1 :
名前はいらない:
このスレッドは、自分の好きな批評家さんに詩コンペの選者になっていただこうという大変身勝手なスレッドです。
優勝者された人は次の選者をお願いすることができます。
依頼された選者の方は、大変ご面倒ですが、
1お題
2投稿期間 (期間指定かあるいは、投稿数指定)
3採点期間 (予定?)
4投稿の条件(例えば18歳未満対象とか、先着10詩までとか、二重投稿禁止とか 女性のみとか
コテ名表示禁止とか。お好きにどうぞ。)
の指定をしてください。
投稿期間終了後、優勝者の選定をお願いいたします。
2 :
名前はいらない:2005/10/08(土) 10:17:16 ID:4mudx+g1
最初の選者さんに是非、フォーラムスレのikaikaさんお願いします。
3 :
名前はいらない:2005/10/08(土) 11:20:34 ID:4mudx+g1
テンプレミス
×優勝者された人 → ○優勝した人
4 :
ななほしてんとう:2005/10/08(土) 11:24:22 ID:64e3n4Rc
4 !
5 :
◆SaRASHiYAo :2005/10/08(土) 11:24:44 ID:K44AiLtM
テストでつ
うい。おばんどすえ。
呼ばれたので出てまいりました。
では、提示を
投稿期間 12/8〜12/13
採点期間 12/14〜12/16
投稿条件
無し
とにかく、新作から旧作までとなんでもあり
自分が最高だと思うものやら、実験的な試みをしてみたので
見てほしいなどバチコイ
ただ、しっかり読み込んで評価するには、10作品が限界なので
投稿が10作品になりしだい投稿期間期限にならずとも、採点期間に
移行させていただきます 一人一作品。コテでも、名無しでもバチコイ
女性には優しく、男には罵倒をそれが俺のモットーだ!
7 :
名前はいらない:2005/10/08(土) 12:33:36 ID:QlMA7tbu
8 :
名前はいらない:2005/10/08(土) 12:35:27 ID:QlMA7tbu
まちがいた。再来月かい!
9 :
ななほしてんとう:2005/10/08(土) 12:53:03 ID:Yz+rNin0
蒙古のスレは死にま死たね。
あぁ、ナイスな突込みだ。
みすったよ
10/8〜10/13
10/14〜10/16
に訂正
>>8 早く投稿したまへ
>>9 これからだよ
お前も早く投稿したまへ
12 :
名前はいらない:2005/10/08(土) 19:36:43 ID:+cQfRwdy
待ちつづけた
何を待っていたのかを
私はすっかりわすれてしまった
深紅の芥子が咲いた。
わたしは咲くのを待っていた
花を摘んだ
切り口から乳液が漏れた
なかでうごめいている
漂白する、メタンフェタミンの茶色を
血液がインドシナ半島を北上して
膨張する海綿体が
ぱかりと裂けて
捕食したい
金属製の貞操帯が
牧歌きわまりなく
田園の賛歌
をくちづさんだ
>>12 >待ちつづけた
>何を待っていたのかを
>私はすっかりわすれてしまった
まず、前提として、この詩は、失踪感があるということをわかっていなければいけない。
そして、何を"待ち続けていたのか"
まず、単語をいくつかピックアップしよう
"乳液""海綿体""貞操帯"という性的なイメージの強い単語が並べられ、
なおかつそれは、花と、そして茎というイメージにつつまれて、どろどろしい欲情が決定ずけられる。
そして"捕食したい"というのは、"溺れたい"欲情の中に身を落としたい。欲情を捕食したいと流れていくが
その流れが、一気に、前提の、失踪感に包まれている"今"という時間に引き戻される。
牧歌と田園の賛歌という、田舎、古きよき故郷という遠い昔のイメージが配置され
今から"程遠いどこか"を眺める誰かの顔が浮かんでくる。
失踪感みすった。
喪失感に訂正だ
で、こういう批評もありだろう
待ちつづける人は一体何をまっているんだろうか。
ぼく等は、多くのものを待ち続ける。努力の結果におとづれるであろう将来の夢の現実化、
はたまた、愛する人など、ぼく等は、時が過ぎ去ってしまうことを嘆いたかと思うと、時間よ早く
すぎてくれと切望したりもする。それは、ぼくらが時間という物差しで、距離を測っているからでもある。
時間がたてば人は老いていく。時間が戻ればぼく等は若返る。母の子宮にいた頃の安心を、死という
未知なるものの恐怖。
そして、ぼく等、人間はいくつかの人生の節目を経験する。愛を求める時、セックスに憧れる時、安定を
求める時、大事な誰かを失う時など。そして、時々そういうことを思い出して振り返ってみれば、今の自分
には"何かが欠けている"と気づくことがたくさんある。10代の頃のような、甘酸っぱい思いや、あまりにも
多くのことに夢を描いていたり、ことあるごとに恐怖を感じたりと、そんなものは、もう"時の流れ"という中で
現実に埋め合わされてしまって、今更体験しようとは思わないし、体験できそうにもない。僕らは、過去のある
時期に起こった体験があまりに遠いところへいってしまったように感じる。それは、自分自身という内面の、精神
的な故郷それは、自己の中にある故郷として眺める。遠くに行ってしまった何かを眺めるとき、貴方はどんな思い
に駆られるだろうか?そして、どんな顔をするだろう。
夜一人、月明かりの窓際で、頬杖を付きながら、遠くを眺めている誰かがぼくの頭に浮かんでくる。
それは、もしかしたら貴方のことかもしれない。
16 :
ikaika ◆YffIGX9Bno :2005/10/08(土) 21:50:22 ID:5t6Daego
age
「まほろし」
ほそくかたい地面の
あなぼこから
しろいしろい女が
うえへうえへと静かに
這いよじりながら
この孤独によじのぼる時
望まれぬ羽化は始まるのです。
水銀のあやしさに似た
みそぎの体液が
ねめねめとなまめかしく
女の裸をとりまき
過去の痛みを覚えるとき
女はおうごんの破瓜の涙を流すのです。
ぬぎすててゆく殻は
過去の痛みを
オルガズムの
琴線へと導き
女は涙とともに初潮を迎えるのです。
私にはそれが
淡い燐光のように思え
そしてまだ幼い女を掴み
月も見えない夜
私はあのおそろしい森の
奥深くにほころぶ
一人の花をさがしにゆくのです。
>>17 幼虫からサナギへそして成虫。
たぶん、セミあたりなんかの成長の流れと少女の成長の流れを掛け合わせているのだろう。
故に、背景は夜で、もちろん夏の夜空のように、月が輝き、所々に少しだけの薄い雲、無数の星達
そして最終連で、夜の森(野獣や物の怪、魔女)というような、幼い少女に襲い掛かるであろう童話的
締めくくり。
ただ、思うことをいくつか述べると。
論理的に、この音の後は、この音というような音楽理論があるように、この詩はそれと同じで、この
単語の持つイメージとこの単語のイメージを合わせてというような形で、演出しようとする意図は読み手
には伝わるが、あまりにも、言葉が平坦すぎて、鮮明で刺激的なイメージがわきにくい。
論理的に、こうであるから、いい音楽が作れるというのはありえないわけで、たしかに、論理に乗っ取ると
あるレベルまでは、持ち上げられるけど、それ以上は無い。つまり、論理は当然としてあったとしても、そこからは
言葉選びのセンスの問題になってくる。刺激的なイメージを持つ単語を多用するはあくまでも刺激を演出したいん
だなということはわかるが、実際こちらが刺激を感じるかといえばそうでない。刺激を感じさせてくれる表現があまり
にも少ない。
19 :
名前はいらない:2005/10/09(日) 00:44:47 ID:k5P9ySmt
ここにおいて見られるのは極めて安直安易なフェミニズムが陥りがちな
女性の深度ということの罠である。つまり女性は自然のあらゆる事象
において説明できるが故に、女性は神秘かつ深遠であるという徹底的な
神秘化の構図なのだが、まあ正直言ってしまえばそれらの表現の
ほとんどが男性によってかつて為された、というより単純にあーやりてー
という欲求不満が高まりすぎた挙句にエイからジュゴンまで女性として
見なすような超欲求不満のセンスによって埋め尽くされたところで、
安易な「女性による女性らしい表現」の限界を露呈してるといえる。
で、教科書道理の読み方は辞めて、飛躍させたほうが面白くなるということで、こういう批評をば。
これは、発情、欲情、詩だ。つまりだ、この詩は、聖なるものへの道のりなのだと。
なぜ、女は白いのか、白は純潔さを表し、処女の証として見られる。そして、その純潔さは、望まれぬ
ものとして、穢してはならないものとして位置づけられはするが、成長は誰にも止められない。
根底に流れるのは、初潮=穢れ という日本古来の差別意識の投影と、性的な描写の流れがある。
つまりは、一連では、這いよじりながら、だとか、二連打と、みそぎの体液が性的なものもしくは事柄
の投影であるとも読めるわけで、ぬめぬめとなまめかしくなども、あくまでも女性の性的な事柄や性器など
の描写が盛り込まれている。つまりは、女性の性的なイメージを、白く純白である少女が"かぶせられていく"
ていくという一種の社会的な儀礼を通して、大人になっていく様。モノはそれ自体なんでもないわけだけど、見る
側が様々な個人的な背景を通して、それはイメージとよばれるものを通して見るので、関係づけられる。しかし
まぁ、これらのイメージの重ね合わせは、男性の視点からで、いわいる、男性中心主義を背景にもっているとも
言えるわけで、それを、望まぬ羽化として否定する。
女性の成長や女性の性的な描写を描きはするが、すべて男性からのイメージや女性の性的な像であって、
それを、あのおそろしい森 として位置づけてくる。社会的な様々な女性に対するイメージがつけられるであろう
恐ろしい森。
だけど、ここでも、女性の性的な事柄の流れは流れていて、あのおそろしい森を女性器だとすると、三連の
オーガニズムにかかっていって、一人花を探しにいくというのも、性的な満足感とも捉えられる。
つーか、小さい花も女性器だとしてみようと思えば見れる。
いくつかの流れがあるわけで、男性からつけられる女性に対する性的イメージの否定、女性器の単なる性的な
隠された描写の流れと、女性の成長そして性的成長という三本柱が流れているという感じで読みましたが、
>>19も
突っ込んでいるように、書いた人は欲求不満かと思いますた。
21 :
ikaika ◆YffIGX9Bno :2005/10/09(日) 00:53:46 ID:qb6Ypo1f
聖なるものへの道のりは、却下!これは、削除し忘れ
22 :
名前はいらない:2005/10/09(日) 01:39:00 ID:rUloocpX
>烏賊
おい!テメー独断と偏見のなんとかってスレで投稿されてる詩シカトしといてこんなとこでなにやってんだ?
評価しない(出来ない)のは別にいいがそれとシカトすんのとは違うだろ?
評価出来ないなら出来ないと一言返すのが筋じゃないのか?
俺の言ってること、なんか間違ってる?
>>22 あぁ間違ってるな
"なおこのスレに作品を投稿されても、確実に批評するとは限りません。 "
って明記しておりますが何か?
『コットン・ブルー』
コットン・ブルー
コットン・ブルー
コットン・ブルー
ラクトフェノール・コットン・ブルー
微小生物を顕微鏡で見るとき、
生体染色に使う色素。
核と細胞質を青く染める。
今日、僕は四千頭の微小動物を
コットン・ブルーで
固定した。
深く、黒く、かすかに紫の青。
インディゴより少し悲しげな
少し安っぽく、
少し毒物な青。
昔の話だけど
一度もセックスしたことのない女性の
小便を飲んだ。
すすめられて
プレイとして。
細い目で
おかっぱを傾けて
微笑みながら
〈よろしければ〉って
言われて
〈よろしいかも〉って
思って。
それは不思議な毒物の味で
その女が好きなハーブティーと
その女が好きなタバコの味と
その女の体液の匂いがして
涙の味とほとんど同じだったけど
少しだけ苦かった。
秋雨の季節に
コットン・ブルーを見ていると
衝動的に
飲み干したくなる。
細胞にしみこんで
全身が青くなっても
僕はしばらくは生きているだろう。
青い眼球に
あの女の微笑と
あの女の小便は
どのように映って、
青い脳は
どのようにそれを
感じるのかな、と
空想してみたりする。
27 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2005/10/09(日) 13:56:44 ID:msegHUtc
>ikaikaさん
よろしくお願いします。
28 :
ななほしてんとう:2005/10/09(日) 16:15:13 ID:9Ffu1dpb
『ひがり』
さて、いいですか?
なぜこれから晴見に行かなければならないのか?
もう一度考えてみろ。
確実に、確実に世の中は僕を中心として回りはじめている。
いいいか?よく聞け。ここは新宿じゃない。
お前のアタマの中に棲んでるのは毒色イモ虫じゃないか!
さあ、考えろ、考えなさい。そして吐き出すんですよ。
グズった豚のように、気のふれた小便のように。吐き出すんだ。吐き出すんだ。吐き出すんだ。
チチカカブーの夢の痕を追え!コーネルの狭間で、ケルベッツムの雲海の中で、踊れ。踊り狂え。
祝日を消した太陽の横、吐く息だけが白く濁る。干上がった山手線のシートに、埋もれるのは誰だ?
答えの消えた答案用紙。孔雀。窓際の花瓶。花瓶。花瓶。花瓶。いたるところに花瓶。
モノレールは向かうだろう。歯向かう事をやめて止まった方向音痴な機械のように。
さて、いいですか?
なぜこれから晴見に行かなければならないのか?
なぜこれから晴見に行かなければならないのか?
なぜこれから晴見に行かなければならないのか?
確実に、祝日を向かうだろう。吐き出吐き出花瓶吐き出す。
答えの消えた息だけが白く埋もれるのは誰だ?
グズった豚の太陽。干上がったモノレール。アタマの中に歯向かう小便。
吐き出す。吐き出す。吐き出す。吐き出す。吐き出す。吐き出す。吐き出す。吐き出す。吐き出す。吐き出す。吐き出す。吐き出す。
消える。 消える。 消える。 消える。 消える。 消える。 消える。 消える。 消える。 消える。 消える。 消える。
吐き出す。消える。吐き出す。消える。吐き出す。消える。吐き出す。消える。吐き出す。消える。吐き出す。消える。吐き出す。消える。吐き出す。消える。
僕は、ボタンを押しちゃった!
29 :
& ◆26bEafOrto :2005/10/10(月) 02:23:47 ID:BDZFC4Wu
「ロバの部分を切い薄い膜のように張りつめるのは
きっと仕事が夢でしかないからだかな
またはあなたが妄想でしかないからだかな
鼻毛抜かなきゃ
伸びちゃった
まぁ最近もずいぶんと前も何も変わりなく何も無いですかねぇ。。 日常にほんの微少なドラマが時々産
ま
イラスト描いてみたんですけど、旨く描けないんですよ。
ブランク長すぎかな。
でもあなたのおかげで絵を描くことを久しぶりにやれたのですごく感謝してます。
いま、グミチョコレートパインが架橋ですw。
なんだよ、これ。
なんですか、これは。
子供がぐれたら親のせいにするように、
誰かを愛したことだって
君は何かのせいにするんだろうよ。
あぁミックジャガーがテレキャスだったなんて知らなかったよ
ってなのりで
僕は今までに愛してきた事や物や人や季節やらを
簡単なメモ書き程度にまで格下げしてからでしか
眠りに就けない
別にそんなこと
どうでもいいこと
ジョンだってロットンだって言わない
土の臭いを間違いだと思う人なんていない
喉乾ーよ
業ベースに腐ったタンポイエィ
30 :
名前はいらない:2005/10/10(月) 09:15:41 ID:NRFsTb0V
いつのまにか、
街は溢れた言葉の切れ端で 道を歩くのも難儀になった
ゴミ箱はもう一杯で 烏も来ない 臭い匂いがぷんぷんしてる
ゴミ処理場へも持ち込み禁止さ
なあ
シュレッダーにかけようぜ 燃やしちまえよ いらないんだろ?
沈黙は金って言ったのは誰だっけ
大人しくしろって意味だよな
言えば言っただけ損するって意味だよな
あれはズルイ手だっただろ?
ははは
そうだよ、 吐き出したい言葉で腹がはちきれそうだよ
おまえも俺もな わかって欲しいさ
ここにいるってことをな
あふれちまった言葉の中に 埋もれたくないんだ
俺とおまえは違う ちがうんだよ 同じって言うなよ ちがうだろ?
なあ、ちがうんだよ だからあふれてるんじゃないかよお。
俺はとうさんじゃない、俺はかあさんじゃない、
俺はあいつとチガウんだ
どこがチガウって?んなこと聞くなよ わかんねえじゃねえか
俺は俺だ、馬鹿やろー
ちがってるのは同じだって?ごまかすなよ おまえ あほじゃないか?
ちがうんだろ? ちがうんだよ
なあ、
食えよ、このゴミの山
俺も食うよ、 おまえも食えよ はちきれるまで食い散らかして
一緒に燃やしてしまおうぜ
>>24 あぁなるほど、コットンブルーの物語(描写)は、小便をろ過するための装置なのね。
特筆すべき点は、よくもまぁここまで小便の話を盛り込んでおきながら
さわやかな読後感を残せるなぁという点で、それはある意味では、コットンブルーの
青というイメージが強く、アクの強い小便という物語を包み込んだ結果とも言えるかもしれない。
個人的な偏ったプレイ(性癖)を、コットンブルーというろ過装置で、清め、清涼飲料水に変えてるところ
うまいと思う。
ただ・・それ以外のことが言えないのがこの詩の難点で、村上春樹の小説が、ただ読後感の良さ以外
何もないのと同じことで、面白みや、深み、そういう意味ではこの詩は何もない。
「ぼくは暴力をふるい終わった後、大人になれる気がした」
ぼくが変わったように見えるんだろ? いまさら、
きみとしてもいいけど、終わったあとでもぼくは
きみのことをもう好きになんかならないよ
きみはきみのセックスに自信があるようだけど、でも、
いまならやらなくても、永遠と惰性の違いぐらいは分かるよ
いまのぼくは
獅子を殺すための毒を体内で練る、
音立てて捩れるツノと闇のヒゲを持つ、大きく目を瞠った
魔力のヤギだ
頬肉の削げ落ちた、筋張ってアバラを浮かせ、
岩山の頂に己のみで立つ、イバラをばかり喰らい、血を流し、
不敵に笑う
自分自身に捧げた生け贄
飼われはしない、もはや
ぼくの脊髄で育つ毒のダイヤモンドから伸びる薔薇の蔓にきみが捕まっても、
ぼくは、せがむきみを立たせると
夜景のきれいな、ほら! あの黒い観覧車にきみを乗せる。
>>24 ちょいと知人から提言があった点について述べると、
たしかに、コットンブルーの毒性という点を引っ張って読むことも可能だけど、
それははっきりいって厳しい。
毒性の側面が強調されるには、それと結び付けられる何かが必要なんだけど
この詩の読後感の良さは、コットンブルーの青以外にもう一つあって、それは、淡い青の上に
何の結びつきもない物語がいくつかのけっられてプカプカ浮かんでいるからこそこの読後感
が生まれてるのだと思う。繋がりがないからこそ、そして意識させないからこそ、この読後感が
あると思う。
実際問題、この詩のコットンブルーの毒性から、生死の問題にあげるには
確実にいくつかの前提が必要だし、後、二三個装置がいるだろう。
コットンブルーの毒性という側面すらも忘れさせて、疾走するからこそこの詩いいんであって、
生死の問題まで持ち上げるのは無理だと思う。おしっこを飲む=標本化されるっていう視点も
実際それは限りなく不可能なんじゃないかな。標本にされたものは、標本にされた自分自身を眺める
ことなどできないよ。つまり、流れがあるですよね。事実、おしっこを飲んでも死んでいないし、標本化
なんていうのは成り立たないと思う。生が固定されたから死というのは、少しばかり概念定義としてきつい
と思いますよ。標本は生の固定じゃないですよ。とことん死について迫っていっているものですよ。
技術的なことをいうのを私はひどく嫌うのだけど、
はっきりいってしまえば、毒性の側面を生かしきれていないんですよ。
>>28 こういう詩は、気合や勢いとか雰囲気を楽しむものだと思っているから
内容については多くを語る気にはなれない。
というか語る必要性がない。
鼻息荒い何者かの顔とか、血走った目とかを想像できれば、この手の詩は成功
しているといえると思うから。
36 :
名前はいらない:2005/10/13(木) 19:51:04 ID:K0rQad6n
〆切りまじかあげ
37 :
名前はいらない:2005/10/13(木) 20:16:59 ID:fYROwV9A
>>29 問題作だなぁ。
見事に断絶しまくってる。
こういうのはたぶん、寄ってるときに読むとホホホってなれるんだろう。
>>30 あふれちまった言葉か。例えば、ネットっていうのは、情報の洪水で、2CHなんてものは
言葉だけが飛び交う場だ。それに匿名性とくれば、誰か誰の言葉かわからないし、だけど、
書いている本人は、匿名であっても、自分はその他のものとは違うという認識だろう。
しかし、そうはいっても、結局は、同じ、匿名で、見分けがつかないわけで。
俺は俺だ馬鹿やろー で全共闘時代の風景が俺の頭によぎったのは、まぁさておき。
つまり、食うっていうのは<消費>か。
声にならない声なんだよ。
声じゃないんだよ。
ネット上に声なんてないんだよ。
すべては声にならない声にしかすぎないんだよ。
40 :
ikaika ◆YffIGX9Bno :2005/10/16(日) 21:07:45 ID:Sx0wfgDE
>>32 いやこんばんわ。愛の伝道師いかいかさんの登場ですよ。
セックス、セックスとか、俺なんてねセックスアッピールなんて皆無ですから。
セックスというものと対峙したときの弱気な貴方は、なんとかして自分を奮い立たせようとして
いくつかのレトリックを用いて、自らの欲望を荒れ狂う抑制の効かない
獅子とするんだけど、まぁ、それは北方風に言わせると
"ソープに行け"と
で、まぁ、人間様っていうのは、あぁ永遠にとまらないぃ〜♪欲望〜♪
っていうのを自らの内に飼っているというか、持っているわけで、つまり、欲望に食うか食われる
かの世界ですよ。下手すりゃ、スーフリ化してしまうのが欲望の危険なところ。
でまぁ、セツクス!(セックスって言わないように)という、欲望との戦いは日々あるな。しかしなぁ
俺はもうあれだ、精力がいかんせん弱いがゆえに、ロマンチシズムつまり、性体験よりも、夢のある
恋愛物語(性体験は含まれない)を肯定しちゃうぜ。
と小ネタはさて置き、中間部分で、この詩は西洋的宗教の彩を持つ。
魔力のヤギや、イバラなど、つまり、聖なるものとして規定しようとする反動が見られる。
前半部では、セックスを拒絶し、それを宗教的な聖なる者の物語でくるみこんだと思えば、
そこから一気に観覧車などという現実的な側面に引き戻す。
つまり、自己の内部、それは欲望と対置される欲望に対して抵抗する意思が聖なるものとして
規定され認識されている。そこからまぁ、現実に引き戻ってしまうところが、結局は、自己保身
のものであって、実は非常に心理的なレトリック。
>>40 ikaikaさん、ありがとうございます。>32を書いたものです。
けっきょく、自分で引いた境界線から踏み出す展開ができてないってことなんですよね。
まだよく分かってないけど、精進します。
うんで、もっともいいと思ったのは
>>24-26のボルカさんの作品です。
ふう役目終わりと。
43 :
30です:2005/10/17(月) 09:49:48 ID:7n+dE3Hi
>>42 評ありがとうございました。オツカレさまです。
なんかすごく力のある詩が集まってましたね、、
名前ないんです、そう、それでいいんだとも思うし、それでは我慢できないんだとも
思う葛藤があります。
>ボルカさんおめでとうございます。
44 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2005/10/18(火) 00:01:07 ID:xvZzPf1e
>>42 サンキュウいかいかさん。
初回にふさわしいやんちゃな作品の数々、ご講評お疲れ様でした。
君とWEBで出あって何年たったか忘れましたが、作品を褒められたのはまだ
2回目ですね。大変光栄です。
自作へのご批評もありがとうございました。
で、次の選者さんですが、僕はとにかく友達少ないんで、48時間ほど待って
ください。
依頼してきます。
43
さんくす
47 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/10/18(火) 00:37:00 ID:0fXY7n1J
わしが評価すればいいんじゃな?
う〜ん。読むのは好きじゃが評価は難しいの〜。
う〜ん。
おおっ。
ありがとうゴザイマス。
>>47 よろしくお願いします(僕は退場)。
49 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/10/18(火) 00:52:56 ID:0fXY7n1J
>>48 これ!空気読めない人間を素に戻すな!w
それで良いわけがないだろ!w
ボルカどんは、わしより上手じゃなw
えー、他にはキキキしか・・・・!
そうだ。
ちくわスレッドで探してこようかな。
51 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/10/18(火) 11:25:56 ID:/OZ7KIh1
>>50 ボルカさんお呼びでせぅか (^∀^)
竹 輪 の方からまいりました
竹輪です
オイラでよければ参加いたします
52 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2005/10/18(火) 22:02:30 ID:LS66DiIa
竹輪ぽぇーむ様
ありがとうございます!!!!
よろちくわお願いしまふ。
投稿ルール(お題とか)、期間の設定もよろしくです。
>>1をご参照ください。
m○m
53 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/10/18(火) 23:30:48 ID:/OZ7KIh1
ボルカさんより指名いただきました m○m
こんばんは 竹輪です まず 提示を
『気軽に思い切って投稿下さいね!』
ヨロシク
○投稿期間 十人の投稿者が揃った時点で〆
一人複数作品投稿もOK
○採点期間 揃ったらすみやかに開始致します
○投稿条件 無し
新作でも旧作でも 長編でも短篇でも
書いている最中 詩 ではなくなってしまったと思われる作品でも可
詩 連作物 ショートショート 短篇小説 AA作品〔文字で視覚効果を持たせた詩等〕
オリジナルであるならば
文字使用表現 なんでもOK
名無しでも可ですが
なるべく作品を複数投稿する予定の方は
わかりにくくなる恐れがありますので
お手数でもトリップを装着してくださると有り難い
作品をじっくり読み私ならではの評を書きたいと思いますので
作品投稿者十名に満たない時期から審査に入る事も考えております
みっちみっち長い散文詩の得意な方も 推敲の得意な方も
長い短いの区別はないです
いいたいことやえがいているものがすべてとしてしっかり味わいたいと思います
実験的な詩も歓迎 野次馬投稿もあれば参加作品とみなす場合もございますので予め御了承ください
それではよろしくお願いします
54 :
19 ◆gwnULb/9mw :2005/10/18(火) 23:58:53 ID:stY08r8Y
「魅いられる」
雨がざあざあ降ってきて
空が重々しく曇ってる
雷がぴしゃりと光る稲妻に
半歩遅れて轟いてしまう
誰かが怪我をしたかもしれない
誰かが怪我をしたかもしれない
黒い傘を差した女の子は
そんなことに気を取られながら歩いていたのかもしれない
その赤いランドセルや赤い長靴も
通行人は行き交いながらちらりと覗いた
55 :
名前はいらない:2005/10/19(水) 00:06:04 ID:iHPP9Tc/
蝉
夏の夜
公園で
もがいている蝉を見た
ひっくり返してやると
じじと唸って飛んでいき
すぐ地面に落ちた
私は
彼にあきらめる事を許さなかった
もう一度ひっくり返した
こんどは
飛んだかは確かめもせず
公園を後にした
喉が渇いていた
「stand by me」
例えば、君が僕のそばで
泣いているとして
1、2、3と数を数える
地平線が-
憂鬱だとか、絶望だとか、愛だとかを
ぜんぶ飲み込んで-
(そしてそれから)
君が両手の指の数を数え終える頃に
夕日は暗闇飲み込まれて
いくつかの形式の中を通過して
ゆっくりと、最後に燃え尽きる時
"うさぎは重力に逆らって"
早めのRhythmを刻もうじゃないか
逆回転LPRecordから、"遠方へ"そして「過去」から「先へ」
"過ぎ去った言葉"なんて「未来へ」投げ捨てて
"悲しみ"だとか"涙"だとかを-革命-と-革命-の間の隙間へ
[白夜は燃え続ける、そう、極寒の大地の奥で]
(そしてそれから?)「深く」「早く」「鋭く」
日曜の午後に貴方は"世界"に切り込んでいく
人気の無い水族館の中央フロアに大きな水槽が出来ていて
そこに大きな魚が一匹飼育されていた
体長24メートル ジュラ紀に絶滅したと言われていた
地球史上最大の魚 名前はまだ書いてない
光の差さない深海で見つかって 光溢れる場所に引きずり出されて
与えられた餌で生き延びながら 人間の見世物に成り果てている
大きな体には狭すぎる 水槽を漂う
人気の無い水族館が たった一匹の魚に復活を賭けた
忽ち話題を呼んで ついでに人も呼んだ
人は喚起の声を上げた 口々に「凄い」と言った
この巨大な魚を取り囲む ちっぽけな世界
お前には分からないだろう 強くなければ生きられない世界で
大きくなる事が 一体どれだけ辛い事か
何も見えない 何も聞こえない 全てが暗闇の水の中で
ただ生きる為に全てを飲み込んだ 仲間さえも
人は着飾る 彩りや光溢れる世界で
共に分かち合う 優しさや温もりも
でも 心は深海 誰も本当の事は分からない
だから人は強さを求める
不安という暗闇に打ち勝つ力を得るために
お前が今見ているものは お前達がいつか行き着く なれの果てだ
いつかお前も同じ様に 狭い水槽に閉じ込められて 見世物にされる
強さを求めることは当然の事だ でもそれだけでいいのか?
58 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/10/19(水) 00:51:02 ID:K0CLDdPl
>>52 竹輪どんなら申し分なしじゃな。
ボルカどん、ごめんね&お疲れ様。
59 :
ユリゴン ◆avz5b/YURI :2005/10/19(水) 08:04:42 ID:b6pdl6lJ
「ひかりの子 ポン」
渡し船のエンジンのリズムに耳を傾けて
聞き取れるはずもないメッセージ
なにかが潜んでいるような紺色の深い海
そこにポンがいるならば怖くなどない
私もするりと海に入り深い水底へ落ちていく
竹林の笹のすれるリズムに耳を傾けて
かすかにだけど笑い声を聞いた
風にのってポンが遊んでいるようだ
姿が見えなくても伝わってくる
追いかけなくても探さなくても
ポンはたしかにいてくれるんだ
からっぽのはずの心で笑うのは私
60 :
19 ◆gwnULb/9mw :2005/10/19(水) 10:36:38 ID:q5Zy89ad
「ウミウシ」
磯辺を這って、角を出す
浪はテトラポッドに押し寄せて
往くとき反るとき、藻屑が浮かぶ
沈む藻は黒く揺れている
汚い海にも日が照って
照り返しが目に当たる
冷たい朝は明るく広がり
光彩に縁取らせている
「秋の日に」
落ち葉を踏みながら散歩道を歩く
雨に打たれ、金具に青錆浮かせたブランコも
目を向けられる事もない盛りを過ぎた桜並木も
静かに風と揺れるばかり
夕日が海へと溶けていく
蒲公英の綿帽子は赤く染まり
枯れ葉と共に揺れながら風に流れる
青深い影が山間から後を追い
遠い空に鰯雲が濃淡を浮かべ
やがて月が星と共に版図を占める
草木から蟋蟀の独唱が彼方此方に響く
水辺は蛍の煌きに彩り飾られる
薄野は金の身を月光に晒し
彼らの愛を風とざわめく
秋の日に
老いたもの 出でるもの 恋するもの
全てに風は吹いていた
「街角」
キスの時間を計る街角 うるさいポップアップをブロック
ひるまないきみの眼 だから? と見返してくる
合わせた唇の端ですこし苦笑いしてしまってから、おれは目を閉じる
首筋に行きて過ぎる街の気配
腕の中の細い背中をもういちど確認し、
おれは街に入り、街になる
ビルと街路樹とマネキンの視線でおれはおまえを探し始める
逃がすことはしないよ、おれは街だ
おまえがどこに隠れようと
身を潜め、息を殺し、嗚咽を隠そうと
何食わぬ顔で自己の欠落を正当化し、
正直者でござい、
などと道化のふりをしているおまえ
そんなおまえがすこしずつ傷ついているとき、
他人は傷つかないと思っているおまえ
おまえの独りよがりな孤独は人々のバランスを狂わせる
おまえの閉じこもろうとしている部屋は
ガラス張りのショーケース おまえのものでさえない
おれはおまえを引きずり出し、いいか、おまえはここでキスをしなさい
おれという街のいちばんにぎやかな通りのまんなかよりすこし端に立ち、
おまえは女の細い背中が意外な線の強さを示すことを学ぶ
おまえは愛しさを愛しきものから習えばいい
おれがおまえのキスの時間を計ってやろう
しびれをきらしたきみがきみのやり方で舌を動かし始めたので、なじんだ体温は散ってしまう。
街はぐちゃぐちゃにかき混ぜられて、一笑に付されてしまうね、おれもおまえも。
おれはまたしても苦笑を浮かべたついでに息を継ぎ、今度は目をしっかりと開けたまま、深く潜行する
64 :
名前はいらない:2005/10/20(木) 15:30:15 ID:DXsNBgUa
ピリオドの向こう側へ
文字が文字で無くなる時に
僕は夕焼けに恋をして
二酸化炭素という毒を吐き出して
大地と空の間で痛めつけられた酸素を
少しばかり味わって
文字が文字で無くなる時
それは、僕が誰かに愛するとか好きだとかを
無言のまま投げかけるときだろう
それは、四角い空間の中で、あまりの多すぎる
何かが満たされている状態の中で
僕がピリオドを打つとき
窓の向こう側には
言葉なんてどこにもなかった
65 :
名前はいらない:2005/10/20(木) 21:47:42 ID:sJHKiqDl
途中経過ですよぅ。
>>54:「魅いられる」:19 ◆gwnULb/9mw氏
>>55:蝉:名前はいらない氏
>>56:「stand by me」:ikaika ◆YffIGX9Bno氏
>>57:無題:リードシクティス氏
>>59:「ひかりの子 ポン」:ユリゴン ◆avz5b/YURI氏
>>60:「ウミウシ」:19 ◆gwnULb/9mw氏
>>61:「秋の日に」:リードシクティス氏
>>62-63:「街角」:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY氏
>>64:ピリオドの向こう側へ:名前はいらない氏
∧
/´。 `ーァ
{ 々 ゚l´ モグモグ
/ っ ∧∧
/ ( ,,゚Д゚ )<あと1作品ですよぅ。
∪^∪ / |
〜O∪∪つ
66 :
名前はいらない:2005/10/20(木) 22:13:52 ID:xrnna+K8
67 :
名前はいらない:2005/10/20(木) 22:24:25 ID:sJHKiqDl
>>54:「魅いられる」:19 ◆gwnULb/9mw氏
>>55:蝉:名前はいらない氏
>>56:「stand by me」:ikaika ◆YffIGX9Bno氏
>>57:無題:リードシクティス氏
>>59:「ひかりの子 ポン」:ユリゴン ◆avz5b/YURI氏
>>60:「ウミウシ」:19 ◆gwnULb/9mw氏
>>61:「秋の日に」:リードシクティス氏
>>62-63:「街角」:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY氏
>>64:ピリオドの向こう側へ:名前はいらない氏
>>66:無題:名前はいらない氏
∧_,,∧ <はい、審査開始ですよぅ。
(´・ω・`) _。_
/ J つc(__アi! < トポトポ
しー-J 旦~
68 :
名前はいらない:2005/10/20(木) 22:35:08 ID:xrnna+K8
>>53 >>○投稿期間 十人の投稿者が揃った時点で〆
一人複数作品投稿もOK
邪測だけど、十人集まっている訳ではないのでは?
70 :
名前はいらない:2005/10/20(木) 23:18:55 ID:sJHKiqDl
勘違いしてたΣ(゚д゚|||)ガーン
・19 ◆gwnULb/9mw氏(>54・>60)
・名前はいらない氏(>55)
・リードシクティス氏(>57・>61)
・ユリゴン ◆avz5b/YURI氏(>59)
・ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY氏(>62-63)
・名前はいらない氏(>64)
・名前はいらない氏(>66)
(,,,,)
ノ::\
/::::::::::)
/;;;;;;;;;;;;;(
(____)
( ´ ・ω・) <あと3名様募集中ですよぅ…。
( ∪ ∪
∪-∪
71 :
名前はいらない:2005/10/22(土) 23:56:31 ID:3w+5HF85
「そっと」
桃の皮をむいてください
ナイフは使わないでください
<散文詩・投げ壜通信>
T『新大久保 魔辻に立つ』
この場所だった。君の勤務先に近い、新大久保のこの狭い公園で、君と
よく芥川や太宰の話をしたのだった。
君は足が悪かったし、俺はタクシーに乗る金を持っていなかったから、
俺達はいつも公園のベンチに座り込んでいつまでも話をしたのだった。あ
どけない少女のような君に似合わない話題だったが、俺は君と芥川の話を
するのが好きだった。ロッテのガム工場から流れる甘い匂いと、ラブホテ
ルから流れるほこりっぽい匂いにつつまれて、芥川の話をするのは、楽し
かった。君はいつも芥川の小説の中で、「河童」がもっとも優れている、
と言って河童の話をしたがったが、俺は断然「歯車」だと思っていて、と
きどきは喧嘩になった。
ある日、君が死んだ。通夜だというので、君の家族が続き部屋を借りて
住んでいたアパートに上がらせてもらい、俺は正座して焼香したのだった。
気がつくと、自分の靴下のかかとに大きな穴があいていたので、(いや、
そうではない。むしろその穴を見て、君のかあさんが、なぜか泣きそうに
なったので)、帰り道で俺は、唐突に芥川の「河童」のことを考えて、俺
はあの小説のオス河童のように君に殺されたかったかもしれない、などと
考えて、君はなぜ河童が好きだったのか、と考えて、君が不自由な体で俺
や他の男を愛した事を考えて、しかし、結局はその町を俺は去ったのだった。とどまれば死んでいたに違いない。その、魔辻に昨日、俺は立って君を想った。
U『飯田橋ホッピー/ハッピー/ラッキースター』 1/2
俺の詩をポンとたたいて、「地獄の言葉は、表現手段ではないよ。」と、塔
島君は言ったのだった。塔島君は長身痩躯、背広の似合う年上の友人で夜学に
通っていると言っていた。それにしても、ああ。説明とは何という無駄で愚鈍
な行為なのか、曖昧の甘い眠りを、俺によこせと騒ぎ立てる愚かな蛆虫どもの
言い分もわからないではない。しょせん蛆虫は蛆虫だが。時間を戻そう、時間
を戻すなんて、そんな大それたことが何故許されるのか、本当は俺には皆目わ
からないのだが。とにかく俺と塔島君は大学近くの立ち飲み焼鳥屋の一番奥に
陣取って、ホッピーに口をつけたのだった。
「表現とは自己表現のことだね。」と言ったきり俺には後が続けられなかっ
た。今でも続けることはできない。そんな俺を放置して、自分勝手な秘密の理
由で含羞みながら、塔島君は、「俺の言葉じゃないよ。」と言ったのだ。俺の
知る限り野球の話しかしたことの無い、あるどうでもいい奴が、立て込んでき
た店の中に立ち込める煙の染み込んだ脳味噌で自分も何か考えたのだとでも言
いたげな顔で、「問題は「表現」ではなくて、「手段」のほうだよ。つまり手
段ではないってことだろ。」と言って、俺はますます赤くならなければならな
かったのだった。こんな奴はいまならとにかく殴ってはやるんだろうが、あの
頃俺はいまほど腕が太くなく、入澤の詩論も読んでいなかったし、また自分の
頭が悪いことの自覚も無く、地獄の言葉が自己表現とは無関係であることも経
験的に知っていただけで、言葉で考えていたわけではなかったのだ。
2/2
七年後、ある大切な友人の紹介で、俺は、君の弟であると名乗る、その道で
はそれなりに有名な俳優に会った。その人は、何度目をこすっても、俺の目に
は塔島君自身にしか見えなかったし、実際俺はだまされたのかもしれない。し
かし、実際あの人が塔島君、君の弟だったとしてだ。彼は俺に不思議なことを
言ったのだった。そのころ兄は失踪していたと。もう長いこと会っていません
が、そうですか。そう言えばあなたは、兄に似ていますね。と。
君はあの焼鳥屋の夜、あれは寺山修司の言葉だと言った。有名な言葉だと。
俺はまだあの言葉を発見できないよ。本当にあれは君の言葉では無かったの
か?俺よりも寺山よりも、君にこそ良く似合う言葉だったが。或いは、俺に
だけは寺山を読んでもATGに通っても、あの言葉は水で書いた絵のように、見
えないのか。
俺の記憶にとって事実と幻覚の違いなど何の意味も無いが、俺は知りたい
と思う夜がある。君はあの夜、本当に、いたのか。
75 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2005/11/03(木) 01:43:47 ID:D2n3DpLL
V 『鳥男』
早稲田通りを疲れるまで歩き、今は無い古書店街の跡に至って、見上げると電柱と言う
電柱、電線と言う電線を埋め尽くして、異様な数の鳩と、それとほぼ同数のカラスが群れ
ていたのだった。
その数は恐らく一万を超えていただろう。電線には隙間が無く、アスファルトは燐鉱石
の取れる不思議な島のように、一面に白く濡れていた。
どのような法則が鳥たちを呼び寄せたのか。この辻で、俺の見ている前で、俺とおまえが
この街で暮らした二年のあいだに、三度、人が死んだ。いや、運ばれた先で救われたのかも
しれないが、頭蓋の割れた青年や奇妙に腰の曲がった少女を、この辻で俺は見たし、それに
先立つ運動会の銃声のような明るい音や人が飛ぶ映像をこの辻で俺の脳は識ったのだった。
その角に立つ廃屋のような商店の二階にいつも窓を開け放った一室があり、部屋の奥に
いつも動かない暗い人影があり、辻を見つめていた。屋根も柱も軒も庇も桟も樋も、全てが
白くまだらに汚れたその家を、俺とお前は「鳥男の家」とよんでいたのだった。ある夕方、
お前は見たといった。「鳥男」の部屋に信じられない数の鳥たちが吸い込まれていくのを。
ある夜更け、一度だけこの辻の歩道で、俺とお前は、夏だと言うのに長い黒いコートを着
込んだ老婆とすれ違った。
「鳥男だよ。」とお前がささやき、俺もそれを確信したが、何故そう思ったのか、その
理由はわからない。
(了)
76 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2005/11/03(木) 01:51:23 ID:D2n3DpLL
あと二人募集中です。
審査者は竹林ポエームさん
課題・要領は、
>>53
ああああつ。
竹輪ですた。 超失礼。
78 :
名前はいらない:2005/11/03(木) 01:59:22 ID:UYPtPkzt
( ゚д゚) <途中経過〜
〜 (_ ゚T゚
゚ ゚̄
・19 ◆gwnULb/9mw氏(>54・>60)
・名前はいらない氏(>55)
・リードシクティス氏(>57・>61)
・ユリゴン ◆avz5b/YURI氏(>59)
・ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY氏(>62-63)
・名前はいらない氏(>64)
・名前はいらない氏(>66)
・名前はいらない氏(>71)
・ボルカ ◆TcCutL/5sw氏(>72-75)
( ゚д゚ ) <あとひとりですよぅ。
(_ ゚T゚
゚ ゚̄
79 :
◆PLAYBOYc7c :2005/11/03(木) 02:34:01 ID:OhVtWDeU
「fate(祭り)」
青白き火焔の奔る 弱々しき哉
程を経て晦闇
hon-hotsu と肯んずる
spacemanはmailを打つ
飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ
返事はrapid 的確に
ちっ、ちっげーよ
んじゃねぇてば、
die-baffleを漂泊させた 枯葉を喫らうのは未明頃 tailの剰余な女と共に
終えた夏を反解釈する 煌き-boxにて anorakを編む秋
冬は電子key-board 白衣を待たずに酩酊
puca puca もくもく雲
豪雨とtinetittaと絨毯とやさしく殺して
sparkle of ...
近頃よく流星を見かけるのは
畢竟 空を見上げる頻度が増したから
spectrum ...
真剣に書いたのか
視野狭窄が怖い ある日の破戒僧め
bah ... muh ...
80 :
名前はいらない:2005/11/03(木) 02:39:27 ID:UYPtPkzt
( ゚д゚) <締切り〜
〜 (_ ゚T゚
゚ ゚̄
・19 ◆gwnULb/9mw氏(>54・>60)
・名前はいらない氏(>55)
・リードシクティス氏(>57・>61)
・ユリゴン ◆avz5b/YURI氏(>59)
・ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY氏(>62-63)
・名前はいらない氏(>64)
・名前はいらない氏(>66)
・名前はいらない氏(>71)
・ボルカ ◆TcCutL/5sw氏(>72-75)
・◆PLAYBOYc7c氏(>79)
( ゚д゚ ) <はい、審査よろしくですよぅ。
(_ ゚T゚
゚ ゚̄
81 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2005/11/03(木) 02:44:59 ID:D2n3DpLL
>78
でした。
これで10名ですね。
投稿は締め切りです。
竹輪様、審査よろしくお願いします。
82 :
名前はいらない:2005/11/12(土) 19:42:25 ID:RP4W1ldu
( ゚д゚) <審査age〜
〜 (_ ゚T゚
゚ ゚̄
83 :
竹林 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/12(土) 21:59:08 ID:WlHd1EP2
竹輪より竹林のほーがいいかも 笑〔ボルカどん☆〕
投稿揃ったの気が付くの遅くてもうしわけなかった!
出先なもんで
明日審査致しますので少々お待ち下さい
でゎ
84 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/13(日) 18:50:34 ID:SlNGcjOk
19 ◆gwnULb/9mwさん
>>54 「魅いられる」
雨の中に描かれている少女の危うさがシンプルな環境描写によって更に際立っている
縦に雨 雷の音と視覚の一行でわずかな時間
はっと浮かんだ心持を繊細に表現してることに感銘を受けてしまった
魅入られる瞬間とは を改めて感じ取れた
そして言葉としては描いてはいなくても「灰色に曇った重い雲」という
社会
その中歩む少女に思う心境が感じ取れた
>>60 「ウミウシ」
独自の言葉を持っている19さんのゆったりとして尚且つ
外界との結び目をこれまたシンプルに感じ取れた作品
うっかりしていると飲み込まれてしまいがちな社会
喪失感・希望さえもあやふやで価値があふれる世の中
ウミウシはウミウシ
ウミウシに生まれウミウシとして生きる
説明は不要な程言葉に「あたりまえ」と「自分の力で事を探り当てる」精神があって
奥深く解釈は読み手の感性に委ねられている
19さんの作品にはどれも共通の精神が脈打っている
他者を確認しなければ浮き彫りにならない「在るのか無いのか自分」
これに真っ向から立ち向かい切り開くスピリットのような
奥深く 映像として楽しめ 詩として味わい深く楽しませてもらった
サンクス
http://www.geocities.jp/lx_chikuwa_xl/ART/01.jpg 目を閉じる少女 〜19さんの影響を受けて〜
85 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/13(日) 19:34:31 ID:SlNGcjOk
名前はいらない さん
>>55 蝉
長い年月を経て 土の中からいずる蝉
夏の短さは蝉の狂い羽音に感じ胸の隙間で記憶になる
行為 と 思い
蝉を通して 乾き
蝉に対する姿勢は作者のそのまま意思となっている
やさしさ
単純じゃない経験を踏んだ人の心境が感じ取れた
公園に存在した 主人公の乾き
これに重ね合わせる 日々の蓄積
>私は<
>彼にあきらめる事を許さなかった<
さりげなく
解釈のど真ん中 蝉に重ねた気持ち ここに入り込む余地があって
夏に出会って別れ行く 切ない思いにかられたんだ
蝉に成れないまま 飛ぶ蝉の実体の無い化身より
かれるまで鳴いたらいい
センクス
http://www.geocities.jp/lx_chikuwa_xl/ART/02.gif DEAD or LIVE
86 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/13(日) 20:44:46 ID:SlNGcjOk
>>56 「stand by me」:ikaika ◆YffIGX9Bno さん
言葉の選択とリズムが魅力
LPの溝と針を眺めて感じるラブソング
アコースティックギターの音色がする
日常の関係と絆に垣間見る愛情とは
雰囲気重視で綴られた流れ
この世の中 奇跡にも巡り合ったりする涙
かけがえの無い記憶の反芻と今を丁寧に思い刻み
止まるでもなく動きとして捉えている感性に共感
語りかけてくるメロディーにノイズはなく
洒落たタイミングと 行間に見える愛情が魅力な作品だ
個人的に好きなセンス
センクス
http://www.geocities.jp/lx_chikuwa_xl/ART/03.jpg 〜一人のとき私はあなたを含む〜
87 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/13(日) 22:01:21 ID:SlNGcjOk
リードシクティス さん
>>57 水槽の中 と 外 どちらにも水槽の薄いガラスを隔てて別の生存がある
魚
生命維持に必要な環境を人間の勝手で与えられ
水槽の中 別の生物に生命の危機を感じるわけでもなく飼いならされていく様は
種の保存の機会も奪われ 見世物として位置付けられている事も知る由も無い脳で
移り変わる景色としての人間を静かに凝視している
人間
まさに水槽の魚を見て わあ珍しいね と思うのみでは
ぬるま湯に浸かり腐りゆく感覚さえも失いつつあると危惧すべきだろう
黙ったまま魚は身をもって伝えている
人間ってのは何時だって 水槽の外と思い 安堵する愚かさで物珍しい魚を見るだけなんだろう
この作品の語りかけは 人間である常識と生物としての常識の真っ向からの対立
緊張感のある文体と内容が不変の示唆を際立てている
>>61 「秋の日に」
季節とモチーフに着目しながら読み進めると
風化の様が浮き出てくる
流れの中に吹いている風
止める事のできない経過
最終の二連で大きく広がりを見せている
人生
隠喩 一貫として 変わらないものはないけれど今ここには 去りゆく風
ひとつひとつの景色を見るとそこには「今」
リードシクティス さん作品にふれて多様な世界観を描くことのできる方だなと感じました センクス
http://www.geocities.jp/lx_chikuwa_xl/ART/04.gif 〜化石の涙〜
88 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/13(日) 23:09:52 ID:SlNGcjOk
>>59 ユリゴン ◆avz5b/YURIさん
「ひかりの子 ポン」
ユリゴンさんの詩でこれが読んだうちで一番好きだな
危うさ 脆さ 漂うのが魅力であるね
ポン
海に沈む「ポン」 地上で駆け巡る「ポン」
単純明快な比喩で「ポン」の正体が生き生きとしてる
対比
>からっぽのはずの心で笑うのは私<
この最後の一節で「ポン」が光ではなく
「生き物」であるのかもしれないと覆す
とても悲しい思い出を詩に託したのだろうか?
と
胸がキュっとした
「ポン」を追いかける心境に得体の知れない不思議な感覚を覚えた
センクス
http://www.geocities.jp/lx_chikuwa_xl/ART/05.gif 〜転寝〜
89 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2005/11/15(火) 00:02:06 ID:MGq8MRyJ
>>88 竹輪さん、素敵な評価をありがとうございました
ボルカさんが審査者に竹輪さんを選ばれた時
竹輪さんに評価して貰いたくて書きました
「ポン」をせつなく表現してくださってありがとう
今回はそれぞれのポエムに竹輪さんのARTを添えてくださっています
私のポエムには見ただけで気持ちが和み、朗らかに笑いたくなるような
月の光を浴びる可憐で美しい百合の花でしょうか
ひかりの子 ポンが絵のなかで笑っているようで、嬉しく思いました
きっとご多忙中なのでしょうが、後半の審査も楽しみにしています
90 :
55:2005/11/15(火) 00:13:54 ID:54qWYpN5
>>85 竹輪さん、評価ありがとうございました。丁寧な評価、嬉しいです。
詩の中の「私」は、そんなにも優しくないかもしれません。
たまごの絵も、ありがとうございました。
>>84 かっこいい講評とかっこいい絵をありがとうございます
不知火の浮いてる海とか変な雲とか三途の川とかそういう
自然のおもしろみみたいなのを豊かに感じました
エコポエジー。ありがとうございます
92 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/15(火) 20:12:32 ID:B5crvMmI
>>62 「街角」 ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY さん
品の良いエロス探索なテイスト 立ち位置と目線がしっかりしていて
作品の中に一気に引きずり込まれた
街は一瞬で なんにでもなれるんだって錯覚のようで刹那っぽい手触りがして
私 は この瞬間 絡むよう
不安から 安定 ぼーっとしてる隙もない表情をもつ 私 であれる
この作品の持ってる雰囲気を反芻しながら 道を歩いてみよう
ドキドキがそこにあるよ
追っている温度 冷めと燃え上がり そ う だ
目前の My only 被写体
俯瞰っていうベクトルが向かう先に遊び心が見え隠れしてて心地いい
センクス
http://www.geocities.jp/lx_chikuwa_xl/ART/06.jpg *Town of toy*Serious thrill* ↑ちょいでかめにまってもーた
93 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/15(火) 21:35:09 ID:B5crvMmI
>>64 :名前はいらない ID:DXsNBgUa さん
ピリオドの向こう側へ
言葉ってどこから生まれてどこへ帰るのか
向こう側
云いたい事がはっきりしていて 心情
誰しもこんな気持ちにかられた「今日」があるよね
青臭い恋愛の駆け引きなんての知らぬまま焦がれた
そんなときもあったな と思い起こしてみたりしてしまった
言葉 溢れんばかり尽くして
気持ちますますわからなくなってしまう
これに逆行する
秘めながら思う
ピリオドのように見えた夕焼けに悲しいかな終わりを感じたり
始まりを眩しく思ったりする
気が付くと大人になってた
>文字が文字で無くなる時に<
言葉では補いきれぬ思いが詰まった素直な気持ち
共感できる作品
センクス
http://www.geocities.jp/lx_chikuwa_xl/ART/07.jpg 〜ピリオドの向こう側へ〜
94 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/15(火) 22:43:02 ID:B5crvMmI
>>66 :名前はいらない ID:xrnna+K8さん
画像と詩のバランスが心地よい
>音の華<
形状とカラーバランスが巧みなCG
寒色でまとめているのに柔らかさ ほんのわずか温もりを感じさせる
癒しの雨の香 足元に咲く>雨の華<
天上からみおろす雨の景色にも見えたり
急に降り出した 強弱の闇夜更け
変化を繰り返しながら
急に降り止み にわか雨激しくの自然の呼吸
このような状況の中で思うのはきっと大切な人のことだったり
癒されました
センクス
http://www.geocities.jp/lx_chikuwa_xl/ART/08.jpg be caught in a shower〜地下鉄一歩手前の出会い〜
95 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/16(水) 00:33:16 ID:rFdHk6Pc
96 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/16(水) 00:51:39 ID:rFdHk6Pc
>>92 うわー、すげー、竹輪さんてなんでもデキルんですな。
ありがとうございます。イタダキマス。
98 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/16(水) 22:35:21 ID:rFdHk6Pc
99 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/16(水) 22:39:11 ID:rFdHk6Pc
>>79 : ◆PLAYBOYc7cさん
「fate(祭り)」
強い意思を持つ一つ一つの言葉に圧倒される
イングリッシュ×強い日本語
改行のセンスがあって言葉遊びが効果的になってる
詩 と 物語 と 歌詞 的な要素がほんの少しずつ
散りばめられてる印象を受けた
意図的にさらりと読み流せない構成にセンスを感じた
詩作エナジー 表現力 文章力 ともバランスよく持っているのがわかる
一言で 『格好が良い』
センクス
http://www.geocities.jp/lx_chikuwa_xl/ART/14.jpg 〜葛藤puca puca〜
100 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/16(水) 23:24:24 ID:rFdHk6Pc
ボルカどんに指名を受けました竹輪 存分に楽しんでしまってますた
機会与えてくれてセンクス!
作品を投稿して下さった方ありがとです
読み違え 着目点の相違については私の感性での解釈なんで
文章としての評価は二の次になっておりますのでご了承願います
さて☆センスが良いなと思ったのは
>>56 「stand by me」:ikaika ◆YffIGX9Bno さん
若さというか古めかしい部分と後に引くものがあった
表現したい事を思いっきり書いて強さのあるのは
>>79 : ◆PLAYBOYc7cさん
>>72 >>73 >>74 >>75:ボルカ ◆TcCutL/5sw さん
なかなかわかり難いよい部分を抜き出せたらいいなと思いながら再度全作品読んでみました
>>79 : ◆PLAYBOYc7cさんとずいぶん迷いましたが
チャンプは
>>62 「街角」 ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY さん おめでとう!
101 :
竹輪 ◆o0rnnbHBHo :2005/11/16(水) 23:27:33 ID:rFdHk6Pc
>>58 :練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA どん
竹輪や蒲鉾の図案出来たらみてくだされ
>>65 >>67 >>70:名前はいらないさん
おまとめありがとでやんす
>>89 :ユリゴン ◆KL50G.YURIさん
携帯待ち受けサイズの画像になってるよ
>>90 :55: ID:54qWYpN5さん
ななしさんでもお礼書き込み律儀にありがとう
>>91 :19 ◆gwnULb/9mw さん こちらこそどーもです
>>97 :ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY さん
何気ないそれでいて少年な目線でずっといたいですね
竹輪ですた 礼ぺこり
102 :
19 ◆gwnULb/9mw :2005/11/16(水) 23:42:04 ID:8IGP84e0
竹輪さん本当にお疲れ様でした
ありがとうございました
皆の詩もすごくよかったです
ゼッケンさんおめでとう
103 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2005/11/17(木) 00:07:31 ID:L9XpMOOp
竹輪さん、お疲れさまでした
審査が始まってからというもの
竹輪さんの個性とセンス溢れる世界を
なんだか一緒に楽しませていただいて感謝です
ゼッケンさん、おめでとうございます
>>101竹輪さんの画像ですが
携帯待ち受けにして大切にします
本当にありがとうございました
ROMってました。
詩、評価、ア〜ト、どれも素晴らしかった。
楽しませていただきました。
ありがとうございます。
105 :
71:2005/11/17(木) 00:19:51 ID:SgFpsWNO
竹輪さん、素敵な絵と評価をありがとうございました。
読んでいただけた事で書いたときより言葉が生きた気がするのです。
竹輪さんの絵は見ていて次第と目玉を大開きにしてしまいます。
大事にながめさせていただきます。
次の選者は、私のわがままを聞いてもらえるなら、北さん、にしてもらいたいです。
北さんの声が最近ツボでして、そこで、批評を弾き語りでやってもらいたいんです。文章ではなく。
録音をupしてもらって。
ほら、これ楽しいよ、きっと。
ほめられるのもしかられるのも、あの声だとどきどきしますね。
どうですか、北さん、やってもらえますか?
というわけで、北さんからはご辞退の返事を頂きました。ご迷惑をおかけしました、北さん。
他にもうひとかた、選者をやってもらいたいなと思ってた人がいまして、
それはただ事ではないシャイなおしゃれ感覚の持ち主、練り物ハンターさん、です。
練り物さんは一回ここの選者を断っていらっしゃるので、
どうかなとおもったのですが、でも、お願いします。
オ・ネ・ガ・イ・シマス。
>竹輪ポエームさん ありがとうございました。 そしてオツカレさまです。
評と画像、堪能させていただきました。
「音の華」です。もうなんかお恥ずかしいです。。画像ありがとうございました。
>zekkenさん おめでとうございます。。
109 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/11/17(木) 23:26:17 ID:zOIAN8CA
____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<早速来たよ♪
UU U U
____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<お題は「心地よい世界観の感覚」期間は来週の金曜まで。
UU U U
____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<採点期間は土日
UU U U
____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<条件は上げ進行であることと二重投稿禁止だけじゃ。
UU U U
____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<わし、評価ガンガル!
UU U U
110 :
うり:2005/11/18(金) 00:43:19 ID:t005QwpS
『導き』
金色の林檎を齧るなら
記憶の海は頼りない
指先と掌と
頬擦りをする愛おしさ
誰も知らない果肉の味は
飢えと渇きの超越者
舌の上で種を転がし
芽吹きの賛歌を口ずさむ
人々に伝えよう
まだ見ぬ林檎が実る日を
111 :
ボルカ:2005/11/18(金) 01:49:24 ID:QkllMjUi
竹輪さんサンクス!
