（＾−＾）ノ　　　ポエム広場　　　（＾−＾）ノ

「濡れたヘッドフォン」

新星堂でアニソンを試聴していたら
女子がやってきて後ろに並ばれた

待たれているのか？私が聴き終わるのを

プレッシャーで全身から汗が噴出した
ヘッドフォンまでベトベトになっているのがわかる

人として・・・
この濡れたヘッドフォンを彼女に渡して良いのか？
否　それだけは絶対に回避せねばなるまい

「しばらく時間がかかりますよ〜他のコーナーを回られてはいかが？」
無言のメッセージを伝えるため
リズムに体を揺らしながら指をパチンパチン鳴らした

しかし彼女は微動だにしない
なんという試聴っ気の強さ？

そのうち風呂場などで耳にするエコーが響きだした
汗がヘッドフォンの内部にまで染み渡ったことの動かぬ証拠だ

彼女が移動する気配はない
どこまでアニソンに貪欲なのか？

こうなったらもう最終手段を使うしかない
私は店員に向かって叫んだ

「このヘッドフォンおいくらですか？」