あなたの空
私の空
有刺鉄線 越えられないなら
ニッパー持って来いよ
3ゲット(´∀`*)
いらっさぁい 雀と酒飲みしませぅ
, -:;;;;‘、
<ゝ・`:::;;ヽ.
,) ハヽ
l ',ヽ
l lヽ彡
! i;;;l彡\)
(ノ'、 ;;;;;;;! {ハ}\ヽ)゛
/ノ'ヽ、;;;;;;;; , lリ;ノ\)丿
。______爪_爪_) \)丿)
.|!;¨¨ ̄ ,、  ̄"¨.;!| し)\\)\)
|i; /ヘ\ 〃i| (ノ'\)\)ハ
|i;〈`_、/´_`>.,〃、;i| ノ'\)\)\)
|ii~~'、;'´`,'~,;_~~~~;i|
.|!`,,,,'::;;;;;;;;;;;//;;;;;;.;i|
.|!`,.,.,.,,,,;';;;;;;;;;;;;;;;;;;;!| (`'ヽ, _
.|ヽー====一丿| ,⌒ヽ..iiii ⌒ノ
`ー---‐‐一´ ヽ__,,-'''、__ンDrunkard sparrow
私の空
あなたの空
大仁多がポエるときいてとんできました。
7 :
名前はいらない:2005/08/31(水) 21:12:54 ID:r527VY9c
鉄線で区切られた向こうに君がいる
なまり色の空の下、囚われて。
8 :
リリィ:2005/08/31(水) 22:55:12 ID:iUgpDGOf
有刺鉄線に囲まれた薬島の空は何色かなんて今の私には分からなくて
celluloidの水溜まりに頭を浸けて
貴方が汚れた歯を剥きだして笑っている
ああ空が見えない
そう言って私は全てから目を反らした。
隣の空席に荷物をどさりと置いて
新しく入ってきた乗客に
そこが空席かどうかを尋ねられないよう
窓の外の雲を見る
雑誌に目を落とす
公的空間でも 私的な空間
KEEP OUT この線より内側人間立ち入り禁止。
見えない有刺鉄線を張り領土を争う
半無自覚戦国時代
10 :
名前はいらない:2005/09/01(木) 01:37:08 ID:y0DRzfiv
有刺鉄線の向こうの君に
ひとつだけお願いがあるのだけど
ただの我が儘だから言わないね
俯いて微笑んでいれば済むから
11 :
名前はいらない:2005/09/01(木) 02:11:25 ID:y0DRzfiv
有刺鉄線の向こうの君を見た日
僕はなんだかとても居心地が悪かった
見えない視線が怖かった
誰だかわからない彼らに怯えていた
12 :
名前はいらない:2005/09/01(木) 02:46:18 ID:y0DRzfiv
有刺鉄線にそっと手を掛ける
傷付かないように気をつけて
今は目の前にあるこの棘に
血を流されなければそれでいい
13 :
ユリゴン ◆hPZEwlX16g :2005/09/01(木) 15:39:11 ID:3ZzR12xp
なだらかな山肌に放たれた牛馬
のんびりと草を食み、寝ころんでいる
こんなのどかな場所に有刺鉄線
牛馬を守るため、人を守るため
空では鳶がピ〜ヒョロロと歌っている
葛が絡まって有刺鉄線を覆ってしまえばいい
14 :
名前はいらない:2005/09/01(木) 15:56:01 ID:SYnDJy84
閉鎖的な村社会にはりめぐらされた有刺鉄線
原始人は向う側の空を恨めしそうに見つめている
どうしたい?
得意の猿芝居で越えてみろよ
原始人は怯えながら身体をプルプル震わせた
そうかい おまえのスキルではやはり無理か
15 :
ばいく男 ◆8OHUrY3.ic :2005/09/01(木) 19:17:20 ID:xgHFkPdF
自由を求めて飛び越えようとした男がいたんだ
馬の皮の飛行服を身に纏い鉄の馬に跨ってね
彼の体は赤錆びたバラ線に絡め取られたが
彼の魂は誰にも捕らえる事は出来なかったよ
今はもう昔の話さ
私 .......,,,,,.... ......,,,,,::;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,.............
:::::;;;;;;,,,,,,..... の .............,,,,,,,,,,,,,,,,...............
,, 、 ._ 、 , 、 , 、
;;;;::::,,ノ),,,,, く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l、 .ノ)
≒;=ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
~ゾ ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙;;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
:::::::´,,,. " 空 ´ ´ '´ '´
;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,......... ....,,,,,,,,,.....................
,,,,,,.........
............ あ な た の 空
AA BY Chikuwa/20050901
降るような砂漠の星を見上げながら
朽ち果てた鋼鉄の虎が歌う子守り歌は
勇ましく切なく懐かしい血の匂いがする
千年帝国の夢は虚しく潰え去り
砲声と無限軌道の軋む音は絶えて久しい
砂漠に眠る鋼の棺
我が魂の揺り篭
18 :
名前はいらない:2005/09/02(金) 01:17:11 ID:hVFz0HWa
風に呼ばれてふらふらと来てみたが
有刺鉄線
愛も見当たらず
本当は立ち去ろうとしたんだ
だけどまだここにいる
これからどうするだなんて
そんなこと考えていないさ
そんなことわかるわけもないさ
._、.....
( _)' ̄ ̄ ̄~` ̄‘\-、_ _.
, -‐、 , '⌒`ヽ、___,、___, \ \\-、.
/ 丿 ノ 丿 ( 、...ヽ\ ''\ \\\
/ 、_ノ ./ 、_ノ´ \_) '''`\_ \ \\\
/ 丿 / .ノ ノ'⌒`l \_)\丶, `、 `、`、 '\
/ __..ノ .//⌒丶丿´/、_ ノ´ `| 'ヽ.
.......,,,,,,,,,..... l. .丿// ./ / .,丿 .......,,,,,,,,:::;;;.../ ..‘)
、 ._;;;;;;;;:::....... 、,,,,,,,.....:::::::, 、 ,;;;;;;;;;;;::::::::::;;;;;;;;;;、,,,,,,,............,,,,
ノ) く、.. :::::::::;;;;_ノ)... (7、::::::::::,,,.. ノ) ノ ,,,,,,,,,,.......
≒;=ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;;;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,. ノ
~ゾ ハ| i/v' `vlノ lソ';::::::,;,;,,;,,.,,.,.,.... ..........
´ "丶 ´ ´ ´ ......,,,,,,,
あなたの空 水泡マガダマ雑草蹴って飛ぶ 絡み飛ぶ指間スローモー 八の字辿り
乾いた地に包まれたマグマの汗だ 飛ぶのか消えるのか砕けるか私の空 AA By Chikuwa 20050902
20 :
ユリゴン ◆hPZEwlX16g :2005/09/02(金) 18:11:14 ID:ux98JKeO
携帯で2ちゃんにアクセス
うまく繋がらなくてオフした
普通ならいつもの画面に戻るのに
なぜ?
そこに見えたのは暗い空洞
慌てて電源を切ってしまったけど
引きずり込まれそうな空洞だった
うっかりと足を踏み込んでは危ないから
有刺鉄線で囲っておいてください
.......,,,,,.... ......,,,,,::;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,.............
:::::;;;;;;,,,,,,..... .............,,,,,,,,,,,,,,,,...............
,, ._ 、 , 、 , 、
;;;;::::,,,,,,,く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l、 .ノ)
;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙;;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
:::::::,,,. " ´ ´ '´ '´
;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,......... ....,,,,,,,,,.....................
,,,,,,.........
............PS トリップ変更しました By Chikwa
22 :
ばいく男 ◆8OHUrY3.ic :2005/09/03(土) 22:34:29 ID:GdKJ6rj5
有刺鉄線で切り取られた 四角い空を
優しい風に吹かれて 飛行船が飛んでゆく
ゆっくりと ゆっくりと 少しお尻を振りながら
今日は昨日より また少し空が高くなったみたいだ
23 :
名前はいらない:2005/09/04(日) 03:10:06 ID:T3X6ovVj
可愛い制服のスカートが
風になびく時
目を反らしてはいけないと
前だけを眺めていました
磨いたばかりの革靴が
コツと蹴る時
ここから逃げてはいけないと
武者震いで仁王立ち
あそこにある花屋で
私に供える花を買って
あそこにある服屋で
親戚たちが喪服を買って
あそこにある雑貨屋で
私の為の涙を拭う
ここに建つ屋上で
急降下する
エクスタシーを迎える瞬間
いっちゃういっちゃういっちゃう!!
でも、
両手で掴んだ針達のせいで
私また助かる
「有刺鉄線に囲まれて」
世界は囲まれている
完全に囲まれている
有刺鉄線に
けれど水平線に最果てはないから
誰も取り外すことができない
見つからないんだ
宇宙は囲まれている
完全に囲まれている
有刺鉄線に
けれど宇宙に最果てはないから
誰も取り外すことができない
触れもしないんだ
僕は囲まれている
完全に
僕は縛られている
決定的に
有刺鉄線に
けれど僕はいるようでいないから
誰も取り外すことができない
僕も取り外せない
両の掌 月囲み愛でる 睫毛影がツサリ のびぬよに引き絞る強さで目を閉じ ツッターン パーン ターン シュッ
手を打つ 放つ 天空の夏焼け 塵に滲んだ金色 ストーン チノハテハラノハテ 落ち溶ける 両の掌 月囲み愛でる
思い出など鬱陶しい 血管を流れる赤 全部繋いで矢 引き絞っちゃぁ 飛/ ば/ す/ 消えるまで 飛 ば す
::…:. ::::…::
・..…::: :……
:: …
::…:. ::::…::
..…::: :……
・:・: …・
..…:::・…・ .・…….
・::・ .:..:::…:.
::…… ..…::: ::…
..…:::…・ .・…….
・:: .:..:::…:.
::…… ..…::: ::…
,ー:;;;;、ノ)
<ゝ・`:::;; ヽ. /(ノ)ソ)rヘ、
,) ヽゾハ\)\ヽ)`丶丶、
( ',ヽヽ)ヽ\,,ゝ\)"ソ)、
(ノ`ヽ, ;;;;ヽ,,,\)\`)\ゾ、)\、ノ)
(//`ヽ,,,, 丿i;;;l彡\)`\\ヽ\,,,\..\
(ノ/,,,/ノ(ノ'入爪爪;;;;;;;! (ハ|,,,\ヽ,,,`\)ヽ)⌒’"ヽ) 、
/ノ / / /ノ'ヽ、;;;;;;;; , lリ;(ノ\)ヽ), \)ヽ)\X\)ヽ)
(/,/,,/乂,,/(/ (ノ'丿\γ`ヘ,,)\ゝ、、 `\)
(/(/ し);;:\\)\,,)`\,,);;;′、
(ノ'\)\)ハ),,,ゾ\,,)
,,ノ'\,,;;′`
::::…::
・..…:
::
:……
・
::
・…
::…:. ::::…
:・:
..…
::・:
・
28 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/09/04(日) 22:58:01 ID:VLVUtTD9
『悲しみギラギラ 撃ち抜くキラキラ』
硝子の川を裸足で渡る 昨日の 足の裏
今日の 足の裏 どちらが真っ赤かわからない
硝子の川は何も無かったよう 流れてく
硝子の川を裸足で渡る
昨日の掌
今日の掌 どちらが真っ黒かわからない
硝子の川は何も無かったように 流れてくだけなのに
心よ心 もし 砕けているなら
硝子の川底 誰にも悟られず 透明に埋もれておくれ
誰も何も気づきやしない
ジックジック ズッキズッキ
水色セロファン包んだ影
流れ天屑に委ね
悲しみギラギラ 撃ち抜くキラキラ
,, ._ 、 , 、 , 、
;;;;::::,,,,,,,く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l、 .ノ)
;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙;;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
:::::::,,,. " ´ ´ '´ '´
30 :
ばいく男 ◆8OHUrY3.ic :2005/09/08(木) 19:08:21 ID:ITHYMF32
闇の中で 尖った先端だけが 光っている
絡み合った部分は 赤錆びているのか 闇に溶け込んでいる
今夜も 誰かの肉を裂き 血を吸ったのか
尖った先端だけが 磨かれて 闇の中で妖しく光っている
31 :
名前はいらない:2005/09/09(金) 03:03:10 ID:tloEKotn
私有地につき立入禁止
そんなの知るか
その枠の中にしか
野草が生えてないじゃないか
誰かやつらを植えたのか
ほら見ろ
外の奴らは
忙しそうに歩いてらぁ
こっちなんざ見てないさ
あれが俺の日常だとさ
32 :
名前はいらない:2005/09/09(金) 04:03:19 ID:VPTN18c7
あなたに有刺鉄線で
体をぐるぐるに巻かれたい。
ちくちく刺さって痛いだろうけど、
きっと其れすら快感になる。
, ―:;;;; ヽ、
/;;::: ´・..く>/(ノ)ソ)rヘ、
.|;; ヽゾハ\)\ヽ)`丶丶、
( ',ヽヽ)ヽ\,,ゝ\)"ソ)、
(ノ`ヽ, ;;;;ヽ,,,\)\`)\ゾ、)\、ノ)
(//`ヽ,,,, 丿i;;;l彡\)`\\ヽ\,,,\..\
(ノ/,,,/ノ (ノ'入爪爪;;;;;;;! {ハ},,,\ヽ,,,`\)ヽ)⌒’"ヽ) 、
/ノ / / /ノ'ヽ、;;;;;;;; , lリ;(ノ\)ヽ), \)ヽ)\X\)ヽ)
(/,/,,/乂,,/(/ (ノ'丿\γ`ヘ,,)\ゝ、、 `\)
(/(/ し);;:\\)\,,)`\,,);;;′、
(ノ'\)\)ハ),,,ゾ\,,)
,,ノ'\,,;;′`~
, -:;;;;‘、
<ゝ・`:::;;ヽ.
,) ハヽ
l ',ヽ
l lヽ彡
! .....;;;l彡\)
(ノ'、 ...;;;;;;;! {ハ}\ヽ)゛
、 ._ 、 , 、 , (ノ(、 ;;;;;;;; , lリ;ノ\)丿
,,ノ),,,,, く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l/ノ'ヽ、;;;;;;;; .ノ) _) \)丿)
≒;=ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=爪_爪_);=≒≒;=ミ≒;==;==;;;;:,;,,;,,.,,.,.,.
~ゾ ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙ し)\\)\)゙゙゙;;;;,;,,;,,.,,.,.,.20050909
´ " ´ ´ '´ '´ (ノ' (ノ'\)\)ハ
ノ'\)\)
有刺鉄線越えてみようか
車を停めて
三人で入ろうか
捕まっても
いいじゃないか
どうだって
いいじゃないか
世界の果てまで
俺達は一緒だ
さあ
行こう
36 :
名前はいらない:2005/09/13(火) 13:50:19 ID:qyY1GUxz
太陽はやさしい
有刺鉄線をとかして
輝いている
37 :
名前はいらない:2005/09/13(火) 20:21:26 ID:C2S3GsiS
足は血だらけ それでも尚君のそばへ
そこに辿り着いた時 そこに君が居なくとも
それでも尚 君のそばへ
正しくなくても 意味などなくても
それでも尚 君のそばへ
…一人称は”違う空のあなた”だったりする
おまえと俺にしか刺さらない
棘に絡まり壊血病
低調な空にはちょうどいい
地獄の淵で笑うゲーム
永久につづく針と針
だれかこの檻から出してくれ
神がいるならば どうして
どうして この 有刺鉄線
おまえはぐったり
俺はばっさり
神がいるならば どうして
どうして この
39 :
玉こんにゃく ◆IVVTBUqDhU :2005/09/15(木) 22:32:37 ID:hdWwIMDe
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ある朝、警備員がいつものように敷地の周りを点検したとき
異変に気付いたのだった
「なんで有刺鉄線に竹輪が装着されているんだっ?!」
40 :
名前はいらない:2005/09/16(金) 01:05:04 ID:bCWqJ0HY
変電所がSF映画の基地に見えた
別世界へ行ってみたくて
白いフェンスをよじ登る
子供だましにもならない罠
潜り抜ける自信があった
しかし一瞬の油断
左太股に鉄の棘が突き刺さる
それが罪だと分かっていたから
鉄サビ染み付く深い傷は
誰にも見せることなく…
15年経った今も消えないでいる
41 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/09/16(金) 05:40:19 ID:iTS295Gh
『雨の鉄格子 プラスティックは刺の楽園』
指で弾くとコキン鳴りが悪いコップ ひぃ ふぅ みぃ よー いつっつ 六つ
六つ目の底
汗も手垢も付かぬよう
表皮に無機質な感情を欲しながら触れる
お伽話を砕片した思春期の硝子みたいで
厄介だ感情
懐かしみながら ぬくむ何かが邪魔をする
触れる 握る 砕ける程強く もう一つ足りないストロング
薄く脆く 親指の腹 人差し指の爪
磨り合わせ 点け弾く
空気の薄皮捲り捨てシュイ
60ワットでも紛らわしい 明るい牢獄 煮凝り其処にコキンと響けば
カルキ臭
広がり六面を後塵な壁に変える
ストロング出しっ放しの
何時
洗浄したのかわからぬまま戸棚の隅に重ね倒して在った六つ
音も立てずに取り出すことで記憶を塗り替えられる
ラベルが真新しい一升瓶の誘惑
酔い痴れたくない長さは夜
そして何よりくだらない事を望む
指で弾くとコキン鳴りが悪いコップ ひぃ ふぅ みぃ よー いつっつ 六つ
迷い無く八分目まで注ぎ込む酒は重し やっぱり止め
42 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/09/16(金) 05:50:41 ID:iTS295Gh
何百回と西日に染め塗られ
擦り切れた風の化石
褪せた壁
継ぎ目に添えた極楽鳥花の鉢植え
呑ませる酒 ヒ ヤ
勢い良く吸収する土が弱くキゥと鳴いた
キゥ 真似して口走ってみたキゥ
枯れ果て再び咲けるのかコップを二三度振り下ろし酒の滴をも振り払い
見やったやっと板張りの部屋を
コップ底のわずかな突起を撫でる
花が咲けばいいなどと錯覚し
ながら 目を閉じて確認する
確かなざらつき キゥ コキン
文字凝視し 目を閉じるを繰り返し
既に窓の額縁はしらっちゃけ
風景を塗り替えていた
滴る時刻む音 メイドイン γνζλχ υψΥλストロング
読めないあやふやな浮き彫り
ざらざらなストロング
六つのコップ
窓辺に並べ一つ一つに紫煙を入れて伏せる
指で弾くとコキン鳴りが悪いコップ ひぃ ふぅ みぃ よ 五つ 六つ
朝が来る
六つのコップにあなたの空を反芻しながら
43 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/09/18(日) 13:06:20 ID:AjxBcRaM
.......,,,,,.... ......,,,,,::;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,.............
:::::;;;;;;,,,,,,..... .............,,,,,,,,,,,,,,,,...............
,, ._ 、 , 、 , 、
;;;;::::,,,,,,,く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l、 .ノ)
;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙;;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
:::::::,,,. " ´ ´ '´ '´
;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,......... ....,,,,,,,,,.....................
,,,,,,.........
............
空 ブルーヘヴン 空 エンプティ 空 私の空 あなたの空
44 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/10/02(日) 13:43:45 ID:vdZX6I1k
『傷さえも時の鱗に只ゆらむ』
頭上突っ切る夕暮れバス連れて転がる巻き上がる
平行移動他人を乗せて
白惚けたこれが空 窓枠ずれ一瞬にして連れ去る
あれが窓から見えている空だだっ広いのが空じゃないね橋桁
掌押し触れる凛々カラカラ
空に触れている 天空の橋桁にしては頼りない腕だとしても
どこそに存在する果て
粒子形状波長変幻させたとしても
指先は 天空の一部
溶けだし また繰り返す時の鱗
微塵に割って走る これも人生
45 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/10/02(日) 13:45:58 ID:vdZX6I1k
546:竹輪ぽぇーむ◆o0rnnbHBHo 09/19(月) 06:35 VwKrOoJt
『紺碧出刃包丁』#1
嗚呼 待てと暮らせど便りは届かずにっちもさっちもいかぬ日暮し女は
何処へ 聞いてください おとっつあん
毛筆の使い道も怪しげな女なんで心底心配しながらも憎んでおります故
学無さ過ぎ程苦楽自由自在と申しますか
短絡回路の洗脳 過剰木っ端病み付き 微塵ミジンコと大袈裟にも程がありますがそう例えるしかありませんこの私の状態
おとっつあんよ
私は今まで確かな正常倫理常識理性知識性格のもとに生活を営んでおりました
しかしながらそれさえも怪しく
不確かでマトモではありえないと疑い
自分以外の人間を心底好きになる事が出来ぬ事実を受け入れてしまった平成時代の話ではありますが
生まれてきてこの今の今まで私は心底自分以外を好きになった例しがありません事を恥を忍んで白状する次第これ仕方無し宿命
おとっつあん おとっつあんだってホームレスになりたくてなったんじゃありませんよね
勝手に世間っていう眼の束が注目しだしてそう区分分けされたんでしょう?
ダテにホームレスしてないって手みりゃわかるよおとっつあん
媚びるのが嫌なんだよね私にはそれくらい察知出来る
だからその手だよ 三分前まで見ず知らずおとっつあんに話しきり
おとっつあん欲しいものは自分の手で掴む掴まないと気が済まないソレ妥協が出来ず一撃転落その棘傷のあるその手に
抱き留めて欲しいんだ
この川の流れを聞きながら
46 :
◆o0rnnbHBHo :2005/10/02(日) 13:47:42 ID:vdZX6I1k
547:竹輪ぽぇーむ◆o0rnnbHBHo 09/19(月) 06:36 VwKrOoJt [sage]
『紺碧出刃包丁』#2
名前がコロコロ変わる女は嘘吐きなようで正直だ
あれやこれやてんやわんやと泣き脅す
炊飯器に飯が無いと見れば泣き財布の中身を見せてと泣きマスカラが剥げ落ちて客寄せパンダみたいだと笑えば泣く
「「朧月爪鉤裂きの寝返りや」」
所謂押し掛け居候
店変わるごとに名前を変えついでに名前を呼ぶ位暇なら下拵えをしろと宣う
何様だ貴様等と口走ろうものならば直ぐ様飛んでくるのは出刃包丁
下拵えとは風呂に入れと云う事か察しの悪い私は付け込まれ
とっとと失せろと思う気持ちも相反して不器用な生き方にどことなしか共感をし
灰皿てんこ盛りを美徳とし雑然とした日常のぶち壊し的な女に現つ引き込まれるのでした
「「芥子咲けば蹴散らし赤憎みけり」」
丁度春画の話が弾む季節でありました
意を反して雪美と名乗り始めた女は書道の心得も無いままに筆遊びを覚えた時期で
とにもかくにも雪美は常識外れな破廉恥さで私の反応を見ながら日捲り暦裏に陰茎を描きまして隣近所に出来栄えを自慢して歩く事を日課にしておりました
咎めようものならば畳に突き刺さるのは本当に用意がいい研ぎ澄まされた反射神経で出刃包丁
47 :
◆o0rnnbHBHo :2005/10/02(日) 13:48:34 ID:vdZX6I1k
548:竹輪ぽぇーむ◆o0rnnbHBHo 09/19(月) 06:39 VwKrOoJt [sage]
『紺碧出刃包丁』#3
「「好きならば切って頂戴花柘榴」」
出会いから片時も離れず我が住居に寄生した女は真理子と名乗り
一本気で入れ込んでいた岩絵の具黒線画を上達寸前ではたりと止めてしまい飲酒に打ち込んでしまいがちになっておりました
酔い記憶を失えば子供を作ると言って聞かず白い泥になって絡み付いてくる始末
かといって酒をかっくらう振りをしてうまく逃れた晩には「孕ませんなよアンタはアタイの子宮を利用して子孫を残したいだけのケダモノだろ」と
馬鹿の一つ覚えも錬磨すればサマになると不本意だが納得してしまうしかないヅカッと右手が半円を描き布団に刺さった出刃包丁
隣近所の主婦達は何やら真理子の気さくさと愉快さの受け皿であって和気靄々
横暴狂暴さは私が請け負い外面上手な真理子に殺意さえ持つ程感情移入が無かったのでした
つまり過激な馴れ合いと親密さは別な話でますます恋人やら夫婦的な感情からは遠退いている私がそこにいたのです
「「蚓腫れ鬼の霍乱くちづけを」」
余りまじまじと眺めた事の無かった身近に居すぎな黒髪玉虫よりじっとりと色艶沈んで
見やるように細部まで隈無く観察出来る時間は花奈絵の爆眠時だと我に返り
世間では朝飯の時刻眠る花奈絵をグウグウ繋ぎ合わせて見ていた
幼い寝顔 幸せに生きている人間の顔
頬艶も良く血管が浮き出たこめかみが目蓋下の眼球の運動と重なっているのを見入り
早く離れなければと私は強く思い
何をどう基準に思ったのか私より年上な女と知りつつも芽生えてしまったのは父親のような我が子感覚
48 :
◆o0rnnbHBHo :2005/10/02(日) 13:50:29 ID:vdZX6I1k
549:竹輪ぽぇーむ◆o0rnnbHBHo 09/19(月) 06:40 VwKrOoJt
『紺碧出刃包丁』#4
「「折り畳む丁寧に足夜這星」」
花奈絵から聡子 菜々美と急激に名前を変えた菜々美は私の心の在り方を素早く察知したのか
帰宅すると部屋のカーテンがシンプルな灰色格子模様から花柄に変わっていた
ピンク地に色とりどりの極めて悪趣味なプリント花柄に嫌気がさし私は有無を言わさず灰色格子模様のカーテンに戻すよう菜々美に怒鳴った
それにしても灰色格子模様のカーテンはどこにも見当たらず菜々美は畳に足を投げ出しておんおん泣きじゃくっているだけで役に立つ事は無い
台所へ立ちコップに水を汲み見たこともない鍋掴みが二つ雑巾と一緒に引っ掛けてあり
灰色格子模様の雑巾鍋掴みランチョンマットコースターそういえば玄関にも見慣れないもんがと駆け足で脱ぎたての皮靴が揃えられた私の足元に灰色格子模様の玄関マット
電話にもよく作ったもんだの灰色格子模様電話カバー次から次へとカーテン地を利用した手芸品が蠢いていたのだった
菜々美は寝床を別にした私を恨むように大量生産を始めたのか
庭にはグラジオラスの白が揺れていても見向きもせず網戸を開け放った部屋に揚羽蝶が入ろうものならば叩き追い出して私にしがみ付いた
出刃包丁は灰色格子模様の包丁入れらしき布袋に入れられ木の持ち手だけが顔を出し
常に菜々美の周辺にあった出刃包丁
愛情を示すのが苦手な子供が好きなものを口に含むように
指先から舐める一から十迄舐め腐る
刃物を振りかざし挙げ句の果てに刃物を抱えて泣きじゃくる十八番に鈍感になっていたのは目撃している私であったのでした
49 :
◆o0rnnbHBHo :2005/10/02(日) 13:59:06 ID:SYR7yW9V
550:竹輪ぽぇーむ◆o0rnnbHBHo 09/19(月) 06:42 VwKrOoJt [sage]
『紺碧出刃包丁』#5
「「宵闇や幽居標の彼岸花」」
ようやく賃貸の契約が切れる住居におさらばをする時がやってきてためらいもなく
月日は流れ私は故郷に帰ると告げた日初めて私は強く手を握る事もしたことがないと気が付いた
ただ二人で同居していたような別れ
そのままの名前でめずらしく続いた菜々美は何故か包丁をきれいな流れの川に埋めたと言った
何時に無く白い肌と正面からじっと見やる黒めがちな眼差しに動けないまま可憐で純真な少女を私は見ていた
死んでくれと表情も変えずに菜々美は声が枯れる迄呟き声がでなくなると
荷造りの終わった部屋に残った新聞紙にペンで書きなぐり始めた死んでくれから始まったはずが死ねに変わり
睡魔に侵された束の間私の首をありったけの力で締め耳を小さな前歯で噛み
「アタイにとってアンタは全てだったのよアンタは私を憎む程に思っちゃいないだからアンタからアタイと一緒に死んだり出来ないって言わせなくないのよ」
「包丁捨ててやったわアンタの為にアタイアンタの望む通りに生きてて欲しいから包丁捨てて生きてやるわ」
互いに落ち着いたら手紙を書く約束をし故郷の住所を交換しあった
海を隔てた住所に驚く事もなく今更別れを悲しむ事も無く
「アタイの名前は紺碧」
50 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/10/02(日) 14:03:09 ID:SYR7yW9V
眠いと口走っているうちは眠ってない 青い眠気
.......,,,,,.... ......,,,,,::;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,.............
:::::;;;;;;,,,,,,..... .............,,,,,,,,,,,,,,,,...............
,, ._ 、 , 、 , 、
;;;;::::,,,,,,,く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l、 .ノ)
;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙;;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
:::::::,,,. " ´ ´ '´ '´
;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,......... ....,,,,,,,,,.....................
,,,,,,.........
............
08/27(土) 02:56『カンキリ』
ブラックチェリーの缶詰
手を使わないで開けてって
「ならソレで後ろ手手首血が滲む程強く縛って」
意識苦痛だと半乱狂
鏡割った貴女
ア キ タ っ て
云っても嘘
ス キ ダ っ て
かいても嘘
ソレもソノハズジクっと刄扱うなら唇で
ブラックチェリーの缶詰
手を使わないで開けてって
毛嫌いの眼差しで云ってイッテ
08/27(土) 22:26
私は爪を噛んだ、何年ぶりに。私は悲しみ、貴方の爪を噛んだ。爪を噛んだ。
『愚行日誌』
涙に弱いなどと大人の戯言
弱いふりして狙うのだ
ただそれだけ
指を掴んで
三十分眺めるのもいいだろう
08/29(月) 22:28
無頓着とは言っても、対象次第では敏速な対応を見せるなんてこの頃気が付いたなんておかしい。
ボロボロボロットロボットじゃなかったんだやはり私は。
いっそ、ツチフマズに隠れて生える毛になりたい。
毛穴に依存せず、毛穴に寄生?ああそれもどうだろう。
毛穴があったらそこに生え生き抜く毛になりたい。
『愚行日誌』
さぼり癖がつきました為内容はありません
果てないと錯覚しそうな日々
毎日のきれっぱし勝手に区切った切れ端記憶
真実でも記憶に変わったら嘘にも近い
なーど
回想して書くには耐えられぬ愚考行為
文机に散らばる
消しゴムのカス
指の腹で弄び合体させ誤魔化す自分が嫌いになれなかったのだけは事実でした
08/29(月) 22:41
一年を経て忘れた頃にやってきた喜劇はメールが幕開けでした。
開幕は遠い望郷に流れる時の中に溶けています。
過去という不確かで明日忘れてもおかしくない、程遠い記憶の里。
初めに、前置きしておきます。言い訳みたいになりますが、出しっぱなしやりっぱなしなのはメールに関してのみと記憶しています。
『愚行日誌』
眠れぬなら空腹時深夜虹
見ていたチックリチック刺さる秒心音
爪を噛んだ代償に求められたのはヴァイアイラブ何故に愛
痛快に嫌ってもいいでしょうかと投げ掛けても答えない虹から惨事
っつたらたった鼻歌歌う夢を見る
お気楽者の夢を見る
希望は捨てきれないのは何故なんでしょうか?
08/29(月) 22:51
「あんたにおにぎり買ってって言ってんの!買ってよおにぎり」
口径凡そ100.5mm、リップグロス着用薄い唇より、何を込めてかは知らない。
銃声。拡散粒子は荒く体内に埋め込まれる恐れ。
「コンビニでいいよ あたしの為に金払ってよあたしの見てる前で!あたしの為だけにおにぎり買ってあたしに見せて!」
……誰でもいいんじゃね?……
「あんたあたしの手綺麗だって言ってくれたよね!」
……そこぃら辺歩いてるオッサンにでも縋れよ…… ……俺より金持ってるよ……
「あんたにおにぎり買ってって言ってんのあんたじゃなきゃ意味がないから買ってよおにぎり買って?」
……災難か転機の賭けか……
……女神……
『愚行日誌』
メールのサブジェクト欄 タイトルで遊ぶ癖がある私
〔座布団に座ってます〕やら〔★モロダシ倶楽部★更新★〕まともだと〔アイラブユウ〕等
メールのタイトルであるサブジェクト欄に嘘ばかり記して遊ぶ習性があるのでした
しかし
いい加減にしろよ出しっぱなしやりっぱなしの私
いきなりなんの前触れもなく届いたサブジェクト名に動揺しました
「うまれたよ!」
何が?
