ポエム大会8

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318ぐらんぐらん 1/2
幼稚園のときおれはヒーローだった
椅子取りゲームでは最後まで残り
跳び箱はおれだけが六段まで跳べて
お遊戯会では最後の取りで
三人でやる踊りでセンターを張っていた

小学校のときおれは優しいヒーローだった
浅野君派閥と石井君派閥にひっぱりだこで
どっちの派閥とも仲良く遊んでいたら
どっちに付くかと問われて
優しいおれはどっちにも付けずひとり遊びを覚えた

中学校のときおれは孤独なヒーローだった
誘われた野球部には入らず
陸上部でずっとハードルと遊んでいた
ひとり遊びを極めすぎてしまったためか
中学校三年の最後の大会で
最後のハードルに悪戯されていまい
いつ以来かの涙を流して
初めての仲間の肩の温かみに思わず
ヒーローマスクを脱ぎそうになった

高校のときおれは暗いヒーローだった
無口でいつも寝ていた
ある日消しゴム拾ってやった女に一目惚れされ
それからクラスの女たちの目がおれに注がれ
おれがクールなヒーローを演じていたのがバレてしまい
それからはクラスの女子の冷たい目と罵声がおれに注がれ
おれはそれでもクールなヒーローを演じ続け
三年間どんな時も机に突っ伏して
卒業式が終わり家のベッドで狂うまで
けっきょく何を演じていたのか分からなくなっていた