【毎日】俺のポエムを越えてゆけ【決闘】

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325加点対象にならない寸評
既に勝ち抜きが進行しているので、ポイントとは関係なくりますが、
気になったので、寸評置かせてもらいます。

>>243「名前は雪達磨」
出だしの唐突感からして虚をつかれた、という感で その感覚のまま
全編の雰囲気をも作り出している点に この詩の良さが見られると
思いますが、ストーリーとしても表現としても、どうしても「作り物」という
感が拭いきれず、お話としては面白いと言えるものの、それ以外に
迫ってくるテーマがどうしても伝わって来ませんでした。
タイトルの「名前は雪達磨」、これが詩の内容とどうマッチし、重要であるのか?
それを突き詰めて考えると、焦点は常に「私」に当てられていて、自分語りの
域を出ていないようにも思えす。雰囲気の良さに誤魔化されているような気も
なくもない。決定的に受け入れがたかったのは、最終連の

>そのまま3分…
>私という悪魔の出来上がり

ここで躓かされました。結局作者の視点は「私」に終始しており、「雪達磨」といモノの
特性を上手く使った、アイデアものではなかったか?という疑問が拭いきれませんでした。
雰囲気だけでは、物足りない…ということ、でしょうか。
行間も、こちらが作り出して読もうとすれば行間になるとも思えますが
逆に最終連が書きたかったがための、もったいつけのようでもある気がします。

>>316「ひじき」
日常のある一場面を上手く切り取り、それを淡々と語ることで その瞬間のイメージを
沸き立ててくれているという点に大いに好感を持ちました。
かなり言葉を選んで削って、という作業を作者の方はなさったのではないか?
敢えて、大袈裟にならないようにという気配りも伺えます。
その口調や、選ばれた単語、擬音、が 一瞬の「手元から落としてしまったひじき」
の惣菜への想いと、その瞬間の想いを想起させてくれました。

つづく↓
326加点対象にならない寸評・2:2006/08/04(金) 19:26:59 ID:JebNTK1I
ただ単に、落ちたひじきを「拾う」のではなく、「つまむ」というところに
言葉の妙を見た気がします。
つまむ=拾う、ではない。「つまんで(口にして)いる」、という口にしている
部分を省いたことで、その場面の悲哀さが じんわり伝わってくる良作ではないでしょうか。

>もったいないから
>栄養満点だから
>髪に効くから

他のフレーズと同列に並べながらも、そこだけが話者の「つぶやき」のように
浮き彫りにされてくるような点が、独りの生活と、せっかく「ひじき」の惣菜を
買ってきたのに……という切なさとも遣り切れなさとも捉えられる気持ちが
仰々しくなく語られているように受け留められました。そこのこの詩の良さを
感じました。

>ぜんぶ
>つまむ

そこに集結した終わり方もとても良いです。
327加点対象にならない寸評・3:2006/08/04(金) 19:30:44 ID:JebNTK1I

>>322『のどぼとけ』
タイトルからして、まず暗喩。
内容では語感を活かしているとも取れますが、一歩間違えると、ただそれだけに過ぎない
とも受け取れかねないところが所々に。それが気になります。
遣うべき言葉を、どこまで突き詰めたのか?少し疑問に思いました。
もっと削るべき言葉、同時にもっと他に言い換えられたのではないか?という
言葉の模索が欲しかった。
全体を通したリズム感は良かったです。
が、残念なことにそれと同じようには、そのリズムに言葉の重みを乗せられなかった、
(あるいは、作者は重みを敢えて削いだのか?)そのアンバランスさがこの場合は
この詩の焦点をぼやけさせている、という感じです。

「空蝉の風」というのも、綺麗な言葉ではありますが、「空蝉」の意味が
逆に伝わりにくい、という散漫な感じもなきにしもあらず。
そのため全体を通して、テーマとして読み手に訴えかけてくるものが感じられにくい
結果に終わってしまったように思えます。タイトルにかけられた暗喩にも、全体が
追いついていない、という感も。

―――――

以上、ポイントには加算されないでしょうが、一感想として置かせていただきたく。

もし、ジャッジさせてもらえるというのであったなら、
>>316「ひじき」

でした。