何がうまれたのか……
こんにちは!みなさん!
この世界は信号機だらけです
バォホンデェ
至る所に信号機があります
赤の信号機ばかりです
こんばんは!私の愛しい人!
モーテルは満杯です
ジェジェファンチューダオバォレィジンビェンデェ
宿泊出来ません
ニァオ レィジン至る所赤のサインばかり
さようなら!赤い鳥を抱き締めて解き放つ
抱き締めて青くなるまで ワンシャンハォウォ デェコー アイデェルェン
『紫曇戯れ笑う蛇』
スケルトンメトロノームが並んで道なりに 東にトンネル
断続音で渦巻き転がる 高速道路 遮断を無闇に 過剰な防音装置
メトロノーム菱形に連なる 西に青白い火柱
捩れ風が上昇するフェンス編目
空に成り損ねた 薄紫の幼蛇がだらりんひからびるのを待っていた
千切れたビニール縄と見間違えていたのも束の間
うなだれている幼蛇を見つめ
レッカー移動を待つ渋滞もどうでも良くなって
甘納豆をあげよう
砂糖と芥子種をまぶした赤豆 緑豆 瑠璃豆
偶然なんだ何もかも甘納豆
幼蛇の視線が三つの甘納豆が乗った掌の真ん中生命線に落ちると
三粒の甘納豆はフッと宙に浮き上がり
輪になって回転し始めた
角度を変えながら回転している甘納豆の輪
菱形の頭を突き出しS字に構えてた幼蛇
一瞬硬化し 息を飲む速度の1/100でヌシュルくぐり落ち
アスファルト半身勢い良く叩くキュカキュカ
甘納豆の一つを食べ尻尾の先を振って
捩れ風と共に空に上っていった キュカキュ
手で受けとめた二粒の甘納豆 流れ北の空 紫曇
中央分離帯で茫然としている生え抜き 道草もキュカキュカ笑って
穴のあいた花瓶
沈め午後
風上はぐれた
オレンジ日時計
浴槽に忍び込んでいる
付け入る隙なく斜光
悪戯に浮かべて +
泡 額プチと弾く
* +
+ *+
+
+ +
えーん えーん えーん 根っから子供に返って泣きたい気分 午前三時未明いきなりラーメン食べたくて夢中で走ったが無理
ラーメン屋は閉店していて準備中のフダがテカテカ風に揺れて 夜更かしどころか睡眠時間ゼロゼロになりそうだけど腹が鳴る
冷蔵庫にはマヨネーズのみクゥクゥキュルキュゴー泣きたい 気分だけど朝がきた!牛乳が確実に来る朝が
でもねラーメンじゃなきゃ嫌 今食べたいもんはラーメンなんだからチャーシューがいびつでもうまいヤツ
、 _ 、 M 、 、 、
ノ) く、 _ノ)... (7、 ノ) 《L、 ノ)
≒;=ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒</ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=
~ソV'゙`゙^゙`^ ハノ hv'^^ `vノ ~ソV'゙゙゙ ノ/v ~ソV'゙
´ "v V ´ ´ v´ ´
『xオンザロック恣x』
x慾xx在る異さxx良くxx有る事さ殊更尚更繰り返すんだ
沈むシズム沈む沈む沈むxxx有無イワサズ沈む真っ向x態様
昇xれx太x陽xノサバルxサバイバルx気絶隙さえありゃしない
手当たりx次第xxxx射至大引っ掻き傷つけ余念
xxxナシ手込めケチャップ顔面版画
ネガ縁取り寝りゃ燃えまくりxxDaxxx蹴り飛ばせ腐ったピーチxx
ヨxクxアxルxコxトxサxヨxクxアxルxコxトxサxコトサラナオサラクリカエスンダ!!!!!
地上埋め込みxxYxx種xx蒔けドリル抱けどキック
揉み手xアオムケx心壊れりゃxxx服従なんてxxAxxアハハAh
ヨxクxアxルxコxトxサxヨxクxアxルxコxトxサxコトサラナオサラクリカエスンダ!!!!!
明日に続く 国道の真ん中寝転んで
今日の境も私次第に
雨の弦を掻き鳴らすんだ
デコトラに囲まれても
サイレンに包囲されても呼吸は確かだ
毛を踏み付けて飛ばせ時速250`
明日なんて曖昧だから
雨の弦を掻き鳴らすんだ
60 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/10/04(火) 01:19:28 ID:eUMrt+R6
毎日繰り返し続けるなんて難しい 目を閉じた外界のぬり絵
移り変わり過ぎるから刃物で抉り印しておかなけれ 止まっていると失って 見失うと消えてしまう
南から打ち雲 割れ出た月の内臓 明かりに白い殻溶かして心音聞き入る 抉り取ったら 空飛ぶ卵 天空を割る風
.......,,,,,.... ......,,,,,::;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,.............
:::::;;;;;;,,,,,,..... .............,,,,,,,,,,,,,,,,...............
,, ._ 、 , 、 , 、
;;;;::::,,,,,,,く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l、 .ノ)
;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙;;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
:::::::,,,. " ´ ´ '´ '´
;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,......... ....,,,,,,,,,.....................
,,,,,,.........
............
『凛々粉々』#1
ありったけの腕力で後ろ姿を襲う
人形は水浸し
振りはらって逃げもない
引っ掻き爪の間温もりはぎ取って気配
真空罪悪感に染まる人形の寝かせ
閉じるフェイクアイ
昨日であってほしくない今日の瞬間
俺はほんの少し目が眩んで
ひび割れ前提の気紛れしたかっただけ
なのに 案の定
電柱の影から凛々が覗いていて覗いていて覗いていて
何を行なうにも凛々の許可が必要だったことを思い知る
「いい?影にも及ばぬ奴隷なのよあなたは」
鈍器で殴られ地に伏せた闇屑
腹這いに痛みを分散し土に帰す仕草で芽吹かせる
『凛々粉々』#2
「あなたは私の影にも及ばぬ奴隷なのよ」
今日もご機嫌斜め凛々 向かい屋根の反射
貰い明かり盗み裂く凛々
「私はあなたの影にも及ばぬ奴隷なのよ」
凛々の手に月の鎌
振り下ろし背骨を掘り当てる
バカって蹴りなぶっててらてら燃やして右左
ぶって汚物としかめた糸で結んで
してしてしてして何でもして蹴って蹴って蹴って
俺の痛みは地に根付き凛々の白い唇と同じ形の花を咲かせ
腹這いに痛みを分散し土へ帰す
営み凛々芽吹かせる俺地べたに跪く事も許されぬ
愛着たらたら
凛々たまんなくなるんだろうよ
粉々になるまで憑いて凛々
「あなたは影に恍惚を憶える奴隷なのよ」
街角の端から焼き燃やしてるうちに居なきゃいらんなくなるんだろ
嘘吐け!嘘吐け!吐き切って無くしちゃえば凛々
平気だよ粉々で交じれるから
一緒に土へ帰ろ
63 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/10/07(金) 04:08:03 ID:y1DLJj8J
『凛々粉々』#3
カレンダー毎日放火し手錠の沙汰にならないのが
電柱の影から覗いている凛々
付け回す凛々と充塞のかつんかつん
骨響く 腹這いに痛みを拡散し
星座と言い伝えられる距離の土に帰す仕草で空仰ぎ
芽吹かせる
「あなたは私の影にも及ばぬ奴隷なのよ」
来世に持ち越し芽吹くなら今咲いて朽ちる骨の欠片でよいわよいわよいわ
俺きっと内側の凛々
凛々は外側の俺になって
日捲り暦一枚一枚隅から燃やす火の粉でしかないけれど
星になる
64 :
はくLO:2005/10/07(金) 14:33:56 ID:xwO9AhH+
おれをおもうか わたしをおもうか
実際 ほんとのことなんてわかりゃしねえ
夢物語から現実へ
目を覚まして東京。
65 :
名前はいらない:2005/10/07(金) 16:01:34 ID:Q6IYwHpX
下らね
66 :
名前はいらない:2005/10/12(水) 00:38:38 ID:H0u1E3xd
「砂埃舞い 喉は渇く」
柔らかく錆た先端が皮膚に
絡め取られたのは重たい空の情け
唾を垂れ 血液を大地の元へ還す
逃げる
靴底では理性の馬鹿だけが笑う
引き裂いてくれ
気の向くまま手に余る自由を
『ウオータークラウン』 #1
葉脈に影の花咲く通路
戯れ好きな風トゥシュー爛々
滞ってー凍えてー道草
いきり立つ始末フツフツ足止め
誘い紅の儘 指かじかんで唐辛子
二時間爪付き唐辛子
二本人恋し私で良ければギスギス
馴れ合いの果てツラツッツ
誰と馴れ合ったかアァハレ哀れ
帰路打ち照らす牢へ誘いたもう
髪の香ひっくるめて 3F窓開ければ壁
鏡映る肌
色ベルベットニュース 塩化ビニル人形
イチニイサン面6体増殖
本日のシャワー
タイルに置き去りにして水吐く魚となれ
水圧ジェット
火災報知器反応有り鳴りっぱなし電話機床伏せ
解放の扉
どれかは自分で決め放つ
ドンドンドンドン焦るなよ
#2
「お客さま火災報知器が反応しております
ドアを開けて貰えますか!」
何者かと繋がる線
何者かになれる受話器を手繰り寄せ
巻き上げた布団隠れたプリンが不味く見える
ジンジンジンジンデクレッシェンド
最中捲れ上がる突起の影
オフホワイトの手垢避けて「9」斜め押し
「湯煙充満の部屋で情事を行なう事を考慮した
最新型の報知器を設置して頂きたいもんだ」
淡々天井棲む眼無し火災報知器
薄ら明かり喰って浮上白いキャップ坦々
蒸気の雫が落ちるまで
毛羽立ちマクラ藻屑に変え
器官全て平たく重ね合わせ隙間
深海垂れ流し
隣接壁のグレー
辛めな怠惰擦りおろしながら
雫落ちるまで
帰路打ち照らす牢へ誘いたもう
69 :
Mana魔名:2005/11/19(土) 23:25:11 ID:iq1wf/uv
有害指定されたあらゆる存在が眠る場所
刺し込む光が身を焼き尽くし消え失せる
鉄の臭いに誘発される吐き気に耐えて
線引きされた最後の夜に花を手向ける
2005/11/25(金) 00:35:20
『コインランドリー』#1
闇の化身か、ふさふさ虫。全身に付着させ、痛痒く産毛逆立てつっ走る。
カシュコンカシュコン
変な手紙を見ちまった
キッチン戸棚に隠すカシュコン
水曜日に決まってコインランドリーの怪に気抜けして走る
杉山撫で回し開けた盆地に移ろい落下、這いつくばってからけのびした北風。
数百の張り手ビタンビタン。痛く熱く痛く痛く、過ぎると風の束になって失せる。
風上、墓場近くのコインランドリーから安い洗濯石鹸臭が漂ってくる。
歩道脇の民家から漏れる半開きの勝手口から米屋の太一の愛想笑いがして、味噌汁と混ざり入る最中。
口内が渋く泡立ち、啜ってもいない味噌汁の上澄みが舌先からじんわり広がり、瞬時に鼻先に膨らみパツンと弾けて消えていく妄想や記憶。
後頭部がじんわり熱を帯び、その芯に木刀、短刀、しゃもじ、切れる凶器から叩く道具まで次々と浮かんで体を貫く。
どう見ても細工の悪いお顔立ちで、三体並んだ御地蔵様の前で太一の乗った米屋の白いバンとすれ違う。石の顔面団子っ鼻が声の主、太一とシンクロして我に返る。
他人行儀に見知らぬ通行人を装う私は、風の子守をして歩く。
世間は御地蔵様の涎掛けに夜露が伝い始める夕飯時。
馬鹿になった嗅覚で歩道に添い付く「工事中」「迂回路30b先(矢印右)」蹴飛ばし、伸びの無い影を野良犬に食らわせ一緒に縄張りを練り歩いて。
紛れもない、あったとしても私の姿。
2005/11/25(金) 00:42:19
#2
紛れもない私が。
漂う気配 洗剤の匂い 濡れたまま放置
カシュコン 百円玉 飲み込む音
ワックスてかる床落ちた蛍光灯に踵を擦る
親愛なる多摩江さん
悩みぬき、貴方を姉だと考えるようにしました。貴方を姉だと考えるようにして、ようやく心が落ち着きました。そうでも思い込まなければ、遣り切れないし迷惑かと。私を弟だと思って、たまにでいいです、逢ってください。
太一より
馬鹿野郎、毎週、水曜日。お米の割引デー。
コインランドリーで抱き合いもせず、缶コーヒー零す激しさも無く月明かりの上澄みを重ねるよう逢瀬続ける、男と女よ。
暗がりに立ち浮かぶ孔雀の羽根一本づつ瞬き出来ぬまま、漆黒の炎で圧し折り靴の脱ぎ場へと帰る私。
眺めつつ隅々まで明るいコインランドリー。
乾燥機の丸い窓にポァンポァン浮遊している山葵色のトランクス、気に入りの紫パンツやら山やら谷やら溝から何もかも二人の生活の洗浄物が混じり入る前で。
がらんどう光の箱の中。
回っているだけに過ぎぬ景色。
背を向けて。日常へ誘う、倦怠のふさふさ虫洗うすべ知れぬ。
カシュコン落ちるコインランドリー回れよ回れ。
辛口スレ三章2005/12/02(金) 13:58:13 ID:8X0drHX7
『ユウジ君IN万華鏡ON水色の薔薇TOタイムゾーン』
エッフェル塔と東京タワーはハイヒールの一部だったとか
Love is from “Tokyo Tower”23:59:13
パルプ100%ティッシュ
色アクアマリンINプラスティックケースに鼻を埋めるとか
赤ワイン10mlガラス管
スポイトの中グリセリンのバスタブ人肌ぬるめで適温とか
The electric wave is sent. Please receive in the“Eiffel Tower”00:00:00
関係に形付け欲し 互いの舌噛み裂き胸の谷間を切る
ありったけの紙幣 混ぜた血で染め上げ
壁半分も埋まらない 赤黒い紙幣の壁紙
手首をきつく縛られたまま
モーニング与えられているとか>>>The bench, where a light blue rose blooms>>>
<<<Is seen under the left of tower<<<スクランブルエッグ
ブラックマッシュルームソテー添え変わらない
白いドア金のノブ ヒルトンとか
部屋いっぱいに散らばる水色の薔薇 付着した朝露は薄桃色の粘液
逆光まみれの窓 浮き付く足の付け根 ほつれ引き摺る
ワインの匂い仄かに燃える白縄
I am waiting for you “Erected Tower”06:17:24
好きとか言葉を欲している焦れったさに歪む顔が好きだと思うだけにして
チェンジプリーズで済む変わらぬ白夜
赤い紙壁から引き剥がすそして帰るとか
こんばーんわ
この板に来て悔しい
自分に腹が立つ
未熟だ未熟だ
でも負けねーぞ
くやすぃかっちぇ
ちくわさんの色が
勝ち負けじゃねーけど
おいら諦めねー
ぺこり(泣)
さて…
賢者から聞いた話だと
有刺鉄線の先は楽園らしい
が
どうみてもこっち側と代りありません
本当にありがとうございました
またきてね好きな時に好きなように
.......,,,,,.... ......,,,,,::;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,.............
:::::;;;;;;,,,,,,..... .............,,,,,,,,,,,,,,,,...............
,, ._ 、 , 、 , 、
;;;;::::,,,,,,,く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l、 .ノ)
;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙;;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
:::::::,,,. " ´ ´ '´ '´
;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,......... ....,,,,,,,,,.....................
,,,,,,.........空は何処なんだ
............ぴっと見上げた場所を
空間を
人間が空と名付けたまでとか
空と呼ばれる所は空なんかじゃないよ
あなたが空と感じた所が 空だ
『タイムゾーンFROM水色の薔薇OFF万華鏡OUT憂時の塔』
流れ身を落とし損ねた水鳥の羽音が耳の奥から離れず
底見えぬセーヌ川のほとり水草揺らさないように息を止めて
季節外れなベンチに一つ影落とし
風の遠鳴り振り返りコートの襟先向けて
イーゼル掲げた路上画伯達を眺めて
戻れない
>>I want to come across you again>>黄色い薔薇咲く季節へ
I am hollowly looking for you“Erected Tower"00:47:58
同じ場所で同じ温もりを探し
青ざめた薔薇の垣根と隙間
刺の頑なさ打ち拉がれ寒さに震え
腕と腰の線が連なる菱形切り取った真っ白なシーツの幻惑に身細めるとか
幸せに暮らしているだろうかとか
The electric wave is sent. Please receive in the“Tokyo Tower”00:00:00
思ったり願ったり身勝手に
ポケットにあるわずかばかりの紙幣に痕跡を探し青く握り締める 強く
記憶が凍え茎折り重なり犇めく中
カメラ向けフラッシュ
バック全て一瞬にして消えるとか
フィルム入れる事もない
>私>と>い>う>カ>メ>ラ >
エッフェル塔と東京タワーのハイヒールは空の一部だったとか
私の全てだったとか
Love is from “Eiffel Tower”13:02:30
『散る』
ひよこを両手で包み香を嗅ぐ
生まれて間もないひよこが
街のイルミネーションに怯え
冬うまれのひよこが鳴いている
全身の神経を觜に集め
鳴いている
ショーウインドウ眺めるのに夢中で
声に耳を傾け目をやることなく
通り過ぎる頭の群れ
連なり黒い雲に変わる
クリスマスツリーに怯え鳴いている
ぴょぴょぴょひょひょっびゃっぴょひょひょ
ひよこ 私のぬくもりに一時だけ守られて鳴け
ひよこ両手で包み
おとなしくなるのを待ち香を嗅ぐひょひょひょひょぴょっぅぴょっ
月明かり残し御飾りの富闇に散れ
雪の光伝い白く溶け散れ
ひよこが鳴いている
ギャーぴょギャーオンオンオンオンピョヒョピ 叫叫叫
誰かに伝わってひよこひよこぴょピョッ
背中が鳴いているピョピョヒョッぴっひょぉピョ
ひよこ両手で包み
おとなしくなるのを待ち香を嗅ぐ
太陽もぐりこんだタオルケットの匂い
ひよこの背中
ひょひょひょひよこひよここっち向いて
愛人回覧板 #1
「ほら、田舎の町内会みたいでしょ?マンションでこう集合意識無いって信じてたけどこれ見て」
シャワーが雨音に聞こえたのは二回目まで、晴れた日曜の床暖房に慣れた三回目。
日溜まり溶解物にパルファム名残を漂わせ、沈黙合戦の末。
興味本位では脅迫電話の主の罠、誘われてソウロウ。
「ああ、あなたの声ってパパそっくりね」
悩めるサイコロ箱ン中 二人して
とめどなく滴り 乱れればいいよね
ピンクのリボン幾重も掛けられれば プレゼントの包みで
どこかに放置した時計がこっそり動いてる みたいで
二人して真新しい単細胞のゼリーオバケ作るように
包装紙の内から 破った裸でいたいよ
青いバインダー、A4サイズの表紙には部屋ナンバーと住民の名字が記載されており、ゴシック体に揃えられた文字が並んでいる。
味気なくただ。
性別を匂わす印は見当たらない、冷たい羅列が。
息を飲みよそ見している振りをしてるのがやっとね。
愛人回覧板 #2
シルクレース撓む梔の花弁 ベールを足に頂戴
足も真っ白なまま並べてね
肝の太ももそっと 包み止める
片足だけ網タイツでさ
貴男から好きなように抱いてなんて
ギンガムチェックな台詞
吹き出しの中の喘ぎ声聞きたくないから
野暮なこといっちゃ厭よ
貴男はここに座るの
きりかぶの年輪内側から
白 桃 青 緑 黄 赤 繰り返し続いていくのよ
綺麗でしょ?
今
桃色の辺り わたしの人生
わたしのきりかぶは椅子になる
さぁ座って
か弱い子鹿のキングになってから
ゆっくりね絹糸を解いて
リボンがリボンじゃなくなるまで
駄目にして飾りじゃいられない姿にしてよ?
野心引き絞る
ポーズ知ってるでしょう?
あなたの好きでいい
「やっぱり違うわね」
性格、忘れました足の親指反り上げて忘れました。
携帯電話奇遇にもお揃いでね俺と。
何が?違いなど聞きたくもなく、バイブのまま床歩みだす携帯電話にお構いなくと、煙草が燻り燃え尽きる匂い。邪魔なソファーにマーキングした爪痕。
回る回る回覧板世の常運んで回せ回せ何れ悟った賢き女神突き付けるは婚姻届じゃあないそりゃな回覧板!
ぁぁ
開いて閉じて回覧板閉じて開いて回覧板回る回る回覧板行き着く先々回覧せんとなはは威嚇せぇ辛辣現実!ぁぁ
愛人回覧板 #3
「ぜんぜん違うわね」
体、良くわかりません。
クリスタルの中で手間を省くよう、ひっそり息を止め燃え尽きる灰皿に無い灰を吹く。
紅茶のぬるさに溶け入る午後、窓からぬっと割り入る客人のタワー。
見覚えのある違う窓から監視されている何ものかに問う。
常に、偉大なるそして栄え滅びつつある循環に、そしてヤバいなはぐらかせない視線は。
回るのか否や。
リサイクル通信販売のチラシ、墓地分譲の募集、階毎の通路清掃当番ローテーション表、苦情についての注意書き。
意味無く関係無く捲れ上がって目に刺さる。
純白の上質紙にマッチ磨り付け火を生む目線。
いつでも生立ってジュィ芯に刻んじゃうのか。
わたし強引にね貴男の兄弟産めるわけよ
怯えてないわ
失うものなんてちょっと贅沢な暮らしだけ
わたしがたった今決めたら済むことよ
貴男の子孫もこの世に存在させることが出来る
簡単よ ふふ
チャイムも鳴らさず、ドアに鍵を差す音がする。
「回覧板にわたしたちの写真が貼られてたのよ、ひどい。悪戯だと思うけど、今日は気分じゃないのお願い電話出ないからって心配して日曜日こないでいいわ無理しないで」
夢であれ、回覧板を胸に抱き迫真の涙声。
現実であれ、ドア一枚の隔離今だけは。
今だけは。
疲れすぎて眠れなくなった明け方
なんとなしに書いて気に入った詩というか
視界を遮った肉体的疲労
目がつぶれたとき視界を無視して見えたイメージ
タイトルはない
『なんで生きてるかわからなくなった』
見下ろし据える
白い炎は
正三角形のパイプ二つ逆に重なり落ちてくる
そう此処が底で星形重なる
縁がすうっと薄ら光る流れに曲がり角で抜け
軽やかになる
『なんで死ぬのかわからなくなった』
軽やかに
見上げ据える
白い炎は
剽軽村の手風琴 #1
自分の17歳ってなんなんだろうか。疑問を打ち付けるだけで何処にも持ち歩けないまま前借り、人質のように土へ埋めた17歳。
あれは忘れもしない、誕生日プレゼント思いつかないまま、71歳になった僕を連れて家出してから三日経った日の出来事だった。
両親にも決して言えなかった理由も、71歳の僕には難なく告白出来たので17歳の僕は反抗的口笛を撒き散らしながら歩けたんだっけ。
17歳なりたての僕が20万円弱の手持ちに恵まれていたのも、将来の為にという名目でお年玉を貯めていたからであって僕の勤勉さとは無関係であった。
「真面目一徹」
先入観は定期券になって僕を所定の机まで自動で運んだ。
それのみ、僕の体はいつも監視ロボットみたいなモニターに付け回されていたのだと今なら納得もできる。
リアルタイムに僕が映し出されるモニターを僕が見ている17歳。
71歳の僕はバスの運転手で、聞き分けのよい生徒を贔屓する担任でもあったし、古物を舐め歩く乞食でもあったりしてどこにでもいた。
71歳の僕と17歳の僕は手を繋いで道なりに歩いていた。
つまらない道を選んで歩き回る、二度と離れないように。
リアルタイムに監視カメラは頭上から常に僕を見ている。
僕が映し出されるモニターを僕が見ている17歳。
無論71歳の僕はそのうざったい恐怖と安心を意味付ける監視カメラからは見離されていたようで、17歳の僕だけが歩いているようにしか見えなかったんだ。
きっと。
<續
剽軽村の手風琴 #2
71歳の僕と17歳の僕。
繋いだ手を強く握り合い見知らぬ町を探した。
道なりに歩いていたら誰も知らない町には辿り着けないと僕らは無言で信念を伝え合い、知った顔する人間の居ない場所を目指した。
目が合うものなら愛想笑いに反応し、71歳の僕は会釈をするはずで、17歳の僕はしかめっ面をヌイッと監視カメラにキャッチされて17歳の僕は視界の二層目に広がるモニターを否応無しに見るはめにあう。
僕自身にしかめっ面をする顛末がとてつもなく嫌で誰も知らない町を目指す。
肥やし臭いたんぼやら牛の鳴き声を通り越して、つまらない道を選んで歩きつつ、71歳の僕を大切にいたわりながらゆっくり歩む17歳の僕は乾く喉の痛みさえポケットに膨らませた札束に触れる高鳴りで麻痺させて歩く。
71歳の僕と17歳の僕。
何処の誰かという証を捨てて歩く。
このまま猪の群れに踏み潰されても、野鳥の餌食になろうが身元など割れないように慎重に脱ぎ捨てながら顔つきさえ意識的に進化させながら歩く。
頭蓋骨と歯の並びも変形させながら歩く。
人目などなくなれば顔つきなどどうにでもなると、17歳の僕はモニターから学んだ知識を確信しつつ、野性の動物しか居ない区域を僕達は砦にしようと歩くのだ。
續
剽軽村の手風琴 #3
71歳の僕が野性化し野山を四つんばいで駆け回るのに空腹二日を要したのみの進化っぷりであった。
狩猟区域なのか銃声がこだましている日中、小さな鳥の肉を血だらけな顔でぱりぱり貪る71歳の僕。
長いこと食料の確保も補給も出来ない生活を強いられてきたのだろうか、17歳の僕はあっけに取られまだ意味と価値を捨てきれないポケットをまさぐって確かめた。
ある。社会で通用する強い切り札。
しかし、71歳の僕は価値を野鳥に置き17歳の僕にはみみずを差し出した。
「子供は鳥の食らうみみずでいいんだ」
71歳の僕と17歳の僕は手を繋ぐことをたった二日で忘れさり、はぐれた。
17歳の僕はポケットに手をつっこんだまま明かりを目指して歩く。
きっと家族は捜索願いをだしているのかなとか想像しながら一人歩く。
71歳の僕は野性に帰ったのか藪もかさかさと付きまとわず、17歳の僕の足取りに絡まるばかりだった。
相変わらず、クリアな画像で目の前に映し出される17歳の僕の山散策の模様が道の無い目前の藪に重なりうるさく動き続けていた。
歩く歩く。
17歳の僕。
月以外、星未満ほんのわずかな光を目指して。
本当に知らぬ顔ばかりが屯する、鬼ばかりの屋敷を夢見て歩く。
本当は誰か知らない人に、突然出会い頭でも激しい感情を引き出せたり、モニターの中の17歳の僕が笑っていてくれたらと願ったのも。
「真面目一徹」
17歳の僕。この僕の生活によって必然的に作られたイメージに刺し殺される寸前だった。
だから歩く。
71歳の僕を遠く置き去りに。
續
ウァァァァァァァァァアアアアアーーーァァァァ
叫びたい今日この頃飽和しきっているものは何だ
あ 空をさがさなけれは 剽軽村へも辿り着けない
余興話を適度に続けるとするか
つか剽軽村っての確実に私の中にある なんだこれ
88 :
竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo :2005/12/14(水) 23:03:37 ID:XKguEKnW
番外編 剽軽村の祟り
ポンボッ ポンガラボンララカッチャ チョイノサッ
ボンガ ボボンガ ツチャッカッカ スットコボンガラ チャイノサァラョッ
丑ノ刻。雷とともに、河川敷が真っ二つに裂けて狭間に白い湯気が立ち上る。
鉛筆の削りカスの匂いがもんもんと立ちこめ、人間の歌う声が行き渡る僻地のヘドロが飛び跳ね拍子を取っている。
鬼のように角はなく、人間のように足はなく。
河川敷の石粒さえ一粒も転がさず裂け目から反転して剥き出た中の世界には見たこともない生物がゴンゴラ燃え盛る緑色の松明を囲み、踊っていた。
木と木を叩き擦り合わせて音頭を取っているのみで怪しく見聞きの打ち破れた世界の空気は長野県のキャベツが吸い込む空気より薄かった。
言葉も人種も知らない闇夜のみの世界。
秩序を探すため足を踏み入れる、此処が剽軽村という場所であると誰から教わるわけでもなく悟り。
17歳の僕が。吸い込まれ消える。現実はどちらか知りたいがために。そしてポケットの中で温存された通貨は通用するのかを確認するために。
俄然、悲鳴の音頭とシルエットのみの緑の炎が炙った生物の踊り。
輪の揺れが発狂に近いと感じながらも。
ミシミシ腐敗して寂れた舞台に抜き足差し足忍び足で。
やややややー。うろろろろー。
未知への恐怖と対抗するポケットの中の万札を確認しながら。
ポンボッ ポンガラボンララカッチャ チョイノサッ ヒャ
ヒャヒャヒャ キョキョブヒャラヒャ
何も理解出来ない無知であっても、祟りは17歳の僕の頭上にいつもある監視カメラがとらえていた。
やややややややややややややや! 僕はポケットの中にある祟りを解くお札を反射的にばらまいた、けれど遅かった。
17歳の僕の目前焦点をだらり緩めて映し出される17歳の僕。
墓石になっていた。
ボンガ ボボンガ ツチャッカッカ スットコボンガラ チャイノサァラョッ
剽軽村へようこそ。
ぅおおおおお!上げてしまった!
うろろろろー
さすがに71歳の僕を一旦見失うと探すのは容易ではなく、17歳の僕は目前の光景に失禁し何故か牢屋のようにしか思えずにいた自宅が恋しく思えた。
ホットミルク、湯気の香が玄関を包み、ただいまと靴を脱げばすっぽり膜に包まれて白濁できたホームを。
思い出したのも。
月曜日が嫌いで嘘をつき早退してきた17歳の僕。カバンと制服も烏の成り損ね色。飛べもしないで勉強して補填する生命力、このむやみさ、或いは何かの期待を背負って17歳の僕は僕からかけ離れて生きて死ぬという予感に抵抗の意味でしかなくても。
ただ、17歳の僕は17歳なりの保護下で飼い馴らされて餌になるのだけはごめんだった。
それに反抗するように17歳の僕は定期的に「真面目一徹」のイメージをうまく利用し担任の心配そうな表情が偽りの仮面ではないことを確認しつつ、こてんぱに騙して帰宅できたのだ。
神妙に確実に17歳の僕は17歳の僕を守るため17歳の僕をも騙し。
そんな折、キッチンの隅にいつもは隠れている71歳の僕が17歳の僕の早退を感知すると、手早く母親をのし棒で後ろから殴り付け、17歳の僕の安泰を一部担ってくれた。
71歳の僕は胸にいつも17歳の僕が好きな絵柄のTシャツを着ていてくれた。
かえる、ロボット、たまにエビフライが描かれているシャツも着ていた。
でも笑わない17歳の僕は。
たった家出二日目にして、心細く異世界に竚、17歳の僕。
ホームシックの度合いよりも、71歳の僕自体の喪失がリアルに17歳の僕に現われたのみであったのだ。
実に。
現実は17歳の僕のはしきれを奪い去って、途方に暮れる間もなく鏡を要求させる。
17歳の僕の手触りといつも僕をたえまなく映し出した監視カメラに違和感を覚える。
本当の姿は何に映すのかと。
ウッヒョヒョヒョ ボボンガボンガ
緑色の炎が闇に揺れていた。
こちらでははじめまして(*_ _)ペコリミミンです。詩を一つ置いていきます(笑)
『白痴』
声にならない叫び
電柱にぶつける
罅割れた今を
無数がみている
落下していく
幾億の罵声に
取り巻かれながら
こちらから
見れば白も
そちらでは
黒か
ははっ…どうでもいいや
無様な姿,好きだろ?
がりがりと
喰ってくれや
しゃぶりつくせるなら
やってみろや!
お前じゃ殺せない
殺せるのは
私だけだよっ!