でもって言葉だけではなく、絵で批評とはまた乙なことを。
端末に保存させていただきました。
どうもありがとうございました。
>練り物ハンターさん
空気読めなくてごめん(笑。
おじゃましますた。
どうも◆PLAYBOYc7cです。(突然の携帯不具合で交換という憂き目にあいトリップなくしました)
竹輪ポエムさん、評価ありがとうm(_ _)m
ゼッケンさん、おめでとうまだ海外なんですね
練り物ハンターさん、評価たのしみにしています。
でわ
113 :
19 ◆gwnULb/9mw :2005/11/18(金) 20:08:10 ID:GPG7UNTE
・ボヘミアンラプソディ
秋かけて暮れる芦原に牧童が一人、
染み渡る夕焼けに揺らぎながらそよぐ茂みの中に立つ。
塵をともす僥幸を胸に抱えた子。
家路を逐う、天駆ける烏の影を切り抜いた太陽の大きいこと。
僅か前傾し、力を矯めて、水辺の鴫は飛び去った。
「外国」
陽が落ちたら 街には 雪が降ります
クリスマスの準備を始めた街には いっせいに電飾がともります
積もり始める雪には 赤や 緑の 影が落ちます
仕事帰りに立ち寄ったコーヒーショップで おれはコーヒーを注文します
後ろに並んでいる若い白人の女の子たちが おれのコーヒーの言い方をまねて くすくす笑います
おれの両方の耳たぶにも クリスマスの電飾がちかちかと ともったようです
湯気の立つカップ一杯のコーヒー、1ドル85セント、が無事におれの前に差し出されました
カップ越しの熱を指先に伝えながら、おれは かふぇー、と ちいさく呟いてみました
115 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/11/19(土) 15:56:41 ID:u9dsFUiU
『ウオータークラウン』 #1
葉脈に影の花咲く通路
戯れ好きな風トゥシュー爛々
滞ってー凍えてー道草
いきり立つ始末フツフツ足止め
誘い紅の儘 指かじかんで唐辛子
二時間爪付き唐辛子
二本人恋し私で良ければギスギス
馴れ合いの果てツラツッツ
誰と馴れ合ったかアァハレ哀れ
帰路打ち照らす牢へ誘いたもう
髪の香ひっくるめて 3F窓開ければ壁
鏡映る肌
色ベルベットニュース 塩化ビニル人形
イチニイサン面6体増殖
本日のシャワー
タイルに置き去りにして水吐く魚となれ
水圧ジェット
火災報知器反応有り鳴りっぱなし電話機床伏せ
解放の扉
どれかは自分で決め放つ
ドンドンドンドン焦るなよ
116 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/11/19(土) 16:02:24 ID:u9dsFUiU
#2
「お客さま火災報知器が反応しております
ドアを開けて貰えますか!」
何者かと繋がる線
何者かになれる受話器を手繰り寄せ
巻き上げた布団隠れたプリンが不味く見える
ジンジンジンジンデクレッシェンド
最中捲れ上がる突起の影
オフホワイトの手垢避けて「9」斜め押し
「湯煙充満の部屋で情事を行なう事を考慮した
最新型の報知器を設置して頂きたいもんだ」
淡々天井棲む眼無し火災報知器
薄ら明かり喰って浮上白いキャップ坦々
蒸気の雫が落ちるまで
毛羽立ちマクラ藻屑に変え
器官全て平たく重ね合わせ隙間
深海垂れ流し
隣接壁のグレー
辛めな怠惰擦りおろしながら
雫落ちるまで
帰路打ち照らす牢へ誘いたもう
「世界征服」
大地を砕く足裏
大地を挫く足裏
大地を穿つ足裏
大地を耕す足裏
大地は平伏し 眼前に広がる
俺の足裏は世界を踏み拉く
『aeolian sound』
木枯しの翼を掴み
この身を
boreasに
預けて
さざめきながら
Sirenと語り
逆巻きながら
雲と議論
ひゅるひゅると
地上に触れ
枝葉をくぐり
水面を渡る
大気を
あやすから
碧く
蒼く
包み込んで
揺らしてあげよう
119 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/11/20(日) 23:20:54 ID:GoCtnyUg
____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<わし日本人じゃないから漢字とか読めなくて
UU U U 飛ばして読むよ。
120 :
◆PLAYBOYc7c :2005/11/24(木) 03:28:11 ID:/xR4Hhph
「世界」
下半身は海で
世界とつながった海で
使い捨てカイロくらいに
温かくて
散る花びらで
スカイスクレイパー
静かに起動する
121 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2005/11/24(木) 15:18:11 ID:Fp95Mr4/
『タロよ』
タロよ
私が死んだら
私をお食べ
わしわしがぅがぅぐぬぐぬと
私をお食べ
おまえの好きなこの指の
ほんとの味をあじわいなさい
私の亡き骸は
使い用ない抜け骸だから
おまえの腹を満たしたい
焼いて捨てるなんて勿体ない
バチあたります
タロよ
神の子にあらず
仏にもならぬ私を
食べてくれるのはおまえだけ
私をつくった人はもういないから
おまえがお食べ
とりあえず
生きてることに感謝して
ばぎぼぎべりばりずずずりと
骨の髄まで食べなさい
122 :
◆L4LyBSss3w :2005/11/26(土) 05:38:17 ID:azUSa32M
はい、締切りですよぅ。
>>110:『導き』:うり氏
>>113:ボヘミアンラプソディ:19 ◆gwnULb/9mw氏
>>114:「外国」:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY氏
>>115-116:『ウオータークラウン』:竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo氏
>>117:「世界征服」:名前はいらない氏
>>118:『aeolian sound』:ミミン ◆4fCTWDhugY氏
>>120:「世界」: ◆PLAYBOYc7c氏
>>121:『タロよ』:あぶく ◆OPBYKkBBNQ氏
◇ ミ ◇
◇◇ / ̄| ◇◇
◇◇ \ |__| ◇◇
彡 O(´・ω・)/ <以上8作品ですよぅ。
( P `O
/彡#_|ミ\
</」_|凵_ゝ
123 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/11/26(土) 17:40:24 ID:5ox7tvJc
____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<作品がそろったので、評価を辞退します。
UU U U
124 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/11/26(土) 17:42:32 ID:5ox7tvJc
____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<嘘じゃ、評価はするのじゃ!自己流で。
UU U U
125 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/11/26(土) 20:05:51 ID:Cln9g7y9
>>110 ____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<110番警察に注意じゃ!それはいいとして。
UU U U うりどんの詩には、背景が無い。色も金色を始めに出しっぱなしで。
金色の中で全てが、行われてしまっておる。別にいいけど。
まあ、嘘八百も雰囲気次第って事じゃな。それが導きなんか。うん。
詩に風が吹いておらんのは、感覚の表現を考えるなら。
今一度、音読をしてみたほうがいいぞい。
「雪渡り」なんかがいい例じゃな。
>>113 ____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<句読点の置き方で人の読みのリズムを調節するんじゃが
UU U U 改行の時点でもそれが行われておるから、詩においては
結構無駄なんじゃ。/やスペースでもしかり。
そして、心地よさにしては冷たさしか感じ取れぬのは。
それは、語選のセンスじゃな。というよりも。本当のところ
世界観の偏りじゃな。好き嫌い言わずになんでも食べた方がいいよ。
126 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/11/26(土) 20:25:25 ID:Cln9g7y9
>>114 ____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<説明口調で皮肉な感じ。
UU U U でも最後の一行に心地よさは感じてしまったマゾなわし。
はっ!ゼッケンどんもマゾなの?
わしだったら、最後の一行を二行に分けて最初に
もってくるな。そうすると違った文章構成になって想像も広がりゅ。
>>115-116 ____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<まあ、長い詩じゃが一瞬なんじゃよね。それを長い事心地よさ
UU U U の解説してくれておる。竹輪どんは巧みじゃな〜。
心地よさを表現する上で、とがった音を持つ語を行の頭に置かない
それがキチとできとる。お手本のような作品じゃな。
でも、わしは意地悪じゃからねw
>>117 ____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<単語は壮大なのに、読むとこじんまりしてくる。
UU U U それは同型の漢字を並べすぎたからじゃ
隊列になり、ひとつの塊となってしまうのじゃ。
表現を広げないとにゃ。
127 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/11/26(土) 20:43:18 ID:Cln9g7y9
>>118 ____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<これもお手本のような、語感の選びじゃな。
UU U U しあかし、区切りすぎてストンと落ちとる。
ゆったりとした空間を描くのにストンと落ちたら。
せっかくの語感も台無しじゃ。次は文節にも興味を
もってほしいにゃ。そしてその作品読ませてね。
空気スレでもいいから。あと、「ひゅるひゅると」の部分は
「ひゅるひゅる」で区切るか、「ひゅるひゅるりと」にすると
動きにやわらかさが出るぞい。
>>120 ____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<みゃって感じかの。
UU U U 勃起は心地よいってか。冒険じゃなw
>>121 ____∧∧
〜' ___( ,,=Д=)<なんか危ういのう。心地よさじゃよ。
UU U U タロはなんなのかにゃ?クジラ?
128 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/11/26(土) 20:48:12 ID:Cln9g7y9
>>118 ____∧∧
〜' ___( ,,゚Д゚ )<優勝にふさわしい作品はいくつかあったが。
UU U U 成長を期待してミミンどんの<<118にしたいと思います。
好き勝手な評価でごみんなさい。
129 :
名前はいらない:2005/11/27(日) 00:21:07 ID:YmcAZ4jM
どうも120を書きました◆PLAYBOYc7cです。(初心者板で公開トリップ拾い直しました)
練り物ハンターさん、評価ありがとうm(_ _)m
ミミンさん、おめでとう
でわ
>>126 練り物さんをちょっと心地よくできたようでうれしいです。
しかし、練り物さんもマゾだったのか。
でも、身体を痛くされるのはイヤです。
131 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2005/11/27(日) 01:46:54 ID:k+3S7yoP
練り物ハンターさん、ありがとうございました。批評眼に敬服しちゃいました。私は批評以前のものを書いちゃったみたいですね。とほほ。これ、“心地よい”です。「食べたいくらい愛してる」の逆バージョン&リサイクル(笑)。
タロはわんこです。なぜにクジラなんでしょ?
とゆー疑問を抱きつつ
ミミンさん、優勝おめでとうございま〜す!
132 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/11/27(日) 02:09:56 ID:kL0NAcuF
>>126 練りどん 評ありがとうございます
脇腹つっつく擽ったさの意地悪心地よくて
ダレっとしています
意地悪とおもぉてへんょ
コチョコチョされた気分
ミミンさんおめでとうございます
133 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/11/27(日) 11:47:20 ID:IIojSuJt
>>131 ____∧∧
〜' ___( ,,=Д=)<愛するゆえに食べられたい!あぶくどんもマゾか!?
UU U U 詩人はマゾが多いのうw
134 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2005/11/27(日) 15:05:27 ID:k+3S7yoP
>>133 マゾではありません。
「食べさせてつかわす」ですから(笑)。
おつかれさまでした。
135 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/11/27(日) 18:32:02 ID:RAMVi08F
____∧∧
〜' ___( ,,=Д=)<つかわす????卑屈なのに。
UU U U
136 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2005/11/27(日) 21:38:23 ID:fqflS+4P
>>135 神も仏も信じてない自分。死んだあとの身体がどーなろーと知ったこっちゃない。そこでいきなり勿体無い精神発動。食糧になりさがってもいいや。
でも誰でも食べていいってわけじゃないよ。本来ならこんなタブー、身を張って阻止してくれた人、愛した人はもういないので、タロよ、おまえがお食べ。
昔、筒井康隆のエッセイに、愛情ゆえに死んだ肉親を食べるカニバリズム部族の記述があって(←うろ覚え)、ヘンに納得したあたりから無理矢理《心地よい世界観の感覚》に仕立てました。ごめんなさ〜い!
「食べたいくらい愛してる」
の逆バージョン
「食べられてもいいくらい愛してる」
態度はあくまで
「食べさせてあげる」
タロはわんこなので
「食べさせてつかわす」(笑)
137 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2005/11/27(日) 21:52:28 ID:fqflS+4P
訂正。変形逆バージョン。失礼しました(謝)。
138 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2005/11/28(月) 09:56:56 ID:+ZPoNx4K
>>121 あぶくさん、はじめまして
ここに書くのは場違いかと思いますが、一言寄せさせてくださいませ
『タロよ』読んだ時、私はタロになりたいと思いました
私がタロならば涙をぼろぼろと零しながら
せめて大好きな指だけでも必ず食べましょうと・・
浄化されたような『私』と『タロ』に思いが伝わってくるようで
私もこんなポエムが書けたら嬉しいと思いました
稚拙感想失礼しました(*ノ ェ)ノ
なかなかカキコ出来なかったミミンです(*_ _)ペコリ
やっと来れたら『優勝』の文字!
嬉しいさよりも『まぢっ』の驚きでいっぱいです(>_<。)
私には珍しい爽やかな詩でしたから思い切って応募して良かった!
練りものハンターさん,身に余る光栄でした(>_<)
さて選者の方を…なんですが僣越ながらにぃちぇ先生にお願いしたいのですが…どうでしょうか?忙しいでしょうが…(^_^;)
140 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2005/11/28(月) 19:21:09 ID:iKRpdbob
>>138 ユリゴンさん、ありがとう。嬉しいです。
やっぱね、食べにゃならんと思うのよ(笑)。その昔の、死者が朽ち果てるまで別家屋で起居を共にしたというモガリの風習、あれは遺された者にとって優しい。人格を持ったかけがえのない人が、ただの肉塊になったことを思い知らされるであろうから。
火で焼いて、ハイ、いなくなりましたと言われても、なんかだまくらかされた感じ。死を受け入れるには十分な時間が必要です。と言ってみたりして。
タロは泣きながら食べるんだろーな。でも、それがタロのためさ〜(鬼)。
と、いらんこと書きましたが、ふたたび
ありがとうございました。
141 :
うり:2005/11/28(月) 21:55:22 ID:vOihYLoi
練り物ハンターさん
読んでいただき、どうもありがとうございます。
詩を書き始めて日が浅いので、まだまだコツを掴むにいたりません(溜息)
今後ともよろしくお願いいたします。
142 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/11/29(火) 02:35:01 ID:x3LLIIh7
女の子の頼みだから俺、ぜひともやる。(爆)
つか、このスレ見たような覚えもあるけど、練りどんがやってるとこ初めて見た。
すげーなあ、練り物ちゃん。今まで隠してた教養少し出しちゃって。(笑)
そんでああ、あぶくさんはここの住人だったのねん。
ゼッケンさんはいたるところにいますね。(爆)
雨さんも色んなとこで集計とか縁の下の力持ち。
竹輪さんもポエム大会で馴染み深い。つうか竹輪さんの批評、絵がついてるし。(爆)
プレイボーイさんもいる。ユリゴンさんもいる。
そんで辛口スレ出身のミミンさんが優勝とはスレ主代理として嬉しいじゃないですかあ。
まあ、知り合いが多いからということではなくてね、ざっと読んでみて面白そうだからやらせてくらはい。
敬具。
143 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/01(木) 00:07:09 ID:j419DC26
というわけで遅れましたがテンプレ見ながら書いてますにーちぇです。
えっとね、お題はね、また人名にしよう。(爆)
「ユウジ君」が出てくる詩。
そんでタイトルにも「ユウジ君」を含める。
そんでポエム大会ではエロ禁止だったけど今度は思いっきりエロで頼む。(爆)
もちろんただのスケベな詩じゃ高評価は望めませんよお〜。
エロというよりエロスかなあ。ただあんまりわかりにくいのは駄目。
とかなんとか言ってると余計わかりづらいか。
じゃ、とにかくスケベな詩で「ユウジ君」がタイトルにも文中にも出てきて面白かったり感動したり単にすげーなーとかエロいなあとか切ないなあとか、全部OK!
あと、なんだ。短すぎるのはやっぱ駄目で、かといって長すぎるのも駄目ということにしよう。
つまり2レスにまたがるのは禁止。これね、意味ないように思えるかもしんないけど、意外に練習になると思う。
原稿頼まれた時に丁度いい長さで納めるのも芸のうちですからね。俺なんか某リクエストスレで1レス以内を自分に課してるけどいつも尻切れトンボになりますから。(爆)
この詩板の1レスの容量に少なすぎず大きすぎずピッタリ収めるみたいな作品を募集。
で、作品数はサッカーにちなんで11個でいいや、うん。規定内のが11個集まったら審査開始。
採点期間はねぇ、約束できないからなるべくスレの進行妨げないように自分に課すルールということで、ひとつの作品にコメント五行まででよろしく俺。(爆)
五行でまとめる方が苦労したりしてな。ま、それも俺にとっては新鮮でよかんべ、と。
では以下まとめるでやんす。
@題名にも本文にも「ユウジ君」を登場させること。
Aテーマはエロス。エロチックでスケベならなんでもいい。
B1レスにぎゅーっと詰め込んだ感じの短すぎない分量。分割投稿はだめよん。
Cひとり一作で11作品、つまり11人の日本代表が揃ったら募集は打ち切り。
D俺はなるべくひとつの作品に五行で簡潔にレスしてすみやかに審査を終えること。
審査基準は一番エロいのが優勝。もちろんエロさを際立たせるにはテクニック必要ですよね。
だからひどい作品ばかりということにはならないだろう。もちろん、あまりにも酷いのは日本代表に選ばないからそのつもりで。
そんじゃ、投稿お待ちしております。m(¥¥)m
ユウジ君
しなやかな葦の茎で切り出したユウジ君は、最初は頑固な
ロバのように硬く固まっています。
ゆっくりほどいて、柔らかにひろげてあげてから、
細い棒を差し込んで、きつく銅線で巻き込みます。
上の方は敏感なので細い糸を使って慎重に形をつけていきます。
ご機嫌を損ねてしまってはだいなしなのです。
一気に切り開いた2枚の間に花魁の爪のような銀色の雛形をさしこんで
すこおしづつ表面を削り、円やかな洗練を目指します。
左右は均等でなければいけません。根元はしっかりと、先端は敏感なまでに敏感に
薄く削り上げます。中心部分には楕円を帯びた芯が気丈なプライドの現れのように残ります。
そうこうしているうちに、ユウジ君は初々しい乙女のぽっと染まったほおのように
しなやかに、誇り高く、敏感になっていくんです。
私の口の中でふるふると震えて頭の後ろ側に響くような鳴き声をあげてくれるようになります。
私は口の中を締め付け、広げ、息を吸い、息をはいて
彼の声が私の体全体に広がって一つの音を作り、さらには私自身を追い詰めていく快楽を
ひとしずく残らず味わいます。
2枚リードのファゴットのユウジ君は私の恋人です。
145 :
練り物ハンター ◆CNzCJKVCcA :2005/12/01(木) 22:00:23 ID:x0+W8WOd
[みゃひゃひゃひゃひゃ]
ほれ、ゆうじ君よ わしが3時間煮詰めた 熱々の竹輪じゃ
ほれ、噛まずに飲み込め
みゃひゃひゃひゃひゃひゃ
熱かろう 熱かろう
わしの愛情じゃ
みゃひゃひゃひゃひゃひゃ
熱々の竹輪飲み込め
みゃひゃひゃひゃひゃひゃ
楽しいじゃろ?ゆうじ君
わしゃ楽しいぞ
ナチュラルボーンいじめっ子じゃ
みゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ
『ユウジ君たら…』
ユウジ君たらキス上手
舌も唾液も絡めて
口で舐めて転がして
指先でもなぶってくる
いつもすぐに挿入(い)れないで
指で口でイカせるの
ユウジ君たらお願いだから早く挿入(い)れてね
焦らしちゃイヤよ
腰をふるから…
「ユウジ君の部屋」
今夜はつきあってくれてあんがとでした、じゃ、どうも
ん? おれの部屋見たいって? でも、すげちらかってるし
あ、トイレ? いいけど。ものすごくきたないから、ごめんね
ね? オンナノコにはおぞましかったんじゃない? ほんますんません。え、掃除すんの? いや、いいです。夜中ですから
それより、駅まで送ります。電車終わっちゃうよ。いやいや、テレビつけてくつろぐタイミングじゃないですから、いまは
のど渇いたって? いろいろ言うね、きみも。お茶でいいですか? お酒はありませんよ、おれは飲まないから。はいはい、知ってますか
じゃあね、さらに言わせてもらうとね、おれは酔っ払いきらいですよ。なんか言い訳準備されてるじゃん。多少のまちがいは大目に、みたいなさ。
ムカツクなー、って言われてもね、痛! ほら、これ、来たよ、この酔っ払い、イタタ、耳きれちゃうから、そんなひっぱると
うん。あのさ、今夜はこのキスまでにしときませんか? なんつーか、ほら、おれこのまえユウジ君に会っちゃったじゃん? 彼、ほんといい子だよ。
大事にしてあげてよ。そう、おれはきみよりユウジ君派だから。断固、ユウジ君を応援します。なんだよ、むくれちゃって、かわいいね。でもダメ。
ほんとに惚れっぽい人ですね、きみは。いや、おれもだけど。
ちょっと待ちなって。さわんなって! これは別の生き物だから
脱ぐなっつーの。なんでおれが女の子のパンツあげなきゃいけないんだよ、まず下半身からハダカになるのってずるいやり方だと
おれのズボンをおろすんじゃない、いたた、ひっかかってるから、むりやりしないで
咥えてしまえばどうにかなるっていうそういうのはね、だから脱ぐなっつーの、もう
ユウジ君、助けて!
148 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2005/12/02(金) 19:28:52 ID:FF5M9fOh
「ユウジ君」
ユウジ君は整えられたベッドの端に、うつむき加減に坐っている。
唇をかむ仕草に、緊張や戸惑いが、押し隠されながらも伝わってくる。
私は姿勢をただし、声をかけることもならずユウジ君を見つめる。
やがてユウジ君はベッドに身を横たえ、優しく慈しむ手で肌をあわらにされる。
口づけは瞼に、耳たぶに、頬に、そしてついばむように唇にふれていく。
抗うこともなく目を閉じて抱かれるユウジ君をそっと見下ろし、指先で顎から首筋へ。
胸の小さな桜色をきゅっとなぞられ、ユウジ君はかすかに甘い吐息を漏らす。
与えられる刺激は徐々に高波となって、優しく激しくユウジ君を襲っていくようだ。
ユウジ君を愛撫するのはユウジ君の恋人で、指先にたまらず反応する体を
私はただ見つめるだけで身も心も昂って仕方がない。
ユウジ君の快感の姿を見て、どんなに気持ちがいいだろうとうっとり目を閉じる。
そしてユウジ君がいく時、私も一緒にいくのです。
素知らぬ振りして坐っていても、紅潮した頬と汗ばんだ肌で知られてしまう。
恥ずかしいのは見つめられるユウジ君、そして視姦する私。
ユウジくん
ユウジくん
チラチラチラチラチラリズム
誘惑されて
ユウジくん
だって
あなたがあんまり
可愛いから
ユウジくん
深いスリット、艶めかしく白い肌、覗く欲望
ユウジくん
スキヨスキスキ
濃厚なキス、絡み合う銀の糸、白濁の雫
あぁ、ユウジくん
いかせてあげる。さぁ私に溺れて…?
「ユウジ君」
ユウジ君とマサシ君は親友でした。幼稚園からの幼馴染です。背格好が似ていて仲良し。
川に入り山を走りトランプをして遊びました。
中学校にはいり。少しマサシ君は大きくなりました。二人とも髭がニキビが増えてきました。
マサシ君の匂い。ずくん。ユウジ君はいけないところが疼くのでした。
ユウジ君は愛撫を覚えました。目をつぶり。手を乳首に持っていくとマサシ君のものになりました。
ぺニスもアヌスもからだ全てを慈しみます。マサシ君が暗闇から降りて、その手で優しくしてくれます。
ユウジ君はマサシ君に愛されています。愛し愛されています。ため息をゆっくり吐き、心の中で叫び。
ねっとりと熱さを吐き、果てて。目を開けると。自分だけが、恥ずかしい自分だけがいました。
それでも。ユウジ君には好きな女の子もいました。でも結局何事もなく。卒業の頃には皆、
ばらばらになってゆきました。
高校に入って何ヶ月か経った頃。駅の構内にマサシ君がいました。声をかけようとすると、例の
女の子が現れました。二人はタノシソウです。ユウジ君は嫉妬しました。だれに?そして、二人の後を
そっと追けるのでした。トイレで。二人はそれぞれの場所へ行きます。ユウジ君も後に続きます。
個室に入るマサシ君。その刹那。ユウジ君は思いをぶつけました。どこから力が湧いてきたのでしょう。
ユウジ君はひたすら雄の行動を無我夢中で行いました。愛憎を注ぎ込んで、気が付くと。
マサシ君は号泣していました。汚れたペニスをしまい、逃げるユウジ君。たくさん転んで痣だらけです。
頭が割れそうでした。ユウジ君も泣きました。どこかもわからない暗闇の中で。そして、眠りについたのでした。
それから、もう彼らが会うことは有りませんでした。マサシ君は誰にも言わなかったようです。
一方的に思いを遂げ、奪い、失ったユウジ君。彼は死にません。ユウジ君はこの先、自分を責め通続けて
生き、自分を死へは逃がしはしないのでした。
151 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/12/03(土) 18:57:54 ID:wYxTKAML
『ユウジ君★只今参上』
ガガガガッシャァァーーーン カァァァッ バッシャーンカシャーン
さぁて窓からやって来ましたワタクシがユウジ君!バリバリバシャァァァァァーン!
今さっき『ユウジ君』と言葉を発したね? 迂闊に口にして良いと思っているのかな私の名前を 独り言だといえ嬉しいけどね
名前を呼べば突如あらわるのが常じゃあないけど いきなりあらわれることも考慮してこれから暮らすがいい
ああ泣くな 恐がらせて悪かった
っかまじで悪りぃ 手荒な真似した謝る
御免なさいこのとおりです 割ったガラスも弁償します
しかしすぐ割れるガラスだな!
ああ泣かないでくれ
合鍵もらえて嬉しかったから早速使って待ってたんだ
でね ちょっと驚かそうとしてバルコニーで隠れてた ごめんね
もう待ち遠しくて由美ちゃんが帰ってきたらすぐね出迎えようとしたら
覗き見してどきどきしたくなってしまって
だな んー 由美ちゃんがおもむろに疲れた顔して
ベッドに横たわり悩ましい顔でもぞもぞして
『ゆうじくぅぅぅうん』 なんて言うのがわりーんだよ
オナニーしてたのかよ? ちゃんと泣いてないでこっち向けよ ん? 言えよはっきり ほらいるよここに
窓ガラス割ったのは本当に悪かった 反省します
言い訳がましくなるけどこんなすぐ割れると思わなかったし
興奮気味だったこと認めます
へたすりゃケーサツにツーホーもんだなこりゃなぁ つーことで落ち着いたか?
んじゃ今日はケーサツプレーしよう
パトに乗せられ連行されるユウジと 由美ちゃんは四つん這いでパトのボンネットにいるイメージだな
目を閉じろ国道100`直線コース爆走でいこう もちろん二人は裸のまんまよ
電気消すよパチッ
窓から冷たい空気入ってくるから今日は責任持って温めてやるよ
152 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2005/12/03(土) 21:06:31 ID:6HzbmtMv
『ユウジ君、衛生観念ってなんですか?』
えっ でもこれって排泄器官
おしっが出るところ
やだやだ
そんなとこ舐めるのやだ
ユウジ君が汚いなんて言ってないじゃん
おしっこ出る場所が汚いって言ってるんじゃん
えー好きだよー
でもそれとこれとは別問題でしょ
あたしダカラのCM嫌いなんだよね
飲食と排泄 同画面で見せるなよーってカンジ
だーかーらー
ユウジ君は好きだって言ってんじゃん
えっ やだやだ
舐めないでよそんなとこ
汚くない?ううん汚いよー
大腸菌ウヨウヨだよー
やだやだばっちぃよ
やだやだユウジ君そんなとこ舐めちゃやだ
なんか動物みたい
なんか人間じゃないみたい
なんかなんか
すんごくドキドキしてるんだけど
あ〜ん
舐めちゃ…舐めちゃ…
舐めちゃやだ〜〜〜
「馬頭観音」
ユウジ君は馬になった
競走馬として育てられ艶やかな肌となめらかな走りで人気者だった。
ある日ゲートが開きいつものように滑り出そうとすると、その足が出なかった。
そういったことが2度3度続いた。
彼はもう競走馬として生きていけなくなった。
細すぎる足と神経質な性格が災いして雪の中も泥の中も熱の中も歩けなかった。
彼は過去の栄光とこれからの生き方を考慮され、ひっそりと殺された。
そしてその体は解体され「名馬の肉を」と血の匂いのまま業者に持ち帰られた。
最高値で落札したのはユウジ君の両親だった。
彼らの息子は勇という字を象徴するほど活発な男の子で小学校でも人気者だった。
ある日両親の前で部屋の隅をよく見るようになって、なにごともしゃべらなくなった。
そういったことがずっと続いた。
彼はもう保護者なしでは生きていけなくなった。
細すぎる首と過敏な性格が災いして病院でも空き地でも家の中でも暮らせなかった。
彼は過去の思い出とこれからの人生を考慮して、ひっそりと殺された。
そしてその体は解体され「ぜひうちの研究所に」と血の匂いのまま所員に持ち帰られた。
ユウジ君の両親は落札した元息子の肉片を角度をなくすほど舐めあげた。
何度も何度も我が息子の名前を呼び上げお互いの舌の奥まですくいとった。
歯の隙間から血の匂いが漏れ畳から粘液の匂いが沸きその腐臭に歓喜した。
血まみれで男女は交い、男は初任給を叫び女は子宮を叫んだ。
タテガミの生えた細い背中はつっぷして、その後ろから馬頭の男が諸手を上げていた。
ああ息子よ息子、息子よ息子よ、ああ、ああああああああ
『ユウジ君のせい』
疼く躯を慰めたいけど
指で,道具で
喘ぎたいけど
ユウジ君の
指や舌やペニスが
何よりも
気持ちがいいから
オナニー出来ない
今日この頃
155 :
名前はいらない:2005/12/05(月) 18:38:48 ID:Uxv84H8w
11作品そろったようです。〆切りですか?
156 :
名前はいらない:2005/12/05(月) 20:00:28 ID:05+P+Y2p
まとめ。
>144・ユウジ君
>145・[みゃひゃひゃひゃひゃ]
>146・『ユウジ君たら…』
>147・「ユウジ君の部屋」
>148・「ユウジ君」
>149・ユウジくん
>150・「ユウジ君」
>151・『ユウジ君★只今参上』
>152・『ユウジ君、衛生観念ってなんですか?』
>153・「馬頭観音」
>154・『ユウジ君のせい』
※ ○ 。 ゜ o *
゜ o /⌒○
o ミ""""""''ミ ゜ o
※ . o (´・ω・`) <寒いけど風邪引かないでね。
⌒゛ ゜ ^" (":"u) * ^"
^⌒ ... ⌒⌒ U^ヽ) ) ) ⌒ ⌒⌒ ... ⌒
〇 ゜ ⌒⌒⌒" ^ ⌒⌒ ...,... ⌒ .....
"⌒ "⌒ 。 ⌒ ^^ ...,. o *
"⌒⌒⌒ ....,.. ^^ ...,,. ⌒⌒⌒" 〇 ^ "^⌒""⌒ ....⌒
157 :
名前はいらない:2005/12/06(火) 22:37:47 ID:g9NBaHc+
ハ_ハ
_ ('(゚∀゚∩審査あげ!
(::: ) 〉 /
ヽ (_ (_ノ
審査もう少し待ってね、さげ!
159 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/09(金) 00:18:21 ID:pVx0g5Pr
つーわけでいくか?今夜?俺は途中までならやる気まんまんだぜ!(笑)
ところでさあ、わにさんは今回参加してくれたのかな?
テーマをエロ詩にしたのは前回エロ詩書きたかったように見えたわにさんに向けてのお題でもあったんだが。
というわけで、審査開始しますけどわにさん、まだでしたら投稿してくらはい。
どうせ一日じゃ終わんないから、まだ受け付けるよん。(爆)
160 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/10(土) 04:20:03 ID:Ox2TwIgl
では怒濤の五行簡潔評価いきます。
>>144 (一行目)いきなりのっけから変化球投げられて思わず唸った作品がこれ、ユウジ君を人ではなくモノにしてしまう荒業炸裂、しかし綿密な説明文が読者を圧倒する。
(二行目)そのモノとはファゴットだ、とのオチが最後にあるが誰が読んでも「そのモノ」ズバリというところが文句なしにエロ、ただし前半はバイブレーターを自作してるように読めるところが更にエロ。
(三行目)細かく見ていくとその張りがたの製作過程ですでに愛撫の様子や性器の変化が書かれていたりして芸が細かく、だんだん完成に近づくにつれて電動コケシが実際の肉棒にすり変わっていく。
(四行目)私の口の中で、とあるから吹いているのは女性だと想像すればまさにファゴットならぬ尺八の光景が目に浮かぶわけで、しかも下の口ともたぶん掛けてあるので余計にやらしくて、思わず勃起、ゲフンゲフン。
(五行目)ひとしずく残らず、のフレーズから上ならば飲んでくれたのか!という感動と下ならば中出しかよ!という驚愕が交差するまさになんでもアリの多元宇宙を作り上げた構成は見事であるが、笛に喩えるのはありがち、でもエロい。
ジーコ監督のコメント・「144の選手は使える。ホイッスルが鳴るまで動けるスタミナがある」
161 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/10(土) 05:02:24 ID:Ox2TwIgl
>>145 (一行目)まずあれほどタイトルに「ユウジ君」入れろと書いたはずなのに、思いっきり無視してるところが大胆不敵、もしくは俺と同じようにあまりよくスレの流れとか読まずに書いちゃうお調子者の匂いがプンプン。
(二行目)しかし文中でも繰り返される「みゃひゃひゃひゃひゃ」の笑い声は文句なしにエロ親父であり、しかも変態だということがわかるし、ついでに言えば禿げてると断言できるほど絵が浮かぶのだが、そんな禿げ親父の裸は見たくないので減点。
(三行目)しかもエロ禿げ親父とユウジ君との絡みとなるとこれはゲイの性交シーンなのであり、ヘテロな俺としては作中に立ち込めるエロいムードは認めてもまったく勃起しないどころか萎えてしまうのでゲフンゲフン。
(四行目)ところが自分の性癖を排除して読めば、「ほれ」とか「竹輪じゃ」「愛情じゃ」の「じゃ」がかもし出すゲテモノ的な言葉責めのエロさはホモの皆さんにはたまらない語感であるはずであり、笑い声の淫靡さと相まって抜群の不潔さを漂わせている。
(五行目)ナチュラルボーンブギを歌うスティーブマリオットのようなハスキーヴォイスでシャウトしてもらいたいマゾの方にもオススメのプレイが実は克明に描かれているという意味において、やはり下品ながらもエロは際立っている作品と言わねばならない。
ジーコ監督のコメント・「145の選手は使える。敵陣の穴の開いたスペースへの縦パスの出し方が絶妙」
162 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/10(土) 05:30:00 ID:Ox2TwIgl
>>146 (一行目)タイトルがすでにエロい、そして本文は正統派の性交描写なのでストレートにエロい、挿入と書いて「いれる」と読ませるなどの常套手段も直接的でエロい。
(二行目)しかし「キス上手」で始めておいて、すぐに三行目から乳首もしくは性器への舌を使った愛撫に変化してしまうところは急ぎ過ぎでキスが下手な若造みたいに読めてしまう。
(三行目)本当のキス上手ならば俺のように20分くらいディープキスかまして焦らすくらいの根気がなければ駄目だし、「指先でも」の「でも」で、さも驚いているかのようだが、そんなの普通ゲフンゲフン。
(四行目)つまりはキスならキスだけに絞るべきだったし、焦らしを書くのならそこだけをクローズアップして書くべきであった、つまりは焦点が定まってないので散漫な印象を読者に与える。
(五行目)ところがつい勃起してしまうのはこれを書いたのが女性だと判明してしまっているからであり、その意味で反則的なエロさは保障されているが、全体の分量がこちらのリクエストを満たしていないと思う。
ジーコ監督のコメント・「146の選手は使える。サッカーは腰から下の柔軟性とスピードが重要なのだ」
163 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/10(土) 06:03:38 ID:Ox2TwIgl
>>147 (一行目)タイトルと一連でユウジ君が女の子を自分の部屋に連れ込んだと思わせるだが、女の子の方が積極的なところや語り手があまりにも及び腰なところが不穏な幕開けである。
(二行目)二連での会話は素直に笑えるし、コント仕立てに一人芝居の文体で貫き通しているところに作者の高い実力を確認できるのだが、エロどころか「きらい」とはっきり言ってしまうのでますます混沌とする。
(三行目)三連で仕掛けが判明するのだが、肝心のユウジ君の「部屋」はどこなのだろう、と考え込むと色んな想像できるところも楽しい、例えば最後の「助けて!」が暗示しているように主人公の隣の部屋だとか。
(四行目)いや、むしろこの部屋が本当にユウジ君の部屋で主人公は居候だとか、ホモ達だとか、まあ、勝手に楽しませてもらうわけだが何度も言うようにどこがエロなのか?と、コント書いちゃったよこの人、って感じが拭えない。
(五行目)「これは別の生き物だから」とか「なんでおれが女の子の〜」「まず下半身から〜」「咥えてしまえば〜」など性行為の描写はしっかり入っているがすべてエロではなくギャグになっているわけで、ここまで徹底されたお題無視は逆に爽快である。
ジーコ監督のコメント・「147の選手は使える。チームに明るいムードメイカーと酒を断つストイックさは両方必要だ」
164 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/10(土) 06:05:18 ID:Ox2TwIgl
それではハーフタイムということでよろ。
おやすみなさい。m(¥¥)m
165 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/15(木) 00:05:02 ID:+FEJnZWB
アナウンサー「ハーフタイム15分というのは意外に長いですね〜」
セルジオ越後「そうですね、やはりワールドカップ予選ですからね」
166 :
名前はいらない:2005/12/20(火) 16:30:59 ID:apF9qnSa
167 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/23(金) 01:16:32 ID:LFDpxPzz
というわけで後半キックオフです。
>>148 (一行目)まず構成に唸った、つまり登場人物が二人だと思わせて実は三人ということが徐々に明かされる展開が絶妙であり、優れた短編小説を読んだあとのような読後感が保証されている。
(二行目)文章的にも上手い表現のオンパレード、例えば冒頭の「うつむき加減」がすでにエロだし「姿勢をただし」も何気ないようで凄くエロ、いや、全部エロといっても過言ではない官能小説のすべての要素がこの詩には詰まっている。
(三行目)即興で出したお題にもかかわらず「ユウジ君」という字面までエロく見えてくるのだから驚愕、小さな桜色をぎゅっ、とかマジでスケベ、つーか普通に読んで自然に勃起できるゲフンゲフン。
(四行目)惜しむらくは冷徹な客観描写、つまりは語り手の視線がクールなままで最後まで突っ走った方がよりエロさが際立ったかもしれないのだが、逆に考えれば冷静な観察者もだんだん興奮してくるところを余すことなく書いたとも言える。
(五行目)12行目が「です」になっているところも賛否が分かれる箇所かもしれないが、10行目から13行目は視るだけでエクスタシーという一種の破綻を描いてるとすれば問題ない、そして末尾の一文で再び客観に戻るとすればこれでいいよ、とにかくエロい。
ジーコ監督のコメント・「148の選手は使える。フィールド場でのアイコンタクトはとても重要だ」
168 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/23(金) 01:17:23 ID:LFDpxPzz
>>149 (一行目)チラチラチラチラチラリズムがまさにちらちらした眩しいストロボのリズムを造り、読み手は文字通り誘惑されてしまう出だしが素晴らしい、見えそうで見えないまさにストリップ小屋的照明センス。
(二行目)時折挿入される「ユウジくん」との呼びかけが悩ましく、本文が進むにつれて同じ「ユウジくん」でも声色が変化しているはずだ、との想像が可能な点において単なる繰り返しではない「徐々に高まるさま」を書ききっている。
(三行目)深いスリットから覗く艶めかしい白肌が見えるに及んでこのチラリズムは最高潮に達するわけで、思わず身を乗り出す男子諸君は多数であると断言できる描写である。
(四行目)しかしチラリズムという寸止めのエロの魅力で押し通して欲しかったのに濃厚なキスまでしてしまっては逆に読み手はがっかりしてしまう、当のユウジ君はディープな唾液交換でたまんないだろうけど。
(五行目)しかしそんな詩としての完成度よりも「いかせてあげる」という台詞に思わず勃起ゲフンゲフン、ただ「私に溺れて」のあとのハテナマークが意味不明であり、この際チラリズムしてた女の方が我慢できなくなる爆発をもっと書けば面白かったと思う。
ジーコ監督のコメント・「149の選手は使える。ワールドカップに行かせる、という強い自信は必ずや我々のチームに勇気を与えるだろう」
169 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/23(金) 01:18:07 ID:LFDpxPzz
>>150 (一行目)マサシ君登場で田代まさしを思い出してしまうところが実は減点箇所なのだが、それさえ無視できればこのショートストーリーの世界に惹き込まれることは請け合いの作品世界構築が成されている逸品。
(二行目)一連の「匂い」「ずくん」「疼く」の三連発ですでに淫猥な空気を漂わせ、二連への期待をスムーズに高めていく手際は上質であるが、幼稚園から中学校までが駆け足なのが恨めしい。
(三行目)これは分量の問題であって本当は小説にできる題材という褒め言葉なのだが、二連・三連の濃密な描写をたっぷり書くためにわざとさらりと流したと読めば気にはならない、そして確かに濃密すぎるほど濃厚なのである。
(四行目)三連の暴力描写は痛い、それはユウジ君だけでなくマサシ君まで痛いので読んでるこっちも痛い、しかし冷静に考えると単なる三角関係なのでよくあるパターンであり倫理的にはその程度のことで暴力に訴えるのはやめろと言いたい。
(五行目)最後の連で自分を責め続けながら生きていくユウジ君には少し救われるわけだが、オチとしては弱いかもしれない、いやそんなことよりこれはやはり小説で書くべきテーマであり、もひとつ大事なことを言えばまったく勃起しないゲフンゲフン。
ジーコ監督のコメント・「150の選手は使える。転んでも痣ができてもすぐ起き上がるタフネスさは闘争心の現れだ」
170 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/23(金) 01:18:45 ID:LFDpxPzz
>>151 (一行目)すげー面白い、その点は文句なし、そして実は俺の好みの作品なのだが批評バカとしては好みでは選ばず投稿規定に厳格に評価するので、この時点ですでに落胆してもらってよい。
(二行目)この作品の凄いところは二連目まではユウジ君が屋外から進入した強姦魔にしか見えないのに、読み進めるにつれてあれ?あれ?あれ?と思わせて、なんだ本当の恋人同士だったのかYO!と笑わせてくれるところにある。
(三行目)エロさという点では三連の由実ちゃんの「ゆうじくぅぅぅうん」の台詞の再現部分がすべてである、ここは少し勃起するゲフンゲフン、しかしそこだけだという説もあるのでエロについてはもうどうでもいい。
(四行目)ひとり語りの文体を完全に使いこなしているという意味で文章のレベルはすこぶる高い、例えば「こっち向けよ」から「ほらいるよここに」の箇所など省略によって逆に絵が浮かぶという高級すぎるテクニック。
(五行目)最終連のケーサツプレーというのがまったく意味不明でちっとも絵が浮かばないのだが、それは作者が「わざと」やっていることなので描写力不足とは意味が違う、そんなことより最後のオチの面白さと美しさはどうだ!
ジーコ監督のコメント・「151の選手は使える。ゴール前で普段は姿を隠し、ここぞという時に現れて決めるのが本物のストライカーだ」
171 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/23(金) 03:00:55 ID:LFDpxPzz
ちょっと電話中断があった間に後半45分でも決着つかず!
延長戦突入ということでよろ。m(¥¥)m
172 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/28(水) 02:38:42 ID:1uimLpco
さあ延長戦が始まりましたっ!
>>152 (一行目)タイトルがいい、そして本文にもスムーズに繋がっていく、つまりは排泄器官とは不衛生なのではないか、という問いかけからこの話はスタートするのだ。
(二行目)ユウジ君のお相手はそのような固定観念から懸命に拒んでいる、汚いから舐めたくない、しかし彼氏に気を遣って「ユウジ君が汚いなんて言ってないじゃん」などと言ってくれるこの子はいい娘である。
(三行目)ダカラのCMは俺もあまり好きではない、しかしそんなことより「ダカラ」と「だーかーらー」の台詞を掛けているところに作者の遊び心が窺われ、ニヤリとさせられる、つまり上手い、おまけに排泄器官は本当に汚いのか、という問いかけにもなっている。
(四行目)舐めてくれないのなら、と言わんばかりにユウジ君の方から舐める後半は少しエロい、少し勃起ゲフンゲフン、しかし女の子の饒舌はこのようなラブシーンにおいて男を萎えさせるものであることもまた事実。
(五行目)しかし会話形式で書かれている以上、「あん」とか「あっ・・・」みたいな擬音だけでは面白くないという説もあるのでこれはしょうがない、つーか、最後の方で「やだー」と言いつつ感じてる様子がきちんと書けているのでエロさは伝わってくる。
ジーコ監督のコメント・「152の選手は使える。どんなに格下の相手でもナメてかからない、それがプロというものだ」
173 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/28(水) 02:40:25 ID:1uimLpco
>>153 (一行目)だからタイトルにユウジ君入っとらんがな、って言いたいところだが実は俺もどうでもいいのでこのまま読んでしまう、まずタイトルが唐突であり意味ありげでとても良い。
(二行目)馬の名前がユウジ君ではなくユウジ君が馬になった、という出だしにカフカからの影響を感じるわけだが、たぶん関係ないので続きを読むといきなりシリアスに競走馬の悲劇の末路を描いているのでビックリする。
(三行目)二連で物語はさらに複雑化してくる、つまり時系列的には人間の「勇次」くんが謎の病気になり「これからの人生を」謎に考慮されて殺され、献体されたのちに馬に変身し、それでもやっぱり殺されて両親がその肉を落札するという順序。
(四行目)三連で今回のテーマのエロが現れるのだが、前連までの悲しい物語のせいかちっとも勃起できないゲフンゲフン、しかし夫婦の食から性に変容する欲望のシュールな展開には作者の物書きとしての腕力と性=生のような思想が垣間見れて面白い。
(五行目)馬頭観音とはインド伝来の観音菩薩の化身なわけだが、あえてもともとセクシャルなシヴァ神などを持ち出さず「馬」の語感からのイメージでエロスと物語を作り上げた手腕には脱帽、最後両親も馬になっちゃっていなないちゃうところなんか最高。
ジーコ監督のコメント・「153の選手は使える。馬力のある突進力は相手にとって脅威になる」
174 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/28(水) 02:41:40 ID:1uimLpco
>>154 (一行目)タイトルがエロ、本文もエロ、しかし言いたいことは最後の二行であり小ネタという感じがしなくもない、分量的にも小品である。
(二行目)「指で」はともかく「道具」はあまり使わないで欲しい、なぜなら道具に仕込まれたモーターの威力に慣れてしまった女ほど扱いにくいものはないからである。
(三行目)ところがこの女性は「ユウジ君」の愛撫には強力なバイブレーターの振動も勝てない、などと嬉しいことを言ってくれているのであり、男冥利に尽きるわけである。
(四行目)オナニーできないのはあなたのせいよ、なんて言われた日にゃ確実に勃起してしまうゲフンゲフン、そんで嬉しくなってその夜は余計にがんばってしまうのが男である。
(五行目)そんな風に深読みしてみれば、これは男をその気にさせるための方便のような気もしてくるわけで、素直に喜ぶべきなのか女は恐いよなあ、と警戒するのが正しいのか非常に微妙なところではある。
ジーコ監督のコメント・「154の選手は使える。梨花とかいうタレントと合宿を抜け出して外泊した柳沢は代表から外したので、サッカーのために禁欲できる選手は大歓迎」
175 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/28(水) 03:19:20 ID:1uimLpco
さてワールドカップ予選は無事に勝ち抜くことができたのであった。
本番に向けて更なる練習を積み上げて一次リーグ突破はもちろん、今回は本気で優勝を狙っていく。
その栄えあるドイツワールドカップのピッチに立つ日本代表の精鋭たちを発表しよう。
まずゴールキーパーは重厚な安定感を買って
>>150の選手。日本の守護神としてゴールマウスを守って欲しい。
システム的にはオーソドックスな4−4−2で勝負したい。つまりディフェンダーは4人でがっちり固める。
センターバックとしては相手の当たりに負けない強さを持った
>>153の選手。頭が馬なので高さにも対応できるだろう。
もうひとりのセンターは
>>144の選手。試合勘に優れている。そしてなんといっても守備は集中力とスタミナである。
左サイドに
>>146の選手を選びたい。すぐにロングボールを放り込む焦りはなく、腰も強い。サイド攻撃の起点としてどんどん敵陣に駆け上がってクロスを上げて欲しい。
右サイドは
>>154の選手だ。このポジションは相手の優秀な左サイドと激突するので我慢強さが必要。もちろん素早く守備に戻るスピードも申し分ないだろう。
ミドルフィルダーには逸材が揃った。ジーコやファルカンのいた80年代ブラジルの黄金の中盤の再現かもしれない。
まずはボランチの位置に
>>149の選手。守備的なポジションだが独特のリズムでドリブル突破もできるので戦術面で可能性が広がる。
真ん中やや左に
>>152の選手。得意の左足でピンポイントのフリーキックを小便小僧の放物線を描いて決めてくれるはずだ。
このチームの司令塔は文句なしに
>>148の選手。監督の指示を的確に守り、戦術やフォーメーションの理解も抜群の頭脳を持っている。何よりも目がいい。瞬時にフィールド全体を見渡してキラーパスをたくさん供給して欲しい。
やや上がりめの位置で
>>145の選手。この選手も空いたスペースにパスを出せるしドリブル突破もできる。みゃひゃひゃひゃと不気味に笑いながら相手チームをビビらせて欲しい。ロングレンジのミドルシュートにも期待。
つづく
176 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2005/12/28(水) 03:38:31 ID:1uimLpco
つづき
フォワードはまずワントップ気味に
>>151の選手を起用したい。ガラス窓をぶち破るようなペナルティエリア内での泥臭い体当たりのプレーが相手ディフェンダーには脅威だろう。寸前までマークをかわして姿を消す技術も世界トップレベル。
そして1.5列目からの飛び出しとポストプレーを
>>147の選手に任せたい。ストライカーの二人は「ひとり語り」を交わすことで暗黙の会話が成り立つはずだ。
コミュニケーションを取りながらポジション取りと役割分担をはっきりさせ、常にひとりがマークを引き付けてその隙にもうひとりがゴール、という展開が望ましい。
さて、栄えある日本代表のキャプテンマークを腕に巻いてもらうのは・・・・・。
やはりここは司令塔である
>>148の選手に任せるべきだろう。
ピッチの上では彼が監督なのである。ゲームメイクを任せられるだけの絶大な信頼があってこそ、である。
つーか、一番エロかったし。ゲフンゲフン。
そして蛇足ではあるがジーコ監督には辞任してもらう。なぜなら
>>143のDに書かれた「すみやかに審査を終えること」がまったく出来なかったからである。
駄目監督である。忙しいなどは言い訳にはならない。みんな待ってるんだからもっと早く選考しろ。
よって日本を知り尽くしているラモス監督でワールドカップは戦うべき。俺がラモスの大ファンという噂もあるのだが、そんなことはまあ、どうでもいい。
とにかく日本代表のキャプテンに選ばれたユリゴン選手!
おめでとうございます&絶対ワールドカップで勝ちまくってくれ!
そんじゃ俺はこれにて失礼します。
スレの進行遅らせて申し訳ありませんでした。m(¥¥)m
にいちぇさん、おつかれさまでした。
あいかわらず飽きさせないなあ。
個人的には馬頭観音がやばい。ちょっとあっち側いきそうです。
178 :
リーフレイン:2005/12/28(水) 19:07:28 ID:XpiQKPiP
にいちぇ先生、ありがとうございましたあああ。
「正しい2枚リードの作り方」書きました。。。ここは投稿が早いので
焦って書いちゃったんですが、評がむちゃくちゃ楽しかったです。おつかれさまでした。
あの作り方なんですが、本当にファゴットの2枚リードはああやって作りますのよ。。オホホホ。。
楽しいお題ご馳走様でした。。(いやああ熱い作品が多くて読みでがありましたねえ。)
ユリゴン選手おめでとうございます。色っぽかったですよおお。
179 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2005/12/28(水) 22:03:18 ID:eLFyS9Bu
にいちぇさん、審査おつかれさまでした。五行って、こーゆーことだったんですね(驚)。めちゃ、感動しております。ポエ大の過去スレ読んで以来の夢がかないました〜。ありがとうございましたm(__)m
審査評が楽しめたのはもちろんのこと、作品も多彩でおもしろかったです。『馬頭観音』の迫力にはウットリ。
で、ユリゴンさん、エロNo.1、もとい(笑)、優勝おめでとうございま〜す!なんつーか、リアルでした(笑)。
にいちぇさん乙。
ゆりごんさんオメっとさん。
「馬頭観音」を書きました。股間刺激エロというより
『生の本能(エロス)』そして『死の本能(タナトス)』を
多少意識して織り込んでみました。
みなさんおつかれさんでした〜(快∀楽)
>>146 と…
>>154 も描いてしまったミミンです(>_<)
にいちぇ先生,お疲れ様でした(*_ _)ペコリ
すっかり遊んで描いてしまってすいません(笑)
また参加させて下さいませ(・ω・)ノ
ユリゴンさん,優勝おめでとうございます♪
150書きました。にいちぇさん、講評ありがとうございました。そして、お疲れさまでした。私は、お叱りをいただきました。反省してます。ユリゴンさん、お目出度うございます。道場での訓練実りましたね。
183 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2005/12/29(木) 00:04:30 ID:yOFrAGYK
にいちぇさん審査お疲れです
ほんっと飽きさせないね 作品とあわせて全評堪能させていただきました 笑
ありがとうございます
っーか本当ならここ本スレに投稿するはずの「ながったらしい題名のユウジ君」作品
辛口に誤爆してしまいマルチはなんだかなぁーなんてやけっぱちになり『ユウジ君★只今参上』を書きました 笑
こちらこそ楽しめました重ねてありがとうございます
個人的には快楽童子さんの馬頭観音とリーフレインさんのゆうじ君がツボで素晴らしかった
ユリゴンさんおめでとう!〔とっても良かった〜!お見事!〕
184 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2005/12/30(金) 05:54:53 ID:Je4S29Rv
にいちぇさん、こんにちは。
>>148のユリゴンです。
しばらくここに来れなくて、久しぶりにアクセスして驚いてしまいました。
強豪の皆さんの中でまさかのチームの司令塔、栄えある日本代表のキャプテンの座をありがとうござました。
にいちぇさん曰く怒濤の五行簡潔評価、ワールドカップを思いっきり楽しませていただきました。
以前に「クワモト先生」で長文の評価を頂いた時も感激しましたが、今回の趣向にもただ感心するばかりの私でした。
私にはエロスは無理だと思っていましたが、変則3Pでエロスの女王になれたかも、です。
そしてお祝いをくださったみなさま、本当にありがとうございました。
次の選者ですが、初心者ポエム訓練道場まで来てくださり、大切なことを教えてくれた北さんにお願いしたいのです。
北さんは前にお断りされているようですが、弾き語りなどとは申しませんからぜひお引き受けくださいますようお願いします。
185 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2005/12/30(金) 21:34:16 ID:Je4S29Rv
残念ながら北さんからはご辞退の返事を頂きました。
突然押し掛けて、北さんにはご迷惑をおかけしました。
というわけでゼッケンさん、選者をお願いできないでしょうか。
新しい年に向けてよいお返事をくださいますように。
どうかよろしくお願いします。
はい、かしこまりました。
私からはテーマのリクエストはありません。
テーマはそれぞれ投稿者の方がご自由にお決めください。
ただし、自分が書いたテーマを最初もしくは最後に明記すること。
テーマとタイトルと本文をワンセットでお願いします。
投稿期間は1月7日いっぱい。審査はできる限りはやく。
それではよいお年を。
187 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2005/12/31(土) 11:40:12 ID:A2+t2Vfu
ゼッケンさん、選者をお引き受け戴きありがとうございました。
新しい年が、夢と希望あふれる佳き年でありますように。
188 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2005/12/31(土) 13:06:17 ID:LxIKtf66
『熱と希望と、少しの愛を、』
青春の歌をボロボロのままで歌う恋敵の俺とサイ
山城動物園では、今もコウノトリとトキが繁殖と死滅を繰り返しているのさ
甘美な富士山の雄大な背中に射精して、紅く燃え上がる魂的な何かを掴みそこねる
愛してるのは地球だけ、それでも本当は全然嘘ばっかしで、苛酷な旅と気狂いの愛人とプールで砂遊び
爆発する着た切り雀、苦渋の選択をかます東鳩社員、パトカーに追われる夢を見た初夜
三十路の冬に生き別れ、死体の上でマンボを踊り、家電売場でファックしたあの日
君と僕は確実に、今その瞬間を感じ取っていたし、愛し合っていた
別れはいつでも訪れるけど、君と俺の出会いは一回しかなかった
口が裂けたって、カナブンが耳から入ったって、アナゴさんがオカマだったって
俺はいま心からお前を愛すし、愛おしさを感じているよ
だから健康、互いの心身を健康に、関係を、ライフを、ラブを、全部を、健康にする必要があるんだ
そうでなくちゃやってられないし、そうでなくちゃ意味がない
俺 が 愛 せ ば お 前 は 変 わ る ー !
テーマ:すべて
189 :
ゼッケン ◆YWWQB7OsPw :2006/01/02(月) 03:32:04 ID:cJ6nlal9
>>188 ますろうさん、さっそくの投稿ありがとうございます。
ますろうさんの作品は一年とちょっとほど読み続けているのですが、どの作品もテーマはすべてですね。
というより、詩はそうあるべきだと常におっしゃってます。
限定された意味しか持たない文章は、詩と呼ぶには窮屈すぎる、と、そういうわけですね。
ところが、言葉というのは本来が意味を持つものですから、意味の組み合わせから大きく広がる無意味を引き出すために、
意味どうしを衝突させて打ち消し合わせたり、文脈から言葉が別の意味を重ねて持つようにしたり、あるいは辞書にない言葉を使ったりと、
言葉は意味を持つという性質を逆手にとって、そういう工夫がなされるのだろうと思うのですが、
ますろうさんのがすごいのはね、そんな小ざかしいこと考えなくても、読めば楽しいという、
じつはえらい親切設計になってるところです。
読者にとって無意味というのは真空の宇宙空間のように過酷な環境です。
そこに裸で出て行くのはじつは楽しいことだよ、と、ますろうさんの作品は言います。言ってるように思えます。
で、この作品についてはですね、
いつだってますろうさんのチャネルはすべてに対して開かれているというのに、
それを指して、すべて、という言葉で指してしまったら、すべての外側にあるものを切ってしまうでしょう?
すべてというのはますろうさんの作品の性質であって、テーマに設定して書くべきものではなかったような気がします。
ますろうさんは詩に限定されたテーマなど必要ない、という主張をなさったんだろうとは思いますが、
そういう意味を持たせてしまったがゆえに、あるいは私がそう読むことを許してしまったがために、
作品の持ち味を殺してしまったのではないかと思います。
ごめんなさい。テーマの暴露をこちらから要求しておきながら
テーマどおりに書かれていたら自由じゃないなどと言うのは、良心の呵責がありますが、
しょうがないじゃん、ますろうさんのはそういうものだもの。
190 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/01/02(月) 08:21:37 ID:W0dRyQ0H
・テーマ
「お正月」
・タイトル
「大晦日」
・本文
いつもと同じただの普通の一日なのに 年が変わるとなると何かが違います
その何かとは新年を迎える期待なのでしょうか それとも行く年を惜しむ寂しさでしょうか
いいえどちらでもないと思うのです なぜなら期待も寂しさもとっくの昔に捨てたからです
捨てたのに今でも何かが違うのです これを大晦日の謎と名付けました
謎を解くのには骨が折れます なぜならこの日は忙しいので考える暇がないからです
その忙しさが正体なのではと思う人もいるかもしれません でもそれは罠です
そうやって忙しさのせいにしてこの違和感を誤魔化そうとしている 真実を直視しましょう
実は大晦日とお正月の境目には断絶があります つまり続いているわけではないのです
プツンと途切れています 一年三百六十五日の中の特異日と言ってよいでしょう
時間は12月31日の午後11時59分59秒で一度止まるのです 驚きですね
全世界で止まるので誰も気付きません すべての動きが止まってしまいます
年越しそばを食べている人は箸を持ったまま止まります そばつゆも止まるので垂れません
除夜の鐘を衝こうとしてる人もせーののポーズのまま止まります 間抜けな格好です
止まっている時間はおよそ3万年といったところでしょうか かなり長い時間です
時間が止まったのに3万年って時間経ってんじゃんと思った人は鋭い でも本当は鈍いです
それはこの宇宙には時間の止まらない場所もあるということを知らないだけなのです
その場所から観測すればいいのです 確かに時間は止まり物事の動きはすべて止まっているのです
3万年もどうやって観察するんだよバカと思った人も鋭い でも本当はアホです
3万年どころか90億年くらい寿命のある生き物もこの宇宙にはざらに存在しているからです
とにかく時間は止まります そして3万年後にようやく動き出します
動き出した瞬間に1月1日午前0時00分になります みんな一緒に止まっていたので気付きません
別の言い方をすれば一秒が3万年になってしまうのが大晦日の謎なのです 神秘と言ってもいい
私は今回の年越しでそのことに初めて気がつきました
なぜ発見できたかというと私にだけお正月が来なかったからです
191 :
ゼッケン ◆YWWQB7OsPw :2006/01/02(月) 10:49:43 ID:cJ6nlal9
>>190 にいちぇさん、元旦模試の試験監督ごくろうさまです。
なぜ、お正月に働くのはこれほどせつないものなのでしょうか。
にいちぇさんにこれほど語らせたものはなんなのでしょうか。
それは「みんな一緒に止まって」いるのに、自分だけ動いているというにいちぇさんにとっての事実です。
みんな「3万年」も止まっているというのに、にいちぇさんは試験監督してるわけです、3万年も。
たいへんです。被害妄想です。
気づかずにお正月を迎えた人たちは、「でも本当は鈍いです」。「でも本当はアホです」。
これは、お正月が来なかった「私にだけ」発見できる真実です。
すでに重症です。
語っている内容はたいへんにアレなことになっているにもかかわらず、
語り口調にはユーモアがあり、スマートです。
これは妄想が本人にとっては確信になっている証拠です。
通報したほうが本人とご家族のためかもしれません。
年の変わる一秒に三万年もの自身の孤独を見出す詩人を、
正月に働かせてはいけない、という症例です。
題『resolution』(1/2)
増えて気持ちが弾むの
これが満タンだと
溢れているつもりでいたけど
本当は足らないくらい
ましてや
器自体,大きくなるなんて
思いもしなかったから
それに無理して
合わせるんじゃなくて
自然について行けるの
依存してるつもりはなく
「大丈夫」の
信号が点滅してる
なんて心が広い人…
私はと言えばあまりに
全て曝してしまって
我が儘ぶりが目につき
自分自身が戸惑う
口にした言葉は
恥ずかしいくらい暴言で
自ら墓穴を掘り
苛まれ煩悶から泣き笑い
題『resolution』(2/2)
すると頭がぐるぐる螺旋描き
捩じれた気持ちが支配してきて
手首,刻んでしまう
カッター握り締め
恥辱をそれで塗り潰す
幸せ感じる傲慢さを
戒め高望みしないように
どうすれば貴方が
幸せになれるのか
egoの塊だから
迷ったり嘆いたりしながらも
止まらぬこの想い
次は我が儘を
たくさん聴けるように
もっと気持ち高める
笑って泣かずに
待っているから
…そんな私はいらない
だろうけど
テーマ【揺れる想い】
お題 言葉 「独白」
正月の二日に雨が降り
ハレの気配が流れさって
日常が穏やかに戻ってくる
自分の中に育ててしまった違和は
怠惰という言葉に置き換えられるのかもしれないと
苦笑を浮かべつつ
ひりひりと神経が削れていく現実から
ささやかな夢の中へと滑り込む
生きていくのは、2本の綱を渡る綱渡りのようで
そこにはない物語の中を歩む足と
ここにある傲慢な現実を歩む足と
ふらふらと ふらふらと
覚束ない足取りで伝い、伝って、
いったい何処へつながっているのかと
遥か彼方をのぞきみるのだ
とはいえ、いずれの綱も断ち切る気はなく、
もしどうしても選べと請われれば、迷わずにうつつの綱を
切ってしまうだろうと声があがる
傲慢な声だと思うのだ
いや、あるべき声なのだと思うのだ
手足を使って、歩く、歩く
暫くすると痛みが胸に生まれ、
筋肉が悲鳴を上げる
生きるとはこういうことだ
しゃがみこんで夢を見るのではなくて、
なのに夢を見たいと思うのは何なのだろうか?
