50 :
名前はいらない:
大きな河に流されて
ちいさな花をうかべても
うんざりするくらい
民主主義的に
交通渋滞に巻き込まれます
51 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 17:46:01 ID:9ERc+S3s
あれもこれもできるわたしは
いつか死んで消失
なにを期待しても
騙されて騙された挙句
棄てられる
52 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:01:06 ID:9ERc+S3s
逆さ吊りのまま
反転して
わたしたちは生まれる
だからみるみる
青ざめていく
53 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:04:52 ID:9ERc+S3s
地球の膜に保護された
大気は
わたし達を生かしたつもりで
殺している
親のようだ
54 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:07:50 ID:9ERc+S3s
ペットボトルの
入り口をあけると
汚い雌猫が
豚を殺してる
さい中だった
55 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:10:05 ID:9ERc+S3s
目がつぶれ
手足が千切れとび
あたまが吹き飛び
血が流れる
心臓はとまらないせいだ
56 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:12:47 ID:9ERc+S3s
電話が鳴る
蝿が答える
あなたは誰ですか
わたしとおなじ虫けらですか
いいえわたしは人間です
57 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:15:47 ID:9ERc+S3s
だれも本当のことがいえない
唾して笑って
心で泣いてるからじゃなくて
第二展開でブランコのヒモを
はさみできっちゃったから
58 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:20:00 ID:9ERc+S3s
飛騨高山のわたくしの友人は
寒い夜には
わたしをおもい
かじかんだ皮膚を
暖めたりはしないのです
59 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:21:34 ID:9ERc+S3s
眩暈のなかに
白い紙をおいて
なにかを描かないものか
きたいしてるけど
インクはない
60 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:23:44 ID:9ERc+S3s
ピストルの引き金が
黒い土で固められた夜
少年はひとりで自転車で
海に向かう
世界の襞をみにいこう
61 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:26:23 ID:9ERc+S3s
殺す意志もなく
みずから放った
銃声に打ち抜かれた
少年は
死ねばいいのに
62 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:29:55 ID:9ERc+S3s
気のせいか
わたくしの目の前
60センチメートルのところに
一臂の豚が
投影されてる
63 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 18:40:44 ID:9ERc+S3s
ポエムよポエムよポエムさん
世界でいちばん不幸なのは誰?
はい、それはあなた様です
うつくしくも儚く咲きつつもまだ蕾の面影を残したマドモワゼル
そうやってポエムに問いかけるひと
64 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 20:12:20 ID:9ERc+S3s
いちどきりでも
こころから
他人から好かれたら
翌日棄てられても
ぼくの人生はかわる
65 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 20:31:38 ID:9ERc+S3s
差別用語を使うと
黒い鴉が電柱に舞い降り
にっこりと微笑んで
数枚の羽を落としていく
それで寒さを凌ぎなさい、って
66 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 20:34:26 ID:9ERc+S3s
黄色いレインコートは
鴉に狙われやすい
排水溝には
ネズミもいるのに
黒髪われて血は流れる
67 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 20:56:32 ID:9ERc+S3s
みんな馬鹿だ言葉道理に取らないで
勝手に筋書きを僕の胸に貼り付けて
わけのわからない議論に興じだす
みんなで集まって判った気になって
僕の言葉を使って僕から離れた場所でお手玉をはじめる
68 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 22:54:18 ID:9ERc+S3s
愛情をひっかける
衝立を求めてもいいじゃないですか
あんまり独りじゃ寂しいし
いつ死ぬかなんてわからないし
どうせ誰にも好かれることなんてないんだし
69 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 23:09:02 ID:9ERc+S3s
屈折した
輝きの
深い 底に
横になり
けむりをみてる
70 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 23:20:40 ID:9ERc+S3s
象牙の靴で
象を蹴飛ばしたら
パオーンってかなしむ
わたしも母が再婚したら
きっとかなしい
71 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 23:24:42 ID:9ERc+S3s
渡り鳥は
壜の底
わたしは
息をおくり
それを乱暴に励ました
72 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 23:31:18 ID:9ERc+S3s
夏休みには
父は燃えてなくなってしまう
母は家を出て
猫は逃げて
僕はばくぜんとはたらきながら時々嘔吐する
73 :
名前はいらない:2005/12/17(土) 23:33:36 ID:9ERc+S3s
世界の果てには
死体が集められて
公務員の天使が
顔を顰めながら
電卓を叩いている