有 刺 鉄 線 

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236メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 16:05:37 ID:TejCzb0I

「そんなの捨てちゃったわ呆れた、あんたキモイよしつこいよこの際だから全部言ってやるセコイし
早いし馬鹿だし嫉妬深いしで不細工あんたといると低水準な生活しか保障されないし、みすぼらしい
格好させといて連れ歩くプライドなしでおまけに耳毛が生えてるなんてサイテー」
「で、相変わらず尻軽で口の悪さはわかったから何が望みなんだ?」

 緑色の服が似合うねまるで蟷螂みたいでも素敵よ
 だからもう少し延長してくれたらムムフと
 先立つものはどっちにしろ金
 ライブチャットのおねいさんにも好きですと言ってみる
 けれど俺を傷つけようとも愛でようともしない即答
 ありがとうにも好きと返してみる
 嫌いというはずの無い画面にうんざりしつつ
 かの彼女と男の会話もしっかり聞いている俺がいる

「私が好きなら金頂戴、プロテア買えるだけ買って眺めていたいだけ好きなら金を頂戴」
「ここの代金払って残金4000円しかないけどそれで買えるなら金やるよ、で、プロテアって何だ?」

 ハヤシライス大盛りください
 ハヤシライス大盛りください
 ハヤシライス大盛りください
237メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 16:15:13 ID:TejCzb0I

「花が欲しいの」
「じゃ付き合ってくれるよな?」

 なら好きな奴に使って散財破綻したほうがマシだと思うものの
 破滅的なこの俺が注文したハヤシライス
 お待たせしましたと運んできたかの彼女の微笑みを
 赤の他人である一お客の所にたかがハヤシライスを
 運んできた笑顔とはいえあんまりにも可愛らしく穢れ無き
 美しさだったもので何よりも腹が立ち
 まっ茶色過ぎるほどまっ茶色なハヤシライスを
 制服姿の彼女にぶちまけて俺は蟷螂らしく
 この場で許しを乞うことよりも彼女に頭から食われる事を望んで
 カメラの穴に背を向けた

「買ってきな、買ってこいよ、口なんて信用しないよ財布の中身全部私に使ってよ、使ってみろよ」
「わかった、じゃそれで付き合ってくれるんだな、わかった」

 腕を両頬に近付けて少しずつ動かすリーリーリー
 構えた手を両頬に近付けて少しずつ動かすリーリーリー
 鎌を両頬に付けて少しずつ動かすリーリーリー

238メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 16:15:45 ID:TejCzb0I
                                                         
                                                         
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  ~ゾ      ハ|'゙;;;      丶lソ    丶Iヽ    ゙゙゙'ソl     ヽlv´     'v丶i     |ハ     
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239メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 18:52:01 ID:TejCzb0I
「画家の末期的ともしびの回帰そしてそして」

消防車が恐い形が兎に角恐い 部分的に恐いのではなくバランスが恐いのだ
体内にある臓器の何かに似ていて 似てはいるけれど異なる残像だ
不確かで見えないからか 
兎に角怖い消防車が怖い形がとにかく怖い

色を塗り替えて欲しい
そうひしひしと思う
出来れば深夜に消防署に忍び込んで
緑色に塗装してやりたい
本当にあれは駄目だ 駄目
駄目だと地団駄を踏みしめ 風に舞い散る消防署前の桜
丸裸になぁれ

夜ももれなくついてきて
鏡を覗き込むと血色の芳しくない 目ギロリ見開いたまま

そこにしんと燃え落ちる障子紙が
古びた湿気を舞い上がらせ ジリジリ煙を巻き上げていた
紙の虫食いと火の粉を掬い上げようとする けれど
鏡の前で掬えども煙を払い除けてみたところで
所詮背後で巻き起こっている火事で
赤や黄色の炎と思い込んでいたはずの火の手さえ
赤や黄色ではなかったのだと絶望し
緑と紫に燃え上がるものがはたして何の役に立つのだろう
ふとと思っていると
思う隙に紛れて小さな爆音がした
240メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 18:52:39 ID:TejCzb0I
消滅に伴う悲鳴も無く 姿を変えてゆく様をたとえ見届けたとしても だ 
姿を一時得てまたもとの姿に戻すのみの既に約束された 変化の一片にしか過ぎず
悲しむ事さえ愚かなり



天井をバチバチいわせ巻きあがる
熱風が首の付け根肩背筋を駆け抜けて
駆け巡り果てには
突き抜けてものの姿を有りのまま映すと言われて疑うこともせず
鏡を抱き締めて
依存して生きてきたのだったか



カキャンと割れる鏡 見つめ返す火の手が撫でている反射の世には
そのまま平たい 炎が 姿が ひっそりと熱を失ってあった
はずだった わけだが しかししかし


色散々ばらばらのどこぞここぞ
世に生を受け
地獄画にしかならぬ






血色さえも身を空にして離れて離れて投げ捨てて
からではないと 眺められないと
いうものよ
241メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 18:55:21 ID:TejCzb0I
だったのか