ミミンさんきてくれたんだね ありがと
、 _ 、 M 、 、 、
ノ) く、 _ノ)... (7、 ノ) 《L、 ノ)
≒;=ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒</ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=
~ソV'゙`゙^゙`^ ハノ hv'^^ `vノ ~ソV'゙゙゙ ノ/v ~ソV'゙
´ "v V ´ ´ v´ ´
空は何処だ
剽軽村の手風琴 #5
じとじと鳴るぬかるみの黄土色、飛び跳ねスニーカーを斑づくしに染め上げる。
朽ち錆びれ、とろみの付いた流風をなだらかに絞り切る。
トタン屋根。
雨雲と境を無くし水路と化す。
溝を伝って捩れ切った雫の糸が垂れ下がる軒下。
雨上がりを待つ僕がいる。
手触りと感触に生身の人間のままを確認しながらも、目前掠める実態の雨糸、切れ切れに映し出す。
墓石。映し出される僕。
雨上がりを待つ。
捩れ絡まる雨の糸。
人差し指で差し解いても、雨は降り続ける。
剽軽村の雨。
ぬめりがかった縄の雨、降り襲う。
17歳の僕に。
<気分で續>
薔薇は蝋細工 :2005/12/09(金) 08:09:15(1)
全部嘘だ
日々爛々と咲き誇る嘘だ
従え果てるまで鉤裂いた月も、嘘にどっぷり漬かった、青醒めたまま醜態転がす。
只、埃塗れて浄化をせがむ月の行方探しに人間一人必要ではあったとしても。行方暗ました人など月は探しやしない。
池に飛び込み割れる月、音無し。
それを見やって頷き合った二人は何の罪もない水面に木馬を放り投げたのだった。
全部嘘だ
日々淡々と溶け落ちる嘘だ
枯れぬ癖に散らぬと嘆く言の花弁が乞う、云いました。
見境の無い窓は、ユウランユウラリ親指と人差し指で括ってしまえば人形劇の様だと。
宣い身深く、神妙な度合いで地に擦り付け許しを、恋う一人の女がおりました。
女の年の頃定か、知れず人知れず。
額しなだれる前髪、色濃く影を落とす色合いが陰気で妖艶な塩梅。
身勝手突っ返す嘘と、並べ立て申し上げて置きましょうと重ねたのは手。
今宵も歓談の酒蔵、女の話に聞き耳立てるのは、酒樽より漏れ酒を呑む、石壁の番人。
大蛇。
石壁飾る鱗、傷を負った見苦しい姿で這いつくばっている男。
誇るは鱗数、のみオロチ。
2005/12/09(金) 08:17:11 (2)
菱形の頭部、膝に乗せ女の話に聞き入る。
おとなしく股のカーブに身を委ねる大蛇がそこ、に。そこに。
幼少の時分 父に連れられて楽しめたのは遊園地のメリーゴーランドのみでした
わたくしは末娘
撫で尽くされささくれ立つまで擦られる程の可愛がられようで
取り柄は家族の中で最も小さいという理由のみで
強く守られていたのだと気が付いていました
父は私をメリーゴーランドの馬車ではなく白馬に一人またがらせ
柵の入り口付近で煙草を腕上げる為の飾りにして
わたくしを眺めておりました
ええ何時でもそうでした
でも父は一度たりともわたくしと一緒に白馬には乗ってくれませんでした
淋しくてわたくしは泣きながら眩しい回転に恐れてはいたものの
白馬にしがみついて
リンロンランロロリロラロリンのリズムに溺れること無く
回り続けるのが楽しくて夢中で
目蓋を閉じるのさえ勿体なく惜しんで
揺られ白馬にまたがっていたのです
今では父がロマンティストに思えるから不思議なんです
人前で白馬にまたがること
今では到底恥ずかしいばかりで躊躇してしまう
メリーゴーランドの白馬
ニスの光沢が湿っているその背
足を揃えて座るようになってから
人前でまたがる行為に知らず知らず羞恥心を持った
その日から
わたくしは父が私を大切に思ってくれていたことを思い知ったのです
2005/12/09(金) 08:22:51 (3)
白馬は上下に動きながら回ります
幾千もの星の尾尻を掻き集めた電飾の彗
その幼少のわたくしが見た光は生まれたばかりの星となり
時を経て
隔てた距離に
移ろう
残像になって目の裏側から現れ今も光り煌めいております
うっかり忘却のアルバムにしまおうとすれば
わたくしさえ焼き尽くす青白い輝きで
目を見開いたまま天にその光を返してやるとその時に
父の声が聞こえるのです
「白馬には好きな人とお乗りなさい 白馬には好きな人とまたがりなさい」
と
明日になれば白々しく溶け落ちる様な薄い手の甲に黒子。
捨てた木馬を探しに女は、蔵から足早に出ていったのだが、朝間近な時の刻。
出会い頭、擦れ違い態、赤の他人様であれば良いのだが、新聞配達の自転車の凄い捩れ鳴き。
鶏の鳴きより響き良好に結構滑稽コケコッコウ、急ブレーキキュキキッと響いた所。
察するに女、足を使わずに走ったと察しは付くのでした。
嘘だ 全部嘘だ
日々悠々と反芻する嘘だ
力なく首を吊り上げ怯えながらも舐めているそのものが涙というものであると、大蛇が小さく小さく鳴いて告げている。
それだけは嘘でありえないのでしょう。
土に染み入る前に。
木馬が揺れていた場所で。
._、.....
( _)' ̄ ̄ ̄~` ̄‘\-、_ _.
, -‐、 , '⌒`ヽ、___,、___, \ \\-、.
/ 丿 ノ 丿 ( 、...ヽ\ ''\ \\\
/ 、_ノ ./ 、_ノ´ \_) '''`\_ \ \\\
/ 丿 / .ノ ノ'⌒`l \_)\丶, `、 `、`、 '\
/ __..ノ .//⌒丶丿´/、_ ノ´ `| 'ヽ.
.......,,,,,,,,,..... l. .丿// ./ / .,丿 .......,,,,,,,,:::;;;.../ ..‘)
、 ._;;;;;;;;:::....... 、,,,,,,,.....:::::::, 、 ,;;;;;;;;;;;::::::::::;;;;;;;;;;、,,,,,,,............,,,,
ノ) く、.. :::::::::;;;;_ノ)... (7、::::::::::,,,.. ノ) ノ ,,,,,,,,,,.......
≒;=ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;;;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,. ノ
~ゾ ハ| i/v' `vlノ lソ';::::::,;,;,,;,,.,,.,.,.... ..........
´ "丶 ´ ´ ´ ......,,,,,,,
ぅぃぅぃぅぃょょぃょぃょぃ
明け方 午前様 朝帰り
酔っ払ったらあんなに書き込みするなといったろ?はぃはぃ
手元が狂いすぎるからやめておけよってょぃょぃ
ぉぃぉぃょょょょょょょょょょょょょ
ん?いっくら忘年っったってだめだよ酒飲んではダメダメ
酔うとすぐ何か持ちかえる悪い癖!
今日は猫拾ってきちゃったぁーよかった
真っ赤な三角錐ポールとか困ったもん持ちかえってこなかったな
よしよし
忘年会飲め食え歌いきれ!
やることやったらわすれちまえ
つーか何してきたか忘れた
何してきたのかな ボク でもさ〜ぁ
何もなかったかの顔でいられるのはほゎゎゎゎゎーん
よいことに違いない!ん
よし
【囚われの身】
錆びた有刺鉄線にくるまれ
にやにや笑う
とめどなく流れ行く
血と温度
既に4.5L
鉄線と血は良く馴染み
太く 硬く 鋭くなる
本当は泣きたいのに
顔の筋肉は鉄線に伸ばされ
醜く歪んだ
そして今日も
有刺鉄線に抱かれ
抜け出す夢のみを食む
『証』
べっとりと洋服に
張り付いて染み込んでしまったこの体液
ごわごわするし
鐵の味がするけど
馴染んでしまった
救いの手を夢想したり
這い上がろうと
動き回ったけど
結局は徒労しただけ
人の幸せを望むだけで
日々,願うだけで
擦り切れてしまう神経
わざとその柵に
躯をぶつけて
何故,逝きてるのか
確かめなければ
認めたくない精神
いらない…いらない
こんな人間は
いらない
『幻影遊覧』#1
気が付くと船に乗っていた
何処へゆくのか
分かりかねる
顔の無い人々がごった返す船は無表情
気が付くと
船に乗っていた
航路を予測する
夢の中でならば
予測と現実が一致する
これもまた
夢のはしきれ
何処までも残酷に波立つしぶきを纏った
船の影
船の影に乗って西へ
東へ向かって船は進む
影を失い
光も見失う
壊れた方位磁針の震えと回転を以て
「己」
船の影に溶かして西へ
灯台のともしびは
なんと天にあり
『幻影遊覧』#2
辿り着けぬなら
船の影に乗り
星の明かり灯して
沈んでみようか
波間の果てまで
見果てぬ亀裂削いで 渡り鳥 沈む翼は空に隠れて
朝に掬い取られるまで砕け戯れる一刻を幾度となく
波間に揺れ 藻屑を飾り 漂い 蠢き 光まぶして沈む
絶滅した惑星の鼓膜 泡を糸引きながら
星の屑を乗せた船がゆく
顔の無い私達を乗せ
顔 得るため
陸地をめざし
船が
ゆく
『幻影遊覧』#3
割れる海に夢はうつろい
空も海も薄平たい巻き物に
風は海と空を撹拌し白濁させるのみで気紛れに
捲れ上がる
船という私だけが
目を覚まし
取り残される 忘れ去られる
覚醒と忘却を兼ねた
舞踊の為に
目覚める
小さな私の大群の一部が窒息し
そして
また再び新しい
航海を企てる私が生まれる
何処から?
『幻影遊覧』#4
星めがけ
飛んでいった水蒸気に含まれる
私の表情達が
バラバラに散らばり
燃え尽き
焦げ臭さと腐臭の中
生まれくる
目を閉じると
船
ゆうらんゆうらり
もう
そこに
『本能のままに』
手首がいつまでも
ざらざら
治っても治っても
刻むから
ざらざら
その場しのぎ
刻んでも
何の解決にすらならない
頭では理解出来ても
本能が赦さない
いや赦せないと
思い込んでいる
躯中にあのぎざぎざを
巻き付けているんだ
いっそこのまま
馘を斬り堕として
しまおう?
そうガムの包装紙みたいに
棄ててしまえ
汚い塊でしかない
私だから
『20個の種』
It
deprives of the seed of 20
remainder that deprives of
the seed of 20
remainder that deprives of the seed
of 20 remainder that
deprives of the seed of 20 remainder that
deprives of the seed of 20 remainder
that deprives of the seed of
20 remainder.
-― ̄ ̄ ` ―-- _
The seed of 20 , ´ , ~  ̄" ー _ remainder that deprives of the seed of 40
remainder _/ / ,r ` 、that deprives of the seed
, ´ / / ,ヘ ヽ
,/ ,| / / ● ,/ of
と,-‐ ´ ̄ / / r( `' く ..........20 remainder
(´__ 、 / / `( ,ヘ ヽ
 ̄ ̄`ヾ_ し ● _>
,_ \ `' __ -‐ ´
(__  ̄~" __ , --‐一~
that deprives of the seed of 20 remainder
20 remainder that deprives of deprived seed of 20 remainder
20 remainder to deprive of seed of 20 remainder that deprives of various
varieties of 20 remainder to deprive of seed of the remainder by 20 remainder to deprive
of seed of 20 remainder that deprives of seed
Seed..deprive..
remain..seed..deprive..remain..
seed..deprive..remain..seed..
deprive..
deprive..deprive..deprive.
2006/02/16(木) 16:32:26 『柘榴』
果実を頬張る姿 露の光をも見逃せず
生暖かい唇の端より零れる果実の汁
嫉ましく尖らせた視線で縛る
そっぽ向いたままの横顔
唇の膨らみの裾
きめ細やかな肌に滲む赤い汁見逃せず嫉ましく
女の温もりに属している汁
私の影を縫って侵入した自然光と結ばれ
結び目の薄赤と反射の刺は私の右目を侵す
無表情の横顔 無心に果実の汁を吸い味わう姿嫉ましく
横槍の私は平静を装い 身をずらし遮っていた窓辺の光を女に当てる
目眩ましを食らわせ怯み歪んだ口元に噛み付く
女の手からぱっかーっと割れた膿の輪郭を残す柘榴の実が床に転げ落ち
スローモーションで床に身を投げる果肉
芯に白い固まり孕んだ赤い涙よ散れ蹴り散らす
絞め殺す腕力を持って有り余る筋肉の収縮でくるまれた女
胸をシャツ引き裂く程に掻き毟る私の肌を抉り裂く
血と柘榴の甘酸っぱさが
作り上げた二人だけの空間ぬくもって溶ける
口腔連結内で声を振動に無理矢理細く突き貫く舌で
女の薄い舌上下に散乱している種を奪い取る
果肉が完全にはぎ取られた柘榴の種
唾液とともに吸い取り
探り肉の襞を掘り返すように種一粒たりとも残さず絡め取る
強ばった体からの震えに臆せず二十余りの種を奪う二十余りの種を奪う
二十余りの種を奪う二十余りの種を奪う二十二十
余りの種を奪う二十余りの種を
奪う二十余りの種を奪う二十余りのののの
種を奪う二十余りの種を奪う二十余り余りの種を奪う
二十余りの種種種種を奪う二十余りの種を奪う二十余りの
種を奪う二十余りの種を奪う二十余りの種を奪う二十余りの種を奪う奪う奪う奪う
二十余りの種を奪う二十余りの種を奪う二十余りの種を奪う二十余りの種を奪う二十余りの種を奪う二十余りの種を奪う
日差しに邪をされぬよう固く閉じた真っ赤な脳裏
唇強く密着させ柘榴の果実に侵された舌容赦無く噛み
弱く洩れ伝う悲鳴の喘ぎに思い切り身体を突き放し弛緩する
横を向き 床に種を吐き出す血が付着している種
拒否しないままの女に舌を視線に変えて絡め
際限無く張り手加減なく
柘榴を食った手で目で唇で張り手の摩擦を与える女
甘んじて頬を投げ出す私は私は私は
妬むがいい柘榴悲しくない柘榴
どんなに女が美しかろうが私のもんだ柘榴
一時独占出来たからといって柘榴いい気になるな柘榴
美しい女は気紛れ一器官を一瞬柘榴に貸しただけ柘榴
全器官機能をも独占するだけの猶予もない摘み食い腐りやがれ
私のだけで十分種は十二分腐りやがれ柘榴
たかが三十分食べ終わりな
柘榴めが
【お大事に!!】
インフルエンザ
in 振る 捻挫
胤 降る 便座
韻 full 連鎖
なんて笑えます? 笑えませんね そうですね
風邪ですからね
馬鹿につける薬が無いのと一緒で 完治させる薬もありませんから
その上 万病の元な訳で 恋の病の元凶でもあるのですからね
なんてったって 横縞な風ですから
囚人服と同じなんです
海賊の下っぱも着てるんです
鬼のパンツもそうなんです
将に 虎の威を借りてるんです
危険DEATHね
>109【続き】
なんてったって ボーダーですから
受験生にも大敵です
ギリギリの上 キリキリで 滑りまくりますから
カツオ君の友人は 中島ですから
どうでも好いですね 滑りまくりですね そうですか
けれど 安心して下さい
己に克ち 皿にカツ
いや失敬 更に勝つ方法はあるのです
そんな時は 全裸で 太陽を浴びれば善いわけです
将に 己に喝なわけです
言い訳ですか? そうですか
けれど かの有名な グリムだか アンデルセンだか イソップだかも言ってます
服を脱いだ 太陽の方が強いんだと…
活きてますか? そうですか
「はい、ではお大事に。」
離れられない
手に喰い込む鐵の味
目が離せない
全身で千切りだした
しかし何故か音にならず
躯を震わすだけ
茨の鞭が見つからない
精神の冒涜ばかり
代わりに背中を戒めておくれ
有刺鉄線よ
>>109-110 詩種さんようこそ 言葉遊びとリズムが独特だね 気分で有刺的な詩など書きたくなったらいつでもどうぞ
>>111 ミミンさんは漢詩も出来るしあれだ近頃良さ 増してきてるとおもう 漢字マニア的お固い詩など見てみたいぞよ
.......,,,,,.... ......,,,,,::;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,.............
:::::;;;;;;,,,,,,..... .............,,,,,,,,,,,,,,,,...............
,, ._ 、 , 、 , 、
;;;;::::,,,,,,,く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l、 .ノ)
;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙;;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
:::::::,,,. " ´ ´ '´ '´
;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,......... ....,,,,,,,,,.....................
,,,,,,.........此処は 空 いつまでも 空
113 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 03:23:13 ID:TxGJ+ala
猪 鹿 蝶 〔初回投稿は梁山泊 短篇仕立て改行と脱字改良版〕
花を探して東北の景色、牡丹雪。
どこからともなくうろうろと雀の鳴き声が漂ってくるものの、瓦屋根に引っ掛かった厚みの為か屋敷内に迄響かない雑音の類ではあったが。
芯から冷え固まった松の枝雪、ボッサ揺らして走り去ったタイヤ跡だけが騒がしく、静まり返った2005年の暮れに。
金あるところには一張羅も一日もんで腐り燃す程ありまして。金も、鐘もキンキンカンカンなり余る裏腹の静けさではありましたが。
言わずと知れた師走の締め括り、鐘の音は鳴るものでして、腹も。
懐具合はまちまちで人の数だけ鳴る腹も除夜には静まり返る最中行儀良くなるもので、ソバ。
全く、金あるところには盗人でも盗めないもんがあります事が、財産持ちの所以であるのでしょうか、否や。
年越しを優雅に、還暦記念の温泉旅行のと充てた夫婦が留守にした家屋。
三代続く宮大工の魂が受け継がれているとは玄人にも計り知れない事柄でしょうが。
湯煙、吐き立つ泉に向かう旅人。胸ときめかせ浮かれ気分に、干柿吊した肝心な縁側の戸締まり肝心を忘れてしまうのは飼い猫の手柄で。
荷物を積み込む為に付いた跡か、そこだけ黒泥砂利混じりのぬかるみになっている所に大小の足跡が。
廊下の木目、きっちり程よい感覚で天井を睨み、飛び上がってけのびする、目を付けたのは猫だけではありませんが。
漆塗りの縁から漂う特有の匂い、積もった雪。
猫も駆け上がり雪振るう板張りの筋に、ひゃっこい水が染み入り滲んで。
114 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 03:26:50 ID:TxGJ+ala
家屋と庭の境目は緩やかな反射の光に染まる、降り固まった雪が白く。山茶花の垣根を突っ切り師走の空に程よく舞っている最中。
家屋に身の影を落とし乗り入れれば、即さ。足を否応なしに止めさせる八畳の見事さ。
畳目に足裏ひょいと乗せ振り返えれば、雪の目潰し明かりにくらり揺られ、眩暈催し。縁側に付いた引き戸より見える菖蒲の池。
まばゆい夏の日差しが何処からともなく舞い込んで、引き戸から見え入る景色、畳の目に食い込んだ足裏の肉、心地よさに季節さえ幻の如く反転するのであったが。
ひんと冷えびえた地を這う空気に撫でられた、ミャーゴ鳴く三毛に光る粒ぺろり舐める猫の捻れ舌は紛れもない桃色でありまして。
ミャァ。
「ミャー」土踏まずおもむろに冷やし、おっかなびっくり歩むは、ミャァミャァ、猫ではありませんが。
職人の粋な洒落が息づく、襖の縁が見えまして。引っ掻き爪、肉肌露な紅筋に光沢はないが。塗りの施し様、所々そのような紅の溝がある縁。
黒髪より黒光り、黒豆の煮付けとも劣らない色、艶の襖の縁。縁を生かす為であろうか、襖紙はのっぺらぼうの無地、ただの白紙で。
座敷には、同じ職人が手懸けたと思われる漆塗りの小さな文机があるのみで、なんとも殺風景な居間でありました。
襖の丁度上に当たる部分には木製の透彫りの木枠がはめ込まれており、柄の無い襖に貫禄を与えているこれもまた見事な彫り物で、見て取れる大雑把な造形では一面紅葉に芋の様な動物と角と足の見事な鹿が襖二枚分の右手に一頭左手側には二頭見て取れ。
芋の様な動物は、土から掘り起こされっぱなしすっ転がっている芋の図体で見事な浮彫りの中、臭みといいますかぶち壊しとも取れますものが右手角の隅に一体あるのみで。
不気味さは然程でもなく、滑稽な芋の図体、良く見ると丹念に「く」の字に捲れ上がった毛並みとも思える模様が掘り付けられており、その間抜けな姿、長い根がほさほさと足の位置に付いた滑稽さで動物に見え。
115 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 03:30:59 ID:TxGJ+ala
決まり切った美に引き付けられるのは初めだけで。
その辺の微妙な心理を突いた芳しい香の中の臭みであることは間違いありません。この芋の様な動物が襖の上の浮彫りを尚一層繊細で且つ優美なものとして眺められると。
くるりと見渡せばそれ以外装飾といえるものは無く。
「何をぬかすか、みょうばんでも身に擦っとけこの御短小茄子」
「馬鹿こけ、きっと襖を火炙りにすれば出てくるんだよ」
「芋、鹿、ではなくありゃ猪だろが、イ、ノ、シ、シ」
「芋だろこりゃどう見ても薩摩芋!」
居間にて泥棒同士が鉢合わせしている物騒な年末でありました。
挙げ句の果てに鼻ぬっと突き合わせ、鏡餅体型、小太りの染み面初老が続け様に声を殺して風声でどしなりはじめる。
「教養のない盗人など糞の役にもたたん物持ち帰り小銭チャリンチャリンやってるのが関の山だわ失せろこの」と。
「何だと?」と続けるのは惨めったらしく痩せこけた若造か年寄りか見分けが付かない男。
イノシカチョウ ハイハイチョウハキセツゴトスガタヲカエルカラニシテ
ホリツケナイデオクンナサレ オンナマゴニメグマレマスヤフニ コイコイオンナマゴ 先代の書が揺れ入る、床の間の掛け軸。然り。
「芋、鹿、蝶!ときたか。ガッははぁっ互いに教養も無しだな」
ついでに運も、金にも女にも見離されてと互いの身なりをじろじろと見やりながら口をつぐ見合う、白い四枚の襖を背に。
何にでも己の狭い範囲の知識で意味付けしなければ値打ちの定めようの無い事さえ、知恵の回らない泥棒が台所にてお節料理の重箱を開け摘み食いしているその頃。
襖の白に次々と溶けゆく。
がらんと開け放たれた居間に無数の紋白蝶が飛び込む、冬の剣山より吹き上げる風散らし、誘われるよう。
雪に舞う蝶か、蝶の姿を借りた雪が舞い散る。
116 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 03:36:40 ID:TxGJ+ala
他人様の家にて紅白歌合線に見入り、泥棒さえも戸締まり忘れ、猫が見ている月向かい。
雪か幻かの蝶。
紋白蝶の大群も襖の白に寝静まり、栗きんとん頬張り涙する泥棒、寒気に廊下から足早に居間を見やればさわざわと。
泥棒とて、うまいもん食らわば心充ちあふれる。雪国の雪跡にあらわれる。月の如くに。
薄暗い奥の居間に照明は無い。白い襖二つに巨大な蝶が薄ぼんやり浮かび上がっているではないか。
白い気配に感付きくわいを持ったまま、腹二段目の贅肉をつねる泥棒。対の側を見やる、痩けた頬に影を含ませ泥棒。
月明かり覗く丁度引き戸上に蝶形の刳り貫き。
過去から未来へと息づかせる生きた証も旅人と。
闇に飛ぶ蝶は雪国の大晦日に。
夫婦の帰宅を待ちわびる泥棒、二人。
「芋鹿蝶でもぷっ」
笑う、二人の泥棒が。
117 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 03:53:38 ID:TxGJ+ala
花冠卒塔婆シリーズ 1の1ひらがな編
『はながたみ私かに掌(たなごころ)琴音 春雨 光掬いて』
ならんでさきとうのみずばしょう
花冠卒塔婆 波紋ゆれるる端(はな)にひとりそう
あしもと しろきはな徒然に
雨裂下りて眺める水芭蕉
染め斑は春雨 更々更々と
あまごいなんざ
したくねーんだ
したかねーなぁ
なぁ蛙の卵よぉ 祈雨に早いはるひそかにたなごころ横糸掬いて
頼まなくとも祈らなくとも降りまくれるは雨あめああ余のよう
降られ小石伝う琴曲 近々近々と
雨 糸操りおれいけにそい 背向みゆる
浮かべる筈もありゃしねー笑かげもなし
溶けちゃった
ゆきながるる
つめたさ嗚呼 ひそかにたなごころ縦糸掬いて
我空 琴瑟相和すよな こときき 我がでに沈み
その葉と成ろう事とも思へらく
仏炎苞ともにあおじろく
琴音が止んだならこの身燃して
肉穂つまみたやつまみたや朝日
すでそのきいろく
きいろにまみれて
しまいたや仕舞い
燃してしまえ白く
白く仄か白くとう せせらぎ雪の匂いたきあげてたきあげて四六時中
雨
春雨や
音(ね)の雨矢 身を包み並んで咲き塔の水芭蕉
118 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 04:02:47 ID:TxGJ+ala
E=mc2 E=孔雀
『孔雀』 #1
好きと
百万遍
云う
女がいて
人差し 中指先に緩く挟んだマッチ棒 胸に向けて傾け
赤い頭に親指添えて支える
マッチ棒 擦れる音に無い羽根を震わす 孔雀
シュッポッ 雪が雨に変わっただけの籠に
外か内か境無い雨は止んで
艶消し黒のカーボン紙が燃え上がる
マッチの先にともる炎はゆらゆら消え失せるまで
黒い火災の夜を見ていた
夜が静かに燃えていた マッチの炎が消えるまで
引っきりなく
好きと
連呼するだけの
リフレイン
ループが聞こえてくる
受話器
行くあてもなく
浮遊し彷徨う
籠の中
呼吸の芯を上下に震わせ
足元から伸びる針を止めようとしている
何処へも出ていきたがらないよう影の孔雀をつれている
119 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 04:03:51 ID:TxGJ+ala
『孔雀』 #2
好きと
伝えること
のみ
しか
与えられないと
自覚無し
だから好きと
増幅して言えるんだろう
何回も何回も何回も何回も何回も呪文の様に呪いの様に飛び立たない様に何回も何回も
呪縛の魂胆根の無い台詞
知ってるから
何回も何回も何回も何回も何回もウワゴトの様に防腐剤の粒を埋め込む様に飛び立たない様に何回も何回も
気が付いているから
黙って騙される
孔雀
羽根を一本づつ毎日むしり取る悪戯を覚えた
女は羽根を身につけて踊るだけ
そう 他愛の無い独り善がりも徹底すればサマになるのだ
音信不通な視神経 スキスキスキスキスキスキスキスキ魔のループ
見えないのか はっきりと見ないのは何故だ
睫毛で天井を貫く 私は孔雀
羽根は残り僅かで 目を閉じないと羽根をを広げる事も出来ない
裸の孔雀だ
120 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 04:05:26 ID:TxGJ+ala
『孔雀』 #3
羽根を探しにマッチ棒を擦る孔雀 アスファルトコンクリート壁洞穴テトラポット109
慣れない鳥肌晒して飛ぶことも出来ぬ様
闇が花咲く長い羽根 広げて誘惑せぬように
女は羽根をゆっくりむしり取る
月だ 月が 月が呼んでいる
泡立たない
乳白色した湯
肌にしみる程に熱く
湯の鳴りもグボクボではなくスキスキスキスキスキスキスキスキスキ煮え繰り返って
気泡につられて膨らみ増す泡立ちもなくゴボコボダサ目の入浴剤
スキスキスキスキスキスキスキスキ好き地獄
聞かされて 何時の間にか丸裸になっていた孔雀
むき出しの骨格で深夜
月が折り曲げたビルの角
影を纏って飛ぶ孔雀
満月の端から端まで羽根を広げ
飛んでいく
121 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 04:41:56 ID:TxGJ+ala
『孔雀』 #4
四階の小窓
映した
ジエットバスの水面
熱気も冷めてくぐもった
お伽話の時刻
タイルの森
泡立つ池
小窓が広い集めた光の揺りかごは
温い
バスタブ横にビールの空き缶二つ転がっている
自動タイマーで切れたバスタブは静まり返っている
泡の残骸が二粒 小窓が揺れている下
藻屑の泡にも成れない泡が
マッチ棒の頭を笑った泡粒が 手を振っている
小窓に切り取られて水に溶けた光
孔雀のシルエットを包んだ
卵色の羽根を見つけて
手を振っている 手を振っている
好きと
百万遍
云う
女がいて
新しい光の羽根を手に入れた
孔雀
孔雀が飛んでゆく
,, ._ 、 , 、 , 、
;;;;::::,,,,,,,く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l、 .ノ)
;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙;;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
:::::::,,,. " ´ ´ '´ '´
『少年』 #1
求人広告を出したのだが求む人は思うようには集まらない
社の個人直通番号回線も新しく引き直し
語呂の良い末端1414に変更してまでの
募集だ
思い切って風俗誌の広告欄を買い求めたのだが
発売が俺の都合に合わせるわけもなく
一ヵ月後待ちに待った募集要項が載った雑誌がやっと発売されたのだった
一日目 ドスの効いた男の冷やかし電話が一本
二日目 もしもしと用意しておいた社名を名乗る隙もなく切れる電話が四件
三日目 風呂にも入るのも惜しんで室内に泊まり込んだが鳴らなかった電話
流れない水曜日
四日目 寝不足にて目が覚めたのは夕方六時 十七件の無言留守番電話着信電話番号がダブっているのを差し引いて十三件
五日目 金曜日居眠りしないように薬局にて値の張る栄養ドリンクを三本購入して待機
仕事も手に付かず決裁文書が机に山積みになり雪崩寸前なのだが
手持ち無沙汰は温い物が良く巣で眠っていたモモンガを引っ張りだし
ソファーに寝そべって手と足に繋がった皮膚の柔い筋を撫で回していた
毛皮臭い指を動きの鈍いモモンガの小さな頭蓋骨に擦り付けていると
電話が鳴った三時四十七分
『少年』 #2
「揚羽蝶の入れ墨の入った者なんですが、広告を見て電話しました19歳です」
「主婦です、蝶の入れ墨は胸にありますが、どんな仕事をするのでしょうか?」
「借金があってすぐお金が必要なんです。何でもします雇って下さいお願いします」
『蝶の入れ墨、揚羽蝶の入れ墨さえある方ならどなたでもかまいませんよ』
淡々と事務的にはやる撹乱という熱エネルギーをひた隠しに 抑揚を体の芯に括り付け受け付けをこなす
電話を終えてみると何やらシステム開発部のフロアーに直結しているドアの向こうが騒々しい
悲鳴が聞こえてきたが
きっと蛇が檻から逃げたのだろうと
隣の部屋の事情にはかまいはしない
一昔前使ってそのまま設置しつづけている
インターホン
モニター付きの受け付け直通の電話機も鳴り始め
しどけなくモモンガを抱いたまま受ける
モニターは真っ黒なままで音声のみが受話器が規則正しい信号のよう
粒子になって耳を襲う
「イベントか何かの募集ですか?面会希望の女性の方がお見えです」
個人回線電話と内線と俺の頭の中の回線が同時に鳴り響く
「六人面談希望の女性が来る。携帯電話番号を必ず聞いておけ。ワシントンのロビーに七時とだけ伝えてくれ」
モモンガ
蝶に囲まれて眠りたいんだ
蝶々蝶々庭には緑の芝生のベッドがあって
俺はただの無知で無垢な少年
花だ花だ花だ花だ花でありたい緑色に不埒に咲ける花
止まれ止まれ蝶々蝶々俺の心に触れず
ただ肉体の周りをくるくると囲んで飛べ
蝶達に囲まれれば安心して眠れる蝶々蝶々蝶々蝶々
足元掬われる不安もなく蝶々は俺を少年にし囲んで
陶酔と肉の壁から離脱したはばたきで
安堵の瞳を与えこの目を曇った目を粉々に潰してくれるはずだ
モモンガをワイシャツのポケットにねじ込んで
上着に腕を通し風俗誌を壁目がけて投げる
ごみ箱から幾分それて開く開脚の見開きページを睨み
ソファーから背もたれ椅子に腰を落とし
黒いレザーの後光と獣臭さに囲まれ
朱肉の赤みに騙されつつもポンッポンッ
判を押す
蝶に囲まれて
ただ眠る 少年を夢見ながら
;;;;::::,,,,,,,く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l、 .ノ)
;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙;;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
>112
メタリック竹輪さん、どーもです。*^_^*
有刺的なモノ?が、書けるか分かりませんが、また拠らせて頂きますです。はい。(^-^)v
126 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 22:10:31 ID:d2g77toj
,-'~`ヽ.... )"~) ヽ~ /``\\,-'~`ヽ.... )"~) ー;;;;; ,⌒、 /_)
ヽ, )))/⌒`,ー'ヽ)⌒,,,^-, ,ーヽ, )))/⌒`, /_),-'~`ヽ.... )~))ノ
三= ''''iヽ_ノ!!!ヽ_)ー;;;;;ヽ__) ニ= ''''iヽ_ノ)ノ/_)ヽ, )))/⌒`) /_)
( ノ ) `ー'-`==( ノ ))ノ /_) = ''''iヽ_ノ /_)
'-''' `ー' '-''' `ー' `''=-;,,,;=;,,, ( ノ ) )ノ
( ノ ), -, --、,,=''" 〉ハヽ=-___
'-''' `ー' `ー(i--;ヽ__) /(⌒ Y~ )
'''''ン)、) /( ノ!!! ⌒), /_)
桜 ,ノー,(、`ヽノ''''' )、_ノ/
(~ !!!!`ヽ^ヽ,、ノ
`-' `ー'ノ )、(⌒ヽ、,-'⌒)
我が身を横たえている常をも忘れ去る程に、馴れ親しんだ「もの」へ、取り立てて愛を語らう事もなし。
(⌒i/) (__,,ノ!!!`ー,-',, __ノ⌒)-、
(⌒''ー'、/-,, ( ;'' `-/ )ミ::<'''__,)
`ー::彡) ヽ\ `ー'() `'`~( )、)/_)
`ー''`ー' ( )))/⌒`.)`'`'/_)/_)
万年床にも春の気配。 (⌒ = ''''ヽ_.ノ
( ノ ..)