足りないと思う心は何なのだろうか?
価値を 意味を 求めたいと思うのは何なのだろうか?
空を走る一瞬の閃光に
地に咲く一輪の花に
風にのるひとひらの音楽に
涙を流すのは何故なのだろうか?
訂正
生きるとはこういうことだ
ー>
生きるとはこういうことで
197 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/01/03(火) 01:44:27 ID:LKrlRmgX
テーマ:私に含まれる私以外の何か
タイトル:『痙攣』#1
痛みが曖昧なのも俺が生きていく上で大した問題ではない
足はしゅんと足だけ
単独で綺麗ならいいとは思うものの
野原コンクリート道床 足が立ち聳える影の軌跡が
俺の体内時計と同じ動きをする
俺の生命維持には欠かせない唯一で 理由は知らないが
今日もごった返す交差点
真ん中しゃがめば足の大群が行き交う
全ての足は直立歩行を行なう
役に立たない時最も美しいそれが 足なのか
乾いた唇が八重歯に張りついて捲れる
勿論足も俺の牙に張りついて捲れあがるのだが 歩く足ならば
椅子は猫脚が良い
記憶に沿って前脚と足首を縛り付ける行為 興奮を頼りに
椅子を買ったのは何時だろう
耽って忘れた物思い 言葉以上に
何時どんな顔をした人に向き合ったか 忘れて俺は
人込みに紛れると目尻から垂れ下がる糸 摘み引く
丁度 足首と脚を縛るのに適していると
運命なんて簡単な言葉で片付けがちな糸で
無数繰り返し痙攣しながら2℃上昇したり
奥地から吹き出す糸でもある
血染の糸を誰が赤い糸だなんてロマン浸りで言ったわけなんだろうか
もつれて捩れて絡まってしまいには首をも締め付けるというのに
知らないよ 傷に滲まない時間なんてのは
何時でも糸は体液に染められるもんだ 時のように
198 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/01/03(火) 01:52:35 ID:LKrlRmgX
#2
絡んだ糸束縄にする為
昨日はベッドに横たわらなかった
生爪の肉血 亀裂を摘んで欲しい人にならば
痛いなんて経験にさえならない
黄緑色の飛蝗が髪に揺れていたのはAM01:15頃
脈拍を喰って動く時計 オマエのカールが全部ほどけていて
ストッキングと肌の間に卵を生み付けた飛蝗がはね飛び回り
密着の邪魔をする 氷点下で湯気を纏った銃に打ち抜かれ
羽も手足も闇との境界が曖昧で
無防備に散り散り光沢のぬめりにとらわれる 息の根 止める 瞬間
こんぺいとうのきいろとみどりを吐き出して べとべと息絶える事日常
飛蝗が皮膚をづるりとむきとり
睫毛に白い炎をともすと体が二つに分裂する
汗が真っ直ぐ流れない背中も よく知ったようで
鎖骨に雪が積もって落とさないようあたため合ったり
出会ったばかりのような
雪って塩辛いのかなと首を傾げたり なんか
膝で押し上げて作った
髪の縦割きの隙間はからほんのり桃色が覗けるから
腰の辺りからほどけてみたって 今日さよならだ
黄緑色の飛蝗が何時でも密着の邪魔をする
境を失ったら 足首を縛ったままの椅子蹴り倒して
言ってやる 初めましてと
白目を剥いて倒れるオマエの髪
滲んでしまう前の鮮血の輪 温もり愛でるだろう
椅子の脚が足にすり変わるだけで
骨のオルゴールが壊れるまで目を閉じないで見る
199 :
ゼッケン ◆YWWQB7OsPw :2006/01/03(火) 08:46:05 ID:SLbBmW/t
>>192-193 私はね、自意識過剰町立コンプレックス小学校がっかり組の出身なのですが、
ミミンさんも?
「幸せ感じる傲慢さを 戒め高望みしないように」って、そっちに持って行きたくなるんですよね、
分かりますよ、その幸薄い学習機能。
それから、好きな人に対してもつい、あの人はあんなに素敵なのに、私はどうしてこんななのって、
思わず比較の対象にしてしまい、とにかく自分がカンペキにならなきゃ気の済まない業深いフィードバック機能つきとかね。
これのおかげで年がら年中いろいろ決心する羽目になるんですよね。
そういうわけで、すなおに書いてあるよなあ、と読んでいくと、最後の2行で捩じってある。
そんな私はいらない、の「そんな私」とはどんな私なのか、そこのとり方ですけど、
「笑って泣かずに 待っている」私は「いらない だろうけど」となると、「貴方」との関係が捩れたものに見えてきますね。
「心が広い人」は、「我が儘ぶりが目につき」「egoの塊」である私じゃなきゃ愛してくれないだろうと作中の「私」は恐れているわけです。
完璧になりたい「私」と、しかし、現在の不完全さをこそ愛でるあまりにも「心が広い人」の間で想いは、揺れるのです。
すげー、文学だなあ。
「前髪」
へへ、と笑う 猫背で歩く 色気も何も無い
ピーマンが嫌いと 臆面もなくいう
その切りそろえた前髪のように 真っ直ぐな娘
おそらくもう、おぼこではない 彼氏もちゃんといるが
まだ15、6のようにもみえる
かわいらしい 幼い感じの娘
ねじれていると 一緒にいてつらい
なるべく視界から遠ざけた
自分にとっては 苦手な娘
ある女性と付き合った それほど楽しくもないが
娘が興味深々で言う事には
キスは?手つなぎました?デートどこがいいかしら?
お前がしったことじゃない お前に、そんなこと聞かれたくはない
お前は、キスしたのか、手つないだのか・・・
残酷だよ 真っ直ぐな娘
しばらくして 自分はその女性とわかれた
ある朝に思い切って言った
前髪 上げてみてくれ
こうですか?
あ、れ 全然似合っていないな もとに戻しとけ
その前髪のように 真っ直ぐな娘
この娘は これでいい
(テーマ:失恋)
テーマ 自分
「自意識過剰町立コンプレックス小学校がっかり組のテーマ」
友達ふえればふえるほど自分がちいさく思えます
前ならえ、右向け右 先生の言うことをとてもよくきけるのに、先生のことが好きではありません
ひとりで生きていけるほど自分がつよいとは思いたくありません
全他人が自分のこと好きになれば
とりえなし、能なし、用なし、役立たずの自分のことを好きになってくれるにはどうしたらいいのか、ムダに様子をうかがいます
ああ、そんな自分にがっかり
生まれてきて現在過去未来
卑屈な自分の態度にがっかりちゃんだよオーラフリー、カリスマねえ、存在感は生まれついてのシノビの者で
おしゃれな現場で黙ってりゃ忘れられ、ジョークひとり時間差 エスプリのきいた反応に半分死亡遊戯 仮死状態 いとをかし ああ、あはれ じつにすこぶる じわりくるミゼラブル
あいまいみーゆーゆあゆー そこにいたのかいなかったのか じつはそこそここなせるリーダー的役割 気配りの鬼 しかれども帰り道はひとり長い道のり
マッチ売りの少女的幸福の追求 いるだけで立ち位置センター華、おまえらよー、まばゆく見やり、かえりみて
残念、手遅れと言い聞かせ、みにくいアヒルの子をいじめてるアヒルの兄弟たちには
しょせん、おまえたちはかなわないのだから
そんなことをしてはいけないよ 我々は分をわきまえなければ うつくしいものたちは我々を置き去りにできるのだから 彼らの世界に帰るだけなのだから
我々よ、うつくしいものとともにあれ 我々はうつくしいものを知るものたちであれ
と、優しく抱きしめたい今日この頃、ひっそりとがっかりフランダースの犬
好きな人ができたらやたらシチューをつくって食べさせたくなります
冬が好き
>>194-196 リーフレインさん、まっすぐきましたね、これ。こんにちは。
しかし、リーフレインさんのなかにはもう答えが、すくなくともそのときそのときはあるような気がします。
それを書いてほしかったですね。と思ったところで、ああ、それでテーマが言葉なのかなあ。
あえて問いかけで終わることで読み手の方に言葉が湧き上がってくるというしかけでしょうか。
それとも、このような問いを発するのは我々が言葉をもっているからでしょうか。
夢をみるだけなら言葉はいらなさそうですよね。
それが言葉という道具を使うように脳ができてしまっているために
私たちは夢を見るということにすら、言葉で問いを発することができてしまう。
価値や意味やそれはつまり言葉によるレッテル貼りで、言葉が言葉を要求するのでしょう。
言葉によって認識した瞬間に、涙は涙という文字で表されるものになり、
それは何故?という問いかけの対象に定められるのです。
誰かが泣いていればいっしょに泣くことができます。そして涙の理由を尋ねることは涙を侮辱します。
しかし、泣き終わってしまえば、我々は涙さえ同じ平面でわかちあいたいと願います。
穴居人が洞窟の奥で獲物の肉を解体するように。
言葉は神聖なものをこの世から駆逐し、静かな場所に置きなおします。
その過程がいかにむごいものであるか、かつ成功する試しは万に一つもない、
ということは詩板をごらんのみなさまは百も承知のことと存じ上げます。
テーマ: テーマ
『いついつも』
向日葵よ 自分で咲いて 踊ってみたまえ
----*
(一行詩ですが構わないでしょうか?)
『ヒマワリ』
家と服と食い物と わずかばかりの微笑みがあれば人は生きていけるのに
ユウタの親はユウタを棄てず彼は成長できなかった
二十年間 肉づきの悪い短い手足と血の気薄い肺臓で 大気を撹拌するだけだった
成人女性の標準体型持つ色白のヨウコが ユウタに近づいたのは類憐れむ
ユウタはヨウコの微笑みと言葉によって 口角挙筋の存在と大頬骨筋の長期使用による痛みを知った
いつ脳下垂体の石化した一部が溶けたのか
栄養不足だった子供は真夏のヒマワリのように 空へ空へと身をのばしていった
ヨウコの微笑み言葉掌の感触吐息唇 肉体肉体肉体 やわらかな温もりがますますユウタを大きくする
ヨウコの中しのび声 つと動きづづぅんと動き 泣く泣く泣くヨウコが泣く あたたかいあたたかい 大きく大きく大きくなる 泣けヨウコ泣けもっと泣け 俺を俺を泣かせてもっと泣け
ヨウコの涙は生まれた時から尽きることはない
ヨウコのせいでは勿論無く
四度目の夏
ヒマワリ畑に立つユウタは眼下に花見おろし
その花の下ヨウコを見おろし
ヨウコは腕を上げ ユウタの指にその指からませ
倒れまいと二人なら倒れまいと
いつもの祈りにも似た微笑みでユウタを見上げ
ならぶヒマワリ光あおいで咲くヒマワリ
弱りゆくユウタの心臓の鼓動お互いに感じながら
うべなえる大気の中
山の端あかあかと照らす夕日見つめた
テーマ:傷
『 』
テーマ:空間の膨張と収縮
>>197-198 竹輪さんの作品を鑑賞ではなく観察しようとすると、私なんかはどつぼにはまってしまうので
(梁山泊のあれはそういう意味ではまだ分かりません。ヒントまでもらったのにごめんなさい)、
だから、竹輪さんの超絶技巧を分解して盗めるところは盗んじまおうとかそういうのは白旗あげまして、
ただもう、とおくから薄目で眺めた印象ですが、
竹輪さんの作品からはいつも喪失の風が吹いてきます。
画数の多い漢字のすきまから、光の中をすすんできたものではない空気がもれ出てます。
密に並べられた言葉言葉の裏にはきっとぽっかりと穴が空いてます。
竹輪さんはその穴をふさぐために言葉を並べるのでしょう、人が直接その穴を覗き込んだりしないように。
穴を見るものは穴に見られると言いますし。
しかし、視線はさえぎっても、枯れ井戸にふたがしてあるために、
落ちたら出られない深い穴がそこには空いているのだ、ということがより意識されるという仕組みです。
詩ですね。
竹輪さんがなぜ竹輪なのか、たぶん、そういうことだと思います。
>>200 真面目な顔して言ってるんですよね、「おそらくもう、おぼこではない」って。
この視点はなんかちょっと私は虚を衝かれた思いです。
ここでもう不安がかきたてられます。居心地がわるくなります。
作品としてはだから成功です。読み手である私の感情は揺れています。
切りそろえられた前髪+処女?=真っ直ぐな娘
おもわず染めてしまいたくなりますね。
そこで前髪をあげさせてみた。すると好みの顔じゃなかった。
作中の人物は冷めたというお話ですね。
そういう基礎の上にねじれた自分はこのまっすぐな娘といっしょにいるとつらいなんてあまあまのデコレーションがのっかってるもんだから、
もうキモチワルイぐらいにおなかいっぱいです。
作中の人物はものすごく上から見下ろしてますね、この娘を。
「この娘は これでいい」とか言っちゃって。
でも最初に気にしたことは「おぼこではない」でしょ。
このねじれ具合がキモチワルくてヨイ。
作中の語り手の年齢もそうとう若い設定でしょう(あ、すいません、私、34才のおっさんですから)。
苦労知らずの傲慢さが出てます。それとも、すげーもてるタイプの人かもしれません。
女の人と手の読みあいをしなくてもほいほいつきあえてきたにちがいない!
あ、ごめんなさい。強迫神経症です。
ともかく、真っ直ぐな娘でも女の人ですからね。
女の人は子宮にスーパーコンピューター入ってますから。
真っ直ぐなら真っ直ぐなりの計算を働かせてますから、どうぞ、ご心配なさらずに。
まあ、これは、自分はやることしっかりやった上での、男側からの一方通行的盛り上がりの勝手なひとりずもうの顛末です。
はあ、こんな読み方しかできない私はもうだめかもしれんね、これは…
209 :
ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY :2006/01/06(金) 18:17:53 ID:ZTh4FbdV
作品投稿締め切りは1月7日いっぱいまでですよ。
210 :
名前はいらない:2006/01/06(金) 20:11:12 ID:MGyYKp5r
「やりたいようにやるだけさ」
板?
楽しいから暇つぶしに着てるんだけど。
おまえらと絡んでると、優越感みたいなもんを感じられるよ。
テーマ やりたいようにやるだけさ
テーマ
言われた、「主はこう言われると言え、イスラエルの家よ、考えてみよ。
わたしはあなた方の心にある事どもを知っている。あなた方はこの町に
殺されるものを増し、殺された者を持ってちまたを満たした。それゆえ
主なる神はこう言われる。町のなかにあなた方が置く殺された者は肉で
ある。この町はなべである。●●●●●●●●●わたしは罪がない。
しかしわたしは自分を知らない。わたしは自分のいのちをいとう。
皆同一である。それゆえわたしは言う、『彼は罪のない者と、悪しき者
をともに滅ぼされるのだ』と。災いがにわかに人を殺すようなことが
あると、彼は罪のないものの苦難をあざ笑われる。世は罪人の手に渡さ
れてある。「彼はその裁判人の顔を覆われる。もし彼でなければ、
これは誰のしわざか。見よ、わたしの目はこれをことごとく見た。
わたしの耳はこれを聞いて悟った。あなた方の知っていることはわたし
も知っている。わたしはあなた方に劣らない。しかしわたしは全能者に
物を言おう、わたしは神と論ずることを望む。あなたがたは偽りをもっ
てうわべを繕う者、皆、無用の医師だ。どうかあなた方は全く沈黙する
ように。これがあなた方の知恵であろう。いまわたしの論じることを聞
くがよい。わたしが口で言い争うことに耳を傾けるがよい。あなたがた
は神のために不義を言おうとするのか。また彼のために偽りを述べるのか。
あなたがたは彼にひいきしようとするのか。
作品
『偽り(いつわり)』
<偽り>は座り込む
俺は永劫の祝祭の中にあって
なお
偽りしか産まなかったと
<偽り>は絶望する
俺は永劫の炎の中にいて
なお
悲しみしか産まなかったと
真面目な人々よ
不条理であるからこそ
彼を信じると、
君たちは言う
もっと暗闇を
と、
君たちは願う
だが、<偽り>が真実を語っているという証拠は
どこにもないではないか
いかにも我らは
<偽り>の産物であるとしても
だから私はあえて言う
<偽り>は
我らの神ではないのだと
213 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2006/01/07(土) 02:03:30 ID:Lco4m6Nf
3連続のつもりだったけど、以上のニコでした。
214 :
ゼッケン ◆YWWQB7OsPw :2006/01/07(土) 10:39:03 ID:o+qos5qa
>>201 はい、ゼッケンさんです。この人、自分が選者なのに参加しちゃいました。
底なしの自己顕示欲です。まいった。日ごろ、よほど鬱屈しているのでしょうか。
そうはいってもね、豪華なメンバーの作品がぜいたくに並んでるじゃないですか、これ、ねえ?
ここに自分のもとにかく並べてみたいと思いたくもなるでしょ。で、並べました。
正直に言えば、お題を指定しなかったのは、すぐに後悔しましたよ。
いきなり「すべて」ですからね。やべー、ヤラレル、と思いましたから。
この方たちがどうして詩なんてものを書くのかというそれぞれ本気のテーマじゃないですか、
それに対して読み手としてはもう文章がうまいとか発想がどうとか、
そういうこと言ってもしょうがないんですよ。つうか、集まってる作品がそもそも私のレベルを超えていますです、はい。
でも、読んでて楽しかったです、だけじゃね、自分に与えられたせっかくの機会を逃すというか、そういう貧乏根性もあり、
自分なりに真剣に作品と作者さんに対して挑んでいってるつもり。
批評にも感想にもなってない上滑りの駄文でもって、書き込むボタンをクリックするときには手のひらはもう脂汗でびっしょりですよ(誇張)。
私も勇気振り絞ってるわけですから。ね? 自分にごほうびです。
あと、いうまでもなく、この作品はミミンさんの作品につけた私自身のコメントからインスパイアされたものですが、
この作品の内容はミミンさんご本人また作品とはまったく関係ございません。テーマの自分というのはゼッケン個人を指しております。
それでは、後半いきましょう。
215 :
カーリー・須磨 ◆/5SxO/M3XU :2006/01/07(土) 11:20:23 ID:FeA4m3oe
です。
よろしく
216 :
ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY :2006/01/07(土) 15:07:01 ID:e8z+jtR6
>>203 カコさん、一行詩でも何行詩でもかまいません。
私は詩の形式なんてわからないし、こだわりはないですから。
雰囲気を持ち運べるものが詩だと思ってます。
ぎゅうぎゅうの満員電車で痴漢と間違われないように両手を上にあげてるとき、
思いだすことができる、脳内携帯型エンターテイメントです。
携帯電話とおなじぐらい、忙しい現代人の必須アイテムです。
こっからはポエムの波が来ます。いや、来ない。どっちでもいい。
テーマがテーマということと、太陽に都合をあわせるのではなく
自分のリズムで踊ってみせろとひまわりに言っていることから、
これは自分探し、自立をめざすうたですね。
自立をめざす自分へのきびしくもやさしいまなざしが感じられます。
ひまわりが踊るというと、そういうおもちゃがありますね。音にあわせて動くやつ。
あれを思いだしてユーモラスです。
そのユーモラスさかげんは、悲しみを隠してるのかもしれないなと思わせます。
恋人や頼りにしていた誰かとの離別があったのかもしれない。
ムリに明るくふるまってるような。いや、私のひまわりのイメージがそうだということか。
夏の元気な代表選手のようなイメージを持たれてますが、
いつだってじつは太陽の方を見つめてるわけでね、けなげです。
そういうひまわりを励ましている。
そういうひまわりのような自分を励ましている。
自分は、自分で咲いて踊れる、ひまわりであったら、いい。
テーマ「猫の一日」
『にゃー』
空が あかくなったり あおくなったり
雲が まるくなったり ながくのびたり
そんな まいにち
にゃー。
*************
別のスレで書いたものでごめんなさい。
>>204-205 最終連のイメージですが、もうたまらんったい、ばり好いとうけん(翻訳:わたしはたいへんそれを好みます)。
鮮やかに燃えるひまわり畑の中で向かい合う蒼白なふたり。生のただ中でもうすぐそこに感じられる死の予感。
「愛はさだめ、さだめは死」という短編SFを思い出しました。オスとメスは入れ替わってますが。
ヨウコがユウタに近づいた理由が「類憐れむ」だけではちょっと。
類は友を呼ぶ、略して類友つづけて同病相憐れむさらに略して「類憐れむ」かな、と思ったのですが、
ヨウコがユウタとどう同類なのかが分からず。同類なのだったら、ふたりはいっしょに成長するんじゃないかな、とか。
「ヨウコの涙は生まれた時から尽きることはない ヨウコのせいでは勿論無く」という部分も、思わせぶりだけど、
ヨウコが男を成長させる養分体質の女でユウタ以外の男も過去育ててきたということか、
これもユウタとヨウコが同類だとすると、よく分からなくなります。
思わせぶりに書いてあったことが欲求不満になりますね、この場合。
イメージとストーリー双方の同時展開という点では齟齬が生じているのではないでしょうか。
内面の成長がそのまま外面に反映されるという設定はおもしろいですね。
見た目だけで大人なのか子供なのか分かるから、つきあうのも楽ですね。
私もセックスしたという事実だけでとても大人になったように錯覚したくちですが、
自分、なにかできるようになったわけじゃないのに、自信だけついちゃってね、
あぶなっかしいでしょうねえ、そういうの、女の人から見るとね。
最終連はそういうじつは芯は虚弱なまま伸びるだけ伸びた男を危惧しつつ支えようとする女性側からの視点でしょうか。
>>206 あっはっは。私、こういうの苦手です。気の利いたエスプリで返せなくてすいません。
>>210 これを貼った意図は詩的だと思います。
>>211-212 これはまたえらいもんに挑戦しましたね、ボルカさん。
神を詩に置き換えましたか?
1連目と2連目は<偽り>自身がなんか愚痴ってます。
3連から6連目は語りの主体ははっきりしませんが、
たぶん、最後に出てくる「私」でしょう。誰でしょう?
手がかりがないので作者さん、詩人ということにしときましょう。
すると、最初に愚痴ってる<偽り>とはなんでしょう?
そこでテーマに戻ります。ボルカさんは親切です。
テーマでは神との対話を望む真の信仰者と神を既得権益と化した偽りの信仰者たちが言い争ってるようです。
この場面を見て、私たちは作品に戻ります。しかし、ただ戻りません。ワープして戻ります。
はい、ここで私はワープします。みなさんも衝撃に備えてください。ワープ完了しました。
作品の冒頭で自己の劣化コピーぶりを嘆いている<偽り>とは既得権益化された詩です。
世界は祝祭と炎で鍛えられているというのに、詩は詩の泥沼から抜け出すことが出来ません。
「真面目な人々」はあいかわらず詩とはこうあるべきだという詩を信じています。
真面目な人々によって詩はますます世界から取り残されます。
詩人はすでに存在する読むことのできる詩によって育てられたその「産物であるとしても」、
これまでにあった詩が現在の世界のあるいは読者の「真実を語っているという証拠は どこにもないではないか」。
詩は詩人の神ではない
と、ボルカさんは言ってます。
詩のために詩人があってはならないということだと思います。
>>217 野良はいやです。えさくれ。去勢はかんべんしてください。
しかし、猫好きの人ってほんと猫のこと可愛がりますよね。
それぐらいおれのことも大切にしてみろって思いますね。
猫は人間のオスにとっては憎いあんちくしょうでございます。
私事はまあいいとして、この作者さんご本人は猫を飼ってるんでしょうか?
猫はよく見るのだとは思いますが、作品におけるこの精確な抽出は、
猫かわいがりする人には逆にムリなんじゃないかと思いました。
それとも、これが詩人の目というやつですかね?
ふだんは猫可愛がりしてても、対象化するとなると、
おまえは「にゃー」しかいらんのじゃ、とばっさり。
これ、犬だったらどうですか?
そんなまいにち
わん。
うーん、やっぱ猫かなあ。猫のほうが気ままさが表現できますよねえ。
犬だとなんか、帰ってこない主人を待ち続けてるという風情で哀愁が感じられてきます。
「そんなまいにち」って言われたら、哀しくなってきますもんね。
じゃ、わにだったら。
そんなまいにち
わに。
わけ分かんねーですね。
223 :
ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY :2006/01/08(日) 16:58:25 ID:RjGJNxQJ
>188 :曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :熱と希望と、少しの愛を、
>190 :にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :大晦日
>192-193 :ミミン ◆4fCTWDhugY :resolution
>194-196 :リーフレイン :独白
>197-198 :メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :痙攣
>200 :名前はいらない :前髪
>201 :ゼッケン ◆YWWQB7OsPw :自意識過剰町立コンプレックス小学校がっかり組のテーマ
>203 :カコ ◆kaco/250tg :いついつも
>204 :名前はいらない :ヒマワリ
>206 :名前はいらない :『 』
>210 :名前はいらない :やりたいようにやるだけさ
>211-212 :ボルカ:偽り(いつわり)
>217 :名前はいらない :にゃー
以上13作品
優勝は
>>188です。
すげーフレーズが惜しみなく(この作者さんが惜しむなんてことはないんでしょうが)、怒涛の勢いです。
一行ずつ手にとっても、まるごとかじっても、すべてが愛です。愛こそすべてです。だって生と死ですもの。
まっすぐですね。こういうときのこの人、思わず涙ぐむほど純粋です。青春の結晶です。すてきでした。
曾村益廊さん、ありがとうございました。
今回、テーマを明記してもらって分かったのは、作者さんが何に向かい合って書いていようと、
読者にはかんけーねーなということでした。読み手は勝手に読むだけですね。
みなさま、おつあいいただきありがとうございました。
224 :
ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY :2006/01/08(日) 17:10:46 ID:RjGJNxQJ
>>223 あう。あつあい→おつきあい。
ひむらさん、このスレのルール分かってるでしょうか?
優勝者は次の選者を指名すればいいだけですからね。
なんか不安だが…
225 :
リーフレイン:2006/01/08(日) 18:52:16 ID:DOv05x+O
ゼッケンさんありがとうございました。オツカレ様でございます。。
通行人さんおめでとうございます。
えっとええと、ご指摘のとおりあの詩はもう一連あったんですよ最初。
ところがですねえ、書き終えてしまえば、嘘になっちゃったんで消しました。
まだ書けないんですよね、もしかして決して書けないのかなとか思ったりもしたんですが、
漸近線を描くように、もうちょこっと近づけるような気がします、んなわけでああいう未完成な始末に。。いや申し訳ないです。
”おれのは詩じゃなくていいや”のゼッケンさんが選者さんだったので
遠慮なく詩でもなんでもないもんをださせていただきやした。。ありがとうございます。
226 :
200:2006/01/08(日) 19:27:33 ID:mTUNjr1I
ゼッケンさん、ありがとうございました。曾村さん、おめでとうございます。
テーマは、変更します。ひとりずもうです。内容的にどうかなという感じでしたが、
思い切って投稿してみました。最初は、娘が髪を上げてきて、それも似合ってるね。
で終わりだったのですが、何となく温かったのでこうなりました。
失敗作ではないのかなあとは思いますが、ヤバイ内容ですね、これ。
227 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/01/08(日) 19:58:22 ID:sZSbcKB2
ゼッケンさん審査お疲れさまです
楽しい企画でありました
ありがとう
竹輪たる所以というか穴の正体と本質
ゼッケンさんは丁寧に且つクールな眼差しで垣間見て下さっているのが
うれしくもはずかしくもあるような気分であります
今後ともよろしく
曾村益廊さんおめでとうございます
ゼッケンさん、審査お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
『ヒマワリ』書きました。“豪華なメンバーの作品がぜいたくに並んでる”のと、ゼッケンさんの評が作者にも向かっているようなので、思わず気がひけてしまって無記名で投稿しちゃいました。
で〜、ストーリー説明いたします(涙)。
成長期に愛情が不足すると成長促進ホルモンが分泌されず、矮人となることがあるらしーです。ユウタは愛情不足とゆー虐待を受けて育ち、肉体が成長できなかった。ヨウコもまた虐待を受けて育った。
ヨウコはユウタに同じにおいを嗅ぎ、最初は同情から近づいたものの、ユウタがヨウコの優しさにふれ、幸福感を得、成長促進ホルモンが分泌され成人男性の体格を有するようになると、それは恋愛関係になった(共依存的ではあるが)。
生まれて初めての、安定した幸福感の中にいるユウタの成長促進ホルモンの暴走はとまらない。雲つく大男になってしまい、心臓に負担がかかり始める。
とまぁ、こーゆーお話なのです。うわ、恥ずかし〜。なんも書いとりゃしませんがな。
物語詩とゆーものを書いてみたくて、昔書いたショートショートのネタを詩につかったのです。見事に失敗しました〜。ひとりよがりってコワイですね(涙)。
それと、《類憐れむ》ですが、スラッと出てきたので疑問を持たれるとは思わなかったです(汗)。
なんかの活字物の言葉を、成句だと思い込んでるよーです、私。もしかすると“生類憐の令”からきているのかもしれない(…可能性あるっす)。意味はゼッケンさんの読みどおりです。
で、さすが正月、投稿作品ステキなものばかりで、評も声出して笑いそうになるくらい楽しくて、なんか得した気分になりました。
最後になりましたが、曾村益廊さん、優勝おめでとうございます。
>>222 はい猫を飼っております。
気づいてないことを指摘してくれてありがとうございます。
無理なのかぁ〜、無理なんだー。うーん。
しっかりと考えてみようと思います。
ありがとうございました。
>>192-193 を描いたミミンです(*_ _)ペコリ
ゼッケンさん審査,お疲れ様でした♪
現在の気持ちを素直に吐露し,描いたあと溜め息が零れた作品でした(笑)
ですから審査内容は…相変わらず言いたかった本人に言われたようで泣きそうです(苦笑)
周りは豪華キャスト…
もう他の作品を読んでいても楽しいし,ゼッケンさんの作品も読めたし幸せ(>_<。)
曾村益廊さん,優勝おめでとうございます!
231 :
ボルカ:2006/01/08(日) 23:49:53 ID:xQApb5Jv
ゼッケンさん、拙作にも批評、ご審査ありがとうございました。
ゼッケンさんの眼差しってクールでセクシーですね(笑。頂いた
ご批評を拝読して、そう思いました。
曾村さんおめ!
232 :
カコ ◆kaco/250tg :2006/01/09(月) 00:23:10 ID:tbDbVPcs
カコ@涙で洪水中、です。
ゼッケンさん、真剣さが痛いほど伝わってくる審査、ありがとうございました┏o ペコッ
喉の奥の方に何かが渋滞して言葉が上手く出てこないのですが…
評を頂いた途端に、自分が投稿したモノなどすっかり忘れて
ゼッケンさんの評を読みながら、ボロボロ泣いていたことを白状しちゃいます。
実は私は私ではなくて、ゼッケンさんが私なのではないか?とさえ思ってしまった次第です。
当然、他の方の作品について言及する余地などなく…
作品とその評全てを読んでいれば、それだけでイイという感じで。
私なんかもう、ナンニモ書けなくてもいいわ、とか半ば思いかけましたし
(あぁ、もう日本語メチャクチャ… (x_x) )
とにかく、参加して本当に良かったです。
アリガトでした♪、これしか言えなくてスミマセン
曾村益廊さん、おめでとうございます! というわけで age!
233 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/01/09(月) 01:18:11 ID:euUSyqZD
どうもゼッケン先生に見事に病気にされてしまいました、にーちぇです。
いやあ、評価の文章面白かった。芸あるなあ。辛口でもやるよーに。(笑)
しかし「自意識過剰町立コンプレックス小学校がっかり組のテーマ」は良かったなあ。
ゼッケン氏の人となりがすべてわかってしまうような作品だった。うん。
病気はどっちだ、と言いたいところだが(笑)まあ、人間生きてりゃみな病気だわなあ。
曾村どんおめ。でも俺にはミシン台の上でコーモリ傘となんとかが出会ったような言葉にしか見えん。
たぶん俺には読めない部分をゼッケンは感じているのだろうなあ。
気に入ったのはゼッケンのと「にゃー」。
「にゃー」いいよなあ。と思って作者見たら月逆先生!あけおめでやんす。俺も猫大好き♪
あぶく先生はショートショートの書き手だったか、とか色々と楽しいねぇ。
俺もショートショートランドって雑誌、全号未だに保管してあるよん。
では、ともあれ審査お疲れ様。ここも面白いからまたなんか書くね。
234 :
ゼッケン ◆YWWQB7OsPw :2006/01/09(月) 04:48:30 ID:O2mSp0eL
>>229 月さん、いまさら言い訳しても遅いかもしれませんが、私の文章おかしいです。
言いたかったのは、ただ猫可愛がりしているだけの人にはこの作品は書けないだろうな、ということです。
月の逆位置さんは、猫をいったん突き放し、「にゃー」だけを抽出することで、
この作品をテーマどおり「猫の一日」になされています。すごいね、ということなのでした。
うう。だれか月さんに伝えてくだされ。。。
235 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/01/09(月) 10:09:08 ID:DZHMllIt
「すいません、マルド・ロールっていうケーキありますか?」
オハヨウゴザイマス、曾村益廊です。
僕が優勝ですか? 驚きました。 なんせゼッケンくんには「曾村さんらしくない」みたいなこと言われてましたから。
あと、書いたものに関して、書いた後に説明したり、コメント付け加えたりするのはよくないですね。
詩板の人間はよくやってますが、あんなのは言い訳です。責任が持ててない証拠です。
とにかく、皆さんお疲れ様でした。
ゼッケンくん、ありがとう。
次回は、19 ◆gwnULb/9mwにやってもらいたいね。
それじゃあ、また。
曾村益廊=通行人
236 :
ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY :2006/01/09(月) 15:18:27 ID:PJYeuq/o
>>235 テーマのつけ方に難癖つけただけなんです。
あれはテーマを「無し」か「山城動物園からサイが脱走した日」にしたらマスロウさんっぽい?
ま、そんなことはどうでもよくて、でも、こっちの方は大事だと思うんですが
>僕が優勝ですか? 驚きました。 なんせゼッケンくんには「曾村さんらしくない」みたいなこと言われてましたから。
曾村益廊らしいかどうかは作品のよしあしに関係ないのでありますっ(ツバとんだ!)
ご清聴ありがとうございました。
>>234 伝わりましたー。
わざわざありがとうございます。
238 :
19 ◆gwnULb/9mw :2006/01/10(火) 10:58:36 ID:WU31YKxQ
期間は今から四日間
一人一作で、テーマは「椿」か「曇り空」
二日以内に優勝者を発表するつもりです
よろしくお願いします
すいません。期間は今から二日間にします
今日と明日の二日です
『縊る故…』(1/2)
傷を舐め合う
慰め癒され
互いの想いは交叉せず
溢れる愛しい想いは
隠して
潰して
気付かれぬよう
悟られぬよう
躯だけの関係と
強がる想いが盾だから
こんな弱さを
気づかれたなら
逢えぬ故
『縊る故…』(2/2)
それでも洩れて
憐れみ故に
抱かれていたなら
堪えられませぬ
偽りでもいい
愛されたい…
悟らせないで
騙し幻,夢見たい…
故に全て白日
曝されたなら
死にましょうぞ
潔く己を
縊り殺しましょうぞ…
ことんと転がる
椿の如く
242 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2006/01/10(火) 12:57:25 ID:vCC62Ziv
『 花一輪の希望 』(1/2)
山手の畑のその下に
斜めの地肌に根をはって
赤い椿が咲いていた
緑の葉っぱは艶やかに
冷たい風にもさわさわと
花を揺らして咲いていた
早春の柔らかな日差し
吐く息はまだ白く
指先はかじかんだまま
薄く香る赤い花冠を
そっと軸からはずしては
口に含んで蜜を吸う
舌先に感じるだけの
ただほのかな甘さは
真っ直ぐに咲く椿ゆえ
243 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2006/01/10(火) 13:01:01 ID:vCC62Ziv
『 花一輪の希望 』(2/2)
見失った悲しみに
じくじくと俯くばかりの私に
懐かしさは心を揺さぶる
かつて与えられたものは
失うことなく心に刻まれ
この手でしっかりと掴む
顔を上げねば見えない
進まなければ始まらない
蕾はふくらみ花となる
風雪に耐えて咲く椿
甘えることなく咲ききって
思い切りよく散っていく
曇り空のうえでは、神様がファックしてる。
(案外恥ずかしがりやさんなのね)
あたしたちは、 つい、おどおどと
空を覗き見してしまうのだ。
245 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/01/10(火) 21:54:26 ID:FUmGLQAl
PS 19さんへ
椿をお題に書きましたが癖でトランスした結果詩とはかけ離れたものに出来上がってしまいましたが投稿します よろしく
『椿の簪』 #1
湯ノ岳とは言っても、くねり走行が薄い寒風をかき乱すのみで、坂の名前であるなどと、地図を持たない彷徨い人からすりゃ不親切な青い標識でありました。
メモリ丁度重なったガス欠も理由づけにこじつけ、足回りに泥模様、埃まみれの白いカローラに乗った男が田舎に癒しを求めつつ温泉の地湯本に到着した時期、正月明けてすぐの火曜日の事。
料金所にて高速料金を支払い、助手席に連れもおらず在り来たり、見知らぬ土地の道にそって迷い、高見の見物と湯本温泉街という景色を見下ろしている裸足に草履ばきの男が一人遠い昔に温泉に行きたいとせがんだ女を思い出して舞い込んだ温泉の街。
時刻は腹時計の指し示す方へ影が伸びてゆき、舗装不完全な砂利道とアスファルトに日差しが擦り込まれる午後一時。
干し芋の出来損ないの姿、本州先端へ逃亡途中の寄り道である男にとっての旅なのか、簡素な身仕度に正月抜けしないような軒並み、こじんまりと立ち並ぶ商店街チラシそのまま張り巡らしたような佇まいの道を抜ける。
鈴蘭の形をした街灯。古びた立て看板ストリップ劇場、スナック、パブのネオン灯の箱が、白っちゃけた空に傾いて角のみが鋭利に光り尖っていた。
入り組んだ細い路地を標識通りの法定速度で流し、時間がふやけて間延びする錯覚にとらわれながら再び山間の温泉看板目指して空あくびをするまえにハンドルをぐるりとS字カーブなりに切る。宿を決めかねている男。
小刻みに商店街へと道はくねるまま平地まで続く。行き着いた行き当たりばったりの十字路角にある駐車場にて車のエンジンを数時間ぶりに止め、向かいのラーメン屋に向かって車道に草履でタッカンタッカン走っていった。
裸足に草履の男。
246 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/01/10(火) 21:56:43 ID:FUmGLQAl
#2
「いらっしゃい!」
氷の二つばかり入ったお冷やを半分飲み干し、手持ち無沙汰で男は箸を両手にしっかり持ってパチンと二手に割り裂く。と、その時赤い暖簾がスローモーションにふわりとガラスドア越しに捲れ上がり片自動ドアが開いた。
男が椅子に座って一分も経たない間合い。
「タンメンを下さい」店内を見渡す事もなく、入ってきた女はカウンターからひょこっと顔を出している小柄な親爺に伝えてそのままカウンターに座った。
女は一瞬、テーブルに一人座る男をちらと見やり、慌てたように目をそらした。男はじろじろと見てははしたないなどと思ったのだろうか、折角視線が宙で触れ重なる一歩手前で上手く割り損ねた箸のささくれに目を落としていた。
丁度男に背中を向ける格好でカウンターのオレンジ色の安い椅子に座る女は、黒い着物で喪服かと見間違えたのかカウンターの中忙しく男が注文した五目ラーメンの具を炒めながらちら、ちら、と神妙に厳しく眉を寄せ眼差しは優しげに女にむけている。
女はラーメンを作る親爺の視線を気付かないのか俯いているようで、長い黒髪を結い上げた重みを細い首で支えている様子を男はじっと見ていたのだ。
白く肌理の整ったうなじ、黒の衣と髪、ぱっと見二十代後半、面長の顔立ちに切れ長の大きな黒い瞳。二本目の割り箸をそっと割って足元近くにあるファンヒーターの風に草履ごと足をあたため始めて女の気配に意識が向かいすぎる高揚を拡散している。
男は不精髭に手を当ててから無意識につけたばかりのタバコをもみ消した。
そのとき。不意に足袋に食い込んだ鼻緒をくいと鳴らし床を斜めに品よく蹴り、女はくるりと男の方を向いた。
「もし迷惑でなければ、ここに座らせて欲しいの」
247 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/01/10(火) 22:00:10 ID:FUmGLQAl
#3
指を差したのは男が座る席の空いている向かい。
同席。表情の無い整った細面を湯気が覆い、綿入れを着込み三角巾を付けた愛嬌の良いおばさんが突っ切って、男が注文した五目ラーメンが運ばれてくる。
ラーメンを運んだ足で世話焼きなのか気が利いているのか分からない手際の悪さで、お冷やを男が座るテーブルに新しく用意した。
女に笑顔で、さぁどうぞ、と促すように揉み手をしてから綿入れに両手を引っ込めてカウンター横の数珠暖簾をかきわけ、厨房のおくにそそくさと引っ込んだ。
「貴男は好きだった人にとてもよく似ている」女は、男に小さな声で囁いた。
男は聞こえたのか聞こえなかったのかわからない様子で、ラーメンの器に長い指を押し当てていた。
「商売かい?」男は、壁に画鋲で止めてあるメニューをふっと見ながら唇の動きだけで女を見つめた。
女が向かいに座った手前、男は五目ラーメンを目の前にしているが、女の注文したタンメンが出来上がるまで待つことにした。
その間、異様に立ち上がるラーメンの湯気の白い霧越しに、女と静かに見つめあっていた。
髪を膨らませて作った櫛跡の乱れがない団子の脇に、赤みを帯びた桃色と黄色い突起の七分咲きの椿が一輪。黒い喪服に見えた着物も近くで見ると織り模様が菱形に入った部分に僅かばかりの光沢があった。
248 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/01/10(火) 22:02:01 ID:FUmGLQAl
#4
「椿の花ですか?」男はそっと女の髪の光沢に目を細めながら話し掛ける。
すると女は「綺麗ですか、似合ってますか?」と語尾を発してすぐ切る息遣いで質問に質問で切り返してくる。
女が注文したタンメンを運んできた親爺は、二人のお冷やのコップに水だけ注ぎ入れて、カウンターの椅子を真っすぐ並べ直してまたカウンターの中で炒め物を始めた。
「綺麗ですね」
「椿がですか、私がですか?」二人はそう交わした後、無言でラーメンを啜っている。
日当たりの良い場所で花開く椿、大輪の美しさに見入られる矢先、束の間、首からすっころ落ちてしまう繊細な運命。
椿の葉の紫と深緑を思い回想するのみで男はラーメンの味をすぐ忘れた。
「貴男は東京の方ですか、私の名前は椿と申します。この椿が髪から落ちるまで私と一緒に居てくれませんか、居てくれませんか?」
女の泣き黒子と男の吹かしたタバコ。
硫黄の匂いがどこからともなく漂い、店内に引っ込めてある準備中の立て看板が近くに、そして更に遠くに見えた。
男は、二つの伝票を掴んで席を立つ。
ここは温泉の街。湯本、黄昏ある処に、湯煙立ちこめて。寒椿。
「I'm a loser」
日本人は富士山登るの好き?
どうかな? 人それぞれでしょ
うそ。日本人は富士山登るの好き
どうして? おれは登ったことないよ
あなた、かわいそう。好きなことできないのはとてもかなしいです
いや、山登るのがおれの人生にそんなに重要な意味があるとはおもったことないし
あなたはloserね、だから、富士山に登る人のこときらい?
きらいとか、そんな基準で判断してないし
軽蔑してます
してません
日本人は富士山登るの好きです。だって富士山は日本一の山。でも世界一はエベレストです。ありがとうございました
いえ、こちらこそ。
あなたはエベレストにも登りません
あの、そろそろ帰ってくれませんか
さようなら、最高のあなた
さようなら、大切だと思ってた日々
250 :
19 ◆gwnULb/9mw :2006/01/10(火) 22:35:49 ID:uSLXDHWO
>>240-241『縊る故…』
「傷を舐め合う」という言葉が、語り手の、何ていうんですか
「空気」みたいなものに包まれてる部屋の中で
溜まってた息を「ほっ」と吐き出すようにして始まっています
止め処なく溢れる、という感じの息は、あるんだけどすごく弱くて
それを小さいリズム隊にして、随所で冒頭のように溜まった息を
とん、とん、と吐き出すことで詩文が続いているようです。というか、印象です
多分、「抱かれている」時間が、微かに流れる息で
吐き出す息は「抱かれている」ことではなくて、何かもっと別のもので
起こった?続いている?物事の上に言葉を載せている感じが、リアルです
満たしてる空気は、何だろう。行為の余韻でしょうか。分からない。俺はまだ評せません
>>242-243『 花一輪の希望 』
狂的な期待が謳われています
多分、その姿勢から終生が覗く境地に立たんとしているところであるように思われます
変化は変化以上のものでなく、紆余曲折を紆余曲折として眺めるベランダ
以降、咲くことで巻き込む終生が、一続きのひとときとなるのかもしれません
最後に見据える何かとそこに放たれる狂的な期待
>>244ピーピングトム
語り口から何ていうか、赤ん坊の、世界への天真爛漫な信頼みたいなものを感じます
もし、世界と自在に意を通わせることを無垢っていうんだとしたら
神は無垢だろうかと、少し考えました
「あたしたち」は、それを確かめたくて閨を覗いてしまうのでしょうか
雲に隠れてファックする神様は、雲の下への無垢が足らないようですね
今夜は限界です
1−「曇りそらと雨の境目に
女の子は咳をする
お母さんはとなりのうちにいってしまったよ
きょうはもう帰ってこない
ガラスだまをころがしながらおしえてくれた青白い猫は
かなしそうにわらってる
―どうしてそんなにふるえてるの?
お母さんにはもう蛆虫が這っていて
わたしはたべなかったよ
お母さんは農夫の鋤に耕されて
だからわたしはたべなかったよ
だから、わたしはわるくないよ
―ありがとう
それよりわたし
きょうはあなたのお葬式だから
冬の海にいきたいの
それなら道にまよわないように
馬をよんでごらん
言葉はしらないけれど
鋭い鼻とたくましい黒い腕をもっているから
2−
―ありがとう
でもそとは、雨が降っているから
きっと濡れてしまう
それなら、からだをまかせて
目を瞑っててごらん
乾いた砂浜におろしてくれるよ
―ありがとう
でも、なんでじっと
わたしのむこうがわをみているの
(夜のトンネルを ひとりでのぞきこんではだめだよ)
猫のにんぎょうはそれっきり
部屋にはひとつずつの視線と扉
抱いていた猫を寝台にほうりおく
窓のそとには疲れた顔をしたおおきな馬
雨にうたれるからだに湯気をたてて
おおきな二つの目でのぞきこんでいる
(壁にかけられた時計の秒針がかちかちと音をたててすすむ)
女の子は寝台にすわり
暖かい部屋でもういちど咳をした
254 :
「曇り空に椿」:2006/01/11(水) 06:05:25 ID:y2lb2N4M
春はまだ来ない 君はいつまで経っても宙ぶらりんだ そしてその振り子にしがみついて振り回される僕
庭に出れば冬が地蜘蛛の巣のように埃に塗れている 君はいつも口元を歪ませる 引き攣ったのは僕の顔
枯れ葉の下で夏は眠る 君の長い髪にそよいだ南風の匂い 僕はいつだって目を潤ませながら思い出せる
柿の実を赤くした秋は今でも静かにそっと忍び寄る 君の傷口は更なる刃を突き立て ただ僕を見ているだけ
他人と書いて「ひと」と読ませる そんな小賢しさが嫌いなのだ 当たり前を悟った風に言う奴には反吐が出る
「愛」の意味がわからない そんなもの誰にも分かりはしない それでも考える振りをしようとする愚か者たち
君は 君という人間は 僕にとって赤の他人だったのか
君は 君という女は 僕に愛情を感じなかったとでも言うのか
どんよりした空は嫌いじゃない 青空みたいな人を小馬鹿にした鬱陶しさなど我慢できない性分なんでね
もうすぐ雨が降り出しそうな この空気の重さ この空気の色 この空気の澄みわたった爽快な景色
僕は 僕という人間は 君にとって他人ではないと思っていた
僕は 僕という男は 君に愛されていると思っていた
…………いつまで続けるつもりだい?
椿の花が斬首刑のようにボトリと落ちる ああ いっその事 ああやって介錯してもらえたらどんなに楽か
ボトッ ボトッ ボトッ ボトッ 庭一面に僕の首が転がっていく 顔の半分で笑い もう半分で涙を流す
埋め尽くされた首首首 濡れ縁の上にも首首首 これが春の風景なら 僕は冬眠したまま土竜に食われたい
春来たりなば 夏遠からじ そう信じて首の無い男はスコップで庭を掘り返す 落ちた花を埋めるため
ザクッと胴体を真っ二つにしてしまった 声なく笑う 早速夢が叶ったじゃないか まだ動き回る蚯蚓に止めを刺す
その瞬間 鳥の声 はっと振り返れば低空飛行の緑羽 椿の枝に止まると まだ咲いている花を嘴で突つく
そうか その手があったか
僕はメジロになって曇り空を飛ぶ これから咲くはずの椿の蕾を探して 低く 低く 振り子の糸を嘴で切る
255 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/01/11(水) 11:59:57 ID:p6V5ikcr
『亀とこんにゃく娘』
メートーメンのフサフサした髪を洗い流さずに放置
君とこんにゃく死体
雨が降りそうだね、って言うのはいつ頃から?
まるで便所の地下にある宇宙色の茶の塊を、掬うのが趣味なんですって言ってるみたいねって言うの
彼は満月に咲く頬白娘 温かいのやら冷たいのやら、今が一番どんどん出るの
出すぎて出すぎて困っちゃうくらい出るの....
マイケル、マイケル お前は今まで嘘を付いて来ただろう?
正直に気づいたよ
僕が君を愛していて、君がここにいる以上、ふたりは愛し合っているのだよ
256 :
『 椿 』:2006/01/11(水) 16:38:31 ID:kw+j8gUe
二月の寒い日
風こそないが寒い日
あの人ドライブに行こうと言って
ついた先は大きなお寺
椿がきれいだと言って
きみ花が好きだろうと言って
緑というにはあまりに黒い葉つらなる坂のぼった
ちょっと早すぎたかな
でももうすぐ咲くから
もうすぐ咲いたって
今つぼみなら意味ないじゃん
思いつきばっか
期待はずればっか
優しさに似た優しさばっか
だけど
満足そうなあなたの顔に
満足する私がいたんだ
つばき咲く春なのに
とうたう唄があって
あなたはいない
とうたう今
あなたの笑顔と
寒空に口つぐんでた
ひたむきな花を憶うのです
257 :
名前はいらない:2006/01/11(水) 16:46:02 ID:FdJejC/h
「くもり」
すっかり つかれてしまった
ねずみいろのそら
うすぐらい くものうみ
どこまでいっても おなじかおしてたね
きみも それから そらも
きみがぼくの となりにいる りゆう
そんなのいつしか なくなってた
きがついたらきみ どっかいっちゃってた
ごめんね
ざんねんだけど ぼくのめに
もう ひかりは うつらないみたい
そらは はれていく
どんどん はれていくんだけど
ぼくをしばってるのは
とけない のろいみたいだ
はれあがったそらのした
おわらないくもりぞらに つかれていた
呪いの様に腫れ上がる曇り空の下。
観念に憑かれた少年が独り。
258 :
『床に寝転んで見た空は』:2006/01/11(水) 18:32:09 ID:aFjTqgDO
少し開いた窓から
ゆるゆると、曇り空。
蒼くて清浄なそらは
あれは、かみさまの座だから
ばかで小さな私達に
とろぅり
と
混ぜ物を
ほら、ね。
泣かずに済んだ。
259 :
姫と僕:2006/01/11(水) 23:51:31 ID:14ABETgY
まだ春には早い寒い夜
煌めくネオン街
ボクに迫る
赤いコートに身を包んだ高潔な赤い花
名前は椿
そんな花もあったな
いつ咲くのかは知らない昔お母さんが教えてくれた花言葉を思い出せない
油断すれば
頭に根を張ってきた
身を寄せてきて
ボクをどうするつもりだい
君は答えず僕を支配する少しずつ開いてく
心も体も
君はコートを脱いで
そしてボクは君のナカに
どうやらボクは魅了されている
忘れられないあの一時を
君は椿姫
愚かなボクは君の僕
260 :
19 ◆gwnULb/9mw :2006/01/12(木) 01:18:21 ID:gqJST2rP
>>245-248『椿の簪』
何か一つの言葉があって
そこに触れるか触れないかの、穏やかな風が大部を占めています
取り巻く、というより、まつわる、という感じの風
生命が通ってて、無数の精霊の行き交うような風
そのまつわりが、声を借りてるような感じで
逆に言えば、まつわりに声を貸し与えているような感じ
弱弱しい、んですね。多分。声は弱弱しく優しい
濃密であっても緻密であっても、厳密だったり綿密だったりはしない
女は、淡い期待をつなぐ為の、淡さの結晶のように見ました
結節、というか、淡い流れの結び目のような
>>249「I'm a loser」
ロックバンドの一枚のアルバムの、最終トラックみたいな詩です
飛躍する契機を孕んだ終焉。目を掠める印象の魔
思い切るというんじゃなくて、何か別の音を組み入れようとしつつあるような感じ
だから人生の区切りじゃないです。あくまで、楽隊のステージとしての区切りを
感慨深く読みました
261 :
19 ◆gwnULb/9mw :2006/01/12(木) 01:19:27 ID:gqJST2rP
>>252-253「曇りそらと雨の境目に
段々に、黒が重ねられていきます
でも、なんでじっと
わたしのむこうがわをみているの
次のページに真っ黒な一こま。メタな感じがしました
小さな女の子の身丈に合わないフィナーレは、予見されるに留まります
どこかに、留まろうとしているようにも思えます
全体に、静かな流れと空間の捩れがあって
でも、静けさは猫の言葉や女の子の小ささによって保たれたもので
空間を捩じらせてまで斥け拒んでいるのは、頭をかき乱すような不協和音
初めと終わりの女の子の咳が、女の子が生きていることを感じさせる唯一で
夜のトンネルを見る大人の目には、あるいは窓外に待機している馬の目には
それは他に比して辛うじて「悪くない」ことなんじゃないでしょうか
暖かい部屋だったんですね
>>254「曇り空に椿」
第一連で、既に「君」のイメージは鮮やかです
ある確信を持って描かれていきます
確信は、横たわる書かれた言葉を貫いていきます
終わりまで読んだ上の連想なのかもしれないけれど、裁ち鋏を思わせます
個人的に、その刃の質感みたいなものが羨ましいです
わが身を刃、そのものと化してる
262 :
19 ◆gwnULb/9mw :2006/01/12(木) 01:41:45 ID:gqJST2rP
>>255『亀とこんにゃく娘』
ぐにゃぐにゃして、節度の利いた詩です
ぐにゃぐにゃを、節度で閉じ込めることで
ぐにゃぐにゃのまま、一所に留め置くことを可能にしているように見えます
最後の一行を見るに、中身は控えめではないんですよね
ぐにゃぐにゃ加減は弱まってはいない
にも関わらず、固まった印象を与えているのが新奇です
この節度は何だろう。夫婦の晩年みたいな感じの絵です
>>256『 椿 』
きれいな詩です
きれいな思い出
濾過された上澄みに浮かぶ椿と
たゆたう笑顔
断章なのだと思います。断章は
何かを殺すか死んだ何かを蘇らすのでなければ成立しません
必死でかみ殺しているのか、ふと思いついて掘り起こしたのか
結びは後者だと思うのですが、第五連からの三連は
違った響きがあって面白いです。簡単には滅びないということでしょうか
263 :
19 ◆gwnULb/9mw :2006/01/12(木) 01:42:22 ID:gqJST2rP
>>257「くもり」
「ごめんね」という言葉は
「きみ」がそこに居る理由がなくなってしまったことについて
「きみ」が居ても、居なくても立ち行く流れに身を置いていたことについての詫びと読みました
晴れていても曇っていてもただひたすらつかれてしまっている
これをどうして書けたのか、というのが気になりました
多分、もし作者氏が観念に憑かれた少年を自画像と捉えて描いたのなら
「きみ」は、詫びも伝えられないままどこかへ行ってしまっていることになります
そのことを、それはそれとして片付けるようなクールな目線を感じます
>>258『床に寝転んで見た空は』
>>244ピーピングトムへの、返詩のような内容ですね
かみさまは、そのまま受け止めようとすれば、泣いてしまうほど
何かが濃密なのかもしれない
SFなどの、濃密過ぎる情報を受け取って発狂してしまうというタイプの話を思い出しました
それと無縁で居られる、床に寝転んで見ていられるということ
264 :
19 ◆gwnULb/9mw :2006/01/12(木) 02:01:19 ID:gqJST2rP
>>259姫と僕
椿姫には、実体が感じられません
「ボク」の頭に根を張って支配し、コートを脱いで魅了するのが椿姫
一言で言えば謎ですね。謎の椿姫
もしこれが椿といちゃついていて口に上ったその場を描く書き方であれば
彼女の顔や声や、僕と化した「ボク」の喜びが読み手の側にも伝わるのですが
それがない。舞台から場や造形を蹴落とした、エロさの独壇場
謎の椿姫の手練手管の独壇場に翻弄されることになります
高潔な赤い花が、高潔さも赤い身なりも捨てて
エロ一辺倒でこちらへ向かってくる図です
265 :
19 ◆gwnULb/9mw :2006/01/12(木) 02:55:03 ID:gqJST2rP
皆さんお疲れ様でした
投稿ありがとうございます
優勝は「曇り空に椿」の
>>254氏に贈ります
おめでとう
>>250 >>260-265 19さん丁寧な評価お疲れ様でした。
>>257「くもり」書きました。
同じ夢を持っていた旧友と数日前地元で再会したとき、
すっかり道を違えてしまったと気付いて
自戒と自省を、そして「詩で掛詞がやりたかっただけ」という
幾許かの自慰をこめて書いたので、スレ汚しに近かったことを再度自省します。
そして遅れましたが
>>254氏おめでとうございます。
267 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/01/12(木) 09:21:40 ID:XO/mMnGC
19、審査お疲れさま&ありがとう。
皆さんもお疲れさまでした。
それでは、また。
19さん、お疲れ様でした、ありがとうございます。
254さんおめでとうございます。
19さん,はじめまして!審査お疲れ様でした(*_ _)ペコリ
丁寧に評価して頂き嬉しかったです(笑)ありがとうございました!
>>254 さん,優勝おめでとうございます!
>>260 「目を掠める印象の魔」 すごいな、このフレーズ。
評価対象である作品より印象の深い文章です。
作品殺しです。
ありがとう(にっこり。般若)
271 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/01/12(木) 20:55:59 ID:Iw2qvOYP
>>260 19さん審査、寸評お疲れさまです。
>>245-248『椿の簪』
>何か一つの言葉があって
素敵な評をありがとう
いいたいたった一つの事を書かずに伏せたままにして書いたんだ
読み取って下さって嬉しかった
ちなみに序章を投稿させていただきました
実際は続きがあるんです 笑
皆様お疲れ
優勝作素晴らしかった
19さんの評やはり素敵ですね ありがとぅ
272 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/01/12(木) 21:05:16 ID:GA45ce7r
>>265 19氏、審査お疲れ様でした。そしてありがとうございます。
「曇り空に椿」書きましたにーちぇです。今朝、選ばれたことに気づいてたんだけどカッコつけて名乗り出るの遅らせてみた。(笑)
なんか朝方ぼんやりしながら書くと評判いいみたいだ、俺の場合。
頭が冴えてるとウケ狙いに走るからなあ。ホントはそっちの方が頭使ってるし技術もいるのですよ、皆さん。
さて、いつもなら自作解説をして評価とのズレなどを確認して読み手と書き手の双方にとって有意義になるように努めている俺ではあるが。
今回の作品はちと痛い。読み返してみた本人が痛いと感じているのですんませんけど説明はなし。
単にこの詩だかイメージを説明するのが恥ずかしいだけという説が有力。
ひとつだけ述べておくと俺は「椿」と問われれば「メジロ」と即答する人間だということである。
さて今回はしっかりここのシステム把握していますよ。次の審査員を独断で決めていい権利持ってるのが現在俺。
このチャンスを待ってました、といったところか。
もはや最後の大物といっても過言ではないだろう。いや、まだ酷っちとか痴漢詩人御大とかウィトゲンとかいっぱいいるか。やっぱ過言かも。ゲフンゲフン。
もとい。俺がこの板で「全身無意識作家」として常々尊敬しているボトルネック先生に次の審査をお願いする。
断られてもしつこくお願いするので投稿者の皆様は存分に期待してもらってよい。
そんなわけで、ボトルネック先生。お仕事忙しくて勤務時間不規則でしかも携帯からの書き込みが多いとかワンダと巨像やんなきゃとかハードスケジュールなのは知ってるけども。
投稿の条件で「先着3名様」とかに区切ったっていいみたいだし、ここ。(爆)
あるいは徹底して謝り続けるのも読者にとっては大爆笑なはずなのでぜひこのスレの
>>1を読んで「お題」とか出してやってくれい。
楽しみだなあ。ワクワク*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
にーちぇより。
273 :
ボトルネック( ・ω・) ◆P350za861k :2006/01/12(木) 21:53:03 ID:yiiT66tv
いよう(・ω・)ノ
なんかあやまるスレまで出張してまで頼まれたんで引き受けた俺が来ましたよ
お題:コンプレックス
投稿期間:13日の22時まで
採点期間:13日22時以降(明日偶然にも休みなので。明後日以降は厳しいので明日じゅうに…いけると思う)
投稿の条件:一人一作。タイトルや本文に「コンプレックス」という用語は使わないこと。
「コンプレックス」については、通常使われる意味でもよし、原語に忠実にいってもよし、布袋と吉川のアレでもよし。
なんかにいちぇ氏はワクテカしてるけど、当の俺はガクブルしてます。
ではスタートゥ!(セクシーコマンドー大会の審判風に)
274 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2006/01/12(木) 21:58:15 ID:zsfcJc+y
>>254 にいちぇさん、優勝おめでとうございます。
声に出して読みたくなるような、力強さを感じました。
>>250 >>242-243『 花一輪の希望 』
つい暗い詩を読みがちなので、なるべく明るい情景に希望を託したつもりでしたが、
「狂的な期待が謳われています」の言葉に、私の心の奥底を見透かされた思いがしました。
「咲くことで巻き込む終生」咲きたいと願う、咲かずにはいられない、ならばいっそ潔く美しくと。
自分には見えぬ私の一面を、19さんに見せてもらったようで嬉しかったです。ありがとうございました。
「におい」
くんくん
くんくんくん
自分が出す嫌いな
におい
眉をひそめたくなる
悲しい しつこい
におい
話すたび
すれ違うたび
隣りに座るたび
許せない 気になってしょうがない
だから
臆病な自分は
探すのだ
「においがする この人も」
『ナレナイ』
螺子曲がる程,素直になれず
素直になれるのはsexの時だけ
無意識に吐き出す言霊は
傷つけながら自分を突き刺す
求めれば求める程,逃げられて
覚えた術は先に逃げること
はしゃぎながら明るく笑って
躱して惚けて強いと錯覚してもらう
本当は見つけて慰められたい
夢視るぶりは,柄じゃないけど
可愛くなれない…
都合のいい女…
これが私の内包事情
19さん、審査ありがとう&お疲れさまでした。
『椿』書きました。きれいな詩と言ってもらえて嬉しかったです。
にいちぇさん、優勝おめでとうございます。かーるくトリップしちゃいました(笑)
278 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/01/13(金) 07:55:22 ID:9LOU8LXT
「サヨナラは8月のイメージダウン」
布袋さんてさあ、恵比寿に住んでるんだって。笑える話だよね。
七福神つながり狙ったのかなあ。山下久美子でもなく今井美樹でもなく大黒摩季と結婚すれば完璧だったのにね。
暴威がルイード出てた頃、パッとしなかったね。名前負けって感じ。パンクじゃないんだもん。音が。
氷室なんてダサかったよ。布袋に至ってはこんな馬面珍しいな、と。そんだけ。実は名前すら覚えてなかったんだけど。
吉川晃司ってさあ、水球の選手だよね。いや、デビュー前の話じゃなくて本人そのものが。音楽にのめり込んではいなかったアイドル歌手。
ナベプロの業界でのパワー。そんなものも含めて水球。立ち泳ぎしながらボール投げんの。そういうイメージ。ピンクのジャケット着て泳ぐの。
え、俺?当然嫌いだったんだよ。どっちも。ボウイも吉川も。嫌いっつーか興味なし。
インディーズ好きはラフィンとか聴いてたしメジャーならチェッカーズの方が断然カッコよかった。演奏上手いし。そんな時代。
でもモニカとか歌えるけどね。あんだけヒットすりゃ覚えるもん。ボウイは歌謡曲だと思ったよ。だったらテレビ出ろよ、みたいな。
絶対売れないと思ったね、改名しても。ルースターズのカッコよさとは雲泥の差。「φ」っていうアルバムからロゴ、パクったんじゃないか、って。
「TOY」って漫画があったんだ。明らかに吉川みたいな顔のが主人公で。でも実物と違ってインディーズ上がりという設定でね。
なんか好きじゃなかったんだけど、実はチラチラ見てた。絵は江口寿史を下手にした感じで、内容はつまんないシンデレラストーリーなんだけども。
それなのになぜか気になった。買わないけど立ち読みしたりね。続き気になっちゃったりして。あれは何だったのかねぇ。
どこか同時代って感じはしたんだろうな。俺もバンドやってたし。ブルーハーツの次はケンジか、って時代の空気。そんな中でTOYはリアリティはあった。
なんかTOYに見えた瞬間があったんだよ。吉川が布袋と組んだ時。カッコよく見えちゃったんでますます嫌いになったけど。だから曲覚えてねーし。
もっとも未だに残る曲はなかったみたいね。つーか、すぐ解散したんだよな。その後はジュンスカとかホコテンの時代に突入ですよ。
そんで恵比寿。
なんか、もったいなかったかもなあ。
「鉛筆の話」
日々 ゆるやかなマラソンが続いていて
束の間の休憩を 仏間でいただくわけ
お線香の匂いって地味だけど落ち着く
ココナラ スワッテイテ イインデスヨ
「忙しいからあたしが代わりにお参りしてあげますね」
イ イエ ヨケイナ オセワデアリマス
や、つまり、仏教信じているわけじゃあなくてさ
暗黙の了解っつの?