 鹿の口まわり 瓢箪の口まわり ホースの先端 
 水が出てくるのがお似合いなのは何故だ
 ライオンはきっと間違えているんだな
 温泉にて見た風呂の中央にあった石か金属かで出来た
 ライオンの口から出てくる水は間違いだ
 あれは火が流れてくるか溶岩かが好ましいの に も
 水の色と 水は
ライオンの口から流れ落ちる事を約束されたその瞬間に
配管の中きっと死んでいる
目に見えるごくごく僅かな変色を掴み取れないのが
人間なのかもわからない
昆虫にはわかる昆虫になってみればわかること
わかることなのだが

ライオンの口から流れ出た水には飛び込むはずもなく
虫 昆虫だった記憶に準えわかりもしない反芻を
今更昆虫だった不確かさなど何の役にたつというのであろうか



すぐ死ぬ
だから
突破口にて約束されるのは属性
分子の色などというべきものか
死の既約
消防車の消火ホースも同じ理由できっと恐いのかもしれず まさか

鏡よ鏡よ鏡さん
今目の前に映る生物はなぁに?
242メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 18:57:01 ID:TejCzb0I
鏡はとっくに失った
膝下に破片の明るみで見上げている
けれど
そこに映る奇怪な重ね塗り肌色で血色を隠している生き物らしき瞳は
描いても描いても誰なのかが思い出せないものなのか
赤に塗り染めてみる黄色に塗り染めてみる
青に塗り染めてみる再び赤に塗り染めてみる
再び
そして我は炎上し灰になるまで喘ぎ
純白をさらす我を知らぬまま
他人の様を模写するかの如くに
我を知れぬままだ

 心根などと心中さえも不確かなものの所在を確かにするのは実に愚かな行為だと
 一刻一刻と絶え間なく変化して止まない己の心中なんぞ描き留めておいた所で
 何の価値も無いことすら差し迫る死に水の出所から遠ざかり逃げ惑う心中と比べれば
 目前の火に焼きただれながらも視界を失うまで描き続けた方がマシで安全だ
 消防車消えろ失せろおまえになんか消されやしない視界から消えうせるまでその勘違いな赤色の
 消防車の撒き散らす死に水を打ち消す程の炎を宿してやるのだから
 絵にも言葉にも意味なんていらない
243メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 18:59:04 ID:TejCzb0I

火事を描くとは
環境をも身の一部に連結させてしまうからで あって
あって ときとしてそれに失敗する
二の次にも生命の危機など微塵も感じる事もなく

嘘を見せられていたのだ
そう気を持ち直しても
皮膚の表面に上積みされたらしき何ものか得体の知れない
水疱が出来捲れ上がる痛みの蒸発が 充実満足の過ぎる
有り余る与えるより奪う恋に飽きた時分に舐めた苦瓜の舌触りに似ていて



種を赤く塗り染め 土に埋め込みたくなったのだ
態様の大元に囲いも境界もしいては種さえも無意味と
薄められ平均に飼い馴らされて没してゆく
特異は絶滅に向かい生き延びられないはず希有な現存として

障子の燃え方は地味だ
地味な燃え方だった
山はたとえ目を授かったとしても山の燃え方は見届けられない目でしかなかったのだ
どうだろう私は成功するのだろうか
目はある
二個ある
確実にある
244メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 19:28:52 ID:TejCzb0I
燃える瞬間を「私」が見届けて それをせっせと画用紙代わりの障子に
その一部始終を詳細に描き消滅する色彩の明度差まで
新しく発見した色を塗り込める
これが一番の関心事今一番の望みというべきか
息が苦しくなるのも息をしているからで
目が潰れたというのも見えている錯覚を過信するだけの愚かしさで

前髪を顎程までに伸ばして絵筆にするのと
顎髭の発達を待ちおてんとぅさまの黄色に染めてなぞるのと
どちらが適切かなどだぁれも教えちゃくれないんだ
カァンカァンカァン ウー




何処に向かって近づいてくるんだろう
膝を抱えている
この膝ははたしてサイレンによって
私の一部と確認されるのだろうか
耳口鼻は諦め
目だけは最後までシリシリ睡魔と巻き上がる熱風の中でもそれだけで生き
手と目が直接繋がっているだけの生物なら
動かぬ景色に色という色をぶちまけて
餓えた邪気ごとぶちまけて
烏の黒が最も黒になるまで撒き散らす固まりになるまで
アトミックレイになりたいもはや!!!!!
245メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 19:29:50 ID:TejCzb0I

