あ、分かった。

29ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY
「白馬と王子さま」


同じぐらい好きだったのなら、先に肌合わせた男に情が行くって
しょうがねえな、女の子って生き物は
なってねえな、おれってまったく、白馬に乗り損ねた王子さまで
自分の尻にムチくれて、ひるむ自分にムチくれて、
ようやく跨いだ彼女の敷居
あ、お先にお邪魔してますよ
おやまあ、お幸せに
白馬に乗った王子さまたちがうようよ湧いて行列をつくる夏だから
この街の夏はもう終わりかけていて
次に打つ手が見つからなくて
ひとりでも人の字はつくれます
と、ショーウィンドウの前を大股で歩く。