走り続けてないといけないって、どっかで思っちゃうんだけど
仏壇の前だったら座っててもいいってみんなが許してくれるんよ
いつだって座っていいんだよね本当は
だけど、誰も「いいよ」って言ってくれないのよ 生きてる人は
「ご先祖様に申し訳ないでしょ」
ア、ソレワカンナイナ。。
人間ってさ、互いに所有するんだよね、使われちゃって、使い倒すの
だけどさ、死んだ人って優しいよ 所有するだけで、使わないもの
そこに在るだけ ほんとはいないけど そこにある
それも共同幻想なんだけどさ ありがたや ありがたや
鉛筆がさ 丸いの
鉛筆の先っちょの話ね
丸い鉛筆で 柔らかい字を書くよ
「宇宙は無限のはずなんだけど」
地球のみなさん、宇宙は無限です、たぶんね。こんにちは。照れくさいです。
すてきな人たちと知り合いになれて、彼らが周囲にいて、これが自分の居場所だったらいいな、
なんて思えるときには当然うれしくもあり、自分が壊してしまうのがおそろしくもあり、戸惑ってしまいます。
おれなんか混じってもいいんですか? そのくせ、すぐに独占欲が湧いてきます。
自分がこの輪の中心にいたいと思い始めます。すいきんちかもくどってんかいめいれいかいつうしんここはどこ?
まあ、いいかげん、私もこの年齢になれば何回も何回も何回も繰り返して来たことですので、
そういうときには下向いて口許だけゆがめて、自分のこと、ちょっと嘲ってみるような笑みですね、意識的に。
居場所のような場所にしがみついている自分に気づいたときにははっきりと悲しいですね。
人と人の間ですから、輪郭変わっていきますから
一枚のパズルのようにすべてのピース嵌め終えて、
きっちり完成なんて最終的な絵はありませんから
女性はあったかくてやわらかくて内部はただの粘膜のくせにそれがちょっとかなしかったりして、大好きです。
女性は大好きですが、翌朝には女です。女は謎ばかり先行して面倒です。きみからの電話はだからもうとりませんよ。
ふとしたはずみにいまでもぼくの居場所は、ぼくはあの人の横に立っていられるのではないかなんて信じたくなっている。ぼくの脳には異常があるのかもしれない。
なににもまして自分のことが好きですから、私以上にもてる人間には、それってほぼ全員ですが、老若男女犬猫の区別なく、
嫉妬だけは一人前にジェンダーフリーです。
居場所を見つけるのは悲しいことだと思ってみます
ちいさいけど おおきい 一歩 人類のことなんか知るか
281 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/01/13(金) 19:12:36 ID:goxNfEbS
『恥ずかしがりな太陽少年』
エレクトリック・サンシャイン
カナダのお坊さん 味噌カツが好き
だのに、プチダノン かぐや姫とファック
俺はイタチ どうしようもないイタチ
涙を流しながら笑う ポケット・サンシャイン
厳寒の真昼 暑くはないようでいて 実は暑い
俺は天使 羽ばたこうとする天使 お前は知らない
ポリエチレンの粉袋が破け 中から小麦粉が出てきたら
さくらんぼみたいな乳首をチュウチュウする
涙は多くを語らない あくまでもシャイに
東京サン・シャイ・ボーイズ
辛くはないよ 辛くはない
眉間にシワを 寄せないだけさ...
282 :
『還る』:2006/01/13(金) 19:21:38 ID:Wp4caZFs
ばかだ、と
笑われるのは怖くない。
ばかだから。
のうなし、と
見捨てられるのは仕方無い。
のうなしだから。
やさしい、と
きれいだ、と
誉められる度に、足がすくむよ。
うそだから。
還るよ。
すぐに泥に還るから
許す、とだけ
言ってください。
283 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2006/01/13(金) 20:04:19 ID:qpflJAmE
『嗚呼むずけぇわぁ〜 ラ・フランス』
悲しくてもうどうにもいられない
喉元まで熱い塊がぎっしりと詰まっているようで
うっかりすれば涙が零れてしまうから
またたき繰り返してなんとかやり過ごす
大好きで大好きでこんなに好きで
泣くの我慢して頭痛するくらい好きで
サインください、握手してください
こっち向いてください、名前呼んでください
もうようなしなんて言わせたのは私で
からだが震えて世界がモノクロになって
喜びはぽっちりで悲しみはどっさりと
ようなしは用無しで洋梨なんだ
自分で自分を慰める
ようなしだから香り高いラ・フランス
だから私はラ・フランス
いや違う そう 見間違いだ!
たしかにあいつは親友だ
ゆえにこんな些細なことで 友情にヒビを入れる必要などない
だがしかし ちらりと見えたそれが少なくとも
平均の大きさ以上だったのも事実…
もやもやを抱えたまま時は流れる
そして何気なく聴いたラジオの
あるコーナーの中 とりとめもない雑学
「トイレなどで上から見ると大きく見えるらしい」
…そうかこれだッ!俺は真理を得たッ!
これですべて納得がいく…!
あの修学旅行の大浴場で
堂々たる姿で闊歩する 体育会系部活の連中が
腰に捧げ持った得物など
よくよく見れば取るに足らないモノだったのだろう
そうさ すべては見間違い…
すべて…だが…俺は…俺のモノは…
あああああああああ!
どうせ俺は
どうせ俺は
ちくしょう
せめてこの厚いヴェールさえなければ
「君のコト」
ごめんね ごめんね
君を苦しめる全てのことに 代わって僕が謝るよ
だから誰にもわかってもらえぬ 君のハナシを
せめて聞かせてはくれないか
僕は不器用 言葉もうまくつかえないから
気の利いたことは言えないけれど
それでも君のハナシを聞くことだったら
きっとできると思うんだ 他にはナンニモできないけれど
もしも君が ひとりぼっちで
哀しく背負ってきたコトがあるなら
ここに少し置いてかないか
代わりに僕が背負えるわけじゃないけど
それでいくらかラクになるなら
慰め程度に置いてかないか
世界はやさしくないかもしれない
風当たりは 冷たく強過ぎるかもしれない
それでも君が まだあきらめてないなら
君のハナシをしてくれないか
ごめんね 僕は 君にはなれない
だから 苦しい哀しい全てのコトを 帳消しにはできないけれど
君のせいでも 誰のせいでもなくて
何のせいにもできないこと
せめて 話してみてはくれないか
君が抱える色んなコト 聞かせてはくれないか
少しは通じるかもしれない
こんな僕で悪いけど
286 :
ボトルネック( ・ω・) ◆P350za861k :2006/01/13(金) 22:24:25 ID:JWj0iwml
さて、なんか気がついたら結構な数の作品が出てるんですが(ノ・ω・)
>>275「におい」
>>276「ナレナイ」
>>278「サヨナラは8月のイメージダウン」
>>279「鉛筆の話」
>>280「宇宙は無限のはずなんだけど」
>>281「恥ずかしがりな太陽少年」
>>282「還る」
>>283「嗚呼 むずけぇわぁ〜 ラ・フランス」
>>284「持ち物検査」
>>285「君のコト」
計10作品。大変だなこりゃ。
がんがって読んでみますのでしばしお待ちを。
いやざっとは見てるんだけどストレートなのやら言葉遊び的なものやらコンプレックスを対象に投影したものやら吉川と布袋のアレやらバリエーションがありますわ本当。
ではまた後ほど。
じらしてごめん。
自己評価=ウェイト・フォー・ユー/テン
287 :
ボトルネック( ・ω・) ◆P350za861k :2006/01/13(金) 22:43:40 ID:JWj0iwml
携帯につきゆっくりペースになりますがお許しを。
読んだ感想から。
>>275 自分のにおいが嫌い。
苦悩するが故に人のにおいを探していく。
人の見かけについてあれこれケチをつける人はたいてい見かけが悪かったりするけど(←偏見か)、こんな心中なんでしょうね。悲しい人間の性。
においについて具体的にどんなにおいが表現しているともっとよいかも。
>>276 自虐のふりした自己愛。故に逃げていく。そんなみっともなさがまたコンプレックスとなる自虐の螺旋。
ただ世の中にはセックスすら無縁の人が多数いるわけで、それで自己解放出来るならそれはそれで贅沢な悩みかも。
俺の学生時代の知人で、巨乳であることをコンプレックスにしている女の子がいたが、いまいちわからなかったもんなぁ。
288 :
ボトルネック( ・ω・) ◆P350za861k :2006/01/13(金) 22:55:05 ID:JWj0iwml
>>278 例の吉川布袋のアレですな。冗談で言ったのに本当に書いてくるとは流石にいちぇ氏。
布袋色が強いのと、コンプレックスのガッカリ具合がさらっとしてるのがもったいない気もするけど、同意できること多し。
TOYは読んだことないけど、上条淳士だったっけ?
多分一生読まないと思っていたけど、今度読んでみようかしら。
コンペとは別に評価=1990/コンプレックス
>>279 全作品の中で一番難解だと思った。ていうか未だによく分からないところ多し。
特に死者が「所有するけど使わない」あたりが。
とはいえ、人生って何だろう人間って何なのかと一頻り悩んだ上に俺って何なのかと悩んでみたり。
この詩に限らず、マクロな概念を語ると哲学的にならざるを得ないですな。
使うワードも抽象的、象徴的になったり。
289 :
ボトルネック( ・ω・) ◆P350za861k :2006/01/13(金) 23:12:02 ID:JWj0iwml
>>280 「コンプレックス」の題に忠実。
「宇宙は無限」という大仰で臭い表現と語り手の矮小さとの対比。
宇宙という表現を使いつつ上野公園の鳩の方が飯食ってる感じがタマラン。
特異なようでいて分かりやすい。
詩のテーマの関係もあるだろうけど、あれこれ小ぎれいな言葉で飾りたてたり自己を守る詩よりは好感が持てる。
ストレートな言葉を使わずにストレートに表現するって難しいっすよね。
>>281 こういう言葉遊び的な詩は好きだったりする。サンシャイボーイって使いたかったんだろうなぁ、日本人のカタカナ英語ならではの言葉遊びなのもわざとでしょう。SHINEとSHYだと大分違うしw
天使が羽ばたくってのは俺のイメージにはないし、第一天使には9階級あってそれぞれ役目も性格も異なるけど、多分9位のエンジェルであって4位のドミニオンとかではないでしょうw
それより天使(聖)と乳首(性、俗)が同じ詩の中に混ざってる加減がまたたまらんね。
290 :
ボトルネック( ・ω・) ◆P350za861k :2006/01/13(金) 23:21:38 ID:JWj0iwml
>>282 のうなし。
泥に還る。
この二つの言葉が妙に引っかかる。
のうなしって何故ひらいているのか。
泥ではなく土ではないのか。
意図的かどうかは分からないけど、この二つの言葉がいい意味で異化効果を出していると思う。
より自虐的無能的ドウセ俺は馬鹿ナンダ的な負の感情を増幅しているような。
単なる書き間違いならごめん
>>283 用なし→洋なし→ラ・フランス。
情けなさをヨーロッパ的美的に表現しておきながら、最後の最後まで強がりのようなものは感じられず、ただスッと自虐し終えてるとこが意表をつかれた。
ラ・フランスって言いたかったのかしらとも思ったけど、お題からここまで連想してきたのは面白いっす。
291 :
ボトルネック( ・ω・) ◆P350za861k :2006/01/13(金) 23:37:14 ID:JWj0iwml
>>284 ぎゃはははは!
分かりやすい!一番分かりやすい!
分かるわぁ〜
俺もまさに得物ミニサイズだしヴェール被ってるし。
修学旅行の体育会系!
そうそうそうなんだよなぁ
何だろうねアレ、決まって体育会系の奴ってでかくてズルムケなんだよねぇ
コンペはともかく評価=ジニアス・ペニス/ザ・ワイルドハーツ
>>285 最後。
「コンプレックス」を題材にしても、対象を「君」にするだけでJポップ的応援ソングに変わってしまう。
普通にこの詩をポンと置かれても見過ごされるだろうし、ましてやセン5になんか書いたらアンダーあたりが脊髄反射でニダニダいいながら貶すとこだろうが。
あえて「コンプレックスを持つ人を見ている人」の視点に持ってきたところに巧さを感じる。
今回のお題であえてこういう詩を書いたこと、そして時間ぎりぎりに書いたことで全体がキュッとしまりました。
詩の内容とは別にありがとうと言いたいくらい。
傷つく→癒される→傷つく→癒される
という人生の山と谷とを感じる一品。
さて、以上ざっと読んだ感想をつらつら書いてみました。優勝者はこのあと「秘技ボトル会議」で審査して決めますよん。
俺の中のたくさんいるボトルネックが会議したりキャンディーの掴みどりをしたりしながら。
キャンディーの代わりにナンディー(←インドの牛の神)が混ざるかもだが。
では後ほど。
292 :
ボトルネック( ・ω・) ◆P350za861k :2006/01/13(金) 23:57:10 ID:JWj0iwml
えー
秘技ボトル会議終わりました。
決まりましたよ優勝者。発表します。
(ドラムロール)
優勝は…
>>280 「宇宙は無限のはずなんだけど」
実はギリギリまで
>>280か
>>281のどっちかで迷っていたんですが、
表現の分かりやすさで
>>280に軍配をあげさせていただきます。
みなさんお疲れ様でした。
一気に読みすぎて俺の頭が混プレックスですわ
上手いこと言えてなくてごめん
293 :
ボトルネック( ・ω・) ◆P350za861k :2006/01/14(土) 00:01:44 ID:JWj0iwml
ということで
ゼッケン氏、次の戦車いや選者の指定ヨロピコ
294 :
275:2006/01/14(土) 00:12:44 ID:u6fsikXl
ありがとうございました。一応書きなおしてあるものなんですが、
「においの具体的な表現」の方向を間違えてしまいました。
今回見ていて思ったのは、投稿したみなさんは、評者を信頼しているな
ということでした。「これを分かってくれる」と思って投稿したこと、感じ
られました。信頼に答えたボトルネック( ・ω・)さんの評価、お見事
でした。お疲れさまでした。
そして、ゼッケンさんおめでとうございます。上手いなあ。
295 :
カコ ◆kaco/250tg :2006/01/14(土) 00:57:46 ID:sAA50UbK
>>287-293ボトルネック氏
タイトスケジュールの中、審査引き受けから終了まで、お疲れさまでした。
そして、鋭く素早い見事な評を、アリガトウございます。
お題で、既にくじけてました。遅い投稿は、意気地がないせいですm(__)m。
でも頑張ってみました。滅多にないこんな機会、参加するだけで意義がある、という感の拙者です…
でも、とにかくアレですね。貴方様にはリスペクトです、いつものことながら(笑)
みなさまも、お疲れさまでした。(みなさん、スゴイナァ〜溜め息)
ゼッケンさん、おめでとーございます☆
296 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2006/01/14(土) 01:12:21 ID:aGbgW+xb
>>283 ボトルネックさん、今回のお題と評価をありがとうございました。
携帯での対応はさぞ大変でしたでしょう、と感謝しています。
自分を見つめて書いたことで気持ちが少し楽になったような、カウンセリングの時間を持てたような気分になりました。
みなさんの作品を読むことで共感したり、励まされたり、素敵な体験をさせて頂きました。
ゼッケンさん、優勝おめでとうございます。
先日はお願いを聞いてくださり、ありがとうございました。
297 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/01/14(土) 01:19:48 ID:JUThI2aS
評価速すぎっ!しかもしっかり深く読んでるしっ!
俺の立場がないぢゃないか。
羽がボロボロぢゃないか。
というわけで例のアレで書きましたよ、今朝早起きして。(笑)
「同意できること多し」と漫画研究家のボトル氏にも読んでないのあるんだあ、が感動のすべてです。
でもね、でもね、吉川布袋だけじゃなくて俺の「複雑な」感情も盛り込んだ自信作だったんだけどなあ。
感動しつつ文句言ってごめん。ゼッケンよかった。
評価=トイソルジャー/スモールフェイセス
298 :
ゼッケン ◆YWWQB7OsPw :2006/01/14(土) 03:17:55 ID:fBYt4779
ボトルネックさん、ありがとう。
等身大が顕微鏡レベル、霊的微生物ことゼッケンです。
>>294さんに言われて、なるほど、みんな、ボトルネックさんのこと信頼してんだよな、と。
うん、そりゃそうですね。なんかすごく納得した気分。
そ、こ、で、
次の選者は、◇PLAYBOYc7c ◆VGMdSbKWD6 にお願いしたいです。
いろいろ物議はかもしてますが、ひとつ確かなのは、共感力がすごい。
私、PLAYBOYさんに詩をもらったんですけど、それはたぶん、
私の作品をざっと読んだ上でのものだったとおもうんですが、
その抜き取り方がすごいなあ、って。
というわけで、PLAYBOYさん、お願いします。
299 :
鉛筆の話:2006/01/14(土) 07:12:35 ID:IgwD3hgP
ボトルネックさん、お疲れ様です、、本当にありがとうございました。
コンプレックスっていいお題ですね。どんな定義でもいいとのことだったので
ちょっとくぐってきたら
”精神医学者のカレン・ホーナイは、「劣等感」を「所属感の欠如」という言葉で説明している。”
という一文があったんでこっから書き出しました。
なんというか、心の底を曝け出すような詩が多くて、うんうんとうなずいて
読んでしまいました。ゼッケンさんおめでとうございます。
300 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/01/14(土) 10:22:08 ID:aBpi+VRZ
首様おつかれさまでした。
セッケンくん、おめでとう。
それでは、また。
301 :
ゼッケン ◆YWWQB7OsPw :2006/01/15(日) 03:39:33 ID:iCdKe2S2
尋ね人→◇PLAYBOYc7c ◆VGMdSbKWD6さん
情報求む。
カナダ時間でてきとうにあと一日ぐらい待ちます。
みなさま、もうしばし、お待ちください。
302 :
ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY :2006/01/17(火) 14:19:40 ID:ckb+3G7e
残念だー。
他にお願いしたい人はたくさんいるんですが、次は
長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 さん
にお願いしてみましょう。やってくれるかなあ? たのんます。
あ、はい、俺ですか?びっくりしました。
でも指名していただけて嬉しいです。ゼッケンさんありがとう。
まだシゴトが残ってるので、詳しいことは夜にでも…。
では。
えー、指名を受けました長介ジュニアです。
過去レスを読むと、ここはとんでもないスレで…。選者のレベル高すぎ。
ちょっと胃が痛いですが、チャレンジと思ってやらせていただきます。
お題は、「別れの言葉が入った詩」。
さよならでも、じゃあな!でも、さらば、でも、グッバイでも、また明日!でも、なんでもいいです。
「別れを告げた」というような「記述」ではなく、「別れを直接告げる言葉」が出てくる詩。
どんな形でも、何にたいしての言葉でもいいです。
期日はもうけず、先着10名様ということで。
審査は、遅くとも締め切りから72時間後までには、必ず。
では、よろしくお願いします。
『何処で?』(1/2)
はい,珈琲!
何もそんなことを言わなくても
ほっとけばよかったのよ
愛人だろうと
セフレだろうと
貢ぎ専門だろうと
黙ってれば楽しめたのに
あたしが惚れただけはあるよ
真っ正面から息の根を止めてくれたわ
おかげで未練たらしく
待つ演技すら出来やしないじゃないの
いいわよ,お望み通り
『別れましょうね,さようなら』
はい,満足?
…あっ,ちょっと!
鍵は返してね?
ありがとう………
『何処で?』(2/2)
………どうしたの?
苦しそうね…血を流して
本当,最期まで甘ちゃんね
こんなに惚れたあんたを
あんなあばずれに渡すわけないでしょ?
大丈夫よ!
髪の毛一筋まで食べ尽くしてあげるから
307 :
ボトルネック( ・ω・) ◆P350za861k :2006/01/17(火) 22:33:27 ID:POnHZ1F/
「グッド・バイブレイター」
振動してます 不正不埒に 震撼してます 異様奇矯に
毎日毎日複雑怪奇な 写植が踊る朝の紙切れ
電動なのです 単三電池で 感動なのです 面白世界で
毎日毎日猥雑廃棄で テロップ流れて人は死にゆく
さよなら さよなら 毎日レミング
さよなら さよなら 狂える残酷
音楽家達はあえなく駆逐 もちろんグッドなバイブレイション
薬に浸かったままの世界で 見えぬ振りして毒を放置し
腐ってゆくよぬるま湯の中 腐ってゆくよ細菌まみれで
良き振動に身をまかせ 原子も分子も崩壊します
グッバイ グッバイ クルエルワールド
さよなら さよなら 狂える世界
とりあえず俺は冷水に身を投じることにします
こんなぬるいところでじわじわ溶けるのは真っ平なんでね
「さて先生。いよいよ作品調査の時間ですわね」
「うむ。助手君、一作目はなにかね?」
「ミミンさんの「何処で?」
>>305-306ですわ、先生」
「ミミンさん…。ハンドルネームがじつによいではないかね!
可憐でキュートな名だよキミ。もうミミンさん優勝!」
「…先生」
「…なにも殴ることはないじゃないか助手君。
おほん!では作品の解剖調査を行うとしよう」
「はい先生」
「まずは一行目からだ。慎重にな…」
「…どうですか先生」
「うむ!素晴らしい書き出しだな。適度に意表をつきつつ
この詩が一人称であることを的確に伝え、しかも
話者の近くにもう一人登場人物がいることも示唆している!」
「シンプルに見えるのに…作者の力を感じますね」
「うむ、もうこれだけで十分だよ。ミミンちゃん優勝!」
「……先生」
「…ちゃん呼ばわりは失礼ですよ先生。すいませんミミンさん」
「殴ることはないだろう助手君。おほん!では、二行目以降を見てみよう」
「…ずいぶん刺激的な単語が出てきてますね。セフレとか貢ぎとか…」
「う、うむ…。これは、話者が恋愛経験豊富な女性であることを示すサインだ。
やはり状況提示力に素晴らしいものがあるぞ。しかし…」
「どうしました先生?」
「二行目と三行目にやや翳りが見られるな。ぱっと読んで…どうかね?」
「た、たしかに!一瞬、<誰をほっとけばいいと言っているのか>が
わかりませんわね」
「そうだ。これはおそらく、作者が半ば以上意識的に行った選択だよ。
若干、言葉足らずに表現してゆくことがミミンさんの方法なのだね」
「しかしこの場合…」
「うむ。三行目に、<あたしなんて>ほっとけば…とすれば誤読の余地はなくなった」
「でもそれだと…少し、つまりませんわ。あまりに普通の会話調で」
「そうだな。わかりやすさと、個性の表現のせめぎ合いがこんなところにもある。
そこが詩の表現の奥深いところではないかな、おほん」
「せ、先生…。めずらしくいいことをおっしゃった気がしますわ」
「…なにげに失礼だね、キミも」
「さて、第二連ですが…」
「くっ…。なんて健気ないい女なんだろうね、ミミンさんは…」
「先生。話者と作者が別物であることは、作品調査の基本ですよ」
「…そんなことはどうでもいい場合があると、吉岡門左衛門先生も言っている!
もうミミンさん優勝!」
「いいかげんにしてください先生。吉岡門左衛門って誰ですか。
それに基本は大事だと、翔北高校バスケ部の彩子さんも言っています」
「…そ、そうだったな。それにしても第二連は破綻ない言葉の運びだ。
特に<はい、満足?>が効いておる。さばさばした性格をよく表現しておる。
ああ、ミミンさん最高…!ファンクラブ入りたいっす!」
「はい、どうどう…水飲んで落ち着いて、先生」
「さて。いよいよ後半に入りますわね、先生」
「うむ、しかし…この調査法は大変だね助手君」
「ええ、書いても書いても終わらないと、どこかの阿呆も嘆いていますわ。
これを、あと9回繰り返したら、それだけでスレが終わってしまいそうですわね」
「馬鹿が身の程を知らないトライをするとこうなるのだよ。
にいちぇ先生の偉大さを思い知るな。ああ先生、天から我らを見守っておられますか?」
「…にいちぇ先生は生きてます!さ、質の悪い会話はこのへんにして、後半ですよ」
「うむ。私は年甲斐もなくドキドキしておるよ。ミミンさんは幸せになれるのか…。
そうら、幸せはここに、ペリーヌ…」
「先生、アニソン歌ってないで、早く調査を続けましょう」
「よ、よし、いくぞ助手君。この切ない詩の終わりを見届けるのだ」
………
「……先生、みょうに連と連の間に、空白が空いてますわね」
………
「こ、こんな結末だったとは…。お、おそるべしミミンさん」
「ままー!おんなのひとこわーい!ぼくおうちかえるー!」
「ちっ、使えねえ…おほん。先生が幼児退行されてしまいましたので
私がまとめさせていただきます。
この詩は前半と後半の劇的な落差を狙った詩ですね。
そしてその効果は、巧みな状況提示によって充分発揮されている。
しかし…。先生が指摘した第一連の若干のわかりにくさもさることながら
後半、少しばかり書きすぎている節があるのが本当に惜しいと思われます。
具体的に言うと…」
「まーまー、ぶーぶのってかえるー」
「はいはい、あとでね。具体的に言うと、<こんなに惚れたあんたを…>
以降の二行、すっぱり切ってしまうと
さらにさらに怖くなったのではないでしょうか。
いずれにせよ、スリリングな調査の時間を過ごさせていただきましたわ。
ミミンさん、グッジョブ!それではまたお会いしましょう!」
「…ばいばーい」
311 :
『サラバ記念日』:2006/01/17(火) 23:43:27 ID:NBy71ZQy
古い言葉は死んじゃいない けれども奴らは年老いた
息の根を止めるもよし 嘲り笑って傍観もよし
博物館の展示ケースに閉じ込めるもそれまたよし
若い連中の特権だ
いつの時代も繰り返す
古びた化石を叩き割れ
壊す道具もまた言葉
言葉が言葉を駆逐して 勝利の凱歌を雄叫ぶとき
世界はすべてが僕らのものだ あの木もあの本もあの体も
古ぼけた天体が落下する もはや煙も出やしない
ざまあみろと思いっきり叫べ
してやったりと舌を出せ
それでも僕らの言葉だって
いつか年老いる日の来ることを
知っているからこその贈る言葉
さらば、だ
僕らとお前は友達なんかじゃない
僕らとお前は永遠の仇同士だから
敵には塩など送りはしない
敵には塩蒔いて追っ払う
僕らが年老いたときにもそうしてくれ
さらば、とひと言一瞥くれて
時代の変わり目に祝宴をあげるがいい
>>308-309 ミミンさん、作品名を間違えるというとんでもないミスをしてしまいました…。
ごめんなさい。
313 :
311:2006/01/17(火) 23:47:24 ID:NBy71ZQy
うわ、一秒差。
とりあえず邪魔になんなくて良かった。
314 :
311:2006/01/17(火) 23:49:05 ID:NBy71ZQy
また一秒差w
>>314 す、すげー。
評投下のタイミングをよく考えないと、とんでもなく混乱しますね。気をつけます。
「さて先生。次なる文化遺産が私たちを待っていますわ」
「…うむ。足裏マッサージのおかげで私もどうやら復活したよ」
「次の作品はボトルネック( ・ω・)さんの
「グッド・バイブレーター」」
>>307です、先生」
「え?やらしい詩?やらしい詩?ねえねえ?…なんだ違うのか、つまらん」」
「…先生。さっき仕入れた知識によりますと、ボトルネックさんは謝りの大家。
かの「あやまるスレ」で謝り倒してソーリー十段の称号をもってらっしゃるとか…」
「そ、それは気合い入れていかなくてはならんな。なんとなく」
「そうでしょう。では、調査をはじめましょうか」
「では例によって1行目からだ。
…む!むむ!むむむ!こ、これは!」
「ど、どうしました先生!?」
「見るがいい、このリズム感と音韻への感覚!うーん、いい!
<異様奇矯に>などという合成語が生き生きしているのは、ボトルネックさんが
音に対する鋭い感覚を持っているからだな」
「なるほど…」
「ボトルネックさんは、詩を作るとき、頭の中で繰り返し声を出して読みつつ
詩を作る人なのかもしれんな。そういう人の詩は、とても響きがいいのだよ」
「この詩は一貫して、音韻に乱れがありませんね。最終連をのぞいては」
「そう。しかしこれは歌詞、歌われること前提の詩ではない。
異様奇矯という言葉は、口に出すと言いにくいだろう?
これはあくまで、頭の中で読んで気持ちのいい音なのだ。
ボトルネックさんはそういう性質をわかって使っているのだよ」
「そして最終連で、そのことをあらためて示すためにリズムをブレイクしている、と?」
「その通り。さすがだね助手君。そして最終連をきわだたせる工夫でもある。
この詩のメッセージは最終連にこめられているのだからね」
「そう考えれば考えるほど、この詩は技巧的には完璧ですねえ」
「うむ。…たしかに、リズムと音韻の面では完璧だ。しかし…」
「どうしました先生?」
「この後の分析は、お茶を一杯飲んでからにしよう」
「さて先生。技巧的にハイレベルな
グッド・バイブレーションの問題点とはなんでしょうか」
「助手君。この詩のなかで、目につく単語を拾ってみていってくれたまえ」
「え?ええ…。振動、不正不埒、震撼、異様奇矯……薬、世界、毒…ぬるま湯…」
「さて、なにか気づかないかね?」
「ええ…。だんだんと、単語が、見慣れた言葉になってゆくような…」
「そうだ。詩の中に使う言葉自体が、第四連以降
じわじわとポテンシャルを下げている。
狂った世界を表現するときに、新聞でも使うような
薬、毒、ぬるま湯、といった言葉を使い始めているのだ。
最初の数連が、非常にキレのある言葉を使っているだけに、これは目立つね」
「つまり?」
「インパクトを与える作品としてのこの詩は
第四連のあたりで、やや輝きを失っている。とても残念だね…」
「なるほど…。こうなった原因はどこにあるのでしょう」
「ふたつ可能性がある。最終連へ向けて、メッセージを語る意気込みが強すぎる場合。
馬でいうと、かかった状態になると、言葉を選ぶことがおろそかになりがちだ。
もうひとつは、発想として行き詰まりかけているのに、強引に突っ切って
詩を作ってしまう場合。馬でいうと逃げ馬のスタミナ切れだ」
「先生、いま競馬ゲームにはまってますもんね」
「ああ、めったに家に帰れないのであんまり出来ないんだよこれが…。
って、そんなことはいいのだ。この作品がどちらであるかはわからない。
だが、もうひとつ…。こういったテーマの難しさというものもあるのではないかな」
「はあ…。それは、一服してからうかがいましょうか」
「しかし今回はずいぶん真面目に分析してますね、私たち」
「ハハハ、どこかの阿呆が疲れて細かいネタが切れたんだろう」
「…先が思いやられますが、さて。テーマの難しさの話でしたね」
「うむ。この詩のテーマは、現代社会への異議申し立てなわけだが…
いや、そう言ってしまうととたんにつまらなくなるわけだが…。
そういったテーマを表現した作品は、詩にも音楽にも美術にも
それはそれは昔から、それはそれはたくさんあるわけなのだよ」
「そうですわね。それほど星の数ほどありますわ」
「アートだけじゃない、新聞も雑誌も、いま世にある文字の多くが
社会への異議申し立てに使われているのだ。まあみんな好きなのだよ、それが。
その中で言葉には手あかがつき、なまはんかな表現では
ハイハイ反抗乙、という感じになってしまっている」
「それが難しいというところなんですね」
「うむ。アナーキーな精神が、詩の中で輝くためには
アナーキーを表現するだけでは足りない。私は、そう思うね」
「では、何を、詩の中に持ち込めばいいのでしょうか?」
「ボトルネックさんは、今回、リズムと音韻を武器に戦った。
それを貫いてゆくのもいいだろう。
それに加え、私は笑いという要素を推したいね。
笑いとアナーキーな精神は永遠の相棒だよ…。
さて、ではそろそろ、調査を終わろうか」
「はい。ボトルネックさん、つい長々と先生が語りたくなる
熱い素晴らしい詩でした。グッジョブ!では、さようなら!」
「歯みがけよー!」
319 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/01/18(水) 12:28:55 ID:wqvEUl9r
『何かに怯えて生きるのは、孤独に責任を背負って生きるよりずっと楽』
絞り切った雑巾から、白い液体が赤銅のバケツへ
ぼくら六年一組は全員童貞と処女だった
カツアゲされる男子
郵便ポストに使用済みの生理ナプキンを投函する女子
赤いポストの中は更に赤くなった
亀頭はまだ未成熟で、カリも小さく
陰唇は仄かに色づきかけた程度だった
童貞と処女が46人もいる気持ちの悪いクラスの中で
中川と綾野だけが経験者だった
放課後になると二人は、屋上や、体育倉庫や、理科準備室なんかで、猥褻な行為に耽っていた
まるでそれは、赤い太陽のように、ぼくらの心を悲しくさせた
ぼくらは裏切られたのだ、と皆思っていた
筒井も、飯田も、田山も、香織も、恭子も、茜も、裕一郎だって、そう思っていたに違いない
だけどぼくは、本当は羨ましかった
あいつらはすごくカッコいいことをしてる様に思えた
卒業式が終わって、クラス全員で歌を唄ったとき、中川と綾野がキスをしているのが見えた
すごく不自然だったけど、けして変ではなかった
なにか当たり前のことが、当たり前に行われるということが、ぼくらには新鮮で、目の前が明るくなった
ぼくはこれで、皆とさよなら出来る、と思った
「痰の具合はどうですか?(1/2)」
少したまってるようですね
いつもの左上の部分です
今日も胸を押して行きますね
んん、ちょっと胸郭硬くなってますよ
土日リハビリサボってたでしょう
はい文字板ですねどうぞ
「さぼってない」「きゃくがきた」
またまたー 顔が笑ってますよ
センサーの業者さんはもう来ましたか?
「こうつうじじょう」
交通事情で遅れてますか
「はやくこないとこまる」
ですよね死活問題ですもんね
「よんでもこない」 ?
「かない」
ちょっとお疲れのようでしたよ
週末めまいがするとおっしゃってました
「こないならいい」
そう・・・ですか
「あんたがこい」
わたし?
「よるも」「こい」
あ・・・・れ、
わたし高いですよ 訪問料金に
使命料もいただかなきゃあ
そうなりますと 保険は利きませんからね
「きてほしい」「よるも」
(「痰の具合はどうですか?(2/3)」)
カニューレの紐はまだ試作の段階
なのでもう少し 待っててくださいね
「かねははらう」
「ばあさん」「いらない」
まあ奥さん怒りますよ
「あんたが」
ヘルパーさんは慣れましたか
「あれはだめだ」
だめ?
だめって?
人は物じゃあ ありませんけど
とっかえひっかえなんて
できることとできないことがあります
今まで断って断って誰もいなくなったじゃ
ありませんか相手は自分じゃないんですから
初めから完璧を望んでもダメです
あなたのことをあなた自身が一から
教えていかなきゃそして育てていかなきゃ
大変なのは分かりますあなたが一番大変だって
でもあなたから発信しなければ何も
何も・・・・
「あんたが」「こい」「よるも」
(「痰の具合はどうですか?(3/3)」)
着信:威風堂々(フルオーケストラ)
すみません、呼ばれたもので
また明日、はいまた明日 失礼します
何かありましたらご連絡を
何かって?
「あんたがこい」「よるも」
「おれはさ」
俺は、さ じゃなくて俺は寂しいって
言おうとしてたこと
本当は 分かってた
------------------------------------
すみません計算違いで3分割になってしまいました
”わかった”
振り向かないで歩くのがやっとで
抑えきれない涙が
化粧をくしゃくしゃにしながら 見苦しく流れて、
そんな涙を流せる自分がどこかで嬉しくて、
嬉しく思う覚めた目が疎ましくて、
泣きながら笑み崩れて、
駅でアイスクリームを買って、
涙が愛惜だろうと、自己憐憫だろうと、きもちよかったな、なんて考えて、
いつまでも浸っていたら膝の上にあるアイスクリームが
蕩けてしまってまずくなるから
「美味しいうちに食べてしまおう」
アイスクリームの電気をつけて、
アイスクリームのソファに座って、
アイスクリームのテレビをつけて、
アイスクリームの音楽をかけて、
アイスクリームの蕩けた、やらかい、甘い、だらしない
冷たいかたまりを 頭痛がするまで ほおばって、
こんにちはアイスクリーム、さようならアイスクリーム、
お元気でアイスクリーム、死んじゃってアイスクリーム、
2度と視界にはいるんじゃねえよアイスクリーム
ダイエットだぜアイスクリーム
もう食べないアイスクリーム 大好きなアイスクリーム
ごめんねごめんねごめんね 明日も食べる。
「いま目の前でカレーを食べている女の子とセックスしたいと思う気持ちとこの後するセックスは別ものだと早く気づけ」
さよならと言うには心細く
だって、おれがひとりになってしまう
ひきとめておくためのセックスは
気持ちをすり減らす一回分お得な回数券で
しょせん行き着くのは行き場のなさ
指先でつまんでぶらさげたコンドームにたまった精液
あまりに分かりやすい おもわず笑ってしまう
どうしたの? なんて聞くから
キタナイと答えて捨てた
人間はどれだけつよく擦りつけあってもひりひり痛むばかりで溶け合ってひとつになるなんてこと、けしてないでしょう
どれだけ長く抱き合ったとしても、やがて月曜の朝にはネクタイをしめて鞄を持たねばならないのはおれの責任ですか?
カラダに飽きた頃、共有したたくさんのものが邪魔をして、かきわけて辿りついたおれはもういちどきみに恋をして
おれはきみを愛しいるのだと信じていたってのに、またきみに恋をした不思議 アハ、おかしいじゃん? 手遅れだった結末も含めてさ
そしておれは見知らぬ街へ行き、カラダに飽きっぽくなってなんの約束もできなくなった
それでも衝動だけはやってきて、アドレス帳をてきとうにめくって呼び出す電話は気まずいくせに余裕はなく
穴を借りた女とはべつに話すこともなく、手をふって追い払いたいが
ずっと友達でいられたらおれはうれしいけど、きみがつらいのならもう会わない
などとしゃあしゃあと言えるようになった
可燃・不燃・リサイクルと分別しなければ捨てることさえ許されないね、おれだってきみらから見たら、何ゴミですか?
友だちでいつづけるために寝ないのは現実的な知恵 やがて別れるのだ 友だちと恋人を同時に失うのはもういやだ
ひとつになろうと願うのなら 子供でもつくっときゃよかったね
妊娠するのがおれだったら、ガラスの目をした手触りのいい人形を産む
永遠で完ぺきの
「さて先生。今日も作品調査を続けましょうか」
「うむ…しかし最後までやりとげる自信がなくなってきたよ助手君。
私の肩はすでにボロボロだ、くっ…」
「それはベランダでシャドーピッチングなんかやるからです!
向かいのビルのOLさんが笑ってましたよ!
さて、次のブツはNBy71ZQyさんの「サラバ記念日」
>>311ですわ」
「うむ…。どんな状態でもエースはマウンドに上がるものだからな。
ではゆくぞ助手君、ミスは許されん」
「はい!…一行目、いかがですか先生。堂々とした一行に見えますが」
「うむ。胸を張って、言いたいことはがっつり言うぞ!という一行だ。
気合いを感じるな」
「そして二行目…あれ?先生、なにかおかしくありませんか?」
「そうだな。…なぜ<もよし>なんだろうね?二行目になると突然他人事だ」
「作者もしくは話者は、若者なんでしょうか中立的立場なんでしょうか」
「たしかに第一連からはそれがわからん。しかしこれは作者の罠かもしれんぞ?
助手君、ライトを。ブービートラップを警戒するのだ」
「せ、先生…いざとなったら私の盾になって死んでくださいね…。
第二連、第三連…そして第四連…どうですか、先生」
「うむ…。第三連で、はじめて<僕ら>が登場し、作者が若者であることがわかる」
「しかし第三連の<僕ら>は、ほとんど印象に残りませんね」
「そうだな。第五連で、やっと印象に残る<僕ら>が出てくる。
これは、助手君、どうみても…トラップではないな」
「先生…そうすると、まさか!」
「そうだ。…これは、作者の設計ミスだよ。
勢いのある第一行を書いておきながら
自分の立場を早い段階で印象づけることを怠ったのだね」
「先生、原因はどこにあるのでしょうか」
「うむ。この詩のテーマは非常に興味深い。
時代が変わると言葉は言葉に駆逐される、という、奥の深い問題を取り扱っている。
そして、テーマが複雑な問題だからこそ、こういう事態が起きたのだろう」
「というと?」
「NBy71ZQyさんの中に、詩を書き出す前に、二人の自分がいたのだと思われる。
つまり、<時代とはそういうものだ>と俯瞰して考える自分と
<それでも駆逐してやるぜ>という若者としての自分だね。
二人が詩の中で混じり合ってしまったため、詩は明快さを欠く結果となったのだよ」
「テーマ自体の複雑さが、作者の立場をも惑わせたのですね」
「そういうことだな。第二行が、<息の根を止めてやれ>で始まれば
おそらく詩は破綻なく進んでいただろう。若者の詩としてね。
しかし、そう書きたくない複眼的な視点が、NBy71ZQyさんの中にあったのだろう」
「そういう複眼的な視点を、詩の中に生かす道はなかったのでしょうか」
「うむ…。たとえば、老人側からと若者側からの相聞歌の形を取る、という構想も
ありえたかもしれん。もし私なら、イメージが素晴らしい第三連…、古ぼけた天体が
落下するイメージをもっと強調したかもしれん。
しかしね、助手君、ここから先は作者の個性が発揮される領域で
正解というものはないのだ」
「なるほど…。NBy71ZQyさんの次なる作品に期待しましょう。
それではみなさん、さようならー」
「シャドーピッチングのやりすぎには気をつけろよー」
「さて、つづいては曾村益廊さんの作品
『何かに怯えて生きるのは、孤独に責任を背負って生きるよりずっと楽』
>>319 の調査ですわね。題名が長すぎて名前欄に入りません、先生」
「うむ。しかし胸に刺さる題名だな。題名だけで、只者でない感じが伝わってくる。
これは決死の覚悟で調査しなくてはならんぞ、助手君」
「はい!先生についてゆきますわ、給料が出る限り」
「キミに給料を払っていたとは知らなかったが…。まあいい。
第一行だ、気をつけたまえ、油断は死につながるぞ」
「は、はい。…こ、これは…あっ、先生!大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫だ。一瞬、河のむこうで誰かが呼んでいるのが見えたが…。
…しかし、なんと衝撃力のある第一連なのだ。
白と赤のイメージ、処女と童貞という強烈な言葉…。
一瞬にして、作者の世界に引き込まれるな」
「ええ。只者ではないという先生の言葉、納得しましたわ」
「これは、大変なことになってきたようだな…」
「私たち、果たして生きて帰れるのでしょうか」
「…ともかくいまは前に進むしかあるまい。さあ、第二連に向かうぞ」
「…第二連は…鮮やかな描写ですね」
「うむ。このあたり、曾村さんは詩の呼吸というものを体得しているな。
インパクトを与えつつ日常描写をするのはかなりの高等技術なのだよ」
「そして…せ、先生!第三連が、大変なことに!」
「…くっ。耐えるのだ助手君。ここで死ぬわけにはいかん!」
「…ええ。よく見れば、なまなましすぎるように思える詩句も
第四連へのつながりの上で、ちゃんと役目を果たしていますわ」
「そ、そうだな。一瞬、自分のブツのことを考えてマジで凹んだが」
「へーえ」
「そ、そんな目で私を見るな助手君!さ、さあ次へ行くぞ」
「で、でも先生、次も凄いことになってますよ!」
「な!パパ許しませんよ12歳!PTAに訴えちゃうぞ!」
「…先生、落ち着いて。これは詩ですから」
「う、うむ。この後、詩の流れは急激にゆるやかになってゆくようだ」
「もう安心ですわね。ぶじに帰れてよかった…」
「先生、しかし、調査してるときはほっとしましたが
第五連から、あきらかに文体が変わっていますね、この作品は」
「うむ。第四連までの簡潔で引き締まった文体から
急に、小学生の作文を意識した文体に変わっているな」
「これは、どう判断すべきなのでしょうか」
「曾村さんほどの熟練の作者が、なんとなくこうなったとは考えづらいな。
おそらく意識的にそうしたのだと思われる。が…」
「微妙ですね」
「微妙だな。効果を挙げていない、とも言いづらいが
この変化が作品に大きな好影響を与えている、とも言いづらい」
「もしかしたら、文体の変わり目に、何かのサインを出す…
たとえば章を分ければよかったのかもしれませんね」
「そうだな。…しかしいずれにせよ、これは高度でデリケートな作詩上の判断だよ。
ただし微妙だ、と感じさせる原因のひとつは、後半の文体そのものが
やや弛緩してるように見える、というのが大きいな」
「小学生がきりきり引き締まった文章を書くのもヘンですけど」
「うむ。まあこの問題はこれ以上考えても結論が出ないだろう。
最後に、テーマの話をしようじゃないか」
「先生。これはセックスの詩であるように見えながら
周囲の目を気にせず行動する清々しさを扱った詩なんでしょうか」
「助手君。それはまったく読みが甘いな。
この詩の底にあるテーゼは、性愛は本質的に反社会的なものだ、ということだ」
「なるほどー。たしかに、それは事実ですものね。
街で見かけるバカップルなんて超反社会的です!愚民どもめ!氏ね!」
「…ま、まあまあ落ち着きたまえ、助手君。気持ちはわかるが。
小学生というのは、性愛から隔てられたところで、社会性を学ぶため
ひとつところに集められている。そこに性愛という反社会的なものが入りこむ。
そしてコドモは、性愛の価値を感じ取ることで、仲良しグループから卒業する」
「そう解説してしまうとつまんないですね」
「全くな。だから詩というものがあるわけだ。
ともあれ、曾村さんのこの詩は、それだけディープでソリッドなテーマを
表現しているということだよ」
「慣れない英語を使って得意にならないでください先生。
曾村さん、先生を何度も死の淵に追いやり、なおかつ深い読後感を残す
この詩は大変素晴らしいものでした。グッジョブ!ではまた!」
「あ、言っておくが、私の×××は、ぜんぜん×××じゃないぞ!」
『波打ち際』
私は今も波打ち際にいます
テレビを観ていた居間から
突然ひきずりこまれた大海原
そのしぶきの中で
夕焼けを見ています
白く薬品くさい流木に乗って
二人助けを求めた日々
あの人のお腹の鉛は重量を増し
散弾銃のように砕け散り
漂流一年目のきさらぎの朝
別れの言葉もなく
あの人を水底へ沈めました
そのあと起こった嵐に
記憶はうすぼんやりと途切れがちで
たしかなことは
私は一人浜辺に打ち上げられたということ
たまに通りすがりの人達が声をかけてくれます
二人連れのくせに
〈つづき〉
波しぶきは私を海へ誘う時もあり
追い立てる時もあり
どちらの時も私はじっとして
砕ける波の音に耳を澄まし
口もと流れこむ潮をあじわっています
あの人に言いたかったのは
ありがとう
それが言えず今日もずぶ濡れで
浜辺にすわっているのです
あなた
夕焼けがきれいです
「かたくな」
いつからだったか 本当のことを 言わなくなったは
どうしてだったか 素直の気持ちを 伝えなくなったは
古いアルバム 広げて見れば
いつか 友だちだったはずの
誰か 誰か 誰かたちの顔
正しいと思って言った そのことが 誰かの心に傷をつけ
立派な人間になりたいなどと
思ってもいぬのに 訝しがられ
正しさの前に 痛々しき “独り”を知り
誰か一人にやさしくする時 違う誰かが涙して
いつの間に伸びたか しがらみの 樹の枝々に花は咲き
八方美人の出来ぬ私(わたくし) 器量もなしに八方塞がり
思えることの十のうち 一しか伝えられなくなるような
臆病という弱気の虫が 私の中に棲みついて
私の言葉を食みながら “かたくな”の塊となり
月日を重ねて気がつけば
別離を告げるべき人々は とうに去りゆき帰り来ぬ
切なきも 愛しきも 尊きも 大切も絶え
最期の言葉は届け得ぬまま 今日も“かたくな” 独り問う
さよなら さよなら さようなら
今さら誰に 言えというのか
「さて、5作目の作品は
who1Ep6hさんの「痰の具合はどうですか?」
>>320-322ですわ」
「この無謀な調査も、ようやく半分を迎えようとしているな。
正直、大ひんしゅくを買ってるんじゃないかという気がしないでもないが」
「そんな不吉なことを言わないでください先生。どこかの阿呆が
ブラック変奇郎と名前を変えて遠いところに逃げ出しかねませんよ」
「なに、どんなに遠いところに行っても近所のコンビニまでだ。
ヤツにそれ以上の旅行能力はない。さて、調査を始めよう」
「では一行目から、慎重に進みましょう…」
「……」
「…あれ?するすると、最後まで読んでしまいましたわ!」
「うむ。…こういう詩があるのだよ。
一行目がどう、二行目がどうという読み方が野暮になる詩というものが」
「たしかに。この詩の細部をほじくり返しても仕方がない、と感じさせられます」
「だな。しかし忘れてはいけないのは、そう感じさせる詩は
例外なく、高いレベルの安定した技巧を使っているということだよ」
「具体的にいうと、どういうことでしょうか」
「こういう詩を支えるのは抑制された筆致、それに構成力だよ。
この詩も、最後のパートに至るまで、「声」しか使っていない。
人物のナマな心情を表す言葉を、きびしく排除している。これが素晴らしいんだ」
「なるほど。老人の「文字の声」も、じつに効果的に使われてますね」
「ああ。この詩を素直な詩と読むのは完全な間違いだ。
これは優れて構成的な詩であり、練り込まれ演出された技巧派の詩なのだよ」
「しかし…いますね、こういう老人」
「誰でも生きているうちに必ず、こういう人と会うものだ。
人をせっかちに判断し、無意味に威張り、人の都合を考えずわがままを通し
頑固で、穏やかに話もできない、まったく困りものの老人とな!」
「興奮しないでください先生!…よほどイヤな目にあったんですねえ。
しかし、そういう人の押し隠したさびしさというものは
これはまた、胸がつーんと来るものですよね…」
「しかし頑固ゆえ、それを解決するすべを知らず、なお頑固になって悪循環。
肉親であってさえ、そういう人間と付き合うのは並大抵ではないからな」
「作者も呼び出されたことを理由に、去ることを選んだ。
そのことへの罪悪感…。せつなくなりますね」
「うむ。我々、ひねくれた調査団に素直にそう感じさせるのも
もう一度言うが、言葉を抑制し一貫した方法で詩を作ったwho1Ep6hさんの手柄だよ」
「先生、絶賛ですね!」
「うむ。who1Ep6hさんは、相当な力のある方だ。
ぜひ、これからも詩板で詩を書いてほしいものだな」
「では文句なしにグッジョブ!の声を挙げさせていただきます。
今夜はここまで!みなさん、さようならー」
「寝冷えすんなよー」
335 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2006/01/19(木) 00:29:35 ID:40TyhCev
『なにやってんだか』
待ち合わせは東京ステーション前の広場
どきどきしながら待つ私に、あなたは人懐っこい笑顔をくれた
スタンドで簡単なモーニング、手をつないで御苑を散策
ときめく時間はふたりを恋に落とすのは簡単で
会えない時間は携帯電話が「どこでもドア」に
かもめーる、伝書鳩はなんど行きかったことでしょう
肌を重ねたのはたった2度だけど
離れがたく互いに何度も振り返り手を振った
離れていても気持ちが続くと思っていたのは私
孤独の美酒に酔いながら涙したのはあなた
いきなりの別れの言葉に戸惑って取り乱す私に
「あなたも大人なら綺麗に別れてください」
いつから大人になったのだろう
理由もわからずなにが起こったのかも理解できず
受け入れるのに半年かかりました
あなたは今幸せですか?
私はようやく笑うことができるようになりました
えーと…。10作品、揃ってしまいましたね…。思ったよりずっと早く…。
では、約束通り、72時間以内に残り5作品に評をつけ
審査を完了することができるかどうか…。
ハラハラドキドキイライラカリカリしつつ、お待ち下さいませ。
「せんせー、ねむいです。早朝手当くださいよう」
「私も被害者だよ助手君。どこかの阿呆が予想外に早い締め切りに
パニックして十年に一度の早起きをしているのだ」
「その馬鹿はなんだか朦朧としているようですが」
「ああ、今ならオレオレ詐欺に引っかかり放題、サービスタイムだな。
しかし我々はしゃきっとせねば。調査対象に失礼だ」
「ご立派ですわ、先生!」
「いやなにハハハ。では調査に入ろうか」
「はい。今回のターゲットは「世界はアイスクリームより大事じゃなかった」
>>323、3bgdL8pHさんの作品です」
「うむ、いい題名だな。しかし名前欄に入らないので、申し訳ないが
略させていただこう。ではいくぞ、助手君」
「…どうですか先生。この第一行、そして第一連は」
「むう。やるものだ。第一行の引用符「"」をみたまえ」
「先生、これがなにか?」
「ここは普通なら、カッコでいいと思わないかね?しかし3bgdL8pHさんはあえて
米式引用符を用いた。あるいはクセにすぎんのかもしれない。
が、ここはこれが正解なのだ。「」を使うと、とたんにこの第一行は詩から浮き上がる」
「なるほど。そして…あっ!第二連に、カッコを使った箇所がありますね!」
「そうだ。二つのフレーズは片方がつぶやき、片方が会話だ。
その二つを差別化する目的もあって、第一行に引用符を使ったのだな」
「この作者の方、細かいニュアンスに敏感な方なのですね」
「そのことが第一行からもわかるな。それは続く第一連全体でも発揮されている」
「行末の止めを揃えて、リズムを作ってますね」
「行末の活用を揃えているだけではない。行全体の長さを、精密に調節している。
わかるかね。三行目だけが「…て」以外で切れているのは、偶然ではないぞ。
音を揃えながら、単調にならないよう、細かくリズムを変えているのだ」
「ということは…」
「うむ。3bgdL8pHさんは、かなりな手練れだよ。シロウトじゃないな。
これは、本を相当読んでる、テキストを相当書いてる人にしか出来ないワザだ」
「この詩には、さきほど先生が指摘された細かい気遣いが行き届いてますね」
「そうだな。この詩を読むとき、まず誰でも、そのリズムに惹かれるだろうが
一行一行の表現の内容もじつに面白く、また、いい表現がいい位置にある」
「なんというか、詩の主人公に思わず好感を持ってしまいますね。
よく読むとアイスクリーム依存症じゃないか、という感じもするのに」
「それは、センチメンタルな彼女、そんな自分を客観視している彼女、
客観視している彼女を見ている彼女、誘惑に負ける彼女…一行ごとに違う彼女を
詩の中で提出しているからだね。それがなんとも率直に映るのだ。
これをバタバタせず、弾むようなリズムの中でまとめる。実にたいしたものだな」
「あのう、先生…。さっきから彼女彼女と連呼してますが…
もしかしたら、彼かもしれませんよ?」
「うっ。やめてくれないかね助手君…」
「あえて、この詩の問題点を挙げるとしたらなんでしょう、先生」
「いや、この詩自体には問題点などない。ただ…3bgdL8pHさんの詩を
もっと読んでみたいものだね。というのは、こういう卓越したリズムを持つ人は
おうおうにして、そのリズムに安住しがちだからだ」
「逆にいうと、それほどの完成度を感じるということですね」
「うむ。3bgdL8pHさんの詩を、ぜひともまた見せてほしいものだな」
「では、この方も文句なしの…」
「うむ、グッジョブ!だ。いい仕事したぜ、シスター!」
「先生、そんなムリヤリなさわやかさでサムアップしないでください。
では、予定は未定ですがまた何時間後かにお会いしましょう。さようなら!」
何だかハクローキン思い出した。。。。
「さて先生、残りも4作品ですわ。次の作品は…
ゼッケンさんの「いま目の前でカレーを食べている女の子とセックスしたいと思う
気持ちとこの後するセックスは別ものだと早く気づけ」
>>324ですね。…先生」
「なんだバーロー!すりゃいいだろ好きに!目の前でカレー食ってるんならよー」
「せ、先生…。題名見ただけでやさぐれちゃって…」
「ケッ!いい気なもんだぜどいつもこいつも!俺あ仕事で死にそうだってのによう!」
「まあまあ先生、先生にも奥さんと息子さんがいらっしゃるじゃないですか。
ヘボい自作品に出てきますよね。たしか、架空さんと想像くんというお名前でしたか」
「詩の中にしかいない妻と子供なんてやーだー!助手君の薄情者!
カネと名誉と酒とナオン持ってこーい!」
「…ふう。仕方ないわね。連れてゆきなさい」
………
「では、私が先生の代役を勤めさせていただきます、お嬢様」
「ええ。頼んだわよジェームス。大丈夫、誰にでもできるシゴトだから」
「かしこまりました」
「私たちにこの調査を押しつ…いえ、依頼してくださったゼッケンさんの作品。
丁寧に調査する必要があるわ」
「はっ。ではさっそく…」
「どうかしら、書き出しは?」
「はっ。大変よろしいかと。一行目で少々センチメンタルに見せておいて
二行目で本音を出す。よい呼吸、よいフレーズでございますな」
「そうね。二連目はどう?」
「そうでございますな。リアルなわびしさとむなしさの描写が効いているかと。
ここも大過なく効果を挙げているかと思われます」
「ゼッケンさん、好調のようね」
「そして第三連…。む、いいセンテンスでございますよお嬢様。よく恋愛物に出てくる
抱き合って溶けて云々という定番フレーズへの、アーンチ・テーゼでございます」
「ここまでいい出来だと怖くなるわね。…第四連も素晴らしいわ」
「俺の責任か?と言われましても…という感じではございますが、なんとなく
キレ味を感じるセンテンスでございますな」
「これは傑作の匂いが…あら?」
「第六連…。この過去形はいけませんな。いきなり事情説明に落ちております」
「ああ…。どうしたのかしらゼッケンさん。どうして急に、2ちゃんねるの
恋愛板の書き込みみたいになっちゃうの?」
「左様でございますな。…しかし最終連には、またぞくりとするフレーズが」
「でも…。第六連から第八連の失速は痛いわね。
ジェームス、どうしてこうなったのかしら?説明してみなさい」
「かしこまりました、お嬢様。
ゼッケン様の詩が中盤に事情説明に落ち込んだ原因、それは、最初に
鋭いセンテンスを連発しすぎたことにあると愚考いたしますな」
「どういうことジェームス?鋭い表現こそ、詩の命じゃないの?」
「残念ながら、そう単純なものではございません。
おそらくゼッケン様は、思考をセンテンスの単位でなさる方
すなわち、息の長い思考が出来る方ではないかとお見受けいたします。
こういう方は、カッコいい一文、ウィットのあるセンテンスがどんどん出てくる。
しかし…カッコいいセンテンスは、そうたくさんは詩の中に入りません」
「入らない?」
「はい。詩という器は、じつはさほど大きくないのでございまして。
カッコいい言葉をあまりたくさん入れると、それは、カッコいい言葉集になってしまい
詩にはなりません。何事もバランスでございますな。
器を超えていいものを盛り込もうとしても、どこかが破綻します。
例えれば、鯛焼きのあんこでございますな。多すぎても少なすぎても不味い」
「ジェームス…。あなた、ヨークシャー生まれのイギリス人でしょ。
鯛焼きはないでしょ、鯛焼きは!」
「は、そういう設定でございましたか。これは失礼いたしました。
ゼッケン様は、そのセンテンス生成能力の高さから、最初から飛ばしすぎ
飛ばしすぎていることに本能的に危険を感じ、方向転換された。
それが急失速につながったのではないかと、私は、そう推察いたします」
「なるほど…。それが当たっているかどうかはともかく
やるじゃないの、ジェームス」
「は」
「それにしても…。友達と恋とセックス、永遠の定番の問題だけど
せつないテーマだわね、ジェームス」
「は。私にも憶えがございます。絆がだんだん薄くなり、切れかけている時は
何をやっても逆効果、縁が薄れるのを感じているしかない。
まったくもって、やりきれぬものでございますな」
「ジェームス、この詩のテーマを、うまく詩にするのはとても難しくない?」
「左様でございますな。ゼッケンさんは難しいことにチャレンジされたと私も
愚考いたします。それだけに、思い描いた理想形が大きすぎたのですな。
ひとつの詩の中に、鋭いセンテンスを入れ、複雑な事情も説明し
生々しい言葉で真実味も出し、そしてやりきれなさも表現しよう、と
少しばかり、頑張りが過ぎたのではないでしょうか」
「やはり、詩に出てくる<事実>を、シンプルにすべきだったのかしら?」
「ふむ。たしかに、それはひとつの解決策でございましたでしょう」
「ジェームス。ゼッケンさんに、私たちがアドバイスできることってある?」
「いや、そんな僭越な…。私、ただの執事でございますから…。
しかしあえて言うならば、ゼッケンさんのような才気のある書き手は
強い形式の縛りを自らに課すことで、才能を発揮することがままありますな」
「強い形式というのは、短歌や俳句のこと?」
「いえいえ。例えば1章を1文のみで構成する、3行を一連とする、
逆に改行なしの散文詩にする、など、自らで決めた形式のことでして。
こういった縛りの中で詩を書くことで質を向上させる詩人は多うございます。
私、個人的には、ゼッケン様には、そういう試みをお勧めしたいですな」
「…ジェームス!いつあなたに個人的な意見を言えといった?