光の色気に紫の病魔が黒と教わった邪の混じりの中にこそある 
純然たるかの喪失が嘘を見せていたのだ きっときっとな 
白は白の中にない
こんな当たり前な事すら 生命体数億年分 生かされようの過程において
気付けなかったのかと 大雑把 によってこの瞬間を他愛の無いものにする
右目だけがごくごく自然に瞬きを繰り返す中
堕落しうなだれる燃えカスどもが火を噴いて
近づいてくる
接近している
赤い血は血の中になく血の中にあるものは
接近と密集いわば同質歓迎と異質排除の色で
見えるものの全てはとにかく
目で見えないというのに
咎めるものを憎み黒く染め上げる為
光つかまえて 血注ぎ
問えないままに
誰なんだろうと
右目だけがごくごく自然に瞬きを繰り返す中
それでも私は私を描く意志を捨てきれず
器から私をあぶり出し
とうとうと言語を失って失って
削いで
削いだその先ギリギリの私にはもう「私」しか描くものが無いのですと
意識が身の外に抉り取られるそれと引き替えに
対象不確かな祈りを覚えた矢先 色を失うと知る
しかしもう遅すぎました

246メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 19:31:10 ID:TejCzb0I

〜内省のない内省〜

この状況を絵に描いたら火事なのでしょうが
世間は火を上げないだけでもっと卑しい炎に包まれて毎日火事
そちらをどうか真っ先に消火して欲しいと思う所までに到りましたが
もうお先真っ暗どころか全財産を焼き払って私をも半端に焼き燃やして
風景画なんて描きたくありません どうでも良くなりました
どういうわけか電話だけがけたたましく鳴り響いていて 火事とは無縁で腹が無性に立ち
「電話め黄色く塗っておけばよかった」
心からそう思い 冷や汗まみれで絵を描く夢から目覚める

昨日ゴミ収集所に捨てた画材と道具を奪い返しに
寝巻のまま
冷や汗を今度は撒き散らしてつっ走る午前四時過ぎ
隣の玄関に備え付けられているボックスから
ジョアを無断で
一本失敬
飲んだ後なんです
いわばジョアかっぱらいしか行動を起こせない朝でしょうが
絵に描いた希望と
そしてそして
消防車はジョアを飲んだ後でも嫌いです

描きたくもない
247メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/05/14(日) 19:36:21 ID:TejCzb0I



                                 ,'―:;;;;ノ)                        
                               </・ ....:::;;;;ヽ, .ノ)、              
                                )`ヽ...    '',,,レ./(^\ノ)'''           
                            , ノ^ ヘ'       ノ ヽ)ヽ\,\),,, ....,,         
                           (ノ`/(/'' ノ       ;;;;ヽ,,, ノ\)\`)\)、)ヽ,,      
                          ノ(//`/,,/....         ヽ) ヽ)\)`\)ヽ)\,),....    
                         ,,(ノ/,,,/ノ (ノ'ヽ);;;;   .....,,,, )   )ハ)ヽ),,,\)ヽ)ヽ)ヽ丿、,,,, ...
                       /ノ ,,/ / (/ノ'ヽ)、 ヽ、,,,;;;;;;;;  丿ヽ)  (ノヽ)\)ヽ)\X)\)ヽ)
                     ノ(/,/,,/(乂,,/(/(ノ')丿ミヽ(/,,,丿ハ) ノ ,,       )丿`\)''' 丿
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                    ,/,,/(乂丿             (ノリ\,,)ヽ,,,\)''        )ノ  
                     (/''''               (ノ(,ノ\ヽノ\\)',,,
                                        丶..ノ,,,\....\,,..\)\)
                                           ''⌒'' '⌒'⌒''⌒'^ 

248名前はいらない:2006/06/14(水) 19:38:42 ID:dcrx0n/h
地下スレ撲滅運動
249 ◆YAPoo/LC/g :2006/06/29(木) 17:10:18 ID:mpCCTryr
ぺこり

「騒音」byストーンフリー

森の中央を突破する為 周囲の木を薙ぎ倒す
スネにキズを持つ者よ 正当化するなかれ
お前が何者であろうとも 真実は変わらない
ただ時が変化させただけ その真ん中にあるのは不変の法則

獣が泣き喚こうが赤子が泣き叫ぼうが お前の耳はロバの耳
何を見聞しようともその眼は黒いだけ お前は裸の王様たれ
木馬にすら戦い挑むか ドンキホーテさながらに
コップの水はただの水 奇跡を起こせぬお前では 

スネにキズを持つ者よ 他者を魅了する道化者たらん 
250 ◆YAPoo/LC/g :2006/06/29(木) 17:11:56 ID:mpCCTryr
ぺこぺこり

