ￣
　　　　　　　　>>234


　　　　（了）

誠意ある回答をありがとうございます
仰るように、どうも不躾なクレーマーとして寄稿するのが精々のようです

>>242

ちょっと待って下さい！文志君！（>>234で「ふみし」と読むんだね？）

黒味噌先生は、A君とB社の関係を考察しただけで、そこから派生したのは推測に過ぎません。
「仰る通り」と言いますが、黒味噌先生は単に可能性の示唆をしているだけですよ。
だから、『第二回黒味噌テクニック』と文志君の意見とは別問題だと思います。

どうして「自分は精々不躾なクレーマーだ」などと安易に結論付けてしまうんですか！
卑下して引っ込んでしまっては、理解も解決も無いまま、問題はいつまでも先延ばしになってしまいます。
事実から逃げず、じっくり思索してみる価値は十分に有ると思います。
何故なら、多くの人は、その”問題”にすら気付かずにいます。
その点、文志君の態度は、なんと真摯な事か！
瑞々しい鋭敏さでスレッドの問題点に気付き、違和感を流してしまわずに”胸糞悪い”という感情を認識し、
自分の意見をしっかり持って、人目を恐れずに書き込みをするという、立派な行動に出たのだから、
誇ることはあれど、卑下する必要など一切ありません。
動機が直観的なものであったとしても、それが確かな実感であれば、論拠としては十分です。

文志君の意見は一理も二理も有ります。
「誤解を招きかねない」「不躾な押し付けがましさ」「責任不在」「ヤクザまがいのブン屋」
これらの側面は確実に有ります。
ただ、黒味噌先生が指摘したのは、
批判の根拠が”世間”や”第三者”や”社訓”（←これはどこに書いてありましたか？）では、
不安定で弱いという事ではないですか。
何より、君が記事を読んで「少なくとも僕は胸糞悪くなった」というのは事実なのですから、
その直観を大事にして下さい。
そして、この真理を見出しうるのは君自身しか居ません。

何故、胸糞悪く感じたのか？
どの記事を読んだ時に感じたのか？

書物の知識や歴史の結論や学問的立場などに頼ってはいけません。
それこそ”第三者”による巧妙な幻想かも知れないのですから。
問題を君自身から出発させ、素朴な日常語で語り進めなくては、事実の理解には至りません。
難しい言葉は使わず、砕けた表現でも良いので、整理して素直に書いてみて欲しいです。

もう一度、諦めずに考えてみて下さい。

舐めた態度のせいでしょうか
具体的に記事を指して問題を糾すのは難しいように思います

バカを捕らえて楽しむ食虫植物の如きスレ主かな

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_
　　　　　　　　　　　|＼　∧　∧　／　　 `i
　　　　　　　　 ／|ﾉ　　`´　`´　`vi　　　　 |　　　　
　　　　　　　　l　　　　　＿_　　　　ヽ　　　　|　　　　　
　　　　　　　＜／￣￣ l水l￣￣＼/　　　　|　　 　　　不躾で低脳な貧乏出版は、フザケた記事と姿勢の誤りについて、撤回し謝罪しなさい。
　　　　　　　　|　, --､　　　　,--､　|　　　ヽ |　　　
　　　　　　　　|　lへ　ヽ　　/　.へｌ .|　　　 ヽ|　　　具体的に記事を指して問題を糾すのは難しいように思う。それを踏まえてでも胸糞悪い。
　　　　　　　　|　|　 ＼|　　|／ 　 | .|　　　　 |　　　僕のほうから貧乏出版に言わせれば、あまり僕の脇を舐めないで戴きたい！
　　　　　　　　|　|ヽ二>|廾|<二ノ.| .|　　　　 |　　
　　　　　　　　ヽヽ.　　'| 　 |　　 / ∧　　　　|　　　
　　　　　　　　　＼`ー'　 ::::`ー''／　ヽ　　　|　　　
　　　　,, -‐''￣''▽＼　　 :: 　／||::　　ヽ　　|l　　　　
　,, -‐''., ― ､　　ヾ,　`ー― '　 ||:　　　|::::::〈::l
. r‐厂（~.二.~）､　　ヾ　＼ /. 　||:　　　|:::::::::V
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ヽヽヽ　　ン　 　/:::　:::||　　:　||　　.....ii::　 　/
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>>246こら！剛門！またお前か！
変な絵を貼って茶化すな！

