かき消す空に光る雲を見た

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どれくらいのあいだ、
空を見つめていたのか。
気付くとあたりは夕闇で、
すでに風もやんでいて。

どれくらいのあいだか、
地面を見つめて。
草が細く揺れるのを、
たしかめようと指を伸ばして。

けれども、
もういちどだけ、
せめていちどだけ、と、
こころのなかでのけぞるように、
やっと見上げたとき、
かき消す空に光る雲を見た。