「騒音」つづき

我は片腹痛めて眺めようぞ 杯に我が液を貯めて
そらお前にくれてやろうぞ 返杯はそなたの血じゃ

ああ プロージットと鐘がなる

お前のために一番鶏が歓喜に鳴くぞ コッケイ コッケイ 
お前のために風見鶏を鳴かせてやろう ケッコウ ケッコウ

何も気づかぬお前のために こんなにも周囲は騒がしい

「君を称えんがため騒ぐにあらず」 

かの嘆きが届かぬのも無理なきことじゃ

251 ◆YAPoo/LC/g :2006/06/30(金) 06:19:18 ID:N6hDckDb
「抱擁」

あなたはグスタフ
あなたはとグスタフ

きおくのグスタフ
かんじない

よじりねじりからみつよく
ねばりはりつくとけてゆく
きざむきざしはじめもなく
きんばくはがれはがれがれ

かんじないよ
よじってはねじりはりつく
きんぱくはがれはがれがれ

きざむきざしうすらぐらい

グスタフグスタフかれたほうよう
252詩種 ◆IZByFxSDAg :2006/08/15(火) 00:06:01 ID:ovrhTKpN
【夜蝉の鳴き殻】

液晶の陽だまりに

寄り添うように 残された

同胞(ハラカラ)求めて鳴く 夜蝉の

血の色にも似た 柘榴石

そっと 唇でなぞる先の

          亡骸
253詩種 ◆IZByFxSDAg :2006/08/15(火) 12:41:41 ID:V9TCFWgu
【川縁にヤドリギと言ふ己の心に意味はなく】

 過ぎ去りし刻を重ねて 現つが在るのなら
過ぎ去り刻を失いし者は 現つを生きてはいないのでしょうか
 其れは肉に宿るのか 血に宿るのか 魂に宿るのか


  一つ積んでは 父の為
二つ積んでは 母の為
    三つ積んでは 壊され 焦がるるるるる  るる るるなり哉  

咎深き者 流るる彼の地は 賽の河原
 罪 詰み 積んで
此処は 理屈ばかりの善を成せと謀り囁く鬼の棲
六道全てが咲き誇る
ゴキリと頭蓋の軋む音
映し世に産まれ堕ちては
記憶剥がれ落ち 途切れ終わりぬる
世界は祝々と宣い 始まると言ふ

254詩種 ◆IZByFxSDAg :2006/08/15(火) 12:45:21 ID:V9TCFWgu

 籠女 籠女 過去の鳥
 乳飲み子の時分に聞ひた
 年々コロリと 子守唄
 忘却の彼方へ真白に染まり
 新たな生への夢を見よ
 記憶されぬ記憶

 滲む世界の真ん中に……

 何処までが現し世で 何処までが虚し世

  絡 絡 と廻る命の風車

255詩種 ◆IZByFxSDAg :2006/08/15(火) 12:47:10 ID:V9TCFWgu

  一つ摘んでは 父の為
二つ摘んでは 母の為
    三つ摘んでは 焦がれ 恋がるるるるる  るる るるなり哉  

業深き故 流るる此の血が 賽の河原
黒耀石の滑らかさに似たる
るると流るる 川の律べ
 言霊の行方 言ノ葉に重ね 水鏡に託す
  己を個でなく 全と刻む術 持たぬと不知火
   心を散らせずとも 弛たう魂は繋がり 意図綴る也
    意味など求めてはならぬ されど 無意味な物など存はせぬ
そこに転がる石ころ一つさへ
膨大な記憶刻みし記録装置
生ある物の記憶を喰らひ
其の血に依りて 私は今 此の地に立つている

256詩種 ◆IZByFxSDAg :2006/08/15(火) 12:48:16 ID:V9TCFWgu

マン・グローヴの一本たる我が身にヂクヂクと
刻まれし想ひは水に融け
因果の雨情は滴となりて
アカシアの木に宿る
やがて原子へ砕かれて 再び原始に還りぬる
人は それらの欠片を脈絡なく繋ぎ 都合良く捻曲げ幻視せり

 擦れて劣化
 記号と化す想ひ
 めしいたこの眼が映す 白か黒

 矛盾続ける世界の果てで……

 始まりは何処 終わるは何処

  嗚呼 繰 繰 と今が巡りぬる

 中庸 

そう メビウスの輪の如く
連綿と続く 曖昧さこそが

         真実 

  そして 私は 嘘を生きたる盲者也と
257詩種 ◆IZByFxSDAg :2006/10/12(木) 06:15:49 ID:1EImBAGU
【Nirvana】

やがて 先に見える景色
世界の混沌と
幸せ望む幾億の星と
憎しみ放つ幾千の閃光と
限られた秩序と
transiency
紅蓮の恋情
夜を越え 朝を貫き 昼に瞬いて
再び夜へと向かう命
全てが無に向かう意識
群青の連環
面影は 深淵に似る花だ
広がる空 消えゆく宙
infinity
無情で繋がる 道化と死神
kill符で綴る 浄化の理 と嘯く
破滅と希望は等価だとか
言葉や思いに重力があるだとか
欺くことに長けた者が賢者だとか
無常こそが真理だとか
lie&saint

そして蒔かれた種子は
血と夢の間に間に咲く
刹那の情華

その名は Lotus
258メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/10/27(金) 23:45:49 ID:76yf2XMn
>>253

>【川縁にヤドリギと言ふ己の心に意味はなく】

 記憶について
 この詩とても好きだな
 下げておくのがもったいない
 実は梁山泊に投稿されてたこの詩ひそかに読んでいてその時からいいなと思っていた
 評書きたかった中の一つだったんだけどばたばたせわしない日常におい回されていて
 書けなかったのな
 俺は読み書きが好きなだけでここにいるだけなんだなってふと物思いに耽ってここを見た
 