文志君すみません。うちの皮萩が御無礼を・・・
新人社員なので、学生気分が抜けきっていないようです。
きつく叱っておきますので、どうかお許し下さい。

　さて、話を戻します。
御返答戴きありがとうございます。
きちんと話せば通じ合えると、私は信じていました。

具体的な記事を指すのが難しいとは、全体の雰囲気からお感じになられたという事でしょうか？
「なんとなく」で”第三者”を”ヤクザ紛いのブン屋”呼ばわりするとは”世間”的には有り得ないと思われますので、
きっと余程の悪印象を持たせてしまう要因が有るに違いありません。

「舐めた態度のせいでしょうか」
この感想も、とても重要です。
”舐めた態度”というのは記者の事か、文志君の事か、主語が無いので判然としませんが・・・
いや、真面目な文志君に限って後者であるハズが無い！
「ビリオン出版社が舐めた態度をである」という意味ですね。

”舐めている”という判断は、一体誰が下しているのでしょうか？
この言葉は一般に、
「甲よりも段階や等級の低い乙が甲に対して分不相応の言動を為した場合、甲が乙に向かって放つもの」です。
つまり「甲＞乙」という”甲の自意識”から生じます。
自意識が、知性の特質である主客分離の機能により主客（自分と相手）を切り分け、
両者の内容・価値・能力などを何らかの基準に則って量り、
自分と相手を格付け（例えば、自分が上で相手が下と）、
結果「舐めている」という判断が下される訳です。
文志君の場合、価値を判断しているのは、一体どんな基準でしょうか？
その基準は、事実に基づいているでしょうか？

文志君は、ビリオン出版の社員の誰か一人でも、実際にご存知でしょうか。
私は、文志君がどういった方なのか存じ上げません。
お互い、事実無根の対象や素性を知らない相手を、正しく判断する事は出来るでしょうか？

スレッドを読み、どうして反射的に「胸糞悪い」「舐めている」と感じたのか、
文志君自身の中にある問題が究明されねばなりません。

どうか答えを急がないで下さい。
そして、自分や相手を非難したり正当化したりせず、事実だけを慎重に見てみて下さい。

「>>244」
なるほど、ええ、はい、お気持ち察しますわ。
では、こう言い換えてはみては如何か知ら？

　「おめえの態度が舐めてっから俺っち胸糞悪ぃんだよさっさと失せろボケ」

とてもシンプルですわ。
感情を正当化せんが為の理屈を後付するから、意味が分かり難くなるではないか知ら。

その件につきましては、ご気分を害してしまい誠に申し訳ありませんでした。
より一層の努力と共に厳しく徹底した社員教育を行って参りますので、
今回は何卒、ご容赦願えればと存じます。
そして、今後とも引き続き、『実話ナップルズ』を宜しくお願い致します。


>>245
まあ！節逸部長（245で「ふしいつ」でらっしゃいましたよね？）ったら、いつもながら川柳がお上手ですわ。

しかし「バカ」という言葉は少々意地悪で感心致しませんわ。
誰かを指して「バカ」と言う時、暗に「バカではない自分」が想定されております。
でも、相手から見ると「おまえの方がバカだ」と思ってらっしゃるかも知れませんわ。
何らかの評価と、それに従った選択というのは、いつでも主観的で相対的なものに過ぎませんから、
外側の世界に向ける言葉というは、常に自らに刃として向けられているという事ですわ。
勿論、大前提として、文志様はバカでは御座いませんことよ。

差し出がましい真似だとは思いますが、あたくしなりに加筆させて戴きました。

　雪野原、おさまらぬ息の蝿地獄

低温で乾燥する冬季に弱いハエジゴクが、息も絶え絶えに餌になる虫を待ちながら枯れていく様子を描きましたわ。
”野原の虫”と”腹の虫”を掛け、更に過呼吸である”おさまらぬ息”と瀕死の状態を表す”虫の息”を繋げ、
加えて”おさまらぬ腹の虫”という「憤り」や、”腹に虫がおさまらぬ”という「空腹感」も含め、
白銀の雪原の中でひっそりと死んでいく草の寂寥感を感じて戴ければ幸いでございます。

