【スレタイ】 ★★天下一詩闘大会・弐★★ 

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354しんさabc ◆dKY5Eq8osE
     【お題:悪】
     【対戦者】 ゼッケン VS  ◆YAPoo/LC/g
        >>349-350「犬」 VS >>347(訂正>>348)「悪」

詩、及び文章を構成する上で重要にも関わらず、忘れられがちなのが「閾値」である。
書き手と読み手が持ちうる共通認識、或いはシニフィエと読み替えても良い。
言語の一致(日本人にダガログ語で伝える必然性は無い)は言うに及ばず、
読み手の持つ予備知識や読解力をも、意識的に視野に入れる事が必要である。

例えば「たいようが あかい」この、たかが平仮名8文字自体にこころを揺さぶる力は無い。
読み手のこころが揺れたのだとしたら、それは読み手の内なる“太陽の紅”を喚起したから。

「悪」と「犬」を比較した場合、大きく異なる部分として在るのは
油性ペン・タバコ等の、およそ詩的とは言い難い舞台装置の量である。
(コンビニの袋は、誰が想起してもコンビニの袋であり、そこに大きなブレは起きない。)
そして【悪】と言う概念は、極めて人間的な、極めて具体的な、人の行為なのだ。

表現力、イメージにおいて両作に大きな差は感じない。
しかし、奔放な想像力で創られた「悪」の、何処かで覚える離人感よりも
冷たい舞台装置で、地続きの位置にテーマを持ち込んだ「犬」のリアルこそが
読み手の深い嘔吐を誘うのだ、と思う。


ジャッジ:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6氏 「犬」
355abc ◆dKY5Eq8osE :2006/05/23(火) 02:28:26 ID:mOQObS3a
あ、審判チャンピオンは、リーフレイン◆LeafL/oiO.氏に1票。
それぞれの詩を丁寧に読み解く姿勢、見事なもんです。


※あと“負け犬大賞”を◆UnderDv67M氏に。