ゼッケンさんに謝りなさいこの薄汚い犬め!」
「ああっ、そんな、お嬢様…」
「というわけで、ゼッケンさん、グッジョブ!には少々足りなかったけれど
鋭い才気と、難しいテーマに挑むスピリットを見せていただきましたわ。
これからのご活躍に、期待させていただきます!ではさようならー」
「…ああっ、お嬢様ー」
「やあ、元気かね助手君。ハハハ!」
「あ、先生!お体の具合はいかがですか?」
「ハハハ!なぜか記憶がないが、いまは絶好調だよキミ!ハハハハハ!」
「よかった…」
「助手君、そんなにまで心配してくれたんだね。ありがとう!
では二人の絆が深まったところで、次なる調査だ!」
「はい先生!
八番目の作品は、あぶくさんの「波打ち際」
>>330-331です」
「うむ、では行こう。相手はあぶくさんだ、油断するな!」
「は、はい」
「一行目、一連目…どうかね?」
「ああ…これも、するするすると読めてしまいましたわ」
「うむ。どうやらこの詩も語りの詩、構成の詩のようだな。
全体を眺めつつ、調査を行おうではないか」
「……」
「……」
「…不思議な詩ですね、これ…」
「うむ…。なんとも不思議な詩だ」
「いったい話者は、何になったのでしょう?
沈んだ<あの人>とは誰?
なぜ、海へひきずりこまれたのでしょう?
ナゾがナゾを呼びますね…」
「ふむ…。解読のポイントは2行目、テレビを見ていたという箇所だな。
これが詩全体の中でも異彩を放っている」
「つまり話者は、テレビの中で遭難している人物に同調し
精神的に海の中に放り出されたのですね?
そして、テレビの中で一緒だった人を亡くし
砂浜で波に洗われる自分を幻視している、と?」
「うむ。そう解釈すべき…なのだろう。
しかし、本当にその解釈が正しいのかどうか、全面的自信は持てんな」
「しかしこの詩の不思議な雰囲気…そしてわからなさ。これは、作者の狙いなのでしょうか」
「うむ…。ある程度は、そうなのだろうと思われる。
あぶくさんという方の最大の武器は、おそらくこの不思議な発想力だ。
感情移入の力、と呼んでもいいかもしれんな」
「幻視力、といってもいいですね」
「うむ…一編を読んだだけで、作者のことを決めつけることなどできんが
この、現実と感情移入先との混ざり合いは個性的だね。
<あっちに跳んでみましたアハハ>ではないのだな。
もっと自然な感じで感情移入している、あるいはそういう方法を採っている」
「これまでの七作とは、まるで趣が違いますね」
「詩の中に現れる個性というのは面白いものだね、うむうむ」
「しかしこの詩には、個性的、というだけで済まない問題もあるように思います」
「うむ…」
「私がこの詩を読んでいちばん不思議だったのは、感情をこめて呼びかけられている
<あなた>の像が、いまひとつわからないことでした」
「うむ。それがこの詩の最大の謎だ。海に沈んだ漂流のパートナー。
もしかしたら戦争かなにかで傷を負っていた。しかし…」
「ええ。話者にとっては、そもそも、テレビで見た人にすぎません」
「そうなのだよ。詩の最終的なメッセージが、その人物への思いの表出でありながら
それは、顔も声も性格もわからぬテレビの中の人物なのだ。
いや、もし、我々の解釈が正しければ…だが。自信がなくなってきた」
「いっそ二行目を削り、テレビという言葉を消去する手はなかったのでしょうか」
「いや、それでは普通の遭難の詩になってしまう。
詩としてはきれいにまとまっただろうが、まとまればいいというものではないよ」
「なるほど。しかし、不思議な詩ですね…」
「うむ。それが我々の第一声であり、調査の結論になりそうだ。
しかしあぶくさんという書き手は、奇譚の書き手として
優れた資質を持っているのではないかな。私はそう感じたよ。
わからないことだらけでありながら、魅力的な詩だった」
「はい。ミステリアスに我々を魅了してくれたあぶくさん、感謝です!
これからもどんどん書いてくださいね!」
「なんだかキミ、番組アシスタントみたいになってきたな、助手君…」
A「助手君。今回から、我々のスペックが新しくなったぞ」
B「え?…ああっ先生!会話の前に人物名が!」
A「うむ。某所でクレームがついていたのでな」
B「もっと早く、気づけばよかったですね…」
A「というか基本なのだがな。こんなことすら気づかぬ阿呆が
他人に詩の基本を説くとは笑止だね」
B「まあまあ…。馬鹿をあまり追いつめると暴発しますわ。
それより、今回の調査品は、「かたくな」
>>332ですね。
TxzT3hWzさんの作品です」
A「うむ。では九回目の調査に入ろう。第一連だ」
B「…先生?ずいぶん渋い顔をなさってますね」
A「むう。この第一連は、正直言って、いまひとつだな…。
なんとなく歌い出した、というに過ぎん」
B「書き出しこそ重要、という先生の持論からいうと…」
A「うむ。何よりまずいのは、これが、詩全体の調子から浮いていることだ。
第二連の最初の二行も、あまりにも平凡な語句の連なりだな」
B「き、厳しいですね先生。しかし、三行目は面白いですよ?」
A「そうだな。この<誰か>の連呼は面白い。
このあたりから、じょじょに、詩はノリはじめるな」
B「スロースターターなんですね」
A「そして詩は文語調をまじえ、だんだん格調高くなってゆく」
B「息苦しくなるような自省の詩ですね…」
A「うむ。最後はぴたりと決めて、深い読後感を残すな」
A「読み終えてみれば、第一行での危惧は杞憂だったな。いい作品だった」
B「しかし先生には、言いたいことがおありのようですね?」
A「うむ。感じたのは、この作者の方は、詩の「意味」を追いかけて
詩を作りすぎているきらいがある、ということだな。
詩全体の意味構成からいうと第一連も、なくてはならんものだ。だが…」
B「読んでもらうためには、もっと非凡さを演出しなくてはならないと?」
A「う、うむ。詩は作品であり、作品であるからにはそういうものだ。
音やリズム、ちょっとした喩の積み重ね、つまり技巧が…」
B「先生。私は反対です。私は、この作品はとてもいいと思いますわ。
ぎりぎりに自省をつきつめてゆく姿勢が、詩によく出てますし
文語っぽい言葉遣いの、少しボキボキしたリズムも素敵だと思います。
この真摯さは貴重なものです。人生の重みを感じます」
A「う、うむ…。助手君が言うとおり、この詩はいいと私も思っておるよ」
B「わかってくださればいいんです。
どんどん八方塞がりになってゆく人間関係というテーマと
この詩のある種の硬質さは、見事にマッチしていますものね。
こういう詩を否定したら、詩はただのおふざけになってしまいますわ」
A「う、うむ。しかし、こういう詩ばかりを、人は書き続けることもできん。
絶唱タイプの詩だけでは人は生きていけない。
TxzT3hWzさんの、遊び心のある詩も読んでみたいものだ」
B「ええ、それは私もそう思います。
先生と私で意見が別れましたが、TxzT3hWzさんの心の叫びは
私たちの心に残りましたわ。次の作品を、ぜひお書き下さい。
では、あと1回、みなさまなんとか我慢してくださいませ。
さようなら!」
A「読みにくくってごめんよー」
B「さあ、いよいよ最終調査ですね、先生。
トリを飾るのはユリゴンさんの「なにやってんだか」
>>335です」
A「うむ。長かったな、助手君…」
B「ええ本当に。これが終わったらどこかの阿呆を殴りにいきましょう」
A「その必要はない。もう今頃ヤツは自己嫌悪でズブズブだよ。
さて、最後の調査、もちろん手は抜かんぞ!」
B「さすがは先生!ではまいりましょう!」
A「………」
B「………」
A「…これで、いいのではないかな、この作品は」
B「は?先生、手は抜かないとさっき…」
A「いや、本心から言っておるのだよ。
たしかに、書き出し重要論を唱えてきた私の立場から言うと
この詩の序盤は、なにか言いたくなるところだ」
B「ええ、さきほどは、相当厳しいことを言われてましたね」
A「しかしこの詩の場合は、これでいいのではないかと思う。
詩の内容、作者のスタンスにあったレトリックというものが
あるのだよ。それを今回の調査で、私は学んだ気がするね」
B「…………」
B「なぜこの詩に対して、先生は持論をひるがえしたのでしょう?」
A「…なんだねその目は。私がユリゴンタンハアハア、とか
ボクが幸せにしてあげたいとか、そういう軽薄なことを思うとでも?
馬鹿にしないでもらいたいものだね」
B「第一回でさんざんやってたくせに…」
A「おほん。それはそれ、これはこれだ。心に棚をつくれ!
よく読んでみたまえ。ユリゴンさんのこの詩は、平凡な恋愛話を
平凡に振り返ったものに見えるが…」
B「なにげにヒドいですよ先生…」
A「一行一行のフレーズが、伸びやかに揃っているのがわかるかな?
一行だけ採ると特徴がないのに、全体として見ると
折り目正しい率直さと明快さがあるのだよ。
これはユリゴンさんの得難い美点だな」
B「なるほど…」
A「そういう美点は、この詩に限っては、下手に凝った表現や
メタファーを導入すれば、崩れてしまうだろう」
B「言われてみれば、この作品には、例えを使った箇所が
一箇所もありませんね。全てストレートな叙述です」
A「そして、詩の外にある何かを暗示する記述もない。
それに徹底しているのが、この詩のいいところなのだよ」
B「しかしよく読むと、<孤独の美酒に酔いながら>なんて
ちょっとチクチクする表現もありますね、先生」
A「わ、私はチクチクしないぞ!」
B「それに忘れてはいけない、この題名。ちょっといいですね」
A「うむ。ユリゴンさんは、日本語の基礎能力が高いな」
B「しかし、この詩はこれで完成型になっているとしても
いろいろな詩を書いてゆくうえで
メタファーを使うことは避けて通れないのでは?」
A「そうだな。もしユリゴンさんが、多彩なテーマで
詩を書くことをめざすのなら、例えや暗示を
積極的に使う必要が、どこかで出てくるだろうね。
しかしそれでも、のびのびとした日本語の使い方は
失ってほしくないものだ。うむうむ」
B「先生、それではグッジョブを!」
A「いや、別にそれが作品の出来を表すと
いうつもりではなかったんだが…。
最後だし、いいだろう。ユリゴンさん、グッジョブ!
そのストレートさに乾杯だぜ!」
B「うわ!キモ!」
えー、まず謝らせてください。
長すぎるわ読みにくいわ、つまんない掛け合いは入ってるわ、我ながら最悪の大失敗でした。
ごめんなさい。スレ汚しでした。
ただ、おかげで、そこそこ丁寧に読むことはできたと思います。
で、優勝ですが…。
>>319、
>>320-322、
>>323、の3つまではなんとか絞れましたが
それから先は、どうにもならず…。
作品の優劣でなく、自分にいちばん生理的に近い文体の作品
つまり、
>>320-322を選ぶことにしました。
「痰の具合はどうですか?」の ID:who1Ep6hさん、おめでとうございます!
評の中にも表れてる(全部読む人なんていないでしょうが)と思いますが
今回の10作は、泣けるほど見所のある作品揃いでした。
たぶん、選者が変わるたびに優勝作品も変わる、そういうラインナップだったと思います。
では、優勝者の方に、スレを明け渡そうと思います。
みなさま、ご迷惑かけました&ありがとうございました。
351 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/01/20(金) 09:44:48 ID:FFO+XCwF
>350
お疲れさまです。
大変面白い評価でした。
久々に笑いました。
ありがとう。
皆さんもお疲れさま。
ID:who1Ep6hさん、優勝おめでとう。
>350
堪能させていただきました。ありがとうございます。お疲れ様でした。
こちらのスレッドは、評価人様が神様です。そんなに恐縮なさらないでください。
私はこのスレッドで優勝するのがこのところの目標になってるんですが、ぜんぜんできません。(涙
あ、ちなみに♀ですのでご安心を。細かい意図を本当に細かく拾ってくださって、感無量でありました。
ID:who1Ep6hさん、おめでとうございます!!あの最後よかった。スゴイよかったです。
353 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/01/20(金) 15:24:43 ID:shLW8hzK
長介ジュニア先生、お疲れ様でしたっ!
今回「サラバ記念日」というのを書きました、にーちぇです。
頂いた評についてはまるで見透かされたようで参りました。m(¥¥)m
先着10名に焦って勢いよく書き始めたものの竜頭蛇尾、は納得です。
でもひとつだけ、俺は若者ではありません。(笑)
しかし他の方々への評を読んでも感じましたが、長介先生も小説書きでしょ?
いや、語り手の視点への厳しい眼差しからそう思ったのですが。
それにしてもこれだけの分量書いてきっちり笑わせてくれてしかも自論も盛り込んで、
それなのに時間かかってないとは脱帽です。
前回のボトルネック先生にも言ったけど、俺の立場がないぞ、と。(爆)
みんな凄いなあ。そんで俺って駄目だなあ。
ポエム大会とか揃ってるのにまだ気がつかないことにしてるくらいなのです。(笑)
再度、お疲れ様でした。そして優勝された方、おめでとうございました。
ではでは♪
ジュニアさん、グッジョブ!
調査を押しつ、いやいや、依頼した甲斐があったというものです。
具体的かつ実践的な指摘でこれはさっそく参考にさせてもらいます。
ありがとうございました。
>>351 これはまた有り難いお言葉を…。作品を神秘の秘境にしちゃってすいません。
端倪すべからざる実力を見せていただきました。
>>352 今回も優勝してもまったくおかしくない、というよりほぼ優勝してた作品でしたよ。
おそらく目標達成の日は遠くないと思います。
>>353 にいちぇ先生どーも!評中、勝手に殺しちゃってゴメン(゚┏┓゚)正直スマンカッタ
しかしにいちぇさんの作品は、毎回、万華鏡のように変わる印象ですねえ。
今回もまったくわかんなかったorz
あ、私は厳密に言うと小説書きではないんですが、限りなくそれに近い仕事です。
>>354 生意気なことを書いちゃって怒られるんじゃないかとヒヤヒヤしてました。
ゼッケンさんがオトナでよかった。ホッ。
あと、優勝者さんが、次の審査員のことで悩んでおられるようなのですが…。
Y.TAKEOさんはいかがでしょうか?>優勝者さん
私もお話したことがないのですが、凄い詩を書く人で尊敬してます。
やってくれないかなあ。
あ、出過ぎたまねでしたね…。「選者を決めるのは優勝者の特権」なんだから。
すいません。あくまで参考までに、ということで…。
長介ジュニアさんありがとうございます。お疲れ様でした。
>>320-322「痰の具合はどうですか?」を書いた者です。
詳しく存知あげないまでも、さすが、と言いたくなる楽しい評でした〜!
内容については、医療に詳しい方ならそのように読んでくれるでしょうし、
そうでなくても読むのには問題ないようにしました。もちろんこれは、
事実を元に要素を抜き出して書いたフィクション、です。
現実はもっと複雑なの要素が絡み合ってて、悩んだり困ったり
してる訳ですが、シンプルに一つのことを書いてみました。
私としては、相手を思いやるよりも自分を守るために主張に走った
作中人物に突っ込みを入れて欲しい所だったりしますw
それで早速Y.TAKEOさんにお願いしたいと思います。
Y.TAKEO様 Y.TAKEO様 お世話になっております。
一度ナンマイダしてもらいましたcレールと申します。
よろしかったらぜひこちらの選者をお願いしたいのですが。
ここと雑談に走って来ますのでみなさまお待ちください・・・・
358 :
ユリゴン ◆KL50G.YURI :2006/01/20(金) 18:27:52 ID:M1yDwfWh
>>347−349
長介ジュニアさん、評価をありがとうございました。
みなさんの作品とあわせて楽しく読みながら、勉強もさせていただきました。
>多彩なテーマで 詩を書くことをめざすのなら、例えや暗示を
>積極的に使う必要が、どこかで出てくるだろうね
私へのご指南、これからの課題にさせて頂こうと思っています。
ID:who1Ep6hさん、優勝おめでとうございました。
長介ジュニアさん
とても楽しい上に、含蓄のある評をアリガトウございました。そしてお疲れさまでした!
今回、「かたくな」(
>>332)を書いて参加させて頂きました。
仰るとおり、テクニックやレトリックというものを殆ど身につけないまま
審査委員である長介ジュニアさんや、他の投稿者のみなさんの胸を借りるつもりで
書いてみました。色々と勉強させて頂くことができました。
もちろん、全ての評も全部読みましたですヽ・o・ヽ
cレールさん、おめでとうございます♪
他の皆様も、お疲れさま…というよりも、ありがとうございました。。。
>>357 ていうかCレールさんって、梁山泊の優勝者じゃないですか!
そんな人相手に「これからも詩を読みたいものだね」とか書いちゃいましたよ…。
あー恥ずかしいなあもう。
あらためて、おめでとうございます。
>>358 めっちゃ偉そうでしたね。あれは先生とやらが言ったことですので、どうかご勘弁を…。
「どこかの阿呆」にはとてもそんなこと言える資格はないっす。
直喩も暗喩もまともに使えたためしがないし。お互い精進あるのみっすね。
>>359 ああ、あなたもか!
名無しさんがみんな名のあるコテさんだということを知ってショックによろめく俺。
ほとんど梁山泊しか見てなかったから、そういうのアリだと思ってなかった…。
どうりでなー。レベル高いと思ったんだよなー。
ちょっと評の中で大げさに書いちゃったきらいがあって、じっさい「かたくな」は
けしてテクニックがないなんてことはない作品でした。むしろ逆。
私はとても好きでした。助手君の意見に限りなく近いです。
『何処で』を書いたミミンです(*_ _)ペコリ
長介ジュニアさん,審査お疲れ様でした(>_<。)
お題をみて即興で書いたんですが,ちょっと最期が自分でも意外な方向で驚いてます(笑)
相変わらず,周りは豪華キャストで審査内容も楽しく拝見出来ました♪
また参加していくつもりなのでよろしくお願い致しますm(_ _)m
cレールさん,優勝おめでとうございます!
わ〜い。また、わけわからんもの書いちゃった〜。
わ〜い。電波だ〜(涙)
長介ジュニアさん、審査ほんとにお疲れさまでした。これはもう、解析ですね。謎解き好きとしてはたまりません。
私の作品は構成の詩なんですね。そんなことすらわからず書いてます。
今回、梁山泊でのアドバイス《破綻と飛躍》(いえ、破綻を奨められたわけではないんですけど)を念頭におきつつ書きました。破綻してもいーんだと思うと、すごく気が楽です(笑)
内容はただの愚痴で、わけわからないものできちゃって、長介ジュニアさん、困らせたみたいだけど、批評していただけて私は満足してます。てへ。m(__)m
cレールさん、優勝おめでとうございます。淋しさを間のあたりにさせていただきました。
ありがとうございました。
>>361 評ではちょっと悪ノリしちゃってすいませんでした。
面白い作品でしたね。アナザーミミンとして売り出してもいいかも(笑)
>>362 いえいえ、困るなんて。
この作品が魅力的だといったのはお世辞じゃないです。なんか惹かれる詩でした。
個人的に、こういう方向性の詩は好きですし。
364 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/21(土) 08:45:59 ID:PkBkOCMj
えー御指名ありがとうございます。
あまり、こういう機会がないので参加させてもらいます。
DVD採集が趣味なのでお題は映画です。
お題 映画
投稿期間 1/28(土)まで
採点期間 1/31(火)までの予定
投稿の条件
あーあまり今回の評価人は賢くないので
英語(中1レベル以上)・漢詩とか難しいのは勘弁してください。
じゃよろしくお願いします。
呼び鈴が鳴った。古アパートの玄関を振り返る。
こちらが開けるのを待たずに硝子戸がガラガラと乱暴にひかれた。
女が一人立っていた。
赤子を背負っているようでねんねこをはおり、化粧ッ気のないおかっぱ頭の中年女でお世辞にもきれいだとはいえないご面相。
何を怒っているのか顔が歪み、白目の目立つマナコがふるふるとゆれてこちらをにらんでいる。
見覚えも全くない女で、一体何事なんだ?と怖かった。
「あんた、いい加減にしてよ!」
と、女は言うなり、づかづかと部屋に踏み込んできた。
「あたしたち、今日からここに住まわせてもらいますからね。家族なんだから当たり前です。」
「はあぁ? お前いったい何モンだよ」
「ああ、またそういう事を。情けない、忘れちまったんですか? あたしはあんたの女房で、この子は長男の均です。」
「俺は結婚なんかしてやせんぜ、おまえさん人ちがいしてないか?」
「してません。」
女と赤子はずっぱりと言い切ったまま、俺の部屋に居座った。
ベビーカー一杯分の荷物が運び込まれ、紙おむつやら着替えやらが部屋の片隅に積まれていく。
その所帯臭さに押しやられるように俺は黙り込んでしまった。
毎朝6時、日雇い土方仕事へ出るわけだが、翌日から朝ご飯が出現するようになった。
仕事上何がいるかよく知った風で、ペットボトルに入れられた冷やし麦茶と凍らせた麦茶2Lが何の説明もなしに
テーブルの上に置かれる。その用意周到さを気味悪く思いながら、正直ありがたいと持って出る。
その日一日考えこみつつ、いつもの飲み屋で夕飯を食べてから帰途につく。
灯りのついた硝子戸が夜目にまぶしい。
「おかえんなさい」
「おまえさん、まだおったんかい。」
「あたりまえでしょ、夕飯はどうしますか?」
「もう食ったよ。」
むずがる赤に乳をやっている。中年と思ったのは間違いで、白い乳はまだまだ若さを感じさせるものだった。
プツンと張りのある乳房を惜しげもなく出して口に含ませる。30前の肌だ。
「ほう、母乳か。」
「安いですからね」
口では蓮っ葉ないい様だが、顔はうっとりと赤子を見つめ、母の顔とはこういうものかと思った。ひとっぷろ浴びて寝る。
コップに雑草が挿してあった。
数日後、「今日は夕飯も頼む」といい置いて、1000円を渡す。
この女を抱いちまったら俺の負けなんだろう。
まあ、このご面相だ、赤がいるっつだけでも不思議ってなもんだ。いや、どこのどいつがこんな女に、はは。肌が白いぜ。
しかし女ってなあ体臭がきつい。乳やってるせいなんやろか?脂粉てなあこういうのいうんだ。
歌なんか歌ってやがるぜ。雨が降ってきやあがった。仕事はなしだな。
「今日はタンポポかぁ。」
367 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/22(日) 21:00:46 ID:o8Nxd+sC
ねんねこ・呼び鈴 など細かいところで昭和初期のイメージが出来あがる。
マンガで言うところ『三丁目の夕日』西岸 良平 著なんかが出てきますね。
見知らぬ女が突然押しかける。というSSなどはよく見かけるのですが
どのように締めたのか? というのが全然思い出せない。
岸田劉生の絵に出てきそうな女を思い浮かべる。娘の絵だったか忘れたがヤタラ老けて見えるのだが実は10歳くらいの年齢だったりする。
なんだが作品中の乳で実年齢を計るような感じなんですけど、オッパイの資質・脂質
の表現が目立って見えるのは俺がオッパイ星人の資質があるのか?
それとも、作者がオッパイ星人なのかのどっちか? であろう。
この作品のタンポポというのは風媒花だったけな 風に揺られてさ迷い辿りついた
所で花を咲かせるというヤツですね。 作品中の子持ちの女と綿毛タンポポのダブらせ方がうまいですね。
真っ先に映画を思い浮かべるのは伊丹十三監督作品 タンポポ
368 :
ボトルネック(ノ∀`) ◆P350za861k :2006/01/22(日) 21:27:25 ID:pZ762UJL
「数箱〜立方の連鎖」
繰り返される箱の中
消えてく一人、また一人
切断、そして崩壊
繰り返される箱の中
消えてく一人、また一人
発射、そして溶解
あまたある棘、切り立った崖
蠢く箱は人を惑わせ
拡散、霧散、四散する
キーナンバーは素数の並び
因数、素数、誤りながら
キーパーソンは自閉症
反響言語の世界に生きる
立方の中に四次元立方
時間、空間、ねじ曲げられて
始まり、すなわち終わりとなって
数箱、未だ謎に包まれ
人間の唄はいつしか消えて
369 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/22(日) 22:07:39 ID:o8Nxd+sC
>>368 スタンリー”キューブ”リックは異才奇才だなと思う。
まさか、自分の名前の一部を映画のタイトルにしてしまうなんて
まさに映画バカだなとつい10秒前くらい前に思ってた。
するとどうやら違うらしい。すたんりーは関係ないらしい。
ヴィンチェンゾ・ナタリ という方が監督 低予算でヒット作品を作るって男の
ロマンだなぁと思う。 『1番怖いのは人間なんだよ』というテーマなのかもしれないが
子の映画を見て俺が1番最初に感じたのは『困った時は何もせずにダラダラしてりゃいいじゃん』
という駄目人間的な発想ですね。
作品内の文章の作り方がキッチリしてボックスを表現している所が偉いです。
読んでいくうちに『あんなシーンこんなシーンあったなぁ』と思い出させられる
シッカリした案内作品ですね。
真っ先に映画を思い浮かべるのは言うまでもなくCUBE キューブ
それとバイオハザード 監督 ポール・アンダーソン 肉切断シーン
370 :
いいの:2006/01/23(月) 00:28:41 ID:6mAhuHe2
いいの
また精神(こころ)が麻痺するだけ
いいのよ
取り戻した感情がなくなるだけ
ありがとう
彼岸の淵に押し出してくれて
大丈夫
元に戻るだけだから
澱んだ欲望はいつも理性を越え
胸の中で荒れ狂う
何かに縛られたいのに
何かに縋りたいのに
逃げていく至福
避けられる希望
張り付いてる不安
背負ってる縮図
振り子が揺れる
…私も揺れる…
鴨居に揺れる
影,一つ
「Become Big Boy」
思春期の中学生あたりが こっそりとイヤホンをつけながら部屋を暗くして聞く
そんな層が多かったんじゃないだろうか あの番組は
…“トゥナイト2”のことだ
その番組内 いつだかやっていた香港映画特集の中で
巨根で悪漢をバッタバッタとなぎ倒すコメディ映画があった
タイトルは忘れたが とにかく笑いをこらえるのに必死だった
そんな思い出を残しちゃってる 当時童貞の僕もまた
思春期の中学生のひとりだったんだよなあ…
さて時は流れて いつしか恋愛と失恋のサイクルに組み込まれた僕
現在はちょうど後者に突入したとこ
とくに彼女を怒らせるようなテクでもサイズでもないってのに
たぶん向こうが怒りっぽいだけだろうね やれやれ
“現在当方 「ブギーナイツ」を一緒に見ても
平然としてられるような相方を絶賛募集中でございます
どなたか 立候補される方はおられませんか”
…まあ いないよな それでもいいや
コメディ映画でも見るとしようか
僕はテープの擦り切れた「ホットショット2」のテープを
付き合いの長い相方 いわゆる古びたビデオデッキに押し込んだ
372 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/24(火) 01:26:26 ID:6lIYRLNb
370
うーん 難しい 映像にし難い。 精神的なサスペンスの空気がある。
>振り子が揺れる
催眠効果を表わしている。催眠が絡んだ映画で言うと
『ザ・セル』 ターセム監督 っていうのがあった。
しかし、どうも日本っぽいところがある。入水って言うイメージもあるしホラーのような
見たこともないが『死国』っていう映画のワンシーンなんかも出てくる。
入水自殺とは少し違うが『犬神家の一族』の万歳死なんかも出てきたが、
マヌケに映ってこの作品とはあわないな。
最後の部分が絵になるのだが自分の記憶と当てはめるのが難しい。
入水自殺記憶喪失サスペンスホラー系映画
あーなんだかありそうでなさそうなぁ
うーん、元があるのかなと悩んだ作品です。
373 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/24(火) 01:28:08 ID:6lIYRLNb
371
タイトルは中学1年生の英語のギリギリである。
というか俺のギリギリ限界英語。
いやいや、しょっぱなから、きわどいところを攻めてきたなぁ という感じだ。
『トゥナイト2』
年代は1975生まれぐらいかな 今で言う所の30前後の世代ぐらいだな
作品を書く上で万人向けを狙わずに作品として年齢を区切ってしまうところが潔し。
・大人の絵本・11PM、EXTV・ギルガメッシュナイト
などさらに細分化される。
え? 知らない 知らない女子供は引っ込んでろ
という感じで年齢性別を限定させる作品。まぁ俺は内角いっぱいストライクゾーンだ。
巨根ヒーローが活躍するB級映画は
なんとなくジャッキーチェン扮する『シティーハンター』を思う浮かべてしまう。
多分、違うだろう。あの作品はA級映画を作ろうとしてB級映画になっちゃた。というパターンだ。
多分、この作品の中に登場する巨根ヒーロー映画はきっとB級映画を作ろうとして、しっかりB級映画に仕立てたものだと思う。
こういうB級映画は心を許しながら見れるB級映画であり娯楽として成り立っているのだ。
『ブギーナイツ』ポール・トーマス・アンダーソン監督はアカデミー賞授賞作品
『ホットショット2』ジム・エイブラハムズ 監督は他の映画を
知らん人にはさっぱり分からんネタが満載である。ランボーだけしか知らんとキツイかなぁ
なんとなく『ホットショット2』でおさめる所が『知っているヤツには分かれ』というメッセージが篭っている作品だなぁ
『砂の女』
期待どおりにいかないのが世の常
希望がそのまま眼前に立ち現れる事なぞないのが世の慣らい
小説の映画化に胸躍らせるな馬鹿者よ
しかしあったんだ
ひとつだけあったんだ
安部公房作『砂の女』
活字を追って描かれた世界がブラウン管にひろがっているではないか
砂が吹き込んでくるようではないか
砂に閉ざされそうではないか
騙されたような感覚
もちろん逆説
感動と満足の逆巻くこころ抱えエンディングロールに目を凝らせば
脚本安部公房の文字
ビデオを観ていた二時間足らず
私は『砂の女』を創り上げた安部公房の精神世界を目の当たりにしていたのであ〜る!
後日
寺山修司監督の『さらば方舟』を観たのだが
なぜストーリーがマルケスの『百年の孤独』なのだ?
エンディングロール何度も確かめたが
謎は解けないままだ
「眠りにつく頃」
人気の映画を観るのなら 映画館がいいよ だって
暗いひとつところに人がたくさん寄り添って
まるで原始人だね 洞窟の奥で 焚き火の薄暗い炎が
壁画を浮かび上がらせている 夜 狼の遠吠えはここでは別世界の出来事で
安心して物語に耳を傾けていると 眠くなってしまう
彼らが眠りにつくのを 洞窟の外では ぼくらのご先祖のクロマニヨンが
切れ味するどく磨いた石の槍を持ってにやにやしながら待ち構えている
ほら、ぼくの部屋のドアのすぐ外にも石の槍を持ったとなりの部屋の男が立っているじゃないか
アルコールとなにかのクスリで一晩中おめき泣き、KILL ME or KILL YOU と叫び散らすあの男が
今夜は 一晩中 地獄の黙示録を大音量で流して 繰り返し繰り返し 一晩中見るつもりなんだろう
眠れないぼくも石の槍を取り出し、磨きながら、男が眠りにつく朝をにやにやしながら待っている
376 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/25(水) 20:10:10 ID:Nc+rLl0o
>>374 『砂の女』 安部公房作 ・読売文学賞授賞・最優秀外国文学賞だとさ。
この名を聞いたのは3回目ぐらいである。 一つは本の雑誌だがなんだかの
レビューだった。もう一人はあぶくさんと同じSS書きの人から
「嗚呼〜いいよ 安部いいよ 女は蟻地獄なんだよ」とシラフだけど酔っ払ったように語ってくれたのだが、『ん? 女=蟻地獄?』と読もうとは思わなかった。
で、今回で3回目だ。 しかも、今回は映画とオマケつきだ。映画になってるとは
しらなかった。俺の知らないところで世界は回ってるんだなぁと感心したのだが検索して見ると映像化されたのは1964年 ん? 俺、生まれて無いや 覚えがなくて当然ですね。
今じゃモノ書きの行き場は沢山ある。番組・映画・CM・マンガ・新聞・雑誌・ラジオ 様々な場所があるわけだが当時のモノ書きって活躍する所は本当に少なかったと思う。
この時代に「本→映画」という流れの基礎を作ったんだろうな。
あぶくさんの作品を読んであらためて『砂の女』 安部公房作を読まないといけないなぁと思うのでした。
寺山修司監督 『さらば方舟』
実は知らん。これっぽちも知らん。えー俺は真面目で勤勉な詩人ではないと自覚しているのですが、俺もここまでいくとひどいなぁと痛感しました。
今さっきまで寺山修司が詩人っていうのをしらなかった。
『ほーしかもエロ系を書いてたのね。 ほーあんた詩人だったのか! すまんすまん
気難しそうな本だと思って敬遠してた。』と心の中で謝ったのです。
勉強なりましたありがとうございます。
377 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/26(木) 18:26:34 ID:azJ9/4lN
>>375 多分、墓場スレだと思うけれどメディアの中の猿について適当に色々書いた。それとダブル部分が
あるのだが、やはり映画の中の猿は2001年宇宙の旅だな。これは譲れない。
でも、作品の猿はもう少し進化していてクロマニョだ。中学校の社会歴史教科書を思い出してもらうと分かりやすいのだが
『猿→ちょっと猿→やや人間→人間』という順番に並んでいた図があっただろう。クロマニョはかなり人間に近いところの『やや人間』の分類だと思う。(俺の記憶が正しければだが)はじめ人間ギャートルズだとかそのくらい。肉は例の原始肉よ。
作品中の地獄の黙示録 フランシス・フォード・コッポラ 監督 検索して確認しなおしたが
コッポラのフルネームってキリシタンな車って感じだったんですね。
映画を繰り返し見るという行為は音声を日本語とか英語にしてイントネーションの違いを楽しむ。『ポリアスアカデミーはやはり日本語吹き替えだな』とか『ジャッキーは石丸博也さんだよ』とか通ぶりたい映画ファンの心理なのだ。
これがアニメだと細かいセリフの言いまわしを覚えているから、他の国の言葉を勉強するのには
丁度良い。 ちなみに英語はほとんど分からない俺でも『嗚呼、お前の言いたいことはよく分かる』
と世界と言葉の壁を越えた親近感を感じることが出来る。
ビデオなら出来ないがDVDならではの楽しみ方である。こういう映画観賞をしていると
インテリっぽいと勘違いするが、他人から見ると『何度も同じ映画をみてキ〇ガイ?』と思われるのが
オチなのだ。
"ねらわれた学園エスパーロックンロールZ"
ハーイ僕はハイスクールに通う平凡な高校生
ところが理科の実験最中にボカーンといっちゃって
ポカーンと逝っちゃうかと思ったら超能力を手に
入れてしまったのだから、人生は不思議フリフリ
フラダンスってもんだネェ、なんで手に入れたか
っていったらそいつはタマタマだけにタマらんこと
にタマってタマってってもーボクデンプシーロール!
でもってノックアウトされちゃったんだな
そいでもって人間ってものをあーっさりと
すっとばしちゃって性欲丸出しのお猿さんに
なっちゃったボクはもうカワイ子ちゃんを
眺めるだけで、ミラクルパワーが働いちゃって
ウヒョウかわいこちゃんのおパンツチラチラ
ポロリオッパイに僕のハートもポリシー丸出し
どこかも丸出しってワケ、かしこ。まるーって
感じに肝心なこと忘れちゃこまるよボク太一郎
あなた再起動道なき道は赤信号は怖くないって
感じに走って走って三千里ってとこで
だけどボクのカゲキな暴走をストップさせてくれる
赤信号のワタナベ、じゃない、学園のアイドルキャサリンが
なんとお堅ーい生徒会に狙われちゃったから大変なんだな
またその生徒会ときたら、学園をつくったエラーイ人を
復活させるためにキャサリンをいけにえにしようと
してるってんだからさあ大変だ!キャサリンを
助けに行かなきゃ!でも着替えも覗かなきゃ!
でもこんな美味しいことは二度とあったら
そんなに人生甘くない、だけど味の素はフリフリ入れて
楽しみましょうって感じでそれはこれはでもう大変
恋とスケベとどっちをとるか!青春の究極の選択!
こいつはもうマイケルジャクソンも
ビックリのスリラーってこと!なぁんと、あのアリスクーパー
まで巻き込んでこりゃあもう学園はロックンロールさ!
流れて行く文字を眼で追う事もなく
記憶を辿りながらあなたは
ポスターのような表情で口を半開きにして
BGM と銀幕に反射する青白い光に晒されながら
ただひたすらにフィルムの終わるのを待ってるんです
名残惜しむように眺めるその視線を
寸断するよな広告が流れ出すその前に
あたしはココを出たいのに
381 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/01/28(土) 02:07:57 ID:KvP48M7s
『名画座奇譚』
さびれた小屋にも売店はあった。私は三本立ての名画座でお目当ての一本だけを観るために、
どことなくすえた臭いの長椅子に腰掛けて時間を潰している。売店の女の子はキオスクの店員の
ような懐かしい事務服でぼんやりと目線を下に落としている。何を見ているのだろう、と少し興味を
持ってしまったのはただの暇つぶしに加えて、場末の映画館には不釣合いな若くて美しい異性の
魔力というものだったに違いない。私は煙草をきちんと根元まで吸い終えてからおもむろに立ち上がってみたのだった。
視界の影に私の動きがどんよりとした館内の空気を運んでしまったのだろう、すぐに彼女は顔を
上げた。私と目が合っても無関心なのかその視線に拒絶がないのは救いだった。私はにこりと
笑いかけるのも変なので、気だるい表情を保ったまま売店へと近づいていく。彼女は耳にかかった
セミショートの黒髪をかき上げるとすぐに手元の何かを閉じる仕草をした。客の相手、という仕事
モードに頭を切り替えても慌てた感じはなく、極自然に振舞うことのできる社会人としてのそつの
無さが却って私に好印象を与えてくれる。そんな落ち着きをみせる女の子は私にほのかな微笑み
を投げかけると「いらっしゃいませ」とやけにハッキリした口調で軽く会釈をした。
私は汚れの目立つガラスケースの陳列棚を眺める振りをしながら少し決まりが悪くなって頭をかく。
あきらかにたった今私の耳に届いた彼女の声に不意を食らっていた。いらっしゃいませ。
未だかつて聞いたことがないような不思議な清涼感溢れる声色だったのだ。「パンフレットは・・・」と
言いかけた私は彼女の整った顔を正面から間近で見る。今度は口角を上げてしっかりとにこやかに
私に笑いかけてくれている。その破顔といってもいいくだけた表情の意味がわからず混乱する私。
「次の映画のパンフレットですよね?」と彼女は今度は無邪気な調子で、しかしあの美しい声色は
そのままで客の私に尋ねてくる。返事をし損ねた私に構わず彼女は机の上の小冊子を取り上げると、
「この映画、私も大好きなんで今読んでたところなんです」と今にも舌でも出しそうな気安さで語りかけて
くれたのだ。「ああ、そうなんですか。僕も好きで・・・でも観るのはこれでやっと2回目なんですけどね」
(つづく)
382 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/01/28(土) 02:10:23 ID:KvP48M7s
(つづき)
「私はもう30回以上観てるんです」「えっ、そんなにですか。まだお若いのに・・・」
何か言いようのない不思議な気分に包まれていく。私がこの映画を初めて観たのは今から二十五年
以上も前のことなのだ。
私の三十倍以上この映画を観ている若くて美しい女の子。世の中は広い、という感情がそれまでの私の
彼女に対するオヤジ臭い好奇心をきれいさっぱり洗い流していたことに気づいたのは彼女との映画談議に
花を咲かせ終わったあとのことであった。
私は結局パンフレットを一冊と酢昆布を一個買って博識な店員に会話の礼を言って立ち去った。気持ちの
いい暇つぶしが出来たことに加え、映画という趣味の同好の士に出会えた喜びが前の映画が終了したことを
気づかせず、なぜロビーに人が増えてきたのか一瞬訝るくらいに私は高揚していたかもしれない。前の客が
ぞろぞろ出てきただけだと納得するにはおよそ数十秒を待たなければならなかったほどだ。
開演のブザーが鳴る。客は私と他に数人しかいないようだ。三本立てを全部見てやろう、という暇人が残っている
だけなのだろう。そしてロビーには私ひとりしかこの映画を待っている者はいなかったのだ。
もともと大入りだったはずもないが三本立てのうち二本まではこの映画館にしてはそこそこ入っていたように思う。
そしてあきらかに三本目のこの映画を観ずに多くの者が去っていった。人気のない古い映画。そのことを残念とも
思わない。もともとなぜこの映画が今回のラインナップに入っていたのか不思議なくらい知名度のない映画なのだ。
名画座で上映とはいってもあきらかに私の好きなこの作品は「名画」とは違う。実際一応は映画ファンを自称する
私の乏しい知識でもこの映画が誉められている記事など読んだことがない。たぶんB級と胸を張れるほどの
「過剰さ」もなかったような気がするので当然カルトな人気があるわけでもないのだろう。
そんなことをぼんやり考えながら、なぜ私はこの映画が好きだったのだろうと自問する。
しかし二十五年前に一度見ただけというおぼろげで頼りのない記憶からは答えは見い出せない。
(つづく)
383 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/01/28(土) 02:12:16 ID:KvP48M7s
(つづき)
ここまで考えて私は少し先ほどの売店の彼女に初めて疑いの目を向けた。この映画の話で二人で
数分間の時を共有したのは事実だが、実際には私はそのあらすじすら記憶にはないので彼女の話に
相槌を打っていただけなのだ。そしてその話にしたって、この映画の監督についてや脚本家についての
トリヴィアルな知識を一方的に聞かされただけだったのである。
どこが良いのか、という肝心な話を彼女はひとつもしなかったことに今更のように気づいて苦笑する。
こんな映画を若いのに30回以上も観ているという映画マニアの女の子のことだ、どこが良いのかなど
という素人臭い話よりもマニアックな知識を誰かに喋りたくてしょうがなかっただけなのだろう。
そう考えたところで腹など立つわけはない。むしろさらに微笑ましく思えて私は愉快な気分のまま
丁度始まった映画をまばたきも惜しんで迎え撃とうとしていた。
酢昆布のセロファンを暗闇の中で剥がす。口さみしくなったのではない。実は上映されている二十五年
ぶりのこの映画にどうしてものめり込むことができず、それどころかすっかり飽きてしまっていたのだった。
なぜこんな駄作を好きになったのだろう、などと考え始めたらもういけない、ちっともスクリーンに集中
などできなくなっていた。歳を取れば印象が変わるということなのか。いや、それにしてもすべてのシーン
にまったく覚えがないのには辟易した。そしてそれらはことごとくつまらなかったのである。
酢昆布にふりかけられた白い粉がポロポロこぼれるように私の今日の上機嫌さは失われていった。
煙草を吸いにいきたくなって席を立つ。しかし思い直してまた座るという動作を何度繰り返したことだろう。
最後まで一応見届けようという貧乏心と売店の彼女に見られるのが恥ずかしいという気弱さだけが私を
安っぽいバネ仕掛けの椅子に縛りつけていた。
もう映画はラストに近いのだろうか。何やらありふれた三角関係と下手糞な心理描写を模した意味不明の
風景カットの繰り返しが途絶えて、突然今まで出てこなかった登場人物が現れる。海辺のカモメが舞う浜を
見下ろす高台でひとりの老人が揺り椅子に腰掛けて編み物をしているのだ。そしてそのままカメラは大きく
大空へとパンして雨雲混じりの曇り空を映す。
(つづく)
384 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/01/28(土) 02:14:16 ID:KvP48M7s
(つづき)
その曇り空を背景にエンドロールが流れていく。斜め前に座っていた初老の男が立ち上がる。
コートを羽織り身支度をはじめている姿を横目に確認しつつ、私は泣いていた。
このラストシーンだったのだ。
カモメの舞う浜辺を映したあとにどこまでも高く高く追っていくのは空の色。
このカメラの大胆な動きに二十五年前の私は虜になったのだということを今はっきりと思い出していた。
最後まで観て良かった、と溢れるものを拭いもせず幕が閉じて場内が明るくなるまで、私は
放心したように座り続けていたのだった。
やっとのことでロビーに出たあと、あの売店の売り子の彼女を探した。
しかし最終上映だったためかすでにその姿はない。
あの長椅子に座って煙草に火をつけた。くゆらせる紫煙が天井に昇るのを眺めながら、
私はあのラストシーンを何度も頭の中でリプレイしてみる。
あっ、と思ったのはその時である。一瞬だけ映った編み物をする老婆。私はあの老婆の横顔を
つい先ほど見たばかりだが、空の美しさを捕らえたカメラワークにすっかり気をとられてしまっていた。
あんな老婆は二十五年前のこの映画には出てこなかった。
そしてふいにあの老婆の横顔と今はいない売店の女の子の横顔が似ていたことに気づく。
何もかもが私の中で繋がった。
確信を持って目の前の売店を見れば茶色いパーマをあてた中年の女性が後片付けをしている。
私は彼女に声をかける。「すいません、あなたの前にここにいた黒い髪の若い女性は・・・・・」
その答えは充分に私を満足させるものだったことは言うまでもない。
(fin.)
385 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/28(土) 08:08:51 ID:YV9zpENO
378-379
家族団欒で金曜ロードショーを見ていた時に予告が流れる。
この数秒間の映像でも団欒の空気が凍ったのを肌に感じた。外国では家族で肉を食いながらこの映画をみて『HAHahaha…』と腹抱えて笑ってるのだろうか? 外国人って凄いなぁと子供心に思ったのだ。
この映画タイトルが『超能力学園Z』ロバート・J.ローゼンタール監督である。
一体、何がZだったんだろう? ガンダム・ドラゴンボールでも段階を踏んでZになったわけだし、いきなりZからかよ!
どんな、終り方だっけ? おっぱいしか覚えて無いぞ。 と思う方も多いだろう。安心してください俺もその一人だ。
しかし、B級と呼ばれても見た人に何かを残せれば、それは監督の勝ちである。
勝ち負けで表現すると曲がってしまうがもっと軽く表現すると『してやったり!』だ。
『超能力学園Z』と聞いて『チアガールのおっぱいぼよよーん』と思い出した人は
監督にとっては『してやったり!』なのである。
パロディーとしてタクシー・ドライバー、キャリーとかあった。
つまり、馬鹿なんだ。B級映画を作ろうとしてB級映画になった映画です。今じゃ作れないんだろうなぁこういう馬鹿映画、分かりやすいシンプルな馬鹿映画って最近見て無い。
日本語の吹き替えがヨッちゃん野村義男
平成生まれよ! たのきんトリオって知ってるか?
その他にも登場人物が出てくる。
赤信号のワタナベ…渡辺 正行 ワタナベ マサユキ 千葉県出身元コント赤信号のリーダー
アリスクーパー…Alice Cooper ロックアーティースト
マイケルジャクソン…白人なのか黒人なのかよく分からない人
映画の雰囲気を詩にそのまんま移植すると378-379のような感じ
になる。えー懐かしい映画を思い出させてくれてありがとうございました。
386 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/28(土) 08:36:04 ID:YV9zpENO
>380
なるほど、そういう切り替えっていうのはどちらかというと女性の方が早いのかもなぁ 出入り口・トイレが混むからさっさと出ようとか考えるのは合理的で大人っぽい人なのだ。
エンドロールが終るまで待ってるというのは映画に入りこみやすい情熱的な人が多い。こうかくと元もこーもないので避けようとしたのだがようするに『子供っぽい』事だ。
こういう人はカンフー映画では見終わった後はジャッキーもしくはリーになるのだ。そのスイッチがエンドロールである。実はこのエンドロールがスイッチなのだ。エンドロールが終り
館内がライットアップすると『嗚呼、第2部を俺がはじめなきゃ』と自然と
考えるわけである。というより本能で考える前に体が動いてしまってる。ようするに洗脳に近いのだ。つまり、エンドロールを見ている時は洗脳タイムなのでマヌケな顔をしていて当然だ。
これはカンフー映画だけでは無くアクション全般でもいえる事だな『嗚呼、第2部を俺がはじめなきゃ現象』これは本能だからしょうがないと思ってほしい。
ホラーが多いのだが『まだ何か仕掛けがあるかもしれない』こういう期待感。
もしくは腰が抜けて動けない。
あまりにもつまらないので寝ている。
この時期だと外が寒いから出るのが億劫。
などなど色々理由があるのだ。
俺は作品中の男と重なるのでフォローする感じですが
席をどっこいしょと立ちあがると現実になるわけで、すぐに立ち上がるのは億劫なんですなぁ
余韻とか考えたりとか儀式的なものなのでエンドロールを最後まで見る事は許してほしいですね。 心に余裕をもって見る映画っていうのは良いもんですよ。
387 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/28(土) 09:36:56 ID:YV9zpENO
>>381-384 良い作品だ。
えー書き忘れたのですが、ネタバレしてるのもあるだろうし俺の『かんそうぶん』なんか読まずに先に作品を読んでほしい。
俺にはこういうのスジを仕組むには苦労するから作り手としての視点
で良い作品と思う。どうしてもこういうモノを作る時には自分を出してしまう傾向
がある為に主人公となる語り手の描写を強く書いてしまうからだ。
(太いキャラが1本あると話を進めやすいから)
よくよく、考えてみるとストーリーの長さを考えると、主人公に読み手の感情を乗っけて進める必要がそんなにないのだ。 長編になるとダベったり
マッタリしたりメリハリをつける為に主人公を強く書く必要があるので短い作品だったらそんなに必要ないもんなぁ この作品は話の筋だけで楽しむ事が出きる。
序盤に売り子のねーちゃんを強く書くのが良いですね その後に読み手の意識を『忘れてしまった映画の内容』に向けさせて、うまく着地を決める。
うん見事、立派 3点リーダーがどーだとかいうのがめんどくさいくらいだ。
『こりゃ詩としては長いんじゃないのか?』と疑問に思う方もいるだろう。
実は言うと俺は詩の定義だとかSSの定義だとかイマイチわからん。
俺が読んで良い作品というのは『読み手に読んでもらう』という意識が読み取れる
作品が好きですね。
まぁ面白ければええじゃないかと思うのであります。
388 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/28(土) 09:45:32 ID:YV9zpENO
今、気がついたのですが今日が期限ってなってますね
えー思ったよりも余裕があるので
日曜日まで受けつけます。
あー暇な方 参加してくださいな
389 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/01/28(土) 11:06:37 ID:e8LoCe22
『結局私に回帰する己の未熟と脆弱さ』
Gの夢、希望の時間、おとなのじかん
ハゲは冷めた眼で視て影に消えた
赤い女、新宿の女、彼女は背が高い
私は言葉に詰り、泣き空の奥襞毛
倶利伽藍悶々、擦って学ぶ
パーマをあて、真昼に空を見る
雲は強烈な匂いを発する、ムラっぽい雨も
都市のビル群、やはり彼女、赤い女
直線的な道路と踊る、ダンス・ドゥーブル
ハイヒールではなくスニーカーで
Aの夢、悲しい時間、赤い時間
あっちこっち彷徨う、乾いた道路と涙卒塔婆
胸の奥で笑う小人、ビンゴゲームとワイン、外は元気
陥没の幼回路、地平の上のイチジク、前
まだ見る、まだ視ている、空を、光と影を、見つめている
視線が交差するほど愛おしいのだが、真実は嘘
拠る濡れた芽で、暗闇を凝視、熟視、熟れすぎたパイナップル
私は泣いている、泣いているように見える、車中泊で
埃っぽいシートで、臭う部屋で、フラッシュだけが光る、照らす、てららす、ててらす、棄て等
よし、もう行こう、時間だ、行かなければ
私はそうやって生きていく
390 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/01/28(土) 11:10:43 ID:usqHo/8w
まだ空きがあるのでしたら
起きたて脳即興で一つ書かせていただきますね
『午前零時のストレンジャー』
0.72キャラットのエメラルドは12粒の小さなダイヤモンドに取り囲まれていて
窓のブローチを過去から掻き集め
ありったけ胸元に飾ってたたずんでいる
気紛れな空の模様をあしらう鉄筋コンクリートの足元に影をばらつかせて歩いていくあたし
ビルの角越しに覗く僅かな星屑達よりもあたしにとっては親密な間柄なのは間違いないと思う
エメラルドの輝きは窓に潜む赤の他人の憂欝さえも木っ端微塵にするわ
影が闇夜よりも濃く深くあたしに付きまとうから
あたしはあたしに誕生石以外の石の花をプレゼントした
それから
星の大都会の住民になったあたしは
右手の薬指から抜き取ると私の一日が終わるようになって
誰か知らない奴が決めた一日の終わりになど従うこともなくなった
391 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/01/28(土) 11:17:21 ID:usqHo/8w
不夜の宴は足首に近い所で蠢いている
いつも
一日の疲れを癒す就床の為に一日が終わるわけじゃない
時の奴隷になどなりたくないから始まりも終わりも全部あたしが決めるようにした
月夜の晩には緑色の花を月光にかざして月をも染める
エメラルド
皮膚にもう一枚人工の表皮を纏うとあたしは別人になれた
図鑑でしか見たことのない宇宙の中にいる実感なんて誰も教えちゃくれなかったし
銀河系に存在する意義なんて一生かかってもひもとけない
ガラスケースに飾られたりする縄紐なんかじゃあたしの琥珀色の思いなんか縛り付けておけないんだし
地球が孕んだ石が宝石になるまで
石が石としての自覚なんか持たなかったから
地球の温もりによって然るべき様態を美に変えるエネルギーを身につけただけ
日本に住まうだけの宇宙人の仲間なだけになれるの
手が綺麗だね
この一言であたしはあたしになれた
392 :
名前はいらない:2006/01/28(土) 11:17:53 ID:A74IsiCw
lll
393 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/01/28(土) 11:28:17 ID:usqHo/8w
手が綺麗だねと排他的で自尊心の強い虫けらなんかに言われても
アタシハナイテカナシムコトサエシラナイカラ
オールナイト上映の映画を瞳の奥の上映幕に流し込む為
まだ零時に満たない時刻でも
エメラルドの指輪を指から静かに外そうとしている
何時からだろう
化粧を覚えて癪にさわることさえ漠然として
仕事なら何でも割り切れると思い込んだのは
手が綺麗だねといってくれた
あいつのキュっと強く蛇口を捻り止める指の動きを見ていたら
無性にあたしがちっぽけな
無重力空間に漂う裸石のまんまのエメラルドの星屑になったような気がした
あいつの指は男のくせにやけに長くてすっと美しい
そのあいつの指からあたしの匂いを丁寧に品良く洗い流すのが嫌だったから
あたしはトパーズ色の涙を流してその指を名前も知らない他の男の体に結合する想像をしながら
眠らない街に背を向けて眠る
東京っていう窓たちが栄える
あたしみたいな他人と他人みたいなあたしが栄え
あたしの夢に関係ない字幕が流れ込んできても
隣に座った鼻のいいオヤジが手を握ってきても
何も感じないように
あたしは上映が終わるまで銀幕とあたしのスクリーンとの距離を目蓋の目隠しのまま彷徨う
図鑑で見たあたしとこのあたしの差異を確かめるために
エメラルドの夢を見るから
アタシハナイテカナシムコトサエシラナイカラ
邪魔しないで
『モノリス; S.キューブリックに』(1/2)
原始、言葉以前の言葉
暗黙知の領域
コカコーラの悟り
物自体の絶叫に
人は何時まで
憧れつづけるのか
私は見た
とあなたは言う
それは
嘘だ
あなたの映画を見ると
いつも私は
ボロボロと
泣きださずには
いられない
言葉を知らない
赤ちゃんみたいに
395 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2006/01/28(土) 14:16:16 ID:TQ2RkUTq
(2/2)
あなたの
すべての画面で黒くそそり立つ
それは
美しいモノリス
どうしても伝えられなかった
あなたの
心の
墓標
(1/2)
【そういえば、スタンリーキューブリックについてのポエムを書いたなー
と思って、今、「スタンリー」で自分のパソコンに検索を書けたら、
実に37個ものファイルがヒットして驚きました(笑。】
『フル・メタル・コンドーム』
軍人の鋼鉄の衣の下にあるのは、
ガラスのハート
ではなく、
LSD漬けのふにゃふにゃチンコ。
すなわち、行進し土足で侵入するミッキーマウスの幼稚性、
である。
397 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2006/01/28(土) 14:30:34 ID:TQ2RkUTq
(2/2)
あのシーンで、赤ん坊の泣き声が
最後までしなかったから
スタンリー。
僕は君のために泣いた。
チンコが立っていない男を殺すのに、
女は
「赤ん坊の泣き声」を必要としない。
それを君は正しいことである、と考える。
だが、君自身は
膣の中に安らいだのか。
君の言葉は届かない。
君自身にすら。
それでも君は語るのだ。
それは偽装された勃起だと
398 :
荒らし:2006/01/28(土) 14:39:51 ID:8UfCbmYO
荒らし・・・
君はそんなにも荒らしを嫌う・・・・
僕が荒らしだともしらずに・・・
本当の僕を知ったら君は どうするだろう・・・
泣くだろうか・・・
怒るだろうか・・・
僕はただ許して欲しいだけなのかもしれない・・・
許して・・・くれるだろうか・・・
そして・・・また笑ってくれるだろうか・・・
もしも笑ってくれたなら僕は・・・
〜END〜
「グッド・ヴァイブレーション」
ノイズが混じった世界の中で
赤いレンガ舗道の上を
バニラ色の空が流れている
それが 男の望んだ世界だった
男は大声で救護員を呼んだ
矛盾し なおも回りつづける
そんな歪んだ幸福に
耐えられなくなって 男は走り出した
誰も居ない街並みを埋めるように
生きる喜びを称える歌が 流れている
それは 誰かの望んだ世界だった
(読み取りヘッドが汚れています)
そのとき男は気付いてしまった
感じるはずのない人間の気配に
ただならぬ違和感を感じながら振り向いた先にあったものは
感じるはずのない人間だった
男は魅せられたように「私」を見つめている。
「私」もあっけにとられて男を見つめている。
決して届くことのない人間だった
男の眼球が みるみるうちに白濁していく
狂ったように手を振り回して 整えられた髪を毟って行く
嗚咽がだんだんと荒くなっていき
(自動修復機能を適用しました)
"男は 「絶望」の表情を浮かべた"
醜く歪み それでいて美しく
見ていて心が
そんな完璧な「絶望」の表情をしていた
歪められた世界は
今もなお回りつづけている
そして男はシナリオ通りに
いるはずの無い救護員を呼び続ける
修正
(2/1)
見ていて心が
↓
見ていて心が 晴れ渡るような
403 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/28(土) 19:48:33 ID:YV9zpENO
389
『G』という文字を出会い頭に読んで思い浮かべるのが教養のある人ならば
G線上のアリアとかGコード予約だとか出てくるのだろうけど
俺はもっぱらガンダムだったりゴルゴ13だったりするわけである。
まぁしょっぱらからどーでもいい事から書き始めたのですが、ちゃんと中身のある
文章を書かないといけないなぁと改まって思うわけであります。
この作品でわからない言葉というのがあったので調べました。
奥襞毛…おくひだけ
検索かけたけどグーグルは全滅 やふーは4件ヒットちなみに曾村益廊さん
のスレで
>裏から覗くよ 奥襞毛(おくひだけ)
どうやら、覗けるものらしい。
1つの作品を読むためにもう一つの作品を読まなくてはいけないのは結構しんどい。 『裏から覗けるような怪しいもの』というあやふやなイメージをもって次に進む。
倶利伽藍悶々…刺青のことらしい紋々と書くほうが多いようだ。
倶利伽藍というのは地名のことで平家物語にも出てくる由緒正しい土地だそうよ。JR北陸本線倶利伽藍駅というのもあり、
駅員みんなが紋々が入ってる気合があるイカツイ駅を想像するがどうやら無人駅のようです。
涙卒塔婆…卒塔婆とはお墓によく刺さってるスキー板に丁度よさそうな木のヤツ。
ビル群とは都会の卒塔婆に感じられますねぇ
部分部分のシーンを繋げていくと映画になるわけでGの夢、Aの夢を
重ねるとかまったくバラバラに読んでいくとか、色々かんがえて書き手の意図を探す読み方をしたのだけど正直に書くと俺には大変ですね。
読み手によって繋げ方が変わるだろうし万華鏡のような作品だと思いました。
『よぉーい,アクション』(1/2)
頭に響く知らない声
貴方が見つめる
貴方が笑う
けれど解ってしまった
偽りの顔を見せられてると
いつも
待ち合わせ時間より
遅れてしまう私
今日は何故か一時間も
早く着いてしまった
何気に覗いた喫茶店に
見たこともない貴方がいた
最初は気がつかなかった
似ている人だと思ったくらい
そんなに表情が変わるなんて
知らない貴方がそこにいた
『よぉーい,アクション』(2/2)
なんで隠してるの?