いずれにせよ、節逸部長の豊かな想像力と鋭い語句選びには、あたくし脱パット（ブラの）ですわ！

それでは、失礼致します。

　『事故報告書　土壁卵江（仮名）について〔四つの構成要素と四つの"want to do"〕』


●Ａ．土壁卵江の姿態
”ストロボ写真：スパゲティコード：レジェ曲線：ビープ音”

白黒の仕草の、一挙手一投足がうつろ、担って鳴って、赤い目の裏に絡む、植物的な、粘り気の、
骨粗鬆症を患った俗語、それを駆使する退色した舌、それを固結びする口先、それに釣り合うヤジロベエ式唇の端、
ふやけた紐を地面に投げ捨てたような人影が歩き出す、背後に、怒号する遮断機、信号のシャッター音、
鼻から抜ける擬音を縄に繋ぐ、日めくりの氷砂糖が訪ねてきた、入り組む喉笛の伏線、

●Ｂ．土壁卵江の肢体
”マニュアルフォーカス：ポインタ宣言：アシンメトリ配置：ダウンチューニング”

３トンの丁寧に轢かれる、指定、動かす体温、やるなら自らの手で、人間が代用品になる、
本音も方便、スルメのように裂ける時制、噛み千切る一人称が飲み込む三人称に、指定、
向かい合わせの目の中で小さくなる耳、指定、回折限界から家賃滞納で追い出される、
左右非対称に崩れる献花、灰に羽が生える、指定、低めのテンションな琴線を渡る二本指、

●Ｃ．土壁卵江の「したい」
”ホワイトバランス：ライブラリ関数：ヴァルール調整：フルゲイン”

コップ、白々しい無表情で、ボウルの中の逆順の叙述の中のボール、明暗に足を突っ込んで、
目的が目的、分相応の浮き舟に定着して遊覧する、響くコップ、湧き水を雛形に押し込む、
口癖と目くじらのインピーダンスとダンス、埋没剤に寝泊りする、最大利益を手に棒を振って、
跳ね回るクロックムッシュ押し潰すグリニッジ時間、黒々とした図表を育てる、割れたコップ

●Ｄ．土壁卵江の死体
”棄てフィルム：クラッシュバグ：エスキース：ハウリングサプレッサ”

明るい致死量一粒の試し書きいつまでも、
素焼きしたネガを壊れた脂汗に浸す、
蚤の心臓の雑音の要らない子、
無駄口抑制、


　　　（了）

寒くなって参りました。
秋は人肌が恋しい季節ですが、犯罪行為には手を出さないようにしましょう。

　●月刊実話ナップルズ2007年9月号

>>216-217　【訃報】
>>218-219　『４月の蛇になれば彼女は　〜皆殺しの哲學〜』
>>220-226　『公次のドキドキ黒味噌テクニック　第一回「ちょｗｗ先輩ｻｰｾﾝｗｗｗ」』
>>227　『平成ファザーキース物語』００２：百鬼園とマッジギルとザザンボ
>>228　『平成ファザーキース物語』００３：　ノヨウナ
>>229　『平成ファザーキース物語』００４：　アーントサリーとラバージョニーと冬瓜
>>230-231　『無謀！？ＡＦＯ、「スパイ兵器」を試行錯誤・・・情熱と軌跡』
>>232-233　『Couch-Potato FICTION　utsuKEMONO STYLE』
>>234-241　『公次のドキドキ黒味噌テクニック　第二回「どう見ても思考停止です本当にありがとうございました」』
>242-248　文志君騒動
>>249　『事故報告書　土壁卵江（仮名）について〔四つの構成要素と四つの"want to do"〕』
　
ご意見ご感想など御座いましたら編集部までお送りください。
全ての宛先はコチラ迄　→　[email protected]

　　　『御挨拶』


　昨年１０月に無限会社ビリオン出版を起こし、同時に『月刊実話ナップルズ』を創刊致しました。
紆余曲折御座いましたが、なんとか一周年を迎える事が出来ました。
これもひとえに、読者の皆様からの御叱咤御批判御苦言御罵倒中傷のお陰で御座います。
厚く、御礼申し上げます。

