*前の人がお題を書き込むスレ その10*

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286鬼津月 ◆tBqj2O1lqQ
  三日月

日を追い疲れ、倦んで
夜の果てに隠された
円かな肢体の、覗くわずか
なめらぐ素足を愛でる
暗闇の片裾に、開ける切れ目から
零れ出した、眩い、流線の蔓
青白く、蠢く、光の粉
飲み干した、昨日の孤独を湛えて
宙を蹴る、銀の左足
その尖った爪先に
星の脱いだ黒絹を
ゆうらり、ぶら下げて
東の朝に、踵を下ろす

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お次は「新世界」で。