私には素顔を見せずに
演じているの?
どうして?
映画のワンシーンなら
『カァ〜ット!』って
声がかかって
役者は現実の世界に戻るけど
私にとってはこれが…
これが現実なのに…
390 391 393
1996年 ストレンジャー ピーター・ホール監督
「ゆりかごを揺らす手」の悪女役の人が主人公ですかうーん覚えてねぇ 見たような見て無いような感じだ。そもそもこの映画を重ねて読んで良いのかが不明だ。
一行目の部分で腕時計を思い浮かべる。数字の所にダイヤがしこんであるやつ。金持ちの見栄をねたむわけじゃない。俺は3回ぐらい年末ジャンボがあたっても買う気にはならない。
ありゃ悪趣味の極みじゃないだろうか? 男の時計はそうじゃないだろ、そういうゴツさじゃなくてさ
などと、もっと細かく突っ込みたいのだが今はそういう場合じゃない。
ええ作品に戻ります。 時計は関係なくエメラルドと12粒ダイヤのブローチは女の装備としてのアイテムとして書かれてます。
6行目〜10行目 石の魅力で浮かれポンチの状態になる部分をしっかり描写している。
>あたしはあたしに誕生石以外の石の花をプレゼントした
『あたしはあたしに』という繰り返しの表現が個人的に嫌だ。『誕生石以外の石の花』ここの部分は想像しにくい。
『右手の薬指から抜き取ると〜』
ここで何を抜き取ったのか? というのを読み手任せにしてもいいのだろうか?
ここは飾れる所だともうのだがまぁ作者がそれでよければそれで良いのかも
しれない。
つづく
390の最後の行
俺は指輪とかピアスとかアクセサリーをつけないのですが、1日の終りとしてアクセサリーを外す事が儀式のようで『あーそういうのもあるかもしれないな』と納得できる表現だ。
さっきチョロっと書いたけどアクセサリー類が装備として感じるのは武器であり防具なのかもしれない。いやぁ確かにダイヤの指輪つけてグーで殴れば痛いよ。そういう意味ではなく
魅力を上げるとか醜いところを隠すとか精神的なものという
意味ですね。そういうアクセサリーを取るという行為は『装備解除、あー今日もアスファルトジャングルのサバイバルを行き抜いたわ、就寝』と感じるのであります。
391
1日の疲れは足にくるというのは民間医療的に認められている。(たぶん)
女性の場合はハイヒールという履物があるために気をつけてほしい。
足の浮腫みなど血行の循環が悪い為である。1番分かりやすいのが指でフクラハギの部分を押すと肌がへっ混むだろう。たいがい人間はそういう仕組みになっている。
(へっ混まないようならば最寄の医者にいくことをオススメ)
指で押してみて肌戻りが遅い場合は浮腫みが酷いというのがわかる。貧血になりやすい人が多い気がする。1日の疲れをとるのには風呂場でマッサージをするとかだが結構ズボラな人には
寝る時に湯たんぽを足下に入れると朝の調子がいい。
391の後半で路線が変わる人間の皮を1枚被るというと、むかーし日本テレビの深夜
でV(ビジター)というのがあった。宇宙の侵略者だが最初は見た目がふつーの人間と変わらないのだが皮を1枚剥ぐと大トカゲなんだよなぁガキの頃はあの赤い目が怖かった。
あー詩から離れましたね。
エメラルドは緑という事を知る。更に調べると5月の誕生石で幸運、幸福の象徴だそうだ。
393の締め方とは対照的に映るのが皮肉でもあり美しく感じるのだ。
408 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/29(日) 09:48:34 ID:K9SjX8kg
>392
昔の映画を見ていると時々画面の右上だとかに小さな〇がぼわぁと現れる。
これは映画館への合図で『次のフイルムを用意しとけよ』という意味だった気がする。 刑事コロンボであったんだよなぁ
ファイトクラブでもブラピが語ってる(らしい) こち亀の両さんも語ってる(らしい)
そんな事を考えました。
409 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/29(日) 10:39:53 ID:K9SjX8kg
>394-395
俺がモノリスとであったのは映画の中では無くゲームの中だった。
当時のナンバー1の発行部数を誇っていた週間少年ジャンプの20周年記念の企画で出来たゲーム
『ファミコンジャンプ英雄列伝』バンダイである。
ここの部分があやふやだが、このゲームの中でセーブ機能が無かった為に復活の呪文だとかメモをとらなくてはならなかった気がする。
ドラゴンクエスト2をファミコンでやった人は御存知だとおもう。
復活の呪文とは全く意味不明の言葉の羅列である。
一文字まちがえたら続きが出来ない為に前の段階に戻ってしまうので大変である。
鉛筆の先が丸かったために『ぬ』と『め』を間違えたり苦労をした人は多いはずだ。
とにかく、このモノリスが語る意味不明の言葉の羅列というのは、遠くの方で理解される不思議な言葉で神秘的なのだ。
この意味不明なのだが情報は正しく伝わっている。レベルアップのまでの残り経験値だとか持ち物だとか事細かく伝わっている。当時の頃は
ゲームの続きが出きることに満足して気がつかなかったが、今となってはこういうどーでも良い事に関心する。
なんにしてもモノリスというモノは一体、なんなんだろうか?
誰も分からない事が魅力である。『特になにかわかんないけれど
わかんないことを発してるよ ゆんゆん』というチョットだけヒントが
ありそうなところが良いのだ。 雑誌でいう所のムーの香りがしてくるアイテムなのだ。
410 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/29(日) 10:40:48 ID:K9SjX8kg
上の続き
もう、ちょっと調べて見ようと思いまして、はてなサーチというモノに
検索をかけてみました。
ttp://search.hatena.ne.jp/keyword?word=%A5%E2%A5%CE%A5%EA%A5%B9 検索結果: 1
三越がお届けする高級ギフト
幅広い商品の中からをネットでショッピング。ノリの詰め合わせから雑貨まで扱っている。コンビニのレジでも支払いができて便利!
だそうだ。三越すげぇやモノリス売ってらぁ器が違うね。
それはさておきまして詩だ。俺、かりにも審査員だから詩に触れないと駄目ですね。スタンリーキューブリックと詩っていうのはよく似合う気がする。
間が多いというのとそれぞれのラストとオープニングが哲学ちっくで
『莫大なものを映像に閉じこめて贈りますよ えいや!』というものが
伝わってくるからだ。 詩人だとか感受性の強い人はこういう電波を
キャッチするアンテナみたいなモノがある。分からん人にはわからんだろうがね。
なんか宗教みたいに一人の人物を持ち上げるようだが
スタンリーキューブリック自身がモノリスなのかもしれないと思うのだ。 この395の締め方なども一つの解釈でおもしろいですね。
411 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/30(月) 07:33:36 ID:Bb8flkpk
396-397
俺のPCでの変換機能はこう示した。
『古め樽ジャケット』
ワインの熟成を必要とし弾を貫通しまくるインテリなジャケット。
あー渋いなぁと自己満足しながら読んでいく。
キューブリック作品は『時計仕掛けのオレンジ』『博士の異常な愛情』
『ロリータ』など、ちょっと曲がった人やら舞台が現代とズレタ感覚が脳の刺激に
いいのだろう。リアルが似合わない監督がどうやって戦争というものをとらえて
るのか考えさせられた。そもそも、俺が戦争知らないからリアルなのかなんのか
分からないのだが俺の中の『戦争』を形成する一つの作品だ。他は『蛍の墓』『メンフィス・ベル』とかで物語だったり映画とかでしか知らないのが現状だ。
つまり、戦争を知らない人間が戦争を知らない子供を生んでどうやって戦争を伝えるか? がポイントです。まさか、戦争を教える為に戦争をおかすわけにはいかない。
歌やら絵やら本やら映像やら色々あるだろう。
俺の中でワースト3がある。
第3位に詩が入る。これ真面目に戦争を書いている人には色々いわれそうだが
俺には戦争を伝えるのには詩はむかない気がする。 というか体験して無い
人間が詩に戦争をこめても軽い気がする。次に駄目なのはミュージカル。こいつは駄目というより俺が嫌だな。
例えば、長年の親友であり同僚であったナカムラ中佐が自分の身代わりに敵の凶弾を受けてもう死にそうな時に
『あ〜あ ナカムラ〜♪≪バックの声≫(中佐) ナカムラ〜♪≪バックの声≫(中佐) 目をあけろ〜』
とか歌い出したら俺はぜったい笑う自信がある。いや、お前歌ってる場合じゃないからってな。
1番駄目なのが『口伝』だね。『俺んちの隣りの爺いさんに聞いたのだけど…』 これは噂話とか伝説だとかの類いになってしまう。間違って伝わりやすい。
戦争を知らない人が知らない人に伝えるというのは大変な事である。
その中でも詩は結構大変だな。これが朗読になったり紙芝居に発展すると面白いけれどね。
412 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/30(月) 07:34:48 ID:Bb8flkpk
上の続き
まぁ今回は戦争を伝えるだとかNHKのようなノリじゃないし『映画があっての詩』だからまたこりゃ違うわけですね。
NHKのノリから外れる為なのですが『男のチンコは死ぬ間際に勃起する』という
現象を知っておかないとこの詩を見てもよく分からないかも知れません。
男というのは本能で『子孫繁栄』を重要としている。だから『本体が死ぬ前に種は蒔いておこう』という訳で勃起するわけであります。つまりは戦争の最前線はみんな勃起しているわけであり、
宇宙人なり神様なりが雲の上から見たら
『男同士で奇声を上げて勃起しながら殺しあってるの プププ』
と笑われているだろう。ちょっと悔しいですね。1手先は読めるんだけれど2手先が駄目だという感じがする。勃起するまでは良いんだけど予防が駄目って感じだな。元の戦争ってものをどうするか?
っていうのがなってないとまだまだ人類は宇宙人なり神様なりに笑われるだろう。 戦争を書くとか表現するっていうのは『より人類を残す為の手段』であり
ちょっと『インテリな勃起』だと俺は思うのだ。
413 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/30(月) 07:45:23 ID:Bb8flkpk
398
…と・・・の違いを考えますと…の方が通っぽいと思う。
『あっこの荒らしはちょっとなにか文学通だ!』
と思わすさり気ないワザだと思います。
荒君僕本泣怒僕許そも
なんか縦読みしてみたりね。
読み手任せでナヨナヨしている部分をしっかり表現していると
思います。
399
そうですね。ぶった切りの感じより綺麗に読めますね。
著作権保護のワザですなぁ
えー応募の方は締め切りです
沢山の応募ありがとうございました。
今日の夜に400-401と404-405の2作品を読んで勝手に
俺が思った事を書いて予定通りに結果発表を1/31(火)まで(の予定)
>>400-401 元ネタの映画が分からないが"グッド・ヴァイブレーション"を
日本語にすると"いい揺れ具合"ってとこだろう。俺の解読力量だと
こんなもんが限界だ。ドラッグをテーマにした映画は好きだ。
日本もドラック先進国代表だろうが、雑誌を見るかぎりは海外の方がドラックまみれだ。
直接、見たり体験して無いのですがね。情報入手の手段がメディアしかない現象だと
どーしょうもない。メディア全部信じるのも嫌なんですがね。
自分の英語能力で海外へ特攻をかけるを考えるとドラッグより危ないんじゃないかなって
思うわけなんですよ。 特にテーマがドラックだから拳銃でドンパチやってるところはあるか
もしれない。もっとファショナブルの感覚でやってる国もあるだろうけどね。
データハウス発行の『危ない VOL1』に載ってたマジックマッシュルームのオムレツは食って
見たいもんなぁマンガ 鉄鍋のジャンにもドラック料理が出てきたしなぁ
つまりは、まっとうに生きてれば日本でのドラックっていうのは雑誌や映画の中で収まるのが
ふつーである。それに比べて向こうの方のドラックっていうのはリアルティーがあるんだろう。
なんというか、日本でドラック映画を見るっていうのはアウトボクシングみたいなもので
『パンチは食らわないけれどナンチャッテパンチドランカー』ていう感じがする。
手を出そうと思えば手出せるけれど基本的に安全圏という前程で楽にドラック映画が見れるんだ。
バスケットボール・ダイアリーズ トレイン・スポッティング 割りとあたらしめだとケミカル51
だとかですね。 身近にドラックがないぶん『かっこいい』とかファッションになりやすくて、間違って伝わりやすいだろうなぁ。
つづく
416 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/31(火) 16:57:53 ID:7JfdkN7j
えーいいかげん詩について書きます。
この作品を読んで散々ドラック映画など書いてましたが、1番最初に浮かんだ映画はスティーブンキング監督 『スタンドバイミー』です。
あの青春映画と麻薬のつながりが分かる人には分かるが知らん人の為にもちょろっと書く。
多分、墓場のスレでも書いたのですがもっと詳しく知りたい人は勝手に調べてください。
給食費を盗んだ疑惑を掛けられてくやしい思いを泣きながら告白したシーンが印象的なクリス。
このクリスを演じたのがリバー・フェニックス(ホアキン・フェニックスの兄ちゃん)で
この詩のように死んじまったんだよなぁ ドラックのやり過ぎで救急車に運ばれている最中だがつく前だかどっちか分からないけれど。
日本人とかの有名人がドラックの死んだとかいうのはグレーの部分があるし表に
出したがらないのがある。そのためにリアルに伝わり難い。
俺はリバー・フェニックスの死因を聞いて当たり前だけど『あー映画の中じゃないだなぁ』と思い。スクリーンの外でもドラックで人は死ぬんだよという現実が見えてくるのだ。
こういう背景を思い浮かべ400-401の作品を読むとまた違った感じが味わえる。作品も様々で人も様々一つの作品でも色んな読み方があるもんです。
417 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/31(火) 16:58:38 ID:7JfdkN7j
404-405
ハリウッド的殺人事件 ロン・シェルトン 監督
などを思い出す。名優を使ったB級作品なのだが、そんなものと重ねられてもビミョーですね。
それはともかく作品のすすめ方と表現の仕方が面白い。女性の視点がしっかり書かれている
『演技の部分』というのが分かるとかは『女の感』っていうヤツが表現だ。
実際に『男の浮気が分かる』という女性も結構いる。あるカップルがいて男の方が友達で真実を全部を知ってる俺がいる。カップル同士だからカップル同士で話をつければいいのだが、
実際に彼氏の口から直接聞くのが怖くて間に俺を入れたりするわけですよ。
ええ、『サグリ』ってやつですね。『カマかける』だとか心理戦バシバシですよ。
いやぁよく分からないなぁとか逃げながら聞き手にまわりますけどね
これが『黒』っていうのもあるのですが、他のカップルのパターンで中には全くの『白』という場合もあるんですね。浮気もくそもない。その日は俺と飲んでたとか証拠もあったりね。
女の感が外れまくりでやっかみ、当てずっぽ、ひがみだとかもありまして
自分自身の信頼と男に対する信頼が足らないんだろうなぁと思うのです。
作品とは裏腹の逆の事を考えるのは俺の性格上しょうがないと思ってください。
付き合って間もないときに男としては女の前だとカッコイイだとかそういうのを演じなくては
ならないんですね。屁こいちゃイケナイだとかまぁ大体はくだらいものですな
時には演じられてるというのはいい事なのかもしれません。まぁ作品の中に作者の体験談とかは置いて作品を読むと、作者の意図とは違うでしょうが漠然と付き合って2、3ヶ月のカップルを見ているような
真新しい感じがしました。
418 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/31(火) 17:01:17 ID:7JfdkN7j
えー軽くまとめますと
>365-366 『花』 ID:uYZH+7Ueさん
>368 『数箱〜立方の連鎖』 ボトルネックさん
>370 『いいの』 ID:6mAhuHe2さん
>371 『Become Big Boy』 ID:/gtHK9Yjさん
>374 『砂の女』 あぶく さん
>375 『眠りにつく頃』 ゼッケンさん
>378-379 『ねらわれた学園エスパーロックンロールZ』 ID:KSLc1yKQさん
>380 『End roll』 ID:ApCq8TSvさん
>381-384 『名画座奇譚』 にいちぇさん
>389 『結局私に回帰する己の未熟と脆弱さ』 曾村益廊さん
>390-393 『午前零時のストレンジャー』 メタリック竹輪さん
>392 『無題』 ID:A74IsiCwさん
>394-395 『モノリス; S.キューブリックに』 ボルカさん
>396-397 『フル・メタル・コンドーム』 ボルカさん
>398 『荒らし』 ID:8UfCbmYOさん
>400-401『グッド・ヴァイブレーション』 (1/2) ◆KeroF.Iy86 さん
>404-405『よぉーい,アクション』 ミミンさん
以上の17作品です。参加ありがとうございます。
419 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/01/31(火) 17:06:36 ID:7JfdkN7j
えー審査員として気をつけていたのですが書いているうちにいつものどうりに
なってしまいました。いやぁすみません
えーちょっと用事があるので出かけます。帰ったら優勝作品をあげます。
その前にあらためて全体を通して感じた事をまとめて書きます。
>>368>>374>>378-379は箱の表現の仕方が工夫を感じられ案内する作品。
映画の作品を案内としつつ自分の解釈を入れるとか、バランスの取れているものが
多い。映画の元が分からないでも楽しめる作品っていうのが力量が見れるのかもしれません。
>>392を優勝作品としたらみんな怒るだろうなとかイタズラ心が疼いたのですがいやぁ作品の甲乙つけるのは難しいのですね。
それぞれ感じたものがあるし映画の元ネタが分からないのもあるし絞り難いですね。
>>389のシーン分割の手法も面白い。年代を絞って楽しませてくれたのが
>>371 元の映画を知らないと楽しめないという作品が多い中で
>>381-384は良
い作品だと思う。
>>380 と
>>404-405は普段の俺の中ではなかなか観れない角度でとらえてる。 とまぁこんな感じです。
>>370とかそれぞれの作者元ネタバレを聞いてみたいもんです。
420 :
Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2006/02/01(水) 01:56:54 ID:nVJVfEoy
というわけで結果を発表します。
技能賞
>368 『数箱〜立方の連鎖』 ボトルネックさん
>400-401『グッド・ヴァイブレーション』 (1/2) ◆KeroF.Iy86
俺個人的ツボ賞
>371 『Become Big Boy』 ID:/gtHK9Yjさん
準優秀作品賞
>365-366 『花』 ID:uYZH+7Ueさん
最優秀作品賞
>381-384 『名画座奇譚』 にいちぇさん
かなり、『花』と『名画座奇譚』の2作品をどちらにしようか迷ったのですが
『花』は季節感とコンパクトにまとめてあるところ淡々と非日常を描いている
ところなど素晴らしいと思いました。
しかし、テーマである『映画』が分からないというのがありましたので準優秀作
品賞とさせて頂きました。
2個ともSSなのでヒンシュクを買いそうですが、映画の元を知らないでも
万人に楽しめる作品を提供したという事を評価したらこの2つが残ったというわけです。
えー好き勝手書いて楽しませてもらいました。
参加していただいた作者様、お付き合いありがとうございました。
TAKEOさん、おつかれさまでした。
>>377 >他人から見ると『何度も同じ映画をみてキ〇ガイ?』と思われるのがオチなのだ。
TAKEOさんにそう思わせてしまったのが、自分の力量のなさがくやしいですね、今回。
何度も同じ映画を見てるからキチ〇イなんじゃなくて、
誰から見ても日ごろから明らかなキチ☆ガイが隣で何度も同じ映画をみている状況がね、
ホラーだなあって。
でも、TAKEOさんに読んでもらう機会ってなかったんで、うれしかったです。
422 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/02/01(水) 08:42:46 ID:pZCbPBOL
>420
評価お疲れさま&ありがとう。
423 :
ボトルネック(ノ∀`) ◆P350za861k :2006/02/01(水) 11:57:42 ID:sOVhg0ST
・ω・)ノシ もつかれ>TAKEO氏
まあ とりあえず
ナンマイダ〜
ぽく ぽく ち〜ん
424 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/02/01(水) 21:11:36 ID:HksLYKKC
タケオさん審査お疲れさまでした
評ありがとうございます
練り込み不足でしたが読んでくださってありがとう!
425 :
花のなかの人:2006/02/01(水) 21:19:50 ID:ca1HN9NJ
>TAKEOさん ありがとうございます。。
ねねね、2位ですね、、2位なんですね!!!うわああ、感激です。ありがとうございます。
(お題との関連ですか?読んだ時に、一本の短編映画を見ているような気分に
なれるといいなっと思って書いたんです、つまりカメラアイの詩。
のつもり。。。。予定は未定でありました。)お疲れさまでした。。
何度も30代ぐらいに間違われるb4です(まだ10代です)
「Become Big Boy」書きました。ツボに入ったようで嬉しいです。
多分トゥナイト2を視聴していた最後の世代だと思います。
件の香港巨根映画も今考えると放送終了直前にやった特集だったんでしょうね。
巨根といえば「ブギーナイツ」…という流れでだーっと書きました。
そういえば前回のこのスレへの投稿作も下ネタでした。もうちんこ系統は控えたいです。
とにかく良い評をありがとうございます。そして選者お疲れ様でした。>TAKEOさん
Y.TAKEOさん、審査お疲れ&ありがとうございました。
『砂の女』って二つも賞とってたんだ。へー。
寺山修司ってエロいんだ。マザコンってことしか知らないや。へー。
私も勉強になりました。
にいちぇさん、優勝おめでとうございます。映画のラストシーン、まざまざと浮かびました。綺麗です。
ありがとうございました。
TAKEOさん、審査ありがとうございました。
「映画」というお題を見て原作ありきの作品を投稿しましたが、
元ネタを知らないとの事になってしまい、その点はちょっと配慮が足りませんでした。申し訳ないです
ちなみに「オープン・ユア・アイズ」のリメイク作品「バニラ・スカイ」が元ネタ作品でした。
詳しいことはネタバレなので話せません。というか見てない人本当にすいません。
表題は作中で流れるビーチボーイズの同名曲です。
絶望的なシーンなのに高揚感抜群のポップソングを流してしまう、
そんなセンスが大好きな作品でした。
TAKEOさん,お疲れ様でしたm(_ _)m楽しい審査をありがとうございました!
>>370 >>404-405を描いたミミンです(笑)
>>370 は非常に記憶が不鮮明なんですが『病院坂の首括りの家』にこんなシーンがあった気が…(>_<。)
あとはイメージを膨らませて描いてみました(*_ _)ペコリ
>>404-405はこの内容がお題的に合うか悩みましたが投稿してしまいすいませんp(´⌒`。q)
また参加させて下さい
にぃちぇさん,優勝おめでとうございます♪
430 :
1:2006/02/04(土) 19:28:30 ID:gnywjqt7
一週間経過しましたので
にいちぇさんには申し訳ないですが
スレッドの進行のため次の選者氏へお願いしたいと思います
つきましては前回選者をやってくださったTAKEOさん
次の選者さんのご指名をお願いできませんでしょうか?
431 :
にいちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/02/04(土) 20:41:29 ID:wh7Ovris
ああこっちもすいません。この一週間2ちゃん見てなかったのです。
いや、実は昨日の夜見たんだけどポエム大会の方が迷惑かけてるんでそっちを先に
と書いてるうちに例によって深みにはまり眠くなりましてどっちにもレスできず。
ご迷惑おかけしました。
Y.TAKEOさん、評価ありがとうございます。
Y.TAKEOさんの欠陥人間をタブに入れてる者としてショートショートを書こうと思い立ち、
最初「酢昆布の味」という題で人情話にする予定で書き始めましたが、これは書ききる
には長さが足りないとギブアップしまして、最後一番いい加減な幽霊モノにしてタイトルも
変えてしまいました。ショートショートとしての出来はそんなわけでイマイチだと思いますが
久しぶりに小説風の描写をいっぱい書けたのが良かったのかなと思います。
それでは次の選者は「あぶく」さん、お願いできないでしょうか。
梁山泊でもお題出して、ここでもお題出すという快挙にぜひ挑戦していただきたく。(笑)
432 :
1:2006/02/04(土) 20:47:42 ID:gnywjqt7
あ、すみませんー、ケイサンミスデス
まだ4日デス
にいちぇさん、失礼しました。
一週間お待ちいたします。
433 :
1:2006/02/04(土) 21:03:34 ID:gnywjqt7
あ にいちぇさん すみません。 こちらこそセッカチにせかしてしまいまして。
大胆な計算ミスも本当に申し訳ないです。
434 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2006/02/04(土) 21:56:21 ID:AJnM0E1x
一瞬、バックレよーかと思いました(笑)
でも勿論やらせていただきます。
他の方々のよーな達者な評価はできませんが、私なりにがんばります。
ではお題と投稿審査規定です。
お題『ありがとう』
投稿は先着十作品になった時点で締切。
審査は数日間のうちにすみやかに。
新詩でお願いします。
435 :
小さな偶然に:2006/02/04(土) 22:21:10 ID:mnmbkE24
幾億の縁(えにし)の中より
交叉してくれて
産まれてきてくれて
受け入れてくれて
望んでくれて
求めてくれて
そして…
傍にいさせてくれて
「ありがとう」
なんどもなんども
逃げてきた
誰からも
逃げてきた
愛するたび
愛されるたびに
わたしは
あなたの言葉に耳を澄まし
あなたの笑顔を見つめ
あなたと手を繋ぎ
あなたを信じる
「ありがとう」
あなたからは
逃げない
歯をくいしばって
あなたに甘えます
怖いけれど
あなたを抱きしめます
「逆立ち」
ぼくに仲間がいるとしたらあなたたちでしょう
味方はいりません 敵はかんべんして下さい
交差点では信号が直前で赤に変わります
クルマに水をかけられます
犬に吠えられます
すれちがう女の子にちらちら見られて勘違いしてると
寒さで鼻水が出てました
凍ってました
朝日にきらきらと輝いていたことでしょう
歩いているだけでたたかいの日々です
届かない高みを行く雲 指くわえて見る
諦めてうつむけば地面 しかたなく歩く
地平線を目指し、長い影法師
がんばれと言ってくれた人たち
いまでもぼくはけっこうよくやってると思いませんか?
もっとよくやれる気がしてます
逆立ちでもしておどけたい気分です
「発声練習」
えーと
なんだ、その、ごめんなさい(いや違う)
詳しい経緯は省略するけれども
とにかく僕は君にお礼を言いたいわけだ
しかし、まあ、何だろう
結局機械に頼ってしまったわけだけど
こうやってタイピングするのも大変で
僕のディスプレイは何やら叫んでいるんだ
(あ、あ、あ、あああああああああああああああ)
結局僕は何も言えないかもしれない
その時は笑って許してほしい
無理かな、まあ無理でもいいよ
(あ、あ、あ、あああああああああああああああ)
オリゴ糖じゃ駄目かな
駄目だよなあ
何かここまで引っ張っちゃうと
いっそ書かないほうが格好良い気がしてきた……
ありがとうってなんでこんなに気恥ずかしい言葉なんだろうね?
(あ、あ、あ、ああああああああああああああああ!!!)
折角なんであげときますね
440 :
ボトルネック(ノ∀`) ◆P350za861k :2006/02/09(木) 03:07:30 ID:GdK/n+a1
「ミカク・ニン」
(訪問介護記録 生活援助2)
発熱
焼ける鉄板
傍らではリズミカルな包丁の音
野菜
肉魚野菜
寄せては返す炒められたそれらを
器に投入 器に
さあ
さあ
咀嚼 嚥下 かすかな笑み
あの時食べられた食材に
今は安否の知れぬ、あるいは既に安否の知れた彼らに
僕はこうべを垂れる
いのちが
いのちを動かす
未確認な
その味覚に
高層ビルが立ち並ぶ町の中
ぽっかりと空を切り取ったような公園の
節操もなく ずらりと並べられたベンチの真ん中で
君と二人 ぼうっと座っていた
繋いだ手 触れ合った肩
満ちたりた時間なのか からっぽな空間なのか
そのぬくもりを感じているのは自分だけなのではないか
そんな焦燥に駆られて 僕は言ってしまったのだ
「大丈夫?」
汗ばんでいたはずの君の手のひらが
みるみる内に乾いていく
瞳孔をかすかに大きくして
一瞬だけ僕を見据えたけれど
その緊張も長くは続かなかった
焦点を失った目がぼんやり光っている
口だけが僅かにうごめいて 僕にこんな言葉を告げた
「ありがとう」
それだけ言うと
彼女の体は風船のように浮き上がり
ゆっくりふわふわと 四角い空にのぼっていった
質量を失い バランスを崩した地面が
ゆりかごのように揺れている
(或いはそれはただの眩暈だったのかもしれない)
もうこれで何人になるだろう
一体どれだけの"ありがとう"が
この世界で(いや僕の目の前で)
囁かれてきたのだろうか
空の上ではきっと 彼らの抜け殻が
満足したような 惚けたような そんな顔をして
雲のように漂っているのだろう
そんな想像が頭の中に浮かんだ
(考えてもみろよ
ほんとうに区切られているのは空ではなくて)
自由になった僕はまた 前進をはじめる
無限の可能性に導かれて
四角い空の下を 黙々と歩いてゆく
443 :
名前はいらない:2006/02/10(金) 21:03:01 ID:II4BYFl3
444 :
玉こんにゃく ◆IVVTBUqDhU :2006/02/10(金) 22:33:56 ID:yIxMFv1f
『おとなのことば』
「すいません、西口はどこですか?」
「まっすぐ行って右側です」
「すいません」
「そのバス乗りまーす!待ってー!」
「どうぞ」
「ハァハァ、すみません」
おとなのひとは いつもあやまってばかり
おとなになったらたいへんだと おもいました
ぼくはまだ こどもだから
「ありがとう」
しかいえないんだ
445 :
カコ ◆kaco/250tg :2006/02/11(土) 02:54:04 ID:W6hZSz6Z
「おばあちゃんの言葉」
心配せんとき
おまえの大切な友だちが 大変なときも
力無いおまえが 行くことはない
おまでなくとも 友だちは
ほかの誰かが ちゃあんと助けてくれる
力をかしてくれる人が 必ず現れる
安心しておき
おまえはここで めそめそしておき
友だちが大事なら
足手まといにならんよう
今はここでめそめそしておき
友だちの無事を じっと祈っておればよい
めそめそ小さなおまえは
大きくなるのを 頑張っておき
友だちなら そんなおまえを うらみはしない
友だちが 大変から救われたなら
きっとおまえに 笑って会いにくる そのときまでに
おまえはここで めそめそを治めておき
助けられる人が助けてくれる おまえでなくとも
世の中とはね そういうもの 人というのは そういうもの
うまくまわっているものだから
小さい時分はわからなかった その教え
今は思える
遺してくれた その言葉の ありがたさ
446 :
ikaika ◆YffIGX9Bno :2006/02/11(土) 03:59:12 ID:6TYC589i
聖餐台の上で僕は夢を見る
おう 八月の廃墟よ
僕らの戦争はもう終わったんだ
コンクリートの上で天使が踊っているだろう
いやあれは踊りじゃないんだ
苦しんでいるのさ
メキドの業火を覚えているよ
僕の皮膚はあの暑さを
僕らが波紋ひとつもない水面に右足を差し込むとき
痛みが走るだろう
あれは業火に焼かれた記憶なのさ
貴方が水中で火傷する前に
僕は貴方の美しかった体を記憶しておこう
岸辺に上がり貴方が泣き叫ぶ前に
447 :
ikaika ◆YffIGX9Bno :2006/02/11(土) 03:59:52 ID:6TYC589i
そして空が水面に落ち来る前に
山が崩れ落ちる前に
貴方が水中でもがき苦しんで
世界を乱す前に
僕は世界について、貴方と語り合った世界について記憶しておこう
四季の移り変わりが僕の耳たぶをそっと齧って
血を流す前に
僕は聖餐台に置かれた
ブドウ酒で顔を洗い
パンで自らの体を厳しく打とう
貴方が僕が見る世界の水面から露出する前に
あらゆる風景画を掻き乱そう
そしてすべての騒音は貴方の瞳の奥で
木霊しながら消えていくのを
僕は聖餐台の上で見つめるだろう
448 :
名前はいらない:2006/02/11(土) 04:24:22 ID:m3u9cfrR
_i:::::,、,:<
j::い' /::::>
)::/ ノ:::::フ
/`<^'⌒''='
,. -' ::/ 、′ 、 ’、 ′ ’ ; 、
r'´ :::::::i . ’ ’、 ′ ’ . ・
|___ ::::| 、′・. ’ ; ’、 ’、′‘ .・”
キタ━━━━━ !ェァ ィェァ| :::|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━!!!!
_ril lー^ーー''! ;l三三ゞ、 . ’、′ ’、 (;;ノ;; (′‘ ・. ’、′”;
l_!!! ,、 ,..-ヽ,...、/ ' ノ`ヾ=='ー--、 -―--、 ’、′・ ( (´;^`⌒)∴⌒`.・ ” ; ’、′・
| ! !_!|i::::::::::`ー''´:::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::,..、::`ヽ . 、 ’、 ’・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;ノ、"'人 ヽ
449 :
ikaika ◆YffIGX9Bno :2006/02/11(土) 04:31:07 ID:6TYC589i
「シンプルでシリアスな彼女の事件(1/2)」
胃が小さく 溶ける気がするよ
あってはならない ことが起きたんだ
侍気取って戦って来たけど
とうとう負ける その時なのか
口に出るセリフ 「サヨナラ」「サヨナラ」「サヨウナラ」
集めて集めきれるありったけのテキスト
今夜の眠気に抗えるだけの時間で読み解く
運命は何って 決められるほどの
決まった自分を 決められそうも無い
それは絶対のことじゃないけど
けれでもかなりの確率で来るんだ
もしもそれがいつか起こるなら
怒り 否認 取引 そして ・・・・・
どうしてその 先まで急に
急いで急いで行かねばならないんだ
さあ。列車は 走り出したばかり ・・・・
*
頭に小さな花を挿し、わたしは待合をくぐりました。
どうしてか、全てはまるで嘘のように、綺麗さっぱりと消え去っておりました。
レアケース、ですよね。そう尋ねると、
彼は、そうですね、と、敬虔なプロテスタントらしい笑みでうなづきました。
もう、いいんですね。絶対はなくても。ええ。運命に絶対はありませんから。
*
そして忘れはしないけれど
そういうエピソードと隣にいて
あれや これやと多少の面倒が
生きるメンテで必要としても
何かから 解かれた 日の光と共に
冷たい12月の爽やかな空気
だから、明日無くなる想定で
残すことはしない 残さないよう
全て飲み干し わたしは生きる
452 :
名前はいらない:2006/02/12(日) 02:10:07 ID:GyNAuAuY
453 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2006/02/13(月) 19:01:39 ID:VsaGzJrt
みなさん、投稿ありがとうございました。それでは早速審査です。
>>435小さな偶然に
誰かに対して述べているよーです。が、〜くれてなんなのかは述べられていません。感謝の言葉が後に続くのでしょーね、おそらく。書かれなかった言葉を読者に想像させることで、作品を深いものにしようとしているのかなぁ?
う〜〜。まっこと、小さな偶然、その人物に感謝したい気持ちはわかりますが、各々のフレーズも特に目新しいものではないと思いました。
>>436ありがとう
人と深い関係を結ぶのが苦手な人の「ありがとう」ですね。語り手がどーゆー人物かが一連目に示されているので、二連目の相手に対する真摯さ、三連目の決意表明がよく伝わります。
甘えるのに歯をくいしばらにゃならんとは難儀なお人や。でもわかりますよ、それ。いいフレーズですね。
>>437逆立ち
声援を送られ歩く人。注目をあびる立場の人の心情を綴った詩のよーです。詩板における作者の心情として読む私を誰が責められよう。
スムースな歩行を妨げるものがいっぱい。よもやの鼻水もその一つ。キツいです。笑いどころです。脳内の自分を映す鏡とのギャップにしばしボーゼンとしたりもするのでしょーが、そのキラキラを愛でたりもするのです。転んでもただでは起きません。
二、三連目は《あなたたち》が知らない努力の描写でしょーか?向上心。もっと、もっと。地平線はあるのか、ないのか。
もちろん、よくやっています。これは競技なのか戦なのかは知りませんが、トップぶっちぎりです。逆立ちしてください。拍手の用意はできてます。
全体的にしっとりした雰囲気で、比喩表現で楽しく読ませてくれました。
>>438発声練習
いじらしいです。『あ』から後が続かない。無論、このまま送信される筈もなく、《僕》のためらい逡巡は《君》には伝わらないのでしょう。
まぁ、確かに、ありがとうと畏まっていうのは恥ずかしいけれど、ここまで恥ずかしがるのは、キミ、この《ありがとう》に大きな意味を感じてるな、その後の展開に期待しているな、と、君に対する僕の思いがつぶさに伝わってくるのでありました。
454 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2006/02/13(月) 19:12:15 ID:VsaGzJrt
>>440ミカク・ニン
《既に安否の知れた彼ら》にゾクッときました。考えオチですね。
一連目の《器》の強調と《さあ》の呼びかけは、自分の人生において、彼らが《いのちがいのちを動かす》食物になっていることの伏線(詩の場合、何て言うの?)なのでしょーか。
全編、一連目の時点での感慨かと思いきや二連目に《あの時》とあるし、一連目があの時なのか?三連目、《その》が指すのは《いのち》なんだろーなー。
するってーと、いのちがいのちを動かす 未確認ないのちの味覚に、となるなぁ。なんかヘンじゃないか?と、よくわかりませんでした〜。代名詞が憎いっ。
全体的に、訪問介護記録〜のサブタイトルに丸投げとゆー感じがしました。
>>441無限の可能性
こわ。空虚感を認識させられると空にのぼっちゃうんですか。《僕の目の前》とはどーゆーことか。当事者か、否か?いや、最終連の前向きさの前ではどちらでも大差ない気がします。
《ほんとうに区切られて〜》に示された、不満足な世界を抜け出せたやすらぎが書かれたすぐ後に、《自由》の言葉がある。彼女からの自由〜?え〜、そんなぁぁぁ!
虚を描くのに、感情まで虚にしてしまってはいかんのではないか?と思いました。
>>444おとなのことば
遠い昔を思い出しました。そーいや、子供の頃は「ありがとう」しか言わなかった。「すみません」を謝罪の言葉とは思わなかったけれど、世間とか立場とか、そんなものを貼りつけてる言葉と感じていたよーな。
今は、相手の身に思いをはせるがゆえだから、それはそれでいーんではないかと思う。汚れちまったのか?(←うん。とっくに)。
全き子供の視点がよかったです。
>>445おばあちゃんの言葉
分を知る、ってことですね。わきまえる、ではない。
人にはそれぞれの個性に応じて、役割めいたものがあるのだと、誰それに笑われるとか、そーゆー他者からの視点はなしで、めそめそ力のない孫の心を慰めている。立派なおばあちゃんです。私が泣けるがな。
過ぎてきた歳月を思い起こさせる静かな筆致。いいですね。
年をとるのはステキなことですそうじゃないですか〜♪
あー、私もわかりましたですよ。人間、分に合わないことすると上手く運びません。第一、しんどい。しみじみさせられました。
455 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2006/02/13(月) 19:15:03 ID:VsaGzJrt
>>446 題名ないんですね。でもって中身も難解〜。
メキド。やられましたよ、あそこには。HPいくらあっても足りゃしない。って、メルキドじゃないのね。
メキドってなんだ?旧約聖書にあるメギド?それとも他のどこかにある地名か何か?すでにつまづいてますよ、私。物知らずですみません。
全編、キリスト教色が貫いてます。作者がクリスチャンだからでしょーか?それとも装飾に使っただけなのか。キリスト教は、仏教ほどには日常に染み込んでないので、何かのエピソードなりを織り込んでるのだとしたら、私にはサッパリです。
一連目、《八月》《戦争》《終わった》とくれば、真っ先に思い浮かぶのは日本の敗戦でした。コンクリートの廃墟とは原爆ドームなのか、と思いました。
が、原爆(と、解釈するっ)の記憶を具現する二人に胸は痛みますが、実のところ、何が何やらわかりませんでした。
二人の立場は同じではないのですね。どうして違うのかわかりません。はー、とにかく、わかりませんでした。申し訳ない。
>>450シンプルでシリアスな彼女の事件
あー、これもよくわかりません。申し訳ない。
語り手が男なのか女なのかすらわかりません。二連目に《侍》とあるので男性だと思っていたんだけど、八連目の《わたし》は女性のようだし、語り手から見た彼女の独白なのか、なんなのか、結局、事件とは何だったのか?
運命の否定が結論のよーですが、その否定に到る経過の記述がもーお手上げです。すみません。
審査とか言っときながら、内容の感想に終始しました。
私の分では、これで精一杯どす。許してやってつかーさい。
しかし、難しかった。我が身を振り返りもしました。過去の審査員さん、ごめんなさ〜い。
で、優勝は「ありがとう」に悪戦苦闘していた
>>438発声練習
で〜す。
しさん、あとはよろしく〜。
456 :
玉こんにゃく ◆IVVTBUqDhU :2006/02/13(月) 19:43:57 ID:6KLFKdDD
あぶくさん 審査お疲れさまです(o*。_。)oペコッ
し さん 優勝おめでとう (* ̄∇ ̄)/゜・:*【祝】*:・゜\( ̄∇ ̄*)
>>453 あぶくさん、ありがとう(照れくさい)。
458 :
関東土人は馬鹿:2006/02/13(月) 19:53:15 ID:ksQwmJoj
『小さな偶然に』を書いたミミンです(笑)
あぶくさん,審査お疲れ様でした(*_ _)ペコリ
目新しいモノをあえて描かず本当に日常的で淡々とした中での感謝を書いたつもりでしたが…まだまだですね(ノ_・。)
更に精進します!
しさん,優勝おめでとうございます!
460 :
436:2006/02/13(月) 19:59:35 ID:opPC0tmM
あぶくさん、ありがとうごさいました。もっとながーい詩(予定)の一部です。
しさん、おめでとうございます。( ^_^)∠※PAN!。.*:・'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*\(^O^)/
462 :
カコ ◆kaco/250tg :2006/02/13(月) 22:10:12 ID:XBTfC+MQ
あぶくさん、審査お疲れさまでしたっ┏o ペコッ
今度は、前よりも少しは伝えられたでしょうか?(笑)
読んでもらえて、今とってもすがすがしい気持ちで嬉しいです☆
ありがdでした(・ヮ・)♪
しサン、おめでとーございます!!(^^w)パチパチパチ
463 :
◆KeroF.Iy86 :2006/02/13(月) 22:56:42 ID:xXNbQPYA
しさんからの指名により参上いたしました、氷化スレの
>>1です。
審査、ぜひやらせて頂こうと思います。
とはいえ自分は万年中級者ですので、
あんまり高度な事は出来ませんが、やるからにゃ精一杯やるのでよろしくお願いします。
◆お題
「砂漠」「ジャングル」「雪国」「都会」「大草原」の5つ。
どのお題を選ぶかは自由。一つだけ用いても、複合技でも、欲張って全部使っても構いません。
実際にどのお題を使ったかを明記する必要はありません。
投稿期間・・・10作品集まるまで。
審査期間・・・作品が集まって次の週末の予定。可能ならもっと早くできるかも。
『さらさらと…』
さらさらと
風に煽られて
昨日は無かった山が
ぽろっと顔を出す
陽の下では
焦げる程,暑くても
月が覗けば
凍り付く銀砂
力尽きて眼を閉じる
聞こえるのは
何故か幼い頃の
子守歌と吹雪の叫び
『ああ,砂漠にも雪…』
びょうびょうと
吹き荒れる砂嵐は
夢の中で雪飛礫に変わる
意識が途切れる寸前
嘲笑ったのは
魔神か
雪女か
[光]
大好きなモノ全部置いてきた
覚悟はできてた17の夜
それでも淋しさに震えた夜行バスの中
都会の空気はに濁っていて
悪も正義も優しさも、真実が何一つ見えてこない
それでも歩いていく
たった一人
バカにしないでよ
涙も甘えも置いてきた
叶えなきゃいけない夢がある
ここで生きていく
負けられない
「辛いんだと口に出して言えない男は
愛しているとも言えないのだろう」
”窓の外には赤い色をした海が広がって
原初の営みそのままに古代の風が吹き荒れて
見たこともない、荒々しい鳥が
見たこともない大きな魚に食べられている”
そんな窓のある部屋の真ん中に
ブロンズの女の裸体をはべらせ
思うさまに精液をぶっ掛けて高笑いをし、
次の日に洗い流して、涙を流し、
金槌で打ち壊す夢を見て眠る男の夢を
乾いた目のまま見つめ続ける
男の夢の中には、女が入ることはできないのだから
枯れた花がさらさらと降る草原で
ブロンズの角に刺し貫かれて死んでいくフェレットになりたい
ここに 見えるよ塔の上から。
ここは 昔原野だった。
雪すさぶ中
糧を探して彷徨っていたよ
幾日も。
友を探して歩いていたよ
幾年も。
アスファルトの上 放置車両の中
骨になった君の からだを見つけたよ
道しるべにした 団栗のかけら
雄鹿の角で 貫かれた穴
かわいい形で 君の胸の上
さようなら友よ さようなら
空の穴が今 大きくなって
山がまた二つ 切り崩されている
マチの祭りは 雪を惜しんでる
その結晶に似た 土地を東西に
貫く流れに 魚は見えない
大きな川 広く広く
熱は止められず 上へ上へ
あのねここの族長はとても
歌を歌って聴かせるのが好きだ
野に山に響くことのない歌
さようなら友よ 涙を落とすよ
ここに 見えてる塔の真上から。
ここは 大きな海原になるよ。
468 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/02/15(水) 02:43:34 ID:aUVQ9tym
『少年』 #1
求人広告を出したのだが求む人は思うようには集まらない
社の個人直通番号回線も新しく引き直し
語呂の良い末端1414に変更してまでの募集だ
思い切って風俗誌の広告欄を買い求めたのだが
発売が俺の都合に合わせるわけもなく
一ヵ月後待ちに待った募集要項が載った雑誌がやっと発売されたのだった
一日目 ドスの効いた男の冷やかし電話が一本
二日目 もしもしと用意しておいた社名を名乗る隙もなく切れる電話が四件
三日目 風呂にも入るのも惜しんで室内に泊まり込んだが鳴らなかった電話流れない水曜日
四日目 寝不足にて目が覚めたのは夕方六時 十七件の無言留守番電話着信電話番号がダブっているのを差し引いて十三件
五日目 金曜日居眠りしないように薬局にて値の張る栄養ドリンクを三本購入して待機
仕事も手に付かず決裁文書が机に山積みになり雪崩寸前なのだが
手持ち無沙汰は温い物が良く巣で眠っていたモモンガを引っ張りだし
ソファーに寝そべって手と足に繋がった皮膚の柔い筋を撫で回していた
毛皮臭い指を動きの鈍いモモンガの小さな頭蓋骨に擦り付けていると
電話が鳴った三時四十七分
469 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/02/15(水) 02:48:51 ID:aUVQ9tym
#2
「揚羽蝶の入れ墨の入った者なんですが、広告を見て電話しました19歳です」
「主婦です、蝶の入れ墨は胸にありますが、どんな仕事をするのでしょうか?」
「借金があってすぐお金が必要なんです。何でもします雇って下さいお願いします」
『蝶の入れ墨、揚羽蝶の入れ墨さえある方ならどなたでもかまいませんよ』
淡々と事務的にはやる撹乱という熱エネルギーをひた隠しに 抑揚を体の芯に括り付け受け付けをこなす
電話を終えてみると何やらシステム開発部のフロアーに直結しているドアの向こうが騒々しい
悲鳴が聞こえてきたがきっと蛇が檻から逃げたのだろうと隣の部屋の事情にはかまいはしない
一昔前使ってそのまま設置したままのインターホン
モニター付きの受け付け直通の電話機も鳴り始め
しどけなくモモンガを抱いたまま受ける
モニターは真っ黒なままで音声のみが受話器が規則正しい信号のように粒子になって耳を襲う
「イベントか何かの募集ですか?面会希望の女性の方がお見えです」
個人回線電話と内線と俺の頭の中の回線が同時に鳴り響く
「六人面談希望の女性が来る。携帯電話番号を必ず聞いておけ。ワシントンのロビーに七時とだけ伝えてくれ」
470 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/02/15(水) 02:51:26 ID:aUVQ9tym
蝶に囲まれて眠りたいんだ
蝶々蝶々庭には緑の芝生のベッドがあって
俺はただの無知で無垢な少年
花だ花だ花だ花だ花でありたい緑色に不埒に咲ける花
止まれ止まれ蝶々蝶々俺の心に触れず
ただ肉体の周りをくるくると囲んで飛べ
蝶達に囲まれれば安心して眠れる蝶々蝶々蝶々蝶々
足元掬われる不安もなく蝶々は俺を少年にし囲んで
陶酔と肉の壁から離脱したはばたきで
安堵の瞳を与えこの目を曇った目を粉々に潰してくれるはずだ
モモンガをワイシャツのポケットにねじ込んで
上着に腕を通し風俗誌を壁目がけて投げる
ごみ箱から幾分それて開く開脚の見開きページを睨み
ソファーから背もたれ椅子に腰を落とし黒いレザーの後光と獣臭さに囲まれ
朱肉の赤みに騙されつつもポンッポンッ
判を押す
蝶に囲まれて
ただ眠る少年を夢見ながら
『冬の日、旅に出る』
或る師走の朝
ガラス窓乳白色
微睡む眼を凝らせば
曇った空と積もった雪
私が眠っている間に
密かに、天と地、相反するもの同士、融け合ったらしい
一方私達はと言えば──
──二日前、私を貫いた、君からの「さよなら」──
私は白濁の世界に嫉妬してしまった
永遠なる単体ならばいっそのこと
この白濁と馴れ合ってしまおうか
白い帽子と白いコート
私は旅支度を始める
外界に同化してしまうだろうこの輪郭は
もう誰の眼にも捕らえられまい
勿論、君のその眼にも……
ねぇ、
引き止めるなら、
引き止めるなら今のうちだよ、君。
472 :
青が繋ぐこの世界で:2006/02/15(水) 06:29:40 ID:dHNkZjDN
青が、繋ぐ、この世界で、
水玉のパラソルを差して、
雨上がりを、
手を繋ごう、
空と、雲と、
そして、水溜りを勢いよく飛び越えてくる
かわいい水色の象さんの如雨露を持った、
忙しい誰かさんと、
ねぇ、
ジーンケリーに様に踊って見せて、
そして、私を雨の中へ連れ出して、
この晴れわたった空の下からこっそりと、
かみさま、今日、夢をみたんだよ、
おはようって、
もう少ししたら、
そっちにいくよって言う夢を、
その人は、遠い、遠い、町から、
いくつもの水溜りを飛び越えて、
私のところに来て、
雨を降らしてくれるはずなんだ、
ねぇ、
教えてほしいな
貴方の頭上には私と同じ青い空が広がっているんだろうかって、
そして、今、貴方のいる空は、晴れていますか、それとも、雨がふっていますか、
473 :
名前はいらない:2006/02/16(木) 13:17:48 ID:dyNFiOoe
「あらゆる場所でセックスしよう」
いまここでしようよ、セックス
ぼくらは実際どんな場所ででもセックスできたわけだし、
ご先祖さまはどんな場所ででもセックスして増えてきたんだ
伝統ってやつだよ
ぼくのLOVEで溺れるのがこわいなら
目をつぶってくちづけ交わそう 波の音はすぐに聞こえなくなるだろう
きみは思い出すだろう
月のない晩だから ぼくらは海に帰る日なんだ
今夜ぼくらはここでセックスして生まれてきた子供たちもここでセックスする
これからぼくらの子供たちはプランクトンに進化する
生命から原子へと解放されて 惑星に参加する 思考する銀河のネットワークの一部になるんだ
ほら、もう きみの首筋に
えらがぱくりと真っ赤にひらいた
1.
>>464『さらさらと…』 ミミンさん
2.
>>465 [光] ID:lY5wUkJRさん
3.
>>466「辛いんだと口に出して言えない男は
愛しているとも言えないのだろう」ID:EfswjcY2さん
4.
>>467 タイトルなし ID:MqZLOtGSさん
5.
>>468『少年』メタリック竹輪〔Remodeling〕◆o0rnnbHBHoさん
6.
>>471『冬の日、旅に出る』カマドウマ ◆a76ZcoQAMMさん
7.
>>472 青がつなぐこの世界で ID:dHNkZjDNさん
8.
>>473「あらゆる場所でセックスしよう」ID:dyNFiOoeさん
◆お題
「砂漠」「ジャングル」「雪国」「都会」「大草原」の5つ
残り二作品
てことでいいのかな
あげとく
476 :
し ◆FCXRNaWgHs :2006/02/18(土) 15:08:40 ID:akJZ979x
あげ
「魅力」
走り抜ける 分厚いラバーブーツで
草木踏み分け ヘビのツル掻き分け
夢中になって 影を追って 見失う
見上げれば深いジャングル
クァックァックァックァッ
それは観衆の警告か あざけりか
またしても手ブラで帰路に着く
ここでは俺だけが常人
いや その逆だな
ヤツらの常識で言えば
いつか
いつか家にも戻れなくなる気がする
ヤツらに混ざって
(続く)
(続き)
いつのまにか 囲まれてる
本当の姿はもっと良心的なんじゃないかと
勝手に解釈して
ここはそういう所だと
自分に都合つけて
自分自身 見失うことに同意
やがて俺も 追われる身に
間にある川は 深くて渡れないよ
ヤツを捕まえたかったら
向こうに渡しかない
ズル賢いアイツらは俺が来るのを待ってるんだから
そう
理由をつけてさ
初参加です。よろしくお願いします。
480 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2006/02/19(日) 12:17:24 ID:e4vsTt2z
『地へ』
朝がきたようだ
葉の隙間からちらちらと光
葉の隙間にてんてんと空
ぼく達は行かなくちゃならない
誰に逐われたわけじゃない
行くあてもない
けれどぼく達は行かなくちゃならない
この森をすてて遠くへ
子供のときにみんなで一番の大木にのぼった
空はひろくて太陽はまぶしくて
風がぼく達の毛を梳いていった
森の途切れたあたりは薄茶色で
ここの葉よりも淡い緑がぽつぽつあって
見たことのない生き物達が何十頭も立っていた
ぼく達はもうあの木の頂にはのぼれない
重くなりすぎたから
かあさんありがとう
ぼく達は行くよ
おととしの春に生まれたぼく達を
何かがせかすんだ
誰に呼ばれてるわけじゃない
行くあてもない
481 :
続き:2006/02/19(日) 12:19:56 ID:e4vsTt2z
今までと同じように
木から木へと渡って
最後の幹にキスをして
それからぼく達は
木を下りる
おそるおそるこわごわと
三度目の春はどんなだろう
てのひらに土を感じて
ぼく達は歩きだす
行くあてもないけど
行かなくちゃならない気がするから
この毛を爪を何かが衝きあげるから
おっ揃った。
>>464『さらさらと…』 ミミンさん
>>465 [光] ID:lY5wUkJRさん
>>466「辛いんだと口に出して言えない男は
愛しているとも言えないのだろう」ID:EfswjcY2さん
>>467 タイトルなし ID:MqZLOtGSさん
>>468『少年』メタリック竹輪〔Remodeling〕◆o0rnnbHBHoさん
>>471『冬の日、旅に出る』カマドウマ ◆a76ZcoQAMMさん
>>472 青がつなぐこの世界で ID:dHNkZjDNさん
>>473「あらゆる場所でセックスしよう」ID:dyNFiOoeさん
>>477-478『魅力』
>>480-481「地へ」
10作品揃いましたね。
いま批評文を書いていますのでしばらくお待ちください。
揚げ
応援あげ
ちょっと批評文書くのに難航中・・・。本当に申し訳ないです。
もともと早く書くことが出来ない上に、
久しぶりの批評で自分の価値基準をいまいち定められないのが主な理由です。
>>486 このスレッドは評つけなくてもいいんですお。。
選者氏がすべて好きにしてください。
>>487 了解です。じゃあ時間が掛かりすぎるようなら簡略化しようかと思います。
489 :
名前はいらない:2006/02/25(土) 21:04:11 ID:DLPh2zBW
>>463 週末とは土曜日ですよね?
来週の土曜日までが選者が予定していた期限?
長いね‥
いや、批評文を書くのが週末、というだけの事なんですよね。
10作品集まったのを見てこりゃ週末だけじゃ終わらないぞ!ということで平日にも作業してますが・・・。
ちょっとこの企画に参加する労力を見くびり過ぎていた事は否めません。
491 :
名前はいらない:2006/02/25(土) 21:27:19 ID:DLPh2zBW
人それぞれ都合があるのでむやみに急げとは言えないが、時間がかかるならそれなりの批評文にしては?
投稿作が集まってから丸六日経過しているよ‥
492 :
名前はいらない:2006/02/25(土) 21:28:58 ID:DLPh2zBW
とにかくガンガレ!
大丈夫〜マターリ待ちますよん。
494 :
名前はいらない:2006/03/04(土) 20:54:46 ID:KaSXKjFh
本日が審査の約束期限ですね。
495 :
名前はいらない:2006/03/05(日) 09:42:07 ID:S8jy1M2G
まだですか?
496 :
名前はいらない:2006/03/05(日) 19:19:26 ID:S8jy1M2G
選者失踪か?
497 :
1:2006/03/05(日) 19:43:03 ID:eyGuUCjF
週末の今日中にアクセスがなかったら、こういう場合の対応を決めましょう。
急の用事でネット環境におられない場合も考えられますし。
案を考えてください。
498 :
名前はいらない:2006/03/05(日) 20:12:18 ID:S8jy1M2G
七曜は日曜日から始まります。週末とは土曜日です。すなわち昨日。
>>463を読む限り約束反古のようです。
選者を指名した人が審査をするというのはどうでしょうか?
とりあえず登場ですが、実は最近忙しいのと書いたと思ったら保存されてなかったりで、
まだ評が完成していないんですよね・・・。
投稿してくれた方々には本当にご迷惑をお掛けしてます。
自分が指名を受けた以上は評無しで終わらせる、という事は避けたいと思っていますが、
流石にこれ以上の延長は許されないので、
今はとりあえず優勝者を発表してこのスレはそのまま進行,
細かい評やそれに関するやり取り等は臨時で「氷化する地平線」スレに書き込む、というやり方はどうでしょうか?
自分が建てたスレとは言っても基本的にスレは公の物なんで、
書き込みがないからといってこういう使い方をするのはあまり良いやり方ではないんですけどね・・・。
実際の方法は皆様にお任せしますが、どうしますかね?
500 :
1:2006/03/05(日) 21:43:21 ID:eyGuUCjF
>>499 お返事ありがとうございます。お疲れさまです。
評は次の回と並行に走ってればいいだけなので、ここに書いていただいたほうが
よろしいと思いますよ。
>>500 複数の流れを並行させた場合、
作品投稿やら評やら感想やらでグダグダになってしまう可能性が高いと思うのですが、その点は大丈夫ですかね?
502 :
名前はいらない:2006/03/05(日) 22:05:52 ID:S8jy1M2G
>>499 言い訳ばかりしている印象ですね。
審査を引き受けた時に自分が言った事、投稿作品が集まってから半月近い日にちが経っている事など、本当に責任感があれば昨日の時点で何かしら言うべき事があった筈です。
スレの進行を妨げない方法でお願いします。
503 :
1:2006/03/05(日) 22:09:52 ID:eyGuUCjF
>>501 ここの参加者は誤読をするようなことはないから、ダイジョウブだよ。
多少、見た目混雑してても、きちんとそれぞれの筋が追えると思う。
とりあえず、さきの話のとおり、優勝者発表して、あとはゆっくり評を
アップしてってください。今回も意欲作が多かったから大変ですが。
>>502 本当に申し訳ないです。
>>503 了解です。では優勝者および次の選者指定する人を発表したいと思います。
「少年(>>468-
>>471)」を書いた、
竹輪ぽぇーむさんを優勝者として推したいと思います。
次の選者指定を宜しくお願いします。
505 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/06(月) 14:05:58 ID:d2qjoZ8T
>>504 ◆KeroF.Iy86さん
評はあせらず
慣れるまで自分のペースでしっかり書いたほうが身になるし
◆KeroF.Iy86さんの解釈と感覚に興味があったんだ
評は気長に 楽しみにして待ってます
ありがとう
506 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/06(月) 14:11:48 ID:d2qjoZ8T
知性と語彙 語感の伝達 主張など
とらえる 厳しくやわらかな
☆女性の選者様がよいかな☆
リーフレインさん
に審査願いたいのですが
多忙だと思いつつも
お願いしたいのです
※このコンペ 男性の選者さんばかりなことに気付いたので
この回はぜひ女性の選者さんをと
507 :
リーフレイン:2006/03/06(月) 19:17:31 ID:5ieBzhZu
>>506 げげ、、げげ。。。げげ、、、
えっと、光栄であります、不詳、”毒舌いいたい放題評価人”勤めさせていただきやす。
(マタの名を"ふかよみ婆あ”)
お題そのほか、明日までオマチください、、、今日は時間切れであります。
508 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/06(月) 21:31:37 ID:d2qjoZ8T
>>507 リーフレインさん
引き受けて下さって
うれしゅうごさいますm(_”_)m
どうもありがとう!
509 :
リーフレイン:2006/03/07(火) 14:26:45 ID:sg+0W2uj
お待たせいたしました。
僭越ながら、お題そのほか提示させていただきます。
お題 「卵」 (付帯条件。 できるだけ息を止めて書いてください。習字書く時みたいに。)
期限 : 10日間。 2月18日いっぱい
その他: 一人一作。名前はつけてもつけなくても可。
審査期間:基本的に3日間(状況次第)
以上です、 よろしくお願いいたします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
>>508 メタリック竹輪さん、優勝おめでとうございます。。(ご指名ありがとうございました。)
うちは、「つらいんだと言えない男は・・」書きました。。
蝶 素敵でした。中年くさい肉感と少年ぽい幼い精神が奇妙に両立してて
それが狂った蝶の群れに覆われ尽くされていきました。なんかいつもよかちょっとエロかったです。
510 :
リーフレイン:2006/03/07(火) 15:13:34 ID:Ic8Swqgh
ごめんなさいー
2月ー>3月
511 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/03/07(火) 15:36:07 ID:+kkroHdN
『粘土』
卵子と卵のうだつの上がらない言い争いに辟易した俺は
毎日マールボロの吸い殻をおまえのオマンコに詰めたのです
先っちょにティッシュをつけて
僕は井上くんと上野動物園に行きました
猿山は寒くて死にそうで、猿たちはみんな僕みたいな顔をしていました
殺す!上野殺す!
