君のセンス五段階+αで評価するよ[vol.34]

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360「壹岐の嶋の記に」
    とこよのほこらあり
   ひとつのえのき あり
  しかのつののえだ おいたり

 時と場所の流れを分けあうことなく
 骨とくずれた 人間たちの かつては
 たしかにあった頭上で なん度でも
  ねじ 巻かれ モリの植生 継がれ

 じぶんを養分と吸いあげながら
  眠りと覚醒を際限なく繰り返す
ものたちの あいだ ゆるゆると固まり
  かたちをとった とってしまった
   二本歩行が 移動する

    それはあたしだ

  なまえを付けて 捕獲しかけて
    もうすこし 一歩手前で
   半透明の なにか 巨大な
 手指のあいだ みすみす ほらほら
     逃がしてしまう
   たましいの飛び去った女

  

361「壹岐の嶋の記に」:2005/11/08(火) 22:10:55 ID:jXx79mjX
モリをぬけ 灼熱 アスファルトの
  吐き捨てられたガムを踏んでも
       わからず
      むかいのモリに
   しろいすあしで身をなげる
   根もとに臥す 彼女のうえを
     途にまよう男たちが
    すばやく 重ね うせる

   むこうの木のしたでは
   ちちとははとが なにか
      している

  獲物をさばいて いるのか
   粉にひいて いるのか
    あるいは ヒ でも
   起こしているのだろうか
      さっきから

   行きつく先はわからない
  臥したまま 視線のつかむ
   かれらの影は とにかく
       全裸で

    男と女のうえに
   ひとつのえのき あり
  しかのつののえだ おいたり

      やあね
      お願い
     はやくして