'-''' `ー'
127 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 22:12:19 ID:d2g77toj
寝息。目に入り込んでくるせせらぎを映すテレビ番組の流れを真剣に見ている素振りで髭を剃る、私の出掛ける気配を察しながらも、昼寝を始めた女と布団を眺めている。
土曜日にも会社へ出掛けるのかといいたげな寝息だ。
春の気配か。
布団にか細い桜の木が横たわっている錯覚にとらわれ、靴を履くのを止めたのだ。
万年床にも春の気配。
我が布団の歴史。
平成十二年、高島屋、寝具売場にて購入の品、後日配送にて二日ばかり寝床がなかった記憶はあるが定かではない。寝具一式、希望を胸にセミダブルサイズ組み布団、羽根枕二個付き十一万円也。
色は無地ホワイト。
当時常用していた古い布団は綿布団で押し入れをも打ち抜く重さであった。
ボロアパートに住んでいた為なのか、押し入れを駄目にする布団。今は無き断片として綿の毛玉のように肘辺りに感触が残っている。
その綿布団はといえば私が実家から持参した代物だったわけだが、浮気発覚後、家財道具もろとも内縁の妻に持ち去られた。
手厳しい内縁の妻は、トラック横付けで家財道具を堂々と持ち出す光景を私に見せ付け、ろくでなしと罵るわけもなく。
手際良く欲しい物だけ私の家から持ち去ることによって、痛快に内縁関係に終止符を後腐れなく打った。いや、打てたのだろうか。
これだけは分からない、が。
私としてみれば随分と酒の席で笑い話として語れるネタ十八番として面白可笑しく、時には淡々と語ったりしたもんだ。
しかし、その布団について使い道の想像だけはますますわからなくなったものだった。
しかし、布団まで持っていくか?
128 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 22:15:59 ID:d2g77toj
思いの外、家具等にはさして執着がなかったものの布団を持ち去られた事で内心ショックを受けてしまったのだが、だらしが無い私への復讐として寝具まで持ち去ったのだと内縁の妻は私が綿布団の事など忘れ去った頃に突拍子もなく現れ、告白してきたのだ。
それはそれで良かったが、復縁を迫るついでに赤ん坊まで抱き、不敵にも会社の門前という待ち伏せであったのだ。
してやられたり、では何とも言い難い遭遇で絶句しているだけの私ではあったが、赤ん坊と目が合った第一声がまぁるい頬から零れる涙の後の声ウォンギャだったので笑うにも笑えずにいた。
季節は。やはり春間近で、他人行儀にそよそよぐ寒さの残留が、細く捩れ抜ける風の中の事だった。
泣き声は社の受付に一先ず舞い込み、そこから口伝てか社長室にも隣接する部署にも滞り無く赤ん坊の泣き声は行き渡って。
,⌒、
,-'~`ヽ.... )~)
ヽ, )))/⌒`)
= ''''iヽ_ノ
( ノ )彡
'-''' `ー'
129 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 22:17:44 ID:d2g77toj
とぎれとぎれに時間を繋いでも記憶が今を不確かなものにする事もあるのだ。
元内縁の妻は姿形はさして代わり映えなくとも、服の趣味が反対色使い、悪趣味なガラ物好みに変わり果て、花ガラの紫に赤いテラテラした生地は年令より老けて見せるのみだった。
私はといえば。日々の暴飲暴食のただれに身の重さを削ぎ、枯れ木寸前の憂いを宿していたせいか、万更、変化の見える再会の光景を写真に残しておいたとしても、不釣り合いな組み合わせでも無かっただろう。
廃れっぷりに安堵する不摂生な時期でもあった。
いい加減、来るもの拒まず去るもの追わず。
金はあるだけ使いきり、金が無くなりゃ働くさ。
誰の子? の問いに 私の子! ではさすがに、答え様もなく。
目をぱちくりさせて可愛らしい赤ん坊の父親であってもなくても抱き締めてしまえば良かったのかも知れないが、一年余り経ての内縁の妻との再会。
心音が三つ。ちぐはぐに重なる和音が一瞬結ばれて、解れ放たれる。もつれもせず、解けた風の糸だ。解きはぐれたのは私だけだったのだろう、けれど。
「冗談よ、今更あなたとやり直すなんて考えてないわ、さよなら」
内縁の妻との二度目の別れに何故この人を好きだったのか分からなくなり自問し、思いのみ悲しみに似た行方の分からない、綿布団を積み込んだ内縁の妻の姿だけ再度脳裏に焼き付けていた。
布団はどうしたのだろう。聞きそびれて以後、会うことも無く、今に至るのだ。
130 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 22:21:37 ID:d2g77toj
, ';;: ̄゛`ヽ、
/;;::: ´・..く>
/ハ,, (. 万年床にも春の気配。
/,ノ ゛ヽ
,,,彡/l:;;:; ヽ)
(//彡;;; ミ.),,,ノ)
//(ハ{ !;'、 ;;;;;; ;リヽ}\,,,丶
(/ノ;リ , :;;;'、;;;;;;;ノ人)\)\) (^)/_)
(ノ(ハ,,,爪 爪ヽヽ ノ'\) (w)丿′0
//(/(//(ノ;,,,;=;,, ヽヽ ,-丿-、 , -、
/(/(/(ノ',,=''" )ハヽ=-___ ( Y ノ ,、 (^)
(/(/(/ー(i-;ヽ__) /(⌒ Y~ )=,(⌒ヽ>!!!ヽノヽ)/_) |‘(^)
ガキの頃は親が買った布団にもぐり当たり前に眠った、学生になった私にばかでかい布団を買ってくれた祖父、内縁の妻に持ち去られた綿布団、そして。
我が四枚目の布団。
物持ち良く敷きっぱなしにすることにより形状を五年弱維持する。
中二階に備え付けられている寝床用らしきスペースに肉色のマットレス、次、敷き布団、誰が買ったか忘れたシーツ。
綿100%タオルケット、繕い跡に記憶の無い毛布、掛け布団の順で重ねて敷き付けてある。
酔った時分には肌ざわりの良い敷き布団とシーツの間に眠り、寝苦しい夜には毛布と掛け布団の間に綿毛の固まりのように寝付いている。
嗚呼。
131 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 22:27:57 ID:d2g77toj
散らかり放題の八畳、埋もれた目覚まし時計。
布団から見下ろして朝、淋しさなど微塵も感じずに布団の温もりにしがみ付く。
毎日。
爆睡の友、不眠のベールとして身を包み安眠へと導く友。
布団。
既に羽毛布団であるなど既に分からない程にぺたんこであっても、もぐり込めば寝息を立てる私がいる。
タオルケットとシーツは天気にお構い無く暇さ加減と欝憤晴らしに洗濯した記憶はあるものの、何しろ女の存在なくして布団の手入れなどしない不精者だ、けれど。
思えば。
寝具を新調する度に帰宅すると飯の匂いが約束されていたのは確かだが、今回はちょいと違った。
勝手に転がり込んでくるものを拒まず、私の部屋に新しい寝具をねだらない女が住み着いたのだ。
女と言えば、部屋にある年季が入ったものを死に物狂いで捨てる生きものだと思っていた。
今まで。
調味料に嫉妬し、布団の匂いを嗅ぎズタズタに引き裂いてゴミ袋に詰めて捨て、窓から柔軟剤をほおり投げたり忙しなく目を光らせて自分が選び取ったものを置きたがるのが常だと思っていたのだが。
違った。
132 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 22:29:52 ID:d2g77toj
女は私の万年床に日光を当てようと干したり、パンパンと箒の柄で叩いたりして布団を大切にし始めた。
何だろう、変わった女だなと貧乏性かと疑ってみたところで普通のサラリーマンの娘で、これといって抜きんでた魅力は感じることが出来ずにいたのだが。
何時の間にか郵便受けに女の名前のみを書き足していた。喜びもあやふやでいながら、それといって迷惑ではなかった。
かといって、私の日常が変化するわけではなく、女に不満はないが寄り道をやめることも無かった。
致命的なのは飯のまずさ。
塩気が強く、薄味が苦手ときた挙げ句、煮込むのも限度がわからないのか焦げ好きなのか。とにかく飯を作るのがへたな女は他に知らないと断言出来る有様なのだ。
ツマミのイシャレットも味噌付けて食いたかったわけだが、炒め物に使われ、どうやら料理をしたことの無い女と見て大目には見ている。
どう食い合わせても、まずい。
一回の飯の材料費をけちってる風ではなさそうなのだが、とにかく食えたものではない。
だからといっては何だが、うまい飯を作る女と切れる気持ちもないのも事実だ。口実かも分からないが、うまい飯を作る女と会う回数が不思議と週1から週2に増えた。腹に聞いても分からない。どうしてかなどとは、分からない。
けれど。
133 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 22:33:36 ID:d2g77toj
万年床にも春の気配。
しかし、この私の万年床をこよなくいとおしむ女の存在は人生初の喜びであり。
愛しく。
煙草臭いぞ、匂いが染み付いてるぞ、誰と寝たんだか分からないぞと伝えたところで激怒するわけでもなく。
それでも布団に入ってすやすや昼寝する女の頬を幾度と無く眺めて過ごしてきた。
飯がまずくても、寝床を気に入った女にゃぁ弱いもんで。
窓の外眺めれば、灰色のアスファルトに囲まれた桜の木が一本。昼下がりの影を、車道に落として春を待つ。
ベランダにて女が植えたチューリップの球根の鉢。抱えながら吸う煙草。
桜が咲く頃にも懲りなく、こいつは私の帰りを待ち、まずい飯を根気よく作ってくれるのだろうかと物思う。
この女に新しい布団を買ってやろうか。
冬から春にかけての空は、咲く桜の花を見ながら新しい布団を叩く女の笑顔を想像させる。
桜の花が咲く頃に。
我が五枚目の布団を。
寝返りを打った女が眠りながら笑っていて、見透かされたよう気恥ずかしげに、私は雀を呼ぶ。
布団を私に与え、巡り合わせ、又、愛でてくれた者へ、幾つかの布団を胸に多幸を祈り、雀を呼ぶ。
ちちっち桜の枝に留まる雀。
こっちへおいでと、呼ぶ。
134 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 22:34:06 ID:d2g77toj
, ―:;;;;、ノ)
<ゝ・`:::;; ヽ. /(ノ)ソ)rヘ、
,) ヽゾハ\)\ヽ)`丶丶、
( ',ヽヽ)ヽ\,,ゝ\)"ソ)、
(ノ`ヽ, ;;;;ヽ,,,\)\`)\ゾ、)\、ノ)
(//`ヽ,,,, 丿i;;;l彡\)`\\ヽ\,,,\..\
(ノ/,,,/ノ (ノ'入爪爪;;;;;;;! {ハ},,,\ヽ,,,`\)ヽ)⌒’"ヽ) 、
/ノ / / /ノ'ヽ、;;;;;;;; , lリ;(ノ\)ヽ), \)ヽ)\X\)ヽ)
(/,/,,/乂,,/(/ (ノ'丿\γ`ヘ,,)\ゝ、、 `\)
(/(/ し);;:\\)\,,)`\,,);;;′、
(ノ'\)\)ハ),,,ゾ\,,)
,,ノ'\,,;;′
>>112 とりあえず書いて見ました(*_ _)ペコリ
『濤死』
雪が散らつく今宵
雲で隠れし星を
濁った眼で見たいと恋う
何より…
…何よりも
汚濁,塗れな己
舞う白き天熾に
幾重にも…
…星霜にも
覆われ隔離したい故
静謐なる狂気を纏い
手首に血を滲ませ
闇,漂う八紘の下
死を渇望
流した泪は
零した命は
微少なり星に
逢えるといい
136 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 23:43:21 ID:d2g77toj
POEM : ミミン ◆4fCTWDhugY :2006/03/18(土) 『濤死』
>>135 AA : 竹輪 ※携帯ユーザーには見れないけどいつかPCで見ておくれ
_ _
| |\ /| |
| |;;.;;.\ /.;;.;;| |
| |;;;.;;.;.;.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|.;.;.;;.;;;| |
| |;;;.;;.;.;.| |.;.;.;;.;;;| |
雪が散らつく今宵 |.;.;.;;.;;;| |,...;:;:;;:'''""'''';:;;:,.,.,...,...;:;:;;:'''....
雲で隠れし星を、;;⌒, |.;.;.;;.;;;| | .,.;:;::'''""""'
濁った眼で見たいと恋う'ヽ |.;.;.;;;;;| |'''''"'''''''':;:;:'''""''''"":;:;''"'';:;
= ''''iヽ,,_ノ((( ;;;;ノ 何より….;;;;;| |
( ノ )彡 '''' ⌒`) …何よりも| | "":;:;''"'';:;,.,.,........
| '-''' `ー' 人,,,::::::;;) 汚濁,塗れな己
| |;;;.;;.;.;.| 'ー ''', ⌒,,...、 舞う白き天熾に
| |;;;.;;.;.;.| ,-'~`ヽ...., ):;~) |.;.;.;;.;;;| |幾重にも…
| |;;;.;;.;.;.| ヽ, )))/⌒`) |.;.;.;;.;;;| |…星霜にも
| |;;;.;;.;.;.|( ノ= ''''iiヽ,,_ノ |.;.;.;;.;;;| |覆われ隔離したい故 . . . .
| |;;;.;;.;.;.| ( ノ ,,;;;) |.;.;.;;.;;;| |
| |;;;.;;.;.;.| '-'' `ー' |.;.;.;;.;;;| |"''''"'''''''''''''''':;:;:'''""''''"":;:;''"'';:;,.,.,
137 :
◆o0rnnbHBHo :2006/03/18(土) 23:44:02 ID:d2g77toj
| |;;;.;;.;.;.| |.;.;.;;.;;;| | .,.,;:;:;:,.,.,_ ,,,......,,,,;:;;;;;'''''
| |;;;.;;.;.;.| 静謐なる狂気を纏い .|.;.;.;;.;;;| | .....,,,,,;:;'''"'''"
| |;;;.;;.;.;.| 手首に血を滲ませ |.;.;.;;.;;;| |
| |;;;.;;.;.;.| 闇,漂う八紘の下 |.;.;.;;.;;;| |''''"":;:;''"'';:
| |;;;.;;.;.;.| 死を渇望 |.;.;.;;.;;;| | .....,,,,,;
| |;;;.;;.;.;.| |.;.;.;;.;;;| | 流した泪は
| |;;;.;;.;.;.| |.;.;.;;.;;;| | 零した命は
| |;;;.;;.;.;.| |.;.;.;;.;;;| | 微少なり星に
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |;;;.;;.;.;.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|.;.;.;;.;;;| | ̄逢えるといい ̄ ̄ ̄ ̄
|_|;;;,./'' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`\,.;;,|_|
138 :
◆o0rnnbHBHo :2006/03/19(日) 00:34:30 ID:EmxEr8jk
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四 四の刺客
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四 奴に教わったおいちょかぶ 白黒赤の渋い札 宝物に生き居る
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四 絵柄黒
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四 線四本の札は一枚足りない 奴への贐とし置き去った
壱壱壱壱■■■■■壱壱四 ホケッキョゥ
壱壱壱壱■■■■■壱壱四 鳴き下手な鶯
壱壱壱壱■■■■■壱壱四 親鳥の鳴き真似
壱壱壱壱■■■■■壱壱四 聞き入り
壱壱壱壱■■■■■壱壱四 ホケキョウ
壱壱壱壱■■■■■壱壱四 鳴く頃だ
壱壱壱壱■■■■■壱壱四
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四
壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱壱四
139 :
◆o0rnnbHBHo :2006/03/19(日) 00:37:26 ID:EmxEr8jk
一枚足りぬ札の束 札束代わりにポケット忍ばせ 鳴らし歩く 背中染み入る成り損ね
雨垂れは温い雪
奴が吸っていた銘柄と同じ煙草きつめに吸い 歩む足取りで地に擦り込む
アスファルト芽吹き枯れ果てぬ
夢か
真か
おいちょかぶのやり方を記憶している 夢でありえなく ひたすら歩く
140 :
◆o0rnnbHBHo :2006/03/19(日) 00:38:48 ID:EmxEr8jk
爪の隠し処が見つからないなんてのは兄ちゃんがまだ若いから仕方ない。手に掴んだ温もりなんてのは、
ずっと掴みっぱなしにしとかなけりゃ自分の物にならんよ。
春に巣立つ鳥みたいにな、餌取り要領得りゃ何処かに行っちまうもんだ。
おいちょかぶやんねぇか?
なぁ、兄ちゃん。
兄ちゃんには古臭い遊びかもわからんが、単純で人との出会いみたいな遊びだ。
若かりしき時分、二十歳過ぎた丁度兄ちゃんと同じ年頃の時に覚えた賭事遊びだ。遊興に耽ることが出来
るってのはなぁそれなりに幸せで余裕っていう居場所があるからで、そこから抜け出したら只の厄介者扱
いだ。賭博に明け暮れるっていうのはよ、目に朝が刺さって日光に当たるのが恐くなるって事よ。日中に
はさっぱり役立たずな目ん玉付けて夜更けに蛍光灯の太陽でその日暮し。小さい箱ん中で暮らしているん
だったな。
兄ちゃんにゃ何の恨みもないが、ワシの人相に恐がらない兄ちゃんよ。
おいちょかぶ教えてやるからやらねぇか。
ガキを置いて夜逃げした親などさっさと忘れちまいな。クッピンは親の特殊役なんだ、親と言ってもな兄
ちゃんの親じゃなくておいちょかぶの親の話。
借金するのにもな才が要る訳だ、一千万迄ならば才など無かろうが定職と保険証で凡人でも借り入れは出
来る。兄ちゃんには恨みも罪もないが、こっちも仕事だ、悪く思わんでくれ。
賭博一通りやってもな七千万の借金作る人はまぁず珍しい、ツキの無さを百万スッた時点で悟るだろうに。
二百万失った時点で開き直ったか、挙げ句はトイチの金利で土地付き押さえても足りない分だ。
おいちょかぶやんねぇか?
なぁ、兄ちゃん。
巡る因果には偶然という合わせ札、必然という枠の中のもう一枚、二枚、との兼ね合いだ。一枚で成立する
役はない。二枚の内一枚は己の出目。巡り合わせと相成る。
兄ちゃんの事は誰も憎んじゃあいない。一人っ子置いて逃げた親を恨め、親とおまえでブタとするほか無か
ろうに。
141 :
◆o0rnnbHBHo :2006/03/19(日) 00:46:40 ID:EmxEr8jk
札の合計がモノをいう、博打の常だ。
若い臓器も角膜も脊椎も高く売れる。若い兄ちゃんに罪もないが逃げた親の代償だ。見ず知らずの他人の体
に埋め込まれて生きりゃいい。パスポートの準備は出来ている、明後日発つまで勝負しないか。
おいちょかぶやんねぇか?
なぁ、兄ちゃん。札の黒さに染まってしまうほうが、楽なことったらありゃしねーんだからよ。
おいちょかぶやんねぇか?
なぁ、兄ちゃん。
兄ちゃんはゴケでもなぁ、ワシが出せば、シッピン。負けなんだ。
四角黒一枚 只肉体を以て角立つ時世に 悲しみ映さんと
刺客殺め刺客となる 死角此処に在り
俵握り飯四つ目食い歩く 四ツ谷 荒れ果てた戸口の面影
生き居る者あらば其処に見渡し尽くせぬ 死角広がり此れ暗黙のままに
指の腹 こびり付く米粒に歯を立て
食らい 歩く昨日から今日へと我 記憶は今に生き 兄ちゃんのまま
四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四
四四四四四四四四四四四四四四四四■■■■■四四四
四四四四四四四四四四四四四四四四■■■■■四四四
四四四四四四四四四四四四四四四四■■■■■四四四
四四四四四四四四四四四四四四四四■■■■■四四四
四四四四四四四四四四四四四四四四■■■■■四四四
四四四四四四四四四四四四四四四四■■■■■四四四 ■■■■■
四四四四四四四四四四四四四四四四■■■■■四四四 ■■■■■
四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四四 ■■■■■
角磨り減らし奴と同じ年の頃合いかとふと思い 景色面変わり果てた中■■■
木造西側一本生えた梅の木 山の崖っ淵よりビルの際に生息した変わりものの鶯を探し
脇の下から腰にかけて隠した短刀の確かなぬくもり .■■■■■
誰でもいいおいちょかぶの相手を探し歩く ■■■■■
如月の四ツ谷
142 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/19(日) 01:20:37 ID:EmxEr8jk
の
の
の
の の の
の の の の の
の の の の の
の の の の の
の の の の
の の の
の の の
の の の
の の の
の の の
の の の
の の
の の の
(*の_の)< Kowloon Shock の の の
の の の
の の
の の
の の
の の
143 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/19(日) 01:23:49 ID:EmxEr8jk
屋外プールに半身を沈めた月 小石を投げ入れて砕いた
ステンの煌めきで プールサイドの縁が幾分浮き上がり
その光に掬われて月の代わりに 揺らめいて 空に消え 俺は眠りにつくんだ
身を伏せた九龍の夜空が遠景の火種
反射して街を浮き立たせる夜
街明かり散々揺るがせ流れる
それが川などと信じがたい嘘のような流れで
幻を目に垂らし込まれているような倦怠
(*の_の)ノ<Hong Kong,Kowloon
Hotel“InterーContinental” Hello Hello
日中 ジムにてほんの少し肉体の衰えを知った
熱く痛む膝の内を殴りエレベーター内でよろめく
半年ぶりにチェックインした部屋も偶然に同じで
丁度空室がないシングルの時期なのか
滞在八日 ツインのソファー脇
可憐な房をもたげ首の細い白百合とめずらしい色の薔薇
赤みがほんの少し混じったココア色の薔薇が
抱くのに程よい壺花瓶にふんだんに咲き誇る
吸い殻ばかり増えていくのも馬鹿馬鹿しい
ビジネスステイリーマンフライト旅烏なら未だしも
硝子の細工を鎧に 三十代
仕事以外の目的が素直に言いだせなく
迂闊さをひっそり見せられる人を選ぶように
倦怠つの立つ割りと澄んだ風 窓越しに
多分 幸せだ 俺
でもな 近頃頭が痛いんだ 仕事のし過ぎか知らないが
頭痛が止まらない
綺麗なものを見ると尚更
緊張が一気に解れて分解しそう なんだ
144 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/19(日) 01:28:22 ID:EmxEr8jk
、/⌒^ヽ
(^⌒ゝノ~⌒ヽ
(^(((*の_の)ノ^)) ) 丶;;;;;:::::::,,,,,,,
........:::::::::;;;;;;;;;::::::........ (~ヽ〜 γノ)ノ ノ ;;;;;;;;;;;;;;::::::...........
/^⌒丶、 (´人`ノ `) /^⌒丶、
/⌒~ノゝ⌒^) ^~` ⌒~^⌒/⌒~ノゝ⌒^)
( ((^ヽ((の_の))ノ^) ( ( (^の_の)) ^)
( ノ( γ〜/~) 、/⌒^ヽ ( ノ( γ〜 /~)ヽ.......,,,;;;;;;;:::::::::::.....
( ´,^ノ`) (^⌒ゝノ~⌒ヽ ( ´,^ノ`) ノ;;;;;;;::::::::......
^⌒ ⌒(^(((*の_の)ノ^)) (^⌒ノ ⌒ノ/⌒^ヽ
~ヽ〜γ ノ ) ノ 、/⌒^ヽノ ゝノ~⌒ヽ⌒)
( ´人`ノ`) (^⌒ゝノ~⌒ヽ(の_のノ^) ) )
^` ~^⌒ (^((*の_の)ノ^) ) )〜γノ)ノ
........,,,,,::;;;;;... ~ヽ〜γノ) ノ 人`ノ` )
.......,,,;:::::::::....... (´ 人`ノ` ) ;;;;;;~^⌒
春華と会えることを楽しみに訪れた九龍 まるっきり電話をかける気配のない俺で三日過ごして
ジムで必要以上に足腰を鍛え ジェスチャーを大きめに大袈裟にやりぬいて
観光客とは異質な眼差しでビジネス以外はジムにいた
馬鹿か俺
部屋にいるとココア色の薔薇をじっと見つめて過ごすだけの
ステイになってしまいそうだから
何でかんでジムで下半身を強化したかった
145 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/19(日) 01:29:47 ID:EmxEr8jk
(*の_の) ←こいつが春華なのだ
Eメールの中の話で
Eメールではほぼ毎日話を交わしているのに
実際は直ぐ様会う気持ちにはなれなくて
大声を張り上げて喧嘩をする気力もなければ
激しい恋しさも覚えない
なぜなら(*の_の)はいつも俺のPCやモバイルに侵入してきたし 何より
「いつも一緒だった」
滞在ホテルは事前にEメールにて知らせてあるのも手伝って
俺は(*の_の)に敢えて連絡をせずに
今回の俺はTsim Sha Tusi界隈
気紛れに地下巡り潜伏迷子にもなるきもなかったし
(*の_の)に何回も歩きながら相づちを求めるつもりもなかったから
「(*の_の)はいつも俺の傍にいる」
だから会いたくなかったし
会うという意志にも繋がらなかったんだと
屋外プールの真前でホテルを背に石を投げ月を壊してきたんだ
それに気が付いてから三十分も経たない
馬鹿か俺
146 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/19(日) 01:31:45 ID:EmxEr8jk
部屋に一人ツインのくつろぎをカマす俺
虚ろに(*の_の)の送り付けてきた無数の 何の意味もないメールを思い出して
みても 記憶に 無い
けれど何気ないこと過ぎて当たり前になっていた日常だった
離れて暮らすのに疲れないように無くさないようにと
俺はツインのくつろぎをベッドに横たえ 何もかも滲んで見えなくなりそうだった
順調な日常に平穏な毎日
嘘なのか真なのかわからなくなりそうだ ああ
まずデスクに備え付けてあるルームランプが「の」の字に光りだした
プラグも「の」型になっている始末で PCの電源もコンセントの「の」形に無理矢理差し込んでみたが
ディスプレイからいとも簡単に(*の_の)は消えてしまった
ジムで流した汗の結晶の付着がシャツに擦れてこれも「の」の字に漂う
シャワーを浴びようとユニットバスにもたれかかるも
「の」のシャワー口から出る水流の圧迫が胸に真っ赤な跡を残し
挙げ句の果てにココア色の薔薇も「の」の字に咲いて窓の明かりを見ているではないか
本当は(*の_の)に今すぐ会いたいのだ(*の_の)に今すぐ会いたいのだ
ブランクがあったから気恥ずかしく
俺は「の」の字を掌に書いて一つ飲み込んだ後
ベッド脇の白い受話器を掴んで電話機を横に抱え
最後のナンバー「9」を大切にしっかり押す
鍛えた下半身 力をすうっと抜くように
九龍ステイあと三日の晩
月はのの字に照れて(*の_の)繋がるコールカウント フォー「の」以心伝心
>>136-137 竹輪さん,ありがとうございます・゜・(ノД`;)・゜・
いつかPCから見たいです!
どもです
脳みそ膿んで痛い声にならなかった
あぁあぁ呻くだけでよじれた背骨が復元したような
トゲトゲ鉄線クルマリスギサギサ鉄線クルマリス
呻くだけで消えた
,,,,,,,,;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
ハ| i/' // vlノ lソ'゙゙゙ ,,ノ′ ソl/'゙ //; ;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
,,,,,,,.......... <ミノ,,,,,,,..........
//
脳みそ膿んで痛い声にならなかった
//
あぁあぁ呻くだけでよじれた背骨が復元したような , -:;;;;,,‘、
// <ゝ・`:::;;..ヽ.
,// ,) ..ハヽ
トゲトゲ鉄線クルマリスギサギサ鉄線クルマリス .l .',ヽ\)
// l lヽ\)彡
// 呻くだけで消えた ! .....;;;l彡\)
ノノ (ノ'、 ...;;;;;;;! (ハ丿\ヽ)゛
、 _くミ、 、 , 、 , (ノ(、 ;;;;;;;; , lリ;ノ\)丿
,,ノ),,,,, // く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l/ノ'ヽ、;;;;;;;; .ノ) _) \)丿)
≒;=ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒爪_爪_);=≒≒;=ミ≒;==;==;;;;:,;,
~ゾ // ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ (/)/ソl/'゙ し)\\)\)゙゙゙;;;;,;,,;
´ '// " ´ ´ '´ (/ (ノ' (ノ'\)\)ハ
.// ノ'\)\)
POEM : ◆YAPoo/LC/g :2006/03/20(月) |丿\)\)
AA : 竹輪
化身
しめやかなる そして鬱々とひゃっこい気流
身を重ねた粒子が
姿 欲しいままに空ろ移ろう 番いの羽音を標的に
笑いましたとさ
えへらえへらと
身の程知らずな
色も持たぬこと嘆き入るとすれば 塵の煌き重さに従い落つる
身も無き程知らず
石っころに成れたとしても 一時の雹で たかが塊で
姿を持たぬと 溶け入る 凝り響き無く
引き得る力に 逆らえもせず
雹であったことさえ えへらえへら 痒がる様
気流の花弁が散る傍で 笑う事を覚えましたとさ
何かしら巡り脈打つ 赤紫の蔦先は
藍色の天空に這わせ蝕む根の如く
伸ばすものの
月を握り締め
砕こうとしたところで 根 張巡らせた筈の
天空は 白々しく 振り払う
旋風の一片にて 雷にも及ばず
腐り地に横たえる其の身
一時地這い歩き 土塗れて 産声を宿す
落つる
俄かに彷徨える孤の時 雷様の鳴り響き様
根の如く 地上に花を咲かせましたとさ
しめやかなる そして鬱々とひゃっこい気流
身を重ねた粒子 劈く地の上肉の上
えへらへら燃やし尽くし
落つる
地上に花を咲かせましたとさ
咲かせましたとさ
, -‐、 , -.、
/ 丿 ノ 丿
/ 、_ノ ./ 、_ノ´
/ 丿 / .ノ ,,-‐'⌒i
. / __ノ ./ /⌒ii´ /、_ ノ´
,_ /. `i丿/ / |/ ,.'~, -ヽ、
'(_) ; ̄ ̄ ̄~` ̄、~\-、 // 丿
,⌒、ヽ、___,、____, \ \\-丿
,-'~`ヽ.... )~) ( 、ノ\ \ \\\
ヽ, )))/⌒`) \_) /\._ \ \\\
ゝ= ''''iヽ_ノ / ノ\_, `、 `、`、 \
( ノ ) ( .| ヽ
'-''' `ー'ヽ ./ ,|
(´ ̄` ̄`─--、 /ノ |
o .;..。; ;; ;. ;; ; .゜ .;; .. ..; ;; 。
...;; ;;; . ;; ;. ;; ; .
..;; ;。; ;.゜ ; . ..;; ;;; .
. ; ..; ; ;;;..; ;.;. .
. ; ;. ; .; . ;. 。;; ; O
;. ;. 。;; ; ; . ; ;. ; .; . .