俺やおまえらやおまえらの父や母が殺してきた俺を返せバカ!
一年中ファックすることしか頭にない猿め、俺はお前らとは違う!俺は正しい!
俺がおまえらがおまえらの父が母が、俺をお前らの仲間に入れようとしてるんだ
容赦ない攻撃、辛辣な口撃
いつだって卵の中には新しい生命が宿ってるっていうのに、おまえはまだバリカンを持ったままこの俺の頭を刈ることを考えてる
怖い、怖すぎるぜ
いいか卵!おまえはまだ未完成のブロック体だ!
金槌で叩きゃ壊れる軟弱な黄身だ!
俺は知ってる、おまえがこっちを見ていることを
俺は知ってる、おまえにこれから犯されることを
なぜこんなにも激しく憎いのか、こんなにもおまえを、黄身を、卵を、生命を呪ったことはない
死、死、死、死、死、死、死
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死
死んでも赦されない罪
この罪をお前ら双子は俺に架したんだ
すいません、ごめんなさい、ゆるして
ぼくがバカでした、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
アーノルド・シュワルツェネガーの筋肉、マライア・キャリーの声帯、僕の頭脳、小鳥の脳味噌
そんな物が渾然一体となっております!
まさに奇跡!驚くべき奇跡!
願っております、願っておりますのです!
さあ、みなさん、一緒に飛びましょう!
この塔の上から、真下の地面に向かって!
いざ!
さ よ う な ら ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
>>504のケロさん。忙しいところお疲れ様でした。
竹輪さん優勝おめでとう。
「手」か〜。ありがちになりそうだけど参加します。
「役割」
僕は歩く
坂道を のぼったり おりたり
追い掛けたり 追い付けなかったり
ときに逃げたり
僕は何かに触れる
物を使ったり 捨てたり
誰かに触れたり 突放したり
ときに顔を覆ったり
僕は考える
行動の意味はすべて僕の感情で動かされてるんだけど
ほんとうは指示通りに動かされてるだけ
僕の役割
人間に手を貸すこと
514 :
名前はいらない:2006/03/07(火) 22:35:52 ID:px9IYsXT
>>513さん。
…「手」はポエム大会のお題だよ?
こっちのお題は「卵」。
515 :
やさしいあくま:2006/03/07(火) 22:37:02 ID:9DYHQsjH
ア…。
3連目に誤字発見しました。すいません。
×僕の感情で動かされてるんだけど
〇僕の感情で動いてるんだけど
以下、たぶん2つか3つぐらいに分割して投稿です。
************************
『目玉焼きは手早く』
あるひとが、疾走する小田急線の特急ロマンスカーに
飛び込む
そして、そのひとの破片が、フロントガラスを突き破り、
最前列のパノラマ展望シートに座っていたひとが
怪我をする
そんなことが、先月あった
そこで、当分の間
ロマンスカーの最前列シートは、発売中止である
***
卵を割る
「かしゃっ」という微かな音
まるで、消えていく生命のような、その音が
ターミナル駅から15分離れた僕の家では
僕の手の中で、消えていき
深夜のフライパンに
切なさが落下する
それは
熱にさらされて直ちに変質し
白濁し固化ていく
***
妻が寝ている
蒲団まで
直線距離で
あと5m
火にかけたヤカンが
鳴き始める
518 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2006/03/08(水) 01:28:28 ID:wH/acFvC
以上、516-517は一つの詩です。
>>514 すいません併用してみてたらごっちになってたようで誤爆しました。卵っスね。
すいません
>>513は誤爆なので取り消ししてください。失礼しました・・・・。
「目玉焼きジュージュー」
ジュー パチパチパチ
焼けたフライパンに卵をおとした
油が跳ねる
「あ、双子だ」
黄身がふたつ 狭い殻のなかに
割られて落とされてから
双子だったと気付く
「だから 産まれなかったんだよ」
「そうかな?」
卵のなかは一人しか生きれない
双子のうちどちらかは
もう一人を 食べて生なきゃなんない
産まれてからもらえるエサも愛情も
半分になってしまうからだ
産まれたたまごはひとりきり
泣かずに生きて独り占め
産まれなかったたまごは
お互いを許し合って 殻のなかずっと
(つづき)
「僕たちみたいだね」
「そうだね」
僕はもうひとつ卵を割って落とした
ジュー パチパチパチ…
油が跳ねた
522 :
名前はいらない:2006/03/08(水) 18:55:30 ID:hbb9bEyK
やぁ、やぁ、やぁ、
こにゃにゃちわー、こんばんわ、hello、
sunset、やぁ、おはようー、おひゃよう、
急転上昇、高速突破、ぐるりと回転、
ロミオとジュリエットを虐殺して、僕は、君に花束を、
そして、アルジャーノンにも、
sunset、夕焼け、夕刻、僕の背中、荒野のガンマン、
七人のサムライ?君はだれだっけ、sunset、
over the sunshine 闇夜を走ろう、
Beatを掴んで、もう離さないで、その手を、
僕の前を歩く女の子へ、忘れもしない8月、
午後0時、君はやってきて、僕を連れ去っていく、
早く逃げなくっちゃ、もう燃え尽きてしまうと言いながら、
君の汗が、雨粒となって、豪雨に、アリとキリギリスは溺れる
523 :
名前はいらない:2006/03/08(水) 19:03:40 ID:hbb9bEyK
そして、12月へ、
僕らは雪が降らない月で、新年を祝う
Rabbit達が、無重力の中で踊って、
すでにダンスホール!陽気なDJは火星一のラッパー集団
バズクライス
そしてまた加速、
星の王子様が火山のせわをしているのを横目で見て
僕らはその先へ、ブラックホール!
優しく僕らを分解して、そして消滅させて、最後に夢になって、
そうそう、僕らはもう肉体を失って、夢になる、
sunset、小波ブランカ、いくつもの光線獣の雄たけび
ピギャー、あぁ怖い、にょろり、そろり、僕らは、神様の夢の中へ
忍び込む、今日も悪夢にうなされていてノイローゼ気味、orz
今なら歌えるよ、すべての日々を、消し去るぐらいの大声で、
そしてまたここで、sunset、Reset
524 :
名前はいらない:2006/03/08(水) 19:07:36 ID:hbb9bEyK
ポチポチ、ザワザワ、ソワソワ、ハグハグ、
べろりんちょ、かたつむりの額、冷えピタを貼って、
優しく、そう、優しくしてあげてね、
地球儀で、僕らが住む場所を選ぼう、
ここー、どこー?、sunset、ブエノスアイレスー
やぁ、やぁ、こんばんわー、こんにちわー、さいならー
もう一回だけ、深呼吸していい?もちろん!
減速低下急降下、
now!ホホウ、べろりんちょ、
海、海、海ー!
すなはまが、あしあとを、けしさって、
ぼくらのいたこともけしさって、
そして、ぼくらは、すなはまをけしさって
525 :
名前はいらない:2006/03/08(水) 19:14:59 ID:hbb9bEyK
―ピーガシャン、ドカン、ドカドカ、バタン、
僕らが夢になった後の話をしよう、いくつもの戦争がおきた、
世界は滅んだ、いや滅んでいない、滅んだ、どっちだっていい、
すでに、僕らの足跡はもうないのだから、sunset、Reset、
おいで、ここへおいで、僕らがいるところへ、いつか、君が、sunset
を見つけた時に、僕らへ会いにきて、それまでは、苦しんで、そして死んで、
じゃぁそろそろ、いくかー!お、おう!
sunsetbeat、小波ブランカ、はぎしりヴァイオリン、鼻息ヴィオラ、居眠りチェロ、
おいてけぼりにするよ?どこまでついてこれる?ねえ、これを読んでいる貴方(はぁと
僕らはもうすでに、銀河系を飛び越えて、名前がついていないどこかにいるよ、
遅いー、ヘタレ、まぁ、足が邪魔でしょう、それじゃぁ重力に捕らわれたまま、ぶった切れば?
そしたら、高く飛べるかも、おいで、おいで、こっちへおいで、
―ドガーン、ピシャー、ギャー、バタン、
やっぱ、ついてこれなかったね、一生、そこでチマチマやってろ、あっかんべー
526 :
名前はいらない:2006/03/08(水) 19:16:03 ID:hbb9bEyK
「生卵」
ほかほかの
白いご飯に生卵をかけて
今日もおれは
生きることをはじめる
『受精』
今,抱えている卵は孵していいの?
小さな小さな卵だけど孵しても…
毎月,できる卵
なにげに流しているけど本当はいつでも躯は待っている,孵してもらうのを
タイミングもあるし,体調も大事
もちろん,本物の卵になっても孵してもらえるとは限らない
待っている人もいるし,望んでいない人もいる
私は本物の卵になったけど…
ねぇ,孵してもいい?
「スモーカー父さん、30秒だけなら息を止められるのだ」
卵を抱えてます
母さん帰ってこないね
おまえが孵るときには母さん帰って来てるかな
「たまご」
くゎっしゃ、、、、
悲しみ砕けて
固い中身はふるふる揺れてぇる、
、、 わたし、みたいだね。
くしゅ、くしゅり、くしょん。
こういう凝縮は
摂る者すべてにぶつぶつを起こすんだ、
、、 何が、えいようまんてん、だよ。
531 :
銀色の卵T:2006/03/16(木) 00:48:27 ID:RIMUs8Nx
昔の男から宅急便が届いた
別れてすぐに海外青年協力隊でタイに行ったと聞いた
二年になる
箱を開けると繭玉のような緩衝材の中に銀色の卵がはいっていた
そのままにしておいた
ルルル・・ルルル
今の男からの電話はやけに心を弾ませた
次の日の夜家に戻ると卵が孵っていた
銀色のひよこだった
綿毛に埋もれ目は見えず嘴と爪が光っていた
そのままにしておいた
ルルル・・ルルル
今の男と明日逢う約束をした
次の次の日の夜家に戻るとひよこが死んでいた
傍らに銀色の卵があった
そのままにしておいた
ルルル・・ルルル
友達からの愚痴テルだった
次の日の夜家に戻ると卵が孵っていた
銀色のひよこが銀色のひよこを食べていた
ルルル・・ルルル
今の男に電話をかけた
話し中だった
532 :
銀色の卵U:2006/03/16(木) 00:49:55 ID:RIMUs8Nx
ルルル・・ルルル
今の男に電話をかけた
伝言サービスが流れた
次の日の夜
ルルル・・ルルル
今の男からのコールカウントは九回で止んだ
次の日の夜家の中には銀色のひよこと銀色の卵と銀色の羽毛と銀色の骨と銀色の爪と銀色の嘴と銀色の二個の殻があった
繭玉が箱からこぼれていた
血が付いていた
ルルル・・ルルル
職場の出入り業者からだった
明日食事に行く約束をした
ルルル・・ルルル
今の男には「まだ決められない」とだけ言った
次の日の夜銀色のひよこに触ってみた
血の付いた嘴でつつかれた
死んでいる方のひよこは中身がないみたいに指がめり込んだ
目がなかった
三つの殻にこぼれた繭玉をいれてみた
銀色の羽毛をかぶせてみた
骨を爪を嘴を殻のかけらを散らしてみた
月明かりに虹のパノラマが流れていった
両手に包む太古の海
もろくも堅い殻のなか
漂う命はあるだろうか
ゆるやかに流れる温もりを
そそぎ込んだならば
孵られるだろうか
いつの日にか
信じたように
534 :
し ◆FCXRNaWgHs :2006/03/18(土) 14:04:50 ID:nqVFb7Jk
今日までですよ
535 :
ボルカ:2006/03/18(土) 22:39:00 ID:PcPiYCu2
ですよね。
536 :
リーフレイン:2006/03/19(日) 08:02:16 ID:H7S+WY/H
〆切りです。了解しました。今日はできないのでしばしオマチを。
(数が少ないから、遅刻作品も受付マース)
537 :
名前はいらない:2006/03/19(日) 21:24:25 ID:ryxinWkc
神よ
少しばかりの猶予を我等に与えたまえ
八月の難破船が十二月に妻達の元へ帰るまで
少しばかり貴方の慈悲を
神よ
我等が豪雨に打たれ
その身を投げ出すまで
少しばかりの猶予を与えたまえ
いつの日か
我等が貴方無しでも
生きていけるようになるまで
少しばかりの猶予を与えたまえ
神よ
私が死ぬまで少しばかりの猶予を
私が朽ちた後
いくらでも貴方の裁きを受けよう
538 :
名前はいらない:2006/03/19(日) 21:25:54 ID:ryxinWkc
神よ
あらゆる谷が高められ、すべての丘と山が低くされるまで、
少しばかりの猶予を我等に与えたまえ
いつの日か
貴方がいなくなっても誰しもの笑顔が絶やされることがないようになるまで
少しばかりの猶予を与えたまえ
神よ
私が死ぬ時
私の家族が悲しみに満ちているとき
そっと手を差し伸べて
少しの間だけ寄り添ってあげてくださるようにお願いします
539 :
リーフレイン:2006/03/20(月) 20:15:55 ID:D+xsweLD
まだ途中ですが。。少しづつあぷ。
>>511 粘土 曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU氏
指定どおり、息を止めて一気に書き上げた勢いが凄いです。
なんつか「孕みたい女」と「孕ませたくない男」の会話のような始まりにやや苦笑。
吸殻詰めたり、動物園で罵倒しまくったりと痛快に鬼畜な記述から一転
>すいません から気弱に。最後は飛び降り自殺に終わりました。
卵はつおい!
まあなんだね、生まれちまった卵ってなあ、次の卵に場所をゆずることになってるんよね。
通行人さんのお得意なカオスが縦横に走ってますが、めずらしく
愛の対象が女じゃあなくて卵になってた。ただそのせいか、愛情の
容赦なさがいまいち発揮しそこなってて少々不満が残ったり。。
>>516-517 『目玉焼きは手早く』 ボルカ氏
飛び込み自殺死体がかしゃーんと割れさらに電車の窓ガラスが割れる音は
生命の壊れる音 生命の殻の壊れる音で、こぼれだす生命そのもの。
ひるがえって自宅で夜食を無心に作る手の中で
卵が割られ、生命がこぼれだし、白濁していく。
綺麗に切り取られたシーンが短いセンテンスで巧妙に失われる命を並列に描きだしています。
”妻が寝ている布団まで直線距離であと5m”で、生きている命にライトをあてて
無常観を越えた安心を読み手に与えていました。最終連は、もしそれがなければ
ややあざとくなったであろう読後感を上手に緩和する一連です。
無酸素状態で一気に書くというお題のせいか、やや短く、踏み込みが浅いかなと
気もしましたが、、命のエネルギーを壊れる瞬間からさかのぼって感じることができる良作品でした。
540 :
リーフレイン:2006/03/20(月) 20:17:13 ID:D+xsweLD
>>520 「目玉焼きジュージュー」 やさしいあくま 氏
僕らは譲り合いつつ殻の中でじっとしてる?
僕らというのは何を示しているのか疑問でした。
一つには、相反する精神の動きに足をとられて、どちらにも進めない状態(例えば、世間的な
尺度と、理想論的な尺度にひき裂かれる、あるいは、世間的な尺度と自分の本音にひき裂かれる)
を言っているのだろうかとも思うし、もっと大胆に想像すれば、本来は双子だったのが
精神だけが一人の肉体の中に宿ってしまった奇形の主人公である。あるいは
恋人同士であるのだけど、やはり相反する方向性の中で引きこもってしまったという設定?
どれをとってもかまわないのだと思います。
一人が「産まれるためには一人でなくてはいけない」と現状をシニカルに批判し
もう一人もその意見を肯定しているところがなんとも乾いた理不尽さを感じました。
わかっちゃいるけど、できないのさ という作者のつぶやきが聞こえてきそうです。
どうかな、なんとか両方うまく活かしてください。
やや気弱な双子卵。
541 :
リーフレイン:2006/03/20(月) 20:26:16 ID:D+xsweLD
>>522-525 「sunset,Reset,sunsetbeat」 名前はいらない氏
SFファンですか。。これは読者への挑戦とみました。折角ですので。
ロミオとジュリエット :シェークスピアの戯曲
アルジャーノンへ花束を:SF もとは短編でSFマガジン掲載。のちに長編に書き直し、映画化。
荒野のガンマン、七人のサムライ: 西部劇映画(邦画が先にあったやつ)。
over the sunshine 多分オズの魔法使いの中のover the reinbowのもじり?
闇夜を走る: これは似た小説が結構ありそう スティーブンキングあたり? 佐伯かよのの漫画もあったような。
午後零時、君はやってきて、僕を連れ去って;レイブラッドベリ 「何かが道をやってくる」 かな?
僕らは雪が降らない月で、新年を祝う: ハインライン「月は無慈悲な夜の女王」?
Rabbit達が、無重力の中で踊って、 :ホーカ シリーズを思い出した。
減速低下急降下: ハインライン「宇宙の戦士」冒頭部分の先頭シーン。ブエノスアイレスという地名もこの小説を思い出す。
星の王子様: サンテテクジュベリの童話
優しく僕らを分解して、そして消滅させて、最後に夢になって、 :Jティプトリーjr?A.Kルグイン?
バグスライフ:CGアニメーション映画。虫が主人公ありとキリギリスからの連想?
小波ブランカ 映画カサブランカ?
「屋根の上のバイオリン弾き」同名映画。(主題歌がsunrise sunset)
すなはまが、あしあとを、けしさって、 :「渚にて」「猿の惑星」
今なら歌えるよ、すべての日々を、消し去るぐらいの大声で、 :オーソンスコットガード「ソングマスター」 アンアキャフリ「歌う船」
光線獣: これはもしかして、漫画のもじりでは?
銀河系を飛び越えて :あまりにもありすぎてあれなんだけど、ハインライン「地球の緑の丘」(火星シリーズ)あたり?
重力: スターダンスが一番先に思い出したけど、ほかにも色々。
いやまあ、これが正解ってわけじゃあなくて、筆者のオリジナルなイメージもあるだろうし、
こんなん思い出したよってことで。。
542 :
リーフレイン:2006/03/20(月) 20:27:33 ID:D+xsweLD
選んでいる言葉が引用のような感じで楽しかったです。
唐突ですが、「スターダンス」って作品、これは稀代のダンサーである主人公が
無重力ダンスを踊って、それがなんつかな、次代の生命体への進化の道につながるっつう話でした。
3年前にスピリットで連載してた「昴」にもちょっと似てる内容なんですが、これ読みながら
一番強く思い出しました。 イメージの旋回は詩書きの夢で、疾走と失墜もまた詩書きの常かもしれないです。
「スクランブルドエッグ」
543 :
リーフレイン:2006/03/20(月) 20:31:39 ID:D+xsweLD
>>527 「生卵」 名前はいらない氏
美味しそうです。「実体を持った卵」
>>528 「受精」 ミミン氏
実にありがちなストーリーなんですが、息をひそめたような風情の中で上手に書いています。
ただ、女性としての視点から辛口に見ると、「こんな甘えた女はいらん」ということでありやした。
「てめ、産みたいなら勝手に産みやがれ、誰かに意見をもとめんじゃねえ」て感じかな?
「孵していい?」と聞く時点で、孵す判断を自ら放棄してます。それはどこかで免罪符を求めているような
感じで、「だめ」といわれれば罪を他者におっつけ「いいよ」といわれればそれを盾に後の生活の保護を
求めているようでなんともずるいぞ、この女。て、そもそも女の狡さを描き出そうとしてたんだったらばっちりツボ。
このごろ思うんだけどさ、DNA鑑定もできることだし、父親になったら問答無用で父親の権利と義務を
負ってもらうっつのどうかね?生まれたら半年交代ぐらいで親権を持って預かる。。なんちゃって。。
「可能性のままで揺れる卵」
>>529 「スモーカー父さん、30秒だけなら息を止められるのだ」 ゼッケン ◆YWWQB7OsPw氏
30秒は短すぎる、煙草やめなはれ。
いいねえ、このシーン。
「揺籃期の卵」
>>530 「たまご」 名前はいらない氏
笑った。
わたしみたい という表現にかなりひいていたらきちんとひっくり返してもらって助かった。
「サニーサイドアップの目玉焼き」
連投回避いるかな?
545 :
リーフレイン:2006/03/21(火) 20:49:46 ID:WpDqNSTr
>>531-532 銀色の卵
昔の男と銀色の卵と今の男
なんかとても不思議な感覚のある詩で、少し時間を頂いて読んでみました。
銀色のひよこが生まれて死に、また生まれて、共食いをし
というシュールな光景が流れる横で、現実の電話が象徴的にかかってきます。
主人公は昔の男へまた気持ちをもどすんでしょうかねえ。
二つのストーリーが絡み合うように構成されていて、しかも饒舌でなく、最小限の言葉で
情景が描き出されていました。うまいです。
少し凶暴になった銀色の雛の様子が、心の底を覗かれるようでとても好きです。
できるだけ息をとめてという副題のほうは、ややなんとなく。。。w
これはそのまんま、「銀色の卵」
>>533 タマゴのキミは生きているのか
卵の生命力を懐疑を抱きながら描きだしました。
切ない希望が感じられます。
男性からみた受精卵というのは、どこか遠いものなのかもしれないなと思いました。
「信じてもらえる卵」
>>537-538 聖歌のような詩句です。
死を前にしてささやかな(?)猶予を望み、
死した後を望む。
キリスト教の神様であるなら、きっともっと委ねてしまってもダイジョウブな気がします。
どこかに懐疑が感じられるのは多分、私自身が無神論に近いからかもしれません。
私には答える言葉の持ち合わせがないのですが、別の聖句でもって評に変えたいと思います。
あなたの神、主なるわたしは、
あなたの右の手をとって言う、
「恐れてはならない わたしはあなたを助ける」。
イザヤ書 41章 13節
546 :
リーフレイン:2006/03/21(火) 21:11:42 ID:WpDqNSTr
>>544 連投回避ありがとうございます。(実は時間切れだったんです。。)
で、優勝ですが、
>>531-532「銀色の卵」ID:RIMUs8Nx氏に。
伏線を並行に組み合わせた構成のうまさを評価いたします。
終盤の畳み込むような暴走が論理を超えて詩が走り出していったような気がしました。
蛇足ですが、、、
>三つの殻にこぼれた繭玉をいれてみた
>銀色の羽毛をかぶせてみた
>骨を爪を嘴を殻のかけらを散らしてみた
この3行はないほうがいいとおもいました。
銀色の卵さん おめでとうございます。
投稿してくださったみなさん、良い詩をありがとうございました。
「タマゴのキミは生きているのか?」を書きました。
某TV番組で人の手でタマゴを孵化させる企画を見て、
誰かの温もりがないと孵化できないタマゴは、
大変だろうなとか。
でも温めれば何でも生まれるわけじゃないしなあとか。
「金の玉子」と呼ばれる人たちのこととか。
鶏卵を手に漠然と思ったことを、思い出して書いてみました。
リーフレインさん評価ありがとう&お疲れ様です。
「銀色の卵」ID:RIMUs8Nx氏、優勝おめでとうございます。
>>543 卵が孵ったら煙草もやめようかとそう思うのです。
>>543 「生卵」書きました。息が続かないー。方向性のヒントをいただきました。
ありがとうございます。投稿してよかったです。
550 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2006/03/21(火) 23:55:18 ID:2c+UvmAd
リーフレインさん、審査お疲れ&ありがとうございました。
『銀色の卵』書きました。
優勝うれしいです。う・わぁ〜お!
息は止められませんでした。申し訳ないっ!
産まれては死に産まれては死に、延々と自己生産する一個の卵のイメージから、筆が勝手に進んでいったもんで、自分で自分の作品を批評する、なんて暴挙に走ってみたり。
主人公はおそらく、昔の男に気持ちは戻さないでしょーね。つーか、誰のものにもなりたくない女なんですね、きっと。そろそろ、今の男からも離れたくなって、出入り業者の誘いにのる気配すらうかがえます。銀色のひよこみたく、我が身を喰らうだけの女です。
でもって、この女、自覚あるから、リーフレインさんがない方がいいと思われた三行の行為に及んだんですなぁ。宅急便の箱の外に広がった世界を元に戻し、卵の外に広がった世界を元に戻す。
宅急便の箱の中は、「生きかわり死にかわりして打つ田かな」(←うろおぼえ)ですね。いつも銀色のひよこはいるのだけど、個体としては順次入れ代わってる。
十一連目の羅列は《銀色の卵》から始めた方がいいですね。変化は目立つよーに。
長々と書いてますが、褒められて浮かれてますので、ひらにお許しを〜。
《終盤の〜》のお言葉、特にうれしかったです。
ありがとうございました〜。
551 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2006/03/21(火) 23:56:22 ID:2c+UvmAd
浮かれてばかりもいられないっ!
次の選者さんを指定しないといけないんですよね〜。
んと、んと…。
とーとつかもしれませんが、鍵盤さん、お願いできないでしょーか?
セン五とかでいくつか評を拝見し、あぁ、いーなーと。
特に、野良犬に自分を重ね合わせていた詩(←なんちゅー。作者さん、ごめんなさい)の評が、私の感じていたことを端的に文章化なさってて、あぁ、やっぱいーなーと。
鍵盤さ〜ん!
選者お願いしま〜す!
552 :
リーフレイン:2006/03/22(水) 09:25:40 ID:aIsDUiXI
>>548 ふむふむ。。卵がさきか煙草がさきかですかね?
>>547 なるほど、直接的なイメージだったんですね、、
>>549 変な題でしたよ、、、w
>>550 あ、そこまで動物的な雰囲気の女だったんですか、、ちょいと深度が追えなかった(ちえ)
段々肉食獣みたいになってくなあと思って読んでました。
あぶくさんの詩、いつも読みでがあるんですが、次作を楽しみに待ってます。
>>543 リーフさんありがとうございました。ちゃんと息止めて書きましたよ。
今回かる〜く
>>530「たまご」で参加しちゃいました。「わたしみたい」〜そうです、
個人的に僕僕私詩(ボクボクワタシシ)と呼んでる自分語りへの皮肉で、
ちょっとそう言ういやらしい感じを狙って見たんですが(笑
ぶつぶつはアレルギーです。牛の乳も卵(の抗生物質)も良かないじゃんか、と卵に当たってみました。
あぶくさんおめでとうございます!
>>552 うわぁ〜い!また褒められた〜!
なんせ、筆者ですから、この女の事はよーくわかります。表現できているかどーかはともかく(←おいおい)
>>553 ありがとうございます〜。「たまご」、連の頭にある《悲しみ》と《凝縮》がうまいことくっついて、ほどよい塩加減で美味しゅーございました。
で〜、次の選者さんなんですけど、とっても薄いところをつまんでしまったよーな…。
鍵盤さ〜〜ん、今宵一晩待ってみま〜す!
>>528 『受精』を書きましたミミンです(笑)
リーフレインさん,審査お疲れ様でした(*_ _)ペコリ
副題は「ずるい女」です(笑)ツボならばうれしい限りです♪
あぶくさん,優勝おめでとうございます!(>_<。)
お待たせしました・・・影の薄い鍵盤です・・。どうも。
あぶくさん。
何だか選者に指名して頂きありがとう。
このスレ最近見てなかったので、レス遅れてごめんなさいでした。
では、お題、その他を発表します。
○お題:「理性」
○10作品揃えば締め切り
○一人一作
○名無しで投稿(コテの方も名無しでお願いします。)
○審査は締め切り後3日
○締め切りから3日過ぎて、僕から何も書き込みがない場合は
前優勝者のあぶくさんが審査してください。
(たぶん大丈夫だと思うけど、もしもの時のお約束として・・・
いや、審査したくないんじゃなくて、何かに巻き込まれたり、入院したり死亡したり
仕事が超忙しくてネットなんて見れなかったり、した時にタメの予防線ね)
○審査後レスを貰えると嬉しいよ。
たぶん以上で要項は満たしているはず・・。
では、投稿者の皆様、ヨロシクお願いします。
>>556 審査は締め切り後3日→審査は締め切り後3日間
した時にタメの予防線→した時のタメの予防線
ごめんなさい。ちょっと訂正・・・。
558 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2006/03/22(水) 22:04:34 ID:bFH/LveR
鍵盤さん、ありがとうございます〜。
いや、最近お見かけしてなかったので、いくら選者になっていただきたいとは言え、無謀な願いだったのでは?と思ったりもしたんです。
でも、快く引き受けてくださって嬉しいです〜。
あぁ、でも、…鍵盤氏に何事も起こらぬよう切に願う次第です。
それでは、よろしくお願いします。
ありがとうございました〜。
559 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/03/22(水) 22:57:57 ID:6vhhfDWn
>リーフ
審査お疲れ様、評価ありがとう。
560 :
ボルカ:2006/03/23(木) 00:08:10 ID:L2vcfyKr
>リーフレインサン
サンクス。 >アブクサン オメ。
リーフレインさん審査お疲れ様でした。
批評文見て、展開の小ささと、言葉足らずを実感しました。参考に書き直しできそうです。ありがとうございました。
あぶくさん、優勝おめ!
562 :
名前はいらない:2006/03/23(木) 01:42:36 ID:1D8pEHVs
"sunrise,sunset,Reset"part.0
午後、ある人の幻影を、追って、夕暮れへ、百億の夕暮れの先に、一回の朝が、鉱脈を辿って、
朝焼けへ、トパーズ!エメラルド!そして、砂漠、駱駝の背に乗り、アラスカヘ、アダムとイブが
寒さに震えている、私は毛皮を、アフリカの大地で、乾燥と、強い日差しを浴びて、織り成された
毛皮を、与えて、二人から、二人が齧った林檎の種を買い取る、キリストが見た朝が、そして釈
迦が駆け抜けた夜が、世界地図上には表されない足跡が、未だにペタペタと音をたてている、ど
こで会おうか、どの地平線上で、または、何回目の夜に、朝に、昼に、百億の涙が、千億の晩餐
が、聖餐台の上で泣き続ける老婆が、ある日の、午後、空白と、冠詞が、あらゆる接続詞が、世
界の果てと、宇宙の裂け目を連結する時、親鸞の絶え間ない自己否定が、個人を突破した時、
墓石に刻まれた名詞が、孔子が語った様に、朝に道を聞けば、夕に死すとも可なり、現在を、不
確定な分子で割った上で、確立の雲の中で、電子が、壁をすり抜けるように、フェルマーの最終
定理が解かれるまで、大工は、家を解体することをやめようとはしない、
563 :
名前はいらない:2006/03/23(木) 01:58:08 ID:1D8pEHVs
"sunrise,sunset,Reset"part.1 2 and 3
worlds end Emerald,End of world!不安げな表情の少女を、抱きしめる少年の、
世界を救うような光景、そして、今僕は、世界の果てにいる、あらゆるものの延
長線上で刻むbeat,そうこれは、sunsetbeat、世界中の歌を引き摺って、誰かの
泣き叫ぶ声や、誰かの歓喜の声、そして、今、過去と一緒に、月へ、月の裏側
で僕は、pinkmoonを歌って、ある朝、目覚めが、実は、それは、永遠の眠りには
いることだとしった時、そう、この世界での目覚めは、眠りだ、氷河期の頃の憂鬱
が溶け出して、sunsetbeatに溶け込む時、今すぐにでも、君を抱きしめに、造語を
駆使しよう、じゃないと、空を突破するだけの加速が得られない、刻んだbeatはもう
放さないで、そして、深く呼吸することも忘れないで、僕はもう読まれることや、理解
されることを望んではいないよ、だからこそ、君をつかまえることができる、抱きしめ
ることだってできるんだ、愛や、悲劇や、絶望するらも、セックスも、キスもそんなも
のはくだらない気休めにしかならないんだ、どこかで誰かが、歌った歌が、宇宙の
寒さに凍えているなら、僕は、sunsetbeatを纏って、?まえにいかなくちゃいけない、
最後にその手に一体何が残るかって、何も残らなくてもかまいやしない
564 :
名前はいらない:2006/03/23(木) 02:03:52 ID:1D8pEHVs
"sunrise,sunset,Reset"part.∞
君も刻めるだろうsunsetbeatを、どこかで鳴っているsunsetbeatを、
もしかして、刻むことをやめてしまったのかい、だとしたら、もう一度
刻めばいい、Vinus!あらゆる破滅や絶望を、飲み込んで、いつか、ど
こかで、あらゆる悲劇や絶望がなくなったことについての悲しみの歌
がうたえるように、それこそが本当の悲しい歌だろう、悲しみがこの世
界からなくなったうえでの悲しみの歌だ、数億年もの記憶が、
夏、朝が秋に食い殺され、
秋が冬の餌となり
永遠にまとまることない
物語を
僕は、あらゆる言葉の奥で
初めて沈黙という確固たるものを見出した
「理性」
”先にあったことは、また後にもある、先になされた事は また後にもなされる。
日の下には新しいものはない。
「見よ。これは新しいものだ」と言われるものがあるか、
それはわれわれの前にあった世々に、すでにあったものである。
前の者のことは覚えられることがない、
また、きたるべき後の者のことも、後に起る者はこれを覚えることがない。”
−旧約聖書ー
若さというものの持っている
美しい予定のバリエーションは
途方もない空の青さに似て
胸が痛い
時間は等しく容赦なく流れ
希望していた様々に美しい枝は
流れによって確実に剪定されていく
最後に待つものは
公平なる腐敗と逃げることのできない消去であるのに
ある時
偶然のようにできあがる美くしさに目を見はる
《瞬間》は永遠であり
《永遠》の中に人が住まいする
566 :
名前はいらない:2006/03/23(木) 23:41:06 ID:DlCr8u3O
「ユルリラ」
いつもと同じ朝日が昇り
僕のイラツキ加速してゆく
面白味のない平凡な日に
爆発しそうな癇癪なだめ
ユルリラ ユルリラ
昼はあくせく僕をさいなむ
塊となるカルマが包む
サイレン鳴りて髪逆立ちて
深呼吸して笑顔を作る
ユルリラ ユルリラ
ゆられゆられて怒濤の静寂
疲れはてゆく僕の生命
眠れ眠れとなだめなだめて
夜の帳を無理矢理下げる
ユルリラ ユルリラ
ユルリラ ユル
リ
ふゎ
『ごめん…急に飲み会になってさ』
すぐに嘘だってわかったけど
『いいよ,飲み過ぎないでね』とメールを返す
今日はスッチーとの合コン
あいつが同僚へ嬉しそうに漏らしたのを運悪く聞いてしまった
溜め息を吐き出し家を目指す
玄関を開け,少し遅い夕食を採る
こんな事も三度目となると馴れた気がしたが
後片付けが済むとあいつの荷物を整理してた
『もういいよね…』
勝手に人の部屋に転がり込んできたあいつ
さんざん私に好きだの愛してるだの垂れ流して
浮気するあいつ
sex以外は私に頼りっぱなし
怒りや悲しみは滲まない…
夜でも鍵を替えてくれる店に頼んで部屋の鍵を新しくした
近所のコンビニから段ボールを三つ貰い
あいつの私物を詰め玄関の外に積んだ
玄関の呼び鈴のスイッチを切りながら
醒めた自分を励ます
幸い明日は休日
酒を飲み気持ちを吐き出す
本気じゃなかったからこんなもんなのかな…
もっと喧嘩すれば良かったかな…
今夜は愚痴で埋まってまぁるくなって寝よう
『明日は新しい部屋と
新しい男,探さなきゃ!』
569 :
日曜日の理性:2006/03/26(日) 00:05:04 ID:GhHuyKyB
a:日曜日の朝はひどくむず痒い
b:私は雲である
a:なぜなら明日が月曜日だからだ
b:明日、雨を降らせたいのである
a:僕はこう、のうのうとしていていいのか、と思って
b:できれば大雨がいい
a:やりきれなくなるのだ
b:可能なら大嵐がいい
a:だがしかし明日は来る
b:台風を呼び寄せたい
a:どうあがいても明日は来るのだ
b:憂鬱な月曜日をさらに憂鬱にしてやりたい、と
a:そう言い聞かせながらサザエさんを見ている
b:私の黒い部分が囁くのである
a:こうやっているとそろそろ諦めが僕を満たすわけだ
b:だがしかし私は堪えねばなるまい
a:でも行かなければ
b:彼らの平穏なる月曜日を守らなければなるまい
a:僕が行かねば誰が行くというのだ
b:ああ、しかし
a:よし、行こう
b:やっぱり我慢ならんのである
a:朝が来た
b:黒い部分が私のすべてを埋めてゆく
a:テレビをつけよう
b:雨を、大雨を、
a:天気は、と
b:思いっきり降らせるのである
a:……嘘だろ
b:ふははははははははは
570 :
名前はいらない:2006/03/26(日) 00:07:50 ID:GhHuyKyB
あ、やべミスしtくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」
571 :
湯舟:2006/03/26(日) 00:48:42 ID:9Mahsll+
辮髪の青年が湯舟に舞っている
俺は湯を張りたいのだ そこを退いてくれ
青年は踊り狂う中にも笑顔は忘れず
しかし何も見てはいなかった
飛び散る汗が 俺の顔に張り付いた
不思議なことに 音楽はワルツなのだ
よくもそんなに踊れるものだ
俺の感心もよそに 青年はますます動きを早める
辮髪の先がピンク色のタイルをペシペシ叩き
それは俺のシーンを崩すに似たリズムを持っていた
「湯を張りますよ湯を張りますよ湯を張りますよ」
キュッキュッ舞う青年の邪魔にならぬよう
屈んで 俺は手を伸ばして蛇口をひねった
ステンレス製の湯舟に熱すぎず温すぎず半身浴は趣味じゃないが
わずかな空間的静寂を経た後に
少しずつ溜まり始めた湯はやがて
俺は夢想を止めた
空咳は天井から雫一滴を落としただけだった
私の傍らには三冊の本がある
笑える本と泣ける本と難解な本
笑える本を読んでいる時は
笑いかけて欲しい
きっと笑えない時だから
泣ける本を読んでいる時は
抱き締めて欲しい
きっと泣きたい時だから
難解な本を読んでいる時は
話し掛けて欲しい
きっと何も考えたくない
空虚な時だから
573 :
夕焼け@:2006/03/26(日) 02:37:56 ID:OSS/nRbC
波がだんだん高くなる
ふぅん
父さんも母さんもお祖父ちゃんも
みんなあの波にさらわれたんだ
波がだんだん高くなる
ふぅん
こうやって死ぬのね
逃げ場はないのね
私の世界もいつかあの波に呑みこまれるのね
崖の上で身じろぎもできず
ただ突っ立ってる気分
靄のかかった山も
鳶がくるぅりひらめく空も
しょぼくれワンコがくぅくぅ寝そべる公園も
いつかはあの波にさらわれるんだ
父さん達をさらった名残の水たまりも
水たまりにかかる虹も
いつかはあの波が消してしまう
かなしいな
波がだんだん高くなる
しぶきが陽にきらめいてる
いつかは私を
私の世界を呑みこんで
波は静まり透きとおってゆくんだろう
574 :
夕焼けA:2006/03/26(日) 02:39:09 ID:OSS/nRbC
そのとき誰かの世界に
私の名残の水たまりができて
虹がかかって
やがてそれも波にさらわれる
ふぅん
とってもかなしい
波はだんだん高くなるよ
逃げ場はないよ
いつかは消えてなくなる想いがかなしいけれど
水底で
父さんや母さんやお祖父ちゃんの想いと溶けあいそうで
すこしだけ安らぎおぼえて
だから今日はワンコと一緒に
天をおおう
果てない夕焼けを待っていよう
575 :
名前はいらない:2006/03/26(日) 14:08:21 ID:GPNwyHCZ
TVの中で子供が泣いている
それを見て私も泣いている
洋服が買ってとささやきかける
財布と相談して走るように逃げる
ローレンツの式が速度と時間について関係を要求する
そんなことは理解できないことを説明する
遠くの世界のことについてとても考えていられない
でも考えずには居られない
世界が話しかけてくることに答えるのに忙しい
日常の質問の内容も理解できない
でも答えずには居られない
そしてなぜだか答えている
理解したい多くのことと
理解できる少しのことと
理解したほんのわずかなことで
わたしはできている
追記
浮き草日記というブログで詩を書いています
良ければご覧下さい
578 :
名前はいらない:2006/03/26(日) 18:24:58 ID:aVpd/baO
「ノミコムコトバ」
淋しいよ
なんで遠くに行くの?
行くなら私も連れていってほしいのに
桜の花が咲く頃は二人の出会いの季節
だけどその頃はもういない
私の知らない町で桜を見るのんだよね
どうして「来て」って言ってくれないの
言いたい言葉なんど飲み込む?
君の事を困らせてしまいたい
一緒にいてほしい
別れたくない
淋しいよって言わせてほしい
579 :
告げられた春:2006/03/26(日) 20:55:32 ID:6GV7Gzg4
「イイタイコトバ」
つらくて
どうして離れてしまうのだろう
連れて行けるのなら・・・
桜の花咲く頃にはもう
二人離れている
「来て」ってどうしていえなかったんだろうか
自信の所為だろうかそれとも・・
言ってしまいたい言葉を飲み込みながら
其れでもだだをこねて欲しい
かけがえのない君だから
一緒にいて欲しい
別れたくない
「来い」って後先考えずに言いたい
---------
対になる詩を作ってみました
いかがでしょうか
追記
浮き草日記手とこで詩書いてます。
>>579 貴方への詩ではないので対の詩まで作られるのはちょっと…
現実とのギャップが辛いですし
インスピしてくれたのはうれしいですが
581 :
名前はいらない:2006/03/26(日) 22:42:14 ID:Qp/okbng
〆切です
>>562-564:"sunrise,sunset,Reset":ID:1D8pEHVs氏
>>565:「理性」:ID:PNr0Ufm3氏
>>566:「ユルリラ」:ID:DlCr8u3O氏
>>567-568:理性と冷静と×××:ID:QeBMZsh6氏
>>569:日曜日の理性:ID:GhHuyKyB氏
>>571:湯舟:ID:9Mahsll+氏
>>572:読書はキライなんだ:ID:/cBCFt6U
>>573-574:夕焼け:ID:OSS/nRbC
>>576:理性について私が理解しているわずかなこと:ID:6GV7Gzg4氏
>>578:「ノミコムコトバ」:ID:aVpd/baO氏
3/29までに審査>556-557参照
気前良く審査了解したものの、流石に金玉の縮む思いだ。
ってか、お題が難しすぎた。何で「理性」なんだ!と、数日前の自分を呪う。
もっと柔らかなお題にすりゃ良かった・・。
情緒とか風情とか人情とか感じられる(だろう)「下町」くらいにしときゃ・・。
って、今さら嘆いてももう遅い。仕方ない。審査するか・・・。
その前に、「理性」って何だろう?
人様に難解なお題を突きつけておいて、僕だけ涼しい顔で審査なんてしてたら祟られること間違いない。
なので、少しだけ「理性」を掘り下げてみたい。
まずは辞書をひこう。
「理性(りせい)」:1 道理によって物事を判断する心の働き。論理的、概念的に思考する能力。
2 善悪・真偽などを正当に判断し、道徳や義務の意識を自分に与える能力。「―を失ってつっ走る」
3 カント哲学で、広義には先天的能力一般。狭義には悟性・感性から区別され、
悟性の概念作用を原理的に統一・制御・体系化する無制約の認識能力。理念の能力。
4 ヘーゲル哲学で、悟性が抽象的思考の能力であるのに対して、弁証法的な具体的思考の能力。
5 宇宙・人生をつかさどる基本原理。
うげげげぇ・・!しまった!なんじゃこりゃ?ドブ川に足を突っ込んだ気分だ。意味が分からん・・・。
いや、待て待て、もうひとつある。同じ漢字で読みが違うのが・・。ん?りしょう?
「理性(りしょう)」:仏語。宇宙万物の不変の本性。法性(ほつしよう)。また、普遍の真理。真如(しんによ)。
はぁ?もしもーし?はぁ?あの・・。
またしてもドツボだ・・・。でも「仏語」がフランス語でない事ぐらい僕にも分かるけれど・・・。
対義語をひこう。なになに・・。対義語は「感情」・・と。
なるほど、少し光が見えてきたな。つまり「理性」とは「感情」の反対のものだ・・。
平たく言えば「感情」は喜怒哀楽・・だよな・・。なので、「理性」はその反対・・っと。
え?喜怒哀楽の反対って、無感情じゃないのか・・・うおおお!
とまぁ、暴走してしまいそうなくらい難しいお題ですね。
まぁ、待たれよ。僕はこう考える。
「理性とは生まれながらにして持つ個人の指針だ」と。
生まれ落ちたその時から、僕らは「どう生きるべきか」が決まっているのだ、と僕は思う。
「おいおい待てよ、それじゃ人間は自由じゃないのか?操られて生きてるだけなのか?」との疑問もあろう。
いや、そうじゃない。人間は自由だ。自由に考え、自由に行動する。
血と肉と骨で形成された「人間」という「動物」ならば、それは当然であり、そういうものだと割り切っていいだろう。
自分が思ったまま何処へなと行ける。やりたい事があればなんでも自由にする事が出来る。
誰かを殺す事も出来る。レイプも出来る。他人を欺き自分に利益をもたらす事も出来る。
考えれば考えるほど何でも出来てしまう。「動物」とはそういうものだ。
しかし、それを阻むものがある。
どこにあるのかは知らないが、「それってやっちゃいけない事じゃないの?」と問いかけるもう一人の自分がいる。
それが「理性」だ、と僕は考える。
生まれ落ちた時から変わらず存在し、個人の感情をコントロールしようとする。
いや、それは違うな。「理性」は「感情」をコントロールしようとはしない。
「理性」はただ「在る」のだ。人間という動物の誰彼問わず、生きているのならそこに「在る」のだ。
もう少し分かりやすく説明しよう。
みんな大好き、例え話だ。
例えば、
油絵の具で描かれた絵があるとする。
そこにどんな絵が描かれているのかは誰も知らない。ただ何かしらの絵が描いてある。
その油絵のカンバスに薄っぺらい白紙をぴったり貼り付けるとする。
当然、描かれている油絵は見えなくなる。真っ白な紙の色しか見えなくなる。当然の話だ。
そして、そこへ水彩絵の具で絵を描くとする。
するとどうだろう。薄っぺらい紙は水分を含み、半透明になってしまい、下にある油絵を映し出してしまう。
分かるかな?
油絵は「理性」。不可変なものであり紙一枚隔てた場所に存在するモノ。
白紙は個人の「生」。生き方。生き様。平たく言えば「人生」ってヤツだ。
水彩絵の具は「感情」。「今、ワタシこう思うからこうする」ってな具合に色を塗り付ける訳よ。
人生って呼ばれている「白紙」に、さ。
つまり、こうだ。
「人生」という薄っぺらい白紙に「感情」の水彩画を塗る。
すると「理性」と呼ぶべき油絵が(その色が)表面に映し出される。
黄色を塗りたいと思って黄色の水彩絵の具で塗れども、
下地にある油絵は紫で描いてあるので黄色の色が上手く出ない。
なぜだろう、と考えるうちに、そうか、ここは紫のほうがしっくりくるな、と思い至る。
理性という油絵は既に完成しているのだ。
その上に僕らは感情でもって「人生」を描いているのだ。
勿論、水彩絵の具でも塗り重ねれば下地を反映させないだろう。
油絵で紫で描いてある所を黄色を塗りたくる。勿論可能だ。
だかそれは現実としては理性を欠いた人間となってしまうのではないか、と僕は思う。
理性とは善悪の判断基準であり、「こうすべき」というお手本なのだと思う。
(お手本なのに本人すらもそれを知らないってのは、なんともストイックな話だけれども)
知らないから、誰も分からないものだから、
そんな人間の社会を円満に、円滑に運営する手段として道徳や戒律や倫理などがあるのだろう。
だが、僕は理性とは基本的に個人のものであると考えるのだが・・・。
いささか早足で論を述べた。端折った点もあるし、まだ実際、僕も考えの途中なので
分かりにくいかもしれないし、もしかすれば、お笑い草の類なのかもしれない。
さらに疑問も生まれるかもしれない。「一体誰がその油絵を描いたの?」と。
しかし、これはまた別の話なので、ここでは掘り下げない。
掘り下げたい方は井戸にでも投げ込んでもらえば、暇な時拾って答えたい。
・・・・未だに「言葉の井戸」も工事休止中だけど・・・。
なので大きな声では言えないけれど・・・。
ま、それはさて置き、評に移ろう。
>>562-564 うわー。セン5なら間違いなくパスするだろうな。
と言うのも読むのが面倒だ。
いや、実際読んでみるとすらすら読めるし、言葉選びも巧いと思う。
だが僕の苦手な作品なので軽くしか読まないのをお許し願う。
まず、まったく意味が分からない。
意味を放棄したのじゃないか、としか僕には思えるくらいだ。
纏まりなく続く言葉にうんざりです。
逆に説明して貰いたい。
>>565 旧約聖書を引っ張り出した時点で、作者は負けた。
つまり己に負けたのだと僕は思う。
ま、それは置いといて続きを読めば、
なるほど、「美しい」ってのが気に掛かる。
さて、「美しさ」って何だ?
「美しさ」って人それぞれ美意識が違う訳だから、
それを当たり前のように使ってしまったのは何故なのだろうか。
「《瞬間》は永遠であり/《永遠》の中に人が住まいする」
言い換えれば、射精は一瞬であるが、その一瞬が太古から未来へと続いているって意味か?
「住まいする」ってのもヘンな気がする・・・。
言葉負けしています。単語を表から裏から見て下さい。
するとも少し味のある詩が書けると思う。
587 :
名前はいらない:2006/03/26(日) 22:53:00 ID:3ZZIgmul
回避
>>566 一瞬舞い込む古文法に折角の7・5調が台無しになってしまった。
でも意外と面白い作品。
「ユルリラ」という擬音は作者の内奥に存在する『癒し』を意味するのか。
精神面での自己免疫力。あるいは他方から加わる何かしらの力か。
最後の「ふゎ」が印象を強め、ささくれ立った作者の心を柔らかく昇華させている。
>>567-568 食事は「採る」ものじゃなくて「摂る」ものだと思う。
ま、これはさて置き。
別れ方だよね。
実は今日、僕は恋人ときっぱり別れてきたのだけれど、なんとも切ないね。
別れを切り出すのは勇気が必要だし、感情に流されてはいけない、と思うし、
だけれど、やはり情は今でもあるものだし、そのハザマでムシャクシャしながらこれを書いてるのだよ。
誰もが感情に流され、あるいは今の現状に甘んじ、自分の幸せを過小に見積もって、
そこで満足していたりするんじゃないか、と今の僕は思う。
それにきっちり踏ん切りを付けるため、鍵を替えたんだろうね。この作者さんは。
それは理性的だった、と言えるだろうね。
失恋は辛い。たとえ自分で決めたものであれど、やはり辛い。
なんて言うか、今、僕が個人的に抱えている感情をそれこそ理性を失って書いてしまいそうなので
このへんでやめとく。
女心を、繊細でありしたたかである感情を巧く描いていると思う。
スッチーと合コンなんて、羨ましい・・・とか思ってしまう僕は負け組みです。はい。
>>569 ふたつの物語を同時進行させる手法は面白い。
昔読んだ、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を思い出した。
月曜の憂鬱に怯える男と、月曜の雨は憂鬱を助長させるので堪えねばならない、と分かっていながらも
大雨を降らせたい衝動に駆られる雲。
接点のないふたつの取り合わせが、月曜=憂鬱=雨というキーワードで巧く結びつき、
個々の主張を捉え、端的にかつユーモアに仕上げている。
面白いなぁ。
(どこを間違ったのか分からなかったけど・・?)
>>571 う〜ん。ナンセンス。
あらそうですか、で終了ー。
>>572 あの・・・。お題は「理性」なんですけれど・・・。
もしかすれば作者は他者に「お前は理性でもって、おれが泣ける本を読んでいる時は抱きしめるべきだ」と
暗に諭しているのだろうか?
な・・・・なんて傲慢な!
「読書はキライ」な作者が本を開いていたら、それは即ち何かしてもらいたいアピールである、と結論付けるのか?
な・・・なんて独りよがりな!
第一、本を読んでなければその本の内容なんて分からないじゃん!!?
なのに作者はテレパシーで、或いは読心術で、分かるべきだ、と言っているのか?
な・・・なんてミステリアスな!
ま、誰がどんな本を読んでようが、読書の邪魔はしちゃいけない、って事だと思う。
>>573-574 「理性」は何処へ・・・。
ここまで評を書いていて、ふと思ったのだが、
「水」が出てくる作品が多いね。何故なんだろう。
「理性」と「水」はなにか関連があるのだろうか?
どうぞ心ゆくまで夕焼けを待ってて下さいな。
>>567 うん。その通りだと思う。
「理解したい多くのことと/理解できる少しのことと
理解したほんのわずかなことで/わたしはできている」
人間の理解や知覚、悟性なんてたかだか知れているものだと思う。
しかし「理性」とは知覚ではない。感情と反対のものだ。
さて、この作品にそれが表現されているだろうか?
残念だけど、「浮き草日記」というブログに興味持てないなぁ。
>>578 先にも述べたと思うが、僕は今日恋人と別れてきた。
僕は基本的に恋愛は沢山しているし、そのほとんどで僕のほうから別れを切り出してきたのだが、
なんだか、あまりにもタイムリーで、切ないなぁ。
もしかすれば、今日別れた恋人もこんな事を思っているんじゃないだろうか、と
ふといらぬ想像をしてしまって、思考停止に陥っている・・・。
「淋しいよって言わせてほしい」
そうなんだろうな。別れればそれでお終い。
離別ではなく、距離として「淋しい」って言わせてほしいんだろうな。
で、理性はドコへ行ったのか・・・。
。。。。。。。。。。
で、以上10作品だと思ったら・・・連投してるバカがいるし・・・。
しかも返歌って・・・意味不明だ。
頼むからこのスレの趣旨を理解してくれ。
それでは審査します。
お題が哲学的だっただけに、やや難しい作品が並んだと思う。
そしてお題をほんとに考えてくれたのかなぁ?と思う作品も見受けられた。
理性云々はお題出した時からちょこちょこ書き始めていたけど、
評は今日、いっきに書いた。
なにせ今日の僕は、精神バランスが非常に悪く、ほとんど作品を読み込んでいない。
なので投稿者の方には失礼な発言や、乱暴な解釈があったと思う。
ここにお詫びする。ごめんなさい。
ほんとに自分が出したお題で自分の首を絞めたんじゃないか、と思うくらい
読んでいて楽しくなかった。
僕はやはり、もっと人間味のある作品や、テーマが好きなんだと確認した所存だ。
今回、ほんとは投稿者のコテ名もあてずっぽうで書くつもりだったけど、
気分が乗らなかった。でもいくつかは目星がついている。のでコテの方は「おれ書いたよ」と
レス貰えれば嬉しい。
優勝は
>>569「日曜日の理性」を書いたGhHuyKyB氏としたい。
理性とは「すべき事」であり「自己への制限、規律、お手本」であると僕は考える。
その理性と感情の葛藤というか、頭では分かっていながらもついつい感情に流されてしまう
人間の(いや、雲の)心の深部と、月曜を忌み嫌う男の心情がユーモアに描かれて好感が持てた。
月曜を疎ましく思いながら日曜を過ごせば、日曜の日曜らしさが半減するんじゃないだろうか、と
そこにも僕は面白みを感じた。来るべき月曜に、日曜を費やしてしまう矛盾を。
ま、そんな訳で、優勝は
>>569さんです。おめでとう。
592 :
し ◆FCXRNaWgHs :2006/03/26(日) 23:36:04 ID:Qp/okbng
「日曜日の理性」書きました
解らないように書いたつもりだけど、どうだろ
ちなみに間違った箇所ってのは
a:でも行かなければ
の「でも」です
文脈的におかしい気がして
で、選者は◆notePDkbPQさんにしてほしいと思ってます
評価スレでも活躍してるので
お願いします
593 :
ボトルネック(ノ∀`) ◆P350za861k :2006/03/27(月) 00:05:57 ID:AveMo6BW
>>592 コングラッチュレーション
コングラッチュレーション
おめでとう…!
おめでとう…!
優勝おめでとう…!
(AA略)
ちなみに私は「ユルリラ」書きましたですよ
ええそんだけですよ
594 :
名前はいらない:2006/03/27(月) 00:08:37 ID:8y1Kgzsd
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>>567-568 を書いたミミンです(笑)
鍵盤さんには2ちゃに来始めの頃,某スレでお世話になったので今回は非常に楽しみでした♪
審査,お疲れ様でした(>_<。)
誤字は恥ずかしく…(苦笑)
また痛い琴線に触れてしまったようで申し訳ありませんでした(汗)
しさん,優勝おめでとうございます♪
596 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2006/03/27(月) 08:14:27 ID:JON38QhZ
鍵盤さん、内容豊か、かつ迅速な審査、お疲れ&ありがとうございました。
『夕焼け』書きました。
夕焼けになるの待ってたんですけど、この時期はあきませんねー。秋まで待ちます〜。
理性はですね〜、目をそらしたいけど、いずれ訪れる死を見すえることができるのは、理性のなせる業ではないかと、まぁ、こーゆーことです。「理性」に脇腹こづかれて、あちゃらにいってしまいました〜。
水はなんでしょね。炎を静める水、ってイメージからかな。
しさん、優勝おめでとうございま〜す!
鍵盤さんの評ともども、楽しく読ませていただきました。お天道さまにはかないませんなぁ。
ありがとうございました。
597 :
名前はいらない:2006/03/27(月) 11:08:01 ID:TFkYZtWu
ノミコムコトバを書いたものです
評価ありがとう
私にとっての理性は「連れてけ!コノヤロー!距離おくなよ」
って言いたいけど本音を理性でセーブしてるのでコレを書きました
いい子ぶって言えないしね
598 :
ikaika ◆YffIGX9Bno :2006/03/27(月) 14:01:58 ID:iJn6hVi/
>>586 さーて、意味不明で、説明してくれとか言われたが、
ぶっちゃけ、適当ですね。どう考えても適当。
正確には、ノリで書いているという感じ。
こちとら、自分でもよくわからないかんじょうと
コミニュケーションしようとしてるから、結果的に
意味不明になるんだよね。
599 :
名前はいらない:2006/03/27(月) 14:25:28 ID:+LOBXgrT
相変わらず芸術家きどりか…
600 :
曾村益廊 ◆/5SxO/M3XU :2006/03/27(月) 15:30:18 ID:ZBLS/nR6
W!
「理性ついて・・・・」を書いたものです。
評価してもらえるとは思ってなかったのでうれしいです。
(締め切りすぎてたし)
最後になりましたが優勝者の方おめでとうございます。
ついでに言えば「理性」と「感情」は反対のものと考えていません
悲しい報道番組を見て「悲しい」と感じるのは
理性の解釈による感情の刺激と考えるからです。
うまく伝わったか分かりませんが蛇足すいません
しさん、ご指名に預かりまして光栄に存じます。
2chであまり見ないタイプで自由度がある題を考えてみました。
「賛歌」がいいです。「歌詞」になっていなくてもいいです。
タイトルに「賛歌」がはいっていなくてもいいです。
お題 「賛歌」
10作品揃えば締め切り
一人一作 名無しでお願いします。
審査は締め切り後3日
がんばって読みますが、誤読していたら、お叱りくださいませ。
ちょっと失礼します・・。皆様、お疲れさまでした。投稿ありがとう。
>>592 え!マサムネだったのか・・。知らんかった・・。
おめでと。面白かったよ。
>>593 え?ネックさんだったのか・・。知らんかった・・・。
お疲れさまです。
>>594 おいおい。僕は特定の宗教や特定の思想なんかに感化されてないぞ。
あと哲学もほとんど分かんない。
>>595 そうなのか、楽しみにしてくれてたのか。
なのにあんなコメントでごめんよ。
あ。そうそう。昨日別れた恋人が心配になって電話したら意外とアッケラカンとしてた。
理解してくれたみたいね。女の人は切り替えが早い。
>>596 ご指名ありがとね。
久しぶりに評価させてもらったよ。
なかなかこんなに沢山の作品を一度に読む事ないから勉強になったよ。
てか、もうちょっとじっくり読まなきゃいけなかったね・・・。
理性的人間に憧れる今日この頃です。
>>597 なるほど。
そう読ますには少し言葉足らずだったかな?
でも恋って基本的に自由だから、だからこそ悩んだり、自分の感情が自分でも
分からなかったりするんだろうな。いい恋をしてくださいね。
606 :
ボトルネック(ノ∀`) ◆P350za861k :2006/03/27(月) 21:07:37 ID:AveMo6BW
「メメタァ」
ふるえるほどhuman
燃え尽きるほどbeing
ぶっ壊すほどanthem
それは波紋のように広がり
傍らに立っている
命の鼓動が時を速めて
突きの連打が弱さを押し退け
黄金の心生み出している
蚤の攻撃は勇気とは言わない
勇気とは弱さを知ること
畏れながらも
だが断る
火山の鳴動
宇宙まで届く
唇がズキュウウゥンとふれあい
パスタをズビズバーとすする
それこそ人間
聖者の復活
恋!
その好奇心が俺を動かしたッ!
違う人だ
このド低能(くされ脳ミソ)がッ!
ゴゴゴゴゴゴゴ
ドドドドドドド
そして宇宙は一巡してゆく
607 :
ボトルネック(ノ∀`) ◆P350za861k :2006/03/27(月) 21:09:25 ID:AveMo6BW
ぅわ
「名無し」かよ!
失敗した〜
俺のはなかったことにしてくれッ!
ドッギャーン
>>605 ありがとうございます。がんばります。
>>607 せっかく投稿していただいたのに、もったいない。ようがす、HNは見なかった
ことにしましょう。
「さくら」
そろそろと
むくむくと
そぞろぞろ
ぞろそぞろ
ほころび始める
むくむくと
一気に広がる
ぞわわゎぁぁ
ぞわぞわぞわゎゎー
咲く咲く咲く咲く散る咲く咲く咲く
散る咲くチルチル
ぞわわゎゎー
散る散る
吹雪く
ざわざわと
強き風に吹雪き去る
610 :
リーフレイン:2006/03/28(火) 12:44:02 ID:nt8R/lR7
>鍵盤さん
審査ありがとうございました、、、へへへ、、旧約聖書に逃げたのはあたしです、はい、聖句に負けました。。
思い切った批評がとても嬉しかったです。 お題おもしろかったです。亀レスで申し訳ない。
理性についてはさ、微妙に反論、
”かく「ありたい」”と思うのは理性であるんだけど、「かく」の部分の価値観というのは
実は社会性に大きく左右されてしまうので、可変的なのね。つまり最初にそれありき と
定義しちゃうのは危険な気がしました。
>しさん、おめでとうございますーー。
流れぶった切ってすいません。。
「少年」
あのマウンドに立つ母校の後輩たち
俺の叶えられなかった夢の地に立っている
泥だらけのユニホーム
熱き汗
ブラウン管から伝わる熱気が鼓動を早くさせる
あの日の夢
あの日の仲間
夢はまだ終わっていなかった
力のかぎりぶつかればいい、なぁ!!!