 いいなと又思った
 理由はわからないけれど

 
―――――――――――――――――――――――――


 何時の間にか此処に素敵な詩が沢山舞い込んできているね

 「あなたの空」

 きっと此処にひっそりと沈めておきたいのだうかと思ったけれど
 上げてやりたい気持だ
 
 行き場のない投稿や完成品はこちらを気軽に使ってくださると俺も読む楽しみが増える

259まんこ将軍 ◆UQRl.WeFEk :2006/10/28(土) 00:03:45 ID:XialR4ke
>>258
あっ、みっけた。
260メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/10/28(土) 00:07:13 ID:PQzrIT7j
>>259
  
 純粋なる
 こころもちままに吐かれのものだけに動くこころかな
 ありかなど到底しりえぬけれど
 其れも邪悪とたわむよはくふさぎけり

 やはりかくべしなのだ

261メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/10/28(土) 00:09:36 ID:PQzrIT7j

『緋連雀戯れ泥濘分ち』


通り馴れぬ道の初冬
河川沿いの行き来は肌馴れぬぎこち無さの様
小石が目白に挟まった靴裏を見たついで
裸足で歩みを取り何処へとも着かぬ足取りで
頑固雑草の餌食になりもし衣服など邪魔と痛感しながらの帰路
手紙を宛てもなく
かの鳥に向けてしたためる
息で染めた紙を先程さらって行ったあれは
緋連雀だったか
背中を向けけり発ってゆく


期同じく逢瀬の約束を取り交わしたものの矢先に芒こまねく
不意の雨
渡る鳥囮籠見付けては季節外れな罠仕掛けに驚きもせずこれみよがしに掛り戯れる
不意の二羽
橋の袂に刈り取られた稲穂が逆に干されているそれさえも二羽に二人に見えますが故
故意の離れ離れ


262まんこ将軍 ◆UQRl.WeFEk :2006/10/28(土) 00:11:32 ID:XialR4ke
>>260
なんかさ、バイオリズムっちゅうのがあるみたいでね。
最近また色々書きたくなってきた。
真面目なのは書かないかもですがとにかく文字を書きまくりたい気分。
263メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/10/28(土) 00:11:55 ID:PQzrIT7j

まっしいろいまっしろな泥に包まれて
身の重を落とし眠り眠りに緩んだ頬
窓に見えるはかの鳥の毛づくろい
壁には筍の透かし彫りを重ねた円筒の照明が左右に
翳の羽を広げて日を遮る布から洩れる

真っ逆さまに
月日は流れて記憶とならば

急降下白泥窪んだ中皺捩り凝固せずただ重みに揺れ沈む
飽くる迄繰り返し辿っても反り返るそして一時沈み溶けるその白泥へと
飽くるまで沈み倒してしまおうかと寝息の直下で指を這わせその指
人指し指と中指よりも生見の薄い弧を辿っている
すると指から延びゆく影らしき黒さが何処までも何処までも
指の動きに付いてくるのに気をとられ眠気よりも優った
飽くるまで白い泥にのたうち回った後飽くる程
しろぉぅい
まっしいろい
泥から飛びたつ時日に打ち消された壁
映る翳の羽を残骸を見付けては
離れがたく離れがたく

「飽々したんやけどなあっかんわもいっかい仰向けになってくれへんか」

泥分ち泥となし囮籠滴る銀針で死する迄
飽くるまで身半分景色に遠野く泥飽くるまで
風切羽を休め
かの鳥の渡来を眺めては白く染まる水平線
馴れぬ通い道を歩んでおります帰り道
如何お過ごしでしょうかと何を見ても思う
あなたは泥だ
264メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/10/28(土) 00:13:56 ID:PQzrIT7j

後書き『緋連雀戯れ泥濘分ち』
(分ちは送り仮名「か」をわざと抜いた)


これ最近書いた中で一番お気に入り
265まんこ将軍 ◆UQRl.WeFEk :2006/10/28(土) 00:14:31 ID:XialR4ke
割り込んじゃったよ。
266詩種 ◆IZByFxSDAg :2006/10/29(日) 01:45:17 ID:pIDV3UmV

>258 竹輪さんありがとうございます。
自由に、遠慮なく使わせて戴いてます。^^

記憶についての詩、反応はいまいちでしたが、一人でもそう言って戴ける方が居ると言うだけで、ええ、幸せなことです。(〃д〃)

これからも、利用させて頂きます。
267メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/12/05(火) 22:25:32 ID:oTkJWMYY







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268メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/12/06(水) 23:21:41 ID:STQ5zUoS
足早に通り過ぎる白百合を抱えた少女
平凡な毎日
鈍痛を覚える繰り返しの路頭を横切る
声も音も無い路地に場違いなリリー