○ . ; ; .;;゜ ; ; ; ;。 .;;;. ;;;..; ;.;;゜ ; . ;. . . .. ; ; . ;.; ;゜;;. . .. ; ; o
. ; ; ;;。;; ; .; ; ; ;; . .
O . ;. 。;; ; ;。 ; ;..
... ; . ;;;. .. .;.;..;.;.;;.
. . .; ; 。. ;.;; .;.;.;.;.;.;
.;○; ; ;; . . ; . ;;; ゜; .; ; ;
.. ; ; ;.; ..; .;.;.;.;;..;.; O
。 ... ; ; ;. ;.; . ;.;;..;゜; ;;. ; .
『午前零時のストレンジャー』 〜あたしという他人の氾濫〜
.゜ .;; .. ..; ;; 。 ○
;。; ;. ;; ;O .
..;; ;;; . 。 O
;;;..; ;.;. .
. ;. 。;; ; O
. ; ;. ; .; . .
0.72キャラットのエメラルドは12粒の小さなダイヤモンドに取り囲まれていて
窓のブローチを過去から掻き集め
ありったけ胸元に飾ってたたずんでいる
気紛れな空の模様をあしらう鉄筋コンクリートの足元に影をばらつかせて歩いていく
あたし
ビルの角越しに覗く僅かな星屑達よりもあたしにとっては親密な間柄なのは間違いないと思う
エメラルドの輝きは窓に潜む赤の他人の憂欝さえも木っ端微塵にするわ
影が闇夜よりも濃く深くあたしに付きまとうから
あたしはあたしに誕生石以外の石の花をプレゼントした
それから
星の大都会の住民になったあたしは
右手の薬指から抜き取ると私の一日が終わるようになって
誰か知らない奴が決めた一日の終わりになど従うこともなくなった
不夜の宴は足首に近い所で蠢いている
いつも
。 ;; ;.. .. ;;. ゜. ; ;; .; ;; ;。..;. o
. ; ;; .; ;; . ;;; ;;...
. ;;; ;;.. . ; ゜.; ;。; ;;..
. .;.; ;..;;; ; ;.. ; .
O ; ;;。 .; . ;. ; .; ; .
. . ;. ; .; ; . ; ; ;;。 .; .;
o ; ; .. . .;;゜; ;.; . ; ; .. . . .; . ; ゜;;.; ;..;;; .;;;. 。; ; ; ; ゜;;. ; ; . ○
一日の疲れを癒す就床の為に一日が終わるわけじゃない
時の奴隷になどなりたくないから始まりも終わりも全部あたしが決めるようにした
月夜の晩には緑色の花を月光にかざして月をも染める
エメラルド ; ;;。;; ; ; .
..; ; 。; ; ;;。 .; . O
.;;.;.;..;.;. .. .;;; . ; ...
;.;.;.;.;.;. ;;.; .。 ; ;. . .
; ; ;. ;゜ ;;; . ; . . ;; ; ;○;.
O ;.;..;;.;.;.;. ;.. ;.; ; ; ..
. ; .;; ;゜;..;;.; . ;.; .; ; ; ...
皮膚にもう一枚人工の表皮を纏うとあたしは別人になれた
図鑑でしか見たことのない宇宙の中にいる実感なんて誰も教えちゃくれなかったし
銀河系に存在する意義なんて一生かかってもひもとけない
ガラスケースに飾られたりする縄紐なんかじゃあたしの琥珀色の思いなんか
縛り付けておけないんだし
地球が孕んだ石が宝石になるまで
石が石としての自覚なんか持たなかったから
地球の温もりによって然るべき様態を美に変えるエネルギーを身につけただけ
日本に住まうだけの宇宙人の仲間なだけになれるの
手が綺麗だね この一言であたしはあたしになれた
手が綺麗だねと排他的で自尊心の強い虫けらなんかに言われても
「アタシハナイテカナシムコトサエシラナイカラ」
オールナイト上映の映画を瞳の奥の上映幕に流し込む為
まだ零時に満たない時刻でも
エメラルドの指輪を指から静かに外そうとしている
何時からだろう
化粧を覚えて癪にさわることさえ漠然として
仕事なら何でも割り切れると思い込んだのは
手が綺麗だねといってくれた
あいつのキュっと強く蛇口を捻り止める指の動きを見ていたら
無性にあたしがちっぽけな
無重力空間に漂う裸石のまんまのエメラルドの星屑になったような気がした
あいつの指は男のくせにやけに長くてすっと美しい
そのあいつの指からあたしの匂いを丁寧に品良く洗い流すのが嫌だったから
あたしは琥珀色の涙を流してその指を名前も知らない他の男の体に結合する想像をしながら
眠らない街に背を向けて眠る 東京っていう窓たちが栄える
あたしみたいな他人と 他人みたいなあたしが栄え
あたしの夢に関係ない字幕が流れ込んできても
隣に座った鼻のいいオヤジが手を握ってきても 何も感じないように
あたしは上映が終わるまで銀幕とあたしのスクリーンとの距離を目蓋の目隠しのまま彷徨う
図鑑で見たあたしとこのあたしの差異を確かめるために エメラルドの夢を見る
「アタシハナイテカナシムコトサエシラナイカラ」
邪魔しないで
( ノ )彡 '''' ⌒`)
'-''' `ー' 人 )
'ー ''', ⌒、
、⌒,ヽ ,-'~`ヽ.... )~)
(~( ..../`~'ヽ ヽ, )))/⌒`)
(⌒~\((( ノ ( ノ= ''''ヽ_ノ
ヽ_~/'''' ⌒`) ( ノ ) 彡
彡( 人 ) '-''' `ー'
'ー '''-'~
,⌒、
,-'~`ヽ.... )~)⌒ヽ
ヽ, )))/⌒`)../`⌒'ヽ
= ''''iヽ_ノ((( ノ
( ノ )彡 '''' ⌒`)
'-''' `ー' 人 )
, ⌒ 、 'ー ''''''-'~
,-'~`ヽ.... )~)
ヽ, )))/⌒`)
( ノ ''''ヽ_ノ
( ノ )彡
'-''' `ー'
竹輪さん、梁山泊スレでは、審査ありがとうございました。
えー、申し訳ないですが、今回の作品の改訂版を此処に置かせて下さいませ。m(_ _)m
改訂作品専用のスレを立てようと思ったのですが、スレ立て出来ず…(T^T)
スレタイには、合わないかもしれませんが、何卒ご容赦を。
【語るにオチ作るは、ナンセンス?】改訂版(1/3)
突然の眩暈 薫り誘(イザナ)われて意識
蕾に接吻(クチヅケ)
観て 嗅いで 触れて
じっとり湿った 花芯を舌撫で 口に含む
くるくる くりくり
伸びた蔓 指絡ませ戯れる
針は動かない
一枚、二枚、三枚、四枚、五枚、六枚目は 無い
蒼い文字盤数えつつ 耳を傾け声を聴く
やはり 聞こえない
只 打ち震えるように
濡れた葉だけが 密かに笑う
南米原産 時計草
亦の名前を“パッションフラワー”
それは 激情の花ではなく
キリスト受難の花なれど
聖なる藍(アイ)は うつら うつら
永久(トコシエ)に 裂く藍(ラン)
より本能へ より野性へと回帰
刻 説き放て 解き放て
感覚は 人と獣の“境界”へ・・・
>158【続き】(2/3)
そう 教会
聖書に 第六巻まであっただろうか?
そんな事 知りはしないが 聖書が記した666は 獣の数字
今 示された傾国の鐘
要約 温故知新の響きあり?
されど Bibleの響きはイヤラシイ
脳髄ぷにぷに 洪水スイスイ
ノアが受けた天啓 真だろうか?
聖女の捧げた命は 実っただろうか?
く!、ROCK’の神様教えてplease
性・ナル・愛は 虚ら 現ら
って、ギリギリ キリキリ、うっさいわ!!
覚醒 書く性 騙に落ちる
そんな事、どうでも好いジャマイカ。
珈琲、片手に息巻いて
風は吹く 噴く
芭蕉の扇子は、良いらしい。
風邪の悪寒は、唐突らしい。
恋の予感に、恍惚らしい。
ウチのオカンは、深刻らしい。
>159【続き】(3/3)
世間の風の冷たさや rockに染み入る 南風の声
ウダウダ グダグダ、くだ巻いて、時計の針はすぐ巻いて!
私にセンスは、無いらしい。
ファッションチェックは、して欲しい。
どうでも好いけど要するに、トンチン勘なSixth sense。
虫の報せに、鍵掛けて
語感で遊ぶ、洒落頭。(シャレコウベ)
ロクデナシな私の頭には、“0”的senseが、お似合いかしら?
あっ!!今、背中越し、生暖かく悪寒な予感と冷たい視線・・・。
>>157 詩種さんこんちわ!
うん 面白さ加速したね
完成作品ここに収納してくれてOKだよ
たまに気が向いたらAA挿し絵したり出来るし
作品倉庫として自由に使って下さいな
そうしてもらえると逆に楽しみが増えます
ここでは私 たまーに挿し絵AA付けるくらいだから
評や感想はないけど気軽に書いてってくださいな
Vampire's gloss nude (T〜Yで完 一部改行修正 投稿ミスでカットしてしまった行追加)
T
一つ目の額縁の中は空で 金色の縁取りの外は生臭い生活そのもの
二枚並んだ肖像画 パパとママ 色気づいた年頃になった 僕
未だに微笑さえ苦手で 笑わない子を貫いているから見守っていてね
ずっと優しく微笑むだけの パパ ママ おはよう 木枠に金色の塗装
いつまでも剥げ落ちないようにフランネルで綿埃を拭い取る
月曜日の儀式
月曜日のみ 同居人のいない屋敷から一人家出する
時々様子を窺いにくるのは身寄りがなく遠い親戚の 小母様のみ
暇つぶしお節介家政婦なだけで 僕が居ようが居まいが
僕のトランクスを平気で洗濯し ゴミを集め
何を望み求めているのか 魂胆 不明瞭な働きをして
僕の生活を滞り無いものにしてくれるんだ ママ
「煙草が無いぜ買ってこいよ」
誰も居ないキッチン 椅子に向かって呟くと捲り忘れたカレンダーが落ちた
冷蔵庫の右側面にマグネット一つで留められていたのか
生命保険屋の粗品 社名が煩いカレンダー 拾い上げて
生ゴミ三角コーナーに突き刺す 星形マグネットは冷蔵庫の中
ウインナーのパッケージを留めて冷やしておくよ パパ
エイチツー エスオーフォー sulfuric acid
ガラス瓶の中で揺れる朝
「奴を半殺しにする為に計画などいらない出たとこ勝負だ」
陳腐な終章 昨晩に記した小説もどきを破り捨てた手で
おろし立て 固めのブラシを前歯に押し当てる
おぼえたばかりの煙草 ヤニを溶かし落とす 研磨剤入り歯磨き粉に咽る
紫煙は僕に愁いの表情を演出させる格好のアイテムと 覚えたから
間違っても 咽るなどと失態は他人の前でもしない
U
珍しく良く寝つけた朝の目覚め
いつもより丹念に歯を磨き終えてカラリン コップに歯ブラシを突き立てる
ミルの取っ手を軽く握り マホガニーの木目が細やかに渦巻くつまみ豆を擂る
モカの粗挽きをサイフォンに落とし入れ
硝子越しに アルコールランプの炎が水を突き上げるのを見ていた
歯磨き後に飲むコーヒーは不味くて良かったから
水の沸点 上層の円筒形の硝子で起こる対流 モカの粗挽きの茶色の攪拌を楽しんだ
目一杯肺活力を使って アルコールランプの炎を消す
僕は自由を知っているようで 不自由
不自由を蓄積し 自由が束縛無しには存在しない事を知った
いってくるね バーイ 額縁の外
歯科に通いなさい 小母様はそう僕に言いつけて微笑んだが
口腔外科の相談窓口にももう用事はない
インプラント義歯 矯正治療 僕の歯並びを否定した大人達 さよなら
八重歯の乱ぐいによって僕が困ることはないと知ったから
ヴァンプとあだなを付けられて 皮肉られる僕の外見的要素に恥じたりしない
ドクターは診察台に横たわる僕の唇を冷たい指で押し上げて
随分と長くて尖った八重歯だね
レントゲンを見ながら 抜くより矯正して歯の先を少し削ろうかと提案して
僕に薬品臭いパンフレットをくれた 早速
僕は読破し図書館の隅にそれを無断で寄贈した
V
劣等万歳
月曜日 校舎は風景画の中 無関係な息吹
色白 華奢な体 声変わりもしないで ハスキーなままの声
女に生まれたら良かったのにね クールビューティと
僕が好意を持っている事 隠すままの美形 スタイル良しな女の子に言われ
鏡に映る僕を 視界から抹殺する方法を考えて眠れなかったのは先週の金曜日
遺伝に因る ママ譲りの劣性
劣等万歳
手立ては僕の両眼を潰す事から 思いついたが
無口 無表情 薄毛 流行の俳優とは正反対を地で行く切れ長サムライフェイス
演劇部で侍役やってくれよ 脇役足りないしはまり役だぜ
お前古くさい顔だよなと 僕が尊敬していたガタイの良い先輩に言われ
八重歯の出所と因果関係のみ分からないまま 金縁眼鏡をへし折った卒業式
パパ譲り 僕の遺伝子
港に近い 海を背に廃墟になった工場 朽ちた匂いは潮風に巻き取られて
サイケなヘアーセットを乱すだけの旋風 こんにちはと
モミアゲ ワックスで捻り上げてロングなままオールバック
メタルブーツ 黒地にマルチカラードットシャツで日中からまた朝が来るまで
洒落込んだ馬鹿な男になって踊るのだ
一週間に一度 月曜日に入り浸る 僕が
今日は硝子の瓶を大切に抱いて 時空を歪ませて響くその中
音響効果抜群のクラブ DJはフェイクファーストールに巨大鳥の巣のような
ヘアピース 横目でちらりと素通り
靴裏の摩擦と幾十もの薄い影を落として
人込みを抜ける 床は艶かしくオイルが染みて
ヒール跡に研磨された模様の灰色花柄に見えた
W
WCまで長い廊下にずらりと蝋人形が並ぶ
ピエロ 紳士 淑女 平民 老人 若人 成金 醜女 ライトアップされて影を宿す
奥の部屋には逃亡を企て 灯台下暗しと言わんばかりに
この工場 人形を作っていた会社だったという そして
現在 元々の社長が沢山の美人をはべらせて潜んでいるという
先週の月曜日
喚きながら乱入してきた男がそう告げた 消音銃だからとまるでアクセサリーのように
チェーンで首から下げた汚れたスニーカーを履いた初老が
奪い取られた きっと 女の名前を絶叫しながら
踊るしかなかったんだ そうだよね パパ ママ
あの男も蝋人形になって いつかここに並ぶんだと
紳士が差し出している先の折れた薬指に触れながら 蝋の光沢を僕の手に移していると
染みズラのガマ蛙 イカした仕立てのサイドベンツ スーツ姿の男がWCより出てきた
直感で奴がその元社長で 女をはべらせている亡者だと僕は確信した
「額縁の外で僕は生きるよ 見ていて パパ ママ」
僕が蝋人形との間の壁 寄りかかっていたせいか
ガマ蛙は僕に気が付きもせず 油切った脳天パゲに間接照明のオレンジを集めて
僕の前を通り過ぎた
背中から飛び掛り 僕はゴルフや格闘技の匂いのするガマ蛙に劣等感を抱きながらも
蝋人形よりも蝋人形らしい 僕を誇り 一発股間に後ろから蹴りを入れて
ガマ蛙を床に跪かせた 四つん這い
僕はポケットに蓋をきつく捻りいれた硝子瓶を
まるでフェロモン入りのパフュームを取り出すように手にとり
内ポケット弄るガマ蛙の動きを止めるように 背中を踏みつける
X
「護身に拳銃なんて オッサン ダサいよ」
ガマ蛙は横目で僕を睨み付け 銃口を僕に向けた
「何が望みだ 少年 おまえこそ薬品? 舐めた真似しやがって」
ダサいね ガマ蛙 四つん這いの利き手逆 脇腹 蹴り飛ばせばシッキューン
自分の顔面打ち抜いちゃうんだぜ
凶器は自分の為に使うんだ オッサン
明日はちゃんと登校するよ ママ
パパ 僕は必ずパパ以上の地位と名誉を得るために勉強する
僕にはガマ蛙ほど今は装飾品無いけれど
奥の部屋にいるはずの美女達を今に平伏せさせてやる
クロコダイルのベルトが腰に似合うようにはなりたくない
僕は 蝋人形の 老人の髭を叩き落として シャツを脱ぎ着せた
色白に生んでくれてありがとう ママ
乾燥した日に唇を傷つける程に鋭利な八重歯
実態 この体 姿 劣等の不利を生かすすべ
歩きながら叫びを殺した 透明な液体を胸に擦り込み
間髪入れず襲いくる 瓶から床に流れ落ちる白い煙と共に歩む
薄暗く遠くから スローテンポなテクノがこだましてくる
全裸だぜ 僕
色白に生んでくれてありがとう 肌が焼け溶ける跡に真っ赤な花が咲くよ
劣等万歳
蝋人形のセクシーポーズ真似てから
瓶ごと 突っ伏しているガマ蛙目掛けて投げると 小さな弧を描き
光は床に霧を這わせた
ドアを開けて 額縁の中 僕は劣等を捨てる
Y 〜破られた終章という序章〜
シャンデリアは揺れている
ドアの縁は真鍮に縁取られた シャープな額だ
涙を凍結させて飾ったクリスタル 撹乱の細い粒子 光の輪
時計の針が狂ったままで 鳴く十一回 午後二時のカッコウ
「僕は生まれたときから裸で一人」
湿度が高い空気の層 放射線状に軋んだ天井 から傾き 今にも
落ちて来そうな眩さの シャンデリアは闇を刳り貫いた白いヒガンバナ
ソファーに横たわった 幽玄の白肌 ベッドにて
かたまる肉人形 それは 人間
眠り入っている者 壁に手を突いて無い窓を手探りしている者 人形人間
人は間無くして人になれないんだね パパ ママ
髪の色香は幾重に折り重なる 肌色に灯った漆黒の炎
それぞれ 血の通った肢体を誇らしげに突起させていた
女達は想像よりも年増で 娼婦よりも気高く そして
貴婦人よりも自堕落に視線をゆったり 動かしながら微睡んでいた
ドアの扉一枚隔てた世界には ただっぴろい 世界
時間を濃縮した密度で光に添い 歪みが生じていたのだった すべて
長い廊下右にずらりと並ぶ 蝋人形ターンアラウンド
醜女 成金 若人 老人 平民 淑女 紳士 ピエロ
「銃口は再度 白くたるみのない背筋に向けられているぞ」
祈りを捧げ続けている蝋人形の後ろ
配置されている間接照明の電球が点滅し始める 瞬間
それは髭を無くした老人 蝋人形の横顔が陰り
娼婦 子供 浮浪者 戦士 農民 と表情を様々に浮かべながら
蝋人形が無言で並んでいる 廊下左 呻き声が小さくこだましている
「死ね」
劣等こそ
ノイズはリズムに押し出され ウッと床のざらつきに立ち上る
突っ伏していたガマ蛙を取り巻く 温い血液が
影の姿をかりて立ち上がり かき消した音を含み
流動 引き金に手を掛けたままの指が 得体の知れない圧力と
重力に引き付かれる 瞬間
ガマ蛙の顔が パパに
ソファーで爪を磨ぎ 目配せをする女の顔が ママに変わる
「狂喜の歌声高らかに背中迫りくる弾玉奪えたとしても肉体のみ
失いの愚者生きる場所選ばす!」
変わり 果てなきリズムは遠く廊下漂う
ピエロの首がもげて 床に転がり落ちる音がコングラチュ
瞬時にサンプリングし 永遠にスクラッチを繰り返すDJ
一つ目の額縁の中は空で 金色の縁取りの外は生臭い生活そのもの
二枚並んだ肖像画 パパとママ 色気づいた年頃になった 僕
未だに微笑さえ苦手で 笑わない子を貫いているから見守っていてねシィッキューン
「空の額縁 空の中 空っぽに見えるうちは大人じゃないんだね ママ パパ」
額縁の中のヴァンプの胸には
光陰の通り穴ともいうべき キャンバスの裏から弾丸が通り抜けた跡があるという
若い雄以外の何者でもない 微笑すら浮かべるヴァンプの胸に
END
>161
メタリック竹輪様々、ホント、蟻が蝶〜(^人^)!!
置かせて頂けるだけで、蟻が隊です。(T^T)(爆
『心臓』
轢き契って貪るのは
汝の器(からだ)か己の魂か
滴る鮮血は糧には為らず
腐敗を促す麻薬
浴びても塗れても厭きたらず
手当たり次第に噛付き叫ぶ
嗚呼…喪ったからには
闇に封じ込め
空蝉だけは歪に笑おう
171 :
Metallic Bamboo Ring〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/32(土) 01:08:23 ID:8ZV+rLlg
, ';;: ̄゛`ヽ、
/;;::: ´・ く>
/ハ,, (.
/,ノ ゛ヽ
,,,彡/l:;;:; ヽ)
(//彡;;; ミ.),,,ノ)
//(ハ{ !;'、 ;;;;;; ;リヽ}\,,,丶
(/ノ;リ , :;;;'、;;;;;;;ノ人)\)\) (^)/_)
(ノ(ハ,,,爪 爪ヽヽ ノ'\) (w)丿′0
//(/(//(ノ;,,,;=;,, ヽヽ ,-丿-、 , -、
/(/(/(ノ',,=''" )ハヽ=-___ ( Y ノ ,、 (^)
(/(/(/ー(i-;ヽ__) /(⌒ Y~ )=,(⌒ヽ>!!!ヽノヽ)/_) |‘(^)
'''''ン)、) /( ノ!!! ⌒)、,,, -=--,,,,-、ヽ ,__ (^)| 丿0
,ノー,(、`ヽノ''''' )、_ノ /ヽ/ー、(⌒ヽ、,-'⌒)/_)
(~ !!!!`ヽ^ヽ,、ノ (⌒iiii/) (__,,ノ!!!`ー,-',, __ノ⌒)-=;,,,(‘ヽ(`'ヽ, ノ) _
`-' `ー' (⌒''ー'、/-,, ( ;'' `-/ )ミ::<'''__,)== ,⌒ヽ..ミ:: ⌒ノ/_)丶
`ー::彡) ヽ\ `ー'(w)`'`~( )、) ( ,=''"ヽ__,,-'''、__ン ヽ(^)
(ノ ヽO `ー' ‘`ー'ヽノ(w) ヽO
(^) (w)
172 :
Metallic Bamboo Ring〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/32(土) 03:20:06 ID:8ZV+rLlg
さくらは月にとけて 月は海にかえる そのとき海は空をみっけた
173 :
Metallic Bamboo Ring〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/32(土) 03:21:43 ID:8ZV+rLlg
/´゛ ̄`丶,
< ヽ・` ..,,丶
,,.) ,ハ
/゛ ヽ,丶
( ,,;;;丶彡),,,
ヽ,,,. ;;;彡)\
/,,,; '、 ;;;;;;; ハ)\丶)
(_)丶(^)(/(/ヽ、,,,;;;;;;: , )ヽ)\)
0,丿(w) (/(/ 爪 爪,,,ハ)ヽ)丿
,、(丿(⌒/⌒ヽ!!!!ヽ)\\)\)\)
(^) (ヽ⌒Y⌒ノ ) /ハ(⌒ヽ,!!,,'ヽ)\)\)\)
l(^) (_(/ヽ/!!!/⌒),=(⌒~Y ⌒)丶(⌒ヽ/)丶)\)\)
0丿) (^) l_, /)、,,,, ,,,、(⌒ !!!ヽ人ノ丿⌒ヽ,,,,丿レ、,,丶) ,,/)
(_^丶(⌒',iiii/⌒)、(ーヽ,,,/⌒人_ノヽ,,丿ヽ_、( '''''ヽ/´、)(w)丶)\)
/⌒ヽ /⌒ヽiiii丿⌒ゝ _(ヽ ,/'´)/),,,(⌒ヽiiii,,'^)´!!!ヽ,,_) (丶iiiiノ⌒)人 ヽ )
174 :
Metallic Bamboo Ring〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/32(土) 03:27:28 ID:8ZV+rLlg
(_丶!!!ヽ⌒ ::ミ../⌒, (,_⌒'''(⌒丶-iiii´ ''; ) ,,''⌒) (_人_,ノ (,,,,人_...ノ
(^))/ ン)_、'''(,,_/"'', ) (、( )~´(w)(
O/ (w)ヽ_/´'(ノ ヽ)
ヽ, )))/⌒`,ー'ヽ)⌒,,,^-, ,ーヽ, )))/⌒`, /_),-'~`ヽ.... )~)ノ
ゝ= ''''ヽ_ノ!!!!ヽ_)ー!!!!!ヽ__) ニ= ''''ヽ_ノ)ノ/_)ヽ, )))/⌒`,,,,)
( ノ ) l|ll::.. `ー'-`==( ノ ))ノ /_)ゝ ''!!! ''''ヽ くノ)
'-''' `ー' l|ll::'-''' `ー' `''=-,,,!!!,,,〉 ( ノハ ) )ノ
|l i!. lll ll!!l:( ノ ), -, --、,,=''"!! 〉ハヽノ
l|ll::.. ,,!!l ! .!iill'-''' `ー' `ー ヽ_) /(⌒ Y~ )
|l i!. lll ll!!l:!|ii( ノ ''''ヽ'''''ン)、) ( ノ!!! ⌒)
l|ll::.. ,,!!l ! .!iill ヽノ''''' )
|ll::.. ,,!! ii ! .!iill
|ll::.. ,,!!l | ! .!iill
||l.. ,,,,!! ,|:: |l _ll lll|
|l!!,,, !. lll lll:!|ii、./._)
|ll::.. !!l | ! .!!!illl(ノ
|ll::.. ,,!!l | ! .!iill!!//
||l.. ,,,,!! ,|:: |l _ll lll|/
175 :
Metallic Bamboo Ring〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/32(土) 03:29:00 ID:8ZV+rLlg
l|liii !. lll lll:!|ii
|ll::.. !!l | ! .!!!illll
||l.. i|:: |l _ll lli|l!l!,,,,wW,,,,,
wwW从从ww !i/|l i!. lll ll!!l:!|ii!l!、,,,,
从 !!//! l !: ! ll|l|!!!! ,,,,,il丶,,,,,!!,,,,,,,、
y,,ノノ ノ | l 人ゞ\ \へ,,、,,,,,,从.......从ww ,,,,,,
yVV ,_,,ノ^ノ ,)ノ 人!!! ゞ、ノ〜 丶人,,,,,,,,,,,,!!! 、
ww 从ノノ`ー " ノ^丶 `ー,,,,、」ノ !l 、_ノ,,,,,,、ヽ,,,,w从,,,,,,,, .........
从从wwー `wwー丿 ...... 从从 ヽ 从从 wwW从从.......ww
『えくぼ』
窓を 開けたまま
ソファーに寝転ぶ 金色を見ていた
寝返りをうって
ゆっくりと動いていく.........,,..
.;;;,,
::;;;;;
::;;;::
:::;;;;
ノY⌒^⌒`v'⌒^⌒`v⌒^⌒`v'⌒^⌒`v'⌒^⌒Yヽ、
Ω,____,,,,,,/ ::::::::: Ω._,.,.,.,,,丿__
[__];;__」 月を見ていたかったんだ ..,,,,;;;;;; [__];;;;;;;;;;;;;;;;;」
| || ,ノ ,.,.,.,.,,,,,,;.;.;.;;. .;';';';' | ||  ̄ ̄ ̄|
| ||,/ ,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,,,,,,,,,,,,,,;.;.;.;.;.;.;.;.;;;;;;;;;;;;.ノ| || |
| ||( , | || |
| ||,丿_人 ,〜ヽ、 ,,入____ノ_ハ_ ヽ ,人_ ハ| ||____,」
|_||"⌒~ ^⌒ ~⌒⌒ ^⌒^^ ~'⌒'|_|| |_||;;;;;;;;;;:::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
.........,,,,,,,,,,,,,:::::::;;;;;;;;;;;;;;;,,,,, ;;;;;;;;:::::::,,,,,,,,,.....
..............,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;:: ;;;;;;;;;;;;;;:::::.......
.......,,,,;;;;;;;;;;;;;;:: :::::;;;;;;;;;;;;,,,..........
..............,,,;;;;; ::::;;;;;;,,,............
........;;;;;;::,,,,,,,............. .................
.................,,,,,,,,,,;;;;.......
..........,,,,,;;;;;,, ................見ていたかったんだ
楽しかったよ
すごくすごく
楽しかった
桜の花がきれいだった
空がとてもあおかった
あたしすごく楽しかった
また一緒に歩こうね
180 :
Metallic Bamboo Ring〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/03/32(土) 23:57:00 ID:8ZV+rLlg
>>719 ,⌒ヽ、
,-'~`ヽ,,.... )")
ヽ, ,)))/⌒`),⌒ヽ
,⌒ヽ、 ゝ '''' ヽ_ノ,,.... )
,ノ'`ヽ桜の花がきれいだった ( 人 )ヽ,,iiii,,/⌒`)
( ..空がとてもあおかった '-''' `ー'゛ '''' ヽ_,ノ
''ゝ, あたしすごく楽しかった ( 人 )
( また一緒に歩こうね '^⌒ ''''~′
ノ.^ヽ.'-''' `ー'
″ヽ,,,,_)
.ノ^.、
(_,,,,ノ″
,,,,....,,.
, " ...:;;、
<ゝ・` .::;;ヽ.
,) ハ),,,
l ',ヽヽ)..."
″.l lヽ彡) ,,,,.......
(ノ| ...;;;l,彡\)(⌒ Y~ ⌒,) ,,
(y) /丿 (ノ'、 ;;;;;;;;;; (ハ)\)ヽ..),⌒.、 (y)
(⌒ヽノ)/ノ'ヽ、;;;;;;;;;;;;;;リノ\)'~`ヽ,,,,.... )~)/′/)
(⌒''ー')/).ヽ,, 爪爪/)ヽ)ヽ,> )))ノ⌒`.)/_)ヽ,,,
`ー::iiii),-、⌒ヽヽ)\\(ノ''( .... ''''ヽ_ノ , ⌒゛、......
(ノヽ( (ヽノ( )`);;; ゛ヽ...( ノ゛ .) ,ノ'~`ヽ ....''ヽ''')
(_./;;iiii(;;;;〉  ̄`ヽ ヽ)/_)'`ー' ヽ, ,,, iiiii:::;;/⌒`)
ヽ( ヽ,,丿 (y)|)ノ\|)'ヽ~`ヽ,,,,,( ヽ⌒ ''ヽ,,,,ノ''
⌒ , ⌒''、 ( ) /_) ( 人 )在水面搖動的櫻花的花瓣淺紅色顏色
/⌒ヽ...._)-、\\ )ノ;;;'''-''' 丿`ー'ヽ)/_)
> ::,,)iiii,, ) ,,,ヽ|)/ヽ)/_),,,,/) )ノ丿''''
聽著北風的聲音(___、ノ,,,,' '-'"ヽ) '(''\Vヽl)/)/'~`ヽ'~`ヽ夜裡的櫻花 返回睫毛圍著的世界
( ,ノ;ヘ)ヽ) /_))\\/ ~ !!!!`ヽ⌒`) ..
,ノ'~`ヽ.... )") \\ ,⌒、`ー'/_)(y)
ヽ, )))/⌒`, /_),-'~`ヽ.... )~))..ノ
(,^ ヽ..''''ヽ_ノ)ノ/_)ヽ, )))/⌒`....) /_)
ノ( ノ...,,,;))ノ /_) (:: 丿''/、''ヽ_ノ/_),,...
ヽノ`''-' '''⌒'~)ノ 'ー''' '''-'~ \\
183 :
Metallic Bamboo Ring〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/04/02(日) 03:00:26 ID:jtHZdwcw
,,,,....,,.
, " ...:;;、
<ゝ・` .::;;ヽ.
,) ハ),,,
l ',ヽヽ)..."
″.l lヽ彡) ,,,,.......
(ノ| ...;;;l,彡\)(⌒ Y~ ⌒,) ,,
(y) /丿 (ノ'、 ;;;;;;;;;; (ハ)\)ヽ..),⌒.、 (y)
(⌒ヽノ)/ノ'ヽ、;;;;;;;;;;;;;;リノ\)'~`ヽ,,,,.... )~)/′/)
(⌒''ー')/).ヽ,, 爪爪/)ヽ)ヽ,> )))ノ⌒`.)/_)ヽ,,,
`ー::iiii),-、⌒ヽヽ)\\(ノ''( .... ''''ヽ_ノ , ⌒゛、......