またまた失礼します。
>>610 リーフレインさん
乱暴な評でごめんなさいでした。
コテ名を知っていたらあんなふうには書けなかっただろうけど、
そう思ったのは事実ですから、そう書きました。
お気を悪くされませぬよう。
さて、理性についてですが、たとえ僕が自分の論に酔いしれ盲進したとしても誰にも危害は及ばないので危険性は皆無です。
定義しようとか大それた事を思っていたのではなく、自分の考えを言葉にしたかっただけです。
理性が可変的だとは僕は思いません。
でもま、理性をどう解釈しようが、理性とういう言葉の意味をどう理解しようが、
人間は行動でしかそれを表せないもの。
ここで聖人めいた発言をしても、現実は愚行の繰り返しではかっこ悪いですよね。
論より行動。哲学は行動である、と誰か言ってた気がしますし。
ま、実際退屈しない話題なので、反論、意見なぞありましたら井戸へ放り込んで下さい。
「井戸」で検索すると出てくると思います。
僕は哲学は無知です、宗教も知りません。僕の考えを頼りに今まで書いてきました。
なので、逆に教えてもらえれば嬉しいです。
613 :
名前はいらない:2006/04/02(日) 19:25:46 ID:XEACRlTa
「文明・賛歌」
ああ、あれはな、パワーショベルいうてな
あれで、ほれ、向こうのデカい穴、あれ掘ったんよ
昔の埋蔵金が埋まってるとか言ってテレビがやって来てな
最初はちいこぃ穴やってんけどな、横穴がどうとか
地図の解釈がどうとかで範囲をひろげだしてな
まあ、引っ込みがつかなくなったんやろってみんな言うとったよ
結局…なんだ、興味ねぇか、わしのはらわた、そんなに旨いか
…あれだぞ、あのパワーショベル、あれに乗っとったらお前なんぞな
一撃で山の向こうに吹っ飛ばしてやったわ。クックッ、うっ、いつつつつつ
…まだ、痛みが残っちょったわ。頭半分無いんやろ?
お前の張り手、効いたわぁ。…それはまぁええねんけどな
なんか最近お前ら、人間様の縄張り…に来すぎやぞ
せやからそないに撃ち殺されるんや。
お前はあれか、…昨日わしが撃った子熊の親か?
まぁどうでも…ええけどな。今日はお前の…勝ちにしとくわ
…せやけど…結局、わしらには勝て…へんよ。わしら…には文…明の利…器っつうも
614 :
名前はいらない:2006/04/03(月) 00:45:02 ID:w0m1dTYX
作品募集あげ
615 :
讃えん…:2006/04/03(月) 13:23:56 ID:JfuiQX9n
華々が咲き乱れ
春を高らかに謳う
風がゆるやかに凪ぎ
極色の花乱舞
それとは裏腹に
彷徨う奇獣が一匹
ここだけは
血の雪が突き刺さる
恨まず…憎まず
自ら封じた想いは
嘆くままに
せめて肺が埋まる花吹雪で
噎び泣き春を謳う
そうして赦しを請う為に
奥深き幽玄なる彼の地へ
616 :
路 〜野に風うけて花うけて〜:2006/04/03(月) 20:35:56 ID:zZOWWm3k
【1】
よるべなき身なれど 雲は今日も流れ
しるべなき道にも 天(そら)は陽をおとす
長い坂 ふり返れば
みんなみんな いい人だった
花は降る 花は降る
時の轍(わだち)いとしむように
花は降る 花は降る
この体中いだくように
【2】
ふかい笹の陰に 笑みを浮かべすわる
地蔵菩薩だれの 咎を背負うやら
ありがとう さようならも
云えず云えず 別れた人ら
風は吹く 風は吹く
つきぬ想い伝えるように
風は吹く 風は吹く
この人の世をあらうように
【3】
幸せも 不幸せも
みんなみんな 夢のように
花は降る 花は降る
時の背中いたわるように
花は降る 花は降る
この人生をつつむように
617 :
名前はいらない:2006/04/04(火) 23:52:30 ID:t99Ib392
「無償なる賛歌」
息吹を返す
地球へと
全てを受ける
大地へと
悠然は吸い込まれる
その様を
路傍の草花が
軍団化した雲が
砂を洗う偏西風が
魚を誘う潮流が
いつまでも眺めていた
そうして生まれた
いのちの欠片は降り注ぎ
惑星に光と闇を認識させ
太陽を望む
見え透いた教会の中で
静かな祝福を待っている
孤独なる惑星の奥
ふるえた音階を頼りに
歌を唄う小鳥が佇む
地球はぽっかりと浮かび
愛したのだ 愛しい全てを・・・
618 :
名前はいらない:2006/04/05(水) 00:29:49 ID:/UjBo6lo
途中経過。
>>606:「メメタァ」
>>609:「さくら」
>>611:「少年」
>>613:「文明・賛歌」
>>615:讃えん…
>>616:路 〜野に風うけて花うけて〜
>>617:「無償なる賛歌」
彡ゞ ー-- 、
ζ/▲ ^ ▲ヽj
{j ・ ・ il <テーマは【賛歌】、あと3作品募集中!
(__ Д _,) ※無記名でお願い。
,'´o ヽ/# ヽ、
σi ==∞==jδ
( # ノヽ o )
 ̄  ̄´
昔むかし
たんたんたぬきというテレビドラマがあって
主演は森光子で
ドラマのラストには
料亭たぬきに集う大人たちが
毎回かならず
たんたんたぬき を大合唱した
たんたんたぬきのキンタマは
かあぜもないのにぶうらぶら
テレビだからか恥ずかしいからか
ドラマの出演者はそろいもそろって
キンタマのとこだけ うたわなかった
森光子は主演だから
うたわないとドラマが終らない
静まり返る料亭たぬきに
かぼそい森光子のキンタマがこだまする
それをみていた子だぬきが
父ちゃん いいモノもってるね
うたえよ たぬき 歌のつづきを
うつくしくたけるような風にふかれ
時には生きることの重みを噛みしめながら
変奏されゆく季節と 伝承の膂力と
何をか語ろうとする今こそ
それをみていたブルドック
なにかと思って噛みついた
ぼくはドラマでうたわれた続きの歌詞を
どうしても思い出せない
内股にはりついたキンタマ袋を
ズボンの上から そっと伸ばしてみる
泣いているような東京の空の色
それをみていた親だぬき
腹をかかえて わっはっは
高速道路のパノラマ 車に轢かれ
ぺしゃんこに横たわるたぬき
横たわるたぬきの八畳敷
生涯をぶらさがったおまえのキンタマは
さぞ重かっただろう
おまえの人生をかけて背負い続けた
キンタマを締めつけられる思いは
さぞつらかっただろう
それをみていた子だぬきが
父ちゃん いいモノもってるね
おまえもあるから みてごらん
父ちゃん ぼくのは毛がないよ
おとなになったら はえてくる
それまでガマンしな
道を歩くのに答えはいらないんだとおもう
ほんとうの正義なんて誰にもわからないんだとおもう
生まれてくる子どもたちのために
もう少しだけこの世界がよくなるように
自分が
まっすぐに生きていければ それでいい
それはただの欺瞞にすぎないことに
齢をかさねて 気づいてしまった
それをみていたブルドック
おじさん イモをくださいと
たんたんタマキン噛みついた
腹をかかえて わっはっは
うたえよ たぬき うたいつづけよ
おまえのそれがどんなに重かろうとも
無表情にシャッフルされるカード
風化するステップ 崩れていくプラットホーム
人生泣き笑いなんてとんでもない大嘘で
ほんとは泣きたいことばかりで世界は満ち溢れて
道の真ん中で声を張り上げて叫びたくなってやはり叫べなくて
その場に崩れ落ちるように倒れてしまいたいのにそれさえままならず
靴のなかの小石を取るふりをして少しだけ立ち止まり
おまえの名を呼ぶ
それをみていたメスゴリラ
バナナと間違え 食べちゃった
622 :
名前はいらない:2006/04/07(金) 00:11:10 ID:h1mZjp4t
age
623 :
【感覚】:2006/04/08(土) 01:43:43 ID:itQDJgic
この不思議なとっても静かな日
退院ついでに散歩しながら
雀一匹いない空を視覚でとらえ
肥溜の艶やかなニオイを嗅覚でとらえ
大地の厳かな静寂を聴覚にとらえ
サクマ式ドロップスを味覚でとらえながら
先行き徒ならぬ気配を触覚にとらえて
久方振りの外の世界を全身で浴び
五体満足で退院できたことを嬉しく想う
昭和16年12月8日のこと
624 :
『共生曲』:2006/04/08(土) 02:44:22 ID:Uy6+FA4p
今朝も雲流は薄く鮮やかに
優しい静寂に満ちた五線譜を形作っている
朝露に頬寄せる羽虫のはばたき
存在してゆくことの小ささと強さの共鳴
心地良く冷たい生命界の音叉を震わせて
野道の上で 誰かが追憶に涙を落とすとき
野道の下に煌々と生くる鼠は鐘を鳴らす
…それを合図に指揮棒は流れ始める
発声器官の無い生物までもひとっところに集う
感覚のすべてを振り絞った地声で響き合おう
乗せるべき言葉など探さなくて良い
あらゆる遺伝子に刻まれたひとつの律動は乱せない
消えない脈がありのままに綺麗な歌を紡いでくれる
高らかに謳え 確かな鼓動で息づく生存の組曲を
本能で放つ壮大な賛歌は今 果てなく野に響いてゆく
午後3時
息を切らして
惣菜コーナーに行けば
そこには
「さばタツタ」
しかも出来立て
昼飯で
腹いっぱいだが
思わず手が伸びる
嗚呼
「さばタツタ」
よ
永遠なれ
626 :
名前はいらない:2006/04/08(土) 17:17:47 ID:WhHvDydR
揃ったね。
>606:「メメタァ」
>609:「さくら」
>611:「少年」
>613:「文明・賛歌」
>615:讃えん…
>616:路 〜野に風うけて花うけて〜
>617:「無償なる賛歌」
>619-621:『うたうたえ、たぬきよ』
>623:【感覚】
>624:『共生曲』
>625:「さばタツタ」
って11作あるじゃん(汗
>>626 現在レビュー書いてます。もうしばらくお待ちを。
628 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 21:48:22 ID:wCanGODh
皆様、沢山のご応募有難うございます。早速、評を始めます。
「賛歌」をお題にしたのは、前向きなのがいいなあというのと、
観念的で難しいポエムがくると怖かったのデス。
果たして、真っ直ぐポエムでいい感じです。
あと、評を以下の形式でやりたかったというのもあります。
以前ある方に、いかれたポエムを絶賛されて感激したので同じことに
挑戦してみたかったのです。
着目点もまちまちで、多少破綻している評ですが、ご容赦を。
629 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 21:50:06 ID:wCanGODh
>>606「メメタァ」
素晴らしい!!
1連目の英字漢字仮名交じりの言葉が違和感ありで印象的であります。
静かにゆっくりと語りかけるようなオープニングです。
2連目、内容的には矛盾している感が無きにしもあらずですが、言い切っています。「勇気」です。
反論を受け付けない力強さがあります。突然の「だが断る」。勢いを外されて、読者は微笑むのです。
3連目〜4連目からは、テンポが上がってゆきます。センテンスを短く切り、!を効果的に織り交ぜながら、
スピード感を出してゆきます。自在に詩のスピードを操るテダレの業であります。
食欲と性欲、共に口から吸い上げて、生命を謳歌します。
5連目、叱責されて身の引き締まる思いであります。
6連目〜7連目、宇宙は鳴動と共に重々しく回転します。コペル二クスを信じるもの地球儀をまわすもの死刑。
「メメタァ」は、すなわち、人間の生命を称える言葉です!!
勢いが若々しいポエムデス。
630 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 21:51:03 ID:wCanGODh
>>609「さくら」
素晴らしい!!
1〜3連目までを、改行までして、ほぼ擬音のみに費やしています。
なぜでしょうか?それは、「ゆっくり」感の表現であります。まるで、自然科学の番組の様に、
カメラを回しっ放しで撮ってゆく、アレのようです。花が、それ自体が息吹のように、スローモーションで
開いてゆくさまが、浮かぶのです。花びらがやさしく、こすれあって、ひらいてゆく、かすかな音です。
そして、満開の「さくら」もう、ゆっくりではありません。小文字がフェードアウトの効果
で、遠くひろく、さくらの開花が広がってゆくさまを表現しております。
途端に散るさくら、あっけなく散ります。最後の一言で、さくらの花はやはりあっけなく去ってゆくのです。
さくらそれ自体を形容する言葉は、ありません。動きがあるのみです。
それどころか、「花」もないのですね。
もうじき「さくら」も散るころですが、この詩をよめば、そのたびに、さくら心の中に咲き、
でもやっぱりちるのです。受け入れなければいけない寂しさなのです。
「さくら」の深呼吸の音を聞いたような、イメージが美しいポエムデス。
631 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 21:52:09 ID:wCanGODh
>>611「少年」
素晴らしい!!
若い日は皆なにかを目指すのであります。甲子園 野球小僧の 夢のあと オソマツ
テレビを見ながら、主人公は興奮します。きっと勃起してます。
マウンドに集まる、戦う、後輩達がシンプルかつ、明瞭に描かれてゆきます。
帽子を直しながら散ってゆく彼らが見えます。
「あの日の夢 」「あの日の仲間」は、主人公のものでありましょう。
若かりし日の野球漬けの時間を、思い出したのでしょう。
しかしながら、何故「終わっていなかった」のでしょうか。
主人公は既に、テレビのこちら側なのに。
それは、主人公には今、追いかけるべきものがあり、後輩たちの姿から、勇気を与えられたのでしょう。
思い出は、現在と断絶して愛でるものではなく、現在と繋がって生きるものなのです。
嗚呼、青春よ何時までも・・・そう、何時までも青春で、あります。
「力のかぎりぶつかればいい、なぁ!!! 」は、後輩、主人公自身、そして、読者へも
むけられたエールであります!!
632 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 21:53:14 ID:wCanGODh
>>611「文明・賛歌」
素晴らしい!!
パワーショベルで導入が始まります。なんやねん?そう思います。
で、パワーショベルの素晴らしさ、我々人間の願望をかなえる利器、
が活躍する様を誰かに向かって語りかけます。ハラショー!
「引っ込みがつかなくなった」?どうでもよいです。ビバ文明!!
「はらわた」をプレゼントしながらも訴える主人公の姿は実に美しい。
どうやら、主人公は喧嘩に負けた様です。1連目もそうですが、話言葉を使いながら、
何が起こっているかを読者に分からせ、かつ、状況を過度に説明して興をそぐような
真似もしていない。作者の力量を感じます。張り手をくれたのは、誰あろう、
熊さんです。主人公は、優しい人らしく、「自分が撃った子熊」の親に殺された
事にしたいようです。そして熊さんの心配までしてます。感動的デス。
主人公のいうことはもっともです。なんぼ住処を削られようが熊さんは、
でしゃばってきてはなりません。所詮は熊さんです。
文明の利器には、かないっこないのです。大人しくしないと皆殺しデス。
文明の素晴らしさを謳い上げたポエムデス。
633 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 21:55:03 ID:wmhhAbZ2
>>615「讃えん…」
素晴らしい!!
硬いながらもリズム良い文体で、うどんの様に一行づつがつるりと飲み込めます。
強力粉で打った腰のあるうどんデス。
舞い散る花が美しい春ですが・・・
奇獣氏がやってきます。鰻犬が思い浮かびます。手負いのようですね。心か、体か。
突然の異常気象に予報士も惑い気味です。血の雨だと、どばーという感じですが、
「雪」というのがゆっくり滲むようでいい感じです。
奇獣氏は何を思うのでしょうか。何か嫌なことが有ったのでしょうか。でも
じっと我慢の子であるからして、大人ですな。
さて、奇獣氏、春だってのに泣いてます。悪いのは自分だけではないでしょうに、
「赦しを請う」ですって。やっぱり大人です。
「幽玄なる彼の地」って有給がのこってますか?いったきりで帰ってこなくちゃだめですよ。
春と、奇獣氏の対比が素晴らしくも悲しいポエムデス。
634 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 21:55:44 ID:wmhhAbZ2
>>616 「路 〜野に風うけて花うけて〜」
素晴らしい!!
これは、フォークソングであります。ギターが要りますな。
こういう、75でもないのに歌詞のようにリズムをだせるのは羨ましい。
全体的に侘しさを感じるのは、詩全体に散りばめられた「別れ」
「過ぎ去ってゆくもの」のイメージでしょう。
1番、人生は坂です。30°くらいの勾配があります。なかなかシンドイですが、花が優しくしてくれます。
「歩く」ってのを上手に省いてありますね。
2番、人生を一休みです。ついでにお地蔵さんも労います。いい人デス。
涼しげな風です。想いは届きますでしょうか。
1、2番通して出会い、別れたひとに感謝の気持ちを込めています。
言いたくても言えなかったことも。大体そんなもんです、その時は言えないのです。
3番、ああ、なんだか切ないです。分かりきってることなのに。
またもや、花が優しくしてくれます。どうですかね。花につつまれた人生。
捨てられませんね。でも留まる事無く、後ろへ押し流されてゆく人生は
ちと、寂しいです。だから「夢」なのでしょうが。
花発いて風雨多し
人生を優しく肯定するポエムデス。
635 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 21:56:15 ID:wmhhAbZ2
>>617 「無償なる賛歌」
素晴らしい!!
地球はやっぱり偉大であります。リサイクルを率先して行っております。
われわれ人類も続かねばなりますまい。
悠久の流れが描かれています。まるで、地球が呼吸しているようです。
繰り返し地球へ帰り、また生まれ出る「いのち」は、まるで地球の呼吸のようです。
見事な描写デス。「いのち」は何度も出てきません。上手に省略されてすっきりしてます。
「いのち」は、光を祝福を待っています。みんなと地球の上で・・・
小鳥のチューニングもばっちりです。
全ては地球に愛される・・・あの様な巨大な質量に愛されるとなれば
頼もしい限りであります。超肝っ玉母ちゃんであります。
タダほど高いものは無い。そう、地球の無償の愛は、何事にも変えられぬ高価ものなのであります!!
636 :
gg:2006/04/08(土) 21:57:06 ID:m8yV89AN
ggggg
637 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 21:57:19 ID:wmhhAbZ2
>>619-622 「うたうたえ、たぬきよ」
素晴らしい!!
♪たんたんたぬきのキンタマは 〜 神に捧げる曲であります。
誰もみな、一度は耳にしたことがあるでしょう。
このポエム、低音のメロディーのように、かの唄が流れています。読者は思わず荘厳な気持ちになります。
1連ごとに倒置をつかったり、体言止をしたり、変化をつけてます。長い詩ですが、読みあきません。
セピア色の「キンタマ」。歌うのは神妙な大人たちであります。幼い主人公の心に信仰心が宿ります。
今を生きる主人公は、なんだか悩めるお年頃。
道に迷い、人生の重さに潰されそうで泣きたくて。こっちの気持ちまで灰色になっちゃいます。
でも、そんな時こそ「キンタマ」です!!八畳もあるから、リビングとしてもじゅうぶん。
「キンタマ」を握り締めましょう。「キンタマ」を撫でましょう。「キンタマ」にぶら下がりましょう。
「キンタマ」の唄を歌えば、うつむかないで歩いていける。
でも、あまり「キンタマ」に想いを寄せすぎると、たぬきさんも大変デス。
「キンタマ」に幸あれ!!ぺしゃんこの「たぬき」さんに祈りを!!
638 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 21:58:01 ID:wmhhAbZ2
>>623 「感覚」
素晴らしい!!
何が素晴らしいって、五感があること、五体満足でいられること。
作者はさり気なく「五」で揃えてますね。やりますな。
主人公は怪我あるいは病が癒えて、ご機嫌です。
当時の雰囲気を示す言葉も入れています。節子嬢の好物もありますね。
ご機嫌な主人公ですが・・・なんだかキナ臭さを感じ取ります。エスパーです。
評者はエスパーではありませんので、全角数字でピンときました。
作者の配慮には頭が下がります。m○m
主人公これから、どうなるんでしょうか。ジョニー氏の様になっちゃうのでしょうか。
健康的かつ文化的な生活も平和があってこそ。平成○○年〜なんていう、
似たような内容の詩ができませんように。
平和の尊さを身体を通して訴えたポエムデス。
639 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 21:59:49 ID:cs/S/4De
>>624 「共生曲」
素晴らしい!!
たなびく雲を楽譜に例え、オーケストラの演奏が始まります。
静かな朝のピアニッシモな羽虫の音からゆっくりと。
生きとし生けるものすべて、自分のパートを受けもって
その演奏に加わるのデス。わたしもあなたも、蚯蚓も螻蛄もアメンボも。
生存することそれ自体が、歌であり、演奏なのですね。
演奏の仕方も細かく気をつかい、バラティーに富んでいます。
詩のラストでは、地平線の向こうから、組曲が迫ってくるようです。
曲の名は「共生曲」ソロで奏でる命のメロディーも、もちろん美しい。
でも、みんなが絡みあって産み出すハーモニーはなんと力強いことでしょう!!
生命が共に生きる美しさを歌ったポエムデス。
640 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 22:02:50 ID:cs/S/4De
>>625 「さばタツタ」
素晴らしい!!
シンプルにして単純、一見しょうもなさそうですが、やっぱりしょうもないポエムです。
優勝は之に決まり!!名無しさんにした狙いがまんまと嵌りました!!うそデス。
641 :
◆notePDkbPQ :2006/04/08(土) 22:46:13 ID:cs/S/4De
>>636 連投回避ありがとうございます。
>>632 >>613 「文明・賛歌」 でした。アンカー間違いです。すみません。
鍵盤さんみたいに別れてきたってカミングアウトできるヒトは羨ましいですね。
それはともかく。
上にも書きました通り、どの作品も見所があって良かったです。2日にひとつ位
のペースでゆっくり評価書きました。
優勝は、
>>616 ID:zZOWWm3kさんの「路 〜野に風うけて花うけて〜」 デス。
これはもう、評者がなんとなくいいなあ、と思ったからです。違うときなら変わるかも知れません。
評者が変われば変わるかもしれません。でも、今の私はこの詩を選びます。
お・つ・か・れ・さ・ま・でした〜
>>613書きました。勇気を出して初めての参加でした。
そして“ハラショー”貰って爆笑しましたよ。(笑)
いや〜面白い評でした、ありがとうございました。
優勝作品は自分も一番いいなと思ってました。
不覚にも(怒られるかな?)一読、ホロリとしてしまいまして。
ともあれおめでとうございます。
って凄いっすね、飛び石で。
643 :
穢土 ◆KJXrENozYs :2006/04/09(日) 00:33:57 ID:jqQFhnuo
【感覚】書きました。審査お疲れ様です。有難う御座います。じゃじゃ
「さくら」書きました。
審査ありがとうございます
『うたうたえ、たぬきよ』書きました。ありがとうございました。
はじめての参加でした。
批評で「讃歌返し」とは、イキなことしますねえ。
646 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :2006/04/09(日) 21:14:14 ID:UCCjQihU
あのー、おたずね申します。ここは辛口じゃないですよね?(笑)
豆乳さん、お疲れ&ありがとうございました。
『路〜』書きました。
まさかの優勝うれしいです〜。
あばらやさんも、ありがとう。
で、次の選者さんですが
嵐を呼ぶ男・ギムレットさんにお願いしたいなぁと。
ギムレットさ〜ん、よろしかったら、選者お願いしま〜す!
ありがとうございました!
647 :
名前はいらない:2006/04/09(日) 21:28:30 ID:qgBL5XIk
「無償なる賛歌」を書かせて頂きました。
審査と、丁寧かつユーモアあふれる評価有難うございました。
見ていてとても楽しかったです。
648 :
b4 ◆2WgbgFgdIs :2006/04/09(日) 21:47:38 ID:dgjmu5l8
『共生曲』書きました。
素晴らしい!!読んでて気分がよくなる評文デス。
◆notePDkbPQ さん、面白味ある審査乙です。
そしてありがとうございました。
649 :
◆notePDkbPQ :2006/04/10(月) 18:59:28 ID:59ZpiVyt
皆様どうもありがとうございます。力不足ながら頑張って書きました。
嬉しいデス。また、どこかでお会いしましょう。
650 :
ギムレット:2006/04/11(火) 18:15:24 ID:DY/H7/1G
あぶくさん、ご指名ありがとうございます。
嵐というより「荒らし」を呼ぶ男、ギムレットです。
私には荷が重い気もしますが、光栄ですので頑張って選者を務めさせていただきます。
実はこのスレに来たのは初めてですのでまだ勝手が分かりませんが、
他の選者の方のやり方を参考に、テーマや期日などを決めたいと思います。
まずはご挨拶まで。
今日中にテーマなどを発表したいと思います。
ギムレットさん、いらっしゃいませ〜!
突然のお願い、快くお引き受けくださりありがとうございます。
最近お見かけしていなかったので、選者にお名前挙げさせていただいたものの、実は少々ヤキモキしていたのです(笑)
荒らし込みの嵐を呼ぶ男(もちろんほめ言葉)・ギムレット氏の審査楽しみにしております。
ありがとうございました。
652 :
ギムレット:2006/04/11(火) 20:27:00 ID:DY/H7/1G
お待たせしました。
色々悩んだ末、私自身がよくモチーフとするテーマをみなさんに書いていただこうと思いました。
お題は「夜明け前」
コテは名乗らず名無しで一人一作、タイトルは必ず付けてください。
10作品で締め切りで、審査は10作品集まってから2,3日ぐらいください。
本当はもっと細かい注文を付けようか迷いましたが、今回はこれ以外の条件は無しとします。
個性豊かな作品を楽しみにしています。
653 :
名前はいらない:2006/04/12(水) 00:47:34 ID:3rvoBYZV
「尾のないサルに」
気が付けばもう10日をきっていた
実に十二年もこの時をまっていたのだ
SMAPは既に一人減っている
実は六年位前に諦めていたこの時だったのだ
一度忘れて下さい、と言われてはいたけれど
そのかなり前に忘れていたのだった
8つのメロディ
今度も集めるのだろうか
今度もドラムが回ってる
今度はチャプター区切られて
奇怪な生物相手にしながら
地球というなの母の夜明けが
ほら、すぐそこに
エンディングまでは泣かないことにしよう
それが約束なのだから
みんなあなたをすきなのだから
654 :
「夜の王(1)」:2006/04/12(水) 08:01:25 ID:YZMCJTKD
深夜
目覚めたボクは 窓を開ける
冬 澄んだ空気
吐く息は白く
信号の周りの粒子
月にかかる雲
静寂は鈴の音(ね)
世界の中で
起きている子供は
多分
ボク
ひとり
すべてが静まる
すべてが眠る
誰も知らない ボクだけの時間
夜の秘密を知っている
今宵 支配しているのは このボク
655 :
「夜の王(2)」:2006/04/12(水) 08:02:06 ID:YZMCJTKD
漆黒
やがて群青へ 色がやって来る
空は 表情を変え
星は 空へ溶けてゆく
月はその身を隠し
バイクの音
新聞配達が
朝を連れてやって来る
やがて
小鳥達が
朝を連れてやって来る
656 :
「夜の王(3)」:2006/04/12(水) 08:02:58 ID:YZMCJTKD
また1日が始まる
ボクは王の仮面を脱ぎ捨て
従順な群れのひとつになる
すべてが静まる
すべてが眠る
誰も知らない ボクだけの時間
夜の秘密を知っている
夜を支配していたのは このボク
誰も知らないボクだけの時間-------
いつしか夜が
自分だけの物ではないと知った
そしてボクは
ほんの少し大人になった
夜明けと共に
ボクは
ほんの少し大人になった
「夜明け前」
混乱の時
人が死に殺されるとき
時の変動に人が振り回される時
それでも人は時の中でその役割に応じて
あがらい続け
その矜持を保つ
それは見栄といっても良いだろう
それでも最後には屍をさらしても
おのが主張を繰り返す
658 :
【 祈り 】1/2 :2006/04/12(水) 21:25:03 ID:Z+DHTAc4
身から出た錆を舐め、血の味を知る
路上に浮かぶ陽炎と蜃気楼
鋼鉄を纏った人々と八畳間の唯我帝王
冷め濡れに笑っている・・・
汚れ知らぬ糞どもと頽廃思想にブラボー
血の流を求める人類にブラボー
肩風切る平和思想徒にジャンクフードを
笑顔嘖々の隣人に呪いを・・・嗚呼、無碍む・・・
広い空の下で出会ってから15年経ち
東京のど真ん中で出会い5年経つ
霧の煙る波止場で出会ってから3年が過ぎ
畏まり候
拝啓 親愛なる隣人へ
御元気ですか
この度、東京直下の大イナズマに感電しました。そりゃ本当にビリビリショックだったのです。
我が頭脳に無知蒙昧の記憶と懺悔が繰り返しビジョン化され、
のた打ち回る狂人ニーチェのように、破滅を感じたのです。
雨振る窓外に命の親をみ、首を垂れまくれば、涙二日酔い・・・鏡で汝の面を拝めば、
審判の日はいつ来るかと怯え、まさしく「私は死んだ」と叫んだのです。
世にもツマラヌ私事で恐縮ですが、いたいけな女を見ては勃起支配に身体は擦れ
粉のように飛び出す切ない喪失感に、擦れ違いざまの嘲笑いを思い出し
屈辱感と罪悪感でストイック思想に目覚めました。
心の変化に加えて、多種多様の哲学や価値観をかき混ぜたカクテル思想を飲み干し
散々迷った挙句、この大地に一本の霞草
嗚呼、申し訳ない。切実な問いがあります。
659 :
【 祈り 】2/2:2006/04/12(水) 21:25:50 ID:Z+DHTAc4
『 人間の願いと運命とは互いに見知らぬ人のように無関係なのでしょうか
それは多くの場合寧ろ暴君と犠牲者とのような残酷な関係なのでしょうか
かくありたしとの希望を、かく定められているとの運命が蹂躙してしまうのでしょうか 』
_是は今は亡き倉田さんの言葉でもあります。
もうすぐ夜が明けます。
私は、運命を我が願いに隷属させるため、日の出と共に貴女の下へ参る所存です。
既に橋頭堡は完成しました。この一片の手紙がそれです。
もう後戻りはできないのです。狂った果実は熟れるんです。
では、しばらく 御元気で
敬具
ー盲目ー
まだ陽の上らぬ未明の朝
風紋が鮮やかに浮き出る灰色の砂丘を
暁の月へとむかう 黒烏
凄絶な月の海に至る道は
白い光に照らされて
泥だらけの足で踏みこんではいけない
ー失語ー
可聴できない月光の音が
砂の上に紋を刻んでゆく
あれは風ではなかった
月がしたたり落ちて
発話できない言葉を残していった
波打ち際で繰り返し
ぼろぼろの足を洗い
爪の間流れる水ひりひりと
ようやく満足のいく足で
道 踏み出そうとすれば もうそこに
赤黒く染み込んだ穢れを見つけ途方にくれる
ー手無しー
杖持たぬ犬 月の朝 烏が鳴いた
そら ソラ 空!
661 :
夜明け前:2006/04/13(木) 19:29:59 ID:Z9DbxRt+
発音のない音
暗闇ですらない暗黒
そは虚無なり
虚無にかすかに光うまれり
そは始まりの始まりである。
かすかな光が
存在を照らすことによって
万物の存在が始まる
発音のない音
かすかな光
662 :
爪:2006/04/14(金) 22:39:51 ID:w6WsrAQL
心ささくれた晩
けものの証の爪をきる
背をまるめ息をころし
けものの証の爪をきる
ほおった牙は月になれ
ひきちぎった尻尾は雲間に流れろ
心ささくれあわだつ晩に
けものの証の爪をきる
ぶつりぶつりと爪をきる
――東のあかつき
白い明星がコロリ――
663 :
明けるのを…:2006/04/14(金) 23:13:44 ID:8uVBNSty
明けるのを待ち望む時も
明けぬよう祈る時も
窓から眺めながら
固唾を飲み込む
あなたが昇るまでの
この瞬間が好きだ
身悶えるような
じらすような大地の震え
それを見たくて
それを畏れて今日も…
664 :
ルビーの光:2006/04/14(金) 23:36:27 ID:1QI1BR95
夜、歩いていると
犬の吠え声がする
自販機でCCレモンを買うと
翌日のことを考え始めた
しばらく歩き続けると
うとうとし始めたことに気がつく
時計を持ってこなかった
何時になるのだろう
以前、明け方歩いたときに
空がきれいなむらさき色をしていたことを思い出す
雲の輪郭がしだいに明るくなっていき
散歩する人がちらほら出てくる
最近見てないなとやや寂しくなるも
まあいいかと考えた
今夜は起きるまで眠れる
665 :
5:40am:2006/04/14(金) 23:52:05 ID:G6vmQA9B
ほんの少し前までは 空気も張り詰めて
月も静寂(しじま)に震えていた
僕は掛け布団にくるまって朝を待っていた
カーテンの隙間から差し込む街灯が緩くなり
それが合図の様に空間が少しずつ溶け出していくようだった
青い掛け布団が
この部屋に溶け出して染め上げていく
窓から
あまり聞き覚えの無い 鳥の鳴き声が重なり始め
カブの低い振動音が遠ざかっていった
今日は曇りかもしれないな
月も空も輪郭と静寂を失い
青くまどろんでいる
666 :
はやおき:2006/04/14(金) 23:56:41 ID:Wrk+Xf5x
ぱっちり目覚めて
呆然と五時のなか
起き間違えて虚構の心拍
まあいいかと深呼吸。
澄んだ空気、無風のなか、
うすやみをひとりじめ。
朝焼けを嫌がるように
ばさり、塗りつぶすカラス。
てらいの無い色彩がうなって、
ごみ袋ん中、混ざって溶けて、
新世界を作り出してた。
こんなぶっ飛んだ夜明けを
見つけて笑ったのは、
ボロを着てても美しい異国の少女。
確かな夜明けの存在者、
欠けた硝子窓に びっ と映る
あたたかいスラムの空。
鶏のなく一瞬を待つ。
限られた、とうとい、しあわせ。
あ…リロード忘れてた…スマソ。
668 :
ギムレット:2006/04/16(日) 12:03:27 ID:GqReLK3I
10作品・・11作品ですね、集まりましたね。
最後の方の投稿は前の投稿者と時間帯が重なっていて明らかに不可抗力なので
審査対象に入れたいと思います。
(どのみちせっかく書いていただいた作品をNG扱いにはしませんが)
多分今日中に批評と優勝者を発表できると思います。
>653 「尾のないサルに」
>654-656「夜の王」
>657 「夜明け前」
>658-659「祈り 」
>660 「月の朝 (あした)」
>661 「夜明け前」
>662 「爪」
>663 「明けるのを…」
>664 「ルビーの光」
>665 「5:40am」
>666 「はやおき 」
タイトルがかぶっている事より、お題のまんまのタイトルを付けた人が2人もいた事の方に驚きました・・。
669 :
ギムレット:2006/04/16(日) 15:22:55 ID:GqReLK3I
現在審査中です。
発表は夜になると思いますが、その前に賑やかしとして
私が以前に書いた「夜明け前」をモチーフとした作品を何作か勝手に貼らせて頂こうかと思います。
持論として、人の作品を評価する者は自分の作品も提示する必要があると思うので。
私がこれから他の方の作品に指摘する事を私の作品が満たしているとは思いませんが、
…まぁ堅苦しく考えずに夜までの暇つぶしに読んでやってください。
気が向いた方は評なども書いていただけると嬉しいです。
特に「水槽の街」はセン5でB評価を頂きましたが、
評価人に誤読がかなりあったので再評価を希望しようかとも思った作品なので。
670 :
ギムレット:2006/04/16(日) 15:25:32 ID:GqReLK3I
「夜明けの痛み」
眠りは深かったはずなのに
午前4時に青白く染まった部屋の真ん中で
僕は天井を見上げていた
懐かしい笑顔を懸命に反芻していたが
夢の記憶は 現実の空気の中で ドライアイスのように消えていく
別れ際、僕は彼女の健康を案じ
彼女は僕の夢を願った
最後まで笑顔のままで
見えなくなるまで手を振り合った
僕はそれなりに夢を叶えたし
彼女は幸せな母親になった
これだけ素敵な別れ方をした恋人たちなんてちょっといない
夜明け前の 南極のような静けさの中で
体温の無い生き物みたいな部屋から
ガラス越しに世界を見渡すと すべてが青かった
まだ缶コーヒーが100円だった頃に
さえぎる物など無い風の中で 夜明け前の海を理由も無く眺めて
ささやか程度の温かさを 分け合って飲んだ事を思い出して
僕は急に恐怖に襲われた
大丈夫、大丈夫だよと僕は僕に呼びかける
確かに色んなものを失ったけど 失った分だけ得たはずだ
掌を二つ並べて 祈りのように見つめ続ける
671 :
ギムレット:2006/04/16(日) 15:26:46 ID:GqReLK3I
早朝の不安定な空気が去って 小さな痛みが残った
その痛みと 別れの君の笑顔が なぜ重なるのだろう
きっと僕が夜明け前に目覚めたのは
夢よりももっと確かな場所で 君を思い出すため
多分それは後悔とかではなく もっと素敵な事だと信じよう
次にまたこんな夜明け前を迎えたときには
相変わらずな僕を笑いながら 痛みとは別の答えを探そう
(梁山泊 テーマ「痛み」 1点)
672 :
ギムレット:2006/04/16(日) 15:27:22 ID:GqReLK3I
「夢の翼」
もしもこの背に 翼があったならと考える 金曜日の夜
弁証法みたいに甲と乙を戦わせて出した結論は
「翼などいらない」
想像力を駆使して出した結論はいつもつまらない
これが現実だなと ビールよりも安い擬似ビールを飲み
謳い文句がそれぞれ違う工場生産の同じ味をかじる
色んな事を空想し それを片端から否定していく
自慰のような時間を夜明けまで続けて
間にビールや音楽やつまらない映画をはさめて
そして朝になる
大地が天恵を浴びて 息吹が胎児のような鼓動を立て始めたのに
また少し老化した体を 昨日のニュースとともにベッドに投げ出す
いつか翼ではなくとも 何かが自分の中で目覚める事を期待して
ただ少しずつ確実に損なわれていく自分を直視しない 出来ない
サボテンの乾きみたいな 存在税のような 宿命
もがいても どうしようも出来ない 呪い
早朝のひっそりとした悲しみは静けさに同化して
夢の中へと落ちていく
鳥でも飛行機でもない 本当の自由な翼を
存在しないがゆえに求めてしまう その悲しみに
夢の中では 豚みたいに鈍感である 幸せ
鈍感である事が幸せである場所 それが夢
673 :
ギムレット:2006/04/16(日) 15:32:19 ID:GqReLK3I
(夢の翼 セン5 評価C)
「水槽の街」
不眠症のまま街は朝を向かえ
路傍には冷え切った夢が眠っている
卵黄のようにとろんとした太陽から
地平に黄色い光が溶け出していた
不眠症のまま僕は交差点の中心に立って
アンコールワットの真ん中にある塔みたいに
四方に伸びる無人の道路を見据える
幾つものビルがドミノの板のように整列していて
その狭間を走る終わりの無い槍のようなアスファルト
だけど道が続く限り アスファルトも続き
きっと加工された同じような景色があって
名前が付いたものばかりだろう
ふと見上げると丸いはずの空は 四角く切り取られていて
水槽を泳ぐ魚のように 雲が窮屈そうに流れていく
もちろん空はいつだって自由で いつまでも自由だ
切り取られたのは 窮屈なのは 僕だ
674 :
ギムレット:2006/04/16(日) 15:37:13 ID:GqReLK3I
やがて草原に夏が来た様に 時が来れば街はざわめきだすだろう
そして空はまた忘れ去られ 四角い覗き窓にはただの青色が映るだろう
明るい毒虫のような色彩の中で その青が「空」である事なんて 誰にどんな意味があるのか
押し付けられた名前で管理された 街
好き勝手な役目を与えられた 景色
そして人が人である限り抜け出す事の出来ない
存在し 見えず触れず だけど逃れられぬ 隔たり
早朝のさっぱりとした空気の中で 水槽の中の僕は
来る可能性のない未来を見つめるような 悲しい気持ちで窓の向こうの空を見上げ続けた
(セン5 評価B)
675 :
ギムレット:2006/04/16(日) 15:40:39 ID:GqReLK3I
好き勝手やってどうもすみませんでした。<(_ _)>
この辺でまた審査に戻ります。
実は大体終わっているのですが、
最後の確認などもあるのでやはり夜まで発表は待ってください。
では失礼します。
676 :
ギムレット:2006/04/16(日) 23:27:37 ID:P2EkJ5Yq
お待たせしました。
批評および優勝者の発表をしたいと思います。
11作品を見渡すと「夜明け前」というお題をひねってきた作品が多いですね。
ただ、実を言うとこういったひねり方は「想定内」でした。
「夜明け前」というお題を出した時に想定したのは
文字通り夜の明ける前の時間帯を書いた作品と、
明治維新のように何か大きな変化が起こる「夜明け前」を書いた作品でした。
お題に条件を付けようかと悩んだのもこの点が主で、
個人的には前者の夜明けを期待してたからですが、
あまり参加者の自由度を奪うのは選者のエゴだなと思い自重しました。
それでは、順番に評を述べていきます。
はっきり言って、「お前何様だ?」と言われそうなぐらい辛口です。
それだけ私自身にこだわりのあるテーマなので。
677 :
ギムレット:2006/04/16(日) 23:28:22 ID:P2EkJ5Yq
>>653「尾のないサルに」
これは「アルマゲドン」や「インデペンデンスディ」を思わせる詩ですね。
お題へのアプローチの仕方はなかなか面白いです。
言われてみれば早2006年、ノストラダムスの大予言などもはや過去の笑い話になってましたね。
でも今更「やっぱり滅びます」と言われても困ります(笑)。
SF映画の予告のようなフレーズが並んでいますが
なんだかイメージが沸かない表現が多くて、ちょっと読んでいてきつかったです。
人類が滅亡するのを予感させる不気味な雰囲気をもっと醸し出して欲しかったです。
一つ一つの表現をもっと研ぎ澄まして欲しかったですね。
発想はいいのですがそこからの膨らませ方が全然足りないです。
映画のストーリーを箇条書きした程度で終わっています。
678 :
ギムレット:2006/04/16(日) 23:29:10 ID:P2EkJ5Yq
>>654-656 「夜の王」
これはストレートに夜明け前を表現してきましたね。
平凡でも無いですが非凡ともいえない表現が多いですね。でも時々光る表現もありますね。
例えば「色がやって来る」という表現は目新しくて面白いです。
ただ、一言で言って作品に核が無いです。
全体を通して伝わるものが無く、ラストも浅いなぁとがっかりしました。
また作品の中での時間経過が変です。
幾つもの夜を過ごしたのか、一晩だけの話なのかよく分かりません。
作品の流れも進んだと思ったらまた戻ったりとなんだかもやもやしています。
書き手自身の中でまとまりきっていないのではないでしょうか。
もっと全体的な構成に気を配ってください。
冬という季節も最初に出て来たきりで、その後に冬を感じさせるフレーズが無く、
作品世界のイメージが出来ないです。
幼い子供の過剰な自分と世界の関係の幻想が消えていくのを表現しようとしたのはいい着眼点だと思います。
ただ、流れに必然性も説得力も無いので読み終わって残るものも特に無かったです。
679 :
ギムレット:2006/04/16(日) 23:30:15 ID:P2EkJ5Yq
>>657 「夜明け前」
これは時代の大きく動く「夜明け前」を書いた作品ですね。
悪いけど、一言で言って「軽い」です。
「夜明け前」を時代の大きな節目と捉える発想は実は平凡です。
多分ほとんどの人が思いつくでしょう。
もちろんそれが悪いのではなく、そこから出発せずに終わっている事が残念です。
歴史の教科書を読んだ感想文、といったレベルです。
個々の表現に目を向けても
「それは見栄といっても良いだろう」は作品のテンションを壊している気がしますし、
終わり方も冷静に読むと意味不明に近いです。
歴史上の時代の節目に死んでいった人に失礼というか、本当の意味での想像力を感じません。
多分一筆書きに近い感じで書いた作品だと思いますが、
せっかくこういった場に投稿するのですからもう少し汗を流して書いて欲しかったです。
680 :
ギムレット:2006/04/16(日) 23:31:46 ID:P2EkJ5Yq
>>658-659 「祈り」
これは一読しただけで作者の力量がうかがい知れますね。
詩作の基本性能が違うなと感じました。
冒頭の一文がいきなり秀逸です。
そしてここから「夜明け前」へどのように結び付けていくのか、
ミステリー小説の山場へと向かうくだりのような、引き締まった高揚感を感じながら読み進めました。
これはお題が決まった作品を審査する副産物ですね。
表現がかなり大胆で成功しているのか微妙なものもありますが、
書き手はかなり楽しんで書いていますね。
作品に独特の呼吸、うねりがあり読んでいて引き込まれます。
連が進むにつれてスピードが上がり世界が広がっていきどんどん作品の中に引き込まれていった時に
「拝啓 親愛なる隣人へ 」でいきなり急ブレーキ。
突如空間に現れた不思議な物体のような違和感に、期待と不安が渦巻きながら「手紙」を読んでいくと、
いきなりはちゃめちゃな内容に思わずずっこけました。
要は貴女に会って恋のイナズマに打たれました、という事ですかね。
どんどんドミノ倒しのように読み手を裏切っていく展開にはもう善悪など無意味ですね。
最後まで読んでようやく告白の手紙だったと分かりました。徹夜でラブレターを書くとは主人公はなかなか純情ですね。
筒井康隆みたいな言語感覚でなだれ込むように狂気走って行く主人公を上手に描いています。
かと言って滅茶苦茶にそれらしい言葉を並べている訳でもなく、
本当にこのまま告白の手紙として使えそうなしっかりとした愛の告白になっています。
まぁ現実で使用したら確実にふられると思いますが。
「夜明け前」というお題との絡みの謎も解けましたが、しかし夜明け前は作品内で完全に脇役ですね。そこはちょっと残念。
それから前半と後半の手紙部分との絡みがちょっとよく分からなかったです。
多分最初から「こういう作品を書こう」と決めていたのでは無く、書きながら先の展開を考えたのだと思いますが、
投稿する前にもう少し全体的なバランスやつながりなどを手直しをしても良かったのではと思いました。
決して完成度は高いとはいえないけど、圧倒的な筆力には素直に脱帽です。
間違いなく優勝候補です。
681 :
ギムレット:2006/04/16(日) 23:45:47 ID:P2EkJ5Yq
>>660 「月の朝(あした)」
情景描写だけで構成された作品ですね。
正直私には書けないタイプの作品です。
最初に読んだ時は「?」でしたが、
2回目は「??」になり、
三回目は「???」となりました。
ええ、そうです。読めば読むほどよく分からなくなりました。
すごく情景描写が非凡なのですが、何だか技術自慢みたいな感じで
何度読み返しても作品世界が見えませんでした。
もしかしたら私の実力不足で読み取れないのかもしれませんが、
いくら読み返しても単語の羅列にしか見えず、
作者自身が本当にしっかりと作品世界をイメージできていたのか疑問に思いました。
言葉選びや構成に高い実力は垣間見えましたが、
この作品については正直読み終わっても何も残らなかったです。
最後の「そら ソラ 空! 」というフレーズに作品世界の狭さが現れていると思います。
きちっと作品世界の構築された作品ならばこんな実体の無いフレーズで締めくくられたりはしません。
人によっては高い点数を付けるかもしれませんが、
私は上手な言葉遊び程度の評価しか与えられませんね。
書いた方には思わぬ酷評だったかもしれませんが、
こちらも勇気を出してあえて酷評しました。
実力は感じるのですが、この作品に関しては上辺の言葉遊びで終わって残念です。
次の機会があれば、もっと魂のこもった作品を期待します。
682 :
ギムレット:2006/04/16(日) 23:51:23 ID:P2EkJ5Yq
>>661 「夜明け前」
おそらく無から万物が生まれる事を表した作品でしょう。
陳腐な言葉で言うなら「ビッグバン」ですが、
そういったイメージの限定は作品をつまらなくするので
そういう点でこの作品は固有名詞を極力削った点は正解だと思います。
ただ、テーマが壮大すぎて作品に迫力がありません。
人が書き人が読む作品ですから、書き手読み手が本当にイメージできるように書いて欲しいと思います。
私はこういった壮大なテーマの作品で成功している作品をほとんど知りません。
あるとしたらそれは身近なとっかかりからアプローチしていった作品です。
具体的な成功例を挙げると、谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」は異論はあるかもしれませんが、
私は成功した稀有な例だと思っています。
>>662 「爪」
一読して思ったのはアベレージの線上にあるような作品だなぁと言う事です。
悪くは無いけど良くも無い、そういった感じです。
詩として一応の完成はしているしそれほど欠点も無いけど、突出したものも無いからです。
この作品を読んで心に何か残る気がしません。
主人公は獣なのか獣に例えた人間なのかははっきりとは分かりませんが、
主人公の思いも感情も伝わらないし、風景描写も無難です。
お題から外れてもいませんが、特に掘り下げた感じもしません。
何回読んでも「無難だなぁ」としか思えない作品です。
683 :
ギムレット:2006/04/16(日) 23:53:43 ID:P2EkJ5Yq
>>663 「明けるのを…」
短いけれど、これはなかなか悪くないです。
本当の夜明け前を想像しなければ書けません。
私自身、夜明け前という時間帯には特別な思い入れがあり、
この作品を読んで高校生の時の私がちらりと浮かびました。
色々な悩みを抱いて夜を明かし、望もうと望むまいと時間が来れば訪れる夜明け。
たしかに言葉にすればこんな気分かも知れません。
お題の無い「セン5」なら高い評価は上げれませんでしたが、
「夜明け前」というお題に対して一番いい答えをくれた作品だと思います。
ただし、表現自体はもっと磨いて欲しいです。
短い作品はそれだけ切れ味が必要です。
あるいはもう少し長い作品にすべきかもしれません。
もっと表現を研ぎ澄ますか、もっと言葉を足すかは好みの問題ですが。
ちなみに私は後者です。
>>664 「ルビーの光」
日記のような文体から始まりましたが、そのまま日記みたいに終わっちゃいましたね。
時間帯もよく分かりませんが、明日を「翌日」と言っていることを考えると
まだ日付が変わっていないか変わって間もないかというところでしょうか。つまり夜中ですね。
「夜明け前」は主人公の回想の中でチラッと出てきて終わりですか。
で、自動販売機でジュースを買ってぶらぶらと徘徊して
「今晩は好きなだけ寝れるなぁ」で終わりでは評価しがいが無いです。
2ちゃんねる用語で「チラシの裏」と言われるような作品ですね。
一つだけ褒めるとすれば、「最近夜明けを見ていない」という部分で、
これは思い当たる人は私を含めて多いと思います。特に社会人をしている人なら。
ここをもっと掘り下げていればちゃんとした作品になったと思います。
684 :
ギムレット:2006/04/17(月) 00:01:15 ID:P2EkJ5Yq
>>665「5:40am」
夜明け前の雰囲気が良く出た作品だと思います。
個人的には投稿作品の中で一番夜明けのイメージが浮かびました。
ただ、作品の色が全体を通して青すぎます。
私も以前に「夜明けの痛み」という作品を梁山泊に投稿した事があり、
審査員が異口同音に作品の夜明けの描写の過剰さを指摘されました。
例えば絵で夜明けを表現する時にただひたすら青く塗りたくっても駄目ですよね。
逆に青とは縁遠い色も織り交ぜることで、夜明けというものを表現しようとするのが普通だと思います。
個々の表現を見ると、表現になかなか細かな工夫がされていて悪くないと思います。
ただ、連が並列的です。時間経過は一応ありますが、本当にただ夜明けに近づいているだけです。
最後まで読んでも「それで?」となっちゃいますね。
全体的に説明的な感じもするし、ちょっと垢抜けていないですね。
でも好きか嫌いかで言えば好きな作品です。
人に読ませる事をもう少し意識するともっと良くなるのではないかと思います。
685 :
ギムレット:2006/04/17(月) 00:01:48 ID:P2EkJ5Yq
>>666 「はやおき」
なんだか実力を読み測れない作品です。
1連目は名詞を無理に使いすぎていますね。
「うすやみをひとりじめ」と全部平仮名なのは面白いけど、
さすがに前後関係的に違和感です。
しかし2連目はずいぶん見違えましたね。
何か形而上的な夜明けを訴えかけてくるようで、素直に溜め息が漏れました。
かと思うと三連目は何だか展開自体がぶっとんでますね。
主人公はどこ行ったの?それとも始めから異口の少女が主人公?と
はてなマークが頭を飛び交いました。
しかし三連目を単独で見ればかなりいいです。
「ぶっとんだ夜明け」という表現はかなり大胆ですがその後の展開で成功させていると思います。
4連目は正直尻すぼみですね。取って付けたような終わらせ方で安直です。
これだけ好き勝手に1−3連暴れて、最後に受け止めずに受け流して終わりでは着地失敗だと思います。
主人公が定まらないのはやはり大きなマイナスですね。
かと言って色んな場所の夜明けを書いたつもりならあまりに構成が雑ですし。
1連目で一人称のような運びで導入したのが失敗かもしれません。
展開も破綻していると言ってもいいぐらいめちゃくちゃなんだけど、
夜明けの時間の独特の息遣い、鼓動を感じれる作品で嫌いじゃないです。
終わり方だけはどうしても好意的にはなれませんが、
特に2連目は面白く、いいセンスを持っていると思います。
ギムレットさん
【祈り】を書いたものです。聞きたいことがあります。
私の作品の中で、“倉田さん”という名前が出てきますが、これは倉田百三という作家のことです。
その上の鍵括弧内も倉田百三の言葉です。考慮を!
687 :
ギムレット:2006/04/17(月) 00:07:58 ID:3Ygagbw0
11作品を批評し終わりましたが、
全体を通して思った事は「夜明け前」というテーマは結構イメージが広がりにくい時間帯、
というより一人ひとりの持つイメージの最小公倍数が意外と小さいので、
個々のセンスの差がはっきり出るお題だったかなと思います。
「夜明け」を素直に書かず捻ってきた作品も予想通り何作かありましたが、
大半が捻っただけで終わっているなぁと思いました。
お題への切り口を捻って見るというオリジナリティーはいいと思いますが、
捻ったところが出発点なのにそこをゴールにしてしまっている人が多いです。
分かりやすく言うと、『美味しんぼ』の究極対至高対決で、
山岡が珍しい具材を見つけてきて誇らしげに出したが、
海原雄山が平凡な素材で御題にそった素晴らしい料理を作り、
食べた山岡と旧姓 栗田の顔色が変わり、雄山がやたら俯瞰をかまして高笑いする、といった所でしょうか。
(分かりやすすぎたかな?)
688 :
ギムレット:2006/04/17(月) 00:08:53 ID:3Ygagbw0
それで、優勝者は【祈り】にしたいと思います。
本当は誰かにこの作品を倒して欲しかったけど、横の比較をするとやはり詩作の基本性能がずば抜けていたので選ばざるを得ませんでした。
この作品は「夜明け前」というお題がおまけみたいになっていたのが残念ですが、
完成度、技術力、面白さという点で郡を抜いていたので11作を何度読み返しても対抗馬すら思いつきませんでした。
他に気になった作品を述べると、
「月の朝」を書いた方は実力的には対抗できそうな気もしますが、
今回の作品は批評でも述べたとおり私は高くは評価できませんでした。
「5:40am」は夜明けの表現は良かったですが、作品としては特に残るものは無かったですね。
「はやおき」は部分的には面白いと思いましたが、作品としては完成しておらず惜しい作品でした。
他の作品もそれぞれいい所もあったと思います。
全体的に評が厳しくなったと思いますが、これを糧として頂けたらと思います。
最後になりましたが、このような機会を与えていただいたあぶくさん、
それから投稿してくれたみなさん、どうもありがとうございました。
私自身得るものが大きく、とても楽しかったです。
興醒めさせて悪いけど、>686を詠んでください
>>686 解説が必要な時点で、単独の詩としては失格でそ。
共通認識の見切りも「詩」の構成要素だぜ。
参加者が納得する形で終えるのがいい。
だから失格で構わない。まさか優勝候補に挙げられると思わなかった。
興醒めさせて悪いけど、辞退させてもらいます。
692 :
ギムレット:2006/04/17(月) 00:14:41 ID:3Ygagbw0
>>686 おや、いいタイミングで来てくれましたね。
優勝おめでとうございます。
倉田というのが誰なのかは私も気になっていましたが、
倉田 百三という作家だったんですね。
鍵括弧内の言葉は引用だったんですか。とてもいいフレーズだったので正直ちょっと残念です。
「聞きたい事」が何かと、何を「考慮」すればいいのかがちょっと分からないのですが、
出来たらもう少し具体的に言っていただけますか?
あと、次の選者の選出をよろしくお願いします。
693 :
ボトルネック(ノ∀`) ◆P350za861k :2006/04/17(月) 00:20:41 ID:Pb66zKQS
乙っす
ちなみに俺が書いたのは「尾のないサルに」なんですが、
内容的には、「MOTHER3がいよいよ発売になる。この日を何年待ったことか。
ニンテンドウ64で一度発売中止になったけどゲームボーイアドバンスで再開発と聞いて心が踊った。十二年待った分遊びまくってやるぜ!」という。
「尾のないサル」というのは「エイプ」(MOTHERの作者、糸井重里の会社)のこと。SMAPはMOTHER2の頃は六人組だったのね。
MOTHERファンでなければ分かりにくい、読みにくい詩でごめん
694 :
祈り:2006/04/17(月) 00:21:46 ID:Sx+/RtKB
この言葉をどうしても使いたかった。
だから“倉田さん”でなく“倉田百三”とはっきり明記しておけば良かった(激しく後悔
興冷めさせて非常に申し訳ありませんが、ギムレットさんと参加者に謝ります。
二度とこのような中途半端な真似はいたしません。
よって辞退させてもらいます。ギムレットさんには申し訳ありませんが
次の優勝者を選んでください。すいません
695 :
ギムレット:2006/04/17(月) 00:31:37 ID:3Ygagbw0
失格の理由がよく分からないなぁ。
「祈り」は貴女の言葉が入っていない訳ではないでしょう。
一部に引用があったからってそれが失格の理由になるのかなぁ。
ちゃんと「倉田」と引用したと分かる人には分かるように書いていたし。
どうしても辞退したいというなら仕方が無いけど、
ここは人に批評してもらうスレで言わば他人の時間を奪う場所なんだから、
あまり一人相撲はやめてね。
それで、繰上げという後味の悪い形ですが、次点の方を優勝者にします。
「はやおき」と「月の朝(あした)」が候補ですが、
「夜明け前」というお題に沿っていた「はやおき」を繰上げで優勝とさせていただきます。
「はやおき」を書かれた方は次の選者をよろしくお願いします。
696 :
19 ◆gwnULb/9mw :2006/04/17(月) 00:35:43 ID:TQJIcqUB
>>683 審査お疲れ様です。
>>664を書きました
評価ありがとうございました。妥当な位置だと思います
ノミネート作がハイレベルで竦みます
697 :
ギムレット:2006/04/17(月) 00:36:45 ID:3Ygagbw0
>>693 ボトルネックさん、参加どうもありがとう。
つか、そんなの分かりませんし知りませんよ。( >_<)σ
そうと言ってくれればもっと酷評して差し上げたのに。
ネタバレどうもです。
698 :
祈り:2006/04/17(月) 00:49:26 ID:Sx+/RtKB
ギムレットさん 有難う御座います
今回のことは非常に時間が足りなく、考慮して頂く時間がありませんでした。
ギムレットさんの時間を奪い申し訳ありません。普段からこのようなことをしているわけではありませんので
ご理解を!
では潔く退散させて頂きます。名を名乗るには、チト惜しい。
私自身もあれは解る人には解るように書いたつもりですが、こうなるとは予想付かず
参加者全員が納得する形が良いと思い、一人相撲を取りました。
不機嫌であろうこと重々承知です。よって何も言えません。有難う御座います。
700 :
ギムレット:2006/04/17(月) 01:02:38 ID:3Ygagbw0
>>698 無理に名乗らせる気は無いけど、出来たらコテがあるなら教えて欲しいな。
今回の件はともかく、とても面白い作品を書く方なので他のスレでも注目させてもらいたいので。
でもまぁ名乗りにくい雰囲気でしょうから無理は言いません。
単なる引用でしょ? なに一人相撲とってんの? 馬鹿?
702 :
リーフレイン:2006/04/17(月) 13:04:06 ID:mVYMR1uh
ギムレットさん 評価ありがとうございます。「月の朝」書きました。
優勝のおふたりさん、おめでとうございます。
辛口の評価をいただいてしまって、「うーーん」と唸っています、、、
なんというかこの作品は涙ぐみながら一気に部品を書き上げていったもので、
あまり書き手の感情が強すぎるとかえって伝わんなくなっちゃうんだなあと改めて反省している次第です。
ありがとうございます。
>>699 スレ立て乙であります。
>「祈り」の人へ
多分、運命と願望は必ずしも残酷な関係にあるわけじゃあないとあたしは思います。あなたも
そう感じているように。かりかりと石の扉を引っかくようにしてだましだまし開く運命も
たまにはあるんじゃあないでしょうか?いい夜明け前の覚悟を読ませていただきました。
はじめの夜明け前書きました
評価ありがとうございます
優勝者の方おめでとうございます
704 :
あぶく ◆OPBYKkBBNQ :
これですよ、これ。こんだけはっきりと、個人の見解をさらして作品ぶった斬ってくれちゃうお方がいるでしょーか(笑)
『爪』書きました。評価ありがとうございました。
つまんなかったですね。《心ささくれ〜爪をきる》のワンフレーズを、作品の形に仕立てたのですが、ほんと腕ないわ〜。
またこーゆー機会があれば、今度はもちっといいもの書いて、鬼(←笑)のギムレット氏を唸らせてやるぞ、と強く決意(なんつて)。
ギムレットさんの作品ですが、私は『夜明けの痛み』が好きです。梁山泊で読んだ時から。《夢よりももっと確かな場所で君を思い出すため》。ここがめちゃいいのですよ。
あ、それとせっかくですので一言。ギムレットさんの作品は《〜のよう》という言葉がやけに多いなぁ、と思うのです。すこ〜し、うるさく感じられる時があるかなぁ、と(笑)
ではでは、どうもお疲れ&ありがとうございました。
最後になりましたが、b4さん、優勝おめでとうございます。