〜〜詩で遊ぼう! 投稿梁山泊 17th edition 〜〜

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530ぼくたちがふっとんでいたとき
ぼくたちがふっとんでいたとき
きみはほんとうに
地平線のかなたの蒙古高原に
腰をおろしながら
羊たちの群れが大きくうつった
満月のシルエットをながめていたのか

ぼくたちがふっとんでいたとき
ほんとうにサモトラケのニケは
あの大理石の殻をはがし
ルーブル美術館の回廊から
太陽への懐かしみを捨てきれず
エーゲ海に向けて飛び立ったのか

おとなたちとこどもたちほど
世界はひろいと必ず言うのだ
それならばこえをきかせてくれ
本当にききたいのかはぼくにもわからない
531ぼくたちがふっとんでいたとき:2006/09/29(金) 23:00:37 ID:NHrTajP/
たとえば
焼けつく野火のまんなかで
喉がかわいたくるしさや
しぼみゆく目の干塩などを
舐めさせようとする
かのたくらみに
ことばが一枚噛んでいるなら

ぼくたちはききたくない
やさしくつつむこえでもなく
きびしくささるこえでもない

ひろびろとしたせかいを
わたりつづけようという鳥たちのこえのように
ひびきだけをきかせてくれ
ほんとうに ほんとうに
ぼくたちがふっとんでいるとき
きみはどこにいたのかを