信号は青の光を放ち 魔の手となり
少女の頬 指先を染める
眉間に抜けた睫程の皺を寄せ
百合の花に青の光が当たるのを避けてリリー
「大切な人がいないなら地上はいらない」
聞きわけの無い輪郭 ブレーキの効かない風
ぱつんと一瞬にして弾ける百合の蕾
今宵街並みは鈴なりに丸い光を宿して
音も無く空中に身を委ね白い
リリー影を引く筈の地上はコンクリト
一瞬空耳のようにこだました一言
人混みざわめきに重力を呼び覚ます
「影を引き殺さないでねお願い」
 
赤く染まらないまま弾け飛ぶリリー
横断歩道よりも高く飛んでリリー
青弾き飛ばして空を作るリリー

足早に通り過ぎる白百合を抱えた僕は
平凡な毎日
鈍痛を麻痺させ繰り返しの路頭を横切る
やかましい路地に場違いな“リリー”を

「太陽と破綻と理由と白い百合と」

269詩種 ◆IZByFxSDAg :2007/04/03(火) 01:48:15 ID:3IQZfjOC

【羅列回し】<無限増殖中>

堕天する刹那のほんの僅かな空白部分に存在しえたかもしれない空に穴穿つターニングポイント
その多点の中に有る或る特異点を除いて芯に立つべき者の心の内を
「優しく残酷に私を殺して」と唄う御使いに濁点で以て打電したいと望んだ聖処女の歓びと哀しみを含んだ酸性の燐雨で
不抜けた脳天を撃ち貫く為のフリージングポイントを必死で探すことを性として科せられた咎人の足元に広がる曇天の下佇む斉天大聖で在りたいと
死の月桂を冠し霹靂の楔と寒薔薇の縛鎖に囚われた夢見るほぼ猿人の大器は晩成と嘯く両腕に枷はめた預言者が纏う四つの祈りと四つの季節
その円環する大気の中に点在する窒素に準ずる曖昧なる成分が重力から自由に脱出する為の力として
期待開発され待機中であった機械H2型エンジンを乗せたロケットの機体を本来の意味と伴に失速させる機会を
永遠に失ったと告げる窒息寸前の鵠から与えられた夜の翼で夢幻宇宙を翔びまわる不覚醒の鵺によって描かれる冷たい五線譜の上に生まれた小さな燈が内に包む淋しさは
報われない哀しさ持て余す餓えることを知らない椋鳥達に紛いものの愛を灯す故に定まらない彼方を示す羅針の意志のようであり
また孤独という毒虫が気紛れに塗り絵する際の手付かずの画材紙を黒々と溶解していく純粋さと裸身の声にそっと寄り添い週末の空を悠々と駆けゆく夢喰いの獏の姿は
270詩種 ◆IZByFxSDAg :2007/04/03(火) 01:51:14 ID:3IQZfjOC
まるで砂鯨のバタフライの如くに流れるあの雲だと北天の海原を眺めながら囁く蒙昧なる紋黄蝶が久遠な色した魂をその身に宿し奏で
ハレルヤと叫び鳴いて飛び込む先に待っているであろう銀絲巣の主たる女郎蜘蛛に唆され連れ合い亡くした虹蛇が閉ざされた檻の底から見上げた地面へ
無限に昇りゆく南天の実にも似た涙の雫に惹かれ集まる優しさもまた欺瞞に満ち溢れた偽りの月へと誘われる狂気のようだと呟いて人知れず贖罪することをも拒んだ愚者の砕け散っていく様は
例えようもなく滑稽でありそして憐れであると考えるに到った偽善者を嘲笑う惰性と蛇足に捕われた善人と干渉しない事を選択した偽悪を尊ぶ諦観者達の双眸には
決して写りえぬ深く晴れた日のお陽様みたいな光のフレア放つ花々が螺旋を描いて春へざわざわと増殖を開始する幻想の中で
上昇と下降を繰り返しまた狭間に於いて浮遊し回転し続ける綿毛のように趣旨を運び
それでも尚命題を前に萎縮していく自己が嫌ならば運命や宿命と言った因果律の調べに飾られた詞の代わりに
未来へ捧げるに足る歌を探しなさいと諭してくれたあの人の背中に今はもう羽根は見えなくて
ただ嘆き呻いた夏の終わり湖畔の淵に愛しく咲いた曼陀羅華の胎児が大人の事情累ねた二乗の底に広がるアシンメトリーな世界を小さな小さな両肩に垣間見て
いっそ盲目であったなら良かったと秋に瞬き冬を越え回天する夜にまた切なくも笑って堕天する
271名前はいらない:2007/08/21(火) 22:50:34 ID:o6nmlId5
272名前はいらない:2007/10/01(月) 20:25:46 ID:RgrFTkSG
躓いてとっさに掴んだのは
棘を成す有刺鉄線だった
小さな両手に滲む鮮血…痛いよ
掴まなければ良かった
前を見て歩きなさいと注意されて
それでも空ばかり見ていたから
足元を取られてぬかるんだ道
転んだ先に突き刺さる痛み
ここから先には入って来ては駄目だと
錆びた色で警告していたのに
幼いとは愚かで
限界を知らないから
無我夢中で走り続けた
目の前の鉄格子にも気づかずに
有刺鉄線を掴んだ
君の手は痛ましくて
仰け反る背中
声を上げて泣けるのが羨ましかった
有刺鉄線を飛び越えて
いつの日か君は大きくなった
ありふれた日常の中で
輝き出して止まらなくなった
273詩種 ◆IZByFxSDAg :2007/10/13(土) 01:36:21 ID:+HAeX34y