(ノヽ( (ヽノ( )`);;; ゛ヽ...( ノ゛ .) ,ノ'~`ヽ ....''ヽ''')
(_./;;iiii(;;;;〉  ̄`ヽ ヽ)/_)'`ー' ヽ, ,,, iiiii:::;;/⌒`)
ヽ( ヽ,,丿 (y)|)ノ\|)'ヽ~`ヽ,,,,,( ヽ⌒ ''ヽ,,,,ノ''
⌒ , ⌒''、 ( ) /_) ( 人 )在水面搖動的櫻花的花瓣淺紅色顏色
/⌒ヽ...._)-、\\ )ノ;;;'''-''' 丿`ー'ヽ)/_)
> ::,,)iiii,, ) ,,,ヽ|)/ヽ)/_),,,,/) )ノ丿''''
聽著北風的聲音(___、ノ,,,,' '-'"ヽ) '(''\Vヽl)/)/'~`ヽ'~`ヽ夜裡的櫻花 返回睫毛圍著的世界
( ,ノ;ヘ)ヽ) /_))\\/ ~ !!!!`ヽ⌒`) ..
,ノ'~`ヽ.... )") \\ ,⌒、`ー'/_)(y)
ヽ, )))/⌒`, /_),-'~`ヽ.... )~))..ノ
(,^ ヽ..''''ヽ_ノ)ノ/_)ヽ, )))/⌒`....) /_)
ノ( ノ...,,,;))ノ /_) (:: 丿''/、''ヽ_ノ/_),,...
ヽノ`''-' '''⌒'~)ノ 'ー''' '''-'~ \\
184 :
Metallic Bamboo Ring〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/04/02(日) 03:04:43 ID:jtHZdwcw
(`'ヽ,) _
,⌒ヽ..iiii ⌒ノ''
ヽ__,,-'''、__ン, '~)
(⌒ヽ(ヽ、,'⌒)`ー'( ) /''~
((ノ !!!ノ ⌒)、,-、| ノ)
_,,__(~⌒ Y .ノ .,、
`ー'-`(ノ、!!!(、,,)、_ヽノ ) , ― :;;、
請瞳孔閉上 `'',,,-;,,,;丿);,,,反芻 持續唱的歌 <ゝ・`:::;;''ヽ".
, -, --、,,=''" 〉ハヽ=-___ ( Y ノ , ,) .ハヽ,,,
`ー(--;ヽ__) /(⌒ Y~ )=,(⌒ヽ>!!!ヽノヽ)./_) l ',ヽ)"
'''''ン)、) /( ノ!!! ⌒)、,,, -=--,,,,-、ヽ ,__ ,, l lヽ彡)
,ノー,(、`ヽノ''''' )、_ノ /ヽ/ー、(⌒ヽ、,-'⌒)/_)..| ....;;;l彡)\) "
(~ !!!!`ヽ^ヽ,、ノ (⌒ヽ/) (_,,ノ!!!`ー,-',, __ノ⌒)=;,,,(ノ'、 ...;;;;;;;!ハ)\(ヽ(`'ヽ, _/_)
`-' `ー' (⌒''ー'、/-,, ( ;'' `-/ )ミ::<'''__,)/ノ'ヽ、;;;;;;;; , lリ,⌒ヽ..ミ:: ⌒ノ/_)
`ー::!!!!) ヽ)\) `ー'(w)`'`~( )、)(ノ`=/_)爪ニ爪,=''"ヽ__,,-'''、__ン
(_丿ヽ)`ー' `ー' (/ し)\\)/_)`ー'ヽノ(w)
( (ノ'丿\)\)ハ)"
(ノ'\)\)\)
(ヽ(`'ヽ,) _
,⌒ヽ..iiii ⌒ノ)
ヽ__,,-'''、__ン
`ー'ヽノ
(ヽ(`'ヽ, _゛
,⌒ヽ..iiii ⌒ノ
ヽ__,,-'''、__ン
`ー'lヽノ゛
桜と雀はたくさん描いてきたけど まだまだ飽きない
何故か飽きない ずっと描いていたいな 今の季節は
,,,,,.....
, ';;: ̄゛`ヽ、
/;;::: ´・ く>
/ハ),, (.
,,;;;/,ノ ゛ヽ,,
(`ヽ,,(彡/l:;;:; ,,ヽ)
(ヽヽ(//彡;;; ミ.),,,ノ)゛
(ヽ///(ハ) /、 ....,,,,,,;;;;;;ヽ)\,,,),,,,,..
//(丿(/ノ(:::;;;;;;;;;;,,,,ノ人)\)\)
(ノ′(ノ″''座ってる雀もかわいい゛
足を上手に折り曲げて座るんだ
187 :
名前はいらない:2006/04/02(日) 05:29:40 ID:1nIDVuB2
竹輪っちのスレ見っけ!
おまとめさんきゅでした。
しかしこのAAコラボスレすげーな、おい!
188 :
にぃちぇ ◆UQRl.WeFEk :2006/04/02(日) 05:30:32 ID:1nIDVuB2
はじめて書き込むスレだから名前入ってなかった。(爆)
189 :
Metallic Bamboo Ring〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :2006/04/02(日) 05:55:57 ID:jtHZdwcw
(^)/_)
(w)丿′0
,-丿-、 , -、
___ ( Y ノ ,、 (^)
(⌒ Y~ )=,(⌒ヽ>!!!ヽノヽ)/_) |‘(^)
( ノ!!! ⌒)、,,, -=--,,,,-、ヽ ,__ (^).| 丿0
,ノー,(、`ヽノ''''' )、_ノ /ヽ/ー、(⌒ヽ、,-'⌒)/_)
(~ !!!!`ヽ^ヽ,、ノ (⌒i/) (__,,ノ!!!`ー,-',, __ノ⌒)
>>187-188 にぃちぇさん いらっしゃい ここに詩を書いていただければ 気まぐれで
AA挿絵します ってか楽しすぎ 笑
みなさま 気軽に投稿してね
,,,,....,,.
, " ...:;;、
<ゝ・` .::;;ヽ.
,) ハ),,,
l ',ヽヽ)..."
″.l lヽ彡),,.... ,,,,.......
(ノ| ...;;;l,彡\)(⌒ Y~ ⌒,) ,,
(y) /丿 (ノ'、 ;;;;;;;;;; (ハ)\)ヽ..),⌒.、 (y)....
(⌒ヽノ)/ノ'ヽ、;;;;;;;;;;;;;;リノ\)'~`ヽ,,,,.... )~)/′/)
(⌒''ー')/).ヽ,,爪爪/)ヽ)ヽ,,,,> )))ノ⌒`.)/_)ヽ,,,.......
`ー::iiii),-、⌒ヽヽ)\\(ノ''( .... ''''ヽ_ノ , ⌒゛、......
(ノヽ( (ヽノ( )`);;; ゛ヽ...( ノ゛ .) ,ノ'~`ヽ ....''ヽ''')
(_./;;iiii(;;;;〉  ̄`ヽ ヽ)/_)'`ー' ヽ, ,,, iiiii:::;;/⌒`)
(ヽ( ヽ,,丿 (y)|)ノ\|)'ヽ~`ヽ,,,,,( ヽ⌒ ''ヽ,,,,ノ''
⌒ , ⌒''、 ( ) /_) ( 人 )
,,''~'''''''ヽ、 /⌒ヽ...._)-、\\ )ノ;;;'''-''' 丿`ー'ヽ)/_)
/;;::: ´・ く>/(ノ)ソ)ヘ、,, > ::,,)iiii,, ) ,,,ヽ|)/ヽ)/_),,,,/) )ノ丿''''
.|;; ..ハ)\)\ヽ)`丶丶、 (___、ノ,,,,' '-'"ヽ) '(''\Vヽl)/)/'~`ヽ'~`ヽ
ヽ ..,,,ヽヽ)ヽ\,,ゝ\)"ソ)、,,, ( ,ノ;ヘ)ヽ) /_))\\/ ~ !!!!`ヽ⌒`)
(ノ`ヽ, ;;;;ヽ,,,\)\`)\ゾ)、)\ノ'~`ヽ/⌒~ヽ....)") (\( ,⌒''、`ー'/_)(y)(_. 丶 〉''''
(/(/`ヽ,,,, ,,,,丿;;;l彡)\)`\\ヽ\,,ヽ, )))/⌒`, /_),-'~`ヽ.... )~))..ノ丶⌒..`'''''′
(ノ/,,,/ノ (ノ'(入爪爪;;;;;;;! (ハ,,,\ヽ,,,`\)ヽ)⌒''(^ ヽ..''''ヽ_ノ)ノ/_) ,,)))/⌒`....) /_)''''
/ノ / / /ノ'ヽ、;;;;;;;; , lリ;(ノ\)ヽ),.. "\ノ( ノ...,,,;))ノ /_) (:: 丿''/、''ヽ_ノ/_),,...
(/,/,,/乂,,/(/ (ノ'丿\γ`ヘ,,)\ゝ、、ヽ)\X\)'''⌒'~)ノ 'ー''' '''-'~ \\
(/(/ し);;:\\)\,,)`\,,);;;、,, ,ノ'~`ヽ/⌒~ヽ....)") (,,,\( ,⌒''、/_)
(ノ'\)\)ハ),,,ゾ\,,) ヽ, )))/⌒`, /_),-'~`ヽ.... )~))
,,)ノ'\,,;′`~ (^ ヽ..''''ヽ_ノ)ノ/_)ヽ, ,,iiii/⌒`....)
......ノ( ノ...,,,;))ノ /_) (:: 丿''/、''ヽ_ノ/_),,...
ヽノ`''-' '''⌒'~)ノ 'ー''' '''-'~ \\
今日もさんざん描けてさっぱりした
やっぱり文章を書くのも大好きだけど 絵を描くほうがもっと好きだあ
ここで遊んでたい
おやすみ
ペルシャがいいな
ペルシャへ行きたい
『Flyer,Liar,飯島氏 』#1
突く生傷に腐敗とは場所のことで無し
風漫ろに連れ添う景色とも似て異なり
多々この場所居付く絵師にも留まらぬ
群れ成すさもしく蜻蛉もどきの腐れ死に
たかが一匹の命とてされど一匹の運命で
誰が泣き喚くかと電脳の小窓を覗く今日
「俺は飯島と申しますそして 又の名を竹輪と申しますああわかってますよねはいはい」
あんた如きに挨拶せねばと腹を立てるのもこれが最後の吹き言で
廃れた看板目前と突き動く酸味は味と云いましょう敢えて此処ぞと
星は綺麗なクリムゾン染んでしまえな程に遠く
赤は血より赤くないじゃんと思いつつも赤に興奮するのが
「いてまえ」の語句に
染み入るのも阿呆で情け
『Flyer,Liar,飯島氏 』#2
「あんたあたしと心中しましょうか?」
やめとくれ言い掛けても口は動かずにして手は動く
うんああああああああああああああああああんああんああんあん
ぶっ
ブランコに乗った幼女が長襦袢の桃色に包まれている月夜のせせら笑い
一筆書きの三日月
口裂けに飲み込まれて
此処まで書いて裏返しにわざとはいたパンツのゴムを引っ張る
インターネットエクスプローラーの絵が回る回る
リ・ロード
「あんた鼻毛が出てるわよ!」
ネット界初の口説き文句のその人は
ああわかってますよねはいはい
幼女に殺意を持ったのは幻の身体で泡立って刻の動きに従って崩れ落ちる
「飯島さん今晩は〜ドンドンドンドン又インターネットなんかしてるの馬鹿じゃない?」
ちょっと顔見知りになるとこれだ
野薔薇☆キュンキュンの癖なのか続け様
俺の言葉など無くても語りまくる
「そんな機械相手に遊んでないで今晩泊めてね竹輪!」
『Flyer,Liar,飯島氏 』#3
野薔薇☆キュンキュン靴下の黄色はやめてくれ
「あんたさっき書き込みしてたし暇でしょ? ち・く・わ」
食器棚に隠れるべきかトイレに引き籠もるべきか 殺意を食欲に変えるべきか
この時既に嘘を覚えた俺 黙殺
泣き叫ぶ蜻蛉という文字に隠れた人魂を屶に見立てたマウスで
ブッ殺ブッ殺ブッ殺
ブッ殺ブッ殺ブッ殺ブッ
殺ブッ殺ブッ殺ブッ殺ブッ殺すすすすすす
ブッ殺すイメージを抱きつつ
少女漫画で見た乙女の眼差しを借り
しおらしくパソコンをぱこり閉じ
それでも閉じきれないウインドウを開いたまま
目になり画面で女を見やる枠で切る
「ウインドウ6枚開いてます」
アホ
書き欠けの幼女の鼓動が凍結しないよう
目を細め震撼の嗚呼厭だを繰り返す
「あんた気が抜けた人形みたいだよ感じているの?」「気持ちいいの?」
「好きなの嫌いなの痛いの感じてるのどうなの、反応して!」
耳をつんざく叫び 悲鳴には聞こえず揺れている天井がただ揺れて角をあやふやにしている
野薔薇☆キュンキュンの本名は知らないはずだなおっかさん
直ちに消去 その為のスイッチなら何でも押してみた
愛してると今書けと言われたから書いている
そそそそそうです 今この後ろ
そうです今俺の後ろに仁王立ちして見ているんです!
『Flyer,Liar,飯島氏 』#4
もう一回書けと言われました愛しています本当に!
誰か!!!!!
助けて
3(2ちゃんねる)を閉じました
群れ成すさもしく書き込みもどきの腐れ死に
たかが一枚の命とてされど一枚の運命で
誰が泣き喚くかと電脳の小窓を覗く今日
「竹輪の穴から覗いて御覧!」
穴違いじゃありませんかと指摘出来るのは何を隠そうあんた
浮気したらヌッ殺すと誤爆した先 頭の中じゃ無かったわけなのです
入れてしまったらそうなんです
「青姦しながら書き込みを行なっています」
送信
俺のヴァーチャルウインドウにまで干渉し始めたの は意外でした心外でもありますが
とにかくネットで出会った故に
書き込みを行なう度に背後から干渉してきますのがならわし
恒例なことを言わんとしているものですが
話の続きを書くために俺は努力を天井をぐっと睨む
1(エロ動画サイト)ウインドウ閉じました
2(蝮の生態)閉じました
『Flyer,Liar,飯島氏 』#5
もっと書けと言われました愛しています本当に!
愛してますちゅどぁーいすきぃー
で指がつった左手だけで語る愛
「まんこ」
俺は気が付いた
言葉で補わなけりゃならない気持ちなんて
言葉を過剰に欲しがる言葉から生まれ育って出会った肉体なんて
「言葉で崩壊する閉じたら終わりなあんたみたいだな」
幼女はブランコに乗って揺れている
ブランコの鉄枠にその薄ら笑いの月を乗せて
俺はその長襦袢の裾を掴んで
目線をぐっと上げると逃げる月を掴んで
逃げるんだ逃げる逃げる逃げる逃げる逃げる逃げる逃げる逃げる
蜻蛉の死骸があるマンションのドアの前で
中で
愛してると怒鳴るために 無言で怒鳴る為に
表札のリバーシブル表は裏で裏は表な
閉じきれないウインドウ俺
「だいっきらいとだいすきは同義とあんたに教えたからさよならだ」
ブチッ
, ―:;;;;、ノ)
<ゝ・`:::;; ヽ. /(ノ)ソ)rヘ、,,,,
,) ヽソハ)\)\ヽ)`丶丶、ノ)
( ',ヽヽ)ヽ\,,ゝ\)"ソ)、ヽ\
(ノ`ヽ, ;;;;ヽ,,, ノ\)\`)\ゾ、)\、ノ)
(//`ヽ,,,, 丿;;;彡) ヽ)\)`\\)ヽ\,,,\..\,,
(ノ/,,,/ノ (ノ'ヽ爪爪;;;;;;;) ハ),,,\ヽ,,,`\)ヽ)⌒’"ヽ) 、
/ノ / / /ノ'ヽ、;;;;;;;; ,,,,,ヽヽ (ノ\)ヽ), \)ヽ)\X\)ヽ)
(/,/,,/乂,,/(/ (ノ'丿\)`ヘ,,)\ゝ、、ヽ.. `\)
ノ,(/(/ し)\\)\,,)`\,,)⌒
(/ (ノ'‘\)\)ハ\,,)
Sparrow that brings wind
Sparrow that was hiding oneself in bamboo blade
Sparrow that stayed in my shoulder
Sparrow that is fragrant of bamboo
この雀お気に入り
雀の後姿をコ一時間描いていたんだけど
コピーミスで消えちゃってがっかり
,'―:;;;;ノ)
</ ....:::;ヽ, /(ノ)、
)`ヽ... ''レ丿^\)ヽ)ノ)
, ノ^ ヘ' ノ ヽ)ヽ\,\),,, ....,,
(ノ`/(/'' ノ ;;;;ヽ,,, ノ\)\`)\)、)ヽ,,
ノ(//`/,,/.... ヽ) ヽ)\)`\)ヽ)\,),
,,(ノ/,,,/ノ (ノ'ヽ);;;; .....,,,, ) )ハ)ヽ),,,\)ヽ)ヽ)ヽ丿、
/ノ ,,/ / (/ノ'ヽ)、 ヽ、,,,;;;;;;;;丿ヽ) (ノヽ)\)ヽ)\X)\)ヽ)
ノ(/,/,,/(乂,,/(/(ノ')丿 (../,,,丿,,ハ) )丿`\)'''
(ノ,(/(/'''' ,,(丿丿ハ\)ヽ, (ノヽ)\)
,/,,/(乂丿 (ノリ\,,)ヽ\)'' )ノ
(/'''' (,ノ\ヽ)ノ\)
ノ,,,.\)\,,\)ヽ)
''⌒'''⌒ ⌒''⌒
雀の後姿はなかなか難しい
ここまで描いたけど いまいちだな
,'―:;;;;ノ)
</ ....:::;;;;ヽ, .ノ)、
)`ヽ... '',,,レ./(^\ノ)'''
, ノ^ ヘ' ノ ヽ)ヽ\,\),,, ....,,
(ノ`/(/'' ノ ;;;;ヽ,,, ノ\)\`)\)、)ヽ,,
ノ(//`/,,/.... ヽ) ヽ)\)`\)ヽ)\,),
,,(ノ/,,,/ノ (ノ'ヽ);;;; .....,,,, ) )ハ)ヽ),,,\)ヽ)ヽ)ヽ丿、,,,,
/ノ ,,/ / (/ノ'ヽ)、 ヽ、,,,;;;;;;;; 丿ヽ) (ノヽ)\)ヽ)\X)\)ヽ)
ノ(/,/,,/(乂,,/(/(ノ')丿ミヽ(/,,,丿ハ) ,, )丿`\)''' 丿
(ノ,(/(/'''' , ,(丿丿ハ\ヽ, (ノヽ)\)
,/,,/(乂丿 (ノリ\,,)ヽ,,,\)'' )ノ
(/'''' ノ(,ノ\ヽノ\\)',,,
丶ノ,,,\....\,,..\)\)
''⌒'' '⌒' ⌒''⌒'^
, ⌒゛、......
,ノ'~`ヽ ....''ヽ''')
「踏影心中」 The cage of a cherry tree.ヽ, ,,, iiiii:::;;/⌒`)
,,,,,....... It separated from me from crossroads and /
, ';;: ̄゛`ヽ、 I lay down on the way. ...( ノ゛ .)
/;;::: ´・ く> .ノ)、 Are someone's names cried for ?
)`ヽ... '',,,ヘ./(^\ノ)''' Fall over meaningless.
, ノ^ ヘ' ノ ヽ)ヽ\,\),,, ....,, It is made the sky /
(ノ`/(/'' ノ ;;;;ヽ,,, ノ\)\`)\)、)ヽ,, which looked up /
ノ(//`/,,/.... ヽ) ヽ)\)`\)ヽ)\,), at the excuse. straight.
,,(ノ/,,,/ノ (ノ'ヽ);;;; .....,,,, ) )ハ)ヽ),,,\)ヽ)ヽ)ヽ丿、,,,, It's intuition.
/ノ ,,/ / (/ノ'ヽ)、 ヽ、,,,;;;;;;; 丿ヽ) (ノヽ)\)ヽ)\X)\)ヽ) I don’t continue /
ノ(/,/,,/(乂,,/(/(ノ')丿ヽ(/,,,丿ハ)not understanding)丿\)''' 丿what was there, either.
(ノ,(/(/'''' ミノ , ,(丿丿ハ\ヽThe side wind (ノヽ)\)which interrupts the sky.
,/,,/(乂丿 (ノリ\,,)ヽ,,,\)''The branch which)ノtilts a head.
(/'''' ノ(,ノ\ヽノ\\)',,,A fingertip also flickers to a leaf.
The black petal which follows丶ノ,,,\....\,,..\)\) the outline of a wind.
It will be what why. ''⌒'' '⌒' ⌒''⌒'^ Recollections were /
meaningless in front of the petal which dances and breaks up.
おぼえたての歌など口ずさんで待っていたのは何時 幾つの春か
水面に揺らぐ桜の花弁が薄紅色だと 耳掠める北風
瞳閉じて 歌い続けてきた歌を反芻する 桜よ桜
月に沈む雫 岐路に迷う事無く 桜夜 桜
睫囲む世界に戻ってくるそして そこには 間も無くの薄紅色が
,,,,....,,.
, " ...:;;、
<ゝ・` .::;;ヽ.
,) ハ),,,
l ',ヽヽ)..."
″.l lヽ彡) ,,,,.......
(ノ| ...;;;l,彡\)(⌒ Y~ ⌒,) ,,
(y) /丿 (ノ'、 ;;;;;;;;;; (ハ)\)ヽ..),⌒.、 (y)
(⌒ヽノ)/ノ'ヽ、;;;;;;;;;;;;;;リノ\)'~`ヽ,,,,.... )~)/′/)
(⌒''ー')/).ヽ,,爪爪/)ヽ) ヽ,> )))ノ⌒`.)/_)
`ー::iiii),-、⌒ヽヽ)\\(ノ''( .... ''''ヽ_ノ
(ノヽ( (ヽノ( )`);;; ゛ヽ...( ノ゛ .)
(_./;;iiii(;;;;〉  ̄`ヽ ヽ)/_)'`ー'
It will be what why.This moment is dazzling.
Inside where moonlight burns palely.
The song of a cherry tree is sung. Sound of time to hurry much more.
The song which is not exhausted carries me to tomorrow.
Give a tight hug to today when it kicked about.
Sway the petal of the blooming cherry tree on the cheek.
I want you to shut up here so that I may not be changed as it is.
I have noticed me who change very.
The cage of a cherry tree.
おぼえられぬ歌など聞き入って待っていたのは幾つ 何時の春か
風にぐらつく吊り橋の袂 桜の花弁混じれば 春の風
瞳閉じて 歌い続けてきた歌などを忘れる 桜よ桜
流れに沈む影よ 岐路に迷うことなく 桜夜 桜
揺れる足元戻ってくる そしてそこには 間も無く 薄紅色の春が
散る影に埋もれて溶けて土に帰ろうか
醜くてあなたとてもきれいです
○
|
|
|
〇 h
\ O .| |
× ! .!| !! | 〇
\ || | ! !|| !! || |! || |jj j|| |
, ヽ!!| j !! |i|!.| | |
o !|!!i| || !| || i . j jj.|,,丿
! !!!|| ||| ! || |! || | ! ! |
|| | || iiijiijjjjjjjjj
|| | ii i j|| ○
!!|| |i | |! | ! ||| ! | .|| |
! | !!| | || | !!| |!|! || |
! | |! | !| ! | ! i| | | !丶 |
|! |! i|| | | ! | |! | !| ! ! \○|
○ ! | | !|| | | | |i ! ||| !!| ! ! ! !! | | ! |!| |゜||! ! !! | | o
| | | |i !| ||! ! | | ||i|| | !| | | || ! ! ノ
| O ! |! i|| | |i | |!!
O jjjjj| ||| !!!||!――――――○
jjjjjiiijijiiii iiiijjj | | ||!
!!! | ! |||! !! | !|! |!
! ! !| | i! |!|| !|! !|!|!|
!|| | || ! ! | !|| |
○――――!! | | |!| !!| !|!|! |!|!| ||
!!! | | |! |||| | | ||
| | |! |!| ! | |||| | | ||| |
! |!|! |! ||! |
| | |! |!|| | || |
| | | ! | || | !| | | || |
○――――――|―― Theater of plasma television ―――――||―――○
| | || | | | !| | | |
|| | || | || || | ! | | || | | | | || ||
リモコンが見当たらない う
その代わり 床には僕のではない携帯電話が転がっている わ
椅子の足が短く テーブルが長く 見える あ
真っ暗な画面 プチン あ
指で電源を入れると部屋に あかりがともる あ
錯覚と番組表の照らし合わせも あ
必要がない位に 全ての表情が 今日一日 あ
携帯電話とリモコンを間違えて 所持しているのであろう あ
あなたと重なるけれど テレビが気に入っている素振りだけで あ
一向に隙を見せやしない あ
新しいテレビの扱いを ガサツ者でも丁寧にこなす様 あ
無邪気さで身動き出来ない様に 見えない砂塵のバリアで あ
ありありと挑発されてるんだと思いたくて 画面に触れる あ
あ
緑色の発泡する液体に ウイスキーがしみ込んだ あ
柔らかな実を一つ沈めて 飲み干す だけで笑顔なんてね
カーテンで覆わない窓が近く 月の見えない天が遠く 見える
テーブルの上にはチョコレートの欠片ががそのまま散らかっている
抜け殻みたいにパッカリ中身を失い あ
リモコンが見当たらない あ
あなたが見当たらない あ
あ
グッピーの雄はでかくなるだけでなく尾びれも姿も格好良くってテレビ映りも抜群
フレテミタイカモ あ なのに
あ
あ
それは 昨夜 未明の出来事 あ
チェリー入り・ウイスキーボンボンを作ったんだと
種丸ごと入ったチェリーそっくりな留守電の文字が赤く点滅していた
あ
「ウイスキーが入っていた隙間が欲しかっただけなのかよ」
呆然と壁とテレビの隙間に手を入れて抜き差ししてみても
何も変わらないシアター あ
携帯電話をテレビにかざしてみてもチャンネルさえも切り替わらない
コンクリート打ちっ放し風の壁 クリームソーダ は
プクプクプクプク気が抜けて溢れ出す そして あ
三匹のグッピーが突然画面から飛び出してきた は
あ
ネオンタキシード・レッドテールは真っ赤に燃えた は
グッピーは告げる あ
「怪我をしても怪我を見ないで怪我の原因そのものを撫でてごらん」
は
ヴァイススワロー白く燃える あ
グッピーは囁く は
「悲しい時は悲しい顔を見せてごらん」 あ
は
ドイツイエロー・リボン黄色に揺らめく炎のグッピーはこう言った
「足の裏に張りいた四つ葉のクローバーを眺めてみてよ」
あ
あ
| ! |! ||| ! i| | | | ||! | | ! ○ !
| | || || | || | | |
|| | ||| ! .O| |
| | ||| || ○
| | | |
| | | | | ||||| | || |
||| | | ! ! |
| | ||||| | || ! ! |! | | O
|| || |! |!| !|| || !! | |
|| | | |||| | !|| | !| | | !!! ○ || |
||| ||| | || |||||| || | || | | || 〇
そしてあなたが映る !|| | !| | | !!! |
プラズマテレビを僕が見る | | |||| |
リモコンを胸に抱いて あなたはただ優しく笑って水槽を見ている
ただそれだけでグッピーは聞き分けよく | | | | ||| |!| |
水槽に戻って眠りについた | | | !!!| ||| !!| |
部屋の四つ角に溜まっていた泡 ||| !! | | | |
揺らめきながら上っていくのがきれいで | | | ||| | 〇
椅子の足が長く見えた リン リ リン | | | || |
リモコンを僕に向けて思いっきり押して | ||| || || 「Theater of plasma television」
○ あ
| | あ
| あ
| | ||
| |. || | || |
| !! |!. | ! || ○ あ
||j jj| || !| || !! ||! ! | || || / !
| | |.!|i| !! | j |!!
| ,,|.jj j|! || |i!!|!
| ! ! | || !| || ! ||| ||!!! !
jjiii || | ||――――○
○――――――――||j i ii ||
||. | ! ||| ! | !| | i| ||!!
!|!| |!! | || | |!! | !
| | /! | | |i ! | ! |! | !| | !
○/ || ! ! |! | | ! | | ||i !| !|
| ! |! ||| ! i| | | | ||! | | ! ○ !
| | || || | || | | |
|| | ||| ! .O| |
| | ||| || ○
あ | | || | || || | |
|O. ! ||| | ||
あ || ||| | |
あ | | | |
| || | ||||| | | | | |
| ! ! | | |||
O | | あ !| ! ! || | ||||| | |
| | !! || ||! |!| !| || ||
| || ○ !!! | | |! | ||! | |||| | | ||
〇 || | | || | || |||||| || | ||| |||
| !!! | | |! | ||! | |!! ||| |!!!
| |||| | | | |!! ||| | !!!
| |!| ||| | | | |
| |!! ||| |!!! | | | グッピーの寝言 僕の水槽 あなたはリモコン
| | | | !! ||| 僕はプラズマテレビジョン
〇 | ||| | | | | | | || |!
| || | | | | |!! ||| |!!!
|| || ||| |シュン
【機械仕掛けのジェリーフィッシュ】改訂版
雑踏 喧騒 膨張 希薄
真昼の空に、透き通った月
閉塞 密閉 圧迫 窒息
凍り付いた道路の隙間に、落ちた螺旋
ただ、ゼラチン質の陰欝さ纏って……
私の言葉を 殺さないで
私の、私の、私の、私の、私の、私の、私の、私の、私の、私の、私の、私の、私の、私の、… … …
殺さないで、
ギアは軋み、コードはチグハグ 基盤は錆付き、無駄に放電
過去を鎖し、未来を置き去り 夢さえ視れやしない
ただ、現在(イマ)を 連綿と永遠と繰り返す。
死さえ愛しく けれど、明確な意味さえ解らない
どこまでも、空虚に たゆたい
理性、冷静、リセット、来世へ、
なんて、茶番じみた 芝居を演じるつもりはないのだけれど……
今の私は、躰の何処を切ったところで、哀しみの涙など出やしないのです
溢れ出すのは、只、私を生かし、動かす為だけの潤滑油。
君を喪ったあの時に、涙や涎、鼻水、あらゆる分泌物と共に、すべての感情は流れ出てしまったのかもしれません
ただ、矛盾を 連綿と永遠と繰り返す。
>212【続き】
ギコギコ ギコギコ
気狂いを装っているだけ、
意識も明瞭明確
左手も右手も“ホラッ”
私の言うことを、ちゃんと聞いてくれる。
言葉を置き、連ね、重ねて
Enter Enter Enter Enter Enter Enter Enter Enter Enter Enter Enter Enter Enter Enter Enter EnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnterEnter
それから、私を置く。
聞こえる
聞こえない
聞こえはしない
耳鳴りは、消えない。
本当に、私は居る?要る?
