死のかんばせは俯いたまま
おのが視線の滴るを見る
薄暮の階段におおむねふた筋の
視線の軌跡を引いて
いかなるものにでも名が付くように
嵩なきもののひそやかな仕種で
辿り終えたすべてに死の刻印を
投げる
分子にて成るものにせよ境界なきものにせよ
触れるものすべての温度が
即座に二度下がる
そのような仕種でもある
遠景では朦朧とした教会が立ち並び立ち昇る
神々を送る弔いの烟のように
至高なるものをくべて立ち昇る高みは
降り積もる天の折り重なる濃度であり
色の重なるごとく階層を拒み
時さえも視程の外に縮退し去ったあとに
「すでに」だけが屹立する
絶望を食って働く心ならば
いつも満腹でいられる
不定形の歴史が
汗ばんだ肌を
押し付けてくる
死の主張を通訳するための言語を創る
温度と温度のあいだにある都
そこに降る雨の
あいだに泊る
なるべく摩擦の少ない台紙を死にあてがって
おなじ輪郭に切り取り
中心を鋲で留めて
回す
周縁部に見えるモアレが
再帰的な定義の一周回を歩幅として
走り始め踏み切るがゆえに
助走と気付くときにはすでに
去ることを拒んでびよーんと伸びた
現在に着地している
ただ一本の蔦に降り止むまいとする雨がまつわる
物真似する廃墟
ただ希望だけがあり 他はなにもない二十二分
65 :
名前はいらない:2006/07/24(月) 21:00:58 ID:lJcnVSfh
僕の心臓を食べて
僕の血で濡れた唇で
最後のキスをして
回転しつつ告白をする電子
地に落ちた指環の内側にさえ数知れぬ番地があり
目に見えない郵便配達人の大群が常に
銀の壁を這い登り這い降りている
白亜の森の鱗まとう母から
時間を借用する
69 :
名前はいらない:2006/07/30(日) 22:06:05 ID:aAmy7e9B
まん毛今日聡子
70 :
nyuki2com:2006/07/30(日) 22:13:38 ID:kwsNouVp
僕の蕾を君の愛で咲かせてくれ
呻き声の学級が群れで理科室に移動する
欲望から疎外されがちな神に同情を試みる
都市から括りからくりからがら苦しくも辛くも衛星
才能のある死体
もう終わっている石の葬式に出たい
76 :
名前はいらない:2006/08/25(金) 01:21:15 ID:LTQW2Lqp
極微笑
その文明ならさっき県道に出るT字路のところで滅んでいたのを見かけたよ
78 :
沮喪:2006/08/28(月) 18:58:17 ID:AwzWTHqw
心臓から肩口にかけて
航海する意志の狭隘
浮かぶ円環状の茫洋
海だったはずの震動を抜けて
渦巻くのは牝の液果
水であろうとする亀裂と
回る帆の婚姻
死んでいる詩をじっと見て
うちに帰って書き留める
書き上がったら
冷蔵庫にしまっとく
つぎの休みに死んだ詩に
読んで聞かせにいくのです
「予知と夢」
初めては高校一年の頃
リンチを受けた俺が見えて夢と現実が区別出来ず逃げる
夢では死んでいたはずだった
節目の予知は必ず見た
事件、事故、人の死
夢で何度も服毒自殺して
人を殺し殺され
それが全部予知に見えた
焼け野、地震、軍服
俺は死人、つまはじき者
夢を見る
死んだ夢を見る
その先は見えない
81 :
奇し蜘蛛:2006/09/06(水) 18:24:29 ID:t/j+jdP8
顕微鏡で見た蟻を
爪楊枝で殺すと
なまなましい
定められた眠りの長さを測る単位として
整列している窓
「翼は不要」って
骨の余白に書いといて
84 :
名前はいらない:2006/12/16(土) 19:42:35 ID:UiWQv/Kf
死にそうになると ここにきて 言葉を吐き出す
そして まだ生きていることを確認する
死を思い考えるその時間は 生を思い考える時間だ
私のいびつな感情はまた少し分かりづらくなる
85 :
名前はいらない:2006/12/30(土) 14:23:30 ID:VzurnpyX
ねえ、教えてよ
何を言われても、
傷つかない方法を
火に焼べて
燃えない薪に
なろうか
それともいっそ
水でグシャグシャに
濡らして
ねえ、誰か教えてよ
86 :
名前はいらない:2006/12/30(土) 14:48:40 ID:VzurnpyX
いっそこのまま
心を失ってしまおうか
どんなものにも、
心動かされないで
死体の焼け焦げる臭いにも、
赤黒い血の色にも、
もう慣れてしまった
瞳を失ってしまおうか
もう、何も見たくない
疲れてしまった。
街路の傍らに咲く可憐な花にさえ
何も感じなくなってしまった。
もう、疲れたんだ。
87 :
名前はいらない:2006/12/30(土) 15:01:58 ID:uTDbAYxp
うっかりあげてしまいました。すみませんm(__)m
88 :
名前はいらない:2006/12/31(日) 02:12:28 ID:jAH1w0/L
=鏡=
君を失い
誰か、僕を、知りま せんか
89 :
パンダより:2007/01/02(火) 13:54:20 ID:sVNRe/P6
観光客は、僕を一瞥して笑った。
憐れな動物だと。毎日、食っちゃ
寝しか、する事がないなんて。
好きで、こんな所に来た訳じゃない。
90 :
名前はいらない:2007/01/02(火) 23:45:54 ID:llWF+Rx2
さよならベイビー
君は私のPrettyではなかった
残念だけど
先、行かせてもらうよ
私は君のママにはなれない
91 :
名前はいらない:2007/03/02(金) 14:43:52 ID:G5cP0VtH
僕らの内側の世界には 宇宙が広がっている!
