あ、分かった。

13ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY
「破片」


身体からガラスの破片が出てきた
いつの頃のものだろう

割れたワインの瓶

おれがひっくり返して
きみがもったいなあー
と言った
花火の夜
真上にあがって降ってくる火の粉と炸裂音
痺れて立った産毛
きみの手を握っていた
映画館の座席

悔いは雪だるま式に転がり続けて、
後ろめたさを女々しさで覆った
同情を買わせる手練手管

結末はない。
中断があるだけ。
再開しないだけ。
破片が埋まっているだけ。