【葉蟲の景色】

夜と言う現象は、誰の上にも平等に訪れる
ただ、人はそこに様々な感傷を持ち込むだけ
けれども、そんな理屈に関係なく
やはり、暗がりに身を置く不安と一人きりの静けさは、
何とは無しに心を騒つかせ、かき乱すのです
その“ゾワ ザワ”と蠢き出す『ナニカ』は、
ありきたりの“切なさ”や“空しさ”、“苛立ち”とでも呼んでみれば、善いのでしょうか
わたくしには、よく判りません

しかしながら、わたくしは
そんな感傷を避けるかのように
ついTVのスイッチへと、手を伸ばしてしまう
興味もない、きょうの天気予報
名も知らない、アーティストと呼ばれる人々のTalk集番組
不釣り合いな歌と文字だけが延々と流れる、ニュース報道
大袈裟なリアクションと吹き替えの違和感だけがやけに印象に残る 異邦のテレビショッピング
それら、一通りをザッピング

然るに、それらは雑多な情報の一つとして
視界に、映像は入れども意識は“そこ”にはなく
かと言って、ひどく思い悩む程の『ナニカ』に
苛まれている と言う訳ではないのです
蚕が、桑の葉を喰むが如く
怠惰な刻を 貪り過ごすのです

274詩種 ◆IZByFxSDAg :2007/10/13(土) 01:38:36 ID:+HAeX34y
>>273【続き】


静けさは 更に深まり
部屋の隅々に停滞した暗い染みが、俄かに 呼吸をし始めます
こうして、TV画面が砂嵐にかわる頃
格子に区切られた世界の住人たる我が身を中心に、楕円を描くかの如く
世界は、夜に呑み込まれてゆきます

そんな退屈紛れに、暗闇に開く携帯は
眩しくも、ほんのりと温かく見え
また、黒真珠の光沢を思わせる螺鈿細工の言の葉たちが、
わたくしの繭の、一本一本を
一つ、また一つと、解きほぐし誘(イザナ)うのです
その細く、艶やかなる絹糸を辿りゆき
光の向こうに広がる、無機質な世界の自由
そして、僅かばかりの熱と繋がり求め
刻が経つのも忘れ、魅入ってしまう
その様は、あたかも水銀灯に惹かれ、焼かれては落ちゆく
羽虫のようで、ございます

気が付けば、あたりはふつふつと白みだし
カーテンの無い窓枠から射し込む光は
束となり、両の眼(マナコ)をも貫き
眼窩に鈍い痛みを与えます

やがて、まだ冷たさ残る外気を裂いて
伝わってくる町の鼓動は
穏やかに、わたくしの鼓膜を震わせ、撫で囁きます
それら生命(イノチ)の騒めきを見届けると、
自らの存在を確認するかの如く
残り少ない煙草に火を灯し、不味い煙で気持ちを充たすと
燻り続けるマッチの炎を見つめ、安心するのです

そうして、夜の儀式を終え
『ナニカ』から解放された、わたくしは
嗚呼、再び小さな卵へ戻りゆけるのだ
などと、苦笑いをこぼし
眠りに就くのでございます。







275名前はいらない:2008/02/07(木) 23:54:04 ID:yrRCeirO
絡まった有刺鉄線が
過去と現在を決別させ
弱った視力で向こう側を覗く
末来はあった気がしたけど
誰かがお金に変えてしまい
草だけが生い茂っている
そっと触れた指先が
赤錆の浮く針金に裂ける
滴った赤錆が
夕暮れ時に溶ける
276ローカルルール変更議論中@自治スレ:2008/08/26(火) 08:45:05 ID:3S1wZSWo
あげぇ
277ローカルルール変更議論中@自治スレ:2008/09/11(木) 05:35:06 ID:xKHGvXT0
絡まる音
278慧凪 絶 ◆t3zSwI/RmA :2008/09/17(水) 22:29:36 ID:VxVIw87S
(1/2)

【Hello my friend】


三日月の嗤う空に 夜が静かに歌う
夏の終わりゆく その時を
虫の音は憂いを帯びて どこか遠く

ゆるり 此方から彼方へと

風は柔らかく ひゅるんとすり抜けて
僕を置き去りにしていった

ハロー マイ フレンド

きっと 君は言うだろう
僕たちは ずっと昔に分かたれた双子のようにどこか似ているね
朝が来て 夜が来て
朝が来て 夜が来て
朝が来て 夜が来て
その次の日も
朝が来て 夜が来て