しかし。
突然ですがこの度、倒産する事に相成りました。

創刊当時から『実話ナップルズ』は現実と妄想と三つ巴になって真剣に戦って参りました。
しかし、あまりの読者数の少なさに売り上げは全く伸びず、経営は常に不安定でありました。
昨年１２月からは従業員持ち株制度を導入し、一時的には黒字を出したものの、
今年の春には再び赤字になり、業績はそのまま下降の一途を辿りました。
ピーク時には約五百億円の負債を抱え、７月には二度目の不渡りにより銀行取引停止処分を受け、
資金繰りが完全に断たれた為、先月、裁判所にて破産の申請を致しました。
その翌朝でした。
清掃員により、オフィスで多くの従業員が首を吊っている所を発見されました。
オフィス内には何故か、猫や烏の死体、怪文書やプラスティック爆弾の破片なども散らばっていたそうです。
また、その場に居なかった従業員らも、同日同時刻に別々の場所で謎の変死を遂げました。
残されたのはわたくし一人だけです。

営業時も、読者の方々から戴く御意見御感想の九割九分八厘は、
「おまえだれ？」「才能（も無いのに容量）の無駄遣い」「難解（な振りした馬鹿丸出し）で敬遠してしまいます」
「気色悪いからどっか行けよ」「君は死んだ方がいい」「お前マジで死ねよ」「死ね腹話術師」
「どうしたらいいか分からないくらいキモい」「胸糞悪い」「舐めるな」等といったクレームのみであり、
今思えば、従業員らの精神衰弱によるモチベーション低下も、倒産への一因であったように思います。

思い返せば嫌な記憶しか浮かんできませんが、今件で会社経営の厳しさ難しさを骨の髄まで思い知らされました。
そして、文芸雑誌など二度とやるまいと、固く心に決めた次第で御座います。

短い間でしたが、『月刊実話ナップルズ』は、これにて廃刊とさせて戴きます。

誠に有難う御座いました。

■無限会社ビリオン出版

　月刊雑誌『月刊実話ナップルズ』2006/10〜2007/10

《取締役会長》茄古天人（ナップリアン・ハムステル〜ナップルスト＝ペルガラモロフ迄）
　　→茄古法人（NaPlz◆BMW0Jpd26c）

《総務部》筒桐 銅胴
　堀折 藻助、花麹 時餅、戎 曼寺、安東 登呂吾、穿浜之 茂汰朗助、谷垣 合旦、飲酒盃 衰臓、嶺賞 雛

《人事部》十文字 ジャナバル
　アシタバ科 ちんちょうげＭ、秋武 秋無一、寿限 大介、墨倉 曼寺、旗夕 定樹、廣井 雨豆

《経理部》河童橋 天狗美
　緒方 ペパロッツァ、汁牢手・臓腑・変異得手・武夫、藤津 普賢、名瀬 何実、艸香 鱧造、山川 海野、韮丘 葱子、今橋 ラム

《営業部》伊崎 エレクトラ
　Pretty Polly、渦瓢箪 尺七、漆売り師 牛瓜内海、繁禿 髭重、二子舞 樂騨、合点 承知之助、入又 人文、楯井 陽呉、縫白 糊塗

《開発部》大木 十半
　ペナップ・ララルー、墨波 RFW、ジキセ・チョックニー、土倉 文蔵、河豚田 伊典、軍城 冗之丈、尾鉾 粘子、根米 宗介、皮萩 剛門

《事業部》指霧 源蔵
　北泥川 莫迦兵衛、鮮魚戦隊 鰆イエロー、チグル・ドプカ・ネジク、マントエオ・ホドミゴ・イゲノラ、海老剃 猫背門、烏賊胸 殻臣

《製造部》否門川 是清定
　塵屑 糞蛆、ミミモゲイラ・クチヌイヤー、ハナソギリア・メツブシウス、飴梅 巨目臣、角角度計 珠算坊、鵜飼 功夫、渇木 飢太

《その他》フェノル・フタレイン、ホッテントット森岸、フロギストンナトリウムＺ、シリア風Ｒバター煮、Ｃ田 Ｍ朗
　ソフェア・ヴァニーラ・コロシーネ、バグ、願、文房具屋のキッチョム、Father Keith、黒味噌 公次

以上７３名（うち茄古法人１名を除き全て死亡）