あの子の宇宙は きら星が 輝いている
あの人の宇宙は 魅惑的な神秘の空間
君の宇宙は きっと 僕の宇宙よりも謎めいている
僕の宇宙は きっと 収束するには まだ早い
混沌のかけらを集めて 僕の宇宙を 誰かに託す
僕が死んでも 宇宙が収束するには まだ早い
92 :
名前はいらない:2007/07/13(金) 01:35:19 ID:C+ugz+Sx
いくどとなく人が転生を繰り返すならば
いくどめか先の僕には なんらかの変化がもたらされているのだろうか
いくどめか先の僕の手で つかめるものは変わっているのだろうか
何か大きなものをつかめるとするならば
つかめないものも増えるのだろうか 壊してしまうものも増えるのだろうか
計り知れないものをつかんでしまったとき 僕は僕でありえるのか
壊したくないものを 壊してしまうなら 僕は僕でありえるのか
僕の大切なものを壊してしまうなら いくどめか先の僕を僕とは認めない
いくどめか先の僕が僕でないのなら 僕の死はいつだろうか
93 :
名前はいらない:2007/08/22(水) 21:47:32 ID:v1ZU1oIl
94 :
名前はいらない:2007/09/04(火) 16:26:14 ID:v3yk4W9m
幾度目かの再会 幾度目かの別れ
縁があれば また会うこともあるでしょう
泣かないで
95 :
名前はいらない:2007/10/25(木) 03:13:20 ID:dicxmx20
さむい夜 澄んだ空気
吐き出す吐息 時が止まった瞬間
星がひとつ 瞬いた
96 :
名前はいらない:2008/01/11(金) 00:47:47 ID:cEBT7Uq0
君に花を贈ろう
僕が息をしなくなって 君に大切な人が出来たとき
君は花を誰かにあげてしまってくれ 空にばら撒いてもいい
僕もいつか花を貰ったんだ
この花はそうして枯れずにきた花なんだ
君は花を誰かにあげてしまってくれ 空にばら撒いてもいい
97 :
名前はいらない:2008/03/25(火) 20:24:37 ID:Dv71pYo6
向こうの塀に 猫がニャーとなく
僕は縁側で うららかな午後のひとときを楽しんでいる
僕はこんなとき 僕の時間が永遠に止まってしまえばいいのにと思う
猫が つまらなそうに去って行く
僕の時間も もう少し続けてみることにする
98 :
名前はいらない:2008/05/26(月) 01:48:12 ID:7PWfyliS
雑踏にまぎれて 人の顔の区別も
つかなくなっているのかもしれない
いつか愛した人も いつか悲しませた人も
どれもこれも 分からずにいる
最期に残っているのは一体なんであろうか
最期のとき浮かぶ顔は 一体なんだろうか
今は分からず 雑踏の中へとまぎれる
a
どうして心労で倒れるまで追い込まれたのか?
いやな役割を全て引き受けて、TV出演したから。それな
のに予想以上の、異常なバッシングを浴びたから。星野監
督も想定外だったと思う。こんな戦時中のような異常な日本。
ネットで通気取りの、憂さ晴らしたいだけのアホが、ナショナリズム
を、叫んだり。「腹切れ」とか、完全に異常。監督に取り返しのつ
かない、病気や事故があっても、アホ共は責任取らないくせに。
ふっと目に入った蜘蛛をまぶたでもみ消す柔らかく
デカいの ブチ込んだ 最後までブチ込んだ
デカいの ブチ込んだ 最後までブチ込んだ
デカいの ブチ込んだ 最後までブチ込んだ
ブチ込んだ ブチ込んだ ブチ込んだ アォー
パラッパッ ブチ込んだ 最後までブチ込んだ
エロッ ブチ込んだ 最後までブチ込んだ
エロッ ブチ込んだ 最後までブチ込んだ
ブチ込んだ ブチ込んだ アォー
思い浮かぶのは 花
鮮やかな 花
私の視界はモノクロなのに
思い浮かぶのは 鮮やかな 花
あの花は いつまで咲き誇るのだろうか
私の心に 鮮明に咲き続ける 花
話す相手がいない