やがて 冬が来る

時折見せる翳りのような ふっと見過ごしては胸に残る
たぶん僕たちは 夏でもなく冬でもなく
誰の中にもある 消失点
ごくありふれた日常の ほんの些細な寂しさなんだ
僕は 君 なんだよ

279慧凪 絶 ◆t3zSwI/RmA :2008/09/17(水) 22:30:54 ID:VxVIw87S
(2/2)

ハロー マイ フレンド

きっと 僕は言うだろう
どんなに似てはいても やはり同じじゃないのさ
秋が去り 冬が来て
冬が去り 春が来て
春が去り 夏が来て
その次の朝には
夏が去り 秋が来て

やがて 冬は来る

けれど 全く同じ朝が巡り来ることがないように
同じ寂しさなんて 何処にもないのさ
たぶん僕たちは 今を認識したくないだけの臆病者で
独りでもなく写し身でもなく
似ている匂いを嗅いで安心したい ただそれだけ
それは温もり求めて身を寄せあう 落ち葉の裏の天道虫
そんな程度の存在なのさ
僕らは 一人 なんだよ

だけど 不安になることなんてないんだ
例え いつか離れて行ってしまったとしても
決して忘れてしまうことはしないから
もし君が 月に嗤われ孤独を感じ
僕のことも見失ってしまっていたとしたなら
手を振りあげ きっと 僕はこう言うよ


ハロー マイ フレンド

「久しぶり。」


280詩種 ◆IZByFxSDAg :2008/09/19(金) 12:17:57 ID:6XqVSeS9
(1/2)

【Hello my friends】


ぽっかり空いた満月が 切なさを連れてくる
秋の始まりと 過ぎゆく季節に
儚さを絡めとりて囁く 生命の音色

奏で 揺らいで弾けよと

風は愛しく するりこの胸をつき貫けて
僕を置き去りにしていった

ハロー マイ フレンド

きっと 僕たちは本当の孤独なんて知らない
未来に期待などしていないと言いながら 必ず明日は在ると心のどこかで盲信している
朝が来て 夜が来て
朝が来て 夜が来て
朝が来て 夜が来て
また次の日も
朝が来て 夜が来て

やがて 冬が来る

怠惰な時を重ねながら 失い続けてく昨日を恨めしく語っているだけなのさ
何もしてこなかった自らを 誰よりもよく知っているはずなのに
たぶん僕たちは 裏でもなく表でもなく
ましてや 中身と呼べるものさえありはしない
ズレを感じるほどに 歪んでしまった足場
ただ真っすぐに立つことも出来ず 子供のようにしゃがみ込んでいるんだ
誰かが紡いだ明日に 依り掛かって

281詩種 ◆IZByFxSDAg :2008/09/19(金) 12:19:10 ID:6XqVSeS9
(2/2)

ハロー マイ フレンド

きっと 僕も歪な伽藍堂なのさ
言葉を纏って それらしく振る舞っているだけなんだ
秋が去り 冬が来て
冬が去り 春が来て
春が去り 夏が来て
そして次の瞬間には
夏が駆け足で過ぎ去り 真っ白な画面に己を重ね視て

やがて 沈黙する

けれど そんな自分を否定し続ける君がいるのなら
心はまだ そこ にある
省みて変わりたいと願う 心が そこにあるはずさ
たぶん 僕の中にも
決して 空っぽ なわけじゃない
考えることを止めてしまっているだけなんだ
日々 再生され入れ替わる細胞
そう僕たちは 死ぬまで新しい自分を生きていく
そんな僕らが 今日 に何かを残せるとしたなら
それはきっと『  』なんだ

だけど 焦る必要なんてどこにもないのさ
僕も まだまだ時間がかかりそうだよ
それでも尚 こんな僕を必要としてくれるなら
いつでも僕の伽藍堂へおいで
行き場をなくした想いがあるなら預けてくれれば好い
スペースなら まだ充分空いている
隙間だらけさ
もし君が ぽっかり空いた穴に耐えきれず
一人で立っていられなくなってたとしたなら
手を差し出し きっと 僕はこう言うよ


ハロー マイ フレンド

「ハジメマシテ。」


282絶 ◆t3zSwI/RmA :2008/09/20(土) 02:57:17 ID:uYDJ/FQz

誰かが、「もう秋ですね。」なんて
そう呟いた瞬間に、きっと夏は終わってゆくのでしょう。


283詩種 ◆IZByFxSDAg :2008/09/21(日) 05:12:31 ID:82JyoP6u

嗚呼あああぁー、脳みそが有刺鉄線巻かれたように、ギリギリ うにうに してる。
うぁー、何だかなぁー。
微妙に憂欝。詩情は淡泊。非常に退屈。
してる。してら。してりゅるるるー。(T_T)

リーリーリー♪リーリーリー♪
ようし、決戦!なんて予定も全くなく。


撃沈。
284名前はいらない:2009/02/14(土) 22:47:40 ID:l3mT9Duz
それって
285名前はいらない
穴掘りで突破