いや、そこに私は 在るだけ。
心海の底に花咲く 人工プラナリア
Edenも hellも heavenも teraも 多重存在。
神無の荒地 人格の惰性
ぽとり落ちた 屑籠に 海
>213【続き】
End line 際をユラユラと、
Re start も切れやしない
陽の光りの暖かさに、
亡くしたはずの切なさは とめどなく溢れだす
それらは、急速に熱を失い
頬から首筋を伝い 冷たく落ちていく
そして、また 何かを失った。
― repeat ―
拙者は吉岡八呂平 〔1〕
テーラーの店主の手際良い採寸から二週間程で仕上がって約束通りに届いた
背広が入った箱を神妙な面持ちで開く
背広を早速着込み出来栄えを姿鏡で切り取る
猫背の怒り肩もぷっつり息を潜めて
背格好はそれなりに良いなと肩を右左させポーズを取るのは八呂平
「ポケットチーフかネクタイくらいサービスで付けんか、気が利かないテーラーだな!」
ブツブツ小言を言っている割りには八呂平の七三分けは櫛目がきりっと整っていた
新しい衣服の新調はかれこれ久しく記憶に無く
風呂に入り丁寧に体を洗い下着も新品を下ろし
家族の留守中まってましたと言わんばかりに
衣裳合わせをしている八呂平
「胸元がさみしいが……」
ポケットチーフ代わりに靴下を詰めてみたところで
千鳥格子柄の生地に合いそうな色合いが見つからず
白では華がなく赤や紫色の配色が好ましく思ったのか
洋服タンスの引き出しを下から三枚開けて引っ掻き回しても
派手な色味の靴下は見覚えも無く
家族は誰も色華やかな靴下は持ち合わせていないときた
一枚だけ薄紫の小さな布切れを見つけたが
いつ買ったのか女房のパンティーで
ポケットに試しとはいえ押し込める気持ちになれなかった八呂平
仕方無しに台所へと布地のブランドタグを左袖に付けたまま
ポケットチーフに相応しい色合いを物色し始める
手始めにふりかけ袋を横半分に折り曲げポケットに差し込む
緑色もいいが赤い色も捨てがたいと手に取ったのは胡椒の瓶
ポケットにすっぽり入りすぎると思いそれより長い瓶を摘みポケットにツサッと差す
そして姿見まで小走りで急ぐ
拙者は吉岡八呂平 〔2〕
「ラー油の瓶の蓋くらいしっかりしめておかんか!」
瓶の赤いキャップが擦れたのだろうか
ポケットの上にラー油の染みを付けてしまった八呂平
形相は神棚にぽっこり上がった小達磨
ラー油の透き通った赤味より
血の気がたぎった達磨を見やって一先ず大した染みではないと
言い逃れをしつつも
背広の内ポケット側までしみ込んでないか確認する
内ポケットのサテン地には橙色の糸で刺繍が縫い付けてあった
「Hachirohei Yoshioka」
ネーム入れはあれ程日本語で入れろと言っておいたのに
あの店主めローマ字で名前入れがったなと
ラー油の付いた背広を脱ぎながらティッシュの箱を蹴とばす八呂平
畳に背広を広げて四つんばいになり
一心に靴下を掴み
ラー油の染みを叩き拭き取っていた
靴下が散らばっている中
たかが結婚式のおよばれの為に仕立てた背広でやっているのだかと
座敷に散らかった靴下を摘み
パートから帰った良子は引き出し二段目に隠しておいたへそくりを入れた袋が
無いことに気が付く
「おかえり、早かったな」
「あんた!袋返しなさいよ!」
拙者は吉岡八呂平 〔3〕
血相を変えて仕立てたばかりの背広に付いたラー油を拭き取る八呂平に
背広そっちのけで馬乗りに飛び掛かってくる良子
揚げ物の匂いが漂っている
振動が畳から柱へ伝って揺れる神棚
ちょこんと乗ってとぼけたままの達磨が見ているだけの夫婦喧嘩
榊の葉ツヤに赤が反射して八呂平の頬も赤く染まる
「ラー油の瓶パチンとなるまで何故閉めない?本当にオマエはだらしが無いな!」
「あんた!背広買えたのだって私のやり繰りが上手いからでしょう、タンスの中に茶封筒あったでしょう、どこにやったのよ返して!」
女房の殺気に満ちた目の光り具合と揚げ物が煮え立つ匂いに圧倒された
八呂平は反射的に背広を掴み新調したズボンとワイシャツのまま
サンダル履きでネオンがぼんやり集落する街の方へ向かって一目散に逃走した
八呂平の身の上に何が起ころうが能天気な星空
ラー油色の火星を見つけて睨み付けること小一時間
そしてやっと染み抜きにポケット裏に当てた茶封筒がへそくりだと感付いた八呂平
飼い犬とキャンキャラ走り回る女房は見えないが気配だけを
川なりに流れる風が運んでくる橋の横で丸裸の猫柳にもたれている八呂平
背広に付いた染みを女房に取ってもらう前に一杯引っ掛けてくるかなどと思いつつ
女房の好きな胡麻団子を買い帰ろうか
テーラーに名前入れの苦情を申し出てはくれないだろうか
茶封筒の口から見える分厚く膨れた千円札の縁を見て
八呂平は思うのだった
『拙者は吉岡八呂平』〜雑談編〜
あ〜らょっと空気なんか読めないどころか新聞も目に近々と押っ付けて
それからゆっくり離してどこまでも腕を伸ばし
渋い口元でその仕草を腕がつらない程度に繰り返す八呂平
「あんた!さっき読んでた広告どこにやったの、スーパー特売日の広告!」
「あれ、今日はティシュが安いのか?」
最近覚えたパーソナルコンピュゥタの疲れも重なり
目をしばしばさせながら立て膝乗り気の八呂平
体操がてらそれじゃお使いにいってくるよと
良子にティシュ代金を受け取り丁度
細かいお金がないと壱万円札をジャージにつっさしつっかけ走りの八呂平
たんたたんたたんた調子よく走る足取りも徒歩2分の丸珍ストアを余裕で通り越し
競歩五分のパチンコパーラー満々へ
チラシをまじまじ見ていた八呂平
結局新装開店CR麻雀ポイポイのチラシ以外ごみ箱ポイ
お使いも漫ろな拙者は吉岡八呂平
壱万円を千円札に両替してパチンコ台に座り入る
たんたたんたたんた調子よく玉を打ち出し
ティシュのことなどきれいさっぱり忘れ去る
良子へ言い訳考えながらリーチアクションの度にハンドルから手を離し見入る八呂平
あと残金千円のスーパーリーチ背後に良子が仁王立ち
「あんた!何やってんの!」
盤面覆うガラス窓そりゃもう真っ赤に燃えたドラゴンリーチと良子の顔がダブるでリーチ振り向かないのが八呂平
『拙者は吉岡八呂平』〜麻雀編〜第1話
玄関に散らばるサンダル靴脱ぎがてらに爪先にひっかけ
おろろ おろろと肘を下駄箱の角にぶつけた忙しない八呂平
夕食の準備も整わない早めの帰宅に妻の良子は八呂平の騒々しい帰宅にギョッとする
テレフォンショッピングで見たあの買い得
辛子明太子
注文しようかしまいか炬燵でぼんやり考える至福のぬくみから我にかえる
「ただいま、あーいたかった」
雨に撫でられた肩に横縞のかすりが入った背広
右肩 左肩 交互に見やり気にしながら茶の間にとっととっと向かってきた八呂平
両手に秋葉原風丸電気の紙袋 何やら買い物してきたのか八呂平
頬は上気しツヤもてかてかとパルック120ワット眩しそうにドカ炬燵の横に下ろす
「あんた!また何を買ってきたの、こないだ背広新調したばかりだっていうのに」
「ノートパソコンでインタネットだよ今の時代、おまえは本当にわからないな、
コンピュタ、一世帯一台あって当たり前の世の中なんだから、買ってきた!」
んで何するのさと良子が呆れ顔のまますっくり炬燵に未練の欠けらもない如く
立ち上がり勝手口へ向かう
炬燵に腰を下ろした八呂平
風丸電気の袋隅から
脱衣麻雀ホレホレポンのソフトをひょっと取り出して眺める八呂平
にひゃにひゃひゃしながら麻雀をしたいがためだけに買ったパソコンに頬摺り
台所から大根を細かく切り刻む力の入った音が流れる最中
『拙者は吉岡八呂平』〜麻雀編〜第2話
大根の味噌汁をずいっと旨そうにすする八呂平の呑気な姿 何時もならあっても良さそうな一文句
二膳もお代わり平らげたフシンな挙動に 良子は胸騒ぎを覚えてタンスの下から二段目を開ける
スッ こないだそっくり返してもらったへそくりを入れた袋 案の定あったが やっぱりとため息もぬけの空袋
引き出しに寄り掛かり 靴下の数より多くつくため息 落胆している良子
辛子明太子二十セット買ってしまった方がまだましだったなどと
テレフォンショッピング たった一箱の辛子明太子を買うか買わぬかで夢を見ていた反動で泣けてくる良子
当然 油断も隙もあったもんじゃないのが八呂平
使われて中身が化けたはずのパソコンからやっと離れ風呂に向かった三分目
洗面器が転げる音が大げさに 石けん付けたまま転んだのだろうと
良子は気にせずパソコンを睨み付け始める 食器の後片付けも忘れ
炬燵のコンセントと二またで電源を取ったパソコン コンセントをブッちり引き抜き 第二の腹いせを企てる
第一の腹いせなど全くダメージがなさげな ごちそうさまとにっこり笑顔の八呂平
大根味噌汁 大根おろし納豆 ふろふき大根 大根の葉の炒め物
大根尽くしの大根大盤振舞 味付けに舌鼓をうち
誉める気が利き様は八呂平
「はぁ〜」コンセントを抜く良子が振り向くと腰巻き手ぬぐい姿で仁王立ちそれは 烏の行水八呂平
「あんた!へそくり使い込んでパソコン買ったなんて一体私を何だと思ってる!?」
「あーいたかったな、さっき風呂場でビオレこぼしちゃってあぶなく滑り死にするとこだったよ」
炬燵の上板と炬燵布団の間 脱衣麻雀ホレホレポンを隠し
見つかってないかこくびを傾げ隙間を確認する八呂平
にんまりにったにたこぼれそうな頬のツヤのまま
八呂平はパソコンの前に座り込むのであった
「Whereabouts of flying dragon and dragonfly」原稿
T
Boy's space...................... The girl who admires a white flower goes………..
space of boy…….The girl becomes a white flower. And, air is danced…………..
U
少年の空間 白い花を愛でる少女が行く
少年のスペース 少女は白い花になる そして宙を舞う
V
追いかける少年 振り返る其処に只或るものを追い駆けて ひたすらに 只
果てに行く末 待ち受けようと其処に何が 無(の)限(り)旋律と風の悪戯
郷に見ゆるは風切羽
舞いおちる少女 雲に乗る其処に只居る事が希望だと ほほえみは 只
行く末果てに 此処に何が潜んでいよう 無(の)限(り)花序は土の悪戯
明日に見ゆるは火焔種
W
太陽光散乱黄道光微粒子大気圏接近突入あかしは流れ星
月輪郭に際立つ少年の生身 衛星の弧掌で撫で辿れば遠くに
見えていたさっきまで
赤い星青い星白い星黄色い星傾れ込む煌めきを繋いで龍が生まれ
生まれた龍は明け方になれば燃え尽きる
X
ズックが窮屈になるまで追いかけ すすき野原若葉の中細い切り傷はうろこ雲誘う
革靴が窮屈になったら脱ぎ捨てて コンセントの尾束ねた檻踏み付けられる雑草の手は蜻蛉を誘う
Y
ひだまりこがらしがれきうつつしみねむる土まみれの足
せんぼうこうりんそうせいげんじつめざめ雨はじきの足
少年の足元 白い花の少女が呼び止める
Z
少年は空間 少女は白い花に生まれ そして宙に出会う
少年のスペース 少女は白い花になる そして宙を舞う
[
時同じくして生まれ落ちた二人が出会うそんな偶然を必然とするならば枯れゆく花弁の後姿は
突風に破られ舞い上がった先に天を作り花の美しさになど無縁な眼差しは舞い上がった花弁に
今にも朽ちそうな一枚に鱗を見る時を忘却し追いかけるものは生まれ変わりに蜻蛉を望み
その背に留まりたいなどと希望するけれど一握ほども無い花弁は雲に混じれば白い炎に姿を変え
追いかけて触れようとすれば首根っこを掴む龍の姿に変わり太陽の宝珠月の珠を目指して
上昇の一途視野を失い見失う瞬間異なった二つの姿は一つになり消えうせるそこに見えるものは
また物体の消却燃え尽きる前のプロミネンスに同調し時同じくして生まれ落ちた二人が
姿を変えながら生命の誕生を担う瞬間につかまえる果てしなく落下と上昇を繰り返した先に
限りを使い果たしたその先に生まれる生まれる何もかも誰もが埋もれる土に向かって
身を叩き落し小さな消失と引き換えの産声を運んで
[(∞)
産声を運んで引き換えの小さな消失と身を叩き落し埋もれる
土に向かって何もかも誰もが生まれる生まれる使い果たしたその先に繰り返した先に限りを
果てしない落下と上昇を瞬間につかまえる生命の誕生を担う二人が姿を変えながら時同じくして
生まれ落ちたプロミネンスに同調し物体の消却燃え尽きる前のそこに見えるものはまた一つに
なり消えうせる異なった二つの姿は視野を失い見失う瞬間目指して上昇の一途太陽の宝珠
そして月の珠を龍の姿に変わりすれば首根っこを掴む追いかけて触れようと炎に姿を変え
雲に混じれば白い一握ほども無い花弁は希望するけれど留まりたいなどと蜻蛉を望みその背に
者は生まれ変わりに時を忘却し追いかける一枚に鱗を見る今にも朽ちそうな舞い上がった花弁に
無縁な眼差しは花の美しさになど先に天を作り破られ舞い上がった後姿は突風に枯れゆく
花弁のするならば偶然を必然と出会うそんな落ちた二人が時同じくして生まれ
「Whereabouts of flying dragon and dragonfly」
時同じくして生まれ
落ちた二人が
出会うそんな
偶然を必然と
するならば
少年の空間 白い花を愛でる少女が行く
少年のスペース 少女は白い花になる そして宙を舞う
枯れゆく花弁の
後姿は突風に
破られ舞い上がった
先に天を作り
花の美しさになど
無縁な眼差しは
舞い上がった花弁に
今にも朽ちそうな
一枚に鱗を見る
追いかける少年 振り返る其処に只或るものを追い駆けて ひたすらに 只
果てに行く末 待ち受けようと其処に何が 無(の)限(り)旋律と風の悪戯 郷に見ゆるは風切羽
時を忘却し追いかける
者は生まれ変わりに
蜻蛉を望みその背に
留まりたいなどと
希望するけれど
舞いおちる少女 雲に乗る其処に只居る事が希望だと ほほえみは 只
行く末果てに 此処に何が潜んでいよう 無(の)限(り)花序は土の悪戯 明日に見ゆるは火焔種
一握ほども無い花弁は
雲に混じれば白い
炎に姿を変え
追いかけて触れようと
すれば首根っこを掴む
龍の姿に変わり
太陽光散乱黄道光微粒子大気圏接近突入あかしは流れ星
月輪郭に際立つ少年の生身 衛星の弧掌で撫で辿れば遠くに 見えていたさっきまで
赤い星青い星白い星黄色い星傾れ込む煌めきを繋いで龍が生まれ
窓の明かりを打ち消して生まれた龍は明け方になれば燃え尽きる けれど
太陽の宝珠そして月の珠を
目指して上昇の一途
視野を失い見失う瞬間
異なった二つの姿は
一つになり消えうせる
そこに見えるものはまた
物体の消却燃え尽きる前の
プロミネンスに同調し
ズックが窮屈になるまで追いかけ すすき野原若葉の中細い切り傷はうろこ雲誘う
革靴が窮屈になったら脱ぎ捨てて コンセントの尾束ねた檻踏み付けられる雑草の手は蜻蛉を誘う
時同じくして生まれ落ちた
二人が姿を変えながら
生命の誕生を担う
瞬間につかまえる
果てしない落下と上昇を
繰り返した先に限りを
使い果たしたその先に
ひだまりこがらしがれきうつつしみねむる土まみれの足
せんぼうこうりんそうせいげんじつめざめ雨はじきの足
少年の足元 白い花の少女が呼び止める
生まれる生まれる
何もかも誰もが
埋もれる土に向かって
身を叩き落し
小さな消失と
引き換えの
産声を運んで
少年は空間 少女は白い花に生まれ そして宙に出会う
少年のスペース 少女は白い花になる そして宙を舞う
Boy's space...................... The girl who admires a white flower goes......................
space of boy...................... The girl becomes a white flower. And, air is danced......................
以下は改行と抜けた一部改正版 初回投稿 コテ専用ポエム大会
546-550 名前:竹輪ぽぇーむ ◆o0rnnbHBHo [2005/09/19(月) 06:35:47 ID:VwKrOoJt]
タイトル 『紺碧出刃包丁』
「「傷さえも時の鱗に只ゆらむ」」
頭上突っ切る夕暮れバス連れて転がる巻き上がる
平行移動他人を乗せて
白惚けたこれが空 窓枠ずれ一瞬にして連れ去る
あれが窓から見えている空だだっ広いのが空じゃないね橋桁
掌押し触れる凛々カラカラ
空に触れている 天空の橋桁にしては頼りない腕だとしても
どこそに存在する果て
粒子形状波長変幻させたとしても
指先は 天空の一部
溶けだし また繰り返す時の鱗
微塵に割って走る これも人生
嗚呼 待てと暮らせど便りは届かずにっちもさっちもいかぬ日暮し女は
何処へ 聞いてください おとっつあん
毛筆の使い道も怪しげな女なんで心底心配しながらも憎んでおります故
学無さ過ぎ程苦楽自由自在と申しますか
短絡回路の洗脳 過剰木っ端病み付き 微塵ミジンコと大袈裟にも程がありますが
そう例えるしかありませんこの私の状態
おとっつあんよ
私は今まで確かな正常倫理常識理性知識性格のもとに生活を営んでおりました
しかしながらそれさえも怪しく
不確かでマトモではありえないと疑い
自分以外の人間を心底好きになる事が出来ぬ事実を受け入れてしまった
平成時代の話ではありますが
生まれてきてこの今の今まで私は心底自分以外を好きになった例しがありません事を
恥を忍んで白状する次第これ仕方無し宿命
おとっつあん
おとっつあんだってホームレスになりたくてなったんじゃありませんよね
勝手に世間っていう眼の束が注目しだしてそう区分分けされたんでしょう?
ダテにホームレスしてないって手みりゃわかるよおとっつあん
媚びるのが嫌なんだよね私にはそれくらい察知出来る
だからその手だよ
三分前まで見ず知らずおとっつあんに話しきり
おとっつあん
欲しいものは自分の手で掴む掴まないと気が済まない
ソレ妥協が出来ず
一撃転落その棘傷のあるその手に
抱き留めて欲しいんだ
この川の流れを聞きながら
名前がコロコロ変わる女は嘘吐きなようで正直だ
あれやこれやてんやわんやと泣き脅す
炊飯器に飯が無いと見れば泣き財布の中身を見せてと泣き
マスカラが剥げ落ちて客寄せパンダみたいだと笑えば泣く
「「朧月爪鉤裂きの寝返りや」」
所謂押し掛け居候
店変わるごとに名前を変えついでに名前を呼ぶ位暇なら下拵えをしろと宣う
何様だ貴様等と口走ろうものならば直ぐ様飛んでくるのは出刃包丁
下拵えとは風呂に入れと云う事か察しの悪い私は付け込まれ
とっとと失せろと思う気持ちも相反して不器用な生き方にどことなしか共感をし
灰皿てんこ盛りを美徳とし雑然とした日常のぶち壊し的な女に現つ引き込まれるのでした
「「芥子咲けば蹴散らし赤憎みけり」」
丁度春画の話が弾む季節でありました
意を反して雪美と名乗り始めた女は
書道の心得も無いままに筆遊びを覚えた時期で
とにもかくにも雪美は常識外れな破廉恥さで私の反応を見ながら
日捲り暦裏に陰茎を描きまして
隣近所に出来栄えを自慢して歩く事を日課にしておりました
咎めようものならば畳に突き刺さるのは本当に用意がいい
研ぎ澄まされた反射神経で出刃包丁
「「好きならば切って頂戴花柘榴」」
出会いから片時も離れず我が住居に寄生した女は真理子と名乗り
一本気で入れ込んでいた岩絵の具黒線画を上達寸前ではたりと止めてしまい
飲酒に打ち込んでしまいがちになっておりました
酔い記憶を失えば子供を作ると言って聞かず白い泥になって絡み付いてくる始末
かといって酒をかっくらう振りをしてうまく逃れた晩には
「孕ませんなよアンタはアタイの子宮を利用して子孫を残したいだけのケダモノだろ」と
馬鹿の一つ覚えも錬磨すればサマになると不本意だが納得してしまうしかない
ヅカッと右手が半円を描き布団に刺さった出刃包丁
隣近所の主婦達は何やら真理子の気さくさと愉快さの受け皿であって和気靄々
横暴狂暴さは私が請け負い
外面上手な真理子に殺意さえ持つ程感情移入が無かったのでした
つまり過激な馴れ合いと親密さは別な話で
ますます恋人やら夫婦的な感情からは遠退いている私がそこにいたのです
「「蚓腫れ鬼の霍乱くちづけを」」
余りまじまじと眺めた事の無かった
身近に居すぎな黒髪玉虫よりじっとりと色艶沈んで
見やるように細部まで隈無く観察出来る時間は
花奈絵の爆眠時だと我に返り
世間では朝飯の時刻眠る花奈絵をグウグウ繋ぎ合わせて見ていた
幼い寝顔 幸せに生きている人間の顔
頬艶も良く血管が浮き出たこめかみが目蓋下の
眼球の運動と重なっているのを見入り
早く離れなければと私は強く思い
何をどう基準に思ったのか私より年上な女と知りつつも
芽生えてしまったのは
父親のような我が子感覚
「「折り畳む丁寧に足夜這星」」
花奈絵から聡子 菜々美と急激に名前を変えた菜々美は
私の心の在り方を素早く察知したのか
帰宅すると部屋のカーテンがシンプルな灰色格子模様から
花柄に変わっていた
ピンク地に色とりどりの
極めて悪趣味なプリント花柄に嫌気がさし私は
有無を言わさず灰色格子模様のカーテンに戻すよう菜々美に怒鳴った
それにしても灰色格子模様のカーテンはどこにも見当たらず
菜々美は畳に足を投げ出しておんおん泣きじゃくっているだけで
役に立つ事は無い
台所へ立ちコップに水を汲み
見たこともない鍋掴みが二つ雑巾と一緒に引っ掛けてあり
灰色格子模様の雑巾鍋掴みランチョンマットコースター
そういえば玄関にも見慣れないもんがと
駆け足で脱ぎたての皮靴が揃えられた私の足元に灰色格子模様の玄関マット
電話にもよく作ったもんだの灰色格子模様電話カバー
次から次へとカーテン地を利用した手芸品が蠢いていたのだった
菜々美は寝床を別にした私を恨むように大量生産を始めたのか
庭にはグラジオラスの白が揺れていても見向きもせず
網戸を開け放った部屋に
揚羽蝶が入ろうものならば叩き
追い出して私にしがみ付いた
出刃包丁は灰色格子模様の包丁入れらしき布袋に入れられ
木の持ち手だけが顔を出し
常に菜々美の周辺にあった出刃包丁
愛情を示すのが苦手な子供が好きなものを口に含むように
指先から舐める一から十迄舐め腐る
刃物を振りかざし挙げ句の果てに刃物を抱えて泣きじゃくる
十八番に鈍感になっていたのは目撃している私であったのでした
「「宵闇や幽居標の彼岸花」」
ようやく賃貸の契約が切れる住居に
おさらばをする時がやってきて
ためらいもなく
月日は流れ私は故郷に帰ると告げた日初めて
私は強く手を握る事もしたことがないと気が付いた
ただ二人で同居していたような別れ
そのままの名前でめずらしく続いた菜々美は何故か
包丁をきれいな流れの川に埋めたと言った
何時に無く白い肌と正面からじっと見やる
黒めがちな眼差しに動けないまま
可憐で純真な少女を私は見ていた
死んでくれと
表情も変えずに菜々美は声が枯れる迄呟き声がでなくなると
荷造りの終わった部屋に残った新聞紙にペンで書きなぐり始めた
死んでくれから始まったはずが死ねに変わり
睡魔に侵された束の間私の首をありったけの力で締め
耳を小さな前歯で噛み
「アタイにとってアンタは全てだったのよアンタは私を憎む程に思っちゃいない」
「だからアンタからアタイと一緒に死んだり出来ないって言わせなくないのよ」
「包丁捨ててやったわアンタの為にアタイアンタの望む通りに生きてて欲しいから包丁捨てて生きてやるわ」
互いに落ち着いたら手紙を書く約束をし故郷の住所を交換しあった
海を隔てた住所に驚く事もなく今更別れを悲しむ事も無く
「アタイの名前は紺碧」
.....、_.
._ _、-/‘ ̄´~ ̄ ̄ ̄'(_ )
.、-// / ,___、,___、/´⌒'ヽ, _
/// /'' //...、 ) 丶 ヽ ( \
/// / _/´''' (_/ `ヽ_、 \. ヽ_、 丶
/' 、´、´ 、´ ,//(_/ (´⌒'ヽ ヽ. \ ヽ 丶、
./' |´ `ヽ_、 \ /⌒丶丶. ヽ.._.. 丶、
,, ._ 、 , ヽ、 丶 , ヽ ( 、 ヽ ;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
;;;;::::,,,,,,,く、.. _ノ)... (7、 ノ) ..《l、 .ノ)
;=≒=;=彡≒=;=≒;i〃≒;=≒=;=彡≒=;=≒;ミ≒;=≒=;=彡≒=;=≒;=ミ≒;=≒=;;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,.
ハ| i/v' `vlノ lソ'゙゙゙ ノi/ ソl/'゙;;;:::::::,;,;,,;,,.,,.,.,....
:::::::,,,. ";;;;:,;,;,,;,,.,,.,.,..........
「蟷螂嬉遊自縛」
「あん男は食い物だって言ってんでしょう?」
「ほうほう、んなこと言ってる割には蝶々みたいにおまえ、コ綺麗になりましたな」
何てこった何て欲深いのだろうと
再確認させられたのも突飛な覗きからで
買物がてら久しぶりに立ち寄った
女が勤めるネットカフェ
付き合い始めの舞い上がり妄想の程も漫ろにね
懐いた女の喜ぶ顔が見たいばっかりに
柄にも無く顔もスクラブ入り洗顔料にて丁寧に
洗い込み恥をかかせてはいけないと
万年スーツを脱ぎ捨てて季節感の装いなんて無頓着だが
ゴルチェのタートルで決め込んだが緑
俺は受付近くの隅の部屋 遅番出勤のはず
かの彼女の喜びの姿を見たいばっかりに
部屋を借り入れ潜んでいるわざわざ
馬鹿げているとは思うものの
全ては行動有るのみなんだから
「こないだの男は同級生、昨日スーパーで一緒にいた男は最近一緒にいるのが快適な男、関係ないのに、あんた何しにきたの?」
「生き生きしてんなあ、おまえ」
使い慣れないパソコンで見るWebページに
かの彼女の名前の欠片から似ている言い回しなどを
拾い上げてはにんまりしている様これこそ幻滅されても
見せたい最も恥ずかしく見苦しい
愛されるべき様態なのであると思うのだったが
盗み聞きしているうちにかの彼女を
この上なく嫌いになって美人そうな写りの
写真をくれたチャット相手に大好きだと送信してみたりした
同じく7枚目のウインドウの中にある掲示板には
唐突にかの彼女を褒め称える書き込みを行った
そして久しぶりにかかってきた同級生からの電話は
浮かれ声で結婚式の招待の電話だったが
電池切れにてぶっつり切れたかを装った
俺が作り出した自分勝手圏外
「あん男はまだ食えるだけまし、あんたなんか何の役にも立たないわ」
「このアマ、俺と付き合っていたとき買ってやった洋服とたまごっち返せ」
彼女の声と知らない男の声が絡み合って
届いてくるPM17:19:13
ライブチャットお試しのウインドウのおねいさんが
必要以上に笑っている最中
腕を両頬に近付けて少しずつ動かすリーリーリー
構えた手を両頬に近付けて少しずつ動かすリーリーリー
鎌を両頬に付けて少しずつ動かすリーリーリー
「そんなの捨てちゃったわ呆れた、あんたキモイよしつこいよこの際だから全部言ってやるセコイし
早いし馬鹿だし嫉妬深いしで不細工あんたといると低水準な生活しか保障されないし、みすぼらしい
格好させといて連れ歩くプライドなしでおまけに耳毛が生えてるなんてサイテー」
「で、相変わらず尻軽で口の悪さはわかったから何が望みなんだ?」
緑色の服が似合うねまるで蟷螂みたいでも素敵よ
だからもう少し延長してくれたらムムフと
先立つものはどっちにしろ金
ライブチャットのおねいさんにも好きですと言ってみる
けれど俺を傷つけようとも愛でようともしない即答
ありがとうにも好きと返してみる
嫌いというはずの無い画面にうんざりしつつ
かの彼女と男の会話もしっかり聞いている俺がいる
「私が好きなら金頂戴、プロテア買えるだけ買って眺めていたいだけ好きなら金を頂戴」
「ここの代金払って残金4000円しかないけどそれで買えるなら金やるよ、で、プロテアって何だ?」
ハヤシライス大盛りください
ハヤシライス大盛りください
ハヤシライス大盛りください
「花が欲しいの」
「じゃ付き合ってくれるよな?」
なら好きな奴に使って散財破綻したほうがマシだと思うものの
破滅的なこの俺が注文したハヤシライス
お待たせしましたと運んできたかの彼女の微笑みを
赤の他人である一お客の所にたかがハヤシライスを
運んできた笑顔とはいえあんまりにも可愛らしく穢れ無き
美しさだったもので何よりも腹が立ち
まっ茶色過ぎるほどまっ茶色なハヤシライスを
制服姿の彼女にぶちまけて俺は蟷螂らしく
この場で許しを乞うことよりも彼女に頭から食われる事を望んで
カメラの穴に背を向けた
「買ってきな、買ってこいよ、口なんて信用しないよ財布の中身全部私に使ってよ、使ってみろよ」
「わかった、じゃそれで付き合ってくれるんだな、わかった」
腕を両頬に近付けて少しずつ動かすリーリーリー
構えた手を両頬に近付けて少しずつ動かすリーリーリー
鎌を両頬に付けて少しずつ動かすリーリーリー
.......,,,,,,,,,,
.,.,.,,.,,;,,;,;,:;;;;;;
.......... .,.,.,,.,,;,,;,::::::,;
,,,,,,,...... ,,,,,,..... ,,,,,,..... .......,,,,,,,,,,
.,.,.,,.,,;,,;,;,:;;;;,,,,,,.....
ノ) く、.. (ヽ. 、l》... (ヽ 、7) ...(ヽ_ ..、く,,,,,,,::::;;;;,,,,,,.....
≒;=ミ≒;=≒=;=彡.,,;,,;,;,:;;;;=≒=;≒ミ=≒==≒彡=;=≒=;≒ミ;≒=;=≒彡=;=≒=;≒〃I;≒=;=≒彡=;=≒=;,,,,,,.....
~ゾ ハ|'゙;;; 丶lソ 丶Iヽ ゙゙゙'ソl ヽlv´ 'v丶i |ハ
.......,,,,,,,,,, ,,,,,,..... ..........,.,.,,.,,;,,;,;,:;;;"; .,,,:::::::
.......,,,,,,,,,,
.,.,.,,.,,;,,;,;,:;;;;;;
.......... .,.,.,,.,,;,,;,::::::,;
,,,,,,,...... ,,,,,,..... ,,,,,,..... .......,,,,,,,,,,
.,.,.,,.,,;,,;,;,:;;;;,,,,,,.....
「画家の末期的ともしびの回帰そしてそして」
消防車が恐い形が兎に角恐い 部分的に恐いのではなくバランスが恐いのだ
体内にある臓器の何かに似ていて 似てはいるけれど異なる残像だ
不確かで見えないからか
兎に角怖い消防車が怖い形がとにかく怖い
色を塗り替えて欲しい
そうひしひしと思う
出来れば深夜に消防署に忍び込んで
緑色に塗装してやりたい
本当にあれは駄目だ 駄目
駄目だと地団駄を踏みしめ 風に舞い散る消防署前の桜
丸裸になぁれ
夜ももれなくついてきて
鏡を覗き込むと血色の芳しくない 目ギロリ見開いたまま
只
そこにしんと燃え落ちる障子紙が
古びた湿気を舞い上がらせ ジリジリ煙を巻き上げていた
紙の虫食いと火の粉を掬い上げようとする けれど
鏡の前で掬えども煙を払い除けてみたところで
所詮背後で巻き起こっている火事で
赤や黄色の炎と思い込んでいたはずの火の手さえ
赤や黄色ではなかったのだと絶望し
緑と紫に燃え上がるものがはたして何の役に立つのだろう
ふとと思っていると
思う隙に紛れて小さな爆音がした
消滅に伴う悲鳴も無く 姿を変えてゆく様をたとえ見届けたとしても だ
姿を一時得てまたもとの姿に戻すのみの既に約束された 変化の一片にしか過ぎず
悲しむ事さえ愚かなり
て
て
て
天井をバチバチいわせ巻きあがる
熱風が首の付け根肩背筋を駆け抜けて
駆け巡り果てには
突き抜けてものの姿を有りのまま映すと言われて疑うこともせず
鏡を抱き締めて
依存して生きてきたのだったか
ね
ね
ね
カキャンと割れる鏡 見つめ返す火の手が撫でている反射の世には
そのまま平たい 炎が 姿が ひっそりと熱を失ってあった
はずだった わけだが しかししかし
色散々ばらばらのどこぞここぞ
世に生を受け
地獄画にしかならぬ
そ
ん
な
も
ん
だ
血色さえも身を空にして離れて離れて投げ捨てて
からではないと 眺められないと
いうものよ
だったのか
鹿の口まわり 瓢箪の口まわり ホースの先端
水が出てくるのがお似合いなのは何故だ
ライオンはきっと間違えているんだな
温泉にて見た風呂の中央にあった石か金属かで出来た
ライオンの口から出てくる水は間違いだ
あれは火が流れてくるか溶岩かが好ましいの に も
水の色と 水は
ライオンの口から流れ落ちる事を約束されたその瞬間に
配管の中きっと死んでいる
目に見えるごくごく僅かな変色を掴み取れないのが
人間なのかもわからない
昆虫にはわかる昆虫になってみればわかること
わかることなのだが
ライオンの口から流れ出た水には飛び込むはずもなく
虫 昆虫だった記憶に準えわかりもしない反芻を
今更昆虫だった不確かさなど何の役にたつというのであろうか
し
し
し
すぐ死ぬ
だから
突破口にて約束されるのは属性
分子の色などというべきものか
死の既約
消防車の消火ホースも同じ理由できっと恐いのかもしれず まさか
鏡よ鏡よ鏡さん
今目の前に映る生物はなぁに?
