136 :
カラムチ ◆9izHS3Ubx. :
【輪・枯れ・道】
両手の幅にも満たない木枠の窓から覗く景色は次々と流れ流され
まだ若いのにとつぶやく老婆に会釈ひとつ舌打ちひとつ
何処から来たのとささやく男に笑顔ひとつ平手をひとつ
がたがたと騒ぐ車輌の全てが愉快で不快に一つの世界
休もうか
答える前に貴方もう腰を降ろしていた
疲れたね
尋ねる前に君はもう幕を下ろしていた
すいませんそれひとつください
青い空白い雲赤い屋根黒い人
無言で差し出された 首を傾げて訊いた
すいませんそれいくらですか
青い空白い雲赤い屋根黒い人
無言で首を振られた それを受け取った
すいませんもうすこしまてますか
青い肌白い髪赤い牙黒い人
無言で船を指された 船頭と目が合った
137 :
名前はいらない:2006/05/09(火) 00:50:03 ID:RYX8XTRV
竹輪さんが審査員に入ってるかぎりアンダバはここを荒らしつづけますよ
それでいいのならもうおせっかいはやめときます
138 :
カラムチ ◆9izHS3Ubx. :2006/05/09(火) 00:51:13 ID:V6pE4iwo
【輪・枯れ・道】続き
近道だよきっと
左を選んだ貴方もう腰を上げていた
回り道よきっと
右を選んだ君はもう顔を上げていた
両手の指では足りない記憶の窓から覗く景色は次々と流れ流され
やがて見える青い空白い雲赤い屋根黒い人
すいませんやっときたみたいです
やがて見えた列車ひとつ溜息ひとつ
船頭は怒られたがもらったあれのことは言わなかった