鏡はとっくに失った
膝下に破片の明るみで見上げている
けれど
そこに映る奇怪な重ね塗り肌色で血色を隠している生き物らしき瞳は
描いても描いても誰なのかが思い出せないものなのか
赤に塗り染めてみる黄色に塗り染めてみる
青に塗り染めてみる再び赤に塗り染めてみる
再び
そして我は炎上し灰になるまで喘ぎ
純白をさらす我を知らぬまま
他人の様を模写するかの如くに
我を知れぬままだ
心根などと心中さえも不確かなものの所在を確かにするのは実に愚かな行為だと
一刻一刻と絶え間なく変化して止まない己の心中なんぞ描き留めておいた所で
何の価値も無いことすら差し迫る死に水の出所から遠ざかり逃げ惑う心中と比べれば
目前の火に焼きただれながらも視界を失うまで描き続けた方がマシで安全だ
消防車消えろ失せろおまえになんか消されやしない視界から消えうせるまでその勘違いな赤色の
消防車の撒き散らす死に水を打ち消す程の炎を宿してやるのだから
絵にも言葉にも意味なんていらない
火事を描くとは
環境をも身の一部に連結させてしまうからで あって
あって ときとしてそれに失敗する
二の次にも生命の危機など微塵も感じる事もなく
嘘を見せられていたのだ
そう気を持ち直しても
皮膚の表面に上積みされたらしき何ものか得体の知れない
水疱が出来捲れ上がる痛みの蒸発が 充実満足の過ぎる
有り余る与えるより奪う恋に飽きた時分に舐めた苦瓜の舌触りに似ていて
あ
あ
あ
種を赤く塗り染め 土に埋め込みたくなったのだ
態様の大元に囲いも境界もしいては種さえも無意味と
薄められ平均に飼い馴らされて没してゆく
特異は絶滅に向かい生き延びられないはず希有な現存として
障子の燃え方は地味だ
地味な燃え方だった
山はたとえ目を授かったとしても山の燃え方は見届けられない目でしかなかったのだ
どうだろう私は成功するのだろうか
目はある
二個ある
確実にある
燃える瞬間を「私」が見届けて それをせっせと画用紙代わりの障子に
その一部始終を詳細に描き消滅する色彩の明度差まで
新しく発見した色を塗り込める
これが一番の関心事今一番の望みというべきか
息が苦しくなるのも息をしているからで
目が潰れたというのも見えている錯覚を過信するだけの愚かしさで
前髪を顎程までに伸ばして絵筆にするのと
顎髭の発達を待ちおてんとぅさまの黄色に染めてなぞるのと
どちらが適切かなどだぁれも教えちゃくれないんだ
カァンカァンカァン ウー
サ
イ
レ
ン
何処に向かって近づいてくるんだろう
膝を抱えている
この膝ははたしてサイレンによって
私の一部と確認されるのだろうか
耳口鼻は諦め
目だけは最後までシリシリ睡魔と巻き上がる熱風の中でもそれだけで生き
手と目が直接繋がっているだけの生物なら
動かぬ景色に色という色をぶちまけて
餓えた邪気ごとぶちまけて
烏の黒が最も黒になるまで撒き散らす固まりになるまで
アトミックレイになりたいもはや!!!!!
光の色気に紫の病魔が黒と教わった邪の混じりの中にこそある
純然たるかの喪失が嘘を見せていたのだ きっときっとな
白は白の中にない
こんな当たり前な事すら 生命体数億年分 生かされようの過程において
気付けなかったのかと 大雑把 によってこの瞬間を他愛の無いものにする
右目だけがごくごく自然に瞬きを繰り返す中
堕落しうなだれる燃えカスどもが火を噴いて
近づいてくる
接近している
赤い血は血の中になく血の中にあるものは
接近と密集いわば同質歓迎と異質排除の色で
見えるものの全てはとにかく
目で見えないというのに
咎めるものを憎み黒く染め上げる為
光つかまえて 血注ぎ
問えないままに
誰なんだろうと
右目だけがごくごく自然に瞬きを繰り返す中
それでも私は私を描く意志を捨てきれず
器から私をあぶり出し
とうとうと言語を失って失って
削いで
削いだその先ギリギリの私にはもう「私」しか描くものが無いのですと
意識が身の外に抉り取られるそれと引き替えに
対象不確かな祈りを覚えた矢先 色を失うと知る
しかしもう遅すぎました
〜内省のない内省〜
この状況を絵に描いたら火事なのでしょうが
世間は火を上げないだけでもっと卑しい炎に包まれて毎日火事
そちらをどうか真っ先に消火して欲しいと思う所までに到りましたが
もうお先真っ暗どころか全財産を焼き払って私をも半端に焼き燃やして
風景画なんて描きたくありません どうでも良くなりました
どういうわけか電話だけがけたたましく鳴り響いていて 火事とは無縁で腹が無性に立ち
「電話め黄色く塗っておけばよかった」
心からそう思い 冷や汗まみれで絵を描く夢から目覚める
昨日ゴミ収集所に捨てた画材と道具を奪い返しに
寝巻のまま
冷や汗を今度は撒き散らしてつっ走る午前四時過ぎ
隣の玄関に備え付けられているボックスから
ジョアを無断で
一本失敬
飲んだ後なんです
いわばジョアかっぱらいしか行動を起こせない朝でしょうが
絵に描いた希望と
そしてそして
消防車はジョアを飲んだ後でも嫌いです
描きたくもない
,'―:;;;;ノ)
</・ ....:::;;;;ヽ, .ノ)、
)`ヽ... '',,,レ./(^\ノ)'''
, ノ^ ヘ' ノ ヽ)ヽ\,\),,, ....,,
(ノ`/(/'' ノ ;;;;ヽ,,, ノ\)\`)\)、)ヽ,,
ノ(//`/,,/.... ヽ) ヽ)\)`\)ヽ)\,),....
,,(ノ/,,,/ノ (ノ'ヽ);;;; .....,,,, ) )ハ)ヽ),,,\)ヽ)ヽ)ヽ丿、,,,, ...
/ノ ,,/ / (/ノ'ヽ)、 ヽ、,,,;;;;;;;; 丿ヽ) (ノヽ)\)ヽ)\X)\)ヽ)
ノ(/,/,,/(乂,,/(/(ノ')丿ミヽ(/,,,丿ハ) ノ ,, )丿`\)''' 丿
(ノ,(/(/'''' , ,(丿丿ハ\ヽ, (ノヽ)\)
,/,,/(乂丿 (ノリ\,,)ヽ,,,\)'' )ノ
(/'''' (ノ(,ノ\ヽノ\\)',,,
丶..ノ,,,\....\,,..\)\)
''⌒'' '⌒'⌒''⌒'^
248 :
名前はいらない:2006/06/14(水) 19:38:42 ID:dcrx0n/h
地下スレ撲滅運動
ぺこり
「騒音」byストーンフリー
森の中央を突破する為 周囲の木を薙ぎ倒す
スネにキズを持つ者よ 正当化するなかれ
お前が何者であろうとも 真実は変わらない
ただ時が変化させただけ その真ん中にあるのは不変の法則
獣が泣き喚こうが赤子が泣き叫ぼうが お前の耳はロバの耳
何を見聞しようともその眼は黒いだけ お前は裸の王様たれ
木馬にすら戦い挑むか ドンキホーテさながらに
コップの水はただの水 奇跡を起こせぬお前では
スネにキズを持つ者よ 他者を魅了する道化者たらん
ぺこぺこり
「騒音」つづき
我は片腹痛めて眺めようぞ 杯に我が液を貯めて
そらお前にくれてやろうぞ 返杯はそなたの血じゃ
ああ プロージットと鐘がなる
お前のために一番鶏が歓喜に鳴くぞ コッケイ コッケイ
お前のために風見鶏を鳴かせてやろう ケッコウ ケッコウ
何も気づかぬお前のために こんなにも周囲は騒がしい
「君を称えんがため騒ぐにあらず」
かの嘆きが届かぬのも無理なきことじゃ
「抱擁」
あなたはグスタフ
あなたはとグスタフ
きおくのグスタフ
かんじない
よじりねじりからみつよく
ねばりはりつくとけてゆく
きざむきざしはじめもなく
きんばくはがれはがれがれ
かんじないよ
よじってはねじりはりつく
きんぱくはがれはがれがれ
きざむきざしうすらぐらい
グスタフグスタフかれたほうよう
【夜蝉の鳴き殻】
液晶の陽だまりに
寄り添うように 残された
同胞(ハラカラ)求めて鳴く 夜蝉の
血の色にも似た 柘榴石
そっと 唇でなぞる先の
亡骸
【川縁にヤドリギと言ふ己の心に意味はなく】
過ぎ去りし刻を重ねて 現つが在るのなら
過ぎ去り刻を失いし者は 現つを生きてはいないのでしょうか
其れは肉に宿るのか 血に宿るのか 魂に宿るのか
一つ積んでは 父の為
二つ積んでは 母の為
三つ積んでは 壊され 焦がるるるるる るる るるなり哉
咎深き者 流るる彼の地は 賽の河原
罪 詰み 積んで
此処は 理屈ばかりの善を成せと謀り囁く鬼の棲
六道全てが咲き誇る
ゴキリと頭蓋の軋む音
映し世に産まれ堕ちては
記憶剥がれ落ち 途切れ終わりぬる
世界は祝々と宣い 始まると言ふ
籠女 籠女 過去の鳥
乳飲み子の時分に聞ひた
年々コロリと 子守唄
忘却の彼方へ真白に染まり
新たな生への夢を見よ
記憶されぬ記憶
滲む世界の真ん中に……
何処までが現し世で 何処までが虚し世
絡 絡 と廻る命の風車
一つ摘んでは 父の為
二つ摘んでは 母の為
三つ摘んでは 焦がれ 恋がるるるるる るる るるなり哉
業深き故 流るる此の血が 賽の河原
黒耀石の滑らかさに似たる
るると流るる 川の律べ
言霊の行方 言ノ葉に重ね 水鏡に託す
己を個でなく 全と刻む術 持たぬと不知火
心を散らせずとも 弛たう魂は繋がり 意図綴る也
意味など求めてはならぬ されど 無意味な物など存はせぬ
そこに転がる石ころ一つさへ
膨大な記憶刻みし記録装置
生ある物の記憶を喰らひ
其の血に依りて 私は今 此の地に立つている
マン・グローヴの一本たる我が身にヂクヂクと
刻まれし想ひは水に融け
因果の雨情は滴となりて
アカシアの木に宿る
やがて原子へ砕かれて 再び原始に還りぬる
人は それらの欠片を脈絡なく繋ぎ 都合良く捻曲げ幻視せり
擦れて劣化
記号と化す想ひ
めしいたこの眼が映す 白か黒
矛盾続ける世界の果てで……
始まりは何処 終わるは何処
嗚呼 繰 繰 と今が巡りぬる
中庸
そう メビウスの輪の如く
連綿と続く 曖昧さこそが
真実
そして 私は 嘘を生きたる盲者也と
【Nirvana】
やがて 先に見える景色
世界の混沌と
幸せ望む幾億の星と
憎しみ放つ幾千の閃光と
限られた秩序と
transiency
紅蓮の恋情
夜を越え 朝を貫き 昼に瞬いて
再び夜へと向かう命
全てが無に向かう意識
群青の連環
面影は 深淵に似る花だ
広がる空 消えゆく宙
infinity
無情で繋がる 道化と死神
kill符で綴る 浄化の理 と嘯く
破滅と希望は等価だとか
言葉や思いに重力があるだとか
欺くことに長けた者が賢者だとか
無常こそが真理だとか
lie&saint
そして蒔かれた種子は
血と夢の間に間に咲く
刹那の情華
その名は Lotus
258 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/10/27(金) 23:45:49 ID:76yf2XMn
>>253 >【川縁にヤドリギと言ふ己の心に意味はなく】
記憶について
この詩とても好きだな
下げておくのがもったいない
実は梁山泊に投稿されてたこの詩ひそかに読んでいてその時からいいなと思っていた
評書きたかった中の一つだったんだけどばたばたせわしない日常におい回されていて
書けなかったのな
俺は読み書きが好きなだけでここにいるだけなんだなってふと物思いに耽ってここを見た
いいなと又思った
理由はわからないけれど
―――――――――――――――――――――――――
何時の間にか此処に素敵な詩が沢山舞い込んできているね
「あなたの空」
きっと此処にひっそりと沈めておきたいのだうかと思ったけれど
上げてやりたい気持だ
行き場のない投稿や完成品はこちらを気軽に使ってくださると俺も読む楽しみが増える
259 :
まんこ将軍 ◆UQRl.WeFEk :2006/10/28(土) 00:03:45 ID:XialR4ke
>>259 純粋なる
こころもちままに吐かれのものだけに動くこころかな
ありかなど到底しりえぬけれど
其れも邪悪とたわむよはくふさぎけり
やはりかくべしなのだ
『緋連雀戯れ泥濘分ち』
通り馴れぬ道の初冬
河川沿いの行き来は肌馴れぬぎこち無さの様
小石が目白に挟まった靴裏を見たついで
裸足で歩みを取り何処へとも着かぬ足取りで
頑固雑草の餌食になりもし衣服など邪魔と痛感しながらの帰路
手紙を宛てもなく
かの鳥に向けてしたためる
息で染めた紙を先程さらって行ったあれは
緋連雀だったか
背中を向けけり発ってゆく
期同じく逢瀬の約束を取り交わしたものの矢先に芒こまねく
不意の雨
渡る鳥囮籠見付けては季節外れな罠仕掛けに驚きもせずこれみよがしに掛り戯れる
不意の二羽
橋の袂に刈り取られた稲穂が逆に干されているそれさえも二羽に二人に見えますが故
故意の離れ離れ
262 :
まんこ将軍 ◆UQRl.WeFEk :2006/10/28(土) 00:11:32 ID:XialR4ke
>>260 なんかさ、バイオリズムっちゅうのがあるみたいでね。
最近また色々書きたくなってきた。
真面目なのは書かないかもですがとにかく文字を書きまくりたい気分。
まっしいろいまっしろな泥に包まれて
身の重を落とし眠り眠りに緩んだ頬
窓に見えるはかの鳥の毛づくろい
壁には筍の透かし彫りを重ねた円筒の照明が左右に
翳の羽を広げて日を遮る布から洩れる
真っ逆さまに
月日は流れて記憶とならば
急降下白泥窪んだ中皺捩り凝固せずただ重みに揺れ沈む
飽くる迄繰り返し辿っても反り返るそして一時沈み溶けるその白泥へと
飽くるまで沈み倒してしまおうかと寝息の直下で指を這わせその指
人指し指と中指よりも生見の薄い弧を辿っている
すると指から延びゆく影らしき黒さが何処までも何処までも
指の動きに付いてくるのに気をとられ眠気よりも優った
飽くるまで白い泥にのたうち回った後飽くる程
しろぉぅい
まっしいろい
泥から飛びたつ時日に打ち消された壁
映る翳の羽を残骸を見付けては
離れがたく離れがたく
「飽々したんやけどなあっかんわもいっかい仰向けになってくれへんか」
泥分ち泥となし囮籠滴る銀針で死する迄
飽くるまで身半分景色に遠野く泥飽くるまで
風切羽を休め
かの鳥の渡来を眺めては白く染まる水平線
馴れぬ通い道を歩んでおります帰り道
如何お過ごしでしょうかと何を見ても思う
あなたは泥だ
後書き『緋連雀戯れ泥濘分ち』
(分ちは送り仮名「か」をわざと抜いた)
これ最近書いた中で一番お気に入り
265 :
まんこ将軍 ◆UQRl.WeFEk :2006/10/28(土) 00:14:31 ID:XialR4ke
割り込んじゃったよ。
>258 竹輪さんありがとうございます。
自由に、遠慮なく使わせて戴いてます。^^
記憶についての詩、反応はいまいちでしたが、一人でもそう言って戴ける方が居ると言うだけで、ええ、幸せなことです。(〃д〃)
これからも、利用させて頂きます。
... ,,,,,,
....___ .i.i.i.i.i.! ;;;;i.i.ll...
,,,,,_ ...,,;;;;;;;;;,;, ./i.i.i.i.i.i.;; .i.i.i.i.i.i.!
i.i.i.i.ii.! ...;;;;i.i.i.i.!゚ _;i.i.i.i.i.i.! ..li.i.i.i.i.i.! ....,,,
i.i.i.i.i..;;;; ...i.i.i.i.i.i.;;゜ ...i.i.i.i.i.i. i.i.i.i..i.i.! ..;i.i.i.
i.i.i.i.i.i.;;;; ,,;;;;i.i.ii.i..゚ i.i.i.i.i.i.i.!゚ ...;i.i.i.i.i.i. i.i.i.i.ii.
i.i.i.i.i.i.;;;;; .;;;;;i.i..i.ii.!゚ _i.i.i.i.i.i.i.! ..;;;;i.i.i.i.i.!. i.i.i.i.i.!
i.i.i.i.i.l..;;;; ,,i.i.i.i.i.i.ii.!゜ .;i..i.i.i.i.i.i.i.゜... i.i.i.i.i..i.! i.i.i.i.i.;;..
i.i.i.i.i..i.l゜ _.lli.i.i.i.i.i.i.i.!゜ _i.i.i.i.i.i.i.i.i.!゚ .i.i.ii.ii.i.i.!.li.i.i.i.i.i.!
i.i.i.i.ii.i.i ,;;;;;;;;ll;;;;i.i..i.゚ i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.;;....i.i.i.i.i.i.i.!,,i.i.i.i.i.i.i.i...゜
i.i.i.i.i.i.i.i.;ヽ_ ;;;;i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i...!;;;;i.i.i.i.i.ii.i.i.i.l゚...i.i.i.i.i.i.i.i.,,i.i.i.i.ii..i.!...........
i.i.i.i.i.i.i..i.i.i.;;;;l."lll,,,:l;;;;i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i..i.i.i.i.i.i.i..i.i.!i.i.i.i.!......................
i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.;;i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i..i.i.ii.ll;;;.i.i.i.i.i.i.i.........
268 :
メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 :2006/12/06(水) 23:21:41 ID:STQ5zUoS
足早に通り過ぎる白百合を抱えた少女
平凡な毎日
鈍痛を覚える繰り返しの路頭を横切る
声も音も無い路地に場違いなリリー
信号は青の光を放ち 魔の手となり
少女の頬 指先を染める
眉間に抜けた睫程の皺を寄せ
百合の花に青の光が当たるのを避けてリリー
「大切な人がいないなら地上はいらない」
聞きわけの無い輪郭 ブレーキの効かない風
ぱつんと一瞬にして弾ける百合の蕾
今宵街並みは鈴なりに丸い光を宿して
音も無く空中に身を委ね白い
リリー影を引く筈の地上はコンクリト
一瞬空耳のようにこだました一言
人混みざわめきに重力を呼び覚ます
「影を引き殺さないでねお願い」
赤く染まらないまま弾け飛ぶリリー
横断歩道よりも高く飛んでリリー
青弾き飛ばして空を作るリリー
足早に通り過ぎる白百合を抱えた僕は
平凡な毎日
鈍痛を麻痺させ繰り返しの路頭を横切る
やかましい路地に場違いな“リリー”を
「太陽と破綻と理由と白い百合と」
【羅列回し】<無限増殖中>
堕天する刹那のほんの僅かな空白部分に存在しえたかもしれない空に穴穿つターニングポイント
その多点の中に有る或る特異点を除いて芯に立つべき者の心の内を
「優しく残酷に私を殺して」と唄う御使いに濁点で以て打電したいと望んだ聖処女の歓びと哀しみを含んだ酸性の燐雨で
不抜けた脳天を撃ち貫く為のフリージングポイントを必死で探すことを性として科せられた咎人の足元に広がる曇天の下佇む斉天大聖で在りたいと
死の月桂を冠し霹靂の楔と寒薔薇の縛鎖に囚われた夢見るほぼ猿人の大器は晩成と嘯く両腕に枷はめた預言者が纏う四つの祈りと四つの季節
その円環する大気の中に点在する窒素に準ずる曖昧なる成分が重力から自由に脱出する為の力として
期待開発され待機中であった機械H2型エンジンを乗せたロケットの機体を本来の意味と伴に失速させる機会を
永遠に失ったと告げる窒息寸前の鵠から与えられた夜の翼で夢幻宇宙を翔びまわる不覚醒の鵺によって描かれる冷たい五線譜の上に生まれた小さな燈が内に包む淋しさは
報われない哀しさ持て余す餓えることを知らない椋鳥達に紛いものの愛を灯す故に定まらない彼方を示す羅針の意志のようであり
また孤独という毒虫が気紛れに塗り絵する際の手付かずの画材紙を黒々と溶解していく純粋さと裸身の声にそっと寄り添い週末の空を悠々と駆けゆく夢喰いの獏の姿は
まるで砂鯨のバタフライの如くに流れるあの雲だと北天の海原を眺めながら囁く蒙昧なる紋黄蝶が久遠な色した魂をその身に宿し奏で
ハレルヤと叫び鳴いて飛び込む先に待っているであろう銀絲巣の主たる女郎蜘蛛に唆され連れ合い亡くした虹蛇が閉ざされた檻の底から見上げた地面へ
無限に昇りゆく南天の実にも似た涙の雫に惹かれ集まる優しさもまた欺瞞に満ち溢れた偽りの月へと誘われる狂気のようだと呟いて人知れず贖罪することをも拒んだ愚者の砕け散っていく様は
例えようもなく滑稽でありそして憐れであると考えるに到った偽善者を嘲笑う惰性と蛇足に捕われた善人と干渉しない事を選択した偽悪を尊ぶ諦観者達の双眸には
決して写りえぬ深く晴れた日のお陽様みたいな光のフレア放つ花々が螺旋を描いて春へざわざわと増殖を開始する幻想の中で
上昇と下降を繰り返しまた狭間に於いて浮遊し回転し続ける綿毛のように趣旨を運び
それでも尚命題を前に萎縮していく自己が嫌ならば運命や宿命と言った因果律の調べに飾られた詞の代わりに
未来へ捧げるに足る歌を探しなさいと諭してくれたあの人の背中に今はもう羽根は見えなくて
ただ嘆き呻いた夏の終わり湖畔の淵に愛しく咲いた曼陀羅華の胎児が大人の事情累ねた二乗の底に広がるアシンメトリーな世界を小さな小さな両肩に垣間見て
いっそ盲目であったなら良かったと秋に瞬き冬を越え回天する夜にまた切なくも笑って堕天する
躓いてとっさに掴んだのは
棘を成す有刺鉄線だった
小さな両手に滲む鮮血…痛いよ
掴まなければ良かった
前を見て歩きなさいと注意されて
それでも空ばかり見ていたから
足元を取られてぬかるんだ道
転んだ先に突き刺さる痛み
ここから先には入って来ては駄目だと
錆びた色で警告していたのに
幼いとは愚かで
限界を知らないから
無我夢中で走り続けた
目の前の鉄格子にも気づかずに
有刺鉄線を掴んだ
君の手は痛ましくて
仰け反る背中
声を上げて泣けるのが羨ましかった
有刺鉄線を飛び越えて
いつの日か君は大きくなった
ありふれた日常の中で
輝き出して止まらなくなった
【葉蟲の景色】
夜と言う現象は、誰の上にも平等に訪れる
ただ、人はそこに様々な感傷を持ち込むだけ
けれども、そんな理屈に関係なく
やはり、暗がりに身を置く不安と一人きりの静けさは、
何とは無しに心を騒つかせ、かき乱すのです
その“ゾワ ザワ”と蠢き出す『ナニカ』は、
ありきたりの“切なさ”や“空しさ”、“苛立ち”とでも呼んでみれば、善いのでしょうか
わたくしには、よく判りません
しかしながら、わたくしは
そんな感傷を避けるかのように
ついTVのスイッチへと、手を伸ばしてしまう
興味もない、きょうの天気予報
名も知らない、アーティストと呼ばれる人々のTalk集番組
不釣り合いな歌と文字だけが延々と流れる、ニュース報道
大袈裟なリアクションと吹き替えの違和感だけがやけに印象に残る 異邦のテレビショッピング
それら、一通りをザッピング
然るに、それらは雑多な情報の一つとして
視界に、映像は入れども意識は“そこ”にはなく
かと言って、ひどく思い悩む程の『ナニカ』に
苛まれている と言う訳ではないのです
蚕が、桑の葉を喰むが如く
怠惰な刻を 貪り過ごすのです
>>273【続き】
静けさは 更に深まり
部屋の隅々に停滞した暗い染みが、俄かに 呼吸をし始めます
こうして、TV画面が砂嵐にかわる頃
格子に区切られた世界の住人たる我が身を中心に、楕円を描くかの如く
世界は、夜に呑み込まれてゆきます
そんな退屈紛れに、暗闇に開く携帯は
眩しくも、ほんのりと温かく見え
また、黒真珠の光沢を思わせる螺鈿細工の言の葉たちが、
わたくしの繭の、一本一本を
一つ、また一つと、解きほぐし誘(イザナ)うのです
その細く、艶やかなる絹糸を辿りゆき
光の向こうに広がる、無機質な世界の自由
そして、僅かばかりの熱と繋がり求め
刻が経つのも忘れ、魅入ってしまう
その様は、あたかも水銀灯に惹かれ、焼かれては落ちゆく
羽虫のようで、ございます
気が付けば、あたりはふつふつと白みだし
カーテンの無い窓枠から射し込む光は
束となり、両の眼(マナコ)をも貫き
眼窩に鈍い痛みを与えます
やがて、まだ冷たさ残る外気を裂いて
伝わってくる町の鼓動は
穏やかに、わたくしの鼓膜を震わせ、撫で囁きます
それら生命(イノチ)の騒めきを見届けると、
自らの存在を確認するかの如く
残り少ない煙草に火を灯し、不味い煙で気持ちを充たすと
燻り続けるマッチの炎を見つめ、安心するのです
そうして、夜の儀式を終え
『ナニカ』から解放された、わたくしは
嗚呼、再び小さな卵へ戻りゆけるのだ
などと、苦笑いをこぼし
眠りに就くのでございます。
絡まった有刺鉄線が
過去と現在を決別させ
弱った視力で向こう側を覗く
末来はあった気がしたけど
誰かがお金に変えてしまい
草だけが生い茂っている
そっと触れた指先が
赤錆の浮く針金に裂ける
滴った赤錆が
夕暮れ時に溶ける
あげぇ
277 :
ローカルルール変更議論中@自治スレ:2008/09/11(木) 05:35:06 ID:xKHGvXT0
絡まる音
(1/2)
【Hello my friend】
三日月の嗤う空に 夜が静かに歌う
夏の終わりゆく その時を
虫の音は憂いを帯びて どこか遠く
ゆるり 此方から彼方へと
風は柔らかく ひゅるんとすり抜けて
僕を置き去りにしていった
ハロー マイ フレンド
きっと 君は言うだろう
僕たちは ずっと昔に分かたれた双子のようにどこか似ているね
朝が来て 夜が来て
朝が来て 夜が来て
朝が来て 夜が来て
その次の日も
朝が来て 夜が来て
やがて 冬が来る
時折見せる翳りのような ふっと見過ごしては胸に残る
たぶん僕たちは 夏でもなく冬でもなく
誰の中にもある 消失点
ごくありふれた日常の ほんの些細な寂しさなんだ
僕は 君 なんだよ
(2/2)
ハロー マイ フレンド
きっと 僕は言うだろう
どんなに似てはいても やはり同じじゃないのさ
秋が去り 冬が来て
冬が去り 春が来て
春が去り 夏が来て
その次の朝には
夏が去り 秋が来て
やがて 冬は来る
けれど 全く同じ朝が巡り来ることがないように
同じ寂しさなんて 何処にもないのさ
たぶん僕たちは 今を認識したくないだけの臆病者で
独りでもなく写し身でもなく
似ている匂いを嗅いで安心したい ただそれだけ
それは温もり求めて身を寄せあう 落ち葉の裏の天道虫
そんな程度の存在なのさ
僕らは 一人 なんだよ
だけど 不安になることなんてないんだ
例え いつか離れて行ってしまったとしても
決して忘れてしまうことはしないから
もし君が 月に嗤われ孤独を感じ
僕のことも見失ってしまっていたとしたなら
手を振りあげ きっと 僕はこう言うよ
ハロー マイ フレンド
「久しぶり。」
(1/2)
【Hello my friends】
ぽっかり空いた満月が 切なさを連れてくる
秋の始まりと 過ぎゆく季節に
儚さを絡めとりて囁く 生命の音色
奏で 揺らいで弾けよと
風は愛しく するりこの胸をつき貫けて
僕を置き去りにしていった
ハロー マイ フレンド
きっと 僕たちは本当の孤独なんて知らない
未来に期待などしていないと言いながら 必ず明日は在ると心のどこかで盲信している
朝が来て 夜が来て
朝が来て 夜が来て
朝が来て 夜が来て
また次の日も
朝が来て 夜が来て
やがて 冬が来る
怠惰な時を重ねながら 失い続けてく昨日を恨めしく語っているだけなのさ
何もしてこなかった自らを 誰よりもよく知っているはずなのに
たぶん僕たちは 裏でもなく表でもなく
ましてや 中身と呼べるものさえありはしない
ズレを感じるほどに 歪んでしまった足場
ただ真っすぐに立つことも出来ず 子供のようにしゃがみ込んでいるんだ
誰かが紡いだ明日に 依り掛かって
(2/2)
ハロー マイ フレンド
きっと 僕も歪な伽藍堂なのさ
言葉を纏って それらしく振る舞っているだけなんだ
秋が去り 冬が来て
冬が去り 春が来て
春が去り 夏が来て
そして次の瞬間には
夏が駆け足で過ぎ去り 真っ白な画面に己を重ね視て
やがて 沈黙する
けれど そんな自分を否定し続ける君がいるのなら
心はまだ そこ にある
省みて変わりたいと願う 心が そこにあるはずさ
たぶん 僕の中にも
決して 空っぽ なわけじゃない
考えることを止めてしまっているだけなんだ
日々 再生され入れ替わる細胞
そう僕たちは 死ぬまで新しい自分を生きていく
そんな僕らが 今日 に何かを残せるとしたなら
それはきっと『 』なんだ
だけど 焦る必要なんてどこにもないのさ
僕も まだまだ時間がかかりそうだよ
それでも尚 こんな僕を必要としてくれるなら
いつでも僕の伽藍堂へおいで
行き場をなくした想いがあるなら預けてくれれば好い
スペースなら まだ充分空いている
隙間だらけさ
もし君が ぽっかり空いた穴に耐えきれず
一人で立っていられなくなってたとしたなら
手を差し出し きっと 僕はこう言うよ
ハロー マイ フレンド
「ハジメマシテ。」
誰かが、「もう秋ですね。」なんて
そう呟いた瞬間に、きっと夏は終わってゆくのでしょう。
嗚呼あああぁー、脳みそが有刺鉄線巻かれたように、ギリギリ うにうに してる。
うぁー、何だかなぁー。
微妙に憂欝。詩情は淡泊。非常に退屈。
してる。してら。してりゅるるるー。(T_T)
リーリーリー♪リーリーリー♪
ようし、決戦!なんて予定も全くなく。
撃沈。
それって
穴掘りで突破